(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-12
(54)【発明の名称】フローサイトメトリ及び他の用途におけるイメージング及び蛍光を改善するためのシステム並びに方法
(51)【国際特許分類】
G01N 15/1434 20240101AFI20240104BHJP
G01N 15/14 20240101ALI20240104BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20240104BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20240104BHJP
G01N 21/49 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
G01N15/14 D
G01N15/14 C
G01N21/27 A
G01N21/64 Z
G01N21/49 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535808
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 US2021063156
(87)【国際公開番号】W WO2022132667
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502221282
【氏名又は名称】ライフ テクノロジーズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ウォード,マイケル ディー.
(72)【発明者】
【氏名】カドゥチャク,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ストレルコフ,ドミトリー
【テーマコード(参考)】
2G043
2G059
【Fターム(参考)】
2G043AA03
2G043BA16
2G043EA01
2G043FA01
2G043KA02
2G043KA09
2G043LA01
2G043LA03
2G059AA05
2G059EE01
2G059EE02
2G059EE07
2G059FF01
2G059GG01
2G059HH02
2G059JJ17
2G059KK01
2G059KK04
(57)【要約】
フローサイトメータにおける明視野イメージングを可能にし、蛍光及び高品質画像日時の収集を可能にするシステム並びに方法が提供される。開示されている技術はまた、ユーザが静的システム内で異なる傾斜又は構造化照明プロファイルを作成できるようにする照明パターンをもたらす。開示されているアプローチを用いて、ユーザは、第1の方向から(例えば、蛍光情報及び散乱情報のうちの1つ以上を発生させるように構成されたレーザ照明を用いて)試料を照明し、第2の方向から散乱情報を収集し、第3の方向から蛍光情報を収集し、第4の方向から試料の画像を取り込むことができる。(前述したことの2つ以上を同時に達成することができる)また、本明細書の他の箇所に記載されているように、視覚的画像を取り込むために試料を照明する際に使用される照明は、試料からの蛍光も収集するレンズを介して試料に伝達させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージングシステムであって、
試料を収容するように構成された試料領域と、
前記試料領域内の試料の蛍光を生じさせるために、前記試料領域にレーザ照明を供給するように構成されたレーザ照明ユニットと、
イメージングを行うために、前記試料領域内の試料を照明するイメージング照明を供給するように構成された照明光学ユニットと、
前記試料領域から導かれる照明を受光するように構成された蛍光ユニットと、
前記試料領域と光学的に連通する試料領域レンズであって、
前記試料領域レンズは、前記試料領域から収集された照明を前記蛍光ユニットに導くように構成されており、
前記試料領域レンズは、前記照明光学ユニットからの照明を前記試料領域に導くように構成されている、
前記試料領域レンズと、
任意選択的に、前記試料領域からの散乱光を収集するように構成された前方散乱検出器と、
前記イメージング照明によって照明された、前記試料領域内の試料の画像を収集するように構成された画像取込ユニットと、を含む、
イメージングシステム。
【請求項2】
前記レーザ照明ユニットが、異なる波長で動作する複数のレーザを含む、請求項1に記載のイメージングシステム。
【請求項3】
前記複数のレーザのうちのレーザが、前記レーザに関連付けられた前記試料領域内の位置に照明を供給するように当該イメージングシステムが構成されており、
任意選択で、前記試料領域を通る前記試料の動きを示す1つ以上の時間間隔に少なくとも部分的に基づいて、前記レーザのうちの1つ以上から照明を供給するように当該イメージングシステムが構成されている、請求項2に記載のイメージングシステム。
【請求項4】
前記蛍光ユニットが複数の蛍光収集ピンホールを含み、前記蛍光収集ピンホールの各々が、前記複数のレーザのうちの異なる1つに関連付けられている、請求項3に記載のイメージングシステム。
【請求項5】
所与の試料に関連して前記蛍光ユニットによって受光される前記照明が、前記試料の蛍光プロファイルを定義し、
前記画像取込ユニットが、前記試料の前記蛍光プロファイルに応答して動作する、
請求項1~4のうちのいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項6】
当該イメージングシステムが、前記画像取込ユニットを用いて、1つ以上の所定の蛍光基準を満たす蛍光プロファイルを有する試料の少なくとも1つの画像を収集するように構成されている、請求項5に記載のイメージングシステム。
【請求項7】
前記画像取込ユニットを用いて、前記試料領域を通る試料の動きを示す1つ以上の時間間隔に少なくとも部分的に基づいて、前記試料の画像を収集するように当該イメージングシステムが構成されており、
任意選択で、前記試料領域内の前記試料の動きを示す1つ以上の時間間隔に少なくとも部分的に基づいて、前記試料を照明するためのイメージング照明を供給するように当該イメージングシステムが構成されている、
請求項1~6のうちのいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項8】
(1)前記試料領域内の第1の位置が、第1の光学特性のセットを有する前記照明光学ユニットからの照明を受光し、(2)前記試料領域内の第2の位置が、光学特性の第2のセットを有する前記照明光学ユニットからの照明を受光するように、当該イメージングシステムが構成されている、請求項1~7のうちのいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項9】
前記蛍光ユニットによって受光された照明から前記試料の蛍光プロファイルを生成し、前記蛍光プロファイルに応答して前記画像取込ユニットを動作させるように当該イメージングシステムが構成されている、請求項1~8のうちのいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項10】
前記レーザ照明が、前記試料領域に対して概ね第1の方向に沿っている、請求項1~9のうちのいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項11】
前記試料領域レンズが、前記試料領域に対して概ね第2の方向に沿って、前記試料領域から収集された照明を前記蛍光ユニットに導く、請求項1~10のうちのいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項12】
前記試料領域レンズが、前記試料領域に対して概ね前記第2の方向に沿って、前記照明光学ユニットからの照明を前記蛍光ユニットに導く、請求項11に記載のイメージングシステム。
【請求項13】
前記画像取込ユニットが、前記試料領域に対して概ね第3の方向に沿って、前記試料領域内の前記試料の前記画像を収集する、請求項1~12のうちのいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項14】
