(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】生物材料及び他の外科用デバイスのためのハウジング、並びにそのための使用方法
(51)【国際特許分類】
A61M 31/00 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
A61M31/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563910
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 US2021064897
(87)【国際公開番号】W WO2022140566
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523241405
【氏名又は名称】オリガミ サージカル,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カリガン,パトリック ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ガレスピー,ジュニア,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】マックナーニ,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ビアー,マーク
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066EE06
4C066GG01
4C066GG07
4C066GG11
(57)【要約】
ヒト又は動物の対象に生物学的製剤を送達するための装置のための様々な実施形態が開示される。一実施形態では、装置は、内部チャンバを備えるハウジングであって、ヒト又は動物の対象に挿入するための形状及びサイズを有する、ハウジングを含む。生物学的製剤は、ハウジングがヒト又は動物の対象に挿入されている間にハウジングから取り外し可能である内部チャンバ内に位置決めされる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト又は動物の対象に生物学的製剤を送達するための装置であって、
内部チャンバを備えるハウジングであって、ヒト又は動物の対象に挿入するための形状及びサイズを有する、ハウジングと、
前記ハウジングが前記ヒト又は動物の対象に挿入されている間に前記ハウジングから取り外し可能である前記内部チャンバ内に位置決めされる生物学的製剤と、を含み、前記生物学的製剤が、固体化合物、液体化合物、及び気体化合物のうちの1つである、装置。
【請求項2】
前記生物学的製剤が固体化合物であり、ブピバカイン及びブピバカイン塩酸塩のうちの少なくとも1つで予め処理され、それを含有する材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記材料が、完全に又は部分的に生体吸収性であるコラーゲン由来のインプラント材料を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ハウジングが、円形断面を有する細長い管状体であり、
前記ハウジングが、第2のハウジング部分に蝶番接続された第1のハウジング部分を有するクラムシェルハウジングであり、
前記ハウジングが、前記ハウジングを閉位置に固定するための閉鎖機構を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のハウジングセクションが、生検パンチデバイスを格納するように構成され、前記第2のハウジングセクションが、生検組織を格納するように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ハウジングが、放射線不透過性要素を含み、前記放射線不透過性要素が、放射線不透過性インク、金属線、及び金属テープのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記放射線不透過性要素が、少なくとも1000HUのハウンズフィールド値(HU)特性を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記放射線不透過性要素が、少なくとも2000HUのハウンズフィールド値(HU)特性を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記ハウジングが、
第1の遠位端であって、前記第1の遠位端が、前記内部チャンバへの開口を備え、前記開口を通して前記生物学的製剤が回収可能である、第1の遠位端と、
