(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-12
(54)【発明の名称】堆積物構造体を備えた、原子炉用の自然循環式除熱システム
(51)【国際特許分類】
G21C 15/18 20060101AFI20240104BHJP
G21C 13/00 20060101ALI20240104BHJP
G21C 9/004 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
G21C15/18 C
G21C15/18 M
G21C15/18 U
G21C13/00 600
G21C9/004
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535052
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 US2021065065
(87)【国際公開番号】W WO2022146870
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508177046
【氏名又は名称】ジーイー-ヒタチ・ニュークリア・エナジー・アメリカズ・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】GE-HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】バス,デレク
(72)【発明者】
【氏名】ローウェン,エリック ポール
(72)【発明者】
【氏名】リスネ,ハーケン
【テーマコード(参考)】
2G002
【Fターム(参考)】
2G002CA01
2G002DA01
2G002EA01
(57)【要約】
原子炉と、周囲空気が原子炉の拒絶された熱を吸収することによって引き起こされる周囲空気の自然循環により空気入口開口部から周囲空気を循環させて原子炉の拒絶された熱を空気出口開口部を通して吸収することに基づいて、原子炉の冷却を行うように構成された自然循環式空冷システムとを含む原子力発電所は、空気入口開口部または空気出口開口部のうちの少なくとも1つの開口部を覆う堆積物構造体をさらに含み得る。堆積物構造体は、少なくとも1つの開口部が梱包体の堆積物によって周囲環境への直接露出から隠蔽されるように、少なくとも1つの開口部を覆う梱包体の堆積物を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉と、
空気入口開口部、空気出口開口部、および前記空気入口開口部と前記空気出口開口部との間で前記原子炉と熱的に連通して延びる1つ以上の導管を形成する自然循環式空冷システムであって、同自然循環式空冷システムは、
周囲環境から、前記空気入口開口部を通って、前記1つ以上の導管に、周囲空気を循環させ、
前記1つ以上の導管内の前記周囲空気が前記原子炉から拒絶される熱を吸収することに基づいて、前記1つ以上の導管内の前記熱を吸収する前記周囲空気の密度が、前記周囲環境から前記1つ以上の導管に循環される周囲空気に対して低減するように、前記1つ以上の導管から、前記空気出口開口部を通り、前記周囲環境に、前記周囲空気を循環させるように構成される、自然循環式空冷システムと、
前記空気入口開口部または前記空気出口開口部のうちの少なくとも1つの開口部を覆う堆積物構造体であって、同堆積物構造体は、前記少なくとも1つの開口部を覆う梱包体の堆積物を含み、前記少なくとも1つの開口部が前記梱包体の前記堆積物によって前記周囲環境への直接露出から隠蔽されている、堆積物構造体と、
を備える、原子力発電所。
【請求項2】
前記梱包体の前記堆積物は、前記梱包体の三次元格子を含む、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項3】
前記堆積物構造体は、前記少なくとも1つの開口部に結合され、同開口部を横断方向に包囲し、前記少なくとも1つの開口部から前記堆積物構造体の内部へと縦方向に上方に延びるチャネル構造体をさらに含み、前記チャネル構造体は、前記少なくとも1つの開口部に近接している底部開口部から前記少なくとも1つの開口部の遠位側にある頂部開口部に縦方向に延びる内部チャネルを形成する側壁を有しており、前記チャネル構造体は、
前記内部チャネルを介して前記少なくとも1つの開口部と前記頂部開口部との間を流れるように空気を誘導し、
前記チャネル構造体の外部から前記少なくとも1つの開口部への横断方向の流体の流れを抑制するように構成される、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項4】
前記チャネル構造体は、
前記内部チャネルの下部を形成する下部中実部と、
前記内部チャネルの上部を形成する上部穿孔部と、
を含み、
前記上部穿孔部は、前記チャネル構造体の前記側壁の厚み部分を通って横断方向に延びる1つ以上の穿孔を含み、前記下部中実部は、前記チャネル構造体の前記側壁の前記厚み部分を通って横断方向に延びる穿孔を含まず、前記チャネル構造体は、
前記内部チャネルの前記上部と前記チャネル構造体の前記外部との間で横断方向に流れるように空気を誘導し、
前記チャネル構造体の前記外部から前記内部チャネルの前記下部への横断方向の流体流を抑制するように構成される、請求項3に記載の原子力発電所。
【請求項5】
前記梱包体は、特定の安息角と関連付けられ、
前記梱包体の前記堆積物は、前記特定の安息角の約90%以下の仰角を有する、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項6】
前記堆積物構造体は、前記梱包体の少なくとも一部を覆って延びるネット構造体を含む、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項7】
前記堆積物構造体は、前記少なくとも1つの開口部を覆う前記梱包体の第1のサブ堆積物を含み、
前記ネット構造体は、前記第1のサブ堆積物を覆い、
前記堆積物構造体は、前記ネット構造体が前記第1のサブ堆積物と前記梱包体の第2のサブ堆積物との間に位置するように、前記第1のサブ堆積物および前記ネット構造体を覆う前記第2のサブ堆積物をさらに含む、請求項6に記載の原子力発電所。
【請求項8】
前記梱包体の前記堆積物は、約750乃至1,300kg/m
3以上である梱包密度を有する、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項9】
前記梱包体の前記堆積物における隣接する梱包体間の間隙の最大累積体積は、前記堆積物構造体の総体積の約60%以下である、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項10】
前記梱包体の前記堆積物における任意の隣接する梱包体間の最大間隙は、約12インチ(約30.48センチメートル)以下である、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項11】
前記堆積物構造体は、前記少なくとも1つの開口部と前記堆積物構造体を通る前記周囲環境との間の所定の空気流導管の所定の長さに沿った差圧が、前記所定の空気流導管を通る距離の1フィート(約30.48センチメートル)あたり約2インチ(約5.08センチメートル)の水位計以下であるように構成される、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項12】
前記梱包体は、
ドロス構造体、
KOLOS構造体、
テトラポッド構造体、
捨石構造体、または
コンクリート構造体のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項13】
前記堆積物構造体を少なくとも部分的に横断方向に包囲する縁部構造体であって、同縁部構造体は、約6インチ乃至約1フィート(約15.24センチメートル乃至約60.96センチメートル)の縦方向高さを有し、前記縁部構造体は、前記梱包体の前記堆積物への横断方向の粒子状物質の侵入を緩和するように構成されている、縁部構造体をさらに備える、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項14】
前記堆積物構造体は、さらに、活性アルミナ(Al
2O
3)、活性炭、オーガニックワックス、プラスチック、ポリマーマトリックス、溶融塩のうちのいずれか1つ以上を含む、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項15】
前記空気入口開口部を覆う第1の堆積物構造体であって、前記空気入口開口部が第1の梱包体の第1の堆積物によって前記周囲環境への直接露出から隠蔽されているように、前記空気入口開口部を覆う第1の梱包体の第1の堆積物を含む、第1の堆積物構造体と、
前記空気出口開口部を覆う第2の堆積物構造体であって、前記空気出口開口部が第2の梱包体の第2の堆積物によって前記周囲環境への直接露出から隠蔽されているように、前記空気出口開口部を覆う第2の構造体の第2の堆積物を含む、第2の堆積物構造体と、をさらに備え、
前記堆積物構造体は、前記梱包体の前記堆積物が前記第1の梱包体の前記堆積物または前記第2の梱包体の前記堆積物のうちのいずれかであるように、前記第1の堆積物構造体または前記第2の堆積物構造体のうちのいずれかである、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項16】
前記第2の梱包体の前記第2の堆積物の最大縦方向高さは、前記第1の梱包体の前記第1の堆積物の最大縦方向高さよりも大きい、請求項15に記載の原子力発電所。
【請求項17】
前記堆積物構造体は、前記空気入口開口部および前記空気出口開口部の両者が、前記梱包体の前記堆積物によって前記周囲環境に直接露出させないようにするように、前記空気入口開口部および前記空気出口開口部の両者を覆う、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項18】
前記堆積物構造体は、壁構造体を含み、前記壁構造体は、少なくとも部分的に前記梱包体の前記堆積物内に位置し、少なくとも部分的に前記梱包体による前記周囲環境への直接露出から隠蔽されており、前記壁構造体は、前記壁構造体の反対側の両側壁が前記空気入口開口部または前記空気出口開口部の個別の、対応する開口部に近接しているように前記空気入口開口部と前記空気出口開口部との間に横断方向に位置している、請求項17に記載の原子力発電所。
【請求項19】
少なくとも部分的に所定の箇所の地表面標高の下に位置する熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方であって、前記所定の箇所の地表面標高の下にある箇所で熱を発生するように構成されている、熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方と、
空気入口開口部、空気出口開口部、ならびに前記熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方と熱的に連通して延びる1つ以上の導管を形成する空冷システムであって、同空冷システムは、前記熱が発生する前記所定の箇所の地表面標高の下にある位置で、前記空気入口開口部と前記空気出口開口部との間に設けられ、前記空冷システムは、
周囲環境から、前記空気入口開口部を通って、前記1つ以上の導管に、周囲空気を循環させ、
前記熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方から拒絶された熱を吸収する前記1つ以上の導管の中の前記周囲空気に基づいて、前記1つ以上の導管から、前記空気出口開口部を通り、前記周囲環境に前記周囲空気を循環させるように構成される、空冷システムと、
前記空気入口開口部または前記空気出口開口部のうちの少なくとも1つの開口部を覆う堆積物構造体であって、同堆積物構造体は、前記少なくとも1つの開口部を覆う梱包体の堆積物を含み、前記少なくとも1つの開口部が前記梱包体の前記堆積物によって前記周囲環境への直接露出から隠蔽されている、堆積物構造体と、を備える、システム。
【請求項20】
少なくとも部分的に所定の箇所の地表面標高の下に位置する熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方を含むシステムの空冷システムの少なくとも1つの開口部に梱包体の堆積物を組み立てるステップであって、前記熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方は、前記所定の箇所の地表標高の下にある位置で熱を発生するように構成され、前記梱包体の組み立てられた前記堆積物は、前記少なくとも1つの開口部を覆う堆積物構造体を確立し、前記少なくとも1つの開口部が前記梱包体の前記堆積物によって周囲環境への直接露出から隠蔽される、梱包体を組み立てるステップを含み、
前記空冷システムは、前記所定の箇所の地表面標高よりも下にある位置にある前記熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方から除熱するように構成され、
前記空冷システムは、空気入口開口部、空気出口開口部、および前記空気入口開口部と前記空気出口開口部との間の前記所定の箇所の地表面標高よりも下にある位置で前記熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方と熱的に連通して延びる1つ以上の導管を形成し、これにより、前記空冷システムが、前記周囲環境から、前記空気入口開口部を通して、前記1つ以上の導管に周囲空気を循環させ、また、前記1つ以上の導管内の前記周囲空気が、前記所定の箇所の地表面標高よりも下にある前記位置で前記熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方から拒絶された熱を吸収することに基づいて、前記1つ以上の導管から、前記空気出口開口部を通り、前記周囲環境に前記周囲空気を循環させるように構成され、
前記空冷システムの前記少なくとも1つの開口部は、前記空気入口開口部または前記空気出口開口部のうちの少なくとも一方である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される例示的な実施形態は、一般に原子炉に関する。例示的な実施形態は、特に、原子炉からの除熱を確実に行うようにするために、自然循環式除熱システムの空気入口および空気出口のうちの少なくともいずれか一方を覆う堅牢な堆積物構造体を設けることにより、空気入口および空気出口のうちの少なくともいずれか一方の保護および堅牢性を向上させることで、空気入口および空気出口のうちの少なくともいずれか一方の保護を改善した、原子炉から除熱する自然循環式除熱システムを提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
原子炉は、原子炉内または原子炉の近傍で循環する1つ以上の冷却流体への熱伝達を介して冷却されるように構成され得る。このような熱伝達は、本明細書では原子炉による除熱とも呼ぶ。原子炉を除熱するために、様々な冷却流体が利用可能である。
【0003】
