(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】フィット感が改善された使い捨て衛生用物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/472 20060101AFI20231228BHJP
A61F 13/53 20060101ALI20231228BHJP
A61F 13/476 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A61F13/472
A61F13/53 200
A61F13/476
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539893
(86)(22)【出願日】2020-12-29
(85)【翻訳文提出日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 EP2020087972
(87)【国際公開番号】W WO2022144072
(87)【国際公開日】2022-07-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エシティ・ハイジーン・アンド・ヘルス・アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】オスキャル・リップシャッツ
(72)【発明者】
【氏名】ルイーズ・エリアソン
(72)【発明者】
【氏名】ソフィア・エクステット
(72)【発明者】
【氏名】ヨセフィン・ソール
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200CA12
3B200CA13
3B200DA10
3B200DB11
(57)【要約】
本開示は、表面シートと裏面シートの間に配置された吸収性芯を備えた使い捨て衛生用物品に関する。表面シートおよび裏面シートは、吸収性芯を囲む物品の外側境界領域を提供する。吸収性芯の外側輪郭は、長手中心線周りで対称である。芯は、左右芯縁部線間の横幅がネック領域の前方の芯の横幅、およびネック領域の後方の横幅より小さいネック領域を備えている。物品はさらに、あらゆる横軸に沿って見られるような、少なくとも1つの非対称羽根を備えており、非対称羽根は、使い捨て衛生用物品の外周面から外向き方向に延びる外側縁部を備え、少なくとも1つの非対称羽根外側縁部は羽根結合線Jwを介して接続された前および後羽根結合部で使い捨て衛生用物品の外周面に接触する。前記少なくとも1つの非対称羽根の外側縁部は、前羽根遠隔点Dfおよび後羽根遠隔点Drを備え、羽根遠隔点は3mmの横距離J1だけ外向き横方向に結合線Jwから間隔を置いて配置されている。前羽根遠隔点Dfは、5から30mmの間の第1の長手距離D1だけ後方長手方向にネックから間隔を置いて配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向(x)、長手方向(y)、および物品を左手部分(I)および右手部分 (ii)に分割する長手中心線(A)を有する使い捨て衛生用物品(1)であって、
前記使い捨て衛生用物品は、前部分(2)、股部分(3)および後部分(4)を有し、前記使い捨て衛生用物品は液体透過性表面シート(30)、液体不透過性裏面シート(31)、および前記液体透過性表面シート(30)と前記液体不透過性裏面シート(31)との間に配置された吸収性芯(6)を備え、
前記液体透過性表面シート(30)および前記液体不透過性裏面シート(31)は、前記吸収性芯(6)を囲む前記使い捨て衛生用物品の外側境界領域(11)を提供するように、前記吸収性芯(6)を越えて延び、
前記吸収性芯の外側輪郭は、長手中心線(A)周りで対称に配置され、左右芯縁部線(8、9)によって画定された相互対称鏡像部分によって画定され、前記吸収性芯は前記前部分(2)の芯前縁部(7)と前記後部分(4)の芯後縁部(10)との間に延びており、
前記吸収性芯(6)は、前記左右芯縁部線(8、9)間の横幅(M)がネック領域(13)の前方の前記吸収性芯(6)の横幅、および前記ネック領域(13)の後方の横幅より小さいネック領域(13)を備え、前記ネック領域(13)の前方の前記吸収性芯の前記部分は前記吸収性芯(6)のヘッド領域(14)として画定され、前記ネック領域(13)の後方の前記吸収性芯(6)の前記部分は身体部分(15)として画定され、
前記使い捨て衛生用物品はさらに、前記使い捨て衛生用物品(1)のあらゆる横軸に沿って見られるような少なくとも1つの非対称羽根を備え、前記非対称羽根は、前記使い捨て衛生用物品(1)の外周面(18)から外向き方向に延びる外側縁部(38)を備え、前記少なくとも1つの非対称羽根の外側縁部(38)は羽根結合線J
wを介して接続された前羽根結合部(19、20)および後羽根結合部(21、22)で前記使い捨て衛生用物品の前記外周面(18)に接触し、
前記少なくとも1つの非対称羽根の前記外側縁部(38)は、前羽根遠隔点D
fおよび後羽根遠隔点D
rを備え、前記前羽根遠隔点D
fは3mmの横距離J1だけ外向き横方向に結合線J
wから間隔を置いて配置され、
前記前羽根遠隔点D
fは5から30mmの間、より好ましくは10から25mmの間、最も好ましくは17から20mmの間の第1の長手距離D1だけ後方長手方向に前記ネック領域(13)から間隔を置いて配置されている、使い捨て衛生用物品。
【請求項2】
前記少なくとも1つの非対称羽根は、外側縁部(38)の断面に一致する羽根位置決め輪郭(24)を備えた外側縁部(38)で形成され、前記羽根位置決め輪郭(24)は、基線X
wpおよび前記基線X
wpと垂直な長手軸Y
wpを有する波で形成され、前記波は前記前羽根結合部(19または20)から始まり、外向きに延び、前記波は、溝(25)を有する凹状湾曲および頂部(26)を有する凸状湾曲からなり、前記羽根位置決め輪郭(24)は、羽根位置決め輪郭端部点(27)で終端し、ここでは前記波は前記外側縁部(38)とは一致しない、請求項1に記載の使い捨て衛生用物品。
【請求項3】
前記非対称羽根の長さに対応する前記羽根結合線J
wは、50から110mmの間、好ましくは75から100mmの間、最も好ましくは85から95mmの間である、請求項1から2のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用物品。
【請求項4】
前記ネック領域(13)の前記左右芯縁部線(8、9)の間の幅Mは、30から60mmの間、好ましくは32から42mmの間である、請求項1から3のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用物品。
【請求項5】
前記横軸に沿って見られるように、左右の前羽根結合部(19、20)の間の前羽根結合幅W
twjは、75から95mmの間、より好ましくは80から90mmの間、最も好ましくは85から87mmの間である、請求項1から4のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用物品。
