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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-12
(54)【発明の名称】長寿命ポンプ用チューブ
(51)【国際特許分類】
   F16L 11/10 20060101AFI20240104BHJP
   B32B 1/08 20060101ALI20240104BHJP
   F04B 43/12 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
F16L11/10 A
B32B1/08 B
F04B43/12 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535796
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 US2021072870
(87)【国際公開番号】W WO2022133412
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】63/127,219
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500149223
【氏名又は名称】サン-ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルドロウ,ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】モリス,キャサリン,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】コルトン,マーク,エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ツィヴァニス,マイケル,ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3H077
3H111
4F100
【Fターム(参考)】
3H077AA01
3H077CC04
3H077EE21
3H077FF06
3H077FF08
3H111AA02
3H111BA12
3H111BA15
3H111CB02
3H111CB04
3H111CB14
3H111CB29
3H111DB27
4F100AK01B
4F100AK07A
4F100AK28A
4F100AK64A
4F100AN00B
4F100AN02A
4F100BA01
4F100BA02
4F100BA10A
4F100BA10B
4F100DA11A
4F100DA11B
4F100EJ06A
4F100EJ06B
4F100GB51
4F100JA11A
4F100JB16A
4F100JB16B
4F100JK12A
4F100YY00A
(57)【要約】

【解決手段】 熱可塑性加硫物(TPV)から形成された少なくとも1つの層を備えるチューブ構造を用意することを含むシステム及び方法が開示される。チューブ構造は、周期的な負荷及び除荷を受けるポンプ用途での使用に好適である。チューブ構造は、長時間にわたって±10%の流量安定性を維持して、チューブ構造及び/又は流体ポンプの長寿命にわたって一貫した流体分注及び/又は投与をもたらす。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性加硫物(TPV)から形成された少なくとも1つの層を備える、チューブ構造。
【請求項2】
前記TPVが、高温で半結晶性熱可塑性成分と溶融混合する間にゴム成分の動的加硫を介して形成される、請求項1に記載のチューブ構造。
【請求項3】
前記TPVが架橋ゴム及び熱可塑性樹脂を含む、請求項1~2のいずれか一項に記載のチューブ構造。
【請求項4】
前記架橋ゴムが合成ゴムである、請求項3に記載のチューブ構造。
【請求項5】
前記架橋ゴムがエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)である、請求項3に記載のチューブ構造。
【請求項6】
前記熱可塑性がポリプロピレンである、請求項3に記載のチューブ構造。
【請求項7】
前記チューブ構造が25AのショアA硬度を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のチューブ構造。
【請求項8】
前記チューブ構造が、所定の時間又は長時間にわたって、前記チューブ構造の元の流量の±15%以下の流体流量安定性を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のチューブ構造。
【請求項9】
前記チューブ構造が、少なくとも50%の、ASTM D2632-15に基づくベイショア反発試験による垂直反発を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のチューブ構造。
【請求項10】
前記チューブ構造が、少なくとも0.005×10-3mol/cmかつ15×10-3mol/cm以下の架橋密度を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のチューブ構造。
【請求項11】
前記チューブ構造が、少なくとも50Aから70A以下のショアA硬度、少なくとも500時間の期間にわたって±10%以下の流量安定性、少なくとも華氏150度の温度で少なくとも20時間にわたって26%以下の圧縮永久ひずみ、少なくとも50%の垂直反発、少なくとも0.005×10-3mol/cmから15×10-3mol/cm以下の架橋密度、又は摂氏約23度及び約10ヘルツ(Hz)の周波数で測定して0.10以下のtanδを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のチューブ構造。
【請求項12】
前記チューブ構造が、1つ以上の追加層を備える多層チューブ構造である、請求項1~11のいずれか一項に記載のチューブ構造。
