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特表2024-5012474-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン誘導体およびその塩
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン誘導体およびその塩
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20231228BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20231228BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20231228BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20231228BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20231228BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20231228BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20231228BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20231228BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20231228BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
C07D471/04 107E
C07D471/04 CSP
A61P37/06
A61K31/437
A61P17/00
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P21/04
A61P27/02
A61P25/00
A61P7/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537962
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 US2021064800
(87)【国際公開番号】W WO2022140511
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】63/130,010
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/245,288
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】500034653
【氏名又は名称】ジェンザイム・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】カトリーヌ・アラベーレ
(72)【発明者】
【氏名】パトリシア・モリナー
(72)【発明者】
【氏名】サビーヌ・ボワナール
(72)【発明者】
【氏名】ダミアン・サッラベリー
(72)【発明者】
【氏名】セルジュ・ペラード
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン・ロイ
【テーマコード(参考)】
4C065
4C086
【Fターム(参考)】
4C065AA05
4C065BB06
4C065CC01
4C065DD03
4C065EE02
4C065HH01
4C065JJ07
4C065KK09
4C065LL04
4C065PP03
4C065PP13
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086CB05
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA34
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA33
4C086ZA55
4C086ZA94
4C086ZA96
4C086ZB15
(57)【要約】
本開示は、アゴニストおよびアンタゴニストとして使用するための、4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンの変種または誘導体、およびその塩に関する。本開示は、さらに、組成物、製造方法、および処置方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Ia:
【化1】
の化合物またはその塩。
【請求項2】
化合物またはその塩は約90%の純度である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
化合物またはその塩は約95%の純度である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
化合物またはその塩は約98%の純度である、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
式Ib:
【化2】
の化合物またはその塩であって、約90%の純度である、化合物またはその塩。
【請求項6】
化合物またはその塩は約95%の純度である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
化合物またはその塩は約98%の純度である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
化合物またはその塩は約99%の純度である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
式II
【化3】
の化合物またはその塩であって、約99.6%の純度である、化合物またはその塩。
【請求項10】
化合物は、
【化4】
またはその塩であり、化合物またはその塩は、約90%の純度である、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
式IIaの化合物またはその塩は約95%の純度である、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
式IIaの化合物またはその塩は約98%の純度である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
化合物は、
【化5】
またはその塩であり、化合物またはその塩は約90%の純度である、請求項9に記載の化合物。
【請求項14】
式IIbの化合物またはその塩は約95%の純度である、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
式IIbの化合物またはその塩は約98%の純度である、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
薬学的に許容される賦形剤と、
【化6】
から選択される少なくとも1つの化合物またはその塩とを含む組成物。
【請求項17】
少なくとも1つの化合物またはその塩は有効量で存在する、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
少なくとも1つの化合物は、式Iaの化合物またはその塩である、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
式Iaの化合物またはその塩は少なくとも約98%の純度である、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
少なくとも1つの化合物は、式Ibの化合物またはその塩である、請求項16に記載の組成物。
【請求項21】
式Ibの化合物またはその塩は、少なくとも約99%の純度である、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
カプセル剤、錠剤、または丸剤の形態である、請求項16~21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
式Ia
【化7】
の化合物またはその塩の製造方法であって、
式VIa
【化8】
の化合物を塩化アクリロイルと反応させることを含む、方法。
【請求項24】
酸系での脱保護により、式IX
【化9】
の化合物から式VIaの化合物を製造することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
式Ib
【化10】
の化合物またはその塩の製造方法であって、
式VIb
【化11】
の化合物を塩化アクリロイルと反応させることを含む、方法。
【請求項26】
酸系での脱保護により、式VII
【化12】
の化合物から式VIbの化合物を製造することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
塩基を使用する脱保護により、式VIII
【化13】
の化合物から式VIIの化合物を製造することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボキシレートを用いて、式IX
【化14】
の化合物から式VIIIの化合物を製造することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
アゾジカルボキシレートは、ジエチルアゾジカルボキシレートおよびジイソプロピルアゾジカルボキシレートから選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
アゾジカルボキシレートは、ジイソプロピルアゾジカルボキシレートである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
自己免疫障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効量の式Ia、式Ib、式IIおよび式III
【化15】
の化合物から選択される化合物またはその塩を投与することを含む、方法。
【請求項32】
自己免疫障害は、狼瘡、尋常性天疱瘡、重症筋無力症、シェーグレン症候群、ドライアイ、多発性硬化症、ウェゲナー肉芽腫症、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、多発血管炎性肉芽腫症および関節リウマチからなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
自己免疫障害は、狼瘡または関節リウマチである、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
自己免疫障害を処置するための、有効量の
【化16】
から選択される少なくとも1つの化合物またはその塩を含む、処置を必要とする患者を処置するための医薬として使用するための組成物。
【請求項35】
自己免疫障害は、狼瘡、尋常性天疱瘡、重症筋無力症、シェーグレン症候群、ドライアイ、多発性硬化症、ウェゲナー肉芽腫症、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、多発血管炎性肉芽腫症および関節リウマチからなる群から選択される、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
自己免疫障害は、狼瘡または関節リウマチである、請求項34に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年12月23日に出願された米国仮出願第63/130,010号および2021年9月17日に出願された米国仮出願第63/245,288号の優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、アゴニストおよびアンタゴニストとして使用するための、4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンの変種または誘導体、ならびにその塩に関する。本開示は、さらに、医薬組成物、製造方法、および処置方法に関する。
【背景技術】
【0003】
低分子薬物は、様々な疾患および状態に有用であることが分かっている。生物学的反応を遮断または減衰させることでアンタゴニストとして作用するものがある。生物学的反応を活性化することによりアゴニストとして作用するものがある。その両方として機能し得るものがある。
【0004】
多くの低分子薬物が知られている一方で、新規な種々の治療薬が求められている。例えば、National Center for Complementary and Integrative Healthによると、米国内の約400,000人を含む全世界の約2,500,000人が多発性硬化症(「MS」)を患っている。MSの処置には利用可能ないくつかの薬があるが、全ての人が利用可能な薬物療法にうまく反応するわけではない。ニーズが存在する他の疾患や状態の例としては、狼瘡、尋常性天疱瘡、重症筋無力症、シェーグレン症候群、ドライアイ、多発性硬化症、ウェゲナー肉芽腫症、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、多発血管炎性肉芽腫症や関節リウマチなどの自己免疫障害が挙げられる。
【0005】
本開示は、チロシンキナーゼ阻害剤、特にブルトン型チロシンキナーゼ(「BTK」)阻害剤であり、したがって、がん、自己免疫疾患、炎症性疾患、および血栓塞栓症などの疾患の処置に有用である化合物を提供する。また、そのような化合物を含有する医薬組成物およびそのような化合物を製造するための方法も提供される。
【0006】
BTKは、Tecファミリーの非受容体型チロシンキナーゼの1つのメンバーであり、B細胞受容体からの下流のB細胞のシグナル伝達に必須である。BTKは、B細胞、ならびに単球、マクロファージ、および肥満細胞などの他の造血細胞で発現している。BTKは、B細胞のレパートリーを維持するB細胞機能の様々な局面で機能する(非特許文献1を参照されたい)。B細胞は、関節リウマチ(非特許文献2、非特許文献3および非特許文献4を参照されたい)、全身性エリテマトーデスなどの他の自己免疫疾患、ならびにがん(非特許文献5、非特許文献6、および非特許文献7を参照されたい)において役割を担っている。
【0007】
