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特表2024-501462不溶物質をろ過するためのフィルター装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-12
(54)【発明の名称】不溶物質をろ過するためのフィルター装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/06 20060101AFI20240104BHJP
   A47J 31/20 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
A47J31/06 103
A47J31/20
A47J31/06 160
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535641
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(85)【翻訳文提出日】2023-07-21
(86)【国際出願番号】 EP2021084414
(87)【国際公開番号】W WO2022122660
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】102020133229.7
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523213125
【氏名又は名称】ピーアイ-デザイン・アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ボダム・ヨーガン
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA02
4B104AA09
4B104AA12
4B104BA46
4B104BA48
4B104BA77
4B104BA86
4B104BA87
4B104EA28
4B104EA40
(57)【要約】
【課題】従来技術において知られているフィルター装置に比べて製造がより容易である、不溶物質をろ過するためのフィルター装置を提案する。
【解決手段】本発明は不溶物質をろ過するためのフィルター装置(36)に関するものであり、飲料を用意する際に使用され、とりわけ茶葉又はコーヒー粉をろ過するためのものであり、該フィルター装置(36)は以下のもの、すなわち、多数のフィルター孔(14)が設けられたスチール製本体(12)、射出成型可能なプラスチック製の少なくとも一つのプラスチック部分(44)を有しており、該プラスチック部分(44)は、スチール製本体(12)の接続部分(38)内においてスチール製本体(12)の周りにぐるりと射出されており、
接続部分(38)には少なくとも一つの凹部(40)が配置されており、これは少なくとも部分的にプラスチック部分(44)により満たされているか、又は、スチール製本体(12)が接続部分(38)においてスチール製本体(12)から突き出す延長部(68)を形成しており、これは少なくとも部分的にプラスチック部分(44)により取り囲まれている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不溶物質をろ過するためのフィルター装置(36)であって、飲料を用意する際、とりわけ茶葉又はコーヒー粉をろ過するに使用されるものであり、以下のもの:
-多数のフィルター孔(14)を備えるスチール製本体(12)、
-射出成型可能なプラスチック製の少なくとも一つのプラスチック部分(44)であって、スチール製本体(12)の接続部分(38)においてスチール製本体(12)の周りにぐるりと射出されているプラスチック部分(44)、
を有するフィルター装置(36)において、
・接続部分(38)には少なくとも一つの凹部(40)が配置されており、この凹部は少なくとも部分的にプラスチック部分(44)により満たされているか、又は、
・スチール製本体(12)は接続部分(38)においてスチール製本体(12)から突き出す延長部(68)を形成しており、この延長部が少なくとも部分的にプラスチック部分(44)により取り囲まれている、
フィルター装置(36)。
【請求項2】
凹部(40)が、スチール製本体(12)を完全に貫通する貫通孔(42)として形成されることを特徴とする、請求項1に記載のフィルター装置(36)。
【請求項3】
-スチール製本体(12)が第1面(46)及び第2面(48)を有していること、
-貫通孔(42)がスチール製本体(12)を第1面(46)から第2面(48)へと貫通していること、及び、
-プラスチック部分(44)が第1面(46)において及び第2面(48)においてスチール製本体(12)の周りにぐるりと射出されており、それにより貫通孔(42)が完全に満たされていること、
を特徴とする、請求項2に記載のフィルター装置(36)。
【請求項4】
-スチール製本体(12)が上縁(16)及び下縁(18)を有していること、
-上縁(16)が半径方向外側に向かって残りのスチール製本体(12)から突出しており、充填口(28)を取り囲んでいること、
-接続部分(38)が上縁(16)によって形成されていること、及び、
-プラスチック部分(44)が上縁(16)に配置されていること、
を特徴とする、請求項3に記載のフィルター装置(36)。
【請求項5】
