(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】充電システム、電圧変換ユニット、貯蔵ユニット
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20231228BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20231228BHJP
B60L 53/20 20190101ALI20231228BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20231228BHJP
【FI】
H02J7/00 L
H02J7/00 P
B60L53/14
B60L53/20
B60L3/00 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557838
(86)(22)【出願日】2021-12-03
(85)【翻訳文提出日】2023-07-30
(86)【国際出願番号】 IB2021000767
(87)【国際公開番号】W WO2022118070
(87)【国際公開日】2022-06-09
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】323000929
【氏名又は名称】ブルサ ハイパワー アーゲー
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】ホビ,ハネス
(72)【発明者】
【氏名】ハンゼルマン,マルク
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA11
5G503CC02
5G503CC08
5G503FA06
5G503GB03
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC21
5H125CD04
5H125DD02
5H125FF16
(57)【要約】
電気自動車の蓄電池(48)用の充電システム(2)は、
電圧変換ユニット(3)と貯蔵ユニット(4)を備え、
貯蔵ユニット(4)は、2つの供給端子(44、45)を介して電気エネルギーを供給するように設計されており、
貯蔵ユニット(4)の蓄電池(48)は、2つの端子(481、482)を備え、この2つの端子は、第2および第3断路器(46、47)を介して供給端子(44、45)に切断可能に接続され、
電圧変換ユニット(3)は、貯蔵ユニット(4)とは別体であり、3つの端子(31、32、33)を介して貯蔵ユニット(4)に接続される構成ユニットとして設計され、接続状態であり、
貯蔵ユニット(4)内で
- 3つの端子のうちの2つ(32、33)が、蓄電池(48)の2つの端子(481、482)に接続され、そして、
- 3つの端子のうちの第3端子(31)は、供給端子(44、45)のうちの1つに接続されており、
電圧変換ユニット(3)内では、電圧変換ユニット(3)の3つの端子のうち第3端子(31)が、第1断路器(36)を介してつながっている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧変換ユニット(3)と貯蔵ユニット(4)と、
を備え、
前記貯蔵ユニット(4)は、2つの供給端子(44、45)を介して電気エネルギーを供給するように設計されており、
前記貯蔵ユニット(4)の蓄電池(48)は、2つの端子(481、482)を備え、この2つの端子は、第2および第3断路器(46、47)を介して前記供給端子(44、45)に切断可能に接続され、前記電圧変換ユニット(3)は、前記貯蔵ユニット(4)とは別個の構成ユニットとして設計されており、前記電圧変換ユニット(3)の3つの端子(31、32、33)を介して前記貯蔵ユニット(4)に接続され、接続状態において、
前記貯蔵ユニット(4)内で
- 前記電圧変換ユニット(3)の前記3つの端子のうち2つ(32、33)が、前記蓄電池(48)の前記2つの端子(481、482)に接続されており、かつ
第2の実施形態の変形によると、
前記貯蔵ユニット(4)内において、
- 前記電圧変換ユニット(3)の前記3つの端子のうちの第3端子(31)は、第1断路器(36b)を介して前記供給端子(44、45)の1つに接続され、
または第1の実施形態の変形によると、
前記貯蔵ユニット(4)内において、
- 前記電圧変換ユニット(3)の前記3つの端子のうちの前記第3端子(31)は、前記供給端子(44、45)のうちの1つに接続されており、
前記電圧変換ユニット(3)内では、前記電圧変換ユニット(3)の前記3つの端子のうち前記第3端子(31)が、第1断路器(36)を介してつながっている、
特に移動用の蓄電池(48)用、特に電気自動車の蓄電池(48)用の充電システム(2)。
【請求項2】
前記電圧変換ユニット(3)が、