いくつかの原子力発電所では、原子炉は、周囲空気などの冷却流体の循環を促進することによって原子炉による除熱を管理するための除熱システム、本明細書では冷却システム、および/または単に「格納容器」とも呼ばれる除熱システムを備え、冷却材流体は原子炉によって拒絶された熱を吸収し、加熱した冷却材流体は次に熱戻り、または吸熱器に循環し、加熱した冷却材流体は冷却されて吸収した熱を放出し得る。一部の原子力発電所では、発電などの仕事を誘発するために使用される動力冷却水ループの熱伝達能力を超える排熱によって、格納容器システムが影響を受ける場合がある。したがって、格納容器システムは、格納容器システムの温度を管理するために冷却を利用することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの例示的な実施形態によれば、原子力発電所は、原子炉を備え得る。原子力発電所は、空気入口開口部、空気出口開口部、および空気入口開口部と空気出口開口部との間で原子炉と熱的に連通して延びる1つ以上の導管を形成する自然循環式空冷システムを含み、自然循環式空冷システムが、周囲環境から、空気入口開口部を通り、1つ以上の導管内に周囲空気を循環させ、また、1つ以上の導管内の周囲空気が原子炉から拒絶される熱を吸収することに基づいて、1つ以上の導管から、空気出口開口部を通して、周囲環境に周囲空気を循環させるように構成されるようにし、周囲環境から1つ以上の導管に循環される周囲空気に対して、1つ以上の導管内の熱を吸収する周囲空気の密度が低減するようにする。原子力発電所は、空気入口開口部または空気出口開口部のうちの少なくとも1つの開口部を覆う堆積物構造体を含んでもよく、堆積物構造体は、少なくとも1つの開口部が梱包体の堆積物によって周囲環境への直接露出から隠蔽されているように、少なくとも1つの開口部を覆う梱包体の堆積物を含んでもよい。
【0005】
梱包体の堆積物は、梱包体の三次元格子を含んでもよい。
【0006】
堆積物構造体は、少なくとも1つの開口部に結合され、少なくとも1つの開口部を横断方向に包囲し、少なくとも1つの開口部から堆積物構造体の内部へと縦方向に上方に延びるチャネル構造体をさらに含んでもよく、チャネル構造体は、少なくとも1つの開口部に近接する底部開口部から少なくとも1つの開口部から遠位側に位置される頂部開口部へと縦方向に延びる内部チャネルを形成する側壁を有し、これにより、チャネル構造体は、内部チャネルを通して少なくとも1つの開口部と頂部開口部との間を流れるように空気を誘導し、チャネル構造体の外側から少なくとも1つの開口部への横断方向の流体の流れを抑制するように構成される。
【0007】
チャネル構造体は、内部チャネルの下部を形成する下部中実部と、内部チャネルの上部を形成する上部穿孔部とを含んでもよい。上部穿孔部は、チャネル構造体の側壁の厚み部分を通って横断方向に延びる1つ以上の穿孔を含んでもよく、下部中実部は、チャネル構造体の側壁の厚み部分を通って横断方向に延びる穿孔を含まないので、チャネル構造体は、空気が内部チャネルの上部とチャネル構造体の外部との間を横断方向に流れるように誘導し、チャネル構造体の外部から内部チャネルの下部への横断方向の流体の流れを阻害するように構成される。
【0008】
梱包体は、特定の安息角に関連付けられ、梱包体の堆積物は、特定の安息角の約90%以下の仰角を有してもよい。
【0009】
堆積物構造体は、梱包体の少なくとも一部にわたって延びるネット構造体を含んでもよい。
【0010】
堆積物構造体は、少なくとも1つの開口部を覆う梱包体の第1のサブ堆積物を含んでもよい。ネット構造体は、第1のサブ堆積物を覆ってもよい。堆積物構造体は、ネット構造体が第1のサブ堆積物と第2のサブ堆積物との間に位置するように、第1のサブ堆積物とネット構造体とを覆う梱包体の第2のサブ堆積物をさらに含み得る。
【0011】
梱包体の堆積物は、約750乃至1,300kg/m3以上である梱包密度を有し得る。
【0012】
梱包体の堆積物における隣接する梱包体間の間隙の最大累積体積は、堆積物構造体の総体積の約60%以下であってもよい。
【0013】
梱包体の堆積物における任意の隣接する梱包体間の最大間隙は、約12インチ(約30.48センチメートル)以下であってもよい。
【0014】
堆積物構造体は、堆積物構造体を通る少なくとも1つの開口部と周囲環境との間の所定の空気流導管の所定の長さ部分に沿った差圧が、所定の空気流導管を通る距離1フィート(約60.96センチメートル)あたり約2インチ(約5.08センチメートル)の水位計以下であるように構成されてもよい。
【0015】
梱包体は、ドロス構造体、KOLOS構造体、テトラポッド構造体、捨石構造体、またはコンクリート構造体のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0016】
原子力発電所は、堆積物構造体を少なくとも部分的に横断方向に包囲する縁部構造体をさらに含んでもよく、縁部構造体は、約6インチ乃至約1フィート(約15.24センチメートル乃至約60.96センチメートル)の縦方向高さを有し、縁部構造体は、梱包体の堆積物への横断方向の粒子状物質の侵入を緩和するように構成される。
【0017】
堆積物構造体は、活性アルミナ(Al2O3)、活性炭、オーガニックワックス、プラスチック、ポリマーマトリクス、または溶融塩のうちの1つ以上をさらに含んでもよい。
【0018】
原子力発電所は、空気入口開口部を覆う第1の堆積物構造体をさらに含んでもよく、第1の堆積物構造体は、空気入口開口部が第1の梱包体の第1の堆積物によって周囲環境への直接露出から隠蔽されるように、空気入口開口部を覆う第1の梱包体の第1の堆積物を含んでもよい。原子力発電所は、空気出口開口部を覆う第2の堆積物構造体をさらに含んでもよく、第2の堆積物構造体は、空気出口開口部が第2の梱包体の第2の堆積物によって周囲環境への直接露出から隠蔽されるように、空気出口開口部を覆う第2の梱包体の第2の堆積物を含んでもよい。堆積物構造体は、梱包体の堆積物が第1の梱包体の堆積物または第2の梱包体の第2の堆積物のいずれかであるように、第1の堆積物構造体または第2の堆積物構造体のいずれかであってもよい。
【0019】
第2の梱包体の第2の堆積物の最大縦方向高さは、第1の梱包体の第1の堆積物の最大縦方向高さよりも大きくてもよい。
【0020】
堆積物構造体は、空気入口開口部および空気出口開口部の両者が、梱包体の堆積物によって周囲環境への直接露出から隠蔽されるように空気入口開口部および空気出口開口部の両者を覆ってもよい。
【0021】
堆積物構造体は、壁構造体を含んでもよく、壁構造体は、少なくとも部分的に梱包体の堆積物内に位置するとともに少なくとも部分的に梱包体による周囲環境への直接露出から隠蔽されており、壁構造体は、壁構造体の反対側の両側壁が空気入口開口部または空気出口開口部の個別の、対応する開口部に近接するように空気入口開口部と空気出口開口部との間に横断方向に位置する。
【0022】
いくつかの例示的な実施形態によれば、システムは、少なくとも部分的に所定の箇所の地表面標高よりも下に位置する熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方を含んでもよく、熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方は、所定の箇所の地表面標高よりも下にある位置で熱を生成するように構成されてもよい。システムは、空気入口開口部、空気出口開口部、ならびに熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方と熱的に連通して延びる1つ以上の導管であって、熱が発生する所定の箇所の地表面標高よりも下にある位置で、空気入口開口部と空気出口開口部との間にある1つ以上の導管を形成する空冷システムを含んでもよく、空冷システムは、周囲環境から、空気入口開口部を通って、1つ以上の導管に、周囲空気を循環させ、また、1つ以上の導管内の周囲空気が熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方から拒絶された熱を吸収することに基づいて、1つ以上の導管から、空気出口開口部を通って、周囲環境に、周囲空気を循環させるように構成される。システムは、空気入口開口部または空気出口開口部のうちの少なくとも1つの開口部を覆う堆積物構造体を含んでもよく、堆積物構造体は、少なくとも1つの開口部が梱包体の堆積物によって周囲環境への直接露出から隠蔽されるように、少なくとも1つの開口部を覆う梱包体の堆積物を含んでもよい。
【0023】
いくつかの例示的な実施形態によれば、方法は、所定の箇所の地表面標高よりも少なくとも部分的に下に位置する熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方を含むシステムの空冷システムの少なくとも1つの開口部に、梱包体の堆積物を組み立てることを含んでもよい。熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方は、所定の箇所の地表面標高よりも下にある位置で熱を生成するように構成されてもよい。組み立てられた梱包体の堆積物は、少なくとも1つの開口部が梱包体の堆積物によって周囲環境への直接露出から隠蔽されるように、少なくとも1つの開口部を覆う堆積物構造体を確立してもよい。空冷システムは、所定の箇所の地表面標高よりも下にある位置にある熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方から除熱するように構成されてもよい。空冷システムは、空気入口開口部、空気出口開口部、ならびに空気入口開口部と空気出口開口部との間の所定の箇所の地表面標高よりも下にある位置で熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方と熱的に連通して延びる1つ以上の導管を形成してもよく、空冷システムは、周囲環境から、空気入口開口部を通り、1つ以上の導管に周囲空気を循環させ、また、1つ以上の導管内の周囲空気が、所定の箇所の地表面標高よりも下にある位置にある熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方から拒絶された熱を吸収することに基づいて、1つ以上の導管から、空気出口開口部を通り、周囲環境に周囲空気を循環させるように構成される。冷却システムの少なくとも1つの開口部は、空気入口開口部または空気出口開口部のうちの少なくとも一方であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、いくつかの例示的な実施形態による、自然循環式除熱システムおよび堆積物構造体を備える原子力発電所を示す側面断面図である。
【
図2A】
図2Aは、いくつかの例示的な実施形態による、
図1の原子力発電所を示す頂面図である。
【
図2B】
図2Bは、
図1の原子力発電所、およびいくつかの例示的な実施形態による1つ以上の補助建屋を示す頂面図である。
【
図3】
図3は、いくつかの例示的な実施形態による、自然循環式除熱システムおよび堆積物構造体を備える原子力発電所を示す側面断面図である。
【
図4A】
図4Aは、いくつかの例示的な実施形態による、自然循環式除熱システムの空気入口を覆う第1の堆積物構造体を示す側面断面図である。
【
図4B】
図4Bは、いくつかの例示的な実施形態による、自然循環式除熱システムの空気出口を覆う第2の堆積物構造体を示す側面断面図である。
【
図5A】
図5Aおよび
図5Bは、いくつかの例示的な実施形態による、堆積物構造体内の開口部に結合されたチャネル構造体を示す分解斜視図である。
【
図5B】
図5Aおよび
図5Bは、いくつかの例示的な実施形態による、堆積物構造体内の開口部に結合されたチャネル構造体を示す分解斜視図である。
【
図6A】
図6Aおよび
図6Bは、いくつかの例示的な実施形態による、堆積物構造体内の開口部に結合されたチャネル構造体を示す分解斜視図である。
【
図6B】
図6Aおよび
図6Bは、いくつかの例示的な実施形態による、堆積物構造体内の開口部に結合されたチャネル構造体を示す分解斜視図である。
【
図7】
図7は、いくつかの例示的な実施形態による、一方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な特徴および利点は、添付の図面と併せて詳細な説明を検討することにより、より明らかになるであろう。添付の図面は、単に説明のために提供されるものであり、特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきではない。添付の図面は、明示的に記載されていない限り、縮尺通りに描かれているとはみなされない。明瞭に示すべく、図面の様々な寸法が誇張されている場合がある。
【0026】
要素または層が、他の要素または層「の上にある」、「に接続されている」、「に結合されている」、または「を覆っている」と言及される場合に、他の要素または層の上に直接設けられるか、直接接続されているか、直接結合されているか、若しくは直接覆っているか、または介在する要素若しくは層が存在してもよいことを理解されたい。これに対し、ある要素が他の要素や層に「直接」、「直接接続」、「直接結合」していると表現される場合は、介在する要素や層は存在しない。同様の参照符号は、本明細書全体を通して同様の要素を指す。本明細書で使用される場合に、用語「および/または」は、関連付けられるリストされた項目のうちの1つ以上の任意のおよびすべての組み合わせを含む。
【0027】
本明細書では、第1、第2、第3などの用語を用いて様々な要素、構成要素、領域、層、および/または区分を説明することができるが、これらの要素、構成要素、領域、層、および/または区分はこれらの用語によって限定されるべきものではないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素、構成要素、領域、層、または区分を他の領域、層、または区分と区別するためにのみ使用される。したがって、後述する第1の要素、構成要素、領域、層、または区分は、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層、または区分と称することができる。
【0028】
空間的に相対的な用語(例えば、「beneath」、「below」、「lower」、「above」、「upper」等)は、図面に示されるように、ある要素または特徴の別の要素(複数可)または特徴(複数可)に対する関係を説明するために、説明を容易にするために本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に描かれた配向に加えて、使用または作動中の装置の異なる配向を包含することを意図していることが理解されるべきである。例えば、図面の装置を上下裏返すと、他の要素や特徴の「below」または「beneath」と説明された要素が、他の要素や特徴の「above」に配向されることになる。したがって、「below」という用語は、上および下の両者の配向を包含し得る。装置は、他の配向(90度回転した状態や他の配向)であってもよく、本明細書で使用する空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈される。
【0029】
