(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-12
(54)【発明の名称】液密移送コンテナ用接続アセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16J 13/18 20060101AFI20240104BHJP
F16L 55/00 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
F16J13/18
F16L55/00 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535634
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-07-05
(86)【国際出願番号】 FR2021052256
(87)【国際公開番号】W WO2022123183
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511107784
【氏名又は名称】ゲティンゲ ライフ サイエンス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ブラン,ジャン
【テーマコード(参考)】
3J046
【Fターム(参考)】
3J046AA07
3J046BA10
3J046BC01
3J046BC16
3J046BD06
3J046DA10
(57)【要約】
セル・フランジ(18)およびセル・ドア(22)を含む液密移送セルを備えた液密移送コンテナ用の接続アセンブリであって、前記アセンブリは、コンテナ・フランジ(20)と、コンテナ・フランジ(20)に取り付けられたコンテナ・ドア(24)とを含み、コンテナ・フランジ(20)は、セルへの第1の長手方向接続部分(42)とコンテナへの第2の長手方向接続部分(44)を含み、第1の長手方向接続部分(42)と第2の長手方向接続部分(44)は、コンテナ・ドアの反対側の肩部(84)によって接続されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セル・フランジ(18)およびセル・ドア(22)を含む液密移送セルを備えた液密移送コンテナ用の接続アセンブリであって、前記接続アセンブリは、コンテナ・フランジ(20)と、前記コンテナ・フランジ(20)に取り付けられたコンテナ・ドア(24)とを含み、前記コンテナ・フランジ(20)は、前記セルへの第1の長手方向接続部分(42)とコンテナへの第2の長手方向接続部分(44)を含み、前記第1の長手方向接続部分(42)と前記第2の長手方向接続部分(44)は、前記コンテナ・ドアに向けられた肩部(84)によって接続されている、接続アセンブリ。
【請求項2】
前記第2の長手方向部分(44)が、前記コンテナ・フランジに一体化されたシュートを形成する、請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項3】
前記肩部(84)と前記肩部の反対側の前記コンテナ・ドア(24)の面との間に環状シール(88)を含む、請求項1または2に記載の接続アセンブリ。
【請求項4】
前記コンテナ・フランジと前記コンテナ・ドア(24)との間の差し込み接続手段を含み、前記コンテナ・フランジは差し込み接続を介して前記セル・フランジ(18)に接続されるように構成され、前記コンテナ・ドア(24)は差し込み接続を介して前記セル・ドア(22)に接続されるように構成され、前記コンテナ・フランジは、その半径方向内周に、半径方向内方に延びてノッチによって分離された内部ラグ(52)を含み、前記コンテナ・ドア(24)は、その半径方向外周に、ノッチ(64)によって分離されて半径方向外側に延びるラグ(62)を含み、前記コンテナ・ドア(24)は、前記セルへの前記接続アセンブリの接続段階における前記コンテナ・フランジの回転方向における前記コンテナ・フランジの内部ラグ(52)のための少なくとも1つのアバットメント要素(70)含む第1のアバットメント・セット(67)と、前記第1のアバットメント・セット(67)とは別個の第2のアバットメント・セット(68)であって、前記セルへの前記接続アセンブリの分離段階における前記コンテナ・フランジの回転方向における前記コンテナ・フランジの内部ラグ(52)のための少なくとも1つのアバットメント要素(72)を含む第2のアバットメント・セット(68)とを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の接続アセンブリ。
【請求項5】
前記第1のアバットメント・セット(67)は、内部ラグ(52)の数と同じ数のアバットメント要素(70)を含み、前記第2のアバットメント・セット(68)は、内部ラグ(52)の数と同じ数のアバットメント要素(72)を含む、請求項4に記載の接続アセンブリ。
【請求項6】
前記コンテナ・ドア(24)の前記ラグ(62)が、前記内部ラグ(52)の角度拡張の2倍に等しい角度拡張を有する、請求項4または5に記載の接続アセンブリ。
【請求項7】
前記第1のアバットメント・セット(67)の各アバットメント要素(70)は、前記コンテナ・ドア(24)のラグ(62)の側端に位置し、前記第2のアバットメント・セット(68)の各アバットメント要素(72)は、前記コンテナ・ドア(24)のラグ(62)の2つの前記側端から等距離に位置する、請求項4~6のいずれか一項に記載の接続アセンブリ。
【請求項8】
各アバットメント要素(70、72)が、前記コンテナ・ドアの軸に平行なピンによって形成される、請求項4~7のいずれか一項に記載の接続アセンブリ。
【請求項9】
前記コンテナ・ドアが、3つのラグを実装する差し込み接続を介して前記セル・ドアに接続されるように構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載の接続アセンブリ。
【請求項10】
前記コンテナ・フランジが、3つのラグを実装する差し込み接続を介して前記セル・フランジに接続されるように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の接続アセンブリ。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の接続アセンブリと、前記コンテナ・フランジに固定されたコンテナとを含む、液密移送コンテナ。
【請求項12】