【請求項6】
前記横軸に沿って見られるように、左右の後羽根結合部(21、22)の間の後羽根結合幅W
rwjは、85から95mmの間、より好ましくは87から93mmの間、最も好ましくは88から91mmの間である、請求項1から5のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用物品。
【請求項7】
前記凸状湾曲の前記頂部(26)は、前記長手方向(y)で見られるように、前記凹状湾曲の前記溝(25)の前方に配置されている、請求項2から6のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用物品。
【請求項8】
前記波の前記基線X
wpは、前記使い捨て衛生用物品(1)の前記長手中心線(A)上で垂直に配置されている、請求項2から7のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用物品。
【請求項9】
前記基線X
wpに沿って測定されるような、前羽根遠隔点D
frと前記羽根位置決め輪郭(24)の前記凸状湾曲の前記頂部(26)との間の距離W2は、8から30mmの間、好ましくは10から25mmの間、最も好ましくは10から20mmの間である、請求項2から8のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用物品。
【請求項10】
前記基線X
wpに沿って測定されるような、前記前羽根遠隔点D
frと前記羽根位置決め輪郭端部点(27)との間の距離W1は、13から35mmの間、好ましくは16から25mmの間である、請求項2から9のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用物品。
【請求項11】
前記波の前記長手軸Y
wpに沿って測定されるような、前記波の凹状湾曲の前記溝(25)と前記凸状湾曲の前記頂部(26)の間の高さHは、1から5mmの間である、請求項2から10のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用物品。
【請求項12】
前記非対称羽根は前記羽根位置決め輪郭(24)の断面に沿って仮想直線Nを画定し、前記仮想直線Nは前記凹状湾曲の前記溝(25)から始まり、外向きに延び、前記仮想直線Nは前記凹状湾曲の前記溝から始まり、前記基線X
wpと平行に進む直線wに対して角度θを画定し、前記角度θの大きさは+5から+25度の間、好ましくは+8から+20度の間、最も好ましくは+10から+17度の間である、請求項2から11のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用物品。
【請求項13】
前記非対称羽根は前記羽根位置決め輪郭(24)の断面に沿って仮想直線Nを画定し、前記仮想直線Nは前記前羽根遠隔点Dfから始まり、外向きに延び、前記仮想直線Nは前記凹状湾曲の前記溝から始まり、前記基線X
wpと平行に進む直線wに対して角度θを画定し、前記角度θの大きさは、-5から-25度の間、好ましくは-8から-20度の間、最も好ましくは-10から-17度の間である、請求項2から11のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用物品。
【請求項14】
前記非対称羽根の前記外側縁部(38)は、円の弧(300a)で形成され、丸みを帯びた断面(301a)と一致し、規定の半径rを有する丸みを帯びた断面(301a)を備え、前記丸みを帯びた断面は、前記外側縁部(38)の第1の点(290)と前記外側縁部(38)に沿った第2の点(320)との間に延び、ここで前記弧(300a)は前記外側縁部(38)とは一致せず、前記半径rは40から500mmの間隔内である、請求項2から13のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用物品。
【請求項15】
前記非対称羽根の前記外側縁部(38)はさらに、円の弧(300a、300b)で形成され、前記丸みを帯びた断面と一致する2つ以上の丸みを帯びた断面(301a、301b)を備え、前記第1および第2の弧(300a、300b)はそれぞれ、規定の第1の半径(ra)および第2の半径(rb)を有し、前記第1の半径(ra)は40から500mmの間隔内であり、前記第2の半径(rb)は40から500mmの間隔内である、請求項2から14のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用物品。
【請求項16】
前記外側縁部(38)は、少なくとも1つの直線断面(36)を含んでいる、請求項2から15のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用物品。
【請求項17】
前記非対称羽根は下側縁部断面(40)に沿って下側直線(40a)を画定し、前記下側直線(40a)は前記長手中心線(A)と垂直な横軸X1に対して角度(α1)を画定し、前記角度(α1)の大きさは30から60度の間である、請求項2から16のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用物品。
【請求項18】
前記非対称羽根は下側縁部断面(40)に沿って下側直線(40a)を画定し、前記下側直線(40a)は前記長手中心線(A)と垂直な横軸X1に対して角度(α1)を画定し、前記角度(α1)の前記大きさは5から30度の間である、請求項2から16のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用物品。
【請求項19】
使い捨て衛生用物品のいずれかの横軸に沿って見られるように、第2の非対称羽根を備えた使い捨て衛生用物品であって、前記第1の非対称羽根および前記第2の非対称羽根は、前記長手中心線に沿って見られるように、互いに対して非対称である、請求項1から18のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漏れに対して改善されたフィット感および安全性を提供するための使用の場合に特定の形を採用するように設計された、衛生用ナプキン、パンティライナおよび尿漏れ用パッドなどの使い捨て衛生用物品に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨て衛生用物品は、良い吸収性、快適性を有する必要があり、ユーザに対する漏れ安全性および良いフィット感を提供する必要がある。様々な設計および方法は、ユーザの身体の輪郭にぴったり従うことができ、使用中に定位置から移動しないように、衛生用物品内で利用されてきた。
【0003】
しかし、物品のフィット感、および物品がユーザの身体にどのように適合するかをさらに改善する必要がある。
【0004】
