(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】半導体デバイス及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20231228BHJP
H01L 21/337 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
H01L29/80 L
H01L29/80 H
H01L29/80 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539814
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(85)【翻訳文提出日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2021142541
(87)【国際公開番号】W WO2022143786
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011629130.3
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011635286.2
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011629151.5
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515295706
【氏名又は名称】蘇州能訊高能半導体有限公司
【氏名又は名称原語表記】DYNAX SEMICONDUCTOR,INC.
【住所又は居所原語表記】No.18 Chenfeng Road,Yushan Town,Kunshan City,Jiangsu Province 215300,China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】裴 軼
(72)【発明者】
【氏名】韓 嘯
(72)【発明者】
【氏名】李 元
(72)【発明者】
【氏名】徐 広澤
【テーマコード(参考)】
5F102
【Fターム(参考)】
5F102FA08
5F102GS09
(57)【要約】
本発明の実施例は、半導体デバイス及びその作製方法を開示しており、半導体デバイスは、アクティブ領域と、アクティブ領域を取り囲む非アクティブ領域とを含み、半導体デバイスは、基板と、基板の一方側に位置する複数層の半導体層と、基板の一方側に位置する少なくとも1つの遮蔽構造であって、遮蔽構造が、所定電位に電気的に接続されて、前記アクティブ領域から前記非アクティブ領域に向かう電界又はゼロ電界を形成するためのものである少なくとも1つの遮蔽構造とを更に含む。本発明の実施例に係る技術案は、遮蔽構造を設けるとともに、遮蔽構造を所定電位に電気的に接続することで、アクティブ領域から非アクティブ領域に向かう電界又はゼロ電界を形成し、銀イオンを効果的に遮蔽して、半導体チップのおもて面の中心領域へのその移動を抑制し、安定した性能の半導体デバイスを得ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、アクティブ領域と、前記アクティブ領域を取り囲む非アクティブ領域とを含み、
前記半導体デバイスは、
基板と、
前記基板の一方側に位置する複数層の半導体層と、
前記基板の一方側に位置する少なくとも1つの遮蔽構造であって、前記遮蔽構造が、所定電位に電気的に接続されて、前記アクティブ領域から前記非アクティブ領域に向かう電界又はゼロ電界を形成するためのものである少なくとも1つの遮蔽構造と
を更に含む、半導体デバイス。
【請求項2】
動作領域と、前記動作領域を取り囲むスクライブ領域とを含み、前記動作領域は、前記アクティブ領域及びパッシブ領域を含み、
前記半導体デバイスは、
前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置するとともに、前記パッシブ領域に位置する少なくとも1つのボンディングパッドを更に含み、
前記遮蔽構造は、前記ボンディングパッドを遮蔽して保護するためのものであり、前記所定電位は、0以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記複数層の半導体層は、前記非アクティブ領域に位置する導電領域及び二次元電子ガス除去領域を含み、前記二次元電子ガス除去領域は、前記導電領域と前記アクティブ領域との間に位置し、前記導電領域が前記遮蔽構造とされ、及び/又は、
前記半導体デバイスは、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置する誘電体層と、前記誘電体層における前記複数層の半導体層から遠い側に位置する少なくとも1本の導電配線とを更に含み、前記導電配線が前記遮蔽構造とされる、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記遮蔽構造は、第一遮蔽部分と第二遮蔽部分と第三遮蔽部分とを含み、前記第一遮蔽部分は、前記非アクティブ領域における前記アクティブ領域から遠い側に位置し、
前記第一遮蔽部分は、前記第二遮蔽部分及び前記第三遮蔽部分にそれぞれ電気的に接続され、前記第一遮蔽部分の延在方向は、少なくとも一部の前記第二遮蔽部分の延在方向、及び、少なくとも一部の前記第三遮蔽部分の延在方向の両方に交差し、
前記遮蔽構造は、前記非アクティブ領域における前記アクティブ領域から遠い少なくとも三方側に位置する、ことを特徴とする請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記遮蔽構造は、第四遮蔽部分及び第五遮蔽部分を含み、前記第四遮蔽部分は、第一方向に沿って延在し、前記第五遮蔽部分は、第二方向に沿って延在し、前記第一方向と前記第二方向とは、交差するとともに、何れも前記基板の位置する平面に平行であり、
前記第四遮蔽部分は、複数の第一サブ遮蔽構造を含み、前記第一方向に沿って隣接する2つの前記第一サブ遮蔽構造は、前記第二方向にずらして設けられるとともに、第一平面への垂直投影が重なり、前記第一平面は、前記第一方向に平行であるとともに、前記基板の位置する平面に垂直であり、及び/又は、
前記第五遮蔽部分は、複数の第二サブ遮蔽構造を含み、前記第二方向に沿って隣接する2つの前記第二サブ遮蔽構造は、前記第一方向にずらして設けられるとともに、第二平面への垂直投影が重なり、前記第二平面は、前記第二方向に平行であるとともに、前記基板の位置する平面に垂直である、ことを特徴とする請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
少なくとも一部の前記遮蔽構造には、前記基板から遠い側に誘電体層が設けられていない、ことを特徴とする請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記複数層の半導体層は、前記非アクティブ領域に位置する導電領域及び二次元電子ガス除去領域を含み、
前記導電領域は、二次元電子ガス形成領域又は半導体ドープ領域である、ことを特徴とする請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記半導体デバイスは、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置するとともに、前記アクティブ領域に位置するゲートと、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置するとともに、前記アクティブ領域に位置するドレインとを更に含み、
前記ボンディングパッドは、前記ゲートに電気的に接続されたゲートボンディングパッド、及び/又は、前記ドレインに電気的に接続されたドレインボンディングパッドを含み、
少なくとも1つの遮蔽構造は、前記ゲートボンディングパッドを遮蔽して保護するためのゲート遮蔽構造、及び/又は、前記ドレインボンディングパッドを遮蔽して保護するためのドレイン遮蔽構造を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記アクティブ領域は、複数の固定電位構造を更に含み、前記遮蔽構造は、前記固定電位構造に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記固定電位構造は、ソースを含み、前記遮蔽構造は、前記ソースに電気的に接続され、
前記ソースは、第一方向に沿って配列された第一ソース及び第Nソースを含み、前記第一方向は、前記基板の位置する平面に平行であり、前記第一ソースは、前記アクティブ領域の第一端に位置し、前記第Nソースは、前記アクティブ領域の第二端に位置し、前記第一端と前記第二端とは、前記第一方向に沿って対向して設けられ、
前記遮蔽構造は、前記第一ソース及び前記第Nソースにそれぞれ電気的に接続され、ゲートボンディングパッドは、前記遮蔽構造と前記アクティブ領域とによって規定された区間内に位置する、ことを特徴とする請求項9に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記ソースは、ビアホールを介してソース裏電極に電気的に接続され、
前記基板の位置する平面への前記遮蔽構造の垂直投影と、前記基板の位置する平面への前記ビアホールの垂直投影との重なり面積は、S1であり、
前記基板の位置する平面への前記ビアホールの垂直投影の面積は、S2であり、
ここで、S1<S2/4である、ことを特徴とする請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記基板の位置する平面への前記遮蔽構造の垂直投影と、前記基板の位置する平面への前記ビアホールの垂直投影とは、重ならない、ことを特徴とする請求項11に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
前記遮蔽構造は、第一遮蔽部分、第二遮蔽部分及び第三遮蔽部分を含み、前記第二遮蔽部分は、前記第一遮蔽部分及び前記第三遮蔽部分にそれぞれ接続され、
前記第二遮蔽部分は、前記スクライブ領域に位置し、前記第一遮蔽部分は、前記動作領域に位置するとともに前記第一ソースに電気的に接続され、前記第三遮蔽部分は、前記動作領域に位置するとともに前記第Nソースに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
前記半導体デバイスは、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置するとともに、前記パッシブ領域に位置する第一誘電体層を更に含み、
前記第一遮蔽部分及び前記第三遮蔽部分は、何れも前記第一誘電体層における前記基板から遠い側に位置し、
前記第一遮蔽部分及び前記第三遮蔽部分が何れも前記第二遮蔽部分に電気的に接続されるように、前記基板に垂直な方向に沿って、前記遮蔽構造の厚さは、前記第一誘電体層の厚さよりも大きい、ことを特徴とする請求項13に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
前記半導体デバイスは、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置するとともに、前記パッシブ領域に位置する第一誘電体層を更に含み、
前記第一遮蔽部分及び前記第三遮蔽部分が何れも前記ソースに電気的に接続されるように、前記基板に垂直な方向に沿って、前記ソースの厚さは、前記第一誘電体層の厚さよりも大きい、ことを特徴とする請求項13に記載の半導体デバイス。
【請求項16】
前記半導体デバイスは、前記動作領域に位置する第二誘電体層を更に含み、
前記第二誘電体層は、前記第一遮蔽部分、前記第三遮蔽部分及び前記ソースを覆い、
前記第一遮蔽部分における前記基板から遠い側に位置する第二誘電体層が、前記ソースにおける前記基板から遠い側に位置する第二誘電体層に接続されるように、前記基板に垂直な方向において、前記第一誘電体層と、前記第一遮蔽部分と、前記第二誘電体層との厚さの合計は、前記ソースの厚さよりも大きい、ことを特徴とする請求項15に記載の半導体デバイス。
【請求項17】
前記遮蔽構造は、第一遮蔽部分、第二遮蔽部分及び第三遮蔽部分を含み、前記第二遮蔽部分は、前記第一遮蔽部分及び前記第三遮蔽部分にそれぞれ接続され、
前記第一遮蔽部分、前記第二遮蔽部分及び前記第三遮蔽部分は、何れも前記動作領域に位置し、前記第一遮蔽部分は、前記第一ソースに電気的に接続され、前記第三遮蔽部分は、前記第Nソースに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項18】
前記半導体デバイスは、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置するとともに、前記パッシブ領域に位置する少なくとも1層の誘電体層を更に含み、
少なくとも1層の前記誘電体層は、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置する第一表面を含み、
前記遮蔽構造は、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置する第二表面を含み、
前記基板に垂直な方向に沿って、前記第二表面は、前記第一表面における前記基板から遠い側に位置する、ことを特徴とする請求項17に記載の半導体デバイス。
【請求項19】
前記ソースは、複数層のソース金属層を含み、
前記遮蔽構造は、1層の遮蔽金属層を含み、前記遮蔽金属層と、複数層の前記ソース金属層の何れか1つとは、同じ層に設けられるとともに同じ材料であるか、又は、前記遮蔽構造は、複数層の遮蔽金属層を含み、複数層の前記遮蔽金属層と、複数層の前記ソース金属層とは、1対1で対応するとともに、対応して設けられる前記遮蔽金属層と前記ソース金属層とは、同じ層に設けられるとともに同じ材料である、ことを特徴とする請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項20】
前記遮蔽構造は、第一方向に沿って延在する第一部分と、第二方向に沿って延在する第二部分とを含み、前記第一方向及び前記第二方向は、何れも基板の位置する平面に平行であるとともに、前記第一方向と前記第二方向とが交差し、
前記半導体デバイスは、前記第一方向に沿って延在する第一境界と、前記第二方向に沿って延在する第二境界とを含み、
前記第一部分と前記第一境界との間の最小距離L1は、L1>30μmを満たし、
前記第二部分と前記第二境界との間の最小距離L2は、L2>30μmを満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項21】
前記遮蔽構造は、第一方向に沿って延在する第一部分と、第二方向に沿って延在する第二部分とを含み、前記第一方向及び前記第二方向は、何れも基板の位置する平面に平行であるとともに、前記第一方向と前記第二方向とが交差し、
前記第一部分の前記第二方向の延在幅D1は、D1>10μmを満たし、
前記第二部分の前記第一方向の延在幅D2は、D2>10μmを満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項22】
前記基板の位置する平面への前記遮蔽構造の垂直投影と、前記基板の位置する平面への前記ゲートボンディングパッドの垂直投影との間の最小ピッチL3は、L3>10μmを満たし、
前記基板の位置する平面への前記遮蔽構造の垂直投影と、前記基板の位置する平面への前記ドレインボンディングパッドの垂直投影との間の最小ピッチL4は、L4>10μmを満たす、ことを特徴とする請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項23】
