(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-12
(54)【発明の名称】サンプリングアセンブリおよびサンプリング方法
(51)【国際特許分類】
G06F 1/26 20060101AFI20240104BHJP
【FI】
G06F1/26 306
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537478
(86)(22)【出願日】2020-12-29
(85)【翻訳文提出日】2023-07-18
(86)【国際出願番号】 CN2020140575
(87)【国際公開番号】W WO2022141013
(87)【国際公開日】2022-07-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ハイフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジュアン、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、ワン
【テーマコード(参考)】
5B011
【Fターム(参考)】
5B011DA01
5B011DB27
5B011EA10
5B011GG00
5B011KK11
(57)【要約】
サンプリングアセンブリおよびサンプリング方法が提供される。自己較正ユニット(230)は、第1スイッチ(210)をオンにするよう制御して、サンプリングユニット(220)への第1サンプリング信号の入力を可能にする。サンプリングユニット(220)は、第1サンプリング信号を処理して第2サンプリング信号を取得し、第2サンプリング信号を自己較正ユニット(230)に出力する。自己較正ユニット(230)は、第1スイッチ(210)をオフにするよう制御し、第2スイッチ(240)をオンにするよう制御し、サンプリングユニット(220)に第1較正信号を出力する。サンプリングユニット(220)は、第1較正信号を処理して第2較正信号を取得し、第2較正信号を自己較正ユニット(230)に出力する。自己較正ユニット(230)は、第1較正信号および第2較正信号に基づいて誤差信号を決定する。自己較正ユニット(230)は、第2サンプリング信号および誤差信号に基づいて、較正済みの第3サンプリング信号を取得する。本方法によれば、サンプリングアセンブリの入力信号および出力信号の間のずれを補償することができ、これにより、サンプリング精度が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプリングアセンブリであって、前記サンプリングアセンブリが自己較正ユニット、サンプリングユニット、第1スイッチ、および第2スイッチを備え、
前記自己較正ユニットが前記第1スイッチをオンにするよう制御して、前記サンプリングユニットへの第1サンプリング信号の入力を可能にするように構成されており;
前記サンプリングユニットが前記第1サンプリング信号を処理して第2サンプリング信号を取得し、前記第2サンプリング信号を前記自己較正ユニットに出力するように構成されており;
前記自己較正ユニットがさらに、前記第1スイッチをオフにするよう制御し、前記第2スイッチをオンにするよう制御し、前記サンプリングユニットに第1較正信号を出力するように構成されており;
前記サンプリングユニットがさらに、前記第1較正信号を処理して第2較正信号を取得し、前記第2較正信号を前記自己較正ユニットに出力するように構成されており;
前記自己較正ユニットがさらに、前記第1較正信号および前記第2較正信号に基づいて誤差信号を決定するように構成されており;
前記自己較正ユニットがさらに、前記第2サンプリング信号および前記誤差信号に基づいて、較正済みの第3サンプリング信号を取得するように構成されている、サンプリングアセンブリ。
【請求項2】
前記サンプリングユニットが増幅ユニットおよび/またはアナログデジタル変換ユニットを有する、請求項1に記載のサンプリングアセンブリ。
【請求項3】
前記サンプリングユニットが前記増幅ユニットおよび前記アナログデジタル変換ユニットを有する場合、前記サンプリングユニットがさらに第3スイッチを有し;
前記自己較正ユニットがさらに、前記第2スイッチをオンにするよう制御する場合、前記第3スイッチをオンにするよう制御して、前記自己較正ユニットへの、前記増幅ユニットにより出力された第3較正信号の入力を可能にするように構成されており;
前記自己較正ユニットが特に、前記第1較正信号、前記第2較正信号、および前記第3較正信号に基づいて前記誤差信号を決定するように構成されている、請求項2に記載のサンプリングアセンブリ。
【請求項4】
前記自己較正ユニットが較正ユニットおよび制御ユニットを有し、
前記較正ユニットが前記誤差信号を取得するように構成されており、前記制御ユニットが、前記第2サンプリング信号を受け取り、前記誤差信号および前記第2サンプリング信号に基づいて前記第3サンプリング信号を取得するように構成されている;または
前記較正ユニットが前記第3サンプリング信号を取得し、前記第3サンプリング信号を前記制御ユニットに出力するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のサンプリングアセンブリ。
【請求項5】
サンプリング方法であって、前記サンプリング方法が、自己較正ユニット、サンプリングユニット、第1スイッチ、および第2スイッチを備えるサンプリングアセンブリに適用されており、前記サンプリング方法が、
前記自己較正ユニットが前記第1スイッチをオンにするよう制御して、前記サンプリングユニットへの第1サンプリング信号の入力を可能にする段階;
前記サンプリングユニットが前記第1サンプリング信号を処理して第2サンプリング信号を取得し、前記第2サンプリング信号を前記自己較正ユニットに出力する段階;
前記自己較正ユニットが前記第1スイッチをオフにするよう制御し、前記第2スイッチをオンにするよう制御し、前記サンプリングユニットに第1較正信号を出力する段階;
