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特表2024-501435皮膚の化粧的処置のためのエストリドエステル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-12
(54)【発明の名称】皮膚の化粧的処置のためのエストリドエステル
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/37 20060101AFI20240104BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240104BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20240104BHJP
   A61Q 1/04 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
A61K8/37
A61Q19/00
A61Q17/04
A61Q1/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533968
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(85)【翻訳文提出日】2023-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2021084556
(87)【国際公開番号】W WO2022122719
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】20212306.3
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596081005
【氏名又は名称】クラリアント・インターナシヨナル・リミテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】シュタークラ・グンドゥラ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA082
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB212
4C083AB242
4C083AB332
4C083AB432
4C083AC012
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC212
4C083AC242
4C083AC272
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC351
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC472
4C083AC512
4C083AC532
4C083AC712
4C083AC782
4C083AC852
4C083AC902
4C083AC912
4C083AD022
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD172
4C083AD202
4C083AD352
4C083AD662
4C083BB01
4C083BB46
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC07
4C083CC13
4C083CC19
4C083DD12
4C083DD22
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD31
4C083EE01
4C083EE07
4C083EE12
4C083EE17
4C083FF01
(57)【要約】
本発明は、式(1)の少なくとも1種の化合物を含む化粧用組成物の、皮膚の化粧的処置のための使用に関する。
[式中、Rは、直鎖状または分枝状C3~C20-アルキルから選択され;そしてnは、1~20から選択される]
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)の少なくとも1種の化合物を含む化粧用組成物の、皮膚の化粧的処置のための使用
【化1】
[式中、
Rは、直鎖状または分枝状C3~C20-アルキルから選択され;そして
nは、1~20から選択される]。
【請求項2】
Rが、直鎖状または分岐状C6~C18-アルキル、好ましくは直鎖状または分岐状C8~C18-アルキル、より好ましくは直鎖状C10~C16-アルキル、特に好ましくは直鎖状C12~C14-アルキルから選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
nが、1~15、好ましくは2~10、より好ましくは2~8、特に好ましくは3~7から選択される、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
式(1)の化合物が、1~100mg KOH/g、好ましくは2~80mg KOH/g、より好ましくは3~60mg KOH/g、特に好ましくは10~50mg KOH/gのヒドロキシ価(OH価)を有する、請求項1~3のいずれか1つに記載の使用。
【請求項5】
式(1)の化合物が、500~5000g/モル、好ましくは1000~3000g/モル、より好ましくは1100~2500g/モル、特に好ましくは1200~2200g/モルの数平均分子量(Mn)を有する、請求項1~4のいずれか1つに記載の使用。
【請求項6】
前記化粧用組成物が、化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~5重量%、特に好ましくは1~3重量%の式(1)の少なくとも1種の化合物を含む、請求項1~5のいずれか1つに記載の使用。
【請求項7】
前記化粧用組成物が少なくとも1種の界面活性剤を含む、請求項1~6のいずれか1つに記載の使用。
【請求項8】
前記化粧用組成物が少なくとも1種のレオロジー調整剤を含む、請求項1~7のいずれか1つに記載の使用。
【請求項9】
前記化粧用組成物が、少なくとも1種の活性成分または少なくとも1種の日焼け防止剤および/もしくはUVフィルターまたは少なくとも1種の顔料を含む、請求項1~8のいずれか1つに記載の使用。
【請求項10】
前記化粧用組成物が、ボディウォッシュ、フェイシャルクレンザー、クレンジングマスク、バブルバス、バスオイル、クレンジングミルク、ミセラーウォーター、メイクアップリムーバー、クレンジングワイプ、香料、石けん、シェービングソープ、シェービングフォーム、クレンジングフォーム、フェースマスク、インティメイトウォッシュ、ミセラーウォーター、液体石けん、デイクリーム、アンチエイジングクリーム、ボディミルク、ボディローション、ボディムース、フェイスセラム、アイクリーム、サンスクリーンローション、サンクリーム、フェイスクリーム、アフターシェーブローション、プレシェービングクリーム、脱毛クリーム、皮膚ホワイトニングジェル、セルフタンニングクリーム、抗ニキビジェル、マスカラ、ファンデーション、プライマー、コンシーラー、頬紅、ブロンザー、ブレミッシュバーム(bb)クリーム、アイライナー、ナイトクリーム、アイブロウジェル、ハイライター、リップステイン、手用消毒剤、除光液、皮膚コンディショナー、枝毛修復液、デオドラント、制汗剤、ベビークリーム、防虫剤、ハンドクリーム、サンスクリーンジェル、フットクリーム、エクスフォリエーター、ボディスクラブ、セルライトトリートメント、固形石けん、ネイルキューティクルクリーム、リップクリーム、アイシャドー、浴用添加剤、ボディミスト、オードトワレ、潤滑ジェル、モイスチャライザー、セラム、トナー、アクアソルベ、クリームジェル、リップスティック、リップグロス、ヒドロアルコールジェル、ボディオイル、シャワーミルク、イルミネーター、リップクレヨンまたはサンブロックである、請求項1~9のいずれか1つに記載の使用。
【請求項11】
前記の皮膚の化粧的処置が、皮膚の保湿、皮膚の柔軟化、皮膚のアンチエイジング処置、皮膚の抗しわ処置、皮膚のバリア修復処置、UV保護、皮膚のスージングおよびカラー化粧品の施用を含む、請求項1~10のいずれか1つに記載の使用。
【請求項12】
皮膚の化粧的処置のための方法であって、以下を含む方法:
a)請求項1において定義される式(1)に従う少なくとも1種の化合物を含む化粧用組成物を皮膚上に施与すること;
b)任意選択的に、化粧用組成物を皮膚から除去すること。
【請求項13】
式(1)の少なくとも1種の化合物の、化粧用組成物における、皮膚コンディショナー、分散剤、湿潤剤、被膜形成剤、エマルション安定剤、結合剤または消泡剤としての使用
【化2】
[式中、
Rは、直鎖状または分枝状C3~C20-アルキルから選択され、そして
nは、1~20から選択される]。
【請求項14】
前記皮膚コンディショナーが、エモリエント剤、潤滑剤、保湿剤、リファッティング剤、スムージング剤またはスージング剤である、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
皮膚の化粧的処置のための化粧用組成物であって、式(1)の少なくとも1種の化合物を含む組成物
【化3】
[式中、
Rは、直鎖状または分枝状C3~C20-アルキルから選択され;そして
nは、1~20から選択される]。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の化粧的処置のための、本明細書で定義される式(1)に従う少なくとも1種の化合物を含む化粧用組成物の使用、皮膚の化粧的処置のための方法、ならびに、本明細書で定義される式(1)に従う少なくとも1種の化合物の、化粧用組成物における、皮膚コンディショナー(例えばエモリエント剤、潤滑剤、保湿剤、リファッティング剤(refatting agent)、スムージング剤(smoothing agent)、スージング剤(soothing agent)、分散剤、湿潤剤、被膜形成剤、エマルション安定剤、結合剤または消泡剤としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚は、ヒト生物の最大の器官である。皮膚は主に、環境攻撃からヒトを保護することを意図しているが、他の必須機能、例えば透過、代謝および体温調節も支持し、感覚機能に積極的に寄与する。
【0003】
皮膚は、角質層、角層が皮膚の最も外側の保護バリアである、複雑な層状構造でできている。角質層は、表層皮膚層における水の保持および水和バランスに関与し、水および他の化合物の皮膚へのおよび皮膚からの輸送を制御し、皮脂保護皮膜(hydrolipidic protective film)で覆われる。表皮の機能は、角質層が適切に保湿され、皮脂皮膜が健康でバランスの取れている場合にのみ保証される。
【0004】
従って、健康な表皮の全ての機能のための理想的な環境を支持する有効な皮膚コンディショニング剤に対する大きな需要が存在する。
【0005】
改善された化粧用組成物(特に皮膚処置のための)、ならびに皮膚を天然脂質の喪失から回復させてそれを保湿することを支持するだけでなく、困難な製剤の高い基準、および魅力的なテクスチャーおよび感覚的経験に対する大きな要求も満たす新規なスキンケア組成物に対して大きな需要がなおも存在している。
【0006】
保湿は、化粧用スキンケアエマルションの最も基本的な消費者の期待であり、従って最も一般的な機能的な化粧品の宣伝文句である。しかし、実績のある皮膚水和の利点に加えて、皮膚バリア機能を著しく増強し、肌荒れを低減し、皮膚の弾力性を改善する皮膚コンディショニング剤も必要とされている。
【0007】
さらに、化粧料製剤者は、消費者が多数の利益を有する製品を期待しているので、ますます困難な製剤を扱っている。従って、有機UVフィルターもしくはフレグランス可溶化、顔料の濡れ、および無機UVフィルター分散のような製剤の技術的困難性を解決するために、新しい多機能性の皮膚コンディショニング成分が必要とされている。同時に、これらの成分は、広いpH範囲にわたって適用可能であり、加水分解に対して安定であり、酸化に対して安定であり、他の成分、特に親油性成分と適合性でなければならず、そして製剤の安定性および製剤の審美性に寄与しなければならない。
【0008】
製剤者にとっての中心的な困難性の1つは、角質層の水和ならびに製剤の技術的要件をマスターし、同時に化粧品製品の使用中の感覚経験のバランスをとることである。従って、特定の感覚特性を有する皮膚コンディショニング剤が非常に望まれている。成分の分子量、その極性、およびその粘度の特有の組み合わせが、潤滑性(lubricity)、展延性(spreadability)、皮膚への吸収、および皮膚表面上での持続性の組み合わせである「皮膚感触(the skin feel)」を決定している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
さらに、天然および再生可能な材料に基づくか、またはそれらから誘導される化粧用組成物のための成分を提供する需要が存在する。実際、消費者は現在、そのような組成物に使用される成分の起源を非常に意識しており、これらの消費者は、天然および再生可能な材料に由来する成分を使用するとはるかに快適であると感じる。従って、本発明の1つの目的は、好ましくは再生可能な出発材料、より好ましくは天然の再生可能な出発材料をベースとするスキンケア製品のための安定な化粧用成分を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一般的な化粧用皮膚処置組成物が知られているが、天然および再生可能な材料をベースとするかまたはそれらから誘導される、スキンケアのために設計された組成物が依然として必要とされている。今回、特定のタイプのエストリドエステル化合物が、化粧用組成物(特に皮膚処置のための)のための優れた成分であることが見出された。
