IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エナジー ヴォールト インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-501289エレベーター昇降システムを備えたエネルギー貯蔵システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】エレベーター昇降システムを備えたエネルギー貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 15/00 20060101AFI20231228BHJP
   H02J 3/28 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
H02J15/00 C
H02J3/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538742
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 US2021073039
(87)【国際公開番号】W WO2022140764
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】63/130,573
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521020778
【氏名又は名称】エナジー ヴォールト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペドレッティ アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ハニ ローランド マーカス
【テーマコード(参考)】
5G066
【Fターム(参考)】
5G066HB06
5G066JA07
5G066JB05
(57)【要約】
エネルギー貯蔵及び供給システムは、エレベーターを備え、そこでエレベーターは、1つ以上のブロック群を、低い高さから高い高さへ移動させることによって、エネルギーを貯蔵するように(例えば、高い高さにおけるブロックの位置エネルギーを介して)動作可能であり、1つ以上のブロック群を、高い高さから低い高さへ移動させることによって(例えば、重力によって)、電気を発生するように(例えば、低い高さへと移動される時の、ブロックの運動エネルギーを介して)動作可能である。エネルギー貯蔵システムは、例えば、太陽光発電が利用可能な昼間に、太陽光発電から生成された電気を、位置エネルギーとして、積み重ねられたブロック群において貯蔵し得て、太陽光発電が利用できない夜間に、積み重ねられたブロック群における位置エネルギーを、電気に変換し得て、変換されたエネルギーを電力系統に供給し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のモジュールを備えたエネルギー貯蔵及び供給のシステムであって、
前記1つ以上のモジュールのそれぞれは、
複数のブロック群と、
基礎の上に、鉛直高さを有するフレームと、
を備え、
前記フレームは、
下部デッキと、
前記下部デッキの上に、垂直方向に間隔が空けられている上部デッキと、
前記下部デッキ及び前記上部デッキの間に延びる、前記フレームの左カラム及び右カラムの間に配置されたエレベーターシャフトと、
前記エレベーターシャフトにおいて移動可能に配置され、電動発電機に動作可能に結合されたエレベーターであって、
前記エレベーターは、その中に1つ以上のブロックを受け入れて支持するように製造され、前記下部デッキの上の位置と、前記上部デッキの上の位置との間を移動するように動作可能である、
エレベーターと、
を備え、
前記エレベーターは、1つ以上のブロックを、前記下部デッキの上の前記左カラム内の位置から、前記左カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置まで引き上げ、1つ以上のブロックを、前記下部デッキの上の前記右カラムにおける位置から、前記右カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置に移動させ、それによって、前記1つ以上の、引き上げられたブロック群の位置エネルギー量に相当する、ある量の電気エネルギーを貯蔵するように動作可能であり、
前記エレベーターは、1つ以上のブロックを、前記左カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置から、前記下部デッキの上の前記左カラム内の位置に下げて、1つ以上のブロック群を、重力の下で、前記右カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置から、前記下部デッキの上の前記右カラム内の位置に移動させ、それによって、前記エレベーターに電気的に結合された前記電動発電機を介して、前記1つ以上の、下げられたブロック群のそれぞれに対する、ある量の電気を発生させるように動作可能な、
システム。
【請求項2】
前記モジュールの前記基礎に対する平均の荷重分布が、実質的に一定のままであるように、前記エレベーターは、前記下部デッキの上の前記位置と、前記上部デッキの上の前記位置との間の前記複数のブロック群を移動させるように動作可能である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記フレームは、鉄骨鉄筋コンクリート柱からなる、複数のカラムを備えた、
請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数のブロック群のそれぞれは、平らな上面及び反対側の底面を持つ長方形の形状を有しており、前記底面は、2つ以上の凸部群と、前記2つ以上の凸部群の間の凹部とを有し、前記凸部群及び前記凹部は、前記ブロックの奥行きに渡って延びる開口部群を規定する、
請求項1-3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記底面は、複数の凸部群及び複数の凹部群を持つ波形の形状を有し、それぞれの凹部は、前記凸部群のうちの一対の間に規定される、
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、前記エレベーターに移動可能に結合され、前記1つ以上のブロックを、前記エレベーターに対して、左又は右に移動させるように構成されたジャッキをさらに備え、
前記ジャッキは、前記1つ以上のブロックを、前記下部デッキの上の前記左カラム内の前記位置から、前記エレベーター上に移動させ、前記1つ以上のブロックを、前記エレベーターから、前記左カラムの上方にある前記上部デッキの上の前記位置に移動させるように構成され、
前記ジャッキは、前記1つ以上のブロックを、前記下部デッキの上の前記右カラム内の前記位置から、前記エレベーター上に移動させ、前記1つ以上のブロックを、前記エレベーターから、前記右カラムの上方にある前記上部デッキの上の前記位置に移動させるように、さらに構成された、
請求項1-5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ジャッキは、前記1つ以上のブロックを、前記左カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置から、前記エレベーターに移動させ、前記1つ以上のブロックを、前記エレベーターから、前記下部デッキの上方の前記左カラム内の位置に移動させるように構成され、
前記ジャッキは、前記1つ以上のブロックを、前記右カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置から、前記エレベーター上に移動させ、前記1つ以上のブロックを、前記エレベーターから、前記下部デッキの上方にある前記右カラム内の位置に移動させるように構成された、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ジャッキは、前記エレベーターに対して前記ジャッキが移動することを可能にする複数の車輪群を持つ筐体と、垂直方向と非垂直方向とになるよう駆動可能な1つ以上のリフトアーム群とを有し、
前記リフトアーム群が非垂直方向にある時、前記筐体は、前記1つ以上の凹部より高さが低く、前記ブロックの前記1つ以上の凹部内に延びることによって、ジャッキを前記ブロックの下に、少なくとも部分的に配置することができ、
前記筐体が前記ブロックに係合し、支持面から前記ブロックを持ち上げることによって、前記ジャッキが前記ブロックを支持し移動させることが可能になるよう、前記ジャッキの高さを増加させるように、前記リフトアーム群が前記垂直方向に駆動可能である、
請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
それぞれのモジュールは、2つのエレベーターシャフト群を備え、
それぞれのエレベーターシャフトは、前記フレームの、隣接する左及び右カラムの間に配置される、
請求項1-8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上のモジュール群は、奥行き方向において、互いに隣接して同一直線上に配置された5つのモジュール群である、
請求項1-9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記エレベーターは、前記フレームを通る長手方向軸と一致する垂直軸に対して、エレベーターガイドのまわりに水平面内で回転可能である、
