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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】宝石カット
(51)【国際特許分類】
   A44C 27/00 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
A44C27/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546189
(86)(22)【出願日】2021-11-11
(85)【翻訳文提出日】2023-07-28
(86)【国際出願番号】 US2021072347
(87)【国際公開番号】W WO2022104351
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】29/758,255
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/113,324
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523287610
【氏名又は名称】ワイトマン、ゼブ・ウォルフ
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワイトマン、ゼブ・ウォルフ
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114AA21
3B114BE01
3B114BE04
(57)【要約】
丸い形状または修正された丸い形状にカットされた宝石は、合計81個のファセットを有する。宝石は、ガードルによって分離されたクラウンおよび底部を含む。クラウンは、16個のスターファセットによって囲まれたテーブルを含む。16個のスターファセットは、8個の主ベゼルファセット及び8個の副ベゼルファセットによって囲まれている。クラウンがテーブルを取り囲む合計48個のファセットを有するように、8個の主および副ベゼルファセットは、16個の主アッパーガードルファセットによって取り囲まれる。宝石の底部は、8個の主パビリオンファセットおよび8個の副パビリオンファセットによって囲まれたキューレットを有する。8個の主および副パビリオンファセットは、それらの間の16個のローワーガードルファセットによって囲まれている。底部は、キューレットを囲む合計32個のファセットを有する。テーブルを含めて、この宝石は、ガードルによって囲まれることができる合計81個のファセットを有することができる。
【選択図】図1D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
宝石であって、
ガードルによって分離されたクラウン部分および底部部分と、前記クラウンは、8個の主ベゼルファセットと、前記主ベゼルファセットに隣接し、前記主ベゼルファセット間で交互になっている8個の副ベゼルファセットとによって囲まれたテーブルを含み、前記8個の主および副ファセットは、前記テーブルから前記ガードルに向かう方向にある角度で伸張し、前記主ベゼルファセットは、前記テーブルから前記ガードルまで、前記隣接する副ベゼルファセットが前記ガードルまで伸張するよりも大きい前記ガードルまでの距離だけ下方に伸張し、
前記テーブルと、隣接する主および副ベゼルファセットの角度とによって規定される8対の三角形スターファセットと、ここで、前記スターファセットは、前記テーブルと前記ガードルとの間の距離の約40%だけ前記テーブルから前記ガードルに向かって下方に伸長し、
8対のアッパーガードルファセットと、ここで、各アッパーガードルファセットは、前記ガードルから前記テーブルに向かって前記ガードルおよび前記テーブルからの距離の約60%伸張し、
中央キューレット、および、前記キューレットと前記テーブルとの中心点を通って伸張する中心軸を含む前記底部部分と、前記底部部分は、前記ガードルから前記キューレットまで下方に伸張する8個の主パビリオンと、前記主パビリオンに隣接し、前記主パビリオンの間で交互になっている8個の副パビリオンとをさらに含み、前記8個の副パビリオンは、前記ガードルと前記キューレットとの間の距離の約85%だけ前記ガードルから前記キューレットに向かって下方に伸張し、
前記ガードルと前記キューレットとの間の距離の約70%だけ前記ガードルから前記キューレットに向かって伸長する8対のローワーガードルファセットとを備える、宝石。
【請求項2】
前記8個の主ベゼルファセットは、ガードル平面に対して前記副ベゼルファセットよりも1から1-1/2度高い範囲でカットされる、請求項1に記載の宝石。
【請求項3】
前記スターファセットは、ガードル平面に対して約3度低いそれぞれのベゼルファセットに対して横方向にカットされ、それによって、それらの間の複数のリブ線を強調する、請求項1に記載の宝石。
【請求項4】
前記アッパーガードルファセットは、ガードル平面に対して前記隣接するベゼルファセットよりも約3度急な角度である、請求項1に記載の宝石。
【請求項5】
各底部ファセットは、丸い宝石の360度の半径において隣接するファセットに対して互いに約11と1/4度で等しく角度付けられている、請求項1に記載の宝石。
【請求項6】
前記クラウン上の前記主ベゼルおよび前記底部上の前記副パビリオンは、前記隣接する副ベゼルおよび主パビリオンファセットよりも急な角度で前記ガードル内にさらに前進し、それによって、交互の点において前記宝石のためのより大きい広がりを保持する、請求項1に記載の宝石。
【請求項7】
宝石であって、
ガードルによって分離されたクラウンおよび底部と、前記クラウンは、6つの主ベゼルファセットによって囲まれたテーブルを含み、6つの副ベゼルファセットがそれらの間で交互に配置され、ここで、前記主ベゼルは、前記副ベゼルファセットより大きい距離だけ前記テーブルから前記ガードル内に前進し、前記主ベゼルファセットは、ガードル平面に対して隣接する副ベゼルファセットより2から3度高くカットされ、
6対の三角形のスターと、ここで、前記スターは、前記テーブルと前記ガードルとの間の距離の約75%だけ前記テーブルから前記ガードルに向かって下方に伸張し、それらのそれぞれのベゼルファセットの左右からカットされ、
6対のトップブレークと、ここで、これらは、前記テーブルに向かって約25%伸張し、前記ガードル平面に対して約55度で決定され、
前記ガードルからキューレットまで伸張する6つの主パビリオンを含む前記底部と、6つの副パビリオンは、前記6つの主パビリオンに隣接し、これは、前記隣接する主パビリオンよりも前記ガードル内に深く伸張し、前記副パビリオンは、前記ガードルから前記キューレットに向かって約90%伸張し、前記隣接する主パビリオンに等しいまたは実質的に等しい幅を有し、前記副パビリオンは、前記隣接する主パビリオンよりも前記ガードル内に長い距離を伸張し、
前記ガードルから前記キューレットに向かって約70%伸張する6対のローワーガードルファセットとを備える、宝石。
【請求項8】