使い捨て衛生用物品に対する従来の解決法にも関わらず、特に物品がユーザの身体に適合する方法で、物品のフィット感を改善する必要がまだあることが分かった。特に物品の股領域および前部に関して、物品がどのように屈曲し、身体に適合するかをより良く制御する必要がある。快適性および漏れに対する安全性のため、物品がユーザの生体構造に適合する予測可能な方法で変形し、羽根がユーザの生体構造への物品の適応を妨げないように位置決めされていることが重要である。また、既存の製造機器および方法を、最小限の変更での物品の製造のために使用することができることが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際特許出願第PCT/SE2017/050612号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的の1つはしたがって、物品の改善されたフィット感を備えた使い捨て衛生用物品、および物品がユーザの身体に適合する方法および一貫性での改良を提供することである。特に、本発明は、物品の前および股部分での改善されたフィット感を提供することを目的としている。物品のより前方の配置を得るためのユーザの下着周りの羽根の最適な位置決めによる改善された漏れ安全性が、また望ましい。
【0007】
本開示の別の目的は、満足のいく吸収性を維持する、または吸収性を改善しながら、ユーザに対する改善された快適性を備えた物品を提供することである。使い捨て衛生用物品は、衛生用ナプキン、パンティライナ、尿漏れ用パッド、または股部分の縁部周りで折り畳むための羽根を備えたインサーションであってもよい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、添付の特許請求の範囲に規定されるような本使い捨て衛生用物品によって達成されてもよい。本開示によって提供されるさらなる利点は、本発明の以下の記載を鑑みて、当業者には明らかになるだろう。
【0009】
本発明の第1の態様では、横方向、長手方向、および物品を左手および右手部分に分割する長手中心線を有する使い捨て衛生用物品が提供される。物品は、前部分、股部分および後部分を有し、液体透過性表面シート、液体不透過性裏面シート、および表面シートと裏面シートの間に配置された吸収性芯を備えている。表面シートおよび裏面シートは、吸収性芯を囲む物品の外側境界領域を提供するように、吸収性芯を越えて延びている。
【0010】
吸収性芯の外側輪郭は、長手中心線周りで対称に配置され、対称な左右芯縁部線によって画定された相互対称鏡像部分によって画定される。吸収性芯はまた、前部分の芯前縁部および後部分の芯後縁部によって区切られる。
【0011】
いくつかの実施形態では、(吸収性芯、表面シート、裏面シート、羽根を含む)使い捨て衛生用物品の左右手部分は、長手中心線周りで対称である。しかし、他の実施形態では、吸収性芯は長手中心線周りで対称である可能性があり、羽根は非対称に提供されてもよい。さらに、「相互対称」および「鏡像」によって、各部分は実質的に対称であり、完全鏡像からの小さなまたは重要ではない偏倚は本発明の範囲内にあることを理解されたい。
【0012】
吸収性芯は、左右芯縁部線間の横幅がネック領域の前方の芯の横幅、およびネック領域の後方の横幅より小さいネック領域を備えている。ネック領域の前方の芯の部分は芯のヘッド領域として画定され、ネックの後方の芯の部分は身体部分として画定される。
【0013】
芯の形状および構成はさらに、フィット感、吸収性、および流体分配を最適化するように適合させることができる。例えば、芯の輪郭は、ヘッド部、および物品の長手方向に中心線周りで対称に延びる2つの脚部を備えるように形成することができる。
【0014】
使い捨て衛生用物品はさらに、使い捨て衛生用物品のあらゆる横軸に沿って見られるような、少なくとも1つの非対称羽根を備えている。非対称羽根は、使い捨て衛生用物品の外周面から外向き方向に延びる外側縁部を備え、外側縁部は羽根結合線Jwを介して接続された前および後羽根結合部で使い捨て衛生用物品の外周面に接触する。少なくとも1つの非対称羽根の外側縁部は、前羽根遠隔点Dfおよび後羽根遠隔点Drを備え、前羽根遠隔点は3mmの横距離J1だけ外向き横方向に結合線Jwから間隔を置いて配置されている。さらに、前羽根遠隔点Dfは5から30mmの間、より好ましくは10から25mmの間、最も好ましくは17から20mmの間の第1の長手距離D1だけ後方長手方向にネックから間隔を置いて配置されている。
【0015】
少なくとも1つの非対称羽根は、外側縁部の断面に一致する羽根位置決め輪郭を備えた外側縁部で形成されていてもよい。羽根位置決め輪郭は、基線Xwpおよび基線Xwpと垂直な長手軸Ywpを有する波で形成され、波は前羽根結合から始まり、外向きに延びている。波は、溝を有する凹状湾曲および頂部を有する凸状湾曲からなる。さらに、羽根位置決め輪郭は、羽根位置決め輪郭端部点で終端し、ここでは前記波は前記外側縁部とは一致しない。溝の存在は、股部分の長手側縁部に沿って羽根を折り畳む場合に、より多くの操作余地を提供する。羽根位置決め輪郭の頂部は、濡れている点がユーザの生体構造に関して最適に配置されるように、「前方方向の知覚」、下着内でより前方に使い捨て衛生用物品を配置するためのユーザへの視覚的合図を提供する。加えて、凸状湾曲の頂部は、羽根の把持を容易にする直感的羽根処理部分を提供する。
【0016】
羽根結合線Jwは、羽根長さに対応し、50から110mmの間、好ましくは75から100mmの間、最も好ましくは85から95mmの間であってもよい。このような羽根長さは、羽根の折畳みと側部からの漏れに対する保護を提供する間の最適なバランスを提供する。
【0017】
ネック領域の存在は、特に物品の股および前部分において、ユーザの生体構造により近づく方法で使い捨て衛生用物品の成形を促進する。特に、ネック領域の存在は、ユーザの恥骨領域に向けた前部分の屈曲を強化する。このような点において、ネック領域の左右芯縁部線間の幅Mは、使い捨て衛生用物品の最適な折畳みを行うために、30から60mmの間、好ましくは32から42mmの間であってもよい。
【0018】
横軸に沿って見られるように、左右の前羽根結合の間の前羽根結合幅Wfwjは、75から95mmの間、より好ましくは80から90mmの間、最も好ましくは85から87mmの間であってもよい。横軸に沿って見られるように、左右の後羽根結合の間の後羽根結合幅Wrwjは、85から95mmの間、より好ましくは87から93mmの間、最も好ましくは88から91mmの間であってもよい。上に記載した構成は、使い捨て衛生用物品が、股部分での漏れを最適にカバーすることを可能にする。任意選択では、後羽根結合幅は、ユーザの下着の形状により密接に適合するように、前羽根結合幅より大きくてもよい。
【0019】
羽根位置決め輪郭の凸状湾曲の頂部は、長手方向yで見られるように、凹状湾曲の溝の前方に配置されていてもよい。このような構成はさらに、「前方方向の感知」を強調し、したがって、使い捨て衛生用物品の前方配置をさらに促進する。
【0020】
羽根位置決め輪郭の波の基線Xwpは、羽根の折畳みのために最適な操作余地を提供するために、使い捨て衛生用物品の長手中心線A上で垂直に配置されていてもよい。
