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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】医薬品のプロドラッグ
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/54 20170101AFI20231228BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231228BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20231228BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A61K47/54
A61P43/00 123
A61K31/506
A61K31/496
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563915
(86)(22)【出願日】2021-12-24
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 US2021065175
(87)【国際公開番号】W WO2022140705
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】PCT/US2021/064918
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/130,435
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523244646
【氏名又は名称】アルマルソン、オーン
(71)【出願人】
【識別番号】523244657
【氏名又は名称】サンラメ、カルロス、エヌ.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】アルマルソン、オーン
(72)【発明者】
【氏名】サンラメ、カルロス、エヌ.
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076CC42
4C076DD60
4C076FF68
4C086AA10
4C086BC50
4C086BC60
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA12
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA15
(57)【要約】
【要約】
【解決手段】 本発明は、新規なプロドラッグ及びそのプロドラッグを含む組成物並びにそれを製造及び使用する方法を提供する。組成物は、プロドラッグを含む医薬組成物を含む。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロドラッグを含む組成物であって、前記プロドラッグは、水素原子がプロドラッグ部分で置換された活性医薬成分を含み、前記プロドラッグ部分は、R10~R105のいずれか1つから選択される、組成物。
【請求項2】
前記水素原子は、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオ、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミドからなる群から選択される官能基の水素原子である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記活性医薬成分は、ドルテグラビル、ビクテグラビル、アシクロビル、テノホビル、ドコサノール、バロキサビル、ファムシクロビル、ビダラビン、シタラビン、アンプレナビル、サキナビル、エンテカビル、ペンシクロビル、クレブジン、トリフルリジン、ラニナミビル、エドクスジン、ザナミビル、アムサクリン、リバビリン、イドクスウリジン、ガンシコルビル、レジパスビル、ペラミビル、イミキモド、アデホビル、フロクスウリジン、5-フルオロウリジン、シドホビル、オセルタミビル、ジドブジン、クロルメタクリン、ネルフィナビル、チアゾフリン、リルピビリン、アバカビル、ジデオキシアデノシン、インジナビル、チプラナビル、ジダノシン、シメプレビル、ダサブビル、チミンリボシド、グレカプレビル、オムビタスビル、パリタプレビル、グラゾプレビル、ダルナビル、ベクラブビル、エムトリシタビン、ソホスブビル、ボキシラプレビル、ボリコナゾール、フルコナゾール、イソブコナゾール、ラブコナゾール、ブクロサミド、クロフェネシン、クロキシキン、ビリジン、シクロプリオクス、シッカニン、エフィナコナゾール、メトコナゾール、スフィンゴフンギン、シプロコナゾール、パラベン、シネフンギン、アルボフンギン、ミコサミン、クロルキナルドール、プロポフォール、タペンタドール、アルメパビン、トピラマート、アモジアキン、ドロロキシフェン(ヒドロキシタモキシフェン)、ベンラファキシン、レスベラトロール、モルヒネ、ドコサノール、ビクテグラビル、リネゾリド、アリピプラゾールヒドロキシメチル、デヒドロ-アリピプラゾールヒドロキシメチル、ブレクスピプラゾールヒドロキシメチル、レナリノミド、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、ジロートン、シメチジン、ファモチジン、ノルゲスチメート、サミドルファン、イモラミン、チピラシル、セフタジジム、フェルバメート、セレキシパグ、デオキシコール酸、アポモルヒネ、アルブテロール、コルチゾン、コルチコステロン、プレドニゾン、ホルモテロール及びサルメテロールからなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
式:
R1-Z-R2
(式中、
R1は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり;
-Z-R2は、一緒になって活性医薬成分ラジカルを含み、及び
-Z-は、-O-、硫黄含有官能基中の硫黄原子のジラジカル又は窒素含有官能基中の窒素原子のジラジカルである)
によって表されるプロドラッグ。
【請求項5】
-Z-は、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオ、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミドからなる群から選択される官能基のジラジカルであり、前記ラジカルは、前記官能基上の水素原子の損失の結果である、請求項4に記載のプロドラッグ。
【請求項6】
-Z-R2は、ドルテグラビル、ビクテグラビル、アシクロビル、テノホビル、ドコサノール、バロキサビル、ファムシクロビル、ビダラビン、シタラビン、アンプレナビル、サキナビル、エンテカビル、ペンシクロビル、クレブジン、トリフルリジン、ラニナミビル、エドクスジン、ザナミビル、アムサクリン、リバビリン、イドクスウリジン、ガンシコルビル、レジパスビル、ペラミビル、イミキモド、アデホビル、フロクスウリジン、5-フルオロウリジン、シドホビル、オセルタミビル、ジドブジン、クロルメタクリン、ネルフィナビル、チアゾフリン、リルピビリン、アバカビル、ジデオキシアデノシン、インジナビル、チプラナビル、ジダノシン、シメプレビル、ダサブビル、チミンリボシド、グレカプレビル、オムビタスビル、パリタプレビル、グラゾプレビル、ダルナビル、ベクラブビル、エムトリシタビン、ソホスブビル、ボキシラプレビル、ボリコナゾール、フルコナゾール、イソブコナゾール、ラブコナゾール、ブクロサミド、クロフェネシン、クロキシキン、ビリジン、シクロプリオクス、シッカニン、エフィナコナゾール、メトコナゾール、スフィンゴフンギン、シプロコナゾール、パラベン、シネフンギン、アルボフンギン、ミコサミン、クロルキナルドール、プロポフォール、タペンタドール、アルメパビン、トピラマート、アモジアキン、ドロロキシフェン(ヒドロキシタモキシフェン)、ベンラファキシン、レスベラトロール、モルヒネ、ドコサノール、ビクテグラビル、リネゾリド、アリピプラゾールヒドロキシメチル、デヒドロ-アリピプラゾールヒドロキシメチル、ブレクスピプラゾールヒドロキシメチル、レナリノミド、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、ジロートン、シメチジン、ファモチジン、ノルゲスチメート、サミドルファン、イモラミン、チピラシル、セフタジジム、フェルバメート、セレキシパグ、デオキシコール酸、アポモルヒネ、アルブテロール、コルチゾン、コルチコステロン、プレドニゾン、ホルモテロール及びサルメテロールからなる群から選択される活性医薬成分のラジカルである、請求項5に記載のプロドラッグ。
