(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】カテーテルロボットの細長い可撓性医療機器の駆動モジュール
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20231228BHJP
【FI】
A61B34/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539894
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2021087255
(87)【国際公開番号】W WO2022144267
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517433614
【氏名又は名称】ロボカト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ブールアンジュ
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ・ホフラー
【テーマコード(参考)】
4C130
【Fターム(参考)】
4C130AA07
4C130AA13
4C130AA17
(57)【要約】
本発明は、カテーテルロボットの細長い可撓性医療機器用の駆動モジュールに関し2つのパッドホルダ(3)をそれぞれ保持する少なくとも2つの駆動装置(2)を備え、各駆動装置(2)が、自立式であり、3つの駆動ユニット(4、5、6)を備え、各駆動ユニットが、互いに独立しており、少なくとも2つの駆動ユニット(5、6)が、駆動モータ(51、61)によって駆動される駆動横材(55、65)と、パッドホルダ(3)に堅固に接続され、駆動横材(55、65)によって駆動されるパッドホルダ(3)の横材(32、33)と、2つの接続ロッド(53、63)とを備え、2つの接続ロッドそれぞれが、それらの端部の一方によって、互いに離間して設定された駆動横材(55、65)の2つの旋回点(54、64)に接続され、それらの端部の他方によって、互いに離間して設定されたパッドホルダ(3)の横材(32、33)の2つの旋回点(54、64)に接続され、パッドホルダ(3)の回転運動を防止する構造を有し、駆動横材(55、65)、パッドホルダ(3)の横材(32、33)、及び2つの接続ロッド(53、63)が、一緒に4つの旋回点(54、64)であるその4つの頂点で変形可能な平行四辺形(P1、P2)を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルロボットの細長い可撓性医療機器用の駆動モジュールであって、
●互いに対向して配置された2つのパッドホルダ(3)をそれぞれ保持し、2つのパッドをそれぞれ受け入れることを目的とする少なくとも2つの駆動装置(2)を備え、前記パッドが互いに接近するにつれて前記細長い可撓性医療機器を担持して前記細長い可撓性医療機器を並進及び/または回転駆動させ、
●前記駆動装置(2)それぞれが、自立式であり、3つの駆動ユニット(4、5、6)を備え、前記駆動ユニットそれぞれが、互いに独立して3つの直交する空間方向(x、y、z)にそれぞれ前記パッドホルダ(3)を並進駆動し、前記駆動ユニットそれぞれが、駆動モータ(41、51、61)を備え、少なくとも2つの駆動ユニット(5、6)が、前記パッドホルダ(3)の回転運動を防止する回転防止構造を有し、
o自立式の前記駆動装置が、さらなる支持要素の存在なしに前記パッドホルダが所定の位置に保持されることをそれ自体の構造が保証する駆動装置であり、
o他の前記駆動ユニットから独立した前記駆動ユニットが、別の前記駆動ユニットの重量を支持することもなくそれ自体の重量のみを支持する駆動ユニットであり、
o前記回転防止構造が、
*前記駆動モータ(51、61)によって駆動される駆動横材(55、65)と、
*前記パッドホルダ(3)に堅固に接続され、前記駆動横材(55、65)によって駆動される前記パッドホルダ(3)の横材(32、33)と、
*2つの接続ロッド(53、63)と
を備え、
2つの前記接続ロッドそれぞれが、
・前記接続ロッドの端部の一方によって、互いに離間して設定された前記駆動横材(55、65)の2つの旋回点(54、64)に接続され、
・前記接続ロッドの端部の他方によって、互いに離間して設定された前記パッドホルダ(3)の前記横材(32、33)の2つの前記旋回点(54、64)に接続されており、
*前記駆動横材(55、65)、前記パッドホルダ(3)の横材(32、33)、及び2つの前記接続ロッド(53、63)が、一緒に4つの前記旋回点(54、64)であるその4つの頂点で変形可能な平行四辺形(P1、P2)を形成する、駆動モジュール。
【請求項2】
2つの前記接続ロッド(53、63)が互いに平行である、請求項1に記載の駆動モジュール。
【請求項3】
少なくとも1つの駆動ユニット(5、6)が前記回転防止構造を有する場合、
●前記駆動ユニット(5、6)の前記回転防止構造がまた、前記駆動モータ(51、61)によってその回転軸を中心に回転するように駆動されるクランク(52、62)を備え、
●前記駆動横材(55、65)が、その2つの前記旋回点(54、64)の間を延在する縦軸を有し、
●前記クランク(52、62)の前記回転軸が、前記駆動横材(55、65)の前記縦軸に平行であり、かつそのままであり、
●前記クランク(52、62)の前記回転軸と前記駆動横材(55、65)の前記縦軸との間のギャップを意味する軸間ギャップが一定であり、かつそのままであり、その結果、前記クランク(52、62)の回転が前記駆動横材(55、65)の前記縦軸の回転を引き起こす、請求項1または2に記載の駆動モジュール。
【請求項4】
少なくとも2つの駆動ユニット(5、6)が回転防止構造を有する場合、
2つの前記駆動ユニット(5、6)の各々について、
●前記駆動ユニット(5、6)の前記回転防止構造がまた、前記駆動モータ(51、61)によってその回転軸を中心に回転するように駆動されるクランク(52、62)を備え、
●前記駆動横材(55、65)が、その2つの前記旋回点(54、64)の間を延在する縦軸を有し、
●前記クランク(52、62)の前記回転軸が、前記駆動横材(55、65)の前記縦軸に平行であり、かつそのままであり、
●前記クランク(52、62)の前記回転軸と前記駆動横材(55、65)の前記縦軸との間のギャップを意味する軸間ギャップが一定であり、かつそのままであり、その結果、前記クランク(52、62)の回転が前記駆動横材(55、65)の前記縦軸の回転を引き起こす、請求項3に記載の駆動モジュール。
【請求項5】