プラスチック部分(44)が、
-第1プラスチック(70)及び第2プラスチック(72)を有しており、その際、
-第1プラスチック(70)により凹部(40)が満たされているか、又は、延長部(68)が取り囲まれており、第2プラスチック(72)により第1プラスチック(70)が少なくとも部分的に取り囲まれている、
ことを特徴とする、請求項4に記載のフィルター装置(36)。
【請求項6】
-第1プラスチック(70)の硬度が第2プラスチック(72)の硬度より低いこと、及び/又は、
-第2プラスチック(72)の熱伝導性が第1プラスチック(70)の熱伝導性より低いこと、
を特徴とする、請求項5に記載のフィルター装置(36)。
【請求項7】
-上縁(16)が上縁幅(WO)を、下縁(18)が下縁幅(WU)を有しており、上縁幅(WO)が下縁幅(WU)より大きいことを特徴とする、請求項4から6のいずれか一項に記載のフィルター装置(36)。
【請求項8】
下縁(18)において底部スチール製本体(20)がスチール製本体(12)に溶接されていることを特徴とする、請求項4から7のいずれか一項に記載のフィルター装置(36)。
【請求項9】
底部スチール製本体(20)が底壁(22)及び少なくとも一つの側壁(24)を有しており、
-底壁(22)には多数のフィルター孔(14)が設けられているか、又は、
底壁(22)が、多数のフィルター孔(14)を持つ底プレート(76)によりカバーされた底穴(74)を取り囲んでいる、
ことを特徴とする、請求項8に記載のフィルター装置(36)。
【請求項10】
-スチール製本体(12)が第1面(46)及び第2面(48)を有しており、
-貫通孔(42)がスチール製本体(12)を第1面(46)から第2面(48)へと貫通しており、及び、
-プラスチック部分(44)が、
・第1面(46)においてスチール製本体(12)の周りにぐるりと射出されており、このときプラスチック部分(44)は貫通孔(42)の領域において第2面(48)と面一であり、又は、
・第2面(48)においてスチール製本体(12)の周りにぐるりと射出されており、このときプラスチック部分(44)は貫通孔(42)の領域において第1面(46)と面一であり、又は、
-プラスチック部分(44)が、
・第1面(46)においてスチール製本体(12)の周りにぐるりと射出されており、延長部(68)が第1面(46)より突き出しており、又は、
・第2面(48)においてスチール製本体(12)の周りにぐるりと射出されており、延長部(68)が第2面(48)より突き出している、
ことを特徴とする、請求項2に記載のフィルター装置(36)。
【請求項11】
-スチール製本体(12)が上縁(16)及び下縁(18)を有していること、
-上縁(16)が充填口(28)を取り囲んでいること、
-接続部分(38)は上縁(16)により形成されていること、及び、
-プラスチック部分(44)は上縁(16)に配置されていること、
を特徴とする、請求項10に記載のフィルター装置(36)。
【請求項12】
-フィルター装置(36)がさらなるプラスチック部分(58)を有していること、及び、
-プラスチック部分(44)が、プラスチック部分(44)の周りにぐるりと射出されたさらなるプラスチック部分(58)のための少なくとも一つの収容部を有していること、
を特徴とする、請求項11に記載のフィルター装置(36)。
【請求項13】
-プラスチック部分(44)が、スチール製本体(12)以外に配置されたいくつかの開口部(56)を有しており、及び、
-該さらなるプラスチック部分(58)は、開口部(56)に隣接して配置された同数の突出部を有している、
ことを特徴とする、請求項12に記載のフィルター装置(36)。
【請求項14】
下縁(18)において、閉じた底部スチール製本体(20)がスチール製本体(12)に溶接されていることを特徴とする、請求項13に記載のフィルター装置(36)。
【請求項15】
プラスチック部分(44)が、取っ手(66)として作られているか、又は、取っ手(66)を形成していることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載のフィルター装置(36)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は不溶物質をろ過するためのフィルター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなフィルター装置はとりわけコーヒー及び茶を用意するために使用される。フィルター装置は多数のフィルター孔を備える管状のスチール製本体を有している。このスチール製本体には底部スチール製本体が溶接されており、これも同様に多数のフィルター孔を有することができるが、閉じられていることが多い。
【0003】
コーヒー又は茶を用意するするには、コーヒー粉又は茶葉をフィルター装置に入れ、フィルター装置を例えばコーヒーポット、ティーポット又はフィルターホルダーといった容器の投入口にセットし、次に沸騰した湯をフィルター装置に注ぎ入れる。沸騰した湯がコーヒー粉又は茶葉と接すると、それによりアロマ物質が抽出される。湯とコーヒー粉又は茶葉とをある程度の時間接触させた後にコーヒー又は茶ができると、フィルター装置をコーヒーポット、ティーポット又はフィルターホルダーから取り外してコーヒー又は茶をカップに注ぐことができる。
【0004】