また、BTK阻害剤にはアレルギー疾患の処置の可能性がある(非特許文献4)。不可逆的阻害剤は、マウスのIgE抗原複合体によって誘発される受動的皮膚アナフィラキシー(PCA)を抑制することが指摘されている。これらの知見は、BTK変異肥満細胞およびノックアウトマウスで認められた知見と一致し、BTK阻害剤が気道のIgE依存性アレルギー疾患である喘息の処置に有用である可能性を示唆している。
【0008】
したがって、BTKを阻害する化合物は、自己免疫疾患、炎症性疾患、およびがんのような疾患の処置に有用であると考えられる。
【0009】
意外にも、ある種の4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン誘導体が、上記に挙げた疾患および障害を含む多くの疾患および障害に関与する多数の受容体のアゴニスト、アンタゴニストまたはその両方として機能することが発見された。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Gauld S.B.ら、B cell antigen receptor signaling:roles in cell development and disease.Science、296:1641~2.2002
【非特許文献2】Perosa F.ら、CD20-depleting therapy in autoimmune diseases:from basic research to the clinic.J Intern Med.267:260~77.2010
【非特許文献3】Dorner Tら、Targeting B cells in immune-mediated inflammatory disease:a comprehensive review of mechanisms of action and identification of biomarkers.Pharmacol Ther.125:464~75.2010
【非特許文献4】Honigberg,L.ら、The selective BTK inhibitor PCI-32765 blocks B cell and mast cell activation and prevents mouse collagen-induced arthritis.Clin.Immunol.127 S1:S111.2008
【非特許文献5】Shlomchik M.J.ら、The role of B cells in lpr/lpr-induced autoimmunity.J.Exp Med.180:1295~1306.1994
【非特許文献6】Honigberg L.A.、The Bruton tyrosine kinase inhibitor PCI-32765 blocks B-cell activation and is efficacious in models of autoimmune disease and B-cell malignancy.Proc.Natl.Acad.Sci.107:13075~80.2010
【非特許文献7】Mina-Osorio Pら、Suppression of glomerulonephritis in lupus-prone NZB x NZW mice by RN486,a selective inhibitor of Bruton’s tyrosine kinase.Arthritis Rheum.65:2380~91.2013
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書において、特定の実施形態では、4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンの誘導体およびその塩が記載される。
【0012】
一実施形態では、本明細書において、式I:
【化1】
の化合物またはその塩が開示される。
【0013】
一実施形態では、本明細書において、式Ia:
【化2】
の化合物またはその塩が開示される。別の実施形態では、式Iaの化合物またはその塩は約90%の純度である。
【0014】
別の実施形態では、本明細書において、式Ib:
【化3】
の化合物またはその塩であって、約90%の純度である、化合物またはその塩が開示される。
【0015】
さらなる実施形態では、本明細書において、式II
【化4】
の化合物またはその塩であって、約99.6%の純度である、化合物またはその塩が開示される。
【0016】
別の実施形態では、本明細書において、薬学的に許容される賦形剤と、
【化5】
から選択される少なくとも1つの化合物またはその塩とを含む組成物が開示される。
【0017】
さらなる実施形態では、本明細書において、式Iaの化合物またはその塩の製造方法であって、式VIa
【化6】
の化合物を塩化アクリロイルと反応させることを含む、方法が開示される。
【0018】
さらなる実施形態では、本明細書において、式Ibの化合物またはその塩の製造方法であって、式VIb
【化7】
の化合物を塩化アクリロイルと反応させることを含む、方法が開示される。
【0019】
追加の目的および利点は、一部は以下の説明において説明し、一部は説明から理解され、または実践によって教示される。目的および利点は、添付の特許請求の範囲に特に指摘されている要素および組合せによって実現および達成されるであろう。
【0020】
前述の概要および以下の詳細な説明はいずれも例示的かつ説明的なものに過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0021】
I.定義
特に断らない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される以下の用語は、本開示の目的のために定義され、以下の意味を有する。
【0022】
「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される賦形剤」は、概して安全で非毒性であり、かつ生物学的にもその他の点でも望ましくないことがない医薬組成物を製造する際に有用な担体または賦形剤を意味し、ヒト医薬用途だけでなく獣医学的用途にも許容される担体または賦形剤を含む。本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される賦形剤」には、そのような担体または賦形剤の1つおよび複数の両方が含まれる。
【0023】
疾患を「処置すること」、またはその「処置」には以下のものが含まれる。
(1)疾患を予防すること、例えば、疾患に曝露されたまたは疾患の素因を有する可能性があるが、まだ疾患の症状を経験または示していない患者、例えば、ヒト患者において疾患の臨床症状を発症しないようにすること;
(2)疾患を抑制すること、例えば、疾患もしくはその臨床症状の発症を阻止もしくは低減すること;または
(3)疾患を緩和すること、例えば、疾患もしくはその臨床症状の退縮を引き起こすこと。
【0024】
「場合による」または「場合により」とは、その後に説明される事象または状況が発生してもよいが発生しなくてもよいこと、および、その事象または状況が発生する例と発生しない例とが説明に含まれていることを意味する。
【0025】
「治療的有効量」とは、疾患を処置するために患者、例えばヒト患者に投与する場合に、疾患のそのような処置に影響を与えるのに十分な、4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン誘導体またはその塩の量を意味する。「治療的有効量」は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに患者、例えば、処置されるヒト患者の年齢、体重等に応じて変化する。
【0026】
「約X%の純度」または「純度約X%」(ここで「X」は数字である)は、参照化合物が、全ピーク面積のHPLCによる面積(254nmにおけるUVで検出)で判断して約X%で存在することを意味する。
【0027】
本教示を詳細に説明する前に、本開示は、特定の組成物または方法工程に限定されないことを理解されたい、そのようなものは変化し得るからである。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の言及を含むことに注意されたい。したがって、例えば、「コンジュゲート」への言及は、複数のコンジュゲートを含み、「細胞」への言及は、複数の細胞等を含む。
【0028】
数値の範囲は、その範囲を定義する数字を含む。測定値および測定可能値は、有効数字および測定に伴う誤差を考慮した概算値であると理解される。また、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含むこと(comprising)」、「含有する(contain)」、「含有する(contains)」、「含有すること(containing)」、「含む(include)」、「含む(includes)」および「含むこと(including)」の使用は、限定することを意図しない。前述の一般的な説明および詳細な説明は、いずれも例示的および説明的なものに過ぎず、教示を制限するものではないことが理解される。
【0029】
特に断らない限り、本明細書において、様々な成分を「含む」と記載されている実施形態は、記載されている成分から「なる」または「本質的になる」としても意図されており;本明細書において、様々な成分から「なる」と記載されている実施形態は、記載されている成分を「含む」またはそれらから「本質的になる」としても意図されており;本明細書において、様々な成分から「本質的になる」と記載されている実施形態は、記載されている成分から「なる」またはそれらを「含む」としても意図されている(この互換性は、特許請求の範囲におけるこれらの用語の使用には適用されない)。
【0030】
「または」は、文脈上そうでない場合を除き、包括的な意味で、すなわち、「および/または」と同等の意味で使用される。
【0031】
II.化合物
一態様では、本明細書において、4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン誘導体である化合物およびその塩が提供される。いくつかの実施形態では、化合物は約50%の純度である。いくつかの実施形態では、化合物は約55%の純度である。いくつかの実施形態では、化合物は約60%の純度である。いくつかの実施形態では、化合物は約65%の純度である。いくつかの実施形態では、化合物は約70%の純度である。いくつかの実施形態では、化合物は約75%の純度である。いくつかの実施形態では、化合物は約80%の純度である。いくつかの実施形態では、化合物は約85%の純度である。いくつかの実施形態では、化合物は約90%の純度である。いくつかの実施形態では、化合物は約95%の純度である。いくつかの実施形態では、化合物は約98%の純度である。いくつかの実施形態では、化合物は約99%の純度である。
【0032】
一態様では、本明細書において、式I:
【化8】
の化合物またはその塩が提供される。
【0033】
一態様では、本明細書において、式Ia:
【化9】
の化合物またはその塩が提供される。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物またはその塩は、約90%の純度である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物またはその塩は、約95%の純度である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物またはその塩は、約98%の純度である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物またはその塩は、約99%の純度である。
【0034】
一態様では、本明細書において、式Ib:
【化10】
の化合物またはその塩であって、約90%の純度である、化合物またはその塩が提供される。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物またはその塩は、約95%の純度である。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物またはその塩は、約98%の純度である。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物またはその塩は、約99%の純度である。
【0035】
一態様では、本明細書において、式II
【化11】
の化合物またはその塩であって、約99.6%の純度である、化合物またはその塩が提供される。いくつかの実施形態では、化合物は、
【化12】
またはその塩であり、化合物またはその塩は、約90%の純度である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物またはその塩は、約95%の純度である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物またはその塩は、約98%の純度である。いくつかの例では、化合物は、
【化13】
またはその塩であり、化合物またはその塩は、約90%の純度である。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物またはその塩は、約95%の純度である。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物またはその塩は、約98%の純度である。
【0036】
一態様では、本開示は、式III、式IV、および式V
【化14】
の化合物から選択される化合物またはその塩に関する。
【0037】
III.組成物
一態様では、本明細書において、薬学的に許容される賦形剤と、4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンの変種もしくは誘導体である化合物またはその塩とを含む医薬組成物が提供される。これらの化合物は、(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2(3H)-オンのインビボ代謝物として本発明者らが見出したものである。
【0038】
一実施形態では、本明細書において、薬学的に許容される賦形剤と、
【化15】
から選択される少なくとも1つの化合物またはその塩とを含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化合物またはその塩は有効量で存在する。
【0039】
一実施形態では、本明細書において、薬学的に許容される賦形剤と、
【化16】
から選択される少なくとも1つの化合物またはその塩とを含む組成物が提供される。
【0040】