前記駆動装置(2)当たり2つの前記駆動ユニット(5、6)のみが前記回転防止構造を有する、請求項4に記載の駆動モジュール。
【請求項6】
第3の前記駆動ユニット(4)が前記回転防止構造をもたない場合、
前記駆動ユニット(4)の前記構造が、
●前記駆動モータ(41)によって駆動される前記駆動横材と、
●前記パッドホルダ(3)に堅固に接続され、前記駆動横材によって駆動される前記パッドホルダ(3)の前記横材と、
●単一の接続ロッド(43)と
を備え、
前記接続ロッドが、
o前記接続ロッドの端部の一方によって、前記駆動横材の旋回点(44)に接続され、
o前記接続ロッドの端部の他方によって、前記パッドホルダ(3)の前記横材の前記旋回点(44)に接続されている、請求項5に記載の駆動モジュール。
【請求項7】
第3の前記駆動ユニット(4)が前記回転防止構造をもたない場合、
●前記駆動ユニット(4)の前記構造がまた、前記駆動モータ(41)によってその回転軸を中心に回転するように駆動されるクランク(42)を備え、
●前記駆動横材が縦軸を有し、
●前記クランク(42)の前記回転軸が前記駆動横材の前記縦軸に平行であり、かつそのままであり、
●前記クランク(42)の前記回転軸と前記駆動横材の前記縦軸との間のギャップを意味する軸間ギャップが一定であり、かつそのままであり、その結果、前記クランク(42)の回転が前記駆動横材の前記縦軸の回転を引き起こす、請求項6に記載の駆動モジュール。
【請求項8】
1つの前記駆動ユニット(4、5、6)について、またはいくつかの前記駆動ユニット(4、5、6)について、またはすべての前記駆動ユニット(4、5、6)について、1以上の前記駆動モータ(41、51、61)が、前記駆動横材(55、65)に堅固に接続されたクランク(42、52、62)の回転を駆動する回転モータである、請求項1から7のいずれか一項に記載の駆動モジュール。
【請求項9】
1つの前記駆動ユニット(4、5、6)について、またはいくつかの前記駆動ユニット(4、5、6)について、またはすべての前記駆動ユニット(4、5、6)について、1以上の前記駆動モータ(41、51、61)が、前記駆動横材(55、65)を並進駆動するようにワームネジ(69)の回転を駆動する回転モータである、請求項1から8のいずれか一項に記載の駆動モジュール。
【請求項10】
前記駆動装置(2)ごとに、
●前記駆動装置(2)の3つの前記駆動ユニット(4、5、6)の各々について、
o前記駆動ユニット(4、5、6)が、
*主方向の主並進成分に沿って前記パッドホルダ(3)を駆動し、前記主方向が3つの前記駆動ユニット(4、5、6)の各々に対して異なり、
*別の方向の寄生並進成分に沿って前記パッドホルダ(3)を駆動し、前記別の方向が3つの前記駆動ユニット(4、5、6)の各々に対して異なり、
●前記駆動装置(2)の3つの前記駆動ユニット(4、5、6)の各々が、その主方向に沿ったその主並進成分において、この主方向における前記他の駆動ユニット(4、5、6)のうちの1つの前記寄生並進成分に対する補償を組み込む、請求項1から9のいずれか一項に記載の駆動モジュール。
【請求項11】
前記旋回点(54、64)が、2つの自由度で旋回することができるヒンジである、請求項1から10のいずれか一項に記載の駆動モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルロボットの細長い可撓性医療機器用の駆動モジュールの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載されている従来技術によれば、カテーテルロボットの細長い可撓性医療機器用の駆動モジュールは、精密であると知られている。
【0003】
カテーテルロボットの細長い可撓性医療機器用のこの駆動モジュールは、可動要素の駆動部材の基部と、駆動部材の基部との3つのそれぞれの界面を介して3つの互いに別個の並進方向にそれぞれ駆動部材の基部を駆動する3つのアクチュエータとを備える動作伝達システムを備える。3つの界面は、実質的に平面であり、互いに直交し、一つの内側にもう一つという入れ子になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】仏国特許出願公開第1555377号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、サイズ及び重量は比較的小さいが、カテーテルロボットの細長い可撓性医療機器用のこの駆動モジュールは、いくつかの用途には依然として大きすぎる。
【0006】
本発明の目的は、上記の欠点を少なくとも部分的に克服するカテーテルロボットの細長い可撓性医療機器用の駆動モジュールを提供することである。
【0007】
より詳細には、本発明は、適切に小型化され、カテーテルロボットに挿入された細長い可撓性医療機器を把持し移動させるパッドを支持するパッドホルダの移動が非常に精密な、カテーテルロボットの細長い可撓性医療機器用の駆動モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
小型化と精度との間のこの良好な妥協点を有するカテーテルロボットの細長い可撓性医療機器用の駆動モジュールを取得するために、本発明によって提案される駆動モジュールは、
●パッドホルダ当たり1つあたり少なくとも2つの駆動装置を備える一般的なアーキテクチャを有し、
o各駆動装置は、各パッドホルダの並進方向当たり1つ、3つの駆動ユニットを備え、
駆動モジュールは、
●この一般的なアーキテクチャ内で、いくつかの特定の構造特性、すなわち、
o各駆動装置の自立性
o同じ駆動装置の駆動ユニット間の独立性
o変形可能な平行四辺形の運動学を統合する、駆動装置当たり少なくとも2つの駆動ユニットについて、寄生回転を防止するための特定の構造
を組み合わせる。
【0009】