前記コンテナは、溶接またはクランプによって前記第2の接続部分に固定される、請求項11に記載の液密移送コンテナ。
【請求項13】
セル・フランジと、セル・ドアと、前記セル・ドアを前記セル・フランジにロックするための手段と、請求項11または12に記載の液密移送コンテナとを備えるセルを含む、液密移送設備。
【請求項14】
前記セルは内部シュートを含み、前記内部シュートは、前記内部シュートの第1の長手方向端が前記肩部に当接するように移動可能である、請求項13に記載の液密移送設備。
【請求項15】
前記内部シュートの前記第1の長手方向端が、前記肩部(84)と接触するように意図された環状シール(88’)を含む、請求項14に記載の液密移送設備。
【請求項16】
前記内部シュート(90)の前記第1の長手方向端は、前記内部シュート(90)が前記肩部(84)に当接しているときに、実質的に滑らかな内面を有する導管が形成されるように、前記第2の長手方向部分の内径に近いか、または等しい内径を有する、請求項14または15に記載の液密移送設備。
【請求項17】
前記コンテナ・ドアと前記セル・ドアとの間の前記差し込み接続が3つのラグを実装している、請求項9と組み合わせた請求項13~16のいずれか一項に記載の液密移送設備。
【請求項18】
前記コンテナ・フランジと前記セル・フランジとの間の前記差し込み接続が3つのラグを実装する、請求項10と組み合わせた請求項13~17のいずれか一項に記載の液密移送設備。
【請求項19】
前記ロック手段の電動制御装置を含む、請求項13~18のいずれか一項に記載の移送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液密移送コンテナ用の接続アセンブリ、およびそのような接続アセンブリを含むコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
原子力、医療、製薬、農産物分野が挙げられるいくつかの産業分野では、密閉された大気の中で特定の作業を実行し、例えば放射能や毒性などから環境を保護するため、あるいは逆に、無菌または塵のない大気でこれらの作業を実行できるようにし、あるいは最終的には両方を同時に実行できるようにすることが必要または望ましい。
【0003】
外部に対する各容積の液密性を常に破壊することなく、ある密閉容積から別の容積へ装置または製品を移送することは、対処するのが困難な問題を引き起こす。この問題は、両開きドア接続装置を使用することで解決できる。
【0004】
複数の安全制御装置を備えたこのような両開きドア装置は、例えば仏国特許第2695343号明細書から知られている。各容積はフランジに取り付けられたドアによって閉じられる。各ドアは、差し込み接続、またはヒンジとロック・システムを介してそのフランジと係合しており、2つのフランジは差し込み接続を介して互いに係合するように設計されている。
【0005】
例えば、閉鎖容積の一方はアイソレータによって形成され、もう一方の容積は液密移送バッグとも指定される可撓性コンテナによって形成される。
【0006】
従来、アイソレータに担持される接続部分はアルファ部分として指定され、コンテナに担持される接続部分はベータ部分として指定される。
【0007】
接続された容積間の液密性を確保するために、アルファ部分とベータ部分にシールが設けられている。
【0008】
ベータ部分は、ベータ・ドアによって閉じられるベータ・フランジを含み、ベータ・フランジとベータ・ドアは差し込み接続を介して互いに協働し、アルファ部分は、アルファ・ドアによって閉じられるアルファ・フランジを含み、アルファ・ドアは、ヒンジを介してアルファ・フランジ上に関節接続される。ベータ・フランジとベータ・ドアの間の液密性は、ベータ・フランジ内に収容されたシールによって提供される。
【0009】
移送バッグとエンクロージャー間の接続は、差し込みタイプの接続を介したベータ・フランジとアルファ・フランジの機械的協働によって行われる。この機械的な協働により、機械的な係合と接続の液密性の両方が提供される。
【0010】
液密接続サイクルは次のとおりである。
【0011】
ベータ部分を担持するコンテナがアルファ部分に近づけられ、ベータ・フランジのラグがアルファ・フランジのノッチに侵入し、ベータ・ドアのラグがアルファ・ドアのノッチに侵入する。コンテナは例えば時計回りに旋回し、ベータ・フランジのラグが旋回してアルファ・フランジの溝内を摺動する。同時に、ベータ・フランジに担持されたシールの摩擦により、コンテナの回転によりベータ・ドアが回転し、差し込み接続を介してベータ・ドアとアルファ・ドアが接続される。その後、2つのドアが係合する。ベータ・ドアの各ラグは、アルファ・ドアが担持する円周状のアバットメントに当接する。
【0012】
ベータ・ドアのラグがアルファ・ドアの周方向のアバットメントに当接するため、コンテナは再び旋回され、コンテナの回転によりベータ・ドアとベータ・フランジの間の分離が引き起こされる。
【0013】
シールにより、シールの1つはベータ・フランジに、もう1つはアルファ・ドアに担持されており、次の代替案が可能である。
【0014】
アルファ・ドアに担持されたシールの摩擦により、ベータ・フランジのラグが旋回し、アルファ・フランジの溝内で摺動するのと同時に、ベータ・ドアは回転不能に維持され、ベータ・ドアはベータ・フランジから分離される。ベータ・フランジの各ラグは、ベータ・ドアによって担持される円周方向のアバットメントに当接する。
【0015】
ベータ・フランジのラグがベータ・ドアの円周方向のアバットメントに当接することにより、コンテナは再び旋回し、コンテナの回転によりベータ・ドアが回転し、差し込み接続を介してベータ・ドアとアルファ・ドアが接続される。その後、2つのドアが係合する。
【0016】
セルの内側から、アルファ・ドアのロックが解除され、2つのドアのアセンブリをヒンジの軸を中心にセルの内側に向かって回転させることができる。
【0017】
2つの容積間の移送を行うことができる。
【0018】
分離サイクルは次のとおりである。
【0019】
2つのドアはフランジの所定の位置に設置される。
【0020】
コンテナは反時計回りに回転する。ドア間の摩擦により、ベータ・ドアは回転不能のままになり、ベータ・ドアとベータ・フランジの接続が生じる。次いで、ベータ・フランジによって担持される円周方向のアバットメントがベータ・ドアの円周方向のアバットメントに当接し、アルファ・ドアに対するベータ・ドアの回転およびその分離を引き起こす。コンテナもアルファ・フランジから分離される。その後、コンテナをフランジから取り外すことができる。
