(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-12
(54)【発明の名称】トランスデューサを備えるエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/05 20200101AFI20240104BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20240104BHJP
【FI】
A24F40/05
A24F40/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536978
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-06-16
(86)【国際出願番号】 EP2021085948
(87)【国際公開番号】W WO2022136059
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AM
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルリンスキー セルゲイ
(72)【発明者】
【氏名】ピロヤン ミカエル
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA12
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC27
4B162AC50
(57)【要約】
エアロゾル発生器ハウジング(28)および圧電トランスデューサ(26)を備える、エアロゾル発生システム(10)が提供される。圧電トランスデューサ(26)は、楕円形状を有し、また第一の領域(54)および第二の領域(56)を備え、第二の領域(56)は第一の領域(54)から電気的に絶縁される。圧電トランスデューサ(26)は、第一の領域(54)内にのみ位置付けられた単一の取付点において、エアロゾル発生器ハウジング(28)に固定される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
エアロゾル発生器ハウジングと、
楕円形状を有し、かつ第一の領域および第二の領域を備え、前記第二の領域が前記第一の領域から電気的に絶縁されている、圧電トランスデューサと、を備え、
前記圧電トランスデューサが、前記第一の領域内にのみ位置付けられた単一の取付点において前記エアロゾル発生器ハウジングへと固定される、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記取付点が、前記楕円状圧電トランスデューサの中心に位置付けられる、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記第二の領域が、前記第一の領域と前記圧電トランスデューサの縁との間に延びる、請求項1または2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記圧電トランスデューサが、前記圧電トランスデューサの表面内の第一の溝と、前記第一の溝内に位置付けられた電気絶縁材料とを備え、前記第一の溝が、前記第一の領域と前記第二の領域との間の境界を画定する、請求項1、2、または3に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記第一の領域が菱形形状を有する、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記圧電トランスデューサが、圧電材料の第一の層および圧電材料の第二の層を備え、前記第一の層が前記第二の層の上にある、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
圧電材料の前記第一の層が、第一の方向に極性化され、また圧電材料の前記第二の層が、第二の方向に極性化され、かつ前記第一の方向が、前記第二の方向とは反対向きである、請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
圧電材料の前記第一の層が平面形状を有し、かつ前記第一の方向が、圧電材料の前記第一の層の前記平面形状に対して直角である、請求項7に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
圧電材料の前記第二の層が平面形状を有し、かつ前記第二の方向が、圧電材料の前記第二の層の前記平面形状に対して直角である、請求項7または8に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
圧電材料の前記第一の層の表面が、前記圧電トランスデューサの第一の表面を形成し、圧電材料の前記第二の層の表面が、前記第一の表面とは反対向きの前記圧電トランスデューサの第二の表面を形成し、かつ圧電材料の前記第一の層が、圧電材料の前記第一の層と圧電材料の前記第二の層との間の界面で、圧電材料の前記第二の層と接触する、請求項6、7、8、または9に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
電源と、
前記電源から前記圧電トランスデューサへと電力を供給するように構成されたコントローラと、を備える、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記コントローラが、前記第一の領域内で、前記圧電トランスデューサの前記第一の表面と前記圧電トランスデューサの前記第二の表面との間に第一の振動電位差を生成するために、前記圧電トランスデューサへと電力を供給するように構成される、請求項10および11に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記コントローラが、前記第二の領域内で、前記圧電トランスデューサの前記第一の表面と、圧電材料の前記第一の層と圧電材料の前記第二の層との間の前記界面との間に第二の振動電位差を生成するために、前記圧電トランスデューサに電力を供給するように構成される、請求項12に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記コントローラが、前記第二の領域内で、前記圧電トランスデューサの前記第二の表面と、圧電材料の前記第一の層と圧電材料の前記第二の層との間の前記界面との間に第三の振動電位差を生成するために、前記圧電トランスデューサに電力を供給するように構成される、請求項13に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記圧電トランスデューサの前記第一の領域と流体連通する第一の液体貯蔵区画をさらに含む、請求項1~14のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項16】
第一の液体貯蔵区画内に含有された第一の液体エアロゾル形成基体をさらに備える、請求項15に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項17】
前記圧電トランスデューサの前記第二の領域と流体連通する第二の液体貯蔵区画をさらに備える、請求項15または16に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項18】