【0011】
本発明は、式(1)の少なくとも1種の化合物を含む化粧用組成物
【0012】
【化1】
[式中、
Rは、直鎖状または分枝状C3~C20-アルキルから選択され、そして
nは、1~20から選択される]の、
皮膚の化粧的処置のための使用に関する。
【0013】
有利には、式(1)の化合物は、クリーム中で使用した場合に、皮膚に対する有益な効果を示す。式(1)の化合物の使用は、経表皮水分蒸散量(TEWL)の減少、ひいては皮膚バリア機能の改善、ならびに皮膚水和の改善、皮膚弾力性の改善、および改善された皮膚の起伏をもたらす肌荒れの減少をもたらす。
【0014】
さらに、式(1)の化合物は、異なる適用カテゴリーにおいて好ましい特性を示す。式(1)の化合物の高い屈折率は、リップグロス、リップスティックまたはリップクリームなどのリップ用途において改善された光沢をもたらす。式(1)の化合物の高い極性および高い表面張力により、有機顔料、無機顔料および物理的サンスクリーンの非常に良好な濡れおよび分散が達成され、その結果、カラー化粧品において使用される場合にペイオフ(pay-off)および色強度(color strength)の改善がもたらされ、あるいは、サンスクリーン用途に使用される場合にサンケア指数(sun protecting factor)の増加がもたらされる。
さらに、式(1)の化合物を用いると、結晶性UVフィルターおよび活性物質ならびにフレグランスの非常に良好な可溶化が達成される。式(1)の化合物の高い粘度はまた、物理的製剤安定性に良好な影響を示し、無水、水中油型、および油中水型製剤において特定の増粘効果を示す。上記の利点に加えて、式(1)の化合物はまた、油、ワックス、バター、および乳化剤などの他の親油性成分と、それらの天然または合成起源とは無関係に、良好な一般的適合性を示す。さらに、式(1)の化合物は、それらの広いpH適合性、加水分解に対するそれらの安定性、および酸化に対するそれらの安定性に基づいて広く適用可能である。式(1)の化合物の高い粘度および高い表面張力は、それらの分子量と共に、特有の感覚効果をもたらす。式(1)の化合物を含む製剤は、改善された潤滑性を示し、皮膚上に顕著な残留膜を残し、より持続性のエモリエントな皮膚感触をもたらす。
さらに、式(1)の化合物はVitro-Skin上で低い展延性を示し、クリーム中に配合されると、より保護的な皮膚感触が達成される。
【0015】
式(1)の化合物は、エストリドエステルである。本明細書で使用される場合に、「エストリドエステル」という語句は、モノマーがエステル結合によって連結されているオリゴマー脂肪酸エステルを意味する。語句「エストリドエステル」は、当技術分野で公知である。
【0016】
エストリドは、同じまたは異なるヒドロキシ脂肪酸またはヒドロキシ不飽和脂肪酸の長鎖エステルである。エストリドエステルは、エストリドとアルコールとのエステル化によって、またはエストリドの合成の間にアルコールを付加することによって直接、形成することができる。
【0017】
本発明によれば、化粧用組成物は、皮膚の化粧的処置のために使用される。「皮膚の化粧的処置」という表現は、非医学的および非治療的処置を指す。
【0018】
好ましくは、皮膚の化粧的処置は、皮膚のクレンジング、皮膚の保湿、皮膚の柔軟化、皮膚のホワイトニング、皮膚の美白(lightening)、皮膚の剥脱、皮膚のアンチエイジング処置、皮膚の抗しわ処置、皮膚のバリア修復処置、皮膚の抗ニキビ処置、皮膚の抗セルライト処置、皮膚の脱毛、皮膚のシェービング、ケミカルピーリング処置、スリミング処置、皮膚の消臭、制汗処置、皮膚のマット化(mattifying)、皮膚のファーミング、皮膚のプランピング、セルフタンニング処置、アンチダークサークル処置、UV保護、皮膚のスージング(soothing)、アンチポリューション(anti-pollution)処置、爪のキューティクル処置、アフターサン処置、およびカラー化粧品の施用を含むか、またはこれらから選択される。
【0019】
また好ましくは、皮膚の化粧的処置は、皮膚のクレンジング、皮膚の保湿、皮膚の柔軟化、皮膚のホワイトニング、皮膚の美白、皮膚の剥脱、皮膚のアンチエイジング処置、皮膚の抗しわ処置、皮膚の抗セルライト処置、皮膚の脱毛、皮膚のシェービング、ケミカルピーリング処置、スリミング処置、皮膚の消臭、制汗処置、皮膚のマット化、皮膚のファーミング、皮膚のプランピング、セルフタンニング処置、アンチダークサークル処置、皮膚のスージング、アンチポリューション処置、爪のキューティクル処置、アフターサン処置、およびカラー化粧品の施用を含むか、またはこれらから選択される。
【0020】
特に好ましくは、皮膚の化粧的処置は、皮膚の保湿、皮膚の柔軟化、皮膚のアンチエイジング処置、皮膚の抗しわ処置、皮膚のバリア修復処置、UV保護、皮膚のスージングおよびカラー化粧品の施用を含むか、またはこれらから選択される。
【0021】
また特に好ましくは、皮膚の化粧的処置は、皮膚の保湿、皮膚の柔軟化、皮膚のアンチエイジング処置、皮膚の抗しわ処置、皮膚のスージングおよびカラー化粧品の施用を含むか、またはこれらから選択される。
【0022】
本発明によれば、本発明において使用される化粧用組成物は、式(1)の少なくとも1種の化合物を含む(Rは、直鎖状または分枝状C3~C20-アルキルから選択され;そしてnは、1~20から選択される)。
【0023】
好ましくは、式(1)中のRは、直鎖状または分岐状C6~C18-アルキル、より好ましくは直鎖状または分岐状C8~C18-アルキル、さらにより好ましくは直鎖状C10~C16-アルキル、特に好ましくは直鎖状C12~C14-アルキルから選択される。
【0024】
好ましくは、式(1)中のnは、1~15、より好ましくは2~10、さらにより好ましくは2~8、特に好ましくは3~7から選択される。
【0025】
好ましい実施態様において、式(1)中のRは、直鎖状または分岐状C6~C18-アルキルから選択され、式(1)中のnは、1~15から選択される。より好ましい実施態様において、式(1)中のRは、直鎖状または分岐状C8~C18-アルキルから選択され、式(1)中のnは、2~10から選択される。さらにより好ましい実施態様において、式(1)中のRは、直鎖状C10~C16-アルキルから選択され、式(1)中のnは、2~8から選択される。特に好ましい実施態様において、式(1)中のRは、直鎖状C12~C14-アルキルから選択され、式(1)中のnは、3~7から選択される。
【0026】
本発明によれば、本発明において使用される化粧用組成物は、式(1)の少なくとも1種の化合物を含む。本発明において使用される化粧用組成物は、式(1)の1種または複数の化合物を含み得る。本発明において使用される化粧用組成物は、式(1)の化合物の混合物を含んでいてもよい。
【0027】
特に好ましい実施態様において、本発明で使用される化粧用組成物は、Rが直鎖状又は分枝状C12-アルキルである式(1)の少なくとも1種の化合物と、Rが直鎖状又は分枝状C14-アルキルである式(1)の少なくとも1種の化合物とを含む。
【0028】
特に好ましい実施態様において、本発明で使用される化粧用組成物は、Rが直鎖状C12-アルキルである式(1)の少なくとも1種の化合物と、Rが直鎖状C14-アルキルである式(1)の少なくとも1種の化合物とを含む。
【0029】
好ましい実施態様において、本発明で使用される化粧用組成物は、Rが直鎖状又は分枝状C16-アルキルである式(1)の少なくとも1種の化合物と、Rが直鎖状又は分枝状C18-アルキルである式(1)の少なくとも1種の化合物とを含む。
【0030】
好ましい実施態様において、本発明で使用される化粧用組成物は、Rが直鎖状C16-アルキルである式(1)の少なくとも1種の化合物と、Rが直鎖状C18-アルキルである式(1)の少なくとも1種の化合物とを含む。
【0031】
好ましい実施態様において、本発明で使用される化粧用組成物は、Rが直鎖状又は分枝状C8-アルキルである式(1)の少なくとも1種の化合物と、Rが直鎖状又は分枝状C10-アルキルである式(1)の少なくとも1種の化合物とを含む。
【0032】
好ましい実施態様において、本発明において使用される化粧用組成物は、Rが直鎖状または分岐状C10-アルキルである少なくとも1種の式(1)の化合物と、Rが直鎖状または分岐状C12-アルキルである少なくとも1種の式(1)の化合物と、Rが直鎖状または分岐状C14-アルキルである少なくとも1種の式(1)の化合物と、Rが直鎖状または分岐状C16-アルキルである少なくとも1種の式(1)の化合物を含む。
【0033】
いくつかの実施態様において、本発明において使用される化粧用組成物は、同じnを有する式(1)の化合物の混合物を含む。他の実施態様において、本発明で使用される化粧用組成物は、nが1~20、好ましくは1~15、より好ましくは2~10、さらにより好ましくは2~8、特に好ましくは3~7で異なる式(1)の化合物の混合物を含む。例えば、本発明で使用される化粧用組成物は、四量体(n=3)、五量体(n=4)、六量体(n=5)、七量体(n=6)、及び八量体(n=7)の混合物を含む。
【0034】
Rは水素ではあり得ないので、式(1)の化合物はカルボン酸ではない。酸は、経時的に自己縮合または加水分解などの不安定性の問題を起こしやすいので、望ましくない。対照的に、式(1)に従う化合物は、例えば、貯蔵において、経時的に優れた安定性を提供する。
【0035】
式(1)の化合物は不飽和である。不飽和化合物は、それらは典型的にはより低い融点、より高い溶解度およびより高い生分解性を有するという利点を有する。
【0036】
式(1)の化合物は、リシノール酸または市販の自己縮合生成物、例えばHostagliss(登録商標)L2、L4およびL6(Clariant)から出発するエステル化によって、製造することができる。Hostagliss(登録商標)のL数は、平均オリゴマー化度を表す。L2は、ダイマーの平均分子量を有する生成物混合物を指し;L4は、テトラマーの平均分子量を有する生成物混合物を指し;L6は、ヘキサマーの平均分子量を有する生成物混合物を指す。好ましくは、2~6当量のリシノール酸を、0.5~2当量の1種または複数の直鎖状または分枝状C3~C20-アルキルアルコールでエステル化する。エステル化は、酸で触媒されてもよい。適切な酸触媒は、例えば、次リン酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、リン酸または硫酸である。
【0037】
少なくとも1つの実施態様において、式(1)による化合物は、1~100mg KOH/g、好ましくは2~80mg KOH/g、より好ましくは3~60mg KOH/g、特に好ましくは10~50mg KOH/gのヒドロキシ価(OH価)を有する。OH価は、ASTM D5558-95(2011)に従って測定される。
【0038】
増加したヒドロキシ価はまた、混合物中の未反応アルコールからも生じ得るので、このパラメーターは未反応アルコールをなお含有する場合、反応生成物を完全に特徴付けるものではない。酸価も使用することができる:より低い酸価は、より少ない量の残留非エステル化エストリドを、および従ってより高いエストリドエステル含有量を示す。本明細書に記載のエストリドエステルの酸価は、20未満(好ましい実施態様では10未満)である。酸価は、DIN EN ISO 2114などの方法を用いて測定することができる。
【0039】
少なくとも1つの実施態様において、式(1)による化合物は、500~5000g/モル、好ましくは1000~3000g/モル、より好ましくは1100~2500g/モル、特に好ましくは1200~2200g/モルの数平均分子量(Mn)を有する。分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される。
【0040】
式(1)による化合物は、R-リシノール酸、S-リシノール酸、またはそれらの混合物に由来し得る。好ましい実施態様において、式(1)による化合物は、70重量%を超えるR-リシノール酸立体異性体を含有する。別の好ましい実施態様において、式(1)による化合物は、70重量%を超えるS-リシノール酸立体異性体を含有する。
【0041】
リシノール酸は天然に存在する脂肪酸であり、従って、再生可能な材料である。
少なくとも1つの実施態様において、式(1)の化合物は、天然および再生可能な材料、好ましくは>90%の天然および再生可能な材料、特に好ましくは100%の天然および再生可能な材料に由来する。
【0042】
少なくとも1つの実施態様において、化粧用組成物は、化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~5重量%、特に好ましくは1~3重量%の式(1)の少なくとも1種の化合物を含む。
【0043】
好ましい実施態様において、本発明において使用される化粧用組成物は、少なくとも1種の界面活性剤を含む。
【0044】
本明細書で使用される場合、「界面活性剤(surfactant)」は、界面活性剤(surface-active agent)を意味する。少なくとも1つの実施態様において、界面活性剤は、少なくとも1つの疎水性部分および少なくとも1つの親水性部分を有する有機両親媒性化合物である。