第2の遠位端であって、前記第2の遠位端が、いずれの開口も備えず、平坦化されたタブ部分を備える第2の遠位端と、を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の遠位端が、前記第1の遠位端に分離可能に取り付けられたキャップを備え、前記キャップが、締まり嵌め、摩擦、ねじ、及び磁気接続のうちの1つを利用するスライドオフキャップ又はねじれキャップとして取り外し可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記生物学的製剤が、メッシュ、抗接着性材料、止血材料、及び鎮痛スポンジのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
ヒト又は動物の対象に生物学的製剤を送達するための装置であって、ハウジングを備え、前記ハウジングは、
上に位置決めされた生物学的製剤を備える内部チャンバと、
ストッパと、
プランジャと、を備え、
前記ハウジングの第1の遠位端が、分注オリフィスを備え、前記ストッパに対する前記プランジャの作用に基づいて、前記生物学的製剤が前記分注オリフィスを通して分注される、装置。
【請求項13】
前記ハウジングが、平らなタブ部分を備える第2の遠位端を備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
ヒト又は動物の対象に生物学的製剤を送達するための装置であって、
均一部分と窓とを備えるハウジングと、
前記ハウジングに結合された前記装置の第1の端部上の第1のタブと、
前記ハウジング内に位置決めされた格納デバイスであって、前記格納デバイスが、少なくとも1つの開口部を備え、前記ハウジングに対して回転するように構成されており、前記格納デバイスが、内部に格納された、ある状態の生物学的製剤を有する内部チャンバを備え、そのため、前記生物学的製剤が、前記少なくとも1つの開口部を通って進むことができる、格納デバイスと、
前記格納デバイスに結合された前記格納デバイスに結合された前記装置の第2の端部上の第2のタブであって、前記第2のタブに対する前記第1のタブの回転が、前記少なくとも1つの開口部が窓と整列し、前記生物学的製剤が前記窓を通して分注可能であるように、前記格納デバイスを前記ハウジングに対して回転させる、第2のタブと、を備える、装置。
【請求項15】
前記生物学的製剤が、前記装置の攪拌時に、前記格納デバイスの前記少なくとも1つの開口部及び前記ハウジングの前記窓を通して送達されるように構成された動力又は液体形態である、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
ヒト又は動物の対象に生物学的製剤を送達するための方法であって、
内部チャンバを備えるハウジングを提供することと、
前記ハウジングから取り外し可能である前記内部チャンバ内に生物学的製剤を位置決めすることと、
前記ハウジングがヒト又は動物の対象内の外科的部位に位置決めされる外科的処置を実行することと、
前記ハウジングの前記内部チャンバから前記生物学的製剤を除去することによって、前記生物学的製剤を使用して前記ヒト又は動物の対象内の前記外科的部位を治療することと、を含む、方法。
【請求項17】
前記外科的処置が、腹腔鏡検査を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記外科的部位が、前記ヒト又は動物の対象の腹膜腔を含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年12月23日に出願された「HOUSING FOR BIOLOGIC MATERIALS AND OTHER SURGICAL DEVICES,AND METHODS OF USE THEREFOR」と題された米国仮出願第63/129,925号の利益及び優先権を主張し、その内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
多くの腹腔鏡手術は、「DA VINCI(登録商標)」手術システムなどのロボット技術を使用して行われる。「DA VINCI(登録商標)」手術システムを使用して実施可能なそのような処置の1つは、膣断端脱を矯正するための外科的処置であるサクロコルポペキシーである。この処置中に、外科医は膣を支持するようにメッシュを位置決めする。その際、外科医は多くの縫合を行う。外科医が単一の処置で16~24本の別々の縫合糸を使用することは珍しいことではない。縫合のプロセスは非常に時間がかかり、各々が縫合糸を運ぶ針を、ロボットアームを制御する外科医に渡すためには非常に熟練した助手が必要である。また、典型的には、そのような針は、患者の腹部内で外科医に渡される。したがって、助手は、針を渡しながら動脈又は他の組織に傷をつけないように、熟練し、かつ高度な訓練を受けていなければならない。
