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特表2024-501436組換えシルクタンパク質の生産能が強化された組換え微生物及びこれを用いた高分子量組換えシルクタンパク質の生産方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-12
(54)【発明の名称】組換えシルクタンパク質の生産能が強化された組換え微生物及びこれを用いた高分子量組換えシルクタンパク質の生産方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/21 20060101AFI20240104BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240104BHJP
   C12N 15/113 20100101ALN20240104BHJP
   C12P 21/00 20060101ALN20240104BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20240104BHJP
【FI】
C12N1/21 ZNA
C12N1/15
C12N15/113 Z
C12P21/00 C
C12N15/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534622
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(85)【翻訳文提出日】2023-08-07
(86)【国際出願番号】 KR2021018486
(87)【国際公開番号】W WO2022124772
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0169583
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521339658
【氏名又は名称】メディコスバイオテク インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MEDICOSBIOTECH, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(72)【発明者】
【氏名】イ サンヨプ
(72)【発明者】
【氏名】キム ジヨン
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
【Fターム(参考)】
4B064AG01
4B064CA02
4B064CA19
4B064CC24
4B064CE04
4B064DA01
4B064DA20
4B065AA26X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA01
4B065BC01
4B065CA24
4B065CA44
4B065CA60
(57)【要約】
本発明は、組換えシルクタンパク質の生産能が向上した組換え微生物及びこれを用いた高分子量組換えシルクタンパク質の生産方法に関し、より具体的には、組換えシルクタンパク質の生産能を有する微生物において、eno遺伝子の発現を抑制する合成sRNAをコードする配列を含む組換えベクターが導入されてクモ糸シルクタンパク質の生産能が向上した組換え微生物に関する。本発明による組換え菌株由来の組換えシルクタンパク質は、クモから生産されるドラグラインシルクタンパク質と類似した高分子量を持ちながら、大量生産が可能であり、繊維として製造すると天然シルクタンパク質と類似またはより優れた物性を持つため、クモの巣繊維の適用が期待される生物工学分野及び/または医薬分野などの様々な産業分野に使用することができ、非常に有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組換えシルクタンパク質の生産能を有する微生物からeno遺伝子の発現が抑制されることにより、クモ糸シルクタンパク質の生産能が向上した組換え微生物。
【請求項2】
前記eno遺伝子の発現の抑制は、前記遺伝子の発現を抑制する合成sRNAをコードする配列を導入する方法、プロモーターを変更する方法、アンチセンスRNAを導入する方法及びsiRNAを導入する方法で構成される群から選択される1つ以上の方法で行われることを特徴とする、請求項1に記載のクモ糸シルクタンパク質の生産能が向上した組換え微生物。
【請求項3】
gnd、ybcF、araC、purT、tdcD、ackA、pta、fsaA、fsaB、ptsH、ptsI、dhal、dhaK、pyrD、guaA、prsA、tesB、aas、acpP、ychM、cysZ、asnA、asnB、acpP、plsB、fadB、sucC、fldA、fade、sucA、sucBおよびpykAで構成される群から選択される1つ以上の付加的な遺伝子の発現がさらに抑制されていることを特徴とする、請求項1に記載のクモ糸シルクタンパク質の生産能が向上した組換え微生物。
【請求項4】
前記付加的な遺伝子発現の抑制は、前記遺伝子の発現を抑制する合成sRNAをコードする配列を導入する方法、プロモーターを変更する方法、アンチセンスRNAを導入する方法およびsiRNAを導入する方法で構成される群から選択される1つ以上の方法で行われることを特徴とする請求項3に記載のクモ糸シルクタンパク質の生産能が向上した組換え微生物。
【請求項5】
前記付加的な遺伝子は、pstI、asnA、ychM、tesB、dhaK、guaA、pckまたはpurTであることを特徴とする請求項3に記載の組換え微生物。
【請求項6】
前記組換えシルクタンパク質の生産能を有する微生物は、配列番号1のアミノ酸を有するペプチドが1~160回繰り返されている組換えシルクタンパク質をコードする遺伝子または前記遺伝子を含む組換えベクター、およびtRNAをコードする塩基配列を含む組換えベクターが導入されていることを特徴とする請求項1に記載の組換え微生物。
【請求項7】
前記合成sRNAは、MicC、SgrS及びMicFの中いずれか1つのsRNA由来のHfq結合部位(Hfq binding site)、及びeno遺伝子mRNAと相補的結合を形成する領域を含むことを特徴とする請求項2または4に記載の組換え微生物。
【請求項8】
前記微生物は、大腸菌、リゾビウム(Rhizobium)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、ロドコッカス(Rhodococcus)、カンジダ(Candida)、エルウィニア(Erwinia)、エンテロバクター(Enterobacter)、パステレラ(Pasteurella)、マンハイムア(Mannheimia)、アクチノバチルス(Actinobacillus)、アグレガティブクター(Aggregatibacter)、ザントモナス(Xanthomonas)、ビブリオ(Vibrio)、シュードモナス(Pseudomonas)、アゾトバクター(Azotobacter)、アシネトバクター(Acinetobacter)、ラルストニア(Ralstonia)、アグロバクテリウム(Agrobacterium)、ロドバクター(Rhodobacter)、ザイモモナス(Zymomonas)、バチルス(Bacillus)、ステフィロコッカス(Staphylococcus)、ラクトコッカス(Lactococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、クロストリジウム(Clostridium)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、シアノバクテリウム(cyanobacterium)及びシクロバクテリウム(Cyclobacterium)で構成される群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組換え微生物。