ある特別な応用例としては、例えば特許文献1に記述されているいわゆるフィルタープレスの使用が挙げられる。そこではフィルターピストンが上からスチール製本体内に差し込まれ、底部スチール製本体に向かって押し付けられる。この応用例においては底部スチール製本体にフィルター孔は設けられていない。スチール製本体も底部スチール製本体付近に通常はフィルター孔は設けられていない。フィルターピストンが底部スチール製本体の方向に移動すると、コーヒー粉又は茶葉は底部スチール製本体の領域に集まり、するとそこでは湯と接触できないか、又は、接触できても無視できるほどわずかな程度である。また、コーヒー粉又は茶葉がコーヒーポットもしくはティーポットに入りこむことはない。コーヒー粉又は茶葉からの抽出はフィルターピストンを押し下げることによりほぼ終了する。
【0005】
フィルターピストンを使用する場合、フィルター装置は通常、コーヒーポット又はティーポットが完全に空になるまでコーヒーポット又はティーポット内にとどまる。コーヒー又は茶をコーヒーポット又はティーポットからカップに注ごうとする場合、フィルター装置がその際にコーヒーポット又はティーポットから外れてしまう危険がある。
【0006】
特許文献2から知られているフィルター装置では、該フィルター装置の上縁に半径方向に外側に向かう膨らみが設けられており、これは上スチール製本体に取り付けられた一つのプラスチック部分で形成されており、上スチール製本体はスチール製本体に溶接されている。ここでこのプラスチック部分は、この膨らみがある程度の弾性又は撓み性を有するように構成されている。フィルター装置は、上縁によりコーヒーポット又はティーポットの投入口に張着することができ、それによりコーヒー又は茶をカップに注ぐ際にフィルター装置が外れることを防げる。この膨らみはさらに、多かれ少なかれ大きく変形可能であるため、フィルター装置はある程度の範囲において大きさの異なる投入口、及び、とりわけガラス製のコーヒーポット又はティーポットにおける許容偏差に適応することができる。
【0007】
上記の実施形態より特許文献2に記載のフィルター装置は全体で3つのスチール製本体を備えていることが分かり、そこから、3つのスチール製本体を互いに接続するには2つの溶接継ぎ目が必要であることわかる。ここで、スチール製本体を平板材料から製造する際には、平板材料から円筒形を形作るためにも一つの溶接継ぎ目が必要であるが、この溶接継ぎ目は、3つのスチール製本体を互いに接続することには関与していないことを指摘しておく。
【0008】
上スチール製本体とプラスチック部分との間の接続を十分に安定させるため、さらに、上スチール製本体にフランジを設ける必要がある。これによりフィルター装置の製造は比較的複雑になり、それにより高価になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開公報第2017080885号
【特許文献2】国際公開公報第2007082391号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明のある実施形態の課題は、従来技術において知られているフィルター装置に比べて製造がより容易である、不溶物質をろ過するためのフィルター装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、請求項1に記載の特徴により解決される。従属請求項には有利な実施形態が記載されている。
【0012】
本発明のある実施形態は、飲料を用意する際に使われる不溶物質をろ過するため、とりわけ茶葉又はコーヒー粉をろ過するためのフィルター装置に関するものであり、以下のもの:
-多数のフィルター孔を有するスチール製本体、
-スチール製本体の接続部分内においてスチール製本体の周りにぐるりと射出された、射出成型可能なプラスチックから成る少なくとも一つのプラスチック部分、
を有しており、このとき、
・接続部分内には、少なくとも部分的にプラスチック部分により満たされた、少なくとも一つの凹部が配置されているか、又は、
・スチール製本体は接続部分においてスチール製本体から突き出す延長部を形成しており、この延長部は少なくとも部分的にプラスチック部分により取り囲まれている。
【0013】
提案されるフィルター装置においては、プラスチック部分とスチール製本体とを直接的に接続することが可能である。その際プラスチック部分が凹部に係合し、それにより該凹部が少なくとも部分的に満たされるか、又は、プラスチック部分が延長部を取り囲み、それによりプラスチック部分とスチール製本体との間にアンダーカットが形成され、結果的に確動ばめが形成される。そのために必要なことはスチール製本体を相応に射出成形金型にセットするだけである。特許文献2と比較すると、提案するフィルター装置においては、上スチール製本体ではなくプラスチック部分が用いられている。したがって、上スチール製本体をスチール製本体に接続するための追加的な溶接継ぎ目はもはや必要ではない。また、上スチール製本体にフランジを設ける必要もなくなる。それにより製造が簡略化され、コスト安につながる。
【0014】
さらなる実施形態によると、凹部はスチール製本体を完全に貫通した貫通孔として形成することができる。この実施形態において凹部は例えば打ち抜きにより比較的容易にまたコスト安に製造することができる。さらに、アンダーカットのサイズも最大化される。それによりプラスチック部分とスチール製本体との接続は強化される。