この目的のために、本発明は、カテーテルロボットの細長い可撓性医療機器用の駆動モジュールを提案し、この駆動モジュールは、互いに対向して配置された2つのパッドホルダをそれぞれ保持し、互いに接近するにつれて細長い可撓性医療機器を並進及び/または回転駆動させるためにそれを担持する2つのパッドをそれぞれ受け入れることを目的とする少なくとも2つの駆動装置を備え、各駆動装置が、自立式であり、3つの駆動ユニットを備え、駆動ユニットそれぞれが、互いに独立して3つの直交する空間方向にそれぞれパッドホルダを並進駆動し、駆動ユニットそれぞれが、駆動モータを備え、少なくとも2つの駆動ユニットが、パッドホルダの回転運動を防止するための回転防止構造を有し、自立式駆動装置が、さらなる支持要素の存在なしにパッドホルダが所定の位置に保持されることをそれ自体の構造が保証する駆動装置であり、他の駆動ユニットから独立した駆動ユニットが、別の駆動ユニットの重量を支持することもなくそれ自体の重量のみを支持する駆動ユニットであり、回転防止構造が、駆動モータによって駆動される駆動横材と、パッドホルダに堅固に接続され、駆動横材によって駆動されるパッドホルダ横材と、2つの接続ロッドとを備え、接続ロッドそれぞれが、それらの端部の一方によって、互いに離間して設定された駆動横材の2つの旋回点に接続され、それらの端部の他方によって、互いに離間して設定されたパッドホルダ横材の2つの旋回点への接続され、駆動横材、パッドホルダ横材、及び2つの接続ロッドが、一緒に前記4つの旋回点であるその4つの頂点で変形可能な平行四辺形を形成する。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、提案された駆動モジュールは、小型化されることに加えて、慣性を低減し、カテーテルロボットの応答性を改善するために、動く構成要素の数を低減する。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によれば、自立式パッドホルダのための駆動装置は、それ自体でパッドホルダを支持し、パッドホルダが所定の位置に保持されることをそれ自体で保証する。パッドホルダは、駆動装置のスイッチが切られたときにその位置を保持する。パッドホルダは静止したままであるが、ぐらつかない。駆動装置は、このようにパッドホルダを支持することを目的とするいかなる追加の支持要素も必要としない。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、独立した運動学的ユニットは互いに重なり合うように取り付けられず、実際、各運動学的ユニットはそれ自体の重量のみを支持する。パッドホルダ用の各駆動装置は、3つの運動学的ユニットを備え、パッドホルダが実行することができる3つの並進運動の軸ごとに1つの運動学的ユニットを備える。パッドホルダは、3つの空間軸の各々に沿って純粋な並進運動を実行することができる。各運動学的ユニットは、これら3つの軸のうちの1つに沿ってパッドホルダを移動させる機能を有する。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、パッドホルダの回転運動を防止するために、少なくとも2つの運動学的ユニットは、少なくとも2つの平行四辺形(好ましくは2つ以下の平行四辺形)を形成し、それらはパッドホルダの位置を制約し、パッドホルダをその反対側に配置されたパッドホルダと平行のままにする。パッドホルダのすべての回転が最初の2つの平行四辺形によってすでに防止されているので、第3の運動学的ユニットに第3の平行四辺形を形成する必要はなく、そのような第3の平行四辺形の形成を回避して、この第3の運動学的ユニットに対して単一の接続ロッドのみを配置することによって駆動装置の一般的な構造を単純化することができる。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、各運動学的ユニットはクランクを回転させるモータを備える。(平行四辺形が存在しない場合の)1つまたは(平行四辺形が存在する場合の)2つの接続ロッドは、ダブルピボット接続を介してクランクに固定される。1以上のロッドはまた、ダブルピボット接続によってパッドホルダに固定される。3つの運動学的ユニットのうちの2つは各々、2つの接続ロッドを有する平行四辺形を形成し、第3の運動学的ユニットはただ1つの接続ロッドを備える。接続ロッド及びクランクシステムを使用することにより、単純化された構造が可能になる。接続ロッド及びクランクシステムの単純さは、詳細には、加えられた力がフレームとの接続を通って容易に吸収され、モータシャフト自体への力の印加を回避することができるという事実から生じる。接続ロッド及びクランクシステムは、機械的構造を単純化するが、それにもかかわらず、モータの管理を必要とし、それはソフトウェアの態様においてやや複雑である。しかしながら、モータ管理ソフトウェアにおけるこの複雑さは、駆動装置の重量またはサイズに影響を及ぼさず、したがって、それにより駆動装置をさらに小型化することができる。
【0015】
本発明の実施形態の1つの可能な変形形態によれば、1以上の運動学的ユニットは、接続ロッド及びクランクシステムを含まなくてもよく、リニアアクチュエータ、例えば、ウォームギアモータ、及び接続ロッドに接続されたプラットフォームによって形成されてもよい。この変形形態は可能であるが、より機械的に複雑なままであり、接続ロッド及びクランクシステムの使用に基づく主実施形態のような高度な小型化を可能にしない。
【0016】
パッドホルダの寄生回転を管理することを通して精度を要する問題を同時に解決することなく、カテーテルロボットの構造を単純化する問題を解決するために、何らかの分解された実施形態における本発明の別の目的は、カテーテルロボットの細長い可撓性医療機器用の駆動モジュールに関し、この駆動モジュールは、互いに対向して配置された2つのパッドホルダをそれぞれ保持し、2つのパッドをそれぞれ受け入れることを目的とする少なくとも2つの駆動装置を備え、パッドが互いに接近するにつれて細長い可撓性医療機器を担持して細長い可撓性医療機器を並進及び/または回転駆動させ、各駆動装置が、自立式であり、3つの駆動ユニットを備え、駆動ユニットそれぞれが、互いに独立して3つの直交する空間方向にそれぞれパッドホルダを並進駆動し、駆動ユニットそれぞれがそれらの駆動モータを備え、自立式駆動装置が、さらなる支持要素の存在なしにパッドホルダが所定の位置に保持されることをそれ自体の構造が保証する駆動装置であり、他の駆動ユニットから独立した駆動ユニット、別の駆動ユニットの重量を支持することもなくそれ自体の重量のみを支持する駆動ユニットであり、少なくとも2つの駆動ユニットは、構造を有し、この構造は、駆動モータによって駆動され、縦軸を有する駆動横材と、パッドホルダに堅固に接続され、駆動横材によって駆動されるパッドホルダ横材と、駆動モータによってその軸を中心に回転するクランクとを備え、クランクの前記回転軸は駆動横材の前記縦軸に平行であり、かつそのままであり、クランクの前記回転軸と駆動横材の前記縦軸との間のギャップを意味する軸間ギャップは一定であり、かつそのままであり、その結果、クランクの回転は駆動横材の前記縦軸の回転を引き起こす。
【0017】
好ましい実施形態によれば、本発明は、本発明の前述の目的のうちの1つまたは別の目的のために、別々に、またはそれらの一部を適用する組合せで、またはそれらのすべてを適用する組合せで使用することができる以下の特徴のうちの1以上を含む。