当該イメージングシステムが、前記試料領域からの散乱光を収集するように構成された前方散乱検出器を備え、前記前方散乱検出器が、前記試料領域に対して概ね第4の方向に沿って、前記試料領域からの散乱光を収集するように構成されている、請求項1~13のうちのいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項15】
前記照明光学ユニットが、ドーナツ型の構成であることを特徴とする照明を供給する、請求項1~14のうちのいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項16】
方法であって、
試料領域内で送達される試料を用いて、
前記試料の蛍光プロファイルを生成するように、異なる波長で動作する複数のレーザからの励起照明で前記試料を励起することと、
イメージングを行うために、前記試料を照明するイメージング照明を供給するように構成された照明光学ユニットからのイメージング照明で、前記試料を照明することと、
試料領域レンズを用いて、(1)前記励起照明に応答して前記試料から放射された照明を蛍光ユニットに導き、(2)前記照明光学ユニットからのイメージング照明を前記試料領域に導くことと、
前記試料の前記蛍光プロファイルが1つ以上の所定の蛍光基準を満たす場合に、画像取込ユニットを用いて前記試料の画像を収集することと、を含む、
方法。
【請求項17】
前記画像を収集することが、前記試料領域を通る前記試料の動きを示す1つ以上の時間間隔に少なくとも部分的に基づく、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
(1)前記試料領域内の第1の位置が、第1の光学特性のセットを有する前記照明光学ユニットからのイメージング照明を受光し、(2)前記試料領域内の第2の位置が、光学特性の第2のセットを有する前記照明光学ユニットからのイメージング照明を受光する、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記試料によって受光される前記イメージング照明の前記光学特性が、前記試料領域内の前記試料の位置に応じて変化する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前方散乱検出器を用いて、前記試料によって散乱された光を収集することを更に含む、請求項16~19のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記励起照明が、前記試料領域に対して概ね第1の方向に沿って前記試料領域に導かれる、請求項16~20のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記試料領域レンズが、前記試料領域に対して概ね第2の方向に沿って、前記励起照明を前記蛍光ユニットに導く、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記試料領域レンズが、前記試料領域に対して概ね前記第2の方向に沿って、前記イメージング照明を前記試料領域に導く、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記画像取込ユニットが、前記試料領域に対して概ね第3の方向に沿って、前記試料領域内の前記試料の前記画像を収集する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前方散乱検出器を用いて、前記試料領域からの散乱光を収集することを更に含む、請求項16~24のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記前方散乱検出器が、前記試料領域に対して概ね第4の方向に沿って、前記散乱光を収集する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記イメージング照明が、ドーナツ型の構成であることを特徴とする、請求項16~26のうちのいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、米国特許出願第63/125,290号、「Systems And Methods For Improved Imaging And Fluorescence In Flow Cytometry And Other Applications」(2020年12月14日出願)及び米国特許出願第63/183,126号、「Systems And Methods For Improved Imaging And Fluorescence In Flow Cytometry And Other Applications」(2021年5月3日出願)の優先権並びに利益を主張するものである。前述の出願の内容全体は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本発明は、実験用照明システムの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
フローサイトメータは、比較的高速で移動する細胞を分析する。典型的なそのような機器では、粒子は、1つ以上の集束レーザビームを介して輸送され、そこで、得られた蛍光光及び散乱光が、検出器のバンクによって収集される。複数の蛍光色から得られるデータは、典型的には最大10,000細胞/秒の速度で、個々のレーザ線から検出することができる。現在の市場傾向では、より低価格でより多くの色を提供するようになっており、優れた統計的検出力で、より複雑な生物学的質問を発する能力を一般化している。
【0004】
フローサイトメトリデータは通常、細胞サイズ及び粒度、並びに単一細胞に結合したか、又は単一細胞によって発現された表現型かつ/又は機能的蛍光標識の量を決定するために使用されることが多い。例示的な
図1は、末梢血中の幹細胞の探索を試みるフローサイトメトリ実験から得られたデータを示す。臨床的に関連するCD34+細胞が、円形ゲート内に示されている。x軸は側方散乱信号を示し、y軸は、蛍光抗CD34抗体の細胞表面への結合によって同定される、CD34の細胞発現を表す。プロット中の各ドットは、単一細胞の分析に対応する。しかしながら、
図1の各「ドット」に関連付けられたデータは、対応する空間情報を有していない。このため、サイトメトリ技術者は、対象の細胞型が存在することを確実に裏付けるような、類似する細胞の群を分析することに依存しなければならない。
【0005】
例示的な
図2は、イメージングサイトメータからのデータを示す。これらの画像は、調査中の所与の細胞が予想されたものであることの裏付けを与える。このイメージング日時は、「ドット」が、レーザ内の誤った細胞形態、デブリ、又は2つの細胞の同時発現とは異なり、対象の細胞を真に表すかどうかを理解するのに非常に有効である。しかしながら、既存のイメージングサイトメータは、細胞のイメージングデータを収集するそれらのアプローチがデータの不確実性をもたらし、その不確実性が、所与の粒子に関連付けられたフローサイトメトリデータとその粒子に関連付けられたイメージングデータとの同期が失われることを招き得るという、既知の欠陥を抱えている。したがって、改善されたイメージングサイトメータのシステム及び方法が長年必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
記載されている長年の必要性を満たすために、本開示は、試料を収容するように構成された試料領域と、試料領域内の試料の蛍光を生じさせるために、試料領域にレーザ照明を供給するように構成されたレーザ照明ユニットと、イメージングを行うために、試料領域内の試料を照明するイメージング照明を供給するように構成された照明光学ユニットと、試料領域から導かれる照明を受光するように構成された蛍光ユニットと、試料領域と光学的に連通する試料領域レンズであって、試料領域レンズは、試料領域から収集された照明を蛍光ユニットに導くように構成され、試料領域レンズは、照明光学ユニットからの照明を試料領域に導くように構成されている、試料領域レンズと、任意選択的に、試料領域からの散乱光を収集するように構成された前方散乱検出器と、イメージング照明によって照明された、試料領域内の試料の画像を収集するように構成された画像取込ユニットと、を備えるイメージングシステムを提供する。