【0045】
好ましくは、前記の界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤からなる群から選択される。
より好ましくは、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選択される。
【0046】
少なくとも1つの実施態様において、界面活性剤はアニオン性界面活性剤である。適切なアニオン性界面活性剤の例は、ラウリルエーテル硫酸アンモニウムまたはラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)である。他の好適なアニオン性界面活性剤の例は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルフェート類、例えばラウレス硫酸ナトリウム、イセチオネート、タウレート、ナトリウムC14~C16オレフィンスルホネート、アンモニウムC12~C15パレススルフェート、ミリスチルエーテル硫酸ナトリウム、またはポリオキシエチレンアルキルスルフェート類、例えばトリエタノールアミンラウリルスルフェート、ラウリル硫酸ナトリウム、モノオレアミドスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネート、またはN-ラウロイルサルコシン酸ナトリウムである。
【0047】
少なくとも1つの実施態様において、界面活性剤は非イオン性界面活性剤である。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、C16~C40の範囲であり、約1~約110個のアルコキシ基を有する、脂肪アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸、脂肪酸エステルまたは脂肪酸アミドのアルコキシル化誘導体から選択される。上記アルコキシ基は、C2~C6オキシドおよびそれらの混合物からなる群から選択され、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびそれらの混合物が好ましい。アルキル鎖は、直鎖状、分岐状、飽和または不飽和であることができる。アルコキシル化アルコールが好ましい。エトキシル化アルコールまたはプロポキシル化アルコールが特に好ましい。アルコキシル化アルコールは、単独で、または混合物において使用することができる。
【0048】
市販の非イオン性界面活性剤の例としては、ウィルミントン(米国)のUniqemaからのBrij(登録商標)が挙げられる。典型的には、Brij(登録商標)は、脂肪族アルコールとエチレンオキシドとの反応生成物を指す。脂肪族アルコールは、典型的には、8~22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪族アルコールである。エチレンオキシドは、典型的には、脂肪族アルコール1モル当たり1~54モルの範囲で使用される。例としては、Brij(登録商標)72(すなわちSteareth-2)およびBrij(登録商標)76(すなわちSteareth-10)が挙げられる。
【0049】
他の適切な非イオン性界面活性剤は、長鎖アルコール、例えばC8~C30アルコールと、糖またはデンプンポリマーとの縮合生成物であるアルキルグリコシドである。アルキルグリコシドの例は、デシルポリグルコシドまたはラウリルポリグルコシドである。
【0050】
他の適切な非イオン性界面活性剤はグルカミド界面活性剤である。グルカミド界面活性剤は、Clariantから市販されている(GlucoTain(登録商標)またはGlucoPure(登録商標))。少なくとも1つの実施態様において、非イオン性界面活性剤は、N-メチル-N-アシルグルカミン類、好ましくは式(II)のN-メチル-N-アシルグルカミン類からなる群から選択される:
【0051】
【化2】
(式中、Rは、5~23個の炭素原子を有する飽和または不飽和炭化水素鎖から選択される)。好ましくは、式(II)におけるRは、7~17個の炭素原子を有する飽和または不飽和炭化水素鎖から選択される。好ましい実施態様において、式(II)におけるRは、7~17個の炭素原子を有する飽和炭化水素鎖から選択される。好ましい実施態様において、式(II)におけるRは、7~17個の炭素原子を有する不飽和炭化水素鎖から選択される。
【0052】
また好ましくは、式(II)中のR-C=O残基は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、又はそれらの混合物に由来する。また好ましくは、式(II)中のR-C=O残基は、ヤシ油に由来する。また好ましくは、式(II)中のR-C=O残基は、9-デセン酸、9-ドデセン酸、又はそれらの混合物に由来する。
【0053】
式(II)の特に好ましいN-メチル-N-アシルグルカミン類は、カプリロイル/カプロイルメチルグルカミド、ラウロイル/ミリストイルメチルグルカミド、ココイルメチルグルカミド、オレイルメチルグルカミド、またはそれらの混合物である。
【0054】
式(II)の特に好ましいN-メチル-N-アシルグルカミン類は、N-9-デセノイル-N-メチルグルカミン、N-9-ドデセノイル-N-メチルグルカミン、またはそれらの混合物である。
【0055】
他の好適な非イオン性界面活性剤は、ソルビタンエステルである。ソルビタンエステルの例は、ソルビタンモノパルミテート、Polysorbat20またはPolysorbat80である。好ましいソルビタンエステルは、モノ-、ジ-、トリ-もしくはテトラエステル、またはそれらの混合物である。より好ましいソルビタンエステルは、モノ-、ジ-もしくはトリエステル、またはそれらの混合物である。特に好ましいソルビタンエステルは、モノ-もしくはジエステル、またはそれらの混合物である。好ましくは、ソルビタンエステルは、モノ-、ジ-、トリ-およびテトラエステルの混合物を含む。より好ましくは、ソルビタンエステルはモノ-、ジ-およびトリエステルの混合物を含む。特に好ましくは、ソルビタンエステルは、モノ-およびジエステルの混合物を含む。ソルビタンエステルの例は、ソルビタンカプリレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンステアレート類、ソルビタンモノイソステアレート、またはソルビタンセスキオレエートである。
【0056】
好ましくは、非イオン性界面活性剤は、グリセリルエステルおよびポリグリセリルエステルから選択される。好ましいグリセリル脂肪酸エステルは、グリセロールと1または複数のC16~C22脂肪酸とのエステルである。好ましいグリセリルエステルは、グリセリルモノエステルもしくはジエステル、またはそれらの混合物である。脂肪酸は、直鎖状または分枝状、飽和または不飽和であってもよい。グリセリル脂肪酸エステルの例は、グリセリルオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノイソステアレート、グリセリルモノパルミテート、またはグリセリルモノベヘネートである。
【0057】
他の好適な非イオン性界面活性剤は、ジエタノールアミド類(DEA)である。
ジエタノールアミド類(DEA)の例は、イソステアリン酸DEA、ラウリン酸DEA、カプリン酸DEA、リノール酸DEA、ミリスチン酸DEA、オレイン酸DEA、またはステアリン酸DEAである。
【0058】
さらなる非イオン性界面活性剤は、脂肪酸モノエタノールアミド、例えばココヤシ脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノイソプロパノールアミド、例えばオレイン酸モノイソプロパノールアミドまたはラウリン酸モノイソプロパノールアミド、アルキルアミンオキシド、例えばN-ココジメチルアミンオキシド、N-ラウリルジメチルアミンオキシド、N-ミリスチルジメチルアミンオキシド、またはN-ステアリルジメチルアミンオキシド、N-アシルアミンオキシド、例えばN-ココアミドプロピルジメチルアミンオキシドまたはN-牛脂アミドプロピルジメチルアミンオキシド、およびN-アルコキシアルキルアミンオキシド、例えばビス(2-ヒドロキシエチル)C12-15アルコキシプロピルアミンオキシドからなる群から選択される。
【0059】
少なくとも1つの実施態様において、界面活性剤は、両性界面活性剤である。
【0060】
好ましくは、両性界面活性剤は、アルカリ金属塩およびモノ-、ジ-およびトリアルキルアンモニウム塩としてのN-(C12-C18)-アルキル-β-アミノプロピオネートおよびN-(C12-C18)-アルキル-β-イミノジプロピオネート;N-アシルアミノアルキル-N,N-ジメチルアセトベタイン、好ましくはN-(C-C18)-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアセトベタイン;(C12-C18)-アルキル-ジメチル-スルホプロピルベタイン;イミダゾリン、好ましくは1-(β-カルボキシメチルオキシエチル)-1-(カルボキシメチル)-2-ラウリルイミダゾリニウムのナトリウム塩をベースとする、両性界面活性剤;アミンオキシド、例えば、(C12-C18)-アルキル-ジメチルアミンオキシド、脂肪酸アミドアルキルジメチルアミンオキシド、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0061】
好ましい両性界面活性剤はベタイン界面活性剤である。少なくとも1つの実施態様において、界面活性剤はベタイン界面活性剤である。
【0062】
好ましい実施態様において、ベタイン界面活性剤は、C8~C18-アルキルベタインから選択される。例えば、前記ベタイン界面活性剤は、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマカルボキシプロピルベタイン、ラウリルビス(2-ヒドロキシプロピル)アルファカルボキシエチルベタインおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0063】
好ましい実施態様において、前記ベタイン界面活性剤は、C8~C18-スルホベタインから選択される。例えば、前記のベタイン界面活性剤は、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス(2-ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタインおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0064】
好ましい実施態様において、ベタイン界面活性剤は、イミダゾールのカルボキシル誘導体、C8~C18-アルキルジメチルアンモニウムアセテート、C8~C18アルキルジメチルカルボニルメチルアンモニウム塩、C8~C18脂肪酸アルキルアミドベタイン、およびそれらの混合物から選択される。例えば、前記のC8~C18-脂肪酸アルキルアミドベタインは、ココヤシ脂肪酸アミドプロピルベタイン、N-ココヤシ脂肪酸アミドエチル-N-[2-(カルボキシメトキシ)エチル]グリセロール(CTFA名:ココアンホカルボキシグリシネート)およびそれらの混合物から選択される。
【0065】
特に好ましい両性またはベタイン界面活性剤は、コカミドプロピルベタインである。別の特に好ましい両性またはベタイン界面活性剤は、ココアンホ酢酸ナトリウムである。
【0066】
上述の界面活性剤は、単独で、または混合物で使用することができる。
【0067】
少なくとも1つの実施態様において、化粧用組成物は、化粧用組成物の全重量を基準として、0.5~80重量%、好ましくは1~60重量%、より好ましくは1.5~40重量%、特に好ましくは3~25重量%の少なくとも1種の界面活性剤を含む。
【0068】
少なくとも1つの実施態様において、化粧用組成物は、化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、より好ましくは0.1~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%の少なくとも1種の界面活性剤を含む。
【0069】
好ましい実施態様において、本発明において使用される化粧用組成物は、少なくとも1種のレオロジー調整剤を含む。
【0070】
少なくとも1つの実施態様において、レオロジー調整剤は、そのような化合物を含まない組成物に対して組成物の粘度を増加させることができる化合物である。少なくとも1つの実施態様において、レオロジー調整剤は増粘剤である。
増粘剤は、本明細書では増稠剤とも呼ばれる。
【0071】
好ましくは、レオロジー調整剤は、セルロース系増粘剤、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびカルボキシメチルセルロース、グアーガム、例えば、ヒドロキシプロピルグアー、ならびに微生物起源のガム、例えば、キサンタンガムおよびスクレログルカンガムからなる群から選択される。
【0072】
また好ましくは、レオロジー調整剤は、合成増粘剤、例えば、アクリル酸の架橋もしくは非架橋ホモポリマーもしくはコポリマー、例えば、カルボマー、および/または2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸もしくはその塩の架橋もしくは非架橋ホモポリマーもしくはコポリマーからなる群から選択される。