第二の液体貯蔵区画内に含有された第二の液体エアロゾル形成基体をさらに備える、請求項17に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生システムに関する。具体的には、本開示は、楕円形状および第二の領域から電気的に絶縁された第一の領域を有する圧電トランスデューサを備える、エアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生システムの一つの例は、eシガレットである。典型的に、eシガレットは、液体エアロゾル形成基体を加熱し、かつ気化することによってエアロゾルを発生するために配設された電気ヒーターを備える。ヒーターの代わりに振動トランスデューサを使用する代替設計が提案されている。振動トランスデューサは、液体エアロゾル形成基体から液滴を生成するために使用され、液滴はエアロゾルを形成する。
【0003】
一部の液体エアロゾル形成基体は、数多くの異なる構成要素を含む場合がある。例えば、液体エアロゾル形成基体は、ニコチン、水、およびグリセリンなどの少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む場合がある。しかしながら、振動トランスデューサを使用して液体エアロゾル形成基体をエアロゾル化する場合、液体エアロゾル形成基体の異なる構成成分の最適なエアロゾル化は、異なる振動モード、周波数、振幅などで達成される場合がある。したがって、振動トランスデューサの特定の動作モードは、典型的に、妥協として選択され、これにより液体エアロゾル形成基体の異なる構成成分のエアロゾル化は最適化されない。
【0004】
公知のエアロゾル発生システム用いて上記の問題を克服するエアロゾル発生システムを提供することが望ましいことになる。
【発明の概要】
【0005】
本開示によると、エアロゾル発生器ハウジングおよび圧電トランスデューサを備える、エアロゾル発生システムが提供される。圧電トランスデューサは、楕円形状を有し、また第一の領域および第二の領域を備え、第二の領域は第一の領域から電気的に絶縁される。圧電トランスデューサは、第一の領域内にのみ位置付けられた単一の取付点において、エアロゾル発生器ハウジングに固定される。
【0006】
有利なことに、圧電トランスデューサに、相互から電気的に絶縁された第一の領域および第二の領域を提供することは、第一の領域および第二の領域の別個の作動を容易にする。有利なことに、第一の領域は、第一の液体のエアロゾル化のために最適化された第一の振動モード、周波数、および振幅のうちの少なくとも一つで作動されてもよい。有利なことに、第二の領域は、第一の液体とは異なる第二の液体のエアロゾル化のために最適化された異なる振動モデル、周波数、および振幅のうちの少なくとも一つで作動されてもよい。
【0007】
有利なことに、圧電トランスデューサに、相互に電気的に絶縁された第一の領域および第二の領域を提供することは、複数の異なる圧電トランスデューサを必要とすることなく、異なる液体の最適化されたエアロゾル化を容易にする。有利なことに、異なる液体の最適化されたエアロゾル化を容易にする単一の圧電トランスデューサを提供することは、エアロゾル発生システムの複雑さを低減または最小化する場合がある。
【0008】
有利なことに、圧電トランスデューサに楕円形状を提供することは、第一の領域および第二の領域の各々に、液体基体の最適化されたエアロゾル化を容易にする形状を提供することを容易にする場合がある。例えば、楕円形状は、第一の領域および第二の領域の各々によってエアロゾル化される液体の量に従って、第一の領域および第二の領域に異なるサイズを提供することを容易にする場合がある。
【0009】
有利なことに、第一の領域内にのみ位置付けられた単一の取付点において圧電トランスデューサをエアロゾル発生器ハウジングへと固定することは、異なる振動モードを有する第一の領域および第二の領域の作動を容易にする。例えば、第一の領域をエアロゾル発生器ハウジングに固定することは、第一の領域を平面振動モードに強いる場合がある。圧電トランスデューサに、エアロゾル発生ハウジングに固定されていない第二の領域を提供することは、曲げ振動モードを用いた第二の領域の振動を容易にする場合がある。有利なことに、異なる振動モードは、異なる液体のエアロゾル化に対して最適化される場合がある。
【0010】
取付点は、楕円状圧電トランスデューサの中心に位置付けられてもよい。有利なことに、取付点をトランスデューサの中心に位置付けることは、エアロゾル発生システムの組み立て中に、エアロゾル発生器ハウジング内のトランスデューサの位置付けを容易にする場合がある。
【0011】
取付点は、第一の領域の中心に位置付けられてもよい。有利なことに、取付点を第一の領域の中心に位置付けることは、平面振動モードを用いた第一の領域の作動を容易にする場合がある。
【0012】
第二の領域は、圧電トランスデューサの第一の領域と縁との間に延びてもよい。有利なことに、第一の領域と圧電トランスデューサの縁との間に延びる第二の領域を提供することは、曲げ振動モードを用いた第二の領域の作動を容易にする場合がある。
【0013】
圧電トランスデューサは、圧電トランスデューサの表面内の第一の溝と、第一の溝内に位置付けられた電気絶縁材料とを備えてもよく、第一の溝は、第一の領域と第二の領域との間の境界を画定する。有利なことに、第一の溝内に電気絶縁材料を提供して、第一の領域から第二の領域を電気的に絶縁することは、圧電トランスデューサを形成する複雑さを低減または最小化する場合がある。例えば、第一の工程では、トランスデューサは、圧電材料から望ましいサイズおよび形状に形成されてもよい。後続の工程では、第一の領域および第二の領域は、圧電材料内に第一の溝を作り出し、かつ第一の溝内に電気絶縁材料を位置付けることによって形成されてもよい。
【0014】
電気絶縁材料は、ガラス、アスベスト、ワニス、樹脂、紙、シリコーン、およびゴムのうちの少なくとも一つを含んでもよい。適切なゴムとしては、天然ゴムおよび合成ゴムが挙げられる。
【0015】
圧電トランスデューサは、一つ以上の追加的な領域を含んでもよく、一つ以上の追加的な領域は相互から電気的に絶縁され、また一つ以上の追加的な領域は、第一の領域および第二の領域の各々から電気的に絶縁される。有利なことに、一つ以上の追加的な領域は、一つ以上の追加的な液体のエアロゾル化のために最適化された、異なる振動モード、周波数、および振幅のうちの一つ以上で作動されてもよい。
【0016】
圧電トランスデューサは、第三の領域を含んでもよく、第三の領域は、第一の領域および第二の領域の各々から電気的に絶縁される。
【0017】
圧電トランスデューサは、圧電トランスデューサの表面内の第二の溝と、第二の溝内に位置付けられた電気絶縁材料とを備えてもよく、第二の溝は、第一の領域と第三の領域との間の境界を画定する。電気絶縁材料は、本明細書に記述される適切な電気絶縁材料のうちのいずれかを含んでもよい。
【0018】
第三の領域は、圧電トランスデューサの第一の領域と縁との間に延びてもよい。
【0019】
圧電トランスデューサは、第四の領域を含んでもよく、第四の領域は、第一の領域、第二の領域、および第三の領域の各々から電気的に絶縁される。
【0020】
圧電トランスデューサは、圧電トランスデューサの表面内の第三の溝と、第三の溝内に位置付けられた電気絶縁材料とを備えてもよく、第三の溝は、第一の領域と第四の領域との間の境界を画定する。電気絶縁材料は、本明細書に記述される適切な電気絶縁材料のうちのいずれかを含んでもよい。
【0021】
第四の領域は、圧電トランスデューサの第一の領域と縁との間に延びてもよい。
【0022】
圧電トランスデューサは、第五の領域を含んでもよく、第五の領域は、第一の領域、第二の領域、第三の領域、および第四の領域の各々から電気的に絶縁される。
【0023】
圧電トランスデューサは、圧電トランスデューサの表面内の第四の溝と、第四の溝内に位置付けられた電気絶縁材料とを備えてもよく、第四の溝は、第一の領域と第五の領域との間の境界を画定する。電気絶縁材料は、本明細書に記述される適切な電気絶縁材料のうちのいずれかを含んでもよい。
