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特表2024-501517無細胞化学物質生産のための多用途連続製造プラットフォーム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-12
(54)【発明の名称】無細胞化学物質生産のための多用途連続製造プラットフォーム
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/40 20060101AFI20240104BHJP
   C12M 1/24 20060101ALN20240104BHJP
【FI】
C12M1/40 A
C12M1/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537604
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 US2021064049
(87)【国際公開番号】W WO2022133223
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】63/127,758
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/127,836
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
2.SWAGELOK
(71)【出願人】
【識別番号】523228060
【氏名又は名称】デビュー バイオテクノロジー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ブリトン, ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】ハッチソン, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ブリドー, ニコラス
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA02
4B029BB16
4B029CC01
4B029CC03
4B029DA05
4B029DB11
4B029DF01
4B029DF02
4B029DF04
4B029DF05
4B029DF07
4B029FA02
4B029GA02
4B029GB02
4B029GB03
4B029GB08
(57)【要約】
本発明は、無細胞化学物質生産のための多用途連続製造プラットフォームを特徴とする。一部の実施形態において、本発明は、化学物質生産のための無細胞連続製造プラットフォームを特徴とする。一部の実施形態において、プラットフォームは、1個または複数個の個別のリアクタ、および1個または複数個の個別のリアクタを通って溶液を流すように適合されたポンプ輸送システムを備える。一部の実施形態において、1個または複数個の個別のリアクタの各々は、第1端と第2端とを備える円筒管を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学物質生産のための無細胞製造プラットフォームであって、該プラットフォームは、
a)1個または複数個の個別のリアクタであって、該1個または複数個の個別のリアクタの各々は、第1端と第2端とを備える円筒管を備え、該円筒管の第1端および該円筒管の第2端の両方はフィッティングを備え、入力チュービングが該円筒管の第1端に接続されており、出力チュービングが該円筒管の第2端に接続されており、該個別のリアクタの円筒管内側は、
i)樹脂;および
ii)酵素;
を含む、1個または複数個の個別のリアクタと、
b)該1個または複数個の個別のリアクタを通って溶液を流すように適合されたポンプ輸送システムと
を備える、プラットフォーム。
【請求項2】
前記フィッティングがステンレス鋼フィッティングである、請求項1に記載のプラットフォーム。
【請求項3】
前記個別のリアクタの円筒管内側が1個または複数個のセンサをさらに備える、請求項1に記載のプラットフォーム。
【請求項4】
前記1個または複数個のセンサが、温度センサ、pHセンサ、圧力センサ、流量センサ、溶存酸素(DO)センサ、分光計、またはそれらの組合せを含む、請求項3に記載のプラットフォーム。
【請求項5】
前記1個または複数個の個別のリアクタの各々が個別のリアクタハウジングを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項6】
前記個別のリアクタハウジングが前記個別のリアクタを囲んで該個別のリアクタに固定されている、請求項5に記載のプラットフォーム。
【請求項7】
前記個別のリアクタハウジングまたは前記個別のリアクタに取り付けられた、温度変更素子をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項8】
前記温度変更素子が熱電冷却器(TEC)である、請求項7に記載のプラットフォーム。
【請求項9】
前記1個または複数個の個別のリアクタに直列に取り付けられた分光計をさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項10】
前記溶液から気体を除去するように適合された脱気モジュールをさらに備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項11】
前記脱気モジュールが脱酸素化モジュールである、請求項10に記載のプラットフォーム。
【請求項12】
前記脱酸素化モジュールが、前記溶液から酸素を除去するように適合されている、請求項11に記載のプラットフォーム。
【請求項13】
前記溶液に気体を導入するように適合された気体添加モジュールをさらに備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項14】
前記溶液に酸または塩基を導入するように適合されたpHモジュールをさらに備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項15】
自動化ソフトウェアおよびハードウェアを制御するように適合されたグラフィカルユーザインタフェース(GUI)をさらに備える、請求項1~14のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項16】
前記無細胞製造プラットフォームが、前記1個または複数個のリアクタの条件の各々を前記センサからの入力に基づいて自動的に変更可能である、請求項1~15のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項17】
前記酵素が、MBP-Aldo(Aldo)、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(TvDHAD)、ピルビン酸オキシダーゼ(PyOx)、リン酸アセチルトランスフェラーゼ(PTA)、アセチルCoAアセチルトランスフェラーゼ(PhaA)、HMG-CoAシンターゼA110G(HMGS)、HMG-CoAレダクターゼ(HMGR)、メバロン酸キナーゼ(MVK)、ホスホメバロン酸キナーゼ(PMVK)、ジホスホメバロン酸キナーゼ(MDC)、イソペンチル-PPイソメラーゼ(IDI)、ファルネシル-PPシンターゼS82F(FPPS)、プレニルトランスフェラーゼ(NphB)、またはそれらの組合せを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項18】
前記酵素が固定されている、請求項1~17のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項19】