【請求項9】
前記ペプチドは、ドラグラインシルク(dragline silk)タンパク質を構成する繰り返し単位ペプチドであることを特徴とする請求項6に記載の組換え微生物。
【請求項10】
(a)請求項1~9のいずれか一項に記載の組換え微生物を培養して組換えシルクタンパク質を生成する段階、及び(b)生成された組換えシルクタンパク質を回収する段階を含む組換えシルクタンパク質の製造方法。
【請求項11】
前記(b)段階は、塩析(salting out)段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の組換えシルクタンパク質の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組換えシルクタンパク質の生産能が向上した組換え微生物及びこれを用いた高分子量組換えシルクタンパク質の生産方法に関し、より詳しくは、組換えシルクタンパク質の生産能を有する微生物において、eno遺伝子の発現が抑制され、クモ糸シルクタンパク質の生産能が向上した組換え微生物に関する。
【背景技術】
【0002】
天然シルクタンパク質素材は、長い間代表的な衣類用素材として使用されてきており、最近では天然シルクタンパク質の優れた生体適合性、優れた伸縮性と物理的強度、および粉末、膜、多孔質体、ゲルなどの多様な形態への成形が可能な点、天然タンパク質として化学的改質が可能な点などの特性により、次世代の高機能性産業用素材として活用される可能性が非常に高い。
【0003】
現在シルクタンパク質は、主にカイコとクモから生産されると言われている。
【0004】
カイコシルクタンパク質の場合、カイコが養殖が可能で、300m2の面積と約150万匹のカイコから5kgの量まで生産が可能であることから、伝統的に織物製造に広く利用されてきた。また、天然カイコシルクタンパク質は、免疫反応やアレルギー反応がなく、体にやさしい素材として、化粧品素材、酵素固定化用担体、細胞培養用素材、人工皮膚などの産業用素材として利用される可能性が提示されている。しかし、カイコシルクタンパク質は堅牢性、つまり強度の面で物性が多少不足しており、まだ産業用素材として利用するには多少制約があるため、現在カイコシルクタンパク質の物性を改善するための様々な研究が行われている。例えば、カイコシルクタンパク質の主成分であるシルクフィブロインの分子量別分離及び機能性に関する研究、カイコシルクタンパク質の微細粉体の製造及び皮膚親和性に関する研究、カイコシルクタンパク質と化学的合成高分子のブレンドによる物性向上研究、カイコシルクタンパク質と天然糖質ベースの高分子化合物との混合研究などがある。
【0005】
クモ糸シルクタンパク質の場合、最近、自然から得られたクモ糸シルクタンパク質の物性が堅牢性と伸縮性の面で非常に優れていることが明らかになってから、産業素材として利用するための研究が活発に行われている。しかし、クモは共食いという特性のため養殖が不可能で、クモが生産するシルクタンパク質の量が非常に少なく、カイコシルクタンパク質のように天然タンパク質を分離・生産して使用することは現実的に不可能と言われている。したがって、クモ糸シルクタンパク質関連研究は、クモ糸シルクタンパク質遺伝子を様々なタンパク質発現システムに導入して組換えタンパク質を生産しようとする研究が主流であり、大腸菌、酵母、植物細胞、動物細胞、遺伝子移植動物などでクモ糸シルクタンパク質を大量生産しようとする様々な試みが行われている。全体的にクモ糸シルクタンパク質に関する研究は、主に2000年代以降の集中的な研究及び投資により、ある程度優れた研究成果が最近報告されているが、クモ糸シルクタンパク質遺伝子の繰り返しDNA配列やグリシン、アラニン、セリンといった特定のアミノ酸配列の繰り返しなどの独特な特性は、自然界に存在するシルクタンパク質素材を組換えして生産するのに限界として作用している。
【0006】
クモの生命線として使われ、放射状のクモの巣の形を作る時に使うドラグラインクモの巣は、その強度と弾性度が大きい。クモの巣は、鋼鉄より単位質量当たり5倍の強度を持ち、人間が作った高品質のケプラー繊維より3倍硬い(Gosline, J. M. et al., J. Exp. Biol., 202:3295, 1999; Vollrath, F. & Knight, D. P., Nature 410: 541, 2001)。それだけでなく、生分解性の性質を持っているため縫合糸やscaffoldなどの生物医学分野に適用が可能で、抗炎症機能があるため抗菌性素材として適用可能で、保湿力に優れているため様々な化粧品素材としても活用できる。したがって、ドラグラインクモの巣は、様々な産業的応用性を持つ素材として多くの注目を集めてきた。
【0007】
しかし、残念ながら、クモは領域保護本能が強く、攻撃的であるため、天然のドラグラインクモの巣はクモの培養などでは容易に得ることができない。したがって、組換えドラグラインシルクタンパク質を生産するための多くの取り組みがあった(Lazaris, A. et al、Science, 295:472, 2002; Teule, F. et al., Nat. Protoc., 4: 341, 2009; Arcidiacono, S. et al., Macromolecules, 35: 1262, 2002; Brooks, A. E. et al. Biomacromolecules, 9: 1506, 2008; Heim, M., Keerl, D. & Scheibel, T., Angew.Int.Ed. Engl., 48: 3584, 2009; Fahnestock, S. R. et al.)。
【0008】
現在まで研究されているすべてのクモは、250~320 kDaの高分子量を持つドラグラインシルクタンパク質を自然に生産してきた。大腸菌から合成されるドラグラインシルクタンパク質は、分子量が163kDa(Fahnestock S.R. & Irwin S.L., Appl. Microbiol. Biotechnol., 47:23, 1997)、284.9kDa(KR 10-1317420号, Xia, Xiao-Xia, et al. Proceedings of the National Academy of Sciences, Vo.107(32), pp. 14059-44063, 2010)で、rpnA遺伝子発現阻害を利用した386.8kDa(KR 10-101765255号及びsplit intein mediated ligationを利用した556kDa(Christopher H. Bowen et al., Biomacromolecules, Vol. 19, 9, pp. 3853-3860, 2018)サイズのタンパク質生産などが報告されているが、商業的利用に十分なタンパク質の收率及び良質の糸アセンブリの両方を達成できなかったという問題がある。