【0015】
あるさらなる実施形態においては、
-スチール製本体は第1面及び第2面を有することができ、
-貫通孔は、スチール製本体の第1面から第2面へと貫通することができ、及び
-プラスチック部分は第1面及び第2面においてスチール製本体の周りにぐるりと射出することができ、貫通孔を完全に満たすことができる。
【0016】
この実施形態においてプラスチック部分は第1面においても第2面においてもスチール製本体に接している。さらに貫通孔はプラスチック部分により完全に貫通されている。それによりプラスチック部分とスチール製本体との間に特に耐力のある接続が提供される。
【0017】
さらなる実施形態において
-スチール製本体は上縁及び下縁を有することができ、
-上縁は半径方向外側に向かって残りのスチール製本体から突き出しており、充填口を取り囲むことができ、
-接続部分は上縁から形成することができ、及び、
-プラスチック部分は上縁に配置することができる。
【0018】
この実施形態においてプラスチック部分は、アクセスしやすいように半径方向外側に配置することができる。先に述べたように、沸騰した湯がフィルター装置に注がれ、湯がコーヒー粉又は茶葉と接触する。そのためフィルター装置も温められる。スチール製本体に比べてプラスチック部分の熱伝導性は低いため、フィルター装置を手でつかんでもユーザーがやけどをする危険は低下する。
【0019】
さらなる実施形態によるとプラスチック部分は第1プラスチック及び第2プラスチックを有しており、第1プラスチックは凹部を満たしているか、又は、延長部を取り囲んでおり、第2プラスチックは第1プラスチックを少なくとも部分的に取り囲んでいる。両方とも望ましくは射出成型可能である2つの異なるプラスチックを使用するため、その特性をその役割のために最適に使用することができる。第1プラスチックは、プラスチック部分とスチール製本体との間の接続を形成するものであるため、第1プラスチックは、温度が変化してもとりわけ高い形状安定性を持つ必要がある。第2プラスチックは、ユーザーがつかむプラスチックである。この点において第2プラスチックは触覚的及び視覚的な観点から選択することができる。
【0020】
さらなる実施形態によると第1プラスチックの硬度は第2プラスチックより低く、及び/又は、第2プラスチックの熱伝導性は第1プラスチックより低い。すでに述べたように、第1プラスチックはプラスチック部分のスチール製本体への接続を形成する。より硬いプラスチックにより、プラスチック部分とスチール製本体との間に特に耐久的な接続を作り出すことができる。これに対して、より柔らかいプラスチックは触覚的にユーザーにとってより快適である。先に述べたように、フィルター装置はコーヒーポット又はティーポット内に置かれるか、又は、これらの中にセットされる。より柔らかいプラスチックは、接触領域においてコーヒーポット又はティーポットの形にはある程度適応することができ、それにより意図せず滑ってしまうことが少なくとも起こりにくくなるため、取り扱いの安全性が高まる。
【0021】
第2プラスチックの熱伝導性がより低いことにより、ユーザーがフィルター装置をつかむところにあるプラスチック部分は、沸騰した湯が不溶材料に注がれても、熱くなる程度はわずかである。その点において、本装置を使用する際にユーザーが手をやけどする確率が大幅に低下する。
【0022】
これらの条件が満たされるのは、例えば、第1プラスチックとしてポリプロピレン(PP)が、第2プラスチックとして熱可塑性エラストマー(TPE)が用いられる場合である。
【0023】
さらなる実施形態において上縁は上縁幅を、下縁は下縁幅を有することができ、上縁幅は下縁幅より大きい。この実施形態においてスチール製本体は、ほぼ切頭円錐又は錐台の形状とすることができる。また、スチール製本体が切頭円錐形又は錐台の形に作られていることにより、フィルター装置内で湯がせき止められることが防止されるか、又は少なくとも遅らされる。
【0024】
あるさらなる実施形態では、下縁において底部スチール製本体がスチール製本体に溶接されるという特徴を持つことができる。コーヒー粉又は茶葉が下縁を介してコーヒーポット又はティーポット内に入りこむことを防ぐために、スチール製本体は下縁の領域において確実に閉じている必要がある。製造技術面での理由から最も容易であるのは、スチール製本体を底部スチール製本体により下縁の領域において閉じることである。
【0025】
さらなる実施形態によると底部スチール製本体は、底壁及び少なくとも一つの側壁を有することができ、底壁には多数のフィルター孔が設けられているか、又は、底壁は、多数のフィルター孔を備える底プレートによりカバーされた一つの底穴を取り囲んでいる。コーヒー粉又は茶葉の抽出をできるだけ最適に行うには、沸騰した湯がフィルター装置内で滞在する時間は短すぎても長すぎてもよくない。さらに、スチール製本体にせき止め又は詰まりが起こることも防ぐ必要がある。多数のフィルター孔を持つ底壁を設け、同時に、フィルター孔を持たない側壁を形成することにより、湯のせき止め又はスチール製本体の詰まりというリスクをおかさずに、沸騰した湯がフィルター装置内に滞留する時間を長くできることが分かっている。滞留時間がわずかに延びると、コーヒー又は茶は、苦くなりすぎることなくより濃く又はより強くなる。底部スチール製本体は一体式、又は、2部式のものとして実施可能である。底プレートは平たんに形成することができ、それにより、例えば底プレートの壁厚を、残りの底部スチール製本体とは無関係に選ぶことができるため、一体式の構造に比較してフィルター孔の製造が容易になる。とりわけ底プレートの壁厚は、残りの底部スチール製本体の壁厚より薄くすることができ、それにより、フィルター孔の製造の容易化及びスピードアップが行える。
