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特表2024-501433組織開口部を閉塞するための医療装置及びシステム並びにその方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-12
(54)【発明の名称】組織開口部を閉塞するための医療装置及びシステム並びにその方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20240104BHJP
【FI】
A61B17/00 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533950
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(85)【翻訳文提出日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 IB2021060666
(87)【国際公開番号】W WO2022118129
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】17/111,415
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509031165
【氏名又は名称】コヒーレックス メディカル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】COHEREX MEDICAL,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】イ・スン・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ビスカラット・マリー・エイ・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ソト・ファン・エム・アール
(72)【発明者】
【氏名】ディッター・トム
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD55
4C160DD65
4C160MM38
(57)【要約】
心臓の左心耳を閉塞するための医療装置、システム、及び方法が提供される。一実施形態では、医療装置(10)は、ヒンジ構成要素(26)で互いに枢動可能に結合されている閉塞器部分(16)とアンカー部分(18)とを含む。ヒンジ構成要素は各々、アームを有する基部を含み、アームは、基部から延在し、ヒンジ構成要素のうちの各1つのアームは、アンカー部分を閉塞器部分に枢動可能に結合することを容易にするために、閉塞器部分の第1のアイレット及びアンカー部分の第2のアイレットを通って延在し、これらを捕捉する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓の左心耳を閉塞するための医療装置であって、
軸を画定するハブに結合された閉塞器部分であって、前記閉塞器部分は、前記ハブから前記閉塞器部分の遠位端部分まで半径方向外向きに延在する閉塞器フレームセグメントを有し、前記遠位端部分における前記閉塞器フレームセグメントのうちの複数のものは、第1のアイレットを画定する、閉塞器部分と、
アンカーフレームセグメントを有するアンカー部分であって、前記アンカーフレームセグメントは、第1の端部と第2の端部との間に延在し、前記アンカーフレームセグメントの前記第2の端部は、アンカーハブに結合され、前記アンカーフレームセグメントの前記第1の端部は、そこに隣接する第2のアイレットを画定する、アンカー部分と、
複数のヒンジ構成要素と、を備え、前記ヒンジ構成要素の各々は、アームを有する基部を含み、前記アームは、前記基部から延在し、前記ヒンジ構成要素のうちの各1つの前記アームは、前記アンカー部分を前記閉塞器部分に枢動可能に結合することを容易にするために、前記閉塞器フレームセグメントのうちの1つの前記第1のアイレット及び前記アンカーフレームセグメントのうちの1つの前記第2のアイレットをそれぞれ通って延在し、これらを捕捉する、医療装置。
【請求項2】
前記アームは各々、前記ヒンジ構成要素を前記第1のアイレット及び前記第2のアイレットのうちの対応するものに維持するようにサイズ決定及び構成されたキャッチ表面を画定する、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記基部は、内側表面を備えて延在し、前記第1のアイレット及び前記第2のアイレットが前記内側表面と前記キャッチ表面との間に位置決めされている、請求項2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記アームは、各々独立して移動可能であり、前記基部から自由端まで延在し、前記アームの各々は、前記自由端に隣接する外側表面を備えて延在し、前記外側表面は、前記第1のアイレット及び前記第2のアイレットを画定する構造と係合して、前記アームを内向きに移動させるように構成されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項5】
前記アームは、少なくとも2つのアームを含む、請求項1に記載の医療装置。
【請求項6】
前記ヒンジ構成要素は各々、放射線不透過性材料を含み、前記ヒンジ構成要素の前記放射線不透過性材料は、近位境界の撮像を容易にするように構成されており、前記近位境界は、前記アンカー部分から延在する歯の近位にある、請求項1に記載の医療装置。
【請求項7】
前記第1のアイレット及び前記第2のアイレットのうちの一方を画定する構造は、放射線不透過性材料を含み、前記構造の前記放射線不透過性材料は、近位境界の撮像を容易にするように構成されており、前記近位境界は、前記アンカー部分から延在する歯の近位にある、請求項1に記載の医療装置。
【請求項8】
前記アンカーフレームセグメントの一部分は、放射線不透過性材料を含み、前記アンカーフレームセグメントの前記一部分の前記放射線不透過性材料は、前記アンカー部分の最遠位境界の撮像を容易にするように構成されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項9】
前記ヒンジ構成要素、及び前記アンカーフレームセグメントの一部分は、放射線不透過性材料を含み、前記ヒンジ構成要素の前記放射線不透過性材料は、近位境界を画定し、前記アンカーフレームセグメントの前記一部分の前記放射線不透過性材料は、遠位境界を画定し、前記近位境界及び前記遠位境界は、前記アンカー部分のランディングゾーンを画定し、前記アンカー部分の前記ランディングゾーンは、前記アンカー部分から延在する歯を含む、請求項1に記載の医療装置。
【請求項10】
心臓の左心耳を閉塞するための医療装置であって、
閉塞器部分とアンカー部分とを有するフレームワークであって、前記閉塞器部分は、ハブにおいて結合され、前記フレームワークの前記閉塞器部分が前記閉塞器部分の遠位端部分まで前記ハブに対して半径方向外向きに延在し、前記アンカー部分は、第1の端部部分と第2の端部部分との間に延在し、前記第2の端部部分は、二次ハブに結合されている、フレームワークと、
複数のヒンジ構成要素と、を備え、前記ヒンジ構成要素の各々は、アームを有する基部を含み、前記アームは、前記基部から延在し、前記ヒンジ構成要素のうちの各1つの前記アームは、前記アンカー部分を前記閉塞器部分に枢動可能に結合することを容易にするために、前記閉塞器部分の前記遠位端部分及び前記アンカー部分の前記第1の端部部分にそれぞれ画定されたアイレットを通って延在する、医療装置。
【請求項11】
前記アームは各々、前記ヒンジ構成要素を前記閉塞器部分及び前記アンカー部分に維持するようにサイズ決定及び構成されたキャッチ表面を画定する、請求項10に記載の医療装置。
【請求項12】
前記アームは、各々独立して移動可能であり、前記基部から自由端まで延在し、前記アームの各々は、前記自由端に隣接する外側表面を備えて延在し、前記外側表面は、前記アイレットを画定する構造と係合して、前記アームを内向きに移動させるように構成されている、請求項10に記載の医療装置。
【請求項13】
前記ヒンジ構成要素は各々、放射線不透過性材料を含み、前記ヒンジ構成要素の前記放射線不透過性材料は、近位境界の撮像を容易にするように構成されており、前記近位境界は、前記アンカー部分から延在する歯の近位にある、請求項10に記載の医療装置。
【請求項14】