【0018】
好ましくは、2つの接続ロッドは互いに平行である。
【0019】
変形可能な平行四辺形運動学を作り出すことを可能にする接続ロッドの形状は、このように最も単純である。しかし、接続ロッド向けの他の形状、例えば、湾曲した接続ロッドまたはいくつかのセグメントを有するセグメント化された接続ロッドは、接続ロッド向けのこれらの他の形状があまり実用的ではない場合でも考えられる。
【0020】
好ましくは、回転防止構造を有する少なくとも1つの駆動ユニットの場合、駆動ユニットの回転防止構造はまた、前記駆動モータによってその軸を中心に回転するように駆動されるクランクを備え、駆動横材はその2つの旋回点の間を延在する縦軸を有し、クランクの前記回転軸は駆動横材の前記縦軸に平行であり、かつそのままであり、クランクの前記回転軸と駆動横材の前記縦軸との間のギャップを意味する軸間ギャップは一定であり、かつそのままであり、その結果、クランクの回転は駆動横材の前記縦軸の回転を引き起こす。
【0021】
駆動ユニットの機械的構造がこのようにさらに単純化され、それにより、この駆動モジュールのソフトウェア管理の複雑さを幾分増加させながらも、駆動モジュールの小型化がさらに改善される。しかし、全体として、小型化の利点は、ソフトウェア管理の複雑さの欠点をはるかに上回る。
【0022】
好ましくは、少なくとも2つの駆動ユニットが回転防止構造を有する場合、これら2つの駆動ユニットの各々について、駆動ユニットの回転防止構造はまた、前記駆動モータによってその軸を中心に回転するように駆動されるクランクを備え、駆動横材はその2つの旋回点の間を延在する縦軸を有し、クランクの前記回転軸は駆動横材の前記縦軸に平行であり、かつそのままであり、クランクの前記回転軸と駆動横材の前記縦軸との間のギャップを意味する軸間ギャップは一定であり、かつそのままであり、その結果、クランクの回転は駆動横材の前記縦軸の回転を引き起こす。
【0023】
駆動ユニットの機械的構造はこのようにさらに単純化され、それにより、この駆動モジュールのソフトウェア管理の複雑さを幾分増加させながらも、駆動モジュールの小型化がさらに改善される。しかし、全体として、小型化の利点は、ソフトウェア管理の複雑さの欠点をはるかに上回る。
【0024】
好ましくは、駆動装置当たり2つの駆動ユニットのみが回転防止構造を有する。
【0025】
したがって、各構造は、2つの回転防止構造のみを使用することによって2つの寄生回転を防止することができるので、3つの寄生回転が防止され、駆動デバイスの全体構造は、3つの回転防止構造ではなく2つの回転防止構造のみでより単純なままである。
【0026】
好ましくは、第3の駆動ユニットが回転防止構造をもたない場合、前記駆動ユニットの構造は、駆動モータによって駆動される駆動横材と、パッドホルダに堅固に接続され、駆動横材によって駆動されるパッドホルダ横材と、単一の接続ロッドとを備え、単一の接続ロッドが、その端部の一方によって、駆動横材の旋回点に接続され、その端部の他方によって、パッドホルダ横材の旋回点に接続される。
【0027】
したがって、各駆動装置の3つの駆動ユニットのうちの2つの駆動ユニットの2つの回転防止構造によって3つの寄生回転がすでに防止されているので、この駆動装置の第3の駆動ユニットの構造は、いかなる回転防止構造も統合しないことによって単純化することができ、それによって駆動モジュールの小型がさらに改善される。
【0028】
好ましくは、前記第3の駆動ユニットが回転防止構造をもたない場合、前記駆動ユニットの構造はまた、前記駆動モータによってその軸を中心に回転するように駆動されるクランクを備え、駆動横材は縦軸を有し、クランクの前記回転軸は駆動横材の前記縦軸に平行であり、かつそのままであり、クランクの前記回転軸と駆動横材の前記縦軸との間のギャップを意味する軸間ギャップは一定であり、かつそのままであり、その結果、クランクの回転は駆動横材の前記縦軸の回転を引き起こす。
【0029】
この駆動装置の第3の駆動ユニットの構造は、このようにさらに単純化することができ、駆動モジュールの小型化がさらに改善される。
【0030】
好ましくは、1つの駆動ユニットについて、またはいくつかの駆動ユニットについて、またはすべての駆動ユニットについて、1以上の前記駆動モータは、前記駆動横材に堅固に接続されたクランクの回転を駆動する回転モータである。
【0031】
駆動ユニットの構造は、このようにさらにコンパクトになる。
【0032】
あるいは、1つの駆動ユニットについて、またはいくつかの駆動ユニットについて、またはすべての駆動ユニットについて、1以上の前記駆動モータは、前記駆動横材を並進駆動するようにワームネジの回転を駆動する回転モータである。
【0033】
しかしながら、この代替案は前の案よりもコンパクトではない。
【0034】
好ましくは、駆動装置ごと、前記駆動装置の3つの駆動ユニットの各々について、駆動ユニットは、主方向の主並進成分に沿ってパッドホルダを駆動し、前記主方向は3つの前記駆動ユニットの各々に対して異なり、別の方向の寄生並進成分に沿ってパッドホルダを駆動し、前記他の方向は前記3つの駆動ユニットの各々に対して異なり、前記駆動装置の3つの駆動ユニットの各々は、その主方向におけるその主並進成分において、この主方向における他の駆動ユニットのうちの1つの寄生並進成分に対する補償を組み込む。
【0035】
前記駆動装置の3つの駆動ユニットの動作は、このように相互にバランスされ、その結果、パッドホルダは全体として、3つの空間方向の各々において、3つの駆動ユニットから受信されたすべてのコマンドからこの方向になるように、この方向に所望の移動に必要な並進コマンドを受信する。
【0036】
好ましくは、前記旋回点は2自由度で旋回することができるヒンジである。
【0037】
本発明の他の特徴及び利点は、例として与えられ、添付の図面を参照する本発明の好ましい実施形態の以下の説明を読むと明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の一実施形態による、互いに対向して配置されたパッドホルダ用の2つの同一の駆動装置を備える細長い可撓性医療機器用の駆動モジュールの一例を斜視図で概略的に表す図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、互いに対向して配置されたパッドホルダ用の2つの同一の駆動装置を備える細長い可撓性医療機器用の駆動モジュールの同じ例を、
図1の視点とは反対の斜視図で概略的に表す図である。
【
図3】
図1及び
