(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】履物モータを作動させるためのジェスチャー認識装置
(51)【国際特許分類】
A43C 11/00 20060101AFI20231228BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A43C11/00
G06F3/01 570
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538746
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 US2021073055
(87)【国際公開番号】W WO2022140773
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ギオット,シェーン
(72)【発明者】
【氏名】マッコーリフ,エリン
(72)【発明者】
【氏名】モリス,マリエル
(72)【発明者】
【氏名】ティルトン,アダム,ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルト,ジョン,ビー.ジュニア.
【テーマコード(参考)】
4F050
5E555
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BC22
4F050LA01
4F050MA28
5E555AA15
5E555BA38
5E555BB38
5E555BC01
5E555BC07
5E555CA41
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5E555CB06
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5E555CC01
5E555DA31
5E555DD06
5E555EA02
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
ジェスチャー認識装置は、履物の物品の閉め機械のモータを作動させるための、ユーザによって実行されるジェスチャーを検出するように構成される。ジェスチャー認識装置は、加速度計センサを備えたセンサユニットと、センサユニットと動作可能に通信する分析ユニットとを含み得る。上記分析ユニットは、センサユニットから受信された可能なジェスチャーイベントデータを真のジェスチャーイベントとして確認又は拒否するジェスチャー確認アルゴリズムを実行するように構成され得る。ジェスチャー確認アルゴリズムが上記の可能なジェスチャーイベントデータを真のジェスチャーイベントとして確認した場合、分析ユニットは、モータを作動させるための信号を出力し得る。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物の物品であって、アッパーと、
前記履物の物品の紐締めシステムを作動させるように構成されたモータと、
加速度計センサ及びセンサユニットバッファモジュールを備えるセンサユニットと、
前記センサユニットと動作可能に通信する分析ユニットとを含み、前記分析ユニットは、さらに、
前記センサユニットから割り込み信号を受信するように構成されたハードウェア割り込み入力と、
ハードウェア出力信号ポートと、
プロセッサと、
コンピュータ実行可能な命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体とを含み、前記コンピュータ実行可能な命令は、前記プロセッサによって実行されると、
前記ハードウェア割り込み入力から前記割り込み信号を受信すると、所定のタイマー持続時間を有するタイマーを開始するステップと、
前記所定のタイマー持続時間が経過すると、前記センサユニットの動作モードを設定するために、動作モード信号を前記センサユニットに出力するステップであって、前記動作モード信号により前記センサユニットの保存履歴が拡張される、ステップと、
格納された加速度計データを可能なジェスチャーイベントデータとして前記センサユニットバッファモジュールから受信するステップと、
ジェスチャー確認アルゴリズムを実行して、前記可能なジェスチャーイベントデータを真のジェスチャーイベントとして確認又は拒否するステップと、
前記可能なイベントデータを真のジェスチャーイベントとして確認することに応答して、前記ハードウェア出力信号ポートにおいて前記モータを作動させるために信号を出力するステップとを行うように構成される、履物の物品。
【請求項2】
前記プロセッサは、第1プロセッサであり、前記非一時的コンピュータ可読媒体は第1非一時的コンピュータ可読媒体であり、前記センサユニットは、さらに、
第2プロセッサと、
コンピュータ実行可能な命令を備える第2非一時的コンピュータ可読媒体とを備え、前記コンピュータ実行可能な命令は、前記第2プロセッサによって実行されると、
前記動作モード信号を受信し、前記動作モード信号の受信に応答して、前記センサユニットの動作モードを連続モード又は先入れ先出しモードに選択的に設定するステップと、
前記加速度計センサから加速度計データを受信するステップと、
前記受信した加速度計データを前記バッファモジュールに格納するステップと、
アルゴリズムを実行して、前記受信した加速度計データ中の可能なジェスチャーイベントを検出するステップと、
前記受信した加速度計データ中の前記可能なジェスチャーイベントを検出することに応答して、割り込み信号を出力するステップとを行うように構成され、
前記センサユニットが前記連続モードに設定されると、前記受信した加速度計データの最新のデータムが、前記バッファモジュール内の空きメモリユニットに格納されるか、又は前記バッファモジュールに格納された最も古いデータムを置き換え、
前記センサユニットが前記先入れ先出しモードに設定されると、前記受信した加速度計データは、前記バッファモジュールが一杯になるまで前記バッファモジュールに格納される、請求項1に記載の履物の物品。
【請求項3】
前記真のジェスチャーイベントは、前記センサユニットが結合されている構造に対するユーザのダブルタップである請求項1に記載の履物の物品。
【請求項4】
前記所定のタイマー持続時間が経過すると、前記センサユニットが先入れ先出し動作モードに設定される、請求項1に記載の履物の物品。
【請求項5】
前記ジェスチャー確認アルゴリズムは、
前記受信した格納された加速度計データ中の
第1インパルス応答と、
前記第1インパルス応答に続き、且つ下限時間閾値と上限時間閾値との間で持続する低分散状態と、
前記低分散状態に続く第2インパルス応答とを識別すると、前記可能なジェスチャーイベントデータが前記真のジェスチャーイベントとして確認する、請求項1に記載の履物の物品。
【請求項6】
前記分析ユニットは、さらに、分析ユニットバッファモジュールを備える、請求項5に記載の履物の物品。
【請求項7】
前記ジェスチャー確認アルゴリズムによって前記第1インパルス応答又は前記第2インパルス応答の前記識別は、さらに、
前記可能なジェスチャーイベントデータにおける高分散の発生率を識別するステップと、
前記可能なジェスチャーイベントデータのサブセットを前記分析ユニットバッファモジュールに格納するステップと、
前記分析ユニットバッファモジュールにおいて、前記可能なジェスチャーイベントデータの前記サブセットの周波数コンテンツを決定するために、高速フーリエ変換演算を実行するステップと、
インパルス周波数帯域中の前記周波数コンテンツのエネルギーの閾値を識別するステップとを含む、請求項6に記載の履物の物品。
【請求項8】
前記高速フーリエ変換演算は、0~100Hzの周波数範囲にわたって、前記可能なジェスチャーイベントデータの前記サブセットの前記周波数コンテンツを評価する部分的な高速フーリエ変換である請求項7に記載の履物の物品。
【請求項9】
前記エネルギーの閾値は70%であり、前記インパルス周波数帯域は10~100Hzである、請求項8に記載の履物の物品。
【請求項10】
前記インパルス周波数帯域には、前記センサユニットの減衰固有周波数が含まれる、請求項8に記載の履物の物品。
【請求項11】
前記可能なジェスチャーイベントデータの前記サブセットは、前記可能なジェスチャーイベントデータを介してローリングウィンドウとして第2のバッファモジュールに格納される、請求項8に記載の履物の物品。
【請求項12】
前記下限時間閾値は0.05秒であり、前記上限時間閾値は1.0秒である、請求項5に記載の履物の物品。
【請求項13】
コンピュータ実行可能な命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、コンピュータ実行可能な命令は、プロセッサによって実行されると、少なくとも、
センサユニットから割り込み信号を受信すると、所定のタイマー持続時間を持つタイマーを開始するステップと、
前記所定のタイマー持続時間が経過すると、前記センサユニットの動作モードを先入れ先出しモードに設定するように前記センサユニットに動作モード信号を出力するステップであって、前記センサユニットが前記先入れ先出しモードに設定されると、前記センサユニットによって生成される加速度計データはバッファモジュールが一杯になるまで前記バッファモジュールに格納される、ステップと、
前記バッファモジュールから、前記バッファモジュールに可能なジェスチャーイベントデータとして格納された加速度計データを受信するステップと、
ジェスチャー確認アルゴリズムを実行して、前記可能なジェスチャーイベントデータを真のジェスチャーイベントとして確認又は拒否するステップと、
ハードウェア出力信号ポートで、前記可能なジェスチャーイベントデータを真のジェスチャーイベントとして確認することに応答して、ユーザが前記真のジェスチャーイベントを実行したことを示す信号を出力するステップと、を実行する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
真のジェスチャーイベントは、前記センサユニットが結合されている構造に対する前記ユーザのダブルタップである、請求項13に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記ジェスチャー確認アルゴリズムは、
前記可能なジェスチャーイベントデータ中の
第1インパルス応答と、
前記第1インパルス応答に続き、且つ下限時間閾値と上限時間閾値との間で持続する低分散状態と、
前記低分散状態に続く第2インパルス応答とを識別すると、前記可能なジェスチャーイベントデータが前記真のジェスチャーイベントとして確認する、請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記ジェスチャー確認アルゴリズムによって前記第1インパルス応答又は前記第2インパルス応答を識別するステップは、
前記可能なジェスチャーイベントデータにおける高分散の発生率を識別するステップと、
前記可能なジェスチャーイベントデータのサブセットを前記バッファモジュールに格納するステップと、
前記バッファモジュールにおいて、前記可能なジェスチャーイベントデータの前記サブセットの周波数コンテンツを決定するために、高速フーリエ変換演算を実行するステップと、
インパルス周波数帯域中の前記周波数コンテンツのエネルギーの閾値を識別するステップとを含む、請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記高速フーリエ変換演算は、0~100Hzの周波数範囲にわたって、前記可能なジェスチャーイベントデータの前記サブセットの前記周波数コンテンツを評価する部分的な高速フーリエ変換である、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記エネルギーの閾値は70%であり、前記インパルス周波数帯域は10~100Hzである、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記インパルス周波数帯域には、前記センサユニットの減衰固有周波数が含まれる、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記可能なジェスチャーイベントデータの前記サブセットは、前記可能なジェスチャーイベントデータを介してローリングウィンドウとして前記バッファモジュールに格納される、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項21】
前記下限時間閾値は0.05秒であり、前記上限時間閾値は1.0秒である、請求項15に非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項22】
ユーザが前記真のジェスチャーイベントを実行したことを示す信号は、外部のモータ装置を作動させる、請求項13に非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項23】
ジェスチャー認識装置であって、
分析ユニットを含み、前記分析ユニットは、さらに、
ハードウェア割り込み入力と、
ハードウェア出力信号ポートと、
プロセッサと、
コンピュータ実行可能な命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体とを含み、前記コンピュータ実行可能な命令は、前記プロセッサによって実行されると、
前記ハードウェア割り込み入力から割り込み信号を受信すると、所定のタイマー持続時間を有するタイマーを開始するステップと、
前記所定のタイマー持続時間が経過すると、センサユニットの動作モードを先入れ先出しモードに設定するように前記センサユニットに動作モード信号を出力するステップであって、前記センサユニットが前記先入れ先出しモードに設定されると、前記センサユニットによって生成される加速度計データはバッファモジュールが一杯になるまで前記バッファモジュールに格納される、ステップと、
格納された加速度計データを可能なジェスチャーイベントデータとして前記バッファモジュールから受信するステップと、
ジェスチャー確認アルゴリズムを実行して、前記可能なジェスチャーイベントデータを真のジェスチャーイベントとして確認又は拒否するステップと、
前記可能なイベントデータを真のジェスチャーイベントとして確認することに応答して、前記ハードウェア出力信号ポートにおいてユーザが前記真のジェスチャーイベントを実行したことを示す信号を出力するステップとを実行するように構成される、ジェスチャー認識装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の各態様は、一般に、履物の物品に集積されるように構成された回路、及び当該履物内のモータを作動させるための姿勢認識を強化するために当該回路によって実行されるプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
本実施形態は、一般に、履物に関し、特に、上記履物内のモータ装置を作動させるためのジェスチャー認識装置を有する履物の物品に関する。
【0003】
履物の物品には、一般に、アッパー構造とソール構造の2つの主要な要素が含まれている。当該アッパーは、通常、履物の内部に足を快適かつ安全に受容するための空隙を形成するために縫い合わされるか又は一体に接着係合される複数の材料要素(例えば、テキスタイル、高分子シート層、フォーム層、皮革、合成皮革)から形成される。より具体的には、アッパーは、足の甲と足のつま先領域にかけて、足の内側と外側に沿って足のヒール領域の周りに延在する構造を形成する。また、アッパーは、履物のフィット感を調整するだけでなく、足のアッパー内の空隙への出し入りを可能にする紐締めシステムを内蔵し得る。追加でアッパーには、履物の調整性及び快適性を向上させるために紐締めシステムの下に延在しているタンが含まれ得、アッパーは、ヒールカウンタを内蔵し得る。
【0004】
ソール構造は、足と地面との間に位置するようにアッパーの下部に固定される。運動靴では、例えば、上記ソール構造には、ミッドソール及びアウトソールが含まれてもよい。ミッドソールは、ウォーキング、ランニング、及びその他の歩行活動中の地面の反動力を弱める(クッション作用を提供)高分子フォーム材料から形成されてもよい。例えば、ミッドソールは、また、力をさらに弱めるか、安定性を向上させるか、又は足の動きに影響を与える流体で満たされたチャンバー、プレート、緩和材、又は別の要素を含んでもよい。アウトソールは靴類の地面接触要素を形成し、通常、静止摩擦を付与するためのテクスチャリングを含む耐久性及び耐摩耗性ゴム材質で製作される。ソール構造は、履物の快適さを向上させるための、アッパー内に位置し且つ足の下面に近い中敷きを含んでもよい。
【0005】
履物の物品のユーザの足へのフィティングの改善を達成するために、履物の物品をユーザに締め付けたり緩めたりするための電子的作動機構を使用してもよい。一例では、電子的作動機構により、使用者が一日中運動する時に、着用時の締め付けの微調整が可能になり得る。電子的作動機構により、ユーザが履物の物品を着脱する速度が向上することもあり得る。追加で履物の物品を締め付けるための電子的作動機構により、手の運動技能が低下したか、又は他の障害を有するユーザが履物の物品を足に効果的に締め付けることが可能になり得る。しかし、このような電子的作動機構の作動を制御するための既存の機構は、機構を作動させることを意図したジェスチャーを効果的に認識することができず、ユーザによる意図されたジェスチャーを示さない信号を除外することができない。
【0006】
したがって、これらの技術上の欠点の少なくとも1つ以上を解決するための改善されたシステム及び方法が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の背景に基づき、本発明の複数の態様の基本的な理解を提供するために、以下に本開示の簡略化された要約を示す。この要約は、本発明の広範な概要ではない。本発明の主要要素又は重要な要素を識別するか又は本発明の範囲を記述しようとすることを意図しない。次の要約は、以下に示されるより詳細な説明の序文として、本発明の一部の概念を簡略化された形で示すにすぎない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の各態様は、履物の物品の紐締めシステムを作動させるように構成されたモータを含み得る履物の物品に関する。履物の物品には、ユーザがモータを作動させるために行うジェスチャーを検出するように構成されたジェスチャー認識装置が追加で含まれる場合がある。ジェスチャー認識装置は、加速度計センサ及びバッファモジュールを含むセンサユニットと、センサユニットと動作可能に通信する分析ユニットとを含み得る。上記分析ユニットは、バッファモジュールから受信された可能なジェスチャーイベントデータを真のジェスチャーイベントとして確認又は拒否するジェスチャー確認アルゴリズムを実行するように構成され得る。ジェスチャー確認アルゴリズムが上記の可能なジェスチャーイベントデータを真のジェスチャーイベントとして確認した場合、分析ユニットは、モータを作動させるための信号を出力し得る。
【0009】
本概要は、発明を実施するための形態において以下でさらに説明される概念の選択を簡略化された形式で導入するために提供される。本概要は、特許請求される主題の重要な特徴又は基本的な特徴を識別することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を確定するのを助けるために使用されることも意図されていない。
【0010】
本発明は、例示的な方式により説明され、且つ類似の符号はお同様な要素を示す添付図面に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】例示的な実施形態に係る、パーソナルトレーニングを提供するように及び/又はユーザの物理的な動きからデータを取得するように構成され得る例示的なシステムを示す図である。
【
図2】
図1のシステムの一部であり得るか、又は
図1のシステムと通信中であり得る例示的なコンピュータ装置を示す図である。
【
図3】例示的な実施形態に係る、ユーザが着用できる具体的なセンサアセンブリを示す図である。
【
図4】例示的な実施形態に係る、ユーザが着用できる別の例示的なセンサアセンブリを示す図である。
【
図5】ユーザの衣服上/衣服内に位置する物理センサ及び/又はユーザの2つの動く身体部位の間の関係の識別に基づく物理センサを含み得る感知入力のための具体的な成る位置を示す図である。
【
図6】本明細書に記載された1つ以上の態様による履物の物品を模式的に示す。
【
図7】本明細書に記載された1つ以上の態様による、電源及びモータに動作可能に連結されたジェスチャー認識装置を模式的に示す。
【
図8】本明細書に記載された1つ以上の態様によるジェスチャーイベントを認識するための1つ以上のプロセスのフローチャートである。
【
図9】本明細書に記載された1つ以上の態様による、可能なジェスチャーイベントについてセンサデータを監視するためにジェスチャー認識装置によって実行される1つ以上のプロセスフローチャートである。
【
図10】本明細書に記載された1つ以上の態様による、ジェスチャー確認アルゴリズムを実行するために分析ユニットによって実行される1つ以上のプロセスのフローチャートである。
【
図11】本明細書に記載された1つ以上の態様による、ジェスチャー確認アルゴリズムのフローチャートである。
【
図12】本明細書で説明される1つ以上の態様による、センサユニットの加速度計から受信される可能なジェスチャーイベントデータにおけるインパルス応答を識別するための分析ユニットによって実行される1つ以上のプロセスのフローチャートである。
【
図13A】引張システムが弛んだ状態で示される時の本開示の原理に従って引張システムを含む履物の物品の上面斜視図である。
【
図13B】引張システムが締め付け状態である時の
図13Aの履物の物品の上面斜視図である。
【
図17A】引張システムが弛んだ状態で示される時の本開示の原理に従って引張システムを含む履物の物品の上面斜視図である。
【
図17B】引張システムが締め付けられた状態である時の
図17Aの履物の物品の上面斜視図である。
【
図21】本開示の原理による引張装置の一例の斜視図である。
【
図23】
図21の引張装置の平面図であって、ロック部材がロック位置にあるとき、ハウジング内に摺動可能に配置されたロック部材を露出するために蓋が除去されたハウジングを示す。
【
図24】
図21のロック装置の平面図であって、ロック部材がロック解除位置にあるときに、ハウジング内に摺動可能に配置されたロック部材を露出するために蓋が除去されたハウジングを示す。
【
図25】本開示の原理による引張装置の分解図である。
【
図27】引張装置の内部コンポーネントが引張装置のハウジングの構造を示すために隠された時の、
図24の引張装置の平面図である。
【
図28】
図24の引張装置の部分拡大図であって、ロック位置にある引張装置を示す。
【
図29】
図24の引張装置の部分拡大図であって、ロック解除位置にある引張装置を示す。
【
図30】本開示の原理による履物の物品の電動紐締めシステムのコンポーネントの概略図である。
【
図31】
図30の電動紐締めシステムの紐締めエンジンの一例の分解図である。
【
図32A】
図30の電動紐締めシステムの紐締めエンジンの別の例を示す斜視図である。
【
図32B】
図30の電動紐締めシステムの紐締めエンジンの別の例を示す斜視図である。
【
図33A】
図30の電動紐締めシステムの紐締めエンジンの別の例を示す斜視図である。
【
図34】本開示の原理による履物の物品のソール構造に内蔵された電動紐締めシステムのコンポーネントの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の各態様は、運動選手の物理的な動きに関連する運動データの取得、保存、及び/又は処理に関する。当該運動データは、能動的又は受動的に感知され、及び/又は、1つ以上の非一時的記憶媒体に保存されることが可能である。別の態様は、運動データを使用して、例えば計算された運動特性、ガイダンスを提供するためのフィードバック信号、及び/又は他の情報などの出力を生成することに関する。これら及びその他の態様では、パーソナルトレーニングシステムの次の具体的な例と関連して議論される。
【0013】
様々な実施形態の以下の説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面が参照され、本開示の態様を実施することができる様々な実施形態が、例示の態様で示されている。本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、他の実施形態が利用されても、構造的及び機能的な変更がなされてもよいことを理解されたい。さらに、本開示内の見出しは、本開示の態様を限定するものと解釈されるべきではなく、例示的な実施形態は、例示的な見出しに限定されない。
【0014】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な構成を説明するためのものに過ぎず、限定的なものではない。本明細書に記載された方法のステップ、プロセス及び操作は、実行の順序として明示的に特定されない限り、説明又は図示される特定の順序で実行されることを必ずしも必要とすると解釈されるべきではない。追加又は代替ステップを使用してもよい。
【0015】
要素或いは層が別の要素或いは層の「上」にあるか、別の要素或いは層に「係合」、「連結」、「貼り付け」又は「結合」されると言われる場合、直接別の要素或いは層の上にある、別の要素或いは層に直接係合、連結、貼り付け又は結合されてもよいし、介在する要素或いは層が存在してもよい。逆に、要素が別の要素或いは層の「上に直接ある」、別の要素或いは層に「直接係合」「直接連結」「直接貼り付け」又は「直接結合」されると言われる場合、介在する要素又は層は存在しなくてもよい。要素間の関係を説明するために使用される他の単語は、同様に解釈されるべきである(即ち、「の間」対「直接…の間」、「隣接」対「直接隣接」など)。本明細書で使用されるように、「及び/又は」という用語は、1つ以上の関連する列挙項目の任意及び全ての組み合わせを含む。
【0016】
第1、第2、第3などの用語は、様々な要素、コンポーネント、領域、層、及び/又はセクションを説明するために使用され得る。これらの要素、コンポーネント、領域、層及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、要素、コンポーネント、領域、層又はセクションは、他の領域、層又はセクションから区別するためにのみ使用され得る。「第1」、「第2」及びその他の数字用語のような用語は、文脈上に明確に示されない限り、シーケンス又は順序を暗示しない。したがって、以下で説明する第1の要素、コンポーネント、領域、層又はセクションは、例示的な構成の教示から逸脱することなく、第2のコンポーネント、領域、層又はセクションと呼ばれ得る。