請求項1~22の何れか一項に記載の半導体デバイスを作製するための半導体デバイスの作製方法であって、
基板を用意することと、
複数層の半導体層を前記基板の一方側に作製することと、
少なくとも1つの遮蔽構造であって、前記遮蔽構造が、所定電位に電気的に接続されて、前記アクティブ領域から前記非アクティブ領域に向かう電界又はゼロ電界を形成するためのものである少なくとも1つの遮蔽構造を前記基板の一方側に作製することとを含む、半導体デバイスの作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、半導体の技術分野に関し、特に、半導体デバイス及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップの作製を完了した後、半導体チップをパッケージングして半導体デバイスを形成する必要がある。半導体デバイスは、一般にパッチングの方法を用いてパッケージングされる。そして、半導体デバイスのパッチングの方法の中で、銀ペーストをパッチングする方法は、コストが低いため、一般に、銀ペーストをパッチングする方法を使用して、半導体デバイスにおける幾つかの金属接続電極をパッチング用銀ペーストによってパッケージケースにおける金属電極に電気的に接続する。
【0003】
しかし、銀ペーストをパッチングすることに起因して、電界の作用の下で銀イオンの電気化学的な移動が発生することにより、銀イオンは、半導体チップのおもて面まで移動し、半導体チップのおもて面の中心領域における他の電極に接触して、リークの増大乃至短絡に繋がり、半導体デバイスが正常に使用できなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本発明の実施例は、遮蔽構造を設けるとともに、遮蔽構造を所定電位に電気的に接続することで、アクティブ領域から非アクティブ領域に向かう電界又はゼロ電界を形成し、銀イオンを効果的に遮蔽して、半導体チップのおもて面の中心領域へのその移動を抑制し、安定した性能の半導体デバイスを得ることができる半導体デバイス及びその作製方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一局面において、本発明の実施例は、半導体デバイスであって、アクティブ領域と、アクティブ領域を取り囲む非アクティブ領域とを含み、
半導体デバイスは、
基板と、
基板の一方側に位置する複数層の半導体層と、
基板の一方側に位置するの少なくとも1つの遮蔽構造であって、遮蔽構造が、所定電位に電気的に接続されて、アクティブ領域から非アクティブ領域に向かう電界又はゼロ電界を形成するためのものである少なくとも1つの遮蔽構造とを更に含む、半導体デバイスを提供している。
【0006】
選択的に、複数層の半導体層は、非アクティブ領域に位置する導電領域及び二次元電子ガス除去領域を含み、二次元電子ガス除去領域は、導電領域とアクティブ領域との間に位置し、導電領域が遮蔽構造とされ、及び/又は、
半導体デバイスは、複数層の半導体層における基板から遠い側に位置する誘電体層と、誘電体層における複数層の半導体層から遠い側に位置する少なくとも1本の導電配線とを更に含み、導電配線が遮蔽構造とされる。
【0007】
選択的に、遮蔽構造は、少なくとも第一遮蔽部分を含み、第一遮蔽部分は、非アクティブ領域におけるアクティブ領域から遠い側に位置する。
【0008】
選択的に、遮蔽構造第二遮蔽部分及び第三遮蔽部分を更に含み、
第一遮蔽部分は、第二遮蔽部分及び第三遮蔽部分にそれぞれ電気的に接続され、第一遮蔽部分の延在方向は、少なくとも一部の第二遮蔽部分の延在方向、及び、少なくとも一部の第三遮蔽部分の延在方向の両方に交差し、
遮蔽構造は、前記非アクティブ領域における前記アクティブ領域から遠い少なくとも三方側に位置する。
【0009】
選択的に、遮蔽構造は、第四遮蔽部分及び第五遮蔽部分を含み、第四遮蔽部分は、第一方向に沿って延在し、第五遮蔽部分は、第二方向に沿って延在し、第一方向と第二方向とは、交差するとともに、何れも基板の位置する平面に平行であり、
第四遮蔽部分は、複数の第一サブ遮蔽構造を含み、第一方向に沿って隣接する2つの第一サブ遮蔽構造は、第二方向にずらして設けられるとともに、第一平面への垂直投影が重なり、第一平面は、第一方向に平行であるとともに、基板の位置する平面に垂直であり、及び/又は、
第五遮蔽部分は、複数の第二サブ遮蔽構造を含み、第二方向に沿って隣接する2つの第二サブ遮蔽構造は、第一方向にずらして設けられるとともに、第二平面への垂直投影が重なり、第二平面は、第二方向に平行であるとともに、基板の位置する平面に垂直である。
【0010】
選択的に、少なくとも一部の遮蔽構造には、基板から遠い側に誘電体層が設けられていない。
【0011】
選択的に、複数層の半導体層は、非アクティブ領域に位置する導電領域及び二次元電子ガス除去領域を含み、
導電領域は、二次元電子ガス形成領域又は半導体ドープ領域である。
【0012】
選択的に、半導体デバイスは、複数層の半導体層における基板から遠い側に位置するとともに、アクティブ領域に位置するゲートを更に含み、
半導体デバイスは、複数層の半導体層における基板から遠い側に位置するとともに、非アクティブ領域に位置するゲートボンディングパッドを更に含み、ゲートボンディングパッドがゲートに電気的に接続され、
少なくとも1つの遮蔽構造は、ゲート遮蔽構造を含み、ゲート遮蔽構造は、ゲートボンディングパッドを遮蔽して保護するためのものであり、所定電位の電位は、0以上である。
【0013】
選択的に、半導体デバイスは、複数層の半導体層における基板から遠い側に位置するとともに、アクティブ領域に位置するドレインを更に含み、
半導体デバイスは、複数層の半導体層における基板から遠い側に位置するとともに、非アクティブ領域に位置するドレインボンディングパッドを更に含み、ドレインボンディングパッドがドレインに電気的に接続され、
少なくとも1つの遮蔽構造は、ドレイン遮蔽構造を含み、ドレイン遮蔽構造は、ドレインボンディングパッドを遮蔽して保護するためのものであり、所定電位の電位は、0以上である。
【0014】
第二局面において、本発明の実施例は、前の局面で提供される半導体デバイスを作製するための半導体デバイスの作製方法であって、
基板を用意することと、
複数層の半導体層を基板の一方側に作製することと、
少なくとも1つの遮蔽構造であって、遮蔽構造が、所定電位に電気的に接続されて、アクティブ領域から非アクティブ領域に向かう電界又はゼロ電界を形成するためのものである少なくとも1つの遮蔽構造を基板の一方側に作製することとを含む、半導体デバイスの作製方法を更に提供している。
【0015】
本発明の実施例による半導体デバイスは、遮蔽構造を増設するとともに、遮蔽構造が所定電位に電気的に接続されるように設けることで、アクティブ領域から非アクティブ領域に向かう電界又はゼロ電界を形成し、銀イオンを効果的に遮蔽して、半導体チップのおもて面の中心領域へのその移動を抑制し、半導体デバイスの正常な動作を保証することができる。
【0016】
第一局面において、本発明の実施例は、半導体デバイスであって、動作領域と、前記動作領域を取り囲むスクライブ領域とを含み、前記動作領域は、アクティブ領域と、前記アクティブ領域を取り囲むパッシブ領域とを含み、
前記半導体デバイスは、
基板と、
前記基板の一方側に位置する複数層の半導体層と、
前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置するとともに、前記パッシブ領域に位置する少なくとも1つのボンディングパッドと、
前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置する少なくとも1つの遮蔽構造であって、前記遮蔽構造が、前記ボンディングパッドを遮蔽して保護するためのものであり、前記遮蔽構造が所定電位に電気的に接続され、前記所定電位UがU≧0を満たす少なくとも1つの遮蔽構造とを更に含む、半導体デバイスを提供している。
【0017】
選択的に、前記半導体デバイスは、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置するとともに、前記アクティブ領域に位置するゲートを更に含み、
少なくとも1つのボンディングパッドは、ゲートボンディングパッドを含み、前記ゲートボンディングパッドが前記ゲートに電気的に接続され、
少なくとも1つの遮蔽構造は、ゲート遮蔽構造を含み、前記ゲート遮蔽構造は、前記ゲートボンディングパッドを遮蔽して保護するためのものである。
【0018】
選択的に、前記半導体デバイスは、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置するとともに、前記アクティブ領域に位置するドレインを更に含み、
少なくとも1つのボンディングパッドは、ドレインボンディングパッドを更に含み、前記ドレインボンディングパッドが前記ドレインに電気的に接続され、
少なくとも1つの遮蔽構造は、ドレイン遮蔽構造を含み、前記ドレイン遮蔽構造は、前記ドレインボンディングパッドを遮蔽して保護するためのものである。
【0019】
選択的に、前記アクティブ領域は、複数の固定電位構造を更に含み、
前記遮蔽構造は、前記固定電位構造に電気的に接続される。
【0020】
選択的に、前記固定電位構造は、ソースを含み、前記遮蔽構造は、前記ソースに電気的に接続される。
【0021】
選択的に、前記遮蔽構造は、ゲート遮蔽構造を含み、
前記固定電位構造は、ドレインを含み、前記ゲート遮蔽構造は、前記ドレインに電気的に接続される。
【0022】
選択的に、前記ソースは、第一方向に沿って配列された第一ソース及び第Nソースを含み、前記第一方向は、前記基板の位置する平面に平行であり、前記第一ソースは、前記アクティブ領域の第一端に位置し、前記第Nソースは、前記アクティブ領域の第二端に位置し、前記第一端と前記第二端とは、前記第一方向に沿って対向して設けられ、
前記遮蔽構造は、前記第一ソース及び前記第Nソースにそれぞれ電気的に接続され、前記ゲートボンディングパッドは、前記遮蔽構造と前記アクティブ領域とによって規定された区間内に位置する。
【0023】
選択的に、前記ソースは、ビアホールを介してソース裏電極に電気的に接続され、
前記基板の位置する平面への前記遮蔽構造の垂直投影と、前記基板の位置する平面への前記ビアホールの垂直投影との重なり面積は、S1であり、
前記基板の位置する平面への前記ビアホールの垂直投影の面積は、S2であり、
ここで、S1<S2/4である。
【0024】
選択的に、前記基板の位置する平面への前記遮蔽構造の垂直投影と、前記基板の位置する平面への前記ビアホールの垂直投影とは、重ならない。
【0025】
選択的に、前記遮蔽構造は、第一遮蔽部分、第二遮蔽部分及び第三遮蔽部分を含み、前記第二遮蔽部分は、前記第一遮蔽部分及び前記第三遮蔽部分にそれぞれ接続され、
前記第二遮蔽部分は、前記スクライブ領域に位置し、前記第一遮蔽部分は、前記動作領域に位置するとともに前記第一ソースに電気的に接続され、前記第三遮蔽部分は、前記動作領域に位置するとともに前記第Nソースに電気的に接続される。
【0026】
選択的に、前記半導体デバイスは、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置するとともに、前記パッシブ領域に位置する第一誘電体層を更に含み、
前記第一遮蔽部分及び前記第三遮蔽部分は、何れも前記第一誘電体層における前記基板から遠い側に位置し、
前記第一遮蔽部分及び前記第三遮蔽部分が何れも前記第二遮蔽部分に電気的に接続されるように、前記基板に垂直な方向に沿って、前記遮蔽構造の厚さは、前記第一誘電体層の厚さよりも大きい。
【0027】
選択的に、前記半導体デバイスは、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置するとともに、前記パッシブ領域に位置する第一誘電体層を更に含み、
前記第一遮蔽部分及び前記第三遮蔽部分が何れも前記ソースに電気的に接続されるように、前記基板に垂直な方向に沿って、前記ソースの厚さは、前記第一誘電体層の厚さよりも大きい。
【0028】
選択的に、前記半導体デバイスは、前記動作領域に位置する第二誘電体層を更に含み、
前記第二誘電体層は、前記第一遮蔽部分、前記第三遮蔽部分及び前記ソースを覆い、
前記第一遮蔽部分における前記基板から遠い側に位置する第二誘電体層が、前記ソースにおける前記基板から遠い側に位置する第二誘電体層に接続されるように、前記基板に垂直な方向において、前記第一誘電体層と、前記第一遮蔽部分と、前記第二誘電体層との厚さの合計は、前記ソースの厚さよりも大きい。
【0029】
選択的に、前記遮蔽構造は、第一遮蔽部分、第二遮蔽部分及び第三遮蔽部分を含み、前記第二遮蔽部分は、前記第一遮蔽部分及び前記第三遮蔽部分にそれぞれ接続され、
前記第一遮蔽部分、前記第二遮蔽部分及び前記第三遮蔽部分は、何れも前記動作領域に位置し、前記第一遮蔽部分は、前記第一ソースに電気的に接続され、前記第三遮蔽部分は、前記第Nソースに電気的に接続される。
【0030】
選択的に、前記半導体デバイスは、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置するとともに、前記パッシブ領域に位置する少なくとも1層の誘電体層を更に含み、
少なくとも1層の前記誘電体層は、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置する第一表面を含み、
前記遮蔽構造は、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置する第二表面を含み、
前記基板に垂直な方向に沿って、前記第二表面は、前記第一表面における前記基板から遠い側に位置する。
【0031】
選択的に、前記ソースは、複数層のソース金属層を含み、
前記遮蔽構造は、1層の遮蔽金属層を含み、前記遮蔽金属層と、複数層の前記ソース金属層の何れか1つとは、同じ層に設けられるとともに同じ材料であるか、又は、前記遮蔽構造は、複数層の遮蔽金属層を含み、複数層の前記遮蔽金属層と、複数層の前記ソース金属層とは、1対1で対応するとともに、対応して設けられる前記遮蔽金属層と前記ソース金属層とは、同じ層に設けられるとともに同じ材料であることを特徴とする。
【0032】
第二局面において、本発明の実施例は、上記の何れか一項に記載の半導体デバイスを作製するための半導体デバイスの作製方法であって、
基板を用意することと、
複数層の半導体層を前記基板の一方側に作製することと、
少なくとも1つのボンディングパッドを前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側であって、前記パッシブ領域に作製することと、
少なくとも1つの遮蔽構造であって、前記遮蔽構造が、前記ボンディングパッドを遮蔽して保護するためのものであり、前記遮蔽構造が所定電位に電気的に接続され、前記所定電位UがU≧0を満たす少なくとも1つの遮蔽構造を、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に作製することとを含む、半導体デバイスの作製方法を更に提供している。
【0033】
本発明の実施例による半導体デバイスは、遮蔽構造を増設するとともに、遮蔽構造が所定電位に電気的に接続されるように設けることで、パッケージング中におけるボンディングパッドへのパッチング用銀ペースト内の銀イオンの移動が効果的に遮蔽され、ボンディングパッド及びボンディングパッドに接続された電極の安定した性能が保証され、ボンディングパッド及びボンディングパッドに接続された電極とソースとの短絡の発生が回避され、半導体デバイスの正常な動作が保証される。
【0034】
第一局面において、本発明の実施例は、半導体デバイスであって、動作領域と、前記動作領域を取り囲むスクライブ領域とを含み、前記動作領域は、アクティブ領域と、前記アクティブ領域を取り囲むパッシブ領域とを含み、