本明細書で使用される用語は、様々な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈から明らかにそうでないことが示されない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される場合、用語「includes」、「including」、「comprises」、および/または「comprising」は、記載された特徴、整数、ステップ、作動、要素、および/または成分の存在を規定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、作動、要素、成分、および/またはそれらの群の存在または追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0030】
例示的な実施形態の理想化された実施形態(および中間構造体)の概略図である断面図を参照しながら、例示的な実施形態を本明細書で説明する。したがって、例えば、製造技術および/または公差などにより、図版の形状とは異なることが予期される。したがって、例示された実施形態は、ここに例示された領域の形状に限定して解釈されるべきではなく、例えば、製造に起因する形状の逸脱を含むものとする。例えば、矩形で描かれたインプラント領域は、通常、インプラント領域から非インプラント領域への二値的な変化ではなく、丸みを帯びたまたは湾曲した特徴および/またはそのエッジにおけるインプラント密度の勾配を有することになる。同様に、インプラントによって形成された埋没領域は、埋没領域とインプラントが行われる表面との間の領域において、いくつかのインプラントを生じる可能性がある。したがって、図に例示された領域は本来模式的なものであり、その形状は装置の領域の実際の形状を例示するものではなく、例示された実施形態の範囲を限定することを意図するものでもない。
【0031】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、例示的な実施形態が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用されている辞書で定義されているものを含む用語は、関連する技術の文脈におけるその意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそう定義されていない限り、理想化または過度にフォーマルな意味で解釈されないことがさらに理解されるであろう。
【0032】
具体的な実施例および図面を参照して説明したが、例示的な実施形態の修正、追加および置換は、当業者による説明に従って様々に行われ得る。例えば、記載された技術は、記載された方法と異なる順序で実行されてもよく、かつ/または、記載されたシステム、アーキテクチャ、装置、回路などの構成要素は、上記の方法と異なるように接続または結合されてもよく、または結果は、他の構成要素または均等物で適切に達成されてもよい。
【0033】
本明細書において、数値に関連して「約」または「実質的に」という用語が使用される場合に、関連付けられる数値は、記載された数値の上下±10%の公差を含むことが意図される。範囲を指定する場合は、0.1%刻みなど、その間のすべての値を含む範囲とする。
【0034】
本開示は、原子力発電所の原子炉から除熱することで、原子炉を冷却するように構成された冷却システムを含む、原子力発電所に関する。このような冷却システムは、空冷システムを含むことができるが、これに限定されるものではない。空冷システムは、受動的、または自然循環式冷却能力(例えば、冷却流体の流れを誘導、制御、および/または維持するための流れ発生装置、例えば、ポンプ、ファン圧縮機、送風機などの作動のようなエネルギー消費によって駆動しない冷却能力)を介して原子力発電所内の原子炉の冷却(例えば、除熱)を行うための自然循環式空冷システムを含み得るがこれに限定されるわけではない。受動的、または自然循環式冷却能力は、原子炉によって拒絶された熱を吸収し、原子炉から吸収した熱を除去し、循環を駆動するために熱を吸収することによる空気の空気密度の変化に基づいて周囲環境から新たに引き出されたより冷たい(例えば、周囲温度の)周囲空気で加熱された空気を置き換えるために、システムを通して冷却流体として周囲空気を循環させることによって冷却を行う。いくつかの例示的な実施形態による空冷システムは、空冷システムの少なくとも一部を通る空気の流れを誘導、制御、および/または維持するように構成された1つ以上の流れ発生装置(例えば、ポンプ、ファン、圧縮機、送風機など)を含んでもよいことが理解されるであろう。
【0035】
本開示は、さらに、「冷たい」(例えば、周囲温度)周囲空気が周囲環境から空気入口開口部を通して自然循環式空冷システム内に引き込まれる、自然循環式空冷システムの空気入口開口部、または原子炉から熱を吸収した「熱い」空気がシステムを出るために空気出口開口部を通り、これにより吸収した熱を周囲環境に排出する、自然循環式空冷システムの空気出口開口部のうちの少なくとも1つの開口部に重なり、またはこれを覆う1つ以上の堆積物構造体に関する。堆積物構造体は、少なくとも1つの開口部が、梱包体の堆積物によって周囲環境への直接露出から隠蔽されているように、少なくとも1つの開口部に重なる(例えば、覆う)梱包体の堆積物を含む。直接露出とは、堆積物構造体の外部にある周囲環境に対する直接的な視線(例えば、直線)に沿った少なくとも1つの開口部の露出のことを指し得る。
【0036】
いくつかの例示的な実施形態では、自然循環式空冷システムの少なくとも1つの開口部を覆う堆積物構造体は、少なくとも1つの開口部と周囲環境との間の複数の空気流導管(堆積物構造体内の梱包体間の間隙を通って延びる)を形成することに基づいて、自然循環式空冷システムの保護および堅牢性を改善する。堆積物構造体は、空気流導管が破壊的事象(例えば、悪天候、地震、原子力発電所付近および/または原子力発電所への航空機墜落、意図的な妨害工作の試み等)によって集合的に相当な影響を受けることに対して集合的に耐性を有するように構成され、これにより、堆積物構造体は、破壊的事象が自然循環式空冷システムへの空気の流入および流出のうちの少なくともいずれか一方を低減してこれらに及ぼすかもしれない影響を緩和することで、破壊的事象が原子炉の冷却に及ぼすかもしれない影響を緩和するように構成される。
【0037】
空気入口開口部または空気出口開口部のうちの少なくとも1つの開口部を覆う堆積物構造体は、少なくとも1つの開口部が梱包体(本明細書では梱包媒体とも呼ぶ)の堆積物によって周囲環境への直接露出から隠蔽されているように、少なくとも1つの開口部を覆う梱包体の堆積物を含んでもよい。
【0038】
堆積物構造体は、開口部を周囲環境に直接露出させないようにする(例えば、妨害する)ことに加えて、開口部と周囲環境との間の集合的な空気流導管を、堆積物構造体内の梱包体間の間隙を通って延びる複数の導管に分割してもよい。個別の空気流導管は、個別に開口部の流路断面積よりも小さい流路断面積を有するが、空気流導管は、集合的に開口部の流路断面積以上の集合的な流路断面積を有していてもよい。堆積物構造体内の隣接する梱包体間の間隙は、人間およびモバイルデバイス(例えば、遠隔操作式または自律式)のうちの少なくともいずれか一方が間隙を通過して堆積物構造体によって覆われた開口部に直接アクセスする能力を挫き、かつ/または緩和するのに十分な小ささとし得る。その結果、自然循環式空冷システムの少なくとも1つの開口部への直接アクセスおよび露出のうちの少なくともいずれか一方は、堆積物構造体によって制限され得る。したがって、原子力発電所の自然循環式空冷システムの1つ以上の開口部を覆う1つ以上の堆積物構造体により原子力発電所の保護を改善することで、1つ以上の開口部を介して自然循環式空冷システムに入ることによって原子炉の冷却に影響を与える故意の試みから自然循環式空冷システムのセキュリティを改善し得ることが理解されるであろう。
【0039】
いくつかの例示的な実施形態では、堆積物構造体は、堆積物構造体の梱包体間の間隙を通って形成される空気流導管の集合的または集約的断面積に相当な影響を与えることなく、または覆われた開口部の断面積と同じ集合的な断面積を表す空気流導管の少なくとも一部分が妨害されないように、直接的な衝撃および破壊的な事象のうちの少なくともいずれか一方(例えば、堆積物構造体に衝突する航空機などの車両、堆積物構造体の外縁および間隙内のうちの少なくともいずれか一方での爆発、堆積物構造体の梱包体に作用する地震)を吸収するように構成される。その結果、破壊的な事象が、少なくとも1つの開口部を介した自然循環式空冷システムの空気流能力、ひいては原子炉の冷却に与える影響の低減および軽減のうちの少なくともいずれか一方を行うことができる。これにより、破壊的な事象の影響に対する原子炉の保護が向上する。
【0040】
いくつかの例示的な実施形態では、自然循環式空冷システムの開口部を覆う堆積物構造体は、堆積物構造体内の梱包体間の間隙を介して開口部と周囲環境との間に比較的大量の様々な空気流路を設ける。上述したように、空気流路は、開口部の流路断面積よりも大きい集合的な流路断面積を有していてもよく、空気流路は、さらに、開口部から堆積物構造体の外側境界の複数の、様々な位置まで延びていてもよい。その結果、堆積物構造体は、他の流路が遮断、または妨害されたとき(例えば、堆積物構造体への物体の衝突、破壊的な事象による梱包体のずれ、浸水、それらのいくつかの組み合わせなどによる)に、開口部と周囲環境との間の空気流をいくつかの流路を通って流れるよう方向転換するように構成される。その結果、堆積物構造体は、自然循環式空冷システムの覆われた開口部の堅牢性および保護性を向上させ、当該開口部と周囲環境との間に確実に空気を流すことができるようになる。その結果、堆積物構造体は、破壊的事象が、開口部と周囲環境との間の周囲空気の流れを、自然循環式空冷システムの冷却能力を維持するために必要な量よりも少なくなるように制約するリスクを低減し、それによって、破壊的事象が原子炉の冷却を制約するリスクを低減および/または緩和する。
【0041】
加えて、堆積物構造体は、梱包体の「堆積物」からなるので、堆積物構造体は、破壊的な事象(例えば、地震、洪水、火災など)によって変形することに対する弾性が相対的に改善される。個別の梱包体は、梱包体が堆積物構造体に対して物理的に移動または変位することに抵抗があるように、比較的大きな質量(例えば、それぞれ1/2メートルトン)を有してもよい。加えて、梱包体は堆積物に配置されているため、堆積物構造体への物体の衝突などの破壊的な事象により、堆積物内の梱包体の配置がずれることがあるが、そのようなずれは、堆積物構造体を通る集合的な空気流導管への影響を低減することができる(例えば、一部の流路が閉塞することがあるが、他の流路には影響がなく、ずれにより新しい流路が開かれることがある)。したがって、堆積物構造体は、自然循環式空冷システムを通る自然空気循環の制限に対する自然循環式空冷システムの耐性を改善し得る。
【0042】
加えて、堆積物およびその梱包体の質量が大きいため、十分な量の梱包体を物理的に移動または変位させて、自然循環式空冷システムの覆われた開口部を露出させたり、かつ/または堆積物構造体を通る複数の流路を十分に妨害して空気の流れを制限しようとすると、その試みが失敗に終わることがある。その結果、自然循環式空冷システム、ひいては原子炉および原子力発電所の保護が向上する。
【0043】
重ねられた開口部と周囲環境との間の流路を、堆積物構造体内の梱包体間の間隙を通って延びることに基づいて、それぞれが比較的小さな流路断面積を有する比較的大量の流れ導管に分割する堆積物構造体を提供することは、堆積物構造体の分割された複数の流路によって与えられる自然循環式空冷システムに対する改善した保護として、原子力発電所に対する運用コストおよび保守コストを低減させ、また、流路は、その1つ以上の開口部を介した周囲環境から自然循環式空気冷却システムへの直接アクセスを阻害するか防止するするように十分に小さくすることもでき、また、堆積物構造体により、自然循環式空冷システムの露出した空気入口および空気出口のうちの少なくともいずれか一方よりも積極的なセキュリティ保護を必要としないセキュリティの「長所」が得られるため、原子炉建屋内およびその周辺におけるセキュリティ要員配置および資源配分のうちの少なくともいずれか一方の必要性が低減される。原子力発電所の運用コストおよび保守コストにおいて、敷地警備は最も大きなコストのうちの1つであるため、堆積物構造体は、敷地警備の低減に基づき、原子力発電所の運用コストおよび保守コストの低減を図ることができる。
【0044】
いくつかの例示的な実施形態において、自然循環式空冷システムが、原子炉と熱的に連通する1つ以上の導管から堆積物構造体によって重ねられた少なくとも1つの開口部まで地下に延びる1つ以上の導管を含む場合、堆積物構造体は、グレードまたはその付近にある開口部(空気入口開口部および空気出口開口部のうちの少なくともいずれか一方)上に載置されていて(例えば、自由に立って)、さらに周囲の土壌、自然岩、天然岩および/またはコンクリートパッド上に載置されていてもよい。このような周囲の土壌およびコンクリートのうちの少なくともいずれか一方は、自然循環式空冷システムの導管へのアクセスに対する追加の障壁となり、これにより、自然循環式空冷システムおよびそれによって得られる原子炉冷却能力に対する保護を改善することができる。その結果、下層の土壌、岩石、および/またはコンクリートは、原子炉と熱的に連通する1つ以上の導管と開口部との間に空気を流すことができる導管への入口開口部および出口開口部のうちの少なくともいずれか一方の周囲への迂回の試みに対して追加で保護し得る。
【0045】
図1は、いくつかの例示的な実施形態による、自然循環式除熱システムおよび堆積物構造体を含む原子力発電所を示す側面断面図である。
図2Aは、いくつかの例示的な実施形態による、
図1の原子力発電所を示す頂面図である。
図2Bは、
図1の原子力発電所、およびいくつかの例示的な実施形態による補助的な建屋(複数可)を示す頂面図である。
図3は、いくつかの例示的な実施形態による、自然循環式除熱システムおよび堆積物構造体を含む原子力発電所を示す側面断面図である。
図4Aは、いくつかの例示的な実施形態による、自然循環式除熱システムの空気入口を覆う第1の堆積物構造体を示す側面断面図である。
図4Bは、いくつかの例示的な実施形態による、自然循環式除熱システムの空気出口を覆う第2の堆積物構造体を示す側面断面図である。
図5Aおよび
図5Bは、いくつかの例示的な実施形態による、堆積物構造体内の開口部に結合されたチャネル構造体を示す分解斜視図である。
図6Aおよび
図6Bは、いくつかの例示的な実施形態による、堆積物構造体内の開口部に結合されたチャネル構造体を示す分解斜視図である。
【0046】
図1、
図2A、および
図2Bを参照すると、原子力発電所100は、原子炉110が配置される原子炉室106を含む原子炉建屋外壁103(耐荷重壁であってもよい)を含む原子炉建屋102を含む。原子炉建屋102は、原子炉110の上方に位置する燃料補給デッキ104をさらに含む。いくつかの例示的な実施形態において、図面に示されるような原子炉110は、原子炉を含む格納構造体を含むことができる。
図2Aおよび