【0017】
I.パーソナルトレーニングシステムの例
A.具体的なネットワーク
【0018】
本開示の各態様は、複数のネットワークにわたって利用できるシステム及び方法に関する。この点において、特定の実施形態は、動的ネットワーク環境に適応するように構成され得る。さらなる実施形態は、異なる個別のネットワーク環境で操作し得る。
図1は、例示的な実施形態に係る、パーソナルトレーニングシステム100の例である。例示的なシステム100は、例えば具体的なボディエリアネットワーク(BAN)102、ローカルエリアネットワーク(LAN)104、及びワイドエリアネットワーク(WAN)106などの、1つ以上の相互接続したネットワークを含み得る。
図1に示すように(そして本開示全体を通して説明するように)、1つ以上のネットワーク(即ち、BAN102、LAN104、及び/又はWAN106)は、互いに重なり合うか、又は別の方法で含まれ得る。当業者は、具体的なネットワーク102~106は、それぞれ1つ以上の異なる通信プロトコル及び/又はネットワークアーキテクチャを含み得る論理ネットワークであり、且つ、互いへの又は他のネットワークへのゲートウェイを有するように構成され得ることを理解するだろう。例えば、BAN102、LAN104及び/又はWAN106のそれぞれは、セルラーネットワークアーキテクチャ108及び/又はWANアーキテクチャ110のような同じ物理ネットワークアーキテクチャに動作可能に接続されてもよい。例えば、携帯型電子装置112は、BAN102及びLAN104の両方のコンポーネントと見なされ得、且つ、データ及び制御信号を、例えば伝送制御プロトコル(TCP)、インターネットプロトコル(IP)及びユーザデータグラムプロトコル(UDP)などの1つ以上の通信プロトコルに従って1つ以上のアーキテクチャ108及び/又は110を介してネットワークメッセージに変換するか、又はネットワークメッセージから変換するように構成されるネットワークアダプタ又はネットワークインターフェースカード(NIC)を含み得る。これらのプロトコルは、当該技術分野ではよく知られているので、ここでは詳しく説明しない。
【0019】
ネットワークアーキテクチャ108及び110は、任意のタイプ又はトポロジの1つ以上の情報配信ネットワーク(例えば、ケーブル、ファイバ、衛星、電話、セルラー、無線等)を単独で又は組み合わせて含めることができ、したがって、例えば、1つ以上の有線又は無線通信通路(WiFi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、近距離無線通信(NFC)及び/又はANT技術を含むがこれらに限定されない)を有する等様々に構成され得る。したがって、
図1のネットワーク内の任意の装置(例えば、携帯型電子装置112又は本明細書に記載の他の装置)は、1つ以上の異なる論理ネットワーク102~106に含まると見なすことができる。上記を考慮して、具体的なBAN及びLAN (WAN106に結合可能)の例示的なコンポーネントを説明する。
【0020】
1.例示的なローカルエリアネットワーク
LAN104は、例えばコンピュータ装置114のような1つ以上の電子装置を含み得る。コンピュータ装置114、又はシステム100の任意の他のコンポーネントは、電話、音楽プレーヤー、タブレット、ネットブック又は任意の携帯型装置のような携帯端末を含み得る。他の実施形態では、コンピュータ装置114は、メディアプレーヤー又はレコーダ、デスクトップコンピュータ、サーバ、例えばMicrosoft(登録商標)XBOX(登録商標)、Sony(登録商標)Playstation、及び/又はNintendo(登録商標)Wiiゲームコンソールなどのようなゲームコンソールを含み得る。当業者は、これらが単に説明目的のための例示的な装置であるだけで、本開示はコンソール又はコンピューティング装置に限定されるものではないことを理解するであろう。
【0021】
当業者は、コンピュータ装置114の設計と構造は、意図された目的などいくつかの要因によって異なる場合があることを理解するであろう。コンピューティング装置200のブロック図を示す
図2に、コンピュータ装置114の一実装形態が提供される。当業者は、
図2の開示が本明細書に開示されている任意の装置に適用され得ることを理解するだろう。装置200は、プロセッサ202-1及び202-2(ここでは、一般に「プロセッサ202」又は「プロセッサ202」と呼ばれる)のような1つ以上のプロセッサを含み得る。プロセッサ202は、相互接続ネットワーク又はバス204を介して互い又は他のコンポーネントと通信することができる。プロセッサ202は、単一の集積回路(IC)チップ上に実装され得るコア206-1及び206-2(本明細書では「複数のコア206」又はより一般的に「コア206」と呼ばれる)などの1つ以上の処理コアを含み得る。
【0022】
コア206は、共有キャッシュ208及び/又はプライベートキャッシュ(例えば、それぞれキャッシュ210-1及び210-2)を含み得る。1つ以上のキャッシュ208/210は、プロセッサ202のコンポーネントによる高速アクセスのために、メモリ212のようなシステムメモリに格納されたデータをローカルにキャッシュすることができる。メモリ212は、チップセット216又は通信バス216を介してプロセッサ202と通信してもよい。キャッシュ208は、特定の実施形態におけるシステムメモリ212の一部であり得る。メモリ212は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、及び1つ以上の固体メモリを含み得るが、これらに限定されず、また、光学的又は磁気的記憶、及び/又は電子情報を格納するために使用可能な他の任意の媒体を含む。しかし、他の実施形態では、システムメモリ212を省略してもよい。
【0023】
システム200は、1つ以上のI/O装置(即ち、例えば、I/O装置214-1~214-3、一般的にそれぞれI/O装置214と呼ばれる)を含み得る。1つ以上のI/O装置214からのI/Oデータは、1つ以上のキャッシュ208、210及び/又はシステムメモリ212に格納されてもよい。各I/O装置214は、任意の物理通信プロトコル又は無線通信プロトコルを使用してシステム100のコンポーネントと通信するように永続的又は一時的に構成され得る。
【0024】
図1に戻ると、4つの例示的なI/O装置(要素116~122と表示される)がコンピュータ装置114と通信していることが示されている。当業者は、1つ以上の装置116~122がスタンドアロン装置であるか、コンピュータ装置114以外の別の装置に関連付けられている可能性があることを理解するであろう。例えば、1つ以上のI/O装置は、BAN102及び/又はWAN106のコンポーネントと関連付けられ、又は、相互作用され得る。I/O装置116-122は、例えばセンサのような運動データ取得ユニットを含み得るが、これらに限定されない。1つ以上のI/O装置は、ユーザ124のようなユーザからの運動パラメータを感知、検出、及び/又は測定するように構成され得る。例えば、加速度計、ジャイロスコープ、位置決定装置(GPSなど)、光(可視光を含む)センサ、温度センサ(周囲温度及び/又は体温を含む)、睡眠パターンセンサ、心拍数モニタ、イメージキャプチャセンサ、水分センサ、力センサ、コンパス、角速度センサ、及び/又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0025】
さらなる実施形態では、I/O装置116~122は、出力(即ち、可聴、可視又は触覚の指示)の提供及び/又は運動選手124からのユーザ入力のような入力の受信のために使用され得る。これらの具体的なI/O装置の使用例が以下に提供されるが、当業者は、そのような説明が本開示の範囲内の多くの選択肢の一部を説明するものに過ぎないことを理解するだろう。さらに、任意のデータ取得ユニット、I/O装置又はセンサへの言及は、本明細書に開示される又は当技術分野で知られている1つ以上のI/O装置、データ取得ユニット及び/又はセンサを(単独で又は組み合わせて)有し得る実施形態を開示するものと解釈されるべきである。
【0026】
1つ以上の装置(1つ以上のネットワークを介して)からの情報は、さまざまな異なるパラメータ、メトリック又は生理的特徴を提供するために用いられ(又は形成するために用いられる)、生理的特徴は、運動パラメータ(例えば速度、加速度、距離、採集されたステップ、方向、特定の身体部位又は対象物の他の特定の身体部位又は対象物に対する相対的な移動など)、又は他の運動パラメータ(例えば角速度、直線速度或いはこれらの組み合わせとして表せる)、又は生理学的パラメータ(例えばカロリー、心拍数、汗の検出、加える力、酸素消費量、酸素動力学、及び例えば圧力、衝撃力、運動選手に関する情報(身長、体重、年齢、人口統計情報及びこれらの組合せなど)などの1つ以上のカテゴリに属し得る他のメトリックなど)を含むが、これらに限定されない。
【0027】
システム100は、システム100内で収集されるか又はシステム100に提供されるパラメータ、メトリック、又は生理的特徴を含む運動データを送信及び/又は受信するように構成され得る。一例として、WAN106はサーバ111を含み得る。サーバ111は、
図2のシステム200のコンポーネントを1つ以上有してもよい。一実施形態では、サーバ111は、少なくとも1つのプロセッサ及びメモリ、例えばプロセッサ206及びメモリ212を含む。サーバ111は、非一時的コンピュータ可読媒体にコンピュータ実行可能な命令を格納するように構成されてもよい。命令には、システム100内に収集された生データ又は処理されたデータなどの運動データが含まれ得る。システム100は、エネルギー消費ポイントなどのデータをソーシャルネットワーキングウェブサイトに送信するか、又はそのようなサイトをホストするように構成され得る。サーバ111は、1人又は複数のユーザがアスレチックデータにアクセス及び/又は比較することを可能にするために利用され得る。このように、サーバ111は、運動データ又は他の情報に基づいて通知を送信及び/又は受信するように構成され得る。
【0028】
LAN104に戻ると、コンピュータ装置114は、表示装置116、イメージキャプチャ装置118、センサ120、及び練習装置122と動作可能に通信することが示され、これらは、例示的な実施形態を参照して、これらは、例示的な実施形態を参照して以下で順次説明される。一実施形態では、表示装置116は、特殊運動動作を実行するように、運動選手124に視聴覚指示を提供することができる。視聴覚指示は、コンピュータ装置114、或いはBAN102やWANを含む任意の他の装置上で実行されるコンピュータ実行可能な命令に応答して提供され得る。表示装置116は、タッチスクリーン装置であってもよいし、ユーザ入力を受信するように構成されていてもよい。
【0029】
一実施形態では、データは、イメージキャプチャ装置118及び/又はセンサ120のような他のセンサから取得され得る。センサ120は、単独で、又は他の装置との組み合わせで、運動パラメータ又は格納された情報を検出(及び/又は測定)するために使用され得る。イメージキャプチャ装置118及び/又はセンサ120は、送受信装置を含み得る。一実施形態では、センサ128は、赤外線(IR)、電磁波(Em)又は音響送受信器を含み得る。例えば、イメージキャプチャ装置118及び/又はセンサ120は、運動選手124に向かう方向を含み、且つ「反射」を受信するか又はこれらの放出された波形の変更を検出する環境に波形を送信し得る。当業者は、いろいろな実施形態にしたがって、多数の異なるデータスペクトルに対応する信号が利用され得ることを容易に認識し得る。この点に関して、装置118及び/又は120は外部ソース(即ち、システム100ではない)から放出される波形を検出し得る。例えば、装置118及び/又は120は、ユーザ124及び/又は周辺環境から放出される熱を検出し得る。したがって、イメージキャプチャ装置126及び/又はセンサ128は、1つ以上の熱イメージング装置を含み得る。一実施形態では、イメージキャプチャ装置126及び/又はセンサ128は、範囲現象学を実行するように構成されたIR装置を含み得る。
【0030】
一実施形態において、練習装置122は、例えばトレッドミル、ステップマシン等のように、運動選手124が物理的な移動を行うことを可能にするか又は容易にするように構成可能な任意の装置であり得る。装置を固定する必要はない。この点に関して、無線技術により携帯型装置の利用が可能になるため、自転車又は他のモバイル練習装置は、特定の実施形態にしたがって利用され得る。当業者は、機器122がコンピュータ装置114から遠隔で実行される運動データを含む電子装置を受信するためのインターフェースであるか、又はインターフェースを構成することを理解するであろう。例えば、ユーザは、スポーツ機器(BAN102に関連して後述した)を使用し、家又は機器122がある場所に戻った時、運動データをシステム100の要素122又は任意の他の装置にダウンロードすることができる。本書に記載されている任意のI/O装置は、活動データを受信するように構成され得る。
【0031】
2.ボディエリアネットワーク
BAN102は、運動データ(パッシブデバイスを含む)の受信、送信、又は収集を容易にするように構成された2つ以上の装置を含み得る。例示的な装置には、I/O装置116~122を含むがこれに限定されない、当技術分野で知られている或いは本明細書に開示されている1つ以上のデータ取得ユニット、センサ、又は装置が含まれ得る。BAN102の2つ以上のコンポーネントは、直接通信し得るが、他の実施形態では、通信を、BAN102、LAN104、及び/又はWAN106の一部であり得る第3装置を介して行える。LAN104又はWAN106の1つ以上のコンポーネントは、BAN102の一部を形成し得る。特定の実施形態では、携帯型装置112のような装置がBAN102、LAN104及び/又はWAN106の一部であるかは、モバイルセルラーネットワークアーキテクチャ108及び/又はWANアーキテクチャ110との通信を可能にするための、運動選手のアクセスポイントへの近接性に依存し得る。ユーザ活動及び/又は好みは、1つ以上のコンポーネントがBAN102の一部として利用されるかにも影響を与える可能性がある。以下、例示的な実施形態が提供される。
【0032】
ユーザ124は、例えば携帯型装置112、靴搭載装置126、手首着用装置128のような任意の数の装置及び/又は検知位置130のような検知位置と関連付けられ得(即ち、すべての持ち運び、着用、及び/又は相互作用)、これには、情報収集に使用される物理的な装置或いは位置が含まれ得る。1つ以上の装置112、126、128、及び/又は130は、フィットネス又は運動目的のために特別に設計されていない場合もある。実際、本開示の各態様は、一部がフィットネス装置ではない複数の装置からのデータを利用して、運動データを収集、検出、及び/又は測定することに関する。特定の実施形態では、BAN102(又は任意の他のネットワーク)の1つ以上の装置は、特定のスポーツ使用のために特別に設計されたフフィットネス又はスポーツ装置を含み得る。本明細書で使用されるように、「スポーツ装置」という用語には、特殊スポーツ又はフィットネス活動中に使用又は関与する可能な任意の物理的な対象物が含まれる。例示的なスポーツ装置には、ゴルフボール、バスケットボール、野球ボール、サッカーボール、フットボール、パワーボール、ホッケーパック、ウェイト、バット、クラブ、スティック、パドル、マット、及びこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。さらなる実施形態では、例示的なフィットネス装置は、ゴールネット、フープ、バックボードなどの環境自体、フィールドの一部、例えば中間線、外側境界マーカー、ベース、及びそれらの組み合わせを含む特殊運動が発生するスポーツ環境内の対象物を含み得る。
【0033】
この点に関して、当業者は、1つ以上のスポーツ装置が構造の一部(又は形成)であってもよく、逆に、構造は1つ以上のスポーツ装置を含むか、スポーツ装置と相互作用するように構成されていてもよいことを理解するだろう。例えば、第1構造は、バスケットボールフープとバックボードとを含み、これらは取り外し可能であり、ゴールポストに置き換えられ得る。この点に関して、1つ以上のスポーツ装置は、
図1~3に関連して上述した1つ以上のセンサのような、1つ以上の構造に関連付けられた1つ以上のセンサのような他のセンサと組み合わせて使用される情報を提供する1つ以上のセンサを含み得る。例えば、バックボードは、バックボード上のバスケットボールによる力及び力の方向を測定するように構成された第1センサを含み、フープは、力を検出するための第2センサを含み得る。同様に、ゴルフクラブは、シャフト上のグリップ特性を検出するように構成された第1センサと、ゴルフボールによる衝撃を測定するように構成された第2のセンサとを含み得る。
【0034】
具体的な携帯型装置112を見ると、多目的電子装置であり得、例えば、電話又はデジタル音楽プレーヤー、IPOD(登録商標)、IPAD(登録商標)、又はiPhone(登録商標)、CupertinoのApple,Inc.から利用可能なブランド装置、ワシントン州RedmondのMicrosoftから利用可能なCalifornia又はZune(登録商標)又はMicrosoft(登録商標) Windows装置を含む。当分野で知られているように、デジタルメディアプレーヤーは、コンピュータのための出力装置、入力装置及び/又は記憶装置として機能することができる。装置112は、BAN102、LAN104、又はWAN106内の1つ以上の装置から収集された生データ又は処理されたデータを受信するための入力装置として構成され得る。1つ以上の実施形態では、携帯型装置112は、コンピュータ装置114の1つ以上のコンポーネントを含み得る。例えば、携帯型装置112は、携帯端末を含むために、ディスプレイ116、イメージキャプチャ装置118、及び/又は上述したI/O装置116~122のうちのいずれかのような1つ以上のデータ収集装置を,追加コンポーネントと共に又は追加コンポーネントなしに含み得る。
【0035】
a.具体的なアパレル/アクセサリーセンサ
特定の実施形態では、I/O装置は、腕時計、腕章、リストバンド、ネックレス、シャツ、靴等を含むユーザ124の衣類又はアクセサリーの内部に又はそれに関連して形成され得る。これらの装置は、ユーザの運動動作を監視するように構成され得る。ユーザ124がコンピュータ装置114と相互作用する間及び/又はコンピュータ装置114とは独立して動作する間に(又は本明細書に開示される任意の他の装置)に、運動動作を検出できることを理解されたい。例えば、BAN102内の1つ以上の装置は、ユーザの近接性やコンピュータ装置114との相互作用に関係なく、活動を測定する終日活動監視として機能するように構成され得る。それぞれ以下の段落で説明されている
図3に示す感知システム302及び
図4に示す装置アセンブリ400は、具体的な例にすぎないことも理解されたい。
【0036】
i.靴搭載装置
特定の実施形態では、
図1に示される装置126は、1つ以上のセンサを含み得る履物を含み得、本明細書に開示されるもの及び/又は当技術分野で知られているものを含むが、これらに限定されない。
図3は、1つ以上のセンサアセンブリ304を提供するセンサシステム302の例示的な一実施形態を示す。アセンブリ304は、例えば加速度計、ジャイロスコープ、位置決定コンポーネント、力センサ及び/又は本明細書に開示される又は当技術分野で知られている任意の他のセンサ等のような1つ以上のセンサを含み得る。具体的な実施形態では、アセンブリ304は、力感受性抵抗器(FSR)センサ306を含み得る複数のセンサを内蔵するが、他のセンサを利用してもよい。ポート308は、靴のソール構造309内に位置することができ、一般に、1つ以上の電子装置途と通信するように構成される。ポート308は、選択的に、電子モジュール310と通信するように提供され得るし、ソール構造309は、選択的に、モジュール310を受け入れるためのハウジング311又は他の構造を含み得る。センサシステム302は、さらに、ポート308を介するモジュール310及び/又は他の電子装置との通信を可能にするために、FSRセンサ306をポート308に接続する複数のリード312を含み得る。モジュール310は、靴のソール構造におけるウェル又は空洞内に含まれ得、ハウジング311は、ウェル又は空洞内に位置し得る。一実施形態では、モジュール310及び/又はハウジング311のような単一のハウジング内に少なくとも1つのジャイロスコープ及び少なくとも1つの加速度計が設けられる。少なくとも1つのさらなる実施形態では、操作可能な場合に方向情報及び角速度データを提供するように構成される1つ以上のセンサが提供される。ポート308及びモジュール310は、接続及び通信のための相補的なインターフェース314,316を含む。
【0037】
特定の実施形態では、
図3に示される少なくとも1つの力感受性抵抗器306は、電極318,320を一体に電気的に接続するために電極318,320の間に配置された第1電極及び第2電極又は電極電気接点318,320及び力感受性材料322を含み得る。圧力が力感受性材料322に加えられると、力感受性材料322の抵抗率及び/又は導電率が変化することにより、電極318,320間の電位が変化する。センサ316に加えられる力を検出ために、抵抗の変化をセンサシステム302によって検出することができる。力感受性抵抗材料322は、様々な方法で圧力下での抵抗を変化させることができる。例えば、力感受性材料322は、材料が圧縮されると減少する内部抵抗を有し得る。さらなる実施形態では、「スマート材料」を介して実装できる「ボリュームベースの抵抗」を利用してもよい。別の例として、2枚の力感受性材料322の間又は力感受性材料322と電極318,320の一方又は両方との間のような表面対表面の接触の程度を変更することによって、材料322の抵抗を変更することができる。場合によっては、このタイプの力感受性抵抗動作は、「接触ベースの抵抗」と説明され得る。
【0038】
ii.手首着用装置
図4に示すように、装置400(
図1に示す感知装置128と類似するか、又はそれを含み得る)は、ユーザ124によって、手首、腕、足首、首などに着用されるように構成されてもよい。装置400は、装置400の動作中に使用されるように構成された入力ボタン402のような入力機構を含んでもよい。入力ボタン402は、コントローラ404及び/又は
図1に示すコンピュータ装置114に関して説明した1つ以上の要素のような任意の他の電子コンポーネントに動作可能に接続されてもよい。コントローラ404は、ハウジング406に埋め込まれてもよく、又はハウジング406の一部であってもよい。ハウジング406は、弾性コンポーネントを含む1つ以上の材料により形成され得、ディスプレイ408のような1つ以上のディスプレイを備え得る。ディスプレイは、装置400の照明可能な部分として見なされ得る。ディスプレイ408は、一連の個別のLEDライト410などの照明要素又は照明部材を含み得る。ライトはアレイ状に形成され、コントローラ404に動作可能に接続されえる。装置400は、ディスプレイ408全体の一部又はコンポーネントとみなされるインジケータシステム412を含み得る。インジケータシステム412は、ディスプレイ408(ピクセル部材414を有し得る)と共に動作して照明することができるか、又はディスプレイ408から完全に分離することができる。インジケータシステム412はまた、例示的な実施形態においてLEDライトの形態をとることもできる複数の追加照明要素又は照明部材を含み得る。特定の実施形態では、インジケータシステムは、1つ以上の目標についての達結を示すためにインジケータシステム412の照明部材の一部を照明することによって、目標の視覚的な表示を提供することができる。装置400は、ディスプレイ408及び/又はインジケータシステム412のいずれかを介して、ユーザの活動に基づいてユーザによって獲得された活動ポイント又は通貨で表現されたデータを表示するように構成され得る。
【0039】
装置400をユーザ124の手首又は一部の周りに位置させることができる締結機構416を緩めてもよく、その後、締結機構416を係合位置に置くことができる。一実施形態では、締結機構416は、USBポートを含むが、これに限定されない、コンピュータ装置114及び/又は装置120及び/又は112などの装置との動作可能な相互作用のためのインターフェースを含み得る。特定の実施形態では、締結部材は、1つ以上の磁石を含み得る一実施形態では、締結部材は、可動部がなく、完全に磁力に依存することができる。
【0040】
特定の実施形態では、装置400は、センサアセンブリ(
図4に図示せず)を含んでもよい。センサアセンブリは本明細書に開示される及び/又は当技術分野で知られているものを含む、複数の異なるセンサを含み得る。例示的な実施形態では、センサアセンブリは、本明細書に開示されているか、又は当技術分野で知られているセンサを含むか、それらに動作可能に接続することを可能にすることができる。装置400及び/又はそのセンサアセンブリは、1つ以上の外部センサから得られたデータを受信するように構成され得る。
【0041】
iii. アパレル及び/又は身体位置感知
図1に示す要素130は、センサ、データ取得ユニット、又は他のデバイスなどの物理的な装置に関連付けられる可能な例示的な感知位置を示す。しかし、他の実施形態では、例えばイメージキャプチャ装置(即ち、イメージキャプチャ装置118)を介して監視される身体部部分又は領域の特殊位置であってもよい。特定の実施形態では、要素130は、センサを含み得、要素130a及び130bは、運動服/スポーツウェア等のアパレルに組み込まれたセンサであってもよい。このようなセンサは、ユーザ124の身体の任意の所望の位置に配置することができる。センサ130a/bは、BAN102、LAN104、及び/又はWAN106の1つ以上の装置(他のセンサを含む)と通信(即ち、無線で)することができる。特定の実施形態では、受動感知面は、イメージキャプチャ装置118及び/又はセンサ120によって放射される赤外線のような波形を反射し得る。一実施形態では、ユーザ124のアパレル上に位置する受動センサは、一般に、波形を反射できるガラス又は他の透明な又は半透明な表面からなる球状構造を含み得る。異なるクラスのアパレルが利用でき、ここで、所与のクラスのアパレルは、適切に着用された時、ユーザ124の身体の特殊部分の付近に位置するように構成された特殊センサを持つ。例えば、ゴルフアパレルは、第1構成のアパレルに位置する1つ以上のセンサを含み得るが、サッカーアパレルは、第2構成のアパレルに位置する1つ以上のセンサを含み得る。
【0042】