【0021】
ベータ・フランジによって担持される周方向アバットメントは、ベータ・フランジのラグの周方向端によって形成される。これにより、大きな円周寸法のラグが得られる。例えば、アルファ・フランジには4つのラグが含まれており、各ラグは60°の角度にわたって延びている。
【0022】
コンテナ、一般的には可撓性バッグは、通常、製薬産業の充填ラインで、プラグ、注射器ピストン、プラスチック・ボトルなどの小さなコンポーネントを無菌的に移送することを目的としている。
【0023】
コンテナとセルの間の移動中にコンポーネントが詰まり得る。
【0024】
さらに、「懸念環」と呼ばれる汚染環を守るために、コンテナ内の内側のスリーブは通常、オペレータによってセルの方向に展開され、このスリーブは汚染環を覆い、コンポーネントの流れのためのチャネルを配置する。この内部スリーブを所定の位置に設定すると、セルの内側からオペレータが介入する必要があり、一方では動作が複雑になり、移送時間が延長され、他方では、外側から開口システムの代わりに設定することができなくなる。つまり、セルの内側からオペレータの介入を必要としない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
したがって、本発明の目的は、コンテナとセルとの間の移送を容易にする、フランジおよびドアを備える液密移送コンテナ用の接続アセンブリを提供することである。
【0026】
さらに、本発明の目的は、移送中の内部スリーブの使用を克服することを可能にする、フランジおよびドアを備える液密移送コンテナ用の接続アセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上で発表された目的は、フランジとドアを備える液密移送コンテナ用の接続アセンブリによって達成され、フランジは一体化されたシュートを含み、シュートは、ベータ・ドアに向けられた肩部によって、アルファ部分およびドアへの接続を確実にするフランジの部分に接続される。このように、コンテナ機能と接続機能が分離される。
【0028】
セル内に配置されたシュートの端は、有利には肩部に当接され、汚染環を保護することになる。さらに、フランジのラグがコンポーネントから隔離されるため、詰まりの危険性が排除される。
【0029】
これにより、汚染環を保護するためにアイソレータ内に内部スリーブを配置する必要がなくなった。したがって、本発明によるベータ・フランジは、電動式であるかどうかに関係なく、外部開口システムによるアルファ・ドアの開口に特に適合しており、アイソレータの内側からの手動動作や手袋の存在が排除される。
【0030】
一方では、ベータ・ドアが閉じられると、ベータ・フランジと一体化したシュートと閉じたコンテナ・ドアが滑らかな壁の空間を形成するため、コンテナに含まれるコンポーネントがフランジとドアの間に詰まることはない。一方、両開きドアが開いているときは、一体化されたシュートと、ベータ・フランジの肩部に当接するアイソレータに内蔵されたシュートとにより、障害物のない移送経路が形成される。コンポーネントの注入が容易になる。
【0031】
一体化されたシュートの寸法や形状は移送するコンポーネントの形状や寸法によって異なる。
【0032】
別の態様によれば、ベータ・ドアは2つの円周アバットメント・セットを含み、一方のアバットメント・セットは、コンテナがアルファ部分に接続されている間に作動し、他方のアバットメント・セットは、アルファ部分からコンテナが分離されている間に作動され、これら2つのセットは、フランジのラグと協働して、ドアをフランジに確実にロックする。ベータ部分のラグの角度拡張を実質的に減少させることができ、例えば、角度拡張を従来技術の60°の代わりに30°にすることができる。
【0033】
この角度拡張の減少により、射出により実行されるフランジの成形が容易になり、アンダーカットの数を減らすことができる。したがって、射出によってベータ・フランジを実行することが有利になる。材料の増加が得られる。
【0034】
フランジがコンテナの機能と接続の機能を分離しない場合、ラグの角度拡張を小さくすることで、コンテナとセルの間の通路の面積を大幅に増やすことにより、コンポーネントの詰まりの危険性を制限することができる。
【0035】
換言すれば、ベータ・ドアの接続を目的としたベータ・フランジのラグは、フランジ上でのドアの係合を確実にするような寸法であり、アバットメントはフランジとドアとの間に分配されず、ドア上にのみ配置される。
【0036】
ドアのみにアバットメントを設けることは、その製造をほとんど複雑にすることがなく、ベータ・ドアをアルファ・ドアに係合させてセル内に収容する際に、アバットメントが移送の妨げになることはない。
【0037】
したがって、本出願の目的は、セル・フランジおよびセル・ドアを含む液密移送セルを備えた液密移送コンテナ用の接続アセンブリであり、前記接続アセンブリは、コンテナ・フランジと、コンテナ・フランジに取り付けられたコンテナ・ドアとを含み、フランジは、セルへの第1の長手方向接続部分と、コンテナへの第2の長手方向接続部分とを含み、第1の長手方向接続部分と第2の長手方向接続部分は、コンテナ・ドアに向けられた肩部によって接続されている。
【0038】
有利には、第2の長手方向部分は、コンテナ・フランジに一体化されたシュートを形成する。
【0039】
好ましくは、アセンブリは、肩部と肩部の反対側のコンテナ・ドアの面との間に環状シールを含む。
【0040】
アセンブリには、コンテナ・フランジとコンテナ・ドアの間に差し込み接続手段を含めることができ、コンテナ・フランジは差し込み接続を介してセル・フランジに接続されるように構成され、コンテナ・ドアは差し込み接続を介してセル・ドアに接続されるように構成され、コンテナ・フランジは、その半径方向内周に、半径方向内側に延びてノッチによって分離された内部ラグを含み、コンテナ・ドアは、その半径方向外周に、ノッチによって分離されて半径方向外周に延びるラグを含み、コンテナ・ドアは、セルへの接続アセンブリの接続段階におけるコンテナ・フランジの回転方向におけるコンテナ・フランジの内部ラグのための少なくとも1つのアバットメント要素を含む第1のアバットメント・セットと第1のアバットメント・セットとは別個の第2のアバットメント・セットであって、セルへの接続アセンブリの分離段階におけるコンテナ・フランジの回転方向におけるコンテナ・フランジの内部ラグのための少なくとも1つのアバットメント要素を含む第2のアバットメント・セットとを含む。