【0021】
基線Xwpに沿って測定されるような、前羽根遠隔点Dfrと羽根位置決め輪郭の凸状湾曲の頂部の間の距離W2は、8から30mmの間、好ましくは10から25mmの間、最も好ましくは10から20mmの間であってもよい。基線Xwpに沿って測定されるような、前羽根遠隔点と羽根位置決め輪郭端部点の間の距離W1は、13から35mmの間、好ましくは16から25mmの間であってもよい。
【0022】
波の長手軸Ywpに沿って測定されるような、波の凹状湾曲の溝と凸状湾曲の頂部の間の高さHは、1から5mmの間であってもよい。
【0023】
使い捨て衛生用物品は、羽根が羽根位置決め輪郭の断面に沿って仮想直線Nを画定するように構成されていてもよく、仮想直線Nは凹状湾曲の溝から始まり、外向きに延び、仮想直線Nは凹状湾曲の溝から始まり、基線Xwpと平行に進む直線wに対して角度θを画定し、角度θの大きさは+5から+25度の間、好ましくは+8から+20度の間、最も好ましくは+10から+17度の間である。別の方法では、角度θの大きさは、-5から-25度の間、好ましくは-8から-20度の間、最も好ましくは-10から-17度の間であってもよい。
【0024】
さらに、羽根は外側縁部の断面と一致し、規定の半径を有する円の少なくとも1つの弧を画定する外側縁部で形成されてもよく、前記断面は外側縁部上の第1の点と前記外側縁部に沿った第2の点の間で延び、ここでは前記弧は前記外側縁部とは一致せず、前記半径は40から500mmの間隔内である。弧形の外側縁部の存在は、第1の羽根上の接着剤が第2の羽根上に位置決めされるように、使用中に他の羽根の上でユーザが羽根を折り畳むリスクを最小限に抑える。
【0025】
外側縁部は円の2つ以上の弧を画定してもよく、前記弧のそれぞれは湾曲形状断面を画定し、規定の半径を有し、前記第1の半径および前記第2の半径は両方とも、40から500mmの間隔内である。
【0026】
さらに、前記外側縁部は少なくとも1つの直線断面を含んでいてもよい。本開示によると、直線断面は、600mmより大きい半径を有する湾曲形状断面を画定する断面として画定される。
【0027】
羽根は、下側縁部断面に沿って下側直線を画定するように構成されていてもよく、下側直線は長手中心線Aと垂直な横軸X1に対して角度α1を画定し、角度α1の大きさは30から60度の間であってもよい。これにより、長手側縁部に沿った漏れのリスクを最小限に抑え、前方方向の知覚に貢献するより長い羽根長さを備えた羽根を作り出すことが可能になる。代替実施形態では、角度α1は、ユーザが下着の股領域周りで使い捨て衛生用物品1の羽根をより容易に折り畳むように、より規定された折畳み線を可能にする5から30度の間であってもよい。
【0028】
本開示による使い捨て衛生用物品はさらに、使い捨て衛生用物品のいずれかの横軸に沿って見られるように、第2の非対称羽根を備えていてもよく、第1および第2の非対称羽根は、長手中心線に沿って見られるように、互いに対して非対称である。上に記載したように非対称羽根を備えた使い捨て衛生用物品を提供することによって、横方向への締付羽根の延長は、使用中に互いに重なり合う羽根の問題なく、増加されてもよい。
【0029】
本発明は、非限定的例により、添付の図面を参照して、これ以下にさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本開示による例示的な使い捨て衛生用物品の略平面図である。
【
図2】本開示による別の例示的な使い捨て衛生用物品の略平面図である。
【
図3】本開示による例示的な使い捨て衛生用物品の一部分の略拡大図である。
【
図4】本開示による別の例示的な使い捨て衛生用物品の一部分の略拡大図である。
【
図5】本開示による別の例示的な使い捨て衛生用物品の一部分の略拡大図である。
【
図6】本開示による別の例示的な使い捨て衛生用物品の一部分の略平面図である。
【
図7】本開示による使い捨て衛生用物品の羽根の略拡大図である。
【
図8】本開示による例示的な使い捨て衛生用物品の略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本使い捨て衛生用物品は、個人の衛生を目的とした吸収性物品であり、例えば、衛生用ナプキン、パンティライナまたは尿漏れ用パッドであってもよい。このような物品は、尿、排泄物または月経液などの身体滲出液の捕捉および貯蔵のために一般的に使用されている。吸収性物品は使い捨て可能であり、これは、洗浄して再利用するよりむしろ、一回のみ使用し、その後に処分することを意図していることを意味する。吸収性物品は適切には衛生用ナプキンであってもよく、物品の設計は特に衛生用ナプキンに適している。
【0032】
図1は、開示による物品1の平面図を示す。
図1に示された物品1は、衛生用ナプキンである。物品1は、横方向x、長手方向yおよび長手中心線Aを有する。長手中心線Aは、長手中心線A周りで形状が対称であってもよい、左および右手鏡像半分部分に物品を分割する。「長手中心線A周りで対称」という表現によって、本明細書では、長手中心線Aの第1の側の第1の長手部分Iの物品内の各点が、長手中心線Aのその他の側の第2の長手部分IIの物品内の対応する点を有し、2つの点は長手中心線A上に配置された平面内の反射によって互いに関連していることを意味する。
【0033】
物品1は、前部分2、股部分3、および後部分4を備えている。物品1は、液体透過性表面シート30、液体不透過性裏面シート31、および表面シート30と裏面シート31の間に配置された吸収性芯6を備えている。表面シート30および裏面シート31の表面積は、吸収性芯6を囲む物品の外側境界領域11を提供するように、吸収性芯6の表面積を越えて延びている。吸収性芯6の外側輪郭は、左右の鏡像芯縁部線8、9によって画定され、吸収性芯6は、前部分2の芯前縁部7および後部分4の芯後縁部10によって区切られる。
【0034】
前部分2は、前端縁部2Cによって接続された1対の前部分長手側縁部2A、2Bを備えている。
図1の前部分長手側縁部2A、2Bは湾曲し、長手中心線Aに対して外向きに膨らみ、したがって、パンティの輪郭に沿う。別の方法では、前部分長手側縁部2A、2Bは、長手中心線と実質的に平行であってもよい。
図1では、前端縁部2Cは頂点に向けてテーパ状になっている。前部分2と同様に、後部分4はまた、後端縁部4Cによって接続された1対の後部分長手側縁部4A、4Bを備えている。後部分長手側縁部4A、4Bは、股部分3に向けて内向きに傾斜している。物品1の後端縁部4Cの中間部は、内向きに膨らむ。頂点のある前端縁部2Cおよび内向きに膨らむ後端縁部4Cの組合せは、ユーザが物品1の前後をより容易に識別するのを助ける。
【0035】
図1に示すように、芯6は、第1および第2の芯縁部線(8、9)の間で横方向xで測定されるようなネック領域の前方の芯の横幅およびネック領域の後方の横幅より狭い(左右芯縁部線(8、9)の間の横方向xで測定されるような)最も狭い幅Mを有するネック領域13を備えている。最も狭い幅Mは、芯6の前部分2内、または芯の前部分2と芯の股部分3の間の移行5の位置に置かれている。ネック領域の前方の芯の部分は、芯のヘッド領域14として画定され、ネックの後方の芯の部分は身体部分15として画定される。