前記半導体デバイスは、
基板と、
前記基板の一方側に位置する複数層の半導体層と、
前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置するとともに、前記アクティブ領域に位置するゲートと、
前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置するとともに、前記パッシブ領域に位置する少なくとも1つのボンディングパッドであって、前記ボンディングパッドが、少なくともゲートボンディングパッドを含み、前記ゲートボンディングパッドが前記ゲートに電気的に接続される少なくとも1つのボンディングパッドと、
前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置する少なくとも1つの遮蔽構造であって、前記遮蔽構造が、ゲート遮蔽構造を含み、前記ゲート遮蔽構造が、前記ゲートボンディングパッドを遮蔽して保護するためのものである少なくとも1つの遮蔽構造とを更に含む、半導体デバイスを提供している。
【0035】
選択的に、前記半導体デバイスは、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に位置するとともに、前記アクティブ領域に位置するドレインを更に含み、
前記ボンディングパッドは、ドレインボンディングパッドを更に含み、前記ドレインボンディングパッドが前記ドレインに電気的に接続され、
前記遮蔽構造は、ドレイン遮蔽構造を更に含み、前記ドレイン遮蔽構造は、前記ドレインボンディングパッドを遮蔽して保護するためのものである。
【0036】
選択的に、前記遮蔽構造は、所定電位に電気的に接続され、前記所定電位Uは、U≧0を満たす。
【0037】
選択的に、前記アクティブ領域は、複数の固定電位構造を更に含み、
前記遮蔽構造は、前記固定電位構造に電気的に接続される。
【0038】
選択的に、前記遮蔽構造は、第一遮蔽部分、第二遮蔽部分及び第三遮蔽部分を含み、前記第二遮蔽部分は、前記第一遮蔽部分及び前記第三遮蔽部分にそれぞれ接続され、
前記第一遮蔽部分と前記第二遮蔽部分との接続箇所の形状は、「L」字状又は「T」字状を含み、
前記第三遮蔽部分と前記第二遮蔽部分との接続箇所の形状は、「L」字状又は「T」字状を含む。
【0039】
選択的に、前記遮蔽構造は、第一方向に沿って延在する第一部分と、第二方向に沿って延在する第二部分とを含み、前記第一方向及び前記第二方向は、何れも基板の位置する平面に平行であるとともに、前記第一方向と前記第二方向とが交差し、
前記第一部分と前記第二部分との接続角部は、面取りされた角部又は円弧状の角部を含むか、又は、前記遮蔽構造は、第三部分を更に含み、前記第三部分は、前記第一部分及び前記第二部分にそれぞれ接続されるとともに、前記第三部分と前記第一部分との間の夾角が鈍角であり、前記第三部分と前記第二部分との間の夾角が鈍角である。
【0040】
選択的に、前記遮蔽構造は、第一方向に沿って延在する第一部分と、第二方向に沿って延在する第二部分とを含み、前記第一方向及び前記第二方向は、何れも基板の位置する平面に平行であるとともに、前記第一方向と前記第二方向とが交差し、
前記半導体デバイスは、前記第一方向に沿って延在する第一境界と、前記第二方向に沿って延在する第二境界とを含み、
前記第一部分と前記第一境界との間の最小距離L1は、L1>30μmを満たし、
前記第二部分と前記第二境界との間の最小距離L2は、L2>30μmを満たす。
【0041】
選択的に、前記遮蔽構造は、第一方向に沿って延在する第一部分と、第二方向に沿って延在する第二部分とを含み、前記第一方向及び前記第二方向は、何れも基板の位置する平面に平行であるとともに、前記第一方向と前記第二方向とが交差し、
前記第一部分の前記第二方向の延在幅D1は、D1>10μmを満たし、
前記第二部分の前記第一方向の延在幅D2は、D2>10μmを満たす。
【0042】
選択的に、前記基板の位置する平面への前記遮蔽構造の垂直投影と、前記基板の位置する平面への前記ゲートボンディングパッドの垂直投影との間の最小ピッチL3は、L3>10μmを満たす。
【0043】
前記基板の位置する平面への前記遮蔽構造の垂直投影と、前記基板の位置する平面への前記ドレインボンディングパッドの垂直投影との間の最小ピッチL4は、L4>10μmを満たす。
【0044】
第二局面において、本発明の実施例は、上記の何れか一項に記載の半導体デバイスを作製するための半導体デバイスの作製方法であって、
基板を用意することと、
複数層の半導体層を前記基板の一方側に作製することと、
ゲートを前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側であって、前記アクティブ領域に作製することと、
少なくとも1つのボンディングパッドであって、前記ボンディングパッドが、少なくともゲートボンディングパッドを含み、前記ゲートボンディングパッドが前記ゲートに電気的に接続される少なくとも1つのボンディングパッドを、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側であって、前記パッシブ領域に作製することと、
少なくとも1つの遮蔽構造であって、前記遮蔽構造が、ゲート遮蔽構造を含み、前記ゲート遮蔽構造が、前記ゲートボンディングパッドを遮蔽して保護するためのものである少なくとも1つの遮蔽構造を、前記複数層の半導体層における前記基板から遠い側に作製することとを含む、半導体デバイスの作製方法を更に提供している。
【発明の効果】
【0045】
本発明の実施例による半導体デバイスは、遮蔽構造を増設することで、パッケージング中におけるボンディングパッドへのパッチング用銀ペースト内の銀イオンの移動が効果的に遮蔽され、ボンディングパッド及びボンディングパッドに接続された電極の安定した性能が保証され、ボンディングパッド及びボンディングパッドに接続された電極とソースとの短絡の発生が回避され、半導体デバイスが正常に動作可能であることを保証される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】
図1は、従来技術における半導体デバイスの構造模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例による半導体デバイスの平面構造模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図である。
【
図5】
図5は、
図2におけるA-A’に沿って切断した半導体デバイスの断面構造模式図である。
【
図6】
図6は、
図2におけるA-A’に沿って切断した別の半導体デバイスの断面構造模式図である。
【
図7】
図7は、
図2におけるA-A’に沿って切断した別の半導体デバイスの断面構造模式図である。
【
図8】
図8は、
図2におけるA-A’に沿って切断した別の半導体デバイスの断面構造模式図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施例による半導体デバイスの平面構造模式図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図である。
【
図15】
図15は、
図14による半導体デバイスの切断線A-A’に沿った断面構造模式図である。
【
図16】
図16は、
図14による半導体デバイスの切断線B-B’に沿った断面構造模式図である。
【
図17】
図17は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図である。
【
図18】
図18は、
図17による半導体デバイスの切断線C-C’に沿った断面構造模式図である。
【
図19】
図19は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図である。
【
図20】
図20は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図である。
【
図21】
図21は、本発明の実施例による遮蔽構造の部分平面構造模式図である。
【
図22】
図22は、本発明の実施例による別の遮蔽構造の部分平面構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、図面及び実施例を参照して、本発明を更に詳しく説明する。理解できることに、ここで説明される具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を制限するものではない。また、留意すべきなのは、説明の便宜上、図面には、全ての構造ではなく、本発明に関連する一部の構造のみが示されている。
【0048】
例示的に、
図1は、従来技術における半導体デバイスの構造模式図であり、
図1に示すように、半導体デバイスは、アクティブ領域11に位置するソース12及びゲート13と、パッシブ領域に位置するゲートボンディングパッド14とを含み、ゲートボンディングパッド14は、複数のゲート13に電気的に接続され、ソース12は、ビアホールを介してソース裏電極(不図示)に電気的に接続される。パッケージングによる半導体デバイスの形成時に、ソース裏電極は、パッチング用銀ペーストを介してパッケージケースにおける電極に電気的に接続される。銀ペーストをパッチングすることに起因して、電界の作用の下で銀イオンの電気化学的な移動が発生することにより、銀イオンは、半導体チップのおもて面まで移動し、半導体チップのおもて面の中心領域におけるゲートに接触して、ゲート13とソース12との間のリークの増大乃至短絡に繋がり、半導体デバイスが正常に使用できなくなる。
【0049】
上記問題に鑑みて、本発明の実施例による半導体デバイスは、アクティブ領域と、アクティブ領域を取り囲む非アクティブ領域とを含み、半導体デバイスは、基板と、基板の一方側に位置する複数層の半導体層と、基板の一方側に位置する少なくとも1つの遮蔽構造であって、遮蔽構造が、所定電位に電気的に接続され、アクティブ領域から非アクティブ領域に向かう電界又はゼロ電界を形成するためのものである少なくとも1つの遮蔽構造とを更に含む。上記技術案を用いれば、遮蔽構造が所定電位に電気的に接続されるように設けることで、半導体チップのおもて面の中心領域への銀イオンの移動を抑制する電界又はゼロ電界を発生させ、半導体デバイスの正常な動作を保証することができる。
【0050】
上記は、本発明の中心的な思想であり、以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例にける技術案を明確かつ完全に説明する。本発明における実施例に基づいて、当業者によって創造的な労働を払わずに得られた他の実施例は、全て本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0051】
図2は、本発明の実施例による半導体デバイスの平面構造模式図であり、本発明の実施例による半導体デバイスは、アクティブ領域aaと、アクティブ領域を取り囲む非アクティブ領域naとを含み、半導体デバイスは、基板21と、基板21の一方側に位置する複数層の半導体層(不図示)と、基板の一方側に位置する少なくとも1つの遮蔽構造31であって、遮蔽構造31が、所定電位に電気的に接続されて(不図示)、アクティブ領域aaから非アクティブ領域naに向かう電界又はゼロ電界を形成するためのものである少なくとも1つの遮蔽構造31とを更に含む。
【0052】
そのうち、非アクティブ領域naとは、アクティブ領域aa以外の領域を指す。
図2を参照して、半導体デバイスは、動作領域32と、動作領域を取り囲むスクライブ領域33とを含み、動作領域32は、アクティブ領域aaと、アクティブ領域を取り囲むパッシブ領域bbとを含み、ここで、「非アクティブ領域na」とは、具体的に、スクライブ領域33及び動作領域32内のパッシブ領域bbを指す。
【0053】
具体的に、動作領域32は、半導体デバイスが動作する領域として理解可能であり、アクティブ領域aa及びパッシブ領域bbを含み、アクティブ領域aaは、二次元電子ガス、電子又は正孔が存在する領域として理解可能であり、その動作状態及び特性が外部回路の影響を受け、半導体デバイスの活性動作領域であり、パッシブ領域bbは、アクティブ領域aaの外部となり、デバイスの動作に参加するが、その動作状態が外部回路の影響を受けない領域として理解可能である。スクライブ領域33とは、半導体デバイスをスクライブカットして複数の独立した半導体デバイスを形成する領域を指す。
【0054】
半導体デバイスは、通常、半導体層における基板から遠い側に位置するとともに、アクティブ領域aaに位置するゲート、ソース及びドレインを更に含む。通常は、ゲートが逆バイアスに接続され、ドレインが順バイアスに接続され、ソースがゼロ電位とされる。ソースとゲートとの間に電位差があるため、半導体チップの縁から中心領域に向かう電界が形成されることになり、その結果、銀イオンは、半導体チップの中心領域まで移動してゲートに接触し、ゲートとソースとの間のリークの増大乃至短絡に繋がる。同様に、銀イオンは、移動時にドレインに接触して、ドレインとソースとの間のリークの増大乃至短絡に繋がる可能性もある。したがって、半導体デバイスの安定した性能を保証するために、遮蔽構造は、ゲートを遮蔽して保護するためのゲート遮蔽構造とされてもよく、及び/又は、遮蔽構造は、ドレインを遮蔽して保護するためのドレイン遮蔽構造とされてもよいが、本発明の実施例は、具体的に限定しない。
【0055】
さらに、半導体デバイスは、通常、半導体層における基板から遠い側に位置するとともに、パッシブ領域bbに位置する電極接続構造、例えばボンディングパッドを更に含み、具体的に、ゲートボンディングパッド及びドレインボンディングパッドを含んでもよく、そのうち、ゲートボンディングパッドがゲートに電気的に接続され、ドレインボンディングパッドがドレインに電気的に接続される。適応的に、ゲート遮蔽構造は、ゲートボンディングパッドを遮蔽して保護し、更にゲートに対する遮蔽及び保護を実現することが可能であり、ドレイン遮蔽構造は、ドレインボンディングパッドを遮蔽して保護し、更にドレインに対する遮蔽及び保護を実現することが可能である。
【0056】
例示的に、
図2では、ボンディングパッドがゲートボンディングパッド29であり、遮蔽構造31がゲート遮蔽構造301である例を説明する。例示的に、
図3は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図であり、
図3では、ボンディングパッドがドレインボンディングパッド30であり、遮蔽構造31がドレイン遮蔽構造302である例を説明する。
図4は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図であり、
図4では、ボンディングパッドがゲートボンディングパッド29及びドレインボンディングパッド30を含み、遮蔽構造31がゲート遮蔽構造301及びドレイン遮蔽構造302を含む例を説明する。
【0057】
さらに、遮蔽構造31は、所定電位に電気的に接続されて、アクティブ領域aaから非アクティブ領域naに向かう電界又はゼロ電界を形成可能であるため、当該電界又はゼロ電界を利用して半導体チップのおもて面の中心領域への銀イオンの移動を抑制可能となる。
【0058】
具体的に、銀イオンがゼロ電界の下で運動できないため、ゼロ電界は、銀イオンを遮蔽して、半導体チップの中心領域へのその移動を抑制する役割を果たすことができ、電界方向は、アクティブ領域aaから非アクティブ領域naに向かう方向であるため、半導体チップの中心領域への銀イオンの移動を抑制することができる。
【0059】