【0041】
好ましくは、第1のアバットメント・セットは、内部ラグの数と同じ数のアバットメント要素を含み、第2のアバットメント・セットは、内部ラグの数と同じ数のアバットメント要素を含む。
【0042】
一例では、コンテナ・ドアのラグは、内部ラグの角度拡張の2倍に等しい角度拡張を有する。
【0043】
追加の特徴によれば、第1のアバットメント・セットの各アバットメント要素は、コンテナ・ドアのラグの横端に位置し、第2のアバットメント・セットの各アバットメント要素は、コンテナ・ドアのラグの2つの横端から等距離に位置する。
【0044】
別の追加の特徴によれば、各アバットメント要素は、コンテナ・ドアの軸に平行なピンによって形成される。
【0045】
好ましい実施形態によれば、コンテナ・ドアは、3つのラグを実装する差し込み接続を介してセル・ドアに接続されるように構成される。
【0046】
コンテナ・フランジは、3つのラグを実装した差し込み接続を介してセル・フランジに接続されるように構成できる。
【0047】
本出願の目的はまた、本発明による接続アセンブリと、コンテナ・フランジに固定されたコンテナとを含む液密移送コンテナである。
【0048】
コンテナは、溶接またはクランプによって第2の接続部分に固定することができる。
【0049】
本出願の目的はまた、セル・フランジ、セル・ドア、セル・ドアをセル・フランジにロックするための手段、および本発明による液密移送コンテナを含むセルを含む液密移送設備である。
【0050】
セルは、有利には、内部シュートを含むことができ、内部シュートは、内部シュートの第1の長手方向端が肩部に当接するように移動可能である。有利には、内部シュートの第1の長手方向端は、肩部と接触するように意図された環状シールを含む。
【0051】
追加の特徴によれば、内部シュートの第1の長手方向端は、内部シュートが肩部に当接しているときに、実質的に滑らかな内面を有する導管が形成されるように第2の長手方向部分の内径に近いか、または等しい内径を有する。
【0052】
コンテナ・ドアとセル・ドアの間の差し込み接続は、3つのラグを実装できる。
【0053】
コンテナ・フランジとセル・フランジの間の差し込み接続は、3つのラグを実装できる。
【0054】
有利には、この設備は、ロック手段の電動制御を含む。
【0055】
本発明は、以下の説明および添付の図面に基づいてよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】差し込み式の両開きドア液密移送装置による移送コンテナとセルとの接続を模式的に示す縦断面図である。
【
図3】セルに接続され、内部シュートと並んで配置された接続アセンブリの側面図である。
【
図4】
図2Aのフランジの代替例の縦断面図である。
【
図10A】移送コンテナ用のフランジ、ドアおよびシール接続アセンブリの別の例、ならびに外側から見たセル・フランジおよびドアの斜視図である。
【
図11】
図10Aの移送コンテナ用のフランジを単独で示す上面図である。
【
図12B】
図10Aの移送コンテナ用のフランジ、ドア、およびシール接続アセンブリの外観図である。
【
図13A】
図10Aのアセンブリのセルへの異なる接続ステップのコンテナ側面図である。
【
図13B】
図10Aのアセンブリのセルへの異なる接続ステップのコンテナ側面図である。
【
図13C】
図10Aのアセンブリのセルへの異なる接続ステップのコンテナ側面図である。
【
図13D】
図10Aのアセンブリのセルへの異なる接続ステップのコンテナ側面図である。
【
図14A】他の実施形態によるセル・フランジおよびセル・ドアの正面図である。
【
図14B】他の実施形態によるセル・フランジおよびセル・ドアの正面図である。
【
図14C】他の実施形態によるセル・フランジおよびセル・ドアの正面図である。
【
図16A】
図14Aのセル・フランジおよびセル・ドアに接続されるように構成された接続アセンブリの斜視図である。
【
図16B】
図14Bのセル・フランジおよびセル・ドアに接続されるように構成された接続アセンブリの斜視図である。
【
図16C】
図14Cのセル・フランジおよびセル・ドアに接続されるように構成された接続アセンブリの斜視図である。
【
図17A】3つの外部ラグと3つの内部ラグを備えたフランジの斜視図である。
【
図17B】
図17Aのフランジに接続されるように適合されたコンテナ・ドアの外面の斜視図である。
【
図17C】
図17Aのフランジに接続されるように適合されたコンテナ・ドアの内面の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下の説明では、「セル・ドア」と「アルファ・ドア」という表現は同義語であり、「コンテナ・ドア」と「ベータ・ドア」という表現は同義語あり、「セル・フランジ」と「アルファ・フランジ」という表現は同義語であり、「コンテナ・フランジ」と「ベータ・フランジ」という表現は同義語である。
【0058】
図1には、本発明による移送コンテナを実装できる両開きドア液密移送システムの概略図が示されている。
【0059】
一般に、両開きドア移送システムは、セル・フランジの軸であるX軸を中心とした回転対称性を有している。
【0060】
以下の説明では、接続しようとする2つの閉じた容積は、それぞれアイソレータ10またはセルとコンテナ12に対応する。この例では、コンテナは可撓性のコンテナ部分を含む。
【0061】
セル10は壁14によって区切られており、
図1ではその一部のみが示されている。例えば、壁14に係合した遠隔マニピュレータおよび/または手袋(図示せず)などの遠隔操作手段を設けることができる。特に
図1に示すように、コンテナ12は壁16によっても区切られている。壁16は、例えば長方形の2枚のフィルムの縁を介して溶接することによって得られる可撓性バッグによって形成される。バッグは、フランジに液密に固定された開口を含む。
【0062】
両開きドア液密移送装置は、主にセル・フランジ18と、シール25を備えたコンテナ・フランジ20、セル・フランジ18によって区切られる円形開口を通常は閉鎖するシール82を備えたセル・ドア22、通常、コンテナ・フランジ20によって区切られる開口を閉鎖するコンテナ・ドア24を含む。セル・フランジ18およびコンテナ・フランジ20は、それぞれセル10の壁14およびコンテナ12の壁16に固定されている。この例では、セル・ドア22はヒンジ26を介してセル・フランジ18に関節結合されている。
【0063】