【0036】
物品1はさらに、使い捨て衛生用物品1の外周面18の長手側縁部(8、9)から外向きに延びる左右羽根16、17を備えている。
図3に示すように、左右羽根の外側縁部は、それぞれ、前左羽根結合19および前右羽根結合20で股領域3の前部で使い捨て衛生用物品1の外周面18に接触する。股領域3の後部で、左右羽根16、17の外側縁部は、それぞれ、後左羽根結合21および後右羽根結合22で使い捨て衛生用物品の外周面18に接触する。
【0037】
本出願の内容で、前羽根結合19、20および後羽根結合21、22は、以下の通り、
図3を参照して画定される。股部分3では、仮想長手直線Z
L,Rは、左右羽根16、17の前方の使い捨て衛生用物品1の横方向で最も狭い幅Qで外周面18に触れるように描かれる。左羽根16の前方の仮想直線Z
Lと外周面18の間の交差点は、前左羽根結合19として画定され、右羽根17の前方の仮想直線Z
Rと外周面18の間の交差点は、前右羽根結合20として画定される。仮想直線Z
L、Z
Rが(例えば、外周面の長手側縁部が直線からなるので)外周面18の長手側縁部と一致する実施形態では、前羽根結合19、20は、使い捨て衛生用物品の羽根に対して前方向で最も近くに配置されている、外周面と一致する仮想直線Z
L,Rの断面上に配置された点として画定される。後羽根結合21、22は、左右羽根16、17の後方で使い捨て衛生用物品1の横方向に最も狭い幅Rで外周面18に触れるように、仮想長手直線V
L,Rを描くことによって画定される。左羽根16の後方の仮想直線V
Lと外周面18の間の交差点は、後左羽根結合21として画定され、右羽根17の後方の仮想直線V
Rと外周面18の間の交差点は、後右羽根結合22として画定される。仮想直線V
L、V
Rが(例えば、外周面の長手側縁部が直線からなるので)外周面18の長手側縁部と一致する実施形態では、後羽根結合21、22は、使い捨て衛生用物品の羽根に対して後方向で最も近くに配置されている、外周面と一致する仮想直線の断面に配置された点として画定される。
図3に示すように、仮想左羽根結合線J
wLは、前左羽根結合19を後左羽根結合21と接続させ、仮想右羽根結合線J
wRは、前右羽根結合20を後右羽根結合22と接続させる。本出願の内容では、左右羽根結合線J
wL、J
wRは羽根の長さに対応する。図示したタイプの衛生用ナプキンでは、後羽根結合21、22はさらに、前羽根結合19、20と比較したように、長手中心線の外向きに間隔を置いて配置されている。したがって、左右羽根結合線J
wL、J
wRは長手中心線Aと平行ではない。しかし、後羽根結合21、22はまた、後羽根結合21、22と長手中心線Aの間の横距離が前羽根結合19、20と長手中心線Aの間の横距離と等しいように、間隔を置いて配置されていてもよい。このような実施形態では、左右羽根結合線J
wL、J
wRは長手中心線Aと平行である。図示したタイプの衛生用ナプキンでは、左右羽根結合線J
wL、J
wRは、50から110mmの間、好ましくは75から100mmの間、最も好ましくは85から95mmの間の長さを有する。
【0038】
左右羽根16、17はさらに、左右羽根16、17の外側縁部38に配置された前羽根遠隔点Dfl、Dfrおよび後羽根遠隔点Drl、Drrを備えている。左右羽根遠隔点は、3mmの横距離J1だけ外向横方向に羽根結合線JwLから間隔を置いて配置されている。前後羽根遠隔点の位置を判断するために、以下の通り進む。仮想線KL、KRは、それぞれの羽根結合線JwL、JwRの外向きに3mmの距離J1で羽根結合線JwL、JwRと平行に描かれる。左右羽根の前方側に外側縁部38を備えた仮想線KL、KRの交差点は、それぞれ、左右前羽根遠隔点Dfl、Dfrを判断する。同様に、左右羽根の後方側の外側縁部38を備えた仮想線KL、KRの交差点は、それぞれ、左右後羽根遠隔点Drl、Drrを判断する。
【0039】
ネック領域13の存在は、使い捨て衛生用物品1が、ネック部の領域で横方向xにより容易に屈曲するのを可能にする。左右羽根16、17はユーザの下着の股領域で使い捨て衛生用物品1を固定するので、ネックに関する左右前羽根遠隔点D
fl、D
frの位置は、ユーザの下着内のネック部の位置を判断する。
図3に示すように、左右前羽根遠隔点D
fl、D
frは、第1の長手距離D1だけ後方長手方向に吸収性芯6のネック領域13から間隔を置いて配置されている。図示したタイプの衛生用ナプキンでは、距離D1は5から30mmの間、より好ましくは10から20mmの間である。このような構成は、使い捨て衛生用物品1が、前部分2が股部分3に移行する領域においてユーザの身体形状により良く適合することを可能にする。ネックが長手方向に延びるようにネック領域13が直線左右芯縁部線(8、9)を備えている実施形態では、距離D1は長手方向で前羽根距離点D
fl、D
frに最も近く配置されたネック領域の部分に対して判断される。典型的には、ネック領域における左右芯縁部線の間の幅Mは、30から60mmの間、好ましくは32から42mmの間である。
【0040】
物品1の股部分3は、長手方向で前部分2に隣接して配置されている。使用の際、股部分3はユーザの脚部の間にあり、女性のユーザの性器領域をカバーする。
図1に図示したタイプの衛生用ナプキンでは、股部分3は、物品の全長bの25から60%の間、より好ましくは30から55%の間、最も好ましくは30から50%の間である、長手方向の長さb2を有する。典型的には、長手方向yの股部分3の長さb2は、80から120mmの間などの、60から150mmの間である。
図1に図示するように、使い捨て衛生用物品1は、75から95mmの間、より好ましくは80から90mmの間、最も好ましくは85から87mmの間である、左右の前羽根結合の間で横方向に測定された、前羽根結合幅W
fwjを有する。使い捨て衛生用物品1はさらに、85から95mmの間、より好ましくは87から93mmの間、最も好ましくは88から91mmの間である、左右の後羽根結合21、22の間で横方向に測定された、後羽根結合幅W
rwjを有する。
【0041】
図1の使い捨て衛生用物品1は、横方向に延びるいずれかの横軸に対して非対称の形状である左右羽根16、17を備えている。次に、
図2を参照すると、左右羽根16、17はまた、長手中心線(A)に沿って互いに対して非対称の形状であってもよい。
図2の左右羽根16、17はさらに、衛生用物品の平面で方向Dに、例えば、30°から55°の範囲内などの、使い捨て衛生用物品1の長手中心軸Aに対して10°から65°の範囲内の角度αで延びる斜軸に沿って互いに対して対称に配置されている。したがって、この
図2から分かるように、左羽根16は、左羽根16が180°回転される場合、右羽根17の鏡像であってもよい。
【0042】