前記酵素が固定されていない、請求項1~17のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年12月18日に出願された米国仮出願番号63/127,758および2020年12月18日に出願された米国仮出願番号63/127,836の利益を主張し、これらの明細書は、本明細書において参照によりその全体が援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、無細胞連続製造プラットフォームにおける化学物質の生産のためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
天然産物は、天然プロセスから生成される天然で見出される分子であると定義される。これらの広範な種類の分子は、治療剤、農薬または産業出発物質としての用途が見出されている。これらの物質を形成する天然プロセスは、代表的には多段階酵素経路である。そのような酵素経路は、グリセロールおよびグルコースなどの単純な出発物質を、多段階酵素反応を通じて複雑な物質へと変換する。現在、天然産物の大多数は、植物から培養されて抽出されるか、複雑な化学合成によって合成されるか、または細胞ベースの工場(バイオファウンドリとしても知られる)を通じてバイオ製造される。本発明は、多様な範囲の天然産物を自然が生成する方法を模倣する、固定した酵素を収容する規模調整可能な連続システムの働きを詳述する。
【0004】
培養によるか、化学合成または改変細胞の使用による天然産物の製造は、生物学ベースの特殊な化学工業化の商業的実行性を制限する多くの問題に悩まされる。第一に、培養は、大量の土地/エネルギー/水を必要とし、植物が、高価値物質を少量でしか生成できない。次に、化学合成は、しばしば複雑過ぎて実験室では生成できない天然産物を生成するために、広大で、精巧で、高価で、毒性があり、非効率的な多段階化学反応を必要とする。最後に、細胞は、産物の毒性、炭素フラックスの向け直し(redirection)、細胞壁を通る拡散の問題、および毒性副産物の産生に悩まされる。これらの問題を克服するために、本システムにおける酵素の使用は、実行可能な選択肢を提供する。細胞と同じ酵素が、細胞の制限を伴わずに使用されるので、この研究は「無細胞」と呼ばれている。
【0005】
しかし、無細胞製造が競争力を持つためには、各酵素がその最適な反応条件を経験してより高い力価を駆動することを可能にする、新しい技術が開発されなければならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の簡単な概要)
独立請求項において明示されるとおり、無細胞の様式で化学物質の生産を可能にする、デバイスおよび方法を提供することが、本発明の一目的である。本発明の実施形態は、従属請求項において提供される。本発明の実施形態は、それらが相互排他的ではない場合には、互いに自由に組み合わされ得る。
【0007】
「無細胞製造システムにおけるグリセロールからのゲラニルピロリン酸の無細胞生成」という発明の名称である仮特許出願において、本発明者らは、先行仮特許において固定した酵素および固定していない酵素を使用して、バッチ反応におけるグリセロールからゲラニルピロリン酸(GPP)への変換を示した。ここで、12種の個別の酵素をリアクタ中に配置し5日間混合して、49mg/LのGPPを生じた(図1)。しかし、単一バッチ作業においてこれらの異なる固定した酵素を使用することは、その化学反応の機会を制限する。ただ1つの反応温度、時間、およびpHだけしか単一リアクタに収容できなかったので、その反応効率は妨げられただろう。さらに、この数の酵素を用いて連続製造の利点を利用するには、システムを根本から作製して最適化する必要がある。
【0008】
グリセロールをゲラニルピロリン酸へと変換する生化学経路に関与する12種の固定した酵素に関する個別の要件を、まず調査した(表1)。各酵素は、最適な反応性のために必要な独自の条件の組を有する。さらに、最適条件からの逸脱は、タンパク質沈殿ならびに生成物および基質の分解を通じて反応性の損失をもたらすだろう。これは、このプロセスを規模調整不能で商業的に実行不能にするだろう要因である。したがって、これらの個別の酵素要件を提供し得、タンパク質沈殿を克服し得、複数の温度、複数のpH、複数の反応時間、および異なる反応溶液酸素化レベルを任意の所定時間に提供し得るシステムが、必要であった。実際には、現行の製造装置において個別の酵素要件すべてを満足させることは、不可能であった。この限界を克服するために、その12種の固定した酵素を、将来これらの酵素などにとって最適な反応条件を生成するように一群の外部センサおよびアルゴリズム的フィードバックループによって厳密に制御された、連続製造リアクタ中に配置した。
【0009】
表1:レポーター酵素系(NphB酵素)の使用を通じてグリセロールをGPPへと変換しその後でCBGAへと変換する生化学経路に関与する各酵素にとって最適な反応条件。これらの反応において、10mg~100mgの間の酵素-樹脂複合体を使用し、その反応を、屈折率検出器(RID)に連結した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の使用を通じてモニターした。
【表1】
【0010】
本発明者らは、酵素反応が機能するための必要条件を提供しながら無細胞バイオ製造を規模調整することを可能にする、多用途連続製造プラットフォームを作製した。この特許出願は、その製造システムおよび重要なバイオ製造アプローチにおけるその使用を記載する。
【0011】
本明細書で記載されるように、無細胞系および重要なリアクタ駆動物質(表1を参照のこと)が、無細胞化学反応(すなわち、細胞の存在を伴わない)において使用される。求められる酵素は、第1にインビボで(代表的には、タンパク質過剰発現を通じて)生成され、クロマトグラフィーによって単離され、その後、低コストの基質を含むバイオリアクター中に添加される。その酵素は、植物、動物、および細菌において生じるのと正確に同じ様式でその低コストの基質を産物へと変換するが、生物の複雑性は伴わない。この様式では、経路は、天然の分子を生成するために利用される。
【0012】
一部の実施形態において、本発明は、化学物質生産のための無細胞連続製造プラットフォームを特徴とする。一部の実施形態において、プラットフォームは、1個または複数個の個別のリアクタ、および1個または複数個の個別のリアクタを通って溶液を流すように適合されたポンプ輸送システムを備える。一部の実施形態において、1個または複数個の個別のリアクタの各々は、第1端と第2端とを備える円筒管を備える。一部の実施形態において、その円筒管の第1端および円筒管の第2端の両方はフィッティング(すなわち、ステンレス鋼フィッティング)を備える。一部の実施形態において、個別のリアクタの円筒管内側は、樹脂および酵素を含む。一部の実施形態において、1個または複数個の個別のリアクタの各々は、閉鎖系を生じるように、その円筒管の第1端に接続された入力チュービングと、その円筒管の第2端に接続された出力チュービングとを備える。一部の実施形態において、個別のリアクタの円筒管内側は、1個または複数個のセンサをさらに備える。
【0013】
本発明の独特で進歩的な技術特徴の1つは、無細胞製造の使用である。本発明をいかなる理論にも機構にも限定することは望まないが、本発明の技術的特徴は、有利なことに、より高い反応濃度、生成物および基質の拡散のために戦うべき細胞壁がないこと、炭素フラックスおよび副産物形成について細胞中での戦いがないこと、毒性化合物の形成が原因である細胞死がないこと(細胞が存在しないため)を提供すると、考えられ、無細胞系は、多数の化合物を生成するためのプラットフォーム溶液を提供し、細胞は、毎回再プログラム化されなければならず、本発明は、リアクタカラムを異なる固定された酵素を含む別のものに単に変えるだけでよい。現在公知であるいかなる先行文献も研究も、本発明の独自の進歩的な技術的特徴を有しない。