前記スターは、前記隣接するベゼルファセットよりも約3度低い、請求項7に記載の宝石。
【請求項9】
各底部ファセットは、その修正された丸い形状の360度の半径において、隣接するファセットから約15度互いに角度が付けられている、請求項7に記載の宝石。
【請求項10】
前記クラウン上の前記主ベゼルおよび前記底部上の副パビリオンは、前記隣接する副ベゼルおよび主パビリオンファセットよりも急な角度で前記ガードル内にさらに前進し、それによって、交互の点において前記宝石のより大きな広がりを保持する、請求項7に記載の宝石。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2020年11月13日出願の米国仮出願シリアル番号第63/113,324号、および2020年11月13日出願の米国意匠出願シリアル番号第29/758,255号の利益を主張するものであり、それらの内容は、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本発明は、宝石に関し、より詳細には、宝石のための新しいファセット配置および宝石をカットする方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]米国特許第8,297,075号(以下、「‘075特許」)は、カットされた宝石および宝石をカットする方法の様々な実施形態を開示しており、その内容はその全体が参照により組み込まれる。特に、‘075特許は、6個または8個のブロックされた基礎を有する粗いラウンドストーンから仕上げられたラウンドストーンへの基本的なカット技術を開示しており、仕上げられたラウンドストーンは、一実施形態では、ダブルテーブル線を有する仕上げられたストーン上に合計161個のファセットを有する。第2の実施形態では、合計177個のファセットが、トリプルテーブル線を用いてストーン上でカットされる。第3の実施形態では、合計194個のファセットが、トリプルガードル線と組み合わされたトリプルテーブル線を用いてストーン上でカットされる。任意選択的に、キューレットファセットを設けることもできる。第2のファセットが隣接する第1のファセットから「カットされる」角度が大きいほど、それらの間の線(リブ線またはテーブル線)がより顕著になる(またはより強くなる)ことは周知である。逆に、第2のファセットが第1のファセットから「カット」される角度が小さいほど、それらの間の線は目立たなくなる(または弱くなる)。
ファセットの数、それらの配置、サイズおよび形状、ならびに互いに対する角度は、宝石における全体的な向上に寄与する主要な要因である。
【0004】
[0004]ダイヤモンドは、「カットグレード」に関連する特定の輝度と、ファセットがどのように配置されるかと、それらの上部ファセットと底部ファセットとの間の角度関係(投光し、光を捕らえること)とを有するものとして説明することができ、宝石配置を、それを取り囲む光源と相互作用しながら光学的に機能するように強化する。シンチレーションまたは「スパークル」は、宝石のファセットの表面からの光源の反射であり、宝石を見る角度に対して観察者の目と相互作用する。互いに隣接するファセットの角度間の度数の変化は、より広い位置のアレイで宝石表面を横切って進み、そこで反射する光の能力を強化する。光分散とは、白色の光を受けたり反射したりするのではなく、ファセット屈折光からその色の波長スペクトルへの屈折を説明する用語である。
【0005】
[0005]「Gem News International」(Gems and Gemology,Vol.46,No.2,pp.147-162;2010年夏発行)と題された米国宝石協会からの業界紙は、ガードルエッジの近くに、ストーンを通る直接的な光路を提供するように傾けられた小さな不均一で急勾配の三角形のクラウンファセットと、暗く見えるときに「漏れ」光とを有する宝石に関する研究を開示しており、これは、表を上にして見たときにスカロップ状の外観を作り出す。実際、急なガードルファセットは実際には光を「漏らさない」。むしろ、観察者の視点からは、クラウンの上面図からの外観はガードルの周りのスカロップ状縁部であるように見える。なぜなら、ガードルファセットが光を受けず、したがって、テーブルおよび隣接するベゼルファセットに対するそれらの急な角度のために観察者には見えないからである。
【0006】
[0006]‘075特許に記載され示された実施形態は大きな魅力を有するが、所望の最終製品を達成するためには、かなりの数のファセットを計算して作製しなければならない。ダイヤモンドは最も硬い既知の宝石であるが、ほとんどが不完全性を有する。形成されなければならない各追加のカットは、宝石を製造時に危険にさらし、弱い線を有する宝石と同様に、観察者のためのファセット配置において全体的に複雑な性能を作り出す。従って、‘075特許およびGems and Gemology 2010研究で参照されたファセットを改良する必要がある。さらに、当技術分野では、宝石の特徴、外観、性能および魅力を高めながら、従来技術の宝石カット配置を簡略化することがさらに必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
[0007]従来技術に関連するこれまでの欠点は、本発明の宝石の実施形態によって克服され、本発明の宝石の実施形態では、新規なファセット構成が、簡略化されたカット、従来技術と比較してより大きなファセットサイズ、ならびに強化された宝石の特徴、外観、性能および魅力を備えて提供される。
【0008】
[0008]本明細書における利点ならびに産業および消費者などに対する顕著な改善は、より大きな重量比保持、ストーンの上部および底部上のファセット配置の単純化を含み、これは、ファセットのより大きなサイズおよびクラウンと底部との間の角度におけるそれらの関係を可能にし、ならびに輝度/光性能を向上させる。隣接するファセット間の角度のより大きな交替は、宝石上の線を鋭くするのに役立ち、宝石のシンチレーション/スパークルおよび内部テクスチャを向上させる。'gems and gemology 2010で参照されているガードルの縁近くの三角形クラウンファセットのより大きなサイズ、ならびに直接光路としてのそれらの性能のためのより良好な角度は、ストーンを非常に鋭くし、よりスカロップ状の外観を提供する。ガードルからテーブル(円形)への、またはテーブルからガードル(修正された円形)への三角形ファセットの延長は、宝石の観察者に太陽(円形)または花(修正された円形)の知覚を提供し、宝石が光と相互作用するときに、視覚配置を理想的なファセット角度にさらすことから、外側および内側の特性が表示される。本明細書における2つの実施形態は、それらのそれぞれの円形(8個のセクション)または修正された円形(6個のセクション)形状を前提として、ブロッキングセクション(カットの第1の段階、基本ファセット構築)の量が異なるだけで、上部および下部の同一の基本構造上に構築される。2つの実施形態は、副ブロッキングの方法を共有し、ファセットの副セクションは、宝石の上部および底部をカットする主手順中に、ブロックされたファセットセットの主基礎を分割する。主および副上部および底部ファセットの両方のセクションは、同じ形状をもたらし、(6個または8個のブロッキング構造上の上部または底部に応じて)ほぼ同じサイズであり、宝石の表面積においてほぼ同じ距離に達する。2つの実施形態はまた、カットの第2段階であるブリリアテアリング(brillianteering)後のそれらの最終配置における関係を示し、ここで最終的なファセット形状が形成され、本明細書で言及されるような三角形ファセットサイズに関して、ストーンの上部および底部で互いに同様である。