【0024】
第五の領域は、圧電トランスデューサの第一の領域と縁との間に延びてもよい。
【0025】
第一の領域は、対称形状を有してもよい。
【0026】
第一の領域は、菱形形状を有してもよい。有利なことに、第一の領域の菱形形状は、第二、第三、第四、および第五の領域が同じサイズおよび形状のうちの少なくとも一つを有することを容易にする場合がある。
【0027】
菱形形状は、四つの頂点を有し、頂点の各々は、圧電トランスデューサの縁に位置付けられることが好ましい。有利なことに、圧電トランスデューサの縁に第一の領域の菱形形状の頂点を位置付けることは、追加的な溝または電気絶縁材料を必要とすることなく、第二、第三、第四、および第五の領域を相互から電気的に絶縁する場合がある。
【0028】
圧電トランスデューサは、圧電材料の第一の層および圧電材料の第二の層を備えてもよく、第一の層は、第二の層の上にある。有利なことに、圧電材料の二つの層から圧電トランスデューサを形成することは、異なる振動モード、周波数、および振幅のうちの一つ以上を用いた、第一の領域および第二の領域の作動を容易にする場合がある。
【0029】
圧電材料の第一の層は、第一の方向に極性化され、また圧電材料の第二の層は、第二の方向に極性化され、第一の方向は、第二の方向とは反対向きであることが好ましい。有利なことに、反対向きの極性化を有する圧電材料の第一の層および第二の層を提供することは、曲げ振動モードを有する少なくとも第二の領域の作動を容易にする場合がある。
【0030】
圧電材料の第一の層は、平面形状を有し、また第一の方向は、圧電材料の第一の層の平面形状に対して直角であることが好ましい。圧電材料の第二の層は、平面形状を有し、また第二の方向は、圧電材料の第二の層の平面形状に対して直角であることが好ましい。
【0031】
圧電材料の第一の層の表面は、圧電トランスデューサの第一の表面を形成することが好ましい。圧電材料の第二の層の表面は、圧電トランスデューサの、第一の表面の反対側の第二の表面を形成することが好ましい。
【0032】
圧電材料の第一の層は、圧電材料の第一の層と圧電材料の第二の層との間の界面において、圧電材料の第二の層と接触することが好ましい。
【0033】
圧電トランスデューサは、単結晶材料を含んでもよい。圧電トランスデューサは、石英を含んでもよい。圧電トランスデューサは、セラミックを含んでもよい。セラミックは、チタン酸バリウム(BaTiO3)を含んでもよい。セラミックは、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を含んでもよい。セラミックは、Ni、Bi、La、Nd、またはNbイオンなどのドーピング材料を含んでもよい。圧電トランスデューサが圧電材料の第一の層および圧電材料の第二の層を備える実施形態では、第一の層および第二の層は、同じ材料を含んでもよく、または異なる材料を含んでもよい。
【0034】
エアロゾル発生システムは、電源から圧電トランスデューサへと電力を供給するように構成された電源およびコントローラをさらに備えることが好ましい。
【0035】
電源は、電池を備える。電池は、リチウム系の電池、例えばリチウムコバルト電池、リチウム鉄リン酸塩電池、チタン酸リチウム電池、またはリチウムポリマー電池であってもよい。電池はニッケル水素電池またはニッケルカドミウム電池であってもよい。電源は、コンデンサーなどの、別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電可能であってもよく、また数多くの充放電サイクルのために構成されてもよい。電源は、一回以上のユーザー体験のための十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよく、例えば電源は従来の紙巻たばこ1本を喫煙するのにかかる典型的な時間に対応する約6分間、または6分間の倍数の時間の期間の間のエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例では、電源は所定の吸煙回数、または圧電トランスデューサの不連続的な作動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0036】
コントローラは、マイクロプロセッサを備えてもよい。マイクロプロセッサは、プログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積チップ(ASIC)もしくは制御を提供する能力を有するその他の電子回路であってもよい。コントローラは、さらなる電子構成要素を備えてもよい。例えば、一部の実施形態では、コントローラは、センサー要素、スイッチ要素、ディスプレイ要素のうちのいずれかを備えてもよい。電力は、エアロゾル発生装置の作動後、圧電トランスデューサに連続的に供給されてもよく、または毎回の吸煙ごとなどのように断続的に供給されてもよい。電力は、例えば、パルス幅変調(PWM)によって、電流パルスの形態で圧電トランスデューサに供給されてもよい。
【0037】
コントローラは、第一の領域において圧電トランスデューサの第一の表面と圧電トランスデューサの第二の表面との間に第一の振動電位差を生成するために、電力を圧電トランスデューサへと供給するように構成されてもよい。有利なことに、第一の領域において圧電トランスデューサの第一の表面と第二の表面との間に振動電位差を生成することは、平面振動モードでの第一の領域の作動を容易にする場合がある。コントローラは、第一の領域内で第一の表面および第二の表面において圧電トランスデューサに電気的に接続された駆動回路を備えてもよく、コントローラは、駆動回路を介して第一の振動電位差を生成するように構成される。
【0038】
コントローラは、第二の領域において圧電トランスデューサの第一の表面と、圧電材料の第一の層および圧電材料の第二の層の間の界面との間に第二の振動電位差を生成するために、電力を圧電トランスデューサへと供給するように構成されてもよい。有利なことに、第二の領域内で第一の表面と界面との間に振動電位差を生成することは、曲げ振動モードを用いた第二の領域の作動を容易にする場合がある。コントローラは、第二の領域内で第一の表面および界面において圧電トランスデューサに電気的に接続された駆動回路を備えてもよく、コントローラは、駆動回路を介して第二の振動電位差を生成するように構成される。
【0039】
コントローラは、第二の領域において圧電トランスデューサの第二の表面と、圧電材料の第一の層および圧電材料の第二の層の間の界面との間に第三の振動電位差を生成するために、電力を圧電トランスデューサへと供給するように構成されてもよい。有利なことに、第二の領域内で第二の表面と界面との間に振動電位差を生成することは、曲げ振動モードを用いた第二の領域の作動を容易にする場合がある。コントローラは、第二の領域内で第二の表面および界面において圧電トランスデューサに電気的に接続された駆動回路を備えてもよく、コントローラは、駆動回路を介して第三の振動電位差を生成するように構成される。
【0040】
コントローラは、第二の振動電位差および第三の振動電位差の両方を生成するために、圧電トランスデューサに電力を供給するように構成されることが好ましい。有利なことに、第二の振動電位差および第三の振動電位差の両方を同時に生成することは、第二の領域の曲げ振動モードの振幅を増加または最大化する場合がある。第二の振動電位差は、第三の振動電位差と同じであることが好ましい。第二の振動電位差は、第三の振動電位差と同一位相であることが好ましい。
【0041】