【請求項7】
-R2は、R200~R206、R211~R213、R216~R221、R223のいずれか1つから選択され;
│││││││││││は、結合を表し;
R1-は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり;及び
-Z-は、-O-である、請求項4に記載のプロドラッグ。
【請求項8】
式(R1-Z)-R2
(式中、
-R2は、R208、R209、R210、R214、R222又はR224のいずれか1つから選択され;
│││││││││││は、結合を表し;
R1-は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり、及び
-Z-は、-O-である)
によって表されるプロドラッグ。
【請求項9】
式(R1-Z)-R2
(式中、
-R2は、R207又はR215であり;
│││││││││││は、結合を表し;及び
代わりに、R1-Z-は、一緒になって-OHであるか、又はR1は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり、及び-Z-は、-O-であるが;ただし、2つを超えるR1-Z-が一緒になって-OHであることはない)
によって表されるプロドラッグ。
【請求項10】
-R2は、R227であり;
│││││││││││は、結合を表し;
R1は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり;及び
-Z-は、-S-である、請求項4に記載のプロドラッグ。
【請求項11】
-R2は、R228であり;
│││││││││││は、結合を表し;
R1-Z-は、一緒になって-N(R1)(C(=O)NMe2であり、及び
R1は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分である、請求項4に記載のプロドラッグ。
【請求項12】
R1は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり;
│││││││││││は、結合を表し;及び
-Z-R2は、一緒になってR230又はR231である、請求項4に記載のプロドラッグ。
【請求項13】
官能基は、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド及びチオからなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項14】
官能基は、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミドからなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項15】
式R1-R2(式中、R1は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり;及び-R2は、活性医薬成分のラジカルである)を有するプロドラッグを含む組成物。
【請求項16】
前記ラジカルは、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオ、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミドからなる群から選択される官能基上にある、請求項15に記載のプロドラッグ。
【請求項17】
-R2は、R230~R251のいずれか1つから選択される活性医薬成分のラジカルである、請求項15に記載のプロドラッグ。
【請求項18】
式(R1)-R2(式中、R1は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり;及び-R2は、2つのラジカルを有する活性医薬成分である)を有するプロドラッグを含む組成物。
【請求項19】
前記2つのラジカルのそれぞれは、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオ、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミドからなる群から独立して選択される官能基上にある、請求項18に記載のプロドラッグ。
【請求項20】
各R1は、R2上の水素に対する置換である、請求項18に記載のプロドラッグ。
【請求項21】
各R1-の前記プロドラッグ部分は、同じである、請求項18に記載のプロドラッグ。
【請求項22】
プロドラッグ部分で置換された各官能基は、同じ化学式を有する、請求項18に記載のプロドラッグ。
【請求項23】
式(R1)3-R2(式中、R1は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり;及び-R2は、3つのラジカルを有する活性医薬成分である)を有するプロドラッグを含む組成物。
【請求項24】
前記3つのラジカルのそれぞれは、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオ、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミドからなる群から独立して選択される官能基上にある、請求項23に記載のプロドラッグ。
【請求項25】
各R1-は、-R2上の水素に対する置換である、請求項23に記載のプロドラッグ。
【請求項26】
各R1-の前記プロドラッグ部分は、同じである、請求項23に記載のプロドラッグ。
【請求項27】
プロドラッグ部分で置換された各官能基は、同じ化学式を有する、請求項23に記載のプロドラッグ。
【請求項28】
一態様において、前記プロドラッグは、式(R1)3-R2(式中、各R1は、R10~R105のいずれか1つから独立して選択されるプロドラッグ部分であり;及び-R2は、トリラジカルを含むAPIである)を有する。一実施形態において、各ラジカルは、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオ、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミドからなる群から独立して選択される官能基上にある。前記式(R1)3-R2のプロドラッグについて、各R1は、水素に対する置換である。一実施形態において、各置換は、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオール、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミドからなる群から独立して選択される官能基上の水素に対するものである。一実施形態において、各R1は、同一であり、すなわち同じプロドラッグ部分である。別の実施形態において、プロドラッグ部分で置換された各官能基は、同じである。
【請求項29】
前記プロドラッグ部分は、R23~R37のいずれか1つから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