全体を参照番号28で示す手段により、ドア22および24の開閉を制御することができる。
【0064】
コンテナ・フランジ20へのコンテナ・ドア24の固定は、コンテナ・フランジ20のセル・フランジ18への係合およびコンテナ・ドア24のセル・ドア22への係合を可能にするために、差し込み接続によって提供される。両開きドアの液密移送システムには、他の2つの差し込み接続も含まれている。3つの差し込み接続はコンテナ・フランジ20がセル・フランジ18に接した後、コンテナ12がその軸を中心に、例えば時計回り方向に回転すると、コンテナ・フランジ20とセル・フランジ18が係合する効果があり、コンテナ・ドア24とセル・ドア22を係合させ、コンテナ・ドア24をコンテナ・フランジ20から外すように配置されている。動作モードでは、後の2つの動作は、コンテナ・ドア24がセル・ドア22と係合して両開きドアを形成した後にのみコンテナが開くように、連続して実行される。
【0065】
セル・フランジとセル・ドアによって形成されるアセンブリは、一般に「アルファ部分」と呼ばれる。
【0066】
コンテナ・フランジ20、フランジに取り付けられたコンテナ24およびシール25のドアによって形成され、フランジとコンテナ・ドア24の間、およびセル・フランジ18とコンテナ・フランジ20の間の両方のシールを提供するアセンブリは、一般に「ベータ部分」と指定される。
【0067】
次いで、移送コンテナは、ベータ接続部分と、この例では可撓性を有するコンテナとを含む。ベータ接続部分は接続アセンブリとも指定される。
【0068】
接続アセンブリには、コンテナ・フランジ20とコンテナ・ドア24が含まれる。コンテナは、例えば溶接によって、または機械的手段、例えば可撓性コンテナの場合にはクランプカラーによって、液密方式でフランジに係合される。
【0069】
図2Aには、本発明によるコンテナ・フランジ20の一例が示されている。フランジ20の本体は、第1の長手方向接続部分42および第2の長手方向接続部分44をコンテナに接続する肩部84を含む。
【0070】
ドア24の第2の面56は肩部の反対側にある。管状の第2の長手方向部分44および肩部84は、第2の長手方向端の外側に接する。
【0071】
第2の長手方向部分44は、一体化されたシュート86を形成する。「シュート」という用語は、例えば管状、または管の一部によって部分的に形成され、物体の案内を提供する流路を区切る要素を指す。
【0072】
肩部84およびシュート86は、物体の注入を確実にするために、セルを備えた内部シュートと非常に有利に協働するように意図されている。
【0073】
図2Bには、本発明によるコンテナ・フランジ20の別の例が示されている。非常に有利には、環状シール88が肩部84上に配置される。この例では、ドア24がフランジ20に取り付けられると、ドア24の面56がシール88と接触する。シール88の機能は、一方ではフランジ20とドア24との間、そして他方ではフランジ20とセルを備えた内部シュートとの間に液密性を提供することである。
【0074】
有利には、フランジ20の肩部に配置されたシール88は、ドアとコンテナ・フランジとの間の摩擦によって生じる粒子からコンテナ12の内容積を保護する。あるいは、
図2Cによれば、シール88をドア24の面56上に配置して、この液密性を提供することができる。次に、この代替例では、
図2Dに示すように、内部シュートにシール88’を追加することによって、フランジ20とセルを備えた内部シュートとの間の液密が行われる。
【0075】
フランジ20は、セルへの接続部分をコンテナ部分から分離し、したがって、「懸念環」として指定される汚染環を汚染される可能性から保護することを可能にする。
【0076】
次に動作例を説明する。
【0077】
コンテナは上述したようにセルに接続されており、セルとコンテナの間の通路は開いている。
【0078】
セル内に配置された内部シュート90(
図2Dおよび
図3)は、その長手方向端90.1の1つがシール88に当接されるか、またはシュート90によって担持されるシール88が肩部84と接触するような方法でフランジ20内の所定の位置に設置される。シール88の存在により、フランジ20と内部シュート90との間の液密性が確保され、粉体の移送が可能となる。
【0079】
非常に有利には、内部シュート90の内径は肩部84の内径に近いか、等しい。したがって、実質的に滑らかな内面を有する流路が、内部シュート90とフランジ20の一体化されたシュート86との間に配置され、コンテナとセルとの間を流れる物体の詰まりの危険性を制限し、さらには回避する。「実質的に滑らかな内面」という用語は、横寸法の変化がほとんどまたは全くない内面、または物体の流れにいかなる障害も生じない横寸法の連続的な変化を意味する。
【0080】
フランジ20により、「懸念環」と指定される汚染環から移送される物体を保護するためにアイソレータ内にスリーブを配置することを回避することができる。アイソレータ内部からの手動動作や、スリーブの展開に必要な手袋の存在がなくなった。この場合、フランジ20は、手動介入なしで、すなわち、オペレータによるセル・ドアのロックを内側からロック解除することなく、自動的にドアが開く設備に特に適合する。次に、セルのドアのロックとロック解除を制御する電動システムを実装できる。
【0081】
図2A乃至
図2Dの例では、一体化されたシュートは、円形断面および一定の直径を有する円筒形状を有し、肩部84に当接する内部シュートの端部と同軸である。
【0082】
図4乃至
図9Bには、一体化されたシュートの他の例が示されている。
【0083】
図4では、フランジ220は一体化されたシュート286を含み、その軸XCはフランジの第1の接続部分の軸に対して傾斜している。
【0084】
図5Aおよび
図5Bでは、フランジ320、320’は、それぞれ漏斗の形状の一体化されたシュート386、386’を含み、つまり、小さな基部がフランジの側面に向けられ、フランジの開口と等しい直径を有する切頭形状である。
【0085】
図5Aでは、円錐台の軸はフランジの軸と同軸である。
【0086】
図5Bでは、円錐台の軸がフランジの軸に対して傾斜している。
【0087】
図6Aおよび
図6Bでは、フランジ420、420’は、フランジの側に向けられた大きな基部を有する切頭形状をそれぞれ有し、フランジの開口に等しい直径を有する一体化されたシュート486、486’を含む。
【0088】
図6Aでは、円錐台の軸はフランジの軸と同軸である。
【0089】
図6Bでは、円錐台の軸がフランジの軸に対して傾斜している。