図4の右羽根は、外側縁部の断面と一致する羽根位置決め輪郭24を備えた外側縁部38で形成されている。羽根位置決め輪郭24は、前前羽根結合20から始まり、外向きに延びる波から形成され、波は溝25を有する凹状湾曲からなり、頂部26を有する凸状湾曲が続く。波は、基線X
wp、および基線X
wpと垂直な長手軸Y
wpを有する。羽根位置決め輪郭24は、羽根位置決め輪郭端部点27で終端し、ここでは前記波は外側縁部38とは一致しない。
図4に示すように、羽根位置決め輪郭端部点27は、凹状湾曲の溝から始まり、基線X
wpと平行に進む直線wとの羽根外側縁部38の交差点として画定される。凹状湾曲および凸状湾曲は、同じ波長および振幅を有してもよい、または波長および振幅は凹状対凸状湾曲で異なってもよい。
図4では、凸状湾曲の頂部26は、長手方向yで見られるように、溝25の前方に配置されている。基線X
wpに沿って測定されるように、前羽根遠隔点D
frと羽根位置決め輪郭の凸状湾曲の頂部26の間の距離W2は、10から30mmの間、好ましくは10から25mmの間、最も好ましくは12から22mmの間である。基線X
wpに沿って測定されるように、前羽根遠隔点D
frと羽根位置決め輪郭端部点27の間の距離W1は、15から35mmの間、好ましくは18から28mmの間である。
図4に示すように、羽根位置決め輪郭24はさらに、長手軸Y
wpに沿って凹状湾曲の溝25と凸状湾曲の頂部26の間で測定された高さHを有する。図示したタイプの衛生用物品では、高さHは1から5mmの間である。
【0043】
図5では、羽根17は羽根位置決め輪郭24の断面に沿って仮想直線Nを画定する。仮想直線Nは羽根の溝25から始まり、羽根位置決め輪郭24の断面に沿って外向きに延び、したがって、凹状湾曲の溝から始まり、基線X
wpと平行に進む直線wに対して角度θを画定し、角度θの大きさは+5から+25度の間、好ましくは+8から+20度の間、最も好ましくは+10から+17度の間である。別の方法では、角度θは、-5から-25度の間、好ましくは-8から-20度の間、最も好ましくは-10から-17度の間の負の大きさを有してもよい。
【0044】
図5では、仮想直線40aは、羽根17の外側縁部の後断面40に沿って外向き方向に延びる後羽根遠隔点D
rrから始まる。仮想直線40aは、後羽根遠隔点D
rrを通して、長手中心線Aと垂直に進む横軸X1に対して角度α1を画定する。図示したタイプの衛生用ナプキンでは、角度の大きさは30から60度の間であり、したがって、同時に下着内への衛生用ナプキンの最適な配置を促進しながら、より長い長手側縁部を備えた羽根を作り出すことが可能になる。さらに、より長い長手側縁部は、使い捨て衛生用物品1の長手側縁部に沿った漏れに対するより良い保護を提供する。
図5では、後羽根遠隔点D
rrによって画定された角度α1および羽根位置決め輪郭の波の溝25によって画定された角度θは両方とも、前方方向の知覚を作り出す30から60度の間である。前方方向の知覚は、濡れている点がユーザに関して最適に配置されるように、下着の前により向けて使い捨て衛生用物品1を配置するためのユーザへの視覚的合図である。しかし、角度α1はまた、ユーザが下着の股領域周りで使い捨て衛生用物品1の羽根をより容易に折り畳んでもよいように、より規定された折畳み線を可能にする5から30度の間であってもよい。
【0045】
図6の羽根17の外側縁部38は、規定の半径raを備えた円の弧300aで形成された丸みを帯びた断面301aを備え、丸みを帯びた断面301aと一致する。丸みを帯びた断面301aは、外側縁部38の第1の点290aと前記外側縁部38に沿った第2の点320aの間に延び、ここで弧300aは外側縁部38とは一致しない。図示したタイプの衛生用ナプキンでは、半径raは40から500mmの間隔内である。
図6に図示するように、羽根17の外側縁部38はさらに、第2の丸みを帯びた断面301bを備えていてもよい。
図6の第2の丸みを帯びた断面301bは、規定の半径rbを備えた円の弧300bで形成され、丸みを帯びた断面301bと一致する。第2の丸みを帯びた断面301bは、外側縁部38の第1の点290bと第2の点320bの間に延び、ここで弧300bは外側縁部38とは一致しない。第1および第2の弧の半径は両方とも、40から500mmの間隔内である。
図7では、羽根17の外側縁部38はさらに、直線断面36を含んでいる。外側縁部38はさらに、追加の直線断面を備えていてもよい。
【0046】
一般的に、本開示で「羽根」と呼ばれる締付羽根16、17はそれぞれ、各羽根16、17の裏側、すなわち、着用者に面しない側に塗布される少なくとも1つの接着剤領域の形の締付手段を備えている。
【0047】
本発明の利点は、知られている製造技術に対する最小限の乱れで、または変更で達成することができる。本発明による物品を製造するのに適した製造方法では、液体透過性表面材料層、液体不透過性裏面材料層、および吸収材料層が製造設備内に供給される。芯は、表面材料層と裏面材料層の間に位置決めされている。任意の捕捉材料層は、表面材料層と吸収材料層の間に位置決めされるように配置されている。
図1では、裏面は参照番号31、表面は番号30が割り当てられる。吸収材芯は、参照番号6が割り当てられる。裏面シート、表面シート30、および吸収材芯の適切な材料は、当業者には明らかであろう。
【0048】
本開示の使い捨て衛生用物品は、参照符号6で図に示された、吸収材芯を備えている。「吸収材芯」は、体液を捕捉および貯蔵する物品の吸収材構造である。吸収材芯は、あらゆる従来の種類であってもよい。一般に発生する吸収材料の例は、セルロース綿パルプ、ティッシュ、高吸収性ポリマー(いわゆる、超吸収体)、吸収体発砲材料、吸収性不織材料などである。吸収材芯内の超吸収性ポリマーとセルロース綿パルプを組み合わせることが一般的である。超吸収性ポリマーは、0.9重量%の塩化ナトリウムを含む少なくとも約20倍の自重の水溶液を吸収することが可能な水膨潤性、不水溶性有機または無機材料である。超吸収性材料としての使用に適した有機材料として、多糖類、ポリペプチドなどの天然材料と、合成ヒドロゲルポリマーなどの合成材料も挙げることができる。このようなヒドロゲルポリマーとして、例えば、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルピリジンなどが挙げられる。他の適切なポリマーとして、加水分解アクリロニトリルグラフト化でんぷん、アクリル酸グラフト化でんぷん、およびイソブチレン無水マレイン酸コポリマーおよびその混合物が挙げられる。ヒドロゲルポリマーは、材料を実質的に不水溶性にするために軽く架橋されていることが好ましい。好ましい超吸収性材料は、超吸収性粒子、繊維、フレーク、球体などの外表面または殻が超吸収体の内側部分より高い架橋密度を有するように、さらに表面架橋される。超吸収性材料は、粒子、繊維、フレーク、球体などを含む吸収性合成物内での使用に適したあらゆる形であってもよい。高吸収能力は、大量の超吸収性材料の使用により提供される。例えば衛生用ナプキン、幼児用おむつおよび尿漏れ用ガードにおいて普通である薄い吸収性芯はしばしば、セルロース綿パルプおよび超吸収性ポリマーの圧縮、混合または層状構造を備えている。吸収性芯のサイズおよび吸収能力は、大人の失禁者用の衛生用ナプキンまたはパンティライナなどの異なる製品タイプを適合させるように変化させてもよい。