図5は、感知入力のための具体的な位置(例えば、感知位置130a~130oを参照)を示す。この点に関して、センサは、ユーザの衣服上/衣服内に位置する物理センサであってもよいが、他の実施形態では、センサ位置130a~130oは、2つの動く身体部位の関係の識別に基づいていてもよい。例えば、センサ位置130aは、イメージキャプチャ装置118などのイメージキャプチャ装置でユーザ124の動きを識別することによって決定されることができる。したがって、特定の実施形態では、センサは、物理的に特殊位置(1つ以上のセンサ位置130a~130oなど)に配置されるのではなく、例えば他の位置から収集されたイメージキャプチャ装置118又は他のセンサデータで該当位置の特性を感知するように構成されることができる。この点に関して、ユーザ身体の全体形状又は部分は、特定の身体部位の識別を可能にすることができる。イメージキャプチャが利用されているか否か、及び/又は物理的センサがユーザ124に位置するか否か、及び/又は他の装置、(感知システム302など)、装置アセンブリ400や本明細書に開示される又は当技術分野で公知の任意の他の装置或いはセンサからのデータが利用されるか否かに関わらず、センサは、身体部位の現在位置を感知でき、及び/又は、身体部位の動きを追跡することができる。一実施形態では、位置130mに関連する感知データは、ユーザの重心(質量中心とも呼ばれる)の決定に利用され得る。例えば、1つ以上の位置130m~130oに対する位置130aと位置130f/130lとの間の関係は、ユーザの重心が垂直軸に沿って上昇したかどうか(ジャンプ中など)、又はユーザが膝を曲げたり動かしたりしてジャンプを「偽装」しようとしているかを判断するために利用できる。一実施形態では、センサ位置1306nは、ユーザ124の胸骨付近に位置することができる。同様に、センサ位置130oは、ユーザ124のへそ付近に位置することができる。特定の実施形態では、センサ位置130m~130oからのデータは、ユーザ124の重心を決定するために(単独又は他のデータと組み合わせて)利用され得る。さらなる実施形態では、複数のセンサ位置(例えば、センサ130m~130o)間の関係は、例えばユーザ124の胴体ねじれのようなユーザ124の向き及び/又は回転力を決定するのに利用できる。さらに、1つ又は複数の位置(例えば位置など)を、モーメント位置の中心(又は近似もの)として利用することができる。例えば、一実施形態では、位置130m~130oのうちの1つ以上が、ユーザ124のモーメント位置の中心に対する点として使用され得る。別の実施形態では、1つ以上の位置が、特定の身体部位又は領域のモーメントの中心として使用され得る。
【0043】
本発明の各態様は、エネルギー収集装置(そうでなければ、エネルギー捕捉装置又はエネルギー捕捉及び貯蔵装置とも呼ばれる)と、1つ以上のエネルギー収集装置を利用する新しい方法とに関する。有利なことに、本明細書に記載された本発明各態様は、特に運動活動監視装置(例えば、装置128、400)の1つ以上の電子コンポーネントなどに電気エネルギーを供給するために熱電発電装置を使用することに関する。この方法で、ユーザが有線エネルギー源を備えたバッテリのようなエネルギー貯蔵装置/媒体を提供することを必要とせずに、1つ以上の電子コンポーネント(例えば、特にプロセッサ,メモリ, 送受信器) に電気エネルギーを提供することができ、前記有線エネルギー源は、電気コンセント(即ち、運動活動監視装置の1つ以上のオンボードバッテリを再充電するための有線接続を必要としない場合もある)からのモノである。一実装形態では、エネルギー収集装置内で利用されるように構成される1つ以上の熱電発電機モジュールは、熱勾配に応答して、エネルギー貯蔵装置又は媒体 (即ち、特に身体又は相変化物質の貯蔵を除く)を使用せずに、電気エネルギーを生成することができる。一例では、1つ以上のエネルギー収集装置は、ユーザのスポーツウェアのアイテムに組み込まれることができ、それにより、スポーツウェアのアイテムが洗濯される際に熱エネルギーを貯蔵することができる。熱エネルギーは、その後、以下の開示で説明するように、1つ以上の熱電発電モジュールを使用して電気エネルギーを生成するために使用され得る。このように、熱電発電機モジュールが組み込まれた装置は、本明細書の記載のように、エネルギー貯蔵のための追加要素(即ち、バッテリを含まない場合があり、そうでなければ補助エネルギー貯蔵媒体と呼ばれる)を含まなくてもよい。別の例では、本明細書に記載されたもののような熱電発電機モジュールを内蔵する装置は、熱電発電モジュールを使用して電気エネルギーを生成することに加えて、特にバッテリーストレージのハイブリッドを利用することができる。
【0044】
図6は、本明細書に開示される例示的な実施形態による履物の物品を模式的に示す。履物600の物品は、運動活動に参加し、その他日常的又は公式的な行事に参加する時に着用するように構成された任意のタイプの履物を含み得る。履物600の物品は、靴600と呼ばれ得、封入された履物の実施形態に限定されない。履物600の物品は、モータ606、ジェスチャー認識装置604及び電源608を含むものとして示される。モータ606が履物600の物品の紐締めシステム、閉めシステム又は閉め機械を作動させるように構成され、それにより、モータ606は、ユーザの足上の履物600の物品を締め付けるか、又は締め付けたり緩めたりすることができることが想定される。
図6に示されていないが、これらの開示の範囲から逸脱することなく、モータ606が電気機械の実装形態を有し得、且つ履物600の物品内のさまざまな閉め機械を作動させるように構成され得ることが想定される。モータ606の作動は、ジェスチャー認識装置604から受信された信号に基づいてもよい。ジェスチャー認識装置604及びモータ606の両方が、電源608から電気エネルギーを受け取ることができる。電源608は、バッテリとして構成された1つ以上の化学セルを含み得る。さらに、又は代替的に、電源608は、相変化物質にエネルギーを貯蔵し、熱電発電機を使用して電気エネルギーを生成するように構成された要素を含み得る。電源608は、追加的又は代替的にユーザ運動の動的エネルギーをジェスチャー認識装置604及びモータ606に分配可能な電気エネルギーに変換するように構成された要素を含み得る。本開示全体を通して説明した履物600の物品及び履物600の物品のいろいろなアセンブリ、並びにジェスチャー認識プロセスを含む関連するプロセスは、追加的又は代替的に、本開示の米国特許第10,568,381号の、「ジェスチャー制御可能な電動化靴」及び本開示の米国特許公報第2015/0046886号(2014年8月7、2014に出願された、名称が「ジェスチャー認識」である米国特許出願第14/453,997号)の要素を含み得、これら2つの開示のすべては、任意及びすべての非限定的目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
ジェスチャー認識装置604、モータ606及び電源608の相対的な位置決めは、
図6に模式的に図示されたものと異なると想定される。一例では、ジェスチャー認識装置604、モータ606、電源608は、履物600の物品のソール構造610内にカプセル化されていてもよい。代替実施形態では、ジェスチャー認識装置604、モータ606、及び電源608の1つ以上が、履物600の物品のアッパー612の1つ以上の構造内に位置してもよい。要素604、606、及び608は、有線接続を使用して互に動作可能に通信し得ることが想定される。しかし、1つ以上の要素604、606、608は、無線データ伝送プロトコル及び/又は無線電力転送を使用して互いに無線接続されることができると想定される。別の例では、2つ以上の要素604、606及び608は、集積ユニットとして、履物600の物品内に実装され得、したがって、2つ以上の要素604、606、608は、単一構造内にカプセル化され、及び/又は、単一の集積回路装置に実装され得る。一例では、電源608は、外部ソースから電気エネルギーを受信するためのインターフェースを使用して構成されえる。このインターフェースは、有線接続を受信するように構成された接続ポートを含み得るか、又は履物600の物品が外部の無線充電ドック又はソースに近接して配置されたときに無線充電を行うように構成されたインターフェースであり得る。さらに、ジェスチャー認識装置604及び/又はモータ606は、履物600の物品の外部にある1つ以上のソースからデータを受信するように構成されてもよい。このように、ジェスチャー認識装置604及び/又はモータ606は、外部のコンピューティング装置などの外部のデータソースに有線又は無線でデータを送受信するように構成されたインターフェースを含み得る。この外部のデータソースは、ジェスチャー認識装置604から活動データを受信するように構成されてもよいし、ジェスチャー認識装置604及びモータ606のうちの1つ以上のファームウェアを更新するように構成されてもよい。要素604、606及び608のそれぞれは、ほこり、汚れ、又は水などの汚染物質から遮蔽されるように、履物600の物品内にカプセル化されるように構成されることが想定される。
【0046】
図7は、本明細書に記載された1つ以上の態様による、電源750及びモータ760に動作可能に接続されたジェスチャー認識装置700を模式的に示す。一例では、ジェスチャー認識装置700はジェスチャー認識装置604に類似していてもよく、電源750は電源608に類似していてもよく、モータ760は
図6に関連して説明されたモータ606に類似していてもよい。ジェスチャー認識装置700は、センサユニット702と、分析ユニット732とを含む。センサユニット702、分析ユニット732、電源750及びモータ760の各々は、電気エネルギー/電力及び/又はデータの転送のために互いに動作可能に通信することができる。このような電気エネルギー及び/又はデータの転送を、有線又は無線の伝送で容易にすることができる。
図7に模式的に示されるように、要素702、732、750、及び760の各々は、入力/出力(I/O)インターフェースを用いて構成され得る。具体的には、センサユニット702は、I/Oインターフェース714を含み、分析ユニット702は、I/Oインターフェース740を含み、電源750は、I/Oインターフェース752を含み、モータ760は、I/Oインターフェース762を含む。これらのI/Oインターフェース714、740、752、及び762は、任意の適切な伝送プロトコル及び/又は方法を使用して有線又は無線のデータ伝送及び/又は電力伝送を受信するように構成されたハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアで構成されることが想定される。これらのI/Oインターフェース714、740、752、及び762は、これらの開示の範囲から逸脱することなく、異なる転送プロトコル又は媒体を使用する異なるインターフェースタイプを含むことも想定される。
【0047】
ジェスチャー認識装置700は、
図7において、センサユニット702及び分析ユニット732を含む単一の構造として模式的に示されている。さらに、電源750とモータ760とは、ジェスチャー認識装置700に対して、別個の要素として
図7に模式的に示される。しかしながら、要素702、732、750、及び/又は760の各々は、これらの開示の範囲から逸脱することなく、単一の物理的な構造/チップ内/上に結合されてもよく、又は、別途の要素として実装されてもよいことが想定される。
【0048】
センサユニット702は、プロセッサ704をさらに含む。プロセッサ704は、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、又はグラフィックス処理装置(GPU)の1つ以上を含み得る。別の例では、プロセッサ704はマイクロコントローラを表してもよい。さらに別の例では、センサユニット702は、集積マイクロコントローラとして構成され得る。プロセッサ704は、任意の処理速度、1つ以上の処理コアで実装され得、任意のチップアーキテクチャを利用し得る。センサユニット702は、コンピュータ実行可能な命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体と呼ばれるメモリ706をさらに含み、当該コンピュータ実行可能な命令は、センサユニット702のプロセッサ704及び/又は追加要素によって実行され得る。メモリ706が、任意のメモリハードウェアチップ設計及び任意のメモリ記憶容量を有し得ることが想定される。メモリ706は、永続メモリの形態であり得るし、揮発性メモリを含むこともできる。センサユニット702の任意の要素の動作に関連するファームウェアは、メモリ706によって格納されてもよいし、センサユニット702の模式的に示された各要素内のハードウェアに格納されてもよい。センサユニット702は、バッファ708をさらに含み得、バッファ708は、バッファモジュール708又はセンサユニットバッファモジュール702とも呼ばれ得る。バッファ708は、加速度計710及びジャイロスコープ712のうちの1つ以上から受信されるデータを一時的に格納するように構成され得る揮発性メモリの形態であり得る。
【0049】
バッファ708は、任意のハードウェア構成で実装され得、1つ以上のメモリレジスタ回路を含み得る。さらに、バッファ708は、プロセッサ704から受信される動作モード信号に応答して異なるメモリストレージ動作/アルゴリズムを実行するように構成され得る。この動作モード信号は、バッファ708の動作モードを複数の異なる動作モード間で切り替える命令を含むデータ信号を含み得る。一例では、バッファ708は、連続モード又は先入れ先出し(FIFO)モードで動作するように設定することができる。連続モードで動作するように設定されると、バッファ708は、加速度計710及びジャイロスコープ712の1つ以上からセンサデータを受信し、受信したセンサデータの最新のデータポイント(別名データム)をバッファ708の空きメモリユニットに格納するか、又は、バッファ708に利用可能な空きメモリユニットがない場合は、バッファ708に格納されている最も古いデータムを置き換えることができる。先入れ先出しモードで動作するように設定されると、加速度計710及び/又はジャイロスコープ712のうちの1つ以上から受信したセンサデータは、バッファ708が満杯になるまでバッファ708内の空のメモリユニットに格納される。バッファ708内に格納されたデータは、インターフェース714を介して、プロセッサ704及び/又はセンサユニット702の外部の装置又は要素と通信し得る。一例では、分析ユニット732は、分析ユニット732のインターフェース740にバッファ708内に格納されたデータを送信するように要求する信号をやりとりする。
【0050】
一例では、バッファ708は、加速度計710によって生成された500~1,000個のサンプルデータを格納するように構成され得る。これらのサンプルは、加速度計710の3つの軸のそれぞれの加速度値を含み得る。特定の例では、加速度計は、加速度計710から受信した加速度データの670、678、679、680、681、682、683、684、685、690、692、又は700個のサンプルを格納するように構成される。一例では、バッファ708は2~10kBの記憶容量を持つことができる。特定の例では、バッファ708は、4kBの記憶容量を有し得る。
【0051】
センサユニット702の加速度計710は、3軸加速度計を含むことができる。加速度計710は、MEMS要素などの任意のハードウェアを用いて実装することができると想定される。センサユニット702のジャイロスコープ712は、3軸ジャイロスコープを含むことができる。同様に、ジャイロスコープ712は、MEMS要素などのハードウェア実装を使用して実装され得る。一例では、加速度計710は、350~450Hzの周波数でサンプリングされる。特定の例では、加速度計710は、409、410、413、414、415、416、417、418、420、又は421Hzの周波数でサンプリングされる。さらに他の例では、加速度計710は、0.1Hz~10MHzの間の範囲の1つ以上の周波数でサンプリングされる。
【0052】
分析ユニット732は、メモリ706と同様であり得るメモリ734と、バッファ708と同様であり得るバッファ738(分析ユニットバッファモジュール738とも称する)とを含み得る。さらに、分析ユニット732は、プロセッサ734を含み得る。プロセッサ734は、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、又はグラフィックス処理装置(GPU)の1つ以上を含み得る。プロセッサ734は、任意の処理速度、1つ以上の処理コアで実装され得、任意のチップアーキテクチャを利用し得る。プロセッサ734は、プロセッサ704と同様であってもよいし、異なる処理速度及び/又は消費電力値で動作するように構成された異なるタイプのプロセッサであってもよい。一具体的な例では、プロセッサ734は、プロセッサ704よりも相対的に高い処理電力及び/又は電力消費を有するように構成され得る。このように、プロセッサ734は、アイドル、スリープ、スタンバイ、又は低電力構成とも呼ばれ得る低電力構成で動作するように設定するように構成され得る。さらに、プロセッサ734は、ウェイク構成とも呼ばれ得る高電力構成で動作するように構成され得る。一例では、プロセッサ734は、高電力構成と低電力構成との間、又は低電力構成と高電力構成との間を切り替えるために1つ以上のアルゴリズムを実行し得る。一例では、この移行は、インターフェース740を介して外部ソースから受信された信号によって促され得る。別の例では、プロセッサ734は、1つ以上の処理タスクが完了したことの検出に応答して、又は1つ以上のタイマーの経過に応答して、高電力構成と低電力構成との間で切替え得る。このように、プロセッサ734は、周期的に、又は長さが異なるタイムアウトタイマー持続時間に応答して、低電力構成と高電力構成との間を切り替え得る。一具体的な例では、プロセッサ734によって受信され得る割り込み信号により、プロセッサ734が割り込みアルゴリズムを実行することができる。当該割り込みアルゴリズムにより、プロセッサ734が追加アルゴリズム又はタスクを実行する以外に、プロセッサ734の動作モードが低電力構成から高電力構成に切り替えることもできる。一例では、プロセッサ734によって受信された割り込み信号は、ハードウェア割り込み信号とも呼ばれ得る。当該ハードウェア割り込み信号は、プロセッサ734の特殊のハードウェア割り込み入力で、及びインターフェース740から受信されることができる。
【0053】
明確にするために、場合によっては、プロセッサ704は第1プロセッサ704と呼ばれ得、プロセッサ734は第2プロセッサ734と呼ばれ得る。同様に、メモリ706は第1メモリ706と呼ばれ得、メモリ736は第2メモリ736と呼ばれ得る。バッファ708は第1バッファ708と呼ばれ得、バッファ738は第2バッファ738と呼ばれ得る。
【0054】
図8は、本明細書に記載された1つ以上の態様による、ジェスチャーイベントを認識する1つ以上のプロセスのフローチャート800である。より具体的には、フローチャート800は、履物の物品のモータを作動させるためのジェスチャーイベントを認識するように構成された1つ以上のプロセスを説明する。このように、フローチャート800は、モータ760を動作させるためにジェスチャー認識装置700によって実行され得る。ブロック802は、センサデータを監視するためにジェスチャー認識装置700によって実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムを表す。一例では、ブロック802は、加速度計710から出力/加速度計710によって生成されたデータを監視するためにセンサユニット702によって実行されるプロセスを表すことができる。一例では、センサユニット702は、加速度計710からのデータを継続的に監視することができる。当該加速度計データは、バッファ708及び/又はメモリ706に受信され得る。一例では、バッファ708は、メモリ706を使用して可能な速度よりも高い速度でデータを受信及び格納するように構成され得る。プロセッサ704は、バッファ708及び/又はメモリ706に受信した加速度計データを分析するように構成され得る。メモリ706、バッファ708、及びプロセッサ704は、任意の動作速度又は周波数で動作し得ることが想定される。
【0055】
フローチャート800のブロック806は、ジェスチャー確認アルゴリズムを実行するためにジェスチャー認識装置700によって実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムを表す。一例では、ブロック806は、センサユニット702から可能なジェスチャーイベントデータを受信し、受信した可能なジェスチャーイベントデータが真のジェスチャーイベントを表すかどうかを決定するために、分析ユニット732によって実行されるプロセスを表すことができる。一例では、可能なジェスチャーイベントは、センサユニット702によって、センサユニット702のユーザによる可能なダブルタップとして、又は、センサユニット702が結合されている構造として検出され得る。追加又は代替の実装形態では、可能なジェスチャーイベントは、ユーザによるセンサユニット702の1回タップ、3回タップ、4回タップ、5回タップなどであってもよい。タップジェスチャーは、ユーザの付属器(足、手、指などを含む、脚もしくは腕もしくはそれらの一部)を使用してセンサユニット702に力を加えることによって、ユーザによって実行され得る。フローチャート800のブロック808は、受信された可能なジェスチャーイベントデータ中の真のジェスチャーイベントを識別するように構成された1つ以上のプロセスにおける決定点を表す。分析ユニット732が、受信された可能なジェスチャーイベントデータが真のジェスチャーイベントを表していないと判定した場合、フローチャート800のブロック802に進む。分析ユニット732が、受信された可能なジェスチャーイベントデータが真のジェスチャーイベントを表すと判定した場合、フローチャート800のブロック810に進む。従って、ブロック810は、ジェスチャー認識装置700によって実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムを表し、モータ760のような履物モータを作動させるための信号を出力する。次に、当該モータの作動は、ユーザが着用する履物の物品の閉め又は紐締めシステムを選択的に締めたり緩めたりするように構成され得る。
【0056】
図9は、可能なジェスチャーイベントについてセンサデータを監視するためにジェスチャー認識装置700によって実行される1つ以上のプロセスフローチャート900である。一例では、フローチャート900は、フローチャート800のブロック802で実行されるプロセスをさらに詳細に説明する。従って、一例では、フローチャート900は、ジェスチャー認識装置700のセンサユニット702によって実行され得る。フローチャート900のブロック902は、動作モード信号を受信するためにセンサユニット702によって実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムを表す。動作モード信号は、外部ソースから又は分析ユニット732から受信され得る。動作モード信号は、インターフェース714を介してプロセッサ704によって受信され得る。動作モード信号の受信に応答して、プロセッサ704は、センサユニット702の動作モードを選択的に設定することができる。センサユニット702の動作モードは、連続モード又は先入れ先出しモードとして選択的に設定することができる。一例では、可能なジェスチャーイベントが検出されない限り、センサユニット702の動作モードを連続モードに設定することができる。
【0057】
フローチャート900のブロック904は、加速度計センサ710からデータを受信するためにセンサユニット702によって実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムを表す。フローチャート900のブロック906は、受信したセンサデータをバッファ708に格納するためにセンサユニット702によって実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムを表す。一例では、加速度計710は、バッファ708に格納されたデータを継続的に生成することができる。さらに、プロセッサ704は、生成されたセンサデータを継続的に分析することができる。フローチャート900のブロック908は、生成されたセンサデータを分析して、生成されたセンサデータが可能なジェスチャーを表すかどうかを決定するために、センサユニット702によって実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムを表す。従って、一例では、ブロック908で実行されるプロセス又はアルゴリズムは、可能なジェスチャーを識別するために加速度計センサ710によって生成されたデータの大まかな又はハイレベルの分析を表す。一例では、ブロック908で識別される可能なジェスチャーは、センサユニット702のユーザによるダブルタップ、又はセンサユニット702が結合される構造を含むことができる。追加又は代替の実装では、可能なジェスチャーイベントは、1回タップ、3回タップ、4回タップ、5回タップなどであり得る。ブロック900で識別される可能なジェスチャーイベントは、その後、分析ユニット732によって真のジェスチャーイベントとして確認されてもよい。
【0058】
決定ブロック910は、ブロック908における可能なジェスチャーアルゴリズムの実行に応答して、センサユニット702によって実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムを表す。受信したセンサデータが可能なジェスチャーイベントを表していると判断すると、フローチャート900のブロック912に進む。しかし、受信したセンサデータが可能なジェスチャーイベントを表していないと判断すると、フローチャート900のブロック904に進む。
【0059】
フローチャート900のブロック912は、割り込み信号を出力するためにセンサユニット702によって実行される1つ又は複数のプロセスを表す。この割り込み信号は、インターフェース714を介して出力され、分析ユニット732のインターフェース740によって受信されることができる。一例では、割り込み信号は、プロセッサ734の特殊ハードウェアポートとやりとりするように構成されたハードウェア割り込み信号であってもよい。
【0060】