【0090】
図7では、フランジ520は、湾曲形状、例えばエルボ形状を有する一体化されたシュート586を含む。フランジに接続された一体化されたシュートの端の直径は、フランジの開口の直径と等しい。
【0091】
図8Aおよび
図8Bでは、フランジは、側壁が凹面である実質的に切頭形状を有する一体化されたシュート620、620’を含み、小さな基部がフランジの側に向けられ、フランジの開口に等しい直径を有する。
【0092】
図8Aでは、一体化されたシュートの軸はフランジの軸と同軸である。
【0093】
図8Bでは、一体化されたシュートの軸は、フランジの軸に対して傾斜している。
【0094】
図9Aおよび
図9Bでは、フランジ720、720’は、側壁が凸状である実質的に切頭形状をそれぞれ有する一体化されたシュート786、786’を含み、大きな基部がフランジの側面に向けられており、フランジの開口と等しい直径を有している。
【0095】
図9Aでは、内部シュートの軸はフランジの軸と同軸である。
【0096】
図9Bでは、内部シュートの軸がフランジの軸に対して傾斜している。
【0097】
【0098】
フランジ120は、セル小房のアルファ部分への第1の長手方向接続部分42と、可撓性コンテナへの第2の長手方向接続部分44とを備える長手方向軸X’を有する実質的に管状の形状を有する本体を含む。長手方向通路は、2つの長手方向部分を通って区切られる。第1の長手方向接続部42は、ドア24によって閉鎖されるように構成される。剛性コンテナを備えたコンテナは本発明の範囲を逸脱するものではない。
【0099】
第1の接続部分42は、その半径方向外周に、アルファ・フランジ18と協働して差し込み接続を形成するように意図された、外部ラグとして指定されるラグ46を含む。外部ラグ46は、規則的に角度を付けて分配されている。図示の例では、4つの外部ラグ46がある。有利には、外部ラグ46の配置および形状は、既存のコンテナのベータ部分のものと類似または同一であり、したがって、ユーザにとって支障なく、コンテナの互換性、さらには既存のコンテナを本発明によるコンテナと交換することが可能になる。
【0100】
第1の接続部42は、ドア24と協働する接続手段を含む。接続手段は差し込みタイプである。これらは、内部ラグとして指定されるラグ52を含み、図示の例では4つが半径方向内側に突出している。内部ラグ52は、軸X’の周りに規則的に角度を付けて分配されている。この例では、各内部ラグ52は30°の角度拡張を有し、従来技術のベータ部分の内部ラグと比べて比較的小さく、フランジを通る通路の断面を増加させることができる。
【0101】
図示の例では、各内部ラグ52は、半径に沿って外部ラグと位置合わせされている。
【0102】
フランジ120およびドア24は、有利には、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)の、低密度ポリエチレン(LDPE)の、ポリ塩化ビニル(PVC)の、ポリスルホン(PSU)の、ポリカーボネート(PC)の、ポリプロピレン(PP)の、環状オレフィン共重合体(COC)の、ポリエーテルイミド(PEI)の、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)の、ポリブチレンテレフタレート(PBT)の、ポリオキシメチレン(POM)の、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の、ポリメチルメタクリレート(PMMA)/アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)の混合物の、ポリスチレン(PS)の、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)の、またはスチレン-アクリロニトリル共重合体(SAN)のなどのプラスチック材料で作られる。フランジは、有利には、射出によって直接得ることができる。実際、内部ラグ52の角度寸法が減少すると、アンダーカットのサイズが制限され、したがって金型内に実装される摺動の幅が制限されるため、射出成形が容易になる。
【0103】
図12Aおよび
図12Bでは、ドア24の一実施形態の上面図が見られる。ドア24は、円盤状をなしている。これは、コンテナの外側でアルファ・ドア22の反対側に配置される第1の面54と、コンテナの内側に配置される第2の面56とを備えた本体を含む。2つの面54、56は縁57によって接続されている。
【0104】
ドアは、その第2の面56に、フランジ120の内部ラグ52と協働するように構成された接続手段58を含み、その第1の面54にセル・ドア22への接続手段60を含む。
【0105】
接続手段58は、ディスクの半径方向外周上に、ノッチ64によって2つずつ分離されたラグ62を含む。ドアは、縁57に形成され、ノッチ64を互いに接続する環状溝66(
図12C)を含む。ドアの本体は、プラトー59およびラグを備える。
【0106】
ラグおよびノッチは、ドア24の軸の周りに規則的に角度を付けて分配されている。
【0107】
ノッチは、フランジの内部ラグの取り付けを可能にするために約30°の角度拡張を有し、ラグは60°の角度拡張を有している。差し込み接続用のノッチにラグを取り付けることを可能にするために、例えば約5°の角度遊びが設けられている。
【0108】
さらに、ドア24は、第1のアバットメント・セット67を含み、これは接続セットと呼ばれ、コンテナとアルファ部分との接続中にフランジ120の回転の一部にわたってコンテナ・ドア24とセル・ドア22の回転係合を可能にすることを目的としている。ドア24はまた、第2のアバットメント・セット68を含み、これは、分離セットと呼ばれ、アルファ部分からのコンテナの分離中にフランジの回転の一部にわたってフランジ120とドア24の回転係合を可能にすることを目的としている。
【0109】
この実施形態では、接続アバットメント・セット67は4つのアバットメント要素70を含み、各アバットメント要素70は、フランジ120の内部ラグ52の第1の側端52.1と協働するように意図されている。
【0110】
各アバットメント要素70はドア24のラグの側端に位置し、アバットメント要素70は均一な角度で分配するように相互に配置される。それらは90°の角度で互いに分離されている。この例では、アバットメント要素70は、ドアの軸に平行に取り付けられ、ラグ、溝、およびプラトーを通過するピン、例えば金属ピンによって形成される。ピンは、ドアの製造後にドアに取り付けることができる。