【請求項13】
前記少なくとも1つの追加層が、ポリマー材料、熱可塑性材料、ゴム材料、又は熱可塑性加硫物(TPV)から形成される、請求項12に記載のチューブ構造。
【請求項14】
熱可塑性加硫物(TPV)から形成された少なくとも1つの層と、
前記チューブ構造を通して流体を押し進めるために、前記チューブ構造に周期的な負荷及び除荷をかけるように構成された1つ以上のローラを備えるロータと、
を備える、流体ポンプ。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載のチューブ構造を備える流体ポンプを用意することと、
前記流体ポンプの動作を初期流体流量で開始することと、
所定の時間にわたって前記初期流体流量の±10%以下の流体流量を維持することと、
を含む、流体ポンプを動作させる方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0001】
蠕動ポンプは、生物製剤流体の分注及び移送、化学流体の分注及び移送、並びに医療用流体の分注、投与、及び移送用途を含む、種々の流体移送産業において使用される。これらの用途は、多くの場合、一貫した予測可能な投与若しくは分注、及び/又はポンプの長寿命を必要とする。しかしながら、蠕動ポンプを用いた流体分注は、ポンプ用チューブに対して非常に過酷である。ポンプ用チューブへの周期的な負荷及び除荷は、ポンプ用チューブの寸法変化、疲労、破損、及び最終的な故障をもたらす可能性がある。したがって、これらの産業では、ポンプ用チューブ技術の改善を要求し続けている。
【図面の簡単な説明】
【0002】
実施形態の特徴及び利点が達成され、より詳細に理解され得るように、添付の図面に例解されるその実施形態を参照することによって、より具体的な説明が行われ得る。しかしながら、図面は、いくつかの実施形態のみを例解し、したがって、他の等しく有効な実施形態が存在し得るため、範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【0003】
図1図1は、本開示の一実施形態によるチューブ構造の断面図である。
図2図2は、本開示の一実施形態による多層チューブ構造の断面図である。
図3図3は、本開示の一実施形態による流体ポンプの一部分の断面図である。
図4図4は、本開示の一実施形態による、流体ポンプを動作させる方法の流れ図である。
図5図5は、従来のチューブ構造とチューブ構造の例示的な実施形態との比較流体流量データのグラフを示す図である。
図6図6は、従来のチューブ構造とチューブ構造の例示的な実施形態との比較圧縮永久ひずみデータのグラフを示す図である。
図7図7は、従来のチューブ構造とチューブ構造の例示的な実施形態との比較垂直反発データのグラフを示す図である。
図8図8は、従来のチューブ構造とチューブ構造の例示的な実施形態との比較データのグラフを示す図である。
図9図9は、従来のチューブ構造とチューブ構造の例示的な実施形態との比較データのグラフを示す図である。
【0004】
異なる図面における同じ参照符号の使用は、同様の又は同一の項目を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1は、本開示の実施形態による、チューブ構造100の断面図を示す。チューブ構造100は、概して、流体が搬送、圧送、又は移送され得る内径(ID)と、外径(OD)とを備え得る。チューブ構造100は、流体の移送を必要とする生物製剤、化学、医療、又は他の用途に好適であり得る。チューブ構造100は、一貫した流体分注及び/若しくは投与、チューブの長寿命、並びに/又は流体ポンプの長寿命を必要とする用途に好適であり得る。チューブ構造100はまた、高度に弾性であり、チューブ構造100及び/又は流体ポンプの長寿命化のために一貫した流体分注及び/又は投与をもたらしながら、チューブ構造100が周期的な負荷及び除荷を受ける蠕動ポンプなどの用途での使用に対して好適であり得る。
【0006】
チューブ構造100は、概して、少なくとも1つの層102を備え得る。いくつかの実施形態では、チューブ構造100の少なくとも1つの層102は、熱可塑性加硫物(TPV)から形成され得る。いくつかの実施形態では、TPVは、高温で半結晶性熱可塑性成分と溶融混合する間にゴム成分の動的加硫を介して形成され得る。いくつかの実施形態では、チューブ構造100の少なくとも1つの層102は、架橋ゴム及び熱可塑性樹脂を含むTPVから形成され得る。いくつかの実施形態では、架橋ゴムは合成ゴムであり得る。いくつかの実施形態では、架橋ゴムはエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)であり得る。いくつかの実施形態では、熱可塑性樹脂はポリプロピレンを含み得る。更に、いくつかの実施形態では、チューブ構造100の少なくとも1つの層102は、押出成形されてチューブ構造100を形成し得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、チューブ構造100は、有益なショアA硬度デュロメータを備え得る。いくつかの実施形態では、ショアA硬度は少なくとも25Aであり得る。いくつかの実施形態では、ショアA硬度は75A以下であり得る。いくつかの実施形態では、ショアA硬度は、25A、30A、35A、40A、45A、50A、55A、65A、又は75Aであり得る。
【0008】