【0009】
[0009]第1の実施形態において、宝石は、
ガードルによって分離されたクラウン部分および底部部分と、クラウンは、8個の主ベゼルファセットと、主ベゼルファセットに隣接し、主ベゼルファセット間で交互になっている8個の副ベゼルファセットとによって囲まれたテーブルを含み、8個の主および副ファセットは、テーブルからガードルに向かう方向にある角度で伸張し、主ベゼルファセットは、より低い角度でガードルに前進する隣接する副ベゼルファセットよりも急な角度でテーブルからガードルまで下方に伸張し、16個のベゼルファセットはすべて同じ形状を保持し、ほぼ同じサイズであり、
テーブルと、隣接する主および副ベゼルファセットの角度とによって規定される8対の三角形スターファセットと、ここで、スターファセットは、テーブルとガードルとの間の距離の約40%だけテーブルからガードルに向かって下方に伸長し、
8対のアッパーガードルファセットと、ここで、各アッパーガードルファセットは、ガードルからテーブルに向かってガードルおよびテーブルからの距離の約60%伸張し、
中央キューレット、および、キューレットとテーブルとの中心点を通って伸張する中心軸を含む底部部分と、底部部分は、ガードルからキューレットまで下方に伸張する8個の主パビリオンと、主パビリオンに隣接し、主パビリオンの間で交互になっている8個の副パビリオンとをさらに含み、8個の副パビリオンは、それらの隣接する主パビリオンよりもガードルにさらに前進し、ガードルとキューレットとの間の距離の約85%だけガードルからキューレットに向かって下方に伸張し、
ガードルとキューレットとの間の距離の約70%だけガードルからキューレットに向かって伸長する8対のローワーガードルファセットとを備えている。
【0010】
[0010]一態様では、8個の主ベゼルファセットは、ガードル平面に対して副ベゼルファセットよりも1から2度高い範囲でカットされる。別の態様において、スターファセットは、ガードル平面に対して約3度低い(より平坦な)それぞれのベゼルファセットに対して横方向にカットされ、それによって、それらの間の複数のリブ線を強調する。さらなる態様において、アッパーガードルファセットは、ガードル平面に対して隣接するベゼルファセットよりも約3度急な角度である。さらに別の態様では、各底部ファセットは、丸い宝石の360度の半径内の隣接するファセットに対して等しく約11と4分の1度離れて角度を付けられる。
【0011】
[0011]別の実施形態において、宝石は、
ガードルによって分離されたクラウンおよび底部と、クラウンは、6個の主ベゼルファセットによって囲まれたテーブルを含み、6個の副ベゼルファセットがそれらの間で交互に配置され、ここで、主ベゼルは、副ベゼルファセットより大きい距離だけテーブルからガードル内に前進し、主ベゼルファセットは、ガードル平面に対して隣接する副ベゼルファセットより2から3度高くカットされ、
6対の三角形のスターと、ここで、スターは、テーブルとガードルとの間の距離の約75%だけテーブルからガードルに向かって下方に伸張し、それらのそれぞれのベゼルファセットの左右から約3度低くカットされ、
6対のトップブレークと、ここで、これらは、テーブルに向かって約25%伸張し、ガードル平面に対して約55度で決定され、
ガードルからキューレットまで伸張する6個の主パビリオンを含む底部と、6個の副パビリオンは、6個の主パビリオンに隣接し、これは、隣接する主パビリオンよりもガードル内に深く伸張し、副パビリオンは、ガードルからキューレットに向かって約90%伸張し、隣接する主パビリオンに等しいまたは実質的に等しい幅を有し、
ガードルからキューレットに向かって約70%伸張する6対のローワーガードルファセットとを備え、ここで、各底部ファセットは、その修正された丸い形状の360度の半径において、その隣接するファセットから約15度互いに角度が付けられている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
[0012]本発明の上記および他の特徴、その性質および様々な利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を考慮すると、より明らかになるであろう。
図1A】[0013]図1Aは、本発明による丸い宝石カットの第1の実施形態の様々な図を描いている。
図1B図1Bは、本発明による丸い宝石カットの第1の実施形態の様々な図を描いている。
図1C図1Cは、本発明による丸い宝石カットの第1の実施形態の様々な図を描いている。
図1D図1Dは、本発明による丸い宝石カットの第1の実施形態の様々な図を描いている。
図1E図1Eは、本発明による丸い宝石カットの第1の実施形態の様々な図を描いている。
図2A】[0014]図2Aは、図1Aから図1Eの第1の実施形態のクラウン部分の、丸いブロックされたクラウンから宝石の仕上げられたクラウンカットまでのカット段階の様々な上面図を描いている。
図2B図2Bは、図1Aから図1Eの第1の実施形態のクラウン部分の、丸いブロックされたクラウンから宝石の仕上げられたクラウンカットまでのカット段階の様々な上面図を描いている。
図2C図2Cは、図1Aから図1Eの第1の実施形態のクラウン部分の、丸いブロックされたクラウンから宝石の仕上げられたクラウンカットまでのカット段階の様々な上面図を描いている。
図3A】[0015]図3Aは、図1Aから図1Eの第1の実施形態の底部部分の、宝石の丸いブロックされた底部から仕上げられた底部カットまでのカット段階の様々な上面図を描いている。
図3B図3Bは、図1Aから図1Eの第1の実施形態の底部部分の、宝石の丸いブロックされた底部から仕上げられた底部カットまでのカット段階の様々な上面図を描いている。
図3C図3Cは、図1Aから図1Eの第1の実施形態の底部部分の、宝石の丸いブロックされた底部から仕上げられた底部カットまでのカット段階の様々な上面図を描いている。
図4A】[0016]図4Aは、本発明による丸い宝石カットの第2の実施形態の様々な図を描いている。
図4B図4Bは、本発明による丸い宝石カットの第2の実施形態の様々な図を描いている。
図4C図4Cは、本発明による丸い宝石カットの第2の実施形態の様々な図を描いている。
図4D図4Dは、本発明による丸い宝石カットの第2の実施形態の様々な図を描いている。
図4E図4Eは、本発明による丸い宝石カットの第2の実施形態の様々な図を描いている。
図5A】[0017]図5Aは、本発明による宝石カットの第3の実施形態の様々な図を描いている。
