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▶ アールイーピージー エネルジ システムレリ サナイ ヴェ ティカレット アノニム シルケティの特許一覧

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  • 特表-発電機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-12
(54)【発明の名称】発電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 44/08 20060101AFI20240104BHJP
   H02K 44/14 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
H02K44/08 A
H02K44/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535397
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 TR2021050921
(87)【国際公開番号】W WO2022146312
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】2020/22306
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523084938
【氏名又は名称】アールイーピージー エネルジ システムレリ サナイ ヴェ ティカレット アノニム シルケティ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】アヤルトゥルク,ハサン
(57)【要約】
本発明は、導電性溶液が磁界を通過することに依存して電気を生成できる、発電機(1)に関する。本発明の改善点は、本発明の発電機(1)が、少なくとも1つのインプット開口部(13)によって取り入れることができる、加圧された溶液及び空気の混合物を、遠心分離できる、少なくとも1つのチャンバ(10)と、このチャンバ(10)において混合物を遠心分離することによって、空気から分離することができる溶液を、排出するために設けられ、かつ空気中の蒸気圧と等しい蒸気圧をもたらす、少なくとも1つの第1のアウトプット開口部(14)と、溶液から分離した空気を排出するために設けられ、かつ電気の生成を可能にするための、少なくとも1つの第2のアウトプット開口部(15)と、を備えること、ならびに、本発明の発電機(1)が、チャンバ(10)内で磁界を作り出すことができる、少なくとも1つの磁石(20)と、上記のインプット開口部(13)の近傍に位置付けられた、少なくとも1つの第1の電極(21)と、第1のアウトプット開口部(14)の近傍に位置付けられた、少なくとも1つの第2の電極(22)と、を備えることである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性溶液が磁界を通過することに依存して電気を生成できる、発電機(1)であって、
少なくとも1つのインプット開口部(13)によって中に取り入れることができる、加圧された溶液及び空気の混合物を、遠心分離することができる、少なくとも1つのチャンバ(10)と、
前記チャンバ(10)において前記混合物を遠心分離することによって、空気から分離することができる溶液を、排出するために設けられ、かつ空気中の蒸気圧と等しい蒸気圧をもたらす、少なくとも1つの第1のアウトプット開口部(14)と、混合物に存在する溶液から分離した空気を排出するために設けられた、少なくとも1つの第2のアウトプット開口部(15)と、
を備え、
発電を可能にするために、
前記チャンバ(10)に磁界を作り出すことができる、少なくとも1つの磁石(20)と、前記インプット開口部(13)の近傍に位置された、少なくとも1つの第1の電極(21)と、前記第1のアウトプット開口部(14)の近傍に位置された、少なくとも1つの第2の電極(22)と、
を備える、発電機(1)。
【請求項2】
前記インプット開口部(13)は、加圧された溶液を得ることができる、少なくとも1つの溶液インプット部分(131)と、空気を得ることができる少なくとも1つの空気インプット部分(132)と、を有する、請求項1に記載の発電機(1)。
【請求項3】
前記第1の電極(21)及び前記第2の電極(22)は、少なくとも1つのエネルギー生成ユニット(30)に関連付けられる、請求項1に記載の発電機(1)。
【請求項4】
少なくとも1つの待機区画(16)が提供され、そこに前記チャンバ(10)が接続される、請求項1に記載の発電機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性溶液が磁界を通過することに依存して電気を生成できる、発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気流体力学(MHD)の発電は、いかなる中間の機械的エネルギー伝達もなしに、導電性流体によって電気エネルギーを直接生成することに基づく。従来の発電機または交流発電機は、導電性銅巻線を備えるが、MHD発電機には、導体、熱イオン化ガス、または液体導体が使用される。
【0003】
磁気流体力学の発電機は、導電性フローを必要とする。この導電性流体は、基本的にプラズマである。プラズマとして、プラズマ形態への空気の変換が利用される。これは、非常に高温であることを意味する。しかしこの状態は、原子力発電所においてのみ生成することができる。したがって、より低温のシステムにおいては効率的に機能しない。閉じたプラズマサイクルにおいて、高温値及び高速度値が必要とされる。液体金属及び類似の導体によって機能するシステムの効率は、非常に低い。