【0073】
より好ましくは、レオロジー調整剤は、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸またはその塩の架橋または非架橋ホモポリマーまたはコポリマーからなる群から選択される。特に好ましくは、レオロジー調整剤は、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸またはその塩の架橋ホモポリマーまたはコポリマーからなる群から選択される。
【0074】
少なくとも1つの実施態様において、化粧用組成物は、化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.1~3重量%、特に好ましくは0.2~2重量%の少なくとも1種のレオロジー調整剤を含む。
【0075】
本発明において使用される化粧用組成物は油相を含む。特に好ましくは、化粧用組成物は水性相も含む。
【0076】
好ましい実施態様において、本発明において使用される化粧用組成物は希釈剤を含む。有利には、希釈剤は化粧用に許容可能である。好ましい希釈剤は、水、アルコール、またはそれらの混合物である。より好ましい希釈剤は、水、グリセリン、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、またはそれらの混合物である。特に好ましい希釈剤は水である。水は、環境的および経済的な理由から特に有用である。
【0077】
化粧用組成物は、さらなる油類を含んでもよい。好適な油類は例えば、式R’COOR”(式中、R’およびR”は、それぞれ独立して、C4-20直鎖状または分枝状アルキル、アルケニルまたはアルコキシ-カルボニルアルキルまたはアルキルカルボニル-オキシアルキルである)のエステルであり得る。そのようなエステルの例には、イソトリデシルイソノナノエート、PEG-4ジヘプタノエート(PEG=ポリエチレングリコール)、イソステアリルネオペンタノエート、トリデシルネオペンタノエート、セチルオクタノエート、セチルパルミテート、セチルリシノレエート、セチルステアレート、セチルミリステート、イソプロピルミリステート、ココ-ジカプリレート/カプレート、デシルイソステアレート、イソデシルオレエート、イソデシルネオペンタノエート、イソヘキシルネオペンタノエート、オクチルパルミテート、ジオクチルマレート、トリデシルオクタノエート、ミリスチルミリステートが含まれる。適切な油類はまた、例えば、C10-18トリグリセリド類、ヒマシ油、ラノリン油、トリイソセチルシトレート、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ヤシ油、鉱油、アーモンド油、杏仁油、アボカド油、ババス油、月見草油、アマナズナ種子油、ブドウ種子油、マカダミア・ターニフォリア種子油、トウモロコシ油、メドウフォーム種子油、ミンク油、オリーブ油、パーム核油、サフラワー油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、コムギの胚種油およびトウツバキ種子油から選択され得る。
【0078】
好ましい実施態様において、本発明において使用される化粧用組成物は、1種または複数のさらに別の成分を含む。そのようなさらに別の成分は、例えば、化粧用組成物の少なくとも0.01重量%、好ましくは少なくとも0.05重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%、さらにより好ましくは少なくとも0.5重量%、例えば0.01~50重量%、好ましくは0.05~35重量%、より好ましくは0.1~25重量%、さらにより好ましくは0.5~20重量%の量で存在し得る。別段の記載がない限り、全てのパーセントは、組成物全体の重量(w/w)による。
【0079】
本発明において使用される化粧用組成物は、例えば、エモリエント剤、ワックス、界面活性剤、被膜形成剤、過脂剤、リファッティング剤、潤滑剤、泡安定剤、安定剤、活性生物起源物質、防腐剤、防腐増強成分、染料または顔料、粒子状物質、乳白剤、研磨剤、吸収剤、アンチケーキング剤、増量剤(bulking agents)、パール光沢剤(pearlizing agents)、香料もしくはフレグランス、ビタミン、キャリアー、噴射剤、機能性酸、活性成分、皮膚ブライトニング剤、セルフタンニング剤、角質剥離剤、酵素、抗ニキビ剤、脱臭剤または制汗剤、粘度調整剤、増粘剤またはゲル化剤、pH調整剤、緩衝剤、酸化防止剤、キレート剤、アストリンゼント、サンスクリーン、日焼け防止剤、UVフィルター、コンディショニング剤、湿潤剤、閉塞剤(occlusive agents)、消泡剤、香料添加剤、電解質、酸化剤および還元剤からなる群から選択される1種または複数のさらに別の成分を含む。
【0080】
化粧用組成物は、さらなる油類を含んでもよい。好適な油類は例えば、式R’COOR”(式中、R’およびR”は、それぞれ独立して、C4-20直鎖状または分枝状アルキル、アルケニルまたはアルコキシ-カルボニルアルキルまたはアルキルカルボニル-オキシアルキルである)のエステルであり得る。
そのようなエステルの例には、イソトリデシルイソノナノエート、PEG-4ジヘプタノエート(PEG=ポリエチレングリコール)、イソステアリルネオペンタノエート、トリデシルネオペンタノエート、セチルオクタノエート、セチルパルミテート、セチルリシノレエート、セチルステアレート、セチルミリステート、イソプロピルミリステート、ココ-ジカプリレート/カプレート、デシルイソステアレート、イソデシルオレエート、イソデシルネオペンタノエート、イソヘキシルネオペンタノエート、オクチルパルミテート、ジオクチルマレート、トリデシルオクタノエート、ミリスチルミリステートが含まれる。適切な油類はまた、例えば、C10-18トリグリセリド、ヒマシ油、ラノリン油、トリイソセチルシトレート、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ヤシ油、鉱油、アーモンド油、杏仁油、アボカド油、ババス油、月見草油、アマナズナ種子油、ブドウ種子油、マカダミア・ターニフォリア種子油、トウモロコシ油、メドウフォーム種子油、ミンク油、オリーブ油、パーム核油、サフラワー油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、コムギの胚種油およびトウツバキ種子油から選択され得る。
【0081】
少なくとも1つの好ましい実施態様において、化粧用組成物は防腐剤を含む。少なくとも1つの好ましい実施態様において、前記防腐剤は、ベンジルアルコール、ピロクトンオラミン、フェノキシエタノール、パラベン類、ペンタンジオール、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施態様において、防腐剤は、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジイソブチルエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、N-ラウリルサルコシン酸ナトリウム、N-パルメチルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン、N-ミリストイルグリシン、カリウム-N-ラウリルサルコシン、塩化トリメチルアンモニウム、クロロヒドロキシ乳酸ナトリウムアルミニウム、トリエチルシトレート、塩化トリセチルメチルアンモニウム、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル(Triclosan)、フェノキシエタノール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3,4,4’-トリクロロカルバニリド(Triclocarban)、ジアミノアルキルアミド、L-リジンヘキサデシルアミド、重金属クエン酸塩、サリチレート、ピロクトース、亜鉛塩、ピリチオンおよびその重金属塩、ピリチオン亜鉛、フェノール硫酸亜鉛、ファルネソール、ケトコナゾール、オキシコナゾール、ビフォナゾール、ブトコナゾール、クロコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ミコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、テルコナゾール、ナフチフィン、テルビナフィン、セレンジスルフィド、ピロクトンオラミン(Octopirox)、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、メチルジブロモグルタロニトリル、塩化銀、ジアゾリジニル尿素、イミダゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸、ウンデシレン酸、クロルフェネシン、プロピオン酸、サリチル酸、クロロキシレノール、ジエチルヘキシルスルホスクシネートのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、(RS)-1-(4-クロロフェノキシ)-1-イミダゾール-1-イル-3,3-ジメチルブタン-2-オン(クリンバゾール)、ベンジルアルコール、フェノキシイソプロパノール、パラベン、例えばブチル-、エチル-、メチル-およびプロピルパラベンおよびそれらの塩、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、ポリアミノプロピルビグアニド、ヨードプロピニルブチルカルバメート、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、ペンタンジオール、1,2-オクタンジオール、エチルヘキシルグリセリン、ソルビン酸、安息香酸、乳酸、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、ジメチロールジメチルヒダントイン(DMDMH)、クロルヘキシジン、ヒドロキシメチルグリシネートのナトリウム塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの好ましい実施態様において、前記組成物はパラベンを実質的に含まない。少なくとも1つの好ましい実施態様において、前記組成物は、0.01重量%~3重量%、好ましくは0.05重量%~1.5重量%、より好ましくは0.1重量%~1.0重量%の少なくとも1種の防腐剤を含む。少なくとも1つの好ましい実施態様において、前記組成物は、防腐増強成分を含む。好ましい実施態様では、前記組成物は、防腐剤および防腐増強成分を含む。少なくとも1つの好ましい実施態様において、前記の防腐増強成分は、アニス酸、乳酸、ソルビタンカプリレート、エチルヘキシルグリセリン、カプリリルグリコール、オクタンジオールおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの好ましい実施態様において、防腐増強成分は、カプリロイル/カプロイル無水メチルグルカミドである。カプリロイル/カプロイル無水メチルグルカミドはClariantから市販されている(Velsan Flex)。
【0082】
好ましい実施態様において、化粧用組成物は、少なくとも1種の活性成分または少なくとも1種の日焼け防止剤および/またはUVフィルターまたは少なくとも1種の顔料を含む。
【0083】
少なくとも1つの好ましい実施態様において、化粧用組成物は活性成分を含む。活性成分は、施用時に皮膚に機能性を付与するために使用される物質である。活性成分は、例えば、角質剥離剤、皮膚ブライトニング剤、セルフタンニング剤、抗ニキビ剤、アンチエイジング剤および抗しわ剤として使用される。
【0084】
好ましくは、活性成分は、皮膚保湿剤、皮膚柔軟化剤、皮膚ホワイトニング剤、皮膚美白剤、角質剥離剤、アンチエイジング剤、抗しわ剤、皮膚バリア修復剤、抗ニキビ剤、抗セルライト剤、ケミカルピーリング剤、スリミング剤、消臭剤、制汗剤、皮膚マット化剤、皮膚ファーミング剤、皮膚プランピング剤、セルフタンニング剤、アンチダークサークル剤および皮膚スージング剤からなる群から選択される。より好ましくは、活性成分は、皮膚保湿剤、皮膚柔軟化剤、アンチエイジング剤、抗しわ剤、皮膚バリア修復剤および皮膚スージング剤からなる群から選択される。
【0085】