【0009】
したがって、高分子量の組換えシルクタンパク質を高純度で大量生産できる菌株が必要である。
【0010】
そこで、本発明者らは、前記問題点を解決し、高純度を有する高分子量の組換えシルクタンパク質を大量生産できる菌株を開発するために鋭意努力した結果、MOMA simulationの結果確認されたターゲット遺伝子の発現をsRNAを用いて抑制する場合、高純度を有する高分子量の組換えシルクタンパク質を大量生産できることを確認し、本発明を完成した。
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、高分子量の組換えシルクタンパク質を生産できる組換え菌株を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、前記菌株を利用して高純度の高分子量組換えシルクタンパク質の製造方法を提供することである。
【0013】
前記目的を達成するために、本発明は、組換えシルクタンパク質の生産能を有する微生物において、eno遺伝子の発現が抑制され、クモ糸シルクタンパク質の生産能が向上した組換え微生物を提供する。
【0014】
本発明はまた、(a)前記組換え微生物を培養して組換えシルクタンパク質を生成する段階;および(b)生成された組換えシルクタンパク質を回収する段階を含む組換えシルクタンパク質の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1は、本発明の合成sRNAの作用機序を説明する概念図である。
【0016】
図2の(A)は、本発明の一実施形態により選別したeno遺伝子のsRNAカセットを示す概念図であり、(B)は前記カセットを含むベクターマップである。
【0017】
図3は、本発明の一実施形態によりさらに選別した遺伝子のsRNAカセットを含むベクターマップである。
【0018】
図4の(A)は、本発明の一実施形態により選別したeno遺伝子のターゲット結合部位の長さによる発現量を確認した結果であり、(B)は、結合エネルギーを計算した結果であり、(C)は、結合エネルギーと発現量との関係を計算したグラフである。
【0019】
図5の(A)及び(B)は、既存の公知の菌株における組換えシルクタンパク質の発現量を分析した結果であり、(C)は、本発明の一実施形態により選別したeno遺伝子の発現抑制による組換えシルクタンパク質の発現量を比較した結果である。
【0020】
図6は、本発明の一実施形態により選別した追加候補遺伝子の発現量を確認した結果である。
【0021】
図7は、本発明の一実施形態により選別した追加候補遺伝子の発現量を確認した結果である。
【0022】
図8は、本発明の一実施形態により選別した追加候補遺伝子の発現量を確認した結果である。
【0023】
図9の(A)は、本発明の一実施形態により選別した追加候補遺伝子のうち、1次選別した遺伝子の発現量を確認した結果であり、(B)は前記結果を定量化したグラフである。
【0024】
図10の(A)は、本発明の一実施形態により選別したychM遺伝子のターゲット結合部位の長さによる発現量を確認した結果であり、(B)は、結合エネルギーを計算した結果であり、(C)は、結合エネルギーと発現量との関係を計算したグラフである。
【0025】
図11の(A)は、本発明の一実施形態により選別したeno遺伝子及びychM遺伝子の発現が抑制された菌株の変形された代謝経路を予測した模式図であり、(B)は、本発明の一実施例により選別したeno遺伝子及びychM遺伝子の発現が抑制された菌株の組換えシルクタンパク質の発現量を前記菌株を流加培養(Fed-batch fermentation)によって、30℃でOD600が100になる時点で1mM IPTGインダクション後、6時間目の発現量を測定して確認した結果であり、(C)は、eno遺伝子の発現が阻害された菌株において候補遺伝子の発現をさらに阻害した場合、生産される組換えシルクタンパク質の発現量を確認した結果である。
【0026】
図12は、本発明の一実施形態により選別したeno遺伝子及びychM遺伝子の発現が抑制された菌株のRNA-seq分析結果を示すもので、左のパネルは最も多くup-regulatedされた遺伝子のリストであり、右のパネルは最も多くダウンレギュレーションされた遺伝子のリストである。
【0027】
図13は、本発明の一実施形態により選別したeno遺伝子及びychM遺伝子の発現が抑制された菌株のRNA-seqを用いたDEGリストに対するヒートマップであり、既存の組換えシルクタンパク質菌株に比べて様々な遺伝子型が変化したことを示す。
【0028】
図14の(A)は、本発明の一実施形態により選別したeno遺伝子及びychM遺伝子の発現が抑制された菌株のグリシン、アラニン及びセリン関連遺伝子の発現変化を確認した結果であり、(B)は、転写と翻訳関連遺伝子の発現変化を確認した結果であり、(C)は、グリシン、アラニン及びセリンtRNA増幅結果を確認したものである。
【0029】
図15は、本発明の一実施形態により選別したeno遺伝子及びychM遺伝子の発現が抑制された菌株の分離精製のための塩析法において、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの濃度を最適化した結果を示す。
【0030】
図16の左側のパネルは、精密ろ過を行う前に分離精製した組換えシルクタンパク質の純度を確認した結果であり、右側のパネルは、精密ろ過を行った後に純度を確認した結果である。
【0031】
図17の(A)は、本発明の一実施形態により選別したeno遺伝子及びychM遺伝子の発現が抑制された菌株の30L発酵結果を示し、(B)は、300L発酵結果を示す。
【0032】
図18の左側パネルは、本発明の一実施形態により菌株の30L発酵後、分離精製した組換えタンパク質の8%SDS-PAGEの結果であり、右側パネルは、前記分離精製した組換えタンパク質の15%SDS-PAGEの結果である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
他に定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。一般に、本明細書で使用される命名法及び以下に記載する実験方法は、本技術分野でよく知られており、通常使用されるものである。
【0034】
本発明の詳細な説明等で使用される主な用語の定義は以下の通りである。
【0035】
本発明において使用される用語「シルクタンパク質」は、天然シルクタンパク質と分子上及び構造上のプロファイルが類似した合成シルクタンパク質として組換えタンパク質生産方法によって生合成されるタンパク質を意味し、例えばドラグラインシルク(dragline silk)、シルクフィブロイン(silk fibroin)、及び鞭毛状シルク(flagelliform silk)などが挙げられる。また、本発明において使用される用語「シルク類似タンパク質」は、シルクタンパク質と類似したグリシン含有量が10%以上のペプチドを繰り返し単位として含む、組換えタンパク質生産方法などによって生合成されるタンパク質で、例えばエラスチン(elastin)、ビサス(byssus)、およびコラーゲン(collagen)などが挙げられる。
【0036】
本発明において使用される用語「クモの巣繊維」は、合成された組換えシルクタンパク質を利用して製造された、天然クモの巣繊維と類似した繊維を意味し、「クモの巣類似繊維」は、合成された組換えシルク類似タンパク質を利用して製造された、クモの巣繊維と類似した物性を有する繊維を意味する。