【0004】
当技術分野で公知である、ロシア国実用新案出願公開第127544号明細書は、ケーシング、水または水蒸気を入口に提供するための少なくとも1つのノズル、及び少なくとも2つのMHD発電機、を備えた磁気流体力学発電システムに関し、それらの各々はラバールノズルの形態で作られる。当技術分野で公知である、この出願が検査されたとき、上記の発電は、プラズマ温度がほぼ6000℃である瞬間に行われた。しかし、このタイプのシステムを設計すること、及びこのような高温に達することは、コストがかかり、当技術分野における適用性は低い。それは、非常に大きい発熱化学反応、または核爆発の効果の結果としてのみ、行うことができる。したがって、この技術的利点の有用性及び普及性は低い。
【0005】
その結果、上述の課題のため、関連の技術分野における改良が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】ロシア国実用新案出願公開第127544号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の欠点を排除するため、及び新たな利点を関連の技術分野にもたらすための発電機に関する。
【0008】
本発明の目的は、導電性溶液によって電気を生成でき、同時に溶液の再生成を提供できる、発電機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的、及び以下の詳細な説明から推論される目的を実現するため、本発明は、導電性溶液が磁界を通過することに依存して電気を生成できる、発電機である。したがって改善点は、本発明の発電機が、少なくとも1つのインプット開口部によって取り入れることができる加圧された溶液及び空気の混合物を、遠心分離できる、少なくとも1つのチャンバと、このチャンバにおいて混合物を遠心分離することによって、空気から分離することができ、かつ空気中の蒸気圧と等しい蒸気圧にされた溶液を、排出するために設けられた、少なくとも1つの第1のアウトプット開口部と、混合物に存在する溶液から分離した空気を排出するために設けられ、かつ電気の生成を可能にするための、少なくとも1つの第2のアウトプット開口部と、を備えること、ならびに、本発明の発電機が、上記のチャンバ内で磁気を作り出すことができる、少なくとも1つの磁石と、上記のインプット開口部の近傍に位置付けられた、少なくとも1つの第1の電極と、上記の第1のアウトプット開口部の近傍に位置付けられた、少なくとも1つの第2の電極と、を備えることである。このように、溶液の再生成をもたらすことができ、この溶液から電気の生成をもたらすことができる構造が、実現される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の可能な実施形態において、インプット開口部は、加圧された溶液を得ることができる少なくとも1つの溶液インプット部分と、空気を得ることができる少なくとも1つの空気インプット部分と、を有する。このように、溶液及び空気の混合物は、溶液の圧力に依存して、余分なエネルギーを消費することなく、チャンバの中に取り入れられる。
【0011】
本発明の、別の可能の実施形態において、第1の電極及び第2の電極は、少なくとも1つのエネルギー生成ユニットに関連付けられる。これによって、電極に存在する電圧は有用となる。
【0012】
本発明の、別の可能な実施形態において、少なくとも1つの待機区画が設けられ、そこに上記のチャンバが接続される。このように、圧力は、遠心分離された溶液を排出する前に、空気圧によってバランスが保たれる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の発電機の代表的な斜視図である。
図2】本発明の発電機の代表的な断面図である。
図3】本発明の発電機の代表的な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この「発明を実施するための形態」において、本発明をより理解できるようにするためだけのために、いかなる限定的な影響も形成しない例を参照して、本発明を説明する。
【0015】
図1において、本発明の発電機(1)の代表的な斜視図で与えられる本発明の発電機(1)は、基本的に流体力学的方向によって電気を生成する構造を有する。発電機(1)は基本的に、磁界において、導電性を有する溶液の移動に依存して電気を生成し、さらにはこの発電機(1)は、この溶液の再生成をもたらす。
【0016】
溶液の再生成は、この溶液が存在する場所の空気が、特定の時間に存在する蒸気圧に等しい蒸気圧を有することである。この溶液が、開放された媒体にとどまるとき、この溶液は、この溶液に存在する媒体の蒸気圧に等しい蒸気圧を有する。しかし、この期間が長いため、ならびに昼間と夜間との間の蒸気圧、及び相対湿度が異なるため、所望の蒸気圧を有するような蒸気圧を得ることは、困難となる。したがって、再生成プロセスが、異なる蒸気圧であるときに適用される際に、異なる蒸気圧を有する溶液を得ることができる。このプロセスは、当技術分野における様々な理由によって適用されることが、必要とされ得る。
【0017】
流体力学的方法による電気の生成において、導電性溶液を磁界で移動させ、閉回路を形成して、溶液の移動を電気エネルギーに変換する、という原理がある。本発明の発電機(1)は、一方の側から電気を生成し、他方の側から溶液を再生成する構造を有する。
【0018】