いくつかの実施形態では、本明細書において、少なくとも1つの化合物またはその塩は有効量で存在する。一実施形態では、薬学的に許容される賦形剤と、式Iaの化合物またはその塩とを含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物またはその塩は、少なくとも約98%の純度である。
【0041】
一実施形態では、本明細書において、薬学的に許容される賦形剤と、式Ibの化合物またはその塩とを含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物またはその塩は、少なくとも約99%の純度である。
【0042】
本開示による医薬組成物は、経口、頬、非経口、鼻、局所、もしくは直腸投与に適した形態、または吸入による投与に適した形態を取り得る。
【0043】
本明細書に記載の化合物は、有効成分としての化合物を薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることによって、医薬組成物などの組成物の製造に使用し得る。薬学的に許容される賦形剤として機能し得る材料のいくつかの例としては:ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖類;コーンスターチおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;ポリソルベート80(すなわち、Tween 80)などの界面活性剤;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび座薬ワックスなどの座薬基剤;ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール類;グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール類;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル類;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;pH緩衝液;ポリエステル、ポリカーボネートまたはポリ酸無水物;ならびに医薬組成物に用いられる他の非毒性の適合物質が挙げられる。医薬組成物は、公知の製薬方法により製造し得る。好適な製剤は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、Lippincott Williams&Wilkins、第21版(2005)に記載されており、これは参照により本明細書に組み入れられる。
【0044】
ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤、乳化剤、および滑沢剤、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味および芳香剤、保存剤、ならびに酸化防止剤も組成物中に存在し得る。
【0045】
薬学的に許容される酸化防止剤の例としては:アスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性酸化防止剤;パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファトコフェロールなどの油溶性酸化防止剤;およびクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート剤が挙げられる。
【0046】
経口投与に適した本開示の組成物は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ(風味付けベース、通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカントを使用)、粉末剤、顆粒剤の形態で、または水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として、または水中油型もしくは油中水型液体のエマルションとして、またはエリキシル剤もしくはシロップとして、またはトローチ(pastille)(ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアなどの不活性基剤を使用)として、またはマウスウォッシュ等としてであってもよく、それぞれ所定量の本開示の化合物を有効成分として含有する。本開示の化合物はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして投与することができる。
【0047】
経口投与のための本開示の固体剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、ドラジェ、粉末剤、顆粒剤等)において、有効成分は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムなどの1つもしくはそれ以上の薬学的に許容される担体、または以下のいずれかと混合される: 充填剤または増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールまたはケイ酸;結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースまたはアカシア;グリセリンなどの湿潤剤;寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤; パラフィンなどの溶液遅延剤;第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;例えばセチルアルコール、グリセリンモノステアレート、および非イオン性界面活性剤などの湿潤剤;カオリンおよびベントナイトクレーなどの吸収剤;タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびこれらの混合物などの滑沢剤;ならびに着色剤。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、医薬組成物は緩衝剤も含んでいてもよい。また、同様のタイプの固体組成物は、ラクトースすなわち乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用して、ソフトシェルおよびハードシェルのゼラチンカプセルの充填材として用いることもできる。
【0048】
錠剤は、圧縮または成形により、場合により、1つまたはそれ以上の付属成分を用い製造することができる。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散剤を使用して製造することができる。成形錠剤は、粉末状化合物の混合物を不活性液体希釈剤で湿らせた適切な機械で製造することができる。
【0049】
本開示の医薬組成物の錠剤および他の固体剤形、例えばドラジェ、カプセル剤、丸剤および顆粒剤は、場合により、刻み目を入れたり、腸溶性コーティングおよび医薬製剤技術において周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて製造してもよい。また、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを所望の放出プロファイルになるように割合を変えて使用し、または他のポリマーマトリックス、リポソームもしくはミクロスフェアを使用して、その中の有効成分の徐放または制御放出を行うように処方してもよい。急速放出用に製剤化され、例えば、凍結乾燥されてもよい。これらは、例えば、細菌保持フィルターによる濾過、または使用直前に滅菌水もしくは何らかの他の滅菌注射用媒体に溶解できる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって滅菌してもよい。これらの組成物はまた、場合により不透明化剤を含有してもよく、それらが有効成分のみを、または消化管の特定の部分において、場合により、遅延して放出するような組成であってもよい。使用し得る埋込用組成物の例としては、高分子物質やワックスが挙げられる。有効成分はまた、適切であれば、上記の賦形剤の1つまたはそれ以上とともにマイクロカプセル化された形態であってもよい。
【0050】
本開示の化合物の経口投与のための液体剤形としては、薬学的に許容されるエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が挙げられる。有効成分に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤などの、当該技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ひまし油およびゴマ油)、グリセリン、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルならびにそれらの混合物を含有してもよい。
【0051】
不活性希釈剤の他に、口腔用組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、香味剤、着色剤、芳香剤および保存剤などの補助剤も含み得る。
【0052】
懸濁液は、活性化合物に加えて、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天およびトラガカントならびにそれらの混合物として懸濁剤を含有してもよい。
【0053】
IV.処置方法
一態様では、本明細書において、処置を必要とする患者、例えばヒト患者に、有効量の4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンの誘導体またはその塩を投与することを含む、処置方法が提供される。別の態様では、本明細書において、処置を必要とする患者、例えばヒト患者に、薬学的に許容される賦形剤と、有効量の4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンの誘導体またはその塩とを含む組成物を投与することを含む、処置方法が提供される。
【0054】
いくつかの実施形態では、本方法は、MSを処置する方法である。いくつかの実施形態では、本方法は、関節リウマチおよび狼瘡などの自己免疫障害を処置する方法である。
【0055】
一態様では、本明細書において、処置を必要とする患者、例えばヒト患者に、有効量の式Ia:
【化17】
の化合物またはその塩を投与することを含む、処置方法が提供される。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物またはその塩は、約90%の純度である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物またはその塩は、約95%の純度である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物またはその塩は、約98%の純度である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物またはその塩は、約99%の純度である。
【0056】
いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えばヒト患者に、有効量の式Iaの化合物またはその塩を投与することを含む処置方法は、MSを処置する方法である。いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えばヒト患者に、有効量の式Iaの化合物またはその塩を投与することを含む処置方法は、関節リウマチおよび狼瘡などの自己免疫障害を処置する方法である。
【0057】
一態様では、本明細書において、処置を必要とする患者、例えばヒト患者に、有効量の式Ib:
【化18】
の化合物またはその塩を投与することを含む、処置方法であって、化合物またはその塩は、約90%の純度である、方法が提供される。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物またはその塩は、約95%の純度である。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物またはその塩は、約98%の純度である。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物またはその塩は、約99%の純度である。
【0058】
いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えばヒト患者に、有効量の式Ibの化合物またはその塩を投与することを含む処置方法は、MSを処置する方法である。いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えばヒト患者に、有効量の式Ibの化合物またはその塩を投与することを含む処置方法は、関節リウマチおよび狼瘡などの自己免疫障害を処置するものである。
【0059】
一態様では、本明細書において、処置を必要とする患者、例えばヒト患者に、有効量の式II:
【化19】
の化合物またはその塩を投与することを含む、処置方法であって、化合物またはその塩は、約99.6%の純度である、方法が提供される。
【0060】
いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えばヒト患者に、有効量の式IIの化合物またはその塩を投与することを含む処置方法は、MSを処置する方法である。いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えばヒト患者に、有効量の式IIの化合物またはその塩を投与することを含む処置方法は、関節リウマチおよび狼瘡などの自己免疫障害を処置するものである。
【0061】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【化20】
またはその塩であり、式IIaの化合物またはその塩は、約90%の純度である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物またはその塩は、約95%の純度である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物またはその塩は、約98%の純度である。
【0062】
いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えばヒト患者に、有効量の式IIaの化合物またはその塩を投与することを含む処置方法は、MSを処置する方法である。いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えばヒト患者に、有効量の式IIaの化合物またはその塩を投与することを含む処置方法は、関節リウマチおよび狼瘡などの自己免疫障害を処置するものである。
【0063】
いくつかの例では、化合物は、
【化21】
またはその塩であり、式IIbの化合物またはその塩は、約90%の純度である。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物またはその塩は、約95%の純度である。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物またはその塩は、約98%の純度である。
【0064】
いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えばヒト患者に、有効量の式IIbの化合物またはその塩を投与することを含む処置方法は、MSを処置する方法である。いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えばヒト患者に、有効量の式IIbの化合物またはその塩を投与することを含む処置方法は、関節リウマチおよび狼瘡などの自己免疫障害を処置するものである。
【0065】
一態様では、本明細書において、処置を必要とする患者、例えばヒト患者に、薬学的に許容される賦形剤と、有効量の
【化22】
から選択される少なくとも1つの化合物またはその塩とを含む組成物を投与することを含む、処置方法が提供される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化合物またはその塩は有効量で存在する。いくつかの実施形態では、化合物またはその塩は、約90%の純度である。いくつかの実施形態では、化合物またはその塩は、約95%の純度である。いくつかの実施形態では、化合物またはその塩は、約98%の純度である。いくつかの実施形態では、化合物またはその塩は、約99%の純度である。
【0066】
いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えばヒト患者に、薬学的に許容される賦形剤と、有効量の式Ia、式Ib、式II、および式IIIから選択される少なくとも1つの化合物またはその塩とを含む組成物を投与することを含む処置方法は、MSを処置する方法である。いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えばヒト患者に、薬学的に許容される賦形剤と、有効量の式Ia、式Ib、式II、および式IIIから選択される少なくとも1つの化合物またはその塩とを含む組成物を投与することを含む処置方法は、関節リウマチおよび狼瘡などの自己免疫障害を処置する方法である。
【0067】
一態様では、本明細書において、有効量の4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンの誘導体またはその塩を含む、処置を必要とする患者、例えばヒト患者を処置するための医薬として使用するための組成物が提供される。別の態様では、本明細書において、薬学的に許容される賦形剤と、有効量の4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンの誘導体またはその塩とを含む、処置を必要とする患者、例えばヒト患者を処置するための医薬として使用するための組成物が提供される。
【0068】
いくつかの実施形態では、医薬はMSを処置するためのものである。いくつかの実施形態では、医薬は、関節リウマチおよび狼瘡などの自己免疫障害を処置するためのものである。
【0069】
一態様では、本明細書において、有効量の式Ia:
【化23】
の化合物またはその塩を含む、処置を必要とする患者、例えばヒト患者を処置するための医薬として使用するための組成物が提供される。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物またはその塩は、約90%の純度である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物またはその塩は、約95%の純度である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物またはその塩は、約98%の純度である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物またはその塩は、約99%の純度である。
【0070】
いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えばヒト患者を処置するための医薬として使用するための組成物は、MSを処置するための有効量の式Iaの化合物またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えばヒト患者を処置するための医薬として使用するための組成物は、関節リウマチおよび狼瘡などの自己免疫障害を処置するための有効量の式Iaの化合物またはその塩を含む。
【0071】
一態様では、本明細書において、有効量の式Ib:
【化24】
の化合物またはその塩を含む、処置を必要とする患者、例えばヒト患者を処置するための医薬として使用するための組成物であって、化合物またはその塩は、約90%の純度である、組成物が提供される。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物またはその塩は、約95%の純度である。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物またはその塩は、約98%の純度である。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物またはその塩は、約99%の純度である。
【0072】
いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えばヒト患者を処置するための医薬として使用するための組成物は、MSを処置するための有効量の式Iaの化合物またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えばヒト患者を処置するための医薬として使用するための組成物は、関節リウマチおよび狼瘡などの自己免疫障害を処置するための有効量の式Iaの化合物またはその塩を含む。
【0073】
一態様では、本明細書において、有効量の式II:
【化25】
の化合物またはその塩を含む、処置を必要とする患者、例えばヒト患者を処置するための医薬として使用するための組成物であって、化合物またはその塩は、約99.6%の純度である、組成物が提供される。
【0074】
いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えばヒト患者を処置するための医薬として使用するための組成物は、MSを処置するための有効量の式IIの化合物またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えばヒト患者を処置するための医薬として使用するための組成物は、関節リウマチおよび狼瘡などの自己免疫障害を処置するための有効量の式IIの化合物またはその塩を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【化26】
またはその塩であり、式IIaの化合物またはその塩は、約90%の純度である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物またはその塩は、約95%の純度である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物またはその塩は、約98%の純度である。
【0076】
いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えば、ヒト患者を処置するための医薬として使用するための組成物は、MSを処置するための有効量の式IIaの化合物またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えば、ヒト患者を処置するための医薬として使用するための組成物は、関節リウマチおよび狼瘡などの自己免疫障害を処置するための有効量の式IIaの化合物またはその塩を含む。
【0077】
いくつかの例では、化合物は、
【化27】
またはその塩であり、式IIbの化合物またはその塩は、約90%の純度である。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物またはその塩は、約95%の純度である。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物またはその塩は、約98%の純度である。
【0078】
いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えば、ヒト患者を処置するための医薬として使用するための組成物は、MSを処置するための有効量の式IIbの化合物またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えば、ヒト患者を処置するための医薬として使用するための組成物は、関節リウマチおよび狼瘡などの自己免疫障害を処置するための有効量の式IIbの化合物またはその塩を含む。
【0079】
一態様では、本明細書において、薬学的に許容される賦形剤と、有効量の
【化28】
から選択される少なくとも1つの化合物またはその塩とを含む、処置を必要とする患者、例えばヒト患者を処置するための医薬として使用するための組成物が提供される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化合物またはその塩は有効量で存在する。いくつかの実施形態では、化合物またはその塩は、約90%の純度である。いくつかの実施形態では、化合物またはその塩は、約95%の純度である。いくつかの実施形態では、化合物またはその塩は、約98%の純度である。いくつかの実施形態では、化合物またはその塩は、約99%の純度である。
【0080】
いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えば、ヒト患者を処置するための医薬として使用するための組成物は、薬学的に許容される賦形剤と、有効量の式Ia、式Ib、式II、および式IIIから選択される少なくとも1つの化合物またはその塩とを含み、MSを処置するためのものである。いくつかの実施形態では、処置を必要とする患者、例えば、ヒト患者を処置するための医薬として使用するための組成物は、薬学的に許容される賦形剤と、有効量の式Ia、式Ib、式II、および式IIIから選択される少なくとも1つの化合物、ならびに/またはその塩とを含み、関節リウマチおよび狼瘡などの自己免疫障害を処置するためのものである。
【0081】
V.合成方法
一態様では、本明細書において、4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンの誘導体またはその塩の合成方法および製造方法が提供される。
【0082】
一実施形態では、本明細書において、式Ia
【化29】
の化合物またはその塩の製造方法であって、式VIa
【化30】
の化合物を塩化アクリロイルと反応させることを含む、方法が提供される。
【0083】
いくつかの実施形態では、本方法は、酸系での脱保護により、式IX
【化31】
の化合物から式VIaの化合物を製造することをさらに含む。
【0084】
一実施形態では、本明細書において、式Ib
【化32】
の化合物またはその塩の製造方法であって、式VIb
【化33】
の化合物を塩化アクリロイルと反応させることを含む、方法が提供される。
【0085】
いくつかの実施形態では、本方法は、酸系での脱保護により、式VII
【化34】
の化合物から式VIbの化合物を製造することをさらに含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、本方法は、塩基を使用する脱保護により、式VIII
【化35】
の化合物から式VIIの化合物を製造することをさらに含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、本方法は、トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボキシレートを用いて、式IX
【化36】
の化合物から式VIIIの化合物を製造することをさらに含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、アゾジカルボキシレートは、ジエチルアゾジカルボキシレートおよびジイソプロピルアゾジカルボキシレートから選択される。いくつかの実施形態では、アゾジカルボキシレートは、ジイソプロピルアゾジカルボキシレートである。
【0089】
一実施形態では、本明細書において、式IV
【化37】
の化合物またはその塩の製造方法であって、(4R)-5-アミノ-4-[4-アミノ-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]ペンタン酸を塩化アクリロイルと反応させることを含む、方法が提供される。
【0090】
いくつかの実施形態では、本方法は、酸脱保護により、(4R)-4-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタン酸から、(4R)-5-アミノ-4-[4-アミノ-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]ペンタン酸またはその塩を製造することをさらに含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、本方法は、塩基の存在下、開環により、tert-ブチル(5R)-5-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-2-オキソ-ピペリジン-1-カルボキシレートから(4R)-4-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタン酸またはその塩を製造することをさらに含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、本方法は、メディエータおよび電解質を利用する電気化学反応によって、tert-ブチル(3R)-3-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレートから、tert-ブチル(5R)-5-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-2-オキソ-ピペリジン-1-カルボキシレートまたはその塩を製造することをさらに含む。いくつかの実施形態では、メディエータは、キヌクレイジンである。さらなる実施形態では、電解質は、テトラフルオロホウ酸テトラメチルアンモニウムである。