前記プロドラッグ部分は、R55~R71のいずれか1つから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項31】
前記プロドラッグ部分は、R72~R88のいずれか1つから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項32】
前記プロドラッグ部分は、R89~105のいずれか1つから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項33】
前記プロドラッグ部分は、R10~R22のいずれか1つから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項34】
前記プロドラッグ部分は、R38~R54のいずれか1つから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項35】
前記プロドラッグ部分は、R10である、請求項1に記載の組成物。
【請求項36】
前記プロドラッグ部分は、R23~R37のいずれか1つから選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項37】
前記プロドラッグ部分は、R55~R71のいずれか1つから選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項38】
前記プロドラッグ部分は、R72~R88のいずれか1つから選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項39】
前記プロドラッグ部分は、R89~105のいずれか1つから選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項40】
前記プロドラッグ部分は、R10~R22のいずれか1つから選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項41】
前記プロドラッグ部分は、R38~R54のいずれか1つから選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項42】
前記プロドラッグ部分は、R10である、請求項4に記載の組成物。
【請求項43】
前記プロドラッグ部分は、R23~R37のいずれか1つから選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項44】
前記プロドラッグ部分は、R55~R71のいずれか1つから選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項45】
前記プロドラッグ部分は、R72~R88のいずれか1つから選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項46】
前記プロドラッグ部分は、R89~105のいずれか1つから選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項47】
前記プロドラッグ部分は、R10~R22のいずれか1つから選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項48】
前記プロドラッグ部分は、R38~R54のいずれか1つから選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項49】
前記プロドラッグ部分は、R10である、請求項15に記載の組成物。
【請求項50】
前記プロドラッグ部分は、R23~R37のいずれか1つから選択される、請求項18に記載の組成物。
【請求項51】
前記プロドラッグ部分は、R55~R71のいずれか1つから選択される、請求項18に記載の組成物。
【請求項52】
前記プロドラッグ部分は、R72~R88のいずれか1つから選択される、請求項18に記載の組成物。
【請求項53】
前記プロドラッグ部分は、R89~105のいずれか1つから選択される、請求項18に記載の組成物。
【請求項54】
前記プロドラッグ部分は、R10~R22のいずれか1つから選択される、請求項18に記載の組成物。
【請求項55】
前記プロドラッグ部分は、R38~R54のいずれか1つから選択される、請求項18に記載の組成物。
【請求項56】
前記プロドラッグ部分は、R10である、請求項18に記載の組成物。
【請求項57】
前記プロドラッグ部分は、R23~R37のいずれか1つから選択される、請求項23に記載の組成物。
【請求項58】
前記プロドラッグ部分は、R55~R71のいずれか1つから選択される、請求項23に記載の組成物。
【請求項59】
前記プロドラッグ部分は、R72~R88のいずれか1つから選択される、請求項23に記載の組成物。
【請求項60】
前記プロドラッグ部分は、R89~105のいずれか1つから選択される、請求項23に記載の組成物。
【請求項61】
前記プロドラッグ部分は、R10~R22のいずれか1つから選択される、請求項23に記載の組成物。
【請求項62】
前記プロドラッグ部分は、R38~R54のいずれか1つから選択される、請求項23に記載の組成物。
【請求項63】
前記プロドラッグ部分は、R10である、請求項23に記載の組成物。
【請求項64】
請求項15に記載のプロドラッグを製造する方法であって、活性医薬成分の官能基上の水素を、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分で置換する工程を含む方法。
【請求項65】
前記官能基は、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオール、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミドからなる群から選択される、請求項65に記載の方法。
【請求項66】
請求項18に記載のプロドラッグを製造する方法であって、活性医薬成分の2つの官能基上の水素を、R10~R105のいずれか1つから独立して選択されるプロドラッグ部分で置換する工程を含む方法。
【請求項67】
前記官能基は、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオール、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミドからなる群から選択される、請求項67に記載の方法。
【請求項68】
請求項23に記載のプロドラッグを製造する方法であって、活性医薬成分の3つの官能基上の水素を、R10~R105のいずれか1つから独立して選択されるプロドラッグ部分で置換する工程を含む方法。
【請求項69】
前記官能基は、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオール、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミドからなる群から選択される、請求項69に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、2020年12月24日に出願された米国仮出願第63130435号明細書及び2021年12月22日に出願されたPCT出願PCT/米国特許出願公開第21/64918号明細書に対する優先権を主張し、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の分野は、プロドラッグを含む、活性医薬成分の誘導体に関する。
【背景技術】
【0003】