前記サンプリングユニットが前記第1較正信号を処理して第2較正信号を取得し、前記第2較正信号を前記自己較正ユニットに出力する段階;
前記自己較正ユニットが前記第1較正信号および前記第2較正信号に基づいて誤差信号を決定する段階;および
前記自己較正ユニットが、前記第2サンプリング信号および前記誤差信号に基づいて、較正済みの第3サンプリング信号を取得する段階
を備える、サンプリング方法。
【請求項6】
前記サンプリングユニットが増幅ユニットおよび/またはアナログデジタル変換ユニットを有する、請求項5に記載のサンプリング方法。
【請求項7】
前記サンプリングユニットが増幅ユニットおよびアナログデジタル変換ユニットを有する場合、前記サンプリングユニットがさらに第3スイッチを含み;
前記サンプリング方法がさらに、
前記第2スイッチをオンにするよう制御する場合、前記自己較正ユニットが前記第3スイッチをオンにするよう制御して、前記自己較正ユニットへの、前記増幅ユニットにより出力された第3較正信号の入力を可能にする段階を備え;
前記第1較正信号および前記第2較正信号に基づいて誤差信号を決定する前記段階が、
前記第1較正信号、前記第2較正信号、および前記第3較正信号に基づいて前記誤差信号を決定する段階を有する、請求項6に記載のサンプリング方法。
【請求項8】
前記自己較正ユニットが較正ユニットおよび制御ユニットを有し;
前記自己較正ユニットが、前記第2サンプリング信号および前記誤差信号に基づいて、較正済みの第3サンプリング信号を取得する前記段階が、
前記較正ユニットが前記誤差信号を取得し;前記制御ユニットが前記第2サンプリング信号を受け取り、前記第3サンプリング信号を前記誤差信号および前記第2サンプリング信号に基づいて取得する段階;または
前記較正ユニットが前記第3サンプリング信号を取得し、前記第3サンプリング信号を前記制御ユニットに出力する段階
を有する、請求項5から7のいずれか一項に記載のサンプリング方法。
【請求項9】
請求項1から4のいずれか一項に記載のサンプリングアセンブリを備える、チップ。
【請求項10】
請求項1から4のいずれか一項に記載のサンプリングアセンブリを備える、集積回路。
【請求項11】
命令を含むコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令がコンピュータで実行されると、請求項5から8のいずれか一項に記載のサンプリング方法が実施される、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
コンピュータに、請求項5から8のいずれか一項に記載のサンプリング方法を実行させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は通信分野に関し、より具体的には、サンプリングアセンブリおよびサンプリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、サンプリング回路の入力信号および出力信号の間には、ずれがある。このずれは、サンプリング回路の個体差、温度、および動作電圧などによって変動することがある。このずれは、サンプリング回路のサンプリング精度に深刻な影響を及ぼし、システムの安定且つ正確なオペレーションに影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0003】
本願は、サンプリング回路の入力信号および出力信号の間のずれを補償して、サンプリング精度を向上させるためのサンプリングアセンブリおよびサンプリング方法を提供する。
【0004】
第1態様によれば、本願はサンプリングアセンブリを提供する。サンプリングアセンブリは、自己較正ユニット、サンプリングユニット、第1スイッチ、および第2スイッチを含む。
【0005】
自己較正ユニットは、第1スイッチをオンにするよう制御して、サンプリングユニットへの第1サンプリング信号の入力を可能にするように構成されている。サンプリングユニットは、第1サンプリング信号を処理して第2サンプリング信号を取得し、第2サンプリング信号を自己較正ユニットに出力するように構成されている。
【0006】
自己較正ユニットはさらに、第1スイッチをオフにするよう制御し、第2スイッチをオンにするよう制御し、サンプリングユニットに第1較正信号を出力するように構成されている。サンプリングユニットはさらに、第1較正信号を処理して第2較正信号を取得し、第2較正信号を自己較正ユニットに出力するように構成されている。自己較正ユニットはさらに、第1較正信号および第2較正信号に基づいて誤差信号を決定するように構成されている。
【0007】
自己較正ユニットはさらに、第2サンプリング信号および誤差信号に基づいて、較正済みの第3サンプリング信号を取得するように構成されている。
【0008】
このように、本願のサンプリングアセンブリによれば、自己較正ユニット、第1スイッチ、および第2スイッチの相互連携によって誤差信号が取得され得るため、サンプリングアセンブリの入力信号および出力信号の間のずれを補償することができるようになり、これにより、サンプリング精度が向上する。
【0009】
いくつかの考え得る実装例において、サンプリングユニットは、増幅ユニットおよび/またはアナログデジタル変換ユニットを含む。
【0010】
例えば、第1サンプリング信号が十分に強い場合、信号増幅などの処理を行うことなく、アナログデジタル変換を直接行うことができる。言い換えれば、本願の技術的解決手段では、デジタルアナログ変換ユニットによりもたらされる誤差を補償することができ、これが信号サンプリング精度の向上に役立つ。
【0011】
別の例では、第1サンプリング信号があまり強くない場合、第1サンプリング信号に対して信号増幅処理を行うことができる。言い換えれば、本願の技術的解決手段では、増幅ユニットによりもたらされる誤差を補償することができる。一般に、信号増幅部が、誤差をもたらす主要部分である。したがって、本願の技術的解決手段では、信号サンプリング精度を効果的に向上させることができる。