前記アイレットを画定する構造は、放射線不透過性材料を含み、前記構造の前記放射線不透過性材料は、近位境界の撮像を容易にするように構成されており、前記近位境界は、前記アンカー部分から延在する歯の近位にある、請求項10に記載の医療装置。
【請求項15】
前記アンカー部分がアンカー展開位置にあるとき、前記アンカー部分は、前記ヒンジ構成要素から前記アンカー部分の遠位端に向かうアンカー支柱を備えて遠位に延在し、前記アンカー支柱は、そこから延在する歯を含み、前記アンカー支柱は、放射線不透過性材料を有する前記歯の遠位の一部分を含み、前記アンカーフレームセグメントの前記一部分の前記放射線不透過性材料は、遠位境界の撮像を容易にするように構成されており、前記近位境界及び前記遠位境界は、前記アンカー部分のランディングゾーンを画定する、請求項14に記載の医療装置。
【請求項16】
心臓の左心耳を閉塞するための医療装置であって、
閉塞器部分とアンカー部分とを画定するように延在するフレームワークを備え、前記アンカー部分は、前記フレームワークを前記左心耳の組織に係留するようにサイズ決定及び構成された歯を含み、前記アンカー部分は、複数のヒンジ構成要素で前記閉塞器部分に枢動可能に結合され、前記ヒンジ構成要素のうちの各1つが、前記閉塞器部分に対して前記アンカー部分を枢動可能に移動させることを容易にするために、前記閉塞器部分の第1のアイレット及び前記アンカー部分の第2のアイレットを通って延在し、前記第1のアイレット及び前記第2のアイレットの中に捕捉されており、
前記ヒンジ構成要素、及び前記アンカー部分の前記歯に隣接する一部分は、放射線不透過性材料を含み、前記ヒンジ構成要素の前記放射線不透過性材料は、近位境界を画定し、前記歯に隣接する前記一部分の前記放射線不透過性材料は、遠位境界を画定し、前記近位境界及び前記遠位境界は、それらの間にランディングゾーンを画定するように互いに対して離隔されている、医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、組織開口部又は心耳の閉塞に関し、より具体的には、例えば、そのような開口部及び左心耳などの心耳を閉塞するか、又は別の方法で構造的に改変するための装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓の上方の室である心房の各々には、心耳が付いている。例えば、左心耳は、全てのヒトの心臓の一形体である。そのような心耳の生理学的機能は完全には理解されていないが、心臓が正常に拍動している間、充填槽としての機能を果たすことは確かである。心耳は、典型的には、心房から突出して心房の外側部分を覆っている。心耳は、互いに実質的に異なる。例えば、ある心耳が先細の突起として構成され得る一方で、別の心耳は、内側に凹んだ靴下状の孔として構成され得る。心耳の内側表面は、従来通りに、1つ又は複数の葉(lobe)と共にその表面を横断する心筋組織の索で肉柱化される。
【0003】
心臓が正常に機能している間は、血液が心耳を通って送り出されるが、心耳は不活性であるように見える。換言すれば、心臓が正常に機能している間、心耳は、それらを通って送り出される血液に顕著な影響を及ぼしているようには見えない。しかしながら、心房細動の場合、心房が不整脈になると、心耳の内側で血液が鬱血して血栓症を引き起こす可能性がある。とりわけ、これが左心耳に起こった場合に、脳卒中の危険性をもたらし得、不整脈事象後に正常洞調律が回復すると、血栓が心臓から送り出されて頭蓋の循環系に入り得るためである。
【0004】
歴史的に、心房細動によって引き起こされる危険性を低減するために、時には心耳に外科的な修正が施されてきた。近年では、左心耳に経皮的に送達され得る装置が導入されている。これらの装置の基本機能は、埋め込み物で心耳内の容積を排除することにより、心耳内の血液が、安全に血栓を形成し、その後、心臓組織内に徐々に取り込まれるのを可能にすることである。このプロセスでは、装置の面を覆う内皮の成長と相まって、心耳が位置する表面を滑らかな内皮化状態にしておくことが可能である。経皮的に埋め込まれる装置は、左心耳に関連する問題に対処する手段として、外科的処置と比較して侵襲性が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、左心耳の心門のサイズ及び容積のばらつきが大きいことから、現在の埋め込み可能な装置の多くは、そのようなばらつきに対応することができない構造を含み、結果として、多くの左心耳の解剖学的構造には不適切な装置になっている。更に、そのような埋め込み可能な装置は、そこに係留された後に左心耳内で調整することができるので、典型的にはその機能性が制限されている。更に、多くの現在の埋め込み可能な装置に伴う別の問題は、いったんインプラントが左心耳内の組織に固定されると、インプラントが左心耳内のより最適な位置に調節されるべきかどうかを医師が容易に認識することができる様式で、撮像技術を用いて視認可能であるそれらの能力である。したがって、左心耳の修正の成功率を高めるために、例えば、左心耳内の埋め込み可能な装置の調整可能性及び視認可能性に関する問題に対処するための経皮システム、方法、及び/又は装置を提供することが有利である。
【0006】
様々な特徴及び利益は、後述する様々な実施形態の説明を読むことで、当業者に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態は、心臓の左心耳を閉塞するための様々な装置、システム、及び方法を対象とする。一実施形態では、心臓の左心耳を閉塞するための医療装置が提供される。医療装置は、閉塞器部分と、アンカー部分と、ヒンジ構成要素とを含む。閉塞器部分は、軸を画定するハブに結合され、閉塞器部分は、ハブから閉塞器部分の遠位端部分まで半径方向外向きに延在する閉塞器フレームセグメントを有し、遠位端部分における閉塞器フレームセグメントのうちの複数のものは、第1のアイレットを画定する。アンカー部分は、アンカーフレームセグメントを含み、アンカーフレームセグメントは、第1の端部と第2の端部との間に延在する。アンカーフレームセグメントの第2の端部は、アンカーハブに結合され、アンカーフレームセグメントの第1の端部は、そこに隣接する第2のアイレットを画定する。ヒンジ構成要素の各々は、アームを有する基部を含み、アームは、基部から延在する。ヒンジ構成要素のうちの各1つのアームは、アンカー部分を閉塞器部分に枢動可能に結合することを容易にするために、閉塞器フレームセグメントのうちの1つの第1のアイレット及びアンカーフレームセグメントのうちの1つの第2のアイレットをそれぞれ通って延在し、これらを捕捉する。
【0008】
別の実施形態では、アームは各々、ヒンジ構成要素を第1のアイレット及び第2のアイレットのうちの対応するものに維持するようにサイズ決定及び構成されたキャッチ表面を画定する。更なる実施形態では、基部は、内側表面を備えて延在し、第1のアイレット及び第2のアイレットが内側表面とアームのキャッチ表面との間に位置決めされている。別の実施形態では、アームは、各々独立して移動可能であり、基部から自由端まで延在し、アームの各々は、自由端に隣接する外側表面を備えて延在し、外側表面は、第1のアイレット及び第2のアイレットを画定する構造と係合して、アームを内向きに移動させるように構成されている。更に別の実施形態では、アームは、少なくとも2つのアームを含む。
【0009】
別の実施形態では、ヒンジ構成要素は各々、放射線不透過性材料を含み、ヒンジ構成要素の放射線不透過性材料は、近位境界の撮像を容易にするように構成されており、近位境界は、アンカー部分から延在する歯の近位にある。更に別の実施形態では、第1のアイレット及び第2のアイレットのうちの一方を画定する構造は、放射線不透過性材料を含み、構造の放射線不透過性材料は、近位境界の撮像を容易にするように構成されており、近位境界は、アンカー部分から延在する歯の近位にある。更に別の実施形態では、アンカーフレームセグメントの一部分は、放射線不透過性材料を含み、アンカーフレームセグメントの一部分の放射線不透過性材料は、アンカー部分の最遠位境界の撮像を容易にするように構成されている。別の実施形態では、ヒンジ構成要素及びアンカーフレームセグメントの一部分は、放射線不透過性材料を含み、ヒンジ構成要素の放射線不透過性材料は、近位境界を画定し、アンカーフレームセグメントの一部分の放射線不透過性材料は、遠位境界を画定し、近位境界及び遠位境界は、アンカー部分のランディングゾーンを画定し、アンカー部分のランディングゾーンは、アンカー部分から延在する歯を含む。
【0010】