【0093】
一実施形態では、本明細書において、式V
【化38】
の化合物またはその塩を製造する方法であって、4-アミノ-1-[(1R)-1-(アミノメチル)-4-ヒドロキシ-ブチル]-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンを塩化アクリロイルと反応させることを含む、方法が提供される。
【0094】
いくつかの実施形態では、本方法は、酸脱保護により、tert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-[1-[(1R)-1-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-ブチル]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-イル]カルバメートから、4-アミノ-1-[(1R)-1-(アミノメチル)-4-ヒドロキシ-ブチル]-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンまたはその塩を製造することをさらに含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、本方法は、塩基の存在下、開環により、tert-ブチル(5R)-5-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-2-オキソ-ピペリジン-1-カルボキシレートから、tert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-[1-[(1R)-1-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-ブチル]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-イル]カルバメート、またはその塩を製造することをさらに含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、本方法は、メディエータおよび電解質を利用する電気化学反応によって、tert-ブチル(3R)-3-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレートから、tert-ブチル(5R)-5-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-2-オキソ-ピペリジン-1-カルボキシレートまたはその塩を製造することをさらに含む。いくつかの実施形態では、メディエータは、キヌクレイジンである。さらなる実施形態では、電解質は、テトラフルオロホウ酸テトラメチルアンモニウムである。
【0097】
【表1】
【実施例1】
【0098】
4-アミノ-1-[(3R,5S)-5-ヒドロキシ-1-プロパ-2-エノイル-3-ピペリジル]-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンおよび4-アミノ-1-[(3R,5R)-5-ヒドロキシ-1-プロパ-2-エノイル-3-ピペリジル]-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンの合成
【0099】
【化39】
【0100】
式Iaおよび式Ibの化合物は、上記のスキーム(それぞれ化合物13および化合物14と呼ぶ)に示すように、また以下により詳細に記載するように合成した。
【0101】
工程1:窒素雰囲気下、反応器にDMF(21.5mL)を装入した。2,4-ジクロロ3ニトロピリジン(SM1)(4.3g、22.28mmol、1.0当量)を20±5℃で添加した。5分間撹拌した後、トリエチルアミン(4.75mL、33.81mmol、1.5当量)を添加し、混合物を0±5℃に冷却した。HOBt(301mg、2.23mmol、0.1当量)を添加した後、tert-ブチル(3R,5S)-3-アミノ-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(4.8g、22.28mmol、1.0当量)のDMF(64.5mL)中の溶液を滴下して添加した。試薬の添加中、温度は-10℃~0℃に維持した。反応混合物を0±5℃で2時間、次いで20±5℃で4時間撹拌した。HPLC分析を行い、tert-ブチル(3R,5S)-3-[[2-(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)-3-ニトロ-4-ピリジル]アミノ]-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(110)の生成が確認された。
【0102】
工程2:次の工程は、トリエチルアミン(4.75mL、33.81mmol、1.5当量)および1-(4-メトキシフェニル)-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]メタンアミン(5.7g、22.28mmol、1.0当量)を装入することにより、直ちにワンポットで実施した。反応溶液を40~45℃に加温し、この温度で62時間撹拌した。HPLC分析を行い、残存する中間体が1%未満であることを確認した。10~20℃に冷却した後、EtOAc(129mL)および水(129mL)を溶液に添加し、10~20℃で30分間撹拌した。有機相を分離し、CaCl水溶液(5%、43mL×5)で洗浄した。有機相を35℃未満で減圧濃縮して、tert-ブチル(3R,5S)-3-[[2-[ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]-3-ニトロ-4-ピリジル]アミノ]-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(111)(純度94.3%)のEtOAc溶液(褐色溶液)を得、これを次の工程で直接使用した。
【0103】
工程3:tert-ブチル(3R,5S)-3-[[2-[ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]-3-ニトロ-4-ピリジル]アミノ]-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(111)(14.7g、24.76mmol、1当量)(理論量)をAcOEt(73.5mL)に溶解し、反応器に装入した。反応器を減圧下で不活性化し、窒素で5回充填し、湿潤10%Pd/C(2.64g、20wt.%)を添加し、反応器を減圧下で不活性化し、窒素で5回充填し、次いで、反応器を減圧下で不活性化し、水素で3回充填した。反応物を水素加圧下で20±5℃に維持し、22時間撹拌した。HPLC分析を行い、出発物質が消失したことが確認された。懸濁液を濾過し、ケーキをEtOAc(73.5mL×5)で洗浄した。濾液を減圧濃縮して、tert-ブチル(3R,5S)-3-[[3-アミノ-2-[ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]-4-ピリジル]アミノ]-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(112)を黄色の泡状固体として得た(12g、収率=87%、純度91.1%)。この化合物は、さらに精製することなく次の工程で使用した。
【0104】
工程4:反応器にTHF(60mL)、tert-ブチル(3R,5S)-3-[[2-[ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]-3-ニトロ-4-ピリジル]アミノ]-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(112)(12.0g、20.21mmol、1.0当量)およびトリエチルアミン(4.4mL、40.42mmol、2.0当量)を装入した。溶液を20±5℃で10分間撹拌した後、トリホスゲン(1.07mL、6.46mmol、0.32当量)を3回に分けて添加し、得られた溶液を20~25℃で1.5時間撹拌した。HPLC分析を行い、残存する中間体が1%未満であることを確認した。溶液を24mLまで濃縮し、CHCl(120mL)およびNaHCO水溶液(60mL)を添加し、混合物を10分間撹拌した。有機相を分離し、40℃未満で減圧濃縮して未精製の生成物を得、これをSGC(CHCl/MeOH=30/1)で精製して、tert-ブチル(3R,5S)-3-[4-[ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]-2-オキソ-3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(113)を泡状固体として得た(10g、収率=74%、純度97.1%)。
【0105】
工程5:tert-ブチル(3R,5S)-3-[4-[ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]-2-オキソ-3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(113)(10.0g、16.95mmol、1.0当量)のCHCl(70mL)中の溶液を、20±5℃で10分間撹拌した後、5±5℃に冷却し;TFA(10mL)をゆっくりと添加し、温度を10℃以下に維持した。反応溶液を5±5℃で30分間撹拌し、40±5℃に加温し、次いで、14時間撹拌した。HPLC分析を行い、出発物質が1.0%以下であることを確認した。反応物を15~25℃に冷却した。pHをNaCO水溶液で9~10に調整した。4-アミノ-1-[(3R,5S)-5-ヒドロキシ-3-ピペリジル]-3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン(117)を含有する水相を分離し、次の工程に直接使用するために保存した。
【0106】
工程6:5±5℃に冷却した4-アミノ-1-[(3R,5S)-5-ヒドロキシ-3-ピペリジル]-3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン(117)を含有する水溶液に、CHCl(40mL)を添加し、BocO(3.7g、16.95mmol、1.0当量)のCHCl(10mL)中の溶液を5±5℃で滴下した。溶液を15~25℃に加温し、20~25℃で42時間撹拌した。HPLC分析を行い、出発物質が3.0%以下であることを確認した。水相を分離し、CHCl(100mL×3)およびTHF(100mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、35℃未満で減圧濃縮し、tert-ブチル(3R,5S)-3-(4-アミノ-2-オキソ-3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(118)5.4gを純度92.2%の固体として得た(CHCl/THFを含有する)。
【0107】
工程7:反応器にCHCl(21.6mL)およびtert-ブチル(3R,5S)-3-(4-アミノ-2-オキソ-3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(118)(5.4g、15.45mmol、1.0当量)を装入した。懸濁液を10分間撹拌した。20±5℃でN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(6.1mL、46.35mmol、3.0当量)を添加した後、溶液は透明になった。20±5℃で20時間撹拌すると、固体が析出した。HPLC分析を行い、出発物質が2.0%以下であることを確認した。MTBE(54mL)を添加し、反応物を20±5℃で2時間撹拌した。懸濁液を濾過した。ケーキをMTBE(21.6mL)で洗浄し、35±5℃で8時間減圧下で乾燥して、tert-ブチル(3R,5S)-3-[4-[(Z)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-2-オキソ-3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(7)を灰白色固体として得た(4.3g、収率=83%、純度93.4%)。
【0108】
工程8:20±5℃で、反応器に、CHCl(75mL)、Cu(OAc)(561.2mg、3.09mmol、0.5当量)、2,2’-ジピリジル(482mg、3.09mmol、0.5当量)、CsCO(4.02g、12.36mmol、2.0当量)、4Å MS(2.5g、1.0w/w)およびtert-ブチル(3R,5S)-3-[4-[(Z)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-2-オキソ-3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(7)(2.5g、6.18mmol、1.0当量)を装入した。圧縮空気(21%酸素および79%窒素)を反応物に20±5℃で30分間バブリングした。反応混合物に、4-フェノキシフェニルボロニック(1.98g、9.27mmol、1.5当量)を15~25℃で1.5時間かけて4回に分けて添加した。圧縮空気(21%酸素および79%窒素)を20±5℃で5時間反応物にバブリングした。HPLC分析を行い、出発物質が5.0%以下であることを確認した。懸濁液を濾過し、ケーキをCHCl(25mL×2)で洗浄した。濾液を濃縮し、未精製の生成物をSGCで精製(CHCl/MeOH=50/1)して、tert-ブチル(3R,5S)-3-[4-[(Z)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(式IXの化合物、上記では(8)ともいう)を純度97.5%および収率47.2%で固体として得た。
【0109】
