(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】オキシ水酸化鉄を調製する方法
(51)【国際特許分類】
C01G 49/02 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
C01G49/02 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538120
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-06-21
(86)【国際出願番号】 EP2021084720
(87)【国際公開番号】W WO2022135925
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505422707
【氏名又は名称】ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・シュレーゲル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルデマール・ツァプリク
【テーマコード(参考)】
4G002
【Fターム(参考)】
4G002AA05
4G002AB02
4G002AE05
(57)【要約】
本発明は、pHを6~10の範囲に維持しながら、鉄塩水性溶液(A)及びアルカリ性沈殿剤水性溶液(B)を最初の装入物に加えることによる、オキシ水酸化鉄を調製する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オキシ水酸化鉄を調製する方法であって、
i)鉄塩水性溶液(A)とアルカリ性沈殿剤水性溶液(B)、好ましくはアルカリ金属水酸化物溶液とが互いに混合され、前記混合が、(A)及び(B)の添加の間中、最初の装入物中で形成される混合物のpHが6~10の範囲に維持されるように実施されること、
ii)Fe(II)塩水性溶液(A)が使用される場合、(A)及び(B)の前記混合の間又はその後に、酸素含有ガスがFe(II)のFe(III)への酸化のために導入されること、
iii)工程i)又はii)の後に得られた懸濁液が固体から分離されること、
iv)工程iii)後に得られた固体が、DM水により、好ましくは2000μS/cm未満の濾液伝導率まで洗浄されること、並びに
v)工程iv)の後に得られた固体が乾燥されること
を特徴とする方法。
【請求項2】
使用される鉄塩水性溶液(A)の鉄塩が、Fe(III)塩、好ましくは、硫酸鉄(III)、塩化鉄(III)、塩化硫酸鉄(III)、又は硝酸鉄(III)であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
使用される鉄塩水性溶液(A)の鉄塩が、硫酸鉄(III)であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
使用されるアルカリ性沈殿剤水性溶液(B)が、アルカリ金属水酸化物水性溶液、特にNaOH又はKOH溶液、好ましくは水酸化ナトリウム溶液であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記混合が、最初の装入物中で形成される混合物のpHが6.5~9.5に維持されるように実施されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オキシ水酸化鉄を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オキシ水酸化鉄は、アルカリ性沈殿剤による鉄(III)塩の沈殿により、又はアルカリ性沈殿剤による鉄(II)塩の沈殿及びその後の酸化により得られ、着色顔料として多くの用途を有する。しかし、他の用途、例えば吸着体又はポリマーを製造するための触媒としての用途の分野も知られている。特に触媒として使用される場合、副生成物スペクトルに対して高い要求が求められる。
【0003】
オキシ水酸化鉄の沈殿は、例えば、(特許文献1)に記載されており、硫酸鉄(III)溶液が特定されてNaOHが沈殿剤として添加されるか、又はその逆も同様である。以下の合成経路により、例えば、非晶質水酸化鉄(III)に到達できる。
Fe2(SO4)3+6NaOH→2Fe(OH)3+3Na2SO4
【0004】
(特許文献1)に記載の方法によると、NaOH沈殿剤が最初に入れられ、鉄塩がそこに加えられて、それによりオキシ水酸化鉄が、非常に高いNa含量を有する生成物として得られる。逆の方式で進めて、NaOH沈殿剤を最初に装入された鉄塩に加えると、オキシ水酸化鉄は、非常に高い硫黄含量を有する生成物として得られる。しかし、両変形態様により調製されたオキシ水酸化鉄は、特に触媒用途には過度のナトリウム及び/又は硫黄含量を有し、それらは、いずれにしても多数回の洗浄によってすら著しく減少させることはできない。