本発明の別の実施形態に従って、心臓の左心耳を閉塞するための医療装置が提供される。医療装置は、フレームワークと、複数のヒンジ構成要素とを含む。フレームワークは、閉塞器部分とアンカー部分とを含み、閉塞器部分は、ハブにおいて結合され、フレームワークの閉塞器部分が閉塞器部分の遠位端部分までハブに対して半径方向外向きに延在する。アンカー部分は、第1の端部部分と第2の端部部分との間に延在し、第2の端部部分は、二次ハブに結合される。複数のヒンジ構成要素は各々、アームを有する基部を含み、アームは、基部から延在する。ヒンジ構成要素のうちの各1つのアームは、アンカー部分を閉塞器部分に枢動可能に結合することを容易にするために、閉塞器部分の遠位端部分及びアンカー部分の第1の端部部分にそれぞれ画定されたアイレットを通って延在する。
【0011】
別の実施形態では、アームは各々、ヒンジ構成要素を閉塞器部分及びアンカー部分に維持するようにサイズ決定及び構成されたキャッチ表面を画定する。別の実施形態では、アームは、各々独立して移動可能であり、基部から自由端まで延在し、アームの各々は、自由端に隣接する外側表面を備えて延在し、外側表面は、アイレットを画定する構造と係合して、アームを内向きに移動させるように構成されている。
【0012】
別の実施形態では、ヒンジ構成要素は各々、放射線不透過性材料を含み、ヒンジ構成要素の放射線不透過性材料は、近位境界の撮像を容易にするように構成されており、近位境界は、アンカー部分から延在する歯の近位にある。別の実施形態では、アイレットを画定する構造は、放射線不透過性材料を含み、構造の放射線不透過性材料は、近位境界の撮像を容易にするように構成されており、近位境界は、アンカー部分から延在する歯の近位にある。更に別の実施形態では、アンカー部分がアンカー展開位置にあるとき、アンカー部分は、ヒンジ構成要素からアンカー部分の遠位端に向かうアンカー支柱を備えて遠位に延在し、アンカー支柱は、そこから延在する歯を含み、アンカー支柱は、放射線不透過性材料を有する歯の遠位の一部分を含み、アンカーフレームセグメントの一部分の放射線不透過性材料は、遠位境界の撮像を容易にするように構成されており、近位境界及び遠位境界は、アンカー部分のランディングゾーンを画定する。
【0013】
本発明の別の実施形態に従って、心臓の左心耳を閉塞する方法が提供される。本方法は、カテーテルを有する医療装置を、血管系を通って左心耳まで前進させるステップであって、医療装置は、一次ハブと二次ハブとの間に延在するフレームワークを有し、一次ハブ及び二次ハブは、共通軸を有し、フレームワークは、フレームワークの閉塞器部分とアンカー部分との間にヒンジ構成要素を備えて延在し、ヒンジ構成要素の各々が基部と基部から延在するアームとを含む、前進させるステップと、二次ハブが軸に沿って一次ハブに対して移動可能であるように、かつ、ヒンジ構成要素の各々のアームがアンカー部分において画定されたアンカーアイレットの対応するものを通って位置決めされ、ヒンジ構成要素の各々のアームが閉塞器部分に画定された閉塞器アイレットの対応するものを通って位置決めされた状態で、アンカー部分がヒンジ構成要素を中心に枢動するように、左心耳に隣接するフレームワークを収縮位置から展開位置に展開するステップと、医療装置のフレームワークが左心耳に隣接する組織に固定された状態で、カテーテルから医療装置を解放するステップと、を含む。
【0014】
別の実施形態では、フレームワークを展開することに続いて、アンカー部分の歯が組織から後退させられるように、二次ハブを近位に移動させてアンカー部分を後退位置に移動させることによってアンカー部分を枢動させること。別の実施形態では、展開するステップは、フレームワークのアンカー部分から延在する歯で、フレームワークを左心耳に隣接する組織に固定することを含む。更に別の実施形態では、本方法は、ヒンジ構成要素のアームの各々のキャッチ表面で、第1のアイレット及び第2のアイレットがキャッチ表面とヒンジ構成要素の各々の基部との間に位置決めされた構造を画定するように、フレームワークの閉塞器部分に結合されたアンカー部分を維持することを更に含む。更に別の実施形態では、本方法は、撮像技術を用いて、フレームワークに統合されたマーカーを視認して、左心耳に隣接する組織に対して、マーカーによって少なくとも部分的に画定される、フレームワークのランディングゾーンを判定することを更に含む。
【0015】
本発明の別の実施形態に従って、閉塞装置を組み立てる方法が提供される。本方法は、閉塞器フレーム部分、アンカーフレーム部分、及び複数のヒンジ構成要素を提供するステップであって、閉塞器フレーム部分は、近位端部分と遠位端部分との間に延在し、アンカーフレーム部分は、第1の端部部分と第2の端部部分との間に延在し、ヒンジ構成要素は各々、アームを有する基部を含み、アームは、基部から延在する、提供するステップと、閉塞器フレーム部分が遠位端部分まで遠位かつ半径方向外向きに延在するように、閉塞器フレーム部分の近位端部分をハブに結合するステップであって、遠位端部分は、その中に第1のアイレットを画定する、結合するステップと、ヒンジ構成要素のうちの1つのアームを、閉塞器フレーム部分の遠位端部分の第1のアイレットを通して挿入するステップと、ヒンジ構成要素のうちの1つのアームを、アンカーフレーム部分の第1の端部部分に画定された第2のアイレットを通して挿入するステップと、アンカーフレーム部分の第2の端部部分を二次ハブに結合するステップと、を含む。
【0016】
別の実施形態では、本方法は、アームのキャッチ表面及びヒンジ構成要素の各々の基部の内側表面で、アンカー部分を閉塞器部分に結合することを更に含む。別の実施形態では、挿入するステップは、アームの外側表面上で、アームを内向きに独立して移動させることを含み、アームは、アームが第1のアイレット及び第2のアイレットを通って挿入可能であるように、第1のアイレットを画定する構造と係合するか、又は第2のアイレットを画定する構造と係合する。
【0017】
別の実施形態では、本方法は、左心耳に隣接する組織に対するアンカー部分のランディングゾーンを判定することを少なくとも部分的に支援するために、マーカーを閉塞器部分及びアンカー部分のうちの1つに統合することを更に含む。別の実施形態では、統合することは、放射線不透過性材料が近位境界の撮像を容易にするように構成されており、近位境界がアンカー部分から延在する歯の近位にあるように、第1のアイレット及び第2のアイレットを画定するヒンジ構成要素及び構造のうちの少なくとも1つにマーカーを放射線不透過性材料と統合することを含む。更なる実施形態では、統合するステップは、マーカーが遠位境界を画定するように位置決めされ、近位境界及び遠位境界がそれらの間にランディングゾーンを画定するように、アンカー部分の一部分においてマーカーを放射線不透過性材料と統合することを含む。別の実施形態では、ランディングゾーンの遠位境界は、アンカー部分の歯を通って、及び/又はそれに沿って延在する。
【0018】
本発明の別の実施形態に従って、心臓の左心耳を閉塞するための医療装置が提供される。この実施形態では、医療装置は、閉塞器部分とアンカー部分とを画定するように延在するフレームワークを含み、アンカー部分は、フレームワークを左心耳の組織に係留するようにサイズ決定及び構成された歯を含む。アンカー部分は、ヒンジ構成要素のうちの各1つが、閉塞器部分に対してアンカー部分を枢動可能に移動させることを容易にするために、閉塞器部分の第1のアイレット及びアンカー部分の第2のアイレットを通って延在し、その中に捕捉されるように、複数のヒンジ構成要素で閉塞器部分に枢動可能に結合される。ヒンジ構成要素、及びアンカー部分の歯に隣接する一部分は、放射線不透過性材料を含む。この配列では、近位境界及び遠位境界がそれらの間にランディングゾーンを画定するように互いに対して離隔されているように、ヒンジ構成要素の放射線不透過性材料は、近位境界を画定し、歯に隣接する一部分の放射線不透過性材料は、遠位境界を画定する。
【0019】
別の実施形態では、アンカー部分は、複数のワイヤを含み、複数のワイヤの各々は、アンカー部分の一部分の周りに固定してコイル巻きされ、複数のワイヤは、フレームワークの最遠位境界を画定するために放射線不透過性材料を含む。更に別の実施形態では、ヒンジ構成要素の各々は、アームを有する基部を含み、アームは、基部から延在し、アームの各々は、アンカー部分を閉塞器部分に維持するためのキャッチ表面を含む。別の実施形態では、アームは、各々独立して移動可能であり、基部から自由端まで延在し、アームの各々は、自由端に隣接する外側表面を備えて延在し、外側表面は、第1のアイレット及び第2のアイレットを画定する構造と係合して、アームを内向きに移動させるように構成されている。
【0020】