【0012】
別の例では、サンプリングユニットは増幅ユニットおよびアナログデジタル変換ユニットを含む。このように、本願の技術的解決手段では、増幅ユニットによりもたらされる誤差、およびアナログデジタル変換ユニットによりもたらされる誤差を補償することができ、これにより、信号サンプリング精度が効果的に向上する。
【0013】
いくつかの考え得る実装例では、サンプリングユニットが増幅ユニットおよびアナログデジタル変換ユニットを含む場合、サンプリングユニットはさらに第3スイッチを含む。自己較正ユニットはさらに、第2スイッチをオンにするよう制御する場合、第3スイッチをオンにするよう制御して、自己較正ユニットへの、増幅ユニットにより出力された第3較正信号の入力を可能にするように構成されている。自己較正ユニットは具体的に、第1較正信号、第2較正信号、および第3較正信号に基づいて誤差信号を決定するように構成されている。
【0014】
いくつかの考え得る実装例において、自己較正ユニットは較正ユニットおよび制御ユニットを含む。較正ユニットは誤差信号を取得するように構成されており、制御ユニットは第2サンプリング信号を受け取り、誤差信号および第2サンプリング信号に基づいて第3サンプリング信号を取得するように構成されている。あるいは、較正ユニットは第3サンプリング信号を取得し、第3サンプリング信号を制御ユニットに出力するように構成されている。
【0015】
制御ユニットとしては、ステートマシン(state machine)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、高度縮小命令セットコンピューティングマシン(advanced reduced instruction set computing machine、ARM)、リニア電力コントローラ(linear power controller、LPC)、およびMC51シングルチップマイクロコンピュータなどのうちの少なくとも1つが挙げられてよい。
【0016】
第2態様によれば、本願はサンプリング方法を提供する。本方法は、自己較正ユニット、サンプリングユニット、第1スイッチ、および第2スイッチを含むサンプリングアセンブリに適用される。本方法は以下に挙げることを含む。
【0017】
自己較正ユニットは、第1スイッチをオンにするよう制御して、サンプリングユニットへの第1サンプリング信号の入力を可能にする。サンプリングユニットは、第1サンプリング信号を処理して第2サンプリング信号を取得し、第2サンプリング信号を自己較正ユニットに出力する。
【0018】
自己較正ユニットは、第1スイッチをオフにするよう制御し、第2スイッチをオンにするよう制御し、サンプリングユニットに第1較正信号を出力する。サンプリングユニットは、第1較正信号を処理して第2較正信号を取得し、第2較正信号を自己較正ユニットに出力する。自己較正ユニットは、第1較正信号および第2較正信号に基づいて誤差信号を決定する。
【0019】
自己較正ユニットは、第2サンプリング信号および誤差信号に基づいて、較正済みの第3サンプリング信号を取得する。
【0020】
このように、本願のサンプリング方法によれば、自己較正ユニット、第1スイッチ、および第2スイッチの相互連携によって誤差信号が取得され得るため、サンプリングアセンブリの入力信号および出力信号の間のずれを補償することができるようになり、これにより、サンプリング精度が向上する。
【0021】
いくつかの考え得る実装例において、サンプリングユニットは、増幅ユニットおよび/またはアナログデジタル変換ユニットを含む。
【0022】
例えば、第1サンプリング信号が十分に強い場合、信号増幅などの処理を行うことなく、アナログデジタル変換を直接行うことができる。言い換えれば、本願の技術的解決手段では、デジタルアナログ変換ユニットによりもたらされる誤差を補償することができ、これが信号サンプリング精度の向上に役立つ。
【0023】
別の例では、第1サンプリング信号があまり強くない場合、第1サンプリング信号に対して信号増幅処理を行うことができる。言い換えれば、本願の技術的解決手段では、増幅ユニットによりもたらされる誤差を補償することができる。一般に、信号増幅部が、誤差をもたらす主要部分である。したがって、本願の技術的解決手段では、信号サンプリング精度を効果的に向上させることができる。
【0024】
別の例では、サンプリングユニットは増幅ユニットおよびアナログデジタル変換ユニットを含む。このように、本願の技術的解決手段では、増幅ユニットによりもたらされる誤差、およびアナログデジタル変換ユニットによりもたらされる誤差を補償することができ、これにより、信号サンプリング精度が効果的に向上する。
【0025】
いくつかの考え得る実装例では、サンプリングユニットが増幅ユニットおよびアナログデジタル変換ユニットを含む場合、サンプリングユニットはさらに第3スイッチを含む。本方法はさらに、自己較正ユニットが、第2スイッチをオンにするよう制御する場合、第3スイッチをオンにするよう制御して、自己較正ユニットへの、増幅ユニットにより出力された第3較正信号の入力を可能にすることを含む。第1較正信号および第2較正信号に基づいて誤差信号を決定することは、第1較正信号、第2較正信号、および第3較正信号に基づいて誤差信号を決定することを含む。
【0026】
いくつかの考え得る実装例において、自己較正ユニットは較正ユニットおよび制御ユニットを含む。自己較正ユニットが、第2サンプリング信号および誤差信号に基づいて、較正済みの第3サンプリング信号を取得することは、較正ユニットが誤差信号を取得することを含む。制御ユニットは第2サンプリング信号を受け取り、誤差信号および第2サンプリング信号に基づいて第3サンプリング信号を取得する。あるいは、較正ユニットは第3サンプリング信号を取得し、第3サンプリング信号を制御ユニットに出力する。
【0027】
第3態様によれば、本願はチップを提供する。本チップは、プロセッサ、および第1態様または第1態様の考え得る実装例のいずれか1つによるサンプリングアセンブリを含む。