コントローラは、第三の領域において圧電トランスデューサの第一の表面と、圧電材料の第一の層および圧電材料の第二の層の間の界面との間に第四の振動電位差を生成するために、電力を圧電トランスデューサへと供給するように構成されてもよい。有利なことに、第三の領域内で第一の表面と界面との間に振動電位差を生成することは、曲げ振動モードを用いた第三の領域の作動を容易にする場合がある。コントローラは、第三の領域内で第一の表面および界面において圧電トランスデューサに電気的に接続された駆動回路を備えてもよく、コントローラは、駆動回路を介して第四の振動電位差を生成するように構成される。
【0042】
コントローラは、第三の領域において圧電トランスデューサの第二の表面と、圧電材料の第一の層および圧電材料の第二の層の間の界面との間に第五の振動電位差を生成するために、電力を圧電トランスデューサへと供給するように構成されてもよい。有利なことに、第三の領域内で第二の表面と界面との間に振動電位差を生成することは、曲げ振動モードを用いた第三の領域の作動を容易にする場合がある。コントローラは、第三の領域内で第二の表面および界面において圧電トランスデューサに電気的に接続された駆動回路を備えてもよく、コントローラは、駆動回路を介して第五の振動電位差を生成するように構成される。
【0043】
コントローラは、第四の振動電位差および第五の振動電位差の両方を生成するために、圧電トランスデューサに電力を供給するように構成されることが好ましい。有利なことに、第四の振動電位差および第五の振動電位差の両方を同時に生成することは、第三の領域の曲げ振動モードの振幅を増加または最大化する場合がある。第四の振動電位差は、第五の振動電位差と同じであることが好ましい。第四の振動電位差は、第五の振動電位差と同一位相であることが好ましい。
【0044】
コントローラは、第四の領域において圧電トランスデューサの第一の表面と、圧電材料の第一の層および圧電材料の第二の層の間の界面との間に第六の振動電位差を生成するために、電力を圧電トランスデューサへと供給するように構成されてもよい。有利なことに、第四の領域内で第一の表面と界面との間に振動電位差を生成することは、曲げ振動モードを用いた第四の領域の作動を容易にする場合がある。コントローラは、第四の領域内で第一の表面および界面において圧電トランスデューサに電気的に接続された駆動回路を備えてもよく、コントローラは、駆動回路を介して第六の振動電位差を生成するように構成される。
【0045】
コントローラは、第四の領域において圧電トランスデューサの第二の表面と、圧電材料の第一の層および圧電材料の第二の層の間の界面との間に第七の振動電位差を生成するために、電力を圧電トランスデューサへと供給するように構成されてもよい。有利なことに、第四の領域内で第二の表面と界面との間に振動電位差を生成することは、曲げ振動モードを用いた第四の領域の作動を容易にする場合がある。コントローラは、第四の領域内で第二の表面および界面において圧電トランスデューサに電気的に接続された駆動回路を備えてもよく、コントローラは、駆動回路を介して第七の振動電位差を生成するように構成される。
【0046】
コントローラは、第六の振動電位差および第七の振動電位差の両方を生成するために、圧電トランスデューサに電力を供給するように構成されることが好ましい。有利なことに、第六の振動電位差および第七の振動電位差の両方を同時に生成することは、第四の領域の曲げ振動モードの振幅を増加または最大化する場合がある。第六の振動電位差は、第七の振動電位差と同じであることが好ましい。第六の振動電位差は、第七の振動電位差と同一位相であることが好ましい。
【0047】
コントローラは、第五の領域において圧電トランスデューサの第一の表面と、圧電材料の第一の層および圧電材料の第二の層の間の界面との間に第八の振動電位差を生成するために、電力を圧電トランスデューサへと供給するように構成されてもよい。有利なことに、第五の領域内で第一の表面と界面との間に振動電位差を生成することは、曲げ振動モードを用いた第五の領域の作動を容易にする場合がある。コントローラは、第五の領域内で第一の表面および界面において圧電トランスデューサに電気的に接続された駆動回路を備えてもよく、コントローラは、駆動回路を介して第八の振動電位差を生成するように構成される。
【0048】
コントローラは、第五の領域において圧電トランスデューサの第二の表面と、圧電材料の第一の層および圧電材料の第二の層の間の界面との間に第九の振動電位差を生成するために、電力を圧電トランスデューサへと供給するように構成されてもよい。有利なことに、第五の領域内で第二の表面と界面との間に振動電位差を生成することは、曲げ振動モードを用いた第五の領域の作動を容易にする場合がある。コントローラは、第五の領域内で第二の表面および界面において圧電トランスデューサに電気的に接続された駆動回路を備えてもよく、コントローラは、駆動回路を介して第九の振動電位差を生成するように構成される。
【0049】
コントローラは、第八の振動電位差および第九の振動電位差の両方を生成するために、圧電トランスデューサに電力を供給するように構成されることが好ましい。有利なことに、第八の振動電位差および第九の振動電位差の両方を同時に生成することは、第五の領域の曲げ振動モードの振幅を増加または最大化する場合がある。第八の振動電位差は、第九の振動電位差と同じであることが好ましい。第八の振動電位差は、第九の振動電位差と同一位相であることが好ましい。
【0050】
各振動電位差は、正弦波形状、矩形波形状、三角波形状、または鋸波形状を有する波形を含んでもよい。
【0051】
各振動電位差は、約20kHz~約1500kHz、または約50kHz~約1000kHz、または約100kHz~約500kHzの周波数を有してもよい。これらの範囲内のうちの一つの周波数を有する振動電位差は、望ましいエアロゾル出力速度および望ましいエアロゾル液滴サイズのうちの少なくとも一つを提供する場合がある。
【0052】
コントローラは、同時に圧電トランスデューサの各領域に電力を供給するように構成されてもよい。コントローラは、圧電トランスデューサの各領域に独立して電力を供給するように構成されてもよい。
【0053】
エアロゾル発生システムは、圧電トランスデューサの第一の領域と流体連通する第一の液体貯蔵区画を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第一の液体貯蔵区画内に含有された第一の液体エアロゾル形成基体を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第一の液体エアロゾル形成基体を第一の液体貯蔵区画から圧電トランスデューサの第一の領域へと供給するように構成されることが好ましい。第一の液体エアロゾル形成基体は、ニコチン、グリセリン、ポリエチレングリコール、および酸のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0054】
エアロゾル発生システムは、圧電トランスデューサの第二の領域と流体連通する第二の液体貯蔵区画を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第二の液体貯蔵区画内に含有された第二の液体エアロゾル形成基体を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第二の液体エアロゾル形成基体を第二の液体貯蔵区画から圧電トランスデューサの第二の領域へと供給するように構成されることが好ましい。第二の液体エアロゾル形成基体は、ニコチン、グリセリン、ポリエチレングリコール、および酸のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0055】