【0003】
米国特許第6,986,780号B2は、外科用要素担持体及び使用方法を開示する。外科用要素担持体は、その中に外科用要素を収容するように寸法が決められ、低侵襲外科手術で使用される外科用ポートを通って挿入するように寸法が決められたハウジングを含む。このハウジングは、第1のハウジング部分と、外科用要素がハウジングによって実質的に囲まれた閉位置と、外科用要素が少なくとも部分的に露出され、ハウジングから取り外し可能な開位置との間で、第1のハウジング部分に対して移動可能な第2のハウジング部分とを更に含む。
【0004】
本開示は、概して、医療デバイスの分野に関し、特に、生物学的製剤(例えば、液体、固体、又は粉状形態)、スポンジ、及び他の外科用デバイス(例えば、針)を収容するための装置、及びその使用方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示の多くの態様は、以下の図面を参照するとよりよく理解できる。図面は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに本開示の原理を明確に示すことに重点が置かれる。更に、図面において、同様の参照番号が、複数の図を通して同一又は対応する部分を指定する。
【0006】
【
図1】本開示の様々な実施形態による、生物学的製剤及び/又は外科用器具を収容するための装置の様々な図である。
【
図2】本開示の様々な実施形態による、生物学的製剤及び/又は外科用器具を収容するための装置の様々な図である。
【
図3】本開示の様々な実施形態による、生物学的製剤及び/又は外科用器具を収容するための装置の様々な図である。
【
図4】本開示の様々な実施形態による、生物学的製剤及び/又は外科用器具を収容するための装置の様々な図である。
【
図5】本開示の様々な実施形態による、生物学的製剤及び/又は外科用器具を収容するための装置の様々な図である。
【
図6】本開示の様々な実施形態による、生物学的製剤及び/又は外科用器具を収容するための装置の様々な図である。
【
図7】本開示の様々な実施形態による、生物学的製剤及び/又は外科用器具を収容するための装置の様々な図である。
【
図8】本開示の様々な実施形態による、生物学的製剤及び/又は外科用器具を収容するための装置の様々な図である。
【
図9】本開示の様々な実施形態による、生物学的製剤及び/又は外科用器具を収容するための装置の様々な図である。
【
図10】本開示の様々な実施形態による、生物学的製剤及び/又は外科用器具を収容するための装置の様々な図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、本開示の一部を形成する添付の図面に関連して行われる本開示の以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解され得る。本開示が本明細書に記載及び/又は示される特定のデバイス、方法及び条件若しくはパラメータに限定されず、本明細書で使用される用語は単に例として特定の実施形態を説明する目的のためであり、特許請求される開示を限定することが意図されないことも理解されたい。また、添付の特許請求の範囲を含む本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数形を含み、特定の数値への言及は、文脈が明示的に別段示さない限り、少なくともその特定の値を示す。本明細書では、範囲は、「約」若しくは「およそ」のある特定の値から、及び/又は「約」若しくは「およそ」の別の特定の値までのように表現され得る。そのような範囲が表現される場合、別の実施形態は、そのある特定の値から、及び/又はその他の特定の値まで、を含む。同様に、値が近似値として表現される場合、先行詞の「約」を使用することによって、特定の値は別の実施形態を形成することが理解されよう。
【0008】
本開示は、複数の生物学的製剤(例えば、液体、粉末、又は固体の生物学的製剤)、外科用要素(例えば、係合した/ねじ付きの縫合糸を有する針)、並びに外科的処置及び/又はロボット支援外科的処置に有用であり得る他の構成要素を収容するためのキャニスタ又は装置を提供する。そのようなキャニスタは、「DA VINCI(登録商標)」手術システムなどのロボット手術技術と共に使用することができ、ヒト又は動物の対象の体内に置かれて、操作され得る。
【0009】
図1~