少なくとも1つの好ましい実施態様において、前記活性成分は、ヒドロキシ酸、好ましくはα-およびβ-ヒドロキシ酸からなる群から選択される。好ましいヒドロキシ酸の例は、乳酸、グリコール酸、サリチル酸およびアルキル化サリチル酸またはクエン酸である。少なくとも1つの好ましい実施態様において、活性成分は、酒石酸、マンデル酸、カフェー酸、ピルビン酸、オリゴ-オキサモノ-およびジカルボン酸、フマル酸、レチノイン酸、スルホン酸、安息香酸、コウジ酸、フルーツ酸、リンゴ酸、グルコン酸、ピルビン酸、ガラクツロン酸、リボン酸、ヒアルロン酸およびそれらの誘導体、フリーのまたは部分的に中和された形態のポリグリコール二酸、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンC誘導体(例えば、リン酸アスコルビルナトリウム、リン酸アスコルビルマグネシウムまたはマグネシウムアスコルビルグルコシド(magnesium ascorbyl glucoside))、ジヒドロキシアセトン、ミノキシジル、タンパク質分解酵素(例えば、パパイヤ、カボチャまたはパイナップルからのフルーツ酵素、例えばパパイナーゼおよびブロメラインアナナーゼ)、カフェイン、ナイアシンアミドおよびそれらの誘導体、ジエチルトルアミド(DEET)、または皮膚ホワイトニング活性物質、例えばアルブチンまたはグリチルレチン酸およびその塩、グルタチオン、システイン、レスベラトロール、4-ブチルレゾルシノール、またはパンクラチウム・マリティマム(pancratium maritimum)抽出物またはクワ抽出物などの植物抽出物からなる群から選択される。少なくとも1つの好ましい実施態様において、活性成分は、サリチル酸、コウジ酸、ヒアルロン酸、アスコルビン酸およびそれらの誘導体、ジヒドロキシアセトン、アルブチンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施態様において、化粧用組成物は、化粧用組成物の全重量を基準として、0.05~15重量%、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.3~5重量%、特に好ましくは0.5~4重量%の少なくとも1種の活性成分を含む。少なくとも1つの実施態様において、化粧用組成物は、化粧用組成物の全重量を基準として、0.05~15重量%、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.5~5重量%、特に好ましくは1~5重量%の少なくとも1種の活性成分を含む。
【0086】
少なくとも1つの好ましい実施態様において、化粧用組成物は、日焼け防止剤および/またはUVフィルターを含む。好ましい実施態様において、日焼け防止剤および/またはUVフィルターは、二酸化チタン、雲母-酸化チタン、酸化鉄、雲母-酸化鉄、酸化亜鉛、ケイ素酸化物、ウルトラマリンブルーおよびクロム酸化物から選択される。本発明による組成物は、例えば、二酸化チタン、雲母-二酸化チタン、酸化鉄、雲母-酸化鉄、酸化亜鉛、ケイ素酸化物、ウルトラマリンブルーまたはクロム酸化物を、顔料として、および日焼け防止剤またはUVフィルターとして含むことができる。好ましい実施態様において、日焼け防止剤および/またはUVフィルターは、4-アミノ安息香酸、3-(4’-トリメチルアンモニウム)-ベンジリデン-ボルナン-2-オン-メチルスルフェート、カンファーベンズアルコニウムメトスルフェート、3,3,5-トリメチル-シクロヘキシルサリチレート、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸およびそれらのカリウム、ナトリウムおよびトリエタノールアミン塩、3,3’-(1,4-フェニレンジメチン)-ビス(7,7-ジメチル-2-オキソビシクロ[2.2.1]-ヘプタン-1-メタンスルホン酸)およびそれらの塩、1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、3-(4’-スルホ)-ベンジリデン-ボルナン-2-オンおよびそれらの塩、2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸-(2-エチルヘキシルエステル)、N-[2(および4)-(2-オキソボルン-3-イリデンメチル)ベンジル]-アクリルアミドのポリマー、4-メトキシ-桂皮酸-2-エチルヘキシルエステル、エトキシル化エチル-4-アミノベンゾエート、4-メトキシ-桂皮酸イソアミルエステル、2,4,6-トリス-[p-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3-(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリルオキシ)-ジシロキサニル)-プロピル)フェノール、4,4’-[(6-[4-((1,1-ジメチルエチル)-アミノカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-イル)ジイミノ]ビス-(安息香酸-2-エチルヘキシルエステル)、ベンゾフェノン-3、ベンゾフェノン-4(酸)、3-(4’-メチルベンジリデン)-D,L-カンファー、3-ベンジリデン-カンファー、サリチル酸-2-エチルヘキシルエステル、4-ジメチルアミノ安息香酸-2-エチルヘキシルエステル、ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンゾフェノン-5-スルホン酸(スルフィソベンゾナム)およびそれらのナトリウム塩、4-イソプロピルベンジルサリチレート、N,N,N-トリメチル-4-(2-オキソボルン-3-イリデンメチル)アニリニウムメチルスルフェート、ホモサレート、オキシベンゾン、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸およびそれらのナトリウム、カリウムおよびトリエタノールアミン塩、オクチルメトキシ桂皮酸、イソペンチル-4-メトキシ桂皮酸、イソアミル-p-メトキシ桂皮酸、2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン(オクチルトリアゾン)フェノール、2-2(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3-(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリル)オキシ)-ジシロキサニル)プロピル(ドロメトリゾールトリシロキサン)安息香酸、4,4-((6-(((1,1-ジメチルエチル)アミノ)カルボニル)フェニル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ジイミノ)ビス,ビス(2-エチルヘキシル)エステル)安息香酸、4,4-((6-(((1,1-ジメチルエチル)アミノ)-カルボニル)フェニル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ジイミノ)ビス,ビス(2-エチルヘキシル)エステル)、3-(4’-メチルベンジリデン)-D,L-カンファー(4-メチルベンジリデンカンファー)、ベンジリデン-カンファー-スルホン酸、オクトクリレン、ポリアクリルアミドメチル-ベンジリデン-カンファー、2-エチルヘキシルサリチレート(オクチルサリチレート)、4-ジメチル-アミノ安息香酸エチル-2-ヘキシルエステル(オクチルジメチルPABA)、PEG-25 PABA、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸(ベンゾフェノン-5)およびNa塩、2,2’-メチレン-ビス-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(テトラメチルブチル)-1,1,3,3-フェノール、2-2’-ビス-(1,4-フェニレン)1H-ベンズイミダゾール-4,6-ジスルホン酸のナトリウム塩、(1,3,5)-トリアジン-2,4-ビス((4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ)-フェニル)-6-(4-メトキシフェニル)、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート、グリセリルオクタノエートジ-p-メトキシ桂皮酸、p-アミノ-安息香酸およびそれらのエステル、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、4-(2-β-グルコピラノキシ)プロポキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、オクチルサリチレート、メチル-2,5-ジイソプロピル桂皮酸、シノキセート、ジヒドロキシ-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-5,5’-ジスルホベンゾフェノンの二ナトリウム塩、ジヒドロキシベンゾフェノン、1,3,4-ジメトキシフェニル-4,4-ジメチル-1,3-ペンタンジオン、2-エチルヘキシル-ジメトキシベンジリデン-ジオキソイミダゾリジンプロピオネート、メチレン-ビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホネート、ビス-エチルヘキシルオキシフェノール-メトキシフェノール-トリアジン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、テレフタリリデン-ジカンファー-スルホン酸、2,4,6-トリス[4,2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、メチル-ビス(トリメチルシロキシ)シリル-イソペンチルトリメトキシ桂皮酸、アミル-p-ジメチルアミノベンゾエート、アミル-p-ジメチルアミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-p-ジメチルアミノベンゾエート、イソプロピル-p-メトキシ桂皮酸/ジイソプロピル桂皮酸エステル、2-エチルヘキシル-p-メトキシ桂皮酸、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホ酸(2-hydroxy-4-methoxybenzophenone-5-sulfo acid)および三水和物、および2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホネートナトリウム塩、フェニル-ベンズイミダゾール-スルホン酸、p-アミノ安息香酸ブチルエステル、メチル-3-[2,4-ビス(メチルエチル)フェニル]-2-プロペノエート、3-(4-ヒドロキシ)-3-メトキシフェニル)-2-プロペン酸、5-メチル-2-(1-メチルエチル)シクロヘキサノール-2-アミノベンゾエート、ジエチルマロニルベンジリデンオキシプロペンジメチコン、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジンおよびトリス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム2-ヒドロキシベンゾエートから選択される。少なくとも1つの好ましい実施態様において、日焼け防止剤および/またはUVフィルターは、2-エチルヘキシル4-メトキシシンナメート、メチルメトキシシンナメート、2-エチルヘキシルサリチレート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸、ポリエトキシル化p-アミノベンゾエートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施態様において、化粧用組成物は、化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~30重量%、好ましくは0.05~20重量%、より好ましくは0.1~15重量%、特に好ましくは1~10重量%の少なくとも1種の日焼け防止剤および/またはUVフィルターを含む。少なくとも1つの実施態様において、化粧用組成物は、化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~40重量%、好ましくは0.05~30重量%、より好ましくは0.1~20重量%、特に好ましくは1~15重量%の少なくとも1種の日焼け防止剤および/またはUVフィルターを含む。少なくとも1つの実施態様において、化粧用組成物は、化粧用組成物の全重量を基準として、少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも3重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、特に好ましくは少なくとも10重量%の少なくとも1種の日焼け防止剤および/またはUVフィルターを含む。
【0087】