本発明の別の実施形態に従って、心臓の左心耳を閉塞する方法が提供される。本方法は、カテーテルを有する医療装置を、血管系を通って左心耳まで前進させるステップであって、医療装置は、閉塞器部分とアンカー部分とを画定するように延在するフレームワークを有し、アンカー部分は、フレームワークを左心耳の組織に係留するようにサイズ決定及び構成された歯を含み、アンカー部分は、複数のヒンジ構成要素で閉塞器部分に枢動可能に結合され、ヒンジ構成要素のうちの各1つが、閉塞器部分の第1のアイレット及びアンカー部分の第2のアイレットを通って延在し、第1のアイレット及び第2のアイレットの中に捕捉されており、ヒンジ構成要素、及びアンカー部分の歯に隣接する一部分は、放射線不透過性材料を含む、前進させるステップと、アンカー部分が閉塞器部分に対して枢動可能に移動可能であるように、左心耳に隣接するフレームワークを収縮位置から展開位置に展開するステップと、近位境界及び遠位境界であって、近位境界がヒンジ構成要素によって画定され、遠位境界がアンカー部分の歯に隣接する一部分によって画定され、そのため、近位境界及び遠位境界がそれらの間にランディングゾーンを画定するように互いに対して離隔されている、近位境界及び遠位境界を視覚化するように、心臓内の展開位置における医療装置を撮像するステップと、を含む。
【0021】
別の実施形態では、撮像するステップは、医療装置を係留するために、左心耳の組織に隣接してランディングゾーンを位置決めするステップを含む。別の実施形態では、本方法は、左心耳の組織に対して医療装置を再位置決めするために、閉塞器部分が拡張位置を維持した状態で、アンカー部分を後退位置に枢動させるステップを更に含む。別の実施形態では、本方法は、医療装置のフレームワークが、左心耳に隣接する組織に固定された状態で、カテーテルから医療装置を解放するステップを更に含む。別の実施形態では、本方法は、ヒンジ構成要素であって、ヒンジ構成要素が各々、ヒンジ構成要素のアームから延在するキャッチ表面を有し、その結果、アンカー部分がフレームワークの閉塞器部分に枢動可能に結合されたままである、ヒンジ構成要素を用いて、アンカー部分を後退位置に枢動するステップを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の前述及び他の利益は、以下の詳細説明を読み、図面を参照することにより明らかになるであろう。
図1】本発明の一実施形態による、送達システムに結合された医療装置を描写する、医療装置システムの斜視背面図である。
図2】本発明の別の実施形態による、送達システムのハンドルのアンカーアクチュエータで後退させられた医療装置のアンカー部分を描写する、医療装置システムの斜視背面図である。
図3】本発明の別の実施形態による、医療装置システムのシース内に少なくとも部分的に収縮された医療装置を描写する、医療装置システムの斜視図である。
図4】本発明の別の実施形態による、閉塞器フレーム及びアンカーフレームを有するフレームワークを描写する、医療装置のフレームワーク(フレームワークに取り付けられた閉塞器材料を伴わない)の側面図である。
図4A】本発明の別の実施形態による、図4の詳細部Aから切り取られた医療装置のヒンジの拡大図である。
図4B】本発明の別の実施形態による、図4の詳細部Bから切り取られた医療装置のヒンジの拡大図である。
図5】本発明の別の実施形態による、閉塞器及びアンカーフレームをともに結合するように構成されるヒンジ構成要素を描写する、医療装置のヒンジの種々の構成要素の分解図である。
図6】本発明による、ヒンジ構成要素の斜視図である。
図7】本発明による、ヒンジ構成要素の底面斜視図である。
図8】本発明による、ヒンジ構成要素の側面図である。
図9】本発明による、ヒンジ構成要素の上面図である。
図10】本発明の別の実施形態による、閉塞器及びアンカーフレームの整列されたアイレットの正面図である。
図11】本発明の別の実施形態による、結合された閉塞器フレームとアンカーフレームとの間の間隙を描写する、ヒンジの側面斜視図である。
図11A】本発明の別の実施形態による、図11の線A-Aから切り取られたヒンジの断面図である。
図12】本発明による、ヒンジ構成要素の別の実施形態の斜視図である。
図13】本発明による、図12のヒンジ構成要素の底面斜視図である。
図14】本発明による、ヒンジ構成要素の別の実施形態の斜視図である。
図15】本発明による、図14のヒンジ構成要素の底面斜視図である。
図16】本発明による、図14のヒンジ構成要素の側面図である。
図17】本発明による、図14のヒンジ構成要素の正面図である。
図18】本発明による、図14のヒンジ構成要素の上面図である。
図19】本発明の別の実施形態による、図4の詳細部Cから切り取られた閉塞器フレームの一部分の拡大斜視図である。
図20】本発明の別の実施形態による、図4の詳細部Dから切り取られたアンカーフレームの一部分の拡大斜視図である。
図21】本発明の別の実施形態による、医療装置の近位側面図である。
図21A】本発明の別の実施形態による、図21の領域Aから切り取られた医療装置の歯の拡大図である。
図22】別の実施形態による、アンカーアイレットと閉塞器アイレットとの間にリベット及びワッシャを有するヒンジを描写する、ヒンジの別の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1及び図4を参照すると、送達システム12に取り外し可能に結合された医療装置10が提供される。医療装置10及び送達システム12は、例えば、心臓(図示せず)内の左心耳などの開口部又は空洞を経皮的に閉鎖及び修正するための介入的な処置において用いられ得る、一緒になって医療装置送達システム14として参照され得る。医療装置10は、閉塞器部分16及びアンカー部分18を画定するように延在するフレーム構造を含み得、閉塞器部分16及びアンカー部分18は、閉塞器フレーム20及びアンカーフレーム22の対応するフレーム構成要素を有する。閉塞器部分16は、閉塞器フレーム20に取り付けられた組織成長部材24を有する閉塞器フレーム20を含み得る。組織成長部材24は、閉塞部材の形態であり得るが、組織内方成長を促進するようにサイズ決定及び構成される、フィルタ部材、メッシュ部材、膜、若しくは任意の他の構造、又はそれらの組み合わせの形態であり得る。更に、組織成長部材24は、ePTFE及び/又はポリウレタンフォームなどの1つ又は2つ以上のポリマー材料から形成され得る。アンカーフレーム22は、アンカー部分18が左心耳における組織に固定されたことに続いて、医師が医療装置10の位置を調整するのを支援するために、アンカーフレーム22が後退位置と展開位置との間で移動可能であり得るように、閉塞器フレーム20に枢動可能に結合され得る。アンカーフレーム22と閉塞器フレーム20との間のそのような枢動可能な結合は、ヒンジ構成要素26で用いられ得、ヒンジ構成要素26は、アンカー部分18と閉塞器部分16との間の枢動可能な接続の効率的な組み立てを容易にする。更に、ヒンジ構成要素26、閉塞器フレーム20及び/若しくはアンカーフレーム22、又はそれらに関連付けられた他の構成要素などの医療装置10の様々な部分は、心臓の左心耳に隣接する解剖学的構造に対する医療装置10のランディングゾーン28の詳細を医師が理解するのを支援するために、撮像技術を介して可視性を支援する放射線不透過性材料から形成されたマーカーを含み、及び提示し得る。このようにして、医療装置10は、医師が医療装置10を左心耳に最適に位置決めすることを支援するための構造的構成要素を組み込む。
【0024】