【0007】
また、試料領域内で送達される試料を用いて、試料の蛍光プロファイルを生成するように、異なる波長で動作する複数のレーザからの励起照明で試料を励起することと、イメージングを行うために、試料を照明するイメージング照明を供給するように構成された照明光学ユニットからのイメージング照明で、試料を照明することと、試料領域レンズを用いて、(1)励起照明に応答して試料から放射された照明を蛍光ユニットに導き、(2)照明光学ユニットからのイメージング照明を試料領域に導くことと、試料の蛍光プロファイルが1つ以上の所定の蛍光基準を満たす場合に、画像取込ユニットを用いて試料の画像を収集することと、を含む方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない図面では、同じ数字が、異なる概観で同様の構成要素を表す場合がある。異なる文字の接尾辞を持つ同様の数字は、同様の構成要素の異なるインスタンスを表すことができる。図面は、例示として、しかし限定としてではなく、本文書で論じられている様々な態様を一般的に示している。図面において、
【
図1】末梢血から収集された従来型フローサイトメトリデータを示す。CD34+幹細胞は、円形ゲート内に示されている。これらの細胞は極めて少なく、36,000個を超える細胞の試料数内に含まれる数個のドットによってのみ表される。
【
図2】本発明内に記載されている構成を使用して、単一の試料からフローサイトメータを通って流れる粒子の採取画像を示す。
【
図3】フローサイトメータの例示的なレイアウトを示す。フローセル中の粒子をレーザによって照明している。前方散乱は、レーザの光軸に沿って検出器に収集される。散乱光及び蛍光は、集光レンズを介して、レーザ間隔(ページ外)によって分離されたピンホール(例えば、ファイバ、アパーチャなど)に対し、レーザ毎に1つのピンホールで伝達される。各レーザからの光は、収集平面内のピンホールに対して空間的に分離される。空間的に分離された集光部は、検出器バンクへの空気伝播が使用される場合、ファイバ結合集光又はアパーチャのためのファイバとすることができる。(粒子流はページ外である)
【
図4】レーザが粒子の移動方向に沿って垂直に配置され得ることを示す。各レーザを通過する粒子から得られるデータは、タイミングによって同期される。各粒子によって感知される速度変動により、各レーザ間の距離は最小に保持される。これらの距離は、好適にはタイミング誤差を最小限に抑えるのに十分に近接しているが、隣接するレーザからファイバ/アパーチャへの放出がないように、十分に離隔している。
【
図5】典型的なイメージング構成において、粒子の移動方向に沿って垂直に配置されたレーザを示し、カメラは従来型フローサイトメトリ集合体から移動している。従来型フローサイトメトリデータの収集はフローセルの3つの側方を使用するので、この条件を当該構成に適用せざるを得ない。画像粒子の従来型データへの同期は、レーザからカメラ位置に移動するタイミングを通じて達成される。従来型データ収集システム及び画像収集システムの機械的干渉により、それらの間の距離が拡大するので、タイミング不確実性がより大きくなる可能性がある。
【
図6】集光レンズの後方の収集平面近傍に配置された照明を示す。当該照明は、追加のファイバ/アパーチャと見なすことができる。集光レンズは、光源のコンデンサとして機能し、フローセル中の粒子の位置に照明光を集束させる。なお、異なる照明プロファイルを得るために、光源が、ファイバ/アパーチャと厳密に「共役」平面にある必要はない。(粒子流はページ外である)
【
図7】集光レンズの後方の収集平面近傍に配置された照明光源を示す。当該照明光源は、集光レンズを通る追加のファイバ/アパーチャと見なすことができる。本構成では、画像ソースをファイバ/アパーチャ位置の近傍に配置できるようにすることで、タイミングを大幅に短縮することができる。
【
図8】粒子平面において、照明が照明領域内の位置の関数として大きく変化し得ることを示す。位置の関数として角度スペクトルが変化することにより、傾斜照明の変動を含む様々なタイプの照明を得ることができる。位置A、B、及びCは、遅延時間が異なることで得られる異なる照明領域に対応する。
図9は、そのような領域で収集された画像を示す。
【
図9】
図8の位置A、B及びCにおける粒子の画像を示す。「ドーナツ」型のディスクは、カメラを通して視認される照明領域である。遅延時間が変化すると、粒子は異なる照明領域に位置することができる。各位置からのJurkat細胞の画像を示す。位置Aは、傾斜照明に関連するシャドーイング特性を示す。セルの位置がB及びCを通って変化するにつれて、画像コントラスト及び構造の推移を捉えることができる。
【
図10】開示されている技術の一実施形態を表す図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、所望の実施形態及びそこに含まれる実施例の以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解され得る。
【0010】
別途規定されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。矛盾が生じる場合には、定義を含む、本文書が優先されるものとする。好ましい方法及び材料は以下に記載されるが、本明細書に記載されるものと類似又は同等の方法及び材料は、実践又は試験で使用することができる。本明細書中で言及されたすべての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。本明細書で開示される材料、方法、及び例は、例示のみであり、限定することを意図していない。
【0011】
単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明確に別様に指示されない限り、複数形照応を含む。
【0012】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、用語「備える(comprising)」は、実施形態「からなる(consisting of)」及び「から本質的になる(consisting essentially of)」を含み得る。本明細書で使用される場合、用語「備える(comprise)」、「含む(include)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「することができる(can)」、「包含する(contain)」、及びそれらの変形は、指定された成分/ステップの存在を必要とし、他の成分/ステップの存在を許容する、オープンエンドな移行句、用語、又は単語であることを意図している。しかしながら、そのような説明は、列挙された成分/ステップ「からなる」及び「本質的にからなる」として、組成物又はプロセスを説明するものと解釈されるべきであり、これは、結果として生じる可能性のある混入物を伴う、指定された成分/ステップのみの存在を可能にし、他の成分/ステップを排除するものである。
【0013】
本明細書で使用される場合、「約」及び「およそ」という用語は、問題の量又は値が、ほぼ又はほぼ同じ他の値と指定された値であり得ることを意味する。本明細書で使用される場合、それは、他に示されないか又は推測されない限り、±10%の変動を示す公称値であると一般に理解されている。この用語は、類似の値が特許請求の範囲に記載された同等の結果又は効果を促進することを伝えることを意図している。すなわち、量、サイズ、配合、パラメータ、及び他の量及び特性は正確である必要はなく、正確である必要はないが、公差、変換係数、四捨五入、測定誤差など、及び当業者に知られている他の要因を反映して、必要に応じて概算及び/又はより大きく又はより小さくすることができることが理解される。一般に、量、サイズ、配合、パラメータ、又は他の量又は特性は、そのように明示的に述べられているかどうかにかかわらず、「約」又は「概算」である。量的値の前に「約」が使用される場合、特に明記しない限り、パラメータは特定の量的値自体も含むことが理解される。
【0014】
更に、反対の指示がない限り、数値は、同じ有効数字桁数に減らしたときに同じである数値と、値を決定するための、本出願に記載されているタイプの通常の測定技術の実験誤差よりも少ない値だけ、記述された値とは異なる数値とを含むと理解されるべきである。