【0005】
最初に装入された硫酸鉄(II)溶液から出発し、NaOHを加え、その後空気酸化することによるオキシ水酸化鉄の調製も、多数回の洗浄によって著しく減少させることができない過度のナトリウム及び硫黄含量を有するオキシ水酸化鉄をもたらす。対応する方法は、例えば、(特許文献2)に記載されている。
【0006】
この場合、空気を排除して、アルカリ性水性溶液の添加により、鉄(II)塩溶液から白色のFe(OH)2が沈殿する。次いで、酸化が、空気中で、灰色がかった緑色、濃緑色、黒っぽい中間段階を経て起こる。Fe(OH)2が酸化される場合、ほとんど結晶相が得られるが、鉄(III)塩溶液が水酸化物と混合される場合、Fe(OH)3は非晶形態で形成される。
【0007】
この場合、水酸化鉄(III)Fe(OH)3は、典型的には、式Fe2O3・nH2O(「オキシ水和鉄(III)」)の水含有ハイドロゲルとして沈殿する。
【0008】
イオン[Fe(H
2O)
6]
3+は、0未満のpHで安定であり、pH=0~2で黄茶色の[Fe(OH)(H
2O)
5]
2+に、pH2~3で[Fe(OH)
2(H
2O)
4]
+及び多核錯体、例えば
【化1】
に、pH3~5で多核イソポリオキソカチオンに転化する。さらなる重合により赤茶色のコロイド状球状多核種が生じる。水含有ハイドロゲルは、非晶質で無構造であり、それは、中心のFe
3+カチオンへのアニオン(OH
-)及び(O
2-)の局所的な近接秩序はあるが、長距離秩序がない、すなわち、結晶格子を形成する構造要素の空間における三次元の規則的反復がないことを意味する。
【0009】
したがって、不明確な含水量を記録するためにしばしば式Fe2O3・nH2Oとして明示される用語「2線フェリハイドライト」も文献に確立されている[(非特許文献1)]。
【0010】
それは、X線粉末ディフラクトグラムで2つの非常にブロードなシグナルを示すほとんど非晶質の水酸化鉄からなる。約280~350m2/gのBET方法による比表面積が測定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許出願公開1582505A1号明細書
【特許文献2】国際公開第02/026632号パンフレット
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】U.Schwertmann,R.M.Cornell,Iron Oxides in the Laboratory,pp.103-112,Wiley-VCH,2000
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
対応する反応物から生じるサルフェートの形態の硫黄及びナトリウムイオンだけでなく、公知の方法では鉄塩又は沈殿剤は水酸化鉄格子にしっかりと組み込まれており、脱塩された洗浄液による徹底した洗浄によっても完全に除去することはできない。他の鉄源、例えば塩化鉄(III)の場合、塩素含量もまた減少させることが困難であるが、これは、腐食の傾向のため、ほとんどの場合において望ましくない。
【0014】
例えば塩化鉄(III)から出発して沈殿が実施される場合、β-FeOOH相(赤金鉱)が好ましくは形成され、それは、その特定の構造のため、高い塩化物含量を有する。同じことが、他の鉄源のアニオン及び沈殿剤のカチオンに当てはまる。
【0015】
したがって、本発明の目的は、沈殿剤から生じるカチオン、特にアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の最低の可能な含量を有し、同時に、鉄塩から生じるアニオン、特に硫黄及び/又は塩化物の最低の可能な含量を有するオキシ水酸化鉄が可能である方法を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0016】
方法
したがって、本発明は、オキシ水酸化鉄を調製する方法であって、
i)鉄塩水性溶液(A)とアルカリ性沈殿剤水性溶液(B)、好ましくはアルカリ金属水酸化物溶液が互いに混合され、混合が、(A)及び(B)の添加の間中、最初の装入物(initial charge)中で形成される混合物のpHが6~10の範囲に維持されるように実施されること、
ii)Fe(II)塩の鉄塩水性溶液(A)が使用される場合、(A)と(B)の混合の間又はその後に、酸素含有ガスがFe(II)のFe(III)への酸化のために導入されること、
iii)工程i)又はii)の後に得られた懸濁液が、固体から分離されること、
iv)工程iii)の後に得られた固体、特にフィルターケーキが、脱塩(DM)水により、好ましくは2000μS/cm未満の濾液伝導率まで洗浄されること、並びに