チューブ構造100は、概して、チューブ構造100を高度に弾性かつ耐久性があるようにし、並びに寸法変化、疲労、破壊、及び故障に対して耐性にして、長時間にわたって周期的負荷及び除荷を受けたときに従来のチューブ構造を上回る向上及び拡張された性能をもたらすことができる、1つ以上の特性を備え得る。いくつかの実施形態では、チューブ構造100は、所定の時間又は長時間にわたる流量の変化(±)として定義される、有益な流体流量安定性を備え得る。いくつかの実施形態では、流体流量安定性は、所定の時間又は長時間にわたって、チューブ構造100の元の流量の±15%以下、±14%以下、±13%以下、±12%以下、±11%以下、±10%以下、±9%以下、±8%以下、±7%以下、±6%以下、又は±5%以下であり得る。いくつかの実施形態では、所定の時間又は長時間とは、少なくとも250時間、少なくとも300時間、少なくとも350時間、少なくとも400時間、少なくとも450時間、少なくとも500時間、少なくとも550時間、少なくとも600時間、少なくとも750時間、少なくとも1000時間、少なくとも1500時間、少なくとも2500時間、少なくとも5000時間、又は少なくとも10000時間であり得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、チューブ構造100は、有益な圧縮永久ひずみを備え得る。圧縮永久ひずみは、材料が特定の時間にわたって特定の温度で圧縮されたときに生じる永久変形の量として定義される。いくつかの実施形態では、圧縮永久ひずみは、26%以下、25%以下、24%以下、23%以下、22%以下、21%以下、20%以下、19%以下、18%以下、17%以下、16%以下、又は15%以下であり得る。いくつかの実施形態では、圧縮永久ひずみは、少なくとも15時間、少なくとも20時間、少なくとも21時間、少なくとも22時間、少なくとも23時間、又は少なくとも24時間にわたって評価され得る。いくつかの実施形態では、圧縮永久ひずみは、少なくとも華氏150度、少なくとも華氏151度、少なくとも華氏152度、少なくとも華氏153度、少なくとも華氏154度、少なくとも華氏155度、少なくとも華氏156度、少なくとも華氏157度、少なくとも華氏158度、少なくとも華氏159度、少なくとも華氏160度、少なくとも華氏170度、少なくとも華氏175度、又は少なくとも華氏180度の温度で評価され得る。特定の実施形態では、55AのショアA硬度を有するチューブ構造100は、23%以下の圧縮永久ひずみを備え得る。別の特定の実施形態では、65AのショアA硬度を有するチューブ構造100は、18%以下の圧縮永久ひずみを備え得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、チューブ構造100は、高度に弾性であってもよく、ASTM D2632-15に基づくベイショア(Bashore)反発試験による有益な垂直反発を備え得る。いくつかの実施形態では、垂直反発は、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、又は少なくとも55%であり得る。特定の実施形態では、55AのショアA硬度を有するチューブ構造100は、少なくとも55%の垂直反発を備え得る。別の特定の実施形態では、65AのショアA硬度を有するチューブ構造100は、少なくとも51%の垂直反発を備え得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、チューブ構造100は、有益な架橋密度を備え得る。いくつかの実施形態では、架橋密度は少なくとも0.005×10-3mol/cm、少なくとも0.010×10-3mol/cm、少なくとも0.015×10-3mol/cm、少なくとも0.020×10-3mol/cm、少なくとも0.025×10-3mol/cm、少なくとも0.05×10-3mol/cm、少なくとも0.10×10-3mol/cm、少なくとも0.25×10-3mol/cm、少なくとも0.5×10-3mol/cm、少なくとも0.75×10-3mol/cm、少なくとも1×10-3mol/cm、少なくとも2×10-3mol/cm、少なくとも3×10-3mol/cm、少なくとも4×10-3mol/cm、少なくとも5×10-3mol/cm、少なくとも6×10-3mol/cm、少なくとも7×10-3mol/cm、少なくとも8×10-3mol/cm、少なくとも9×10-3mol/cm、又は少なくとも10×10-3mol/cm3であり得る。いくつかの実施形態では、架橋密度は15×10-3mol/cm以下、14×10-3mol/cm以下、13×10-3mol/cm以下、12×10-3mol/cm以下、11×10-3mol/cm以下、10×10-3mol/cm以下、9×10-3mol/cm以下、8×10-3mol/cm以下、7×10-3mol/cm以下、6×10-3mol/cm以下、又は5×10-3mol/cm以下であり得る。更に、架橋密度は、これらの最小値と最大値のいずれかの間であり得る、例えば少なくとも0.005×10-3mol/cmから15×10-3mol/cm以下、又は少なくとも5×10-3mol/cmから10×10-3mol/cm以下でさえもよいことが理解されよう。
【0012】
いくつかの実施形態では、チューブ構造100は、有益なtanδを備え得る。別の態様では、tanδは、0.12以下、又は0.11以下、又は0.10以下であり得る。いくつかの実施形態では、tanδは、摂氏約23度及び約10ヘルツ(Hz)の周波数で測定して、0.12以下、0.11以下、又は0.10以下であり得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、チューブ構造100は、これらの有益な特性のうちのいずれかの有益な組み合わせを備えてもよい。いくつかの実施形態では、チューブ構造100は、有益なショアA硬度、流量安定性、圧縮永久ひずみ、垂直反発、架橋密度、及び/又はtanδ値の組み合わせを備えてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、チューブ構造100は、少なくとも20Aから90A以下、又は少なくとも40Aから70A以下ですらよいショアA硬度、少なくとも500時間の期間にわたって±10%以下の流量安定性、少なくとも華氏150度の温度で少なくとも20時間にわたって26%以下の圧縮永久ひずみ、少なくとも50%の垂直反発、少なくとも0.005×10-3mol/cmから15×10-3mol/cm以下の架橋密度、及び/又は摂氏約23度及び約10ヘルツ(Hz)の周波数で測定して0.10以下のtanδを備え得る。
【0014】