図5B図5Bは、本発明による宝石カットの第3の実施形態の様々な図を描いている。
図5C図5Cは、本発明による宝石カットの第3の実施形態の様々な図を描いている。
図5D図5Dは、本発明による宝石カットの第3の実施形態の様々な図を描いている。
図5E図5Eは、本発明による宝石カットの第3の実施形態の様々な図を描いている。
図5F図5Fは、本発明による宝石カットの第3の実施形態の様々な図を描いている。
図6A】[0018]図6Aは、図5Aから5Fの第3の実施形態のクラウン部分の、修正された円形のブロックされたクラウンブロックから宝石の仕上げられたクラウンカットまでのカット段階の様々な上面図を描いている。
図6B図6Bは、図5Aから5Fの第3の実施形態のクラウン部分の、修正された円形のブロックされたクラウンブロックから宝石の仕上げられたクラウンカットまでのカット段階の様々な上面図を描いている。
図6C図6Cは、図5Aから5Fの第3の実施形態のクラウン部分の、修正された円形のブロックされたクラウンブロックから宝石の仕上げられたクラウンカットまでのカット段階の様々な上面図を描いている。
図7A】[0019]図7Aは、図5Aから図5Fの第3の実施形態の底部部分の、修正された円形のブロックされた底部から宝石の仕上げられた底部カットまでのカット段階の様々な上面図を描いている。
図7B図7Bは、図5Aから図5Fの第3の実施形態の底部部分の、修正された円形のブロックされた底部から宝石の仕上げられた底部カットまでのカット段階の様々な上面図を描いている。
図7C図7Cは、図5Aから図5Fの第3の実施形態の底部部分の、修正された円形のブロックされた底部から宝石の仕上げられた底部カットまでのカット段階の様々な上面図を描いている。
【0013】
[0020]本発明の理解を促進するために、適切な場合、図面に共通の同一のまたは類似の要素を指定するために、同一の参照番号が使用されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0021]図1Aから1Eを参照すると、宝石100の第1の実施形態が実例的に示されている。宝石100は、クラウン101、底部103、およびガードル116を含む。ガードル116は、図1Cに最もよく見られるように、ストーンのクラウン101と底部103との間の分離エリアである。クラウン101は、例示的に、図1Aに示されるように、16個のスターファセット102(8対のスターファセットとも呼ばれる)、8個の主ベゼルファセット104、8個の副ベゼルファセット106、16個のアッパーガードルファセット108(8対のアッパーガードルファセットとも呼ばれる)、および110で示される1つの円形テーブルを含む。
【0015】
[0022]ダイヤモンド上のファセットは、1つの線を形成する交差する幾何学的平面であり、この線は、2つの交差するファセットの点で生じる。これら2つの交差ファセットのうちの1つがテーブル110である場合、これら2つのファセットの交点における線は、テーブル線112と呼ばれる。ダイヤモンド上の任意の他の線、すなわちクラウン101上または底部103上の線は、リブ線114と呼ばれる。図1Aは、16本のテーブル線112および複数のリブ線114を有する本発明のクラウンを示す。
【0016】
[0023]図1Bは、ガードル116、8個の主パビリオンファセット118、8個の副パビリオンファセット120、および16個のローワーガードルファセット122(8対のローワーガードルファセットとも呼ばれる)、ならびにキューレット124を有する宝石100の第1の実施形態の底面図を示す。
【0017】
[0024]ファセットの配置をよりよく理解するために、宝石100の第1の実施形態の側面図を描いている図1C、ならびに宝石100の第1の実施形態の上面斜視図および底面斜視図をそれぞれ描いている図1Dおよび図1Eも示されている。
【0018】
[0025]図2Aから2Cを参照すると、図1Aから1Eの第1の実施形態のクラウン101を粗いラウンドストーンから仕上げられたクラウン101にカットするための概略上面図が示されている。図2Aにおいて、円形の最初の形成は、8個の主ベゼル104、8個の副ベゼル106および16個のアッパーガードルファセット108を有する8カウントブロックとして示されている。第1のステップにおいて、8個の主ベゼルファセット104がカットされる。第2のステップでは、クラウン101の副ブロッキング手順が実行され、8個の副ベゼル106が、示されるように8個の主ベゼルファセットの間に隣接して位置付けられ、すなわちインターリーブされ、それらの主ベゼル104とほぼ同じサイズであるようにカットされる。主ベゼル104は、ガードルに達するが、より低い角度ではそれほど前進しないそれらの隣接する副ベゼル106よりも急な角度でガードル内にさらに前進する。
【0019】
[0026]図2Bを参照すると、ブリリアンテアリングの副カットプロセスが例示的に示されている。破線で示すように、16個のスターファセット(三角形状ファセット)102が形成される。各脚部に沿った16個のスターファセット102のそれぞれの始点は、隣接する一対の主ベゼル104と副ベゼル106との間に形成されたリブ線114にある。各スターファセット102は、テーブル110に隣接してテーブル線112を形成する1つの側面(ベース)を有する。三角形スター102の各脚部は、テーブル110からリブ線114を下って進み、ガードル116に対して約40%に達する頂点を形成する。
【0020】
[0027]16個のアッパーガードルファセット108はまた、主ベゼルファセット104および副ベゼルファセット106の隣接する対の間に形成され、リブ線114によって分離される。各アッパーガードルファセット108も同様に、ガードル116に隣接する底辺を有する三角形状である。三角形のアッパーガードルファセット108の頂点は、テーブルに向かう方向に約60%伸張し、図2Cに示すように、対応するスターファセット102の頂点と位置合わせされて交わる。図2Cに示される宝石の全体的な外観は、8対のスター102によって形成され、それらの間に16個の主ベゼル104および副ベゼル106があり、円形テーブルからガードルに伸張する16個のより大きい三角形の視覚効果を形成し、8対のアッパーガードルファセット108は、輝いた太陽の外観をもたらすその美しい配置のための境界として作用する。スター102とアッパーガードルファセット108の両方の角度は、それらの隣接する主ベゼルファセット104および副ベゼルファセット106によって決定され、スター102は、主ベゼル104および副ベゼル106のブロッキングステップが決定されたときに選択された角度に対して、それぞれのベゼル104および106よりも約3度低く、アッパーガードルファセット108は約3度高い。
【0021】