図2において、本発明の発電機(1)の代表的な断面図が与えられる。このように発電機(1)は、少なくとも1つのチャンバ(10)を有し、そこで溶液を位置付けることができる。チャンバ(10)は、基本的に円筒形状であり、その一方の側にベース(11)セクションが存在し、他方の側に少なくとも1つのカバー(12)セクションが存在する。チャンバ(10)は円筒形状なので、溶液の遠心分離(この利点は以下で説明する)が提供される。チャンバ(10)において、少なくとも1つのインプット開口部(13)、少なくとも1つの第1のアウトプット開口部(14)、及び少なくとも1つの第2のアウトプット開口部(15)、が存在する。
【0019】
インプット開口部(13)は、溶液及び空気の混合物をチャンバ(10)の中に入れる。インプット開口部(13)は、基本的にチャンバ(10)のカバー(12)の近傍に位置付けられる。チャンバ(10)のインプット上に、空気インプット部分(132)及び溶液インプット部分(131)が存在する。空気インプット部分(132)において、残気が存在する。加圧された溶液は、溶液インプット部分(131)を通してインプット開口部(13)に入ることができる。溶液が加圧された形態でインプット開口部(13)に与えられるので、空気の吸引が、空気インプット部分(132)を通して自然にもたらされる。この条件は、ベンチュリ原理の例である。インプット開口部(13)を通してチャンバ(10)に入る、加圧された溶液及び空気の混合物は、円筒形状のチャンバ(10)の周りで回転して、下方に落下する。この場合、溶液及び空気の混合物は、遠心分離の影響によって、チャンバ(10)の壁に残される。
【0020】
溶液及び空気の混合物における、空気及び溶液は、遠心分離の影響によって互いから分離される。空気から分離された溶液を、基本的にチャンバ(10)のベース(11)の周辺に設けられた、少なくとも1つの第1のアウトプット開口部(14)を通して、外部に排出することができる。この結果、排出された溶液の蒸気圧は、遠心分離中に蒸気を空気に与えることによって、または空気から蒸気を取ることによって、空気中の蒸気圧と等しくなる。本発明の可能な実施形態で、チャンバ(10)のベース(11)における少なくとも1つの待機区画(16)は、第1のアウトプット開口部(14)を通して排出される前に、溶液が待機する部分である。待機する溶液の蒸気圧は、遠心分離中に、蒸気を空気に与えることによって、または空気から蒸気を取ることによって、空気中の蒸気圧に対する均衡をもたらすために、バランスをとる機能を実現できる。遠心分離の結果、溶液から分離された空気を、基本的にチャンバ(10)のカバー(12)の近傍に設けられた第2のアウトプット開口部(15)によって、外部に排出することができる。
【0021】
図3において、本発明の発電機(1)の代表的な概略図が与えられる。このように、チャンバ(10)は、少なくとも1つの磁石(20)に関連付けられる。磁石(20)は、基本的にチャンバ(10)の中に磁界を作り出し、それによって溶液は影響を受ける。磁石(20)を、チャンバ(10)の内側部分に設けることができる。または、チャンバ(10)を取り囲むように、チャンバ(10)の外側部分に設けることができる。本発明の可能な実施形態において、磁石(20)を、固定されたネオジム磁石(20)とすることができる。または、直流電磁石もしくは交流電磁石とすることができる。磁石(20)によって閉回路を形成するために、少なくとも1つの第1の電極(21)及び少なくとも1つの第2の電極(22)が、チャンバ(10)に位置付けられる。第1の電極(21)は、基本的にインプット開口部(13)の近傍に位置付けられ、溶液に接触する。第2の電極(22)は、第1のアウトプット開口部(14)の近傍に位置付けられ、流体溶液に接触する。これによってチャンバ(10)で加圧されて移動された溶液は、イオン化され、かつ電流を提供する。第1の電極(21)及び第2の電極(22)は、少なくとも1つの電気生成ユニット(30)に接続される。エネルギー生成ユニット(30)は、電極に存在する電圧差を、電気に変換する。エネルギー生成ユニット(30)は、得られた電流を整流して様々なプロセスに通す、構成要素を備えることができる。
【0022】
代替の実施形態において、発電機(1)から得られたガスは、水素ガスとすることができる。電気が水ベースの溶液を用いて生成される一方で、電気が溶液を通過して水素ガスをアウトプットするため、水はイオン化される。水素ガスは、燃料として使用することができる。別の代替の実施形態において、イオン化して同時に溶液を再生成することによって、塩素生成プロセスのため、または塩の化学構造を変えるため、に使用することができる。
【0023】
これら全ての実施形態によって、空気、及び空気に混合された溶液を、互いから分離することができ、それによって、溶液の再生成が、高温及び高圧を必要とせずに提供され得る。流体力学の電気を生成する、この溶液を使用することで、当技術分野で公知の流体力学の発電で使用される溶融金属または液体金属は、除外される。発電機(1)は、2つの異なるアウトプットを有し、そのため高い効率を有し、かつ環境にやさしい。
【0024】
本発明の保護範囲は、添付の「特許請求の範囲」に記載されるが、「発明を実施するための形態」における上記の例示的開示に限定されない。なぜなら、関連技術分野の当業者は、前述の開示基づき、本発明の主な趣旨から逸脱することなく、類似の実施形態を明確に生み出すことができるからである。
【符号の説明】
【0025】
1 発電機
10 チャンバ
11 ベース
12 カバー
13 インプット開口部
131 溶液インプット部分
132 空気インプット部分
14 第1のアウトプット開口部
15 第2のアウトプット開口部
16 待機区画
20 磁石
21 第1の電極
22 第2の電極
30 エネルギー生成ユニット
図1
図2
図3
【国際調査報告】