プロドラッグは、医学及び健康において重要な役割を有する。多くの薬物は、プロドラッグの形態で身体に最適に送達され、プロドラッグは、送達後に活性化されて薬物をアンマスクする。プロドラッグの設計は、数十年にわたって実施されている(例えば、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれるStella 2020 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33002466/、Rautio 2008 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18219308/、Rautio 2018 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29700501/及びHuttunen 2011 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21737530/による総説を参照されたい)。
【0004】
長年にわたり、多くのプロ部分(すなわちプロドラッグを作製するために薬物に付加される化学官能基)が探索されてきた。当技術分野に存在する特定の問題は、複素環塩基性薬物が一般的であり、アルコール(例えば、ACE阻害剤エナラプリル中のエタノール)又はカルボン酸(例えば、アセチルサリチル酸中の酢酸)などの非塩基性及び酸性部分と比較して、使用可能なアミン塩基がほとんどないため、塩基性基を有するプロドラッグが薬効薬理を有する可能性があることである。エタノールアミンのような塩形成剤が医薬塩において時折使用されるが、これらの塩基は、一般に、プロドラッグレパートリーの一部ではない。塩基性プロ部分の例として、ニコチン酸は、心血管状態のための薬物である複素環式塩基であり、これは、血管拡張剤であり、肝機能に悪影響を及ぼす可能性があるにもかかわらず、プロドラッグ機能として提案されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、改善された物理化学的特性を含む改善された特性を有する活性医薬成分(「API」)の新規形態及び化合物の調製方法に関する。一態様において、本発明は、プロドラッグ化合物を提供し、この化合物は、水素が、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分で置換されたAPIを含む。本発明は、プロドラッグ化合物の塩、共結晶、幾何異性体及び立体異性体をさらに提供する。本発明は、本発明のプロドラッグ及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物をさらに提供する。別の態様は、親APIが適応となる疾患又は障害を有する対象を本発明のプロドラッグで治療する方法を提供し、前記方法は、有効量の前記プロドラッグを前記対象に投与する工程を含む。
【発明を実施するための形態】
【0006】
定義
用語「活性医薬成分」又は「API」は、製剤の所望の薬理作用を発揮する化学物質、すなわち投与される製剤の活性成分の遊離形態(中性、遊離酸又は遊離塩基)を指す。
【0007】
本明細書で使用される用語「含む」は、「包含する」、「含有する」又は「特徴とする」と同義であり、包括的又はオープンエンドであり、文脈上別段の要求がない限り、追加の引用されていない要素又は方法工程を排除しない。例えば、「活性成分を含む」本発明の組成物は、別段の指定がない限り、1つ又は任意の数の活性成分を含有する。
【0008】
語句「からなる」又は「からなっている」は、クローズドエンドであり、指定された特徴のみを含む。句で使用される場合、語句「からなる」又は「からなっている」は、その句に記載される要素のみに限定する。
【0009】
語句「から本質的になる」及び「から本質的になっている」は、部分的にオープンであり、特許請求される本発明の基本的且つ新規な特徴に実質的に影響を及ぼさない特徴に限定される。例えば、この語句は、本発明の組成物の基本的且つ新規な特徴、例えば活性又は安定性に実質的に影響を及ぼさない、引用されていないレベルの不純物を含む。
【0010】
本明細書で使用される場合、範囲が2つの値の「間」として示される場合、範囲は、端値を含むことが理解される。
【0011】
本明細書で使用される場合、用語「治療する」、「治療すること」又は「治療」は、疾患又は状態の1つ以上の症状又は特徴を緩和、低減又は排除することを意味し、疾患の治癒的、緩和的、予防的又は進行を遅らせることができる。用語「治療有効量」は、所望の生物学的又は薬理学的応答を誘発するであろう薬物の量、すなわち前記疾患を治療するのに十分な量を意味することを意図する。
【0012】
用語「有効量」は、所望の作用又は結果をもたらすであろう活性成分の量を意味する。用語「治療有効量」は、所望の生物学的又は薬理学的応答を誘発する、例えば疾患若しくは障害の症状を予防、緩和若しくは改善するか;疾患若しくは障害の根底にあるプロセス若しくは進行を遅延、停止若しくは逆転させるか;細胞機能を部分的若しくは完全に回復させるか;又は治療される対象の生存を延長するのに有効な活性成分の量を意味する。
【0013】
用語「対象」は、哺乳動物、非ヒト動物、とりわけヒトを含む動物を意味する。一実施形態では、対象は、ヒトである。別の実施形態では、対象は、ヒト男性であり、別の実施形態では、対象は、ヒト女性である。さらに、「対象」は、状態又は疾患に罹患しているか又は罹患している疑いのある患者を含み得る。したがって、用語「対象」及び「患者」は、本明細書で互換的に使用され得る。
【0014】
用語「賦形剤」は、薬学的に活性な成分のための担体として使用される薬学的に許容される不活性な物質を指し、付着防止剤、結合剤、コーティング、崩壊剤、充填剤、希釈剤、香料、バルカント(bulkant)、着色剤、流動促進剤、分散剤、湿潤剤、滑沢剤、防腐剤、吸着剤及び甘味剤を含む。
【0015】
用語「単位用量」は、単回用量で対象に投与されるプロドラッグの量を指す。
【0016】
本明細書で使用される用語「プロドラッグ」は、プロドラッグ部分で共有結合的に修飾されたAPIを指す。投与後、プロドラッグは、インビボで化学的又は酵素的に代謝され、親APIの形成をもたらす。本発明のプロドラッグは、一実施形態では生物学的に活性であり得るか、又は別の実施形態ではそのプロドラッグ形態で生物学的に不活性であり得、生物学的活性は、親薬物の生物学的活性である。いずれの場合にも、プロドラッグは、インビボで親薬物に代謝される。
【0017】
用語「プロドラッグ部分」は、プロドラッグの非API部分、すなわち典型的にはAPI上の水素原子の置換によってAPIに付加されて、インビボでAPI(親薬物)に代謝されるエステル又は他の共有結合を形成する分子である。
【0018】
組成物
一態様において、本発明は、プロドラッグ部分で置換されたAPIを提供し、前記プロドラッグ部分は、R10~R105のいずれか1つから選択される。
【0019】
好ましい実施形態では、APIは、R10~R22から選択されるプロドラッグ部分で置換される。
【化1】
【0020】
別の実施形態では、APIは、R23~R37のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分で置換される。
【化2】
【0021】
好ましい実施形態では、APIは、R38~R54のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分で置換される。
【化3】
【0022】
別の実施形態では、APIは、R55~R71のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分で置換される。
【化4】
【0023】
別の実施形態では、APIは、R72~R88のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分で置換される。
【化5】
【0024】
別の実施形態では、APIは、R89~105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分で置換される。
【化6】