図2による駆動モジュールの駆動装置の一例を概略的に表し、この駆動装置の様々な運動学的ユニットのモータを示す図である。
【
図4】
図1及び
図2による駆動モジュールの駆動装置の一例を概略的に表すが、この駆動装置の様々な運動学的ユニットのモータを示さない図である。
【
図5】
図3の1つの可能な変形形態である、運動学的ユニットが接続ロッド及びクランクシステムの代わりにリニアアクチュエータによって移動されるプラットフォームを備える変形形態について、駆動モジュールの駆動装置の一例を概略的に表し、この駆動装置の様々な運動学的ユニットのモータを示す図である。
【
図6】
図3による駆動装置の第1の運動学的ユニットの回転防止構造の第1の変形可能な平行四辺形を強調する一例を概略的に表す図である。
【
図7】
図1及び
図2による駆動装置の第2の運動学的ユニットの回転防止構造の第2の変形可能な平行四辺形を強調する一例を概略的に表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下の図の説明では、細長い可撓性医療機器は、例えば、バルーンもしくはステントタイプのガイドカテーテルもしくはカテーテル、またはさもなければカテーテルガイドワイヤであってもよい。
【0040】
図1は、本発明の一実施形態による、互いに対向して配置されたパッドホルダ用の2つの同一の駆動装置を備える細長い可撓性医療機器用の駆動モジュールの一例を斜視図で概略的に表す。
【0041】
図2は、本発明の一実施形態による、互いに対向して配置されたパッドホルダ用の2つの同一の駆動装置を備える細長い可撓性医療機器用の駆動モジュールの同じ例を、
図1の視点とは反対の斜視図で概略的に表す。
【0042】
細長い可撓性医療機器用の駆動モジュール1は、互いに同一であり、互いに対向して配置されたパッドホルダ用の少なくとも1対の駆動装置2を備える。各対の駆動装置2は、駆動モジュール1によって操作されることになる細長い可撓性医療機器を受け入れることを目的とする空間によって互いに分離されている。駆動モジュール1は、細長い可撓性医療機器の並進及び/または回転を実行することができる。駆動モジュール1は、
図3及び
図4について記載される駆動モジュール1の動作に関連して、以下でより詳細に記載される制御ユニット7によって制御される。
【0043】
各駆動装置2は、駆動モジュール1の操作指を形成する部材であるパッドホルダ3を備える。各駆動装置2のパッドホルダ3は、1対の駆動装置2の他方のパッドホルダ3と協働することによって細長い可撓性医療機器を操作することを目的とする。可撓性医療機器に並進運動、回転運動、または組み合わされた並進運動及び回転運動を付与するための1対のパッドホルダ3による細長い可撓性医療機器の操作は、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2015/189531号(詳細は
図7a~
図7e及び
図8a~
図8eを参照)に記載されている。
【0044】
パッドホルダ3によって操作される医療機器の無菌性を保証するために、(図には示されていない)使い捨て滅菌パッドが各パッドホルダ3に設置され、パッドホルダ3と細長い可撓性医療機器との間の界面を形成し、このパッドは駆動モジュール1を新しく使用するたびに新しい滅菌パッドと交換される。パッドは、駆動モジュール1から突出するパッドホルダ3の操作部分31に設置される。
【0045】
細長い可撓性医療機器を操作するために、各駆動装置2のパッドホルダ3は、3つの直交する空間軸x、y、及びzの各々に沿って並進駆動することができる。細長い可撓性医療機器の適切な操作を保証するために、パッドホルダ3はいかなる回転運動も受けるべきではないので、パッドホルダ3の操作部分31は互いに平行なままであり、これは細長い可撓性医療機器をあまり圧迫することなく適切に把持するためである。
【0046】
各駆動装置2は、各々が3つの直交する空間軸x、y、及びzのうちの1つに沿ってパッドホルダ3を移動させることを目的とする3つの運動学的ユニット4、5、及び6を備える。したがって、各駆動装置2は、x軸に沿ってパッドホルダ3を移動させる第1の運動学的ユニット4と、y軸に沿ってパッドホルダ3を移動させる第2の運動学的ユニット5と、z軸に沿ってパッドホルダ3を移動させる第3の運動学的ユニット6とを備える。加えて、3つの運動学的ユニット4、5、及び6のセットは、パッドホルダ3を静止位置に維持する自立式システムを形成する。そのような自立式システムは、パッドホルダ3を保持するためのさらなる装置の存在を排除することを可能にし、それにより、駆動モジュール1を単純化しながら、その嵩及びその重量も低減する。
【0047】
図3は、
図1及び
図2による駆動モジュールの駆動装置の一例を概略的に表し、この駆動装置の様々な運動学的ユニットのモータを示す。
【0048】
図4は、
図1及び
図2による駆動モジュールの駆動装置の一例を概略的に表すが、この駆動装置の様々な運動学的ユニットのモータを示さない。
【0049】
第1の運動学的ユニット4は、z軸に沿って配向された回転軸αを中心に第1のクランク42を回転させる第1のモータ41を備える。接続ロッド43は、ダブルピボット接続44を介してクランク42に固定され、ダブルピボット接続44における接続ロッド43とクランク42との間の連結は、クランク42及び第1のモータ41の回転軸αからずれている。接続ロッド43は、その他端において、接続ロッド43とクランク42との間の接続を確立するものと同一のダブルピボット接続44を介してパッドホルダ3に固定されている。ダブルピボット接続44は、z軸を中心とする回転、及びz軸に垂直な軸を中心とする回転を可能にする接続である。第1のモータ41の回転は、このように主にx軸に沿った並進であるパッドホルダ3の変位を引き起こす。
【0050】
第2の運動学的ユニット5は、x軸に沿って配向された回転軸βを中心に第2のクランク52を回転させる第2のモータ51を備える。2つの接続ロッド53は、ダブルピボット接続54を介してクランク52、接続ロッド53の各々に固定され、ダブルピボット接続54における接続ロッド53とクランク52との間の連結は、クランク52及び第2のモータ51の回転軸βからずれている。接続ロッド53は各々、それらの他端において、クランク52との接続を確立するものと同一のダブルピボット接続54を介してパッドホルダ3に固定されている。接続ロッド53は平行であり、パッドホルダ3を取り囲むようにその両側に1つずつ配置されている。接続ロッド53、クランク52の軸56または横材55、及びパッドホルダ3は、一緒に平行四辺形を形成し、これは