請求項1-10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記エレベーターは、
a)前記ブロックの肩部に係合する、前記エレベーターの縁を介して、前記ブロックを確実に掴み、
b)前記エレベーターシャフトに対応する角度位置まで、第1方向において、水平面で前記ブロックを回転させ、
c)前記上部デッキの上の位置まで、前記ブロックを持ち上げ、
d)前記ブロックを、前記上部デッキの上の位置まで、前記第1方向と反対の第2方向において回転させ、
e)ブロックが、前記上部デッキ又は前記上部デッキ上のブロックのスタックに載るように、前記ブロックを放す、
ように前記エレベーターを操作することによって、前記下部デッキの上の前記位置から、前記上部デッキの上の前記位置まで、ブロックを移動させるように構成された、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記エレベーターは、
a)前記ブロックの肩部に係合する、前記エレベーターの縁を介して、前記ブロックを確実に掴み、
b)前記エレベーターシャフトに対応する角度位置まで、第1方向において、水平面で前記ブロックを回転させ、
c)前記下部デッキの上の位置まで、前記ブロックを下げ、
d)前記ブロックを、前記下部デッキの上の位置まで、前記第1方向と反対の第2方向において回転させ、
e)ブロックが、前記下部デッキ又は前記下部デッキ上のブロックのスタックに載るように、前記ブロックを放す、
ように前記エレベーターを操作することによって、前記上部デッキの上の前記位置から、前記下部デッキの上の前記位置まで、ブロックを移動させるように構成された、
請求項11又は12に記載のシステム。
【請求項14】
電気を貯蔵及び発生する方法であって、前記方法は、
隣接する左カラム及び右カラムの間のエレベーターシャフトに沿ってエレベーターを操作することによって、前記左カラム又は右カラムにおける下部デッキの上の位置の間の複数のブロック群を、前記左カラム又は右カラムと正対する上部デッキの上の位置まで移動させることとを含み、
前記エレベーターを操作することは、
ブロックを、前記左カラム又は右カラムにおける前記下部デッキの上の前記位置から持ち上げて、
前記ブロックを、前記エレベーターシャフトに移動させて、
前記ブロックを、前記上部デッキの上の位置に持ち上げて、
前記ブロックを、前記エレベーターシャフトから移動させて、
前記ブロックが前記左カラム又は右カラムにおけるその以前の位置の上方で正対するように前記ブロックを放すことによって、前記ブロックの位置エネルギーの量に対応する、ある量の電気エネルギーを貯蔵することと、
ブロックを、前記上部デッキの上の、前記左カラム又は右カラムの上方の位置から持ち上げて、
前記ブロックを、前記エレベーターシャフトに移動させて、
前記ブロックを、重力の下で、前記下部デッキの上の位置に下げて、
前記ブロックを、前記エレベーターシャフトから移動させて、
前記ブロックを、それが前記左カラム又は右カラム内の、その以前の位置の下で正対するように放すことによって、前記エレベーターに電気的に結合された電動発電機を介して、ある量の電気を発生することと、
のうちの1つ又は両方を含む方法。
【請求項15】
前記左カラム又は右カラムにおける前記下部デッキの上の前記位置と、前記左カラム又は右カラムにおける前記上部デッキの上の前記位置との間の、前記ブロックを移動させることは、フレームの基礎に対する平均の荷重分布が、実質的に一定のままであるように、前記ブロックを配置することを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ブロックを前記エレベーターシャフトに移動させること、及び前記ブロックを前記エレベーターシャフトから移動させることは、前記ブロックを支持するジャッキを、前記エレベーターに移動させること又は前記エレベーターから移動させることを含み、
前記ブロックを持ち上げることは、前記ジャッキが前記ブロックを支持し移動させることができるように、前記ジャッキを前記ブロックの下に移動させ、前記ジャッキを、持ち上げられた構成になるように駆動させることを含み、
前記ブロックを放すことは、ジャッキが前記ブロックの下から分離して、移動できるように、前記ジャッキを、下げられた構成になるように駆動させることを含む、
請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記ブロックを、前記エレベーターシャフトに移動させること、及び前記ブロックを、前記エレベーターシャフトから移動させることは、前記エレベーターを、エレベーターガイドのまわりに水平面内で回転させることを含む、
請求項14-16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記下部デッキの上の前記位置から、前記上部デッキの上の前記位置まで、前記ブロックを移動させることは、
a)前記ブロックの肩部に係合する、前記エレベーターの縁を介して、前記ブロックを確実に掴むことと、
b)前記エレベーターシャフトに対応する角度位置まで、第1方向において、水平面で前記ブロックを回転させることと、
c)前記上部デッキの上の位置まで、前記ブロックを持ち上げることと、
d)前記ブロックを、前記上部デッキの上の位置まで、前記第1方向と反対の第2方向において回転させることと、
e)ブロックが、前記上部デッキ又は前記上部デッキ上のブロックのスタックに載るように、前記ブロックを放すことと、
を含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記上部デッキの上の前記位置から、前記下部デッキの上の前記位置まで、前記ブロックを移動させることは、
a)前記ブロックの肩部に係合する、前記エレベーターの縁を介して、前記ブロックを確実に掴むことと、
b)前記エレベーターシャフトに対応する角度位置まで、第1方向において、水平面で前記ブロックを回転させることと、
c)前記下部デッキの上の位置まで、前記ブロックを下げることと、
d)前記ブロックを、前記下部デッキの上の位置まで、前記第1方向と反対の第2方向において回転させることと、
e)ブロックが、前記下部デッキ又は前記下部デッキ上のブロックのスタックに載るように、前記ブロックを放すことと、
を含む、
請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
コンクリート、鋼材、及び圧縮土のうちの1つ以上からなる本体を備えた、エネルギー貯蔵及び発電システム用のブロックであって、
前記本体は、
平面上面と、
底部表面であって、
前記底部表面は、前記本体の幅に渡って延びる2つ以上の凸部群と、前記2つ以上の凸部群の間に規定された凹部とを有する、
底部表面と
を持つ長方形の形状を有し、
前記2つ以上の凸部群及び前記凹部は、前記本体の幅に渡って延びている、
ブロック。
【請求項21】
前記底部表面は、複数の凸部及び複数の凹部を持つ波形の形状を有し、
それぞれの凹部は、一対の凸部の間に規定される、
請求項20に記載のブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー貯蔵及び供給システム、より具体的には、ブロック又はレンガの鉛直移動を介してエネルギーを貯蔵及び放出するエネルギー貯蔵及び供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
再生可能エネルギー源(例えば、太陽光エネルギー、風力、水力、バイオマス等)を用いた発電は成長を続けている。しかし、これらの再生可能エネルギー源(例えば、太陽光エネルギー、風力)の多くは、断続的で予測不可能であるので、断続的な再生可能エネルギー源からグリッドに供給され得る電力量は制限されてしまう。
【発明の概要】
【0003】
したがって、再生可能エネルギー源によって生成された電気を、電力系統への予測可能な供給のために確保する、改良されたシステムが必要である。本明細書で使用されるように、電力系統は、発電事業者から消費者への電気供給のための相互接続されたネットワークであり、都市、州及び/又は国を含む、大きな地理的地域にまたがる。
【0004】
本開示の別の局面によれば、エネルギー貯蔵及び供給システムは、ある例では、時間外の電気を生成するために、太陽エネルギーを貯蔵し得る。エネルギー貯蔵及び供給システムは、複数のブロック群を、低い高さから高い高さへ移動させることによって、太陽光発電が豊富な日中の間、太陽エネルギーを、ブロック群において位置エネルギーとして貯蔵し得る。エネルギー貯蔵システムは、その後、夜間に、ブロック群を、高い高さから低い高さに移動させるように動作することによって、発電機を駆動し、電力系統への供給のための電気を生成し得る。
【0005】
本開示の別の局面によれば、電気を貯蔵し、生成するための方法が提供される。前記方法は、複数のブロック群を、タワー上の低い高さから、タワー上の高い高さへ移動させるように、タワー上のエレベーターを操作することによって、ブロック群においてエネルギーを貯蔵し、それぞれのブロック群は、ブロックの位置エネルギー量に対応する、ある量のエネルギーを貯蔵することを含む。その方法は、ブロック群を、タワー上の高い高さから、タワー上の低い高さへ移動させる(例えば、重力下で)ようにエレベーターを操作し、それによって、高い高さから低い高さへ移動される時に、前記1つ以上のブロックの運動エネルギー量に対応する、ある量の電気を発生することも含む。