入力端子(31)と、
出力端子(32)と、
共通端子(33)と、
前記入力端子(31)と前記共通端子(33)との間に存在する入力電圧を、前記出力端子(32)と前記共通端子(33)との間に存在する出力電圧に変換する電圧変換器(37)と、
を備え、
前記貯蔵ユニット(4)が、
前記電圧変換ユニット(3)の前記入力端子(31)に接続するための第1端子(41)と、
前記電圧変換ユニット(3)の前記出力端子(32)に接続され、前記蓄電池(48)の前記第1端子(481)に供給するための第2端子(42)と、
前記電圧変換ユニット(3)の前記共通端子(33)に接続され、前記蓄電池(48)の前記2端子(482)に供給するための前記第3端子(43)と、
充電スタンド(1)の第1充電端子(11)に接続するための第1供給端子(44)と、
前記充電スタンド(1)の第2充電端子(12)に接続するための第2供給端子(45)、
を備え、
第2の実施形態の変形によれば、
前記貯蔵ユニット(4)内において、
- 前記第1供給端子(44)は、前記第1断路器(36b)を介して前記貯蔵ユニット(4)の前記第1端子(41)に切断可能に接続され、
- 前記貯蔵ユニット(4)の第2端子(42)と蓄電池(48)の第1端子(481)とが、前記第2断路器(46)を介して前記第1供給端子(44)に切断可能に接続されるとともに、
- 前記貯蔵ユニット(4)の前記第3端子(43)と前記蓄電池(48)の前記第2端子(482)とが、前記第3断路器(47)を介して前記第2供給端子(45)に切断可能に接続され、
または第1の実施形態の変形によれば、
前記電圧変換ユニット(3)内において、
- 前記電圧変換ユニット(3)の前記入力端子(31)は、前記第1断路器(36)を介して前記電圧変換器(37)から切断可能であり、
前記貯蔵ユニット(4)内において、
- 前記第1供給端子(44)は、前記貯蔵ユニット(4)の前記第1端子(41)に接続され、
- 前記貯蔵ユニット(4)の前記第2端子(42)と前記蓄電池(48)の前記第1端子(481)とが、前記第2断路器(46)を介して前記第1供給端子(44)に切断可能に接続され、かつ、
- 前記貯蔵ユニット(4)の前記第3端子(43)と前記蓄電池(48)の前記第2端子(482)とが、前記第3断路器(47)を介して前記第2供給端子(45)に切断可能に接続されることを特徴とする請求項1に記載の前記充電システム(2)。
【請求項3】
前記電圧変換ユニット(3)は、前記貯蔵ユニット(4)とは独立して製造、取り扱い、運搬できるように設計されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の充電システム(2)。
【請求項4】
前記電圧変換ユニット(3)が前記貯蔵ユニット(4)に接続される前記3つの端子(31、32、33)を備え、前記3つの端子は、解放可能かつ再接続可能な端子、特にプラグイン端子またはネジ端子またはクランプ端子であることを特徴とした請求項1~3のいずれか一項に記載の充電システム(2)。
【請求項5】
前記供給端子(44、45)が単一のプラグまたは2つの別個のプラグに形成され、特にこの単一のプラグまたはこれら2つのプラグがそれぞれパイロット回路または安全回路用の安全接点を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の充電システム(2)。
【請求項6】
前記供給端子(44、45)は、前記電圧変換ユニット(3)によって供給可能な最大充電電流の2倍以上である最大急速充電電流用に設計されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の充電システム(2)。
【請求項7】
前記供給端子(44、45)が300アンペア以上、特に400アンペア以上の最大急速充電電流用に設計されており、および/または電圧変換ユニット(3)が50アンペア以上、特に100アンペア以上の最大充電電流用に設計されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の充電システム(2)。
【請求項8】
入力電圧源の第1極に接続するための前記入力端子(31)と、
給電されるコンシューマーの第1極に接続するための前記出力端子(32)と、
前記入力電圧源の第2極および前記コンシューマーの第2極に接続するための前記共通端子(33)と、
を備え、
前記入力端子(31)は、前記第1断路器(36)を介して接続されることを特徴として、
特に、請求項1~7のいずれか一項に記載の前記充電システム(2)において使用するための電圧変換ユニット(3)。
【請求項9】
前記2つの供給端子(44、45)と前記蓄電池(48)を備え、
前記蓄電池(48)が、前記第2および第3断路器(46、47)を介して前記供給端子(44、45)に接続される切断可能な前記2つの端子(481、482)を備え、