【0014】
さらに、先行文献は、本発明から遠ざかることを教示している。例えば、その固定した酵素の現行の使用は、代表的には、1組のリアクタ条件(時間、pH、温度など)しか可能にしない、単一リアクタ(バッチまたは連続)を使用する。本発明は、中間体単離を伴わずに、各々の個別のリアクタ(または連続したリアクタ)間で異なるリアクタ条件の使用を可能にする。さらに、制御されたモジュールを介する気体の添加は、酸素(またはその欠如)を必要とする酵素が連続リアクタにおいて使用されることを可能にし、これは、以前のデバイスにはできなかった。さらに、脱酸素化モジュールは、「好」酸素性酵素および「嫌」酸素性酵素が、これもまた中間体精製を伴わずに連続して使用されることを可能にする。
【0015】
さらに、本発明の進歩的な技術的特徴は、驚くべき結果に寄与した。例えば、本発明のデバイスは、1,000Lの伝統的発酵槽と比較して同じ量の酵素を79mLの連続リアクタに適合させ得、より高い反応濃度を可能にし得る。45Lリアクタが達成される場合、これは、567,000Lの伝統的発酵槽の等価物である。
【0016】
本明細書において記載されるあらゆる特徴または特徴の組合せは、文脈、本明細書および当業者の知識から明らかであるとおり、任意のそのような組合せに含まれる特徴が相互に矛盾しない限りは、本発明の範囲内に含まれる。本発明のさらなる利点および局面が、以下の詳細な説明および特許請求の範囲において明らかである。
【0017】
(図面のいくつかの図の簡単な説明)
本発明の特徴および利点は、提示される以下の詳細な説明を添付の図面と組み合わせて考慮することから明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、以前に示されたグリセロールからGPPを生成する生化学経路を示す。ここで、グリセロールは、本明細書に記載されるとおり、12種の個別の酵素を使用してGPPへと変換される。
【0019】
図2図2は、DHADにとって最適な反応温度を示す。ここで、45℃が最適温度であり、45℃から離れる場合に収率の顕著な低下が観察される。
【0020】
図3図3は、加熱/冷却ペルチェ素子が取り付けられ支援電子回路を備えたハウジング内に収容された、リアクタを示す。
【0021】
図4図4は、各リアクタ設定値とともに4個のリアクタの温度および電子出力データを経時的に示す、Grafanaのデータのダッシュボードを示す。
【0022】
図5A図5Aは、システム中の最初のリアクタの圧力を経時的に(24時間)、1秒当たり1サンプルで示す。平均=0.092PSI。
【0023】
図5B図5Bは、システム中の最初の2個のリアクタ間でpH調整ポンプによって観察される圧力を経時的に(24時間)示す。平均=0.789PSI。
【0024】
図6図6は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)のスクリーンキャプチャを示す。
【0025】
図7A図7Aは、標準的分圧器回路を示す。R2が変化するにつれて、Voutが変化する。
【0026】
図7B図7Bは、入力電圧(Vin)および抵抗値(R1、R2)に基づいて出力電圧(Vout)を計算するための標準方程式を示す。
【0027】
図8図8は、サーミスタ抵抗を温度値へと変換するために使用されるSteinhart-Hart式の単純化したバージョンを示す。
【0028】
図9A図9A図9Bは、標準の温度制御のための回路構成(図9A)またはペルチェ素子を再配向することなく加熱および冷却の両方が必要とされる場合の温度制御のための回路構成(図9B)を示す。
図9B図9A図9Bは、標準の温度制御のための回路構成(図9A)またはペルチェ素子を再配向することなく加熱および冷却の両方が必要とされる場合の温度制御のための回路構成(図9B)を示す。
【0029】
図10A図10Aは、取り付けられて加熱/冷却されている4個のリアクタの熱画像を示す。
【0030】
図10B図10Bは、12℃に冷却されているリアクタの熱画像を示す。
【0031】
図11図11は、時間の関数としての液体の水における溶存酸素除去のグラフを示す。プローブを脱イオン水のリザーバ中に配置し、その後、処理済みの脱酸素化/脱気した水中に配置し、連続的に撹拌した。溶存酸素は7.75ppmから4.07ppmになり、これは、ほぼ50%の減少であった。
【0032】
図12A図12A図12Dは、1/4インチ外径リアクタハウジングおよび3/4インチ外径リアクタハウジング-1/4インチ外径リアクタハウジングのタップ側(tapped side)(図12A)またはネジ側(screw side)(図12B)および3/4インチ外径リアクタハウジング-タップ側(図12C)、またはネジ側(図12D)を示す。
図12B図12A図12Dは、1/4インチ外径リアクタハウジングおよび3/4インチ外径リアクタハウジング-1/4インチ外径リアクタハウジングのタップ側(tapped side)(図12A)またはネジ側(screw side)(図12B)および3/4インチ外径リアクタハウジング-タップ側(図12C)、またはネジ側(図12D)を示す。
図12C図12A図12Dは、1/4インチ外径リアクタハウジングおよび3/4インチ外径リアクタハウジング-1/4インチ外径リアクタハウジングのタップ側(tapped side)(図12A)またはネジ側(screw side)(図12B)および3/4インチ外径リアクタハウジング-タップ側(図12C)、またはネジ側(図12D)を示す。
図12D図12A図12Dは、1/4インチ外径リアクタハウジングおよび3/4インチ外径リアクタハウジング-1/4インチ外径リアクタハウジングのタップ側(tapped side)(図12A)またはネジ側(screw side)(図12B)および3/4インチ外径リアクタハウジング-タップ側(図12C)、またはネジ側(図12D)を示す。
【0033】
図13図13は、捕捉から表示までのデータフローを示す。
【0034】
図14図14は、実施例2.1における反応のための反応構成を示す。
【0035】
図15図15は、実施例2.2における反応のための反応構成を示す。
【0036】
図16図16は、実施例2.3における反応のための反応構成を示す。
【0037】
図17図17は、実施例2.4における反応のための反応構成を示す。
【0038】
図18図18は、実施例2.5における反応のための反応構成を示す。
【0039】
図19図19は、実施例2.6における反応のための反応構成を示す。
【0040】
図20図20は、実施例2.7における反応のための反応構成を示す。
【0041】
図21図21は、実施例2.8における反応のための反応構成を示す。
【0042】
図22図22は、実施例2.9における反応のための反応構成を示す。
【0043】
図23図23は、実施例2.10における反応のための反応構成を示す。
【0044】
図24図24は、実施例2.11における反応のための反応構成を示す。
【0045】
図25A図25Aは、反応からの酸素の除去のための反応構成を示す。ポンプが、リアクタに入る前に脱酸素化/脱気装置の4個のチャネルすべてを通るように液体を押し出す。
【0046】
図25B図25Bは、脱酸素化および/または脱気モジュールならびにリアクタを通ってポンプ輸送される前の窒素ガスの添加を示す図を示す。
【0047】
図26図26は、実施例2.13における反応のための反応構成を示す。
【0048】
図27図27は、1個のポンプに接続された2個の並列リアクタの等しいスループットを達成するための試験構成を示す。
【0049】
図28図28は、分光計に接続されたフローセルを通って流れる体積のスペクトルの全体にわたる波長強度を可視化するための市販のソフトウェアを示す。
【0050】