【0028】
第4態様によれば、本願は集積回路を提供する。本集積回路は、第1態様または第1態様の考え得る実装例のいずれか1つによるサンプリングアセンブリを含む。
【0029】
第5態様によれば、本願は、第1態様または第1態様の考え得る実装例のいずれか1つによるサンプリングアセンブリを含む給電機器(power sourcing equipment、PSE)を提供する。
【0030】
第6態様によれば、本願は電子機器を提供する。本電子機器は、プロセッサ、メモリ、および第1態様または第1態様の考え得る実装例のいずれか1つによるサンプリングアセンブリを含む。
【0031】
第7態様によれば、本願は、パワーオーバーイーサネット(登録商標)(power over Ethernet(登録商標)、POE)システムを提供する。本システムは、第1態様または第1態様の考え得る実装例のいずれか1つによるサンプリングアセンブリを含む。
【0032】
第8態様によれば、本願は、命令を含むコンピュータ可読記憶媒体を提供する。命令がコンピュータで実行されると、第2態様または第2態様の考え得る実装例のいずれか1つにおける方法が実施される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【0034】
【
図2】本願によるサンプリングアセンブリの構造の概略図である。
【0035】
【
図3】本願によるサンプリングアセンブリの構造に関する別の概略図である。
【0036】
【
図4】本願によるサンプリングアセンブリの構造に関する別の概略図である。
【0037】
【
図5】本願による自己較正ユニットの構造の概略図である。
【0038】
【
図6】本願によるサンプリング抵抗器の考え得る設定位置の概略図である。
【0039】
【
図7】本願によるサンプリング方法の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下では、添付図面を参照して本願の技術的解決手段を説明する。
【0041】
本願の実施形態における技術的解決手段は、様々なサンプリングシナリオ、例えば、POEシナリオ、電力増幅器の電流検出シナリオ、モジュールの消費電力検出シナリオ、電圧検出シナリオ、電流検出シナリオ、電力検出シナリオ、圧力検出シナリオ、血圧検出シナリオ、場の強度検出シナリオ、および重力検出シナリオに適用されてよい。
【0042】
以下では、POEシナリオを一例に用いて本願の技術的解決手段を説明する。
【0043】
POEでは、既存のイーサネットケーブルのインフラストラクチャに何も変更を加えることなく、いくつかのインターネットプロトコル(internet protocol、IP)ベースの端末(例えば、IP電話、無線ローカルエリアネットワークのアクセスポイント(access point、AP)、およびネットワークカメラ)向けにデータ信号を送信することに加えて、そのような機器にさらに直流給電技術を提供できる。POEは既存のネットワークの標準的なオペレーションを保証できると共に、既存の構造化ケーブルの安全性も保証できるため、コストを最小限に抑えられる。
【0044】
POEシステム一式には2つの要素が含まれる。PSEおよび受電機器(powered device、PD)である。PSEとは、イーサネットクライアント機器に電力を供給する機器であり、POE給電処理全体のマネージャでもある。PDとは、給電を受け取るPSE負荷、すなわち、POEシステムのクライアント機器、例えば、IP電話、ネットワークセキュリティカメラ、AP、パームトップコンピュータ、または携帯電話充電器などのイーサネット機器である(実際には、電力が13Wを超えないあらゆる機器が、対応する電力をツイストペアソケットから取得できる)。米国電気電子技術者協会(institute of electrical and electronics engineers、IEEE)の規格である802.3af、802.3AT、および802.3BTによれば、PSEおよびPDは、PDの接続状態、機器種別、および消費電力レベルなどに関連した情報の連結を確立し、PSEはこの情報の連結に基づき、イーサネットを通じてPDに電力を供給する。
【0045】
【0046】
図1に示すように、POEシステムの作業手順には、検出(detection)、分類(classification)、起動(power up)、オペレーション(operation)、および切断(disconnection)などが含まれる。
【0047】
(1)検出
【0048】
この段階では、PDが存在するかどうかをPSEが検出する。PDが検出された場合に限り、PSEは次のオペレーションを行う。
【0049】
一実装例において、PSEは出力電力ワイヤペア同士の間の抵抗-容量値を測定して、PDが存在するかどうかを判定する。
【0050】
例えば、検出段階では、PSEの出力電圧が2.8V~10Vの範囲を取り、電圧極性が-48V出力電圧の電圧極性と同じである。PSEは出力電力ワイヤペア同士の間の抵抗-容量値を測定して、PDが存在するかどうかを判定する。PDの特徴については以下のとおりである。(a)直流インピーダンスが19kΩ~26.5kΩの範囲を取る。(b)容量が150nFより小さいまたはこれに等しい。
【0051】
(2)分類
【0052】
この段階は任意選択の処理である。
【0053】
この段階において、PSEはPDの消費電力を判定する。
【0054】
一実装例において、PSEは、出力電力電流を測定することでPDの電力レベルを判定する。
【0055】
例えば、分類段階では、PSEの出力電圧が15.5V~20.5Vの範囲を取り、電圧極性が-48V出力電圧の電圧極性と同じである。
【0056】
(3)起動
【0057】
この段階において、PSEはPDを起動する。
【0058】
例えば、PSEポートに接続された機器が有効なPDであることをPSEが検出し且つPSEがPDの分類(任意選択)を完了している場合、PSEはPDの起動を開始し、-48Vの電圧を出力する。