前記貯蔵ユニット(4)が、前記電圧変換ユニット(3)の対応する端子に接続するための3つの前記端子(41、42、43)を備えており、
前記貯蔵ユニット(4)内において、
- 3つの端子のうち2つ(42、43)が、前記蓄電池(48)の前記2つの端子(481、482)に接続され、
第2の実施形態の変形例によれば、
- 3つの端子のうちの前記第3端子(41)は、前記第1断路器(36b)を介して前記供給端子(44、45)のうちの1つに切断可能に接続され、
または第1の実施形態の変形例によれば、
- 3つの端子のうちの前記第3端子(41)は、前記供給端子(44、45)のうちの1つに接続されることを特徴とする、
特に、請求項1~7のいずれか一項に記載の前記充電システムで使用するための貯蔵ユニット(4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気エネルギー貯蔵、特に移動式電気エネルギー貯蔵、特に電気自動車用の充電システムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
既知の充電装置、特に電気自動車用の充電装置は、通常、充電スタンドと電気エネルギー貯蔵装置の間に接続されている。充電装置は、充電スタンドに存在する電圧を貯蔵装置の電圧レベルにオンデマンドで適合させる役割を果たす。これは、充電スタンドの電圧に依存する。充電装置の入力に存在するこの電圧は、電圧変換の必要なくエネルギー貯蔵(バイパスモード)に切り替えることができるか、またはエネルギー貯蔵の電圧レベルに応じて変換器で変換する必要がある。このような充電装置には規制が適用されることがあり、それによると、エネルギー貯蔵装置は、機械的な断路器によって充電スタンドから全極的に切り離すことができなければならない。
【0003】
既知の充電装置では、電圧変換ユニットが存在し、当該電圧変換ユニットは、充電スタンドとエネルギー貯蔵装置(典型的には充電式電池またはアキュムレータ)との間に接続されている。バイパス動作では、急速充電行われ、その間に比較的高い電流が発生するため、電圧変換ユニットの導体断面積をそれに応じて大きく設計する必要がある。さらに、全極遮断のためには、電圧変換ユニット内に複数の断路器を設ける必要がある。さらに、モジュール設計の場合、電圧変換ユニットの有無にかかわらず、不必要な要素の重複が生じる可能性がある。
公知の充電装置の例は、DE 10 2017 220 287 A1 および DE 10 2018 207 185 A1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ドイツ102017220287公開公報
【特許文献2】ドイツ102018207185公開公報
【0005】
従って、本発明の目的は、前述の欠点を克服した、最初に述べたタイプの充電システム、電圧変換ユニット、および貯蔵ユニットを提供することである。
【0006】
これらの目的の少なくとも1つは、それぞれの独立請求項の特徴を備えた充電システム、電圧変換ユニット、および貯蔵ユニットによって達成される。
【0007】
そのため、3つの断路器によって、蓄電池と、電圧変換ユニット内に配置された電圧変換器を、供給端子から全極的に切断することが可能である。
【0008】
さらに、貯蔵ユニットにはさらに断路器が存在するため、電圧変換ユニットには断路器を1つだけ、または全く装備しないことも可能である。また、電圧変換ユニットは充電スタンドに直接接続されておらず、貯蔵ユニットを介して接続されているため、充電スタンドからの電圧変換ユニットの切断は、貯蔵ユニット内の断路器を介して行うことができる。
【0009】
さらに、このために使用される導線を電圧変換ユニットに通すことなく、2つの供給端子を介して、貯蔵ユニットを充電スタンドに直接接続することも可能である。これにより、バイパスモードで急速充電された場合に発生するような高電流を電圧変換ユニットに通す必要がなくなり、電圧変換ユニット3の導体をそれに応じて小さく設計することができる。
【0010】
さらに、電圧変換ユニットを全く使用せずに、貯蔵ユニットを設計および動作させることも可能である。ここでは、充電スタンドに接続するための供給線と同様に、貯蔵ユニットの2つの供給端子をそのまま採用して動作させることができる。これにより、同じ貯蔵ユニットから始めて、電圧変換ユニットの有無にかかわらず構成を実現することができる。製造時には、貯蔵ユニットが両方の構成にそのまま適用できるため、これは有利である。また、これを内蔵した貯蔵ユニットや車両は、動作開始後に電圧変換ユニットを後付けすることもできる。電圧変換ユニットは、モジュールとして存在することも、しないこともできる。このようなモジュールは、1つの断路器だけで構成されているか、まったく断路器がない場合もある。これにより、断路器の総数は最小限に抑えられる。
【0011】