【0015】
本明細書に開示されているすべての範囲は、記載された端点を含むとともに、端点、2グラム~10グラムの範囲、及びすべての中間値から独立している。本明細書に開示されている範囲及び任意の値の端点は、厳密な範囲又は値に限定されるものではなく、当該端点は、これらの範囲及び/又は値を近似する値を含むほど十分に不正確である。
【0016】
本明細書で使用される場合、近似用語は、関係する基本機能に変化をもたらすことなく変わり得る任意の定量的表現を修飾するために適用され得る。したがって、「約」及び「実質的に」などの用語によって修飾された値は、特定された明確な値に限定されない場合がある。少なくともいくつかの例では、近似用語は、値を測定するための機器の精度に対応し得る。修飾語「約」も、2つの端点の絶対値によって規定される範囲を開示していると見なされるべきである。例えば、「約2~約4」という表現はまた、範囲「2~4」の範囲も表すものである。「約(about)」という用語は、示された数のプラスマイナス10%を指し得る。例えば、「約10%」は9%~11%の範囲を示し得、「約1」は0.9~1.1を意味し得る。「約」の他の意味は、四捨五入など、文脈から明らかであり得、例えば「約1」は0.5~1.4も意味し得る。更に、「備える(comprising)」という用語は、「含む(including)」というオープンエンドな意味を有するものとして理解されるべきであるが、この用語は、「からなる(consisting)」という用語のクローズドな意味も含む。例えば、成分A及びBを含む組成物は、A、B、及び他の成分を含む組成物であり得るが、A及びBのみからなる組成物でもあり得る。本明細書で引用されるすべての文書は、その全体があらゆる目的のために、参照により本明細書に組み込まれている。
【0017】
フローサイトメータの典型的なレイアウトを
図3に示す。このような機器には、粒子が毎秒1メートルの速度で移動するフローセル612が設けられている。画像に見られるように、フローセルの3つの側方が、従来型フローサイトメトリデータを収集するために使用される構成要素によって占有されている。フローセルの一方の入口/側は、レーザ励起ユニット606によって占有されている。そのようなユニットは、複数のレーザ、レーザファイバ、及びビームシェイパを含むことができ、そのような例示的な構成が、
図3に示されている。レーザの波長は、ユーザの用途に適したものとすることができ、例えば405nm、561nm、又は488nmのレーザとすることができる。励起に沿って、フローセルの対向壁には前方散乱検出器610がある。蛍光光及び側方散乱光を収集するレンズ604(典型的には、開口数が比較的大きい)が、レーザ光軸及び粒子進行方向に関連付けられた軸の両方に対して直交している。
図3に示すように、機器は、蛍光/側方散乱を収集するユニット602を含むことができ、当該ユニットは、PMTバンク又は他の適切なモジュールを含むことができる。図示のように、蛍光収集ファイバを使用して、レンズ604からの蛍光をユニット602へと導くことができる。
【0018】
集光レンズは、粒子から発せられた光を光ファイバ上に集束させるか、又はこの光は、各レーザに関連付けられた信号を空間的に分離するために、アパーチャを介して送られる。空間的に分離されたスポットに入射する光は、次いで検出器のバンクに送られる。光学の観点から、集光レンズの視野に収まるように、レーザを互いに近接して配置することができる。当該間隔は、典型的には数十ミクロン又は数百ミクロンのオーダーであり、例えば約10ミクロン~約1000ミクロンである。
【0019】
検出器バンクで収集された光を、レーザを通過する際に特定の粒子に同期させるために、非限定的な
図4に示すように、特定の時間に収集されたデータを特定の粒子に関連付けることができるように移動時間が較正される。
【0020】
この図に示されているように、レーザ404、406、408、及び410は、集光レンズ428によって照準を定められる標的領域402に導かれる。本明細書の他の箇所に記載されているように、ピンホール414、416、418、及び420により、フローセル内の粒子平面でのイメージングが可能になる。粒子が、領域402内を移動するにつれて、粒子422は、粒子の経路内の連続するレーザによって照明され、この照明から生じる反射光又は蛍光は、連続する各ピンホールから収集される。(各ピンホールは、異なるレーザに対応することができる)図示のように、粒子が連続するレーザ/ピンホール間を移動するのに要する時間は、「レーザ間のタイミング」括弧によって示されているように、比較的短い。
【0021】
レーザ位置間のタイミング誤差を低減するために、すべての粒子が確実に同じ速度で移動するように、粒子を流路内中央に集めることができる。(粒子を中央に集める方法は、当業者には公知である)一方で、チャンバの中心軸近傍への粒子の配置に位置不確実性が生じるために、タイミング誤差が発生し得る。これらの誤差は、レーザ間の距離が拡大するにつれて増幅されるため、レーザ間隔が狭いことが有利である。200ミクロンのレーザ間隔を有する典型的なサイトメータでは、間隔をわずか2ミリメートルまで拡大することで、タイミング誤差を10倍増加させることになり得る。
【0022】
前述したように、従来型フローサイトメトリデータに対応する細胞の画像を収集することが有利であり得る。
図5は、フローサイトメータでイメージングを行うための標準的な構成を示す。この図に示されているように、レーザ504、506、508、及び510は、集光レンズ528によって照準を定められる標的領域502に導かれる。ピンホール514、516、518、及び520により、フローセル内の粒子平面でのイメージングが可能になる。粒子が、領域502内を移動するにつれて、粒子522は、粒子の経路内の連続するレーザによって照明され、この照明から生じる反射光又は蛍光は、連続する各ピンホールから収集される。(各ピンホールは、異なるレーザに対応することができる)
【0023】
図示のように、粒子が連続するレーザ/ピンホール間を移動するのに要する時間は、「レーザ間のタイミング」括弧によって示されているように、比較的短い。粒子が、領域502を横断した後、粒子は画像照明光源によって照明され、粒子が、イメージング位置524に到達すると、粒子はカメラ526によってイメージングされる。
【0024】
従来型フローサイトメトリデータは、レーザ平面及び検出器平面において取得される一方、粒子は、異なる収集平面において更に下流でイメージングされる。構成要素の機械的干渉によって最小の分離距離が必要になるため、2つの平面間の距離は、フローサイトメトリ/イメージング構成要素のサイズに合わせて拡大される。
【0025】
レーザから下流の画像収集までの距離が問題となり、図示のように、(粒子の視点からの)粒子のレーザ通過時間は、イメージング位置524への移動時間よりも著しく短い。イメージング構成要素を更に下流に配置すると、粒子のカメラへの到達時間に更なる不確実性を付加することになり、その結果、粒子の従来型フローサイトメトリデータとその画像との間の同期が損なわれ得る。更に、標準的なフロー及びイメージング構成要素の場合、必要な距離は、レーザ間の距離に対して比較的長くなる(例えば、数センチメートル程度)ため、システムのサイズ及び/又は複雑性を増大させる可能性がある。
【0026】
このため、従来型フローサイトメトリの収集平面により近接している画像データを収集することが有利である。しかしながら、フローセルの壁のうちの3つがすでに占有されており、イメージングを行うために1つのみが残されているため、そのような構成は既存の方法では利用することができない。
【0027】
片側のみにアクセスできることを所与とすると、イメージングと励起との両方が同じ側から行われる落射蛍光顕微鏡装置を使用することが可能であり、これにより、必要になるのは単一の壁のみである。ただし本アプローチは、光源がフローセルの対向壁上に設けられる必要があり、したがってイメージングを行うためにフローセルの両側を必要とする場合、明視野画像を収集するようには機能しない。
【0028】
従来型構成要素に干渉せず、なおかつフローセル上に追加の面を作成しないように、上述した
図5の構成を使用することができる。一方で、タイミング及び同期において当該構成が有する欠点を考慮すると、画像が従来型フローサイトメトリ平面に比較的近接して収集される構成を創出することが必要である。