【0025】
より好ましい実施形態では、本発明のプロドラッグは、APIのニコチン尿酸プロドラッグであり、プロドラッグ部分は、R10である。ニコチノイルグリシンとも呼ばれるニコチン尿酸(I)は、ニコチン酸の代謝産物であり、限定された薬効薬理を有し、腎臓から排泄される。
【化7】
【0026】
これまで、この部分(ニコチン尿酸)の使用について、本発明者らの知る限りプロドラッグ文献で言及されていない。この化合物に関する薬理及び肝臓の懸念の低減は、例えば、アミン、チオール及びアルコールのような求核基を有するプロドラッグにおける使用に有利である。様々な投与経路、投与パラダイム及び処方において利点があり得る。例えば、-OH又は類似の官能基を有する低溶解性薬物の経口送達は、ニコチン尿酸置換基を付加、すなわち共有結合させて、例えばエステルを作製し、親薬物と比較して促進された溶解及び腸からのより良好なバイオアベイラビリティのために、胃内でプロトン化され得る弱塩基プロドラッグ分子を生成することによって促進され得る。
【0027】
APIの-OH上の水素がR10で置換されているプロドラッグでは、ニコチンアミドのアセチル伸長は、化合物(II)及び(III)において波線で示されるエステル結合での切断の利点を提供することができ;このエステル結合は、ニコチン酸のエステルよりも妨げられず、これは、身体内で薬物を遊離させるために必要な生物活性化を改善することができる。
【化8】
【0028】
一実施形態において、API上の水素は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分で置換される。さらなる実施形態では、水素は、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオ、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン又はヒドロキシルアミドからなる群から選択される官能基の水素である。一実施形態において、官能基は、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、チオール及びアシルスルホンアミドからなる群から選択される。別の実施形態では、官能基は、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン又はヒドロキシルアミドからなる群から選択される。一実施形態において、置換された官能基は、-OHである。別の実施形態では、置換された官能基は、-S(O)NHである。別の実施形態では、置換された官能基は、-NHである。別の実施形態では、置換された官能基は、第二級アミンである。別の実施形態では、置換された官能基は、-C(O)NHである。別の実施形態では、置換された官能基は、第二級アミドである。別の実施形態では、置換された官能基は、=NHである。別の実施形態では、置換された官能基は、=NOHである。別の実施形態では、置換された官能基は、=NOHである。別の実施形態では、置換された官能基は、-S(=O)NHC(=O)である。別の実施形態では、置換された官能基は、-S(=O)NHC(=O)である。別の実施形態では、置換された官能基は、-C(=O)NOHである。
【0029】
一態様において、プロドラッグは、式R1-Z-R2(式中、R1は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり、及び-Z-R2は、一緒になってAPIラジカルであり、-Z-は、-O-又は官能基中の硫黄若しくは窒素原子のジラジカルである)を有する。一実施形態において、-Z-は、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオ、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン又はヒドロキシルアミドから選択される官能基のジラジカルである。
【0030】
一態様において、プロドラッグは、式R1-R2(式中、R1は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり;及び-R2は、ラジカルを含むAPIである)を有する。一実施形態において、ラジカルは、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオ、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミドからなる群から選択される官能基上にある。式R1-R2のプロドラッグについて、R1は、水素に対する置換である。一実施形態において、置換は、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオール、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミドからなる群から選択される官能基上の水素に対するものである。
【0031】
一態様において、プロドラッグは、式(R1)-R2(式中、R1は、R10~R105のいずれか1つから独立して選択されるプロドラッグ部分であり;及び-R2は、ジラジカルを含むAPIである)を有する。一実施形態において、ジラジカルは、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオ、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミドからなる群から独立して選択される2つの官能基上にある。式(R1)-R2のプロドラッグについて、各R1は、水素に対する置換である。一実施形態において、各置換は、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオール、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミドからなる群から独立して選択される官能基上の水素に対するものである。一実施形態において、各R1は、同一であり、すなわち同じプロドラッグ部分である。別の実施形態において、プロドラッグ部分で置換された各官能基は、同じである。
【0032】
一態様において、プロドラッグは、式(R1)-R2(式中、各R1は、R10~R105のいずれか1つから独立して選択されるプロドラッグ部分であり;及び-R2は、トリラジカルを含むAPIである)を有する。一実施形態において、各ラジカルは、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオ、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミドからなる群から独立して選択される官能基上にある。式(R1)-R2のプロドラッグについて、各R1は、水素に対する置換である。一実施形態において、各置換は、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオール、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミドからなる群から独立して選択される官能基上の水素に対するものである。一実施形態において、各R1は、同一であり、すなわち同じプロドラッグ部分である。別の実施形態において、プロドラッグ部分で置換された各官能基は、同じである。
【0033】