図2Bにも示されるように、原子力発電所100は、原子炉110を含む原子炉建屋102に横断方向に隣接する原子炉補助建屋201をさらに含み得る。
【0047】
本明細書に記載される「原子炉」は、核燃料成分、制御棒などを有するまたは有しない原子炉炉芯を含む、原子炉の周知の構成要素のいずれかまたは全てを含み得ることが理解されるであろう。本明細書に記載の原子炉は、沸騰水型原子炉(BWR)、加圧水型原子炉(PWR)、液体金属冷却炉、溶融塩炉(MSR)などを含むがこれらに限定されない、任意のタイプの原子炉を含み得ることが理解されるであろう。本明細書で説明するように、原子炉は、改良型沸騰水型原子炉(ABWR)、高経済性単純化沸騰水型原子炉(ESBWR)、BWRX-300炉などを含み得る。
【0048】
図1に示すように、本明細書で説明する原子炉110は、埋め込み型原子炉と呼ばれるグレード400の下に少なくとも部分的または全体的に配置され得る。しかしながら、例示的な実施形態はこれに限定されず、いくつかの例示的な実施形態では、原子炉110は、部分的または全体的にグレード400の上に位置してもよい。
【0049】
図1、
図2A、および
図2Bに示すように、原子力発電所100は、本明細書において単に「冷却システム150」とも呼ぶ自然循環式空冷システム150を含み、これは、周囲環境101からの周囲空気1乃至11の自然循環に基づいて原子炉110の冷却を行い、冷却システム150を介して原子炉再放出熱190を原子力発電所100から周囲環境101に除去するように構成される。本明細書で使用する場合、空気の自然循環は、エネルギー消費または循環を駆動するためにエネルギーを消費する装置の作動、例えば、周囲空気の流れを誘導、制御、および/または維持するための流れ発生装置、例えば、ポンプの作動によっては駆動されない周囲空気の循環、または流れを指す場合がある。したがって、冷却システム150は、受動的、または自然循環式冷却能力(例えば、冷却流体の流れを誘導、制御、および/または維持する流れ発生装置、例えば、ポンプの作動などのエネルギー消費によって駆動しない冷却能力)をもたらし、冷却システム150全体の密度差および縦方向高さの差によって生じる空気浮力が、冷却システム150を通る空気1乃至11の循環を駆動して原子力発電所100から熱190を除去する。いくつかの例示的な実施形態では、冷却システム150は、冷却システム150の1つ以上の部分を通る空気の流れを誘導、制御、および/または維持する1つ以上の流れ発生装置(例えば、1つ以上のポンプ、送風機、圧縮機、ファンなど)を含み得ることは理解されるであろう。
【0050】
少なくとも
図1に示すように、冷却システム150は、周囲環境101からの周囲(例えば、周囲温度)空気(1乃至6)を、原子炉110と熱的に連通している1つ以上の導管に循環させ、1つ以上の導管内の空気7が原子炉放出熱190を吸収して加熱されるようにする。冷却システム150はさらに、周囲環境101が冷却システム150のヒートシンクとして機能するように、加熱された空気(7乃至11)を1つ以上の導管から周囲環境101に戻すように循環させる。
【0051】
周囲環境から冷却システム150に取り込まれる周囲空気1乃至6は、周囲環境の条件に基づく周囲温度(例えば、20℃を含む0℃乃至35℃、ただし、周囲空気1乃至6の温度は、より高温または低温であってもよい)を有することができる。本明細書で言及するように、原子炉110から熱190を吸収した空気7乃至11は、周囲環境101の温度よりも高い温度、したがって周囲空気1乃至6の温度よりも高い温度を有し得る。例えば、原子炉110の外面110Sは、155℃乃至350℃の間の温度、および/または潜在的に600℃以上の温度に達し得る。その結果、周囲空気1乃至6は、本明細書において「冷気」と呼び、空気7乃至11は、「熱気」と呼ぶことがある。
【0052】
図1に示すように、冷却システム150は、本明細書において「冷気入口」とも呼ぶ空気入口開口部122、冷気入口導管124、冷気プレナム126、冷気導管128、接続プレナム140、熱気導管138、熱気プレナム136、熱気出口導管134および本明細書において「熱気出口」とも呼ぶ空気出口開口部132を含み得る。
【0053】
図1、
図2A、および
図2Bに示すように、空気入口開口部122および空気出口開口部132はそれぞれ、グレード400(例えば、所定の箇所の地表面または標高)に位置し、上方に配向され得るが、例示的な実施形態はそれに限定されるものではない。冷気入口導管124は、空気入口開口部122を冷気プレナム126に接続し、熱気出口導管134は、空気出口開口部132を熱気プレナム136に接続してもよい。
【0054】
冷却システム150は、原子炉110を同心円状に包囲するコレクタシリンダ129Iおよび円筒形サイロ壁129Oをさらに含むことができる。円筒形サイロ壁129Oの内面およびコレクタシリンダ129Iの外面は、上端で冷気プレナム126に接続されるとともに原子炉110の周囲を縦方向に延びる環状の冷気導管128を集合的に形成し得る。コレクタシリンダ129Iの内面および原子炉110の外面110Sは、上端で熱気プレナム136に接続されるとともに原子炉110の周囲を縦方向に延びる環状の熱気導管138を集合的に形成し得る。図示のように、熱気導管138および冷気導管128は、原子炉110の周囲に同心円状に配置されてもよいが、例示的な実施形態はこれに限定されるものではない。コレクタシリンダ129Iは、熱気導管138および冷気導管128を互いに横断方向に仕切る(そして、いくつかの例示的な実施形態では、絶縁する)。
【0055】
図1に示すように、コレクタシリンダ129Iは、円筒形サイロ壁129Oの底面129Bから離間して、底面129Bとコレクタシリンダ129Iの下縁との間に接続プレナム140を形成する。熱気導管および冷気導管128は、それぞれ、コレクタシリンダ129Iの下縁によって形成されるそれぞれの下端において、接続プレナム140に対して開放されており、これにより、空気が接続プレナム140を介して導管128と導管138との間を流れることができるようにする。
【0056】
図1、
図2A、および
図2Bを参照すると、冷気1および2(例えば、周囲環境101の周囲温度、例えば、おおよそ20℃などの0℃乃至35℃である温度を有する周囲空気)は、周囲環境101から空気入口開口部122を介して冷却システム150に引き込まれ、さらに冷気3として、1つ以上の冷気入口導管124を介して冷気プレナム126に引き込まれている。いくつかの例示的な実施形態では、冷却システム150は、共通の(同じ)冷気プレナム126に接続される複数の空気入口開口部122および冷気入口導管124を含んでもよく、これにより、複数の冷気入口導管124を通って引き込まれた冷気(例えば、空気3)は空気4として冷気プレナム126内で混合し得る。
【0057】
冷気プレナム126内の冷気(冷気4)は、冷気5として1つ以上の冷気導管128を通って流れ得る。図示のように、冷気5は、少なくとも部分的に重力方向に、下方に流れる。冷気5は、冷気導管128からその底部の開口部を介して接続プレナム140に冷気6として排出されてもよい。
【0058】
接続プレナム140内の冷気6は、180度回転して、空気7として熱気導管138に上向きに流れ得る。熱気導管138は、熱気導管138の境界を形成する原子炉110の少なくとも外面110Sを介して、原子炉110と熱的に連通している。原子炉110から拒絶された熱190は、外面110Sを介して熱気導管138に伝達されてもよい。このような熱気導管138に伝達された熱190は、熱気導管138に位置する空気7に吸収され得る。熱を吸収した結果、熱気導管138に位置する空気7は、周囲の「冷たい」空気1乃至6の温度に対して、空気7の温度が上昇するように、加熱されてもよい(例えば、空気7は、155℃、350℃、600℃を超えて、またはそれらの任意の組み合わせまで加熱され得る)。したがって、空気7は、「熱気」とも呼び得る。
【0059】
熱190を吸収して加熱されたことに基づいて、熱気7は、周囲環境101の周囲温度とほぼ同じ温度を有する冷気1乃至6の密度に対して減少した密度を有し得る。すなわち、熱気7は冷気1乃至6よりも浮力が大きい場合がある。その結果、冷気6は、接続プレナム140からその底部開口部を介して熱気導管138に流入し、その結果、冷気6に対する熱気7の密度が低下して、熱気導管138内の熱気7を置き換え得る。
【0060】
加えて、
図1に示すように、冷却システム150は、冷却システム150内の空気7乃至11の空気流路が原子炉110から縦方向上方に進むように構成されており、これにより、熱気7が熱気導管138を通って出て、熱気プレナム136に熱気8として「上昇」し、熱気9として熱気プレナム136に接続された1つ以上の熱気出口導管134をさらに通り、熱気10、11として1つ以上の空気出口開口部132をさらに通って周囲環境101に戻り、周囲環境101に排出される熱気11の温度は、冷却システム150に引き込まれる冷気1の温度よりも大きい。したがって、周囲環境101は、冷却システム150のヒートシンクとして機能する。
【0061】
図示のように、冷却システム150の導管、開口部、プレナム、および構造体は、「熱い」空気7乃至11の流路が概ね縦方向上方に(例えば、少なくとも部分的に重力方向に対して)進み、「冷たい」空気1乃至6の流路が概ね縦方向下方に(例えば、少なくとも部分的に重力方向に対して)進むように構成されている。その結果、熱190の除去により原子炉110を冷却するために冷却システム150を通る空気1乃至11の循環は、原子炉110から熱190を吸収する空気7による冷気1乃至6に対する熱気7乃至11の密度の低減(例えば、浮力の増加)により駆動され、これにより、冷気6が熱気導管138の底部で熱気7を置き換え、それにより熱気7乃至11をシステム105から「上昇」させて周囲環境101に向かって概ね縦方向上方に移動させ、さらに追加の冷気1乃至5を冷却システム150に概ね縦方向に下方に引き込んでそこに空気を置き換えさせる。加えて、熱気導管138の底部にある空気6は、冷却システム150を通る下向きの縦方向経路のためにより冷たく、冷気1乃至6が続いて、これにより、より冷たく、より密度の高い空気6が接続プレナム140に位置することになる。したがって、空気1乃至11の循環は、エネルギーを消費する流れ発生装置(例えば、ポンプ、送風機など)の作動なしに進行し得るので、当該循環は、空気1乃至11の「自然循環」と称され得る。したがって、冷却システム150は、周囲環境との間の周囲空気の「自然循環」に基づいて原子炉110を冷却するように作動すると理解することができる。
【0062】
なお
図1、
図2A、および
図2Bを参照すると、原子力発電所100は、自然循環式空冷システム150の空気入口開口部122または空気出口開口部132のうちの少なくとも1つの開口部をそれぞれ覆う1つ以上の堆積物構造体210を含み、堆積物構造体は、少なくとも1つの開口部を覆う梱包体の堆積物を含み、少なくとも1つの開口部が梱包体の堆積物によって周囲環境101への直接露出から隠蔽されるようにされる。
【0063】
図1は、それぞれが第1の梱包体212Aおよび第2の梱包体212Bの個別の堆積物を含み、それぞれが空気入口開口部122または空気出口開口部132の個別の開口部を覆う2つの堆積物構造体210A、210Bを含むものとして原子力発電所100を例示する。その堆積物構造体210および梱包体212に関して提供される以下の説明は、例示的な実施形態のいずれかによる原子力発電所100の堆積物構造体(例えば、210A、210B)および/または梱包体(例えば、212A、212B)のいずれかに応用されることが理解されるであろう。
図1、
図2A、および
図2Bは、冷却システム150の開口部122、132のすべてを集合的に覆う2つの堆積物構造体210A、210Bを例示するが、原子力発電所100は、冷却システム150の1つ以上の開口部120(例えば、122および/または132)が、本明細書に記載するような任意の堆積物構造体によって覆われないような、1つ以上の開口部120を覆うことができる1つの堆積物構造体210(例えば、210Aまたは210B)を含んでもよいことが理解されよう。
【0064】
図1、
図2A、および
図2Bを概して参照すると、各堆積物構造体210は、冷却システム150の1つ以上の開口部120を覆う梱包体212の「堆積物」を含み、1つ以上の開口部120は、冷却システム150の空気入口開口部122および空気出口開口部132のうちの少なくともいずれか一方を含み得る。
【0065】
堆積物構造体210は、梱包体212の「山」、梱包体212の「堆積物」、および/または梱包体212の「スタック」を包含し得る。本明細書では、「堆積物」という用語は、これらの用語が一般的に周知のように、梱包体212の「山」、「堆積物」、または「スタック」を包含し得る梱包体212の配置を指すために使用されるであろう。
【0066】
各「堆積物」は、堆積物内の隣接する梱包体212間の整理された(例えば、整理された構造体によって決定される)、間隙を有する特定の構造体を提供するために、梱包体212の整理された配置を含み得る。梱包体の整理された配置は、個別の梱包体212が構造体の個別の格子点を形成する、三次元結晶構造体に対応する梱包体212の三次元格子(「格子構造体」)を含み得る。例えば、梱包体212は、体心立方構造体、面心立方構造体、原始立方構造体等である三次元格子構造体を形成することができる。いくつかの例示的な実施形態では、梱包体212は、六角形の最密梱包構造体、立方体の最密梱包構造体である三次元格子構造体を形成し得る。梱包体は、任意の周知の梱包構造体または格子構造体を形成するように配置され得ることが理解されるであろう。三次元格子は、対称格子であってもよいが、例示的な実施形態はこれに限定されるものではない。
【0067】
各「堆積物」は、堆積物内の梱包体間の間隙のランダム化および/または整理されていない配置を有することができる梱包体212の整理されていない配置を含むことができ、間隙およびそれを通る空気流導管が特定の整理された構造体によって決定されないことにより、堆積物構造体210によって覆われた開口部にアクセスする能力に対して堆積物構造体210が行う保護を改善し得る。別例では、堆積物構造体210は、梱包体212の整理された配置および整理されていない配置の混合物を含むことができる。例えば、
図4Bを参照すると、堆積物構造体210は、堆積物構造体によって覆われた開口部120に隣接する、下側の第1のサブ堆積物510-1を含んでもよく、下側の第1のサブ堆積物510-1は梱包体212の整理された配置を含み、また、堆積物構造体210は下側の第1のサブ堆積物510-1上に載置される上側の第2のサブ堆積物510-2を含んでもよく、上側の第2のサブ堆積物510-2は梱包体212の整理されていない配置を含む。別例では、堆積物構造体210は、第1の梱包体および第2の梱包体を含んでもよく、第1の梱包体は、堆積物構造体内の整理された構造体(例えば、三次元格子構造体)に配置される一方、第2の梱包体(第1の梱包体よりも小さい)は、第1の梱包体間の間隙内に整理されていない配置で配置される。
【0068】