【0006】
本開示のある局面によれば、エネルギー貯蔵及び供給システムが提供される。エネルギー貯蔵及び供給システムは、1つ以上のモジュールを備える。それぞれのモジュールは、複数のブロック群と、基礎の上に、鉛直高さを有するフレームとを備える。前記フレームは、下部デッキと、前記下部デッキの上に、垂直方向に間隔が空けられている上部デッキと、前記下部デッキ及び前記上部デッキの間に延びる、前記フレームの左カラム及び右カラムの間に配置されたエレベーターシャフトと、前記エレベーターシャフトにおいて移動可能に配置され、電動発電機に動作可能に結合されたエレベーターとを備える。前記エレベーターは、その中に1つ以上のブロックを受け入れて支持するように製造され、前記下部デッキの上の位置と、前記上部デッキの上の位置との間を移動するように動作可能である。前記エレベーターは、1つ以上のブロックを、前記下部デッキの上の前記左カラム内の位置から、前記左カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置まで引き上げ、1つ以上のブロックを、前記下部デッキの上の前記右カラムにおける位置から、前記右カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置に移動させ、それによって、前記1つ以上の、引き上げられたブロック群の位置エネルギー量に相当する、ある量の電気エネルギーを貯蔵するように動作可能である。前記エレベーターは、1つ以上のブロックを、前記左カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置から、前記下部デッキの上の前記左カラム内の位置に下げて、1つ以上のブロック群を、重力の下で、前記右カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置から、前記下部デッキの上の前記右カラム内の位置に移動させ、それによって、前記エレベーターに電気的に結合された前記電動発電機を介して、前記1つ以上の、下げられたブロック群のそれぞれに対する、ある量の電気を発生させるように動作可能である。
【0007】
本開示の別の局面によれば、電気を貯蔵及び発生する方法が提供される。前記方法は、隣接する左カラム及び右カラムの間のエレベーターシャフトに沿ってエレベーターを操作することによって、前記左カラム又は右カラムにおける下部デッキの上の位置の間の複数のブロック群を、前記左カラム又は右カラムと正対する上部デッキの上の位置まで移動させることを含む。前記エレベーターを操作することは、(a)ブロックを、前記左カラム又は右カラムにおける前記下部デッキの上の前記位置から持ち上げて、前記ブロックを、前記エレベーターシャフトに移動させて、前記ブロックを、前記上部デッキの上の位置に持ち上げて、前記ブロックを、前記エレベーターシャフトから移動させて、前記ブロックが前記左カラム又は右カラムにおけるその以前の位置の上で正対するように前記ブロックを放すことによって、前記ブロックの位置エネルギーの量に対応する、ある量の電気エネルギーを貯蔵することと、(b)ブロックを、前記上部デッキの上の、前記左カラム又は右カラムの上方の位置から持ち上げて、前記ブロックを、前記エレベーターシャフトに移動させて、前記ブロックを、重力の下で、前記下部デッキの上の位置に下げて、前記ブロックを、前記エレベーターシャフトから移動させて、前記ブロックを、それが前記左カラム又は右カラム内の、その以前の位置の下で正対するように放すことによって、前記エレベーターに電気的に結合された電動発電機を介して、ある量の電気を発生することと、のうちの1つ又は両方を含む方法である。
【0008】
本開示の別の局面によれば、エネルギー貯蔵及び発電システム用のブロックが提供される。前記ブロックは、コンクリート、鋼材、及び圧縮土のうちの1つ以上からなる本体を備える。前記本体は、平面上面と、底部表面であって、前記底部表面は、前記本体の幅に渡って延びる2つ以上の凸部群を有する底部表面とを持つ長方形の形状を有する。凹部は、前記2つ以上の凸部群の間に規定され、前記2つ以上の凸部群及び前記凹部は、前記本体の幅に渡って延びる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、添付の図面の図において、限定ではなく例として図示される。
図1図1は、第1の実施形態による、エネルギー貯蔵システムの正面図である。
図2図2は、第2の実施形態による、エネルギー貯蔵システムの正面図である。
図3図3は、第3の実施形態による、エネルギー貯蔵システムの正面図である。
図4図4は、第3の実施形態による、エネルギー貯蔵システムの側面図である。
図5図5は、第3の実施形態による、エネルギー貯蔵システムの斜視図である。
図6図6は、第3の実施形態による、エネルギー貯蔵システムの斜視図である。
図7図7は、ある実施形態による、ブロックの斜視図である。
図8A図8Aは、ある実施形態による、エレベーター上に移動されるブロックの概略図である。
図8B図8Bは、ある実施形態による、エレベーター上に移動されるブロックの概略図である。
図8C図8Cは、ある実施形態による、エレベーター上に移動されるブロックの概略図である。
図8D図8Dは、ある実施形態による、エレベーター上に移動されるブロックの概略図である。
図9A図9Aは、第4の実施形態による、回転するエネルギー貯蔵システムの斜視図である。
図9B図9Bは、第4の実施形態による、回転するエネルギー貯蔵システムの斜視図である。
図10A図10Aは、第4の実施形態による、回転するエネルギー貯蔵システムの側面図である。
図10B図10Bは、第4の実施形態による、回転するエネルギー貯蔵システムの側面図である。
図11図11は、第4の実施形態による、回転するエネルギー貯蔵システムの上面図である。
図12A図12Aは、第4の実施形態による、回転するエネルギー貯蔵システムの斜視図である。
図12B図12Bは、第4の実施形態による、回転するエネルギー貯蔵システムの斜視図である。
図13図13は、第5の実施形態による、回転するエネルギー貯蔵システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで開示されているのは、電力系統を安定させ、住宅、商業及び工業の消費者のために電気を発生するために、大規模電気電力系統に動作可能に結合され得るエネルギー貯蔵システムである。エネルギー貯蔵システムは、供給が容易に利用できる時に、電力網から電気を得て、需要が高い時には、電気を電力網に戻す。エネルギー貯蔵システムはまた、日中、電気を貯蔵し、夜間に、電力網に電気を出力する目的で、太陽光発電所に動作可能に結合されてもよい。このエネルギー貯蔵システムは、追加で又は代替として、風力発電所又は他の再生可能エネルギー発電所に動作可能に結合されてもよい。
【0011】
図1は、エネルギー貯蔵(energy storage、ES)システム100の、ある実現例の概略図を示す。ESシステム100は、フレーム110を含む。ある実現例では、フレーム100は、複数の強化鋼(reinforced steel)/コンクリート柱、複数の横材(不図示)、下部デッキ112、上部デッキ114、エレベーターシャフト122において移動する少なくとも1つのエレベーター120、電動発電機150、及び複数のバラストウェイト又はブロック130を含み得る。ブロック群130は、下部デッキ112及び上部デッキ114上で(例えば、エレベーターシャフト122の右のカラム111a及びエレベーターシャフト122の左のカラム111bの中で)積み重ねられ、保管される。エレベーター120は、ブロック群130が、エレベーターシャフト122を介して、下部デッキ112上のスタックと上部デッキ114上のスタックとの間を移動するように操作され得る。フレーム110、ブロック群130、エレベーターシャフト122及びエレベーター120は、モジュールを形成する。図示されている実現例において、ESシステム100は、1つのモジュールを有する。
【0012】
電気又は他の形態のエネルギーを貯蔵するために、ブロック130は、エレベーター120によって、下部デッキ112から上部デッキ114まで持ち上げられる。エネルギーを放出して電気を発生するために、ブロック130は、エレベーター120によって(例えば、約0.4メートル/秒の速度において)、上部デッキ114から下部デッキ112に下げられ(例えば、重力の下で)、電動発電機150を回転させるために使用される力は、電気を発生する(例えば、ブロック130が下げられている時の、ブロック130の運動エネルギーに基づいて)。
【0013】
ある実現例では、いくつかのブロックは、エレベーター120の左の上部デッキ114及び下部デッキ112に限定されるが、他のブロックは、エレベーター120の右の上部デッキ114及び下部デッキ112に限定される。例えば図1に示されるように、右には、上部デッキ114上のブロック1-6、エレベーター120によって、右側のブロック6上に積み重ねられるように上方に移動されつつあるブロック7、及び下部デッキ112上にあるブロック8を含む、合計8つのブロックが存在する。追加のエネルギーを貯蔵するために、右のブロック8は、持ち上げられて、右のブロック7上に積み重ねられてもよい。代替として、電気を発生するために、右のブロック7は、下げられて、右のブロック8の上部に積み重ねられてもよい。このプロセスは、必要に応じてエネルギーを変換するために利用可能なブロックが存在する限り、繰り返されてもよい。有利には、同一のエレベーター120は、エレベーターシャフト122の右側のブロック群130を、下部デッキ112及び上部デッキ114の間で移動させ得て、エレベーターシャフト122の左側のブロック群130を、下部デッキ112及び上部デッキ114の間で移動させ得る。エレベーター120の左側のブロック群130は、エレベーターシャフト122の左側の下部デッキ112と、エレベーターシャフト122の左側の上部デッキ114との間で移動され得て、エレベーター120の右側のブロック群130は、エレベーターシャフト122の右側の下部デッキ112と、エレベーターシャフト122の右側の上部デッキ114との間で移動され得る。