チューブ構造100は、チューブ構造100を特定の用途に好適なものにする寸法を備え得る。いくつかの実施形態では、チューブ構造100は、少なくとも0.0625インチ、少なくとも0.125インチ、少なくとも0.25インチ、少なくとも0.375インチ、又は少なくとも0.50インチの内径を備え得る。いくつかの実施形態では、チューブ構造100は、少なくとも0.125インチ、少なくとも0.25インチ、少なくとも0.50インチ、少なくとも0.75インチ、又は少なくとも1.0インチの外径を備え得る。例えば、特定の実施形態では、チューブ構造100は、0.255インチの内径及び0.385インチの外径を備えてもよい。しかしながら、他の実施形態では、チューブ構造100は、任意の特定の用途に好適な寸法を備えてもよい。
【0015】
図2は、本開示の一実施形態による多層チューブ構造200の断面図である。少なくとも1つの層は、架橋ゴム及び熱可塑性樹脂を含む熱可塑性加硫物(TPV)から形成される。我らはまた、一旦利用可能になった多層チューブについての上記参照した性能及び形態のデータを含み、特許請求する。いくつかの実施形態では、多層チューブ構造200は、複数の層102、202を備え得る。いくつかの実施形態では、多層チューブ構造200は、熱可塑性加硫物(TPV)から形成されるチューブ構造100の少なくとも1つの層102と、1つ以上の追加層202とを備え得る。いくつかの実施形態では、多層チューブ構造200は、1つ以上の追加内層202a、1つ以上の追加外層202b、又はそれらの組み合わせを備え得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの層102は、多層チューブ構造200の最内層であり得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの層102は、多層チューブ構造200の最外層であり得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加層202は、ポリマー材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加層202は、熱可塑性材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加層202は、ゴム材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加層202は、チューブ構造100の層102と実質的に同様の熱可塑性加硫物(TPV)から形成され得る。更に、いくつかの実施形態では、多層チューブ構造200の少なくとも1つの層102及び1つ以上の追加層202は、共押出されて多層チューブ構造200を形成してもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、多層チューブ構造200は、チューブ構造100と実質的に同様であってもよく、実質的に同様の用途に好適であってもよい。いくつかの実施形態では、多層チューブ構造200は、改善された流量安定性、改善された圧縮永久ひずみ、改善された垂直反発、有益な架橋密度、有益なtanδ、又はそれらの任意の組み合わせをもたらす、チューブ構造100と実質的に同様の特性及び/又は性能特徴を備え得る。
【0018】
多層チューブ構造200は、多層チューブ構造200を特定の用途に好適なものにする寸法を更に備え得る。いくつかの実施形態では、多層チューブ構造200は、少なくとも0.0625インチ、少なくとも0.125インチ、少なくとも0.25インチ、少なくとも0.375インチ、又は少なくとも0.50インチの内径を備え得る。いくつかの実施形態では、多層チューブ構造200は、少なくとも0.125インチ、少なくとも0.25インチ、少なくとも0.50インチ、少なくとも0.75インチ、又は少なくとも1.0インチの外径を備え得る。例えば、特定の実施形態では、多層チューブ構造200は、0.255インチの内径及び0.385インチの外径を備えてもよい。しかしながら、他の実施形態では、多層チューブ構造200は、任意の特定の用途に好適な寸法を備えてもよい。
【0019】
図3は、本開示の実施形態による流体ポンプ300の一部分の断面図を示す。いくつかの実施形態では、流体ポンプ300は蠕動ポンプを備え得る。いくつかの実施形態では、流体ポンプ300はチューブ構造100を備え得る。いくつかの実施形態では、流体ポンプ300は、多層チューブ構造200を備え得る。更に、いくつかの実施形態では、流体ポンプ300は、ロータに結合され、チューブ構造100又は多層チューブ構造200を通して流体を押し進めるために、チューブ構造100又は多層チューブ構造200に周期的な負荷及び除荷をかけるように構成された1つ以上のローラ302を備え得る。
【0020】
図4は、本開示の一実施形態による、流体ポンプ300を動作させる方法400の流れ図を示す。方法400は、ブロック402にて、本明細書に開示する実施形態によるチューブ構造100、200を備える流体ポンプ300を用意することによって開始し得る。方法400は、流体ポンプ300の動作を初期流体流量で開始することによって、ブロック404にて続き得る。方法400は、所定の時間にわたって、初期流体流量の10%以下の流体流量を維持することによって、ブロック406にて続き得る。いくつかの実施形態では、所定の時間は、少なくとも250時間、少なくとも300時間、少なくとも350時間、少なくとも400時間、少なくとも450時間、少なくとも500時間、少なくとも550時間、少なくとも600時間、少なくとも750時間、少なくとも1000時間、少なくとも1500時間、少なくとも2500時間、少なくとも5000時間、又は少なくとも10000時間であってもよい。
【実施例
【0021】