図29図29は、分光計に接続されたフローセルを通って流れる体積のスペクトルの全体にわたる吸光度を捕捉および/または表示するように書かれたソフトウェアの出力を示す。
【0051】
図30図30は、本明細書において記載される個別のリアクタのいくつかの図を示す。
【0052】
図31A図31Aおよび図31Bは、本明細書において記載される無細胞製造プラットフォームの2次元図を示す。図31Aは、pHモジュールを備える、本明細書において記載される無細胞製造プラットフォームを示す。図31Bは、圧力センサと、気体添加モジュールまたは脱気モジュールとを備える、本明細書において記載される無細胞製造プラットフォームを示す。
図31B図31Aおよび図31Bは、本明細書において記載される無細胞製造プラットフォームの2次元図を示す。図31Aは、pHモジュールを備える、本明細書において記載される無細胞製造プラットフォームを示す。図31Bは、圧力センサと、気体添加モジュールまたは脱気モジュールとを備える、本明細書において記載される無細胞製造プラットフォームを示す。
【0053】
図32図32は、本明細書において記載される無細胞製造プラットフォームの一実施形態を示す。図32は、pH制御モジュールが取り付けられた4個の個別のリアクタ(すなわち、4つの反応)を備える3次元無細胞製造プラットフォーム図を示す。
【0054】
図33図33は、熱電冷却器を加熱/冷却するため、または熱電シリコンヒーター(heat electric silicon heater)を加熱するために使用され得る、回路概略図を示す。
【0055】
図34図34Aおよび図34Bは、本明細書において記載される本発明の特定の実施形態を示す。図34Aは、本明細書において記載される無細胞製造プラットフォームの個別のリアクタの2次元図を示し、図34Bは、本明細書において記載される無細胞製造プラットフォームの2次元図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
(発明の詳細な説明)
本化合物、組成物および方法が開示され記載される前に、具体的な合成方法または具体的な組成物は当然変化し得るので、本発明はそれらに限定されないことが、理解されるべきである。本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を記載することだけを目的とし、限定することは意図されないこともまた、理解されるべきである。
【0057】
さらに、本開示の実施形態が詳細に記載されてきたが、本明細書において記載される特徴および利点すべてを提供するわけではない実施形態を含む特定の変化形および改変が、当業者にとって明らかになる。本開示は、具体的に開示された実施形態を越えて、他の代替的もしくは追加の実施形態および/または使用ならびにそれらの自明な改変および等価物にまで及ぶことが、当業者によって理解される。さらに、多くの変化形が種々の詳細さで示され記載されてきたが、本開示の範囲内にある他の改変が、本開示に基づいて当業者にとって容易に明らかになる。それらの実施形態の具体的な特徴および局面の種々の組合せまたは部分的組合せが行われ得、依然として本開示の範囲内にあることもまた、企図される。したがって、開示される実施形態の種々の特徴および局面は、本開示の種々の形態を形成するために互いに組み合わされてもよく、または互いに置換されてもよいことが、理解されるべきである。したがって、本明細書において開示される開示の範囲は、本明細書において記載される特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが、意図される。
【0058】
本明細書において使用される場合、文脈によって明確に違うと示されない限りは、単数形「a」、「an」、および「the」は複数形もまた含むことが意図される。さらに、用語「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「含む(有する)(with)」またはそれらの変化形が詳細な説明および/または特許請求の範囲のいずれかで使用される限り、そのような用語は、用語「含む(comprising)」と同様の様式で包括的であることが意図される。
【0059】
本明細書において使用される場合、「リアクタ」または「個別のリアクタ」とは、酵素-樹脂複合体を含む連続リアクタを指し得る。個別のリアクタとは、リアクタに入る流体またはリアクタを出る流体によってそれぞれ規定される入口および出口を備えた、1個のリアクタを意味する。さらに、2個またはそれより多い個別のリアクタは、リアクタシステムを形成するように一緒に連結され得る。
【0060】
本明細書において使用される場合、「制御システム」とは、条件のパラメータを受信して、計算を実施することおよびデータをユーザに提示すること、ならびに/またはそのデータに応答してハードウェアの状態もしくは構成を変化させて必要とされる状態を達成することによって応答するように実装された、ソフトウェアおよび/またはハードウェアを指し得る。
【0061】
本明細書において使用される場合、「ポンプ輸送システム」とは、連続製造システムにおいて種々の流体をポンプ輸送するために使用される、アイソクラティック計量ポンプもしくはシリンジポンプまたはそれらの等価物を指し得る。
【0062】
本明細書において使用される場合、「ポンプ輸送緩衝液」とは、酵素ベースの反応を実施するために使用される塩を含む水ベースの溶液を指し得る。例としては、タンパク質緩衝溶液(PBS)または酢酸ナトリウム緩衝液が挙げられるが、それらに限定はされない。
【0063】
個別のリアクタのサイズは、望まれるスループットに依存して、長さ、外径および内径が変化し得る。例示的な実施形態は、1.5インチと14.5インチとの間もしくはそれより大きい長さ、0.125インチと0.75インチとの間もしくはそれより大きい外径(OD)、または0.055インチと0.652インチとの間もしくはそれより大きい内径(ID)、あるいはそれらの一部の組合せを有する、個別のリアクタであり得る。他の実施形態は、リアクタの望ましいスループットに基づいて企図される。他のサイズの個別のリアクタが、本明細書において記載されるプラットフォームにしたがって使用され得る。
【0064】
リアクタハウジングは、適切な特性(例えば、耐久性、強度、リアクタ内容物に対する不活性など)を有する任意の物質から製造され得る。一部の実施形態において、個別のリアクタのハウジングは、6061アルミニウムまたは類似物質から作製され得る。
【0065】
リアクタは、適切な特性(例えば、耐久性、強度、リアクタ内容物に対する不活性など)を有する任意の物質から製造され得る。一部の実施形態において、個別のリアクタは、304ステンレス鋼円筒チュービングまたは類似物質から作製され得る。
【0066】
本明細書において使用される場合、「リアクタ条件」とは、酵素-樹脂複合体が活性なままであり基質を生成物へと変換するのを確実にする条件、ならびに/または基質および生成物が安定であるのを確実にする条件、ならびに/または酵素反応にとって最適な条件を指し得る。リアクタが制御し得る条件の非限定的な例としては、温度、圧力、スループット体積、溶媒、pH、酸素レベル、他の気体レベル、またはそれらの組合せが挙げられるが、それらに限定はされない。
【0067】
本明細書において使用される場合、「グラフィカルユーザインタフェース(GUI)」とは、コンピュータから連続製造システムとインタラクトおよび/または連続製造システムを制御する視覚的方法を指し得、それにはソフトウェアアプリケーション内のテキストボックスおよび/またはボタンが挙げられるが、それらに限定はされない。
【0068】
本明細書において使用される場合、「反応媒体」とは、酵素により制御される反応を実施するために必要な化学物質を含む、リアクタを通って流される溶液を指し得る。これには、代表的には、基質(すなわち、出発物質)、補因子、気体、緩衝塩、および他の溶媒が挙げられるが、それらに限定はされない。化学反応は、反応媒体において生じる。