工程9:tert-ブチル(3R,5S)-3-[4-[(Z)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(8)(0.3g、0.52mmol、1.0当量)をCHCl(1.5mL)に溶解した。この溶液に、HCl水溶液(3N、3mL)を20±5℃で滴下して添加した。溶液を30~35℃で2時間、60~65℃で14時間撹拌した。HPLC分析を行い、出発物質が1.0%以下であることを確認した。20~25℃に冷却した溶液に、CHCl(15mL)および水(45mL)を添加した。溶液を10分間撹拌した後、水相を分離し、CHCl(30mL)で抽出し、水相のpHをNaCO水溶液で9~10に調整した。水相はピンク色になった。30分間撹拌した後、有機相を抽出し、食塩水(15mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過して、CHCl中の4-アミノ-1-[(3R,5S)-5-ヒドロキシ-3-ピペリジル]-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンの溶液(式VIaの化合物、上記では(11A)ともいう)(純度81%)を得た。これを工程10に直接使用した。
【0110】
工程10:4-アミノ-1-[(3R,5S)-5-ヒドロキシ-3-ピペリジル]-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン(11A)(164mg、0.39mmol、1当量)のCHCl中の先の溶液を0±5℃に冷却し、CHCl(2.5ml)中のN,N-ジイソプロピルエチルアミン(133μL、0.78mmol、2.0当量)およびトリメチルシリルクロリド(50μL、0.39mmol、1.0当量)を装入し、溶液を0±5℃で30分間撹拌した。溶液を-20±5℃に冷却した後、CHCl(5ml)中の塩化アクリロイル(32μL、0.39mmol、1.0当量)を滴下して添加した。反応を水(20mL)でクエンチし、有機相を分離し、35℃未満で減圧濃縮して未精製の生成物を得た。未精製の生成物を分取用TLC(CHCl/EtOH=15/1)で精製し、画分を濃縮し、CHClをEtOHと交換した。溶液を10mLに濃縮し、n-ヘプタン(15ml)を装入した。次いで、溶液を10mLに濃縮し、固体を沈殿させた。沈殿物を濾過して、4-アミノ-1-[(3R,5S)-5-ヒドロキシ-1-プロパ-2-エノイル-3-ピペリジル]-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン(式Iaの化合物、上記では(13)ともいう)80mgを、純度98.1%および収率43%で灰白色固体として得た。1H NMR spectrum (500 MHz, DMSO D6, δ in ppm): 7.77 (d, 1H); 7.51-7.41 (m, 4H); 7.22 (t, 1H); 7.18-7.11 (m, 4H); 6.96 (br. m, 1H); 6.81 (m, 1H); 6.15 (d, 1H); 5.71 (dd, 1H); 5.28 (br. s, 1H); 4.83 (br. m, 2H); 4.58 (br. d, 0.5 H); 4.47 (br. d, 0.5 H); 4.25 (br. qd, 1H); 4.15 (br. d, 0.5 H); 4.1 (br. d, 0.5 H); 3.69 (br. t, 0.5 H); 3.60 (m, 1H); 3.27 (br. t, 0.5 H); 2.95 (br. t, 0.5 H); 2.49 (br. t, 0.5 H); 2.28 (m, 1H); 2.13 (br. m, 1H)
【0111】
工程9B:アゾート(azote)で不活性化した反応器に、THF(12.5mL)、DIAD(683μL、3.48mmol、4.0当量)、およびPhP(912mg、3.48mmol、4.0当量)を装入した。反応物を0~5℃に冷却した後、tert-ブチル(3R,5S)-3-[4-[(Z)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(8)(0.5g、0.87mmol、1.0当量)を反応器に添加した。反応物を0~5℃で10分間撹拌し、4-ニトロ安息香酸(291mg、1.74mmol、2.0当量)を反応器に添加し、反応物を0~5℃でさらに2時間撹拌した。次いで、反応混合物を15~20℃で14時間撹拌し、35℃未満で減圧濃縮した。残留物をSGC(CHCl/MeOH=50/1)で精製し、未精製のtert-ブチル(3R,5R)-3-[4-[(Z)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4、5-c]ピリジン-1-イル]-5-(4-ニトロベンゾイル)オキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(式VIIIの化合物、上記では(9B)ともいう)をPhPOを含有する泡状固体(純度87%)として得た。PhPOは分離しにくく、この中間体はそれ以上精製されなかった。
【0112】
工程10B:MeOH(9mL)、tert-ブチル(3R,5R)-3-[4-[(Z)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-5-(4-ニトロベンゾイル)オキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(9B)(0.45g、0.62mmol、1.0当量)およびKCO(258mg、1.87mmol、3.0当量)をフラスコに装入した。反応混合物を15~20℃で14時間撹拌した。HPLC分析により、出発物質が残っていないことが示された。懸濁液を濾過し、ケーキをMeOH(2.25mL)で洗浄し、濾液を35℃未満で減圧濃縮して未精製の生成物を得た。未精製の生成物をSGC(CHCl/MeOH=50/1)で精製して、tert-ブチル(3R,5R)-3-[4-[(Z)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(式VIIの化合物、上記では(10B)ともいう)(0.16g、収率=44%、純度98.2%)を粉末固体として得た。
【0113】
工程11B:フラスコにCHCl(1mL)、tert-ブチル(3R,5R)-3-[4-[(Z)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(10B)(0.16g、0.28mmol、1当量)およびHCl水溶液(3.0M、2mL)を装入した。溶液を25~30℃で2時間、次いで60~65℃で14時間撹拌した。HPLC分析により、出発物質が残っていないことが示された。反応混合物を15~20℃に冷却し、CHCl(15ml)およびHO(30ml)をフラスコに添加した。有機相を分離した。CHCl(30ml)を水相に添加し、水相のpH値を飽和NaCO水溶液で9~10に調整した。有機相を分離し、水相をCHCl(30mL×2)で再抽出した。異なる有機相を集め、食塩水(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、35℃未満で減圧濃縮して、未精製の物質4-アミノ-1-[(3R,5R)-5-ヒドロキシ-3-ピペリジル]-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン(式VIbの化合物、上記では(11B)ともいう)0.11gを泡状固体として得、これはさらに精製せず、直接工程12Bに供した。
【0114】
工程12B:4-アミノ-1-[(3R,5R)-5-ヒドロキシ-3-ピペリジル]-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン(11B)(0.11g、0.26mmol、1当量)のCHCl(44mL)中の溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(177μL、1.04mmol、4.0当量)を添加した。溶液を-5~0℃に冷却し、トリメチルシリルクロリド(33μL、0.26mmol、1.0当量)のCHCl(2.5ml)中の溶液を滴下して添加した。溶液を-5~0℃で30分間撹拌し、-25~20℃に冷却した。CHCl(2.5mL)中の塩化アクリロイル(27.5μL、0.34mmol、1.3当量)を滴下して添加した。反応を10分間撹拌し、0~5℃に加温し、水(20mL)でクエンチした。有機相を分離し、食塩水(10mL)で洗浄し、35℃未満で減圧濃縮して未精製の物質を得た。未精製の生成物を分取用TLC(CHCl/MeOH=15/1)で精製し、4-アミノ-1-[(3R,5R)-5-ヒドロキシ-1-プロパ-2-エノイル-3-ピペリジル]-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン(式Ibの化合物、上記では(14)ともいう)(63mg、収率=51%、純度99.1%)を灰白色の粉末固体として得た。LC/HRMS: 472.1821 (M+H)+, 470.1790 (M-H)-. 1H NMR spectrum (500 MHz, DMSO D6, δ in ppm): 7.76 (d, 1H); 7.50-7.42 (m, 4H); 7.22 (t, 1H), 7.18-7.11 (m, 4H); 6.90 (d, 1H); 6.79 (dd, 1H); 6.13 (dd, 1H); 5.68 (dd, 1H); 5.05 (br. d, 0.75 H); 4.96 (br. d, 0.25 H); 4.81 (br. s, 2H); 4.65 (br. m, 0.25 H); 4.59-4.46 (m, 1.75 H); 4.19 (br. d, 0.25 H); 4.07 (br. s, 1H); 3.97 (br. d, 0.75 H); 3.72 (t, 0.25 H); 3.38 (d, 0.75 H); 3.32 (m, 0.75H); 2.90 (d, 0.25 H); 2.53 (m, 1H); 1.92 (br. d, 1H).
【実施例2】
【0115】
4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1-[(3R)-1-(2,3-ジヒドロキシプロパノイル)-3-ピペリジル]イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンの合成
【化40】
【0116】
上記スキームに示すように、式IIaおよびIIbの化合物を、AD-ミックス-アルファ(すなわち、(DHQ)2PHAL(ヒドロキニン1,4-フタラジンジイルジエーテル、Sigma Aldrichカタログ番号392723)0.0016モル;炭酸カリウム、粉末0.4988モル;フェリシアン化カリウム0.4988モル;オスミウム酸カリウム二水和物0.0007モル)またはAD-ミックス-ベータ(すなわち、(DHQD)2PHAL(Sigma Aldrichカタログ番号392731)0.0016モル;炭酸カリウム、粉末0.4988モル;フェリシアン化カリウム0.4988モル;オスミウム酸カリウム二水和物0.0007モル)を用いて、4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1-[(3R)-1-プロパ-2-エノイル-3-ピペリジル]イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンから製造した。
【0117】
出発物質である4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1-[(3R)-1-プロパ-2-エノイル-3-ピペリジル]イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンは、米国特許第9,688,676号の実施例3に記載されている手順に従って製造した。
【0118】
式IIaおよびIIbの化合物を製造するために、AD-ミックス-アルファ(154mg)またはAD-ミックス-ベータ(154mg)の水/tBuOH(1/1、1mL/1mL)中の懸濁液を、固体が溶解するまで約10分間撹拌した。アルゴン雰囲気下、黄色の溶液に、出発物質である4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1-[(3R)-1-プロパ-2-エノイル-3-ピペリジル]イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンを添加した。出発物質は混合物に不溶であったため、黄色の懸濁液が得られた。この懸濁液を室温で20時間撹拌した。反応の進行をTLC(AcOEt/MeOH 10/1)で確認した。反応混合物をNaSOで加水分解し、20分間撹拌し、CHClで抽出した。有機相を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して未精製の生成物を得た。未精製の生成物をSCX(強陽イオン交換)カラムにより(MeOH、次いでNHのMeOH中3.5N溶液)精製し、透明の油状物の4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1-[(3R)-1-(2,3-ジヒドロキシプロパノイル)-3-ピペリジル]イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンを、キラルクロマトグラフィーにより分離された2つのジアステレオ異性体の混合物として得、式IIaの化合物(純度98%)および式IIbの化合物(純度98%)を得た。IIa:1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) (2 rotamers 50/50) δ ppm 1.45 - 1.65 (m, 1 H), 1.80 - 1.95 (m, 2 H), 2.45 (m, 1 H), 3.10 (m, 0.5 H), 3.25 (m, 0.5 H), 3.40 - 3.55 (m, 2 H), 3.67 (m, 0.5 H), 4.05 - 4.50 (m, 4.5 H), 4.62 (t, J=4 Hz, 0.5 H), 4.77 (t, J=4 Hz, 0.5 H), 4.80 (m, 2 H), 4.95 (d, J=4 Hz, 0.5 H), 5.01 (d, J=4 Hz, 0.5 H), 6.90 - 6.96 (m, 1 H), 7.15 (m, 4 H), 7.22 (t, J=7 Hz, 1 H), 7.45 (m, 4 H), 7.75 (d, J=5 Hz, 1 H).