【0037】
本発明において使用される用語「組換えタンパク質」は、ベクター、すなわち自己複製可能なプラスミドやウイルスなどで挿入されるか、または宿主(host cell)のゲノムDNA内に挿入されるか、または宿主内で別個の分子の形で存在するように挿入された核酸配列によってコードされるタンパク質で、前記核酸配列が発現(expression)されたタンパク質を意味する。
【0038】
本発明において使用される用語「宿主細胞(host cell)」は、他の細胞または器官に由来する機能性遺伝子及び/又は遺伝子産物を発現することができる任意の細胞を意味する。
【0039】
本発明において使用される用語「sRNA(small RNA)」は、タンパク質に翻訳されず、相補的結合を通じて特定mRNAの翻訳を効果的に阻害する、通常塩基配列の長さが200個以下の短い長さのRNAである。
【0040】
本発明において使用される用語「リボソーム結合部位(ribosome binding site)」は、mRNAの転写のためにリボソームがmRNA上に結合する部位のことである。
【0041】
本発明において使用される用語「遺伝子」は、最広義の意味とみなされるべきであり、構造タンパク質または調節タンパク質をコードすることができる。このとき、調節タンパク質は、転写因子、熱衝撃タンパク質またはDNA/RNA複製、転写および/または翻訳に関与するタンパク質を含む。本発明において、発現抑制の対象となる標的遺伝子は、染色体外構成要素として存在する可能性がある。
【0042】
本発明においては、既存の高分子量組換えシルクタンパク質生産菌株から代謝経路を操作して高分子量の組換えシルクタンパク質を大量に生産できる菌株を開発するために、それぞれの遺伝子の発現を阻害できるsRNAライブラリーを利用して候補遺伝子群を選別した後、これらの組換えシルクタンパク質の生産量を比較して最適な遺伝子組み合わせを選別する場合、高純度の高分子量組換えシルクタンパク質を生産できることを確認した。
【0043】
すなわち、本発明の一実施形態においては、既存の組換えシルクタンパク質生産菌株(KR 10-1317420号)に、大腸菌の全ての遺伝子をそれぞれノックダウンできるsRNAライブラリーを導入した後、二つ以上の遺伝子ノックダウンレギュレーションによる物質代謝経路シミュレーションを通じて組換えシルクタンパク質の生産量の増加が予想される候補遺伝子群を選別し、これをsRNAを用いて発現を抑制する場合、組換えシルクタンパク質の生産量が増加することを確認した(図2図4及び図5)。
【0044】
さらに、他の候補遺伝子群を同じ方法でテストし、前記段階で選別した遺伝子に追加の遺伝子の発現を抑制する場合、組換えシルクタンパク質の生産量が飛躍的に増加することを確認した(図11)。
【0045】
したがって、本発明は一観点として、
組換えシルクタンパク質の生産能を有する微生物において、eno遺伝子の発現が抑制され、クモ糸シルクタンパク質の生産能が向上した組換え微生物に関する。
【0046】
本発明において、前記eno遺伝子の発現の抑制は、通常の技術者に公知のあらゆる方法を用いて行うことができ、好ましくは、前記遺伝子の発現を抑制する合成sRNAをコードする配列を導入する方法、プロモーターを変更する方法、アンチセンスRNAを導入する方法及びsiRNAを導入する方法で構成される群から選択される1つ以上の方法で行うことを特徴とするが、これらに限定されない。
【0047】
本発明において、前記組換え微生物は、gnd、ybcF、araC、purT、tdcD、ackA、pta、fsaA、fsaB、ptsH、ptsI、dhal、dhaK、pyrD、guaA、prsA、tesB、aas、acpP、ychM、cysZ、asnA、asnB、acpP、plsB、fadB、sucC、fldA、fade、sucA、sucB及びpykAで構成される群から選択される1つ以上の遺伝子発現がさらに抑制されていることを特徴とする。
【0048】
本発明において、前記遺伝子は、pstI、asnA、ychM、tesB、dhaK、guaA、pck、またはpurTであることを特徴とするが、より好ましくは、ychMまたはpstIであることを特徴とする。
【0049】
本発明において、前記gnd、ybcF、araC、purT、tdcD、ackA、pta、fsaA、fsaB、ptsH、ptsI、dhal、dhaK、pyrD、guaA、prsA、tesB、aas、acpP、ychM、cysZ、asnA、asnB、acpP、plsB、fadB、sucC、fldA、fade、sucA、sucBまたはpykA遺伝子の発現の抑制は、当業者に公知のあらゆる方法を用いて行うことができる、好ましくは、前記遺伝子の発現を抑制する合成sRNAをコードする配列が導入される方法、プロモーターを変更する方法、アンチセンスRNAを導入する方法及びsiRNAを導入する方法で構成される群から選択される1つ以上の方法で行われることを特徴とするが、これらに限定されない。
【0050】
本発明において、前記遺伝子の情報は、https://www.uniprot.org/に記載されている遺伝子の情報であることを特徴とするが、これに限定されない。
【0051】
本発明において、前記組換えシルクタンパク質の生産能を有する微生物は、配列番号1のアミノ酸を有するペプチドが1回ないし160回、好ましくは8回ないし160回、さらに好ましくは16回ないし160回繰り返されている組換えシルクタンパク質をコードする遺伝子、または前記遺伝子を含む組換えベクターおよびtRNAをコードする塩基配列を含む組換えベクターが導入されていることを特徴とする。
【0052】
本発明において、前記組換えシルクタンパク質の生産能を有する微生物は、大腸菌BL21(DE3)((F- ompT hsdSB(rB- mB-) gal dcm (DE3) pTet-glyVXY(CmR) pSH16a, 32, 64, 96(KanR))であるが、これに限定されない。
【0053】
本発明において、前記tRNAをコードする塩基配列は、グリシンtRNAをコードする塩基配列であることを特徴とする。
【0054】
本発明において、前記ペプチドは、ドラグラインシルク(dragline silk)タンパク質を構成する繰り返し単位ペプチドであることを特徴とする。
【0055】
本発明において、前記シルクタンパク質またはシルク類似タンパク質を構成するグリシン含有量が10%以上のペプチドは、ドラグラインシルク(dragline silk)、エラスチン(elastin)、シルクフィブロイン(silk fibroin)、ビサス(byssus)、鞭毛状シルク(flagelliform silk)およびコラーゲン(collagen)で構成される群から選択されたタンパク質を構成する繰り返し単位ペプチドであることを特徴とする。配列番号1ないし4のアミノ酸配列は、ドラグラインシルクタンパク質の繰り返し単位ペプチドであり、配列番号5ないし7のアミノ酸配列は、エラスチンの繰り返し単位ペプチドであり、配列番号8のアミノ酸配列は、シルクフィブロインの繰り返し単位ペプチドであり、配列番号9のアミノ酸配列は、ビサスの繰り返し単位ペプチドであり、配列番号10のアミノ酸配列は鞭毛状絹の繰り返し単位ペプチドであり、配列番号11及び12は、コラーゲンの繰り返し単位ペプチドである。