【0026】
さらなる実施形態においては、
-スチール製本体が第1面及び第2面を有していること、
-貫通孔がスチール製本体を第1面から第2面へと貫通していること、及び、
-プラスチック部分が、
・第1面においてスチール製本体の周りにぐるりと射出されており、その際プラスチック部分は貫通孔の領域において第2面と面一となること、又は、
・第2面においてスチール製本体の周りにぐるりと射出されており、その際プラスチック部分が貫通孔の領域において第1面と面一となること、又は、
-プラスチック部分が、
・第1面においてスチール製本体の周りにぐるりと射出されており、延長部が第1面から突き出していること、又は、
・第2面においてスチール製本体の周りにぐるりと射出され、延長部が第2面から突き出していること、が可能である。
【0027】
この実施形態においてプラスチック部分は、スチール製本体において一つの面からのみ取り囲んでいる。また、プラスチック部分は貫通孔の領域において、プラスチック部分に取り囲まれていない面と面一となっている。したがってプラスチック部分に取り囲まれていない面にはくぼみ又は突起はない。それによりコーヒー粉又は茶葉の付着が防止されるため、フィルター装置の洗浄が容易になる。
【0028】
さらなる実施形態によると
-スチール製本体は上縁及び下縁を有することができ、
-上縁は充填口を取り囲むことができ、
-接続部分は上縁により形成することができ、及び、
-プラスチック部分は上縁に配置することができる。
【0029】
プラスチック部分が上縁に配置されているため、フィルター装置が沸騰した湯により熱くなっていても、ユーザーはフィルター装置を安全につかむことができる。
【0030】
さらなる実施形態においてフィルター装置はさらなるプラスチック部分を有することができ、該プラスチック部分は少なくとも、さらなるプラスチック部分のための収容部を有しており、これはこのプラスチック部分の周りにぐるりと射出される。
【0031】
さらなるプラスチック部分を設けることにより、フィルター装置はさらなる機能を有することができる。例えば該さらなるプラスチック部分はアイレット又は同等物を形成することができ、それを用いてフィルター装置をフックにかけることができる。それによりこのフィルター装置は例えば台所にうまく収納できる。スチール製本体と接続されているプラスチック部分をそのために変更する必要はない。この点において比較的容易な手段でフィルター装置に様々なバリエーションを与えることができる。
【0032】
さらなる実施形態においてプラスチック部分は、スチール製本体以外の場所に配置された開口部をいくつか有することができ、また、さらなるプラスチック部分は、これら開口部の近くに配置された同数の突出部を有することができる。突出部は弾性的に形成することができるため、フィルター装置をコーヒーポット又はティーポットの投入口にセットすることができ、その際突出部は変形する。ここで突出部とコーヒーポット又はティーポットの投入口との間にある程度の摩擦が発生し、それによりコーヒーポット又はティーポットからフィルター装置が外れることが防止される。さらに、突出部は多かれ少なかれ大きく変形する。そのためコーヒーポット又はティーポットの投入口の大きさの差をうめることができる。とりわけ、コーヒーポット又はティーポットがガラス製の場合、投入口の領域においてしばしば起こる比較的大きな許容偏差を、突出部により補うことができる。本実施形態によるフィルター装置は、ある程度の範囲内であれば様々なコーヒーポット又はティーポットにも使用することができる。
【0033】
さらなる実施形態では、下縁において、閉じた底部スチール製本体をスチール製本体に溶接することができる。すでに述べたように、スチール製本体は、底部スチール製本体を使用することにより、下縁において特に容易に閉じることができる。閉じることが必要なのは、コーヒー粉又は茶葉がコーヒーポット又はティーポットに入らないようにするためである。
【0034】
さらなる実施形態は、プラスチック部分が取っ手として作られているか、又は、取っ手を形成することが特徴である。プラスチック部分を取っ手として作ることにより、フィルター装置の取り扱いが容易になる。プラスチックの熱伝導性がスチールに対して低いため、ユーザーがフィルター装置をつかむ際に手をやけどする危険は大幅に低下する。
【0035】
以下、本発明の実施形態の例を、付属の図を参照しながら詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1A】従来技術によるフィルター装置の下面図である。
図1B図1Aで定義されたA-Aに沿って切断された、図1Aのフィルター装置の断面図である。
図2A】本発明のフィルター装置の第1実施例の、第1製造状態における下面図である。
図2B図2Aで定義されたB-Bに沿って切断された、図2Aのフィルター装置の断面図である。
図2C】本発明のフィルター装置の、第2製造状態における下面図である。
図2D図2Cで定義されたC-Cに沿って切断された、図2Cのフィルター装置の断面図である。