実施形態では、充電システムは請求項2に従って設計されている。
【0012】
実施形態では、充電システムは請求項3に従って設計される。これにより、充電システムを別個のモジュール、すなわち電圧変換ユニットおよび貯蔵ユニットの形態で製造し、使用のためにそれらを一緒にすることが可能である。特に、このようにモジュール化された充電システムは、電圧変換ユニットの有無にかかわらず動作できる。
【0013】
実施形態では、充電システムは請求項4に従って設計されている。これにより、電圧変換ユニットと貯蔵ユニットの間の接続を簡単な方法で作成および解除することが可能である。
【0014】
実施形態では、貯蔵システムは請求項5に従って設計されている。これにより、電気自動車技術で一般的なロックシステム、例えばインターロックやHV-インターロック、またはパイロット接点で貯蔵システムを動作させることが可能である。
【0015】
実施形態では、充電システムは、請求項6および/または請求項7に従って設計される。これにより、充電システムは電気自動車での使用に適している。充電システムの好適な電圧は、例えば400ボルトまたは800ボルトとすることができる。
【0016】
電圧変換ユニットは、請求項8に従って設計されている。これにより、入力端子は、第1断路器によって電圧変換ユニットの電圧変換器から切り離されることができる。
【0017】
貯蔵ユニットは請求項9に基づき設計されている。これにより、電圧変換ユニットの有無にかかわらず、貯蔵ユニットを動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下、本発明の主題を、添付図面に示された好ましい実施例によってより詳細に説明する。それぞれの場合の概略は次のとおりである:
【
図1】
図1は、電圧変換ユニットと貯蔵ユニットを備えた充電システムを示している。
【
図2】
図2は、電圧変換ユニットの具体的な第1実施形態を備えた充電システムを示している。
【
図3】
図3は、第2の実施形態による、電圧変換ユニットと貯蔵ユニットを備えた充電システムを示している。
【
図4】
図4は、電圧変換ユニットの具体的な第2の実施形態を備えた第2の実施形態による充電システムを示している。
【0019】
基本的に、図中、同一または機能的に同等な部品には同一の参照数字を付している。
【0020】
図1は、充電スタンド1に接続された充電システム2を示している。充電システム2は、電圧変換ユニット3と貯蔵ユニット4を備える。
【0021】
電圧変換ユニット3は、入力端子31と、出力端子32と、共通端子33と、入力端子31と共通端子33との間に存在する入力電圧を出力端子32と共通端子33との間に存在する出力電圧に変換する電圧変換器37とを備える。
【0022】
電圧変換器37の動作中、その入力電圧は充電スタンド1の出力電圧に等しく、その出力電圧は蓄電池48の電圧に等しい。
【0023】
貯蔵ユニット4は、以下:
電圧変換ユニット3の入力端子31に接続するための第1端子41と、
電圧変換ユニット3の出力端子32に接続され、蓄電池48の第1端子481に給電するための第2端子42と、
電圧変換ユニット3の共通端子33に接続され、蓄電池48の第2端子482に供給される第3端子43と、
充電スタンド1の第1充電端子11に接続するための第1供給端子44と、
充電スタンド1の第2充電端子12に接続するための第2供給端子45と、
を備えている。
【0024】
第1及び第2供給端子44,45と充電スタンド1の第1充電端子11及び第2充電端子12との接続は、それぞれ第1供給ライン13及び第2供給ライン14を介して行われる。
【0025】
実施形態では、2つの供給ライン13、14は別々のケーブルとして設計され、2つの供給端子44、45は別々のプラグに形成される。これにより、高充電電流用に設計する必要がある場合に、個々の別個のケーブルが重くなりすぎないようにすることができる。
【0026】
実施形態では、2つの供給ライン13、14は共通のケーブルに設計され、2つの供給端子44、45は共通のプラグに形成される。
【0027】
電圧変換ユニット3内において、
- 電圧変換ユニット3の入力端子31は、第1断路器36を介して電圧変換器37から切断可能である。
【0028】
貯蔵ユニット4内において、
- 第1供給端子44が貯蔵ユニット4の第1端子41に接続され
- 貯蔵ユニット4の第2端子42と蓄電池48の第1端子481とは、第2断路器46を介して第1供給端子44に切断可能に接続されており
- 貯蔵ユニット4の第3端子43と蓄電池48の第2端子482は、第3断路器47を介して第2供給端子45に切断可能に接続されている。
【0029】
実施形態では、貯蔵ユニット4の第1端子41に接続されるのは、第1供給端子の代わりに第2供給端子45である。蓄電池48と充電スタンド1の極性が同じであれば、これは極性を逆にした電圧変換器37の動作方法に相当する。