【0029】
これらの欠点を改善するために、開示されている技術は、とりわけ、フローサイトメータにおいて明視野イメージングを実現するように、構成要素を構成する方法を提供する。加えて、開示されている構成は、ユーザが静的システム内で異なる傾斜/構造化照明プロファイルを作成できるようにする照明パターンを提供する。
【0030】
フローセルへのアクセスの問題と、従来型データ収集平面の近傍でイメージングが行われるようにする問題との両方を解決するために、集光レンズは、フローサイトメトリデータのコレクタと画像照明光源の光コンデンサとの両方として機能することができる。
【0031】
本明細書(例えば、
図6)に記載されているように、ユーザは試料から散乱情報を収集することができる。また、本明細書の他の箇所に記載されているように、ユーザは、第1の方向から(例えば、蛍光情報及び散乱情報のうちの1つ以上を発生させるように構成されたレーザ照明を用いて)試料を照明し、第2の方向から散乱情報を収集し、第3の方向から蛍光情報を収集し、第4の方向から試料の画像を取り込むことができる。(前述したことの2つ以上を同時に達成することができる)また、本明細書の他の箇所に記載されているように、視覚的画像を取り込むために試料を照明する際に使用される照明は、試料からの蛍光も収集するレンズを介して試料に伝達させることができる。
【0032】
図7は、更なるピンホールが追加された、例示的な(非限定的な)システムを示す。図示のように、励起光源は、ピンホールを介して粒子の位置に集束させることができる。そのような構成では、集光レンズの対向側の残りの面にカメラを配置することができる。本構成により、従来型フローサイトメトリデータ収集平面(又は領域)内にあるか、又はその極めて近傍にイメージング構成要素が設けられるようになり、これによってタイミング不確実性が低減される。
【0033】
本アプローチは、特に
図7を参照して説明することができる。この図に示されているように、蛍光とイメージングとは領域702内で実行される。図示のように、粒子が、領域702内を移動するにつれて、粒子722は連続するレーザ(710、708、706、及び704)によって照明され、各レーザはピンホールに(720、718、716、及び714に連続して)関連付けられている。次いで粒子722は、画像位置724に到達したときに画像照明光源によって照明され、この画像位置は、粒子が通過したレーザに比較的近接している。図示のように、
図7の構成において粒子がイメージング位置に到達するのに要する時間は、
図5のイメージング位置に到達するのに要する同程度の時間と比較して比較的短い。
【0034】
蛍光ピンホールは、画像平面において、例えば約50μm~約400μmだけ分離することができる。ファイバ(一種のピンホールとみなすことができる)自体は、レンズによって画像平面から分離することができ、したがってファイバは、レンズの倍率に関連付けられた距離だけ物理的に分離される。例えば、画像平面内で50μmの間隔を有する場合において、レンズが10倍レンズであるときは、ファイバの物理的なファイバ間隔は0.5mmである。ただし、開示されている技術は、粒子の同じ位置で蛍光収集と画像照明とを行うのによく適しているので、間隔(距離と時間との両方)が0であり得ることを理解されたい。
【0035】
所与のイメージングピンホールは、最も近接した蛍光ピンホールから0μmだけ分離することができるが、最大約5000μmまで分離することもでき、例えば、約1μm~約5000μm、約10μm~約4500μm、約25μm~約4000μm、約50μm~約3500μm、約75μm~約3000μm、約100μm~約2500μm、約200μm~約2000μm、約250μm~約1500μmだけ分離することもできる。試料は、第1の蛍光位置と第1のイメージング位置との間を、約0μsから(すなわち、第1の蛍光位置と第1のイメージング位置とが同じである場合)通過することができ、又は約0μs~約5msで移動することができ、例えば、1μs若しくは5μs~約800μs、約5μs~約500μs、又は更に約10μs~約250μsで通過することができる。粒子の速度は、例えば、約0.3m/s~約15m/s、約0.5m/s~約10m/s、又は更には約0.7m/s~約5m/sであり得る。0.5m/sの粒子速度がとりわけ好適であると考えられる。
【0036】
図6は、本開示による例示的なシステム600の概要を示す。図示のように、本システムはフローセル612を備えることができ、当該フローセルを、1つ以上の粒子、例えば、サイトメータ内の粒子を収容するように構成することができる。レーザ照明ユニット606は、レーザ照明をフローセル612に導くことができ、前方散乱検出器610は、フローセル内の標的の照明に関連付けられた散乱情報を収集することができる。
【0037】
照明光源614は、フローセルに照明、例えば、フローセル内の標的の画像取込みを行うために使用される照明を供給するように構成することができる。画像取込みは、画像取込ユニット608によって実行することができ、当該ユニットは、例えば、対物レンズ(608c)、カメラ(608a)、及び画像をカメラに導くための1つ以上の他のレンズ又はミラー(608b)を含むことができる。
図6には、フローセル内で発生した蛍光を収集するように構成された蛍光ユニット602も図示されており、蛍光ユニット602は、例えば、PMTバンク及び蛍光収集ファイバを含むことができる。
【0038】
図6に示されているように、集光レンズ604は、照明光源614のコンデンサとして機能することができ、フローセル612内で発生した蛍光を集光するようにも機能することができる。このようにして、集光レンズ604は複数のタスクを実行し、これにより、記載したようなコンパクトな領域における蛍光情報及び画像情報の収集を行うことができる。
図6には詳細に示されていないが、システム600は、
図7に示されている照明/収集構成、又は本明細書で提供される任意の他の構成を含むことができる。
【0039】
更に、集光レンズを介して背面照明することによって、空間的に変化する興味深い照明プロファイルを作成することができる。集光レンズが光を粒子又はその近傍に集束させると、粒子は多くの入射角から生じる光を受光する。光の開口数が大きくなるほど、入射角も大きくなり得る。
【0040】
焦点領域に多くの入射角が収束する場合、粒子を焦点に対して異なる位置に配置することにより、粒子が全く異なる照明特性を受けることができる。例えば、焦点における光の角度スペクトルは軸対称であるため、すべての方向からの入射角は同じである。ただし、粒子が光軸から横方向に移動すると、角度スペクトルが変化するため、異なる傾斜照明モードが生成される。これらの異なる領域内に粒子を配置することは、粒子が到達する際の遅延時間を変化させることによって達成される。スライドの位置を移動させることによって異なる照明領域を作成することができる顕微鏡とは対照的に、本実施形態では、構成は静的なままであり、これにより、到達時間、ひいては流動粒子がイメージングされる位置を電子的に変更することによって、ユーザが領域を変更することができる。
【0041】
図8は、時間遅延を使用して、粒子を集光レンズの異なる照明領域(A、B、及びC)に配置できることを示す図を示す。対応する画像が
図9に示されており、ここでは生成された画像の特性は異なっており、したがって、ユーザが所望のビューに調整することが可能である。
【0042】
図10は、本開示によるシステムの描写を示す。図示のように、システムは照明ユニット606を備えることができ、照明ユニットは、フローセルにレーザ照明を供給することができ、フローセルは、
図10では符号付けされていない。図示のように、照明ユニット606は、ユーザにとって有用であり得るように、1つ以上のレーザ、ファイバ、及びビームシェイパを含むことができる。集光レンズ604は、フローセルからの蛍光を収集することができ、集光レンズ604はまた、照明光源614a(例えば、レーザであり得る)によって供給される照明を集光するように機能することができる。照明光源604aからの照明は、ファイバ614bを介して導くことができ、当該ファイバを、コイル状ファイバとすることができる。コリメートレンズ614cを使用して、照明光源614aによって供給される照明をコリメートすることができ、当該照明を、プリズム614dを介して伝達させることができ、当該プリズムを、ペンタプリズムとすることができる。収集ファイバは、蛍光収集ユニット602及び/又はプリズム614dと光学的に連通することができる。