v)工程iv)の後の洗浄された固体が乾燥されること
を特徴とする方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
オキシ水酸化鉄
本発明による方法により調製されるオキシ水酸化鉄としては、FeO、Fe2O3、Fe3O4、及びFeOOHなどの結晶形態があり、Fe(OH)3及びその水含有ハイドロゲルなどの非晶形態もある。
【0018】
工程i)
鉄塩溶液(A)
使用される鉄塩水性溶液(A)の鉄塩は、鉄(II)塩及び鉄(III)塩の両方であり得る。鉄(III)塩が好ましいがその場合、好ましくは、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、塩化鉄(III)、リン酸鉄(III)、塩化硫酸鉄(III)、又は任意の他の鉄(III)塩が使用され得る。硫酸鉄(III)又は塩化鉄(III)が優先される。
【0019】
鉄(II)塩の場合、好ましくは、硫酸鉄(II)、硝酸鉄(II)、塩化鉄(II)、リン酸鉄(II)、又は任意の他の鉄(II)塩が使用され得る。塩化鉄(II)又は硫酸鉄(II)が優先される。
【0020】
本発明による方法に使用されるアニオンに応じて、その残留比率を、生じたオキシ水酸化鉄中で非常に大幅に低下させることができる。この比率は、典型的には、例としては、サルフェートの硫黄含量として、好ましくは塩化物の塩化物含量として、及び硝酸塩のニトレート含量として測定される。
【0021】
鉄塩水性溶液(A)は、好ましくは、鉄塩水性溶液(A)に基づいて、10~1000g/L、好ましくは50~800g/Lの鉄塩を含む。水の他に、溶液は有機溶媒も含有し得、有機溶媒として、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのプロパノール、ブタノール、又は他のものなどの脂肪族溶媒が言及され得る。
【0022】
鉄塩水性溶液(A)中の溶媒の総含量に基づいて、水の比率は、好ましくは90~100重量%、好ましくは99~100重量%である。
【0023】
アルカリ性沈殿剤水性溶液(B)
アルカリ性沈殿剤水性溶液(B)の沈殿剤は、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物であり、特に使用されるものは、NaOH若しくはKOH若しくはCa(OH)2、Na2CO3、K2CO3、CaCO3、若しくはMgCO3などのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属炭酸塩、MgO若しくはCaOなどのアルカリ土類金属酸化物、又はNH3若しくはNH4OHである。成分(B)は、好ましくは、アルカリ金属水酸化物溶液である。
【0024】
アルカリ性沈殿剤水性溶液(B)は、好ましくは、溶液に基づいて、10~600g/L、好ましくは50~440g/Lの沈殿剤を含む。水の他に、溶液は有機溶媒も含有し得、有機溶媒として、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのプロパノール、ブタノール、又は他のものなどの脂肪族溶媒が言及され得る。
【0025】
沈殿剤水性溶液(B)中の溶媒の総含量に基づいて、水の比率は、好ましくは、90~100重量%、好ましくは99~100重量%である。
【0026】
溶液(A)及び(B)の両方が加えられる最初の装入物(initial charge)は、好ましくは空の容器又は水を含む容器である。pHは、反応混合物、好ましくは反応懸濁液中でpHプローブにより測定できる。混合は、添加の間に既に、例えば添加流のための混合要素により、又は最初の装入の間のみ、例えばそれに付けられた混合要素により実施できる。スターラー又はスタティックミキサーが、通常の混合要素として好適である。最初の装入物への添加の間に、徹底的な混合の補助として空気も導入され得る。これは、添加の間又はその後に酸化される必要がないFe(III)塩を使用する場合にも当てはまり得る。
【0027】
成分(A)及び(B)は、最初の装入物に、連続的に又は少量ずつ添加され得る。
【0028】
pHを測定するために、市販の任意のpHプローブが使用され得る。
【0029】
両成分(A)及び(B)は、好ましくは、2種の成分(A)及び(B)の添加により、pHが、添加の間に、6~10、特に6.5~9.5の範囲に維持されるように加えられる。添加は、好ましくは、±0.5pH単位の逸脱範囲内の選択されたpHで実施される。
【0030】