一態様において、本発明は、ドルテグラビル、ビクテグラビル、アシクロビル、テノホビル、ドコサノール、バロキサビル、ファムシクロビル、ビダラビン、シタラビン、アンプレナビル、サキナビル、エンテカビル、ペンシクロビル、クレブジン、トリフルリジン、ラニナミビル、エドクスジン、ザナミビル、アムサクリン、リバビリン、イドクスウリジン、ガンシコルビル、レジパスビル、ペラミビル、イミキモド、アデホビル、フロクスウリジン、5-フルオロウリジン、シドホビル、オセルタミビル、ジドブジン、クロルメタクリン(chlormetacrine)、ネルフィナビル、チアゾフリン、リルピビリン、アバカビル、ジデオキシアデノシン、インジナビル、チプラナビル、ジダノシン、シメプレビル、ダサブビル、チミンリボシド、グレカプレビル、オムビタスビル、パリタプレビル、グラゾプレビル、ダルナビル、ベクラブビル、エムトリシタビン、ソホスブビル、ボキシラプレビル、ボリコナゾール、フルコナゾール、イソブコナゾール、ラブコナゾール、ブクロサミド、クロフェネシン、クロキシキン、ビリジン、シクロプリオクス、シッカニン、エフィナコナゾール、メトコナゾール、スフィンゴフンギン、シプロコナゾール、パラベン、シネフンギン、アルボフンギン、ミコサミン、クロルキナルドール、プロポフォール、タペンタドール、アルメパビン、トピラマート、アモジアキン、ドロロキシフェン(ヒドロキシタモキシフェン)、ベンラファキシン、レスベラトロール、モルヒネ、ドコサノール、ビクテグラビル、リネゾリド、アリピプラゾールヒドロキシメチル、デヒドロ-アリピプラゾールヒドロキシメチル、ブレクスピプラゾールヒドロキシメチル、レナリノミド、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、ジロートン、シメチジン、ファモチジン、ノルゲスチメート、サミドルファン、イモラミン、チピラシル、セフタジジム、フェルバメート、セレキシパグ、カンナビジオール、デオキシコール酸、アポモルヒネ、アルブテロール、コルチゾン、コルチコステロン、プレドニゾン、ホルモテロール及びサルメテロールからなる群から選択されるAPI(親薬物)のプロドラッグを提供し;前記API上の水素は、R10~R105から選択されるプロドラッグ部分で置換される。一実施形態において、プロドラッグ部分は、酸素、窒素又は硫黄原子に結合した水素の置換である。さらなる実施形態では、プロドラッグ部分は、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド、チオ、カルバメート、第一級アミン、第二級アミン、第一級アミド、第二級アミド、イミン、ヘミ-アミナール、ヒドロキシルアミン又はヒドロキシルアミドのいずれか1つから選択される官能基上の水素を置換する。好ましい実施形態では、官能基は、ヒドロキシ、スルホンアミド、スルファメート、イミド、アミジン、グアニジン、尿素、ヒドロキシ-尿素、アシルスルホンアミド及びチオールのいずれか1つから選択される。
【0034】
一実施形態において、プロドラッグ部分は、R23~R37のいずれか1つから選択される。別の実施形態では、プロドラッグ部分は、R55~R71のいずれか1つから選択される。別の実施形態では、プロドラッグ部分は、R72~R88のいずれか1つから選択される。別の実施形態では、プロドラッグ部分は、R89~105のいずれか1つから選択される。好ましい実施形態では、プロドラッグ部分は、R10~R22から選択される。好ましい実施形態では、プロドラッグ部分は、R38~R54のいずれか1つから選択される。より好ましい実施形態では、プロドラッグ部分は、R10である。一実施形態において、APIは、1つのプロドラッグ部分で置換される。別の実施形態では、APIは、2つのプロドラッグ部分で置換される。第3の実施形態では、APIは、3つで置換される。好ましくは、APIが2つ又は3つのプロドラッグ部分で置換される場合、プロドラッグ部分は、同じである。
【0035】
一実施形態において、プロドラッグは、式R1-Z-R2を有し、式中、-R2は、R200~R206、R211~R213、R216~R221、R223のいずれか1つから選択され、破線(------又は│││││││││││)は、結合を表し、R1-は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり、-Z-は、-O-である。
【0036】
一実施形態において、プロドラッグは、式(R1-Z)-R2を有し、式中、-R2は、R208、R209、R210、R214、R222又はR224のいずれか1つから選択され、破線(│││││││││││)は、結合を表し、R1-は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり、-Z-は、-O-である。
【0037】
一実施形態において、プロドラッグは、式(R1-Z)-R2を有し、式中、-R2は、R207又はR215であり、破線(│││││││││││)は、結合を表し、代わりに、R1-Z-は、一緒になって-OHであるか、又はR1-は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり、-Z-は、-O-であるが、ただし、2つを超えるR1-Z-が一緒になって-OHであることはない。好ましい実施形態では、少なくとも2つのR1-Z-基、より好ましくは3つ全てのR1-Z-基について、R1-は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり、-Z-は、-O-である。
【化9】
【化10】
【化11】
【0038】
一実施形態において、プロドラッグは、式R1-Z-R2を有し、式中、-R2は、R225又はR226であり、破線(│││││││││││)は、結合を表し、R1-は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり、-Z-は、-NH-である。
【化12】
【0039】
一実施形態において、プロドラッグは、式R1-Z-R2を有し、-R2は、R227であり、破線(│││││││││││)は、結合を表し、R1-は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり、-Z-は、-S-である。
【化13】
【0040】
一実施形態において、プロドラッグは、式R1-Z-R2を有し、式中、-R2は、R228であり、破線(│││││││││││)は、結合を表し、R1-Z-は、一緒になって-N(R1)C(=O)NMeであり、R1は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分である。
【化14】
【0041】
実施形態において、プロドラッグは、式R1-R2を有し、式中、R1-は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり、R2は、R230~R251のいずれか1つであり、破線(│││││││││││)は、結合である。
【化15】
【化16】
【化17】
【0042】
別の実施形態では、プロドラッグは、式R1-R2を有し、式中、各R1-は、R10~R105のいずれか1つから選択されるプロドラッグ部分であり、-R2は、R252又はR253であり、破線(│││││││││││)は、結合である。
【化18】
【0043】
一実施形態において、プロドラッグは、R252又はR253の化合物である。
【化19】
【0044】
一実施形態において、組成物は、医薬組成物である。さらなる実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0045】
本発明のプロドラッグは、APIの遊離形態(遊離酸又は遊離塩基)上に存在する少なくとも1つの官能基、例えばヒドロキシに対する修飾を有するAPIを含み、それにより、官能基は、本発明のプロドラッグ部分で置換される。
【0046】
一実施形態において、組成物は、プロドラッグの塩又は共結晶である。
【0047】
本発明の組成物は、以下から選択される少なくとも1つの改善を有するプロドラッグをさらに含む:増大した安定性(例えば、水、胃液若しくは腸液中又は例えば100℃での高温での)、溶解度、溶解性、経口バイオアベイラビリティ、Cmax、吸収、腸細胞中への透過性、腸細胞から血液(門脈)への移動、肝臓への輸送、肝細胞による取り込み;又はTmaxへの低減した時間、低い対象内変動性(吸収に対する低減した食物の影響を含む)、リンパ循環若しくは胃液及び腸液中の親キサントフィルへの変換(化学的又は酵素的のいずれか);又は低い肝毒性の可能性を含むヒト及び動物疾患治療における増強された安全性、肝機能の喪失を伴う進行した肝臓疾患における肝臓代謝を温存する優先的クリアランス機構。