IIb:1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) (2 rotamers 50/50) δppm 1.45 - 1.65 (m, 1 H), 1.80 - 1.95 (m, 2 H), 2.45 (m, 1 H), 3.10 (m, 0.5 H), 3.25 (m, 0.5 H), 3.40 - 3.55 (m, 2 H), 3.67 (m, 0.5 H), 4.05 - 4.50 (m, 4.5 H), 4.65 (t, J=4 Hz, 0.5 H), 4.76 (t, J=4 Hz, 0.5 H), 4.80 (m, 2 H), 4.98 (m, 1 H), 6.90 - 6.96 (m, 1 H), 7.15 (m, 4 H), 7.22 (t, J=7 Hz, 1 H), 7.45 (m, 4 H), 7.75 (d, J=5 Hz, 1 H)
LC/MS: 490 (M+H)+.
【実施例3】
【0119】
(R)-5-アクリルアミド-4-(4-アミノ-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)ペンタン酸の合成
【化41】
【0120】
式IVの化合物(上記では化合物(6)という)を、上記のスキームに示すように、また以下により詳細に記載するように製造した。出発物質である4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1-[(3R)-3-ピペリジル]イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン(1)を、米国特許第9,688,676号の実施例2に記載されている手順に従って製造した。次いで、4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1-[(3R)-3-ピペリジル]イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン(1)を、化合物(1)にDCMを添加することによりシュウ酸塩に変換した。溶液をEtOHと交換し、得られた溶液をシュウ酸と反応させた。濾過後、未精製の固体をMTBE中でスラリー化し、濾過し、乾燥して、化合物(1)のシュウ酸塩を得た。
【0121】
工程1:アルゴン雰囲気下、フラスコにCHClおよび4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1-[(3R)-3-ピペリジル]イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン(1.3g、2.66mmol、1当量)のシュウ酸塩を添加した。次いで、この懸濁液にDMAP(487mg、3.98mmol、1.5当量)、DIEA(1.35mL、7.97mmol、3当量)およびBocO(2.90g、13.28mmol、5当量)を添加した。出発物質は溶解し、反応物は透明になった。溶液を室温で20時間撹拌した。反応物を水で加水分解し、CHClで抽出した。有機相を分離し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮して未精製の生成物を得た。未精製の生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、Hep/AcOEt(1/1))で精製し、tert-ブチル(3R)-3-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(2)(1.86g、収率=91.2%)を得た。
【0122】
工程2:tert-ブチル(3R)-3-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(2)(1g、1.42mmol、1当量)のMeCN/HO/CCl(15mL/20mL/15mL)中の溶液に、NaIO(1.22g、5.7mmol、4当量)およびRuCl.xHO(32mg、142μmol、0.1当量)の順に添加した。反応物は淡褐色の混合物であった。室温で1時間撹拌した後、さらにNaIO(152mg、0.7mmol、0.25当量)を添加した。反応物を室温で24時間撹拌したところ、暗褐色となった。Na水溶液で加水分解し、30分間撹拌すると、溶液は淡黄色になった。これをAcOEtで抽出した。有機相を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して未精製の生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、Hep/AcOEt(1/1))により未精製の生成物を精製し、tert-ブチル(3R)-3-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(出発物質)(450mg、収率=45%)、およびtert-ブチル(5R)-5-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-2-オキソ-ピペリジン-1-カルボキシレート(所望の生成物)(3)(200mg、収率=20%)を得た。
【0123】
工程2:電気化学プロセス-20mLのバイアルセットアップを備えたElectrasyn2.0(IKA)を用いて、tert-ブチル(3R)-3-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(2)(300mg、0.43mmol、1当量)のMeCN(12mL)中の溶液に、メディエータとしてキヌクリジン(2当量、0.86mmol、95mg)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール(「HFIP」)(11当量、4.70mmol、790mg)、および電解質としてテトラフルオロホウ酸テトラメチルアンモニウム(2.05当量、0.88mmol、141mg)を添加した。バイアルキャップセット:(作用電極)RVC-Reticulated Vitreous Carbon Foamを陽極とし、Ni Foamを陰極とした。電気化学反応は定電流モード;極性切替なしの8mAの定電流で行った。総荷電は室温で16Faradays/molであった。反応はLC/MSでモニターした。反応物を氷水に注いだ後、チオ硫酸ナトリウムの1M溶液を添加した。水相を酢酸エチルで洗浄した。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して未精製の生成物を得た。シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー、溶出混合物、酢酸エチル/ペンタン(70/30)による精製により、予想される生成物であるtert-ブチル(5R)-5-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-2-オキソ-ピペリジン-1-カルボキシレート(3)(150mg、収率=49%)を得た。
【0124】
工程3:tert-ブチル(5R)-5-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-2-オキソ-ピペリジン-1-カルボキシレート(3)(820mg、1.15mmol、1当量)のTHF/HO(30mL/30mL)中の溶液に、LiOH(471mg、19.4mmol、17当量)を添加した。溶液を室温で3時間撹拌した。反応混合物を1N HCl水溶液でpH=1~2になるまで加水分解し、次いで、AcOEtで抽出した。有機相を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、所望の化合物:(4R)-4-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタン酸(4)(780mg、収率=92.8%)を得た。
【0125】
工程4:アルゴン雰囲気下、フラスコに、CHCl(5mL)、(4R)-4-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタン酸(720mg、0.98mmol、1当量)(4)、およびTFA(2mL)を装入した。混合物を室温で6時間撹拌した。CHClおよびTFAを蒸発させ、高減圧下で10時間乾燥した後、(4R)-5-アミノ-4-[4-アミノ-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]ペンタン酸(5)(410mg、96%)を得た。これはさらに精製せず、そのまま次の工程に使用した。
【0126】
工程5:(4R)-5-アミノ-4-[4-アミノ-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]ペンタン酸(5)(425mg、0.98mmol、1当量)およびCHCl(6mL)の懸濁液に、出発物質を可溶化するためにDMF(0.5mL)を添加した。次いで、反応溶液を0℃に冷却し、DIEA(343μL、1.96mmol、2当量)を装入し、塩化アクリロイル(41μL、0.49mmol、0.5当量)のCHCl(2mL)中の溶液を滴下して添加した。溶液を室温まで加温し、2時間撹拌した。反応物を減圧濃縮し、分取HPLC、次いで超臨界HPLCで直接精製して、(4R)-4-[4-アミノ-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-5-(プロパ-2-エノイルアミノ)ペンタン酸(式IVの化合物、上記では(6)ともいう)(180mg、収率=38%、純度98%)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.02 (m, 1 H), 2.17 (m, 2 H), 2.28 (m, 1 H), 3.65 (m, 2 H), 4.36 (m, 1 H), 4.78 (s, 2 H), 5.53 (dd, J=8 , 2Hz , 1 H), 6.02 (dd, J=17 , 2 Hz, 1 H), 6.09 (dd, J=17 , 8 Hz ,1 H), 6.65 (m, 1 H), 7.15 (d, J=8 Hz, 4 H), 7.21 (t, J=7 Hz, 1 H), 7.45 (m, 4 H), 7.71 (d, J=5 Hz, 1 H), 8.28 (t, J=6 Hz, 1H) LC/MS: 488.2 (M+H)+/486.1 (M-H)-.