図10は、ジェスチャー確認アルゴリズムを実行するために分析ユニット732によって実行される1つ以上のプロセスのフローチャート1000である。一例では、フローチャート1000は、フローチャート800のブロック806で実行されるプロセスをさらに詳細に説明する。ブロック1002は、割り込み信号がプロセッサ734によってセンサユニット702から受信されたことに応答して実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムを表す。一例では、割り込み信号の受信により、プロセッサ734は、プロセッサ734を低電力モードから高電力モードに切り替える割り込みアルゴリズムを実行する。ブロック1004は、タイマーを起動するためにプロセッサ734によって実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムを表す。このタイマーには、あらかじめ決められたタイマー持続時間がある。所定のタイマー持続時間が経過すると、プロセッサ734は、後続のプロセスを実行することができる。所定のタイマー持続時間には任意の値が含まれ得ることが想定される。一具体的な例では、所定のタイマー持続時間は10~100msである。特定の例では、所定のタイマー持続時間は35、40、又は45msである。タイマーが経過すると、分析ユニット732は、動作モード信号をセンサ部702に出力することができる。有利には、バッファ708が加速度計センサ710から十分な加速度計データをキャプチャして、可能なジェスチャーイベントデータが真のジェスチャーイベントを表すかどうかを正確に判断することを容易にすることを保証するために、ブロック1004に関連付けられたタイマーが利用されてもよい。ブロック1004に関連付けられたタイマーを使用しない場合、バッファは、先入れ先出しモードで動作するように設定され、可能なジェスチャーイベントが真のジェスチャーイベントであることを確認するために必要なすべてのデータがバッファ708に入るのに時間を有する前に、加速度計データで満たされ得る。ブロック1004に関連付けられたタイマーは、1つ以上のタイマーを含み得るし、プロセッサ734によって実装され得るし、及び/又は、専用のタイマー回路によって実装され得る。この動作モード信号を出力するために実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムは、ブロック1006で実行され得る。一例では、分析ユニット732からセンサユニット702に送信される動作モード信号は、センサユニットに、その動作モードを先入れ先出しモードに設定するように指示してもよい。従って、ブロック1004のタイマー及びブロック1006の動作モード信号は、バッファ708が満杯になるまでバッファ708にデータを追加する先入れ先出しモードへの切り替えを遅らせることにより、センサユニット702の保存履歴を拡張するために使用され得る。この保存履歴の拡張により、データがバッファ708にキャプチャされ、それ以外の場合には保存されず、分析ユニット732により処理されないことを可能にする。このように、センサユニット702の保存履歴の拡張により、センサ710及び/又は712から受信された検出されたセンサデータ中の真のジェスチャーイベントのより正確な識別を可能にし得る。
【0061】
フローチャート1000のブロック1008は、センサユニット702から可能なジェスチャーイベントデータを受信する1つ以上のプロセスを表す。一例では、センサユニット702の動作モードを先入れ先出しモードに設定すると、バッファ708は、バッファ708が満杯になるまで加速度計710からのデータを格納する。満杯になると、バッファ708及び/又はプロセッサ704は、分析ユニット732によって受信され得る信号を生成し得る。バッファ708が満杯になったことを示す信号を受信すると、分析ユニット732は、バッファ708内に格納されたデータを受信するために、1つ以上のプロセス又はアルゴリズムを実行することができる。
【0062】
決定ブロック1012は、受信された可能なジェスチャーイベントデータが真のジェスチャーイベントであるかどうかを決定するために、分析ユニット732によって実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムを表す。従って、決定ブロック1012は、可能なジェスチャーイベントデータを真のジェスチャーイベントとして確認又は拒否するジェスチャー確認アルゴリズムを実行するように構成される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムを表すことができる。決定ブロック1012において、可能なジェスチャーイベントデータが真のジェスチャーイベントを表していないと判断した場合、フローチャート1000のブロック1014に進む。決定ブロック1012において、可能なジェスチャーイベントデータが真のジェスチャーイベントを表すと判断した場合、フローチャート1000は、フローチャート800のブロック810に進み、それによって、分析ユニット732は、信号を出力して、履物モータを作動させる。さらに、可能なジェスチャーイベントデータが真のジェスチャーイベントを表すと判断すると、フローチャート1000のブロック1014に進む。ブロック1014において、1つ以上のプロセスが分析ユニット732によって実行されて、センサユニット702の動作モードを連続モードに設定することができ、当該連続モードは、バッファ708が、加速度計710から受信されたセンサデータの最新のデータムをバッファ708内の空きメモリユニットに格納するか、又はバッファ708内に格納された最も古いデータムを置き換えることに対応する。
【0063】
図11は、ジェスチャー確認アルゴリズムのフローチャート1100である。フローチャート1100は、フローチャート1000のブロック1012で実行されるこれらのプロセスをさらに詳細に説明する。センサユニット702から受信された可能なジェスチャーイベントデータについて、フローチャート1100のジェスチャー確認アルゴリズムがセンサユニット702によって実行され得る。ブロック1102は、受信された可能なジェスチャーイベントデータを使用して、データ内の第1インパルス応答を識別するために実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムに対応する。この最初のインパルス応答は、加速度計710の3つの軸のうちの1つの特殊軸で識別される加速度信号の大きさに基づくものと想定される。別の例では、第1のインパルス応答は、加速度計710の3つの軸のいずれかで識別される加速度信号の大きさに基づいて識別され得る。さらに別の例では、第1インパルス応答は、加速度計710の3つの軸のうちの2つ以上の平均、最大、又は最小加速度値に基づいて識別され得る。第1インパルス応答が、閾値を超える加速度値、及び/又は閾値持続時間を超える加速度値、及び/又は閾値を超えるエネルギー値又は電力値を有する加速度値に基づくことができることが想定される。
【0064】
特定の例では、ブロック1102(及びブロック1106)において実行される1つ以上のインパルス応答プロセス又はアルゴリズムは、さらに、センサユニット702から受信した可能なジェスチャーイベントデータを、ローパスフィルタを介して伝達することを含み得る。ローパスフィルタからの出力は、加速度計710から受信した加速度データ内でプリセットされたDCオフセットを推定するために使用することができる。一例では、このDCオフセットは、加速度計710からの残りの加速度計データと比較するための基準値として使用されてもよい。特定の例では、ブロック1102で実行されるプロセス又はアルゴリズムは、ローリングウィンドウ内の入力データを分析すること、及びローリングウィンドウに、受信された可能なジェスチャーイベントデータのサブセットを分析させることを含み得る。受信された可能なジェスチャーイベントデータのサブセットのサイズは、1つのデータポイントと、センサユニット702から受信される全てのデータとの間で変化することができる。一例では、ブロック1102で実行される1つ以上のプロセスは、加速度計データの1つ以上の軸の信号の分散を分析し、加速度信号が平均値から所定の量だけずれたときのインパルスを示すデータポイント又は複数の連続するデータポイントにフラグを付けることができる。1つの例では、この所定の量は0.05~0.15g(g=重力による加速度)の間であってもよい。特定の例では、この所定の偏差量は、平均から少なくとも0.1gであってもよい。
【0065】
決定ブロック1103は、第1のインパルス応答が正常に識別されたかどうかを決定するために、分析ユニット732によって実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムに対応する。第1のインパルス応答が正常に識別された場合、フローチャート1100の決定ブロック1104に進む。第1インパルス応答が正常に識別されなかった場合、フローチャート1100のブロック1110に進み、受信されたデータは拒否される。決定ブロック1104は、受信された可能なジェスチャーイベントデータにおける第1のインパルス応答の識別に続く低分散状態を識別するために、分析ユニット732によって実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムに対応する。一例では、ブロック1102で特定された第1インパルス応答は、高分散インパルス状態の後の閾値無音時間内に低分散(無音)状態に戻るべきである。この閾値無音時間は、0.2秒未満、又は0.15秒未満である。しかし、1.0秒未満、0.9秒未満、0.7秒未満などの代替の無音時間閾値を使用してもよい。一例では、このしきい値時間は、加速度計710のサンプリングレートに基づいてもよく、加速度計710から受信されたデータのサンプルの数として表されてもよい。このように、一例では、無音時間は、加速度計710から受信された10~100個のデータサンプルに対応することができる。特定の例では、加速度計データが、ブロック1102で識別された高分散データから閾値無音時間内に無音状態に戻らない場合、可能なジェスチャーイベントデータは、非イベントとして拒否され得る。さらに、低分散状態は、ブロック1102に関連して説明された識別と同様の方法で加速度の大きさに基づいて識別され得る。さらに、決定ブロック1104に関連付けられた低分散状態は、加速度計710から受信された加速度データが、下限時間閾値と上限時間閾値との間の低分散持続時間にわたって持続する閾値加速度の大きさ、エネルギー又は電力を下回ることに基づいて識別され得る。一例では、低分散持続時間の下限時間閾値は0.05秒であり、低分散持続時間の上限時間閾値は1.0秒であってもよい。特定の例では、低分散持続時間の下限時間閾値は0.1秒であり、低分散持続時間の上限時間閾値は0.7秒であってもよい。しかし、これらの開示の範囲から逸脱することなく、低分散持続時間のために任意の下限及び上限時間閾値が利用できることが想定される。また、低分散持続時間は、特殊数の秒/分数の秒ではなく、加速度計710からのデータの多くのサンプルに対応することができると想定される。一例では、低分散持続範囲は、他の多くのサンプルの中で10から300の間、又は30から280の間の多数のサンプルに対応することができる。このように、決定ブロック1104で実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムは、データを分析して、信号が、一例では30~280サンプルの間で持続する長さの低分散持続時間に戻ったかどうかを決定できる。低分散状態が持続するタイマー持続時間が下限時間閾値と上限時間閾値との間の範囲外である場合、分析ユニット732は可能なジェスチャーイベントデータを非イベントとして拒否する。可能なジェスチャーイベントデータに対するこの拒否は、フローチャート1100のブロック1110に関連して説明される。
【0066】
決定ブロック1104で低分散状態が識別されると、フローチャート1100のブロック1106に進む。ブロック1106は、受信された可能なジェスチャーイベントデータにおける第2インパルス応答を識別するために、分析ユニット732によって実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムに対応する。従って、ブロック1106で実行されるプロセスは、ブロック1102で実行されるプロセスと同様であり得る。決定ブロック1107は、第2インパルス応答が正常に識別されたかどうかを決定するために、分析ユニット732によって実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムに対応する。第1のインパルス応答が正常に識別された場合、フローチャート1100の決定ブロック1108に進む。第2インパルス応答が正常に識別されなかった場合、フローチャート1100のブロック1110に進み、受信されたデータは拒否される。ブロック1108は、可能なジェスチャーイベントデータが真のジェスチャーイベントに対応していることを確認するために、1つ又は複数のプロセス又はアルゴリズムに対応する。可能なジェスチャーイベントデータがブロック1108で真のジェスチャーイベントとして確認されると、フローチャート800のブロック810に関連付けられた1つ以上のプロセスが実行され得る。
【0067】
図12は、センサユニットの加速度計1200から受信される、可能性のあるジェスチャーイベントデータにおけるインパルス応答を識別するための分析ユニット732によって実行される1つ以上のプロセスのフローチャート1200である。フローチャート1200は、フローチャート1100のブロック1102及び/又は1106で実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムをさらに詳細に説明する。ブロック1202は、分析ユニット732によって実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムに対応し、可能なジェスチャーイベントデータにおける高分散の発生率を識別する。可能なジェスチャーイベントデータにおける高分散の発生率は、加速度計710の3つの軸の1つの特殊軸で識別される加速度信号の大きさに基づいて識別され得る。別の例では、高分散応答の発生率は、加速度計710の3つの軸のいずれかで識別される加速度信号の大きさに基づいて識別され得る。さらに別の例では、高分散の発生率は、加速度計710の3軸のうちの2つ以上の平均、最大、又は最小加速度値に基づいて識別され得る。高分散応答の発生率は、閾値を超える加速度値、及び/又は閾値期間中に持続する加速度値、及び/又は閾値を超えるエネルギー又は電力値を持つ加速度値に基づくものであり得る。
【0068】
可能なジェスチャーイベントデータにおける高い分散の発生率の識別に応答して、フローチャート1200のブロック1204に進み、分析ユニット732は、可能なジェスチャーイベントデータのサブセットをバッファ738に格納することができる。バッファ738に格納されている可能なジェスチャーイベントデータのサブセットは任意のサイズを有すると想定される。一例では、バッファ738に格納された可能なジェスチャーイベントデータのサブセットは、解析部732によってデータの分析が実行される移動ウィンドウである。特定の例では、バッファ738は、可能なジェスチャーイベントデータの一部として受信した加速度計データの20、25、30、35、又は40個のサンプルの間で格納するように構成され得る。一例では、加速度計データの30個のサンプルが、移動ウィンドウとして可能なジェスチャーイベントデータのサブセットを構成してもよい。このように、センサユニット702から受信された全ての可能なジェスチャーイベントデータがバッファ738を介して供給され、一度に30個の連続するサンプルを移動ウィンドウ分析として分析することができる。特定の例では、バッファ738内で5~200個のサンプルを分析できるか、又はセンサユニット702から受信した1~最大数のサンプルをバッファ738内で分析できる。一例では、バッファ738は、バッファ708と同様のハードウェア構成を有してもよい。別の例では、バッファ708及び738は、異なるストレージ容量及び/又はハードウェア構成を有してもよい。
【0069】
フローチャート1200のブロック1206は、バッファ738内に格納されたデータのサブセットに対して高速フーリエ変換を実行するために、分析ユニット732によって実行される1つ以上のプロセス又はアルゴリズムに対応する。これらの開示の範囲から逸脱することなく、すべての高速フーリエ変換プロセスを利用できると想定される。一例では、高速フーリエ変換は、バッファモジュール738内の可能なジェスチャーイベントデータのサブセットの周波数コンテンツを決定するように構成されてもよい。決定ブロック1208は、高速フーリエ変換を使用して識別される周波数コンテンツのエネルギーの閾値を識別するために、分析ユニット732によって実行され得る1つ以上のプロセス又はアルゴリズムに対応する。エネルギーの閾値が所定のインパルス周波数帯域内にあるかどうかを決定するために、周波数コンテンツを分析する。例えば、分析ユニット732は、ユーザによる意図的なジェスチャーの識別に関するものであり、ユーザによる意図的なジェスチャーを示さない周波数コンテンツを除外する。一例では、決定ブロック1208で実行される1つ以上のプロセスは、0~100Hzの周波数範囲にわたって可能なジェスチャーイベントデータを分析してもよい。別の例では、分析は、0~60Hzの周波数範囲を考慮に入れてもよい。しかし、これらの開示の範囲から逸脱することなく、任意の周波数範囲は、説明される分析とともに使用され得ると想定される。一例では、ブロック1208で実行される1つ以上のプロセスは、周波数範囲のサブセット(0~100Hz、0~60Hz、その他の周波数範囲のサブセット)を分析するように構成されてもよい。受信された可能なジェスチャーイベントデータの周波数コンテンツのサブセットのこの分析は、センサユニット702の固有周波数に近い周波数コンテンツを分析するように構成される。従って、当業者は、ヒット/タップによるインパルスを受けたときに、全ての構造が固有の周波数/状態で振動することを認識するであろう。この場合、分析ユニット732は、ユーザがセンサユニット702をいつタップしたかを識別するように構成される。センサユニット702又は複合センサユニット702の固有周波数/減衰固有周波数及びセンサユニット702又は複合センサユニット702に結合された1つ以上の構造を測定することができる。一例では、この固有周波数は30~45Hzの範囲であってもよい。別の例では、固有周波数は約36Hzであってもよい。しかし、本明細書に記載された方法は、これらの開示の範囲から逸脱することなく、任意の固有周波数構造とともに使用され得ると想定される。従って、ユーザがヒット/タップする時、センサユニット702/複合センサユニット702と、センサユニット702が結合された1つ以上の構造とが固有の周波数で振動することができる。周波数応答には、また、固有周波数付近の範囲内のエネルギーも含まれる。分析ユニット732は、インパルス応答を識別するために、ブロック1206の高速フーリエ変換によって分析された全周波数範囲のサブセットである所定のインパルス周波数帯域内のエネルギー量の閾値を有する周波数応答を検索してもよい。例えば、ブロック1208において、分析ユニット732は、加速度信号の少なくとも70%のエネルギーが10~100Hzのインパルス周波数帯域内にある場合、可能なジェスチャーイベントデータのサブセットがインパルスであると決定してもよい。別の例では、エネルギー量の閾値は少なくとも80%であってもよい。しかし、これらの開示の範囲から逸脱することなく、任意のエネルギー量の閾値を利用することができると想定される。別の例では、インパルス周波数帯域は14~56Hzであってもよい。しかし、これらの開示の範囲から逸脱することなく、任意のインパルス周波数帯域を利用することができると想定される。
【0070】
前述のように、ブロック1206における高速フーリエ変換によって分析される総周波数範囲は、0~100Hz、又は0~60Hzなどの範囲であってもよい。これは、部分的な高速フーリエ変換を表し、より高い周波数を含まず、これは、より高い周波数は、ユーザによって実行されるジェスチャーを示すインパルス応答の識別に関連すると見なすことができないからである。一例では、全高速フーリエ変換は、0Hzから加速度計710のサンプリング周波数の半分までの範囲の周波数を考慮する。特定の例では、加速度計710のサンプリング周波数は350~450Hzであってもよい。特定の例では、加速度計のサンプリング周波数は410Hz或いは416Hzであってもよい。有利には、この部分的な高速フーリエ変換は、全高速フーリエ変換と比較して、分析ユニット732によってより迅速に実行され、且つより少ないエネルギーを使用することができる。次に、これにより、ジェスチャー認識装置700は、ユーザにより実現されるジェスチャーを従来の装置よりも迅速且つ高いエネルギー効率で認識することを可能にする。特定の例では、0~10Hzの範囲内のエネルギーは、ジェスチャーの試みを示すものではなく、人間の動きに関連付けられると仮定される。前述のように、高速フーリエ変換は、可能なジェスチャーイベントデータのサブセットに対して実行され得、当該サブセットは、加速度計710からの一定数のデータサンプルの移動ウィンドウである。一例では、当該サブセットは30個のサンプルを含み得、高速フーリエ変換は、1帯域当たり約14Hzの周波数分解能を利用し得る。従って、0~14Hz内に含まれるエネルギーは、ジェスチャーイベントを示すものではない人間の動きであると決定される。14~28Hz、28~42Hz、及び42~56Hzの帯域に含まれるエネルギーは、センサ装置702に対するジェスチャー試みに関連付けられたタップからのインパルス応答に起因し得る。特定の例では、高速フーリエ変換を生成するために使用されるサンプルの信号のエネルギーの少なくとも70%又は少なくとも80%が14~56Hzの帯域内に含まれる場合、ブロック1208においてインパルスが検出される。一例では、高速フーリエ変換のメモリ効率を改善するために、ブロック1206で実行される高速フーリエ変換の基底関数のテイラー級数近似が利用されてもよい。
【0071】
周波数コンテンツのエネルギーの閾値が所定のインパルス周波数帯域内にあることを確認すると、フローチャート1200のブロック1210に進み得る。ブロック1210において、分析ユニット732は、バッファ732内に格納されたデータのサブセットがインパルスに対応することを確認する信号を出力することができる。しかしながら、ブロック1208で実行される1つ以上のプロセスにより、所定のインパルス周波数帯域内にエネルギーの閾値が存在しないと決定された場合、フローチャート1200のブロック1212に進み得、バッファ738内に格納されたデータはインパルスとして拒否される。
【0072】
図13~16を参照すると、可変張力を提供するシステムを含む履物3010の物品の例が開示されている。一部の実装形態では、履物3010の物品は、アッパー2100と、アッパー2100に貼り付けられたソール構造2200とを含む。履物3010の物品は、それぞれアッパー2100及びソール構造2200の少なくとも一方に組み込まれた、引張システム2300及び引張装置2400をさらに含む。引張システム2300は、ケーブル2302と、アッパー2100の張力を管理するように構成された一連のケーブル配置要素2304、2306、2308と、を含む。アッパー2100、引張システム2300及び引張装置2400は、協力して履物3010の物品を弛緩状態と締め付け状態の間を移動させる。具体的に、ケーブル2302は、履物3010の物品を締め付け状態に移動させるために、締め付け方向D
Tに移動できる。一部の実装形態では、アッパー2100及びソール構造2200が協力して、引張装置2400を介してケーブル2302の一部を配置するための通路及びガイドを提供する。引張装置2400は、ケーブル2302を選択的に移動させて締め付け状態締め付け状態で固定するように構成されている。
【0073】
履物3010の物品及びそのコンポーネントは、履物3010の最前方の点に関連付けられた前端3012と、履物3010の最後方の点に対応する後端3014とを含むものとして説明され得る。
図16の底面図示のように、履物3010の長手方向軸A
10は、履物3010の長さに沿って前端3012から後端3014まで延在し、一般に、履物3010を外側方3016と内側方3018とに区分する。従って、外側方3016及び内側方3018は、それぞれ、履物3010の反対側に対応し、前端3012から後端3014まで延在する。
【0074】
履物3010の物品は、長手方向軸A10に沿って1つ以上の領域に区分され得る。これらの領域は、足前部領域3020、足中部領域3022、及びヒール領域3024を含み得る。足前部領域3020は、つま先、及び足の中足骨と足の趾骨を連結する関節に対応することができる。足中部領域3022は、足のアーチ領域に対応し得、ヒール領域3024は、踵骨を含む足の後部領域に対応し得る。
【0075】
アッパー2100は、協力して内部空隙2102及び足首開口部2104を画定する複数のコンポーネントを有する封入部を形成し、内部空隙2102及び足首開口部2104は協力して、足をソール構造2200上に支持するように受容及び固定する。例えば、アッパー2100は、内部空隙2102の反対側の足中部領域3022に、1対のクォーターパネル2106を含む。ベロ2108は、アッパー2100の上部を横切って延在し、足首開口部2104から足前部領域3020までクォーターパネル2106間に延在する足の甲領域を画定する。図示の例では、ベロ2108は、足の甲領域において対向するクォーターパネル間に延在して内部空隙2102を覆う材料パネルによって囲まれる。ここで、スロート2108を覆う材料パネルは、クォーターパネル2106を形成する材料よりも高い弾性率を有する材料から形成され得る。
【0076】
履物3010の物品のアッパー2100は、さらに、足首開口部2104の外側方3016及び内側方3018に沿ってヒール領域3024を通って延在するヒールサイドパネル2110を含むものとして説明されてもよい。ヒールカウンタ2112は、履物3010の後端3014の周りを包み、踵側パネル2110に連結されている。ベロ108、ヒールサイドパネル2110及びヒールカウンタ2112の最上段エッジが協力して、内部空隙2102の足首開口部2104を画定するカラー2114を形成する。
【0077】
アッパー2100は互いに縫い合わされるか又は係合されて内部空隙2102を画定する1つ以上の材料から形成されてもよい。アッパー2100の適切な材料には、繊維、フォーム、皮革、及び合成皮革が含まれるが、これらに限定されない。例示的なアッパー2100は、締め付け状態と弛んだ状態との間での履物3010の物品の移動を容易にするために、アッパー2100の異なる領域に配置された1つ以上の実質的に非弾性又は非伸縮性の材料と、1つ以上の実質的に弾性又は伸縮性の材料との組み合わせから形成され得る。1つ以上の弾性材料は、1つ以上の弾性織物の任意の組み合わせを含み得、当該弾性織物は、スパンデックス、エラステイン、ゴム又はネオプレンなどであるが、これらに限定されない。1つ以上の非弾性材料は、熱可塑性ポリウレタン、ナイロン、革、ビニル又は弾性特性を付与しない他の材料/織物のいずれか1つ以上の任意の組み合わせを含み得る。
【0078】