【0048】
一実施形態において、組成物は、薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物である。
【0049】
他の実施形態では、本発明の医薬組成物は、経口、非経口、経腸又は局所投与経路、好ましくは経口投与を介して対象に送達される。一実施形態において、医薬組成物は、経口剤形である。様々な実施形態において、経口剤形は、固体、液体又は半固体の経口剤形である。
【0050】
本発明の医薬製剤は、任意の医薬剤形であり得る。医薬製剤は、例えば、錠剤、カプセル、押出物、ナノ粒子材料、例えば顆粒状粒子材料又は粉末、再構成のための凍結乾燥材料、液体懸濁液、注射用懸濁液若しくは溶液、坐剤又は局所若しくは経皮調製物若しくはパッチであり得る。
【0051】
別の実施形態では、本発明は、本発明の医薬組成物の単位用量を提供する。上記の治療方法において、治療は、1日当たり投与される1以上の単位用量によって行われる。医薬組成物の一日用量は、好ましくは、約0.1~50mg/kg体重、0.1~10mg/kg体重、0.1~5mg/kg体重、0.1~2mg/kg体重、5~10mg/kg体重、10~20mg/kg体重、20~30mg/kg体重、30~40mg/kg体重、40~50mg/kg体重、50~60mg/kg体重又は10~1000mg、特に10~200mg、10~100mg、5~50mg、50~100mg、100~150mg、150~200mg、200~300mg、300~400mg、400~500mg、500~750mg、750~1000mg、1000~1500mg、1500~2000mg、2000~2500mg、2500~3000mg、3000~3500mg又は3500~4000mgであり、いずれも親APIとして計算される。用量は、任意の好都合な投与スケジュールで投与されて、記載された有益な効果を達成することができる。例えば、用量は、1日1回、2回又は3回服用することができる。
【0052】
一実施形態において、単位用量は、1~100μg、100~500μg、500μg~1mg、1~5mg、5~15mg、10~40mg(例えば、15~40mg、20~30mg、20~40mg、25~40mg、30~40mg、35~40mg、10~35mg、10~30mg、10~25mg、10~20mg、10~15mg)、30~60mg(例えば、35~60mg、40~60mg、45~60mg、50~60mg、55~60mg、30~55mg、30~50mg、30~45mg、30~40mg、30~35mg)又は10~100mg、200~300mg、300~400mg、400~500mg、500~750mg、750~1000mg若しくは1000~1500mgを含む。
【0053】
治療方法
一般的な健康状態、肝臓の健康状態、心血管の健康状態を促進すること又は炎症性の健康状態を改善することに加えて、本発明の組成物は、多様な疾患及び状態を治療するために使用することができる。したがって、別の態様は、本発明のプロドラッグの投与から恩恵を受けるであろう疾患又は障害を有する対象を治療する方法を提供し、前記方法は、有効量の前記プロドラッグを前記対象に投与する工程を含む。本発明のプロドラッグは、親薬物が適応となる疾患、例えばNASHなどの線維性疾患の治療及び/又は予防に治療的に有用である。したがって、別の態様では、本発明は、本発明のプロドラッグ又はその塩若しくは共結晶を使用して対象を治療する方法;プロドラッグ又はその塩若しくは共結晶及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を使用して対象を治療する方法;並びに本明細書に記載される疾患又は状態の治療のための医薬としてのプロドラッグ又はプロドラッグ医薬組成物の使用にも関する。
【実施例
【0054】
化合物合成
本発明のプロドラッグは、基R1の性質に従い、エステル化、アミド化、チオエステル化、N-アルキル化、O-アルキル化又はS-アルキル化のためのそれ自体公知の合成方法に従って原則的に製造することができる。例えば、APIを、適切な酸RCOOH自体又はその酸塩化物RCOCl、酸無水物(RCO)2O若しくはクロロメチルエステルRCOOCHClと反応させる。プロドラッグを製造するためのこれらのプロセスは、本発明のさらなる態様を表す。
【0055】
酸、酸塩化物若しくは酸無水物によるエステル化、アミド化若しくはチオエステル化又はクロロメチルエステルによるN-アルキル化、O-アルキル化若しくはS-アルキル化の場合、反応は、一般に、不活性溶媒中、有機塩基の存在下で行われる。使用される溶媒は、本反応に対して不活性である限り特に限定されないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン及び石油エーテルなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン及び四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシ-エタン及びジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル;アセトンなどのケトン;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;又はスルホランであり得、それは、好ましくは、ハロゲン化炭化水素、エーテル又はアミドであり、最も好ましくは塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン又はジメチルホルムアミドである。溶媒は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0056】
使用される塩基は、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムt-ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;又はトリエチル-アミン、トリブチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、ピリジン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、l,4-ジアザビシクロ[2.2,2]オクタン(DABCO)及びl,8-ジアザビシクロ[5,4.0]-7-ウンデセン(DBU)などの有機アミンであり、最も好ましくは、トリエチルアミン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン又はN,N-ジイソプロピルエチルアミンである。塩基は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0057】
API:酸塩化物又は酸無水物:塩基のモル比は、好都合には、1:2~6:2~10の範囲である。不活性雰囲気下で、好ましくは不活性ガスとして窒素又はアルゴンを使用して、エステル化、アミド化及びチオエステル化を行うことが有利であることが見出された。
【0058】