少なくとも1つの好ましい実施形態において、化粧用組成物は顔料を含む。これらは、製品全体にまたは皮膚に色彩効果を付与する着色顔料であってよく、あるいはそれらは製品全体にまたは皮膚に光沢効果を付与する光沢効果顔料であってよい。皮膚に対する色彩もしくは光沢効果は、好ましくは一時的であり、すなわち、それらは、次の皮膚洗浄まで持続し、通例のボディもしくはフェイスクレンザー、ボディもしくはフェイスウォッシュ等で皮膚を洗浄することによって、あるいはメイクアップリムーバー、ミセラーウォーターまたはクレンジングワイプを使用することによって、除去することができる。少なくとも1つの好ましい実施態様において、前記顔料の粒子径は、1ミクロン~200ミクロン、好ましくは3ミクロン~150ミクロン、より好ましくは10ミクロン~100ミクロンである。前記顔料は、施与媒体に実質的に不溶性である着色剤であり、無機であってもまたは有機であってもよい。無機-有機混合顔料も可能である。無機顔料が好ましい。無機顔料の利点は、光、天候および温度に対するそれらの優れた耐性である。無機顔料は、天然由来のものであってよい。少なくとも1つの好ましい実施態様において、無機顔料は、チョーク、オーカー、アンバー、緑土、バーントシェンナ、グラファイトおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。顔料は、例えば、白色顔料、例えば二酸化チタンまたは酸化亜鉛、黒色顔料、例えば、黒酸化鉄、着色顔料、例えばウルトラマリンまたは赤色酸化鉄、光輝顔料、金属効果顔料、真珠光沢顔料、または蛍光もしくはリン光顔料であってよく、好ましくは、少なくとも1種の顔料は着色された非白色顔料である。少なくとも1つの好ましい実施態様において、顔料は、金属酸化物、水酸化物および酸化物水和物、混合相顔料、硫黄含有ケイ酸塩、金属硫化物、複合金属シアン化物、金属硫酸塩、クロム酸塩およびモリブデン酸塩、ならびに金属自体(青銅、銀、金顔料)、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの好ましい実施態様において、顔料は、二酸化チタン(CI77891)、黒色酸化鉄(CI77499)、黄色酸化鉄(CI77492)、赤色および褐色酸化鉄(CI77491)、マンガンバイオレット(CI77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、CI 77007、Pigment Blue29)、酸化クロム水和物(CI77289)、プルシアンブルー(フェロシアン化鉄、CI77510)、カーマイン(コチニール)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの好ましい実施態様において、顔料は、雲母、シリカ、オキシ塩化ビスマス、窒化ホウ素もしくは二酸化チタンのような単結晶からなるか、または金属酸化物(例えば酸化鉄、酸化クロム、酸化スズ、二酸化チタン)または金属オキシ塩化物、例えばオキシ塩化ビスマス、または金属水酸化物、例えば水酸化アルミニウム、および任意選択的に色を付与するさらに別の物質、例えばプルシアンブルー、ウルトラマリンもしくはカーマインでコーティングされた、雲母、アルミニウム、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、ケイ酸塩(例えばホウケイ酸アルミニウムカルシウム、ホウケイ酸ナトリウムカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウムまたはフルオロケイ酸マグネシウムナトリウム)をベースとする層基材構造を有し、色は層厚を変化させることによって決定することができる、真珠光沢および着色顔料からなる群から選択される。真珠光沢効果は、粒子径と顔料ポピュレーションの粒度分布の両方によって制御することができる。適切な粒度分布は、例えば、2~50μm、5~25μm、5~40μm、5~60μm、5~95μm、5~100μm、10~60μm、10~100μm、10~125μm、20~100μm、20~150μm、または15μm未満の範囲である。より広い粒度分布、例えば20~150μmの粒度分布は光輝効果を生じ、一方、<15μmというより狭い粒度分布は均一な絹のような外観を与える。少なくとも1つの好ましい実施態様において、顔料は、二酸化チタン(CI77891)、黒色酸化鉄(CI77499)、黄色酸化鉄(CI77492)、赤色および褐色酸化鉄(CI77491)、雲母、シリカ、オキシ塩化ビスマス、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの好ましい実施態様において、顔料は、有機顔料、例えばセピア、ガンボージ、骨炭、カッセルブラウン、インジゴ、クロロフィルまたは他の植物顔料からなる群から選択される。少なくとも1つの好ましい実施態様において、顔料は、合成有機顔料、例えば、アゾ顔料、アントラキノイド、インジゴイド、ジオキサジン、キナクリドン、フタロシアニン、イソインドリノン、ペリレン、ペリノン、金属錯体、アルカリブルーおよびジケトピロロピロール顔料からなる群から選択される。少なくとも1つの実施態様において、化粧用組成物は、化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~50重量%、好ましくは0.5~40重量%、より好ましくは1.0~30重量%、特に好ましくは3.0~20重量%の少なくとも1種の顔料を含む。少なくとも1つの実施態様において、化粧用組成物は、化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~40重量%、好ましくは0.1~30重量%、より好ましくは0.5~20重量%、特に好ましくは1~10重量%の少なくとも1種の顔料を含む。少なくとも1つの実施態様において、化粧用組成物は、化粧用組成物の全重量を基準として、少なくとも3重量%、好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも20重量%、特に好ましくは少なくとも30重量%の少なくとも1種の顔料を含む。
【0088】
特に好ましくは、本発明において使用される化粧用組成物は、スキンケア組成物である。
【0089】
好適な実施態様では、本発明で使用される化粧用組成物は、ボディウォッシュ、フェイシャルクレンザー、クレンジングマスク、バブルバス、バスオイル、クレンジングミルク、ミセラーウォーター、メイクアップリムーバー、クレンジングワイプ、香料、石けん、シェービングソープ、シェービングフォーム、クレンジングフォーム、フェースマスク、インティメイトウォッシュ(intimate wash)、ミセラーウォーター、液体石けん、デイクリーム、アンチエイジングクリーム、ボディミルク、ボディローション、ボディムース、フェイスセラム、アイクリーム、サンスクリーンローション、サンクリーム、フェイスクリーム、アフターシェーブローション、プレシェービングクリーム、脱毛クリーム、皮膚ホワイトニングジェル、セルフタンニングクリーム、抗ニキビジェル、マスカラ、ファンデーション、プライマー、コンシーラー、頬紅、ブロンザー、ブレミッシュバーム(bb)クリーム、アイライナー、ナイトクリーム、アイブロウジェル、ハイライター、リップステイン、手用消毒剤、除光液(nail varnish remover)、皮膚コンディショナー、枝毛修復液(split end fluid)、デオドラント、制汗剤、ベビークリーム、防虫剤、ハンドクリーム、サンスクリーンジェル、フットクリーム、エクスフォリエーター(角質除去剤)、ボディスクラブ、セルライトトリートメント、固形石けん、ネイルキューティクルクリーム、リップクリーム、アイシャドー、浴用添加剤、ボディミスト、オードトワレ、潤滑ジェル、モイスチャライザー、セラム、トナー、アクアソルベ(aqua sorbet)、クリームジェル、リップスティック、リップグロス、ヒドロアルコールジェル(hydro-alcoholic gel)、ボディオイル、シャワーミルク、イルミネーター、リップクレヨンおよびサンブロックからなる群から選択される。
【0090】
より好ましい実施態様において、本発明で使用される化粧用組成物は、ボディウォッシュ、フェイシャルクレンザー、バスオイル、クレンジングミルク、シェービングフォーム、フェースマスク、デイクリーム、アンチエイジングクリーム、ボディミルク、ボディローション、ボディムース、フェイスセラム、アイクリーム、サンスクリーンローション、サンクリーム、フェイスクリーム、アフターシェーブローション、プレシェービングクリーム、脱毛クリーム、ブレミッシュバーム(bb)クリーム、ナイトクリーム、ハイライター、リップステイン、皮膚コンディショナー、デオドラント、制汗剤、ベビークリーム、ハンドクリーム、サンスクリーンジェル、フットクリーム、セルライトトリートメント、ネイルキューティクルクリーム、リップクリーム、浴用添加剤、オードトワレ、潤滑ジェル、モイスチャライザー、セラム、クリームジェル、リップスティック、リップグロス、ボディオイル、シャワーミルク、リップクレヨンおよびサンブロックからなる群から選択される。
【0091】
さらにより好ましい実施態様において、本発明で使用される化粧用組成物は、バスオイル、クレンジングミルク、デイクリーム、アンチエイジングクリーム、ボディミルク、ボディローション、フェイスセラム、アイクリーム、サンスクリーンローション、フェイスクリーム、プレシェービングクリーム、ナイトクリーム、ベビークリーム、ハンドクリーム、フットクリーム、ネイルキューティクルクリーム、リップクリーム、モイスチャライザー、リップスティック、リップグロス、ボディオイルおよびサンブロックからなる群から選択される。
【0092】
本発明において使用される化粧用組成物は、当技術分野において公知の方法によって製造することができる。例えば、本発明において使用される化粧用組成物は、その成分を混合することによって製造することができる。
【0093】
本発明はまた、皮膚の化粧的処置のための方法であって、以下を含む方法に関する:
a)本明細書に記載の式(1)に従う少なくとも1種の化合物を含む化粧用組成物を皮膚上に施与すること;
b)任意選択的に、化粧用組成物を皮膚から除去すること。
【0094】
「皮膚の化粧的処置」という表現は、非医学的および非治療的処置を指す。
【0095】
好ましくは、皮膚の化粧的処置は、皮膚のクレンジング、皮膚の保湿、皮膚の柔軟化、皮膚のホワイトニング、皮膚の美白(lightening)、皮膚の剥脱、皮膚のアンチエイジング処置、皮膚の抗しわ処置、皮膚のバリア修復処置、皮膚の抗ニキビ処置、皮膚の抗セルライト処置、皮膚の脱毛、皮膚のシェービング、ケミカルピーリング処置、スリミング処置、皮膚の消臭、制汗処置、皮膚のマット化(mattifying)、皮膚のファーミング、皮膚のプランピング、セルフタンニング処置、アンチダークサークル処置、UV保護、皮膚のスージング(soothing)、アンチポリューション(anti-pollution)処置、爪のキューティクル処置、アフターサン処置、およびカラー化粧品の施用を含むか、またはこれらから選択される。
【0096】
また好ましくは、皮膚の化粧的処置は、皮膚のクレンジング、皮膚の保湿、皮膚の柔軟化、皮膚のホワイトニング、皮膚の美白、皮膚の剥脱、皮膚のアンチエイジング処置、皮膚の抗しわ処置、皮膚の抗セルライト処置、皮膚の脱毛、皮膚のシェービング、ケミカルピーリング処置、スリミング処置、皮膚の消臭、制汗処置、皮膚のマット化、皮膚のファーミング、皮膚のプランピング、セルフタンニング処置、アンチダークサークル処置、皮膚のスージング、アンチポリューション処置、爪のキューティクル処置、アフターサン処置、およびカラー化粧品の施用を含むか、またはこれらから選択される。
【0097】
特に好ましくは、皮膚の化粧的処置は、皮膚の保湿、皮膚の柔軟化、皮膚のアンチエイジング処置、皮膚の抗しわ処置、皮膚のバリア修復処置、UV保護、皮膚のスージングおよびカラー化粧品の施用を含むか、またはこれらから選択される。
【0098】
また特に好ましくは、皮膚の化粧的処置は、皮膚の保湿、皮膚の柔軟化、皮膚のアンチエイジング処置、皮膚の抗しわ処置、皮膚のスージングおよびカラー化粧品の施用を含むか、またはこれらから選択される。
【0099】
ステップa)において、本明細書に記載の式(1)に従う少なくとも1種の化合物を含む化粧用組成物が皮膚上に施与される。化粧用組成物は、濡れた又は乾燥した皮膚上に施用することができる。
【0100】
ステップb)は任意である。任意選択的に、化粧用組成物は皮膚から除去される。いくつかの実施態様において、化粧用組成物は、皮膚から除去される。他の実施態様において、化粧用組成物は皮膚から除去されない。
【0101】
本発明はまた、式(1)による少なくとも1種の化合物
【0102】
【化3】
[式中、
Rは、直鎖状または分枝状C3~C20-アルキルから選択され、そして
nは、1~20から選択される]の、
化粧用組成物における、皮膚コンディショナー、分散剤、湿潤剤、被膜形成剤、エマルション安定剤、結合剤または消泡剤としての使用に関する。
【0103】
好ましくは、前記皮膚コンディショナーは、エモリエント剤、潤滑剤、保湿剤、リファッティング剤、スムージング剤またはスージング剤である。
【0104】
本発明はまた、本明細書で定義される少なくとも1種の式(1)の化合物の、化粧用組成物における、皮膚コンディショナー、エモリエント剤、潤滑剤、保湿剤、リファッティング剤、スムージング剤、スージング剤、分散剤、湿潤剤、被膜形成剤、エマルション安定剤、結合剤または消泡剤としての使用に関する。
【0105】
好ましくは、式(1)による化合物は、皮膚コンディショナー、分散剤、湿潤剤または被膜形成剤として使用される。より好ましくは、式(1)の化合物は、皮膚コンディショナーまたは分散剤として使用される。特に好ましくは、式(1)による化合物は、エモリエント剤、潤滑剤、保湿剤、リファッティング剤、スムージング剤、スージング剤または分散剤として使用される。
【0106】
本発明はまた、皮膚の化粧的処置のための化粧用組成物であって、式(1)の少なくとも1種の化合物を含む組成物に関する:
【0107】
【化4】
[式中、
Rは、直鎖状または分枝状C3~C20-アルキルから選択され、そして
nは、1~20から選択される]。
【0108】
好ましい実施態様において、化粧用組成物は以下を含む:
a)化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~5重量%、特に好ましくは1~3重量%の式(1)に従う少なくとも1種の化合物;および
b)化粧用組成物の全重量を基準として、0.5~80重量%、好ましくは1~60重量%、より好ましくは1.5~40重量%、特に好ましくは3~25重量%の少なくとも1種の界面活性剤。
【0109】
好ましい実施態様において、化粧用組成物は以下を含む:
a)化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~5重量%、特に好ましくは1~3重量%の式(1)に従う少なくとも1種の化合物;および