エアロゾル発生システムは、圧電トランスデューサの第三の領域と流体連通する第三の液体貯蔵区画を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第三の液体貯蔵区画内に含有された第三の液体エアロゾル形成基体を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第三の液体エアロゾル形成基体を第三の液体貯蔵区画から圧電トランスデューサの第三の領域へと供給するように構成されることが好ましい。第三の液体エアロゾル形成基体は、ニコチン、グリセリン、ポリエチレングリコール、および酸のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0056】
エアロゾル発生システムは、圧電トランスデューサの第四の領域と流体連通する第四の液体貯蔵区画を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第四の液体貯蔵区画内に含有された第四の液体エアロゾル形成基体を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第四の液体エアロゾル形成基体を第四の液体貯蔵区画から圧電トランスデューサの第四の領域へと供給するように構成されることが好ましい。第四の液体エアロゾル形成基体は、ニコチン、グリセリン、ポリエチレングリコール、および酸のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0057】
エアロゾル発生システムは、圧電トランスデューサの第五の領域と流体連通する第五の液体貯蔵区画を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第五の液体貯蔵区画内に含有された第五の液体エアロゾル形成基体を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第五の液体エアロゾル形成基体を第五の液体貯蔵区画から圧電トランスデューサの第五の領域へと供給するように構成されることが好ましい。第五の液体エアロゾル形成基体は、ニコチン、グリセリン、ポリエチレングリコール、および酸のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0058】
液体貯蔵区画のうちの少なくとも一つは、エアロゾル発生システムの残りの部分から分離可能なカートリッジの一部を形成してもよい。エアロゾル発生システムの残りの部分は、カートリッジと取り外し可能なように結合されるように構成されたエアロゾル発生装置であってもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生器ハウジングと、圧電トランスデューサと、電源と、コントローラと、を備えることが好ましい。エアロゾル発生装置は、装置ハウジングを備えてもよく、エアロゾル発生器ハウジング、圧電トランスデューサ、電源、およびコントローラが、装置ハウジング内に少なくとも部分的に受容される。装置ハウジングは、エアロゾル発生器ハウジングと連続的であってもよい。エアロゾル発生器ハウジングの少なくとも一部は、装置ハウジングによって形成されてもよい。
【0059】
液体貯蔵区画のうちの少なくとも一つは、それぞれの液体エアロゾル形成基体を保持するために担体材料を備えてもよい。担体材料は、任意の適切な吸収性のプラグまたは本体、例えば発泡性の金属またはプラスチック材料、ポリプロピレン、テリレン、ナイロン繊維、もしくはセラミックで作製されてもよい。
【0060】
エアロゾル発生システムは、液体エアロゾル形成基体のうちの少なくとも一つを圧電トランスデューサへと搬送するように配設された少なくとも一つの毛細管材料を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第一の液体エアロゾル形成基体を第一の液体貯蔵区画から圧電トランスデューサの第一の領域に搬送するように配設された第一の毛細管材料を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第二の液体エアロゾル形成基体を第二の液体貯蔵区画から圧電トランスデューサの第二の領域に搬送するように配設された第二の毛細管材料を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第三の液体エアロゾル形成基体を第三の液体貯蔵区画から圧電トランスデューサの第三の領域に搬送するように配設された第三の毛細管材料を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第四の液体エアロゾル形成基体を第四の液体貯蔵区画から圧電トランスデューサの第四の領域に搬送するように配設された第四の毛細管材料を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第五の液体エアロゾル形成基体を第五の液体貯蔵区画から圧電トランスデューサの第五の領域に搬送するように配設された第五の毛細管材料を備えてもよい。
【0061】
液体貯蔵区画のうちの少なくとも一つが担体材料を備える実施形態では、担体材料は、毛細管材料を含んでもよい。
【0062】
毛細管材料は、繊維質の構造を有してもよい。毛細管材料は、海綿体状の構造を有してもよい。毛細管材料は、毛細管の束を備えてもよい。毛細管材料は、複数の繊維を備えてもよい。毛細管材料は、複数の糸を備えてもよい。毛細管材料は、微細チューブを備えてもよい。毛細管材料は、繊維、糸、および微細チューブの組み合わせを備えてもよい。繊維、糸、および微細チューブは、液体エアロゾル形成基体を圧電トランスデューサへと搬送するために概して整列してもよい。毛細管材料は、海綿体様の材料を含んでもよい。毛細管材料は、発泡体様の材料を含んでもよい。毛細管材料の構造は複数の小さい穴または管を形成してもよく、これを通して液体エアロゾル形成基体を毛細管作用によって搬送することができる。
【0063】
毛細管材料は、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例は、海綿体もしくは発泡体材料、繊維もしくは焼結粉末の形態のセラミック系またはグラファイト系の材料、発泡性の金属材料もしくはプラスチック材料、繊維質材料、例えば紡糸繊維または押出成形繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンもしくはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)で作製された繊維質材料である。
【0064】
エアロゾル発生システムは、液体エアロゾル形成基体のうちの少なくとも一つを圧電トランスデューサへと搬送するように配設された少なくとも一つのポンプを備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第一の液体エアロゾル形成基体を第一の液体貯蔵区画から圧電トランスデューサの第一の領域に搬送するように配設された第一のポンプを備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第二の液体エアロゾル形成基体を第二の液体貯蔵区画から圧電トランスデューサの第二の領域に搬送するように配設された第二のポンプを備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第三の液体エアロゾル形成基体を第三の液体貯蔵区画から圧電トランスデューサの第三の領域に搬送するように配設された第三のポンプを備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第四の液体エアロゾル形成基体を第四の液体貯蔵区画から圧電トランスデューサの第四の領域に搬送するように配設された第四のポンプを備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第五の液体エアロゾル形成基体を第五の液体貯蔵区画から圧電トランスデューサの第五の領域に搬送するように配設された第五のポンプを備えてもよい。