【0059】
(4)オペレーション
【0060】
この段階において、PSEは、リアルタイム保護(real time protection、RTP)および電力管理(power management、PM)を行う。
【0061】
(5)切断
【0062】
この段階において、PSEはPDが切断されているかどうかを検出する。この段階は、ローカル検出の重要な部分である。
【0063】
前述したことから、PSEによる正確な信号検出がPOEシステムのオペレーションに欠かせないことが分かる。
【0064】
一般に、POEシステムにおけるサンプリング回路の入力信号および出力信号の間には、ずれがある。このずれは、サンプリング回路の個体差、温度、動作電圧、およびバッチなどによって変動することがある。このずれは、サンプリング回路のサンプリング精度に深刻な影響を及ぼし、POEシステムの安定且つ正確なオペレーションに影響を及ぼす。
【0065】
本願は、サンプリング回路の入力信号および出力信号の間のずれを補償して、サンプリング精度を向上させるためのサンプリングアセンブリおよびサンプリング方法を提供する。
【0066】
図2は、本願によるサンプリングアセンブリの構造の概略図である。
【0067】
本願におけるサンプリングアセンブリは、POEシステム、またはサンプリングを行う必要がある別のシステムまたはシナリオに用いられてよい。
【0068】
図2に示すサンプリングアセンブリは、第1スイッチ210、サンプリングユニット220、自己較正ユニット230、および第2スイッチ240を含んでよい。
図2に示すように、第1スイッチ210はサンプリングユニット220に接続されている。サンプリングユニット220は、第1スイッチ210、第2スイッチ240、および自己較正ユニット230に別々に接続されている。自己較正ユニット230は、サンプリングユニット220および第2スイッチ240に接続されている。自己較正ユニット230は、第1スイッチ210および第2スイッチ240をオンにするまたはオフにするよう制御して、サンプリング信号を補償するように構成されている。サンプリングユニット220は、受け取った信号を処理する、例えば、受け取った信号に対して増幅またはアナログデジタル変換を行うように構成されている。
【0069】
以下では、サンプリングアセンブリの各ユニットの具体的な機能を説明する。
【0070】
自己較正ユニット230は、第1スイッチをオンにするよう制御して、サンプリングユニット220への第1サンプリング信号の入力を可能にするように構成されている。サンプリングユニット220は、第1サンプリング信号を処理して第2サンプリング信号を取得し、第2サンプリング信号を自己較正ユニット230に出力するように構成されている。
【0071】
自己較正ユニット230はさらに、第1スイッチ210をオフにするよう制御し、第2スイッチ240をオンにするよう制御し、サンプリングユニット220に第1較正信号を出力するように構成されている。サンプリングユニット220はさらに、第1較正信号を処理して第2較正信号を取得し、第2較正信号を自己較正ユニット230に出力するように構成されている。自己較正ユニット230はさらに、第1較正信号および第2較正信号に基づいて誤差信号を決定するように構成されている。
【0072】
自己較正ユニット230はさらに、第2サンプリング信号および誤差信号に基づいて、較正済みの第3サンプリング信号を取得するように構成されている。
【0073】
このように、本願の本実施形態におけるサンプリングアセンブリによれば、自己較正ユニット230、第1スイッチ210、および第2スイッチ240の相互連携により誤差信号が取得され得るため、サンプリングアセンブリの入力信号および出力信号の間のずれを補償することができるようになり、これにより、サンプリング精度が向上する。
【0074】
いくつかの実装例において、自己較正ユニット230は、第1スイッチ210をオンにするまたはオフにするよう周期的に制御して、周期的なサンプリングを実施することができる。第1スイッチ210をオンにするまたはオフにする周期性については、本願において特に限定することはなく、言い換えれば、サンプリング周期を特に限定することはない。本願において、誤差信号は各サンプリング周期で決定されてよく、第2サンプリング信号は、リアルタイムで決定される誤差信号に基づいて補償される。あるいは、誤差信号はN回のサンプリング周期ごとに一度決定されてもよく、ここでNは1より大きい整数である。第2サンプリング信号は、N回のサンプリング周期において同じ誤差信号を用いて補償される。
【0075】
本願では、最初に誤差信号を決定すること、または最初に第2サンプリング信号を取得することが、特に限定されないことに留意されたい。
【0076】
サンプリングユニット220により行われ得る処理が、本願の本実施形態において特に限定されることはない。
【0077】
図3は、本願によるサンプリングアセンブリの構造に関する別の概略図である。
【0078】
いくつかの実装例では、
図3に示すように、サンプリングユニット220にはデジタルアナログ変換ユニット221が含まれる。デジタルアナログ変換ユニット221は、第1サンプリング信号に対してデジタルアナログ変換を行うように構成されている。デジタルアナログ変換ユニット221は、少なくとも1つのデジタルアナログ変換器を含んでよい。言い換えれば、本願の技術的解決手段では、デジタルアナログ変換ユニット221によりもたらされる誤差を補償することができ、これが信号サンプリング精度の向上に役立つ。
【0079】
例えば、第1サンプリング信号が十分に強い場合、信号増幅などの処理を行うことなく、アナログデジタル変換を直接行うことができる。
【0080】
いくつかの他の実装例では、