さらに、所定電位は、外部電源によって導入されてもよいし、アクティブ領域aaにおける固定電位構造に直接接続されてもよいが、本発明の実施例は、これについて限定しない。
【0060】
説明すべきなのは、アクティブ領域aaから非アクティブ領域naに向かうとは、電界又はゼロ電界の方向を示すだけであり、電界又はゼロ電界の位置する領域を示すものではない。電界又はゼロ電界の位置する領域は、具体的に、遮蔽構造と非アクティブ領域naの外縁との間の領域である。
【0061】
さらに、遮蔽構造31は、動作領域32及び/又はスクライブ領域33に設けられてもよいが、本発明の実施例は、これについて限定しない。
【0062】
例示的に、
図2は、遮蔽構造31(ゲート遮蔽構造301)が動作領域32に設けられる例を示しており、こうすれば、遮蔽構造31を含めた半導体デバイスがコンパクトに設けられ、半導体デバイスが小さな体積を備えることを保証でき、半導体デバイスの小型化設計の実現に有利である。他の実施例において、遮蔽構造31は、スクライブ領域33に設けられてもよく、こうすれば、銀イオンが遮蔽されるという前提の下で、遮蔽構造31の設置により半導体デバイスの正常な動作が影響されないことを保証され、半導体デバイスの安定した性能を保証される。また、遮蔽構造31は、一部が動作領域32に設けられ、他部がスクライブ領域33に設けられてもよいが、本発明の実施例は、これについて限定しない。
【0063】
上記をまとめて、本発明の実施例による半導体デバイスは、遮蔽構造を増設するとともに、遮蔽構造が所定電位に電気的に接続されるように設けることで、アクティブ領域から非アクティブ領域に向かう電界又はゼロ電界を形成し、銀イオンを効果的に遮蔽して、半導体チップのおもて面の中心領域へのその移動を抑制し、半導体デバイスの正常な動作を保証することができる。
【0064】
上記実施例に基づいて、
図2を参照して、選択的に、半導体デバイスは、複数層の半導体層における基板21から遠い側に位置するとともに、アクティブ領域aaに位置するゲート25を更に含み、半導体デバイスは、複数層の半導体層における基板21から遠い側に位置するとともに、非アクティブ領域naに位置するゲートボンディングパッド29を更に含み、ゲートボンディングパッド29がゲート25に電気的に接続され、少なくとも1つの遮蔽構造31は、ゲート遮蔽構造301を含み、ゲート遮蔽構造301は、ゲートボンディングパッド29を遮蔽して保護するためのものであり、この場合、所定電位の電位は、0以上である。
【0065】
図2に示すように、半導体デバイスは、ゲート25を更に含み、ゲート25がゲートボンディングパッド29に電気的に接続され、ゲート遮蔽構造301は、ゲートボンディングパッド29及びゲート25を遮蔽して保護するためのものである。これにより、パッケージング中にパッチング用銀ペースト内の銀イオンがゲートボンディングパッド29上まで移動して、ゲート25とソース24との間のリークの増大乃至短絡に繋がり、ゲートボンディングパッド29及びゲート25の性能が影響され、更に半導体デバイスの性能が影響され、半導体デバイスが正常に使用できなくなることを回避される。
【0066】
図4を参照して、さらに選択的に、半導体デバイスは、複数層の半導体層における基板21から遠い側に位置するとともに、アクティブ領域aaに位置するドレイン26を更に含み、半導体デバイスは、複数層の半導体層における基板21から遠い側に位置するとともに、非アクティブ領域naに位置するドレインボンディングパッド30を更に含み、ドレインボンディングパッド30がドレイン26に電気的に接続され、少なくとも1つの遮蔽構造31は、ドレイン遮蔽構造302を含み、ドレイン遮蔽構造302は、ドレインボンディングパッド30を遮蔽して保護するためのものであり、この場合、所定電位の電位は、0以上である。
【0067】
図4に示すように、半導体デバイスは、ゲート25及びドレイン26を更に含み、ゲート25がゲートボンディングパッド29に電気的に接続され、ゲート遮蔽構造301は、ゲートボンディングパッド29及びゲート25を遮蔽して保護するためのものである。これにより、パッケージング中にパッチング用銀ペースト内の銀イオンがゲートボンディングパッド29上まで移動して、ゲート25とソース24との短絡に繋がり、ゲートボンディングパッド29及びゲート25の性能が影響されることを回避される。ドレイン26がドレインボンディングパッド30に電気的に接続され、ドレイン遮蔽構造302は、ドレインボンディングパッド30及びドレイン26を遮蔽して保護するためのものである。これにより、パッケージング中にパッチング用銀ペースト内の銀イオンがドレインボンディングパッド30上まで移動して、ドレイン26とソース24とのリークの増大乃至短絡に繋がり、ドレインボンディングパッド30及びドレイン26の性能が影響され、更に半導体デバイスの性能が影響され、半導体デバイスが正常に使用できなくなることを回避される。
【0068】
上記実施例に基づいて、以下、遮蔽構造がゲート遮蔽構造301である例を取り上げ、遮蔽構造の具体的な設置方式について更に詳しく説明する。
【0069】
選択的に、複数層の半導体層は、非アクティブ領域naに位置する導電領域及び二次元電子ガス除去領域を含み、二次元電子ガス除去領域は、導電領域とアクティブ領域との間に位置し、導電領域が遮蔽構造とされ、及び/又は、半導体デバイスは、複数層の半導体層における基板から遠い側に位置する誘電体層を更に含み、誘電体層における複数層の半導体層から遠い側に少なくとも1本の導電配線が設けられており、導電配線が遮蔽構造とされる。
【0070】
1つの可能な実施形態として、
図5は、
図2におけるA-A’に沿って切断した半導体デバイスの断面構造模式図であり、
図5を参照して、複数層の半導体層22は、非アクティブ領域naに位置する導電領域221及び二次元電子ガス除去領域222を含み、二次元電子ガス除去領域222は、導電領域221とアクティブ領域との間に位置し、この場合、導電領域221を遮蔽構造、例えばゲート遮蔽構造301として所定電位に電気的に接続し、当該導電領域221によって、ゲートボンディングパッド29及びゲートを遮蔽して保護することが可能である。これにより、パッケージング中にパッチング用銀ペースト内の銀イオンがゲートボンディングパッド29上まで移動して、ゲートとソースとの間のリークの増大乃至短絡に繋がり、ゲートボンディングパッド29及びゲートの性能が影響されることを回避される。
【0071】
さらに、導電領域221が遮蔽構造とされる場合、選択的に、導電領域221は、二次元電子ガス形成領域又は半導体ドープ領域である。
【0072】
例示的に、導電領域221は、二次元電子ガスであってもよい。具体的に、本発明の実施例による半導体デバイスにおける複数層の半導体層22は、具体的に、基板上に位置する核生成層と、核生成層における基板から遠い側に位置するバッファ層と、バッファ層における核生成層から遠い側に位置するチャネル層と、チャネル層におけるバッファ層から遠い側に位置するバリア層とを含んでもよく、バリア層とチャネル層とによってヘテロ接合構造が形成され、ヘテロ接合界面には、二次元電子ガス(2DEG)が形成される(不図示)。通常、アクティブ領域aa内だけでは、二次元電子ガスが残され、非アクティブ領域na内では、二次元電子ガスを除去して、二次元電子ガス除去領域222を形成する必要がある。本実施例は、導電領域221を二次元電子ガスとなるように設けることで、遮蔽構造を専ら設けることによる占有空間を回避できるだけでなく、作製工程の増加も回避でき、非アクティブ領域naの二次元電子ガスを除去する時に、半導体デバイスの縁における一部の二次元電子ガスを残せばよく、プロセスがより簡単かつ効率的となる。また、非アクティブ領域naにおける複数層の半導体層22に半導体ドーピングを行って、導電領域221を形成してもよいが、当業者は、ニーズに応じて自ら設置可能であり、本発明の実施例は、これについて限定しない。
【0073】
別の可能な実施形態として、
図6は、
図2におけるA-A’に沿って切断した別の半導体デバイスの断面構造模式図であり、
図6を参照して、半導体デバイスは、複数層の半導体層22における基板21から遠い側に位置する誘電体層23を更に含み、誘電体層23における複数層の半導体層22から遠い側には、少なくとも1本の導電配線25が設けられており、この場合、導電配線25を遮蔽構造(例えばゲート遮蔽構造301)として所定電位に電気的に接続し、当該導電配線25によって、ゲートボンディングパッド29及びゲートを遮蔽して保護することが可能である。これにより、パッケージング中にパッチング用銀ペースト内の銀イオンがゲートボンディングパッド29上まで移動して、ゲートとソースとの間のリークの増大乃至短絡に繋がり、ゲートボンディングパッド29及びゲートの性能が影響されることを回避される。
【0074】
例示的に、
図6は、誘電体層23における複数層の半導体層22から遠い側に2本の導電配線25が設けられる例を示しており、導電配線25は、導電性が良好な任意の金属線であってもよく、本発明の実施例は、その材料について限定しない。導電配線25を遮蔽構造として設けることで、同様に、ボンディングパッドを効果的に遮蔽して保護することができる。更に、
図6に示すように、ゲートボンディングパッド29における基板から遠い側には、通常、第二誘電体層24が設けられており(「第二」は、区別のためにのみ使用され、実質的な意味がない)、第二誘電体層24は、ゲートボンディングパッド29を露出させるとともに、その下の膜層構造を保護する役割を果たしている。
図5及び
図6を参照して、複数層の半導体層22における導電領域221と比較して、導電配線25が誘電体層23における複数層の半導体層22から遠い側に設けられているため、導電配線25の上にある誘電体層(第二誘電体層24のみ)が薄いので、導電配線25の遮蔽効果への影響が少なく、即ち、導電配線25の遮蔽効果がより良好となる。
【0075】
別の可能な実施形態として、
図7は、
図2におけるA-A’に沿って切断した別の半導体デバイスの断面構造模式図であり、
図7を参照して、複数層の半導体層22は、非アクティブ領域naに位置する導電領域221及び二次元電子ガス除去領域222を含み、二次元電子ガス除去領域222は、導電領域221とアクティブ領域との間に位置し、導電領域221が遮蔽構造(例えばゲート遮蔽構造301)とされるとともに所定電位に電気的に接続され(不図示)、それに、半導体デバイスは、複数層の半導体層22における基板21から遠い側に位置する誘電体層23を更に含み、誘電体層23における複数層の半導体層22から遠い側には、少なくとも1本の導電配線25が設けられており、導電配線25が遮蔽構造(例えばゲート遮蔽構造301)とされるとともに所定電位に電気的に接続される(不図示)。
【0076】
本実施例では、遮蔽構造として導電領域221及び導電配線25の両方を設けることで、遮蔽効果を保証でき、一方の遮蔽構造は、外的要因によって不良となった場合でも、他方の遮蔽構造は、良好な遮蔽効果を奏することができるため、遮蔽構造の信頼性が増加され、ボンディングパッドが効果的に遮蔽して保護され、半導体デバイスの性能が保証される。理解できることに、導電領域221及び導電配線25の両方が遮蔽構造とされる場合、両者が同じ所定電位に接続される。
【0077】
上記の3つの可能な実施形態で説明された何れかの態様に基づいて、以下、遮蔽構造の設置方式を更に説明する。
【0078】
図8は、
図2におけるA-A’に沿って切断した別の半導体デバイスの断面構造模式図であり、
図8を参照して、選択的に、少なくとも一部の遮蔽構造には、基板から遠い側に誘電体層が設けられていない。
【0079】
上述したように、遮蔽構造(例えばゲート遮蔽構造301)における基板21から遠い側に誘電体層(例えば誘電体層23及び第二誘電体層24)が設けられている場合、誘電体層によって、遮蔽構造の遮蔽効果に影響が与えられる。したがって、遮蔽構造の遮蔽効果が弱められることを回避するためには、遮蔽層における基板から遠い側に誘電体層を設けないことが好ましい。説明すべきなのは、遮蔽構造は、一部が露出されてもよいし、全部が露出されてもよいが、本発明の実施例は、これについて限定しない。
【0080】
図9は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図であり、
図9を参照して、選択的に、遮蔽構造31は、少なくとも第一遮蔽部分310を含み、第一遮蔽部分310は、非アクティブ領域naにおけるアクティブ領域aaから遠い側に位置する。
【0081】
図9に示すように、第一遮蔽部分は、非アクティブ領域naにおけるアクティブ領域aaから遠い何れか1つの側辺に位置し、
図9は、ゲート遮蔽構造301を例として示しており、ゲート遮蔽構造301をゲートボンディングパッド29の長辺の一方側に設けることで、銀イオンの大部分を遮蔽でき、パッケージング中にパッチング用銀ペースト内の銀イオンがゲートボンディングパッド29上まで移動して、ゲートとソースとの間のリークの増大乃至短絡に繋がり、ゲートボンディングパッド29及びゲートの性能が影響されることを回避される。
【0082】
引き続き
図9を参照して、さらに選択的に、遮蔽構造は、第二遮蔽部分320及び第三遮蔽部分330を更に含み、第一遮蔽部分310は、第二遮蔽部分320及び第三遮蔽部分330にそれぞれ電気的に接続され、第一遮蔽部分310の延在方向は、少なくとも一部の第二遮蔽部分320の延在方向、及び、少なくとも一部の第三遮蔽部分330の延在方向の両方に交差し、遮蔽構造31は、非アクティブ領域naにおけるアクティブ領域aaから遠い少なくとも三方側に位置する。
【0083】
図9に示すように、ゲート遮蔽構造301は、非アクティブ領域naにおけるアクティブ領域aaから遠い4つの側辺に位置する。こうすれば、ゲート遮蔽構造301ゲートボンディングパッド29を半包囲して、ゲートボンディングパッド29へ移動する銀イオンを全方位的に遮蔽することができ、パッケージング中にパッチング用銀ペースト内の銀イオンがゲートボンディングパッド29上まで移動して、ゲートとソースとの間のリークの増大乃至短絡に繋がり、ゲートボンディングパッド29及びゲートの性能が影響されることを回避される。
【0084】
例示的に、
図9に示す遮蔽構造において、第二遮蔽部分320及び第三遮蔽部分330は、第一遮蔽部分310の延在方向と交差する部分だけでなく、第一遮蔽部分310の延在方向に平行な部分も含む。こうすれば、遮蔽構造の遮蔽範囲が大きくなり、遮蔽効果が高まる。他の実施例において、
図9を参照して半包囲型の遮蔽構造を設けてもよいが、本発明の実施例は、これについて限定しない。
【0085】
説明すべきなのは、半導体デバイスの動作周波数が高いため、遮蔽構造が閉ループを形成すると、誘導信号が発生して半導体デバイスの性能に影響を与え易くなる。したがって、遮蔽構造は、可能な限り閉ループ構造として設けられないことが望ましい。
【0086】
図10は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図であり、
図10を参照して、選択的に、遮蔽構造31は、第四遮蔽部分340及び第五遮蔽部分350を含み、第四遮蔽部分340は、第一方向に沿って延在し、第五遮蔽部分350は、第二方向に沿って延在し、第一方向と第二方向とは、交差するとともに、何れも基板の位置する平面に平行であり、第四遮蔽部分340は、複数の第一サブ遮蔽構造341を含み、第一方向に沿って隣接する2つの第一サブ遮蔽構造341は、第二方向にずらして設けられるとともに、第一平面への垂直投影が重なり、第一平面は、第一方向に平行であるとともに、基板の位置する平面に垂直であり、及び/又は、第五遮蔽部分350は、複数の第二サブ遮蔽構造351を含み、第二方向に沿って隣接する2つの第二サブ遮蔽構造351は、第一方向にずらして設けられるとともに、第二平面への垂直投影が重なり、第二平面は、第二方向に平行であるとともに、基板の位置する平面に垂直である。