【実施例4】
【0127】
(R)-N-(2-(4-アミノ-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)-5-ヒドロキシペンチル)アクリルアミドの合成
【化42】
【0128】
式Vの化合物(上記では化合物(6)という)を、上記のスキームに示すように、また以下に詳述するように製造した。
【0129】
工程1および2は、実施例3の工程1および2に記載したように実施した。工程3:室温でアルゴン雰囲気下、フラスコに、tert-ブチル(5R)-5-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-2-オキソ-ピペリジン-1-カルボキシレート(3)(280mg、0.39mmol、1当量)、MeOH(8mL)、NaBH(148mg、3.9mmol、10当量)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した後、HOで加水分解した。有機相を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、所望の化合物であるtert-ブチル(3R)-3-[4-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(4)(281mg、収率=77%)を得た。これはさらに精製せず、直接次の工程に使用した。
【0130】
工程4:出発物質であるtert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-[1-[(1R)-1-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-ブチル]-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-イル]カルバメート(4)(216mg、0.30mmol、1当量)に、ジオキサン(15mL)中のHClを添加した。溶液を室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、未精製の生成物である4-アミノ-1-[(1R)-1-(アミノメチル)-4-ヒドロキシ-ブチル]-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン(5)(126mg、収率=95.3%)を次の工程に使用した。
【0131】
工程5:アルゴン雰囲気下、フラスコに、4-アミノ-1-[(1R)-1-(アミノメチル)-4-ヒドロキシ-ブチル]-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン(125mg、0.29mmol、1当量)(5)およびCHCl(2mL)を添加した。次いで、DIEA(104μL、0.59mmol、2当量)を装入した後、反応溶液を0℃に冷却し、塩化アクリロイル(12.5μL、0.15mmol、0.5当量)のCHCl(1mL)中の溶液を滴下して添加した。溶液を0℃に維持し、1時間撹拌した。反応物をHOで加水分解し、AcOEtで抽出した。有機相を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、未精製の化合物を得、これを分取HPLCで精製して、N-[(2R)-2-[4-アミノ-2-オキソ-3-(4-フェノキシフェニル)イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-5-ヒドロキシ-ペンチル]プロパ-2-エンアミド(式Vの化合物、上記では(6)という)(38mg、収率=27%、純度95%超)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.25 - 1.40 (m, 2 H), 1.83 (m, 1 H), 2.08 (m, 1 H), 3.35 (m, 2 H), 3.50 - 3.70 (m, 2 H), 4.35 (m, 1 H), 4.43 (m, 1 H), 4.80 (s, 2 H), 5.53 (dd, J=8 , 2Hz , 1 H), 6.03 (dd, J=17 , 2 Hz, 1 H), 6.11 (dd, J=17 , 8 Hz ,1 H), 6.70 (m, 1 H), 7.15 (d, J=8 Hz, 4 H), 7.22 (t, J=7 Hz, 1 H), 7.43 (d, J=7 Hz, 2 H), 7.48 (t, J=7 Hz, 2 H), 7.74 (d, J=5 Hz, 1 H), 8.29 (t, J=6 Hz, 1H) LC/MS: 474.1 (M+H)+.
【実施例5】
【0132】
BTK(h)試験
式Ib、式II、および式IIIの化合物を、本明細書に記載したようにBTK(h)に対して試験した。試験を行った全ての化合物は、100%DMSO中で最終アッセイ濃度50倍のワーキングストックに製造した。必要に応じて、より濃縮したストックを、100%DMSOを用いて手動で50倍に希釈した。粉末の化合物は、50倍にさらに希釈する前に100%DMSOで10mMのストックに再構成した。
【0133】
アッセイ手順:酵素および基質を含有する反応ミックスを添加する前に、必要量の50倍量の試験化合物ストックをアッセイウェルに添加した。選択した濃度のATPを添加することにより反応を開始した。ATPを添加する前の酵素/基質ミックスと、化合物とのプレインキュベーションは行わなかった。
【0134】
データ解析:結果は、DMSO対照に対するキナーゼ活性残存率として表す。これは以下の式を用いて算出される:
【数1】
【0135】
IC50の決定のために、XLFitバージョン5.3(ID Business Solutions)を用いてデータを解析する。非線形回帰分析を用いて、各試験濃度の平均結果に基づいてシグモイド用量反応(可変勾配)曲線を当てはめる。曲線の上端および/または下端が、それぞれ100および0から10%を超えて外れる場合、Rに関するQC基準を満たすことを条件に、これらの限界値のいずれかまたは両方を100および0とすることができる。
【0136】
結果は表2に示す通りである。
【0137】
【表2】
【実施例6】
【0138】
インビトロ試験
式Ia、式Ib、式III、式IV、および式Vの化合物を、種々のインビトロアッセイで試験した。化合物の結合は、各標的に特異的な放射能標識リガンドの結合の阻害%として算出した。化合物の酵素阻害効果は、対照酵素活性の阻害%として算出した。特定の化合物は、特定のアッセイにおいて有意な活性を示し、この例では50%超の阻害または刺激と定義した。
【0139】
BZD結合アッセイ:一般的な手順を以下に説明する。Le Fur,G.ら(1983)、Life Sci.、33:449~457を参照されたい。Kdは受容体に対する放射性リガンドの親和力である。以下に説明する実験プロトコルに対して若干の変更が試験中に発生した可能性はあるが、そうであったとしても、得られた結果の質には影響しなかった。
【0140】
【表3】
【0141】
式Iaの化合物はこのアッセイで有意な活性を示し、52.2%の阻害を示した。
【0142】
ドーパミン結合アッセイ:一般的な手順を以下に説明する。Pristupa,Z.B.ら(1994)、Mol.Pharmacol.、45:125~135を参照されたい。以下に説明する実験プロトコルに対して若干の変更が試験中に発生した可能性はあるが、そうであったとしても、得られた結果の質には影響しなかった。
【0143】
【表4】
【0144】
式Iaの化合物はこのアッセイで有意な活性を示し、65%の阻害を示した。式IIIの化合物も有意な活性を示し、96.2%の阻害を示した。
【0145】
(h)結合アッセイ:一般的な手順を以下に説明する。Zhou,Q.Y.ら(1990)、Nature、347:76~80を参照されたい。以下に説明する実験プロトコルに対して若干の変更が試験中に発生した可能性はあるが、そうであったとしても、得られた結果の質には影響しなかった。
【0146】
【表5】
【0147】
式IIIの化合物はこのアッセイで有意な活性を示し、80%の阻害を示した。
【0148】
(h)結合アッセイ:一般的な手順を以下に説明する。Leurs,R.ら(1994)、Brit.J.Pharmacol.、112:847~854を参照されたい。以下に説明する実験プロトコルに対して若干の変更が試験中に発生した可能性はあるが、そうであったとしても、得られた結果の質には影響しなかった。
【0149】
【表6】
【0150】
式IIIの化合物はこのアッセイで有意な活性を示し、56.7%の阻害を示した。
【0151】
δ(DOP)(h)結合アッセイ:一般的な手順を以下に説明する。Simonin,F.ら(1994)、Mol.Pharmacol.、46:1015~1021を参照されたい。以下に説明する実験プロトコルに対して若干の変更が試験中に発生した可能性はあるが、そうであったとしても、得られた結果の質には影響しなかった。
【0152】
【表7】
【0153】
式IIIの化合物はこのアッセイで有意な活性を示し、56.7%の阻害を示した。
【0154】
カッパ(h)(KOP)結合アッセイ:一般的な手順を以下に説明する。Simonin,F.ら(1995)、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、92:7006~7010を参照されたい。以下に説明する実験プロトコルに対して若干の変更が試験中に発生した可能性はあるが、そうであったとしても、得られた結果の質には影響しなかった。
【0155】
【表8】
【0156】
式IIIの化合物はこのアッセイで有意な活性を示し、54.6%の阻害を示した。
【0157】
5-HT5a(h)結合アッセイ:一般的な手順を以下に説明する。Rees,S.ら(1994)、FEBS Lett.、355:242~246を参照されたい。以下に説明する実験プロトコルに対して若干の変更が試験中に発生した可能性はあるが、そうであったとしても、得られた結果の質には影響しなかった。
【0158】
【表9】
【0159】
式IIIの化合物はこのアッセイで有意な活性を示し、56.1%の阻害を示した。
【0160】
ノルエピネフリン輸送体(h)結合アッセイ:一般的な手順を以下に説明する。Pacholczyk,T.ら(1991)、Nature、350:350~354を参照されたい。以下に説明する実験プロトコルに対して若干の変更が試験中に発生した可能性はあるが、そうであったとしても、得られた結果の質には影響しなかった。
【0161】
【表10】
【0162】
式IIIの化合物はこのアッセイで有意な活性を示し、66.7%の阻害を示した。
【0163】
均等物
上記の明細書は、実施形態を当業者が実施することを可能にするのに十分であると考えられる。上記の説明および実施例は、特定の実施形態について詳述し、本発明者らによって企図される最良の形態を記載している。しかしながら、上記が本文中でどれほど詳しく述べられているようであっても、実施形態は多くの方法で実施することができ、添付の特許請求の範囲およびそれらの任意の均等物に準拠して解釈されねばならないことは、理解されよう。
【0164】
本明細書中で使用される場合、約という用語は、明確に示されているか否かにかかわらず、例えば整数、小数および百分率を含めた数値を指す。約という用語は、通常、当業者であれば挙げられた値と等価であるとみなすであろう(例えば、同じ機能または結果を有する)数値の範囲(例えば、挙げられた範囲の+/-5~10%)を指す。少なくともという用語、および約という用語が、数値または範囲の列挙に先行する場合、それらの用語は、当該列挙において提供された値または範囲の全てを修飾する。ある場合には、約という用語は、最も近い有効数字として概数で表した数値を含み得る。
【国際調査報告】