配列番号1:NH -SGRGGLGGQGAGMAAAAAMGGAGQGGYGGLGSQGT-COOH2
配列番号2:NH -GPGQQQ-COOH2
配列番号3:NH -GPGGY-COOH2
配列番号4:NH -GGYGPGS-COOH2
配列番号5:NH -GVGVP-COOH2
配列番号6:NH -VPGG-COOH2
配列番号7:NH -APGVGVGV-COOH2
配列番号8:NH -GAGAGS-COOH2
配列番号9:NH -GPGGG-COOH2
配列番号10:NH -GPGGX-COOH2
配列番号11:NH -GAPGAPGSQGAPGLQ-COOH2
配列番号12:NH -GAPGTPGPQGLPGSP-COOH2
【0056】
本発明においては、前記配列番号1で示されるアミノ酸配列を繰り返し単位として48回含むように製造された組換えシルクタンパク質(以下、「48mer」という)が約147kDaの分子量を持ち、従来の組換えシルクタンパク質菌株の生産量に比べ、格段に優れた生産量を示すことを確認した。さらに、前記配列番号1で示されるアミノ酸配列を繰り返し単位として96回含むように製造された組換えシルクタンパク質(以下、「96mer」という)の場合、その分子量が284.9kDaに達し、クモから得られた天然シルクタンパク質の分子量(250~320kDa)とほぼ同様の高分子量を持つ組換えシルクタンパク質も、既存の菌株に比べて生産量と純度の面で飛躍的に向上したことを確認した。
【0057】
ただし、前記ペプチド配列を160回以上の繰り返し単位で含む場合には、大腸菌が持つタンパク質の合成範囲を外れるため、本発明による組換えシルクまたはシルク類似タンパク質は、ペプチドが16~160回繰り返されている構造を持つことを特徴とし、好ましくは48~160回、さらに好ましくは96~160回繰り返されている構造を持つことを特徴とする。
【0058】
本発明において、繰り返し単位として使用されるアミノ酸配列は、前記配列番号1ないし12の正確な配列に限定されない。また、ここでアミノ酸配列は、変異体を含む。したがって、本発明のタンパク質のアミノ酸配列はまた、挿入、欠失及び置換によって変化する全ての配列を含む。
【0059】
好ましくは、アミノ酸の「置換」は、1つのアミノ酸を同様の構造的および/または化学的特性を有する別のアミノ酸に置き換えた結果、すなわち、保存的アミノ酸置換(conservative amino acid replacement)である。アミノ酸置換は、関連する残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性、および/または両親媒性(amphipathic)性質の類似性に基づいて作られることがある。例えば、非極性(疎水性)アミノ酸は、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、およびメチオニンを含み、極性が中性であるアミノ酸は、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、およびグルタミンを含み、正に帯電した(塩基性)アミノ酸は、アルギニン、リジン、およびヒスチジンを含み、負に帯電した(酸性)アミノ酸は、アスパラギン酸およびグルタミン酸を含む。
【0060】
前記繰り返し単位内の「挿入」または「欠失」は、典型的には約1ないし5アミノ酸の範囲であり、好ましくは約1、2または3アミノ酸である。このとき、繰り返し単位内に挿入されるアミノ酸の付加により増加するアミノ酸の付加は、典型的には100未満であり、好ましくは80未満であり、さらに好ましくは50未満であり、最も好ましくは20アミノ酸未満であり、本発明の繰り返し単位内に挿入され、タンパク質内に挿入及び/又はタンパク質に付加される。本発明では、本明細書に記載されたタンパク質の要求される特性に悪影響を及ぼさない、そのような付加のみを考慮していることに留意する必要がある。
【0061】
許容される改変は、組換えDNA技術を使用してタンパク質にアミノ酸の挿入、欠失、または置換を体系的に実行し、得られた組換え変異体の活性を分析することにより、実験的に決定することがある。これは、当業者に通常の実験以上のことを要求するものではない。
【0062】
したがって、本発明は、配列番号1と少なくとも90%以上の相同性を有するアミノ酸配列を繰り返し単位として含むことを特徴とする。本発明において、「少なくとも90%以上の相同性を有する」とは、配列番号1の配列と91、91.5、92、92.5、93、93.5、94、94.5、95、95.5、96、96.5、97、97.5、98、98.5、99、99.5%の一致を示すことを意味し、「相同性」とは、二つのアミノ酸配列間の類似性の程度を意味する。相同性があるということは、配列および機能的に類似していることを意味する。相同性比較は、目視で行うことができるが、通常は容易にアクセス可能な配列比較ソフトを利用して2以上の配列間の相同性パーセントを計算することができる(Wilbur, W. J. & Lipman, D. J., Proc. Natl. Acad. Sd. USA., 80:726, 1983)。
【0063】
本発明において、前記合成sRNAは、MicC、SgrS及びMicFのいずれか1つのsRNA由来のHfq結合部位(Hfq binding site)、及び標的遺伝子mRNAと相補的結合を形成する領域を含むことを特徴とする。
【0064】
本発明において、前記eno遺伝子の発現を抑制する合成sRNAをコードする配列は、配列番号16の塩基配列で表すことができる。
配列番号16 (eno):ATGTCCAAAATCGTAAAA
【0065】
本発明において、前記pstI、asnA、ychM、tesB、dhaK、guaA、pck、またはpurT遺伝子の発現を抑制する合成sRNAをコードする配列は、配列番号17~24の塩基配列で表すことができる。
配列番号17 (pstI):ATGATTTCAGGCATTTTAGCATCC
配列番号18 (asnA):ATGAAAACCGCTTACATTGCCAAA
配列番号19 (ychM):GTGAACAAAATATTTTCCTC
配列番号20 (tesB):ATGAGTCAGGCGCTAAAAAAAATTTA
配列番号21 (dhaK):ATGAAAAAAAATTGATCAATGATGTG
配列番号22 (guaA):ATGACGGAAAACATTCATAAGCAT
配列番号23 (pck):ATGCGCGTTAACAATGGTTTGACC
配列番号24 (purT):ATGACGTTATTAGGCACTGCGCTG
【0066】
本発明において、前記標的遺伝子の発現を抑制する合成sRNAをコードする配列を微生物に導入する方法は、通常の技術者に公知のあらゆる方法を利用することができ、好ましくは、前記標的遺伝子の発現を抑制する合成sRNAをコードする配列を含む組換えベクターを利用するか、または、前記標的遺伝子の発現を抑制する合成sRNAをコードする配列を微生物の染色体に直接注入する方法を利用することができ、さらに好ましくは、前記標的遺伝子の発現を抑制する合成sRNAをコードする配列を含む組換えベクターを利用する方法を用いることができるが、これらに限定されない。
【0067】