図5は、従来のチューブ構造(C1及びC2)とチューブ構造100の例示的な実施形態(S1及びS2)との比較流体流量データのグラフを示す。C1、C2、S1、及びS2の各々は、0.255インチの内径(ID)及び0.385インチの外径(OD)を有する単層チューブから構成された。C1とS1を比較し、これらのショアA硬度は55Aであった。C2とS2を比較し、これらのショアA硬度は65Aであった。C1、C2、S1、及びS2の各々の初期流量を記録した(グラフでは1.0として示す)。グラフには、元の流量の割合対時間(時間)のプロットを示す。C1、C2、S1、及びS2の各々を、10psiの背圧で連続600RPMの流体ポンプにおいて、示される長時間での動作期間について試験した。C1は約300時間で±10%の流量安定性を下回るが、S1は少なくとも約900時間にわたって±10%の流量安定性を維持した。結果は、S1が、C1と比較して約300%長く±10%の流量安定性を維持することを示す。C2は約15時間で±10%の流量安定性を急速に下回るが、S2は少なくとも約600時間にわたって±10%の流量安定性を維持した。結果は、S2がC2よりも約4000%長く、±10%の流量安定性を維持することを示す。S1及びS2の長期での流量安定性は、C1及びC2と比較して、長時間にわたって正確な分注若しくは投与を維持すること、及び/又はより長いポンプ寿命をもたらすものとして解釈し得る。
【0022】
図6は、従来のチューブ構造(C1及びC2)とチューブ構造100の例示的な実施形態(S1及びS2)との比較圧縮永久ひずみデータのグラフを示す。C1、C2、S1、及びS2の各々は、0.255インチの内径(ID)及び0.385インチの外径(OD)を有する単層チューブから構成された。C1とS1を比較し、これらのショアA硬度は55Aであった。C2とS2を比較し、これらのショアA硬度は65Aであった。C1、C2、S1、及びS2の各々は、華氏158度の温度で約22時間の期間にわたって等しく圧縮された。圧縮力を除去し、圧縮永久ひずみ値を測定した。C1は28.98%の圧縮永久ひずみを示した一方で、S1は22.64%の圧縮永久ひずみを示した。結果は、S1がC1と比較して6%超の少ない圧縮永久ひずみを受け、したがってより弾性であることを示す。C2は26.37%の圧縮永久ひずみを示した一方で、S2は17.95%の圧縮永久ひずみを示した。結果は、S2がC2と比較して8%超の少ない圧縮永久ひずみを受け、したがってより弾性であることを示す。
【0023】
図7は、従来のチューブ構造(C1及びC2)とチューブ構造100の例示的な実施形態(S1及びS2)との比較垂直反発データのグラフを示す。C1、C2、S1、及びS2の各々は、0.255インチの内径(ID)及び0.385インチの外径(OD)を有する単層チューブから構成された。C1とS1を比較し、これらのショアA硬度は55Aであった。C2とS2を比較し、これらのショアA硬度は65Aであった。C1、C2、S1、及びS2の各々を、ASTM D2632-15に従って、ベイショア垂直反発試験に供した。C1は56%の垂直反発を示した一方で、S1は55%の同等の垂直反発を示した。結果は、S1がC1と比較して実質的に同様の垂直反発を有することを示す。C2は48%の垂直反発を示した一方で、S2は51%の垂直反発を示した。結果は、S2が3%良好な垂直反発を有し、したがって、C2と比較して急速な変形に対してより反応することを示す。
【0024】
図8は、従来のチューブ構造(C1及びC2)とチューブ構造100の例示的な実施形態(S1及びS2)との比較データのグラフを示す。C1、C2、S1、及びS2の各々は、55AのショアA硬度を有する単層チューブから構成された。結果は、S1及びS2が、C1及びC2と比較して、全ての周波数でより低いtanδ値、及び全ての周波数でわずかに低い損失弾性率を有することを示す。貯蔵弾性率は同様のままであった。これらの結果は、S1及びS2が、C1及びC2と比較して、より良好なポンプ性能(流量安定性及びポンプ寿命)に寄与することを示す。
【0025】
図9は、従来のチューブ構造(C1及びC2)とチューブ構造100の例示的な実施形態(S1及びS2)との比較データのグラフを示す。C1、C2、S1、及びS2の各々は、65AのショアA硬度を有する単層チューブから構成された。結果は、S1及びS2が、C1及びC2と比較して、全ての周波数でより低いtanδ値、全ての周波数でわずかに低い損失弾性率、及び全ての周波数でわずかに低い貯蔵弾性率を有することを示す。これらの結果は、S1及びS2が、C1及びC2と比較して、より良好なポンプ性能(流量安定性及びポンプ寿命)に寄与することを示す。
【0026】
更に他の実施形態では、チューブ構造100、多層チューブ構造200、及び/又は流体ポンプを動作させる方法300は、以下の実施形態のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0027】
実施形態1.熱可塑性加硫物(TPV)から形成された少なくとも1つの層を備える、チューブ構造。
【0028】
実施形態2.TPVが、高温で半結晶性熱可塑性成分と溶融混合する間にゴム成分の動的加硫を介して形成される、実施形態1に記載のチューブ構造。
【0029】
実施形態3.TPVが架橋ゴム及び熱可塑性樹脂を含む、実施形態1~2のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0030】
実施形態4.架橋ゴムが合成ゴムである、実施形態3に記載のチューブ構造。
【0031】
実施形態5.架橋ゴムがエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)である、実施形態3~4のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0032】
実施形態6.熱可塑性がポリプロピレンである、実施形態3~5のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0033】
実施形態7.少なくとも1つの層が押出成形されてチューブ構造を形成する、実施形態1~6のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0034】