【0065】
ポンプは、弁およびマイクロポンプのうちの少なくとも一つを備えてもよい。エアロゾル発生システムがコントローラを備える実施形態では、コントローラは、少なくとも一つのポンプを制御して、それぞれの液体エアロゾル形成基体の圧電トランスデューサへの送達を制御するように構成されることが好ましい。
【0066】
エアロゾル発生システムが、ニコチンを含む液体エアロゾル形成基体を備える実施形態では、コントローラは、ニコチンを含む液体エアロゾル形成基体と流体連通する圧電トランスデューサの領域において約121キロヘルツの周波数を有する振動電位差を生成するように構成されることが好ましい。液体エアロゾル形成基体は、本明細書に記述される第一から第五の液体エアロゾル形成基体のうちの少なくとも一つを含んでもよい。圧電トランスデューサの領域は、本明細書に記述される第一から第五の領域のうちの少なくとも一つを含んでもよい。振動電位差は、本明細書に記述される第一から第九の振動電位差のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0067】
エアロゾル発生システムが、グリセリンを含む液体エアロゾル形成基体を備える実施形態では、コントローラは、グリセリンを含む液体エアロゾル形成基体と流体連通する圧電トランスデューサの領域において約123キロヘルツの周波数を有する振動電位差を生成するように構成されることが好ましい。液体エアロゾル形成基体は、本明細書に記述される第一から第五の液体エアロゾル形成基体のうちの少なくとも一つを含んでもよい。圧電トランスデューサの領域は、本明細書に記述される第一から第五の領域のうちの少なくとも一つを含んでもよい。振動電位差は、本明細書に記述される第一から第九の振動電位差のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0068】
エアロゾル発生システムが、酸を含む液体エアロゾル形成基体を備える実施形態では、コントローラは、酸を含む液体エアロゾル形成基体と流体連通する圧電トランスデューサの領域において約122.4キロヘルツの周波数を有する振動電位差を生成するように構成されることが好ましい。液体エアロゾル形成基体は、本明細書に記述される第一から第五の液体エアロゾル形成基体のうちの少なくとも一つを含んでもよい。圧電トランスデューサの領域は、本明細書に記述される第一から第五の領域のうちの少なくとも一つを含んでもよい。振動電位差は、本明細書に記述される第一から第九の振動電位差のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0069】
エアロゾル発生システムが、ニコチンを含む液体エアロゾル形成基体を含む実施形態では、ニコチン含有液体エアロゾル形成基体は、ニコチン塩マトリクスであってもよい。液体エアロゾル形成基体は、植物由来材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、非たばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0070】
エアロゾル発生システムは、携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生システムは、従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有してもよい。エアロゾル発生システムは、約30ミリメートル~約150ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生システムは、約5ミリメートル~約30ミリメートルの外径を有してもよい。
【0071】
エアロゾル発生器ハウジングおよび装置ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適する熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリエチレンが挙げられる。材料は軽量であってもよく、また脆くないものであってもよい。
【0072】
エアロゾル発生システムは、気流入口、気流出口、および気流入口と気流出口との間に延びる気流経路を備えることが好ましい。圧電トランスデューサの少なくとも一部は、気流経路と流体連通することが好ましい。気流経路は、エアロゾル化した液体エアロゾル形成基体を圧電トランスデューサから受容するように配設されることが好ましい。
【0073】
エアロゾル発生システムは、マウスピースを備えてもよい。エアロゾル発生システムが気流出口を備える実施形態では、マウスピースは気流出口を備えることが好ましい。エアロゾル発生システムがエアロゾル発生装置およびカートリッジを備える実施形態では、マウスピースは、エアロゾル発生装置の一部またはカートリッジの一部を形成してもよい。マウスピースは、エアロゾル発生装置またはカートリッジに対する取り外し可能な取り付けのために構成されてもよい。
【0074】
本発明は特許請求の範囲で定義される。しかしながら、下記に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供する。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わせられてもよい。
【0075】
[実施例Ex1]
エアロゾル発生システムであって、
エアロゾル発生器ハウジングと、
楕円形状を有し、かつ第一の領域および第二の領域を備え、第二の領域が第一の領域から電気的に絶縁されている、圧電トランスデューサと、を備え、
圧電トランスデューサが、第一の領域内にのみ位置付けられた単一の取付点においてエアロゾル発生器ハウジングへと固定される、エアロゾル発生システム。
【0076】
[実施例Ex2]
取付点が、楕円状圧電トランスデューサの中心に位置付けられる、実施例Ex1によるエアロゾル発生システム。
【0077】
[実施例Ex3]
第二の領域が、第一の領域と圧電トランスデューサの縁との間に延びる、実施例Ex1またはEx2によるエアロゾル発生システム。
【0078】
[実施例Ex4]
圧電トランスデューサが、圧電トランスデューサの表面内の第一の溝と、第一の溝内に位置付けられた電気絶縁材料とを備え、第一の溝が、第一の領域と第二の領域との間の境界を画定する、実施例Ex1、Ex2、またはEx3によるエアロゾル発生システム。
【0079】
[実施例Ex5]
圧電トランスデューサが第三の領域を備え、かつ第三の領域が第一の領域および第二の領域の各々から電気的に絶縁されている、いずれかの先行する実施例によるエアロゾル発生システム。
【0080】
[実施例Ex6]
圧電トランスデューサが、圧電トランスデューサの表面内の第二の溝と、第二の溝内に位置付けられた電気絶縁材料とを備え、第二の溝が、第一の領域と第三の領域との間の境界を画定する、実施例Ex5によるエアロゾル発生システム。
【0081】
[実施例Ex7]
第三の領域が、第一の領域と圧電トランスデューサの縁との間に延びる、実施例Ex5またはEx6によるエアロゾル発生システム。
【0082】
[実施例Ex8]
圧電トランスデューサが第四の領域を備え、かつ第四の領域が第一の領域、第二の領域、および第三の領域の各々から電気的に絶縁されている、実施例Ex5、Ex6、またはEx7によるエアロゾル発生システム。