図10を参照すると、装置100の様々な実施形態が示されている。装置100は、長さ約5cm、直径11mmの概して円筒形の実質的に剛性のハウジング105を含み得る。ハウジングは、約12mm未満の直径又は最大の断面寸法を有し得、これは、ハウジングを、腹腔鏡手術又は他の適切な処置のための典型的な外科的切開又は部分に挿入することを可能にする。しかしながら、本開示はこれらの寸法に限定されず、他の適切な寸法が用いられてもよいことが理解される。
【0010】
ハウジング105は、中に複数の外科用要素110及び/又は生物学的製剤115を含むようにサイズ及び寸法が決められてもよい。ハウジング105は、低侵襲手術に使用される外科用ポートなどの外科用ポートを介して挿入するように更にサイズ及び寸法を決められてもよい。様々な実施形態では、ハウジング105は、クラムシェルハウジングを含む、すなわち、第1のハウジング部分120と、外科用要素110がハウジング105によって実質的に囲まれた閉位置と、外科用要素110が少なくとも部分的に露出され、ハウジング105から取り外し可能な開位置との間で、蝶番接続され、第1のハウジング部分に対して枢動可能又は別様に移動可能である第2のハウジング部分125とを含み得る。第1のハウジング部分120及び/又は第2のハウジング部分125は、外向きに突出するハウジング105の遠位端に位置するタブ130、135を含んでもよい。タブ130、135は、ハウジング105の一方又は両方の端部に位置決めされ得る。
【0011】
ここで
図3~
図5を参照すると、ハウジング105が内部チャンバ140を含む装置100の実施形態が示されている。
図1及び
図2の実施形態と同様に、ハウジング105は、ヒト又は動物の対象への挿入に適したサイズ及び形状を有し得る。生物学的製剤115は、例えば、ハウジング105がヒト又は動物の対象に挿入されている間、ハウジング105から取り外し可能である内部チャンバ140内に位置決めされ得る。生物学的製剤115は、単数形で本明細書において言及されるが、1つ以上の生物学的製剤115(又は、言い換えれば、少なくとも1つの生物学的製剤)を含んでもよい。引きひも145は、ハウジング105に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、引きひも145は、ステンレス鋼線又は他の金属及び生体適合性材料で形成され得る。生物学的製剤115がハウジング105に挿入され、ハウジング105から除去され得るように、ハウジング105の一端は開放されているか、又は開口部を含む。いくつかの実施形態では、ハウジング105は、生物学的製剤115を完全に封入するために、ハウジング105に締まり嵌め、スナップ、摩擦、磁気、ねじ、又は他の適切な接続を形成するように構成された取り外し可能なキャップ(図示せず)を含む。
【0012】
様々な実施形態によれば、生物学的製剤115は、固体化合物、液体化合物、及び気体化合物のうちの1つを含み得る。いくつかの実施形態では、生物学的製剤115は、ブピバカイン及びブピバカイン塩酸塩のうちの少なくとも1つで予め処理され、それを含有する材料を含む。例えば、いくつかの実施形態では、生物学的製剤115は、ブピバカイン及びブピバカイン塩酸塩のうちの少なくとも1つで予め処理され、それを含有する生体適合性の布又は生体適合性のスポンジ材料を含む。生物学的製剤115は、圧延された形態、平らな形態、又は他の適切な形態で装置100に格納されてもよい。生物学的製剤115の材料は、完全に又は部分的に生体吸収性であるコラーゲン由来のインプラント材料を更に含んでもよい。生物学的製剤115は、引きひも149(
図4)、指、ロボットマニピュレータ、又は他の好適な機構を使用して、内部チャンバから除去され得る。この目的のために、生物学的製剤115は、引きひも149に結合されてもよく、又は生物学的製剤115の本体は、タブ又は他の適切な把持部分を含んでもよい。
【0013】
装置100のハウジング105は、第1の遠位端であって、第1の遠位端が、内部チャンバ140への開口を備え、開口を通して生物学的製剤115が回収可能である、第1の遠位端と、第2の遠位端とを含み得る。第2の遠位端は、開口を含まなくてもよく(例えば、閉じた遠位端)、平坦化されたタブ部分150などのタブ部分150を含んでもよい。上記のように、いくつかの実施形態では、第1の遠位端は、第1の遠位端に分離可能に取り付け可能なキャップ(図示せず)を含み得る。このキャップは、いくつかの実施形態では、ねじ接続を利用するスライドオフキャップ又はねじれキャップとして取り外し可能であり得る。
【0014】
ここで
図6及び