実施形態8.チューブ構造が、25A、30A、35A、40A、45A、50A、55A、65A、又は75AのショアA硬度を備える、実施形態1~7のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0035】
実施形態9.チューブ構造が、所定の時間又は長時間にわたって、チューブ構造の元の流量の±15%以下、±14%以下、±13%以下、±12%以下、±11%以下、±10%以下、±9%以下、±8%以下、±7%以下、±6%以下、又は±5%以下の流体流量安定性を備える、実施形態1~8のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0036】
実施形態10.所定の時間又は長時間が、少なくとも250時間、少なくとも300時間、少なくとも350時間、少なくとも400時間、少なくとも450時間、少なくとも500時間、少なくとも550時間、少なくとも600時間、少なくとも750時間、少なくとも1000時間、少なくとも1500時間、少なくとも2500時間、少なくとも5000時間、又は少なくとも10000時間である、実施形態9に記載のチューブ構造。
【0037】
実施形態11.チューブ構造が、少なくとも500時間の所定の期間又は長期間にわたって±10%以下の流量安定性を備える、実施形態10に記載のチューブ構造。
【0038】
実施形態12.チューブ構造が、26%以下、25%以下、24%以下、23%以下、22%以下、21%以下、20%以下、19%以下、18%以下、17%以下、16%以下、又は15%以下の圧縮永久ひずみを備える、実施形態1~11のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0039】
実施形態13.圧縮永久ひずみが、少なくとも15時間、少なくとも20時間、少なくとも21時間、少なくとも22時間、少なくとも23時間、又は少なくとも24時間にわたって評価される、実施形態12に記載のチューブ構造。
【0040】
実施形態14.圧縮永久ひずみが、少なくとも華氏150度、少なくとも華氏151度、少なくとも華氏152度、少なくとも華氏153度、少なくとも華氏154度、少なくとも華氏155度、少なくとも華氏156度、少なくとも華氏157度、少なくとも華氏158度、少なくとも華氏159度、少なくとも華氏160度、少なくとも華氏170度、少なくとも華氏175度、又は少なくとも華氏180度の温度で評価される、実施形態13に記載のチューブ構造。
【0041】
実施形態15.チューブ構造が55AのショアA硬度及び23%以下の圧縮永久ひずみを備える、実施形態12~14のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0042】
実施形態16.チューブ構造が65AのショアA硬度及び18%以下の圧縮永久ひずみを備える、実施形態11~13のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0043】
実施形態17.チューブ構造が、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、又は少なくとも55%の、ASTM D2632-15に基づくベイショア反発試験による垂直反発を備える、実施形態1~16のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0044】
実施形態18.チューブ構造が、55AのショアA硬度及び少なくとも55%の垂直反発を備える、実施形態17に記載のチューブ構造。
【0045】
実施形態19.チューブ構造が、65AのショアA硬度及び少なくとも51%の垂直反発を備える、実施形態17に記載のチューブ構造。
【0046】
実施形態20.チューブ構造が、少なくとも0.005×10-3mol/cm3、少なくとも0.010×10-3mol/cm3、少なくとも0.015×10-3mol/cm3、少なくとも0.020×10-3mol/cm3、少なくとも0.025×10-3mol/cm3、少なくとも0.05×10-3mol/cm3、少なくとも0.10×10-3mol/cm3、少なくとも0.25×10-3mol/cm3、少なくとも0.5×10-3mol/cm3、少なくとも0.75×10-3mol/cm3、少なくとも1×10-3mol/cm3、少なくとも2×10-3mol/cm3、少なくとも3×10-3mol/cm3、少なくとも4×10-3mol/cm3、少なくとも5×10-3mol/cm3、少なくとも6×10-3mol/cm3、少なくとも7×10-3mol/cm3、少なくとも8×10-3mol/cm3、少なくとも9×10-3mol/cm3、又は少なくとも10×10-3mol/cm3の架橋密度を備える、実施形態1~19のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0047】
実施形態21.チューブ構造が、15×10-3mol/cm3以下、14×10-3mol/cm3以下、13×10-3mol/cm3以下、12×10-3mol/cm3以下、11×10-3mol/cm3以下、10×10-3mol/cm3以下、9×10-3mol/cm3以下、8×10-3mol/cm3以下、7×10-3mol/cm3以下、6×10-3mol/cm3以下、又は5×10-3mol/cm3以下の架橋密度を備える、実施形態1~20のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0048】
実施形態22.チューブ構造が、0.12以下、0.11以下、又は0.10以下のtanδを備える、実施形態1~21のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0049】
実施形態23.チューブ構造が、摂氏約23度及び約10ヘルツ(Hz)の周波数で測定して、0.12以下、0.11以下、又は0.10以下のtanδを備える、実施形態1~22のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0050】