【0083】
[実施例Ex9]
圧電トランスデューサが、圧電トランスデューサの表面内の第三の溝と、第三の溝内に位置付けられた電気絶縁材料とを備え、第三の溝が、第一の領域と第四の領域との間の境界を画定する、実施例Ex8によるエアロゾル発生システム。
【0084】
[実施例Ex10]
第四の領域が、第一の領域と圧電トランスデューサの縁との間に延びる、実施例Ex8またはEx9によるエアロゾル発生システム。
【0085】
[実施例Ex11]
圧電トランスデューサが第五の領域を備え、かつ第五の領域が第一の領域、第二の領域、第三の領域、および第四の領域の各々から電気的に絶縁されている、実施例Ex8、Ex9、またはEx10によるエアロゾル発生システム。
【0086】
[実施例Ex12]
圧電トランスデューサが、圧電トランスデューサの表面内の第四の溝と、第四の溝内に位置付けられた電気絶縁材料とを備え、第四の溝が、第一の領域と第五の領域との間の境界を画定する、実施例Ex11によるエアロゾル発生システム。
【0087】
[実施例Ex13]
第五の領域が、第一の領域と圧電トランスデューサの縁との間に延びる、実施例Ex11またはEx12によるエアロゾル発生システム。
【0088】
[実施例Ex14]
第一の領域が菱形形状を有する、実施例Ex11、Ex12、またはEx13によるエアロゾル発生システム。
【0089】
[実施例Ex15]
圧電トランスデューサが、圧電材料の第一の層および圧電材料の第二の層を備え、かつ第一の層が第二の層の上にある、いずれかの先行する実施例によるエアロゾル発生システム。
【0090】
[実施例Ex16]
圧電材料の第一の層が、第一の方向に極性化され、また圧電材料の第二の層が、第二の方向に極性化され、かつ第一の方向が、第二の方向とは反対向きである、実施例Ex15によるエアロゾル発生システム。
【0091】
[実施例Ex17]
圧電材料の第一の層が平面形状を有し、かつ第一の方向が、圧電材料の第一の層の平面形状に対して直角である、実施例Ex16によるエアロゾル発生システム。
【0092】
[実施例Ex18]
圧電材料の第二の層が平面形状を有し、かつ第二の方向が、圧電材料の第二の層の平面形状に対して直角である、実施例Ex16またはEx17によるエアロゾル発生システム。
【0093】
[実施例Ex19]
圧電材料の第一の層の表面が、圧電トランスデューサの第一の表面を形成し、圧電材料の第二の層の表面が、第一の表面とは反対向きの圧電トランスデューサの第二の表面を形成し、かつ圧電材料の第一の層が、圧電材料の第一の層と圧電材料の第二の層との間の界面で、圧電材料の第二の層と接触する、実施例Ex15、Ex16、Ex17、またはEx18によるエアロゾル発生システム。
【0094】
[実施例Ex20]
電源と、
電源から圧電トランスデューサへと電力を供給するように構成されたコントローラと、さらに備える、いずれかの先行する実施例によるエアロゾル発生システム。
【0095】
[実施例Ex21]
コントローラが、第一の領域内で、圧電トランスデューサの第一の表面と圧電トランスデューサの第二の表面との間に第一の振動電位差を生成するために、圧電トランスデューサへと電力を供給するように構成される、実施例Ex19およびEx20によるエアロゾル発生システム。
【0096】
[実施例Ex22]
コントローラが、第二の領域内で、圧電トランスデューサの第一の表面と、圧電材料の第一の層と圧電材料の第二の層との間の界面との間に第二の振動電位差を生成するために、圧電トランスデューサに電力を供給するように構成される、実施例Ex21によるエアロゾル発生システム。
【0097】
[実施例Ex23]
コントローラが、第二の領域内で、圧電トランスデューサの第二の表面と、圧電材料の第一の層と圧電材料の第二の層との間の界面との間に第三の振動電位差を生成するために、圧電トランスデューサに電力を供給するように構成される、実施例Ex22によるエアロゾル発生システム。
【0098】
[実施例Ex24]
コントローラが、第三の領域内で、圧電トランスデューサの第一の表面と、圧電材料の第一の層と圧電材料の第二の層との間の界面との間に第四の振動電位差を生成するために、圧電トランスデューサに電力を供給するように構成される、実施例Ex23および実施例Ex5、Ex6、またはEx7によるエアロゾル発生システム。
【0099】
[実施例Ex25]
コントローラが、第三の領域内で、圧電トランスデューサの第二の表面と、圧電材料の第一の層と圧電材料の第二の層との間の界面との間に第五の振動電位差を生成するために、圧電トランスデューサに電力を供給するように構成される、実施例Ex24によるエアロゾル発生システム。
【0100】
[実施例Ex26]
コントローラが、第四の領域内で、圧電トランスデューサの第一の表面と、圧電材料の第一の層と圧電材料の第二の層との間の界面との間に第六の振動電位差を生成するために、圧電トランスデューサに電力を供給するように構成される、実施例Ex8、Ex9、またはEx10と組み合わせた、実施例Ex24またはEx25によるエアロゾル発生システム。
【0101】
[実施例Ex27]
コントローラが、第四の領域内で、圧電トランスデューサの第二の表面と、圧電材料の第一の層と圧電材料の第二の層との間の界面との間に第七の振動電位差を生成するために、圧電トランスデューサに電力を供給するように構成される、実施例Ex26によるエアロゾル発生システム。
【0102】
[実施例Ex28]
コントローラが、第五の領域内で、圧電トランスデューサの第一の表面と、圧電材料の第一の層と圧電材料の第二の層との間の界面との間に第八の振動電位差を生成するために、圧電トランスデューサに電力を供給するように構成される、実施例Ex11、Ex12、またはEx13と組み合わせた実施例Ex26またはEx27によるエアロゾル発生システム。
【0103】
[実施例Ex29]
コントローラが、第五の領域内で、圧電トランスデューサの第二の表面と、圧電材料の第一の層と圧電材料の第二の層との間の界面との間に第九の振動電位差を生成するために、圧電トランスデューサに電力を供給するように構成される、実施例Ex28によるエアロゾル発生システム。
【0104】
[実施例Ex30]
圧電トランスデューサの第一の領域と流体連通する第一の液体貯蔵区画をさらに備える、いずれかの先行する実施例によるエアロゾル発生システム。
【0105】
[実施例Ex31]
第一の液体貯蔵区画内に含有された第一の液体エアロゾル形成基体をさらに備える、実施例Ex30によるエアロゾル発生システム。
【0106】
[実施例Ex32]
第一の液体エアロゾル形成基体が、ニコチン、グリセリン、ポリエチレングリコール、および酸のうちの少なくとも一つを含む、実施例Ex31によるエアロゾル発生システム。
【0107】
[実施例Ex33]
圧電トランスデューサの第二の領域と流体連通する第二の液体貯蔵区画をさらに備える、実施例Ex30、Ex31、またはEx32によるエアロゾル発生システム。
【0108】
[実施例Ex34]
第二の液体貯蔵区画内に含有された第二の液体エアロゾル形成基体をさらに備える、実施例Ex33によるエアロゾル発生システム。
【0109】
[実施例Ex35]
第二の液体エアロゾル形成基体が、ニコチン、グリセリン、ポリエチレングリコール、および酸のうちの少なくとも一つを含む、実施例Ex34によるエアロゾル発生システム。
【0110】
[実施例Ex36]
圧電トランスデューサの第三の領域と流体連通する第三の液体貯蔵区画をさらに備える、実施例Ex5、Ex6、またはEx7と組み合わせた、実施例Ex33、Ex34、またはEx35によるエアロゾル発生システム。
【0111】
[実施例Ex37]
第三の液体貯蔵区画内に含有された第三の液体エアロゾル形成基体をさらに備える、実施例Ex36によるエアロゾル発生システム。