【0043】
また、図示のように、前方散乱検出器610は、フローセルからの前方散乱信号を収集することができる。ミラー(例えば、折り返しミラー)608dは、フローセルから受光した照明をレンズ608bに導くことができ、当該レンズをチューブレンズとすることができる。チューブレンズは、照明をカメラ608aに導くことができる。したがって、開示されているシステムにより、単一の試料からのイメージング、前方散乱、及び蛍光データの収集を行うことができ、これらのデータは同時に収集することができる。
【0044】
態様
以下の態様は例示にすぎず、本開示又は添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
態様1.標的の画像を取り込むためのシステムであって、
フローセル内に配置された標的領域上に照明ビームを集束させるように構成されたバックライティングユニットであって、当該バックライティングユニットが、
光パルスを生成するレーザ、
標的領域の第1の側に配置され、コンデンサレンズとして機能するように構成されたレンズ(例えば、レンズ)であって、
当該レンズは、標的領域から収集された照明を蛍光ユニットに導くように構成されており、
当該レンズは、光パルスを標的領域に導く(例えば、集光する)ように構成されている、レンズ、及び
レーザから光パルスのビームを受光し、当該ビームをレンズに導くように構成された光ファイバであって、レンズは、光パルスを標的領域に導くように構成されている、光ファイバ、を含む、バックライティングユニットと、標的領域の第2の側にあり、標的領域内の粒子の画像を取り込むように構成された画像取込ユニットと、を備える、
標的の画像を取り込むためのシステム。
態様2.当該ビームが、標的領域内の粒子を複数の角度からの照明に曝露するように移動可能である、態様1に記載のシステム。
態様3.光ファイバの一部が湾曲している、態様1又は2のいずれか1つに記載のシステム。光ファイバは、例えばスピンドルの周りに巻回されていてもよく、或いは湾曲していても、波状であってもよい。
態様4.バックライティングユニットが、ビームを標的領域に向かって散乱させるプリズムを更に含む、態様1に記載のシステム。
態様5.第1のレンズを介して伝達される蛍光を収集するように構成されている、蛍光ユニット(又はブロック)を更に備える、態様4に記載のシステム。
【0045】
蛍光ブロックは、例えば、1つ以上のPMT、1つ以上の光ファイバ、及び当業者に公知の他の構成要素を含むことができる。蛍光ブロックは、1つ、2つ、又はそれより長い波長で蛍光を収集するように構成することができる。
態様6.画像取込ユニットが、標的領域の画像を取り込むように構成された画像取込装置と、任意選択的に、標的領域上に集束され、標的領域からの光を焦点面に導く第2のレンズとを含む、態様1~5のいずれか1つに記載のシステム。画像取込ユニットは、1つ以上のミラーを更に含むことができる。
態様7.画像取込ユニットが、第2のレンズと焦点面との間に配置され、レンズからの光を焦点面に導く(例えば、屈折させる)折り返しミラーを更に含む、態様6に記載のシステム。
態様8.画像取込装置がカメラである、態様6に記載のシステム。
態様9.第1のレンズが、例えば、いくつかのコンデンサレンズ又は集光レンズにおいて、約0.2~約1.4の開口数を有し、例えば約0.2~1.2、又は更には約0.4~1.2の開口数を有するレンズである、態様1~8のいずれか1つに記載のシステム。
態様10.サイトメータであって、
内部に標的領域を画定するフローセルであって、
当該フローセルは、標的領域を介して試料を送達するように構成されており、標的領域に対して第1の方向から、標的領域内の試料に光を導くように光源が構成されている、フローセルと、
標的領域に対して第2の方向から、標的領域からの散乱光を収集するように構成された散乱検出器と、
標的領域からの蛍光を収集するように構成された蛍光ユニットと、
標的領域からの蛍光を蛍光収集ユニットに導くために、標的領域に対して第3の方向に向けられた集光レンズと、
標的領域に照明ビームを供給するように構成されたバックライティングシステムであって、当該バックライティングシステムが、
-光パルスを生成するレーザ、
-レーザから光パルスを受光し、集光レンズが光パルスを標的領域上に集束させるように、光パルスを集光レンズに導く光ファイバを含む、バックライティングシステムと、標的領域に対して第4の方向から、標的領域内の粒子の画像を収集するように構成された画像取込システムと、を備える、
サイトメータ。
【0046】
例示的な一構成を
図6に示す。この図に示されているように、レーザ照明ユニット606は、第1の方向から(レーザ)光をフローセル612に導き、散乱検出器610が、フローセルに対して第2の方向に配置されている。集光レンズ604は、フローセルに対して第3の方向に向けられており、画像取込ユニット608は、フローセルに対して第4の方向に向けられている。図示のように、レーザ照明ユニット606は、1つ以上のレーザ、1つ以上のレーザファイバ、及び1つ以上のビームシェイパを含むことができる。
態様11.蛍光ユニットが、
-標的領域からの蛍光を受光するための蛍光収集ブロックと、
-標的領域からの蛍光を収集し、当該蛍光を蛍光収集ブロックに導く1つ以上の蛍光収集ピンホールであって、当該蛍光が、集光レンズによって1つ以上の蛍光収集ピンホールに導かれる、1つ以上の蛍光収集ピンホールと、を含む、態様10に記載のサイトメータ。
態様12.バックライティングシステムが、光ファイバからの光パルスを標的領域に導くプリズムを含む、態様10~11のいずれか1つに記載のサイトメータ。
態様13.光ファイバの一部が湾曲している、態様10~12のいずれか1つに記載のサイトメータ。本明細書の他の箇所に記載されているように、光ファイバを、スピンドルの周りに巻回させることができ、当該ファイバは、1つ以上の湾曲部又は波状部を更に含むことができる。
態様14.画像取込システムが、[i]標的領域の画像を取り込む画像取込装置と、[ii]標的領域に集束され、標的領域からの光を画像取込装置に導く対物レンズと、を含む、態様10~12のいずれか1つに記載のサイトメータ。
態様15.画像取込システムが、対物レンズと焦点面との間に配置され、対物レンズからの光を焦点面に導くミラーを含む、態様10~14のいずれか1つに記載のサイトメータ。
態様16.画像取込装置がカメラである、態様14に記載のサイトメータ。
態様17.集光レンズが、例えばコンデンサレンズの場合、約0.4~約1.2の開口数を有する、態様10に記載のサイトメータ。
態様18.方法であって、第1の方向から標的領域に第1のレーザ照明を導くことと、レンズを第2の方向に向けて、標的領域に第2のレーザ照明を導くことと、標的領域から、そして第3の方向から、標的領域に位置する標的の画像を収集することと、標的領域から、そして第4の方向から、レンズを用いて第2のレーザ照明に関連付けられた蛍光を収集し、標的領域からの蛍光を蛍光収集ユニットに導くことと、を含む、
方法。
態様19.第1のレーザ照明がレーザからの照明を含む、態様18に記載の方法。
態様20.第2のレーザ照明が、コイル状光ファイバによって伝達される、態様18~19のいずれか1つに記載の方法。
態様21.第2のレーザ照明を標的領域に導きながら、レンズを移動させることを更に含む、態様18~20のいずれか1つに記載の方法。
態様22.複数の粒子を、標的領域を介して送達することを更に含む、態様18~21のいずれか1つに記載の方法。
態様23.レンズが、例えばコンデンサレンズの場合、約0.2~約1.2の開口数を有する、態様18に記載の方法。
態様24.照明モジュールであって、
試料を収容するように構成された試料領域と、
イメージングで使用される照明を供給するように構成された第1の照明光源と、
蛍光で使用される照明を供給するように構成された第2の照明光源と、
照明導光部であって、
当該照明導光部は、少なくとも2つの照明集光部を含み、