堆積物構造体210は、梱包体212によって確立され、また、他の支持構造体(例えば、支持壁)によって支持されることなく冷却システム150の覆われた開口部120上に載置(例えば、自由に立つ)される安定した自立構造体であってもよい。しかしながら、例示的な実施形態はこれに限定されないことが理解されよう。いくつかの例示的な実施形態では、堆積物構造体210は、堆積物構造体210内の梱包体212の配置および荷重のうちの少なくともいずれか一方を少なくとも部分的に支持し、これにより堆積物構造体210の形状および構造体のうちの少なくともいずれか一方を少なくとも部分的に支持する支持構造体に隣接し、かつ/または同支持構造体を含むことができる。
【0069】
堆積物構造体210の梱包体212は、均質であってもよいし、異質であってもよい(例えば、堆積物構造体210は、そこに1つ以上の配置で複数の個別のタイプの梱包体212を含み得る)。梱包体212は、天然岩石(例えば、花崗岩)、合成岩石(例えば、セラミック、人工石英など)、コンクリート、金属、またはそれらの任意の組み合わせを含む、様々な材料から構成され得る。梱包体212はそれぞれ、特定の積層または整理された配置(例えば、特定の三次元格子構造体、連結および相補的な界面のうちの少なくともいずれか一方となるように構成された形状などを形成する)を可能にするように構成された形状を含む、1つ以上の特定の形状を有してもよい。しかしながら、いくつかの例示的な実施形態では、1つ以上の梱包体212は、異なる形状を有してもよい。
【0070】
例えば、いくつかの例示的な実施形態では、梱包体212は、合成岩石材料および天然岩石材料のうちの少なくともいずれか一方を含む様々な岩石材料を含むことができるが、これらに限定されるものではない。いくつかの例示的な実施形態では、梱包体212は、コンクリート構造体、シリカビーズ、石、砂、および/または任意の耐火剤を含むことができる。いくつかの例示的な実施形態では、梱包体212は、コンクリート構造体を含むがこれに限定されない様々なタイプの物体を含むことができ、これらは、より大きな構造体を形成するために一体的に連結され、かつ/または配置されてもよい。それによって形成されるそのような物体および構造体のうちの少なくともいずれか一方は、「捨石」、ショットロック、ロックアーマー、球状コンクリート構造体、縫い込み(knitted)コンクリート構造体、グリッド金属格子構造体、コンクリート防波堤構造体、「ドロス」構造体(例えば「ドロス」)、KOLOS構造体(例えばコンクリートの連結アーマー構造体)、連結していてもいなくてもよい人工ポルトランドセメント形状、「テトラポッド」コンクリート構造体、それらの任意の組み合わせ等のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0071】
いくつかの例示的な実施形態では、堆積物構造体210は、異なる構造体、サイズ、形状、材料組成、それらの任意の組み合わせなどを有することができる異なるタイプの梱包体212の混合物を含むことができる。その結果、堆積物構造体210からなる梱包体212の堆積物は、様々な梱包密度を有することができ、様々なサイズを有する間隙を形成することができる。
【0072】
いくつかの例示的な実施形態では、梱包体212のうちの少なくとも一部は、堆積物構造体210の内部(例えば、その空気流導管)を通過する材料と反応して、冷却システム150および周囲環境のうちの少なくともいずれか一方の環境を制御するように構成される。いくつかの例示的な実施形態では、梱包体212の一部または全部は、(例えば、堆積物構造体210Aを介して冷却システム150内に引き込まれている冷気1および2から)水を機械的に除去できるように構成されたフィルタ媒体材料を含み得る。例えば、梱包体212は、活性アルミナ(Al2O3)、活性炭、オーガニックワックス、またはプラスチックのうちの1つ以上を含み得る。このような梱包体は、冷却システム150の空気入口開口部122を覆い、それによって冷却システム150への排水を制御する堆積物構造体210Aに含まれ得る。いくつかの例示的な実施形態では、梱包体212の一部または全部は、(例えば、堆積物構造体210Bを介して冷却システム150から排出される熱気10および11から)放射性物質を除去できるように構成されたフィルタ媒体材料を含み得る。例えば、梱包体212は、放射性核種の吸収面を提供する砂、ビーズ、アルミナなどの材料を含むことができる。このような梱包体は、冷却システム150の空気出口開口部132を覆う堆積物構造体210Bに含まれ、それによって周囲環境101への放射性物質(例えば、放射性エアロゾル、放射性ガス)排出を抑制することができる。
【0073】
いくつかの例示的な実施形態では、堆積物構造体210内の梱包体212の少なくとも一部は、火を窒息させて抑制し、火および燃焼流体のうちの少なくともいずれか一方の冷却システム150への退出を低減または防止するように、かつ/または冷却システム150が提供する冷却能力に影響を与えるように、例えば火(例えば、堆積物構造体210内部の空気流導管を通る燃焼流体)の存在下で加熱時に溶融塩(例えば溶融フッ化塩)を放出するように構成される。いくつかの例示的な実施形態では、梱包体212の少なくとも一部は、潜在的な火を覆って窒息させる「ブランケット」構造体を提供するために、熱の存在下で分解するように構成されたポリマーマトリクス(例えば、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリベンゾイミダゾールおよびポリベンゾチアゾール(PBT))を含み、かつ/またはそれからなり得る。堆積物構造体210は、堆積物構造体210の空気流導管の一部が窒息により遮断されたとしても、十分な累積断面積を保持するように構成され得、それにより、火、および開口部120のうちの1つに向かう燃焼流体の移動のうちの少なくともいずれか一方に関して、冷却システム150により提供される冷却能力の堅牢性および保護性を改善する。
【0074】
堆積物構造体210は、その内部を通る複数の空気流導管154を形成するように構成されてもよく、空気流導管154(例えば、堆積物構造体210Aおよび210Bのそれぞれにおける154Aおよび154B)は、少なくとも部分的に、堆積物構造体210の隣接する梱包体212間の間隙によって形成されて、その中を延びる。
図1および
図3に示すような例示的な空気流導管154Aおよび154Bは、堆積物構造体210の隣接する梱包体212の間に形成され、これにより、開口部120と周囲環境101との間で堆積物構造体210を通って延びる非線形導管とされている。
図1および
図3に図示された例示的な空気流導管154Aおよび154Bは、堆積物構造体210を通る空気流導管154の例であり、堆積物構造体210は、図示された例示的な空気流導管154Aおよび154Bの量および配置に限定されないことが理解されるであろう。実際、所定の堆積物構造体210内の異なる空気流導管154の数(量)、すなわち所定の堆積物構造体210を通る開口部と周囲環境101との間に延びる数は、100よりも大きく、1,000よりも大きく、または1,000,000よりも大きくてもよい。堆積物構造体210は、堆積物構造体210によって覆われた開口部120への人間または機械の直接的なアクセスを挫くまたは妨げるのに十分に小さく、かつ堆積物構造体210を介して覆われた開口部120と周囲環境101との間の空気流導管154の累積流路断面積が、冷却システム150によって提供される冷却能力を支える流路面積未満に容易に低減しないように十分に多い、隣接する梱包体212間の間隙を形成するように構成されてもよい。
【0075】
このような堆積物構造体210は、集合的に少なくとも特定の梱包密度、隣接する梱包体間の最大間隙、それらのいくつかの組み合わせなどを有する梱包体212を有し得る。
【0076】
いくつかの例示的な実施形態では、堆積物構造体210における梱包体212の堆積物は、約750kg/m3以上である梱包密度を有する構造体を形成し得る。例えば、堆積物構造体210を構成する梱包体212の梱包密度は、約1,300kg/m3以上とし得る。
【0077】
梱包体212は、様々なサイズ、形状、および/または重量を有することができる。いくつかの例示的な実施形態では、堆積物構造体210の各梱包体212は、梱包体212が個別に重すぎて実質的な資源(例えば、重い持ち上げ機械)の応用なしに容易に移動できないように少なくとも1/2メートルトンの重量を有してもよく、それによって、堆積物構造体210によって覆われる開口部120の保護および固定を改善する。
【0078】
いくつかの例示的な実施形態では、堆積物構造体210を構成する梱包体212の堆積物における隣接する梱包体212間の間隙の最大累積体積は、堆積物構造体210の総体積の約60%以下である。例えば、堆積物構造体210を構成する梱包体212の堆積物における隣接する梱包体212間の間隙の最大累積体積は、堆積物構造体210の総体積の約30%以下である。
【0079】
いくつかの例示的な実施形態では、堆積物構造体210を構成する梱包体212の堆積物における任意の隣接する梱包体212間の最大間隙は、約12インチ(約30.48センチメートル)以下である。例えば、堆積物構造体210を構成する梱包体212の堆積物における任意の隣接する梱包体212間の最大間隙は、約3インチ(約7.62センチメートル)以下である。
【0080】
いくつかの例示的な実施形態では、堆積物構造体210は、堆積物構造体210の堆積物を通して周囲環境101と覆われた開口部120との間の差圧が特定の値以下になるように、梱包体212の堆積物内の隣接する梱包体212間の間隙を通して覆われた開口部120と周囲環境101との間を流れる空気(例えば、冷気1および2ならびに熱気10および11のうちの少なくともいずれか一方)を導くよう構成される。このような構成により、堆積物構造体210が冷却システム150の作動に与える影響を確実に低減または最小化することができる。このような構成により、堆積物構造体210を通る空気流導管の一部が塞がれても、満足な差圧が確実に維持され得る。例えば、堆積物構造体210は、堆積物構造体210を通る周囲環境101と開口部120との間の所定の空気流導管154の所定の長さに沿った差圧が、空気流導管154を通る距離の1フィート(約30.48センチメートル)あたり約2インチ(約5.08センチメートル)の水位計以下であるように構成され得る。別例では、堆積物構造体210は、堆積物構造体210を通る周囲環境101と開口部120との間の所定の空気流導管の所定の長さに沿った差圧が、空気流導管を通る距離の1フィート(約30.48センチメートル)あたり約0.5インチ(約1.27センチメートル)の水位計以下であるように構成され得る。
【0081】
原子力発電所100の個別の堆積物構造体は、同じかまたは異なる構造体(例えば、梱包体の配置)、ならびに同じかまたは異なるタイプの梱包体のうちの少なくともいずれか一方を有することができる。
図1において、例えば、第1の堆積物構造体210Aは、第2の梱包体212Bの対称的な三次元格子を形成する第1の梱包体212Aの整理された配置を含み、第2の堆積物構造体210Bは第2の梱包体212Bの整理されていない配置を含むことができる。
【0082】
図2Aおよび
図2Bに示されるように、各堆積物構造体210は、堆積物構造体210を構造的に支持し、さらに堆積物構造体210によって覆われた開口部120への地中アクセスに対して追加で保護し得るパッド211(例えば、対応するパッド211Aおよび211B)上に載置されていてもよい。いくつかの例示的な実施形態において、パッド211は、コンクリートパッドである。
図2Aおよび
図2Bに示すように、開口部120は、パッド211を通して延びることができる。いくつかの例示的な実施形態では、パッド211は、堆積物構造体210の梱包体212がその上に載置されるゴムライナーを含み得る。加えて、ゴムライナーの下、および所定の箇所の土壌の上には砂などの媒体が設けられてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、パッド211は、冷却システム150への空気の流れにおける水の巻き込みを緩和するために、堆積物構造体210内部の周囲の水分(例えば、雨、みぞれ、雪など)をパッドで収集し、その後(例えば、図面には示されていないポンプ装置によるポンプ作動を介して)除去するように誘導する輪郭を有してもよい。
【0083】
いくつかの例示的な実施形態では、パッド211は、平坦かつ水平とすることができる。いくつかの例示的な実施形態では、パッド211の少なくとも一部は傾斜していてもよく、また、堆積物構造体210を支持し、成形し、さらに開口部120からの水の捕捉および除去を強化する水平隔壁システムを含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態において、パッド211の構造体は、グレード400の下に位置することができる。
【0084】
図1、
図2A、および
図2Bに示すように、原子力発電所100は、各別個の堆積物構造体210を少なくとも部分的に横断方向(水平方向)に包囲する縁部構造体170を含み得る。例えば、
図1、
図2A、および
図2Bに示すように、第1の縁部構造体170Aは、第1の堆積物構造体210Aを少なくとも部分的に包囲することができ、第2の縁部構造体170Bは、第2の堆積物構造体210Bを少なくとも部分的に包囲することができる。各縁部構造体170は、小さな破片および流体(例えば、水)のうちの少なくともいずれか一方が縁部構造体170によって包囲されたそれぞれの堆積物構造体210内の間隙内に進入すること、および収集されることのうちの少なくともいずれか一方を緩和し、または遮断するように構成され、それによって堆積物構造体210内部の累積空気流導管154に対するそのような破片および流体のうちの少なくともいずれか一方の影響を緩和し得る。各縁部構造体170は、コンクリート、土壌、岩、金属、それらの任意の組み合わせなど、様々な材料からなり得る。グレード400からの縁部構造体170の縦方向高さ(例えば、標高)は、例えば、約6インチ乃至約1フィート(約15.24センチメートル乃至約60.96センチメートル)であってもよく、縁部構造体170の厚みもまた、例えば、約6インチ乃至約1フィート(約15.24センチメートル乃至約60.96センチメートル)であってもよい。
【0085】
図5Aおよび
図5Bならびに
図6Aおよび
図6Bを参照すると、空気入口開口部122および空気出口開口部132のうちの少なくともいずれか一方である例示的な開口部120が示されている。図示のように、各開口部120は、基部542、すなわち「基部構造体」(パッド211の一部であってもよい)と、それを通して延びる穴544とを含む。格子546は、穴544を覆うことができる。格子546は、基部542を覆ってこれに固定される(例えば、ボルトで固定されるフランジを有する)後述のチャネル構造体(156)によって所定の位置に固定され得る。格子546は、梱包体212が穴544に、ひいては冷却システム150内に落下することを低減または防止するように構成され得る。格子546は設けられなくてもよく、梱包体212は、穴544よりも大きく、かつ/または穴544に対する梱包体212の移動を緩和または防止するために十分に大きな重量(例えば、1/2メートルトン)を有するように大きさが決められてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、格子546は、4乃至40の間の範囲の標準的な米国のメッシュサイズを有する金属(例えば、鋼)格子であってよい。格子546は、ガス爆発による圧力パルスの後に残るように構成され得る(例えば、基部542に固定されること、および堆積物構造体210の重量によって所定の位置に保持されることのうちの少なくともいずれか一方に基づいて)。空気入口開口部122である開口部120の格子546は、変形することにより、空気入口開口部の圧力の上昇に伴うエネルギーを吸収するように構成されていてもよい。