図7を参照すると、装置100の別の実施形態が示されている。ハウジング105は、均一部分及び露出部分を含む。第1のタブ155は、ハウジング105に結合された装置100の第1の端部上に位置決めされている。格納デバイス160は、ハウジング105内に位置決めされている。格納デバイス160は、ハウジング105と同様に、ハウジング105の断面サイズよりも小さい、概して細長い及び/又は円筒形の本体を含み得る。いくつかの実施形態では、格納デバイス160は、ハウジング105に対して回転するように構成されている。格納デバイス160は、例えば、動力状態、液体状態、又は他の適切な状態で、生物学的製剤115がその内部に格納されている内部チャンバを含む。格納デバイス160は、1つ以上の開口部165を更に含み得る。
【0015】
第2のタブ170は、格納デバイス160と係合されるか、又はそれに結合されている装置100及び/又はハウジング105の第2の端部に位置決めされ得る。格納デバイス45の少なくとも1つの開口部165がハウジング105の露出部分(例えば、ハウジング105の本体に切り欠かれた窓)と整列されたときに、生物学的製剤115が分注可能になるように、第2のタブ170に対する第1のタブ155の回転は、ハウジング105に含まれる格納デバイス160をハウジング105に対して回転させることができる。例えば、生物学的製剤115が動力形態又は液体形態である場合、装置100のオペレータは、装置100の攪拌(例えば、振動)に応じて、格納デバイス160の少なくとも1つの開口部165及びハウジング105の露出部分を通して生物学的製剤を送達することができる。
【0016】
次いで
図8及び
図9を参照すると、ハウジング105を含む、ヒト又は動物の対象に生物学的製剤115を送達するための装置100の別の実施形態が示されている。ハウジング105は、その中に位置決めされている又は格納されている生物学的製剤115、ストッパ180、及びプランジャ185を含む内部チャンバ175を有することによって、シリンジを作用させる。ハウジング105の第1の遠位端は、分注オリフィス190を含み、ストッパ180に対するプランジャ185の動作に基づいて、(例えば、液体又は半液体形態の)生物学的製剤115が分注オリフィス190を通して分注される。ハウジング105は、平らなタブ部分195を備える第2の遠位端を更に含む。
【0017】
特に
図9を参照すると、
図9に示される実施形態は、親指なしフランジ205を有するシリンジ200を有する装置100を含む。親指なしフランジ205は、ロボットマニピュレータがつかむことができる平らな領域を含んでもよい。いくつかの実施形態では、親指なしフランジ205は、半円形の本体を含むが、いくつかの例では、正方形又は長方形の本体を含み得る。装置100は更に、分注管210を含み、分注管210は、長いロボットが捕捉することができるようにサイズが決められ、位置決めされてもよい。
【0018】
図10に移ると、様々な実施形態により、装置100の別の実施形態が示されている。装置100は、開口部を備える分注先端215を含み、開口部を通して液体又は半液体化合物(例えば、生物学的製剤115)が押し込まれ得る。装置100は、ルアーロック220又は他の適切な接続機構を介して外部シリンジに接続するように構成され得る。装置100は、分注先端215及びルアーロック220に流体的に結合された細長い管を含み得る。いくつかの実施形態では、装置100は、装置100のロボットマニピュレータ又は他の把持を支援する回収バンド225を含む。回収バンド225は、装置100のハウジング105内の開口部230を通って位置決めされ得る。
【0019】
ここで
図11を参照すると、いくつかの実施形態では、ハウジング105は、
図1及び
図2に示される実施形態のように、第2のセクションに蝶番接続された第1のセクションを有するクラムシェルハウジングである。すなわち、装置100は、第1のハウジング部分120と、生検パンチ235がハウジング105によって実質的に囲まれた閉位置と、生検パンチ235が少なくとも部分的に露出され、ハウジング105から取り外し可能である開位置との間で、第1のハウジング部分に対して枢動可能又は別様に移動可能である第2のハウジング部分125とを含む。生検パンチ235は、例えば、第2のハウジング部分125に結合されてもよく、一方、第1のハウジング部分120は、生検組織格納のための容器又は中空内部を含んでもよい。中空内部は、開戸、引戸、又は他の適切な機構を介してアクセス可能であってもよく、又は別様に生検パンチ235に対して開放可能であってもよい。ラッチ又は蝶番などの閉鎖機構が、ハウジング105を閉位置に固定するために設けられてもよい。
【0020】