酸自体がAPIのエステル化又はアミド化のために使用される場合、条件は、一般に、溶媒/分散媒及び反応温度に関して、酸塩化物又は酸無水物によるエステル化及びアミド化のために使用される条件と同様である。しかしながら、活性剤は、一般に、塩基と組み合わせて又は組み合わせずに使用される。使用される活性剤は、例えば、N-ヒドロキシスクシンイミド、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール及びN-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミドなどのN-ヒドロキシ化合物;ジピリジルジスルフィドなどのジスルフィド化合物;N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジ-メチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩及びビス-(トリメチルシリル)カルボジイミドなどのカルボジイミド;1,1'-カルボニルビス-1H-イミダゾール;4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)、ジフェニルリン酸アジド、ヘキサフルオロリン酸トリベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム又はトリフェニルホスフィンであり得、好ましくはN,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)、ジフェニルリン酸アジド又は1,1'-カルボニルビス-1H-イミダゾール、最も好ましくは、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)又は1,1'-カルボニルビス-1H-イミダゾールである。]
【0059】
API:カルボン酸活性剤のモル比は、好都合には、1:2~6:2~7の範囲である。
【0060】
プロドラッグを製造するための上記のプロセスにおいて出発物質として使用される、適切な酸RCOOH、酸塩化物RCOCl、酸無水物、(RCO)O及びクロロメチルエステルRCOOCH2Clは、公知の化合物であるか、又は関連する公知の出発物質を製造するプロセスと類似のプロセスによって容易に製造することができる。
【0061】
これら全ての場合において、生成物、すなわちプロドラッグは、それ自体公知の方法により、例えば溶媒を添加して反応後に混合物からの粗生成物の分離を誘導すること及び収集した粗生成物の結晶化により、単離及び精製することができる。カラムクロマトグラフィーを精製においてさらに使用することができる。
【0062】
実施例1
ボリコナゾールのプロドラッグ(ニコチン尿酸のエステル)
1.3mmolのボリコナゾール、462mg(2.56mmol)のニコチン尿酸及び20mLのジクロロメタンを、窒素雰囲気下で50mLの丸底フラスコに加えた。この混合物を撹拌し、氷浴中で冷却した。1217mg(6.35mmol)の1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド及び844mg(6.91mmol)の4-ジメチルアミノピリジンを加えた。反応物を室温に到達させ、遊離APIが消費されるまで混合物を24時間撹拌した。反応をシリカゲルTLCによりモニターした。反応溶液をクエン酸溶液及び水で抽出した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。次いで、溶媒を減圧下でロータリーエバポレーションにより除去した。残留物を分取HPLCにより精製した。(257)を60%の収率で得た。
【化20】
【0063】
実施例2
ボリコナゾールのプロドラッグ(3-(ピリジン-3-イルホルムアミド)プロパン酸のエステル)
ボリコナゾールのエステル化に使用した前駆物質3-(ピリジン-3-イルホルムアミド)プロパン酸を、ピリジン-3-カルボニルアジドを以下の手順に従ってアミノ酸(β-アラニン)と反応させることによって調製した:100mLの一口丸底フラスコに、1.707g(13.87mmol)のニコチン酸及び45mLの乾燥ジクロロメタンを窒素雰囲気下で入れた。この溶液を撹拌し、3.357g(17.51mmol)の1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを加えながら氷浴中で冷却した。氷浴中でさらに15分後、2.627g(40.41mmol)のアジ化ナトリウムを加えた。氷浴を除去し、反応混合物を室温で20時間撹拌した。反応をシリカゲルTLCによりモニターした。反応溶液をブラインで洗浄し、底部の有機層を除去した。残った水層をジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン画分を合わせ、水で洗浄し、底部の有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過した。30℃でのロータリーエバポレーションにより溶媒を減圧除去した。2546mgの粗物質が得られ、粗物質中のピリジン-3-カルボニルアジドの含有量は、約80%w/wであった(H NMR(CDCl、200MHz):δ 7.44(dd、1H、J=4.7、7、9Hz)、8.30(ddd、1H、J=1.9、2.0、8.0Hz)、8.84(dd、1H、J=1.6、4.8Hz)、9,17(d、1H、J=1.9Hz)。50mLの一口丸底フラスコに、5mLのβ-アラニン(1.213g、13.5mmol)の炭酸緩衝液0.5M pH10溶液を窒素雰囲気下、室温で入れた。2.0g(13.5mmol)のピリジン-3-カルボニルアジド(2.4gの粗物質)を1mLのジクロロメタンに溶解し、この溶液を2分毎に少量ずつアミノ酸溶液に加えた。各添加後にpHを試験ストリップで測定し、必要に応じて炭酸緩衝液0.5MでpH8に調整した。反応をシリカゲルTLCによりモニターした。40分後、1.9mLの10Mの塩酸溶液をpH4に達するまで加え、これを4℃に冷却した(冷却速度:1分当たり1℃)。生成物を結晶化させ、固体を濾過により単離した。結晶を塩酸水溶液pH4(3×5mL)で洗浄し、乾燥させた。1.127g(5.8mmol)の3-(ピリジン-3-イルホルムアミド)プロパン酸が得られ、収率43%であった。H NMR(DO、200MHz):δ 2.60(t、2H)、3.58(t、2H)、7.61(m、1H)、8.22(m、1H)、8.64(m、1H)、8.80(s、1H)。
【0064】
1.3mmolのボリコナゾール、2.56mmolの3-(ピリジン-3-イルホルムアミド)プロパン酸及び20mLのジクロロメタンを、50mLの丸底フラスコに窒素雰囲気下で加えた。この混合物を撹拌し、氷浴中で冷却した。1217mg(6.35mmol)の1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド及び844mg(6.91mmol)の4-ジメチルアミノピリジンを加えた。反応物を室温に到達させ、遊離APIが消費されるまで混合物を24時間撹拌した。反応をシリカゲルTLCによりモニターした。反応溶液をクエン酸溶液及び水で抽出した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。次いで、溶媒をロータリーエバポレーションにより減圧除去した。残留物を分取HPLCにより精製した。(258)が50%の収率で得られた。
【化21】
【0065】
実施例3
アリピプラゾールのプロドラッグ(ニコチン尿酸のクロロメチルエステルによるN-アルキル化)
1,4-ジオキサン(80mL)中のアリピプラゾール(0.45グラム、0.01mol)の混合物を超音波処理してアリピプラゾールを完全に溶解させ、次いでNaH(3.8g、0.095mol、60%分散液)で一度に処理した。この反応混合物を室温で15分間撹拌した後、反応混合物をニコチン尿酸の乾燥クロロメチルエステル(0.03mol)及び触媒量のヨウ化ナトリウム(0.005mol)で滴下処理した。得られた濁った混合物を90℃に2時間加熱し、周囲温度に冷却し、水に注いだ。生成物をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーは、所望の生成物(259)(収率70%)を提供した。
【化22】
【国際調査報告】