[0028]ここで図2Cを参照すると、16個の仕上げられたスターファセット102および16個の仕上げられたアッパーガードルファセット108が示されており、これらは、図2Bの破線によって示されたストーンのエリアから得られたものである。アッパーガードルファセット108がガードル116とテーブル110との間の方向に50%を超える距離だけ伸張し、それによってテーブル110を取り囲むスターファセット102の長さを短くするので、上面図からの仕上げられたストーン100の外観は、概して太陽の像に似ている。さらに、主ベゼル104および副ベゼル106は、テーブル110とガードル116との間の全長に伸張し、主ベゼル104は、それらの隣接する副ベゼル106よりも急な角度でガードル内にさらに前進する。主ベゼル104および副ベゼルが106が(ダイヤモンドプラクティスの光学法則に従い、マルセル・トルコフスキーによって普及されている)34から36度に近い好ましい角度に設定されるとき、この配置で宝石をブリリアンテアリングするときの残りのファセットのスペース(real estate)は、受光可能な角度で予め決定され、したがってクラウンファセット全体が照明にさらされる。図1Aから図1Eの第1の実施形態では、クラウンは、テーブル110、8個の主ベゼルファセット104、8個の副ベゼルファセット106、16個のスターファセット102、および16個のアッパーガードルファセット108を含む、合計49個のファセットを含む。
【0022】
[0029]以下の段落では、他のファセットに関する他の角度について説明する。これらの角度がどのように理解されるか、およびダイヤモンドプリズムを独特の配置で彫刻しながら光学的に強化するためのそれらの相対的重要性を明確にするために、1つの幾何学的平面の角度が別の幾何学的平面に関してのみ実現されることを理解することが重要である。ダイヤモンドおよび他の宝石を彫刻する場合、設定された幾何学的平面は、図1Cに示される有形ガードル116ではない。むしろ、設定された幾何学的平面は、「無形ガードル」と呼ばれる(本明細書ではガードル平面GPとして説明および図示される)、これは、テーブル110に平行であり、有形ガードル116を通って中心位置に伸張する平面であり、すなわち、ガードル平面GPは、図1Cに例示的に示されるように、宝石100のクラウン101(図1A)および底部(図1B)部分を分離するテーブル110の下およびガードル116を通る理論的境界である。例として、8個の主ベゼル104に対して設定される35度の角度は、したがってガードル平面GPに対して設定される。同様に、クラウン101および底部103上の他のファセットの角度もまた、本明細書で参照されるガードル平面GPに対するものである。宝石をカットするとき、ガードル平面GPは、カットプロセス中にDOP(ダイヤモンドがカットのために保持される器具)においてガードル平面GPがどのように保持されるかに対して、常に丘の底部にある。より急な角度のファセットは、ガードル平面GPから離れて上方により速く移動し、ガードル116から開始してカットされる。一方、より低い角度のファセットは、ガードル平面GPに向かって傾斜をより遅く移動し、テーブル110またはキューレット124から開始してカットされる。
【0023】
[0030]ここで図3Aから図3Cを参照すると、宝石100の底部部分103のカットステップが例示的に示されている。図3Aでは、8個の主パビリオンファセット118は、各パビリオンがガードル116からキューレット124まで伸張するように、ラウンドストーンの底部からカットされる。8個の主パビリオン118は、8個のブロックされたローワーガードルファセット122の間に直接位置付けられる。好ましくは、8個の主パビリオン118は、ガードル平面GPに対して41度でカットされ、位置合わせされ、すなわち、8個の主ベゼル104の真下でカットされ、その結果、8個のベゼル104および主パビリオン118の点が出会い、ガードル116によってのみ分離される。
【0024】
[0031]図3Bには、底部103をブリリアンテアリングする副カットプロセスが示されており、破線で示すように、8対のローワーガードルファセット122がカットされる。
ローワーガードルファセット122のそれぞれの開始点(カット点)は、ガードル116における主パビリオン118と副パビリオン120との間のそれぞれのリブ線114上にある。鋭角三角形のローワーガードルファセット122は、その点で形成され、その三角形の中点は、2つのパビリオン118と120との間のリブ線114上のその開始点(頂点)から、そのリブ線114を上ってキューレット124に向かって進み、キューレットに対して約70%に達することができる。ローワーガードルファセット122の他の2つの点(頂点)は、ガードル116において、2つのパビリオン118および120の間のリブ線114上のそれらの開始点から進む。一方の頂点がガードル116上で右に進み、他方の頂点がガードル116上で左に進むと、これらの2つの点のそれぞれは、それらの開始点からガードル116におけるそれらのそれぞれのパビリオンの中心までの距離の約3分の2(2/3)に達することができる。8個のより狭いファセットである8個の副パビリオン120のカットは、キューレット124に対して約80から85%に達する。副パビリオンは、8個の主パビリオン118の間で直接カットされる。好ましくは、8個の副パビリオンは、それぞれの主パビリオン118よりも約1度高くカットされる。8個の主パビリオンおよび8個の副パビリオンをカットするこの手順は、図1Cに見られるように、8個の副パビリオンのそれぞれのリブ線114を8個の主パビリオンよりも細くさせ、その左右で隣接する主パビリオン内に前進させ、ならびに8個の主パビリオン118よりもガードル116内に前進させる。8個の副パビリオン120は、8個の副ベゼル106の真下でカットされる。
【0025】
[0032]両方ともガードル平面GPに対してより急な角度である主ベゼル104および副パビリオン120の交互配置は、ラウンドストーンの合計16個の点のうちの上部および下部のストーンの8個の点がより大きな広がりを保持する効果を生み出し、宝石に対する不利益を引き起こすことなくガードル116を薄くすることを可能にする。これは、仕上げられた宝石上でのより大きな広がり(ストーンの直径)または「重量比」を有する高性能ダイヤモンド(位置合わせされた配置でのストーンの上部および底部の理想的な(最適な性能)角度に起因する光性能の向上)を有することに関して、消費者にとって興味深い。重量比は、性能のための角度のその理想的な配置に対する宝石の相対的な広がり(ストーンの直径)である。
【0026】
[0033]図3Cを参照すると、宝石100の仕上げられた底部103が示されている。宝石100の底部部分103は、8個の主パビリオン118と、8個の副パビリオン120と、8対のローワーガードルファセット122とを含み、合計32個のファセットを有する。したがって、宝石100の第1の実施形態は、上述した従来技術の宝石のより大きなファセット数(例えば、161、177、194)と比較して、81(49+32)個のファセットを含む。
【0027】