上記のように、ソール構造2200はアッパー2100に貼り付けられ、履物3010の接地面3026を画定する。ソール構造2200は、頂面2202と、頂面2202からソール構造2200の反対側に形成された底面2204とを含む。履物3010の接地面3026がソール構造2200の底面2204により画定され得る。ソール構造2200は、さらに、頂面2202と底面2204との間に延在している周辺側面2206を含み、周辺側面2206によりソール構造2200の外周が画定される。ソール構造2200は、履物3010の前端3012の第1端部2208から履物3010の後端3014の第2端部2210まで継続的に延在する。
【0079】
ソール構造2200は、周辺側面2206に形成された1以上の係合特徴2212も含み得る。図示の例では、ソール構造2200は、ソール構造2200の第2端部2210から延在しているアーチ形リップ2212を含む。ここで、リップ2212は、アーチ形経路に沿って延在し、履物3010の物品の他方の前端3012を受け入れるように構成された凹状の上面を形成する。したがって、第1の履物3010の物品の前端3012を第2の履物3010の物品のリップ2212に係合させることができ、第2の履物3010の物品の取り外しを容易にする。具体的に、第2の履物3010の物品の後端3014は、ユーザが履物3010の物品から足を踏み出すことができるように、リップ2212で押さえられていてもよい。選択的に、着用者は、裸足又は手でリップ2212を使用して履物3010の物品を足から引き抜いてもよい。
【0080】
本願及び特許請求の範囲に記載のように、ソール構造2200及びアッパー2100は、履物3010の組立時に周辺側面2206とアッパー2100とが交差する「バイトライン」3028を画定する。バイトライン3028は、履物3010全体に沿って第1端部2208から第2端部2210まで外側方及び内側方の一方又は両方の上に延在することができ、第1端部2208、第2端部2210、又はその両方を中心に延在することもできる。
【0081】
ソール構造2200は、引張装置2400及び引張システム2300の一部を受けるように構成され、その中に形成された1つ以上の空洞又は導管を含むことができる。図示の例では、ソール構造2200は、頂面2202と底面2204との間に形成された開口又は空洞2214を含む。空洞2214は、ソール構造2200内で引張装置2400を受けるように構成される。一部の例では、引張装置2400は、ソール構造2200にカプセル化され得る。
【0082】
前述のように、アッパー2100を弛緩状態又は弛んだ状態(
図13A及び17A)と収縮状態又は締め付け状態(
図13B及び
図17B)との間で移動させるように動作可能な一対の織り交ぜられたストラップ2116,2118をアッパー2100に貼り付けてもよい。本明細書ではアッパー2100の一部として説明したが、ストラップ2116,2118は、後述のように、引張システム2300に含まれていると説明されることもできる。例えば、ストラップ2116,2118は、引張ステム2300のケーブル2302と協力して、履物3010の物品を収縮状態又は締め付け状態と弛緩状態との間を移動させる。
【0083】
各ストラップ2116,2118は、アッパー2100のベロ2108を横切って延在する。以下により詳細に説明するように、各ストラップ2116,2118は、ケーブル2302の引張要素2312のそれぞれの引張ストランド2316、2318に連結され、引張装置2400を介して互いに協力して、アッパー2100を締め付け状態と弛緩状態との間で選択的に切り替える。ケーブル2302は、ソール構造2200内の引張装置2400から複数のガイド2304及びループ2306を通ってストラップ2116,2118に配置される。一部の例では、引張システム2300はヒールストラップ2308を含み得、ヒールストラップ2308は、アッパー2100の後端3014の周りに延在し、且つ引張要素2312の引張ストランド2316,2318を配置するためのガイド2304又はループ306を1つ以上含む。
【0084】
図13~
図15を参照して、履物3010のストラップ2116,2118は、アッパー2100の外側方3016からスロート2108上に延在する第1ストラップ2116と、アッパー2100の内側方3018からスロート2108上に延在する第2ストラップ2118とを含む。具体的に、第1ストラップ2116は、履物3010の物品の外側方3016に貼り付けられた固定端2122からアッパー2100の内側方3018の自由端2124まで、スロート2108の上方に延在する。同様に、第2ストラップ2118は、履物3010の物品の内側方3018に貼り付けられた固定端2122からアッパー2100の外側方3016の自由端2126まで、スロート2108の上方に延在する。図示の例では、固定端部2120,2122は、アッパー2100とソール構造2200との間に形成されたバイトライン3028において、履物3010の物品に貼り付けられている。したがって、ストラップ2116,2118は協力して、足中部領域3022のアッパー2100を完全に取り囲む。
【0085】
図示のように、各ストラップ216,2118が自由端2124,2126から固定端2120,2122までの方向において広がり、したがって、各ストラップ2116,2118の幅W116,W118が自由端2124,2126から固定端2120,2122までの方向に沿って大きくなる。言い換えれば、ストラップ2116,2118は、固定端2120,2122から自由端2124,2126までの方向に沿ってテーパ状になっていると説明できる。各ストラップ2116、2118の固定端2120、2122は、ストラップ2116、2118のそれぞれの自由端2124、2126よりも前端3012側に位置する。したがって、各ストラップ2116、2118は、履物3010の物品の長手方向軸A10に対して斜めの角度で延在していると説明できる。図示のように、この配置により、ストラップ2116,2118は、スロート2108を横切って互いに交差して重なり合い、アッパー2100の上方にX字状の封入部を形成する。
【0086】
各ストラップ2116,2118は、自由端2124,2126から固定端2120,2122までの方向に沿って平行(すなわち、交差しない)に延在する複数のバンド2128を含む。図示の例では、各バンド2128a~2128dは、ストラップ2116,2118の固定端2120、2122の第1端部2132a~2132dから、ストラップ2116,2126の自由端2124,2126の第2端部2124a~2134dまで延在している。ここで、バンド2128の第1端部2132a~2132dは、バイトライン3028に個別に貼り付けられ、共に各ストラップ2116,2118の固定端部2120,2122を形成する。したがって、バンド2128a~2128dは固定端2120、2122で互いに離間している。逆に、バンド2128a~2128dの第2端部2134a~2134dは、各ストラップ2116,2118の自由端2124,2126で互いに連結されている。各ストラップ2116,2118のバンド2128a~2128dの隣接するものは、第1端部2132a~2132dから第2端部2134a~2134dまで継続的に延在する溝2130a~2130cを画定する。
【0087】
図示のように、ストラップ2116,2118の自由端2124,2126は、バンド2128a~2128dの第2端部2134a~2134dを一緒に貼り付けるヘッダ2136を含み得る。図示の例では、ヘッダ2136とバンド2128a~2128dは、同一材料で一体に形成されている。しかし、他の例では、ヘッダ2136は、第2端部2134a~2134dが貼り付けられた別個のコンポーネントであってもよい。一部の例示では、ヘッダ2136は、バンド2128とは異なる材料で形成されてもよい。例えば、ヘッダ2136は、プラスチック、複合体、金属などの剛性材料で形成されていてもよい。以下により詳細に説明するように、ヘッダ2136は、各ストラップ2116,2118の複数のバンド2128a~2128dと、引張要素2312の引張ストランド2316,2318との間の接続インターフェースとして機能する。
【0088】
図示の例では、各ストラップ116、118は、平行に延在する4つのバンド2128a~2128dを含む。明確にするために、各ストラップ2116、2118のバンド2128a~2128dは、前端3012に最も近い第1バンド2128a、第1のバンド2128aから直列に配置される第2バンド2128b、第3バンド2128c、及び第4バンド2128dとして説明される。しかし、各ストラップ2116,2118に、より多い又はより少ないストラップ2128a~2128dが含まれてもよい。例えば、各ストラップ2116,2118は、2つのバンド2128a,2128bを含むことができる。
【0089】
上記のように、ストラップ2116,2118は、外側方3016から延在する第1ストラップ2116と、内側方3018から延在する第2ストラップ2118として説明され得る。一般に、履物3010の物品を組み立てる際に、第1ストラップ2116のバンド2128a~2128dのうちの少なくとも1つは、第2ストラップ2118のバンド128a~2128dのうちの少なくとも1つに重なる第1部分と、第2ストラップ2118の他のバンド2128a~2128dのうちの少なくとも1つに重なる第2部分とを含む。同様に、第2ストラップ2118のバンド2128a~2128dの少なくとも1つは、第1ストラップ2116のバンド128a~2128dの少なくとも1つに重なる第1部分と、第1ストラップ2116の他のバンド2128a~2128dの少なくとも1つに重なる第2部分とを含む。従って、ストラップ2116,2118のバンド2128a~2128dは、編み構成に構成される。
【0090】
図示の例では、第1のストラップ2116の各バンド2128a~2128dは、第2のストラップ2118の1つ以上のバンド2128a~2128dの下方に配置される。一般に、第1ストラップ2116の各バンド2128a~2128dは、第2ストラップのバンド2128a~2128dの下方に配置され、前記第2ストラップのバンド2128a~2128dは、第1ストラップ2128a~2128dのバンド2128a~2128dのそれぞれに対応し、それぞれより前に位置する。例えば、第1ストラップ2116の第1のバンド2128aは、第2ストラップ2118の第1バンド2128aの下方、及び第2ストラップ2118の後続のバンド2128b~2128dの上方に配置される。第1のストラップ2116の第2のバンド2128bは、第1バンド2128a及び第2バンド2128bの下方及び第2のストラップ2118の後続のバンド2128c,2128dの上方に配置される。第1ストラップ2116cの第3バンド2128cは、前の3つのバンド2128a~2128cの下方及び第4バンド2128dの上方に配置される。第1ストラップ2116の第4バンド2128dは、第2ストラップ2118の4つのバンド2128a~2128dのすべての下方に配置される。
【0091】
選択的に、各ストラップ2116,2118のバンド2128a~2128dの配置を、他のストラップ2116,2118の溝2130a~2130cに対して説明できる。例えば、第1ストラップ2116の第1バンド2128aは、第2ストラップ2118の第1溝2130aを介して配線され、第2バンド2128bが第2溝2130bを介して配線され、第3バンド2128cが第3溝2130cを介して配線される。図示の例では、外側方3016における第1のストラップ2116と内側方3018における第2のストラップ2118が示されるが、ストラップ2116,2118の配置は、第1ストラップ2116が内側方3018にあり、第2ストラップ2118が外側方3016にあるように切り替えることができる。さらに、ストラップ2116,2118は、織り合わされたものとして図示及び説明されるが、ストラップ2116,2118のうち一つが完全に他のストラップ2116,2118の上に延在するように、ストラップ2116、2118を交互に積層することができる。
【0092】
図13~
図15を参照して、引張システム2300は、ケーブル2302と、ケーブル2302を、ソール構造2200を介してアッパー2100に沿って配置するように構成された複数のケーブル配置要素2304,2306,2308とを含む。ここで、引張システム2300は、ケーブル2302を配置し、且つケーブル2302の張力をアッパー2100に沿って分配するために上部2100に貼り付けられた1つ以上のケーブルガイド2304又はループ2306を含む。ヒールストラップ2308は、ヒールカウンタ2112の周囲に延在し、1つ以上のケーブルガイド2304又はループ2306を含む。
【0093】
ケーブル2302は、高い潤滑性を有し得、及び/又は、低い弾性率及び高い引張強度を有する1つ以上の繊維から形成され得る。例えば、繊維は、強度対重量比が高く、弾性率が低い高モジュラスポリエチレン繊維を含み得る。追加的又は代替的に、ケーブル2302は、成形されたモノフィラメント重合体及び/又は他の潤滑コーティングを有する又は有さない織物鋼から形成されてもよい。一部の例では、ケーブル2302は、互いに編み合わされた複数のストランドの材料を含む。
【0094】
図13~
図16を参照すると、ケーブル2302は、ケーブル配置要素2304,2306,2308及び引張装置2400と協働して、履物3010の物品を締め付け状態と弛緩状態の間で移動させる引張要素2312を含む。引張要素2312は、履物3010の物品を締め付けた状態に移動させるように締め付け方向D
Tに移動可能で、履物3010の物品を弛緩状態への切り替えを可能にするように弛む方向D
Lに移動可能である。図示の例では、引張要素2312に締め付け力F
T が、ソール構造に配置された引張装置2400によって加えられることができる。
【0095】
図13~16に最もよく示されるように、引張要素2312は、外側引張ストランド2316及び内側引張ストランド2318を含むものとして説明することができる。
図14を参照すると、引張要素2312の外側引張ストランド316は、引張装置2400の第1端部2324から延在し、アッパー2100の外側方3016に沿ってヒールストラップ2308を通って、第2のストラップ2118の自由端2124に貼り付けられた第2端部2326に至るように配置される。
図15を参照すると、引張要素2312の内側引張ストランド2318は、引張装置2400の第1端部2324から延在し、アッパー2100の内側方3018に沿ってヒールストラップ2308を通って、第2のストラップ2118の自由端2126に貼り付けられた第2端部2330に至るように配置される。
【0096】
一部の例では、引張システム2300は、1つ以上のケーブルガイド2304を含み得る。ケーブルガイド2304は、剛性のある低摩擦材料(例えば、高密度ポリエチレンなど)で形成され、張力要素2312を受け入れるための円弧状の内面を有することができる。一部の例では、ケーブルガイド2304の内側(すなわち、ケーブル接触)表面は、内部で引張要素2312の移動を容易にする潤滑性ポリマー(例えばポリテトラフルオロエチレンなど)のような低摩擦材料で裏打ち又はコーティングされる。ケーブルガイド2304に低摩擦材料をコーティングすることにより、ケーブル経路全体に有害な高いレベルの摩擦(例えば、機能低下)を生じることなく、各紐締めパターンによって、巻かれる回数を増加させることができる。
【0097】
追加的に、又は剛性ケーブルガイド2304の代わりに、引張システムは、アッパー2100の外部に沿って引張要素を配置するために、アッパー2100の様々な箇所に貼り付けられる織物(fabric)ループ2306を含んでもよい。ループ2306は、メッシュ又は織物材料で形成され、引張要素2312を摺動可能に受け入れるための通路を画定することができる。図示の例では、引張システム2300は、外側方及び内側方パネル2110のそれぞれに配置されたループ2306のうちの1つを含む。
【0098】
引張システム2300は、さらに、アッパー2100のヒールカウンタ2112の周囲に延在するヒールストラップ2308を含む。図示のように、ヒールストラップ2308は、後端3014でアッパー2100に貼り付けられた中央部分2342と、中央部分2342から反対方向にヒールカウンタ2112の周囲に延在する一対の端部2344とを含む。従って、端部2344のうち第1端部は、ヒールカウンタ2112の外側方3016に配置され、端部2344のうち第2端部は、ヒールカウンタ2112の内側方18に配置される。ヒールストラップ2308の各端2344はケーブルガイド2304の1つを含み、ケーブルガイド2304を通って引張要素2312の引張ストランド2316,2318の1つを配置する。
【0099】
次に、
図14及び
図15を参照して、外側方3016及び内側方3018のそれぞれに沿った引張要素2312の配置が示される。一般に、引張要素2312の外側引張ストランド2316及び内側引張ストランド2318のそれぞれは、ソール構造2200内で引張装置2400から外側方3016又は内側方3018の一方に沿ってストラップ2116,2118のそれぞれの一方のヘッダ2136のうちの1つに配置される。一部の例示では、外側引張ストランド2316及び内側引張ストランド2318は、引張装置2400内で互いに連結されてもよい。
【0100】
図14に示すように、履物3010の物品の外側方3016において、外側引張ストランド2316は、引張装置2400によって受容される第1端部2324と、第2のストラップ2118の自由端2126に貼り付けられた第2端部2326とを含む。ここで、外側引張ストランド2316は、外側方3016のヒール領域3024におけるバイトライン3028の一部に、張力装置2400からソール構造2200を介して配置される。外側引張ストランド2316の第1セグメントは、外側方パネル2110に沿ってバイトライン3028からヒールストラップ2308の外側端2344に貼り付けられたケーブルガイド2304まで延在する。ここで、外側引張ストランド2316は、ケーブルガイド2304を通して配置され、外側引張ストランド2316の第2セグメントが外側方パネル2110に沿って戻って、第2ストラップ2118の自由端2126に貼り付けられる。従って、外側引張ストランド2316は、アッパー2100をクロスする第2ストラップ2118の張力を制御するように構成される。
【0101】
図15に示すように、履物3010の物品の内側方3018において、内側引張ストランド2318は、引張装置2400によって受容された第1端部2328と、第1ストラップ2116の自由端2124に貼り付けられた第2端部2330とを含む。ここで、内側引張ストランド2318は、内側方3018のヒール領域224におけるバイトライン3028の一部に、張力装置2400からソール構造2200を介して配置される。内側引張ストランド2318の第1セグメントは、内側方パネル2110に沿ってバイトライン3028からヒールストラップ2308の内側端2344に貼り付けられたケーブルガイド2304まで延在する。ここで、内側引張ストランド2318は、ケーブルガイド2304を通して配置され、内側引張ストランド2318の第2セグメントが内側方パネル2110に沿って戻って、第1ストラップ2116の自由端2124に貼り付けられる。従って、内側引張ストランド2318は、アッパー2100をクロスする第1ストラップ2116の張力を制御するように構成される。
【0102】
図示の例では、引張装置2400は、電動紐締めシステムであり得、そのため、引張要素2312は、引張装置2400から延長したり後退したりすることにより弛む方向D
L及び締め付け方向D
Tを移動する。従って、テンション装置2400は、外側引張ストランド2316及び内側引張ストランド2318のそれぞれを同時に巻き取り及び巻き戻しする電動スプールを含み得る
図13Aを参照すると、履物3010の物品は、ストラップ2116,2118がアッパー100の上で弛んだ状態にあり、アッパー2100が着用者の足回りに伸びることが可能になっていることで示される。
【0103】
図13Bを参照すると、引張要素2312を引張装置2400内に後退させることで、履物3010の物品が締め付け状態に移動され、それによって、引張ストランド2316,2318が締め付け方向D
Tに移動する。各引張ストランド2316,2318が締め付け方向に移動するにつれて、各引張ストランド2316,318における締付力F
Tにより、各ストラップ2118,2116の自由端2126,2124のそれぞれがバイトライン3028に向かって引っ張られ、アッパー2100が収縮又は締め付け状態に移動する。前述したように、ストラップ2116,2118がスロート2108を超えてバイトライン3028に向かって引っ張られると、各ストラップ2116,2118の各バンド2128a~2128dは、ストラップ2116,2118の他方に形成された対応する溝2130a~2130cを通過する。ストラップ2116、2118のバンド2128a~2128d間のこの織り交ぜられた関係は、ストラップ2116、2118間の強化された摩擦インターフェースを、使用中にストラップを締め付けた位置に維持する。
【0104】
アッパー2100及び履物3010の物品を弛んだ状態又は弛緩状態に戻すために、引張装置2400を反対方向に作動させ、引張装置2400から引張ストランド2316,2318を巻き戻したり延長させたりする。したがって、ストラップ2116、2118の自由端2124,2126がバイトライン3028から離れるように移動でき、かつ、スロート2108が拡張できるように、緊張ストランド2316,2318がアッパー2100に沿って弛む方向DLに移動することを可能とする。
【0105】
特に
図17A~
図17Bを参照すると、アッパー2100と、ソール構造2200と、無動力又は手動の引張装置2400a,2400bとともに作動するように構成された引張システム2300aとを含む履物3010の物品aが提供される。履物3010の物品aに関しては、履物3010の物品に関連付けられたコンポーネントの構造的及び機能的実質的な類似性を考慮して、以下且つ図面に、同様の参照番号が同様のコンポーネントを識別するために使用され、一方、文字拡張子を含む同様の参照番号は変更されたこれらのコンポーネントを識別するために使用される。
【0106】
図17A~
図17Bを参照して、引張システム2300aは、ケーブル2302aと、ケーブル2302aを、ソール構造2200を介してアッパー2100に沿って配置するように構成された複数のケーブル配置要素2304,2306,2308,2310とを含む。引張システム2300aは、引張システム2300に関して前述したケーブルガイド2304、ループ2306、及びヒールストラップ2308に加えて、ケーブル2302aの緩みを管理するための1つ以上のシース2310を含むことができる。次に説明するように、シース2310は、アッパー2100が締め付け状態(
図17B)にあるとき、アッパー2100に対してケーブル2302aを後退状態に維持する。
【0107】
図17A~
図17Bを参照すると、ケーブル2302aは、ケーブル配置要素2304,2306,2308,2310及び引張装置2400a,2400bと協働して、履物3010の物品aを締め付け状態と弛緩状態との間で移動させる引張要素2312及び制御要素2314を含む。ここで、引張要素2312及び制御要素2314は、総称して調整要素2312,2314と呼ばれ得る。調整要素2312,2314は、履物3010の物品aを締め付けた状態に移動させるように締め付け方向D
Tに移動可能で、履物3010の物品aを弛緩状態への切り替えを可能にするように弛む方向D
Lに移動可能である。一部の例では、制御要素2314に加えられた締め付け力F
Tは、引張装置2400a,2400bを介して引張要素2312の少なくとも一部に伝達され、引張要素2312を締め付け方向D
Tに移動させる。
【0108】
図18及び
図19に示すように、引張要素2312及び制御要素2314は、外側ストランド2316、2320及び内側ストランド2318、2322を含むものとして記述することができる。したがって、制御子2314は、上述した引張要素2312の外側引張ストランド2316及び内側引張ストランド2318に加えて、外側制御ストランド2320及び内側制御ストランド2322を含む。図示の例では、引張要素2312の外側張力ストランド2316は、
図20に示すように、引張装置2400a、2400bによって制御要素2314の外側制御ストランド2320に接続される。同様に、
図20に示すように、引張要素2312の内側引張ストランド2318は、引張装置2400a,2400bを介して制御要素2314の内側制御ストランド2322に連結される。従って、制御要素2314の外側制御ストランド2320及び内側制御要素2322のそれぞれを移動させることにより、引張要素2312の外側引張ストランド2316及び内側引張ストランド2318の位置を調整することができる。
【0109】
上記及び
図18に示すように、制御要素2314の外側制御ストランド2320は、引張装置2400a、2400bを介して引張要素2312の外側引張ストランド2316に連結され、引張装置2400a、2400bの第1端部2332からアッパー2100に沿って第2端部2334まで延在している。同様に、
図19に示すように、制御要素2314の内側制御ストランド2322は、引張装置2400a、2400bを介して引張要素2312の内側引張ストランド2318に連結され、引張装置2400a、2400bの第1端部2336からアッパー2100に沿って第2端部2338まで延在している。
図17A及び
図17Bを参照すると、外側制御ストランド2320の第2端部2334が内側制御ストランド2322の第2端部2338に連結され、外側制御ストランド2320及び内側制御ストランド2322がアッパー2100のスロート部2108の上に延在する連続的なストランドを形成することができる。他の例では、外側制御ストランド2320の第2端部2334,2338と内側制御ストランド2322とは、中間接続要素(図示せず)によって間接的に接続されていてもよい。
【0110】
アッパー2100の周囲に延在する制御要素2314の一部は、1つ以上のシース2310内に封入され得る。各シース2310は、材料及び/又は織布から形成され得、材料及び/又は織布は、制御要素2314が締め付け力F
Tによってアッパー2100から離れる方向に移動する(即ち、制御要素2314が締め付け方向D
Tに移動する)際に、シース310及び制御要素2314が弛緩状態から伸長状態又は拡大状態に移動することを可能にする。締め付け力F
Tが除去されると、
図17Bに示すように、シース2310がシース2310の材料及び/又は織布により自動的に弛緩状態に収縮し、その中に制御要素2314の束を受容する。図示のようには、制御要素2314は、シース2310を通って且つアッパー2100のスロート2108を超えて、足首開口部2104の前側に隣接するように配置される。従って、制御要素2314は、着用者の足首の前でアッパー2100を横切って延在する。