図3に示すように、サンプリングユニット220は増幅ユニット222を含む。増幅ユニット222は、第1サンプリング信号に対して増幅を行うように構成されている。デジタルアナログ変換ユニット222は、少なくとも1つのオペアンプを含んでよい。言い換えれば、本願の技術的解決手段では、増幅ユニット222によりもたらされる誤差を補償することができる。一般に、信号増幅部が、誤差をもたらす主要部分である。したがって、本願の技術的解決手段では、信号サンプリング精度を効果的に向上させることができる。
【0081】
例えば、第1サンプリング信号があまり強くない場合、第1サンプリング信号に対して信号増幅処理を行うことができる。
【0082】
さらにいくつかの実装例では、
図3に示すように、サンプリングユニット220は、増幅ユニット222およびデジタルアナログ変換ユニット221を含む。増幅ユニット222およびデジタルアナログ変換ユニット221の説明については、前述の説明を参照されたい。言い換えれば、本願の技術的解決手段では、増幅ユニット222によりもたらされる誤差、およびアナログデジタル変換ユニット221によりもたらされる誤差を補償することができ、これにより、信号サンプリング精度が効果的に向上する。
【0083】
図4は、本願によるサンプリングアセンブリの構造に関する別の概略図である。
【0084】
図4に示すように、サンプリングユニット220が増幅ユニット222およびデジタルアナログ変換ユニット221を含む場合、サンプリングアセンブリはさらに第3スイッチ250を含んでよい。第3スイッチ250は、増幅ユニット222の出力端および自己較正ユニット230に接続されている。この場合、自己較正ユニット230はさらに、第2スイッチ240をオンにするように制御する場合、第3スイッチ250をオンにするよう制御して、自己較正ユニット230への、増幅ユニット222により出力された第3較正信号の入力を可能にするように構成されている。自己較正ユニット230は具体的に、第1較正信号、第2較正信号、および第3較正信号に基づいて誤差信号を決定し、取得した誤差信号に基づいて第2サンプリング信号を補償して第3サンプリング信号を取得するように構成されている。言い換えれば、増幅ユニット222およびアナログデジタル変換ユニット221について別々に誤差信号を決定して、較正成功率を向上させ、較正時間を低減させることができる。
【0085】
図5は、本願による自己較正ユニット230の構造の概略図である。
【0086】
図5に示すように、自己較正ユニット230は、較正ユニット231および制御ユニット232を含んでよい。較正ユニット231および制御ユニット232の機能分割が、本願の本実施形態において特に限定されることはない。
【0087】
いくつかの実装例において、較正ユニット231は、第1較正信号、第2較正信号、および第3較正信号(任意選択)に基づいて誤差信号を取得し、取得した誤差信号を制御ユニット232に出力する。制御ユニット232は、第2サンプリング信号を受け取り、較正ユニット231により出力された誤差信号、および第2サンプリング信号に基づいて、補償済みの第3サンプリング信号を取得する。
【0088】
いくつかの他の実装例において、較正ユニット231は、第1較正信号、第2較正信号、および第3較正信号(任意選択)に基づいて誤差信号を取得し、取得した誤差信号および第2サンプリング信号に基づいて、補償済みの第3サンプリング信号を取得し、第3サンプリング信号を制御ユニット232に出力する。
【0089】
本願では、サンプリングアセンブリの入力信号が電流信号であってもよく、または電圧信号であってもよい。いくつかの実装例では、サンプリングアセンブリの入力信号が電流信号である場合、サンプリングアセンブリはさらにサンプリング抵抗器250を含む必要がある。
【0090】
図6は、本願によるサンプリング抵抗器の考え得る設定位置の概略図である。
図6の(a)に示すように、サンプリング抵抗器250の一端が第1スイッチ210の出力端に接続されており、他端は接地(ground、GND)されている。
図6の(b)に示すように、サンプリング抵抗器250の一端が第1スイッチ210の入力端に接続されており、他端は接地されている。
図6の(c)に示すように、第1サンプリング信号が代替的に差動形態であってもよい。この場合、サンプリング抵抗器250の一端が第1スイッチ210の出力端に接続されており、他端は限定されていない。第1サンプリング信号は、サンプリング抵抗器250の2つの端部における電圧信号である。任意選択で、サンプリングアセンブリが差動オペアンプを含む場合、サンプリング抵抗器250の2つの端部は、差動オペアンプの差動信号入力端に別々に入力されてよい。
【0091】
サンプリング抵抗器250はソリッド抵抗器であってもよく、または金属酸化物半導体型電界効果トランジスタ(metal-oxide semiconductor field effect transistor、MOS-FET)またはトランジスタを用いて作られた抵抗器であってもよいことに留意されたい。これについては、限定しない。サンプリング抵抗器250はチップに統合されてもよく、または外付けソリッド抵抗器であってもよい。これについては、限定しない。
【0092】
本願におけるサンプリングアセンブリがチップのサンプリングに用いられる場合、サンプリングアセンブリはチップの一部として機能し、チップの内部に配置されてよいことに留意されたい。あるいは、サンプリングアセンブリの一部がチップの内部に配置されてよく、一部がチップの外部に配置されてよい。あるいは、サンプリングアセンブリ全体が、チップの外部に配置されてもよい。これについては、限定しない。
【0093】
以上では、本願で提供されるサンプリングアセンブリを詳細に説明した。以下では、本願で提供されるサンプリング方法を説明する。
【0094】
図7は、本願によるサンプリング方法の概略フローチャートである。本方法は、自己較正ユニット、サンプリングユニット、第1スイッチ、および第2スイッチを含むサンプリングアセンブリに適用される。本方法は以下の段階を含む。
【0095】
段階710:自己較正ユニットは第1スイッチをオンにするよう制御して、サンプリングユニットへの第1サンプリング信号の入力を可能にする。
【0096】