[0034]ここで図4Aから図4Eを参照すると、円形8カウントブロックストーン400の第2の実施形態が例示的に示されている。図4Bに示すように、ストーン400の底部部分403のファセット配置は、図1Bに描いた宝石100の第1の実施形態の底部103と同一である。しかしながら、宝石300の第2の実施形態のクラウン401は、図4Aに示されているように、追加のセットの主アッパーガードルファセット408および副アッパーガードルファセット410と、主ベゼル104の形状を保持するベゼル伸長部412とを有し、太陽の像を維持し、主アッパーガードルファセット408および副アッパーガードルファセット410が同様の角度にあることを可能にし、プリズムに増強された色光を加える光分散を提供する。
【0028】
[0035]ファセットの配置をより良く理解するために、宝石400の第1の実施形態の側面図を描いた図4C、ならびに宝石400の第1の実施形態の上面斜視図および底面斜視図をそれぞれ描いた図4Dおよび図4Eも示されている。
【0029】
[0036]図4Aを参照すると、宝石100の第2の実施形態のクラウン401が例示的に示されている。クラウン401は、例示的に、図1Aに示されるように、16個のスターファセット402(8対のスターファセットとも呼ばれる)、8個の主ベゼルファセット404、8個の副ベゼルファセット406、16個の主アッパーガードルファセット410(8対の主アッパーガードルファセットとも呼ばれる)、16個の副アッパーガードルファセット408(8対の副アッパーガードルファセットとも呼ばれる)、8個のベゼル伸長部412、および414で示される1つの円形テーブルを含む。このクラウン401は、宝石100と比較して追加の24個のファセットを有し、この第2の実施形態におけるファセットの総量を105にする。
【0030】
[0037]図5Aから図7Cは、クラウン501上のファセット形成が、中央テーブル510から延びるペダルを有する花の一般的な外観を与える、宝石500の別の実施形態を示す。図5Aは、テーブル510、12個のスターファセット502(例えば、6対のスター)、6個の主ベゼルファセット504、6個の副ベゼルファセット506、および12個のトップブレークファセット508(例えば、対のトップブレーク)を有する宝石500のクラウン501の上面図を示す。クラウン501は、上述したように、スター対502の基部が形成される12本のテーブル線512と、隣接するファセット間に形成される複数のリブ線514とを含む。ガードル516は、図5Cに最もよく示されている。
【0031】
[0038] 図5Bは、宝石500の底面図を示している。底部503は、6個の主パビリオン518と、6個の副パビリオン520と、12個のローワーガードルファセット522(例えば、6対のローワーガードルファセットと呼ばれる)と、隣接するファセット間に形成された複数のリブ線514とを含む。キューレット524は、図5Dに例示的に示されるように、ストーンの底部(キューレット524)およびテーブル510の中心点を通って伸張する中心縦軸「L」にある、6個の主パビリオン518が交わる点に形成される。
【0032】
[0039]ファセットの配置をより良く理解するために、それぞれ宝石500の正面図および側面図を描いている図5Cおよび図5D、ならびにそれぞれ宝石500の第3の実施形態の上面斜視図および底面斜視図を描いている図5Eおよび図5Fも示されている。図5Dおよび図5Eを参照すると、テーブル510からガードル516まで伸張する主ベゼル504および副ベゼル506を明確に見ることができる。図5Fでは、主パビリオン518はガードル516からキューレット524まで下方に伸張していることが明確に示されており、副パビリオンファセット520はガードル516からキューレットまで下方に約90%伸張し、それらの主パビリオン518とサイズがほぼ同じである。
【0033】
[0040]ここで図6Aを参照すると、宝石500をカットする方法が例示的に示されている。本発明の最初の3つのステップが完全に示されている。第1のステップにおいて、図6Cに示される12個のガードルファセット516を有する12面形状が形成される。第2のステップでは、図6Aのテーブル510を囲む6個のより広いファセットである6個の主ベゼル504がカットされる。これらの6個の主ベゼル504は、12個のガードルファセット516の間に直接位置付けられ、ガードル516におけるこれらの主ベゼル504の6個の中心点は、ガードルファセットが互いに接触する12個の点のうちの6個にある。好ましくは、図6Aの6個の主ベゼル504は、ガードル平面GPに対して約35度の角度にカットされる。第3のステップでは、図6Aに示されるように、6個の副ベゼル506、すなわちテーブル510を取り囲む6個のより狭いファセットがカットされるときに、クラウン501の副ブロッキング手順が実行される。6個の副ベゼルは、6個の主ベゼル504の間に直接位置付けられ、これらの副ベゼルの中心点を、ガードルファセットが互いに接触する12個の点のうちの残りの6個のガードル516に配置する。好ましくは、6個の副ベゼル506は、6個の主ベゼル504よりも約2.5度低くカットされることが好ましい。好ましくは、6個の副ベゼルは、6個の主ベゼルまでテーブル510内に前進し、間に残された6個の主ベゼルの6個のテーブル線と少なくとも同じ長さの6個のテーブル線512を形成する。6個の主ベゼル504および6個の副ベゼル506をカットするこの手順は、6個の副ベゼルのそれぞれのリブ線514を互いに平行に残し、6個の副ベゼルを、図6Aに見られるより低い角度にあるために、6個の主ベゼルよりもガードル516内に前進しないままにする。
【0034】
[0041]図6Bを参照して、クラウン501をブリリアンテアリングするための最終ステップが示され、説明される。図6Bに破線で示した12個のスター502と12個のトップブレーク508が示されている。12個のスター502のそれぞれの始点は、テーブル510からガードル516まで約75%、24本のリブ線514が12本のテーブル線512と交わる12個の点(頂点)のそれぞれから達する破線によって示され、三角形ファセットの最後の点は、図6Aに見られるように、12個のトップブレーク508と交わる。これらの12個のスターは、主ベゼル504と副ベゼル506との間に12個の三角形を形成し、それぞれは、テーブルの左右のテーブル線を横切って約50%に達し、それぞれのリブ線を下って75%に達し、各スター502は、(図6Bの破線で示すように)テーブル510内にわずかに前進する。主ベゼル504がガードル平面GPに対して35度に設定され、副ベゼル506が33度に設定され、テーブルがストーンの直径の約57%であると、ガードル平面GPに対して23度のより少ない受光可能角度で決定される業界標準のラウンドブリリアントストーンのスターとは対照的に、約30度の角度であるように予め決定される拡張されたスターを作成する。約57%のテーブル510と、35度に設定された主ベゼル504と、33度に設定された副ベゼルと、30度に予め定められたスターとの組み合わせは、ストーンのクラウン図5Aの全体が受光可能であることを可能にし、クラウンの表面全体にわたってその急勾配の縁部まで光を伸張させ、それによって、上からの眺めからのその外観を向上させる。残りの破線は、12個のトップブレーク508を示す。