実施形態24.チューブ構造が、少なくとも50Aから70A以下のショアA硬度、少なくとも500時間の期間にわたって±10%以下の流量安定性、少なくとも華氏150度の温度で少なくとも20時間にわたって26%以下の圧縮永久ひずみ、少なくとも50%の垂直反発、少なくとも0.005×10-3mol/cm3から15×10-3mol/cm3以下の架橋密度、及び/又は摂氏約23度及び約10ヘルツ(Hz)の周波数で測定して0.10以下のtanδを備える、実施形態1~23のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0051】
実施形態25.チューブ構造が、55AのショアA硬度、少なくとも500時間の所定の期間又は長期間にわたって±10%の流量安定性、少なくとも華氏150度の温度で少なくとも20時間にわたって23%以下の圧縮永久ひずみ、及び少なくとも55%の垂直反発を備える、実施形態24に記載のチューブ構造。
【0052】
実施形態26.チューブ構造が、65AのショアA硬度、少なくとも500時間の所定の期間又は長期間にわたって±10%の流量安定性、少なくとも華氏150度の温度で少なくとも20時間にわたって18%以下の圧縮永久ひずみ、及び少なくとも51%の垂直反発を備える、実施形態24に記載のチューブ構造。
【0053】
実施形態27.チューブ構造が、1つ以上の追加層を備える多層チューブ構造である、実施形態1~26のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0054】
実施形態28.1つ以上の追加層が、1つ以上の内層、1つ以上の外層、又はこれらの組み合わせを備える、実施形態27に記載のチューブ構造。
【0055】
実施形態29.熱可塑性加硫物(TPV)から形成された少なくとも1つの層が、多層チューブ構造の最内層である、実施形態27~28のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0056】
実施形態30.熱可塑性加硫物(TPV)から形成された少なくとも1つの層が、多層チューブ構造の最外層である、実施形態27~28のいずれか1つに記載のチューブ構造体。
【0057】
実施形態31.少なくとも1つの追加層がポリマー材料から形成される、実施形態27~30のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0058】
実施形態32.少なくとも1つの追加層が熱可塑性材料から形成される、実施形態27~30のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0059】
実施形態33.少なくとも1つの追加層がゴム材料から形成される、実施形態27~30のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0060】
実施形態34.少なくとも1つの追加層が熱可塑性加硫物(TPV)から形成される、実施形態27~30のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0061】
実施形態35.少なくとも1つの層及び1つ以上の追加層が共押出されて多層チューブ構造を形成する、実施形態27~34のいずれか1つに記載のチューブ構造。
【0062】
実施形態36.実施形態1~35のいずれかに記載のチューブ構造と、チューブ構造を通して流体を押し進めるために、チューブ構造に周期的な負荷及び除荷をかけるように構成された1つ以上のローラを備えるロータと、を備える、流体ポンプ。
【0063】
実施形態37.ポンプが蠕動ポンプを備える、実施形態36に記載の流体ポンプ。
【0064】
実施形態38.実施形態1~35のいずれか1つに記載のチューブ構造を備える流体ポンプを用意することと、流体ポンプの動作を初期流体流量で開始することと、所定の時間にわたって初期流体流量の±10%以下の流体流量を維持することと、を含む、流体ポンプを動作させる方法。
【0065】
実施形態39.流体ポンプが、チューブ構造を通して流体を押し進めるために、チューブ構造に周期的な負荷及び除荷をかけるように構成された1つ以上のローラを備えるロータを有する、蠕動ポンプを備える、実施形態38に記載の方法。
【0066】
実施形態40.所定の時間が、少なくとも250時間、少なくとも300時間、少なくとも350時間、少なくとも400時間、少なくとも450時間、少なくとも500時間、少なくとも550時間、少なくとも600時間、少なくとも750時間、少なくとも1000時間、少なくとも1500時間、少なくとも2500時間、少なくとも5000時間、又は少なくとも10000時間である、実施形態38~39のいずれか1つに記載の方法。
【0067】
本明細書は、最良の形態を含む実施形態を開示するために、また、当業者が本発明を作製及び使用することを可能にするために、実施例を使用している。特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含み得る。そのような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの言葉と異ならない構造要素を有する場合、又はそれらが特許請求の範囲の文字通りの言葉と実質的に異ならない等価な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。
【0068】
一般的な説明又は実施例において、上で説明される活動の全てが必要とされるわけではなく、特定の活動の一部が必要とされない場合があり、説明される活動に加えて1つ以上の更なる活動が行われ得ることに留意されたい。更に、活動が列挙される順序は、必ずしもそれらが行われる順序ではない。
【0069】