図1図3を参照すると、記載するように、医療装置10は、送達システム12で血管系を通って送達され得る。送達システム12は、プッシャーカテーテル30と、ハンドル32とを含み得、ハンドル32は、カテーテル30の近位部分と統合される。ハンドル32は、展開位置(図1)と後退位置(図2)との間でアンカーフレーム22を操作するために、アンカーアクチュエータ34などの様々な機能的構成要素を含み得る。送達システム12は、医療装置10を左心耳に送達するための送達シース36を含み、それと共に用いられ得る。送達シース36は、心臓の左心耳に隣接して位置決めされるように送達可能なシース遠位端38で、既知の介入技術を使用して、血管系内に位置決めされ得る。医療装置10が送達シース36の管腔を通ってシース遠位端38まで前進させられると(医療装置10は、シース遠位端38に隣接して破線で部分的に示される収縮位置にある(図3参照))、医療装置10は、送達シース36から少なくとも部分的に展開され得る。すなわち、送達シース36は、次いで、医療装置10の閉塞器部分16がシース遠位端38から展開され得るように、手動で近位に移動され得る(及び/又はプッシャーカテーテル30が遠位に前進され得る)。そのような閉塞器部分16は、閉塞器部分16がシース遠位端38から露出されると、直ちに自己拡張し得る。この段階で、医療装置10は、部分的に展開された状態にあり得、その後、医療装置は、アンカー部分18を展開することによって、完全に展開された状態に移動され得る。例えば、閉塞器部分16が最初に展開されると、アンカー部分18は、ハンドル32のアンカーアクチュエータ34は近位位置にある(図2に描画されるように)、後退位置にあり得る。医師が、閉塞器部分16が左心耳に隣接する適切かつ所望の位置にあると判定すると、アンカー部分18は、矢印40(図1参照)によって示されるように、アンカーアクチュエータ34を遠位位置に移動させることによって、後退位置から展開位置に枢動され得る。アンカー部分18が展開位置に移動されると、アンカー部分18の歯145(図4及び図21A)は、医療装置10を左心耳内に固定するために、組織に係合し得る。医師が、医療装置10が左心耳内の最適な固定位置にないと判定した場合、アンカー部分18は、矢印42(図2参照)によって示されるように、アンカーアクチュエータ34を遠位位置から近位位置に移動させることによって枢動されて後退位置に戻り得る。したがって、アンカーアクチュエータ34は、アンカー部分18が展開位置と後退位置との間で枢動するように、アンカー部分18を後退位置と展開位置との間で移動させるために、手動で近位及び遠位に移動され得る。このようにして、医療装置10のアンカー部分18は、医師が最適な位置を得るか、又は医療装置10から送達システム12を解放する前にその位置に満足するまで、医師によって必要に応じて左心耳における組織から固定及び係合解除され得る。そのハンドル32、プッシャーカテーテル30、医療装置10、及び送達シース12を伴う類似の医療装置送達システム14は、2017年2月21日に出願され、現在、「MEDICAL DEVICE FOR MODIFICATION OF LEFT ATRIAL APPENDAGE AND RELATED SYSTEMS AND METHODS」と題される米国特許第10,631,969号として発行された、同一出願人による米国特許出願第15/438,650号に開示され、その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
【0025】
図4図4A図4B、及び図5を参照して、完全に拡張された位置にある医療装置10のフレーム構成要素又はフレームワークが、ここで記載される。前述したように、医療装置10のフレームワークは、閉塞器フレーム20と、アンカーフレーム22とを含み得る。閉塞器フレーム20は、一次ハブ44に結合され、そこから延在し得、一次ハブ44は、それを通る軸46を画定し得る管状特性を有する。閉塞器フレーム20は、閉塞器フレーム20の近位端48が一次ハブ44に結合され得るように、近位端48と遠位端50との間に延在し得る。閉塞器フレーム20は、閉塞器フレームセグメント52及び/又は閉塞器フレーム支柱を備えて近位端48から延在し得る。例えば、閉塞器フレームセグメント52は、一次ハブ44から軸46に対して閉塞器フレーム20の遠位端50まで遠位かつ半径方向に延在し得、その結果、遠位端50に隣接して、閉塞器フレームセグメント52は、そこに画定された閉塞器フレームアイレット54を有する構造で延在し得る。一実施形態では、フレームセグメント52の遠位端50に隣接する1つおきの閉塞器フレームセグメント52は、その中に画定された閉塞器フレームアイレット54のうちの1つを有する構造を画定し得る。別の実施形態では、閉塞器フレームアイレット54が画定されたそれらの閉塞器フレームセグメント間に延在する閉塞器フレームセグメント52は、自由端56まで延在し得る。更に別の実施形態では、閉塞器フレームアイレット54は、第1のアイレットとして参照され得、閉塞器フレームアイレットの各々は、アンカーフレーム22に結合されるようにサイズ決定及び構成される。更に別の実施形態では、閉塞器フレームアイレット54の各々は、複数のヒンジ構成要素26のうちの1つに結合されるようにサイズ決定及び構成され得る。
【0026】
アンカーフレーム22は、第1の端部62と第2の端部64との間で半径方向に延在し得る、複数のアンカーフレームセグメント60及び/又はアンカーフレーム支柱を備えて延在し得る。第1の端部62に隣接して、アンカーフレームセグメント60は、その中に複数のアンカーフレームアイレット66を画定するような構造で延在し得る。アンカーフレームアイレット66の各々は、閉塞器フレームアイレット54の1つに対応し得る。そのようなアンカーフレームアイレット66は、第2のアイレットとして参照され得、閉塞器フレームアイレット54を介して閉塞器フレーム20に結合するようにサイズ決定及び構成され得る。更に、アンカーフレームアイレット66は、複数のヒンジ構成要素26のうちの1つに対応し、結合され得る。このようにして、アンカーフレーム22の第1の端部62又は第1の端部部分は、ヒンジ構成要素26を介して閉塞器フレーム20に枢動可能に結合され得る。更に、アンカーフレームセグメント60の第2の端部64は、二次ハブ68まで延在し、及び結合され得る。二次ハブ68は、一次ハブ44及び二次ハブ68が軸46又は共通軸に沿って位置決めされるように軸方向に整列されるように、軸46に沿って移動可能であり得る。この配列では、アンカーアクチュエータ34(図1及び図2)を介した軸46に沿った二次ハブ68の移動は、アンカーフレーム22が後退位置と展開位置との間で移動し得るように、ヒンジ構成要素26を中心にアンカー部分18を枢動する結果をもたらす。
【0027】
ここで、図6図9を参照して、ヒンジ構成要素26のうちの1つが、ここで記載される。一実施形態では、ヒンジ構成要素26の各々は、基部70と、基部70から延在するアーム72とを含み得る。基部70は、基部が封鎖構造として作用することができるように、閉塞器フレームアイレット54若しくはアンカーフレームアイレット66(図5参照)よりも大きくあり得る、円筒形構造又は任意の他の好適な構造で延在し得る。基部70は、対向する平坦面76の間に半径方向側面74を伴って延在し得る。平坦面76のうちの1つは、封鎖構造として作用することができる構造であり得、並びにアーム72がそこから延在し得る表面であり得る。アーム72はそれぞれ、細長い構造であり得、細長い構造の一端は、自由端78である。ヒンジ構成要素26は、ヒンジ軸80に沿って長手方向に延在するアーム72の細長い構造を有する、対向する平坦面76を通って中心方向に延在するヒンジ軸80を画定し得る。
【0028】
アーム72はそれぞれ、基部70から共通の方向に延在するように、平坦面76のうちの1つから延在し得る。一実施形態では、ヒンジ構成要素26は、4つのアーム72と共に延在し得る。ヒンジ構成要素26の他の実施形態は、2つのアーム又は3つのアームを含み得る。別の実施形態では、ヒンジ構成要素26のうちの1つ又は2つ以上は、基部70から延在する少なくとも2つのアームを含み得る。アーム72は各々、ヘッド構造82又はノブ構造を有する自由端78に向かって延在し得る。アーム72は、その端部に沿って、各々、その両方がヘッド構造82の表面であり得る、外側端部表面84及び下側キャッチ表面86を画定するように延在し得る。外側端部表面84は、閉塞器アイレット54又はアンカーフレームアイレット66のいずれかの部分を画定する構造と係合するようにサイズ決定及び構成され得る。更に、下側キャッチ表面86は、閉塞器フレーム20とアンカーフレーム22との間の結合を維持するようにサイズ決定及び構成され得る。別の実施形態では、ヘッド構造82は、外側端部表面84及びキャッチ表面86を画定し得る。別の実施形態では、アーム72の各々は、隣接するアーム72に対して独立して移動可能であり得る。別の実施形態では、アーム72の各々は、基部70に対して独立して移動可能であり得る。アーム72の独立した移動可能性は、アーム72の外側端部表面84に力が加えられると、アーム72が各々独立して付勢状態に移動し得るように、屈曲態様又は付勢態様で移動し得る。アーム72の外側端部表面84から力が取り除かれると、アーム72は各々、アーム72がそれぞれの閉塞器アイレット54及びアンカーアイレット66内にあるときにわずかに収縮され得るので、弛緩状態又は半弛緩状態に移動され得る。
【0029】