本発明において、標的遺伝子の発現を阻害する合成sRNAをコードする配列を含む組換えベクターは、プロモーターであるMicC、SgrS、およびMicFのいずれか1つのsRNA由来のHfq結合部位(Hfq binding site)、標的遺伝子mRNAと相補的結合を形成する領域、およびターミネーターを含むことができる。
【0068】
本発明において、前記プロモーターは、sRNAの発現を誘導できるあらゆる種類のプロモーターが利用可能であり、好ましくはtac、trc、T7、BAD、λPR及びアンダーソン合成プロモーターで構成される群から選択することができ、配列番号13の塩基配列で表示することができる。
配列番号13:5'- taacaccgtgcgtgcgtgttgactattttacctctggcggcggtgataatggttgc-3'
【0069】
本発明において、前記Hfq結合部位は、好ましくはMicC由来であり、配列番号14の塩基配列で表示することができる。
配列番号14:
5'-tttctgttgggccattgcattgcattgccactgattttccaacatataaaaagacaagcccgaacagtcgtccgggcttttttttttt-3'
【0070】
本発明において、前記ターミネーターは、sRNAの転写を終了することができるあらゆる種類のターミネーターが利用可能であり、好ましくは、T1/TEターミネーターであることができ、最も好ましくは、配列番号15の塩基配列で表示することができる。
配列番号15:
5'- ccaggcatcaaataaaacgaaaggctcagtcgaaagactgggcctttcgtttttatctgttgttgtttgtcggtgaacgctctctctactagagagtcacactggctcaccttcgggtgggcctttttctgcgtttata-3'
【0071】
本発明において「相補的結合」とは、核酸配列間で互いに塩基対(basepairing)を形成することを意味し、標的遺伝子のmRNAの一部領域と標的遺伝子mRNAと相補的結合を形成する領域の配列が約70-80%以上、好ましくは、約80-90%以上、より好ましくは、約95-99%以上互いに相補的であることを特徴とする。
【0072】
本発明において、「ベクター(vector)」とは、適合な宿主内でDNAを発現させることができる適合な調節配列に対して作動可能に連結されたDNA配列を含むDNA製剤を意味する。ベクターは、プラスミド、ファージ粒子、または単に潜在的なゲノム挿入物であってもよい。適切な宿主に形質転換されると、ベクターは宿主ゲノムとは関係なく複製および機能することができ、あるいは場合によってはゲノム自体に組み込まれることもある。現在、プラスミドがベクターの最も一般的に使用される形態であるため、本発明の明細書では、「プラスミド(plasmid)」および「ベクター(vector)」は、時々互換的に使用される。本発明の目的上、プラスミドベクターを用いることが好ましい。この目的に使用できる典型的なプラスミドベクターは、(a)微生物当たり数個から数百個のプラスミドベクターを含むよう複製が効率的に行われるようにする複製起点、(b)プラスミドベクターで形質転換された微生物が選抜されるようにする抗生物質耐性遺伝子、および(c)外来DNA断片が挿入されることができる制限酵素切断部位を含む構造を有する。適切な制限酵素切断部位が存在しない場合でも、通常の方法による合成オリゴヌクレオチドアダプター(oligonucleotide adaptor)またはリンカー(linker)を使用すると、ベクターと外来DNAを容易にライゲーション(ligation)することができる。ライゲーション後、ベクターは適切な微生物に形質転換されなければならない。形質転換は、塩化カルシウム法または電気穿孔法(electroporation)(Neumann, et al. EMBO J., 1:841, 1982)などを使用して容易に達成することができる。本発明によるsRNAの発現のために使用されるベクターは、当業界に公知の発現ベクターが使用できる。
【0073】
本発明において塩基配列は、他の核酸配列と機能的な関係に配置されたときに「作動可能に連結(operably linked)」される。これは、適切な分子(例えば、転写活性化タンパク質)が調節配列(複数可)に結合されたときに遺伝子発現を可能にするように連結された遺伝子および調節配列(複数可)である。例えば、プレ配列(pre-sequence)または分泌リーダー(leader)に対するDNAは、ポリペプチドの分泌に関与する前駆体タンパク質として発現される場合、ポリペプチドに対するDNAに作動可能に連結され、プロモーターまたはエンハンサーは、配列の転写に影響を与える場合、コード配列に作動可能に連結されるか、またはリボソーム結合部位は、配列の転写に影響を与える場合、コード配列に作動可能に接続されるか、またはリボソーム結合部位は、翻訳を容易にするように配置される場合、コード配列に作動可能に接続される。一般に、「作動可能に連結される」とは、連結されたDNA配列が接触し、また、分泌リーダーの場合、接触してリーディングフレーム内に存在することを意味する。しかし、エンハンサー(enhancer)は、接触する必要はない。これらの配列の接続は、都合の良い制限酵素部位でのライゲーション(連結)によって行われる。そのような部位が存在しない場合、通常の方法による合成オリゴヌクレオチドアダプター(oligonucleotide adaptor)またはリンカー(linker)を使用する。
【0074】
本発明において、前記微生物は、大腸菌、リゾビウム(Rhizobium)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、ロドコッカス(Rhodococcus)、カンジダ(Candida)、エルウィニア(Erwinia)、エンテロバクター(Enterobacter)、パステレラ(Pasteurella)、マンハイミア(Mannheimia)、アクチノバチルス(Actinobacillus)、アグレガティブクター(Aggregatibacter)、ザントモナス(Xanthomonas)、ビブリオ(Vibrio)、シュードモナス(Pseudomonas)、アゾトバクター(Azotobacter)、アシネトバクター(Acinetobacter)、ラルストニア(Ralstonia)、アグロバクテリウム(Agrobacterium)、ロドバクター(Rhodobacter)、ザイモモナス(Zymomonas)、バチルス(Bacillus)、ステフィロコッカス(Staphylococcus)、ラクトコッカス(Lactococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、クロストリジウム(Clostridium)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、シアノバクテリウム(cyanobacterium)及びシクロバクテリウム(Cyclobacterium)で構成される群から選択されることを特徴とする。
【0075】
一方、本発明の他の実施形態では、前記菌株を用いて組換えシルクタンパク質を生産した後、塩析法を用いて分離精製を行う場合、高純度の組換えシルクタンパク質を得ることができることを確認した(図16)。
【0076】
従って、本発明は他の観点から、(a)前記組換え微生物を培養して組換えシルクタンパク質を生成する段階、および(b)生成された組換えシルクタンパク質を回収する段階を含む組換えシルクタンパク質の製造方法に関する。