図2E図2Dで示された領域Aを原理的に表した、スケールモデルではない拡大図である。
図2F】本発明のフィルター装置の、完成状態である第3製造状態における下面図である。
図2G図2Fで定義されたD-Dに沿って切断された、図2Fのフィルター装置の断面図である。
図3A】本発明のフィルター装置の第1製造状態における第2実施例の斜視図である。
図3B図3Aのフィルター装置の、完成した状態である第2製造状態における斜視図である。
図3C図3Bのフィルター装置の上面図である。
図3D図3Cで定義されたE-Eに沿って切断された、図3Bのフィルター装置の断面図である。
図3E図3Dで示された領域Bを原理的に表した、スケールモデルではない拡大図である。
図4A】フィルター装置の第3実施例の、未完成の製造状態における断面図である。
図4B図4Aで示された領域Cの拡大図である。
図5A】本発明のフィルター装置の第4実施例の第1製造状態における斜視図である。
図5B図5Aのフィルター装置の完成した製造状態における断面図である。
図5C図5Bで示された領域Dの拡大図である。
図5D図5Bで示された領域Eの拡大図である。
図5E図5Aのフィルター装置の底部スチール製本体の拡大図である。
図5F図5Eの底部スチール製本体の底プレートのみの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1A及び図1Bには特許文献2から既知であるフィルター装置10を2つの異なる方向から見た図が示されている。フィルター装置10は、多数のフィルター孔14が設けられたスチール製本体12を有している。図での表現での都合上、図1Bにはいくつかのフィルター孔14のみが図示されている。しかしながら図1Aにおいてフィルター孔14により取り囲まれている領域にはすべて、さらなるフィルター孔14が設けられている。
【0038】
スチール製本体12はほぼ円筒状であり、平らな板金を曲げることにより製造することができる。そのためフィルター孔14は、打ち抜き、エッチング又は同様の方法で作ることができる。とりわけエッチングが適しているのは、スチール製本体の壁厚が薄い(<1mm)ためである。スチール製本体12は上縁16及び下縁18を有している。下縁18において底部スチール製本体20がスチール製本体12に溶接されている。底部スチール製本体20は底壁22を有しており、ここにはフィルター孔14は設けられていない。底部スチール製本体20はまた側壁24を有しており、ここにもフィルター孔14は形成されていない。底部スチール製本体20の側壁24がスチール製本体12内に差し込まれ、それにより底部スチール製本体20は側壁24において底部スチール製本体20に溶接される。
【0039】
上縁16において上スチール製本体26はスチール製本体12に溶接されている。上スチール製本体26は充填口28となっており、ここを通ってコーヒー粉、茶葉又は同等物、及び湯をフィルター装置10に充填することができる。また、上スチール製本体26は漏斗形状部分30ならびにフランジ32を有しており、そこにプラスチックボディ33が取り付けられている。プラスチックボディ33は、膨らみ34を除いて上スチール製本体12に接している。そのため膨らみ34とプラスチックボディ33との間にはそれぞれ空洞35が形成され、それによりプラスチックボディ33は膨らみ34の領域において、その他の領域より高い弾性を有している。
【0040】
フィルター装置10が、コーヒーポット又はティーポット(図示されず)の投入口にセットされると、膨らみ34が変形するため、投入口と膨らみ34との間に摩擦が生じる。そのためフィルター装置10がコーヒーポット又はティーポットに張着されるため、コーヒー又は茶をカップに注ぐ際にフィルター装置10が外れることが避けられる。さらに、膨らみ34は多かれ少なかれ大きく変形するため、フィルター装置10はある程度の範囲内でコーヒーポット又はティーポットの投入口の様々なサイズに適応することができる。
【0041】
図2A及び図2Bには、本発明のフィルター装置36の第1実施例における第1製造状態が図示されている。図1A及び図1Bに図示されたフィルター装置36と同様、本発明のフィルター装置36は、多数のフィルター孔14を備えたスチール製本体12を有している。本図でもフィルター孔14のいくつかのみが図示されており、これらフィルター孔14が隣接するスチール製本体12の領域にはすべて、フィルター孔14が設けられている。スチール製本体12はほぼ円筒状の形をしており、上縁16は上縁幅WOを、下縁18は下縁幅WUを有しており、上縁幅WOはほぼ下縁幅WUに相当する。そのため第1実施例のフィルター装置36はフィルタープレスでの使用に適している。
【0042】
下縁18において底部スチール製本体20がスチール製本体12に溶接されている。底部スチール製本体20は底壁22を有しており、ここにはフィルター孔14は設けられていない。また底部スチール製本体20は側壁24を有しており、ここにもフィルター孔14は設けられていない。側壁24により底部スチール製本体20はスチール製本体12に溶接されている。
【0043】
スチール製本体12の上縁16は接続部分38となっており、ここには合わせて4つの凹部40が配置されており、これらは、図示されたフィルター装置36の実施例においては、スチール製本体12を完全に貫通する、四角の断面を持つ貫通孔42として作られている。
【0044】