【0014】
ブロック130が同じ側(例えば、エレベーターシャフト122の左又は右)に存在し続けるように、それぞれのブロック130は、下部デッキ112の位置(又はその上)と、上部デッキ114の位置(又はその上)との間を移動するので、ESシステム100のブロック群130のそれぞれは、下部デッキ112の上の位置と、上部デッキ114の上の位置との間で、垂直移動距離が異なる。例えば、全てのブロック群130が下部デッキ112にあるとき、スタックにおける最上部のブロック130が上部デッキ114の上の位置まで移動する距離は、スタックにおける最低部のブロック130より短いが、これは、スタックにおける最低部のブロック130は、下部デッキ112に隣接する位置から、上部デッキ114の位置を越えて、上部デッキ114上のスタックの最上部まで移動しなければならないからである。したがって、下部デッキ112の上から上部デッキ114の上に移動される時、ESシステム100のそれぞれのブロック130は、異なる量のエネルギーを貯蔵し(例えば、スタックにおける最上部のブロック330は、最小のエネルギーを貯蔵し、スタックにおける最低部のブロックは、最大のエネルギーを貯蔵し)、上部デッキ114の上から下部デッキ112の上に移動される時には、異なる量の電気を発生する(例えば、スタックにおける最上部のブロック330は、最大の電気を発生し、スタックにおける最低部のブロック130は、最小の電気を発生する)。ある実現例では、代替として、エレベーター120は、エレベーターシャフト122の左側の1つのブロックを、下部デッキ112の上方の位置と、上部デッキ114の上方の位置との間で移動させ得て、エレベーターシャフト122の右側の1つのブロックを、下部デッキ112の上方の位置と、上部デッキ114の上方の位置との間で移動させ得て、これは、下部デッキ112及び上部デッキ113にかかる荷重を、エレベーターシャフト122の左側と右側との間で、ほぼ均一に維持し得て、これによって、フレーム110に対する応力差を低減することができる。
【0015】
ある実現例では、それぞれのブロック130は、約6メートルの長さ、6メートルの幅、及び4メートルの高さであってもよい。しかしながら、ブロック130は、他の適切な寸法を有してもよい。ブロック130は、例えば、コンクリート、鋼材、及び/又は圧縮土で作られてもよい。ある実現例では、ブロック130の総重量は、約288トンのような、約200トンと約300トンとの間である(例えば、8つのブロック群130は、約2304トンのような、約1600トンと約2400との間の総重量を有し得る)。上部デッキ114の高さ(h)は、ある実現例では、約88.5メートルであり得て、エレベーターシャフト122の全高(H)は、ある実現例では、約120.5メートルであり得る。しかしながら、上部デッキ114の高さ(h)及びエレベーターシャフト122の高さ(H)は、他の適切な値を有してもよい。ESシステム100のエネルギー貯蔵量は、ある実現例では、約500kWh(キロワット時)であり得る。ESシステム100によって提供される発電量は、ある実現例では、約1.1MWであり得る。ある実現例では、ブロック群130は、メートル法で150トンほどの重さであってもよい。
【0016】
図2は、エネルギー貯蔵(ES)システム100Aの、第2実現例の概略図を示す。ESシステム100Aは、図1に図示され、上で説明されたESシステム100と類似である。したがって、図1におけるESシステム100、及びESシステム100によって移動されるブロック群130の、さまざまな特徴について構成及び記載は、以下に記載される場合を除き、図2におけるESシステム100Aの対応する特徴にも適用すると理解されよう。ESシステム100Aは、1つではなく2つのエレベーター120を備えるという点で、ESシステム100とは異なる。2つのエレベーター120のそれぞれは、フレーム210の、それが対応するエレベーターシャフト122に沿って移動し、そのすぐ左及びすぐ右にあるブロック群130のスタック(例えば、ブロック群は、エレベーターシャフト122の右のカラム111aと、エレベーターシャフト122の左のカラム111bとの中にある)にサービスを提供する。フレーム210は、幅Wを有し得る。ある実現例では、幅Wは、約36メートルのような、約20メートルと約40メートルとの間であり得る。ブロック群130(それぞれのエレベーター120のすぐ左及びすぐ右にある)は、下部デッキ112及び上部デッキ114の間を移動され得る。ESシステム100Aは、ESシステム100と同じように動作するが、ESシステム100Aの2つのエレベーター群120は、ESシステム100Aが、ESシステム100の2倍のエネルギーを貯蔵し、要求に応じて、ESシステム100の2倍の仕事率(例えば、電気)を発生することを可能にする。フレーム110、ブロック群130、エレベーターシャフト群122及びエレベーター群120は、モジュールを形成する。図示されている実現例では、ESシステム100Aは、1つのモジュールを有する。
【0017】
図3-6は、エネルギー貯蔵(ES)システム100Bの第3実現例を図示する。ESシステム100Bは、図2に図示され、上で説明されたESシステム100Aと類似であり、ESシステム100Aは、図1に図示され、上で説明されたESシステム100と類似である。したがって、図2におけるESシステム100A、及びESシステム100Aによって移動されるブロック群130の、さまざまな特徴についての構成及び記載は、以下に記載される場合を除き、図3-6におけるESシステム100Cの対応する特徴にも適用すると理解されよう。ESシステム100Aと同様に、ESシステム100Bは、ESシステム100及び100Aについて上で説明したのと同じように、それぞれがブロック群330を移動させ得る(例えば、それぞれのエレベーター320は、エレベーター320のシャフトのすぐ右側又はすぐ左側のブロック群330を、下部デッキ312及び上部デッキ314の間で移動させ得る)一対のエレベーター320を備える。例えば、ブロック群330は、エレベーターシャフト322の右のカラム311aと、エレベーターシャフト322の左のカラム311bとの中にある。ESシステム100Aとは異なり、ESシステム100Bは、並んで立つ(例えば、奥行方向に隣接するエレベーターシャフトにおいて、つまり図3では紙面奥に向かって、又は図4に示されるように)五対のエレベーター群を備え、よって、前面を横切る横方向に2つのエレベーター(例えば、図3におけるX方向)及び奥行方向に5つのエレベーター(例えば、図4におけるY方向)である、エレベーター320の行列を生成する。しかしながら、フレーム310は、前面を横切る方向に(例えば、図3におけるX方向に)任意の適切な数のエレベーター320を有してもよく、奥行き方向に(例えば、図4におけるY方向に)任意の適切な数のエレベーター320を有してもよい。それぞれのエレベーター320は、それが関連付けられたエレベーターシャフト322の左及び右に、ブロック群330のスタックを有し得る。左又は右のブロック群330は、下部デッキ312上に又は上部デッキ314上に積み重ねられてもよく、下部デッキ312及び上部デッキ314の間で移動されてもよい。それぞれの鉛直面内にあるフレーム310、ブロック群130、エレベーターシャフト群322及びエレベーター群320は、モジュールを形成する。図示されている実現例では、ESシステム100Bは、5つのモジュールを有する。
【0018】
電気又は他の形態のエネルギーを貯蔵するために、エレベーター320は、下部デッキ312まで、又は下部デッキ312の近くまで(例えば、その上まで)エレベーターシャフト322を下降し、ブロック330を持ち上げ(例えば、エレベーターシャフト322の左側又は右側のブロック群330のスタックから)、ブロック330を、上部デッキ314まで(又は、その上に)運び、ブロックを、上部デッキ314上の、ブロック群330のスタックに置く(例えば、上部デッキ314上のブロック330が、下部デッキ312上にあった時と同じ側にあるように、つまりその元の位置の上になるように、それぞれ左側又は右側に)。電気又は他の形態のエネルギーを放出するために、エレベーター320は、上部デッキ314まで、又は上部デッキ314の近くまで(例えば、その上まで)エレベーターシャフト322を上昇し、ブロック330を持ち上げ(例えば、例えば、エレベーターシャフト322の左側又は右側のブロック群330のスタックから)、ブロック330を、下部デッキ312まで(又は、その上に)運び、ブロック330を、下部デッキ312上の、ブロック群330のスタックに置く(例えば、下部デッキ312上のブロック330が、上部デッキ314上にあった時と同じ側にあるように、つまりその以前の位置の下になるように、それぞれエレベーターシャフト322の左側又は右側に)。ESシステム100A、100と同様に、ESシステム100Bは、ブロック群330を上昇させたり下降させたりするために、電動発電機(例えば、図1-2における電動発電機150と同様な)を備える。