段階720:サンプリングユニットは第1サンプリング信号を処理して第2サンプリング信号を取得し、第2サンプリング信号を自己較正ユニットに出力する。
【0097】
段階730:自己較正ユニットは第1スイッチをオフにするよう制御し、第2スイッチをオンにするよう制御し、サンプリングユニットに第1較正信号を出力する。
【0098】
段階740:サンプリングユニットは第1較正信号を処理して第2較正信号を取得し、第2較正信号を自己較正ユニットに出力する。
【0099】
段階750:自己較正ユニットは、第1較正信号および第2較正信号に基づいて誤差信号を決定する。
【0100】
段階760:自己較正ユニットは、第2サンプリング信号および誤差信号に基づいて、較正済みの第3サンプリング信号を取得する。
【0101】
任意選択で、サンプリングユニットは増幅ユニットおよび/またはアナログデジタル変換ユニットを含む。
【0102】
任意選択で、サンプリングユニットが増幅ユニットおよびアナログデジタル変換ユニットを含む場合、サンプリングユニットはさらに第3スイッチを含む。本方法はさらに、自己較正ユニットが、第2スイッチをオンにするよう制御する場合、第3スイッチをオンにするよう制御して、自己較正ユニットへの、増幅ユニットにより出力された第3較正信号の入力を可能にすることを含む。第1較正信号および第2較正信号に基づいて誤差信号を決定することは、第1較正信号、第2較正信号、および第3較正信号に基づいて誤差信号を決定することを含む。
【0103】
任意選択で、自己較正ユニットは較正ユニットおよび制御ユニットを含む。自己較正ユニットが、第2サンプリング信号および誤差信号に基づいて、較正済みの第3サンプリング信号を取得することは、較正ユニットが誤差信号を取得することを含む。制御ユニットは第2サンプリング信号を受け取り、誤差信号および第2サンプリング信号に基づいて第3サンプリング信号を取得する。あるいは、較正ユニットは第3サンプリング信号を取得し、第3サンプリング信号を制御ユニットに出力する。
【0104】
本願におけるサンプリング方法のより詳細な説明については、サンプリングアセンブリの説明を参照されたい。ここでは、詳細について改めて説明しない。
【0105】
本願はさらに、チップを提供する。本チップは、前述した実施形態のいずれか1つにおけるサンプリングアセンブリを含む。
【0106】
本願はさらに、集積回路を提供する。本集積回路は、前述した実施形態のいずれか1つにおけるサンプリングアセンブリを含む。
【0107】
本願はさらに、PSEを提供する。PSEは、前述した実施形態のいずれか1つにおけるサンプリングアセンブリを含む。
【0108】
本願はさらに、POEシステムを提供する。本システムは、前述した実施形態のいずれか1つにおけるサンプリングアセンブリを含む。
【0109】
本願はさらに、命令を含むコンピュータ可読記憶媒体を提供する。命令がコンピュータで実行されると、
図7に示す方法が実施される。
【0110】
本明細書において用いられる「コンポーネント」、「モジュール」、および「システム」などの用語は、コンピュータ関連のエンティティ、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアを示す。例えば、コンポーネントは、プロセッサ上で動作するプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プログラム、またはコンピュータであってよいが、これらに限定されない。図を用いて示したように、コンピューティング機器およびコンピューティング機器上で動作するアプリケーションの両方がコンポーネントであってよい。1つまたは複数のコンポーネントは、プロセスまたは実行スレッド内に存在してよく、コンポーネントが1つのコンピュータ上に位置しても、または2つまたはそれより多くのコンピュータ同士の間に分散されてもよい。さらに、これらのコンポーネントは、様々なデータ構造体を格納する様々なコンピュータ可読媒体から実行されてもよい。例えば、コンポーネントは、1つまたは複数のデータパケット(例えば、ローカルシステムにおいて、分散システムにおいて、または信号を用いて別のシステムとやり取りするインターネットなどのネットワークにわたり、別のコンポーネントとやり取りする2つのコンポーネントからのデータ)を有する信号に基づき、ローカルまたはリモートプロセスを用いて通信してよい。
【0111】
本明細書全体にわたって言及される「実施形態」とは、本実施形態に関連する特定の特徴、構造、または特性が、本願の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味すると理解されたい。したがって、明細書全体における各実施形態は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、これらの特定の特徴、構造、または特性を任意の適切な方式を用いて組み合わせて、1つまたは複数の実施形態にしてもよい。
【0112】
本願の実施形態では、「第1」および「第2」などの数字が単に異なる対象同士を区別するためのもの、例えば、異なるスイッチ同士を区別するためのものであり、本願の実施形態の範囲に対する限定を構成することはないと理解されたい。本願の実施形態は、これに限定されない。
【0113】
本願において、「~のとき」および「~の場合」の両方では、ネットワーク要素が客観的な状況において対応する処理を行うことを意味するが、時間に対して限定を構成することはなく、ネットワーク要素が実装中に決定行動を有する必要はなく、他の限定も意味していないことをさらに理解されたい。
【0114】
本願では、「少なくとも1つ」が1つまたは複数を意味し、「複数の~」が2つまたはそれより多くを意味することをさらに理解されたい。
【0115】
本願の実施形態において、「Aに対応するB」とは、BがAに関連していることを示し、BはAに基づいて決定され得ることをさらに理解されたい。しかしながら、Aに基づいてBを決定するとは、BがAだけに基づいて決定されることを意味してはいないことをさらに理解されたい。Bは代替的に、Aおよび/または他の情報に基づいて決定されてもよい。