【0069】
本明細書において使用される場合、「平衡緩衝液」とは、「リアクタ緩衝液」または「基質溶液」と同じ組成を有するが基質を欠く(か、またはほぼ欠く)、緩衝液を指し得る。
【0070】
本明細書において使用される場合、「基質溶液」とは、酵素により制御される反応を実施するために必要な化学物質を含む、リアクタを通って流される溶液を指し得る。これには、以下のうちの1つまたは複数が挙げられ得る:1種または複数種の基質(すなわち、出発物質)、1種または複数種の補因子、1種または複数種の気体、1または複数種の緩衝塩、および1または複数種の溶媒。
【0071】
一部の実施形態において、基質から生成物への変換のための時間は、スループットおよび反応収率を最適化するために変更され得る。一部の実施形態では、基質の生成物への変換は、0.01時間~10時間で進行し得る。一部の実施形態では、基質の生成物への変換は、0.01時間~100時間、例えば、約10時間~100時間で進行し得る。一部の実施形態では、基質の生成物への変換は、約0.01時間~1,000時間、または約10時間~1,000時間または約100時間~1,000時間で進行し得る。一部の実施形態では、基質の生成物への変換は、1,000時間より長く進行し得る。
【0072】
本明細書において使用される場合、「流量」とは、流体がリアクタを通過する速度を指し得、個別のリアクタの前および後に挿入された流量計によって測定され得る。
【0073】
一部の実施形態において、個別のリアクタの流量は、スループットおよび反応収率を最適化するために変更され得る。一部の実施形態では、流量は、約0.1μL/分~1000μL/分、または約0.1mL/分~100mL/分、または約0.1μL/分~10μL/分、または約0.1μL/分~1μL/分、または約1μL/分~1000μL/分、または約1mL/分~100mL/分、または約1μL/分~10μL/分、または約10μL/分~1000μL/分、または約10mL/分~100mL/分、または約100μL/分~1000μL/分の範囲であり得る。一部の実施形態では、流量は、約10μL/分~100μL/分の範囲であり得る。他の実施形態では、流量は、約100μL/分~1mL/分の範囲であり得る。さらなる実施形態では、流量は、約1mL/分~10mL/分の範囲であり得る。一部の実施形態では、流量は、約1mL/分~1000mL/分、または約1mL/分~100mL/分、または約1mL/分~10mL/分、または10mL/分~1000mL/分、または約10mL/分~100mL/分、または約100mL/分~1000mL/分の範囲であり得る。一部の実施形態では、流量は、約100mL/分~1L/分の範囲であり得る。一部の実施形態では、流量は、約1L/分~10L/分の範囲であり得る。一部の実施形態では、流量は、約10L/分~100L/分.他の実施形態では流量は、約1L/分~1000L/分、または約1L/分~100L/分、または約1L/分~10L/分、または約10L/分~1000L/分、または約10L/分~100L/分、または約100L/分~1000L/分の範囲であり得る。さらなる実施形態では、流量は、100L/分より多くであり得る。
【0074】
本明細書において使用される場合、「滞留時間」とは、一定単位の流体がリアクタの内部に存在する時間の長さを指し得る。
【0075】
他の実施形態において、滞留時間は、スループットおよび反応収率を最適化するために変更され得る。一部の実施形態では、滞留時間は、約0.1分~1分、約0.1分~10分、または約0.1分~100分、または約1.0分~100分の範囲であり得る。他の実施形態では、滞留時間は、約0.5分~10分、または約0.5分~100分、または約0.5分~1000分の範囲であり得る。一部の実施形態では、滞留時間は、約1分~10分、または約1分~100分、または約1分~1000分の範囲であり得る。他の実施形態では、滞留時間は、約10分~100分、または約10分~1000分の範囲であり得る。一部の実施形態では、滞留時間は、約100分~1000分の範囲であり得る。一部の実施形態では、滞留時間は、100分より多くであり得る。
【0076】
一部の実施形態において、無細胞製造プラットフォームは、樹脂を含む個別のリアクタの円筒管内側を備える。一部の実施形態において、個別のリアクタの内部に(すなわち、円筒管内側に)充填された樹脂の量は、変化し得る。一部の実施形態では、個別のリアクタは、内部に充填された約0.01gおよび1.0gの樹脂を有し得る。一部の実施形態では、個別のリアクタは、内部に充填された約0.1gおよび1.0gの樹脂を有し得る。一部の実施形態では、個別のリアクタは、内部に充填された約1.0gおよび10gの樹脂を有し得る。一部の実施形態では、個別のリアクタは、内部に充填された約10gおよび100gの樹脂を有し得る。一部の実施形態では、個別のリアクタは、内部に充填された約100gおよび1.0kgの樹脂を有し得る。一部の実施形態では、個別のリアクタは、内部に充填された約1.0kgおよび10kgの樹脂を有し得る。一部の実施形態では、個別のリアクタは、内部に充填された約10kgおよび100kgの樹脂を有し得る。一部の実施形態では、個別のリアクタは、内部に充填された100kgより多くの樹脂を有し得る。
【0077】
一部の実施形態では、個別のリアクタの内部に充填された樹脂の量は、約0.01g~1000g、または約0.01g~100g、または約0.01g~10g、または約0.01g~1g、または約0.01g~0.1g、または約0.1g~1000g、または約0.1g~100g、または約0.1g~10g、または約0.1g~1g、または約1g~1000g、または約1g~100g、または約1g~10g、または約10g~1000g、または約10g~100g、または約100g~1000gであり得る。他の実施形態では、個別のリアクタの内部に充填された樹脂の量は、約1kg~1000kg、または約1kg~100kg、または約1kg~10kg、または約10kg~1000kg、または約10kg~100kg、または約100kg~1000kgであり得る。
【0078】
一部の実施形態において、無細胞製造プラットフォームは、酵素を含む個別のリアクタの円筒管内側を備える。一部の実施形態において、個別のリアクタの内部の(すなわち、円筒管内側における)酵素の量は、変化し得る。一部の実施形態では、個別のリアクタは、内部に約0.01mg~1000mgの酵素、または内部に約0.01mg~100mgの酵素、内部に約0.01mg~10mgの酵素、内部に約0.01mg~1mgの酵素、内部に約0.01mg~0.1mgの酵素を有し得る。他の実施形態では、個別のリアクタは、内部に約0.1mg~1000mgの酵素、または内部に約0.1mg~100mgの酵素、内部に約0.1mg~10mgの酵素、内部に約0.1mg~1mgの酵素を有し得る。さらなる実施形態では、個別のリアクタは、内部に約1mg~1000mgの酵素、または内部に約1mg~100mgの酵素、内部に約1mg~10mgの酵素を有し得る。一部の実施形態では、個別のリアクタは、内部に約10mg~1000mgの酵素、または内部に約10mg~100mgの酵素を有し得る。他の実施形態では、個別のリアクタは、内部に約100mg~1gの酵素を有し得る。一部の実施形態では、個別のリアクタは、内部に約1g~1000gの酵素、または内部に約1g~100gの酵素、または内部に約1g~10gの酵素を有し得る。他の実施形態では、個別のリアクタは、内部約10g~1000gの酵素、または内部に約10g~100gの酵素を有し得る。一部の実施形態では、個別のリアクタは、内部に約100g~1kgの酵素を有し得る。一部の実施形態では、個別のリアクタは、内部に約1kg~1000kgの酵素、または内部に約1kg~100kgの酵素、または内部に約1kg~10kgの酵素を有し得る。他の実施形態では、個別のリアクタは、内部に約10kg~1000kgの酵素、または内部に約10kg~100kgの酵素を有し得る。一部の実施形態では、個別のリアクタは、内部に約100kg~1Mgの酵素を有し得る。一部の実施形態では、個別のリアクタは、内部に約1Mg~1000Mgの酵素、または内部に約1Mg~100Mgの酵素、または内部に約1Mg~10Mgの酵素を有し得る。他の実施形態では、個別のリアクタは、内部に約10Mg~1000Mgの酵素、または内部に約10Mg~100Mgの酵素を有し得る。一部の実施形態では、個別のリアクタは、内部に100Mgより多くの酵素を有し得る。