【0086】
図4Aおよび
図4Bを参照すると、各堆積物構造体210の梱包体212は、グレード400に対する特定の安息角420と関連付けられてもよく、これは、堆積物の急降下なしに梱包体212を積み上げることができるグレード400の平面に対する梱包体212の堆積物の急降下角または傾斜であってもよい。堆積物構造体210の安息角420は、梱包体212の摩擦、サイズおよび形状、ならびに密度に左右され得る。安息角420は、梱包体212の滑りを低減または防止するために、覆われた開口部120の基部542および堆積物構造体210が載置されているパッド211のうちの少なくともいずれか一方の粗さにさらに左右され得る。安息角は、グレード400から約25度乃至約45度の間にあってもよい。所定の堆積物構造体210の梱包体212の堆積物は、その梱包体212の特定の安息角420以下の仰角410を有することができる(例えば、仰角410は安息角420の約90%以下であってもよい)。その結果、堆積物構造体210の梱包体212の安息角420よりも小さい仰角410を有する堆積物構造体210は、擁壁等の支持構造体の支持なしに自由に立つことができるので、堆積物構造体210によって覆われた開口部120が容易に露出されないように耐性を有するように構成され得る(例えば、岩盤滑りによる、安息角420よりも小さい仰角410を有することに基づき堆積物構造体210が抵抗するよう構成される)。したがって、堆積物構造体210は、堆積物構造体210への衝撃(例えば、航空機の衝突および地震のうちの少なくともいずれか一方による)による変形および急降下のうちの少なくともいずれか一方(例えば、梱包体212が堆積物から落下する)に対して耐性を備えてもよい。その結果、安息角420に対してこのように小さくなった仰角410を有する堆積物構造体210の堅牢性を向上させることができる。
【0087】
いくつかの例示的な実施形態では、堆積物構造体210は、その中の少なくとも一部の梱包体が移動する傾向を低減することによって堆積物構造体210の追加の堅牢性を提供するために、梱包体の少なくとも一部を覆って延びるネット構造体を含み得る。加えて、ネット構造体は、堆積物構造体210の内部内の最大の間隙を追加的に制限することができ、それによって、堆積物構造体210の内部を通る重ねられた開口部120への人間および機械のうちの少なくともいずれか一方の直接アクセスからさらに保護する。
【0088】
例えば、
図4Bに示すように、堆積物構造体210は、開口部132上に直接ある下側の第1のサブ堆積物510-1、および第1のサブ堆積物510-1を覆う上側の第2のサブ堆積物510-2を含み、堆積物構造体210は、第1のサブ堆積物510-1を覆うことで、第1のサブ堆積物510-1と第2のサブ堆積物510-2との間に位置されるネット構造体520をさらに含む。ネット構造体520は、例えば、3インチ(約7.62センチメートル)の開口部を有する金属ネット(例えば、鋼線ネット)であってもよい。ネット構造体520は、梱包体の第1のサブ堆積物510-1が現在の場所から移動しないようにこれを固定し、第2のサブ堆積物510-2は、ネット構造体520を損傷または解体への露出から保護することができる。
【0089】
しかしながら、いくつかの例示的な実施形態では、ネット構造体520は、ネット構造体520が周囲環境101に直接露出されるように、堆積物構造体210の外面全体にわたって延びることができることが理解されるであろう。このようなネット構造体520は、堆積物構造体210の梱包体212の堆積物全体が現在の場所から移動しないようにこれを固定し、それによって堆積物構造体210の堅牢性を向上させ得る。
【0090】
ネット構造体520は、空気出口開口部132を覆う第2の堆積物構造体210Bに含まれるものとして
図4Bにのみ示されているが、ネット構造体520は、空気入口開口部122を覆う第1の堆積物構造体210A、または例示的な実施形態のいずれかによる堆積物構造体210のいずれかに含まれ得ることは理解されるであろう。いくつかの例示的な実施形態では、堆積物構造体210は、堆積物構造体210によって覆われる個別のそれぞれの開口部120(例えば、
図2Bに示す堆積物構造体210Aによって覆われる開口部122Aおよび122B)を覆う個別のそれぞれのサブ堆積物を覆う複数のネット構造体520を含んでもよく、1つ以上のサブ堆積物がネット構造体520の両者を覆う。
【0091】
上記の説明は、開口部120を覆う梱包体212を有する堆積物構造体210に関して一般的に提供されるが、
図1、
図2Aおよび
図2B、
図3、並びに
図4Aおよび
図4Bは、原子力発電所100が複数の堆積物構造体、例えば第1の堆積物構造体210Aおよび第2の堆積物構造体210Bを含み得、個別の堆積物構造体210Aおよび210Bは、第1の梱包体212Aおよび第2の梱包体212Bの個別の対応する堆積物を含み、冷却システム150の個別の開口部120(開口部122および132、それぞれ)を覆い、これによりそれぞれの開口部122、132が周囲環境101への露出から隠蔽されることを示す。
【0092】
図1を参照すると、原子力発電所100は、空気入口開口部122を覆い、空気入口開口部122を周囲環境101への直接露出から隠蔽する第1の「冷たい」堆積物構造体210Aと、空気出口開口部132を覆い、空気出口開口部132を周囲環境101への直接露出から隠蔽する第2の「熱い」堆積物構造体210Bとを含む。
図1に示すように、冷気1および2は、堆積物構造体210Aの隣接する第1の梱包体212A間の間隙によって形成される空気流導管154Aを介して冷却システム150に引き込まれてもよく、また、熱気10および11は、堆積物構造体210Bの隣接する第2の梱包体212B間の間隙によって形成される空気流導管154Bを介して周囲環境101に排出される。
【0093】
図1に示すように、堆積物構造体210Aおよび210Bは、原子炉110が第1の堆積物構造体210Aと第2の堆積物構造体210Bとの間に横断方向にあるように、原子炉110が配置された原子炉建屋102の両反対側に配置されてもよく、それにより、熱気11が堆積物構造体210Aを介して冷却システム150に再循環する可能性を低減することができる。
【0094】
図1に示すように、空気出口開口部132を覆う堆積物構造体210Bのグレード400よりも上の最大縦方向標高Z
hotは、空気入口開口部122を覆う堆積物構造体210Aのグレード400よりも上の最大縦方向標高Z
coldよりも大きい。その結果、熱気11は、冷気1が堆積物構造体210Aに入る高さよりも高いグレードよりも上の高さで堆積物構造体210Bから周囲環境101に排出され得るので、熱気11が冷却システム150に再循環するリスクおよび堆積物構造体210Aを介して冷却システム150に引き込まれる冷気1を加熱するリスクのうちの少なくともいずれか一方を低減し、これにより冷却システム150が提供する冷却能力の堅牢性を向上させる。
【0095】
図2Aおよび
図2Bを参照すると、いくつかの例示的な実施形態では、堆積物構造体210が、冷却システム150の複数の開口部120を覆うことができる。例えば、
図2Aおよび
図2Bに示すように、冷却システム150は、対応する冷気導管124Aおよび124Bによって冷気プレナム126に接続される複数の空気入口開口部122Aおよび122Bを含んでもよく、また、冷却システム150は、対応する熱気導管134Aおよび134Bによって熱気プレナム136に接続される複数の空気出口開口部132Aおよび132Bをさらに含んでもよい。
【0096】
ここで具体的に
図2Aを参照すると、いくつかの例示的な実施形態では、堆積物構造体210は、空気入口開口部122および空気出口開口部132の両者を覆うことができ、これにより、堆積物構造体210は、空気入口開口部122を覆うその一部を通して冷気を導き、空気出口開口部を覆うその別の一部を通して熱気も導くように構成され得る。例えば、
図2Aに示すように、堆積物構造体210Aは、空気入口開口部122Aおよび空気出口開口部132Aを覆い、堆積物構造体210Bは、空気入口開口部122Bおよび空気出口開口部132Bを覆う。図示のように、空気入口開口部122および空気出口開口部132は、原子炉建屋102の各側面に設けられており、それにより、原子炉建屋102の様々な側面から冷気を受け取り、同様に原子炉建屋102の様々な側面で周囲環境101に熱気を排出することに対する冷却システム150の堅牢性を向上させる。いくつかの例示的な実施形態では、空気入口開口部122および空気出口開口部132の両者を覆う堆積物構造体210の所定の箇所の最大標高は、空気出口開口部132に縦方向に重なる堆積物構造体210の部分の最大縦方向標高が空気入口開口部122に縦方向に重なる堆積物構造体210の部分の最大縦方向標高よりも大きく、それによって空気入口開口部122への熱気再循環リスクを低減するように、可変であってもよい。
【0097】
なお
図2Aを参照すると、空気入口開口部122および空気出口開口部132の両者を覆う堆積物構造体210は、少なくとも部分的に梱包体212の堆積物内に位置し、梱包体212による周囲環境101への直接露出から少なくとも部分的に隠蔽される壁構造体216を含んでもよく、壁構造体216は、壁構造体216の反対側の両側壁が空気入口開口部122または空気出口開口部132のうちの個別の、対応する開口部に近接しているように、空気入口開口部122と空気出口開口部132との間に横断方向に位置される。例えば、
図2Aに示すように、堆積物構造体210Aは、空気入口開口部122Aと空気出口開口部132Aとの間に壁構造体216Aを含み、堆積物構造体210Bは、空気入口開口部122Bと空気出口開口部132Bとの間に壁構造体216Bを含む。各壁構造体216は、コンクリート構造体、鉄筋コンクリート構造体、金属構造体等であってもよい。
図2Aに示すように、所定の堆積物構造体210における壁構造体216は、堆積物構造体210の幅の大部分または全体に沿って横断方向に延びることができるが、例示的な実施形態はそれに限定されるものではない。所定の堆積物構造体210における壁構造体216は、グレード400から少なくとも部分的に堆積物構造体210を通して、または堆積物構造体210の最大標高まで縦方向に延びることができる。所定の堆積物構造体210における壁構造体216は、空気入口開口部122および空気出口開口部132に近接する堆積物構造体210の内部の一部を少なくとも互いに仕切り、それによって、空気入口開口部122および空気出口開口部132の両者を覆う堆積物構造体210の内部内で、覆われた空気入口開口部122に引き込まれる冷気2と、覆われた空気出口開口部132から排出される熱気10との混合を緩和または防止し得る。
【0098】
図2Aに示す堆積物構造体210Aおよび210Bは、任意の日の原子力発電所100に対する風向にかかわらず、冷却システム150の安定した性能(例えば、冷却能力)を確保するように構成され得る。
【0099】
図2Aは、空気入口開口部122および空気出口開口部132の両者を覆う2つの堆積物構造体210Aおよび210Bを例示しているが、例示的な実施形態はこれに限定されるものではない。いくつかの例示的な実施形態では、原子力発電所100は、冷却システム150の1つの空気入口開口部122(例えば、122A)および冷却システム150の1つの空気出口開口部132(例えば、132A)の両者を覆う1つの堆積物構造体(例えば、210A)を含み得る。
【0100】
ここで
図2Bを参照すると、いくつかの例示的な実施形態では、堆積物構造体210は、複数の空気入口開口部122または複数の空気出口開口部132を覆うことができる。
図2Bに示すように、例えば、冷却システム150は、原子炉建屋102の片側に複数の空気入口開口部122Aおよび122Bを含み、原子炉建屋102の別の(例えば、反対)側に複数の空気出口開口部132Aおよび132Bを含み、堆積物構造体210Aが空気入口開口部122Aおよび122Bを覆う一方、堆積物構造体210Bが空気出口開口部132Aおよび132Bを覆ってもよい。堆積物構造体210Aおよび210Bは、空気入口開口部122の空気出口開口部132からの隔離を改善し、これにより、冷気1および2の熱気10および11との混合からの隔離を改善し得る。したがって、
図2Bの堆積物構造体210Aおよび210Bは、冷却システム150における熱気再循環からの保護を改善する。加えて、複数の空気入口開口部122または空気出口開口部132を覆うことによって、各堆積物構造体210は、冷却システム150の空気入口流路または空気出口流路の堅牢性を改善し、これにより、冷却システム150の堅牢性を改善し得る。
【0101】
図3を参照すると、いくつかの例示的な実施形態では、冷却システム150は、空気入口開口部122および空気出口開口部132のうちの少なくともいずれか一方がグレード400に対して角度をなして、または直交して配向されるように(例えば、図示のように水平方向に面するように)、空気入口開口部122または空気出口開口部132の一方または両者が原子炉建屋102の外側側壁102Sを通って延びるように構成され得る。その結果、冷却システム150は、
図3に示すように、横断方向に配向された(例えば、水平方向に配向された)空気入口開口部122を介して冷気1および2を冷却システム150に横断方向(水平方向)に引き込ませるように、かつ/または
図3に示すように、横断方向に配向された空気出口開口部132を介して冷却システム150から熱気10および11を横断方向(水平方向)に排出させるように構成され得る。
【0102】
なお
図3を参照すると、原子炉建屋102の外側側壁102Sを通って延びる開口部120を覆う堆積物構造体210は、開口部120に横断方向に重なり、外側側壁102Sに少なくとも部分的に接触し、かつ/または堆積物構造体210の構造体荷重の少なくとも一部を外側側壁102Sを介して原子炉建屋102に伝達してもよい。原子力発電所100は、空気を横断方向に配向された開口部120へまたはそこから搬送するように構成された水平隔壁182(例えば、それぞれの堆積物構造体210Aおよび210Bに対する182Aおよび182B)を含み得る。
図3に示す例示的な実施形態では、堆積物構造体210を通る空気流の圧力損失を減少させながら、開口部120が例えば
図1に示すように縦方向に配向している例示的な実施形態と比較して、縦方向における堆積物構造体210のサイズ(例えば、最大縦方向標高Z
hotおよびZ
cold)が低減し得る。
【0103】