第1の照明光源から試料に導かれた照明によって生成された画像を収集するように構成された、少なくとも2つの照明集光部のうちの第1の照明集光部、及び
第2の照明光源から試料に導かれた照明によって発生した蛍光を収集するように構成された、少なくとも2つの照明集光部のうちの第2の照明集光部を含む、照明導光部と、を備える、
照明モジュール。
【0047】
本明細書の他の箇所に記載されているように、照明モジュールは、同じレンズが、(1)第1の照明光源によって供給される(イメージング用の)照明を伝達し、(2)試料に導かれた第2の照明光源からの照明によって発生した蛍光を収集するように構成することができる。
【0048】
照明集光部(「ピンホール」と呼ばれることもある)は、例えばアパーチャ、ファイバ、又は他のモダリティとすることができる。本明細書の他の箇所に記載されているように、試料領域は、例えばフローセルとすることができる。照明導光部は、1つ以上のアパーチャが形成された基板(例えば、プレート、ディスク、又は他の形状)とすることができ、アパーチャは、照明集光部として機能することができる。(例示的で非限定的な構成が
図7に示されている)照明導光部は1つ以上のファイバを更に含むことができ、ファイバは、照明集光部として機能する。
【0049】
照明導光部は、1つ、2つ、又はそれより多くのセグメントを含むことができ、例えば、第1のアパーチャがその内部に形成された第1のセグメントと、第2のアパーチャがその内部に形成された第2のセグメントとを含むことができる。また、本明細書の他の箇所に記載されているように、試料領域は、例えば、集光レンズ728によって照準を定められる領域である、
図7の領域702によって示されるような、レンズによって照準を定められる領域とすることができる。
【0050】
照明光源は、例えば、レーザダイオード、可視光源などとすることができる。レーザダイオードは、シングルモード又はマルチモードとすることができ、照明を伝達するファイバ自体は、シングルモード又はマルチモードとすることができる。試料に導かれる照明は、それ自体、シングルモード又はマルチモードであり得る。
態様25.蛍光で使用される照明を供給するように構成された第3の照明光源を更に備え、照明導光部は第3の照明集光部を含み、第3の照明集光部は、第2の照明集光部が第1の照明集光部から離隔しているよりも大きく第1の照明集光部から離隔している、態様24に記載の照明モジュール。
態様26.第3の照明集光部上の点に最も近接した第2の照明集光部上の点の間の最小距離は、約0μm~約5000μmである、態様24に記載の照明モジュール。
図7を参照すると、そのような距離は、ピンホール(すなわちアパーチャ)714と716との間の最短距離である。蛍光ファイバ及び/又はアパーチャを等間隔に配置することができるが、これは必要条件ではない。
態様27.第2の照明集光部上の点に最も近接した第1の照明集光部上の点の間の最小距離は、約0μm~約5000μmである、態様24に記載の照明モジュール。
【0051】
本明細書の他の箇所で述べているように、例示的で非限定的な構成が
図7に示されている。この図に示されているように、フローセル(符号付けされていない)を通過する粒子(722)は、いくつかのアパーチャ(720、718、716、及び714)を通過し、そのアパーチャの各々において、粒子は、レーザ照明によって照明され、(各レーザ照明から)発生した蛍光は、蛍光ブロック又はユニットによって収集される。レーザ照明を通過した後、粒子は、イメージングを行うための照明によって照明され、照明された粒子の画像が収集される。当然のことながら、
図7は限定的なものではなく、1つ以上のピンホール/アパーチャをファイバと置き換えることができることを理解されたい。本明細書の他の箇所に記載されているように、「ピンホール」は、アパーチャ又はファイバを指すことができる。
【0052】
画像収集のタイミングが調整可能であることを理解されたい。
図8及び
図9に示されているように、イメージング照明に対する粒子の位置に応じて、ユーザは粒子の異なるビューを得ることができる。
図8で説明しているように、粒子平面において、照明は照明領域内の位置の関数として変化し得る。位置の関数として角度スペクトルが変化することにより、傾斜照明の変動を含む様々なタイプの照明を得ることができる。位置A、B、及びCは、異なる遅延時間(これにより、異なる照明角度を呈する)で得られる異なる照明領域に対応し、
図9は、そのような領域で収集された例示的な画像を示す。したがって、ユーザは、粒子がレーザ蛍光照明集光部(例えば、アパーチャ及び/又はファイバ)を通過した後、1つ、2つ、又はそれより多くの異なる時間(及び/又は位置)でイメージング情報を収集することができる。一例として、任意の蛍光照明集光部の最終集光部を粒子が通過した後の経過時間t
1後に粒子から取得されたイメージング情報が、所望の視覚情報を提供するものではないとユーザが判定した場合、ユーザは、その経過時間をt
1よりも大きいか、又は小さい値に調整することができ(例えば、画像が収集される位置を変更することや、粒子の速度を変化させることによって)、これにより、後続の粒子が照明され、次いで、所望の視覚情報を提供するように(かつある位置で)イメージングされるようになる。
態様28.方法であって、
試料に導かれた第1の蛍光照明で、第1の蛍光位置に配置されたときに試料を照明し、次いで関連付けられた第1の蛍光を収集することと、
試料に導かれた第1のイメージング照明で、第1のイメージング位置に配置されたときに試料を照明し、次いで関連画像を収集することと、を含み、
(a)第1の蛍光位置及び第1のイメージング位置が、約0μm~約5000μmだけ離隔しており、
(b)試料が、約0μs~約1000μsで、第1の蛍光位置と第1のイメージング位置との間を通過するか、又は
(c)(a)と(b)との両方である、
方法。
態様29.試料が、約0μs~約1000μsで、第1の蛍光位置と第1のイメージング位置との間を移動する、態様28に記載の方法。
態様30.関連付けられた第1の蛍光と第1のイメージング照明とが、同じレンズを介して伝達される、態様28~29のいずれか1つに記載の方法。
態様31.試料に導かれた第2の蛍光照明で、第2の蛍光位置に配置されたときに試料を照明し、次いで関連付けられた第2の蛍光を収集することを更に含む、態様28~30のいずれか1つに記載の方法。
【0053】
所望の情報を有する画像が得られるように、イメージング位置を調整することができる。例えば、第1のイメージング位置での粒子のイメージングが、粒子の特定の特徴を視覚化するのに十分なコントラストをもたらしていないと判定した場合、粒子のイメージング位置を調整することができる。一例として、粒子が第1の蛍光位置から退出してX秒後にイメージングされ、当該画像が所望のコントラストを生じていない場合、粒子が蛍光位置から退出して例えば0.9X秒又は1.1X秒後に、粒子をイメージングすることができる。そのようなアプローチが
図8及び
図9に示されており、これらの図は、異なる照明条件下で粒子をイメージングすることによって達成することができる、画像コントラストの差を示している。
態様32.イメージングシステムであって、試料を収容するように構成された試料領域と、試料領域内の試料の蛍光を生じさせるために、試料領域にレーザ照明を供給するように構成されたレーザ照明ユニットと、イメージングを行うために、試料領域内の試料を照明するイメージング照明を供給するように構成された照明光学ユニットと、試料領域から導かれる照明を受光するように構成された蛍光ユニットと、試料領域と光学的に連通する試料領域レンズであって、試料領域レンズは、試料領域から収集された照明を蛍光ユニットに導くように構成され、試料領域レンズは、照明光学ユニットからの照明を試料領域に導くように構成されている、試料領域レンズと、任意選択的に、試料領域からの散乱光を収集するように構成された前方散乱検出器と、イメージング照明によって照明された、試料領域内の試料の画像を収集するように構成された画像取込ユニットと、を備えるイメージングシステム。
態様33.レーザ照明ユニットが、異なる波長で動作する複数のレーザを含む、態様32に記載のイメージングシステム。