【0079】
一部の実施形態において、個別のリアクタの温度は、スループットおよび反応収率を最適化するために変更され得る。一部の実施形態において、個別のリアクタの温度は、温度変更素子で変更される。一部の実施形態において、温度変更素子は、個別のリアクタハウジングまたは個別のリアクタに取り付けられている。他の実施形態において、温度変更素子は、円筒管外側に取り付けられている。一部の実施形態では、個別のリアクタの温度は、約10℃~70℃、または約10℃~60℃、または約10℃~50℃、または約10℃~40℃、または約10℃~30℃、または約10℃~20℃であり得る。他の実施形態では、個別のリアクタの温度は、約20℃~70℃、または約20℃~60℃、または約20℃~50℃、または約20℃~40℃、または約20℃~30℃であり得る。一部の実施形態では、個別のリアクタの温度は、約30℃~70℃、または約30℃~60℃、または約30℃~50℃、または約30℃~40℃であり得る。他の実施形態では、個別のリアクタの温度は、約40℃~70℃、または約40℃~60℃、または約40℃~50℃であり得る。一部の実施形態では、個別のリアクタの温度は、約50℃~70℃、または約50℃~60℃であり得る。一部の実施形態では、個別のリアクタの温度は、60℃~70℃であり得る。一部の実施形態では、個別のリアクタの温度は、70℃より高くであり得る。
【0080】
個別のリアクタ内の温度は、種々の間隔で測定され得る。一部の実施形態において、個別のリアクタ内の温度は、温度センサによって測定され得る。他の実施形態において、個別のリアクタ内の温度は、円筒管内側内にある温度センサによって測定され得る。例えば、個別のリアクタの温度は、1秒当たり1回測定され得る。一部の実施形態において、個別のリアクタの温度は、1秒当たり1回未満測定され得る。他の実施形態において、個別のリアクタの温度は、1秒当たり1回よりも多く測定される。
【0081】
一部の実施形態において、個別のリアクタの(またはその中の溶液の)pHは、スループットおよび反応収率を最適化するために変更され得る。一部の実施形態において、個別のリアクタの(またはその中の溶液の)pHは、個別のリアクタ内にある溶液へ酸または塩基を導入するように適合されたpH測定モジュールを使用して、変更され得る一部の実施形態では、個別のリアクタのpHは、約4.0~10.0、または約4.0~9.0、または約4.0~8.0、または約4.0~7.0、または約4.0~6.0、または約4.0~5.0であり得る。一部の実施形態では、個別のリアクタのpHは、約5.0~10.0、または約5.0~9.0、または5.0~8.0、または約5.0~7.0、または約5.0~6.0であり得る。一部の実施形態では、個別のリアクタのpHは、約6.0~10、または約6.0~9.0、または約6.0~8.0、または約6.0~7.0であり得る。一部の実施形態では、個別のリアクタのpHは、約7.0~10.0、または約7.0~9.0、または約7.0~8.0であり得る。一部の実施形態では、個別のリアクタのpHは、約8.0~10.0または約8.0~9.0であり得る。一部の実施形態では、個別のリアクタのpHは、約9.0~10.0であり得る。一部の実施形態では、pHは、4.0未満であり得る。一部の実施形態では、pHは、10.0より高くであり得る。
【0082】
個別のリアクタにおける(またはその中の溶液の)pHは、種々の間隔で測定され得る。一部の実施形態において、個別のリアクタ内の(またはその中の溶液内の)pHは、pHセンサによって測定され得る。他の実施形態において、個別のリアクタ内の(またはその中の溶液内の)pHは、円筒管内側内にあるpHセンサによって測定され得る。好ましい実施形態において、個別のリアクタの(またはその中の溶液の)pHは、1秒当たり1回測定され得る。一部の実施形態において、個別のリアクタの(またはその中の溶液の)pHは、1秒当たり1回未満測定され得る。他の実施形態において、個別のリアクタの(またはその中の溶液の)pHは、1秒当たり1回よりも多く測定され得る。一部の実施形態において、個別のリアクタのpHは、酸性溶液または塩基性溶液の添加を通じて変更され得る。
【0083】
一部の実施形態において、個別のリアクタの圧力は、スループットおよび反応収率を最適化するために変更され得る。他の実施形態において、個別のリアクタの圧力変化は、その個別のリアクタへ気体を導入することの副産物であり得る。さらなる実施形態において、個別のリアクタの圧力変化は、その個別のリアクタから気体を除去することの副産物であり得る。一部の実施形態では、圧力は、約0psig(平方インチあたりのポンド力)~500psig、または約0psig~250psig、または約0psig~100psig、または約0psig~50psig、または約0psig~10psig、または約0psig~1psig、または約0psig~0.1psig、または約0psig~0.01psigであり得る。他の実施形態では、圧力は、約0.01psig~500psig、または約0.01psig~250psig、または約0.01psig~100psig、または約0.01psig~50psig、または約0.01psig~10psig、または約0.01psig~1psig、または約0.01psig~0.1psigであり得る。一部の実施形態では、圧力は、約0.1psig~500psig、または約0.1psig~250psig、または約0.1psig~100psig、または約0.1psig~50psig、または約0.1psig~10psig、または約0.1psig~1psigであり得る。他の実施形態では、圧力は、約10psig~500psig、または約10psig~250psig、または約10psig~100psig、または約10psig~50psigであり得る。一部の実施形態では、圧力は、約50psig~500psig、または約50psig~250psig、または約50psig~100psigであり得る。一部の実施形態では、圧力は、約100psig~250psig、または約100psig~500psigであり得る。他の実施形態では、圧力は、約250psig~500psigであり得る。さらなる実施形態では、圧力は、500psigより高くであり得る。
【0084】
個別のリアクタ内の圧力は、種々の間隔で測定され得る。一部の実施形態において、個別のリアクタ内の圧力は、圧力センサによって測定され得る。他の実施形態において、個別のリアクタ内の圧力は、円筒管内側内にある圧力センサによって測定され得る。一部の実施形態において、個別のリアクタの圧力は、1秒あたり1回測定され得る。一部の実施形態において、個別のリアクタの圧力は、1秒あたり1回未満測定され得る。他の実施形態において、個別のリアクタの圧力は、1秒あたり1回よりも多く測定され得る。
【0085】