【0111】
引き続き
図18を参照すると、制御要素2314のシース2310及び外側制御ストランド2320は、外側クォーターパネル2106を通って上方に配置され、外側クォーターパネル2106から出て、スロート108を横切って2100の外部に延在する。同様に、制御要素2314の内側制御ストランド2322とシース2310は、内側クォーターパネル2106からアッパー2100のスロート2108に同様の方法で配置され、これにより、外側制御ストランド2320の第2端部2334,2338と内側制御ストランド2322とが互いに貼り付けられ、直接的又は間接的に、アッパー2100のスロート2108の上に延在する連続的な制御要素2314を形成する。
【0112】
図示の例では、別個の締め付けグリップ2340が、スロート2108に近い貼り付け位置でシース2310に動作可能に連結され、ユーザが締め付け力FTを加えて、制御要素2314をアッパー2100から引っ張って、御要素2314と引張要素2312のそれぞれが締め付け方向DTに移動することを可能にする。他の構成には、制御要素2314の長さに沿って、1つ以上の締め付けグリップ2340をシース2310の他の部分に動作可能に連結することが含まれてもよい。一部の実装形態では、締め付けグリップ2340は省略され、シース2310はユーザによって直接握られる。
【0113】
図13A~
図16の履物3010の物品及び引張システム2300に関して上述したように、アッパー2100は、ストラップ2116,2118の各自由端2124、2126に対して締め付け力F
Tを印加又は解除することによってストラップ2116、2118の位置を調整することにより、弛緩状態と締め付け状態との間で移動可能となっている。
図17A~
図20の例では、引張要素2312に締め付け力F
Tを選択的に印加したり解除したりすることにより、アッパー2100も弛緩状態と締め付け状態との間で移動可能となっている。しかし、引張力F
Tが引張装置2400によって加えられる前の例とは異なって、
図17A~
図20の例では、手締め付け力F
Tがユーザによって引張要素2312に加えられることができる動の引張システム2300aが含まれる。
【0114】
図示のように、制御要素2314に締め付け力FTを加えることにより、引張システム2300aのケーブル2302aを締め付け方向DT に移動させることができる。例えば、ユーザは、締め付けグリップ2340及びシース2310をアッパー2100から引っ張ることによって、制御要素2314に締め付け力FTを加えて制御要素2314を締め付け方向DTに移動させることができる。ここで、締め付け力FTが各制御ストランド2320,2322に加えられ、引張装置2400a,2400bを介して各引張ストランド2316,2318に伝達される。締め付け力FT は、引張ストランド2316,2318を締め付け方向に引くことにより、ストラップ2116,2126の自由端2124,2126を、スロート2108を横切ってバイトライン3028側に引く。
【0115】
前述したように、ロック装置又は引張装置2400a,2400bは、ソール構造2200の空洞内に配置されることができ、それぞれの弛む方向sDLにおける調整要素2312,2314の移動を制限するためにロック状態に偏ることができる。引張要素2312及び制御要素2314は、それぞれ引張装置2400a,2400bのハウジング2402に反対方向から接近して通過する。一部の構成では、ロック状態にあるとき、引張装置2400a,2400bは締め付け方向DTにおける調整要素2312,2314の移動を可能にする。解除機構2404は、引張装置2400a,2400bをロック状態からロック解除状態に切り替えて、調整要素2312,2314がDT,DFの両方向に移動することを可能にする。
【0116】
解除機構2404は、調整要素2312,2314がDT,DFの両方向に移動することを可能にするために、引張装置2400aをロック状態からロック解除状態に切り替えるように動作可能である。例えば、解除機構2404は、解除紐2404が引っ張られたときに、引張装置2400a,2400bをロック状態からロック解除状態に移行するように動作可能な解除紐又はケーブル2404を含むことができる。解除紐2404は、引張装置2400a,2400bに貼り付けられた第1端部2406からアッパー2100の後端3014に固定された遠位端部2408に延在することができ、これにより、ユーザが引張装置2400a,2400bをロック状態からロック解除状態に移動させるために解除紐2404を掴んで引っ張ることを可能にする。
【0117】
一部の例では、解除紐2404は、例えばループ又はシースなどの解除グリップ2410を含み、解除グリップ2410は、引張装置2400aから遠隔に位置し、ユーザが引張装置2400a,2400bをロック解除状態に移動させること及び/又は引張装置2400a,2400bをロック解除状態から解除することが必要である場合に解除紐2404を掴んで引っ張ることを可能にする。
図18及び
図19は、解除紐2404がソール構造2200から且つヒールカウンタ2112に沿って延在する足首開口部2104の後端に形成された解除グリップ2410を示す。
【0118】
図21~
図24を参照すると、一部の実装形態では、引張装置2400aは、ハウジング2402aと、ハウジング2402a内に摺動可能に配置され、且つハウジング2402aに固定された蓋2414によって囲まれたロック部材2412とを含む。
図22は、ハウジング2402aから取り外されたロック部材2412と蓋2414を示す
図21の引張装置2400aの分解図を提供する。ハウジング2402aは、第1端部2416と第2端部2418との間に延在する長さを画定する。ハウジング2402aは、ケーブル受容面2422を有するベース部2420と、ケーブル受容面2422よりも反対側のベース部2420に配置され、アッパー2100の外面に対向する取付面2424とを含む。蓋2414は、ベース部2420のケーブル受容面2422の反対側にあり、ロック部材2412及び引張システム2300aの一部を受容するように構成されたロック部材空洞2426を画定する。一部の構成では、ロック部材空洞2426は、互いに向かって収束する第1係合面2428及び第2係合面2430(
図23及び
図24)によって境界されており、その結果、ロック部材空洞2426は、ハウジング2402aの第2端部2418に向かって次第に細くなる楔状の構成に関連付けられる。従って、第1係合面2428及び第2係合面2430は、互いに向かって収束し且つ蓋2414とベース部2420のケーブル受容面2422との間に延在して、ロック部材空洞2426を画定する、ハウジング2402aの対応する側壁を含む。
【0119】
前述したように、引張システム2300aのケーブル2302aは、ロック要素2315によって互いに連結される引張要素2312と制御要素2314とを含み得、ロック要素2315は、ロック部材空洞2426を通って延在し、第1係合面2428に沿って延在する第1部分と、第2係合面2430に沿って延在する第2部分とを含む。引張要素2312は、ハウジング2402aの対向する側壁を介して第1端部2416に近接して形成された対応する溝2432(
図23及び
図24)から抜け出す。制御要素2314は、ハウジング2402aの対向する側壁を介して第2端部418に近接して形成された対応する溝2432(
図23及び
図24)から抜け出す。
【0120】
一部の実装形態では、ロック部材2412は、ハウジング2402aの第1係合面2428に対向する第1ロック面2434と、ロック部材2412がハウジング2402aのロック部材空洞2426内に配置されるときに、ハウジング2402aの第2係合面2430に対向する第2ロック面2436とを含む。一部の例では、第1ロック面22434及び第2ロック面2436は互いに収束する。追加的又は代替的に、第1ロック面2434は第1係合面2428と実質的に平行であり得、第2ロック面2436は第2係合面2430と実質的に平行であり得る。図示の例では、ロック面2434,2436は、締め付け方向DT(即ち、締め付け力FTが制御要素2314に加えられるとき)において引張システム2300aによる移動を可能にする角度付き表面を有する突起又は歯を含み、一方で、ロック部材2412がロック状態にあるとき、引張システム2300aによる移動が弛む方向DLにロック要素2315を掴むことによって制限される。付勢部材2438(例えば、ばね)は、ハウジング2402aの第2端部2418に貼り付けられる第1端部2440と、ロック部材2412の第1端部2444に貼り付けられて、ロック部材2412をハウジング2402aに取り付ける第2端部2442とを含み得る。
【0121】
一部の実装形態では、ロック部材2412は、ハウジング2402a内に摺動可能に配置され、引張装置2400aのロック状態に関連付けられたロック位置(
図23)と引張装置2400aのロック解除状態に関連付けられたロック解除位置(
図24)との間で移動可能になっている。一部の例では、解除機構2404(即ち、解除紐2404)は、ロック部材2412をロック位置(
図23)からロック解除位置(
図24)に移動させる。ロック部材2412は、第1端部2444よりもロック部材2412の反対端から延在するタブ部2446を含み得る。一構成では、解除紐2404の第1端部2406は、ロック部材2412のタブ部2446に貼り付けられている。タブ部2446は、第1のロック面2434及び第2のロック面2436のうちの対応する1つに形成され、かつ、引張装置2400aをロック解除状態に維持するために、ハウジング2402aに関連付けられた1つ以上の保持機構2450を選択的に受容する、1対の保持機構又は凹部2448を含み得る。ハウジング2402aに関連付けられた保持機構2450は、ハウジング2402aの対向側に配置された第1保持機構2450及び第2保持機構2450を含み、保持機構2450は、対応する付勢部材2452によって空洞2426に向かって、互いに対して内側に付勢される。保持機構2450は、ハウジング2402aと一体に形成された突起であり得、そのため、保持機構2450は、後退状態(
図23)と延在状態(
図24)との間で移動可能なリビングヒンジとして機能する。
【0122】
図23は、ロック位置にあるときにハウジング2402aの空洞2426内に配置されたロック部材2412を示すために蓋2414を取り外した
図21の引張装置2400aの平面図を提供する。一部の例では、ロック部材2412がロック位置に偏ってもよい。例えば、
図23は、付勢部材2438が、ロック部材2412に付勢力F
B(方向D
Bで示される)を加え、ロック部材2412の第1端部2444をハウジング2402aの第2端部2418に向かって押して、ロック部材2412をロック位置に偏らせることを示す。ロック位置にある間、ロック部材2412は、ロック面2434,2436と係合面2428,2430との間に引張システム2300aのロック要素2315を挟むことにより、ハウジング2402aに対する引張システム2300aの移動を制限する。従って、ロック部材2412のロック位置により、引張システム2300aが弛む方向D
Lに移動することを制限する。図示の例では、締付グリップ2340に締め付け力F
Tが加えられると、ロック部材2412により引張システム2300aの移動が可能になり、この方向では、ロック部材2412が一般的な楔状であることが原因で、引張システム2300aがロック部材2412に力を加えて、ロック部材2412をロック解除状態に移動させる。ロック部材2412は、付勢部材2438によってロック部材2412に付与された力が原因で、締め付けグリップ2340に加わる力が解除されると、自動的にロック状態に戻る
【0123】
図24は、ロック解除位置にあるときにハウジング2402aの空洞2426内に配置されたロック部材2412を示すために蓋414を取り外した
図21の引張装置2400aの平面図を提供する。一部の例では、ロック部材2412のタブ部2446に貼り付けられた解除紐2404は、ロック部材2412に解除力F
Rを加え、ロック部材2412をハウジング2402aに対して第1係合面2428及び第2係合面2430から遠ざけるように移動させる。ここで、付勢部材2438の付勢力F
Bを克服するのに解除力F
Rが十分であるため、ロック部材2412がハウジング2402aに対して移動して、ロック面2434,2436と係合面2428,2430との間の引張システム2300aのロック要素2315に対する挟持を解除することが可能になる。一部の例では、解除紐2404によって加えられた解除力F
Rが解除されると、付勢力F
Bによってロック部材2412がロック位置に戻る。十分な又は所定の大きさの解除力F
Rを加えて解除紐2404を
図24の図に対してアッパー2100から引き離す場合、解除紐2404は解除力F
Rを加えてもよい。
【0124】
ロック解除位置にある間、ロック部材2412は、引張システム2300aのロック要素2315をロック面2434,2436と係合面2428,2430との間で自由に移動させることにより、ハウジング2402aに対する引張システム2300aの移動を可能にする。ロック部材2412のロック解除位置により、制御要素2314及び引張要素2312のそれぞれに力FT, FLが加われると、引張システム2300aが締め付け方向DT及び弛む方向DLの両方向に移動することができる。
【0125】
一部の例では、十分な大きさ及び/又はタイマー持続時間の解除力F
Rが解除紐2404に加わることにより、解除紐2404が解除力F
R(
図24)をロック部材2412に付勢力F
B(
図23)の方向とは反対の方向に加えることになり、そのため、ロック部材2412は、ハウジング2402aに対して係合面2428,2430から離れるように移動する。ハウジング2402aの少なくとも1つの保持機構2450は、解除力F
Rがロック部材2412をハウジング2402aの第1係合面2428及び第2係合面2430から所定の距離離れるように移動させるときに、ロック部材2412の保持機構2448に係合してもよい。ここで、解除力F
Rが解除されると、ロック部材2412の保持機構2448とハウジング2402aの少なくとも1つの保持機構2450との係合は、ロック部材2412をロック解除位置に維持する。ロック部材2412が所定の距離を移動してもう解除力F
Rを加えなくなると、付勢部材2438の付勢力F
B及び一対の付勢部材2452によって保持機構2450に与えられる力は、ロック部材2412の保持機構2448をハウジング2402aの保持機構2450と係合するようにロックする。
【0126】
一部のシナリオでは、ロック部材2412を係合面2428、2430から所定距離未満の距離だけ移動させ、保持機構2448、2450が係合しないように移動させるために、第1大きさに関連付けられた解除力FRが弛緩コード2404に加えられることができる。これらのシナリオでは、足の周りの内部空隙2102のフィット感を調整するために、引張システム2300aを弛む方向DL又は締め付け方向DTに移動させる(即ち、締め付けグリップ2340に締め付け力FTを加えることにより)ことが望ましいときに、第1大きさに関連付けられた解除力FRを維持することができる。足の周りの内部空隙2102の所望のフィット感が達成されると、解除力FRが解除されて、ロック部材2412がロック位置に戻ることができ、その結果、弛む方向DLにおける引張システム2300aの移動が制限され、所望のフィット感が維持され得る。なお、ロック部材2412がロック位置にある場合であっても、引張システム2300aが締め付け方向DTに移動し得ることに注意してください。このように、解除力FRが解除されて所望のフィット感が達成されると、ロック部材2412は、ハウジング2402aに対する引張システム300aの位置をロックすることにより、所望のフィット感を自動的に維持する。
【0127】
他のシナリオでは、第1大きさよりも大きい第2大きさに関連付けられた解除力FRを解除紐2404に加えて、対応する保持機構2448,2450が係合するように、ロック部材2412を係合面2428,2430から所定の距離だけ離間させることができる。保持機構2448,2450の係合は、解除紐2404が所定の距離引っ張られると、付勢部材2452によって保持機構2450に加えられる付勢力FBに抗してロック部材2412がより容易に移動することを可能にするように、ロック部材2412に対向するテーパ状のエッジを備える保持機構2450を提供することによって促進される。これらのシナリオでは、解除力FRが解除されたときに、対応する保持機能2448,2450間の係合によりロック部材2412がロック解除位置に維持される。
【0128】
制御要素2314に締め付け力FTが加わると、ロック部材2412がロック位置に戻る。すなわち、外側制御ストランド2320及び内側制御要素2322に力が加われると、これらの制御ストランド2320,2322は引っ張られた状態に置かれ、制御ストランド2320,2322が保持機構2450の一部を通過する際に、保持機構2450を介して付勢部材2452に力を印加する。このようにして、保持機構2450は、付勢部材2452を圧縮し、付勢部材2450を互いに離間させ、ロック部材2412の保持機構2448を係合解除することにより、付勢部材2438がロック部材2412をロック位置に戻すことを可能にする。
【0129】
使用時には、引張システム2300aを使用して、履物3010の物品を弛緩状態(
図17A)と締め付け状態(
図17B)との間で選択的に移動することができる。履物3010が初期に弛緩状態で提供されると、引張要素2312の引張ストランド2316,2318の有効長さ(すなわち、第1端部2324,2328から第2端部2326,2330までの長さ)が最大化され、引張要素2312及びストラップ2116,2118がアッパー2100の周囲で弛緩状態にある一方で、制御要素2314の制御ストランド2320,2322の有効長さ(すなわち、第1端部2332,2336から第2端部2334,2338までの長さ)が最小化される。従って、ユーザの足を履物3010の内部空間2102に挿入することができ、アッパー2100の材料によってアッパー2100は内部に足を受容するように伸張することができる。
【0130】
ユーザの足がアッパー2100の内部空隙2102内に挿入された状態で、ユーザによって引張システム2300aが締め付けた状態に移動され、履物3010を足に固定することができる。前述したように、制御要素2314の締め付けグリップ2340に締付力FTを加えることにより、引張システム2300aを締め付け状態に移動させ、制御要素2314を締め付け方向DTに移動させることができる。制御要素2314が張締め付け方向DTに移動すると、ケーブル2302aが引張装置のハウジング2402aを通して引っ張られ、それにより引張要素2312の引張ストランド2316、2318の有効長さが短くなる。従って、アッパー2100を中心に引張要素2312の有効長さが最小化され、アッパー2100が足の周りの締め付け状態に移動する。
【0131】
前述したように、引張要素2312が締め付け方向D
Tに移動すると、外側引張ストランド2316及び内側引張ストランド2318は、締め付け力F
Tをストラップ2116、2118の自由端2124、2126に分配して、ストラップ2116、2118を喉頭部2108にきつく引き付ける。引張要素2312の外側引張ストランド2316及び内側引張ストランド2318は、ヒールストラップ2308の端部2344に締め付け力F
Tを分配して、ヒールカウンタ2112をユーザの足首の後部の周りに収縮させる。同時に、制御要素2314の有効長さは、引張システム2300aが締め付け状態に移動するにつれて、増加し得る。しかし、
図17Bに示すように、シース2310が収縮したときに制御要素2314がシース2306内で「収束」することを可能にすることによって、制御要素2314の増加した有効長さに適応するシース2310の弾性によって、制御要素2314はアッパー2100に対して緊張位置に維持される。
【0132】
ユーザが履物3010の物品を足から脱ぎたい場合、引張ステム2300aを弛んだ状態に移動させ、アッパー2100を足の周りに弛緩することができる。最初に、前述したように、付勢部材2438の付勢力FBを克服するために十分な解除力FRを加えることにより、引張装置2400aをロック解除状態に移動させなければならない。一旦、引張装置2400aがロック解除状態に移動されると、ユーザの足から履物3010の物品を引っ張ることにより、ケーブル2302aが引張り装置のハウジング2402aを通って弛む方向DLに引っ張られることができ、これは本質的にアッパーを拡張させ、引張要素2312の引張ストランド2316,2318の有効長さを増加させる。
【0133】
図25~
図29を参照すると、手動引張装置2400bの別の例が示されており、引張装置2400bは回転機構として具現化される。
図25は、スプール2456、第1ポール2458、及び第2ポール2460を回転可能にするように構成された空洞2454を画定するハウジング2402bを示す、引張装置2400bの分解図である。引張装置2400bは、蓋2462がハウジング2402bに固定されたときに空洞2454へのアクセスを防止し、蓋2462がハウジング2402bから取り外されたときに空洞2454へのアクセスを可能にするために、ハウジング2402bに固定された蓋2462を含むことができる。1つ以上の固定具2464は、蓋2462を通って延在し、蓋2462をハウジング2402bに固定するためにハウジング402bのネジ穴2466に固定される。
【0134】
ハウジング2402bは、複数の保持器溝2468を画定し、各保持器溝2468は、ケーブル調整要素がハウジング2402bの空洞2454を通ってその中に配置される各々のケーブル保持器2470を受容及び支持するように構成される。ハウジング2402bは、調整要素2312,2314の端部がそれぞれケーブル保持器2470のそれぞれの1つを通って延在するように、複数のケーブル保持器2470を支持することができる。
【0135】
以下により詳細に説明するように、ハウジング2402bは、空洞2454内に配置された保持壁2472をさらに含み得る。保持壁2472は、第1ポール2458と協力するように構成される。保持壁2472は、1つ以上の触覚ドーム2476を受容するように構成された触覚溝2474をさらに含み得る。
図26~29を参照して、以下により詳細に説明すると、第1ポール2458は、1つ以上の触覚ドーム2476に係合して、スプール2456がハウジング2402bに対して位置を変更したこと、及び/又は、引張装置2400bがロック状態からロック解除状態に切り替えたことを示すクリック音又は他の音を提供し得る。
【0136】
図27は、ハウジング2402bの反対側に配置された一対の取付フランジ2478、2480を示すハウジング2402bの平面図である。取付フランジ2478,2480は、ソール構造2200の空洞2214の内面に位置し、引張装置2400bをソール構造2200内に取り付けることができる。選択的に、フランジ2478,2480をアッパー2100のシュトローベル(strobel)に貼り付けることができる。シュトローベルは、少なくともソール構造2200と空隙2102との間に配置される履物3010の足元部分を形成する任意の支持構造であってもよい。一部の例では、接着剤及び/又はエポキシなどの結合剤は、ハウジング2402bを空洞2214内に貼り付けるために、取り付けフランジ2478,2480の接触面及び/又はソール構造2200の空洞2214の内面に塗布され得る。追加的又は代替的に、取付フランジ2478,2480は、ハウジング2402bをソール構造2200に取り付けるために、取付フランジが通るように形成され且つファスナー(図示せず)を受容するように構成され、1つ以上の取り付け穴2482を画定し得る。
【0137】
図27は、ポール2458,2460、調整要素2312,2314、及び引張装置2400bの他のコンポーネントが取り外されて、ハウジング2402bを介して形成された細長い通路2484が露出されたハウジング2402bを示す。以下でより詳細に説明するように、細長い通路2484は、第1ポール2458の貼り付けポイントに整列され、解除紐2404がハウジング2402bの下を通過し、取り付けフランジ2480によって画定されたフィード溝2486の上を通過することを可能にする。取り付けフランジ2480はまた、供給溝2486に近接する切欠き領域2477を画定し、解除紐2404(及び/又は解除紐2404を囲む導管)がハウジング2402bから延びるためのより大きな隙間を提供する。取付フランジ2478,2480は、ハウジング402bが空洞の2214取付面又はシュトローベルから離間されて、解除紐2404のハウジング2402bと空洞2214の取付面又はシュトローベルとの間への配置を可能にするように、ハウジング2402bの外周の周りにリップを画定し得る。したがって、解除紐2404は、細長い通路2484と供給溝2486との間のハウジング2402bの下方に自由に延在し得る。一部の例では、供給溝2486は、解除紐2404がハウジング2402bによって捕捉又は制限されることを防止するために湾曲したエッジを有する。
【0138】
図26を参照すると、スプール2456はハウジング2402bの空洞2454内で支持され、ハウジング2402bに対して回転できる。一部の例では、調整要素2312,2314が締め付け方向D
Tに移動すると、スプール2456がハウジング2402bに対して第1方向D
S1に回転し、調整要素2312,2314が弛む方向D
Lに移動すると、反対側の第2方向D
S2に回転する。スプール2456は、テンション要素2312の一部を収集するように構成された第1通路又は環状溝2488と、制御要素2314の一部を収集するように構成された第2通路又は環状溝2490とを含む。スプール2456は、スプール2456に対する調整要素2312,2314のそれぞれの回転位置を固定するために、通路2488,2490を隔てる仕切り壁を介して形成された1つ以上のアンカー溝2492を含むことができる。
【0139】
引張装置2400bはまた、スプール2456に関連付けられ、ラチェット機構2494の軸周りに円周方向に位置し、そこから径方向内側に突出した複数の歯2496を有するラチェット機構2494を含む。一部の実装形態では、ラチェット機構2494は、スプール2456の内周壁に一体に形成され、複数の歯2496が通路2488,2490から径方向内側に突出している。他の例では、ラチェット機構2494は、スプール2456と共に回転するように支持されている。
【0140】