b)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、より好ましくは0.1~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%の少なくとも1種の界面活性剤。
【0110】
より好ましい実施態様において、化粧用組成物は以下を含む:
a)化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~5重量%、特に好ましくは1~3重量%の式(1)に従う少なくとも1種の化合物;
b)化粧用組成物の全重量を基準として、0.5~80重量%、好ましくは1~60重量%、より好ましくは1.5~40重量%、特に好ましくは3~25重量%の少なくとも1種の界面活性剤;および
c)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.1~3重量%、特に好ましくは0.2~2重量%の少なくとも1種のレオロジー調整剤。
【0111】
より好ましい実施態様において、化粧用組成物は以下を含む:
a)化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~5重量%、特に好ましくは1~3重量%の式(1)に従う少なくとも1種の化合物;
b)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、より好ましくは0.1~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%の少なくとも1種の界面活性剤;および
c)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.1~3重量%、特に好ましくは0.2~2重量%の少なくとも1種のレオロジー調整剤。
【0112】
より好ましい実施態様において、化粧用組成物は以下を含む:
a)化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~5重量%、特に好ましくは1~3重量%の式(1)に従う少なくとも1種の化合物;
b)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、より好ましくは0.1~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%の少なくとも1種の界面活性剤;および
c)少なくとも1種の活性成分または少なくとも1種の日焼け防止剤および/またはUVフィルターまたは少なくとも1種の顔料。
【0113】
さらにより好ましい実施態様において、化粧用組成物は以下を含む
a)化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~5重量%、特に好ましくは1~3重量%の式(1)に従う少なくとも1種の化合物;
b)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、より好ましくは0.1~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%の少なくとも1種の界面活性剤;
c)化粧用組成物の全重量を基準として、0.05~15重量%、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.5~5重量%、特に好ましくは1~5重量%の少なくとも1種の活性成分。
【0114】
さらにより好ましい実施態様において、化粧用組成物は以下を含む
a)化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~5重量%、特に好ましくは1~3重量%の式(1)に従う少なくとも1種の化合物;
b)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、より好ましくは0.1~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%の少なくとも1種の界面活性剤;
c)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~40重量%、好ましくは0.05~30重量%、より好ましくは0.1~20重量%、特に好ましくは1~15重量%の少なくとも1種の日焼け防止剤および/またはUVフィルター。
【0115】
さらにより好ましい実施態様において、化粧用組成物は以下を含む
a)化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~5重量%、特に好ましくは1~3重量%の式(1)に従う少なくとも1種の化合物;
b)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、より好ましくは0.1~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%の少なくとも1種の界面活性剤;
c)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~40重量%、好ましくは0.1~30重量%、より好ましくは0.5~20重量%、特に好ましくは1~10重量%の少なくとも1種の顔料。
【0116】
より好ましい実施態様において、化粧用組成物は以下を含む:
a)化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~5重量%、特に好ましくは1~3重量%の式(1)に従う少なくとも1種の化合物;
b)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、より好ましくは0.1~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%の少なくとも1種の界面活性剤;
c)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.1~3重量%、特に好ましくは0.2~2重量%の少なくとも1種のレオロジー調整剤;および
d)少なくとも1種の活性成分または少なくとも1種の日焼け防止剤および/またはUVフィルターまたは少なくとも1種の顔料。
【0117】
さらにより好ましい実施態様において、化粧用組成物は以下を含む
a)化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~5重量%、特に好ましくは1~3重量%の式(1)に従う少なくとも1種の化合物;
b)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、より好ましくは0.1~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%の少なくとも1種の界面活性剤;
c)任意選択的に、化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.1~3重量%、特に好ましくは0.2~2重量%の少なくとも1種のレオロジー調整剤;および
d)化粧用組成物の全重量を基準として、0.05~15重量%、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.5~5重量%、特に好ましくは1~5重量%の少なくとも1種の活性成分。
【0118】
いくつかの実施態様では、少なくとも1種のレオロジー調整剤が存在する。
【0119】
さらにより好ましい実施態様において、化粧用組成物は以下を含む
a)化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~5重量%、特に好ましくは1~3重量%の式(1)に従う少なくとも1種の化合物;
b)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、より好ましくは0.1~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%の少なくとも1種の界面活性剤;
c)任意選択的に、化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.1~3重量%、特に好ましくは0.2~2重量%の少なくとも1種のレオロジー調整剤;および
d)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~40重量%、好ましくは0.05~30重量%、より好ましくは0.1~20重量%、特に好ましくは1~15重量%の少なくとも1種の日焼け防止剤および/またはUVフィルター。
【0120】
いくつかの実施態様では、少なくとも1種のレオロジー調整剤が存在する。
【0121】
さらにより好ましい実施態様において、化粧用組成物は以下を含む
a)化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~5重量%、特に好ましくは1~3重量%の式(1)に従う少なくとも1種の化合物;
b)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、より好ましくは0.1~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%の少なくとも1種の界面活性剤;
c)任意選択的に、化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.1~3重量%、特に好ましくは0.2~2重量%の少なくとも1種のレオロジー調整剤;および
d)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~40重量%、好ましくは0.1~30重量%、より好ましくは0.5~20重量%、特に好ましくは1~10重量%の少なくとも1種の顔料。
【0122】
いくつかの実施態様では、少なくとも1種のレオロジー調整剤が存在する。
【0123】
特に好ましくは、化粧用組成物は水を含む。化粧用組成物は、例えば、化粧用組成物の全重量を基準として、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも20重量%、より好ましくは少なくとも30重量%、さらにより好ましくは少なくとも40重量%、特に好ましくは少なくとも50重量%、または少なくとも60重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%の水を含み得る。
【0124】
本発明において使用される化粧用組成物について本明細書に記載される実施態様は、本発明の化粧用組成物にも当てはまる。
【0125】
同様に、本発明の化粧用組成物について本明細書に記載される実施態様は、本発明で使用される化粧用組成物にも当てはまる。
【0126】
本発明はまた、皮膚バリア修復処置、皮膚の抗ニキビ処置、または皮膚のUV保護において使用するための、本明細書に記載される式(1)の少なくとも1種の化合物を含む組成物に関する。好ましい実施態様において、本明細書に記載の式(1)の少なくとも1種の化合物を含む組成物は、皮膚バリア修復処置または皮膚のUV保護における使用のためのものである。特に好ましい実施態様において、本明細書に記載の式(1)の少なくとも1種の化合物を含む組成物は、皮膚のUV保護において使用するためのものである。式(1)による好ましい化合物は、さらに上記に記載されている。
【0127】
好ましい実施態様では、前記組成物は以下を含む:
a)化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~5重量%、特に好ましくは1~3重量%の式(1)に従う少なくとも1種の化合物;
b)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、より好ましくは0.1~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%の少なくとも1種の界面活性剤;
c)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~40重量%、好ましくは0.05~30重量%、より好ましくは0.1~20重量%、特に好ましくは1~15重量%の少なくとも1種の日焼け防止剤および/またはUVフィルター。
【0128】
好ましい実施態様では、前記組成物は以下を含む:
a)化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~5重量%、特に好ましくは1~3重量%の式(1)に従う少なくとも1種の化合物;
b)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、より好ましくは0.1~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%の少なくとも1種の界面活性剤;
c)任意選択的に、化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.1~3重量%、特に好ましくは0.2~2重量%の少なくとも1種のレオロジー調整剤;および
d)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~40重量%、好ましくは0.05~30重量%、より好ましくは0.1~20重量%、特に好ましくは1~15重量%の少なくとも1種の日焼け防止剤および/またはUVフィルター。