図2C及び図2Dには、図2A及び図2Bに図示されたフィルター装置36の第2製造状態が図示されている。上縁16には射出成型可能なプラスチック、例えばポリプロピレン(PP)製のプラスチック部分44が接続部分38においてスチール製本体12の周りにぐるりと射出されている。このときスチール製本体12は第1面46及び第2面48を有しており、図示された実施例において第1面46はスチール製本体12の外側面であり、第2面48は内側面である。プラスチック部分44は第1面46においてスチール製本体12の周りにぐるりと射出されており、このときプラスチック部分44は貫通孔42内に突き出す。図2Eの原理的な図に示されているように、このときプラスチック部分44はスチール製本体12の第2面48と面一である。図2Eには、図2Dに図示された領域Aが、スケールモデルではなく、大幅に簡略化して図示されている。
【0045】
プラスチック部分44はまた収容部50を形成しており、これは図示された実施例において下半径方向拡張部分52及び上半径方向拡張部分54を有しており、上半径方向拡張部分54は下半径方向拡張部分52より半径方向外側に延びている。プラスチック部分44はまた、合わせて4つの開口部56を有しており、これらはプラスチック部分44を完全に貫通している。
【0046】
図2F及び図2Gには完成した状態のフィルター装置36が図示されている。プラスチック部分44の周りにはさらなるプラスチック部分58が射出されており、下半径方向拡張部分の該さらなるプラスチック部分58は上に向かって続いており、上半径方向拡張部分54を完全に取り囲んでいる。該さらなるプラスチック部分58は熱可塑性エラストマー(TPE)から製造することができる。TPEは例えば硬度を基に選ぶすることができる。本例においては、ショアA硬度50から68、とりわけショアA硬度54のTPEを選ぶことができる。代替的にスチレンアクリルニトリル(SAN)を使用することもできる。上半径方向拡張部分58の領域において該さらなるプラスチック部分58は支え縁60を形成しており、フィルター装置36はこれを使ってコーヒーポット又はティーポットの上に載せることができる。
【0047】
開口部56が設けられている領域において該さらなるプラスチック部分58はそれぞれ、半径方向に外側に延びる突出部62を有している。該さらなるプラスチック部分58は半径方向に外側に向かってプラスチック部分44に直接的に隣接しているためプラスチック部分44と接触している一方、突出部62及び開口部56の領域においてはこの接触は途切れている。そのため、該さらなるプラスチック部分58は突出部62の領域において、その他の領域におけるより高い弾性又は撓み性を有している。
【0048】
この説明から、第1実施例のフィルター装置36は底部スチール製本体20及びスチール製本体12を有しており、これらは互いに溶接する必要があることがわかる。図1A及び図1Bに図示されたフィルター装置10と比較すると、スチール製本体が一つないため、すでにないこのスチール製本体にスチール製本体12を接続するための第2の溶接継ぎ目もない。プラスチック部分44及び該さらなるプラスチック部分58は、同じ射出成形金型を使用して製造することができ、その際スチール製本体12は射出成形金型内において自身の位置を変える必要がない。そのため第1実施例のフィルター装置36の作製は、図1A及び図1Bに図示されたフィルター装置10の作製より、大幅に容易に及びコスト安に行える。
【0049】
フィルター装置36はコーヒーポット又はティーポットの投入口にセットすることができ(図示されず)、このとき突出部62は多かれ少なかれ大きく変形する。そのため投入口と突出部62との間に摩擦が生じ、それによりフィルター装置36はコーヒーポット又はティーポットに対して固定される。それによりフィルター装置36がコーヒーポット又はティーポットから外れることを防ぐことができる。
【0050】
図3Aから図3Dには本発明の第2実施例のフィルター装置36が図示されている。図3Aには第1製造状態におけるフィルター装置36が図示されている。第1実施例の場合と同様、スチール製本体12には多数のフィルター孔14が設けられており、これらは図3Aから図3Dでは部分的にのみ図示されており、また、図3Aから図3Dでは純粋に原理的に図示されている。フィルター孔14の直径は約0.2mm以上とすることができる。
【0051】
この場合、上縁16の上縁幅WOは下縁18の下縁幅WUより大きい。図示された実施例においてスチール製本体12は切頭円錐形状に形成されている。下縁18において底部スチール製本体20がスチール製本体12に溶接されており、これも同様に切頭円錐の形をしている。底部スチール製本体20は底壁22及び側壁24を有しており、底壁22は、例えば図3Cからわかるように多数のフィルター孔14を有している。しかしながら底部スチール製本体20の側壁24はフィルター孔14を有していない。フィルター孔14の数及びその直径により、湯がフィルター装置36内に滞留する時間を決めることができる。すでに述べたようにフィルター孔14の直径はおよそ0.2mmであり、比較的小さい。そのため、より大きなフィルター孔14と比べると、スチール製本体12を通過する流量が低下し、それにより湯の滞留時間を長くすることができる。スチール製本体12の側壁24にフィルター孔14が設けられていないという事実も、湯の滞留時間を長くすることにつながる。それによりフィルター孔14がブロックされることなくより多くのアロマ物質をコーヒー粉又は茶葉から抽出することができる。