【0077】
本発明において、前記(b)段階は、塩析(salting out)段階を含むことを特徴とする。
【0078】
好ましくは、前記組換えシルクタンパク質を得る段階は、以下のステップで行うことができるが、これに限定されない。
(a) 発酵液をCell down(4000rpm/30min)した後、Buffer A(1mM Tris-HCl (pH8.0), 20mM NaH2 PO4)溶液に8M ureaと2M thioureaを添加した溶液を利用して cell resuspensionを行う段階、
(b) cell suspensionを25℃で6時間、磁石を用いて混合する段階、
(c) glacial acetic acidを用い、pHを4.0に調整し、25℃で2時間、磁石を用いて混合する段階、
(d) 10000rpmで20分間遠心分離する段階、
(e) 上清液を得て、(NH4)2SO4を0.85Mになるように注入し、6時間混合し、沈殿させる段階、
(f) 100000rpmで20分間遠心分離する段階、
(g) 上清液を得て、1.3M(NH4)2SO4を用いて沈殿させる段階、
(h) 沈殿物を得て、緩衝液Aと8M Ureaが添加された溶液を用いて溶解させる段階、
(i) 1.5M Ureaと緩衝液Aを混合した溶液を用いて12時間透析する段階、
(j) 緩衝液Aを使用して12時間透析する段階、および
(k) 遠心分離して得られたペレット(pellet)を凍結乾燥する段階。
【0079】
本発明において、前記遠心分離したペレットは、様々な公知の方法により濃縮した後、凍結乾燥することができる。
【実施例
【0080】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。これらの実施例は、あくまで本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例によって限定されるものと解釈されないことは、当業者にとって自明であろう。
【0081】
実施例1. 組換えシルクタンパク質生産菌株に合わせたsRNAの製作及び導入
公知の組換えシルクタンパク質生産株(KR 10-1317420号)に大腸菌遺伝子一つ一つをそれぞれノックダウンできるように構築されたsRNA(Na, Dokyun, et al. Nature biotechnology, 31.2, pp. 170-174, 2013)システムをクモ糸シルクタンパク質生産株に合わせて新たに導入した。クモ糸シルクタンパク質生産ベクターのマーカー(Kanamycin、Kmで表記)と複製起点ColEと重ならないようにStreptomycin(以下、Smで表記)をマーカーとして持つpColA-SmベクターとChloramphenicol(以下、Cmで表記)をマーカーとして持つpACYC184-Cmベクターを用いて新たにsRNAプラットフォームを製作した。
【0082】
本発明において使用された合成調節sRNAは、PRプロモーターをベースにMicC scaffoldとT1/TEターミネーターを活用した。前記二つの合成調節sRNAプラットフォームプラスミドをsRNA断片、抗生物質マーカー(抗生物質耐性遺伝子)断片及び複製起点断片で構成された三つのDNA断片をギブソンアセンブリ(gibson assembly)を通じて製作した(D.G.Gibson et al., Nature Methods (2009), 6(5), 343-345)。
【0083】
実施例2. ターゲット遺伝子選択
クモ糸シルクタンパク質の増産のために効果的な遺伝子欠失ターゲットをスクリーニングするためにMOMA(minimization of metabolic adjustment)シミュレーションを導入した。MOMAシミュレーションを進めるために、遺伝子・タンパク質・生化学の反応関係を利用したクモ糸シルクタンパク質生成代謝ネットワークモデルを構築するために、クモ糸シルクタンパク質構造の核心を成すglycine、serine生成pathwayを利用して微生物の代謝ネットワークモデルを構築し、構築されたモデルを利用して代謝フローなどの代謝特性を分析し、代謝フロー分析に基づいたシミュレーションを利用してノックダウン時にクモ糸シルクタンパク質の生成能を向上させる欠失ターゲットペアをスクリーニングした。
【0084】
本発明による欠失標的スクリーニング方法は、従来の線形的な方法とは異なり、二次計画法を導入することで得られた(Segre et al. Proc. Nat.l Acad. Sci. 99: 15112-15117. 2002)。したがって、単一標的ではなく、様々な標的のノックダウンが標的産物の発現に同時に及ぼす効果に基づいて効率的に欠失標的を予測することができる。
【0085】
その結果、表1に記載されているように、最も効果的なターゲットとして予測される20数組の反応ペアから30数組の遺伝子ペアを選別し、該当するすべての30数組の遺伝子ペアでeno遺伝子が共通して選別され、eno遺伝子を優先的にノックダウンし、これを最適化しようとした。
【0086】
【表1】
【0087】
実施例3. 1次選別したeno遺伝子ノックダウン効果の検証
pColA-SmベクターをベースにpRプロモーター、MicC scaffoldとT1/TEターミネーターを活用してeno遺伝子をノックダウンするための合成調節sRNAを製作した(表3)。eno遺伝子の場合、大腸菌の生育に不可欠な必須遺伝子であるため、完全にノックアウトされるか、高効率でノックダウンされる場合、細胞の生育に支障を与える。したがって、sRNAが遺伝子と結合する部位であるターゲット結合部位の長さを15-ntから24-ntまで調節し(表2)、最適なノックダウン効果を得ようとした。
【0088】
この時、結合エネルギーを計算するために、ヌクレオチドの長さと配列情報に基づいて結合エネルギーを計算してくれるUNAFOLD(Unified Nucleic Acid Folding.)ソフトを利用した(Markham, Nicholas R., and Michael Zuker. Bioinformatics. Humana Press, 2008)。
【0089】
その結果、図4に記載されたように、結合部位の長さが長くなるにつれて、結合エネルギーがさらに低くなり、ノックダウンの効果が強くなることを確認することができた。また、実験を通じて15~16-ntの結合部位ではノックダウンの効果が低下し、22-nt以上の結合部位を利用したときは、あまりにも高いノックダウン効果により細胞の成長が非常に阻害される現象を確認することができた。最終的に、結合部位の長さによって繰り返し配列が48回繰り返されたクモ糸シルクタンパク質の発現量をSDS-PAGEとBradford assay(Biorad、USA)で確認した結果、18-ntの結合部位の長さで発現が最も優れていることを確認することができた。
【0090】
これを利用して製作したEnoノックダウン菌株のクモ糸シルク発現能を既存のクモ糸シルク増産菌株であるglyA増倍菌株とRnpA発現阻害菌株と比較してみた。その結果、18-ntの結合部位の長さを利用したenoノックダウン調節群で既存の増産菌株に比べ、類似または若干の発現の向上を確認することができた(図5)。
【0091】
これにより、enoノックダウンを基盤とした追加的なエンジニアリングを通じて、既存のシステムよりさらに有意義に増産された菌株を得るため、追加のターゲットに対するノックダウン実験を行った。