pHは、一般的に、最初の装入物の出発pHに対して添加の開始時により激しく変化するので、pH値は、通常、短い初期期間の後でなければ、ある値付近で安定化しない。したがって、pHは、好ましくは、A)及びB)の最初の装入物への添加期間全体の95%にわたりこれが前記範囲内であるように、特に所望のpHが、好ましくは±0.5pH単位の逸脱範囲内にあるように、特定の範囲内に調整される。鉄塩溶液(A)は、好ましくは、最初の装入物に、好ましくは一定の添加速度で連続的に添加され、沈殿剤溶液(B)は、所望のpHが明示された範囲内に維持され得るように添加される。
【0031】
この場合、A)及びB)の最初の装入物への添加の間に、2成分のそれぞれの所望の化学量論比からの添加の変動が起こり得る。そのため、添加の間の化学量論の10%までのそれぞれの所望の化学量論比からの逸脱はごく普通である。
【0032】
混合は、好ましくは、自由な温度レベルで、特に、好ましくは10~100℃の温度で実施される。
【0033】
成分(A)及び(B)を混合した後に、オキシ水酸化鉄の水性懸濁液が得られる。生じた固体粒子は、好ましくは、50~400g/m2、好ましくは50~300g/m2のBET表面積を有する。
【0034】
工程ii)
酸化状態+2の鉄塩が使用される場合、酸素又は酸素含有ガス、特に空気が、好ましくは2成分A)及びB)の混合の間に既に、加えられる。これは、好ましくは、酸素又は酸素含有ガスを、両成分の添加の間中、最初の装入物に導入することにより実施される。酸素又は酸素含有ガスは、2成分A)及びB)の添加の後に最初の装入物に導入されてもよい。
【0035】
工程iii)
工程i)又はii)後に得られた水性懸濁液は、好ましくは濾過、例えばフィルタープレスによる濾過、又は遠心分離によって、固体から分離される。
【0036】
工程iv)
工程iii)後に得られた固体、特にフィルターケーキは、好ましくは、脱塩(DM)水により、好ましくは1000μS/cm未満、特に300μS/cm未満、特に好ましくは100μS/cm未満の濾液伝導率にまで洗浄される。濾液伝導率の測定は、この場合、通常の伝導率測定装置により測定される。
【0037】
工程v)
工程iv)による洗浄の後に得られた固体は、典型的には、60~300℃、特に60~100℃の温度で乾燥される。通常の顔料乾燥機が乾燥機として好適である。固体は、好ましくは、固体に基づいて1重量%未満の水の残留水分まで乾燥される。
【0038】
乾燥の後には、例えば凝集体及び凝結体の分散を達成するために粉砕が続き得る。これは、例えば、塗布媒体中の均一分散を可能にするために有利であり得る。
【実施例】
【0039】
比較例1(=比較1)(欧州特許1582505号明細書の実施例1に類似)
107g/LのFe2(SO4)3含量を有する15LのFe2(SO4)3溶液を、最初に50℃で装入し、3.5LのNaOH溶液(302g/L)により、67g/分の添加速度で、pH7まで撹拌しながら沈殿させ、混合物を30分間事後攪拌した。生じた最終懸濁液は37g/FeOOHを含む。
【0040】
約5Lの生じた懸濁液を、実験室フィルタープレスでDM水により100μS/cm未満の濾液伝導率まで洗浄した。フィルターケーキを、75℃で、空気循環乾燥キャビネット内で乾燥させ、乾燥した水酸化鉄を実験室粉砕機により軽く粉砕した。
元素分析 表1参照
【0041】
比較例2(=比較2)(欧州特許1582505号明細書の実施例1に類似)
15LのFe2(SO4)3溶液(107g/L)を、最初に50℃で装入し、3.4LのNaOH溶液(309g/L)により、65g/分の添加速度で、pH8まで撹拌しながら沈殿させ、混合物を30分間事後攪拌した。生じた最終懸濁液は37g/FeOOHを含む。
【0042】
約5Lの生じた懸濁液を、ヌッチェ濾過器で146μS/cmの濾液伝導率に洗浄し、生じたフィルターケーキを、75℃で、空気循環乾燥キャビネット内で乾燥させ、乾燥した水酸化鉄を実験室の粗粉砕機で砕いた。
元素分析 表1参照
【0043】
比較例3(=比較3)(欧州特許1582505号明細書の実施例3に類似)
16LのNaOH溶液(60g/L NaOH)を最初に装入し、撹拌しながら50℃に加熱した。次いで、自由な温度レベルで、2.4LのFe2(SO4)3溶液(107g/L Fe2(SO4)3)を、65g/分の添加速度で、pH9まで加えた。
【0044】
混合物をさらに15分間撹拌した。
【0045】
次いで、バッチを、実験室フィルタープレスで、100μS/cm未満の濾液伝導率まで洗浄した。フィルターケーキを、恒量まで、75℃で、空気循環乾燥キャビネット内で乾燥させ、固体を、実験室粉砕機により軽く粉砕した。
重量:301gの固体
元素分析 表1参照
【0046】
実施例1(本発明)
12186gの脱塩(DM)水を最初に装入し、撹拌しながら50℃に加熱した。次いで、自由な温度レベルで、4200gのFe2(SO4)3溶液(637g/L、42%Fe2(SO4)3)を32g/分の添加速度で添加して、NaOH溶液(313g/L NaOH)の同時の添加によりpHを7.0に維持した。
【0047】