図をまとめて参照すると、いくつかの実施形態では、ハウジング105は、放射線不透過性要素を含み得る。放射線不透過性要素は、放射線不透過性インク、金属線(例えば、ステンレス鋼線)、及び金属テープのうちの少なくとも1つを備える放射線不透過性要素を含んでもよい。放射線不透過性要素は、少なくとも1000HU又は少なくとも2000HUのハウンズフィールド値(HU)特性を有してもよい。生物学的製剤は、メッシュ、抗接着性材料、止血材料、及び鎮痛スポンジのうちの少なくとも1つを更に含み得る。
【0021】
様々な実施形態によれば、ヒト又は動物の対象に生物学的製剤を送達するための方法であって、内部チャンバを備えるハウジングを提供することと、ハウジングから取り外し可能である内部チャンバ内に生物学的製剤を位置決めすることと、ハウジングがヒト又は動物の対象内の外科的部位に位置決めされる外科的処置を実行することと、ハウジングの内部チャンバから生物学的製剤を除去することによって、生物学的製剤を使用してヒト又は動物の対象内の外科的部位を治療することと、を含む、方法が説明されている。外科的処置は、腹腔鏡検査を含んでもよい。外科的部位は、ヒト又は動物の対象の腹膜腔を含んでもよい。方法は、本明細書に記載される装置のうちの1つ以上を提供することを含み得る。
【0022】
例示的な実施形態のうちの多くのハウジング105は、概して円筒形として示されているが、任意の適切な形状のハウジング105を用いることができ、多角形状、箱形状、及び概して半円筒形状を含む、本開示の範囲内であり得る。加えて、ハウジング105の寸法は、所望により変化し得(したがって、装置100は、より大きくてもより小さくてもよい)、依然として本開示の範囲内であり得る。更に、硬質プラスチック及びステンレス鋼などの金属を含む、任意の生体適合性材料を使用して、ハウジング105を構築することができる。あるいは、可撓性又は実質的に非剛性の材料をハウジング105に使用することができる。
【0023】
上記の特徴、構造、又は特性は、任意の好適な様式で1つ以上の実施形態で組み合わされてもよく、可能であれば、様々な実施形態で論じられる特徴は、交換可能である。以下の説明には、本開示の実施形態を完全に理解するために、多くの特定の詳細が提供される。しかしながら、当業者は、本開示の技術的解決策が、特定の詳細のうちの1つ以上なしに実施され得ること、又は他の方法、構成要素、材料などが使用され得ることを理解するであろう。他の例では、よく知られた構造、材料、又は動作は、本開示の態様を不明瞭にすることを回避するために、詳細に示されないか、又は説明されない。
【0024】
「上」、「下」、「上部」、及び「下部」などの相対的な用語は、ある構成要素と別の構成要素との相対的な関係を説明するために本明細書で使用されるが、これらの用語は、便宜上、例えば、図面に示される例における方向としてのみ本明細書で使用される。デバイスが逆さまになると、上記の「上部」構成要素が「下部」構成要素になることを理解されたい。構造が別の構造「上」にあるとき、その構造が別の構造上に一体的に形成されているか、構造が別の構造上に「直接」配設されているか、又は構造が他の構造を介して他の構造上に「間接的に」配設されている可能性がある。
【0025】
本明細書では、「a」、「an」、「the」、及び「当該」等の用語は、1つ以上の要素及び構成要素の存在を示すために使用される。用語「含む(comprise)」、「含む(include)」、「有する(have)」、「含有する(contain)」、及びそれらの変形は、変更可能であるように使用され、添付の特許請求の範囲に別段の定めがない限り、列挙される要素、構成要素などに加えて、追加の要素、構成要素などを含むことを意味する。「第1の」、「第2の」などの用語は、物体の数に対する制限ではなく、表示としてのみ使用される。
【0026】
本開示の上記の実施形態は、本開示の原理を明確に理解するために定められた実装の単なる可能な例である。多くの変形及び修正は、本開示の趣旨及び原理から実質的に逸脱することなく、上記の実施形態に対して行われ得る。そのような全ての修正及び変形は、本開示の範囲内に本明細書に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0027】
条項1.ヒト又は動物の対象に生物学的製剤を送達するための装置であって、内部チャンバを備えるハウジングであって、ヒト又は動物の対象に挿入するための形状及びサイズを有する、ハウジングと、ハウジングがヒト又は動物の対象に挿入されている間にハウジングから取り外し可能である内部チャンバ内に位置決めされる生物学的製剤と、を含み、生物学的製剤が、固体化合物、液体化合物、及び気体化合物のうちの1つである、装置。
【0028】