図3に示す例示的な実施形態では、水平隔壁182の配向に起因して、堆積物構造体210はそれぞれ、コストを低減するとともに水を除去するためにゴムライナーおよびゴム隔壁を含むことができる。堆積物構造体210によって覆われた開口部120に対する各水平隔壁182は、鉄筋コンクリートまたは原子炉建屋102の外側側壁102Sに固定された肉薄な鋼板からなり得る。水平隔壁182は、開口部120の穴544に、またはそこから、空気(気体、液体、および固体)の三相流を誘導することができる。
図3に示すような隔壁182を有する開口部120および堆積物構造体210の構成は、冷却機能を果たす周囲環境101からの周囲空気の循環前に、空気中から液体(水)および固体(塵)を低減することができる。水平隔壁182は、開口部120から水平隔壁182が配置される堆積物構造体210の外部までサイズが減少し得る粒度を有する梱包媒体(例えば、砂)を含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、水平隔壁182の構造体全体が、グレード400の下に位置し得る。
【0104】
なお概して
図1、
図2A、
図2B、および
図3を参照し、さらに
図5A、
図5B、
図6A、および
図6Bを参照すると、堆積物構造体210は、堆積物構造体210によって覆われた少なくとも1つの開口部120に結合されて開口部120を横断方向に包囲するチャネル構造体156を含み得る。
図1乃至4Bに示すように、チャネル構造体156は、堆積物構造体210の内部内に部分的にまたは完全に配置されてもよい(したがって、周囲環境101への直接露出から部分的にまたは完全に隠蔽されてもよい)。
図1乃至4Bに示すように、チャネル構造体156は、覆われた開口部120から堆積物構造体210の内部へ離間して延びてもよい。例えば、
図1、
図2Aおよび
図2B、ならびに
図4Aおよび
図4Bに示すように、開口部120がグレード400に位置する場合、チャネル構造体156は、開口部120から開口部120を覆う堆積物構造体210の内部へ縦方向に上向きに延び得る。別例では、開口部120が
図3に示すように原子炉建屋102の外側側壁102Sを通って延びる場合、チャネル構造体は、開口部120から離間して堆積物構造体210の内部へと横断方向またはグレード400に対して角度をなして延び得る。
【0105】
図5Aおよび
図5Bならびに
図6Aおよび
図6Bに示されるように、チャネル構造体156は、少なくとも1つの開口部120に近接する底部開口部158Bから少なくとも1つの開口部の遠位側にある頂部開口部158Tまで縦方向に延びる内部チャネル158を形成する側壁156Sを有し得る。したがって、チャネル構造体156は、内部チャネル158を介して少なくとも1つの開口部120と頂部開口部158Tとの間を流れるように空気を配向するように構成され得る。
【0106】
図5A乃至6Bにおいて、チャネル構造体156は、内部チャネル158の底部開口部158Bにおいてカラーの底部に結合されたフランジを有することに基づいて開口部120に結合されるように構成されているように示されており、カラーは、開口部120(例えば、開口部120の穴544が延びる基部542)に(例えば、ボルトを介して)固定されるように構成され得る。しかしながら、例示的な実施形態はこれに限定されるものではなく、いくつかの例示的な実施形態では、チャネル構造体156は、開口部120の穴544と整列して、溶接または単に基部上に載置されることを含む様々な方法により開口部120に結合され得る。
図5A乃至6Bに示されるフランジは、側壁156Sによって形成されるカラーの底部が、例えば溶接により開口部120(例えば、その基部542)に直接結合され得るように、いくつかの例示的実施形態では設けられない場合がある。
【0107】
いくつかの例示的な実施形態では、開口部120上のチャネル構造体156の内部チャネル158に梱包体212が設けられない場合があるが、いくつかの例示的な実施形態では、内部チャネル158はチャネル構造体156が含まれる堆積物構造体210の梱包体212を含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態では、チャネル構造体156は、堆積物構造体210の梱包体212が、その間にいかなる介在する構造体もなく開口部120上に直接載置されることができるように、堆積物構造体210には設けられない場合がある。梱包体212は、梱包体212が開口部120に落下しないような大きさであってもよく(例えば、重量が少なくとも1/2メートルトンであるような大きさであってもよい)、かつ/または開口部120は、かかる梱包体212が開口部120の穴544に落下するのを低減または防止するように構成された格子546を含んでもよい。
【0108】
図5Aおよび
図5Bを参照すると、チャネル構造体156は、内部チャネル158が頂部開口部158Tおよび底部開口部158Bのみを有するように、カラーと呼ばれる完全に中実な側壁部からなることができ、これにより、空気が少なくとも1つの開口部120と頂部開口部158Tとの間で縦方向に流れることが制限される。カラーは、チャネル構造体156の頂部開口部158Tの高さまで、側壁156Sを通る開口部120へのまたは開口部120からの横断方向の流体および空気のうちの少なくともいずれか一方の流れを緩和するように構成され得る。
図5Aおよび
図5Bに示すように、カラーは、チャネル構造体156の全体を形成することができるが、例示的な実施形態はこれに限定されるものではない。
【0109】
側壁156Sがカラーのみを形成する
図5Aおよび
図5Bに示すチャネル構造体156は、空気入口開口部122に結合され、これにより、空気入口開口部122を覆う堆積物構造体210の内部内に配置され得る。しかしながら、例示的な実施形態はこれに限定されるものではなく、いくつかの例示的な実施形態では、
図5Aおよび
図5Bに示されるチャネル構造体156は、空気出口開口部132に結合されることで、空気出口開口部132を覆う堆積物構造体210の内部内に位置してもよい。
【0110】
図5Aおよび
図5Bにさらに示すように、チャネル構造体156は、開口部120の穴544の形状に対応する形状を有していてもよい。例えば、
図5Aにおいて、開口部120の穴544が矩形(例えば、正方形)である場合、チャネル構造体156は、同様に矩形の断面を有することができ、かつ/または、開口部120の穴544の矩形の断面に類似しているか、または一致する矩形の断面を有する内部チャネル158を形成することができる。別例では、
図5Bにおいて、開口部120の穴544が円形である場合、チャネル構造体156は、同様に円形の断面を有することができ、かつ/または、開口部120の穴544の円形の断面と類似しているか、または一致する円形の断面を有する内部チャネル158を形成することができる。
【0111】
図6Aおよび
図6Bを参照すると、いくつかの例示的な実施形態では、チャネル構造体156は、内部チャネル158の下部「カラー」部分を形成する下部カラー部157B(または下部中実部)、および内部チャネル158の上部「穿孔」部分を形成する上部穿孔部157Uを含み得る。上部穿孔部157Uは、チャネル構造体156の側壁156Sの厚み部分を通って横断方向に延びる1つ以上の穿孔159を含み得る。
図6Aおよび
図6Bに示すように、下部中実「カラー」部157Bは、チャネル構造体156の側壁156Sの厚み部分を通って延びるいかなる穿孔も含まず、
図5Aおよび
図5Bに示すカラーのみのチャネル構造体156と同様である。その結果、
図6Aおよび
図6Bに示すチャネル構造体156は、頂部開口部158Tを通って縦方向に流れることに加えて、内部チャネル158の上部穿孔部157Uとチャネル構造体156の外部との間で横断方向に流れるように空気を誘導するように構成され、それによって内部チャネル158の内部へのまたは外部への空気流を改善し、したがって開口部120とチャネル構造体156の外部との間の空気流を改善し得る。加えて、
図6Aおよび
図6Bに示すチャネル構造体156は、チャネル構造体156の外側から内部チャネル158の下部カラー部157Bへの横断方向の流体の流れを抑制するように構成され得る。したがって、開口部120と周囲環境101との間の空気の流れ(重なり合う堆積物構造体210を介して)が改善される一方で、少なくとも1つの開口部への流体(例えば、水)の横断方向の流れも緩和され得る。
【0112】
図6Aおよび
図6Bにさらに示すように、チャネル構造体156は、開口部120の穴544の形状に対応する形状を有していてもよい。例えば、
図6Aにおいて、開口部120の穴544が矩形(例えば、正方形状)である場合、チャネル構造体156は、同様に矩形断面を有してもよく、かつ/または、開口部120の穴544の矩形断面に類似する、または一致する矩形断面を有する内部チャネル158を形成してもよい。別例では、
図6Bにおいて、開口部120の穴544が円形である場合、チャネル構造体156は、同様に円形断面を有してもよく、かつ/または、開口部120の穴544の円形断面に類似しているか、または一致する円形断面を有する内部チャネル158を形成してもよい。
【0113】
いくつかの例示的な実施形態では、
図6Aおよび
図6Bに示すように、その上部穿孔部157Uに穿孔159を有するチャネル構造体156が、空気出口開口部132を覆う堆積物構造体210内で、堆積物構造体を介して空気出口開口部132から周囲環境101に排出される熱気10の流れを改善するために空気出口開口部132に結合されてもよい。しかしながら、例示的な実施形態はそれに限定されるものではなく、いくつかの例示的な実施形態では、
図6Aおよび
図6Bに示すように、その上部穿孔部157Uに穿孔159を有するチャネル構造体156が、空気出口開口部122を覆う堆積物構造体210内で、空気入口開口部122に結合されてもよい。
【0114】
いくつかの例示的な実施形態において、原子力発電所100は、穿孔を有しないチャネル構造体156を含み(例えば、内部チャネル158は、チャネル構造体156の基部にフランジを有するかまたは有さない、中実のカラーによって完全に形成される)、
図5Aおよび
図5Bに示されるように、チャネル構造体156は、空気入口開口部122を覆う堆積物構造体210内で、原子力発電所100の冷却システム150の空気入口開口部122に結合され、一方、
図6Aおよび
図6Bに示されるように、原子力発電所100は、穿孔159を有するチャネル構造体156をさらに含み、チャネル構造体156は、空気出口開口部132を覆う堆積物構造体210内で、原子力発電所100の冷却システム150の空気出口開口部132に結合される。穿孔を有しないチャネル構造体156の高さ(例えば、
図5Aおよび
図5Bに示されるようなチャネル構造体156の「カラー」の高さ)は、穿孔159を有するチャネル構造体156の下部カラー部157Bの高さと同じか、または実質的に同じ(例えば、高さの10%の変動まで)であり、これにより、穿孔159を有するチャネル構造体156は穿孔を有さないチャネル構造体156よりも高くてもよく、チャネル構造体156の両者は、チャネル構造体156の対応する中実「カラー」部を介して対応する開口部120への横断方向の流体の流れを阻害するように同様に構成され得る。
【0115】
本明細書では、原子炉を含む原子力発電所に関して、堆積物構造体および空冷システムの発明的概念を例示および説明したが、例示的な実施形態がそれに限定されるものではないことが理解されよう。例えば、任意の例示的な実施形態による堆積物構造体は、空気入口開口部を介して周囲環境101から空気を循環させて空冷システムの空気導管で熱を吸収し、さらに空気出口開口部を介して周囲環境に戻る熱気を循環させることに基づいて、グレード400(これは、所定の箇所の地表面または標高)よりも下で熱を発生する任意の熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方から除熱するように構成されている空冷システムの開口部を覆うように設置、または組み立てられ得る。そのような構造体および熱源のうちの少なくともいずれか一方は、少なくとも部分的にグレードの下にあり(すなわち、少なくとも部分的に所定の箇所の地表面または標高の下にある)、グレードの下にある箇所で熱を生成し得る。このような構造体および熱源のうちの少なくともいずれか一方は、人間が占有する制御室、タンク内で起こる化学反応により熱を放出するように構成された化学反応タンク、および/または放射性物質をグレードの下に貯蔵する放射性貯蔵室を含み得る。
【0116】
任意の例示的な実施形態による任意の熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方を冷却する空冷システムは、構造体および熱源のうちの少なくともいずれか一方から除熱するために、周囲環境から、1つ以上の導管を通って熱源(複数可)によって加熱され、周囲環境へ戻る周囲空気の自然循環を利用し得る。そのような空冷システムは、
図1乃至7のいずれかに関して、かつ/または原子力発電所に関して本明細書に記載された例示的な空冷システムのいずれかと同様であってよく、原子炉110およびその外面110Sは、そのような空冷システムにおける熱源および/または構造体およびその外面に置き換えられ得る。しかしながら、例示的な実施形態はこれに限定されるものではない。
【0117】
いくつかの例示的な実施形態では、いくつかの例示的な実施形態による空冷システムは、グレードの下にある熱源(複数可)および構造体のうちの少なくともいずれか一方から除熱するために、空冷システムの少なくとも一部を通る空気の流れを誘導、制御、および/または維持するために流れ発生装置(例えば、ポンプ、送風機、圧縮機、ファンなど)を利用し得る。このような空冷システムは、本明細書に記載の冷却システムと同様の構造体または異なる構造体を有することができ、空冷システムの堅牢性および保護性、したがって空冷システムによってグレードの下の熱源(複数可)および構造体(複数可)のうちの少なくともいずれか一方に与えられる冷却能力を改善するために、任意の例示的な実施形態による堆積物構造体によって覆われることができる、空気入口開口部または空気出口開口部のうちの少なくとも1つの開口部を含むことができる。いくつかの例示的な実施形態では、そのような空冷システムは、
図1乃至6Bに関して説明した冷却システム150であってもよく、外面110Sは、熱が発生するグレードよりも低い位置(例えば、所定の箇所の地表面レベルまたは標高よりも低い位置)における熱源および構造物のうちの少なくともいずれか一方の外面であり、空冷システムの少なくとも一部を通る空気の流れを誘導、制御、および/または維持するように構成された1つ以上の流れ発生装置をさらに含んでもよい。
【0118】
いくつかの例示的な実施形態では、空冷システムは、空冷システムが、熱源(複数可)および構造体のうちの少なくともいずれか一方からの熱吸収による1つ以上の導管内の空気の密度の変化に少なくとも部分的にまたは完全に基づいて空気を配向することに代えて、1つ以上の導管から周囲環境への空気の流れを誘導、制御、および/または維持するための冷却システムの1つ以上の流れ発生装置の作動に少なくとも部分的にまたは完全に基づいて熱源(複数可)および構造体のうちの少なくともいずれか一方と熱的に連通している1つ以上の導管からの空気を配向するように構成されてもよい。
【0119】