別の実施形態では、ヒンジ構成要素26は、キー構造88を含み得る。一実施形態では、キー構造88は、ヒンジ構成要素26のアーム72と統合され得る。別の実施形態では、キー構造88は、1つのポスト構造90が各隣接して延在するアーム72の間にある、4つのポスト構造90と共に延在し得る。別の実施形態では、アーム72は、ポスト構造90よりも大きい細長い長さを有する。キー構造88は、アイレットがキー構造88の輪郭に少なくとも部分的に対応するように、閉塞器フレームアイレット54を画定する構造と係合するようにサイズ決定及び構成され得る。
【0030】
ここで、図5図10図11及び図11Aを参照して、ヒンジ構成要素26と閉塞器フレーム20及びアンカーフレーム22との組み立てが、ここで記載される。例えば、閉塞器フレームアイレット54は、ヒンジ構成要素26のヒンジ軸80が閉塞器フレームアイレット54を通って中心方向又は軸方向に延在するように、ヒンジ構成要素26に隣接して位置決めされ得る。ヒンジ構成要素26と閉塞器フレームアイレット54との間のこの軸方向に整列された向きで、ヒンジ構成要素26は、閉塞器フレームアイレット54を画定する構造がアーム72の外側端部表面84に対して押され得るように、閉塞器フレームアイレット54に向かって移動され得る。次いで、アーム72は、アーム72がアイレット54を通って移動されるように、閉塞器フレームアイレット54が外側端部表面84を通過して基部70に向かって移動することを可能にするように、独立して内側に移動し得る。閉塞器フレームアイレット54と同様に、アンカーフレームアイレット66は、アンカーフレームアイレット66を画定する構造をアーム72の外側端部表面84に対して移動させるために、ヒンジ軸80に対して軸方向に整列されるように配向され得、それによってアーム72を内側に移動させ、次いで、図11Aに示されるように、アーム72の下側キャッチ表面86と閉塞器フレームアイレット54を画定する閉塞器フレーム20との間に位置させるために、アンカーフレームアイレット66を移動させる。更に、一実施形態では、閉塞器フレームアイレット54を画定する構造は、図5及び図10に示されるように、その中に画定された凹部92を含み得る。そのような凹部92は、各凹部92が、隣接して延在するアーム72の間に位置決めされるポスト構造90のうちの1つと対応し得るように、ヒンジ構成要素26のキー構造88と対応するようにサイズ決定及び構成され得る。更に、別の実施形態では、閉塞器フレームアイレット54及びアンカーフレームアイレット66は、図10に描写されるように、一緒に位置決め及び整列され得、次いで、ヒンジ構成要素26のアーム72を、図11に示されるように、整列された閉塞器フレームアイレット54及びアンカーフレームアイレット66の各々を通って挿入する。別の実施形態では、閉塞器アイレット54及びアンカーアイレット66の各々をヒンジ構成要素26に結合すると、キー構造88は、アンカーフレームアイレット66がキー構造88に対応しないので、閉塞器アイレット54とアンカーアイレット66との間に間隙94を提供し得る。したがって、キー構造88は、閉塞器アイレット54とアンカーフレームアイレット66との間のワッシャの必要性を排除するように、本質的に間隙94を提供し得る。この配列では、ヒンジ構成要素26は、閉塞器フレーム20とアンカーフレーム22とを一緒に結合する効率において有利であり得る。
【0031】
図5に描写されるいくつかの構成要素と併せて図12及び図13を参照すると、ヒンジ構成要素102の別の実施形態が、提供される。この実施形態は、ヒンジ構成要素102のこの実施形態がヒンジ構成要素102のアームに隣接するキー付き構造又はポスト構造を提示しないことを除いて、図6図9に描写されるヒンジ構成要素の先の実施形態と同様であり得る。したがって、この実施形態のヒンジ構成要素102は、先の実施形態と同様に用いられ得、先の実施形態のヒンジ構成要素と同様の機能を含み得る。先の実施形態におけるのと同様に、ヒンジ構成要素102は、基部104から延在するアーム106を有する基部104を含み得る。アーム106は、アーム106のいずれか1つの外側端部表面110に力が加えられたときにアーム106が独立して内側に移動するのを助け得る、外側端部表面110を有するヘッド構造108を含み得る。更に、アーム106はまた、ヒンジ構成要素102のこの実施形態に対して閉塞器フレームアイレット54及びアンカーフレームアイレット66を維持するためのキャッチとして作用するようにサイズ決定及び構成された下側表面112を含み得る。別の実施形態では、ヒンジ構成要素102は、それぞれの閉塞器フレーム20及びアンカーフレーム22の閉塞器フレームアイレット54及びアンカーフレームアイレット66を画定する構造の間に位置決めされ得るワッシャ(図示せず)と共に用いられ得る。
【0032】
ここで、図14図18を参照すると、ヒンジ構成要素120の別の実施形態が、提供される。先の実施形態と同様に、ヒンジ構成要素120は、基部122から延在するアーム124を有する基部122を含み得る。この実施形態では、4つのアームではなく、ヒンジ構成要素120は、基部122から延在する2つのアーム124を提示し得る。アーム124は、先の実施形態(図5参照)で記載されたものと同様に、アーム124が独立して内向きに移動することを容易にするために、閉塞器フレームアイレット54及びアンカーフレームアイレット66を画定する構造と係合するようにサイズ決定及び構成された外側端部表面128を有するヘッド構造126又はノブ構造まで延在し得る。更に、アーム72は、図11及び図11Aに描写されるものと同様に、ヒンジ構成要素120の下側表面130と基部122との間に閉塞器フレームアイレット54及びアンカーフレームアイレット66を捕捉又は維持するようにサイズ決定及び構成された下側表面130を画定するように延在し得る。更に、ヒンジ構成要素120は、図5に描写されるものと同様に、閉塞器フレームアイレット54及びアンカーフレームアイレット66をヒンジ構成要素120のヒンジ軸132と軸方向に整列させることによって、閉塞器フレーム20及びアンカーフレーム22に組み立てられ得る。別の実施形態では、ヒンジ構成要素は、基部から延在する3つのアームを有する基部を含み得る。
【0033】
図4及び図21を参照すると、別の実施形態では、医療装置10のフレームワークの種々の部分は、マーカーを画定するために放射線不透過性材料を含み得、放射線不透過性材料は、当業者に公知であるように、蛍光透視型撮像などの撮像技術を用いて視認可能であるように構成されている。マーカーは、近位境界140と遠位境界141との間の空間が医療装置10のランディングゾーン28を画定し得るように、近位境界140及び遠位境界141を画定するようにフレームワークと統合及び配列され得る。更に、マーカーは、最遠位境界142が医師に医療装置10の遠位端50を示し得るように、医療装置10の最遠位境界142を画定し得る。ランディングゾーン28の近位境界140及び遠位境界141(並びに医療装置の最遠位端)は、破線で示され、破線は、概して、医療装置10のフレームワークと統合されたマーカーを通って、又はマーカーに隣接して並んで延在する。
【0034】
例えば、図4図21、及び図21Aに関して、ランディングゾーン28の遠位境界141は、アンカーフレーム22の歯145に隣接して位置決めされた歯マーカー168を通って延在し得る。歯145は、二重歯構成170を用いて、別個の場所で、かつ別個のアンカー支柱に沿って延在し得る。歯145は、アンカーフレーム22の外側半径方向周辺部に沿って別個の離隔された場所で二重歯構成170を備えて延在し得、外側半径方向周辺部は、(図21に描写されるように)概して円形の輪郭で延在する。一実施形態では、歯マーカー168又は歯145に隣接するマーカーのうちの1つは、二重歯構成170を画定するように延在する構造の下又は構造内に画定される開口172内に位置決めされ得る。そのような歯マーカー168は、二重歯構成170に関連付けられた開口172内に位置決めされるようにサイズ決定及び構成されるように、図21Aにおける破線で描写されるように、円筒形であり得る。別の実施形態では、歯マーカー168は、アンカーフレーム22の二重歯構成170の各々中に、又は隣接して位置決めされ得る。別の実施形態では、歯マーカー168は、二重歯構成170のうちの交互のもの、又は、別の言い方をすれば、アンカーフレーム22の外側半径方向周辺部に沿って位置決めされた二重歯構成170のうちの1つおきのものの中に位置決めされ得る。別の実施形態では、歯マーカー168は、複数の二重歯構成170のうちのいくつかにおいて位置決めされ得る。この配列では、歯145に隣接する外側半径方向周辺部に沿って位置決めされた歯マーカー168は、図21の遠位境界141の破線で示されるように、遠位境界が概して円形構成で延在するように、ランディングゾーン28の遠位境界141が外側半径方向周辺部に沿って延在し得るように、ランディングゾーン28の遠位境界141を画定する。