【0111】
あるいは、アバットメント要素70は、例えば熱可塑性プラスチックの射出による成形中に、ドアの本体とともに直接形成される。
【0112】
あるいは、1つ、2つまたは3つのアバットメント要素70が実装される。しかし、アバットメント要素の数が多いほど力を分散できるため、フランジが劣化する危険性が制限される。
【0113】
この実施形態では、分離アバットメント・セット68は4つのアバットメント要素72を含み、各アバットメント要素72は、フランジ120の内部ラグ52の第2の側端52.2と協働するように意図されている。
【0114】
各アバットメント要素72はドアのラグ62の中央ゾーンに配置され、アバットメント要素72は均一な角度で分配するように相互に配置される。それらは90°の角度で互いに分離されている。この例では、アバットメント要素72は、ドアの軸に平行に取り付けられ、ラグ、溝、およびプラトーを通過するピン、例えば金属ピンによって形成される。ピンは、ドアの製造後にドアに取り付けることができる。
【0115】
あるいは、アバットメント要素72は、例えば熱可塑性プラスチックの射出による成形中に、ドアの本体とともに直接形成される。
【0116】
アバットメント要素70に関しては、1つ、2つまたは3つのアバットメント要素72を実装することができる。しかし、アバットメント要素の数が多いほど力を分散できるため、フランジが劣化する危険性が制限される。
【0117】
接続セットのアバットメント要素70に対する分離セットのアバットメント要素72の間の角度アルファが選択されるため、この角度の値の角変位により、接続段階において、フランジ120とドア24との間の接続が解除され、コンテナ・ドア24とセル・ドア22との間が接続される。この角度アルファの値の角変位は、分離段階において、コンテナ・ドア24とコンテナ・フランジ120の接続、およびコンテナ・ドア24とセル・ドア22の分離を提供する。
【0118】
図示の例では、ベータ・フランジ52の内部ラグは30°の角度拡張を有し、ベータ・ドア62のラグは60°の角度拡張を有し、ラグ64間のノッチは30°の角度拡張を有し、取り付け角度の遊びを考慮せずに内部ラグ52を収容する。
【0119】
フランジ120の同じ内部ラグの第1横縁52.1および第2横縁52.2と接触するように意図されたアバットメント要素70とアバットメント要素72との間の角度アルファは60°に等しい。
【0120】
アバットメント要素の数と相対角度位置は、内部ラグの数と、コンテナ・ドアとフランジの間、およびコンテナ・ドアとセル・ドアの間の差し込み接続に関与するさまざまな要素の角度拡張に応じて選択される。
【0121】
ドア24とセル・ドア22との間の接続手段60は、その外周に設けられた円形の中空刻印74を含み、ノッチ76が半径方向外側に延び、セル・ドアのラグを受け入れるように意図されている。ドアの軸を中心とする環状溝78がノッチを接続し、セル・ドアのラグを収容する。
【0122】
セル・ドア22は、セルの外側に位置する面から突出する、その外周に半径方向外側に延びるラグ80を備えた突出ディスクを含み、コンテナ・ドア24のノッチ76に受け入れられ、溝78と協働して2つのドアが長手方向に互いに対して固定されることを保証するように意図されている。環状シール82は、セル・ドア22の外面に設けられ、コンテナ・ドアの面と接触し、ドア22、24の2つの面の間の液密性を確保することを意図している。
【0123】
フランジ120はクリアな通路を有しており、その実現は単純化されている。追加のアバットメント・セットをコンテナ・ドアに追加することは、その製造を複雑にしないか、またはほとんど複雑にしない。
【0124】
次に、本発明による接続アセンブリを含むコンテナとセルとの間の接続および分離サイクルについて説明する。
【0125】
液密接続サイクルの例を次に説明する。
【0126】
コンテナをセル・フランジおよびセル・ドアに近づけると、フランジ120の外部ラグ46がセル・フランジ18のノッチに侵入し、セル・ドア22のラグ80がコンテナ・ドア24のノッチ76に侵入する(
図10Aおよび
図13A)。コンテナは時計回り方向に旋回し、外部ラグ46も旋回し、セル・フランジ18の溝内で摺動する。同時に、コンテナとセルのドアの間の摩擦により、コンテナ・ドア24は、フランジ120に対して回転しないように維持され、内部ラグ52は、コンテナ・ドア24に対して摺動し、ドア24のノッチ64に面して配置され、その後、フランジ120とドア24とが分離される(
図13B)。さらに、フランジ120の各内部ラグ52は、その第1の横縁52.1によって、ドア24によって担持される接続セットのアバットメント要素70に当接している。
【0127】
コンテナは、フランジ120の内部ラグ52がアバットメント要素70に当接することにより再び旋回され、コンテナの回転はドア24の回転を引き起こし、これによりドア24と22の相対回転が生じ、差し込み接続60によるドア間の接続が行われる。次に、2つのドアが長手方向に係合し、液密に接触する(
図13C)。
【0128】
上述した接続サイクルのシーケンスの順序は、コンテナ・フランジによって担持されるシールとセル・ドアによって担持されるシールとの間の摩擦力に応じて変更することができる。接続サイクルは次のとおりである。同時に、コンテナ・フランジによって担持されるシールの摩擦により、コンテナの回転によりコンテナ・ドア24が回転し、コンテナ・ドア24とセル・ドア22との間の差し込み接続による接続が生じる。次に、2つのドア24、22が係合される。次いで、コンテナ・ドア24の各ラグは、セル・ドアによって担持される周縁アバットメントに当接する。
【0129】
コンテナ・ドア24のラグがセル・ドア22の周方向アバットメントに当接することにより、コンテナは再び旋回され、コンテナの回転によりコンテナ・ドア24とコンテナ・フランジ120との間の分離が生じる。
【0130】
セルの内側から、ロック手段28を制御してセル・ドア22のロックを解除し、2つのドアのアセンブリをヒンジ26の軸を中心にセルの内側に向かって旋回させることができる(
図13D)。
【0131】
2つの容積間の移送を行うことができる。フランジ120を通過する通路により、物体が詰まる危険性が実質的に減少する。
【0132】
分離サイクルの例は次のとおりである。
【0133】
2つのドア22、24のアセンブリは、フランジ内の所定の位置に設置される。
【0134】