条項2.生物学的製剤が固体化合物であり、ブピバカイン及びブピバカイン塩酸塩のうちの少なくとも1つで予め処理され、それを含有する材料を含む、条項1に記載の装置。
【0029】
条項3.材料は、完全に又は部分的に生体吸収性であるコラーゲン由来のインプラント材料を含む、条項1~2のいずれかに記載の装置。
【0030】
条項4.ハウジングが、円形断面を有する細長い管状体であり、ハウジングが、第2のハウジング部分に蝶番接続された第1のハウジング部分を有するクラムシェルハウジングであり、ハウジングが、ハウジングを閉位置に固定するための閉鎖機構を備える、条項1~3のいずれかに記載の装置。
【0031】
条項5.第1のハウジングセクションは、生検パンチデバイスを格納するように構成され、第2のハウジングセクションは、生検組織を格納するように構成されている、条項1~4のいずれかに記載の装置。
【0032】
条項6.ハウジングが、放射線不透過性要素を含み、放射線不透過性要素が、放射線不透過性インク、金属線、及び金属テープのうちの少なくとも1つを含む、条項1~5のいずれかに記載の装置。
【0033】
条項7.放射線不透過性要素が、少なくとも1000HUのハウンズフィールド値(HU)特性を含む、条項1~6のいずれかに記載の装置。
【0034】
条項8.放射線不透過性要素が、少なくとも2000HUのハウンズフィールド値(HU)特性を含む、条項1~7のいずれかに記載の装置。
【0035】
条項9.ハウジングが、第1の遠位端であって、第1の遠位端が、内部チャンバへの開口を備え、開口を通して生物学的製剤が回収可能である、第1の遠位端と、第2の遠位端であって、第2の遠位端が、いずれの開口も備えず、平坦化されたタブ部分を備える第2の遠位端と、を備える、条項1~8のいずれかに記載の装置。
【0036】
条項10.第1の遠位端が、第1の遠位端に分離可能に取り付けられたキャップを備え、キャップが、締まり嵌め、摩擦、ねじ、及び磁気接続のうちの1つを利用するスライドオフキャップ又はねじれキャップとして取り外し可能である、条項1~9のいずれかに記載の装置。
【0037】
条項11.生物学的製剤が、メッシュ、抗接着性材料、止血材料、及び鎮痛スポンジのうちの少なくとも1つを含む、条項1~10のいずれかに記載の装置。
【0038】
条項12.ヒト又は動物の対象に生物学的製剤を送達するための装置であって、ハウジングを備え、ハウジングは、上に位置決めされた生物学的製剤を備える内部チャンバと、ストッパと、プランジャと、を備え、ハウジングの第1の遠位端が、分注オリフィスを備え、ストッパに対するプランジャの作用に基づいて、生物学的製剤が分注オリフィスを通して分注される、装置。
【0039】
条項13.ハウジングが、平らなタブ部分を備える第2の遠位端を備える、条項12に記載の装置。
【0040】
条項14.ヒト又は動物の対象に生物学的製剤を送達するための装置であって、均一部分と窓とを備えるハウジングと、ハウジングに結合された装置の第1の端部上の第1のタブと、ハウジング内に位置決めされた格納デバイスであって、格納デバイスが、少なくとも1つの開口部を備え、ハウジングに対して回転するように構成されており、格納デバイスが、内部に格納された、ある状態の生物学的製剤を有する内部チャンバを備え、そのため、生物学的製剤が、少なくとも1つの開口部を通って進むことができる、格納デバイスと、格納デバイスに結合された格納デバイスに結合された装置の第2の端部上の第2のタブであって、第2のタブに対する第1のタブの回転が、少なくとも1つの開口部が窓と整列し、生物学的製剤が窓を通して分注可能であるように、格納デバイスをハウジングに対して回転させる、第2のタブと、を備える、装置。
【0041】
条項15.生物学的製剤が、装置の攪拌時に、格納デバイスの少なくとも1つの開口部及びハウジングの窓を通して送達されるように構成された動力又は液体形態である、条項14に記載の装置。
【0042】
条項16.ヒト又は動物の対象に生物学的製剤を送達するための方法であって、内部チャンバを備えるハウジングを提供することと、ハウジングから取り外し可能である内部チャンバ内に生物学的製剤を位置決めすることと、ハウジングがヒト又は動物の対象内の外科的部位に位置決めされる外科的処置を実行することと、ハウジングの内部チャンバから生物学的製剤を除去することによって、生物学的製剤を使用してヒト又は動物の対象内の外科的部位を治療することと、を含む、方法。
【0043】
条項17.外科的処置が、腹腔鏡検査を含む、条項16に記載の方法。
【0044】
条項18.外科的部位が、ヒト又は動物の対象の腹膜腔を含む、条項16に記載の方法。
【0045】
条項19.条項1~18に記載の装置を提供することを含む方法。
【国際調査報告】