【0112】
[実施例Ex38]
第三の液体エアロゾル形成基体が、ニコチン、グリセリン、ポリエチレングリコール、および酸のうちの少なくとも一つを含む、実施例Ex37によるエアロゾル発生システム。
【0113】
[実施例Ex39]
圧電トランスデューサの第四の領域と流体連通する第四の液体貯蔵区画をさらに備える、実施例Ex8、9、または10と組み合わせた、実施例Ex36、Ex37、またはEx38によるエアロゾル発生システム。
【0114】
[実施例Ex40]
第四の液体貯蔵区画内に含有された第四の液体エアロゾル形成基体をさらに備える、実施例Ex39によるエアロゾル発生システム。
【0115】
[実施例Ex41]
第四の液体エアロゾル形成基体が、ニコチン、グリセリン、ポリエチレングリコール、および酸のうちの少なくとも一つを含む、実施例Ex40によるエアロゾル発生システム。
【0116】
[実施例Ex42]
圧電トランスデューサの第五の領域と流体連通する第五の液体貯蔵区画をさらに備える、実施例Ex11、Ex12、またはEx13と組み合わせた、実施例Ex39、Ex40、またはEx41によるエアロゾル発生システム。
【0117】
[実施例Ex43]
第五の液体貯蔵区画内に含有された第五の液体エアロゾル形成基体をさらに備える、実施例Ex42によるエアロゾル発生システム。
【0118】
[実施例Ex44]
第五の液体エアロゾル形成基体が、ニコチン、グリセリン、ポリエチレングリコール、および酸のうちの少なくとも一つを含む、実施例Ex43によるエアロゾル発生システム。
【0119】
ここで本開示の実施形態を、添付図面を参照しながら、例証としてのみであるが説明する。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生システムの断面図を示す。
【
図2】
図2は、
図1のエアロゾル発生システムの圧電トランスデューサの斜視図を示す。
【
図4】
図4は、コントローラへの電気的接続を図示する、
図2の圧電トランスデューサの第一の斜視図を示す。
【
図5】
図5は、コントローラへの電気的接続をさらに図示する、
図2の圧電トランスデューサの第二の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0121】
図1は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生システム10を示す。エアロゾル発生システム10は、エアロゾル発生装置12と、カートリッジ14と、マウスピース16とを備える。エアロゾル発生装置12は、カートリッジ14を受容するための空洞20を画定する装置ハウジング18を備える。マウスピース16は、カートリッジ14の空洞20の中への挿入を可能にするように、装置ハウジング18の端から取り外し可能である。
【0122】
エアロゾル発生装置12は、電池を備える電源22と、コントローラ24と、エアロゾル発生器ハウジング28内に位置付けられた圧電トランスデューサ26と、をさらに備える。本明細書にさらに記述するように、コントローラ24は、電源22から圧電トランスデューサ26へと電力を供給して、圧電トランスデューサ26の異なる領域における複数の振動電位差を生成するように構成される。
【0123】
カートリッジ14は、複数の液体貯蔵区画30を備え、各貯蔵区画30は、圧電トランスデューサ26の領域と流体連通する液体エアロゾル形成基体を含有する。
【0124】
図2および
図3は、圧電トランスデューサ26をさらに詳細に示す。圧電トランスデューサ26は、x-y平面内に延びる実質的に平面の楕円形状を有する。圧電トランスデューサ26は、x-y平面と直角なz方向に延びる厚さを有する。
【0125】
圧電トランスデューサ26は、圧電材料の第一の層32および圧電材料の第二の層34を備え、圧電材料の第一の層32は、圧電材料の第二の層34の上にある。圧電材料の第一の層32の表面は、圧電トランスデューサ26の第一の表面36を形成する。使用中、カートリッジ14の液体貯蔵区画30からの液体エアロゾル形成基体は、圧電トランスデューサ26の第一の表面36においてエアロゾル化される。圧電材料34の第二の層の表面は、圧電トランスデューサ26の第二の表面38を形成する。圧電材料の第一の層32は、圧電材料の第一の層32と圧電材料の第二の層34との間の界面40において、圧電材料の第二の層34と接触する。
【0126】
圧電材料の第一の層32は、実質的に平面形状を有し、また実質的に平面形状と直角な第一の方向42に極性化される。圧電材料の第二の層34は、実質的に平面形状を有し、また実質的に平面形状と直角な第二の方向44に極性化される。第一の方向42は、第二の方向44に対して反対向きである。
【0127】
圧電トランスデューサ26は、圧電材料の第一の層32および圧電材料の第二の層34内に複数の溝を備え、溝の各々は、電気絶縁材料を含有する。複数の溝は、圧電トランスデューサ26を、相互に独立して作動または駆動されてもよい、いくつかの電気的に分離された領域へと分割する。有利なことに、各領域を別個に駆動することは、特定の液体エアロゾル発生基体に対して適合する様態で各領域を駆動することを容易にする。例えば、異なる領域は、各領域によってエアロゾル化される特定の液体エアロゾル形成基体に応じて、異なる振動モードおよび異なる周波数のうちの少なくとも一つで駆動されてもよい。
【0128】
図2に示す実施形態では、圧電トランスデューサ26は、圧電トランスデューサ26を第一の領域54、第二の領域56、第三の領域58、第四の領域60、および第五の領域62へと分割する、第一の溝46、第二の溝48、第三の溝50、および第四の溝52を備える。第一の領域54は、菱形形状を有し、また第二の領域56、第三の領域58、第四の領域60、および第五の領域62は各々、同じサイズおよび形状を有する。当業者は、本発明の範囲内で、溝の数、領域の数、および異なる領域のサイズおよび形状を変えることが可能であることを理解するであろう。
【0129】
圧電トランスデューサ26は、第一の領域54内の圧電トランスデューサ26の中心を通って延びる固定ピン64によってのみ、エアロゾル発生器ハウジング28へと固定される。
【0130】
コントローラ24は、第一の領域54、第二の領域56、第三の領域58、第四の領域60、および第五の領域62の各々において振動電位差を発生させるために、電源22から圧電トランスデューサ26へと電力を供給するように構成される。各領域内で生成される振動電位差は、圧電材料の第一の層32および圧電材料の第二の層34の振動をもたらし、これはカートリッジ14の液体貯蔵区画30からの液体エアロゾル形成基体を霧化する。
図4および
図5は、圧電トランスデューサ26への電気的接続を示す。
【0131】
第一の領域54では、コントローラ24は、第一の領域54において圧電トランスデューサ26の第一の表面36と圧電トランスデューサ26の第二の表面38との間に第一の振動電位差を生成するために、電力を圧電トランスデューサ26へと供給するように構成される。エアロゾル発生器ハウジング28に固定された第一の領域54と、第一の表面36と第二の表面38との間の振動電位差と、の組み合わせは、第一の領域54のz軸に沿った圧電トランスデューサ26の平面振動をもたらす。
【0132】
第二の領域56、第三の領域58、第四の領域60、および第五の領域62の各々では、コントローラ24は、界面40と第一の表面36および第二の表面38の各々との間に振動電位差を生成するために、電力を圧電トランスデューサ26へと供給するように構成され、これは結果として、x-y平面に延びる曲げ軸の周りの各領域内に圧電トランスデューサ26の曲げ振動モードをもたらす。
【国際調査報告】