これらの12個のトップブレークのそれぞれの開始点はガードル516に形成され、図6Aに最もよく見られるように、24本の波線が12個のガードルファセット516によって形成される。12個のトップブレーク508は、6個の主ベゼル504及び副ベゼル506と交差し、これらは、主ベゼル504及び副ベゼル506が交差することによって形成される12本のリブ線514と交わる(図6A参照)。これらの12個のトップブレーク508のそれぞれは、それらのそれぞれの予め定められた点に進み、第1のベゼル504および第2のベゼル506の中心点における右および左へのこれらの点のうちの2つは、それらのそれぞれのガードルファセットによって予め決定され、第3の点は、ガードルに対して約75%に達するすぐ上のスター502の点であり、その下のそのそれぞれのトップブレークがテーブルに対して25%に達することを可能にし、より良い性能のためにより急な角度を維持しながら、‘075特許の従来技術の宝石およびGems and Gemology 2010論文に記載されたものと比較してサイズが2倍を超える。第1のベゼル504および第2のベゼル506の角度が35度および33度に設定され、これらのトップブレーク508がテーブル510に向かって25%に達する場合、これらのトップブレークの角度は、ガードル平面GPに対して約55度に予め決定され、これは受光不可能な角度であり、これらのファセットが直接光路として機能することを可能にし(例えば、'Gems and Gemology 2010参照)、これはダイヤモンドプリズムを研ぎ、その輝度に非常に影響を与え、ならびにスカロップ状の周囲を生成する(特許‘075の請求項1および9)。これらのブリリアンテアリングされた12個のスター502および12個のトップブレーク508は、図6Aのブロックされた6個のより広い主ベゼル504および6個のより狭い副ベゼル506を、図6Bの破線によって示され、図6Cに示される最終的な6個のより広いベゼル形状およびより狭いベゼル形状に再形成する。
【0035】
[0042]図6Cを参照すると、図6Bの破線によって示される12個の仕上げられたスターおよび12個の仕上げられたトップブレークと、本発明の完成したクラウン501とが示されている。図1Aに示されるように、第1の実施形態の宝石100と比較して逆さまの形状を有する主ベゼル504および副ベゼル506を有する。太陽ではなく花の上からの眺めからの視覚認知を与える。これは、そのスター502の伸びがガードルに対して40%ではなく75%に達するためである。
【0036】
[0043]図7Aから7Cは、図5Bの底部503をカットするステップを図示する。第1のステップでは、図7Aのキューレット524に達する6個のより狭いファセットである6個の主パビリオン518がカットされる。これら6個の主パビリオン518は、12個のガードルファセット516の間に直接位置付けられ、6個のブロックされたローワーガードルファセット522に隣接している。好ましくは、図7Aにおけるこれらの6個の主パビリオン518は、ガードル平面GPに対して約41度に設定され、6個の主ベゼル504の真下でカットされる。第2のステップでは、図7Aのキューレット524に対して約90%に達する6個のより広いファセットである6個の副パビリオン520がカットされるように、底部503に対する副ブロッキング手順が示されている。これらの6個の副パビリオン520は、6個の主パビリオン518の間で直接カットされるべきであり、これらの副パビリオン520の6個の中心点をガードル516に配置し、12個のガードルファセットが互いに接触する12個の点のうちの6個にある。好ましくは、これらの6個の副パビリオン520は、それぞれの主パビリオンよりも約1度高くカットされるべきである。6個の主パビリオンおよび6個の副パビリオンをカットするこの手順は、図7Aに見られるように、6個の副パビリオンのそれぞれのリブ線514を6個の主パビリオンよりも広く広げ、その左右で隣接する主パビリオンの中に前進させ、ならびに6個の主パビリオン518よりもガードル516の中に前進させる。これら6個の副パビリオン520は、6個の副ベゼル506の真下でカットされる。6個の主ベゼル504および6個の副パビリオン520が、それらの隣接するファセットよりも急な角度でガードル516の中へさらに前進することにより、これは、重量比に関してストーンの拡散のための利点をもたらす。これは、仕上げられた宝石上でより大きな広がり(ストーンの直径)を有する高性能ダイヤモンド(位置合わせされた配置でのストーンの上部および底部の理想的な角度による強化された光性能)を有することに関して、消費者にとって興味深い。「重量比」を理解するためには、同じ形状およびサイズの2つのカットされた宝石を、それらのそれぞれの類似性および差異とともに視覚化することができなければならない。例えば、35度の主ベゼルと、41度の主パビリオンと、中間サイズのガードルとを有する第1のストーンと、32.5度の主ベゼルと、40度の主パビリオンと、カミソリの薄いガードルとを有する第2のストーンとの2つのストーンがあり、他のすべてのファセットは両方のストーンで同じようにカットされていると仮定する。より高い(より急な)角度を有するストーン(例えば、第1のストーン)は、上からの(上)図からより小さい直径を有し、他のストーンは、そのスペースの大部分を使用するガードルへのファセットのより低い角度に起因して、その外観において明らかにより大きく見える。しかしながら、広がりは性能に等しくなく、理想的な角度を有する宝石は大きな広がりを有さない場合がある。本実施形態は、ガードル内にさらに上部の6個の点および底部の6個の交互の点で前進することによってより大きな広がりを維持し、ガードルの潜在的なスペースを圧迫することによって両方の利点を組み合わせ、それが責任を負うことなく、ファセットのカットプロセス中に好ましい角度を決定し、そうでなければ光の戻りを受けない。収率(yield)は、ダイヤモンドカット製造において世界中で使用されているサリン(Sarin)テクノロジーによる粗い結晶(理想的な形状の八面体)からの標準的なラウンドストーンの収率よりも約9%高いので、製造者にとっても重量比に関して関心がある。1片の荒削りを仕上げ研磨されたダイヤモンドにカットするときの重量を節約するための基本的なガイドラインは、底部(103、403、503)をガードル516にできるだけ最小量カットし、それによってクラウン101、401、501にできるだけ多くのガードルを残して、後でクラウンにガードルを使用する必要がないようにすることであり、それは重量を失い、ストーンの広がりを引き込むことである。このガイドラインに従う方法は、底の図5Bのファセット配置が、ファセットがガードルにできるだけ入り込まない点を指示するように、雑に仕上げたもの(rough)を位置決めすることである。この手順は、ダイヤモンド産業ではツイストと呼ばれる。本発明が生成する可能性がある9%の余分な収率は、副パビリオン520およびローワーガードルファセット522を雑に仕上げたものに応じて位置決めすることによってストーンをツイストすることに関連している。図6Bに関連して、ローワーガードルファセット522を図7Bに関連して説明する。これらのローワーガードルファセット522は、主ベゼル504および主パビリオン518の中心から、副ベゼル506および副パビリオン520の中心までカットされる。