第1ポール2458は、ハウジング2402bの空洞2454内に配置され、ラチェット機構2494と協力してスプール2456の回転を選択的に防止及び許容し、結果的に調整要素2312,2314の移動を選択的に防止及び許容するように構成される。一部の例において、第1ポール2458は、ラチェット機構2494の複数の歯2496と選択的にかつ噛合的に係合するように構成された1つ以上の歯2498を含む。一部の実装形態では、第1ポール2458は、第1ポール2458がハウジング2402bに対して第1ポール回転軸AFPを中心に回転することを可能にするために、ハウジング2402b内で第1ポール458を支持するように構成された第1ポール軸2500を含む。
【0141】
第1ポールバネ2502は、第1ポール軸2500及びハウジング2402bの空洞2454内に配置された保持壁2472に動作可能に連結され、第1ポール2458をポール回転軸AFPの周りで第1の方向DFP1に付勢することができる。第1ポール回転軸AFPは、スプール2456が空洞2454に受容されたとき、スプール2456の回転軸と実質的に平行であることができる。従って、第1ポールバネ2502は、保持壁2472及び第1ポール2516と相互作用して付勢力を印加することができ、当該付勢力により、第1ポール2458が第1方向DFP1にポール回転軸AFPを旋回し、ラチェット機構2494の複数の歯2496と係合し、これにより、引張装置2400bがロック状態で動作して、調整要素2312,2314による弛む方向sDLへの移動を制限する。
【0142】
図28及び
図29は、それぞれ、引張装置2400bの第1ポール2458の平面図を示す。第1ポール2458は、第1ポールバネ2502を支持するように構成された第1受容面2504を画定する。第1ポール軸2500は、第1受容面2504に対して略垂直な方向に第1受面2504から突出している。第1ポール軸2500は、第1ポール2458と一体に形成され得る。第1ポール2458はまた、第2ポールバネ2516を支持するように構成された第2の受容面2506を画定する。開口2508は、第2受容面2506を貫通して形成され、第2ポール軸2514を受容するように構成される。アンカーポスト2510は、第1ポール軸2500と実質的に平行な方向に、受容面2504,2506から離れる方向に突出してもよい。アンカーポスト2510は、解除紐2404の第1端部2406をアンカーポスト2510に貼り付けるための取り付け位置を提供するための開口2512を画定し得る。アンカーポスト2510は、第1ポール2458と一体的に形成され得る。
【0143】
図26を参照すると、第2ポール軸2514は、第2ポール2460を第1ポール2458に回転可能に取り付け、第2ポール2460を第1ポール2458及びハウジング2402bの両方に対して第2ポール回転軸A
SPを中心に回転させることを可能にする。第2ポール回転軸A
SPは、第1ポール回転軸A
FP及びスプール2456の回転軸と実質的に平行に延在することができる。一部の例では、第2ポール2460は、第2ポールバネ2516に関連付けられ、第2ポールバネ2516は、スプール2456が第2方向D
S2に回転することを可能にするために第1ポール2458とラチェット機構2494の歯2496との係合が解除されると、スプール2456の内周に関連付けられた制御面2518と係合するように第2ポール2460が付勢されるように構成される。
【0144】
図26は、ロック状態にある引張装置2400bの斜視図を提供し、ここで、第1ポール2458の第1ポール歯2498がラチェット機構2494の歯2496に係合して、スプール2456の第2方向D
S2での回転を選択的に制限し、調整要素2312,2314のそれぞれの弛む方向D
Lでの移動を制限する。一部の例では、複数の歯2496は、第1ポール22458の歯2498がラチェット機構2494の歯2496に係合すると、スプール2456が第1の方向D
S1に回転することを可能にするように傾斜し、これにより、引張部材2312が締め付け方向D
Tに移動し、締め付けグリップ2340に加わる締め付け力F
Tに応答して制御部材2314が締め付け方向D
Tに移動することを可能にする。
【0145】
スプール2456が第1方向DS1に回転すると、制御要素2314がスプール2456の第2通路2490から引き出され、スプール2456が第1方向DS1で回転するとき、同時にスプール2456の第1通路2488に引張要素2312が後退する。従って、調整要素2312、2314をそれぞれの締め付け方向DTに移動させることにより、制御要素2314の有効長さが増加するとともに、引張要素2312の有効長さが減少し、これにより、アッパー2100が締め付け状態に移動して、ユーザの足の周りの内部空隙2102を閉じる。ここで、制御要素2314は、第1ポール2458(即ち、第1ポール歯2498)とラチェット機構2494の歯2496とがそれぞれ連続的に係合する間に、締め付け方向DTに徐々に移動し、したがって、アッパー2100が締め付け状態に移動するにつれて、足の周りの内部空隙2102にフィットするように締め付けるために、引張要素2312の外側引張ストランド2316及び内側引張ストランド2318に加わる張力を徐々に増加させる。より具体的には、引張要素2312の外側引張ストランド2316及び内側引張ストランド2318の各々がスプール2456の第1通路2488に連結されるともに、その中に配置されるので、引張ストランド2316,2318の各々がスプール2456により同じ速度で巻き取られたり解かれたりされ、足の周りでのアッパー2100の実質的に均一な締め付けさが提供される。
【0146】
一部の例では、解除紐2404は、第1ポール2458のアンカーポスト2510に動作可能に連結され、所定の解除力FRが解除紐2404に加われたときに、第1ポール2458をラチェット機構2494の歯2496から選択的に係合解除する。第2ポール2460が制御面 2518に係合すると、第2ポール2460は、調整要素2312,2314が第2方向DS2へ回転する中に、スプール2456の第1通路2488及び第2通路2490のそれぞれから収集される(即ち、巻き取られる)か又は放出される(即ち、解かれる)ときに絡まないように、第2方向DS2におけるスプール2456の回転速度を動作可能に制御する。一部の構成では、第2ポール2460は、第1ポール2458の歯2496から係合解除された状態が維持されるとき(即ち、引張装置2400bがロック解除状態で動作可能であるとき)、2つの制御表面2518のそれぞれ1つとの係合を維持するカム面を含む。各制御面2518は、歯2496が制御面2518間に配置され、径方向内側に突出するように、ラチェット機構2494の反対側に軸方向に配置されていてもよい。
【0147】
図28を参照すると、テンション装置2400bがロック状態にあるとき、第1ポール2458はラチェット機構2494の複数の歯2496に係合するように付勢される。ここで、第1ポール2458は、第1ポール2458の歯2498がラチェット機構2494の歯2496に係合するように、第1の方向D
FP1において第1ポール回転軸A
FPを中心に旋回及び回転する。一部の例では、第1ポール2458は、触覚ドーム2476と係合して、第1ポール2458と歯2496とがそれぞれ連続的に係合する間にスプール2456位置の次第の変化を示す「クリック」を提供するように構成された触覚突起2520を含む。
【0148】
図29を参照すると、解除紐2404の第1端部2406は、解除紐2404に所定の解除力F
Rが加えられたときに、解除紐2404がラチェット機構2494の歯2496から第1ポール2458を選択的に係合解除することを可能にするように、第1ポール245のアンカーポスト2510に取り付けられている。例えば、ユーザは、解除紐2404の解除グリップ2410を握り、ラチェット機構2494の歯2496から第1ポール2458を係合解除するために、所定の力F
Rを加えてもよい。ここで、所定の力F
Rは、第1ポールバネ2502の付勢力を克服して、第1ポール2458が第1ポール回転軸A
FPを中心として第2の方向D
FP2に回転することを可能にする。さらに、所定の力F
Rによって第1ポール2458が歯2496との係合から外れ、引張装置2400bをロック解除状態に切り替えるように移動すると、触覚突起2520が触覚ドーム2476と係合して「クリック音」を提供することができる。
【0149】
図29は、解除紐2404に所定の力F
Rが加えられたときに、弛緩紐2404がラチェット機構2494の歯2496から第1ポール2458を選択的に係合解除するのに対応するロック解除状態にある引張装置2400bを示す。引張装置2400bは、ラチェット機構2494の歯2496から第1ポール2458が係合解除されているロック解除状態にあるとき、スプール2456は第2方向D
S2に回転することができて、引張要素2312に弛む力F
Lが加えられると、引張要素2312の弛む方向D
Lへの移動を可能になる。一部の例では、スプール2456が第2方向D
S2に回転すると、スプール2456の第1通路2488は引張要素2312を収集すると同時に、スプール2456の第2通路2490は制御要素2314を弛緩する。従って、制御要素2314の弛み方向D
Lにおける移動により、引張要素2312の有効長さの増加を可能にすることで、引張ストランド2316,2318の弛緩を可能にし、引張ストランド2316,2318、それにより、アッパー2100を締め付け状態から弛んだ状態に容易に切り替え、内部空隙2102から足を取り除くことができる。
【0150】
図25に戻って参照すると、引張装置2400bの蓋2462及びハウジング2402bは、それぞれ、第1ポール2458の第1ポール軸2500を支持するように構成されたハブ2522を含み得る。蓋2462は、それぞれ、第1ポール2458が第1の方向D
FP1又は第2の方向D
FP2のいずれかで第1ポール回転軸 A
FPを中心に旋回するとき、第1ポール2458のアンカーポスト2510がハウジング2402b及び蓋2462に対して自由に回転することを可能にするためにハウジング2402bの細長い通路2484と協力する細長い通路2524を含み得る。
【0151】
使用時には、引張システム2300aを用いて、履物3010の物品を、締め付け状態と弛緩状態との間で選択的に移動させることができる。履物3010が最初に弛緩状態で提供されると、引張要素2312の有効長は最大となり、それにより、第1ケーブルがアッパー2100の周りで弛緩状態になり、一方、制御要素2314の有効長さは、制御要素2314が引張装置2400bのスプール2456の周りに巻き取られると最小になる。従って、ユーザの足を履物3010の内部空間2102に挿入することができ、アッパー2100の材料によってアッパー2100は内部に足を受容するように伸張することができる。
【0152】
ユーザの足がアッパー2100の内部空隙2102内に挿入された状態で、ユーザによって引張システム2300aが締め付けた状態に移動され、履物3010を足に固定することができる。前述したように、引張システム2300aは、締め付けグリップ2340に締め付け力FTを印加することにより 締め付け状態に移動し、それにより制御要素2314を締め付け方向DTに移動させる。制御要素2314が締め付け方向DTに移動すると、スプール2456が第1方向DS1に回転し、制御要素2314が第2通路2490から解かれる。同時に、引張要素312は、第1通路2488内に巻き上げられ、その結果、引張要素2312が引張装置2400b内に後退する。従って、アッパー2100を中心に引張要素2312の有効長さが最小化され、アッパー2100が足の周りの締め付け状態に移動する。
【0153】
引張システム2300aが締付状態に移行する前、途中、又は後に、解除紐404に加わる解除力FRが第1ポールバネ2502によって克服されると、第1のポール2458が第1のポールバネ2502の付勢力によりロック位置に移動し得る。引張装置2400bがロック状態にあるとき、スプール2456の歯2496が第1ポール2458の歯2498に係合して、スプール2456が第2方向DS2 (即ち、弛む方向DL)に回転するのを防止する。従って、引張装置2400bは、テンション装置2400bがロック位置に維持される限り、引張システム2300aを締め付け状態に維持することができる。
【0154】
ユーザが履物3010の物品を足から脱ぎたい場合、引張ステム2300aを弛んだ状態に移動させ、アッパー2100を足の周りに弛緩することができる。最初に、引張装置2400bは、第1ポールバネ2502の付勢力を克服するために、十分な解除力FRを加えることによりロック解除状態に移動しなければならない。解除力FRにより付勢力が克服されると、第1ポール2458の歯2498とスプール2456の歯2496との係合が解除され、スプール2456が第2方向DS2に回転することができる。
【0155】
弛む力FLがユーザによって引張要素2312に加えられ、第1ケーブルを弛む方向DLに移動させることにより、引張要素2312の有効長さを最大限にして、アッパー2100を弛緩することを可能にする。図示の例では、アッパー2100の前端3012を下方に引っ張ることにより、弛む力FLを引張要素2312に間接的に加えることができ、これにより内部空隙2102が強制的に開いて、足が抜く。選択的に、ユーザが引張要素2312に弛む力FT を直接加えることを可能にするように、引張要素2312は1つ以上の弛みグリップ(図示せず)を備えていてもよい。
【0156】
引張要素2312が弛む方向DLに移動すると、スプール2456が第2方向DS2に回転し、引張要素2312が第1通路2488から解かれる。引張要素2312が解かれるにつれて、引張要素2312の有効長さが長くなり、引張ストランド2316,2318が弛緩し、第1ストラップ2116、第2ストラップ2118がアッパー100を中心に弛緩することができる。同時に、制御要素2314は、第2通路2490内に巻き上げられ、その結果、制御要素2314が引張装置2400b内に後退する。従って、制御素子2314の有効長さが最小限に抑えられる。
【0157】
図30は、一般に、
図13~16の履物3010の物品の電動式引張装置2400の一例のコンポーネントのブロック図を示す。この概略図には、紐締めエンジン2401、レセプタクル2532(
図34)、及び下にある履物3010を含む電動引張システムのコンポーネントが一部含まれ、必ずしもすべてを含む必要はない。図示のように、電動式引張装置2400は、インターフェースボタン2534、インターフェースボタンアクチュエータ2536、足検知センサ2538、及びメインPCB2540及びユーザインターフェースPCB2542を囲む紐締めエンジンハウジング2402を含む。ユーザインターフェースPCB2542は、ボタン2534と、ボタンアクチュエータ2536を照明し得るか又は履物3010の物品の外部で見られる照明を提供できる1つ以上の発光ダイオード(LED)2544と、光学エンコーダユニット2546と、LED2544に電力を供給し得るLEDドライバ2548とを含む。メインPCB2540は、プロセッサ回路2550と、電子データ記憶部2552と、バッテリ充電回路2554と、ワイヤレストランシーバ2556と、加速度計、ジャイロスコープ等の1つ以上のセンサ2558と、モータドライバ2560とを含む。
【0158】
紐締めエンジン2401は、さらに、容量センサ等の足検知センサ 2538、モータ2562と、トランスミッション2564と、スプール2566と、バッテリ又は電源2568と、充電コイル2570とを含む。プロセッサ回路2550は、モータドライバ2560がモータ2562を駆動して、スプール2566に巻き取られたケーブル2302に所望の量の張力をかけるために、トランスミッション2564を介してスプール2566を回動させるように、電子データ記憶部2552からの命令により構成される。プロセッサ回路2550は、足検知センサ2538、センサ2558、及び命令に従ってケーブル2302の張力を増加又は減少させることを決定するためのボタン2534を含む様々なソースから入力を受信することができる。例えば、足検知センサ2538は、履物3010内の足の存在を検出してもよく、プロセッサ回路2552は、張力を現在の張力レベルに設定できる。センサ2558は、特定の活動レベル(即ち、カジュアルウォーキング、激しい身体活動)に一致する動きを検知でき、プロセッサ回路2550は、張力を当該活動レベルと一致するレベルに設定することができ、例えば、カジュアルウォーキングには比較的緩く、激しい身体活動には比較的タイトに設定することができる。ユーザは、必要に応じてボタンアクチュエータ2536を押して、張力の漸増的な又は直線的な増減を手動で命令することができる。
【0159】
バッテリ2568は、一般的に、紐締めエンジン2401のコンポーネントに電力を供給し、例示的な実施形態では、充電式バッテリである。しかし、非充電バッテリ、スーパーキャパシタなどの代替電源も考慮される。図示の例では、バッテリ2568は、充電回路2554及び充電コイル2570に結合される。充電コイル2570が外部充電器2574に近接して配置されると、充電回路2576は、送信コイル2578を励磁して、充電コイル2570内に電流を誘導することができ、当該電流が充電回路2554によって利用されて、バッテリ2568を再充電することができる。代替の再充電メカニズム(例えば、履物3010内に位置する圧電発電機)が検討される。
【0160】
ワイヤレストランシーバ2556は、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ、又は同様のもののようなリモートユーザデバイス2580と無線通信するように構成される。図示の例では、ワイヤレストランシーバ2556は、ブルートゥース(登録商標)の低エネルギー方式に従って通信するように構成されるが、ワイヤレストランシーバ2556は、近距離無線通信(NFC)、802.11WiFiなどを含む任意の適切な無線方法に従って通信することができる。さらに、無線トランシーバ2556は、複数の外部ユーザデバイス2580と、及び/又は複数の異なる無線方法に従って通信するように構成され得る。ワイヤレストランシーバ2556は、所定の動作モードに入ること、又はケーブル2302の張力を漸増的に又は直線的に増加又は減少させることを含む紐締めエンジン2401を制御することのために、例えばユーザ装置2580上で動作するアプリケーションを使用して、ユーザ装置2580から命令を受信することができ、ワイヤレストランシーバ2556は、さらに、例えばケーブル2302上の張力の量、又はスプール2566の向き、バッテリ2234上に残っている電荷の量、及び一般的に紐締めエンジン2401に関する任意の他の所望の情報など、紐締めエンジン2401に関する情報をユーザ装置2580に送信することができる。
【0161】
図31は、電動式引張装置用の紐締めエンジン2401cの一例の分解図である。紐締めエンジン2401cは、ハウジング2402の外部である特定のコンポーネントを除いて、紐締めエンジン2401cを概ね取り囲む、アッパー部2419とベース部2420を含むハウジング2402を含む。これらのコンポーネントには、ボタンアクチュエータ2536(及び、湿気などの環境条件から紐締めエンジン2401cを保護するための関連するOリング2582)と、止めねじ2584を介してトランスミッション2564に固定され、蓋2414cで封入されたスプール2566と、足検知センサ538の誘電フォーム2586とが含まれる。ハウジング2402の内部には、メインPCB2540、ユーザインターフェースPCB2542、モータ2562、トランスミッション2564、バッテリ2568、充電コイル570、足検知センサ2538の電極2588とフォーム2590が封入されている。光エンコーダユニット546は、
図31に示すように、
図32の分解図に部分的に示されている。具体的には、光エンコーダユニット2546の3次元エンコーダ2592は、モータ2562に結合され、モータ2562の回動に伴って回動する。
【0162】
図32A及び
図32Bは、紐締めエンジン2401dの別の例の紐締めエンジンハウジング2402d及び蓋2414dを示している。
図30のブロック図では、紐締めエンジンハウジング2402dと蓋2414dをそれぞれハウジング2402と蓋2414として利用することができる。紐締めエンジンハウジング2402dは、紐締めエンジン2401d又は任意の適切な紐締めエンジンを囲むようにサイズを調整することができる。紐締めエンジンハウジング2402dは、スナップフィットなどを介して蓋2414d上のピン2602に接続されて、ハウジング2402dに相対的に回転できる蓋2414dに対してヒンジ2604を形成するタブ2600を含む。
【0163】
図32Aは、スプール2566dが露出している状態で、ケーブル2302(図示せず)が紐締め溝にアクセス可能又は配置可能な状態である開放構成の蓋2414dを示す。
図32Bは、タブ2606がハウジング2402dの側面2608の所定の位置にスナップされた状態である閉じた構成の蓋2414dを示す。閉じた構成では、蓋2414dがケーブル2302を紐締め溝内に拘束する傾向がある。
【0164】
ハウジング2402d及び蓋2414dは、必要に応じてプラスチック又はその他のポリマー及び金属を含む任意の適切な材料で製造することができる。ハウジング2402d及び/又はハウジング2402dと蓋2414dを一緒に使用すると、湿気や汗などの環境条件だけでなく、ハウジング2402dに作用する可能性のある力(衝撃や機械的ストレスを含む)に対応して紐締めエンジン2401dに少なくともある程度の隔離を提供することができる。ハウジング2402dは、環境隔離を提供し得るスリーブ又は他の構造内に配置されてもよい。
【0165】
図示のように、ハウジング2402dは、LED2208から放出される光をハウジング2402dの外側で見えることを可能にする開口2608を含む。図示の例では、2つの開口2608がタブ2606に整列される。
【0166】
図33Aは、例示的な実施形態における紐締めエンジン2401eのためのもつれ防止紐締め通路2612を有する電動式引張装置2400eの斜視図である。
図33Bは、モジュラースプール2566eを通って延在し、ハウジング構造2402eを通る紐締め通路2612と整列される巻取り通路2614を示す、
図33Aの電動張力装置2400eの上面図である。前述したスプール566と同様に、モジュラースプール2566eは、モジュラースプール2566eが巻き取られてケーブル2302を下向きに履物の物品のアッパーにしっかり締め付けるときに、ケーブル302などの紐の格納位置を提供する。モジュラースプール2566eは、上側プレート2616やロアプレート2618などの様々なコンポーネントから組み立てられる。
【0167】
モジュラースプール2566eは、紐締め通路2612のスプール凹部2620内に位置することができる紐締め通路2612は、ハウジング構造2402eからケーブル2302を巻いたり緩めたりする際に、モジュラースプール2566eの性能を最適化又は改善するように成形される。特に、次に説明するように、紐締め通路2612は、紐締め通路切替部2622と、例えば鳥の入れ子(bird’s nesting)によってケーブル2302がスプール凹部2620内に詰まることを防止するのに役立つ他の形状、幾何学的形状及び表面とを含むことができる。紐締め通路切替部2622は、ケーブル2302を格納するために、ケーブル2302を圧縮又は絡ませることなく十分な容積の紐締め通路2612を提供することができる。
【0168】
例示的な紐締めエンジン2401eは、ハウジング構造2402eの上側コンポーネント2419e及び下側コンポーネント2420e、ケースネジ2624、紐締め通路2612(紐締めガイド起伏2612としても知られている)、紐締め通路壁2626、紐締め通路切替部2622、スプール凹部2620、ボタン開け部2628、ボタン2534、ボタン膜封止2632、プログラミングヘッダ2634、モジュラースプール2566e、及び巻取り通路(紐締め溝)2614を含むことができる。
【0169】
ハウジング構造2402eは、例えば、本明細書に記載されたように、履物の物品のソール内に挿入するためのコンパクトな紐締めエンジンを提供するように構成される。ケースネジ2624は、上側コンポーネント2419eと下側コンポーネント2420eとの係合を維持するために使用されることができる。上側コンポーネント2419e及び下側コンポーネント2420eは、共に、例えばモジュラースプール2566e及びモータ2562のコンポーネントなどの、電動式引張装置2400のコンポーネントを配置するための内部空間を提供する。紐締め通路壁2626は、ケーブル2302をハウジング構造2402eの内外に案内するように成形することができ、紐締め通路切替部2622は、紐をモジュラースプール2566eの内外に案内するように成形することができる。一例では、紐締め通路壁2626は、紐締め通路2612の主軸に実施的に平行に延在し、紐締め通路切替部2622は、紐締め通路2612の主軸に対して傾斜して延在し、且つ紐締め通路壁2626とスプール凹部2620との間に延在している。スプール凹部2620は、 モジュラースプール2566eを収容するように、部分円筒形ソケットを形成することができる。
【0170】
ケーブル2302は紐締め通路2612及び巻取り通路2614内に延在するように配置することができる。モジュラースプール2566eがモータ2562によって回転されると、ケーブル2302は上側プレート2616と下側プレート2618との間のドラム2636に巻き取られる。ボタン2534は、ボタン開け部2628を通って延在することができ、モータ2562を作動させてモジュラースプール2566eを時計回り及び反時計回り方向に回転させるために使用されることができる。プログラミングヘッダ2634は、例えばボタン2534によって提供される紐締め動作及びモータ2562の動作を特徴付けるために、紐締めエンジン2401eのメイン回路基板2540を外部コンピューティングシステムに接続すること可能にすることができる。
【0171】
図34は、
図13~
図16の履物3010の物品のための電動式引張装置400のコンポーネントの分解図である。電動式引張装置2400は、履物3010の物品に関して説明されているが、履物3010の物品に関して説明されている原則は、様々なウェアラブル物品のいずれにも同様に適用可能であることを認識及び理解されたい。
図34に示す引張装置2400は、ハウジング2402e、蓋2414e、アクチュエータ2530、及びレセプタクル2532を有する紐締めエンジン2401eを含む。しかし、他の例の紐締めエンジン2401c,2401dも引張装置2400に組み込まれてもよい。
【0172】