【0129】
いくつかの実施態様では、少なくとも1種のレオロジー調整剤が存在する。
【0130】
好ましい実施態様では、前記組成物は以下を含む:
a)化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~5重量%、特に好ましくは1~3重量%の式(1)に従う少なくとも1種の化合物;
b)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、より好ましくは0.1~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%の少なくとも1種の界面活性剤;
c)化粧用組成物の全重量を基準として、0.05~15重量%、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.5~5重量%、特に好ましくは1~5重量%の少なくとも1種の活性成分。
【0131】
好ましい実施態様では、前記組成物は以下を含む:
a)化粧用組成物の全重量を基準として、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~5重量%、特に好ましくは1~3重量%の式(1)に従う少なくとも1種の化合物;
b)化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、より好ましくは0.1~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%の少なくとも1種の界面活性剤;
c)任意選択的に、化粧用組成物の全重量を基準として、0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.1~3重量%、特に好ましくは0.2~2重量%の少なくとも1種のレオロジー調整剤;および
d)化粧用組成物の全重量を基準として、0.05~15重量%、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.5~5重量%、特に好ましくは1~5重量%の少なくとも1種の活性成分。
【0132】
いくつかの実施態様では、少なくとも1種のレオロジー調整剤が存在する。
【0133】
本発明を、以下の例によってさらに説明する。
【実施例
【0134】

材料および方法:
分子量は、カラム材料として変性スチレンジビニルベンゼンコポリマーを使用するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して測定される。以下のカラムが使用される:1x ガードカラム,10μm,50mm x 8mm ID および2 x GPCカラム 100Å,5μm,300mm x 8mm ID(PSS SDV)。
【0135】
較正は682~28000g/molの範囲のポリスチレンを用いて行い、検出は、蒸発光散乱検出器(ELSD)を用いて行う。テトラヒドロフランが溶出剤として使用され、注入体積2μLであり、実験は、40℃で流速1.0mL/分で行われる。
【0136】
Hostagliss(登録商標)L4(Clariant)は、テトラマーの平均分子量(約1300g/mol)を有する自己縮合生成物混合物である。粘度(20℃)は、約1100 mPa sである(DIN ISO 53015,2001-02)。
【0137】
例3、5および6の化合物を得るために反応において使用すべきHostagliss(登録商標)L4およびリシノール酸の量を計算するために、酸の活性レベル(テクニカルグレードの物質で)を、実験的に決定される酸価から計算する。
【0138】
例1:
Hostagliss(登録商標)L4(Clariant)および2-エチルヘキサノールからのエストリドエステルの調製
【0139】
【化5】
Hostagliss(登録商標)L4(300.1g)を、撹拌器、還流冷却器および温度計を備えた1Lの四口フラスコ中に仕込み、窒素雰囲気下に置く。シリンジを介して次リン酸(1.7g)を加え、続いて2-エチルヘキサノール(34.3g)を10分間かけて滴加する。反応混合物を160℃に加熱し、1時間還流する。引き続き、還流冷却器を蒸留ブリッジと交換し、揮発性物質を160℃で19時間かけて留去する。生成物(276.9g)を保存用フラスコに充填し、分析する。
【0140】
例2:
リシノール酸(4当量)および2-エチルヘキサノールからのエストリドエステルの調製
【0141】
【化6】
撹拌器、温度計および蒸留ブリッジを備えた500mLの四口丸底フラスコを窒素雰囲気下に配置し、リシノール酸(298.5g)および2-エチルヘキサノール(32.6g)を仕込む。反応混合物を170℃に加熱し、揮発性物質を4.5時間留去する。続いて、メタンスルホン酸(0.56g)を加え、反応混合物を166~170℃に9時間加熱し、揮発性物質を留去する。生成物(258.4g)を、保存用フラスコ中に充填し、分析する。
【0142】
例3:
リシノール酸(2当量)および2-エチルヘキサノールからのエストリドエステルの調製
【0143】
【化7】
撹拌器、温度計および蒸留ブリッジを備えた500mLの四口丸底フラスコを窒素雰囲気下に配置し、リシノール酸(320.1g)および2-エチルヘキサノール(63.2g)を仕込む。反応混合物を170℃に加熱し、揮発性物質を3時間留去する。続いて、p-トルエンスルホン酸(0.95g)を加え、反応混合物を166~170℃に9時間加熱し、揮発性物質を留去する。生成物(330.0g)を、保存用フラスコ中に充填し、分析する。
【0144】
例4:
Hostagliss(登録商標)L4およびデカノールからのエストリドエステルの調製
【0145】
【化8】
Hostagliss(登録商標)L4(300.0g)を、撹拌器、還流冷却器および温度計を備えた500mLの四口フラスコ中に仕込み、窒素雰囲気下に置く。シリンジを介して次リン酸(1.7g)を加え、続いて1-デカノール(41.6g)を10分間かけて滴加する。反応混合物を155~165℃に加熱し、1時間還流する。引き続き、還流冷却器を蒸留ブリッジと交換し、揮発性物質を165~178℃で16時間留去する。生成物(285.1g)を保存用フラスコに充填し、分析する。
【0146】
例5:
リシノール酸(2当量)およびデカノールからのエストリドエステルの調製
【0147】
【化9】
撹拌器、温度計および蒸留ブリッジを備えた500mLの四口丸底フラスコを窒素雰囲気下に配置し、リシノール酸(320.1g)および1-デカノール(79.2g)を仕込む。反応混合物を170℃に加熱し、揮発性物質を5時間留去する。続いて、p-トルエンスルホン酸(0.95g)を加え、反応混合物を149~168℃に6時間加熱し、揮発性物質を留去する。生成物(359.5g)を、保存用フラスコ中に充填し、分析する。
【0148】
例6:
リシノール酸(4当量)およびデカノールからのエストリドエステルの調製
【0149】
【化10】
撹拌器、温度計および蒸留ブリッジを備えた500mLの四口丸底フラスコを窒素雰囲気下に配置し、リシノール酸(320.1g)および1-デカノール(39.6g)を仕込む。反応混合物を170℃に加熱し、揮発性物質を4時間留去する。続いて、p-トルエンスルホン酸(0.95g)を加え、反応混合物を156~174℃に33時間加熱し、揮発性物質を留去する。生成物(289.0g)を、保存用フラスコ中に充填し、分析する。
【0150】
例6a:
リシノール酸(4当量)およびラウリルアルコール(ドデカノール)からのエストリドエステルの調製。ラウリルアルコールは、Kaoから購入することができる(Kalcol 2098)
【0151】
【化11】
撹拌器、温度計および蒸留ブリッジを備えた500mLの四口丸底フラスコを窒素雰囲気下に配置し、リシノール酸(320.1g)、p-トルエンスルホン酸(0.95g)およびラウリルアルコール(45.8g)を仕込む。反応混合物を170℃に加熱し、揮発性物質を13時間留去する。生成物(312.3g)を保存用フラスコに充填し、分析する。
【0152】
例6b:
リシノール酸(4当量)およびラウリル-ミリスチルアルコールからのエストリドエステルの調製。ラウリル-ミリスチルアルコールはWilmarから購入することができる(Wilfarol 1214)
【0153】
【化12】
撹拌器、温度計および蒸留ブリッジを備えた500mLの四口丸底フラスコを窒素雰囲気下に配置し、リシノール酸(320.1g)、p-トルエンスルホン酸(0.95g)およびラウリル-ミリスチルアルコール(48.5g)を仕込む。反応混合物を170℃に加熱し、揮発性物質を13時間留去する。生成物(312.3g)を保存用フラスコに充填し、分析する。
【0154】
【表1】
【0155】
例7~11
例7~11において言及される「ラウリル/ミリスチルポリリシノレエート」は式(1)に従う化合物の混合物であり、この混合物は、約2600g/molの数平均分子量Mnを有する。前記「ラウリル/ミリスチルポリリシノレエート」の活性のレベルは>95%である。
【0156】
例7:技術的パラメーター
以下の技術的パラメーターを、ラウリル/ミリスチルポリリシノレエートについて決定した:
- 展延性[mm/10分]:180
- DIN ISO 6320:2017[20℃]に従って決定された屈折率:1.4737
- EN 14370[25℃]に従って決定された表面張力[mN/m]:34
【0157】
展延性は以下のように決定した:
- Vitro-Skin(登録商標)水和プロトコール:Vitro-Skin(登録商標)片は、底部にグリセロール(15%)および水(85%)の350g混合物を有する標準化された水和チャンバーの棚に16~24時間の間保管しなければならない。
- 展延値を、10分後に、10μlの油混合物によって覆われた表面積として定義する。
- 水和した65×65mmのVitro-Skin(登録商標)片の中央に、Mettler-Toledo LLC社(Ohio,USA)からの手動マイクロピペットを用いて液体を滴下する。
- Vitro-Skin(登録商標)サンプルを、展延相において10分間水和チャンバー中で保持する。
- 10分後、展延する表面の概要を視覚的に決定し、定規を用いて展延を決定する。
- 展延面積を、円形面積の式を使用して算出する:A=πr
[A:面積;π:円周率(3.14159...);r:算出された円の半径]。
- 測定は室温で3重に行う。
- 展延値はmmで与えられる(値が大きいほど、展延が大きい)。
【0158】
例8:ワックスおよび油類との適合性
ラウリル/ミリスチルポリリシノレエートおよび5%ワックスの混合物を試験した。カンデリアロウ、カルナウバロウまたは蜜蝋等のワックスと、滑らかなオレオゲルを形成した。ラウリル/ミリスチルポリリシノレエートは、天然、合成または動物由来ワックスと優れた適合性を示す。
【0159】
【表2】
【0160】
ラウリル/ミリスチルポリリシノレエートを、1:1の比で、鉱油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドまたはヒマシ油と混合した。ラウリル/ミリスチルポリリシノレエートは、種々の油類と優れた適合性を示す:
【0161】
【表3】
【0162】
例9:UVフィルターとの適合性
5または10%のUVフィルターを、ラウリル/ミリスチルポリリシノレエートと、上昇させた温度で、混合物が均一になるまで混合した。全てのUVフィルターを、世界的規制によって許される最大%まで試験した。Eclipsogen EHTは5%まで、Eclipsogen AVB、Sorb SおよびBP3は10%まで。
【0163】
【表4】
【0164】
ラウリル/ミリスチルポリリシノレエートは、結晶性UVフィルターの優れた可溶化を示す。これらの結果は、ラウリル/ミリスチルポリリシノレエートがサンケア用途のために非常に有用であることを示す。
【0165】
例10:顔料濡れ
油中の顔料分散体の粘度は、キャリア液体エモリエント剤の分散有効性と負の相関がある。従って、粘度の低下は、分散体の均一性を確認するものである。
顔料を添加しない純粋なエモリエント剤と顔料分散体との間の粘度差率を算出するために、以下の式を用いる:
粘度差率=(顔料分散後の粘度値-顔料分散前の粘度値)/(顔料分散前の粘度値)
粘度差率が低いほど、顔料の濡れはより良好である。
【0166】
65%エモリエント剤と35%顔料(赤色酸化鉄)との混合物を均質化し、分析した
【0167】
【表5】
【0168】
ラウリル/ミリスチルポリリシノレエートは、顔料の優れた濡れを示す。これらの結果は、ラウリル/ミリスチルポリリシノレエートがカラー化粧品用途のために非常に有用であることを示す。
【0169】
例11:顔料分散
65%エモリエント剤と35%顔料(黄色酸化鉄)との混合物を均質化し、分析した
【0170】
【表6】
【0171】
ラウリル/ミリスチルポリリシノレエートは、低い平均粒度を有する顔料の優れた分散を示す。ラウリル/ミリスチルポリリシノレエートでの分散はまた、優れた色の強さも示す。これらの結果は、ラウリル/ミリスチルポリリシノレエートがカラー化粧品用途のために非常に有用であることを示す。
【0172】
スキンケア組成物の例:
本発明に従うスキンケア組成物は、それらの成分を混合することにより調製することができる。
【0173】
【表7】
【0174】
【表8】
【0175】
【表9】
【0176】
【表10】
【0177】
【表11】
【0178】
【表12】
【0179】
【表13】
【0180】
【表14】
【国際調査報告】