図6でより詳細に記載され、2つの接続ロッド53は2つの対向する辺を形成し、クランク52及びパッドホルダ3は他の2つの対向する辺を形成する。クランク52の横材55は、2つのダブルピボット接続54の間に配置されたクランク52のこの部分55の物理的発現である。
【0051】
ダブルピボット接続54は、x軸を中心とする回転、及びx軸に垂直な軸を中心とする回転を可能にする接続である。第2のモータ51の回転は、このように主にy軸に沿った並進であるパッドホルダ3の変位を引き起こす。
【0052】
第3の運動学的ユニット6は、y軸に沿って配向された回転軸θを中心に第3のクランク62を回転させる第3のモータ61を備える。2つの接続ロッド63は、ダブルピボット接続64を介してクランク62、接続ロッド63の各々に固定され、ダブル接続64における接続ロッド63とクランク62との間の連結は、クランク62及び第2のモータ61の回転軸θからずれている。接続ロッド63は各々、それらの他端において、クランク62との接続を確立するものと同一のダブルピボット接続64を介してパッドホルダ3に固定されている。接続ロッド63は平行であり、パッドホルダ3を取り囲むようにその両側に1つずつ配置されている。接続ロッド63、クランク62、及びパッドホルダ3は、一緒に平行四辺形を形成し、これは
図7でより詳細に記載され、2つの接続ロッド63は2つの対向する辺を形成し、クランク62及びパッドホルダ3は他の2つの対向する辺を形成する。ダブルピボット接続64は、y軸を中心とする回転、及びy軸に垂直な軸を中心とする回転を可能にする接続である。第2のモータ61の回転は、このように主にz軸に沿った並進であるパッドホルダ3の変位を引き起こす。
【0053】
一実施形態では、第1のモータ41、第2のモータ51、及び第3のモータ61は回転モータであり、それらにより駆動装置2を単純化することが可能になる。別の可能な変形形態によれば、クランク42、52、及び62は、クランク42、52、及び62の各々との接続が
図3及び
図4の接続ロッドと同じようにクランクの回転軸からずれているリニアモータによって回転させることができる。
【0054】
運動学的ユニット4、5、及び6の接続ロッド及びクランク構造はまた、モータにストレスを与えることなく力の吸収を単純化することを可能にする。1つの簡単な解決策は、この接続ロッドをフレームに接続する接続ロッドごとのピボット接続を有することであり、ピボット接続は、モータに接続された接続ロッドの端部とは反対側のクランクの端部に配置されている。
【0055】
図1~
図4に示された実施形態では、運動学的ユニットの作動は、パッドホルダ3を単一の軸のみに沿って並進移動させることはなく、パッドホルダ3の移動は、実際には、1つの軸に沿った主成分及び別の軸に沿った二次成分を含む並進である。主成分よりもはるかに重要でないこの二次成分は、補償される寄生成分である。例えば、モータ51の回転に伴う第2の運動学的ユニット5の作動は、y軸に沿った主成分及びz軸に沿った二次成分を有するパッドホルダ3の並進運動を引き起こす。
【0056】
この二次成分を補償するために、駆動モジュール1は、運動学的ユニット4、5、及び6の動作を制御する制御ユニット7を備え、制御ユニット7は、パッドホルダ3の移動がユーザのコマンドに対応するように運動学的ユニット4、5、及び6を作動させる。例えば、ユーザが、パッドホルダ3のz軸に沿った純粋な並進運動を意味するカテーテルの純粋な回転運動を命令した場合、制御ユニット7は、3つの運動学的ユニット4、5、及び6の作動を同時に制御する。第3の運動学的ユニット6は、z軸に沿った主成分及びx軸に沿った二次成分を有する並進運動をパッドホルダに付与するように作動される。二次x軸成分を補償するために、第1の運動学的ユニット4は、パッドホルダ3をx軸に沿って固定したままにするために作動されるが、第1の運動学的ユニット4の作動は二次y軸成分を作り出す。二次y軸成分を補償するために、第2の運動学的ユニット5も、パッドホルダ3をy軸に沿って固定したままにするために作動されるが、第2の運動学的ユニット5の作動は、運動学的ユニット4、5、及び6へのその命令において制御ユニット7によって考慮される二次z軸成分を作り出す。3つの運動学的ユニット4、5、及び6は、ユーザが望むすべての主成分を生成し、ユーザが望まないすべての寄生二次成分を補償するために同時に作動される。
【0057】
図1~
図4に表された実施形態では、駆動モジュール1の機械的構造が単純化されているが、これは、ユーザによって要求され、制御ユニット7によって実施される移動に応じて、運動学的ユニット4、5、及び6の作動を管理するためのアルゴリズムを複雑にする。
【0058】
図5は、駆動モジュールの駆動装置の一例を概略的に表し、
図3の1つの可能な変形形態におけるこの駆動装置の様々な運動学的ユニットのモータを示し、運動学的ユニットが接続ロッド及びクランクシステムの代わりにリニアアクチュエータによって移動するプラットフォームを備える変形形態を示す。
【0059】
図5に示された可能な変形形態によれば、1以上の運動学的ユニット4、5、及び6は、接続ロッド及びクランクシステムによって形成されなくてもよい。駆動装置2は、その機能がz軸に沿ってパッドホルダ3を移動させることであり、リニアアクチュエータ61’によってz軸に沿って並進駆動されるプラットフォーム62’を備える第3の運動学的ユニット6を有する。プラットフォーム62’の回転は、3つの軸のいずれの周りでも防止され、x軸及びy軸に沿った並進も防止される。
図1~
図4の実施形態のクランク62と同様に、プラットフォーム62’は、ダブルピボット接続64を介して2つの接続ロッド63に接続される。接続ロッド63はまた、ダブルピボット接続64を介してパッドホルダ3に接続される。ダブルピボット接続64は、y軸を中心とする回転、及びy軸に垂直な軸を中心とする回転を可能にする接続である。
【0060】
図5では、第1の平行四辺形は、2つの接続ロッド63、プラットフォーム62’、及びパッドホルダ3によって形成され、実際にはより正確に、2つの接続ロッド63、プラットフォーム62’の駆動横材65、及びパッドホルダ3の横材33によって形成される。この第1の平行四辺形は、x軸及びz軸を中心とするパッドホルダ3の回転運動を防止する。クランク62の横材65は、2つのダブルピボット接続64の間に配置されたクランク62のこの部分65の物理的発現である。
図1~
図4に示された実施形態と同様に、第2の平行四辺形は、接続ロッド53、クランク52、及びパッドホルダ3によって形成され、実際にはより正確に、2つの接続ロッド53、クランク52の駆動横材55、及びパッドホルダ3の横材32によって形成される。