図34は、履物3010の物品のソール構造2200の例と共に、電動式引張装置2400のコンポーネントの基本的な組立手順を示す。引張装置2400は、ソール構造2200の空洞2214内に固定されるレセプタクル2532から始まる。次に、アクチュエータ2530を、ソール構造2200に埋め込むことができるインターフェースボタン2534の反対側のレセプタクル2532の外側方にある開口部に挿入する。次に、レセプタクル2532の紐締めエンジン空洞に紐締めエンジン2401c~2401eを入れる。レセプタクル2532を含まない様々な例では、紐締めエンジン2401c~2401eは、ソール構造2200の空洞2214で直接収容され得る。一例では、引張装置2400は、ケーブル2302の連続的なループの下に挿入され、ケーブル2302は、紐締めエンジン2401内のスプールに整列される。最後に、蓋2414c~2414eが、レセプタクル2532の溝に挿入され、閉じ位置に固定され、レセプタクル2532の凹部に係止される。蓋2414c~2414eは、紐締めエンジン2401を捕捉することができ、動作中に紐締めケーブルの整列を維持するのに役立つ。
【0173】
以下の条項は、上記の履物の物品の例示的な構成を提供する。
【0174】
条項1において、履物の物品であって、アッパーと、前記アッパーの第1側に貼り付けられた第1固定端から前記アッパーの第2側の第1自由端まで延在する第1ストラップと、前記アッパーの前記第2側に貼り付けられた第2固定端から前記アッパーの前記第1側の第2自由端まで延在する第2ストラップとを含み、前記第1ストラップの第1部分は前記第2ストラップの第1部分と重なり、前記第1ストラップの第2部分は前記第2ストラップの第2部分と重なる。
【0175】
条項2において、条項1の履物の物品であって、第1ストラップの第1部分は第1ストラップの第2部分と平行である。
【0176】
条項3において、条項1又は条項2の履物の物品であって、第2ストラップの第1部分は第2ストラップの第2部分と平行である。
【0177】
条項4において、条項1~条項3のいずれかの履物の物品であって、前記第1ストラップの前記第1部分は、前記第1固定端の第1端から前記第1自由端の第2端まで延在する第1バンドであり、そして、前記第1ストラップの前記第2部分は、前記第1固定端の前記第1端部から前記第1自由端の前記第2端部まで延在する第2のバンドである。
【0178】
条項5において、条項4の履物の物品であって、前記第1ストラップの前記第1自由端において、前記第1バンドの前記第2端部が前記第2バンドの前記第2端部に貼り付けられる。
【0179】
条項6において、条項4の履物の物品であって、第1バンドの第1端部と第2バンドの第1端部とがアッパーの第1側に別々に貼りつけられる。
【0180】
条項7において、条項1から条項6のいずれかの履物の物品であって、前記第1ストラップの前記第1自由端及び前記第2ストラップの前記第1自由端は、それぞれ、前記第1ストラップの前記第1自由端及び前記第2ストラップの前記第1自由端に締め付け力を選択的に加えるように動作可能な引張要素に貼り付けられている。
【0181】
条項8において、条項1から条項7のいずれかの履物の物品であって、前記第1固定端及び前記第2固定端は、前記アッパーの足中部領域に貼り付けられている。
【0182】
条項9において、条項1から条項8のいずれかの履物の物品であって、前記第1ストラップ及び前記第2ストラップは、前記アッパーの足中部領域に延在している。
【0183】
条項10において、条項1から条項8のいずれかの履物の物品であって、前記第1ストラップの幅は、前記第1の固定端から前記第1自由端まで徐々に小さくなる。
【0184】
条項11において、履物の物品であって、アッパーと、前記アッパーに沿って配置される且つ締め付け状態と弛んだ状態との間で動作可能なケーブルと、それぞれ前記アッパーの第1側に貼り付けられ第1端部から前記アッパーの第2側上の前記ケーブルの第1部分に貼りつけられた第2端部まで延在している複数の第1バンドを含む第1ストラップと、それぞれ前記アッパーの第2側に貼りつけられた第1端部から前記アッパーの第1側上の前記ケーブルの第2部分に貼りつけられた第2端部まで延在している複数の第2バンドを含む第2ストラップとを含み、前記前記第1ストラップの複数の第1バンドは第2ストラップの複数の第2バンドと織り交ぜられ、且つ、前記ケーブルに前記締め付け状態と前記弛んだ状態との間を移動させるとき、前記複数の第2バンドを通って移動するように動作可能である。
【0185】
条項12において、条項11の履物の物品であって、前記複数の第1バンドのうちのバンドは、互いに平行である。
【0186】
条項13において、条項11又は条項12の履物の物品であって、前記複数の第2バンドのうちのバンドは、互いに平行である。
【0187】
条項14において、条項11~条項13のいずれかの履物の物品であって、前記複数の第1バンドの前記第2端部は、体外に貼りつけられている。
【0188】
条項15において、条項11~条項14のいずれかの履物の物品であって、前記複数の第1バンドの各々の前記第1端部は、前記アッパーの第1側に別々に貼りつけられる。
【0189】
条項16において、条項11~条項15のいずれかの履物の物品であって、前記複数の第1バンドの前記第1端部及び前記複数の第2バンドの前記第1端部は、アッパーの足中部領域に貼りつけられる。
【0190】
条項17において、条項11~条項16のいずれかの履物の物品であって、前記第1ストラップ及び前記第2ストラップは、アッパーの足中部領域に亘って延在している。
【0191】
条項18において、条項11~条項17のいずれかの履物の物品であって、前記第1ストラップの幅は、前記第1端部から前記第2端部まで徐々に小さくなる。
【0192】
条項19において、条項11~条項17のいずれかの履物の物品であって、アッパーに貼りつけられたソール構造と、ソール構造内に配置され且つケーブルに前記締め付け状態と前記弛んだ状態との間を選択的に移動させるように移動可能である引張装置とをさらに備える。
【0193】
条項20において、条項19の履物の物品であって、前記ケーブルは、前記ケーブルの前記第1部分を形成する第1ストランド及び前記ケーブルの第2部分を形成する第2ストランドを含み、前記第1ストランド及び前記第2ストランドは、引張装置を通って配置される。
【0194】
本開示は、多くの他の汎用又は専用のコンピューティングシステム環境又は構成と共に使用可能である。本開示とともに使用するのに適した周知のコンピューティングシステム、環境、及び/又は構成の例としては、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルド又はラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス、プログラマブルコンシューマーエレクトロニクス、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、及び上記のシステム又はデバイスのいずれかを含む分散コンピューティング環境などを含むが、これらに限定されない。
【0195】
本開示は、プログラムモジュールなどのコンピュータによって実行されるコンピュータ実行可能な命令を一般的な文脈において説明され得る。一般に、プログラムモジュールには、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などが含まれ、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データタイプを実装する。本開示はまた、タスクが、例えば、通信ネットワークを介してリンクされた遠隔処理装置によって実行される分散コンピューティング環境において実施され得る。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリストレージデバイスを含むローカル及びリモートのコンピュータ記憶媒体の両方に配置できる。
【0196】
本開示は、技術的な利点を提供する。一例では、ジェスチャー認識装置700は、従来のセンサ装置よりも高い精度でユーザ入力を認識するように構成されてもよい。さらに、ジェスチャー認識装置700は、低消費電力を維持しながら、ジェスチャー認識能力が向上するように構成されてもよい。一具体的な例では、ジェスチャー認識装置700は、分析ユニット732を低電力モードで動作するように選択的に設定することにより、低消費電力を維持しつつ、ジェスチャー認識精度を向上させるために、分析ユニット732を利用する。従って、ジェスチャー認識デバイス700は、人間ユーザと、履物の物品の閉め機構を締め付けたり緩めたりするように構成された電気機械装置との間の強化されたインターフェースを提供するように構成され得る。一具体的な例では、ユーザによって履物の物品の一部に対して実行されるダブルタップジェスチャーを向上した精度及び低減した電力消費で認識するように構成されてもよく、前記ダブルタップジェスチャーは、モータ760などのモータを作動させるように構成された信号に変換される。
【0197】
本明細書に記載された様々な実施形態は、汎用又は専用のコンピュータハードウェアによって実装され得る。一例では、コンピュータハードウェアは、命令の並列処理/実行を可能にするように構成された1つ以上の処理コアを有するプロセッサ(別名マイクロプロセッサ)を含むことができる。このように、本明細書で説明された様々な開示は、ソフトウェアコーディングとして実装され得、コンピュータ分野の熟練者は、本明細書に記載された開示とともに使用され得る様々なコーディング言語を認識するであろう。さらに、本明細書で記載された開示は、特定用途向け集積回路(ASIC)の実装のために、又は従来の電子回路を含む様々な電子コンポーネント(既製コンポーネントとも呼ばれる)の実装のために使用され得る。さらに、本開示に含まれる様々な説明は、様々な異なる技術及びプロセスを使用して送信されるデータ信号として実装され得ることを当業者は理解するであろう。例えば、本明細書に記載されているさまざまな開示の説明は、データ信号、データ命令、又は要求の1つ以上のストリームを含み、異なる電圧レベル、電流、電磁波、磁場、光場、又はそれらの組合せによって表されるビット又はシンボルとして物理的に送信されることを理解され得る。
【0198】
本明細書に記載された1つ以上の開示は、プロセッサによって実行されると、明細書に記載された1つ以上の方法、技術、システム、又は実施形態を実行するように構成される、命令が格納されているコンピュータ可読媒体を有するコンピュータプログラム製品を含むことができる。このように、コンピュータ可読媒体に格納された命令は、本明細書に記載された方法、技術、システム、又は実施形態のさまざまなステップを実行するために実行される動作を含み得る。さらに、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピューティング 装置、特にコンピューティング装置に関連付けられたプロセッサによって処理されるように構成された命令を含む記憶媒体を含むことができる。このようなコンピュータ可読媒体としては、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、オプティカルディスク(CD-ROM、DVD)、テープドライブ、フロッピーディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、DRAM、VRAM、フラッシュメモリ、RAIDデバイス、リモートデータストレージ(クラウドストレージなど)、又は、データを保存するのに適した任意の他の媒体タイプ又は記憶装置などの、永続的又は揮発性メモリの形態を含み得る。さらに、異なるタイプの記憶媒体の組み合わせは、ハイブリッド記憶装置として実装され得る。一実装形態では、第1の記憶媒体は、第2の記憶媒体よりも優先的であってよく、異なるワークロードが、異なる優先順位の記憶媒体によって実装されてよい。
【0199】
さらに、コンピュータ可読媒体は、1つ以上の汎用又は専用コンピュータを制御するように構成されたソフトウェアコード/命令を記憶し得る。前記ソフトウェアは、ユーザとコンピューティング装置との間のインターフェースを容易にするために使用され得、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、及びアプリケーションを含み得る。このように、コンピュータ可読媒体は、本明細書に記載された1つ以上の実装を実行するように構成されるソフトウェアコード/命令を格納し得る。
【0200】
当業者は、本明細書に記載された実施形態の様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、技術又は方法ステップが、電子ハードウェアデバイス、コンピュータソフトウェア、又はそれらの組合せとして実装され得ることを理解するであろう。このように、本開示を通じて、一般的な機能の観点から、さまざまな例示的なモジュール/コンポーネントが説明されており、この場合、当業者は、説明される開示がハードウェア、ソフトウェア、又は両方の組み合わせとして実装され得ることを理解するであろう。
【0201】
本開示全体にわたって説明されている1つ以上の実装形態は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理装置、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェアコンポーネント、又は本明細書に記載された機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装又は実行され得る、論理ブロック、モジュール、及び回路を利用し得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、又は任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、もしくはステートマシンであり得る。プロセッサはまた、例えばDSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサの組合せなどのコンピューティングデバイスの組合せ、DSPコアと併用する1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0202】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される方法の技術又はステップは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、又はこれらの2つの組み合わせで直接具現化され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されたソフトウェアモジュール、ソフトウェア層、又はスレッドのいずれかは、本明細書に記載された実施形態を実行するように構成されるファームウェア又はソフトウェア及びハードウェアを含むエンジンを含み得る。本明細書に記載されたソフトウェアモジュール又はソフトウェア層の機能は、ハードウェアにおいて直接具現化され得るか、又はプロセッサによって実行されるソフトウェアとして具現化され得るか、又はその2つの組合せとして具現化され得る。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又は当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体に存在し得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体からデータを読み出し、記憶媒体にデータを書き込み得るように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体は、プロセッサに統合されてもよい。プロセッサ及び記憶媒体は、ASICに存在し得る。ASICはユーザ装置内に存在し得る。代替として、プロセッサ及び記憶媒体は、ユーザ装置内の個別のコンポーネントとして存在し得る。
【0203】
一態様では、履物の物品は、履物の物品の紐締めシステムを作動させるように構成されたモータを含むことができる。履物の物品には、ユーザがモータを作動させるために行うジェスチャーを検出するように構成されたジェスチャー認識装置が追加で含まれる場合がある。ジェスチャー認識装置は、加速度計センサとバッファモジュールを備えたセンサユニットと、センサユニットと動作可能に通信する分析ユニットとを含み得る。上記分析ユニットは、バッファモジュールから受信された可能なジェスチャーイベントデータを真のジェスチャーイベントとして確認又は拒否するジェスチャー確認アルゴリズムを実行するように構成され得る。ジェスチャー確認アルゴリズムが上記の可能なジェスチャーイベントデータを真のジェスチャーイベントとして確認した場合、分析ユニットは、モータを作動させるための信号を出力し得る。
【0204】
センサユニットは、プロセッサと、プロセッサによって実行されるときに動作モード信号を受信し、動作モード信号の受信に応答して、センサユニットの動作モードを連続モード又は先入れ先出しモードに選択的に設定するように構成されたコンピュータ実行可能な命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体とをさらに含むことができる。コンピュータ実行可能な命令は、加速度計センサから加速度計のデータを受信することと、受信された加速度計のデータをバッファモジュールに格納することと、受信した加速度計データ内の可能性なジェスチャーイベントを検出するためのアルゴリズムを実行することと、受信した加速度計データ内の可能性なジェスチャーイベントの検出に応答して、割り込み信号を出力することとをさらに含み得る。センサユニットを連続モードに設定すると、受信した加速度計データの最新のデータムは、バッファ内の空きメモリユニットに格納されるか、又はバッファに格納された最も古いデータムに置き換えることができる。センサユニットが先入れ先出しモードに設定されると、受信した加速度計データは、バッファモジュールが一杯になるまでバッファモジュールに格納される。
【0205】
履物の物品の前述したプロセッサは、第1プロセッサであってもよく、非一時的なコンピュータ可読媒体は第1非一時的なコンピュータ可読媒体であってもよい。分析ユニットは、センサユニットから割り込み信号を受信するように構成されたハードウェア割り込み入力と、第2のプロセッサと、コンピュータ実行可能な命令を含む第2非一時的コンピュータ可読媒体とを含み得、当該コンピュータ実行可能な命令が第2プロセッサによって実行されると、ハードウェア割り込み入力で割り込み信号を受信したときに、所定のタイマー持続時間を持つタイマーが開始される。コンピュータ実行可能な命令には、所定のタイムアウト時間が経過すると、センサユニットの動作モード信号を先入れ先出しモードに設定することがさらに含まれてもよい。コンピュータが実行可能な命令には、バッファモジュールから、格納された加速度計データを可能なジェスチャーイベントデータとして受信することと、ジェスチャー確認アルゴリズムを実行して、可能なジェスチャーイベントデータを真のジェスチャーイベントとして確認又は拒否することと、センサユニットに動作モード信号を出力して、センサの動作モードを連続モードに設定することとをさらに含み得る。
【0206】
真のジェスチャーイベントは、センサユニットが結合されている構造に対するユーザのダブルタップであり得る。センサユニットが結合されるこの構造は、履物の物品の一部を形成し得る。
【0207】
ジェスチャー確認アルゴリズムは、受信した加速度計データ中の、第1インパルス応答、第1インパルス応答に続き且つ下限時間閾値と上限時間閾値の間に持続する低分散状態、及び低分散状態に続く第2インパルス応答を識別した直後に、可能なジェスチャーイベントを真のジェスチャーイベントとして確認することができる。
【0208】
バッファモジュールは、第1バッファモジュールであり得、分析ユニットは、第2バッファモジュールをさらに含み得る。
【0209】
第1インパルス応答又は第2インパルス応答がジェスチャー確認アルゴリズムによって識別されることは、可能なジェスチャーイベントデータの高分散の発生率を識別することと、第2バッファモジュール内に可能なジェスチャーイベントデータのサブセットを格納することと、可能なジェスチャーイベントデータのサブセット及び第2バッファモジュールの周波数コンテンツを決定するために高速フーリエ変換演算を実行することと、所定のインパルス周波数帯域内の周波数コンテンツのエネルギーの閾値を識別することとをさらに含み得る。
【0210】
高速フーリエ変換演算は、0~100Hzの周波数範囲にわたって、可能な前記ジェスチャーイベントデータの前記サブセットの周波数コンテンツを評価する部分的な高速フーリエ変換であり得る。
【0211】
インパルス周波数帯域のエネルギーの閾値は、70%であってもよく、10~100Hzの範囲であってもよい。
【0212】
インパルス周波数帯域は、センサユニットの固有周波数/減衰固有周波数を含むことができる。
【0213】
可能なジェスチャーイベントデータのサブセットは、受信された可能なジェスチャーイベントデータを介してローリングウィンドウとして第2のバッファモジュールに格納され得る。
【0214】
下限時間閾値は0.05秒であり、上限時間閾値は1.0秒であり得る。
【0215】
別の態様では、コンピュータ実行可能な命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、当該コンピュータ実行可能な命令がプロセッサによって実行されると、少なくともセンサユニットから割り込み信号を受信した直後に所定のタイムアウト時間を持つタイマーを開始するように構成され得、所定のタイマー持続時間が経過すると、動作モード信号をセンサユニットに出力してセンサユニットの動作モードを先入れ先出しモードに設定し、それにより、前記センサユニットが先入れ先出しモードに設定された場合、前記センサユニットによって生成された加速度計データは、バッファモジュールが一杯になるまでバッファモジュールに格納される。コンピュータ実行可能な命令は、さらに、バッファモジュールから、バッファモジュールに格納された加速度計データを可能なジェスチャーイベントデータとして受信することができ、ジェスチャー確認アルゴリズムを実行して、可能なジェスチャーイベントデータを真のジェスチャーイベントとして確認又は拒絶し、可能なイベントデータを真のジェスチャーイベントとして確認することに応答して、ユーザが真のジェスチャーイベントを実行したことを示す信号をハードウェア出力信号ポートで出力する。
【0216】
真のジェスチャーイベントは、センサユニットが結合されている構造に対するユーザのダブルタップであり得る。
【0217】
ジェスチャー確認アルゴリズムは、可能なジェスチャーイベントデータから、第1インパルス応答、第1インパルス応答に続き且つ下限時間閾値と上限時間閾値の間に持続する低分散状態、及び低分散状態に続く第2インパルス応答を識別した直後に、可能なジェスチャーイベントデータを前記真のジェスチャーイベントとして確認することができる。
【0218】
第1インパルス応答又は第2インパルス応答がジェスチャー確認アルゴリズムによって識別されることは、可能なジェスチャーイベントデータの高分散の発生率を識別することと、バッファモジュール内に可能なジェスチャーイベントデータのサブセットを格納することと、前記バッファモジュールにおける可能なジェスチャーイベントデータの前記サブセットの周波数コンテンツを決定するために高速フーリエ変換演算を実行することと、所定のインパルス周波数帯域内の周波数コンテンツのエネルギーの閾値を識別することとをさらに含み得る。
【0219】
高速フーリエ変換演算は、0~100Hzの周波数範囲にわたって、可能なジェスチャーイベントデータのサブセットの周波数コンテンツを評価する部分的な高速フーリエ変換であり得る。
【0220】
インパルス周波数帯域のエネルギーの閾値は、70%であってもよく、10~100Hzの範囲であってもよい。
【0221】
インパルス周波数帯域は、センサユニットの減衰固有周波数/固有周波数を含むことができる。
【0222】
可能なジェスチャーイベントデータのサブセットは、前記可能なジェスチャーイベントデータを介してローリングウィンドウとして前記第2バッファに格納され得る。
【0223】
下限時間閾値は0.05秒であり、上限時間閾値は1.0秒であり得る。
【0224】
ユーザが真のジェスチャーイベントを実行したことを示す信号は、外部のモータ装置を作動させてもよい。
【0225】
さらに別の態様では、ジェスチャー認識装置は、分析ユニットを含み、分析ユニットは、さらに、ハードウェア割り込み入力、ハードウェア出力信号ポート、プロセッサ、及びプロセッサによって実行されるコンピュータ実行可能命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。コンピュータ実行可能命令は、ハードウェア割込み入力において割込み信号を受信すると、所定のタイマー持続時間を持つタイマーを開始するように構成され得る。前記命令には、さらに、所定のタイマー持続時間が経過すると、センサユニットに動作モード信号を出力して、センサの動作モードを先入れ先出しモードに設定することもできることが含まれ、センサユニットが先入れ先出しモードに設定されると、センサユニットによって生成された加速度計データは、バッファモジュールが一杯になるまでバッファモジュールに格納され得る。コンピュータ実行可能な命令には、さらに、バッファモジュールから、格納された加速度計データを可能なジェスチャーイベントデータとして受信すること、可能なジェスチャーイベントデータを真のジェスチャーイベントとして確認又は拒絶するようにジェスチャー確認アルゴリズムを実行することと、可能なジェスチャーイベントデータを真のジェスチャーイベントとして確認することに応答して、ユーザが真のジェスチャーイベントを実行したことを示す信号を前記ハードウェア出力信号ポートで出力することとが含まれる。
結論
【0226】
実施形態の態様は、その例示的な実施形態の観点から説明される。当業者は、本開示を読むことにより、添付の特許請求の範囲及び趣旨内にある多くの他の実施形態、変更及び修正を思いつくであろう。例えば、当業者は、例示的な図面に示されるステップが記載された順序とは異なる順序で実行されてもよく、示される1つ以上のステップが実施形態の態様に従って任意選択的であってもよいことを認識するであろう。
【0227】
したがって、本発明は、本明細書に開示される実施形態に限定されるものではなく、以下の請求項から理解されるものであり、これらは、法律に基づいて許容される範囲内で可能な限り広く解釈されるべきであることが理解されるでしょう。
【0228】
[関連出願の相互参照]
本願は、2020年12月23日に提出された、出願番号が63/130,059で、名称が「履物モータを作動させるためのジェスチャー認識装置」である米国仮特許出願及び2021年12月20日に提出された、出願番号が17/556,399で、名称が「履物モータを作動させるためのジェスチャー認識装置」である米国仮特許出願の優先権を主張しており、そのすべての内容は、任意の及びすべての非限定的な目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】