生じた懸濁液を、実験室フィルタープレスで90μS/cm未満の濾液伝導率まで洗浄した。フィルターケーキを、75℃で、空気循環乾燥キャビネット内で乾燥させ、乾燥した固体を実験室粉砕機により軽く粉砕した。
重量:640gの固体
分析:懸濁液中のFeOOH含量=39.7g/L;BET=93m2/g
元素分析 表1参照。
【0048】
実施例2(本発明)
12186gのDM水を最初に装入し、撹拌しながら50℃に加熱した。次いで、自由な温度レベルで、4200gのFe2(SO4)3溶液(637g/L、Fe2(SO4)3)を32g/分の添加速度で添加して、NaOH溶液(313g/L NaOH)の同時の添加によりpHを8.0に維持した。
【0049】
生じた懸濁液を、実験室フィルタープレスで90μS/cm未満の濾液伝導率まで洗浄した。フィルターケーキを、75℃で、空気循環乾燥キャビネット内で乾燥させ、乾燥した固体を実験室粉砕機により軽く粉砕した。
重量:681gの固体
分析:懸濁液中のFeOOH含量=51.6g/L;BET=126m2/g
元素分析 表1参照
【0050】
実施例3(本発明)
12186gのDM水を最初に装入し、撹拌しながら50℃に加熱した。次いで、自由な温度レベルで、4200gのFe2(SO4)3溶液(637g/L、Fe2(SO4)3)を32g/分の添加速度で添加して、NaOH溶液(313g/L NaOH)の同時の添加によりpHを8.5に維持した。
【0051】
生じた懸濁液を、実験室フィルタープレスで90μS/cm未満の濾液伝導率まで洗浄した。フィルターケーキを、75℃で、空気循環乾燥キャビネット内で乾燥させ、乾燥した固体を実験室粉砕機により軽く粉砕した。
重量:661gの固体
分析:懸濁液中のFeOOH含量=42.4g/L;BET=152m2/g
元素分析 表1参照
【0052】
実施例4(本発明)
12186gのDM水を最初に装入し、撹拌しながら50℃に加熱した。次いで、自由な温度レベルで、4200gのFe2(SO4)3溶液(637g/L、Fe2(SO4)3)を32g/分の添加速度で添加し、NaOH溶液(313g/L NaOH)の同時の添加によりpHを9.0に維持した。
【0053】
生じた懸濁液を、実験室フィルタープレスで90μS/cm未満の濾液伝導率まで洗浄した。フィルターケーキを、75℃で、空気循環乾燥キャビネット内で乾燥させ、乾燥した固体を実験室粉砕機により軽く粉砕した。
重量:660gの固体
分析:懸濁液中のFeOOH含量=41.1g/L;BET=177m2/g
元素分析 表1参照
【0054】
実施例5(本発明)
12055gのDM水を最初に装入し、撹拌しながら50℃に加熱した。次いで、自由な温度レベルで、4167gのFeCl3溶液(517g/L FeCl3)を、28g/分の添加速度で添加し、KOH溶液(420g/L KOH)の同時の添加によりpHを8.0に維持した。
【0055】
懸濁液を、実験室フィルタープレスで90μS/cm未満の濾液伝導率まで洗浄した。フィルターケーキを、75℃で、空気循環乾燥キャビネット内で乾燥させ、乾燥した固体を実験室粉砕機により軽く粉砕した。
重量:656gの固体
分析:懸濁液中のFeOOH含量=40.6g/L;BET=162m2/g
元素分析 表1参照
【0056】
実施例6(本発明)
10840gのDM水を、25℃で撹拌しながら最初に装入した。次いで、自由な温度レベルで、7205gのFeSO4溶液(249g/L FeSO4)を100g/分の添加速度で添加し、NaOH溶液(313g/L NaOH)の同時の添加によりpHを8.5に維持した。800L/時の空気も、NaOH溶液の添加と同時に加えた。
【0057】
生じた懸濁液を、実験室フィルタープレスで90μS/cm未満の濾液伝導率まで洗浄した。フィルターケーキを、75℃で、空気循環乾燥キャビネット内で乾燥させ、乾燥した固体を実験室粉砕機により軽く粉砕した。
重量:704gの固体
分析:懸濁液中のFeOOH含量=38.7g/L;BET=121m2/g
元素分析 表1参照
【0058】
実施例7(本発明)
10840gのDM水を、25℃で撹拌しながら最初に装入した。次いで、自由な温度レベルで、7205gのFeSO4溶液(249g/L FeSO4)を、100g/分の添加速度で添加し、NaOH溶液(313g/L NaOH)の同時の添加によりpHを9.0に維持した。800L/時の空気も、NaOH溶液の添加と同時に加えた。
【0059】
生じた懸濁液を、実験室フィルタープレスで90μS/cm未満の濾液伝導率まで洗浄した。フィルターケーキを、75℃で、空気循環乾燥キャビネット内で乾燥させ、乾燥した固体を実験室粉砕機により軽く粉砕した。
重量:707gの固体
分析:懸濁液中のFeOOH含量=39.8g/L;BET=121m2/g
元素分析 表1参照
【0060】
【国際調査報告】