【0087】
図10は、遮蔽構造がゲート遮蔽構造301である例を示しており、
図10に示すように、ゲート遮蔽構造は、複数のサブ遮蔽構造によって構成されている。例示的に、
図10は、第四遮蔽部分340が、複数の第一サブ遮蔽構造341を含み、第一方向に沿って隣接する2つの第一サブ遮蔽構造341が、第二方向にずらして設けられるとともに、第一平面への垂直投影が重なり、それに、第五遮蔽部分350が、複数の第二サブ遮蔽構造351を含み、第二方向に沿って隣接する2つの第二サブ遮蔽構造351が、第一方向にずらして設けられるとともに、第二平面への垂直投影が重なる例を示している。本実施例では、同じ方向に沿って延在する2つの隣接するサブ遮蔽構造は、その延在方向に垂直な方向への垂直投影が重なるように設けられており、これによっても、良好な遮蔽役割を果たすことができ、当業者は、ニーズに応じて自ら設置可能であり、本発明の実施例は、これについて限定しない。理解できることに、遮蔽構造が複数の不連続なサブ遮蔽構造によって構成される場合、各サブ遮蔽構造は、何れも所定電位に電気的に接続される。
【0088】
以上をまとめて、上記実施例は、遮蔽構造がゲート遮蔽構造である例を取り上げ、遮蔽構造の具体的な設置方式を詳しく説明した。上記実施例に基づいて、アクティブ領域aaが複数の固定電位構造を含み、例えば、ソースが固定電位構造とされ、ソースの電位が0とされ、更に例えば、ドレインが固定電位構造とされ、ドレイン固定電位が0よりも大きいため、遮蔽構造がアクティブ領域aa内の固定電位構造に電気的に接続されるように設けてもよい。こうすれば、外部電源を別途に設けるのを回避し、半導体デバイスが簡単な構造であるのを保証することができる。
【0089】
選択的に、固定電位構造は、ソースを含み、遮蔽構造は、ソースに電気的に接続される。
【0090】
ソースの電位が0であり、遮蔽構造における所定電位が0以上であるため、ソースを固定電位構造として兼用し、遮蔽構造がソースに直接電気的に接続されるように設けることで、ボンディングパッドに対する遮蔽及び保護が実現された上で、半導体デバイスが簡単な構造であることを保証される。本発明の実施例は、遮蔽構造とソースとを電気的に接続する方式について限定せず、当業者は、自ら設計可能である。
【0091】
選択的に、固定電位構造は、ドレインを含み、遮蔽構造は、ドレインに電気的に接続される。
【0092】
例示的に、ドレインの電位が0よりも大きく、遮蔽構造における所定電位が0以上であるため、ドレインを固定電位構造として兼用し、遮蔽構造がドレインに直接電気的に接続される(不図示)ように設けることで、ボンディングパッドに対する遮蔽及び保護が実現された上で、半導体デバイスが簡単な構造であることを保証される。本発明の実施例は、遮蔽構造とドレインとを電気的に接続する方式について限定せず、当業者は、自ら設計可能である。
【0093】
留意されたいのは、ドレインが固定電位構造とされ、遮蔽構造がドレインに電気的に接続される場合、可能な遮蔽構造としては、ドレイン遮蔽構造ではなく、ゲート遮蔽構造となり、そうでないと、パッケージング中に銀イオンがドレイン遮蔽構造まで運動した場合、同様にドレインとソースとの間のリークの増大乃至短絡に繋がってしまい、半導体デバイスが正常に動作できなくなる。
【0094】
説明すべきなのは、ソース又はドレインが固定電位構造として兼用される場合、遮蔽構造に電気的に接続する際、遮蔽構造の両端は、同一ソース又はドレインに接続されてもよいし、異なるソース又はドレインに接続されてもよいが、本発明の実施例は、これについて限定しない。
【0095】
同じ発明構想に基づいて、本発明の実施例は、上記の何れかの実施例で提供される半導体デバイスを作製するための半導体デバイスの作製方法を更に提供しており、当該作製方法は、具体的に、以下のステップS101~S103を含んでもよい。
S101は、基板を用意することである。
S102は、複数層の半導体層を基板の一方側に作製することである。
例示的に、複数層の半導体層は、基板の一方側に位置し、複数層の半導体層としては、具体的に、III-V族化合物の半導体材料とされてもよく、複数層の半導体層には、2DEGが形成されている。
S103は、少なくとも1つの遮蔽構造であって、遮蔽構造が、所定電位に電気的に接続されて、アクティブ領域から非アクティブ領域に向かう電界又はゼロ電界を形成するためのものである少なくとも1つの遮蔽構造を、基板の一方側に作製することである。
【0096】
本発明の実施例による作製方法は、遮蔽構造を基板の一方側に作製するとともに、遮蔽構造が所定電位に電気的に接続されるように設けることで、アクティブ領域から非アクティブ領域に向かう電界又はゼロ電界を形成し、銀イオンを効果的に遮蔽して、半導体チップのおもて面の中心領域へのその移動を抑制し、半導体デバイスの正常な動作を保証することができる。
【0097】
図1における従来技術の上記問題に鑑みて、本発明の実施例による半導体デバイスは、動作領域と、動作領域を取り囲むスクライブ領域とを含み、動作領域は、アクティブ領域と、アクティブ領域を取り囲むパッシブ領域とを含み、半導体デバイスは、基板と、基板の一方側に位置する複数層の半導体層と、複数層の半導体層における基板から遠い側に位置するとともに、パッシブ領域に位置する少なくとも1つのボンディングパッドと、複数層の半導体層における基板から遠い側に位置する少なくとも1つの遮蔽構造であって、遮蔽構造が所定電位に電気的に接続され、所定電位UがU≧0を満たす少なくとも1つの遮蔽構造とを更に含む。上記技術案を用いれば、遮蔽構造が所定電位に電気的に接続されるように設けることで、パッケージング中におけるボンディングパッドへのパッチング用銀ペースト内の銀イオンの移動が効果的に遮蔽され、ボンディングパッド及びボンディングパッドに接続された電極の安定した性能が保証され、ボンディングパッド及びボンディングパッドに接続された電極とソースとの短絡の発生が回避され、半導体デバイスの正常な動作が保証される。
【0098】
上記は、本発明の中心的な思想であり、以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例にける技術案を明確かつ完全に説明する。本発明における実施例に基づいて、当業者によって創造的な労働を払わずに得られた他の実施例は、全て本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0099】
図11は、本発明の実施例による半導体デバイスの平面構造模式図であり、
図12は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図であり、
図11及び
図12に示すように、本発明の実施例による半導体デバイスは、動作領域32と、動作領域32を取り囲むスクライブ領域33とを含み、動作領域32は、アクティブ領域aaと、アクティブ領域aaを取り囲むパッシブ領域bbとを含み、
半導体デバイスは、
基板21と、
基板の一方側に位置する複数層の半導体層(不図示)と、
複数層の半導体層における基板21から遠い側に位置するとともに、パッシブ領域bbに位置する少なくとも1つのボンディングパッドと、
複数層の半導体層22における基板21から遠い側に位置する少なくとも1つの遮蔽構造31であって、遮蔽構造31が、ボンディングパッドを遮蔽して保護するものであり、遮蔽構造が所定電位に電気的に接続され、所定電位UがU≧0を満たす少なくとも1つの遮蔽構造31とを更に含む。
【0100】
ボンディングパッドは、パッシブ領域bbに位置するゲートボンディングパッドであってもよく、これに対応して、遮蔽構造は、ゲート遮蔽構造であってもよく、及び/又は、ボンディングパッドは、ドレインボンディングパッドであり、これに対応して、遮蔽構造は、ドレイン遮蔽構造であるが、本発明の実施例は、具体的に限定しない。ここで、
図11は、ボンディングパッドがゲートボンディングパッド29であり、遮蔽構造31がゲート遮蔽構造301である例を説明し、
図12は、ボンディングパッドがドレインボンディングパッド30であり、遮蔽構造31がドレイン遮蔽構造302である例を説明し、
図13は、ボンディングパッドがゲートボンディングパッド29及びドレインボンディングパッド30を含み、遮蔽構造31がゲート遮蔽構造301及びドレイン遮蔽構造302を含む例を説明する。
【0101】
さらに、遮蔽構造31は、所定電位に電気的に接続され、所定電位Uは、U≧0を満たし、遮蔽構造31によれば、ボンディングパッドを遮蔽して保護し、ボンディングパッドへのパッチング用銀ペースト内の銀イオンの移動を効果的に遮蔽して、ボンディングパッド及びボンディングパッドに接続された電極の安定した性能を保証し、ボンディングパッド及びボンディングパッドに接続された電極とソースとの短絡の発生を回避し、半導体デバイスの正常な動作を保証することができる。
【0102】
さらに、所定電位は、外部電源によって導入された正電位又はゼロ電位とされてもよいし、アクティブ領域aaの固定電位構造に直接接続されてもよいが、本発明の実施例は、これについて限定しない。
【0103】
上記をまとめて、本発明の実施例による半導体デバイスは、遮蔽構造を増設するとともに、遮蔽構造が所定電位に電気的に接続されるように設けることで、ボンディングパッドが効果的に遮蔽して保護され、パッケージング中におけるボンディングパッドへのパッチング用銀ペースト内の銀イオンの移動が効果的に遮蔽され、ボンディングパッド及びボンディングパッドに接続された電極の安定した性能が保証され、ボンディングパッド及びボンディングパッドに接続された電極とソースとの短絡の発生が回避され、半導体デバイスの正常な動作が保証される。
【0104】
以下、遮蔽構造の具体的な設置方式を2つ取り上げて、本発明の実施例に係る技術案を詳しく説明する。
【0105】
引き続き
図11を参照して、半導体デバイスは、複数層の半導体層における基板21から遠い側に位置するとともに、アクティブ領域aaに位置するゲート25を更に含み、少なくとも1つのボンディングパッドは、ゲートボンディングパッド29を含み、ゲートボンディングパッド29がゲート25に電気的に接続され、少なくとも1つの遮蔽構造31は、ゲート遮蔽構造301を含み、ゲート遮蔽構造301は、ゲート25ボンディングパッドを遮蔽して保護するためのものである。
【0106】
図11に示すように、半導体デバイスは、ゲート25を更に含み、ゲート25がゲートボンディングパッド29に電気的に接続され、ゲート遮蔽構造301は、ゲートボンディングパッド29及びゲート25を遮蔽して保護するためのものである。これにより、パッケージング中にパッチング用銀ペースト内の銀イオンがゲートボンディングパッド29上まで移動して、ゲート25とソース24との短絡に繋がり、ゲートボンディングパッド29及びゲート25の性能が影響され、更に半導体デバイスの性能が影響され、半導体デバイスが正常に使用できなくなることを回避される。
【0107】
引き続き
図13を参照して、半導体デバイスは、複数層の半導体層における基板21から遠い側に位置するとともに、アクティブ領域aaに位置するドレイン26を更に含み、少なくとも1つのボンディングパッドは、ドレインボンディングパッド30を更に含み、ドレインボンディングパッド30がドレイン26に電気的に接続され、少なくとも1つの遮蔽構造31は、ドレイン遮蔽構造302を含み、ドレイン遮蔽構造302は、ドレインボンディングパッド30を遮蔽して保護するためのものである。
【0108】
図13に示すように、半導体デバイスは、ゲート25及びドレイン26を更に含み、ゲート25がゲートボンディングパッド29に電気的に接続され、ゲート遮蔽構造301は、ゲートボンディングパッド29及びゲート25を遮蔽して保護するためのものである。これにより、パッケージング中にパッチング用銀ペースト内の銀イオンがゲートボンディングパッド29上まで移動して、ゲート25とソース24との短絡に繋がり、ゲートボンディングパッド29及びゲート25の性能が影響されることを回避される。ドレイン26がドレインボンディングパッド30に電気的に接続され、ドレイン遮蔽構造302は、ドレインボンディングパッド30及びドレイン26を遮蔽して保護するためのものである。これにより、パッケージング中にパッチング用銀ペースト内の銀イオンがドレインボンディングパッド30上まで移動して、ドレイン26とソース24との短絡に繋がり、ドレインボンディングパッド30及びドレイン26の性能が影響され、更に半導体デバイスの性能が影響され、半導体デバイスが正常に使用できなくなることを回避される。
【0109】
上記実施例に基づいて、アクティブ領域aaが複数の固定電位構造を含み、例えば、ソースが固定電位構造とされ、ソースの電位が0とされ、更に例えば、ドレインが固定電位構造とされ、ドレイン固定電位が0よりも大きいため、遮蔽構造がアクティブ領域aa内の固定電位構造に電気的に接続されるように設けてもよい。こうすれば、外部電源を別途に設けるのを回避し、半導体デバイスが簡単な構造であるのを保証することができる。
【0110】
選択的に、引き続き
図11、
図12及び
図13を参照して、固定電位構造は、ソース24を含み、遮蔽構造31は、ソース24に電気的に接続される。
【0111】
ソース24の電位が0であり、遮蔽構造における所定電位が0以上であるため、ソース24を固定電位構造として兼用し、遮蔽構造31がソース24に直接電気的に接続されるように設けることで、ボンディングパッドに対する遮蔽及び保護が実現された上で、半導体デバイスが簡単な構造であることを保証される。
図11、
図12及び
図13に示すように、ここでの遮蔽構造31は、ゲート遮蔽構造301及び/又はドレイン遮蔽構造302を含んでもよい。
【0112】
選択的に、遮蔽構造は、ゲート遮蔽構造を含み、固定電位構造は、ドレインを含み、ゲート遮蔽構造は、ドレインに電気的に接続される。
【0113】
例示的に、ドレインの電位が0よりも大きく、遮蔽構造における所定電位が0以上であるため、ドレインを固定電位構造として兼用し、遮蔽構造がドレインに直接電気的に接続される(不図示)ように設けることで、ボンディングパッドに対する遮蔽及び保護が実現された上で、半導体デバイスが簡単な構造であることを保証される。留意されたいのは、ドレインが固定電位構造とされ、遮蔽構造がドレインに電気的に接続される場合、可能な遮蔽構造としては、ドレイン遮蔽構造ではなく、ゲート遮蔽構造となり、そうでないと、パッケージング中に銀イオンがドレイン遮蔽構造まで運動した場合、同様にドレインとソースとの短絡に繋がってしまい、半導体デバイスが正常に動作できなくなる。
【0114】
説明すべきなのは、ソース又はドレインが固定電位構造として兼用される場合、遮蔽構造に電気的に接続する際、遮蔽構造の両端は、同じソース又はドレインに接続されてもよいし、異なるソース又はドレインに接続されてもよいが、本発明の実施例は、これについて限定しない。
【0115】
以下、ソースが固定電位構造として兼用され、遮蔽構造が異なるソースに電気的に接続されるとともに、遮蔽構造がゲート遮蔽構造である例を説明する。
【0116】
図14は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図であり、
図14に示すように、選択的に、ソース24は、第一方向に沿って配列された第一ソース241及び第Nソースを含み、第一方向は、基板21の位置する平面に平行であり、第一ソース241は、アクティブ領域aaの第一端に位置し、第Nソースは、アクティブ領域aaの第二端に位置し、第一端と第二端とは、第一方向に沿って対向して設けられ、
遮蔽構造31は、第一ソース及び第Nソースにそれぞれ電気的に接続され、ゲートボンディングパッド29は、遮蔽構造とアクティブ領域aaとによって規定された区間内に位置する。
【0117】
例示的に、
図14が、Nが2に等しい例を説明し、