ブロック330が同じ側(例えば、関連付けられたエレベーターシャフト322の左又は右)に存在し続けるように、ブロック群330を、下部デッキ312の位置(又はその上の位置)と、上部デッキ314の位置(又はその上の位置)との間を移動させることによって、ESシステム100A、100と同様に、ESシステム100Bは、有利には、フレーム310に対する平均の荷重がESシステムの動作中ほぼ一定であるようにブロック群300を移動させ、それによって、動作中のシステムに対する応力を抑制する。加えて、ブロック330が同じ側(例えば、関連付けられたエレベーターシャフト322の左又は右)に存在し続けるように、それぞれのブロック330は、下部デッキ312の位置(又はその上)と、上部デッキ314の位置(又はその上)との間を移動するので、ESシステム100A、100のブロック群のそれぞれと同様に、ESシステム100Bのブロック群330のそれぞれは、下部デッキ312の上の位置と、上部デッキ314の上の位置との間で、垂直移動距離が異なる。例えば、全てのブロック群330が下部デッキ312にあるとき、スタックにおける最上部のブロック330が上部デッキ314の上の位置まで移動する距離は、スタックにおける最低部のブロック330より短いが、これは、スタックにおける最低部のブロック330は、下部デッキ312に隣接する位置から、上部デッキ314の位置を越えて、上部デッキ314上のスタックの最上部まで移動しなければならないからである。したがって、下部デッキ312の上から上部デッキ314の上に移動される時、ESシステム100Bのそれぞれのブロック330(ESシステム100、100Aのそれぞれのブロック130と同様に)は、異なる量のエネルギーを貯蔵し、上部デッキ314の上から下部デッキ312の上に移動される時には、異なる量の電気を発生する。
【0019】
図7は、ブロック330の、ある実現例を図示する。ある実現例では、図1-2におけるESシステム100、100Aで使用されるブロック130は、図7におけるブロック330と類似(例えば、同一)であり得る。ある実現例では、ブロック330は長方形であり、オプションとして、ブロック330の、上面330a(例えば、平らな上面)、前面330b、背面330c、左側330d及び右側330eにおいて、実質的に平滑な仕上げであってもよい。有利には、滑らかな表面は、上面330aの上での、ジャッキ(後述のジャッキ810のような)の動きを容易にし得る。対照的に、底面330fは、ある実現例では、ブロック330の全長Lに沿って、前面330bから背面330cまで、ブロック330の奥行きDにわたる、2つ以上の凸部740及び1つ以上の凹部742を持つ、波形の表面を有し得る。凸部740は下方に延び、凹部742は、凸部740の上に存在する。凸部740は、地面、デッキ(例えば、下部デッキ312、上部デッキ314)、他のブロック330、又はブロック330が配置されている他の表面に接し、凹部741は、前記表面より上方で延びる(例えば、前記表面よりも約10-30センチメートル上方で延びる)。ある例では、凸部740は、10-30センチメートルの高さであり、ブロック330の奥行きDにわたって延びる開口部群を規定する。別の実現例(図3-6で示される)では、ブロック330は、ブロック330の端部に2つの凸部を有するので、ブロック330の奥行きに延びる、単一の開口部を規定する、2つの凸部の間の1つの凹部742aが存在する(図5を参照)。
【0020】
ある実現例では、それぞれのブロック330は、約6メートルの長さ、6メートルの幅、及び4メートルの高さであってもよい(例えば、約144立方メートルの体積を有する)。しかしながら、ブロック330は、他の適切な寸法を有してもよい。ブロック330は、例えば、コンクリート、圧縮土又は土で作られてもよい。ある実現例では、ブロック330の総重量は、約288トンのような、約200トンと約300トンとの間である。ESシステム100Bのエネルギー貯蔵量は、ある実現例では、約500kWh(キロワット時)であり得る。ESシステム100Bによって提供される発電量は、ある実現例では、約1.1MWであり得る。
【0021】
図8A-8Dは、波形の下面(例えば、波形の底面)を持つブロック330と、ブロック330を移動させるために動作可能な車輪付きのジャッキとを示す。ブロック330は、デッキ850からエレベーター820まで移動されてから、エレベーター820から異なるデッキ850まで移動される。エレベーター820は、ある実現例では、ESシステム100、100Aのための図1-2におけるエレベーター120、及びESシステム100Bのための図3-6におけるエレベーター320に類似であり得る。デッキ850は、下部デッキ112、312又は上部デッキ114、314であり得る。ジャッキ810は、エレベーター820に一体化され得るが、ブロック330の下に滑り込み、ブロック330を持ち上げ得て(後述のように)から、ブロック330をエレベーター800に転がして戻し得て、又はその逆も可能である。例えば、ジャッキ810は、ブロック330の底面300f上の凸部740の間の1つ以上の凹部742に延びる大きさに作られた、1つ以上のフィンガーを有し得る。
【0022】
エレベーター820は、プラットフォーム800を備え、ジャッキ810は、プラットフォーム800に対して移動可能である(例えば、エレベーター820と、移動可能に結合されるか又は一体化される)。ジャッキ810は、複数の車輪812を持つ筐体811、1つ以上(例えば、複数)のリフトアーム814、及び上面816を含む。リフトアーム814は、オプションとして、ハウジング811に(例えば、それぞれのリフトアーム814の上端で)回転可能に取付がされ得る。それぞれのリフトアーム812の下端は、1つ以上の車輪812と接続される。リフトアーム814は、リフトアーム814を、垂直方向と非垂直方向との間で回転させるように動作可能な、モーター(例えば、電動機)又はアクチュエーター(不図示)に、強固に固定され得る。リフトアーム814が非垂直方向にある時、ジャッキ810の全高は、比較的低い。モーター/アクチュエーターが作動され、リフトアーム814が垂直方向に回転される時、上面816がブロック330に係合してブロック330を持ち上げるように、リフトアーム814は筐体811を引き上げ、ジャッキ810の全高は高くなり、それによって、ジャッキ810がブロック330を移動させることを可能にする。
【0023】
ブロック330を取り去るプロセスでは、プラットフォーム800は、デッキ850と水平方向に正対され得る(図8Aを参照)。ジャッキ810は、リフトアーム814が非垂直方向にある状態で、ブロック330に向かって動かされる。この構成におけるジャッキ810の全高は、有利には、凹面742、742a(例えば、ブロック330の、波形の底面)の高さより小さい。したがって、ジャッキ810は、ブロック330の下の、2つの凸面740の間(図8Bを参照)で、1つ以上の凹面742、742aの中に滑り込む。いったん、ブロック330の下に到達すると、リフトアーム814は垂直方向に回転され、ジャッキ810を、凸部740及び/又は凹部742、742aの高さより大きい全高まで引き上げ、それによって、ブロック330を、デッキ850から、又は別のブロックから持ち上げる(図8Cを参照)。いったん持ち上げられると、ジャッキ810は、エレベータープラットフォーム800上へと押し戻され(図8Dを参照)、ブロック330は、異なる高さにあるデッキ850又はスタックに再配置される。
【0024】
ブロック330をデッキ850から降ろすためには、直前で記載されたステップ群が、逆の順で実行される。
【0025】
図9A図12Bは、エネルギー貯蔵(ES)システム100Cの第4実現例を図示する。ESシステム100Cは、フレーム910を含む。ある実現例では、フレーム910は、下部デッキ912、上部デッキ914、複数のエレベーターガイド920、エレベーターシャフト924内で動作する少なくとも1つのエレベーター922(例えば、エレベーターグラバー、エレベーターケージ)、滑車926を持つ電動発電機950、及び複数のバラストウェイト群又はブロック群930を持つ、複数の鉄骨鉄筋/コンクリート柱を含み得る。ブロック群930は、下部デッキ912及び上部デッキ914上に、積み重ねられて、貯蔵され得る。エレベーター922は、エレベーターシャフト924を介して、下部デッキ912上のスタックと上部デッキ914上のスタックとの間でブロック群930を移動させるように動作可能である。ブロック930は、円弧形状(例えば、パイ形状)を有してもよい。フレーム910、ブロック群930、エレベーターシャフト924及びエレベーター920は、モジュールを形成する。図示されている実現例では、ESシステム100Cは、1つのモジュールを有する。
【0026】
電気又は他の形態のエネルギーを貯蔵するために、ブロック930は、エレベーター922(例えば、エレベーターグラバー)によって、下部デッキ912から上部デッキ914に持ち上げられる。エネルギーを放出して電気を発生するために、ブロック930は、上部デッキ914から下部デッキ912に下げられ(例えば、重力下で)、電動発電機を回転させるために使用される力は、電気を発生する(例えば、ブロック930が下げられる時の、ブロック930の運動エネルギーに基づいて)。
【0027】