【0052】
スチール製本体12の上縁16はフランジ上に形成されており、半径方向外側に延びている。上縁16は、コーヒー粉、茶葉又は同等物ならびに湯をフィルター装置36に充填する際に使用できる充填口28を取り囲んでいる。
【0053】
図3Aを見ると、上縁16は接続部分38を形成しており、該接続部分38は半径方向外側に延びるベロ64を有している。このベロ64上に、円直径を持つ2つの貫通孔42が配置されている。
【0054】
図3B及び図3Dには、第2実施例のフィルター装置36の完成状態である第2状態が図示されている。これらの図から、接続部分38の周りにプラスチック部分44がぐるりと射出されていることがわかる。プラスチック部分44は取っ手66のように形成されており、ここにフィルター装置36を係止することができる。図3Eには、図3Dで定義された部分Bが、スケールモデルではなく、純粋に原理的に図示されている。ここから、スチール製本体12が第1面46及び第2面48を有していること、また、貫通孔42が第1面46から第2面48へとスチール製本体12を貫通していることがわかる。プラスチック部分44は第1面46においても第2面48においてもスチール製本体12の周りにぐるりと射出されており、その際貫通孔42は、プラスチック部分44により完全に満たされている。
【0055】
図4A及び図4Bに図示された第3実施例のフィルター装置36は、図2Aから図2Gに図示された第1実施例のフィルター装置36にほぼ対応している。そのため以下では大きな違いについてのみ説明する。ここではスチール製本体12は凹部40ではなく、半径方向外側に残りのスチール製本体12から突き出す延長部68を有しており、これは、第3実施例のフィルター装置36においてはフランジ状に形成されており、スチール製本体12の上縁16に配置されている。このとき延長部68はスチール製本体12の第1面46から突き出している。延長部68はプラスチック部分44により取り囲まれているため、スチール製本体12とプラスチック部分44との間に信頼できる接続を作ることができる。
【0056】
図5Aから5Fに図示された第4実施例のフィルター装置36図3Aから3Eに図示された第2実施例のフィルター装置36にほぼ対応する。その点において以下には大きな違いについてのみ述べる。図3A図5Aとを比較すると、第2実施例のフィルター装置36においてはプラスチック部分44により取り囲まれている(図3B参照)ベロ64は、第4実施例のフィルター装置36には設けられていない。そこでは延長部68は上縁16により形成されており、図5Bからわかるように、プラスチック部分44により完全に取り囲まれている。
【0057】
とりわけ図5C及び図5Dから、プラスチック部分44は第1プラスチック70及び第2プラスチック72を持つことがわかる。ここで第1プラスチック70とは、スチール製本体12に接していて、延長部68を取り囲んでいるプラスチックである。第2プラスチック72は第1プラスチック70の上に載せられており、第4実施例のフィルター装置36においてはスチール製本体12とは接していない。ユーザーは、取っ手66を使って第2プラスチック72によりフィルター装置36をつかむ。
【0058】
第1プラスチック70はポリプロピレン(PP)とすることができ、また、第2プラスチック72より高い硬度を持つことができる。第2プラスチック72は第1プラスチック70より低い熱伝導性を持つことができる。第2プラスチック72としてとりわけ挙げられるのは、熱可塑性エラストマー(TPE)である。
【0059】
図5Eには、フィルター装置36の底部スチール製本体20がそれだけで図示されている。第2実施例のフィルター装置36の底部スチール製本体20とは異なり、第4実施例のフィルター装置36の底部スチール製本体20は2部式に構成されており、底穴74が形成されており、これは、図5Fにおいてそれだけで図示されている底プレート76により、意図通りの状態でカバーされる。底プレート76には多数のフィルター孔14が設けられている一方、残りの底部スチール製本体20にはフィルター孔14は設けられていない。底プレート76は例えば溶接継ぎ目により底部スチール製本体20に固く接続されているか、又は底部スチール製本体20の上に単に載せられている。後者の場合、底プレート76は例えば洗浄の目的で底部スチール製本体20から取り外すことができる。
【符号の説明】
【0060】
10 フィルター装置
12 スチール製本体
14 フィルター孔
16 上縁
18 下縁
20 底部スチール製本体
22 底壁
24 側壁
26 上スチール製本体
28 充填口
30 漏斗形状部分
32 フランジ
33 プラスチックボディ
34 膨らみ
35 空洞
36 フィルター装置
36から36 フィルター装置
38 接続部分
40 凹部
42 貫通孔
44 プラスチック部分
46 第1面
48 第2面
50 収容部
52 下半径方向拡張部分
54 上半径方向拡張部分
56 開口部
58 さらなるプラスチック部分
60 支え縁
62 突出部
64 ベロ
66 取っ手
68 延長部
70 第1プラスチック
72 第2プラスチック
74 底穴
76 底プレート
WO 上縁幅
WU 下縁幅
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
【国際調査報告】