図14に示すように、第一ソース241、ゲート25及びドレイン26は、第二方向(図中に示すY方向)に沿ってアクティブ領域aaで延在し、その延在する長さがアクティブ領域aaの範囲を超えず、それに、第一ソース241、ゲート25及びドレイン26は、第一方向(図中に示すX方向)に沿ってアクティブ領域aaで配列され、その配列される長さがアクティブ領域aaの範囲を超えず、第一方向は、第一ソース241からドレイン26に向かう方向に平行であり、第二方向と第一方向とは、交差するとともに、何れも基板21の位置する平面に平行である。
図14に示すように、遮蔽構造31は、一端が第一ソース241に電気的に接続され、他端が第二ソース242に電気的に接続され、遮蔽構造31は、半環状構造をなし、ゲートボンディングパッド29は、遮蔽構造31とアクティブ領域aaとによって規定された区間内に位置し、遮蔽構造31によって、ゲートボンディングパッド29が完全に囲まれる。こうすれば、遮蔽構造31がソース24に電気的に接続されることで、電界の作用の下でゲートまで移動したパッチング用銀ペースト内の銀イオンを効果的に遮蔽する役割が果たされるとともに、遮蔽構造31への電気的接続のために電源を別途に設ける必要がなくなり、複雑な配線が低減され、コストが削減される。
【0118】
選択的に、
図15は、
図14による半導体デバイスの切断線A-A’に沿った断面構造模式図であり、
図14及び
図15に示すように、ソース24は、ビアホール34を介してソース裏電極(不図示)に電気的に接続され、
基板の位置する平面への遮蔽構造31の垂直投影と、基板の位置する平面へのビアホール34の垂直投影との重なり面積は、S1であり、
基板の位置する平面へのビアホール34の垂直投影の面積は、S2であり、
ここで、S1<S2/4である。
【0119】
例示的に、ソース24は、ビアホール34を介してソース裏電極に電気的に接続され、ビアホール34の形状は、円形、楕円形、半円形等をなしてもよいが、本発明の実施例は、これについて限定しない。遮蔽構造31とソース24との有効な電気的接続が必要であることを考慮して、遮蔽構造31とビアホール34とが接続されることに起因して遮蔽構造31が仮想接続され、遮蔽構造31によって遮蔽効果が達成されないことを回避するために、基板21の位置する平面への遮蔽構造31の垂直投影と、基板21の位置する平面へのビアホール34の垂直投影との重なり面積S1が基板21の位置する平面へのビアホール34の垂直投影の面積S2の四分の一よりも小さくなる、即ちS1<S2/4となるように設けられている。これにより、遮蔽構造31とソース24との有効な電気的接続を保証され、遮蔽構造31の遮蔽効果が実現される。
【0120】
好ましくは、基板21の位置する平面への遮蔽構造31の垂直投影と、基板21の位置する平面へのビアホール34の垂直投影とは、重ならない。
【0121】
例示的に、
図14に示すように、基板21の位置する平面への遮蔽構造31の垂直投影と、基板21の位置する平面へのビアホール34の垂直投影とは、重なっていない。この場合、ビアホール34の形状及び面積に関わらず、遮蔽構造31は、ソース24との有効な電気的接続を実現し、最適な遮蔽効果を達成し、更に半導体デバイスの安定した性能を実現することができる。
【0122】
上記実施例に基づいて、遮蔽構造31は、様々な異なる設置位置に対応可能であり、設置位置が異なる場合、半導体デバイスの膜層構成が異なってもよく、以下、2つの可能な実施形態で詳しく説明する。
【0123】
1つの可能な実施形態として、引き続き
図14を参照して、選択的に、遮蔽構造31は、第一遮蔽部分311、第二遮蔽部分312及び第三遮蔽部分313を含み、第二遮蔽部分312が第一遮蔽部分311及び第三遮蔽部分313にそれぞれ接続され、第二遮蔽部分312は、スクライブ領域33に位置し、第一遮蔽部分311は、動作領域32に位置するとともに、第一ソース241に電気的に接続され、第三遮蔽部分313は、動作領域32に位置するとともに、第二ソース242に電気的に接続される。
【0124】
具体的に、動作領域32は、半導体デバイスが動作する領域として理解可能であり、アクティブ領域aa及びパッシブ領域bbを含み、アクティブ領域aaは、二次元電子ガス、電子又は正孔が存在する領域として理解可能であり、その動作状態及び特性が外部回路の影響を受け、半導体デバイスの活性動作領域であり、パッシブ領域bbは、アクティブ領域aaの外部となり、デバイスの動作に参加するが、その動作状態が外部回路の影響を受けない領域として理解可能である。スクライブ領域33とは、半導体デバイスをスクライブカットして複数の独立した半導体デバイスを形成する領域を指す。第二遮蔽部分312がスクライブ領域33に位置し、即ち、遮蔽構造31における大部分の構造がスクライブ領域33に位置するように設けることで、銀イオンが遮蔽されるという前提の下で、遮蔽構造31の設置により半導体デバイスの正常な動作が影響されないことを保証され、半導体デバイスの安定した性能を保証される。
【0125】
上記実施例に基づいて、引き続き
図14及び
図15を参照して、選択的に、半導体デバイスは、複数層の半導体層22における基板21から遠い側に位置するとともに、パッシブ領域bbに位置する第一誘電体層41を更に含み、第一遮蔽部分311及び第三遮蔽部分313は、何れも第一誘電体層41における基板21から遠い側に位置し、第一遮蔽部分311及び第三遮蔽部分313が何れも第二遮蔽部分312に電気的に接続されるように、基板21に垂直な方向に沿って、遮蔽構造31の厚さは、第一誘電体層41の厚さよりも大きい。
【0126】
例示的に、半導体デバイスは、パッシブ領域bbに位置する第一誘電体層41を更に含んでもよく、第一誘電体層41は、例えば、パッシブ領域に位置する半導体構造を保護する絶縁層又は防水層であってもよい。そして、スクライブ領域33は、後でスクライブカットを行う必要があるため、スクライブプロセスが簡単であることを保証されるように、一般に、スクライブ領域33に第一誘電体層41を設けない。そうすると、スクライブ領域33に位置する第二遮蔽部分312の設置表面と、第一遮蔽部分311及び第二遮蔽部分313の設置表面との間に段差が存在する。第二遮蔽部分312と第一遮蔽部分311及び第三遮蔽部分313との間の接続が保持されることを保証するために、基板21に垂直な方向に沿って、遮蔽構造31の厚さが第一誘電体層41の厚さよりも大きくなるように設ける必要がある。こうすれば、第二遮蔽部分312と第一遮蔽部分311及び第三遮蔽部分313とは、それらの接続位置で分断されることがなく、遮蔽構造31の完全性が保証され、ゲートボンディングパッドに対する遮蔽及び保護が実現される。
【0127】
そのうち、第一誘電体層41の材質は、SiN、SiO等の誘電体材料であってもよい。
【0128】
図16は、
図14による半導体デバイスの切断線B-B’に沿った断面構造模式図であり、
図14及び
図16に示すように、半導体デバイスは、複数層の半導体層22における基板21から遠い側に位置するとともに、パッシブ領域bbに位置する第一誘電体層41を更に含み、第一遮蔽部分311及び第三遮蔽部分313が何れもソース24に電気的に接続されるように、基板21に垂直な方向に沿って、ソース24の厚さは、第一誘電体層41の厚さよりも大きい。
【0129】
例示的に、半導体デバイスは、パッシブ領域bbに位置する第一誘電体層41を更に含んでもよく、第一誘電体層41は、例えば、パッシブ領域bbに位置する半導体構造を保護する絶縁層又は防水層であってもよい。そして、ソース24は、複数層の半導体層22との間にオーミック接触を形成する必要があるため、ソース24と複数層の半導体層22との間には、一般に第一誘電体層41が設けられない。
【0130】
さらに、第一遮蔽部分311及び第三遮蔽部分313がソース24に電気的に接続されて、遮蔽構造31に固定電位が接続されていることを保証する必要があるため、第一遮蔽部分311及び第三遮蔽部分313がソース24に電気的に接続できるように、ソース24の厚さ及び第一誘電体層41の厚さを合理的に設定する必要がある。具体的に、第一遮蔽部分311及び第三遮蔽部分313が何れもソース24に電気的に接続されるように、基板21に垂直な方向に沿って、ソース24の厚さが第一誘電体層41の厚さよりも大きくなるように設けてもよく、そうしないと、ソース24と遮蔽構造31との間に有効な接続を形成できず、遮蔽構造31もフローティングとなり、電界遮蔽効果が奏されないため、パッチング用銀ペースト内の銀イオンがゲートボンディングパッド29に伝達されて、ゲート25とソース24とが同じ電位となり、ゲート25とソース24との短絡が発生する。
【0131】
引き続き
図16を参照して、選択的に、半導体デバイスは、動作領域32に位置する第二誘電体層42を更に含み、第二誘電体層42は、第一遮蔽部分311、第三遮蔽部分313及びソース24を覆い、
第一遮蔽部分311における基板21から遠い側に位置する第二誘電体層42が、ソース24における基板から遠い側に位置する第二誘電体層42に接続されるように、基板21に垂直な方向において、第一誘電体層41と、第一遮蔽部分311と、第二誘電体層42との厚さの合計は、ソース24の厚さよりも大きい。
【0132】
例示的に、本発明の実施例による半導体デバイスは、第二誘電体層42を更に含んでもよく、第二誘電体層42は、動作領域32を覆い、動作領域32を保護することが可能である。具体的に、第二誘電体層42は、第一遮蔽部分311、第三遮蔽部分313及びソース24を覆う。パッシブ領域bbに位置する第一遮蔽部分311及び第三遮蔽部分313の上面と、ソース24の上面とが面一ではない可能性があるため、即ち、第一遮蔽部分311及び第三遮蔽部分313とソース24との間に段差があるため、第一遮蔽部分311及び第三遮蔽部分313とソース24との接続領域における第二誘電体層42の破断の発生が回避されるように、第一誘電体層41と、第一遮蔽部分311又は第三遮蔽部分313と、第二誘電体層42との厚さの合計と、ソース24厚さとの間の関係を合理的に設定する必要がある。具体的に、基板21に垂直な方向において、第一誘電体層41と、第一遮蔽部分311と、第二誘電体層42との厚さの合計がソース24の厚さよりも大きくなるように設けてもよく、そうしないと、パッシブ領域bbに位置する第二誘電体層42と、アクティブ領域aaに位置する第二誘電体層42との破断が発生して、第二誘電体層42が動作領域32の全体を保護できなくなり、水及び酸素が半導体デバイス内に進入し、ソース24の金属層が酸化又は破損し、信頼性不良のリスクに繋がり、半導体デバイスの性能に直接影響を及ぼす。
【0133】
そのうち、第二誘電体層42の材質は、SiN、SiO等の誘電体材料であってもよい。
【0134】
1つの可能な実施形態として、
図17は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図であり、
図17に示すように、選択的に、遮蔽構造31は、第一遮蔽部分311、第二遮蔽部分312及び第三遮蔽部分313を含み、第二遮蔽部分312が第一遮蔽部分311及び第三遮蔽部分313にそれぞれ接続され、
第一遮蔽部分311、第二遮蔽部分312及び第三遮蔽部分313は、何れも動作領域32に位置し、第一遮蔽部分311は、第一ソース241に電気的に接続され、第三遮蔽部分313は、第二ソース242に電気的に接続される。
【0135】
例示的に、第一遮蔽部分311、第二遮蔽部分312及び第三遮蔽部分313は、何れも、スクライブ領域33に設けられるのではなく、動作領域32に位置する。こうすれば、遮蔽構造31を含めた半導体デバイスがコンパクトに設けられ、半導体デバイスが小さな体積を備えることを保証でき、半導体デバイスの小型化設計の実現に有利である。
【0136】
上記実施例に基づいて、
図18は、
図17による半導体デバイスの切断線C-C’に沿った断面構造模式図であり、
図18に示すように、選択的に、半導体デバイスは、複数層の半導体層22における基板21から遠い側に位置するとともに、パッシブ領域bbに位置する少なくとも1層の誘電体層を更に含み、
少なくとも1層の誘電体層は、複数層の半導体層22における基板21から遠い側に位置する第一表面を含み、
遮蔽構造31は、複数層の半導体層22における基板21から遠い側に位置する第二表面を含み、
基板21に垂直な方向に沿って、第二表面は、第一表面における基板21から遠い側に位置する。
【0137】
例示的に、
図18に示すように、少なくとも1層の誘電体層は、例えば、第一誘電体層41及び第二誘電体層42を含んでもよく、第一誘電体層41は、例えば、パッシブ領域bbに位置する半導体構造を保護する絶縁層又は防水層とすることが可能であり、第二誘電体層42は、動作領域32の全体を保護し、水及び酸素が半導体デバイス内に進入して半導体デバイスの性能に影響を及ぼすのを防止することが可能である。誘電体層に複数層の誘電体層が含まれる場合、第一表面は、最上層の誘電体層における基板から遠い側の表面として理解可能であり、
図18を例にすると、第一表面は、第二誘電体層42における基板21から遠い側の表面となる。さらに、遮蔽構造31は、複数層の半導体層22における基板21から遠い側に位置する第二表面を含み、基板21に垂直な方向において、第二表面は、第一表面における基板21から遠い側に位置し、即ち、遮蔽構造31は、誘電体層よりも突出しており、電気力線の観点から見ると、遮蔽構造31の電気力線の放射領域の方が広くなっていると理解可能である。こうすれば、遮蔽構造31は、より多くの銀イオンを遮蔽でき、遮蔽構造31の遮蔽効果が良好である。
【0138】
さらに、
図18に示すように、遮蔽構造31及び第二誘電体層42が何れも第一誘電体層41における基板21から遠い側に位置する場合、遮蔽構造31における基板21から遠い側の表面は、第二誘電体層42における基板21から遠い側の表面よりも、基板21から遠くなっており、遮蔽構造31の厚さが第二誘電体層42の厚さよりも大きくなっていると理解可能である。
【0139】
選択的に、ソース24は、複数層のソース金属層を含んでもよく、
遮蔽構造31は、1層の遮蔽金属層を含み、遮蔽金属層と、複数層のソース金属層の何れか1つとは、同じ層に設けられるとともに同じ材料であるか、又は、遮蔽構造31は、複数層の遮蔽金属層を含み、複数層の遮蔽金属層と複数層のソース金属層とは、1対1で対応するとともに、対応して設けられる遮蔽金属層とソース金属層とは、同じ層に設けられるとともに同じ材料である。
【0140】
そのうち、ソース24は、複数層のソース金属層を含み、複数層のソース金属層の材料組成には、Ti、Al、Ni、Au等の金属が含まれるが、これらに限定されない。遮蔽構造31は、1層又は複数層の遮蔽金属層を含んでもよく、遮蔽構造31に1層の遮蔽金属層が含まれる場合、当該遮蔽金属層と、複数層のソース金属層の何れか1層とは、同じ層に設けられるとともに同じ材料であり、同一プロセスで作製されることが可能であり、遮蔽構造31の作製プロセスが簡単であることを保証され、遮蔽構造31に複数層の遮蔽金属層が含まれる場合、複数層の遮蔽金属層と複数層のソース金属層とは、1対1で対応するとともに、対応して設けられる遮蔽金属層とソース金属層とは、同じ層に設けられるとともに同じ材料であり、同一プロセスで作製されることが可能であり、遮蔽構造31の作製プロセスが簡単であることを保証される。
【0141】
上記実施例に基づいて、本発明の実施例による半導体デバイス20における複数層の半導体層22は、具体的に、基板21上に位置する核生成層と、核生成層における基板21から遠い側に位置するバッファ層と、バッファ層における核生成層から遠い側に位置するチャネル層と、チャネル層におけるバッファ層から遠い側に位置するバリア層とを含んでもよく、バリア層とチャネル層とによってヘテロ接合構造が形成され、ヘテロ接合界面に2DEG(不図示)が形成される。