ブロック群930は、例えば、スタック(例えば、下部デッキ912又は上部デッキ912上の)から取得され、回転運動(例えば、ブロック群を取得する又は放すために、エレベーターシャフト912に対して左又は右にエレベーターを回転させる)を使用して、スタック(例えば、上部デッキ914又は下部デッキ912上の)に戻される。例えば、もし、ブロック930が、下部デッキ912の上方から移動される(例えば、下部デッキ912上の、ブロック群930のスタックの上方から移動される)なら、エレベーター922(例えば、エレベーターグラバー)は、ブロック930を確実に掴み(例えば、ブロック930の肩部932に係合する、エレベーター922の縁925を介して)、ブロック930(例えば、第1方向における)を、下部デッキ912の上方のその位置から、エレベーターシャフト924に対応する角度位置に、(オプションとして、持ち上げて)回転させ(例えば、90度だけ)、ブロック930を、上部デッキ914の上の位置(例えば、上部デッキ914上の、ブロック群930のスタックの最上部と一致する)まで持ち上げ、ブロック群930のスタックの真上の位置まで、ブロックを回転させて(例えば、第1方向とは反対の第2方向に)から、ブロック930が、上部デッキ914上のブロック群930のスタックの最上部に載るように、ブロック930を放す。上部デッキ914の上から(例えば、上部デッキ914上のブロック群930のスタックの上から)ブロック930を取り上げて、それを下部デッキ912の上方に配置する(例えば、下部デッキ912上のブロック群930のスタックの最上部に、ブロック930を配置する)ために、類似の回転運動はエレベーター922(例えば、エレベーターグラバー)によって用いられる。本明細書で記載された回転運動は、フレーム910のエレベーターガイド920を通る縦軸と一致する、垂直軸を基準にした水平面における回転を指す。
【0028】
いくつかの実施形態では、電動発電機(不図示)は、地面上又は地面の近くに存在し、タワーガイド920の最上部に取付がされた滑車926を介して、エレベーターグラバー922に接続する。
【0029】
図13は、エネルギー貯蔵(ES)システム100Dの第5実現例を図示する。ESシステム100Dは、図9-12Bに図示され、上で説明されたESシステム100Cと類似である。したがって、図9-12BにおけるESシステム100C、及びESシステム100Cによって移動されるブロック群930の、さまざまな特徴についての構成及び記載は、以下に記載される場合を除き、図13におけるESシステム100D及びブロック群1330の、対応する特徴にも適用すると理解されよう。ESシステム100Dは、図9-12Bにおける、それぞれが2つのエレベーター920を有する2つのタワー910の代わりに、それぞれが一対のエレベーター1310を有する5つのフレーム1310を含むという点で、ESシステム100Cと異なる。したがって、ESシステム100Dは、ESシステム100Cより、より多くのエネルギーを貯蔵し得て、ESシステム100Cより、より多くの電気を発生し得る。ESシステム100Dの、5つのフレーム1310のうちのそれぞれは、複数の下部デッキ1312及び複数の上部デッキ1314、複数のエレベーターガイド1320、複数のエレベーターグラバー1322、複数の電動発電機1050、及び複数のバラストウェイト又はブロック1330を持つ、複数の鉄骨鉄筋/コンクリート柱を含み得る。ESシステム100Dは、ブロック群を、下部デッキ1312と上部デッキ1314との間で移動させるために、ESシステム100Cと同じように動作し得る(例えば、回転運動を用いることによって、ブロック1330を、デッキの上から又はデッキ上のブロックのスタックから移動させて、ブロックを、エレベーターシャフトに向かってある方向に回転させて、ブロックを、異なる高さに移動させて、ブロックを、反対の方向において回転させて、ブロックを、異なるデッキの上方又は前記デッキ上のブロックのスタックの上方に置く)。それぞれのフレーム1310、ブロック群1330、エレベーターシャフト及びエレベーター1320は、モジュールを形成する。図示された実現例において、ESシステム100Dは、5つのモジュールを有する。
【0030】
貯蔵された位置エネルギーを電気に変換するために、エレベーター120、320、820、922、1322は、ブロック130、330、930、1330のうちの1つ以上を、高い高さから低い高さに移動させる(例えば、重力の下で、少なくとも部分的に垂直に下げる)ことによって、電動発電機を駆動し(1つ以上のケーブル又はスチールリボンを介して)、電気を発生し得て、それは、電動発電機が電気的に接続されている電力系統へ供給され得る。ブロック130、330、930、1330が下げられるたびに、電気の形態である仕事率が発生される。
【0031】
有利には、エネルギー貯蔵及び供給システム100-100Dは、例えば、太陽光発電が利用可能な昼間の間に、太陽光発電から発生された電気を、引き上げられたブロック群130、330、930、1330における位置エネルギーとして貯蔵し得て、1つ以上のブロック130、330、930、1330を下げることによって、太陽光発電が利用可能ではない夜間の間に、ブロック群130、330、930、1330における位置エネルギーを、電気に変換し、変換された電気を電力系統に供給し得る。
【0032】
本明細書に記載されているのは、電気エネルギー又は電気を、貯蔵のための位置エネルギーに変換し、位置エネルギーを、例えば、電力系統への供給のための電気エネルギー又は電気に変換するために動作可能な、エネルギー貯蔵及び供給システム(例えば、エネルギー貯蔵及び供給システム100-100D)の例である。有利には、エネルギー貯蔵システムは、メンテナンスを、ほとんど又は全く必要とせず、エネルギー貯蔵容量を実質的に減少させることなく、数十年(例えば、30-50年)動作し得る。
【0033】
いくつかの実現例では、本明細書に記載されているエネルギー貯蔵システムは、約10メガワット時(MWh)以上のエネルギー(例えば、15MWh、20MWh、30MWh、50MWh、80MWh、90MWhのような、10MWhと100MWhとの間)を貯蔵し得て、約10MWh以上のエネルギー(例えば、例えば、15MWh、20MWh、30MWh、50MWh、80MWh、90MWhのような、10MWhと100MWhとの間)を電力系統に供給し得る。本明細書に記載されているエネルギー貯蔵システムは、時間ごとに、エネルギーを供給し得る(例えば、1MWから6MW以上まで)。しかしながら、他の実現例では、本明細書に記載されているエネルギー貯蔵及び供給システムは、他の適切なエネルギー貯蔵及び供給容量(例えば、1MWh、3MWh、5MWh、等)を有し得る。ある実現例では、エネルギー貯蔵及び供給システムは、オプションとして、1日に、約1000戸以上に、電力を供給し得る。
【0034】
本明細書に記載されているエネルギー貯蔵及び供給システムは、有利には、例えば、太陽光エネルギーシステム、風力エネルギー発電システム(例えば、風力タービン)等のような、再生可能エネルギー(例えば、グリーンエネルギー)発電システムに結び付けられてもよい。有利には、再生可能エネルギー発電システムの動作(例えば、昼間の間の太陽光発電システムの動作、強風時の風力発電システムの動作)の間、エネルギー貯蔵及び供給システムは、再生可能エネルギー発電システムによって発生された電気を取得する。エネルギー貯蔵及び供給システムは、再生可能エネルギー発電システムが動作しない時(例えば、夜間、無風状態の間)、貯蔵された電気を、後で、電力系統に供給し得る。したがって、エネルギー貯蔵及び供給システムは、再生可能エネルギー発電システムに対して、バッテリーのように動作し、時間外の電気を、再生可能エネルギー発電システムから電力系統に供給し得る。
【0035】
上述の実現例では、エネルギー貯蔵及び供給システム100-100Dは、ブロック群130、330、930、1330を持ち上げることによって、電気エネルギーを位置エネルギーとして貯蔵し、ブロック群130、330、930、1330を下げることによって、電気を発生する。ある実現例では、エレベーター120、320、820、922、1322は、電力系統からの余剰電力で動作され得る。ブロック群130、330、930、1330を持ち上げるために使用される、エネルギーの単位ごとに対する、エネルギー貯蔵システム100-100Dによって回収されるエネルギー量は、オプションとして、80-90パーセントであってもよい。
[追加の実施形態]
【0036】
本発明の実施形態において、エネルギー貯蔵システム、前記システムを操作する方法、及び前記システムにおいて用いるブロックは、以下の条項のうちのいずれかによるものであり得る。
条項1:1つ以上のモジュールを備えたエネルギー貯蔵及び供給システムであって、
前記1つ以上のモジュールのそれぞれは、
複数のブロック群と、
基礎の上に、鉛直高さを有するフレームと、
を備え、
前記フレームは、
下部デッキと、
前記下部デッキの上に、垂直方向に間隔が空けられている上部デッキと、
前記下部デッキ及び前記上部デッキの間に延びる、前記フレームの左カラム及び右カラムの間に配置されたエレベーターシャフトと、
前記エレベーターシャフトにおいて移動可能に配置され、電動発電機に動作可能に結合されたエレベーターであって、
前記エレベーターは、その中に1つ以上のブロックを受け入れて支持するように製造され、前記下部デッキの上の位置と、前記上部デッキの上の位置との間を移動するように動作可能である、
エレベーターと、
を備え、