【0030】
貯蔵ユニット4、特に蓄電池48は、バッテリー管理システム(図示せず)および/または既知のタイプの充電の閉ループ制御を備えることができる。後者は、例えば通信接続(図示せず)を介して充電スタンド1および/または電圧変換ユニット3を制御することができる。
【0031】
実施形態では、貯蔵ユニット4は、車両の場合、トラクション回路とも呼ばれるコンシューマー回路の一部であるか、コンシューマー回路に接続されている。さらに、貯蔵ユニット4は、蓄電池48の第1および第2端子481、482を残りの要素、例えば電圧変換ユニット3およびコンシューマー回路から切り離すためのさらなる断路器483、484を備えることができる。貯蔵ユニット4の切断のためのこのようなさらなる断路器483、484の存在は、規格によって規定することができる。
【0032】
断路器36、46、47および電圧変換器37の制御は、制御装置100および通信接続(図示せず)によって行われる。例として、制御装置100は電圧変換ユニット3内に描かれているが、貯蔵ユニット4内または両ユニットの外部に配置することもできる。機能及び安全性を確保するための更なる共通要素、例えば供給端子44、45を監視するための要素は図示されていない。
【0033】
充電スタンド1から供給される電圧が、蓄電池48の充電に必要な電圧と等しくない場合、充電システム2を変換モードに切り替えることができる。この場合、第2断路器46が開かれ、第1断路器36と第3断路器47が閉じられる。電圧変換器37はパルス化される。
【0034】
ここで、電圧変換器37は貯蔵ユニット4の第1端子41および第1供給端子44、第1供給ライン13を介して電圧変換ユニット3の入力端子31に存在する第1充電端子11の電圧を、電圧変換ユニット3の出力端子32に存在する電圧に変換する。この電圧は、貯蔵ユニット4の第2端子42を介して蓄電池48の第1端子481に存在する。前述の電圧は共通端子33に対するものである。
【0035】
第2充電端子12の電圧は、第2供給ライン14および第2供給端子45を介して貯蔵ユニット4の第3端子43に存在し、従って電圧変換ユニット3の共通端子33にも、蓄電池48の第2端子482にも存在する。
【0036】
充電スタンド1から供給される電圧が蓄電池48の充電に必要な電圧と等しい場合、充電システム2はバイパスモードに切り替えられる。この場合、第1断路器36は開かれ、第2断路器46と第3断路器47は閉じられる。電圧変換器37はクロックされない。充電スタンド1の電圧は蓄電池48に存在する。
【0037】
充電システム2が充電スタンドから電気的に分離される場合、3つの断路器36、46、47がすべて開かれる。
【0038】
蓄電池48は通常、充電式バッテリーまたはアキュムレータである。
【0039】
電圧変換器37は原則としてDC-DCコンバータである。例えば、充電ポンプ、昇圧コンバータ、降圧コンバータ、または昇圧-降圧コンバータのような組み合わせ、あるいはDC-DCコンバータを実現するブリッジ回路のような異なるトポロジーを持つことができる。チャージポンプは、電圧を2倍にするように設計することも、電圧を逓倍するように設計することもできる。
【0040】
原則として、動作時に電圧変換器37は、入力端子31および共通端子33を介して電圧変換器37に給電する充電スタンド1から、出力端子32および共通端子33を介して電圧変換器38から給電される蓄電池48に電気エネルギーを伝達する。実施形態では、エネルギーが逆方向に伝達される再供給モードを追加的に実現することもできる。このために、受動弁(ダイオード)を電圧変換器37の能動半導体スイッチに置き換えることができる。
【0041】
図2は、電圧変換器37がチャージポンプとして設計された充電システム2を示している。ここに示すチャージポンプの実施形態では、インダクタンスLRESが蓄積容量CRESと直列に接続されており、これによって共振発振回路が形成されている。この電圧変換器37の機能の仕方は、WO 2018/046370 A1に説明されており、その内容は、参照によりその全体が明示的に組み込まれる。
図2には、蓄電池48を分離するためのさらなる断路器483、484も示されている。これらは、
図1による一般的な描写においても提示し得る。
【0042】
図3および
図4は、それぞれ
図1および
図2に類似する充電システムを示しており、この充電システムでは、第1断路器36が電圧変換ユニット3に配置されておらず、貯蔵ユニット4に第1断路器36として配置されている。ここで、貯蔵ユニット4の第1供給端子44または第2供給端子45は、貯蔵ユニット4の第1断路器36bを介して貯蔵ユニット4の第1端子41に切断可能に接続されている。従って、
図3および
図4の実施形態では、電圧変換ユニット3には、特に、電圧変換ユニット3の3つの端子31を切り離すための断路器が存在しない。
【国際調査報告】