【0035】
更に、図4及び図21を参照すると、前述したように、ランディングゾーン28の近位境界140は、ヒンジ構成要素26と統合された、若しくは隣接する、又は医療装置10のフレームワークの他の部分に沿ったマーカーなどのヒンジマーカー144によって画定され得る。遠位境界141と同様に、ランディングゾーン28の近位境界140は、概ね円形の輪郭で延在し得る。近位境界140を画定するヒンジマーカー144は、遠位境界141を画定する歯マーカー170に対して近位に位置し得る。近位境界140と遠位境界141との間に画定される、医療装置10のランディングゾーン28は、概して、医療装置10のアンカーフレーム22から延在する歯145を含む、アンカーフレーム22の最も半径方向の部分であり得る。したがって、医療装置10のランディングゾーン28を画定するヒンジマーカー144及び歯マーカー168は、医師が医療装置10の位置を操作し、左心耳に隣接する組織において医療装置10の歯145を介して適切な係留を得ることができるように、組織解剖学的構造に対する医療装置10のランディングゾーン28を判定するために近位境界140及び遠位境界141を見ることにおいて、撮像技術を通じて医師を支援し得る。
【0036】
図4図4A及び図4Bを参照すると、前述のヒンジ構成要素26は、ヒンジマーカー144を画定するために放射線不透過性材料で形成され得る。ヒンジ構成要素26の各々が放射線不透過性材料で形成されているので、医師は、上述の撮像技術で近位境界140をおおよそ判定することができる。一実施形態では、近位境界140は、ヒンジ構成要素26の各々によって集合的に画定され得る。別の実施形態では、近位境界140は、放射線不透過性材料から形成される複数の閉塞器圧着リング146によって画定され得る。そのような閉塞器圧着リング146は、圧着リング146のうちの各1つがヒンジ構成要素26のうちの対応するものに隣接して位置決めされ得るように、閉塞器フレーム20に取り付けられ得る。同様に、別の実施形態では、近位境界140は、放射線不透過性材料で作製された複数のアンカー圧着リング148によって画定され得る。アンカー圧着リング148は、各1つのアンカー圧着リング148がヒンジ構成要素26に隣接して位置決めされ得るように、アンカーフレーム22に取り付けられ得る。別の実施形態では、複数のアンカー圧着リング148は、ヒンジ構成要素26のうちの各1つに隣接して位置決めされ得る。更に別の実施形態では、近位境界140は、閉塞器挿入マーカー150及びアンカー挿入マーカー152のうちの少なくとも1つによって画定され得る。そのような閉塞器挿入マーカー150及びアンカー挿入マーカー152は、1つ又は2つ以上の挿入マーカー150、152がヒンジ構成要素26のうちの各1つに隣接して位置決めされ得るように、閉塞器フレーム20又はアンカーフレーム22のうちの少なくとも1つにおいて画定された開口に位置決めされ得る。このようにして、ヒンジ構成要素26及び/又はヒンジ構成要素に隣接する構造は、ランディングゾーン28の近位境界140を画定するように、放射線不透過性材料から形成され得、又はそれと統合された放射線不透過性材料を有し得る。別の実施形態では、ヒンジ構成要素26及び/又はヒンジ構成要素26に隣接する構造は、ランディングゾーン28の近位境界140を画定するように、放射線不透過性材料を形成するようにドープされ得、又は放射線不透過性材料でコーティングされ得る。
【0037】
図4及び図19を参照すると、別の実施形態では、近位境界140は、例えば、閉塞器フレーム20の自由端56に隣接する構造などの閉塞器フレーム20の部分と統合されるマーカーによって画定され得る。更に、閉塞器フレームセグメント52の自由端56に隣接するそのような部分は、放射線不透過性材料から形成される圧着リング154と統合され得る。別の実施形態では、閉塞器フレームセグメント52の自由端56に隣接する部分は、その中に放射線不透過性材料を形成するためにドーピングプロセスを受け得る。別の実施形態では、閉塞器フレームセグメント52の自由端56に隣接する部分は、放射線不透過性材料のコーティング層155を受容し得る。
【0038】
ここで図4及び図20を参照すると、前述したように、医療装置10の最遠位境界142は、医療装置10のアンカーフレーム22の遠位端50に隣接する構造によって画定され得る。例えば、構造は、アンカーフレーム20を中心に形成された又は巻き付けられたコイル156であり得、コイル156は、ワイヤ材料から形成される。コイル156は、放射線不透過性材料で形成され得る。そのようなコイル156はまた、放射線不透過性材料でコイル156を形成するためにドーピングプロセスを受け得、又はコイル156は、放射線不透過性材料でコーティングされ得る。別の実施形態では、最遠位境界142は、例えば、コイル156に隣接するアンカーフレーム22において画定された開口内に統合された遠位挿入マーカー158によって画定され得る。別の実施形態では、最遠位境界142は、コイル156に隣接するアンカーフレーム22の周りに巻き付けられた遠位圧着リング159によって画定され得る。そのような最遠位境界142は、左心耳の解剖学的構造に対して医療装置10のランディングゾーン28を判定することにおいて医師をより良好に支援するために、本明細書で記載されるランディングゾーン28及び他の放射線不透過性マーカーに対する参照フレームを提供するように、撮像技術を介して、医師が医療装置の境界及び限界を視覚的に認識することを支援し得る。
【0039】
図4の構成要素のうちのいくつかと併せて図22を参照すると、別の実施形態では、近位境界140は、ヒンジ構成要素160と共に、又はその中に位置決めされる構造と共に画定され得る。例えば、ヒンジ構成要素160は、それぞれの閉塞器フレーム20及びアンカーフレーム22によって画定される閉塞器アイレット54及びアンカーアイレット66の構造の間に位置決めされたワッシャ162を含み得る。この実施形態では、ワッシャ162は、放射線不透過性材料から形成され得る。そのようなワッシャ162は、本明細書で記載する様々なヒンジ構成要素と統合され得る。一実施形態では、ヒンジ構成要素160は、ヒンジ構成要素160の対向する端部を加熱することを介して球根状構造164に形成されている対向する端部で閉塞器及びアンカーアイレット内に位置決めされたポリマーフィラメントであり得る。本明細書に記載された種々の放射線不透過性マーカーは、当業者に知られているように、白金、金、タンタル、若しくはそれらの合金などの放射線不透過性材料、又は生体適合性である任意の他の好適な放射線不透過性材料から形成され得る。
【0040】
本発明には様々な修正及び代替的形態が考えられ得るが、特定の実施形態が図面に例として示されており、本明細書に詳細に記載されている。しかしながら、本発明は、開示された特定の形態に限定されることを意図したものではないことを理解されたい。寧ろ、本発明は、一実施形態の任意の部分と、別の実施形態、本発明の趣旨及び範囲に包含される全ての修正、均等物、及び代替物を組み合わせることを含む。
【0041】
〔実施の態様〕
(1) 心臓の左心耳を閉塞するための医療装置であって、
軸を画定するハブに結合された閉塞器部分であって、前記閉塞器部分は、前記ハブから前記閉塞器部分の遠位端部分まで半径方向外向きに延在する閉塞器フレームセグメントを有し、前記遠位端部分における前記閉塞器フレームセグメントのうちの複数のものは、第1のアイレットを画定する、閉塞器部分と、
アンカーフレームセグメントを有するアンカー部分であって、前記アンカーフレームセグメントは、第1の端部と第2の端部との間に延在し、前記アンカーフレームセグメントの前記第2の端部は、アンカーハブに結合され、前記アンカーフレームセグメントの前記第1の端部は、そこに隣接する第2のアイレットを画定する、アンカー部分と、
複数のヒンジ構成要素と、を備え、前記ヒンジ構成要素の各々は、アームを有する基部を含み、前記アームは、前記基部から延在し、前記ヒンジ構成要素のうちの各1つの前記アームは、前記アンカー部分を前記閉塞器部分に枢動可能に結合することを容易にするために、前記閉塞器フレームセグメントのうちの1つの前記第1のアイレット及び前記アンカーフレームセグメントのうちの1つの前記第2のアイレットをそれぞれ通って延在し、これらを捕捉する、医療装置。
(2) 前記アームは各々、前記ヒンジ構成要素を前記第1のアイレット及び前記第2のアイレットのうちの対応するものに維持するようにサイズ決定及び構成されたキャッチ表面を画定する、実施態様1に記載の医療装置。