前記エレベーターは、1つ以上のブロックを、前記下部デッキの上の前記左カラム内の位置から、前記左カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置まで引き上げ、1つ以上のブロックを、前記下部デッキの上の前記右カラムにおける位置から、前記右カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置に移動させ、それによって、前記1つ以上の、引き上げられたブロック群の位置エネルギー量に相当する、ある量の電気エネルギーを貯蔵するように動作可能であり、
前記エレベーターは、1つ以上のブロックを、前記左カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置から、前記下部デッキの上の前記左カラム内の位置に下げて、1つ以上のブロック群を、重力の下で、前記右カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置から、前記下部デッキの上の前記右カラム内の位置に移動させ、それによって、前記エレベーターに電気的に結合された前記電動発電機を介して、前記1つ以上の、下げられたブロック群のそれぞれに対する、ある量の電気を発生させるように動作可能な、
エネルギー貯蔵及び供給システム。
条項2:前記モジュールの前記基礎に対する平均の荷重分布が、実質的に一定のままであるように、前記エレベーターは、前記下部デッキの上の前記位置と、前記上部デッキの上の前記位置との間の前記複数のブロック群を移動させるように動作可能である、
条項1に記載のシステム。
条項3:前記フレームは、鉄骨鉄筋コンクリート柱からなる、複数のカラムを備えた、
条項1又は2に記載のシステム。
条項4:前記複数のブロック群のそれぞれは、平らな上面及び反対側の底面を持つ長方形の形状を有しており、前記底面は、2つ以上の凸部群と、前記2つ以上の凸部群の間の凹部とを有し、前記凸部群及び前記凹部は、前記ブロックの奥行きに渡って延びる開口部群を規定する、
条項1-3のいずれか1項に記載のシステム。
条項5:前記底面は、複数の凸部群及び複数の凹部群を持つ波形の形状を有し、それぞれの凹部は、前記凸部群のうちの一対の間に規定される、
条項4に記載のシステム。
条項6:前記システムは、前記エレベーターに移動可能に結合され、前記1つ以上のブロックを、前記エレベーターに対して、左又は右に移動させるように構成されたジャッキをさらに備え、
前記ジャッキは、前記1つ以上のブロックを、前記下部デッキの上の前記左カラム内の前記位置から、前記エレベーター上に移動させ、前記1つ以上のブロックを、前記エレベーターから、前記左カラムの上方にある前記上部デッキの上の前記位置に移動させるように構成され、
前記ジャッキは、前記1つ以上のブロックを、前記下部デッキの上の前記右カラム内の前記位置から、前記エレベーター上に移動させ、前記1つ以上のブロックを、前記エレベーターから、前記右カラムの上方にある前記上部デッキの上の前記位置に移動させるように、さらに構成された、
条項1-5のいずれか1項に記載のシステム。
条項7:前記ジャッキは、前記1つ以上のブロックを、前記左カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置から、前記エレベーターに移動させ、前記1つ以上のブロックを、前記エレベーターから、前記下部デッキの上の前記左カラム内の位置に移動させるように構成され、
前記ジャッキは、前記1つ以上のブロックを、前記右カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置から、前記エレベーター上に移動させ、前記1つ以上のブロックを、前記エレベーターから、前記下部デッキの上にある前記右カラム内の位置に移動させるように構成された、
条項6に記載のシステム。
条項8:前記ジャッキは、前記エレベーターに対して前記ジャッキが移動することを可能にする複数の車輪群を持つ筐体と、垂直方向と非垂直方向とになるよう駆動可能な1つ以上のリフトアーム群とを有し、
前記リフトアーム群が非垂直方向にある時、前記筐体は、前記1つ以上の凹部より高さが低く、前記ブロックの前記1つ以上の凹部内に延びることによって、ジャッキを前記ブロックの下に、少なくとも部分的に配置することができ、
前記筐体が前記ブロックに係合し、支持面から前記ブロックを持ち上げることによって、前記ジャッキが前記ブロックを支持し移動させることが可能になるよう、前記ジャッキの高さを増加させるように、前記リフトアーム群が前記垂直方向に駆動可能である、
条項6に記載のシステム。
条項9:それぞれのモジュールは、2つのエレベーターシャフト群を備え、
それぞれのエレベーターシャフトは、前記フレーム群の、隣接する左及び右カラムの間に配置される、
条項1-8のいずれか1項に記載のシステム。
条項10:前記1つ以上のモジュール群は、奥行き方向において、互いに隣接して同一直線上に配置された5つのモジュール群である、
条項1-9のいずれか1項に記載のシステム。
条項11:前記エレベーターは、前記フレームを通る長手方向軸と一致する垂直軸に対して、エレベーターガイドのまわりに水平面内で回転可能である、
条項1-10のいずれか1項に記載のシステム。
条項12:前記エレベーターは、
a)前記ブロックの肩部に係合する、前記エレベーターの縁を介して、前記ブロックを確実に掴み、
b)前記エレベーターシャフトに対応する角度位置まで、第1方向において、水平面で前記ブロックを回転させ、
c)前記上部デッキの上の位置まで、前記ブロックを持ち上げ、
d)前記ブロックを、前記上部デッキの上の位置まで、前記第1方向と反対の第2方向において回転させ、
e)ブロックが、前記上部デッキ又は前記上部デッキ上のブロックのスタックに載るように、前記ブロックを放す、
ように前記エレベーターを操作することによって、前記下部デッキの上の前記位置から、前記上部デッキの上の前記位置まで、ブロックを移動させるように構成された、
条項11に記載のシステム。
条項13:前記エレベーターは、
a)前記ブロックの肩部に係合する、前記エレベーターの縁を介して、前記ブロックを確実に掴み、
b)前記エレベーターシャフトに対応する角度位置まで、第1方向において、水平面で前記ブロックを回転させ、
c)前記下部デッキの上の位置まで、前記ブロックを下げ、
d)前記ブロックを、前記下部デッキの上の位置まで、前記第1方向と反対の第2方向において回転させ、
e)ブロックが、前記下部デッキ又は前記下部デッキ上のブロックのスタックに載るように、前記ブロックを放す、
ように前記エレベーターを操作することによって、前記上部デッキの上の前記位置から、前記下部デッキの上の前記位置まで、ブロックを移動させるように構成された、
条項11又は12に記載のシステム。
条項14:電気を貯蔵及び発生する方法であって、前記方法は、
隣接する左カラム及び右カラムの間のエレベーターシャフトに沿ってエレベーターを操作することによって、前記左カラム又は右カラムにおける下部デッキの上の位置の間の複数のブロック群を、前記左カラム又は右カラムと正対する上部デッキの上の位置まで移動させることとを含み、
前記エレベーターを操作することは、
ブロックを、前記左カラム又は右カラムにおける前記下部デッキの上の前記位置から持ち上げて、
前記ブロックを、前記エレベーターシャフトに移動させて、
前記ブロックを、前記上部デッキの上の位置に持ち上げて、
前記ブロックを、前記エレベーターシャフトから移動させて、
前記ブロックが前記左カラム又は右カラムにおけるその以前の位置の上で正対するように前記ブロックを放すことによって、前記ブロックの位置エネルギーの量に対応する、ある量の電気エネルギーを貯蔵することと、
ブロックを、前記上部デッキの上の、前記左カラム又は右カラムの上方の位置から持ち上げて、
前記ブロックを、前記エレベーターシャフトに移動させて、
前記ブロックを、重力の下で、前記下部デッキの上の位置に下げて、
前記ブロックを、前記エレベーターシャフトから移動させて、
前記ブロックを、それが前記左カラム又は右カラム内の、その以前の位置の下で正対するように放すことによって、前記エレベーターに電気的に結合された電動発電機を介して、ある量の電気を発生することと、
のうちの1つ又は両方を含む方法。
条項15:前記左カラム又は右カラムにおける前記下部デッキの上の前記位置と、前記左カラム又は右カラムにおける前記上部デッキの上の前記位置との間の、前記1つ以上のブロックを移動させることは、前記フレームの基礎に対する平均の荷重分布が、実質的に一定のままであるように、前記ブロックを配置することを含む、
条項14に記載の方法。
条項16:前記ブロックを前記エレベーターシャフトに移動させること、及び前記ブロックを前記エレベーターシャフトから移動させることは、前記ブロックを支持するジャッキを、前記エレベーターに移動させること又は前記エレベーターから移動させることを含み、
前記ブロックを持ち上げることは、前記ジャッキが前記ブロックを支持し移動させることができるように、前記ジャッキを前記ブロックの下に移動させ、前記ジャッキを、持ち上げられた構成になるように駆動させることを含み、
前記ブロックを放すことは、ジャッキが前記ブロックの下から分離して、移動できるように、前記ジャッキを、下げられた構成になるように駆動させることを含む、
条項14又は15に記載の方法。
条項17:前記ブロックを、前記エレベーターシャフトに移動させること、及び前記ブロックを、前記エレベーターシャフトから移動させることは、前記エレベーターを、エレベーターガイドのまわりに水平面内で回転させることを含む、
条項14-16のいずれか1項に記載の方法。
条項18:前記下部デッキの上の前記位置から、前記上部デッキの上の前記位置まで、前記ブロックを移動させることは、