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
実施例4. 追加ターゲット遺伝子の選択
pACYC184-CmベクターをベースにpRプロモーター、micC scaffoldとT1/TEターミネーターを活用して追加ターゲット遺伝子をノックダウンするための合成調節sRNAを製作した(表5)。追加ターゲットの中に必須遺伝子があったため、20-ntの結合部位の長さを基本にスクリーニングし、発現が最も優れた群に対してターゲット結合部位の長さを最適化しようとした。
【0095】
MOMAシミュレーションを通じて選定された約20個の反応ペアから、約30個の遺伝子ペアを選定し、48回繰り返されたクモ糸シルクタンパク質の発現量をSDS-PAGEとBradford assay(Biorad、USA)で確認した結果、1次選別(n=3)以降、8つの遺伝子群であるpstI、asnA、ychM、tesB、dhaK、guaA、pck、purT群で従来と同様または従来よりさらに改善された発現が確認された(図6ないし図8)。
【0096】
前記の8つの遺伝子群に対して発現を再確認し、2次選別を行った結果、ychM、pstI群で従来よりはるかに改善されたタンパク質発現を確認することができ(図9)、その中でもychM群で最も優れた生長とタンパク質発現が確認され、最終群に選定され、当該群に対してノックダウン効率の最適化を行った(表4)。
【0097】
この時、結合エネルギーを計算するために、ヌクレオチドの長さと配列情報に基づいて結合エネルギーを計算してくれるUNAFOLD(Unified Nucleic Acid Folding.)ソフトを利用した(Markham, Nicholas R., and Michael Zuker. Bioinformatics. Humana Press, 2008)。
【0098】
これにより、結合部位の長さが長くなるほど結合エネルギーがさらに低くなり、ノックダウンの効果が強くなることを確認することができた。最終的に、結合部位の長さによって繰り返し配列が48回繰り返されたクモ糸シルクタンパク質の発現量をSDS-PAGEとBradford assay(Biorad、USA)で確認した結果、20-ntのychM結合部位の長さで発現が最も優れたことを確認することができた(図10)。
【0099】
【表4】
【0100】
【表5】
【0101】
実施例5. 最終菌株の組換えシルクタンパク質生産量の確認
最終的にMOMAシミュレーションで選定された30個のターゲットペアの中でenoとychMをノックダウンした群が最も優れた発現を示す群として選別された。5L Fed-batch発酵を通じて当該菌株の蒸散結果を確認した結果、30℃の培養でOD600120の時、1mMのIPTGでインダクション後6時間目に最も高い発現を示し、この時48mer高分子量クモの巣はSDS-PAGEの結果、バンド強度で16%程度に相当する高い発現量を示し、これはBradford assayで分析した結果、約10.5g/L程度に相当することを確認した(図11)。これは既存の最高titer(Xia、2009、PNAS)に対して約10倍程度向上した結果である。
【0102】
実施例6. 最終遺伝子選別と改良菌株の分析
最終遺伝子の選別後、改良された株を分析するためにRNA Seqを行った。このため、30℃の50ml baffled flask culture培養でOD600が0.4になる時点で1mM IPTGインダクション後6時間目にサンプリングしたクモ糸シルクタンパク質生産菌株と、eno及びychM遺伝子の発現が抑制されたクモ糸シルクタンパク質生産菌株をOD6004に正規化し、マクロジェンを介してRNA Seqを進行した。
【0103】
選別されたeno遺伝子及びychM遺伝子の発現が抑制された菌株のRNA-seqを利用したDEGリストに対するヒートマップを確認した結果、既存の組換えシルクタンパク質菌株に比べて様々な遺伝子型が変化したことを確認することができ(図12図13)、中でもグリシン、アラニン及びセリン関連遺伝子の発現変化と、転写と翻訳関連遺伝子の発現変化、そしてグリシン、アラニン及びセリンtRNA増幅結果を確認することができた(図14)。
【0104】
また、一般的な野生型菌株の代謝回路とeno、ychMがノックダウンされた株の代謝回路を比較した結果、eno、ychMがノックダウンされた菌株ではGlyceraldehyde 3-phosphateからpyruvateに変換される過程が阻害され、セリン、グリシン、アラニンなどの主要構造を形成するタンパク質の生産経路がさらに活性化されることを確認した。また、フマル酸、コハク酸排出輸送体の作用が抑制され、TCA回路の進行が抑制され、同様に、セリン、グリシン、アラニンなどの主要構造を形成するタンパク質の生産経路がさらに活性化されることが予測される(図11、A)。
【0105】
実施例7. 改良菌株を用いた組換えシルクタンパク質の大量生産の確認
クモ糸シルクタンパク質を産業的に利用するために、組換えタンパク質生産の大きな課題の一つである分離精製過程を最適化しようとした。大量の発酵液から比較的簡単かつ高効率でタンパク質を分離するために塩析を利用した沈殿を行った。通常、このような方式は、タンパク質の濃縮に多く使用されるが、生産された高分子量クモ糸シルクの場合、147kDaで非常に大きなサイズを持っており、E.coliでそれ以上のサイズを持つタンパク質が多くないため、このような特性を利用して沈殿法を最適化すれば、所望のターゲットを簡単かつ高効率で精製することができると期待した。
【0106】
したがって、様々な1次、2次沈殿濃度によって発酵液を分離精製した結果、1次で1.0M、2次で1.3Mの過硫酸アンモニウムを添加したとき、約75%の純度で最も精製効率が良いことを確認した(図15)。
【0107】
また、50kDaのメンブレンフィルターを利用して精密ろ過を行った後、精製されたサンプルを確認した結果(図16)、サイズが非常に大きいクモ糸シルクタンパク質を除いた他のタンパク質がフィルターされ、約80%以上に相当するさらに高純度を得ることができた。これは30Lの大量発酵の進行後、同じ条件で行われた大量の分離精製でも約85%程度の純度で同じ結果を確認することができた(図18)。
【0108】
以上、本発明の内容の特定の部分を詳細に説明したが、当業者にとってこれらの具体的な技術は、単なる好ましい実施態様に過ぎず、これによって本発明の範囲が限定されないことは明らかであろう。したがって、本発明の実質的な範囲は、添付の請求項とそれらの等価物によって定義されるといえる。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明による組換え菌株由来の組換えシルクタンパク質は、クモから生産されるドラグラインシルクタンパク質と類似した高分子量を持ちながら、大量生産が可能であり、繊維として製造する際に天然シルクタンパク質と類似またはより優れた物性を持つため、クモの巣繊維の適用が期待される生物工学分野および/または医薬分野などの様々な産業的分野に使用することができ、非常に有用である。
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【配列表】
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【国際調査報告】