前述の明細書では、特定の実施形態を参照して概念を記載してきた。しかしながら、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に掲げる本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができることを理解する。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきであり、全てのこのような修正は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0070】
本明細書中で使用される場合、「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、又はそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含を網羅することが意図される。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、明示的に列挙されていないか、又はそのようなプロセス、方法、物品、若しくは装置に固有の他の特徴を含み得る。更に、矛盾する記載がない限り、「又は(or)」は、包含的なorを指し、排他的なorを指すものではない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(又は存在し)、Bが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)、Bが真である(又は存在する)、及び、AとBとの両方が真である(又は存在する)。
【0071】
また、「1つの(a)」又は「1つの(an)」の使用は、本明細書に記載の要素及び部品を説明するために用いられる。これは、単に便宜上、及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われる。この記載は、1つ又は少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、単数はまた、そうでないことを意味することが明らかでない限り、複数も含む。
【0072】
利益、他の利点、及び問題の解決策は、特定の実施形態に関して上で説明されている。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、及び任意の利益、利点、又は解決策をもたらすかより顕著にする可能性がある任意の特徴は、請求項のいずれか又は全ての重要な、必要な、又は本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0073】
本明細書を読んだ後、当業者には、特定の特徴が、明確にするために、別個の実施形態の文脈において本明細書に記載されており、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることが理解されよう。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴は、別個に又は任意の部分的な組み合わせで提供され得る。更に、範囲で述べられた値への言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性加硫物(TPV)から形成された少なくとも1つの層を備える、チューブ構造。
【請求項2】
前記TPVが、高温で半結晶性熱可塑性成分と溶融混合する間にゴム成分の動的加硫を介して形成される、請求項1に記載のチューブ構造。
【請求項3】
前記TPVが架橋ゴム及び熱可塑性樹脂を含む、請求項1のいずれか一項に記載のチューブ構造。
【請求項4】
前記架橋ゴムが合成ゴムである、請求項3に記載のチューブ構造。
【請求項5】
前記架橋ゴムがエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)である、請求項3に記載のチューブ構造。
【請求項6】
前記熱可塑性がポリプロピレンである、請求項3に記載のチューブ構造。
【請求項7】
前記チューブ構造が25AのショアA硬度を備える、請求項1に記載のチューブ構造。
【請求項8】
前記チューブ構造が、所定の時間又は長時間にわたって、前記チューブ構造の元の流量の±15%以下の流体流量安定性を備える、請求項1に記載のチューブ構造。
【請求項9】
前記チューブ構造が、少なくとも50%の、ASTM D2632-15に基づくベイショア反発試験による垂直反発を備える、請求項1に記載のチューブ構造。
【請求項10】
前記チューブ構造が、少なくとも0.005×10-3mol/cmかつ15×10-3mol/cm以下の架橋密度を備える、請求項1に記載のチューブ構造。
【請求項11】
前記チューブ構造が、少なくとも50Aから70A以下のショアA硬度、少なくとも500時間の期間にわたって±10%以下の流量安定性、少なくとも華氏150度の温度で少なくとも20時間にわたって26%以下の圧縮永久ひずみ、少なくとも50%の垂直反発、少なくとも0.005×10-3mol/cmから15×10-3mol/cm以下の架橋密度、又は摂氏約23度及び約10ヘルツ(Hz)の周波数で測定して0.10以下のtanδを備える、請求項1に記載のチューブ構造。
【請求項12】
前記チューブ構造が、1つ以上の追加層を備える多層チューブ構造である、請求項1に記載のチューブ構造。
【請求項13】
前記少なくとも1つの追加層が、ポリマー材料、熱可塑性材料、ゴム材料、又は熱可塑性加硫物(TPV)から形成される、請求項12に記載のチューブ構造。
【請求項14】
熱可塑性加硫物(TPV)から形成された少なくとも1つの層と、
前記チューブ構造を通して流体を押し進めるために、前記チューブ構造に周期的な負荷及び除荷をかけるように構成された1つ以上のローラを備えるロータと、
を備える、流体ポンプ。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載のチューブ構造を備える流体ポンプを用意することと、
前記流体ポンプの動作を初期流体流量で開始することと、
所定の時間にわたって前記初期流体流量の±10%以下の流体流量を維持することと、
を含む、流体ポンプを動作させる方法。

【国際調査報告】