【0142】
同じ発明構想に基づいて、本発明の実施例は、半導体デバイスの作製方法を更に提供しており、本発明の実施例による半導体デバイスの作製方法は、以下のステップS201~S204を含んでもよい。
S201は、基板を用意することである。
例示的に、基板の材料は、Si、SiC、窒化ガリウム又はサファイアであってもよいし、窒化ガリウムの成長に適した他の材料であってもよい。基板の作製方法は、常圧化学気相成長法、準常圧化学気相成長法、金属有機化合物化学気相成長法、低圧化学気相成長法、高密度プラズマ化学気相成長法、超高真空化学気相成長法、プラズマ強化化学気相成長法、触媒化学気相成長法、ハイブリッド物理化学気相成長法、急速熱化学気相成長法、気相エピタキシー法、パルスレーザー堆積法、原子層エピタキシー法、分子線エピタキシー法、スパッタ法又は蒸発法であってもよい。
S202は、複数層の半導体層を基板の一方側に作製することである。
例示的に、複数層の半導体層は、基板の一方側に位置し、複数層の半導体層としては、具体的に、III-V族化合物の半導体材料とされてもよく、複数層の半導体層には、2DEGが形成されている。
S203は、少なくとも1つのボンディングパッドを複数層の半導体層における基板から遠い側であって、パッシブ領域に作製することである。
S204は、少なくとも1つの遮蔽構造であって、遮蔽構造が、ボンディングパッドを遮蔽して保護するためのものであり、遮蔽構造が所定電位に電気的に接続され、所定電位UがU≧0を満たす少なくとも1つの遮蔽構造を、複数層の半導体層における基板から遠い側に作製することである。
【0143】
遮蔽構造を複数層の半導体層における基板から遠い側に作製するとともに、遮蔽構造が所定電位に電気的に接続されるように設けることで、パッケージング中におけるボンディングパッドへのパッチング用銀ペースト内の銀イオンの移動が効果的に遮蔽され、ボンディングパッド及びボンディングパッドに接続された電極の安定した性能が保証され、ボンディングパッド及びボンディングパッドに接続された電極とソースとの短絡の発生が回避され、半導体デバイスの正常な動作が保証される。
【0144】
上記実施例に基づいて、ソースは、複数層のソース金属層を含んでもよく、遮蔽構造は、1層又は複数層の遮蔽金属層を含んでもよく、同一作製プロセスで遮蔽構造及びソースが作製されることが可能であり、半導体デバイスの作製プロセスが簡単であることを保証される。
【0145】
図1における従来技術の上記問題に鑑みて、本発明の実施例による半導体デバイスは、動作領域と、動作領域を取り囲むスクライブ領域とを含み、動作領域は、アクティブ領域と、アクティブ領域を取り囲むパッシブ領域とを含み、半導体デバイスは、基板と、基板の一方側に位置する複数層の半導体層と、複数層の半導体層における基板から遠い側に位置するとともに、アクティブ領域に位置するゲートと、複数層の半導体層における基板から遠い側に位置するとともに、パッシブ領域に位置する少なくとも1つのボンディングパッドであって、ボンディングパッドが、少なくともゲートボンディングパッドを含み、ゲートボンディングパッドがゲートに電気的に接続される少なくとも1つのボンディングパッドと、複数層の半導体層における基板から遠い側に位置する少なくとも1つの遮蔽構造であって、前記遮蔽構造が、ゲート遮蔽構造を含み、前記ゲート遮蔽構造が、前記ゲートボンディングパッドを遮蔽して保護するためのものである少なくとも1つの遮蔽構造とを更に含む。上記技術案を用いれば、遮蔽構造を設けることで、パッケージング中におけるボンディングパッドへのパッチング用銀ペースト内の銀イオンの移動が効果的に遮蔽され、ボンディングパッド及びボンディングパッドに接続された電極の安定した性能が保証され、ボンディングパッド及びボンディングパッドに接続された電極とソースとの短絡の発生が回避され、半導体デバイスの正常な動作が保証される。
【0146】
上記は、本発明の中心的な思想であり、以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例にける技術案を明確かつ完全に説明する。本発明における実施例に基づいて、当業者によって創造的な労働を払わずに得られた他の実施例は、全て本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0147】
図11は、本発明の実施例による半導体デバイスの平面構造模式図であり、
図13は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図であり、
図11及び
図13に示すように、本発明の実施例による半導体デバイスは、動作領域32と、動作領域32を取り囲むスクライブ領域33とを含み、動作領域32は、アクティブ領域aaと、アクティブ領域aaを取り囲むパッシブ領域bbとを含み、
半導体デバイスは、
基板21と、
基板21の一方側に位置する複数層の半導体層(不図示)と、
複数層の半導体層における基板21から遠い側に位置するとともに、アクティブ領域aaに位置するゲート25と、
複数層の半導体層における基板21から遠い側に位置するとともに、パッシブ領域bbに位置する少なくとも1つのボンディングパッドであって、ボンディングパッドが、少なくともゲートボンディングパッド29を含み、ゲートボンディングパッド29がゲート25に電気的に接続される少なくとも1つのボンディングパッドと、
複数層の半導体層における基板21から遠い側に位置する少なくとも1つの遮蔽構造31であって、遮蔽構造31が、ゲート遮蔽構造301を含み、ゲート遮蔽構造301が、ゲートボンディングパッド29を遮蔽して保護するためのものである少なくとも1つの遮蔽構造31とを更に含む。
【0148】
選択的に、基板21の材料は、ケイ素、サファイア、炭化ケイ素、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、ダイヤモンド等のうち、1つの材料又は複数の材料で形成されてもよいし、窒化ガリウムの成長に適した材料であってもよい。
【0149】
複数層の半導体層は、基板21の一方側に位置し、複数層の半導体層は、具体的に、III-V族化合物の半導体材料とされてもよく、例えば、ヒ化ガリウム、アルミニウムガリウムヒ素、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム又は窒化インジウムガリウムのうち、1つ又はそれ以上の材料で形成されてもよい。
【0150】
ボンディングパッドは、パッシブ領域bbに位置するゲートボンディングパッド29であってもよく、遮蔽構造31は、ゲート遮蔽構造301であってもよく、ゲート遮蔽構造301は、ゲートボンディングパッド29を遮蔽して保護するためのものであり、パッケージング中において、ゲート遮蔽構造301は、ゲートボンディングパッド29へのパッチング用銀ペースト内の銀イオンの移動を効果的に遮蔽し、ゲートボンディングパッド29及びゲートボンディングパッド29に電気的に接続されたゲート25の安定した性能を保証して、ソース24との間の短絡の発生がないようにし、半導体デバイスゲート25及びソース24の正常な電位を保証し、半導体デバイスの正常な動作を保証することができる。
【0151】
上記をまとめて、本発明の実施例による半導体デバイスは、ゲート遮蔽構造を増設することで、ゲート遮蔽構造によりゲートボンディングパッドが効果的に遮蔽して保護され、パッケージング中におけるゲートボンディングパッドへのパッチング用銀ペースト内の銀イオンの移動が効果的に遮蔽され、ゲートボンディングパッド及びゲートボンディングパッドに接続された電極の安定した性能が保証され、ゲートボンディングパッド及びゲートボンディングパッドに接続された電極とソースとの短絡の発生が回避され、半導体デバイスの正常な動作が保証される。
【0152】
図13は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図であり、
図13に示すように、選択的に、半導体デバイスは、複数層の半導体層における基板21から遠い側に位置するとともに、アクティブ領域aaに位置するドレイン26を更に含み、
ボンディングパッドは、ドレインボンディングパッド30を更に含み、ドレインボンディングパッド30がドレイン26に電気的に接続され、
遮蔽構造は、ドレイン遮蔽構造302を更に含み、ドレイン遮蔽構造302は、ドレインボンディングパッド30を遮蔽して保護するためのものである。
【0153】
図13に示すように、半導体デバイスは、ドレイン26を含み、ドレイン26がドレインボンディングパッド30に電気的に接続され、ドレイン遮蔽構造302は、ドレインボンディングパッド30及びドレイン26を遮蔽して保護するためのものである。これにより、パッケージング中にパッチング用銀ペースト内の銀イオンがドレインボンディングパッド30上まで移動して、ドレイン26とソース24との短絡に繋がり、ドレインボンディングパッド30及びドレイン26の性能が影響され、更に半導体デバイスの性能が影響され、半導体デバイスが正常に使用できなくなることを回避される。
【0154】
選択的に、遮蔽構造は、所定電位に電気的に接続され、所定電位Uは、U≧0を満たす。
【0155】
さらに、遮蔽構造31における電位は、0以上の電位であってもよく、遮蔽構造31によれば、ボンディングパッドを遮蔽して保護し、ボンディングパッドへのパッチング用銀ペースト内の銀イオンの移動を効果的に遮蔽して、ボンディングパッド及びボンディングパッドに接続された電極の安定した性能を保証し、ボンディングパッド及びボンディングパッドに接続された電極とソースとの短絡の発生を回避し、半導体デバイスの正常な動作を保証することができる。
【0156】
さらに、所定電位は、外部電源によって導入された正電位又はゼロ電位とされてもよいし、アクティブ領域aaの固定電位構造に直接接続されてもよいが、本発明の実施例は、これについて限定しない。
【0157】
上記実施例に基づいて、アクティブ領域aaが複数の固定電位構造を含み、例えば、ソースが固定電位構造とされ、ソースの電位が0とされ、更に例えば、ドレインが固定電位構造とされ、ドレイン固定電位が0よりも大きいため、遮蔽構造がアクティブ領域aa内の固定電位構造に電気的に接続されるように設けてもよい。こうすれば、外部電源を別途に設けるのを回避し、半導体デバイスが簡単な構造であるのを保証することができる。
【0158】
選択的に、固定電位構造は、ソース24を含み、遮蔽構造31は、ソース24に電気的に接続される。
【0159】
ソース24の電位が0であり、遮蔽構造における所定電位が0以上であるため、ソース24を固定電位構造として兼用し、遮蔽構造31がソース24に直接電気的に接続されるように設けることで、ボンディングパッドに対する遮蔽及び保護が実現された上で、半導体デバイスが簡単な構造であることを保証される。
図11及び
図13に示すように、ここでの遮蔽構造31は、ゲート遮蔽構造301及び/又はドレイン遮蔽構造302を含んでもよい。
【0160】
選択的に、固定電位構造は、ドレイン26を含み、ゲート遮蔽構造301は、ドレイン26に電気的に接続される。
【0161】
例示的に、ドレインの電位が0よりも大きく、遮蔽構造における所定電位が0以上であるため、ドレインを固定電位構造として兼用し、遮蔽構造がドレインに直接電気的に接続される(不図示)ように設けることで、ボンディングパッドに対する遮蔽及び保護が実現された上で、半導体デバイスが簡単な構造であることを保証される。留意されたいのは、ドレインが固定電位構造とされ、遮蔽構造がドレインに電気的に接続される場合、可能な遮蔽構造としては、ドレイン遮蔽構造ではなく、ゲート遮蔽構造となり、そうでないと、パッケージング中に銀イオンがドレイン遮蔽構造まで運動した場合、同様にドレインとソースとの短絡に繋がってしまい、半導体デバイスが正常に動作できなくなる。
【0162】
説明すべきなのは、ソース又はドレインが固定電位構造として兼用される場合、遮蔽構造に電気的に接続する際、遮蔽構造の両端は、同じソース又はドレインに接続されてもよいし、異なるソース又はドレインに接続されてもよいが、本発明の実施例は、これについて限定しない。以下、ソースが固定電位構造として兼用され、遮蔽構造が異なるソースに電気的に接続されるとともに、遮蔽構造がゲート遮蔽構造である例を説明する。
【0163】
図19は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図であり、
図19に示すように、選択的に、ソース24は、第一方向に沿って配列された第一ソース241及び第Nソースを含み、第一方向は、基板の位置する平面に平行であり、第一ソースは、アクティブ領域aaの第一端に位置し、第Nソースは、アクティブ領域aaの第二端に位置し、第一端と第二端とは、第一方向に沿って対向して設けられ、
遮蔽構造31は、第一ソース241及び第Nソースにそれぞれ電気的に接続され、ゲートボンディングパッド29は、遮蔽構造とアクティブ領域aaとによって規定された区間内に位置する。
【0164】
例示的に、
図19は、Nが2に等しい例を説明し、第一ソース241、ゲート25及びドレイン26は、第二方向(図中に示すY方向)に沿ってアクティブ領域aaで延在し、その延在する長さがアクティブ領域aaの範囲を超えず、それに、第一ソース241、ゲート25及びドレイン26は、第一方向(図中に示すX方向)に沿ってアクティブ領域aaで配列され、その配列される長さがアクティブ領域aaの範囲を超えず、第一方向は、第一ソース241からドレイン26に向かう方向に平行であり、第二方向と第一方向とは、交差するとともに、何れも基板21の位置する平面に平行である。
図19に示すように、遮蔽構造31は、一端が第一ソース241に電気的に接続され、他端が第二ソース242に電気的に接続され、遮蔽構造31は、半環状構造をなし、ゲートボンディングパッド29は、遮蔽構造31とアクティブ領域aaとによって規定された区間内に位置し、遮蔽構造31によって、ゲートボンディングパッド29が完全に囲まれる。こうすれば、遮蔽構造31がソース24に電気的に接続されることで、電界の作用の下でゲート25まで移動したパッチング用銀ペースト内の銀イオンを効果的に遮蔽する役割が果たされるとともに、遮蔽構造31への電気的接続のために電源を別途に設ける必要がなくなり、複雑な配線が低減され、コストが削減される。
【0165】
上記実施例に基づいて、遮蔽構造31は、様々な異なる設置位置に対応可能であり、異なる設置位置について、以下、3つの可能な実施形態で詳しく説明する。
【0166】
選択的に、遮蔽構造31は、第一遮蔽部分311、第二遮蔽部分312及び第三遮蔽部分313を含み、第二遮蔽部分312が第一遮蔽部分311及び第三遮蔽部分313にそれぞれ接続され、
第二遮蔽部分312は、スクライブ領域33に位置し、第一遮蔽部分311は、動作領域32に位置するとともに第一ソース241に電気的に接続され、第三遮蔽部分313は、動作領域32に位置するとともに第Nソースに電気的に接続されるか、
又は、第二遮蔽部分312は、動作領域32とスクライブ領域33との境界領域に位置し、第一遮蔽部分は、動作領域32に位置するとともに第一ソース241に電気的に接続され、第三遮蔽部分313は、動作領域32に位置するとともに第Nソースに電気的に接続されるか、
又は、第一遮蔽部分311、第二遮蔽部分312及び第三遮蔽部分313は、何れも動作領域32に位置し、第一遮蔽部分311は、第一ソース241に電気的に接続され、第三遮蔽部分313は、第Nソースに電気的に接続される。
【0167】
1つの可能な実施形態として、引き続き
図19を参照して、選択的に、遮蔽構造31は、第一遮蔽部分311、第二遮蔽部分312及び第三遮蔽部分313を含み、第二遮蔽部分312が第一遮蔽部分311及び第三遮蔽部分313にそれぞれ接続され、