a)前記ブロックの肩部に係合する、前記エレベーターの縁を介して、前記ブロックを確実に掴むことと、
b)前記エレベーターシャフトに対応する角度位置まで、第1方向において、水平面で前記ブロックを回転させることと、
c)前記上部デッキの上の位置まで、前記ブロックを持ち上げることと、
d)前記ブロックを、前記上部デッキの上の位置まで、前記第1方向と反対の第2方向において回転させることと、
e)ブロックが、前記上部デッキ又は前記上部デッキ上のブロックのスタックに載るように、前記ブロックを放すことと、
を含む、
条項17に記載の方法。
条項19:前記上部デッキの上の前記位置から、前記下部デッキの上の前記位置まで、前記ブロックを移動させることは、
a)前記ブロックの肩部に係合する、前記エレベーターの縁を介して、前記ブロックを確実に掴むことと、
b)前記エレベーターシャフトに対応する角度位置まで、第1方向において、水平面で前記ブロックを回転させることと、
c)前記下部デッキの上の位置まで、前記ブロックを下げることと、
d)前記ブロックを、前記下部デッキの上の位置まで、前記第1方向と反対の第2方向において回転させることと、
e)ブロックが、前記下部デッキ又は前記下部デッキ上のブロックのスタックに載るように、前記ブロックを放すことと、
を含む、
条項17又は18に記載の方法。
条項20:コンクリート、鋼材、及び圧縮土のうちの1つ以上からなる本体を備えた、エネルギー貯蔵及び発電システム用のブロックであって、
前記本体は、
平面上面と、
底部表面であって、
前記底部表面は、前記本体の幅に渡って延びる2つ以上の凸部群と、前記2つ以上の凸部群の間に規定された凹部とを有する、
底部表面と
を持つ長方形の形状を有し、
前記2つ以上の凸部群及び前記凹部は、前記本体の幅に渡って延びている、
ブロック。
条項21:前記底部表面は、複数の凸部及び複数の凹部を持つ波形の形状を有し、
それぞれの凹部は、一対の凸部の間に規定される、
条項20に記載のブロック。
【0037】
本発明のある実施形態が記載されてきたが、これらの実施形態は、例として提示されているのに過ぎず、本開示の範囲を限定することは意図されていない。実際、本明細書に記載された新規の方法及びシステムは、さまざまな他の形態において、具体化され得る。さらに、本明細書に記載されたシステム及び方法におけるさまざまな省略、置換、及び変更は、本開示の精神から逸脱することなく行われ得る。添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物は、本開示の範囲及び精神に包含されるものとしてそのような形態又は改変を含むように意図される。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ規定される。
【0038】
特定の局面、実施形態、又は例に関連して記載された特徴、材料、特性、又はグループは、本開示と矛盾しない限り、本明細書のこの部分又は他の部分に記載された、任意の他の局面、実施形態、又は例に適用可能であると理解されるべきである。そのような特徴及び/又はステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除き、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)に開示されている特徴の全て、及び/又はそのように開示されている任意の方法又はプロセスのステップの全ては、任意の組み合わせで組み合わせられ得る。保護は、前述のどの実施形態の詳細にも限定されない。保護は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)に開示されている特徴群のうちの任意の新規な1つのもの、又は任意の新規な組み合わせ、又はそのように開示された任意の方法又はプロセスのステップ群のうちの任意の新規な1つのもの、又は任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0039】
さらに、別個の実現例群の文脈において本開示に記載されているある特徴は、単一の実現例においても、組み合わせて実現され得る。逆に、単一の実現例の文脈において記載されているさまざまな特徴は、複数の実現例において別個に実現されてもよいし、又は任意の適切なサブコンビネーションにおいて実現されてもよい。さらに、特徴は、上記では、ある組み合わせにおいて作用するように記載されているかもしれないが、場合によっては、クレームされた組み合わせからの1つ以上の特徴が、当該組み合わせから省略されてもよく、その組み合わせは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形例としてクレームされてもよい。
【0040】
さらに、操作は、特定の順序で図面に描かれているか、又は特定の順序で明細書に記載されているかもしれないが、そのような操作は、所望の結果を達成するために、示されている特定の順番で実行される必要はなく、一連の順番で実行される必要もなく、全ての操作が実行される必要もない。図示されていない又は記載されていない他の操作が、例示的な方法及びプロセスに包含されてもよい。例えば、1つ以上の追加の操作が、記載されている操作のうちの任意のものの前に、後に、同時に、又はその間に実行され得る。さらに、これら操作は、他の実現例においては、再編成され、又は順序を変更されてもよい。当業者であれば、いくつかの実施形態において、図示されたプロセス及び/又は開示されたプロセスにおいて行われる実際のステップが、図において示されたステップと異なることがあることを理解するであろう。実施形態によっては、上で記載されたステップのうちの特定のステップが削除されてもよく、他のステップが追加されてもよい。さらに、上で開示されている特定の実施形態の特徴及び特性は、追加の実施形態を形成するために、異なる方法で組み合わせられてもよく、それらの全ては、本開示の範囲に含まれる。また、上で記載されている実現例における、さまざまなシステムの構成要素を分離することは、そのような分離が全ての実現例において必要であると理解されるべきではなく、記載されている構成要素及びシステムは、概して単一の製品に共に統合されてもよく、又は複数の製品にまとめられてもよいことが理解されるべきである。
【0041】
本開示の目的のために、本明細書においては、ある局面、利点、及び新規の特徴が記載されている。必ずしも、全てのそのような効果が、任意の特定の実施形態に従って達成され得るわけではない。よって、例えば、当業者であれば、本明細書で教示又は示唆されている他の効果を必ずしも達成せずに、本明細書において教示されているような、ある効果又は一群の効果群を達成するような方法で、本開示が実現又は実行され得ることが理解できるであろう。
【0042】
「できる」、「できた」、「かもしれない」、又は「でもよい」のような条件付き言語は、特段の記載がない限り、又は使用される文脈内で理解されない限り、一般には、特定の実施形態は、ある特徴、要素及び/又はステップを含むが、他の実施形態はそれらを含まないことを伝えるように意図されている。よって、そのような条件付き言語は、一般には、特徴、要素、及び/又はステップが、何らかの形で1つ以上の実施形態に必要であること示唆することを意図したものではなく、1つ以上の実施形態が、これらの特徴、要素、及び/又はステップは任意の特定の実施形態に含まれるか、又は任意の特定の実施形態において実行されるべきかを、ユーザのインプット又は指示の有無にかかわらず決定するためのロジックを必ず含むことを示唆するように意図したものでもない。
【0043】
「X、Y、及びZのうちの少なくとも1つ」という句のような接続語は、特段の記載がない限り、項目、用語等がX、Y、又はZのいずれかであってよいことを伝えるために、一般に使用されるものとして、文脈に応じて理解される。よって、そのような接続後は、一般には、特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、及びZのうちの少なくとも1つの存在を要求することを示唆するように意図するものではない。
【0044】
本明細書で使用される「ほぼ」、「約」、「一般に」、及び「実質的に」の語のような程度を示す用語は、所望の機能を実行する、又は所望の結果を達成する、記載された値、量、又は特性に近い値、量、又は特性を表す。例えば、「ほぼ」、「約」、「一般に」、及び「実質的に」という語は、記載された量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、及び0.01%未満の範囲内の量を表し得る。別の例として、特定の実施形態において、「概ね平行」及び「実質的に平行」という語は、平行から、15度以下、10度以下、5度以下、3度以下、1度以下、又は0.1度以下の誤差で離れている値、量、又は特性を表す。
【0045】
本開示の範囲は、この部分又は本明細書における他の箇所の好ましい実施形態の、特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、この部分又は本明細書における他の箇所で表されるように、請求項によって規定されてもよいし、将来において提示されるものであってもよい。特許請求の範囲の文言は、特許請求の範囲で用いられた用語に基づいて、広く解釈されるべきであり、本明細書において又は本願の審査において記載された実施例に限定されるものではなく、それらの例は非排他的であると解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13
【国際調査報告】