【0061】
アクチュエータ61’は、
図5に示された変形形態におけるワームギアモータ69であるが、他のタイプのリニアアクチュエータが代わりに使用されてもよい。
【0062】
図5に示された変形形態は、特にアクチュエータ61’にストレスを与えることなく力を吸収するためのプラットフォーム62’との接続の位置決めに関して、
図1~
図4の変形形態と同じ機械的単純さを提供しない。
【0063】
図6は、
図3による駆動装置の第1の運動学的ユニットの回転防止構造の第1の変形可能な平行四辺形を強調する一例を概略的に表す。
【0064】
接続ロッド53、クランク52の軸56または横材55、及びパッドホルダ3の横材32は、一緒に第1の平行四辺形P1を形成し、2つの接続ロッド53は2つの対向する辺を形成し、クランク52の軸56または横材55及びパッドホルダ3の横材32は他の2つの対向する辺を形成する。第1の平行四辺形P1の4つの辺は、2つのロッド53を互いに平行に、クランク52の軸56または横材55及びパッドホルダ3の横材32を互いに平行に常に保持しながら、ダブル接続54を中心に旋回することによって互いに対して移動することができる。したがって、第1の平行四辺形P1は、4つのダブル接続54であるその4つの頂点を中心にその4つの辺を旋回させることによって変形させることができるが、依然として平行四辺形のままである。
【0065】
第1の平行四辺形P1は、回転軸βに関連して選択されたが、回転軸θまたは回転軸αのいずれかに関連して選択されている可能性がある。
【0066】
図7は、
図1及び
図2による駆動装置の第2の運動学的ユニットの回転防止構造の第2の変形可能な平行四辺形を強調する一例を概略的に表す。
【0067】
接続ロッド63、クランク52の軸66または横材65、及びパッドホルダ3の横材33は、一緒に第2の平行四辺形P2を形成し、2つの接続ロッド63は2つの対向する辺を形成し、クランク62の軸66または横材65及びパッドホルダ3の横材33は他の2つの対向する辺を形成する。第2の平行四辺形P2の4つの辺は、2つの接続ロッド63を互いに平行に、クランク62の軸66または横材65及びパッドホルダ3の横材33を互いに平行に常に保持しながら、ダブル接続64を中心に旋回することによって互いに対して移動することができる。したがって、第2の平行四辺形P2は、4つのダブル接続64であるその4つの頂点を中心にその4つの辺を旋回させることによって変形させることができるが、依然として平行四辺形のままである。
【0068】
第2の平行四辺形P2は、回転軸θに関連して選択されたが、回転軸βまたは回転軸αに関連して選択されている可能性がある。
【0069】
それぞれ
図6及び
図7により詳細に記載された平行四辺形P1及びP2を有する駆動装置2の二重平行四辺形構造は、パッドホルダ3のすべての並進運動を可能にしながら、前記パッドホルダ3のすべての回転運動を防止することを可能にする構造的に単純な解決策である。実際、各平行四辺形P1またはP2は、パッドホルダ3の2つの回転軸を中心とする回転を防止し、3つの回転軸を中心とする回転は、2つの平行四辺形を加えることによって防止される。
【0070】
接続ロッド53、クランク52、及びパッドホルダ3の横材32によって形成される第1の平行四辺形P1は、y軸及びz軸に沿った前記パッドホルダ3の回転を防止する。パッドホルダ3の横材32は、2つのダブルピボット接続54を接続するパッドホルダ3の一部分の物理的発現にすぎない。実際、パッドホルダ3はクランク52と平行に保持され、クランク52はβ軸(したがってx軸)を中心とする回転においてのみ移動可能なので、y軸及びz軸を中心とするパッドホルダ3の回転運動は防止される。
【0071】
接続ロッド63、クランク63、及びパッドホルダ3の横材33によって形成される第2の平行四辺形P2は、x軸及びz軸に沿った前記パッドホルダ3の回転を防止する。パッドホルダ3の横材33は、2つのダブルピボット接続64を接続するパッドホルダ3の一部分の物理的発現にすぎない。実際、パッドホルダ3はクランク62と平行に保持され、クランク62はθ軸(したがってy軸)を中心とする回転においてのみ移動可能なので、x軸及びz軸を中心とするパッドホルダ3の回転運動は防止される。
図7を見やすくするために、第2の平行四辺形P2は第2の運動学的ユニットの接続ロッド53の前方に示されているが、実際には、第2の平行四辺形P2の4つの頂点は4つのダブル接続64なので、実際には、それは接続ロッド53の後方にある。
【0072】
回転軸αにおいて単一の接続ロッド43を使用することによって構造を単純化することが可能になるので、構造は第3の平行四辺形を含まず、3つの回転軸x、y、及びzを中心とする回転は、2つの平行四辺形P1及びP2によってすでに防止されている。
【0073】
当然のことながら、本発明は、記載及び表現された例及び実施形態に限定されず、当業者が利用できる多数の変形形態が可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 駆動モジュール、2 駆動装置、3 パッドホルダ、4 第1の運動学的ユニット、5 第2の運動学的ユニット、6 第3の運動学的ユニット、7 制御ユニット、31 操作部分、32 横材、33 横材、41 第1のモータ、42 第1のクランク、43 接続ロッド、44 ダブルピボット接続、51 第2のモータ、52 第2のクランク、53 接続ロッド、54 ダブルピボット接続、55 駆動横材、部分、56 軸、61 第3のモータ、61’ リニアアクチュエータ、62 第3のクランク、62’ プラットフォーム、63 接続ロッド、64 ダブルピボット接続、65 駆動横材、部分、66 軸、69 ワームギアモータ、P1 第1の平行四辺形、P2 第2の平行四辺形、α 回転軸、β 回転軸、θ 回転軸
【手続補正書】
【提出日】2023-08-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルロボットの細長い可撓性医療機器用の駆動モジュールであって、
●互いに対向して配置された2つのパッドホルダ(3)をそれぞれ保持し、2つのパッドをそれぞれ受け入れることを目的とする少なくとも2つの駆動装置(2)を備え、前記パッドが互いに接近するにつれて前記細長い可撓性医療機器を担持して前記細長い可撓性医療機器を並進及び/または回転駆動させ、
●前記駆動装置(2)それぞれが、自立式であり、3つの駆動ユニット(4、5、6)を備え、前記駆動ユニットそれぞれが、互いに独立して3つの直交する空間方向(x、y、z)にそれぞれ前記パッドホルダ(3)を並進駆動し、前記駆動ユニットそれぞれが、駆動モータ(41、51、61)を備え、少なくとも2つの駆動ユニット(5、6)が、前記パッドホルダ(3)の回転運動を防止する回転防止構造を有し、