第二遮蔽部分312は、スクライブ領域33に位置し、第一遮蔽部分311は、動作領域32に位置するとともに第一ソース241に電気的に接続され、第三遮蔽部分313は、動作領域32に位置するとともに、第二ソース242に電気的に接続される。
【0168】
具体的に、動作領域32は、半導体デバイスが動作する領域として理解可能であり、アクティブ領域aa及びパッシブ領域bbを含み、アクティブ領域aaは、二次元電子ガス、電子又は正孔が存在する領域として理解可能であり、その動作状態及び特性が外部回路の影響を受け、半導体デバイスの活性動作領域であり、パッシブ領域bbは、アクティブ領域aaの外部となり、デバイスの動作に参加するが、その動作状態が外部回路の影響を受けない領域として理解可能である。スクライブ領域33とは、半導体デバイスをスクライブカットして複数の独立した半導体デバイスを形成する領域を指す。第二遮蔽部分312がスクライブ領域33に位置し、即ち、遮蔽構造31における大部分の構造がスクライブ領域33に位置するように設けることで、銀イオンが遮蔽されるという前提の下で、遮蔽構造31の設置により半導体デバイスの正常な動作が影響されないことを保証され、半導体デバイスの安定した性能を保証される。
【0169】
1つの可能な実施形態として、
図14は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図であり、Nが2に等しい例を説明し、
図14に示すように、選択的に、遮蔽構造31は、第一遮蔽部分311、第二遮蔽部分312及び第三遮蔽部分313を含み、第二遮蔽部分312が第一遮蔽部分311及び第三遮蔽部分313にそれぞれ接続され、
第二遮蔽部分312は、動作領域32とスクライブ領域33との境界領域に位置し、第一遮蔽部分311は、動作領域32に位置するとともに第一ソース241に電気的に接続され、第三遮蔽部分313は、動作領域32に位置するとともに、第二ソース242に電気的に接続される。
【0170】
例示的に、第二遮蔽部分312は、動作領域32とスクライブ領域33との境界領域に位置し、第二遮蔽部分312及び第三遮蔽部分313は、何れも動作領域32に位置する。このように設けることで、遮蔽構造31の設置により銀イオンが効果的に遮蔽され、半導体デバイスの正常な動作が保証されるとともに、遮蔽構造31を含めた半導体デバイスが比較的コンパクトに設けられることを保証でき、半導体デバイスの小型化設計の実現に有利である。
【0171】
1つの可能な実施形態として、
図17は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図であり、Nが2に等しい例を説明し、
図17に示すように、選択的に、遮蔽構造31は、第一遮蔽部分311、第二遮蔽部分312及び第三遮蔽部分313を含み、第二遮蔽部分312は、第一遮蔽部分311及び第三遮蔽部分313にそれぞれ接続される。
【0172】
第一遮蔽部分311、第二遮蔽部分312及び第三遮蔽部分313は、何れも動作領域32に位置し、第一遮蔽部分311は、第一ソース241に電気的に接続され、第三遮蔽部分313は、第二ソース242に電気的に接続される。
【0173】
例示的に、第一遮蔽部分311、第二遮蔽部分312及び第三遮蔽部分313は、何れも、スクライブ領域33に設けられるのではなく、動作領域32に位置する。こうすれば、遮蔽構造31を含めた半導体デバイスがコンパクトに設けられ、半導体デバイスが小さな体積を備えることを保証でき、半導体デバイスの小型化設計の実現に有利である。
【0174】
図20は、本発明の実施例による別の半導体デバイスの平面構造模式図であり、
図19、
図14、
図17及び
図20に示すように、選択的に、第一遮蔽部分311と第二遮蔽部分312との接続箇所の形状は、「L」字状又は「T」字状を含み、第三遮蔽部分313と第二遮蔽部分312との接続箇所の形状は、「L」字状又は「T」字状を含む。
【0175】
図19、
図14、
図17に示すように、第一遮蔽部分311と第二遮蔽部分312との接続箇所の形状は、「L」字状を含み、
図20に示すように、第一遮蔽部分311と第二遮蔽部分312との接続箇所の形状は、「T」字状を含む。第一遮蔽部分311と第二遮蔽部分312との接続箇所の形状が「L」字状を含むとは、遮蔽構造31がゲートボンディングパッド29側で直接屈曲してアクティブ領域aa内のソースに接続され、ドレインボンディングパッド30に向かって延在しないことであり、第一遮蔽部分311と第二遮蔽部分312との接続箇所の形状が「T」字状を含むとは、遮蔽構造31がゲートボンディングパッド29側で直接屈曲してアクティブ領域aa内のソースに接続されながら、ドレインボンディングパッド30に向かって延在してもよいことである。本発明の実施例は、2つの可能な実施形態を例として説明するが、遮蔽構造31の具体的な形状を限定するわけではなく、第一遮蔽部分311と第二遮蔽部分312との接続箇所が有効な接続となり、遮蔽構造31の遮蔽効果が影響されないことを保証し、半導体デバイスの安定した性能を効果的に保証できればよい。
【0176】
図21は、本発明の実施例による遮蔽構造の部分平面構造模式図であり、選択的に、遮蔽構造31は、第一方向(図中に示すX方向)に沿って延在する第一部分81と、第二方向(図中に示すY方向)に沿って延在する第二部分82とを含み、第一方向及び第二方向は、何れも基板21の位置する平面に平行であるとともに、第一方向と第二方向とが交差し、
第一部分81と第二部分82との接続角部は、面取りされた角部又は円弧状の角部を含む。
【0177】
例示的に、
図21に示すように、第一部分81と第二部分82との接続角部は、円弧状の角部であり、遮蔽構造31の第一部分81と第二部分82との接続角部が、面取りされた角部又は円弧状の角部とされることで、パッケージング中に銀イオンを効果的に遮蔽して、ゲートボンディングパッド29を効果的に遮蔽して保護することができるだけでなく、先端電界のピーク値を効果的に低減し、半導体デバイスの良好な性能を保証することができる。
【0178】
図22は、本発明の実施例による別の遮蔽構造の部分平面構造模式図であり、
図22に示すように、遮蔽構造31は、第一方向に沿って延在する第一部分81と、第二方向に沿って延在する第二部分82とを含み、第一方向及び第二方向は、何れも基板の位置する平面に平行であるとともに、第一方向と第二方向とが交差し、
遮蔽構造31は、第三部分83を更に含み、第三部分83は、第一部分81及び第二部分82にそれぞれ接続されるとともに、第三部分83と第一部分81との間の夾角r1が鈍角であり、第三部分83と第二部分82との間の夾角r2が鈍角である。
【0179】
例示的に、
図22に示すように、遮蔽構造31の第三部分83は、第一部分81及び第二部分82にそれぞれ接続されるとともに、
図22における夾角r1及び夾角r2がそれぞれ形成されており、第一部分81と、第二部分82と、第三部分83との合理的な接続により、パッケージング中に銀イオンを効果的に遮蔽して、ゲートボンディングパッド29を効果的に遮蔽して保護することができるだけでなく、先端電界のピーク値を低減し、電界の合理的な分布を実現し、半導体デバイスの良好な性能を保証することができる。
【0180】
引き続き
図19を参照して、選択的に、遮蔽構造31は、第一方向に沿って延在する第一部分81と、第二方向に沿って延在する第二部分82とを含み、第一方向及び第二方向は、何れも基板の位置する平面に平行であるとともに、第一方向と第二方向とが交差し、
半導体デバイスは、第一方向に沿って延在する第一境界と、第二方向に沿って延在する第二境界とを含み、
第一部分81と第一境界との間の最小距離L1は、L1>30μmを満たし、
第二部分82と第二境界との間の最小距離L2は、L2>30μmを満たす。
【0181】
例示的に、第一部分81と第一境界との間の最小距離L1、及び、第二部分82と第二境界との間の最小距離L2が何れも30μmよりも大きくなるように制御することで、パッチング用銀ペースト内の銀イオンが電界の作用の下でゲートボンディングパッド29まで移動する行程の増加に有利であり、遮蔽構造31の良好な遮蔽効果が更に保証される。
【0182】
引き続き
図19を参照して、選択的に、遮蔽構造31は、第一方向に沿って延在する第一部分81と、第二方向に沿って延在する第二部分82とを含み、第一方向及び第二方向は、何れも基板の位置する平面に平行であるとともに、第一方向と第二方向とが交差し、
第一部分81の第二方向の延在幅D1は、D1>10μmを満たし、
第二部分82の第一方向の延在幅D2は、D2>10μmを満たす。
【0183】
例示的に、遮蔽構造31の第一部分81の第二方向の延在幅D1及び第二部分82の第一方向の延在幅D2が何れも10μmよりも大きく、合理的な延在幅とされることで、遮蔽構造31の遮蔽効果の確保に有利であり、そうでないと、遮蔽効果が悪すぎてしまい、一部の銀イオンがゲートボンディングパッドまで移動して、ゲートとソースとの短絡が発生し、半導体デバイスの安定した性能に直接影響を及ぼすことがあり得る。
【0184】
引き続き
図19を参照して、選択的に、基板21の位置する平面への遮蔽構造31の垂直投影と、基板21の位置する平面へのゲートボンディングパッド29の垂直投影との間の最小ピッチL3は、L3>10μmを満たす。
【0185】
基板21の位置する平面への遮蔽構造31の垂直投影と、基板21の位置する平面へのドレインボンディングパッド30の垂直投影との間の最小ピッチL4は、L4>10μmを満たす。
【0186】
例示的に、基板21の位置する平面への遮蔽構造31の垂直投影と、基板21の位置する平面へのゲートボンディングパッド29の垂直投影との間の最小ピッチL3は、10μmよりも大きく、基板21の位置する平面への遮蔽構造31の垂直投影と、基板21の位置する平面へのドレインボンディングパッド30の垂直投影との間の最小ピッチL4は、10μmよりも大きい。このように設けることで、遮蔽構造31とゲートボンディングパッド29及びドレインボンディングパッド30との間の寄生容量を低減でき、パッケージング中に銀イオンを効果的に遮蔽して、ゲートボンディングパッド29を効果的に遮蔽して保護することができるだけでなく、半導体デバイスの良好な性能を保証することができる。
【0187】
上記実施例に基づいて、本発明の実施例による半導体デバイス20における複数層の半導体層は、具体的に、基板上に位置する核生成層と、核生成層における基板から遠い側に位置するバッファ層と、バッファ層における核生成層から遠い側に位置するチャネル層と、チャネル層におけるバッファ層から遠い側に位置するバリア層とを含んでもよく、バリア層とチャネル層とによってヘテロ接合構造が形成され、ヘテロ接合界面に2DEG(不図示)が形成される。
【0188】
例示的に、核生成層及びバッファ層の材料は、窒化物であってもよく、具体的に、GaN、AlN又は他の窒化物であってもよく、核生成層及びバッファ層は、下地基板10の材料及びエピタキシャルチャネル層と適合させるために使用可能である。チャネル層の材料は、GaN又は他の半導体材料、例えばInAlNであってもよい。バリア層は、チャネル層の上に位置し、バリア層の材料としては、ガリウム系化合物半導体材料又は窒化物系化物半導体材料を含めて、チャネル層との間にヘテロ接合構造を形成可能な任意の半導体材料であってもよく、例えばInxAlyGazN1-x-y-zであり、ここで、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1である。選択的に、チャネル層とバリア層とによって半導体ヘテロ接合構造が構成され、チャネル層とバリア層との界面に高濃度の二次元電子ガスが形成される。
【0189】
理解すべきなのは、本発明の実施例は、半導体デバイスの構造設計の観点から、半導体デバイスの出力パワーを向上させるものである。前記半導体デバイスは、高圧大電流環境で動作するハイパワーの窒化ガリウムの高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor、HEMTと略す)、絶縁基板上のケイ素(Silicon-On-Insulator、SOIと略す)構造のトランジスタ、ヒ化ガリウム(GaAs)ベースのトランジスタ及び金属酸化層半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor、MOSFETと略す)、金属絶縁層半導体電界効果トランジスタ(Metal-Semiconductor Field-Effect Transistor、MISFETと略す)、ダブルヘテロ接合電界効果トランジスタ(Double Heterojunction Field-Effect Transistor、DHFETと略す)、接合型電界効果トランジスタ(Junction Field-Effect Transistor、JFETと略す)、金属半導体電界効果トランジスタ(Metal-Semiconductor Field-Effect Transistor、MESFETと略す)、金属絶縁層半導体ヘテロ接合電界効果トランジスタ(Metal-Semiconductor Heterojunction Field-Effect Transistor、MISHFETと略す)又は他の電界効果トランジスタを含むが、これらに限定されない。
【0190】
同じ発明構想に基づいて、本発明の実施例は、半導体デバイスの作製方法を更に提供しており、本発明の実施例による半導体デバイスの作製方法は、以下のステップS301~S305を含んでもよい。
S301は、基板を用意することである。
例示的に、基板の材料は、Si、SiC、窒化ガリウム又はサファイアであってもよいし、窒化ガリウムの成長に適した他の材料であってもよい。
S302は、複数層の半導体層を基板の一方側に作製することである。
例示的に、複数層の半導体層は、基板の一方側に位置し、複数層の半導体層としては、具体的に、III-V族化合物の半導体材料とされてもよく、複数層の半導体層には、2DEGが形成されている。
S303は、ゲートを複数層の半導体層における前記基板から遠い側であって、アクティブ領域に作製することである。
S304は、少なくとも1つのボンディングパッドであって、ボンディングパッドが、少なくともゲートボンディングパッドを含み、ゲートボンディングパッドがゲートに電気的に接続される少なくとも1つのボンディングパッドを、複数層の半導体層における基板から遠い側であって、パッシブ領域に作製することである。
S305は、少なくとも1つの遮蔽構造であって、遮蔽構造が、ゲート遮蔽構造を含み、ゲート遮蔽構造が、ゲートボンディングパッドを遮蔽して保護するためのものである少なくとも1つの遮蔽構造を、複数層の半導体層における基板から遠い側に作製することである。
【0191】
遮蔽構造を複数層の半導体層における基板から遠い側に作製することで、遮蔽構造の設置により、パッケージング中におけるボンディングパッドへのパッチング用銀ペースト内の銀イオンの移動が効果的に遮蔽され、ボンディングパッド及びボンディングパッドに接続された電極の安定した性能が保証され、ボンディングパッド及びボンディングパッドに接続された電極とソースとの短絡の発生が回避され、半導体デバイスの正常な動作が保証される。
【0192】
なお、上述したのは、本発明の好ましい実施例及び運用される技術原理に過ぎない。当業者であれば理解されるように、本発明は、ここで述べた特定の実施例に限定されず、当業者にとって、本発明の保護範囲から逸脱することなく、様々な明らかな変化、再調整及び代替を行うことが可能である。したがって、上記実施例によって本発明を比較的詳しく説明したが、本発明は、上記実施例に限定されず、本発明の構想から逸脱することなく、より多くの他の等価実施例を更に含むことが可能であり、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められる。
【国際調査報告】