態様34.複数のレーザのうちのレーザが、当該レーザに関連付けられた試料領域内の位置に照明を供給するように本システムが構成されており、任意選択で、試料領域を通る試料の動きを示す1つ以上の時間間隔に少なくとも部分的に基づいて、レーザのうちの1つ以上から照明を供給するように本システムが構成されている、態様33に記載のイメージングシステム。したがって(また、いかなる特定又は実施形態に拘束されることなく)、本開示によるシステムは、位置(例えば、試料が時間間隔若しくは遅延時間に基づくと予想されるか、又はこれに基づくことが知られている位置)の照明を行うことができ、この時間間隔又は遅延時間は、本システム内の試料の速度に関連付けることができる。一例として、試料粒子が第1の位置で検査される場合、試料粒子が特定の時間間隔の後に続くことが予想される第2の位置に照明を供給するように本システムを構成することができ、いくつかの実施形態では、本システムは、粒子が第2の位置に到達したときに、試料粒子をイメージングかつ/又は更に検査することができる。いくつかの実施形態では、第2の位置での試料粒子のイメージング及び/又は検査は、粒子の第1の位置で決定される1つ以上の基準(例えば、サイズ、蛍光信号、散乱信号)を満たす試料粒子に依存し得る。このようにして、特定のゲーティング基準を満たす試料粒子のみをイメージングかつ/又は検査するようにシステムを構成することができる。このようにして、特定の基準を満たす試料粒子のみからイメージング情報及び/又は蛍光情報を収集するようにシステムを構成することができ、これによって対象の粒子のみに関連付けられた情報を保存する際に使用するメモリリソースを節約できるので、メモリ/又ストレージの要求を低減してシステムが動作することができる。当然ながら、1つのゲーティング基準又は複数のゲーティング基準をシステムが適用できることを理解されたい。また、本開示によるシステムが段階的に動作できることも理解されたく、例えば(1)本システムは、第1の位置で粒子を検査して、当該粒子が特定のゲーティング基準を満たすかどうかを判定し、(2)本システムは、ゲーティング基準を満たす粒子の蛍光情報を、当該粒子が第2の位置に到達したときにイメージングかつ/又は収集し、(3)本システムは、第3の位置で粒子を検査して、当該粒子が更なる特定のゲーティング基準を満たすかどうかを判定し、(4)本システムは、更なるゲーティング基準を満たす粒子の蛍光情報を、粒子が第4の位置に到達したときにイメージングかつ/又は収集する。
態様35.蛍光ユニットが複数の蛍光収集ピンホールを含み、蛍光収集ピンホールの各々が、複数のレーザのうちの異なる1つに関連付けられている、態様34に記載のイメージングシステム。
態様36.所与の試料に関連して蛍光ユニットによって受光される照明が、試料の蛍光プロファイルを定義し、画像取込ユニットが、試料の蛍光プロファイルに応答して動作する、態様32~35のいずれか1つに記載のイメージングシステム。
態様37.本システムが、画像取込ユニットを用いて、1つ以上の所定の蛍光基準を満たす蛍光プロファイルを有する試料の少なくとも1つの画像を収集するように構成されている、態様36に記載のイメージングシステム。したがって(また、いかなる特定又は実施形態に拘束されることなく)、本開示によるシステムは、1つ以上の特定の蛍光ゲーティング基準を満たす試料のイメージングを行うことができる。
態様37.画像取込ユニットを用いて、試料領域を通る試料の動きを示す1つ以上の時間間隔に少なくとも部分的に基づいて、試料の画像を収集するように本システムが構成されており、任意選択で、試料領域内の試料の動きを示す1つ以上の時間間隔に少なくとも部分的に基づいて、試料を照明するためのイメージング照明を供給するように本システムが構成されている、態様32~36のいずれか1つに記載のイメージングシステム。いかなる特定の理論又は実施形態に拘束されることなく、本開示によるシステムは、試料粒子がフローセル内の所望のイメージング位置に到達したときに、イメージング照明を施すことができる。
態様38.(1)試料領域内の第1の位置が、第1の光学特性のセットを有する照明光学ユニットからの照明を受光し、(2)試料領域内の第2の位置が、光学特性の第2のセットを有する照明光学ユニットからの照明を受光するように、本システムが構成されている、態様32~37のいずれか1つに記載のイメージングシステム。このようにして、粒子が、試料領域内のどこにあるかに応じて、粒子は、異なる光学特性を有する光、例えば、異なる入射角を有する光を受光する。
態様39.蛍光ユニットによって受光された照明から試料の蛍光プロファイルを生成し、当該蛍光プロファイルに応答して画像取込ユニットを動作させるように本システムが構成されている、態様32~38のいずれか1つに記載のイメージングシステム。このようにして、蛍光ゲーティング基準を満たす試料粒子のみの画像を収集するように、システムが動作することができる。
態様40.レーザ照明が、試料領域に対して概ね第1の方向に沿っている、態様32~39のいずれか1つに記載のイメージングシステム。
態様41.試料領域レンズが、試料領域に対して概ね第2の方向に沿って、試料領域から収集された照明を蛍光ユニットに導く、態様32~40のいずれか1つに記載のイメージングシステム。
態様42.試料領域レンズが、試料領域に対して概ね第2の方向に沿って、照明光学ユニットからの照明を蛍光ユニットに導く、態様41に記載のイメージングシステム。
態様43.画像取込ユニットが、試料領域に対して概ね第3の方向に沿って、試料領域内の試料の画像を収集する、態様32~42のいずれか1つに記載のイメージングシステム。
態様44.本イメージングシステムが、試料領域からの散乱光を収集するように構成された前方散乱検出器を備え、当該散乱検出器は、試料領域に対して概ね第4の方向に沿って、試料領域からの散乱光を収集するように構成されている、態様32~43のいずれか1つに記載のイメージングシステム。
態様45.照明光学ユニットが、ドーナツ型の構成であることを特徴とする照明を供給する、態様32~44のいずれか1つに記載のイメージングシステム。
態様46.方法であって、試料領域内で送達される試料を用いて、試料の蛍光プロファイルを生成するように、異なる波長で動作する複数のレーザからの励起照明で試料を励起することと、イメージングを行うために、試料を照明するイメージング照明を供給するように構成された照明光学ユニットからのイメージング照明で、試料を照明することと、試料領域レンズを用いて、(1)励起照明に応答して試料から放射された照明を蛍光ユニットに導き、(2)照明光学ユニットからのイメージング照明を試料領域に導くことと、試料の蛍光プロファイルが1つ以上の所定の蛍光基準を満たす場合に、画像取込ユニットを用いて試料の画像を収集することと、を含む方法。
態様47.画像を収集することが、試料領域を通る試料の動きを示す1つ以上の時間間隔に少なくとも部分的に基づく、態様46に記載の方法。
態様48.(1)試料領域内の第1の位置が、第1の光学特性のセットを有する照明光学ユニットからのイメージング照明を受光し、(2)試料領域内の第2の位置が、光学特性の第2のセットを有する照明光学ユニットからのイメージング照明を受光する、態様46~47のいずれか1つに記載の方法。
態様49.試料によって受光されるイメージング照明の光学特性が、試料領域内の試料の位置に応じて変化する、態様48に記載の方法。
態様50.前方散乱検出器を用いて、試料によって散乱された光を収集することを更に含む、態様46~49のいずれか1つに記載の方法。
態様51.励起照明が、試料領域に対して概ね第1の方向に沿って試料領域に導かれる、態様46~50のいずれか1つに記載の方法。
態様52.試料領域レンズが、試料領域に対して概ね第2の方向に沿って、励起照明を蛍光ユニットに導く、態様51に記載の方法。
態様53.試料領域レンズが、試料領域に対して概ね第2の方向に沿って、イメージング照明を試料領域に導く、態様52に記載の方法。
態様54.画像取込ユニットが、試料領域に対して概ね第3の方向に沿って、試料領域内の試料の画像を収集する、態様53に記載の方法。
態様55.前方散乱検出器を用いて、試料領域からの散乱光を収集することを更に含む、態様46~54のいずれか1つに記載の方法。
態様56.前方散乱検出器が、試料領域に対して概ね第4の方向に沿って、散乱光を収集する、態様55に記載の方法。
態様57.イメージング照明が、ドーナツ型の構成であることを特徴とする、態様46~56のいずれか1つに記載の方法。
【国際調査報告】