【0049】
一般的に、芯は一体型構成であることがあり、それにより、例えば製造プロセスを単純化することができる。本内容での「一体型構成」という表現は、吸収性芯は基本的に1つのタイプの材料から構成されることを意味することを意図し、これは基本的に同じ材料、または基本的に吸収性芯全体を通して2つ以上の材料の同じ組合せである。材料の密度および濃度の変化が起こってもよいが、これらは、別に形成され、その後、互いに物理的に結合された領域の組込みなしで得られることがあるものに限られる。例えば、吸収性芯が上に記載したように親水性繊維および超吸収性材料の母材を備えている場合、超吸収性材料および繊維の相対的濃度は、芯の異なる部分で異なっていてもよい。しかし、一体型構成の吸収性芯は、異なる組成の層または薄板を備えていない。同様に、吸収性芯の長手方向、横方向、および厚さ方向にわたる様々な成分の密度または濃度の変化が許容されるが、芯は別に形成され、その後一緒に結合される異なる組成の領域または層を備えているべきではない。
【0050】
本開示の吸収性芯を製造するための適切な技術は、エアレイプロセスを通したマット成形である。プロセスでは、空気透過性金型が提供される。繊維状材料は、金型内にエアレイされ、金型が充填され、それにより吸収性芯は所望の量の繊維状材料で製造される。
【0051】
一般的に、吸収性芯6は、長手延長yに非対称形状を有するが、第1および第2の長手部分I、IIは中心線A周りで横延長xに対称である。芯6は異なる形状を有してもよいが、芯の周面縁部8、9は、ヘッド部分14および少なくとも1つのネック領域、すなわち横方向xにより小さい幅を備えた領域が前部分2または芯6の移行領域5内に配置される形状を画定する。このように、物品1は、前部分2が股部分3に移行する領域内で身体形状により良く適合することができる。実際、これは特に、物品1がネック部分の領域内でより容易に横方向xに屈曲することができることを意味する。したがって、前部分2および芯ヘッド部分14は、ユーザに向けて屈曲することができ、したがって、前部分2は股部分3が女性の着用者の性器領域の近くに配置することが可能でありながら、着用者の恥骨領域をより良くカバーすることができる。また、物品1は使用中にその位置により良く保持される。さらに、
図2を再び参照すると、ネック部分の幅Mは基本的に、着用者の2つの上記筋腱の間の距離に対応するので、吸収性物品1は、使用中に、最も狭い幅Mまたは筋腱間の移行5の点にしっかり固定し、この位置に維持することができる。物品1の前部分2はしたがって、上記筋腱の前の領域に保持され、物品1の股部分3は着用者の性器に対して正しく効果的に位置決めされる。これは、吸収性物品1の不正確な配置、または着用中の物品1の移動に関連する問題を防ぐのを助ける。このように、物品1は着用者の脚部間で後方に移動するのが防止される。衛生用ナプキンが使用の際に下着に固定されているが、着用者の脚部移動は衛生用ナプキンを後方にしばしばずらすので、これは従来の衛生用ナプキンにおける一般的な問題である。
【0052】
図8は、
図1から
図7の物品の断面図を示す。
図8の断面図は、表面シート30、裏面シート31、およびその間に配置された芯6を明らかに示している。液体捕捉シート37は、芯6と表面シート30の間に提供される。液体捕捉シート37は、芯6の横xおよび長手延長yの両方により大きな延長を有することが好ましい。このように、柔らかい側縁部領域を得ることが可能である。液体捕捉シートは、約1から15mmだけ芯6の外側縁部を越えて延びていることが好ましい。これは、芯が液体捕捉シートによって完全にカバーされていることを意味する。漏れ制御は、液体捕捉シート37が製品内に液体を捕捉するための急速入口を作り出すので、得ることができる。例えば、芯の外側の領域内の例えば月経液の少なくとも一部が捕捉され、それにより、流体はしたがって衛生用物品1の外側に漏れない。代替実施形態では、液体捕捉シール37を省くことができる。
【0053】
本開示による吸収性物品1は、液体分配層として働く液体捕捉シート37を含んでいてもよい。捕捉層37は異なる形状を有することができ、吸収性芯の形状に合うように適合させることができる。捕捉層37は、(好ましくは芯6の全周周りで)芯6の外側縁部を越えて1から15mm延びていてもよい。いくつかの実施形態では、捕捉層37は、吸収性物品1の特定の領域において最大50mmまで延びていてもよい。このような構成は、物品の周面に整った縁部を提供することができる。液体捕捉シート37は、表面シート30と芯6の間に配置され、吸収性芯の上部に適切に配置されている。液体捕捉シート37は、吸収性芯6によって吸収される前に、排出された液体を迅速に受け、一時的に貯蔵するようになっている。このような捕捉分散層は、例えば、エアレイ不織、スパンレース不織、高ロフト不織または発泡材料から構成されていてもよい。不織材料は親水性であってもよい。親水性材料は、界面活性剤を添加することによって得られてもよい。
【0054】
エアレイ不織は、綿毛、木材パルプで製造することができ、ここでは綿繊維が高速移動空気流内に分散され、圧力および真空により移動するスクリーンの上に濃縮される。ウェブは、パルプ内に分散された樹脂および/または熱可塑性樹脂と結合させることができる。ウェブは、(熱によって)熱結合、(接着剤で)ラテックス結合、または(熱およびラテックス結合の組合せ)マルチ結合、または(高圧縮および温度、水素による結合)機械的結合させることができる。エアレイ不織の坪量は、適切には50から100gsmである可能性がある。
【0055】
高ロフト材料は、不織材料であり、吸収繊維および超吸収性材料が実質的に含まれていなくてもよい。高ロフト不織材料は、熱可塑性ポリマー繊維を備えていてもよく、これに限らないが、ポリエステル、ポリアミドおよびポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)などのポリオレフィンから選択されてもよく、これらのいずれかの混合物であってもよい。高ロフト材料は、平らな紙状布と比較して、低密度の分厚い布のことを言う。高ロフトウェブは、比較的低い密度を特徴としている。これは、繊維間に比較的大量の空隙があることを意味している。本発明の高ロフト不織繊維層は典型的には、0.200g/cc(200kg/m3)より下、特に0.015g/ccから0.150g/cc(15kg/m3から150kg/m3)の範囲、特に0.030g/ccから0.100g/cc(30kg/m3から100kg/m3)の範囲、例えば0.065g/cc(65kg/m3)の範囲の密度を有してもよい。平均密度は、0.5kPaの圧力で測定されたその厚さによって高ロフト層の基本重量を割ることによって算出することができる(以下のさらなる詳細の方法を参照)。通常、高ロフト材料の厚さは、1mmより大きいまたは適切には1.5から2.0mmなどの約0.5mmより大きく、固形分は低く、普通は15容量%未満である。