一部の実施形態において、個別のリアクタ中の溶存酸素の量は、変化し得る。他の実施形態において、個別のリアクタ内の溶液中の溶存酸素の量は、変化し得る。一部の実施形態において、溶存酸素の量は、個別のリアクタ内の溶液に気体を導入するように適合された気体添加モジュールを使用して、変更され得る。他の実施形態において、溶存酸素の量は、個別のリアクタの円筒チュービング内側に気体を導入するように適合された気体添加モジュールを使用して、変更され得る。他の実施形態において、溶存酸素の量は、溶液から気体を除去するように適合された脱気モジュールを使用して、変更され得る。さらなる実施形態において、溶存酸素の量は、個別のリアクタの円筒チュービング内側から気体を除去するように適合された脱気モジュールを使用して、変更され得る。一部の実施形態では、個別のリアクタ中の溶存酸素の量は、約0.0ppm(百万分率)~10ppm、または約0.0ppm~9.0ppm、または約0.0ppmまたは約8.0ppm、または約0.0ppm~7.0ppm、または約0.0ppm~6.0ppm、または約0.0ppm~5.0ppm、または約0.0ppm~4.0ppm、または約0.0ppm~3.0ppm、または約0.0ppm~2.0ppm、または約0.0ppm~1.0ppmであり得る。一部の実施形態では、個別のリアクタ中の溶存酸素の量は、約1.0ppm 10ppm、または約1.0ppm~9.0ppm、または約1.0ppmまたは約8.0ppm、または約1.0ppm~7.0ppm、または約1.0ppm~6.0ppm、または約1.0ppm~5.0ppm、または約1.0ppm~4.0ppm、または約1.0ppm~3.0ppm、または約1.0ppm~2.0ppmであり得る。他の実施形態では、個別のリアクタ中の溶存酸素の量は、約2.0ppm~10ppm、または約2.0ppm~9.0ppm、または約2.0ppmまたは約8.0ppm、または約2.0ppm~7.0ppm、または約2.0ppm~6.0ppm、または約2.0ppm~5.0ppm、または約2.0ppm~4.0ppm、または約2.0ppm~3.0ppmであり得る。一部の実施形態では、個別のリアクタ中の溶存酸素の量は、約3.0ppm~10ppm、または約3.0ppm~9.0ppm、または約3.0ppmまたは約8.0ppm、または約3.0ppm~7.0ppm、または約3.0ppm~6.0ppm、または約3.0ppm~5.0ppm、または約3.0ppm~4.0ppmであり得る。他の実施形態では、個別のリアクタ中の溶存酸素の量は、約4.0ppm~10ppm、または約4.0ppm~9.0ppm、または約4.0ppmまたは約8.0ppm、または約4.0ppm~7.0ppm、または約4.0ppm~6.0ppm、または約4.0ppm~5.0ppmであり得る。他の実施形態では、個別のリアクタ中の溶存酸素の量は、約5.0ppm 10ppm、または約5.0ppm~9.0ppm、または約5.0ppmまたは約8.0ppm、または約5.0ppm~7.0ppm、または約5.0ppm~6.0ppmであり得る。一部の実施形態では、個別のリアクタ中の溶存酸素の量は、約6.0ppm~10ppm、または約6.0ppm~9.0ppm、または約6.0ppmまたは約8.0ppm、または約6.0ppm~7.0ppmであり得る。一部の実施形態では、個別のリアクタ中の溶存酸素の量は、約7.0ppm~10ppm、または約7.0ppm~9.0ppm、または約7.0ppmまたは約8.0ppmであり得る。他の実施形態では、個別のリアクタ中の溶存酸素の量は、8.0ppm~10ppm、または約8.0ppm~9.0ppmであり得る。一部の実施形態では、個別のリアクタ中の溶存酸素の量は、9.0ppm~10.0ppmであり得る。さらなる実施形態では、個別のリアクタ中の溶存酸素の量は、10.0ppmより多くであり得る。
【0086】
個別のリアクタ内の(またはその中の溶液内の)溶存酸素の量は、種々の間隔で測定され得る。一部の実施形態において、個別のリアクタ内の(またはその中の溶液内の)溶存酸素の量は、溶存酸素(DO)センサによって測定され得る。他の実施形態において、個別のリアクタ内の(またはその中の溶液内の)溶存酸素の量は、円筒管内側内にある溶存酸素(DO)センサによって測定され得る。一部の実施形態において、個別のリアクタの(またはその中の溶液の)溶存酸素の量は、1秒当たり1回測定され得る。一部の実施形態において、個別のリアクタの(またはその中の溶液の)溶存酸素の量は、1秒当たり1回未満測定され得る。他の実施形態において、個別のリアクタの(またはその中の溶液の)溶存酸素の量は、1秒当たり1回よりも多く測定され得る。
【0087】
一部の実施形態において、溶存酸素は、脱酸素化/脱気装置(すなわち、脱酸素化/脱気モジュール)によって除去され得る。本明細書において使用される場合、「脱酸素化装置」または「脱気装置」または「脱酸素化モジュール」または「脱気モジュール」とは、流体(すなわち、溶液)中の溶存酸素および/または他の気体(例えば、窒素)の量を、その流体が中を通って流される際に除去するデバイスを指し得る。他の実施形態において、窒素ガスが、酸素レベルを減少させるために個別のリアクタに導入される。
【0088】
本明細書において使用される場合、「気体供給装置」または「気体供給モジュール」とは、流体(すなわち、溶液)に一定量の溶存酸素および/または他の気体(例えば、窒素)を、その流体が中を通って流される際に添加するデバイスを指し得る。一部の実施形態において、細胞製造プラットフォームは、溶液に気体を導入するように適合された気体添加モジュールを備える。一部の実施形態において、酸素、窒素、またはそれらの組合せが、個別のリアクタに添加され得る。他の気体が、本明細書において記載されるプラットフォームにしたがって個別のリアクタに添加されてもよく、または個別のリアクタから除去されてもよい。
【0089】
本明細書において使用される場合、「化学物質ストリーム」とは、基質、生成物、中間体、補因子または別の化学物質を含む、溶液を指し得る。
【0090】
ここで図1図34Bを参照すると、本発明は、連続的な化学物質生産のための無細胞製造プラットフォームを特徴とする。
【0091】
本発明は、化学物質生産のための無細胞製造プラットフォームを特徴とする。一部の実施形態において、プラットフォームは、1個または複数個の個別のリアクタ、および1個または複数個の個別のリアクタを通って溶液を流すように適合されたポンプ輸送システムを備える。一部の実施形態において、1個または複数個の個別のリアクタの各々は、第1端と第2端とを備える円筒管を備える。一部の実施形態において、その円筒管の第1端および円筒管の第2端の両方はフィッティング(すなわち、ステンレス鋼フィッティング)を備える。一部の実施形態において、個別のリアクタの円筒管内側は、樹脂および酵素を含む。一部の実施形態において、1個または複数個の個別のリアクタの各々は、円筒管の第1端に接続された入力チュービングと、円筒管の第2端に接続された出力チュービングとを備える。一部の実施形態において、無細胞製造プラットフォームは、センサからの入力に基づき、1個または複数個のリアクタのそれぞれを自動的に変化させることができる。
【0092】
一部の実施形態において、本明細書において記載される無細胞製造プラットフォームは、閉鎖系である。他の実施形態において、本明細書において記載される無細胞製造プラットフォームは、開放系である。
【0093】
一部の実施形態において、1個または複数個の個別のリアクタの各々は、個別のリアクタハウジングを備える。一部の実施形態において、個別のリアクタハウジングは、個別のリアクタを囲んでその個別のリアクタに固定されている。実施形態において、無細胞製造プラットフォームは、個別のリアクタハウジングまたは個別のリアクタに取り付けられた、温度変更素子をさらに備える。一部の実施形態において、温度変更素子は熱電冷却器(TEC)である。一部の実施形態において、温度変更素子は、可撓性加熱素子である。
【0094】