(3) 前記基部は、内側表面を備えて延在し、前記第1のアイレット及び前記第2のアイレットが前記内側表面と前記キャッチ表面との間に位置決めされている、実施態様2に記載の医療装置。
(4) 前記アームは、各々独立して移動可能であり、前記基部から自由端まで延在し、前記アームの各々は、前記自由端に隣接する外側表面を備えて延在し、前記外側表面は、前記第1のアイレット及び前記第2のアイレットを画定する構造と係合して、前記アームを内向きに移動させるように構成されている、実施態様1に記載の医療装置。
(5) 前記アームは、少なくとも2つのアームを含む、実施態様1に記載の医療装置。
【0042】
(6) 前記ヒンジ構成要素は各々、放射線不透過性材料を含み、前記ヒンジ構成要素の前記放射線不透過性材料は、近位境界の撮像を容易にするように構成されており、前記近位境界は、前記アンカー部分から延在する歯の近位にある、実施態様1に記載の医療装置。
(7) 前記第1のアイレット及び前記第2のアイレットのうちの一方を画定する構造は、放射線不透過性材料を含み、前記構造の前記放射線不透過性材料は、近位境界の撮像を容易にするように構成されており、前記近位境界は、前記アンカー部分から延在する歯の近位にある、実施態様1に記載の医療装置。
(8) 前記アンカーフレームセグメントの一部分は、放射線不透過性材料を含み、前記アンカーフレームセグメントの前記一部分の前記放射線不透過性材料は、前記アンカー部分の最遠位境界の撮像を容易にするように構成されている、実施態様1に記載の医療装置。
(9) 前記ヒンジ構成要素、及び前記アンカーフレームセグメントの一部分は、放射線不透過性材料を含み、前記ヒンジ構成要素の前記放射線不透過性材料は、近位境界を画定し、前記アンカーフレームセグメントの前記一部分の前記放射線不透過性材料は、遠位境界を画定し、前記近位境界及び前記遠位境界は、前記アンカー部分のランディングゾーンを画定し、前記アンカー部分の前記ランディングゾーンは、前記アンカー部分から延在する歯を含む、実施態様1に記載の医療装置。
(10) 心臓の左心耳を閉塞するための医療装置であって、
閉塞器部分とアンカー部分とを有するフレームワークであって、前記閉塞器部分は、ハブにおいて結合され、前記フレームワークの前記閉塞器部分が前記閉塞器部分の遠位端部分まで前記ハブに対して半径方向外向きに延在し、前記アンカー部分は、第1の端部部分と第2の端部部分との間に延在し、前記第2の端部部分は、二次ハブに結合されている、フレームワークと、
複数のヒンジ構成要素と、を備え、前記ヒンジ構成要素の各々は、アームを有する基部を含み、前記アームは、前記基部から延在し、前記ヒンジ構成要素のうちの各1つの前記アームは、前記アンカー部分を前記閉塞器部分に枢動可能に結合することを容易にするために、前記閉塞器部分の前記遠位端部分及び前記アンカー部分の前記第1の端部部分にそれぞれ画定されたアイレットを通って延在する、医療装置。
【0043】
(11) 前記アームは各々、前記ヒンジ構成要素を前記閉塞器部分及び前記アンカー部分に維持するようにサイズ決定及び構成されたキャッチ表面を画定する、実施態様10に記載の医療装置。
(12) 前記アームは、各々独立して移動可能であり、前記基部から自由端まで延在し、前記アームの各々は、前記自由端に隣接する外側表面を備えて延在し、前記外側表面は、前記アイレットを画定する構造と係合して、前記アームを内向きに移動させるように構成されている、実施態様10に記載の医療装置。
(13) 前記ヒンジ構成要素は各々、放射線不透過性材料を含み、前記ヒンジ構成要素の前記放射線不透過性材料は、近位境界の撮像を容易にするように構成されており、前記近位境界は、前記アンカー部分から延在する歯の近位にある、実施態様10に記載の医療装置。
(14) 前記アイレットを画定する構造は、放射線不透過性材料を含み、前記構造の前記放射線不透過性材料は、近位境界の撮像を容易にするように構成されており、前記近位境界は、前記アンカー部分から延在する歯の近位にある、実施態様10に記載の医療装置。
(15) 前記アンカー部分がアンカー展開位置にあるとき、前記アンカー部分は、前記ヒンジ構成要素から前記アンカー部分の遠位端に向かうアンカー支柱を備えて遠位に延在し、前記アンカー支柱は、そこから延在する歯を含み、前記アンカー支柱は、放射線不透過性材料を有する前記歯の遠位の一部分を含み、前記アンカーフレームセグメントの前記一部分の前記放射線不透過性材料は、遠位境界の撮像を容易にするように構成されており、前記近位境界及び前記遠位境界は、前記アンカー部分のランディングゾーンを画定する、実施態様14に記載の医療装置。
【0044】
(16) 心臓の左心耳を閉塞する方法であって、前記方法は、
カテーテルを有する医療装置を、血管系を通って前記左心耳まで前進させることであって、前記医療装置は、一次ハブと二次ハブとの間に延在するフレームワークを有し、前記一次ハブ及び前記二次ハブは、共通軸を有し、前記フレームワークは、前記フレームワークの閉塞器部分とアンカー部分との間にヒンジ構成要素を備えて延在し、前記ヒンジ構成要素の各々が基部と前記基部から延在するアームとを含む、前進させることと、
前記二次ハブが前記軸に沿って前記一次ハブに対して移動可能であるように、かつ、前記ヒンジ構成要素の各々の前記アームが前記アンカー部分に画定されたアンカーアイレットの対応するものを通って位置決めされ、前記ヒンジ構成要素の各々の前記アームが前記閉塞器部分に画定された閉塞器アイレットの対応するものを通って位置決めされた状態で、前記アンカー部分が前記ヒンジ構成要素を中心に枢動するように、前記左心耳に隣接する前記フレームワークを収縮位置から展開位置に展開することと、
前記医療装置の前記フレームワークが前記左心耳に隣接する組織に固定された状態で、前記カテーテルから前記医療装置を解放することと、を含む、方法。
(17) 前記フレームワークを前記展開することに続いて、前記アンカー部分の歯が前記組織から後退させられるように、前記二次ハブを近位に移動させて前記アンカー部分を後退位置に移動させることによって前記アンカー部分を枢動させること、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記展開することは、前記フレームワークの前記アンカー部分から延在する歯で、前記フレームワークを前記左心耳に隣接する前記組織に固定することを含む、実施態様16に記載の方法。
(19) 前記ヒンジ構成要素の前記アームの各々のキャッチ表面で、前記第1のアイレット及び前記第2のアイレットが前記キャッチ表面と前記ヒンジ構成要素の各々の前記基部との間に位置決めされた構造を画定するように、前記フレームワークの前記閉塞器部分に結合された前記アンカー部分を維持することを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(20) 撮像技術を用いて、前記フレームワークに統合されたマーカーを視認して、前記左心耳に隣接する前記組織に対して、前記マーカーによって少なくとも部分的に画定される、前記フレームワークのランディングゾーンを判定することを更に含む、実施態様16に記載の方法。
【0045】
(21) 心臓の左心耳を閉塞するための医療装置であって、
閉塞器部分とアンカー部分とを画定するように延在するフレームワークを備え、前記アンカー部分は、前記フレームワークを前記左心耳の組織に係留するようにサイズ決定及び構成された歯を含み、前記アンカー部分は、複数のヒンジ構成要素で前記閉塞器部分に枢動可能に結合され、前記ヒンジ構成要素のうちの各1つが、前記閉塞器部分に対して前記アンカー部分を枢動可能に移動させることを容易にするために、前記閉塞器部分の第1のアイレット及び前記アンカー部分の第2のアイレットを通って延在し、前記第1のアイレット及び前記第2のアイレットの中に捕捉されており、
前記ヒンジ構成要素、及び前記アンカー部分の前記歯に隣接する一部分は、放射線不透過性材料を含み、前記ヒンジ構成要素の前記放射線不透過性材料は、近位境界を画定し、前記歯に隣接する前記一部分の前記放射線不透過性材料は、遠位境界を画定し、前記近位境界及び前記遠位境界は、それらの間にランディングゾーンを画定するように互いに対して離隔されている、医療装置。
図1
図2
図3
図4
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図11A
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図21A
図22
【国際調査報告】