【0116】
本明細書における「および/または」という用語は、関連対象物を説明するために対応関係のみを説明し、3つの関係が存在し得ることを表していることも理解されたい。例えば、Aおよび/またはBとは、以下の3つの場合を表し得る。すなわち、Aのみが存在する場合、AおよびBの両方が存在する場合、およびBのみが存在する場合である。さらに、本明細書における「/」という記号は、一般に、関連対象物同士の間で「または」の関係を示している。
【0117】
特別の定めがない限り、本願で用いられる「ある項目にはA、B、およびCのうちの1つまたは複数が含まれる」という表現と類似した表現では通常、この項目が、A;B;C;AおよびB;AおよびC;BおよびC;A、B、およびC;AおよびA;A、A、およびA;A、A、およびB;A、A、およびC;A、B、およびB;A、C、およびC;BおよびB;B、B、およびB;B、B、およびC;CおよびC;C、C、およびC;およびA、B、およびCの別の組み合わせのいずれか1つであってよいことを意味する。前述の説明では、この項目の任意選択のケースを説明するのに、3つの要素A、B、およびCが一例として用いられている。ある表現が「この項目には、A,B、...、およびXのうちの少なくとも1つが含まれる」という場合、言い換えれば、より多くの要素がこの表現に含まれる場合、この項目が適用可能である場合も、前述した規則に従って取得され得る。
【0118】
PSEが本願の実施形態における段階の一部または全部を行ってよいことが理解されるであろう。これらの段階またはオペレーションは単なる例に過ぎない。本願の実施形態にはさらに、他のオペレーションまたは様々なオペレーションの変形を行うことが含まれてよい。さらに、これらの段階は、本願の実施形態において提示された順序とは異なる順序で行われてもよく、本願の実施形態におけるオペレーション全てが行われなくてもよい。
【0119】
本明細書で開示した実施形態に記載されている例と組み合わせて、ユニットおよびアルゴリズム段階が電子ハードウェアまたはコンピュータソフトウェアおよび電子ハードウェアの組み合わせにより実現され得ることを当業者は認識するであろう。これらの機能がハードウェアまたはソフトウェアのいずれで行われるのかは、特定の用途および技術的解決手段の設計上の制約条件によって決まる。当業者であれば、異なる方法を用いて、説明した機能を特定の用途ごとに実装するかもしれないが、当該実装が本願の範囲を超えるとみなされるべきではない。
【0120】
簡便且つ簡潔な説明のために、前述したシステム、装置、およびユニットの詳細な作業プロセスについては、前述した方法の実施形態における対応するプロセスを参照することが、当業者によって明確に理解されるであろう。ここでは、詳細について改めて説明しない。
【0121】
本願で提供される複数の実施形態において、開示されたシステム、装置、および方法は、他の方式で実装され得ることを理解されたい。例えば、説明された装置の実施形態は、単なる一例に過ぎない。例えば、複数のユニットへの分割は、単に論理的な機能分割に過ぎず、実際の実装では他の分割であってもよい。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントを組み合わせるまたは統合して別のシステムにしてよく、または一部の機能が無視されても、または行われなくてもよい。さらに、表示または説明されている相互連結または直接的連結または通信接続は、いくつかのインタフェースを用いて実現されてよい。装置間またはユニット間の間接的連結または通信接続は、電子的形態、機械的形態、または他の形態で実現されてよい。
【0122】
別個の部品として記載されたユニットは、物理的に分かれていてもいなくてもよく、ユニットとして表示された部品が物理ユニットであってもなくてもよく、1つの位置に配置されていてもよく、または複数のネットワークユニット上に分散されていてもよい。実施形態の解決手段の目的を達成するために、ユニットの一部または全部が実際の要件に基づいて選択されてよい。
【0123】
さらに、本願の実施形態における各機能ユニットを統合して1つの処理ユニットにしてもよく、これらのユニットのそれぞれが物理的に単独で存在してもよく、または2つまたはそれより多くのユニットを統合して1つのユニットにする。
【0124】
各機能がソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売または使用される場合、これらの機能は、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。そのような理解に基づいて、本願の技術的解決手段は本質的に、または従来技術に寄与する部分が、またはこれらの技術的解決手段のうちの一部が、ソフトウェア製品の形態で実装されてよい。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に格納されており、本願の実施形態で説明された方法の段階の全部または一部を行うようコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワーク機器としてよい)に指示するための複数の命令を含む。前述した記憶媒体には、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、リードオンリメモリROM、ランダムアクセスメモリRAM、磁気ディスク、または光ディスクといった、プログラムコードを格納できる任意の媒体が含まれる。
【0125】
前述した説明は、本願の単なる特定の実装例に過ぎず、本願の保護範囲を限定することを意図するものではない。本願において開示された技術的範囲内で当業者が容易に考え出す変形または置換はいずれも、本願の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【国際調査報告】