【0037】
[0044]図7Bを参照すると、底部503上のブリリアンテアリングプロセスが例示的に示されている。特に、破線で示された12個のローワーガードルファセット522が示されている。これらのローワーガードルファセットのそれぞれの開始点はガードル(図5Bの516)において形成され、ここで、12個のガードルファセット516によって形成された24本の波線は、6個の主ベゼル504および6個の副ベゼル506と交差し、主パビリオン518および副パビリオン520によって形成された12本のリブ線514と交わる(図7A参照)。これらのより低い(より平坦な)ガードルファセットのそれぞれは、キューレット524に対して約70%進み、ガードル上の左右の残りの2つの予め定められた点に対して、それぞれのガードルファセットによって予め定められた主パビリオンおよび副パビリオンの中心に対して約70%進む。41度の6個の主パビリオンおよび42度の6個の副パビリオンを用いて、これらのローワーガードルファセットは43度で決定される。
【0038】
[0045]図7Cを参照すると、本発明の図7Bの破線によって示される12個の仕上げられたローワーガードルファセット522、および図5Bの仕上げられた底部が示されている。
【0039】
[0046]本実施形態は、従来技術および‘075特許に対する改良である。ラウンドストーンまたは修正ラウンドストーンのための8カウントまたは6カウントのための先行技術のクラウンブロッキングプロセスでは、先行技術‘075特許の図11に6カウント修正ラウンドについて示されるように、主ブロッキング手順および副ブロッキング手順が行われる。逆に、本実施形態のクラウン(101、401、501)上には、8個または6個の主および副ベゼル(104、106、404、406、504、506)のセクションが形成され、副ベゼルは、それらの位置を維持し、ブリリアンテアリングプロセス中に主ベゼルと(ブロッキングカウントに対して)同じ形状およびほぼ同じサイズで形成される。これにより、ファセットは、それらの隣接する主ファセットに対して交互の理想的な角度で、テーブルからガードルまでずっとテーブルから延びることができる。‘075特許の主アッパーガードルファセット424および1312をなくすことによって、クラウン上に完全に形成された副ベゼルを有する副ブロックされた宝石を簡単にブリリアンテアリングするこのプロセスが可能である。また、この単純化は、本実施形態のスター(102、402、502)が、クラウンの表面積を通ってさらに伸張し、受光可能な角度に設定され、それによって、受光不可能な角度でガードルまで伸張しないスターと比較して、クラウンをさらに照らすことを可能にする。本発明におけるアッパーガードルファセットおよびトップブレークは、同じものであるが、機能におけるそれらの違いのために異なって命名され、配置ごとにその所望の効果を達成するために、実施形態ごとに所与の割合でテーブルに向かって移動することができるように示されている。第1の実施形態の宝石100では、アッパーガードルファセット108は、テーブルに向かってさらに前進し、スターをわずかに短くするが、クラウン上のすべてのファセットを受光可能にする受光可能角度を維持し、プリズムの縁までの照明を可能にし、業界標準のラウンドと比較して、はるかに鮮明で顕著なラウンド形状を示す。第2の実施形態の宝石400では、アッパーガードルファセットを16回分割し、ベゼル伸長部412を追加することによってのみ異なり、それによって主ガードルファセット408および副ガードルファセット410が宝石内に光分散を提供する角度に設定されることを可能にする。
【0040】
[0047]最後に、第3の実施形態の宝石500について、「アッパーガードルファセット」は、クラウン上の他のファセットと比較して非常に急な角度上にあるという性質のために、トップブレーク508と呼ばれる。宝石500のスター502がガードルに向かってさらに延びるにつれて、トップブレークは急な角度で予め決定されるが、‘075特許および'Gems and Gemology 2010論文の従来技術と比較して依然として2倍以上のサイズである。有利なことに、トップブレーク508のサイズおよび位置決めの増加は、直接光路およびファセットのスカロッピング機能を増加させる。また、これらのトップブレーク508は、主ベゼル504の先端がガードル内に進む三角形の底辺の長い辺を有し、これは、従来技術の'Gems and Gemology 2010の論文に対して分岐されたとき、三角形をより均一にするが、本発明では主ベゼル上にあり、宝石のクラウンをより良く見せることができる。本発明における底部(103、403、503)関係および‘075特許に対してなされた改良については、簡略化の問題である。余分なパビリオンスプリット及びファセットの除去を通じて、本発明の実施形態は、トップの基礎に従う。主および副ブロッキング基礎を構築し、主および副ファセットが、宝石ブロッキング数に対して形状が同じままであり、サイズがほぼ同じままであるので、同じ原理で底部ブリリアンテアリングを仕上げる。
【0041】
[0048] 本明細書で開示される例示的な方法、上述したような様々な方法で実施することができる。本発明の実施形態および様々な態様は、様々な宝石を使用して実施することができ、ダイヤモンドに限定されない。当業者であれば、本発明は、限定ではなく例示の目的で提示されている説明された例および実施形態以外によっても実施することができ、本発明は以下の特許請求の範囲によってのみ限定されることを理解するであろう。
【0042】
参照符号
GP ガードル平面(無形ガードル)
100 宝石の第1の実施形態
101 クラウン
102 スター
103 底部
104 主ベゼル
106 副ベゼル
108 アッパーガードルファセット
110 テーブル
112 テーブル線
114 リブ線
116 ガードル
118 主パビリオン
120 副パビリオン
122 ローワーガードルファセット
124 キューレット
400 宝石の第2の実施形態
401 クラウン
402 テーブル
403 底部
404 スター
406 副ベゼル
408 副アッパーガードルファセット
410 主アッパーガードルファセット
412 ベゼル伸長部
414 テーブル
416 テーブル線
420 ガードル
422 主パビリオン
424 副パビリオン
426 ローワーガードルファセット
428 キューレット
500 宝石の第3の実施形態
501 クラウン
502 スター
503 底部
504 主ベゼル
506 副ベゼル
508 トップブレーク
510 テーブル
512 テーブル線
514 リブ線
516 ガードル
518 主パビリオン
520 副パビリオン
522 ローワーガードルファセット
524 キューレット
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
【国際調査報告】