コンテナは反時計回りに回転する。ドア間の摩擦により、ドア24は回転不能のままであり、これによりドア24とフランジ120が接続され、内部ラグ52は第2の横縁52.2によってアバットメント要素72に当接する。コンテナの回転は継続し、ドア22、24の相対回転を引き起こし、2つのドア22、24の分離を引き起こす。コンテナもセル・フランジ18から分離される。その後、コンテナをフランジから取り外すことができる。
【0135】
上述した分離サイクルのシーケンスの順序は、コンテナ・フランジによって担持されるシールとセル・ドアによって担持されるシールとの間の摩擦力に応じて変更することができる。2つのドア22、24が互いに分離され、その後、コンテナ・ドア24がコンテナ・フランジ120に接続される。
【0136】
角度拡張の他の値も考慮できることが理解されるであろう。角度拡張の値は、十分な機械的抵抗を確保するように選択される。
【0137】
上述の接続アセンブリは、適応を必要とせずに既存のアルファ部分に接続できるという利点も有する。
【0138】
図15Aに示す代替例によれば、分離アバットメント・セットはフランジ120上で実行され、このセットのアバットメント要素72’はラグの内端によって形成されず、別個の個別要素によって形成される。したがって、フランジは、射出成形を容易にするために、例えば60°ではなく30°など、角度拡張が低減されたラグを含む。アバットメント要素は、例えば成形によってフランジと一体に形成することができるが、これらの要素は形状が単純で寸法が小さいため、射出成形が複雑になることはない。
図15Bに示す別の代替案によれば、分離セットのアバットメント要素72’’は、フランジ上に追加された金属ピンによって実行される。
【0139】
60°の角度アルファが尊重される。これらの代替案は、接続サイクル中にラグによって提供される機械的抵抗の機能と、アバットメントによって提供される回転を停止する機能を分離する。
【0140】
コンテナ・ドア24とコンテナ・フランジ20の間の差し込み接続は、ドアとフランジとの間にアバットメントが分配される差し込み接続、または
図10A乃至
図13Dに関連して説明したタイプの差し込み接続であってよい。
【0141】
別の例によれば、フランジ20およびドア24は、差し込み接続以外の手段によってアルファ部分に接続されるように修正することができる。
【0142】
図14A乃至
図14Cでは、接続の静的不確定性(hyperstatism)が低減されたアルファ部分の例が見られる。
【0143】
図14Aでは、セル・ドア822は3つのラグ880を含む。これにより、コンテナ・ドアが変更され、その外面の刻印には、セル・ドアの3つのラグを収容するための3つのノッチが含まれる。この接続は有利なことに、静的不確定性が低減され、シールの均一な圧縮を提供し、これは2つのドア間の液密性に有利である。2つのフランジ間の4つのラグによる差し込み接続や、コンテナ・フランジとコンテナ・ドア間の4つのラグによる差し込み接続など、アルファおよびベータ部分の他の要素は変更されていない。
【0144】
この実現により、セル・フランジを交換せずにセル・ドアを交換することで、ドアに3つのノッチで刻印があるコンテナに既存の設備を非常に簡単に適合させることが可能になる。同様に、フランジを備えた既存のコンテナは、コンテナ・ドアのみを交換することで適合させることができる。
図16Aでは、コンテナ・フランジ820およびコンテナ・ドア824が、
図14Aのアルファ部分に接続されるように適合されているのが見られる。
【0145】
フランジ820とドア824との間の接続は、4つのラグによって、または3つのラグによって実行することができる。
【0146】
図14Bでは、アルファ部分が見られ、フランジ918はベータ・フランジとの3つの接続ノッチ992を含み、セル・ドア922は4つのラグ980を含む。セル・フランジとコンテナ・フランジ間の接続の静的不確定性が減少し、両者間の液密性に有利になる。
【0147】
この例では、セル・フランジを変更して3つのラグを含めることができる。
【0148】
図16Bでは、コンテナ・フランジ920およびコンテナ・ドア924が、
図14Bのアルファ部分に接続されるように適合されているのが見られる。フランジ920とドア924との間の接続は、4つのラグによって、または3つのラグによって実行することができる。
【0149】
図14Cでは、セル・フランジ918はベータ・フランジとの3つの接続ラグ992を含み、セル・ドア1022は3つのラグ1080を含む。この例では、セル・フランジとコンテナ・フランジの間の接続の静的不確定性と、セル・ドアとコンテナ・ドアの間の接続の静的不確定性の両方が減少する。
【0150】
図16Cでは、ベータ部分が
図14Cのアルファ部分に接続されるように適合されており、コンテナ・フランジ920およびコンテナ・ドア824から構成されることが分かる。フランジ920とドア824との間の接続は、4つのラグによって、または3つのラグによって実行することができる。
【0151】
図14Bおよび
図14Cの例では、3つのノッチを備えたセル・フランジを実装しており、分離を可能にするために追加のアバットメント・セットが追加されている。実際、セル・フランジに4つのノッチが含まれる場合、例えばそれぞれ30°以上延びる4つのラグと60°以上の接続動作を選択することにより、同じアバットメント・セットを接続と分離に使用できる。
【0152】
図14Bおよび
図14Cの例では、30°を超えて延びるラグを選択することによって、それらは120°だけ分離される。しかし、接続動作と分離動作は60°を超える。
図14Bおよび
図14Cでは、第1の接続アバットメント・セット994が、ラグの側縁に位置する3つのアバットメント要素と、第2の分離アバットメント・セット994とを含むことが見られ、第1セットのアバットメント要素から接続方向の上流側に30°の位置にある3つのアバットメント要素を含む。
【0153】
あるいは、40°を超えて延び、80°の角度で分離されたラグを実行するように設けることもでき、その後、接続および分離の動作は80°の角度で行われる。その後、単一のアバットメント・セットを実装できる。
【0154】
図17Aでは、3つの内部ラグおよび3つの外部ラグを含むコンテナ・フランジ1020が示され、
図17Bおよび
図17Cでは、フランジ1020上に接続されるように適合されたコンテナ・ドア1024が示される。フランジ1020とドア1024のアセンブリは、
図14Cのアルファ部分に接続されるように適合されている。
【国際調査報告】