o自立式の前記駆動装置が、さらなる支持要素の存在なしに前記パッドホルダが所定の位置に保持されることをそれ自体の構造が保証する駆動装置であり、
o他の前記駆動ユニットから独立した前記駆動ユニットが、別の前記駆動ユニットの重量を支持することもなくそれ自体の重量のみを支持する駆動ユニットであり、
o前記回転防止構造が、
*前記駆動モータ(51、61)によって駆動される駆動横材(55、65)と、
*前記パッドホルダ(3)に堅固に接続され、前記駆動横材(55、65)によって駆動される前記パッドホルダ(3)の横材(32、33)と、
*2つの接続ロッド(53、63)と
を備え、
2つの前記接続ロッドそれぞれが、
・前記接続ロッドの端部の一方によって、互いに離間して設定された前記駆動横材(55、65)の2つの旋回点(54、64)に接続され、
・前記接続ロッドの端部の他方によって、互いに離間して設定された前記パッドホルダ(3)の前記横材(32、33)の2つの前記旋回点(54、64)に接続されており、
*前記駆動横材(55、65)、前記パッドホルダ(3)の横材(32、33)、及び2つの前記接続ロッド(53、63)が、一緒に4つの前記旋回点(54、64)であるその4つの頂点で変形可能な平行四辺形(P1、P2)を形成する、駆動モジュール。
【請求項2】
2つの前記接続ロッド(53、63)が互いに平行である、請求項1に記載の駆動モジュール。
【請求項3】
少なくとも1つの駆動ユニット(5、6)が前記回転防止構造を有する場合、
●前記駆動ユニット(5、6)の前記回転防止構造がまた、前記駆動モータ(51、61)によってその回転軸を中心に回転するように駆動されるクランク(52、62)を備え、
●前記駆動横材(55、65)が、その2つの前記旋回点(54、64)の間を延在する縦軸を有し、
●前記クランク(52、62)の前記回転軸が、前記駆動横材(55、65)の前記縦軸に平行であり、かつそのままであり、
●前記クランク(52、62)の前記回転軸と前記駆動横材(55、65)の前記縦軸との間のギャップを意味する軸間ギャップが一定であり、かつそのままであり、その結果、前記クランク(52、62)の回転が前記駆動横材(55、65)の前記縦軸の回転を引き起こす、
請求項1に記載の駆動モジュール。
【請求項4】
少なくとも2つの駆動ユニット(5、6)が回転防止構造を有する場合、
2つの前記駆動ユニット(5、6)の各々について、
●前記駆動ユニット(5、6)の前記回転防止構造がまた、前記駆動モータ(51、61)によってその回転軸を中心に回転するように駆動されるクランク(52、62)を備え、
●前記駆動横材(55、65)が、その2つの前記旋回点(54、64)の間を延在する縦軸を有し、
●前記クランク(52、62)の前記回転軸が、前記駆動横材(55、65)の前記縦軸に平行であり、かつそのままであり、
●前記クランク(52、62)の前記回転軸と前記駆動横材(55、65)の前記縦軸との間のギャップを意味する軸間ギャップが一定であり、かつそのままであり、その結果、前記クランク(52、62)の回転が前記駆動横材(55、65)の前記縦軸の回転を引き起こす、請求項3に記載の駆動モジュール。
【請求項5】
前記駆動装置(2)当たり2つの前記駆動ユニット(5、6)のみが前記回転防止構造を有する、請求項4に記載の駆動モジュール。
【請求項6】
第3の前記駆動ユニット(4)が前記回転防止構造をもたない場合、
前記駆動ユニット(4)の前記構造が、
●前記駆動モータ(41)によって駆動される前記駆動横材と、
●前記パッドホルダ(3)に堅固に接続され、前記駆動横材によって駆動される前記パッドホルダ(3)の前記横材と、
●単一の接続ロッド(43)と
を備え、
前記接続ロッドが、
o前記接続ロッドの端部の一方によって、前記駆動横材の旋回点(44)に接続され、
o前記接続ロッドの端部の他方によって、前記パッドホルダ(3)の前記横材の前記旋回点(44)に接続されている、請求項5に記載の駆動モジュール。
【請求項7】
第3の前記駆動ユニット(4)が前記回転防止構造をもたない場合、
●前記駆動ユニット(4)の前記構造がまた、前記駆動モータ(41)によってその回転軸を中心に回転するように駆動されるクランク(42)を備え、
●前記駆動横材が縦軸を有し、
●前記クランク(42)の前記回転軸が前記駆動横材の前記縦軸に平行であり、かつそのままであり、
●前記クランク(42)の前記回転軸と前記駆動横材の前記縦軸との間のギャップを意味する軸間ギャップが一定であり、かつそのままであり、その結果、前記クランク(42)の回転が前記駆動横材の前記縦軸の回転を引き起こす、請求項6に記載の駆動モジュール。
【請求項8】
1つの前記駆動ユニット(4、5、6)について、またはいくつかの前記駆動ユニット(4、5、6)について、またはすべての前記駆動ユニット(4、5、6)について、1以上の前記駆動モータ(41、51、61)が、前記駆動横材(55、65)に堅固に接続されたクランク(42、52、62)の回転を駆動する回転モータである、請求項1から7のいずれか一項に記載の駆動モジュール。
【請求項9】
1つの前記駆動ユニット(4、5、6)について、またはいくつかの前記駆動ユニット(4、5、6)について、またはすべての前記駆動ユニット(4、5、6)について、1以上の前記駆動モータ(41、51、61)が、前記駆動横材(55、65)を並進駆動するようにワームネジ(69)の回転を駆動する回転モータである、
請求項1から7のいずれか一項に記載の駆動モジュール。
【請求項10】
前記駆動装置(2)ごとに、
●前記駆動装置(2)の3つの前記駆動ユニット(4、5、6)の各々について、
o前記駆動ユニット(4、5、6)が、
*主方向の主並進成分に沿って前記パッドホルダ(3)を駆動し、前記主方向が3つの前記駆動ユニット(4、5、6)の各々に対して異なり、
*別の方向の寄生並進成分に沿って前記パッドホルダ(3)を駆動し、前記別の方向が3つの前記駆動ユニット(4、5、6)の各々に対して異なり、
●前記駆動装置(2)の3つの前記駆動ユニット(4、5、6)の各々が、その主方向に沿ったその主並進成分において、この主方向における前記他の駆動ユニット(4、5、6)のうちの1つの前記寄生並進成分に対する補償を組み込む、
請求項1から7のいずれか一項に記載の駆動モジュール。
【請求項11】
前記旋回点(54、64)が、2つの自由度で旋回することができるヒンジである、
請求項1から7のいずれか一項に記載の駆動モジュール。
【国際調査報告】