堆積物構造体は、空冷システムの堅牢性および保護性を改善し、これにより、空冷システムによって、少なくとも部分的にグレードの下のにある1つ以上の熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方に提供される冷却能力を提供するように、空冷システムの、1つ以上の空気入口開口部および1つ以上の空気出口開口部のうちの少なくともいずれか一方の1つ以上の開口部を覆ってもよい。
【0120】
したがって、例示的な実施形態のいずれかに従って本明細書に記載された堆積物構造体、チャネル構造体、空冷システムなどのいずれもが、任意のシステムに応用でき、空冷システムが、原子炉に限定されない1つ以上のグレードの下の構造体および熱源のうちの少なくともいずれか一方を冷却することが理解されるであろう。
【0121】
図7は、いくつかの例示的な実施形態による、一方法を示すフローチャートである。
【0122】
ステップS702では、原子力発電所に原子炉が設置される。原子炉は、埋め込み型原子炉を含むことができるが、例示的な実施形態はこれに限定されるものではなく、原子炉は、本明細書に記載の例示的な実施形態のいずれかによる原子炉のいずれかであってもよい。原子炉の設置は、基礎構造体の建設のための容積の掘削、原子炉の1つ以上の構造体の建設などを含むことができる。
【0123】
ステップS704では、冷却システムが原子力発電所に設置され、冷却システムは、例示的な実施形態のいずれかによる自然循環式空冷システムの任意の例示的な実施形態を含む、原子炉の任意の空冷システムであってもよい。自然循環式空冷システムを含む冷却システムは、空気入口開口部、空気出口開口部、および空気入口開口部と空気出口開口部との間で原子炉と熱的に連通して延びる1つ以上の導管を形成し得る。冷却システムは、周囲環境から、空気入口開口部を通って、1つ以上の導管に、周囲空気を循環させ、1つ以上の導管内の熱を吸収する周囲空気の密度が、周囲環境から1つ以上の導管に循環される周囲空気に対して低減するように、1つ以上の導管内の周囲空気が原子炉から拒絶される熱を吸収することに基づいて、1つ以上の導管から、空気出口開口部を通り、周囲環境へ周囲空気を循環するように構成されてもよい。
【0124】
ステップS706では、冷却システムの空気入口開口部または空気出口開口部のうちの少なくとも1つの開口部上で、少なくとも1つの開口部を覆うように、冷却システムを含む原子力発電所において堆積物構造体が組み立てられ、かつ/または配置されてもよく、堆積物構造体は、任意の例示的実施形態による任意の堆積物構造体であってもよい。堆積物構造体は、少なくとも1つの開口部が梱包体の堆積物によって周囲環境への直接露出から隠蔽されるように、少なくとも1つの開口部の上に重なる梱包体の堆積物を含み得る。堆積物構造体を組み立てることは、原子力発電所の冷却システムの開口部(例えば、空気入口開口部および空気出口開口部のうちの少なくともいずれか一方)上に梱包体の堆積物を組み立てて、開口部が梱包体の堆積物によって周囲環境への直接露出から隠蔽されるように、開口部を覆う堆積物構造体を設けることを含み得る。堆積物構造体は、少なくとも1つの開口部を覆うように現場で組み立ててもよいし、部分的または完全に現場外で組み立てられ、完全にまたは少なくとも部分的に組み立てられて少なくとも1つの開口部に輸送され、配置されてもよい。
【0125】
本明細書に記載のチャネル構造体は、堆積物構造体を組み立てる/配置する前に、または堆積物構造体を組み立てる/配置するのと同時に、少なくとも1つの開口部に設置することができる。例えば、チャネル構造体は、堆積物構造体の梱包体が、堆積物構造体の内部内でチャンネル構造体を隠蔽するためにチャネル構造体の周囲および内部のうちの少なくともいずれか一方に積層および/または配置されるように、開口部を覆うように堆積物構造体を組み立てる前に(例えば、チャネル構造体のフランジを開口部の底面にボルト止めして)少なくとも1つの開口部に結合されてもよい。
【0126】
追加の構造体(例えば、壁構造体、縁部構造体、水平隔壁など)も同様に、堆積物構造体を組み立てる/配置する前に、または堆積物構造体を組み立てる/配置するのと同時に、原子力発電所に設置することができる。
【0127】
原子炉の設置、自然循環式空冷システムの設置、および/または堆積物構造体の組み立て/配置は、原子炉が配置される原子炉建屋、補助建屋、パッド構造体、縁部構造体などを含む原子力発電所の追加の要素を提供、組み立て、および/または設置することをさらに含み得る。
【0128】
図7に示す作動は、
図7に示す順序とは異なる順序で実施されてもよいことが理解されよう。いくつかの例示的な実施形態では、いくつかの例示的な実施形態による方法は、
図7に示す作動に加えて追加の作動を含むことができ、または
図7に示す作動の一部を省略することができる。
【0129】
上述したように、堆積物構造体および冷却システムは、原子炉を備える原子力発電所以外のシステムにも応用することができる。したがって、ステップS702は、少なくとも部分的にグレードの下にある熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方を含み、グレードの下にある箇所で熱を生成するように構成されたシステムを提供するステップを含み得ることが理解されるであろう。加えて、ステップS704は、周囲環境からのまたは周囲環境への空気の循環に基づき、熱源および構造体のうちの少なくともいずれか一方から除熱するように構成された空冷システムを提供するステップを含み得る。提供される空冷システムは、任意の例示的な実施形態による自然循環式空冷システムであってもよく、かつ/または、空冷システムの少なくとも一部を通る空気の流れを誘導、制御、および/または維持するためにエネルギーを消費する1つ以上の流れ発生装置(例えば、ファン、送風機、圧縮機、ポンプなど)を含むことができる。加えて、ステップS706は、任意の例示的な実施形態による堆積物構造体を、空冷システムの空気入口開口部または空気出口開口部のうちの少なくとも1つの開口部に組み立ておよび配置(例えば、設置)のうちの少なくともいずれか一方を行って、少なくとも1つの開口部を覆い、それによって空冷システムおよびそれによって提供される冷却能力の堅牢性および保護性を改善することを含み得る。
【0130】
本明細書では、複数の例示的な実施形態が開示されているが、他の変形例が可能であることを理解されたい。このような変形は、本開示の趣旨および範囲から逸脱するものとはみなされず、当業者に明らかであるようなすべてのそのような修正は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。加えて、本明細書ではプロセスが開示されているが、プロセスの記載された要素は、異なる順序で、異なる選択された要素、それらのいくつかの組み合わせなどを使用して実施され得ることを理解されたい。例えば、開示されたプロセスのいくつかの例示的な実施形態は、図示され説明されたプロセスよりも少ない要素を使用して実施することができ、開示されたプロセスのいくつかの例示的な実施形態は、図示され説明されたプロセスよりも多い要素を使用して実施することができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉と、
空気入口開口部、空気出口開口部、および前記空気入口開口部と前記空気出口開口部との間で前記原子炉と熱的に連通して延びる1つ以上の導管を形成する自然循環式空冷システムであって、同自然循環式空冷システムは、
周囲環境から、前記空気入口開口部を通って、前記1つ以上の導管に、周囲空気を循環させ、
前記1つ以上の導管内の前記周囲空気が前記原子炉から拒絶される熱を吸収することに基づいて、前記1つ以上の導管内の前記
拒絶された熱を吸収する前記周囲空気の密度が、前記周囲環境から前記1つ以上の導管に循環される周囲空気に対して低減するように、前記1つ以上の導管から、前記空気出口開口部を通り、前記周囲環境に、前記周囲空気を循環させるように構成される、自然循環式空冷システムと、
各々が梱包体の堆積物を含む第1の堆積物構造体および第2の堆積物構造体を含む堆積物構造体であって、
前記空気入口開口部および前記空気出口開口部が前記周囲環境への直接露出から隠蔽されているように、前記第1の堆積物構造体が前記空気入口開口部を覆い、前記第2の堆積物構造体が前記空気出口開口部を覆う、堆積物構造体と、
を備える、原子力発電所。
【請求項2】
前記梱包体の前記堆積物は、前記梱包体の三次元格子を含む、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項3】
前記堆積物構造体は
、少なくとも1つの開口部に結合され、同
少なくとも1つの開口部を横断方向に包囲し、前記少なくとも1つの開口部から前記堆積物構造体の内部へと縦方向に上方に延びるチャネル構造体をさらに含み、
前記少なくとも1つの開口部は、前記空気入口開口部または前記空気出口開口部のうちの少なくとも一方を含み、前記チャネル構造体は、前記少なくとも1つの開口部に近接している底部開口部から前記少なくとも1つの開口部の遠位側にある頂部開口部に縦方向に延びる内部チャネルを形成する側壁を有しており、前記チャネル構造体は、
前記内部チャネルを介して前記少なくとも1つの開口部と前記頂部開口部との間を流れるように空気を誘導し、
前記チャネル構造体の外部から前記少なくとも1つの開口部への横断方向の流体の流れを抑制するように構成される、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項4】
前記チャネル構造体は、
前記内部チャネルの下部を形成する下部中実部と、
前記内部チャネルの上部を形成する上部穿孔部と、
を含み、
前記上部穿孔部は、前記チャネル構造体の前記側壁の厚み部分を通って横断方向に延びる1つ以上の穿孔を含み、前記下部中実部は、前記チャネル構造体の前記側壁の前記厚み部分を通って横断方向に延びる穿孔を含まず、前記チャネル構造体は、
前記内部チャネルの前記上部と前記チャネル構造体の前記外部との間で横断方向に流れるように空気を誘導し、
前記チャネル構造体の前記外部から前記内部チャネルの前記下部への横断方向の流体流を抑制するように構成される、請求項3に記載の原子力発電所。
【請求項5】
前記梱包体は、特定の安息角と関連付けられ、
前記梱包体の前記堆積物は、前記特定の安息角の約90%以下の仰角を有する、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項6】
前記堆積物構造体は、前記梱包体の少なくとも一部を覆って延びるネット構造体を含む、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項7】
前記堆積物構造体は、少なくとも1つの開口部を覆う前記梱包体の第1のサブ堆積物を含み、
前記少なくとも1つの開口部は、前記空気入口開口部または前記空気出口開口部のうちの少なくとも一方を含み、
前記ネット構造体は、前記第1のサブ堆積物を覆い、
前記堆積物構造体は、前記ネット構造体が前記第1のサブ堆積物と前記梱包体の第2のサブ堆積物との間に位置するように、前記第1のサブ堆積物および前記ネット構造体を覆う前記第2のサブ堆積物をさらに含む、請求項6に記載の原子力発電所。
【請求項8】
前記梱包体の前記堆積物は、約750乃至1,300kg/m3以上である梱包密度を有する、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項9】
前記梱包体の前記堆積物における隣接する梱包体間の間隙の最大累積体積は、前記堆積物構造体の総体積の約60%以下である、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項10】
前記梱包体の前記堆積物における任意の隣接する梱包体間の最大間隙は、約12インチ(約30.48センチメートル)以下である、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項11】
前記堆積物構造体は
、少なくとも1つの開口部と前記堆積物構造体を通る前記周囲環境との間の所定の空気流導管の所定の長さに沿った差圧が、前記所定の空気流導管を通る距離の1フィート(約30.48センチメートル)あたり約2インチ(約5.08センチメートル)の水位計以下であ
り、前記少なくとも1つの開口部は、前記空気入口開口部または前記空気出口開口部のうちの少なくとも一方を含むように構成される、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項12】
前記梱包体は
、コンクリート構造
体を含む、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項13】
前記堆積物構造体を少なくとも部分的に横断方向に包囲する縁部構造体であって、同縁部構造体は、約6インチ乃至約1フィート(約15.24センチメートル乃至約60.96センチメートル)の縦方向高さを有し、前記縁部構造体は、前記梱包体の前記堆積物への横断方向の粒子状物質の侵入を緩和するように構成されている、縁部構造体をさらに備える、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項14】
前記堆積物構造体は、さらに、活性アルミナ(Al
2O
3)、活性炭、オーガニックワックス、プラスチック、ポリマーマトリックス、溶融塩のうちのいずれか1つ以上を含む、請求項1に記載の原子力発電所。
【請求項15】
原子炉と、
空気入口開口部、空気出口開口部、
および前記空気入口開口部と前記空気出口開口部との間で前記原子炉と熱的に連通して延びる1つ以上の導管を形成する
自然循環式空冷システムであって、同
自然循環式空冷システムは、
周囲環境から、前記空気入口開口部を通って、前記1つ以上の導管に、周囲空気を循環させ、
前記原子炉から拒絶された熱を吸収する前記1つ以上の導管の中の前記周囲空気に基づいて、
前記1つ以上の導管内の前記熱を吸収する前記周囲空気の密度が、前記周囲環境から前記1つ以上の導管に循環される周囲空気に対して低減するように、前記1つ以上の導管から、前記空気出口開口部を通り、前記周囲環境に前記周囲空気を循環させるように構成される、
自然循環式空冷システムと、
前記空気入口開口部または前記空気出口開口部のうちの少なくとも1つの開口部を覆う堆積物構造体であって、同堆積物構造体は、前記少なくとも1つの開口部を覆う梱包体の堆積物を含み、前記少なくとも1つの開口部が前記梱包体の前記堆積物によって前記周囲環境への直接露出から隠蔽されて
おり、前記空気入口開口部および前記空気出口開口部の両者が前記梱包体の前記堆積物によって前記周囲環境への直接露出から隠蔽されているように、前記堆積物構造体が前記空気入口開口部および前記空気出口開口部の両者を覆う、堆積物構造体と、
を備え
、
前記堆積物構造体は、壁構造体を含み、前記壁構造体は、少なくとも部分的に前記梱包体の前記堆積物内に位置し、少なくとも部分的に前記梱包体により前記周囲環境への直接露出から隠蔽されており、前記壁構造体は、前記壁構造体の反対側の両側壁が前記空気入口開口部または前記空気出口開口部の個別の、対応する開口部に近接しているように前記空気入口開口部と前記空気出口開口部との間に横断方向に位置している、
原子力発電所。
【国際調査報告】