高ロフト不織層は有利には、スパンメルト不織であってもよい。スパンメルトは、熱可塑性ポリマーから直接の不織ウェブの製造を説明する一般的用語である。これは、2つのプロセスおよび両方の組合せを含む:スパンレイ(スパン結合としても知られる)不織およびメルトブロー不織。スパンレイプロセスでは、ポリマー顆粒は溶融され、溶融ポリマーがスピナレットを通して押し出される。連続フィラメントは冷却され、均一ウェブを形成するためにコンベヤ上に堆積される。いくつかの残りの温度は、フィラメントを互いに接着させる可能性があるが、これは結合の主な方法としてみなすことはできない。スパンレイプロセスは、不織により大きな強度を与える利点を有するが、原材料可撓性はより制約される。第2の成分の同時押出は、普通は余分な性状または結合能力を提供するために、いくつかのスパンレイプロセスで使用される。メルトブローウェブ形成の際、低粘度ポリマーは、スピナレットを離れる際に高速空気流内に押し出される。これは溶融物を分散し、固め、繊維状ウェブ内に崩壊させる。液体捕捉シート材料は、スパン結合材料であってもよく、スパン結合・メルト結合・スパン結合(SMS)材料であってもよい。高ロフト不織層は特に、0.30mmから2.00mmの範囲、例えば、(国際特許出願第PCT/SE2017/050612号で言及された試験方法により)0.5kPaの圧力で測定された1.0mmの厚さを有してもよい。高ロフト材料の坪量、すなわち基本重量は、例えば、15gsmから500gsm、特に30から90gsm、例えば64gsmなどの30gsmから200gsmの範囲であってもよい。
【0056】
別の変形形態によると、液体捕捉シート37は、スパン結合とも呼ばれるスパンレース不織材料である。スパンレース不織製品は、高圧で多数の列の水の噴流を通して緩い繊維のウェブを巻き込むプロセスから導き出され、このプロセスは布を巻き込み、繊維を連結する。噴流巻き込み、針、ハイドロ巻き込み、または油圧などのスパンレース不織布またはスパンレースに対するいくつかの用語があるが、スパンレースという用語は不織業界で最も一般的である。捕捉シート用の原材料は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)ポリエステル(PET)、ポリアミド(PA)、セルロース繊維またはこれらの組合せである可能性があり、ビスコース、ポリエステル、綿、ナイロンおよびマイクロファイバなどの異なる重量および組成が可能であり、ビスコースは最も一般的に使用される原材料である。したがって、異なる繊維の組合せが使用される場合、これは異なるポリマーからの繊維の混合物である可能性があるが、各繊維はまた異なるポリマー(例えば、PP/PE複合繊維またはPP/PEコポリマー)を含むことができる。適当な場合、プラスチックフィルムは、PEまたはPP、PET、PLAまたはアミル(または、さらに言うと、あらゆる他の熱可塑性ポリマー)、または上記ポリマーの混合物またはコポリマーからなることができる。スパンレース材料は普通、不織材料用の最適な快適性を提供するポリプロピレンまたはポリエチレン繊維を含んでいる。不織材料を作るための他の適切な繊維は、例えば、竹、綿および亜麻などの天然繊維である。スパンレース不織材料の坪量は典型的には、30から80gsmである可能性がある。
【0057】
表面シートは、スパン結合、メルトブロー、カード、ハイドロ巻き込み、ウェットレイされている繊維状不織層を含む、またはこれからなってもよい。適切な不織材料は、木材パルプまたは綿繊維などの天然繊維、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドおよび混合物などの合成熱可塑性繊維、およびその組合せ、または天然または合成繊維の混合物から構成することができる。表面シート材料として適した材料は、柔らかく皮膚に刺激がなく、月経液および尿などの体液によって簡単に浸透されるべきである。
【0058】
裏面シートは、薄いプラスチックフィルム、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレンフィルム、液体不透過性材料で被覆された不織材料、液体浸透に耐える親水性不織からなってもよい。プラスチックフィルムおよび不織材料の積層を使用してもよい。裏面シート材料は、液体が裏面シート材料を通過するのを防ぎながら、吸収材構造から蒸気が逃げることを可能にするように呼吸可能である。
【0059】
羽根は、使い捨て衛生用物品1の外周面18の長手側縁部に取り付けられた別の材料からなっていてもよい。適切な材料は、表面シートおよび裏面シートに関連して上に挙げた材料のいずれかであってもよい。別の方法では、羽根は表面シートまたは裏面シート材料、または両方の延長からなっていてもよい。
【0060】
図には示していないが、上に規定した吸収性物品1は、着用者の下着への締め付けを可能にするように、当業界で知られているあらゆる取付け手段を備えてもよい。このような手段は、物品の衣服に面した表面上に接着剤のコーティングまたは摩擦コーティングを含んでもよい。さらに、本発明による物品1は、物品1の横方向に延び、着用者のブリーフ上で股部分周りに配置されることを意図した取付けフラップ(羽根)を備えている。しかし、このような取付け手段の性質および配置は、使用の際に物品1の機能とあまり干渉しないことが重要である。
【0061】
本開示による衛生用物品はしたがって、裏面シート上の感圧接着剤などの接着剤を備えていてもよい。細長い包装シートは、衛生用物品の接着剤を有する裏面シートを解放可能に接着してもよい。包装シートは、包装シートが衛生用物品の接着剤を有する裏面シートから離れて剥離されてもよく、衛生用物品は下着に取り付けられてもよいように、シリコーンなどの包装シートの解放を可能にする材料で被覆されていてもよい。裏面シートの接着剤を有する領域はまた、剥離紙でカバーされていてもよい。剥離紙は、包装シート、例えば永久取付けに取り付けられてもよく、それによって、衛生用物品は剥離紙を介して包装シートに取り付けられている。
【符号の説明】
【0062】
1 物品
2 前部分
2A 前部分長手側縁部
2B 前部分長手側縁部
2C 前端縁部
3 股部分
4 後部分
4A 後部分長手側縁部
4B 後部分長手側縁部
4C 後端縁部
5 移行
6 吸収性芯
7 芯前縁部
8 芯縁部線
9 芯縁部線
10 芯後縁部
11 外側境界領域
13 ネック領域
14 ヘッド領域
15 身体部分
16 羽根
17 羽根
18 外周面
19 前羽根結合
20 前羽根結合
21 後羽根結合
22 後羽根結合
24 羽根位置決め輪郭
25 溝
26 頂部
27 羽根位置決め輪郭端部点
30 表面シート
31 裏面シート
36 直線断面
37 液体捕捉シート
38 外側縁部
40 後断面、下側縁部断面
40a 仮想直線、下側直線
290a 第1の点
290b 第1の点
300a 弧
300b 弧
301a 丸みを帯びた断面
301b 丸みを帯びた断面
320a 第2の点
320b 第2の点
【国際調査報告】