一部の実施形態において、無細胞製造プラットフォームは、1個または複数個の個別のリアクタに直列に取り付けられた分光計をさらに備える。他の実施形態において、無細胞製造プラットフォームは、溶液から気体を除去するように適合された脱気モジュールをさらに備える。一部の実施形態において、脱気モジュールは脱酸素化モジュールである。一部の実施形態において、脱酸素化モジュールは、溶液から酸素を除去するように適合されている。一部の実施形態において、無細胞製造プラットフォームは、溶液に気体を導入するように適合された気体添加モジュールをさらに備える。他の実施形態において、無細胞製造プラットフォームは、溶液に酸または塩基を導入するように適合されたpHモジュールをさらに備える。一部の実施形態において、無細胞製造プラットフォームは、自動化ソフトウェアおよびハードウェアを制御するように適合されたグラフィカルユーザインタフェース(GUI)をさらに備える。
【0095】
一部の実施形態において、本発明は、化学物質生産のための無細胞製造プラットフォームを特徴とする。一部の実施形態において、プラットフォームは、1個または複数個の個別のリアクタを備える。一部の実施形態において、1個または複数個のリアクタの各々は、両端にステンレス鋼フィッティングを備えた円筒管を備える。他の実施形態において、1個または複数個のリアクタの各々は、樹脂、酵素、および1個または複数個のセンサを含む。一部の実施形態において、プラットフォームは、個別のリアクタハウジングを備える。一部の実施形態において、ハウジングは、個別のリアクタを囲んでその個別のリアクタに固定されている。一部の実施形態において、プラットフォームは、リアクタハウジングまたは個別のリアクタに取り付けられた温度変更素子(例えば、熱電冷却器(TEC))を備える。一部の実施形態において、プラットフォームは、1個または複数個のリアクタを通って溶液を流すように適合されたポンプ輸送システムを備える。一部の実施形態において、プラットフォームは、溶液から気体を除去するように適合された脱気モジュール(例えば、脱酸素化モジュール)を備える。一部の実施形態において、プラットフォームは、溶液に気体を導入するように適合された気体添加モジュールを備える。一部の実施形態において、プラットフォームは、リアクタに直列に取り付けられた分光計を備える。一部の実施形態において、プラットフォームは、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を備える。一部の実施形態において、プラットフォームは、自動化ソフトウェアおよびハードウェアを備える。一部の実施形態において、GUIは、自動化ソフトウェアおよびハードウェアを制御するように適合されている。一部の実施形態において、個別のリアクタは、閉鎖系を生じるように円筒管の各端に接続された入力チュービングおよび出力チュービングを備える。一部の実施形態において、プラットフォームは、1個または複数個のリアクタの条件の各々を、センサからの入力に基づいて自動的に変更可能である。
【0096】
他の実施形態において、本発明は、化学物質生産のための無細胞連続製造プラットフォームを特徴とし得る。一部の実施形態において、プラットフォームは、リアクタの両端にステンレス鋼フィッティングを備えた円筒管を備える個別のリアクタを備える。一部の実施形態において、プラットフォームは、直列に接続された複数のリアクタを備える。他の実施形態において、プラットフォームは、複数のリアクタを並列に備える。一部の実施形態において、リアクタは、樹脂、酵素、およびセンサを含む。一部の実施形態において、プラットフォームは、個別または複数のリアクタハウジングを備え、そのハウジングはその個別のリアクタを囲んでその個別のリアクタに固定されている。一部の実施形態において、プラットフォームは、ハウジングに取り付けられた熱電冷却器(TEC)または他の温度変更素子と、ポンプ輸送システムと、脱酸素化および/または脱気モジュールと、気体添加モジュールと、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)と、デバイスを稼働させる自動化ソフトウェアおよびハードウェアとの組合せを備える。一部の実施形態において、個別のリアクタは、閉鎖系を生じるように円筒管の各端で密封されている。一部の実施形態において、プラットフォームは、リアクタ条件をセンサからの入力に基づいて自動的に変更可能である。一部の実施形態において、プラットフォームは、出入りする体積の波長および吸収を測定するための分光計を備える。他の実施形態において、プラットフォームは、出力の色の波長および/または吸収を測定するための分光計を備える。さらなる実施形態において、プラットフォームは、リアクタ条件をセンサからの入力に基づいて自動的に変更可能である。
【0097】
一部の実施形態において、1個または複数個の個別のリアクタは、並列に接続されている。他の実施形態において、1個または複数個の個別のリアクタのうちの少なくとも2個は、並列に接続されている。一部の実施形態において、1個よりも多いリアクタが、並列に接続されている。さらなる実施形態において、並列に接続された1個または複数個の個別のリアクタが、1個のポンプに接続されている。一部の実施形態において、並列リアクタが、1個のポンプに接続されている。一部の実施形態において、並列リアクタを通るフローは、ソフトウェアおよび制御弁を介して制御される。
【0098】
一部の実施形態において、酵素は、MBP-Aldo(Aldo)、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(TvDHAD)、ピルビン酸オキシダーゼ(PyOx)、リン酸アセチルトランスフェラーゼ(PTA)、アセチルCoAアセチルトランスフェラーゼ(PhaA)、HMG-CoAシンターゼA110G(HMGS)、HMG-CoAレダクターゼ(HMGR)、メバロン酸キナーゼ(MVK)、ホスホメバロン酸キナーゼ(PMVK)、ジホスホメバロン酸キナーゼ(MDC)、イソペンチル-PPイソメラーゼ(IDI)、ファルネシル-PPシンターゼS82F(FPPS)、およびプレニルトランスフェラーゼ(NphB)からなる群から選択される。一部の実施形態において、酵素は、MBP-Aldo(Aldo)、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(TvDHAD)、ピルビン酸オキシダーゼ(PyOx)、リン酸アセチルトランスフェラーゼ(PTA)、アセチルCoAアセチルトランスフェラーゼ(PhaA)、HMG-CoAシンターゼA110G(HMGS)、HMG-CoAレダクターゼ(HMGR)、メバロン酸キナーゼ(MVK)、ホスホメバロン酸キナーゼ(PMVK)、ジホスホメバロン酸キナーゼ(MDC)、イソペンチル-PPイソメラーゼ(IDI)、ファルネシル-PPシンターゼS82F(FPPS)、プレニルトランスフェラーゼ(NphB)、またはそれらの組合せを含む。
【0099】
一部の実施形態において、酵素は固定されている。他の実施形態において、酵素は固定されていない。
【0100】
一部の実施形態において、複数のセンサは温度センサを含む。一部の実施形態において、複数のセンサはpHセンサを含む。一部の実施形態において、複数のセンサは圧力センサを含む。一部の実施形態において、複数のセンサは流量センサを含む。一部の実施形態において、複数のセンサは溶存酸素(DO)センサを含む。一部の実施形態において、複数のセンサは分光計を含む。一部の実施形態において、個別のリアクタの円筒管内側は、1個または複数個のセンサをさらに備える。一部の実施形態において、1個または複数個のセンサは、温度センサ、pHセンサ、圧力センサ、流量センサ、溶存酸素(DO)センサ、分光計、またはそれらの組合せを含む。
【0101】
一部の実施形態において、個別のリアクタは、約10%~約100%の収率パーセントを有する。一部の実施形態では、個別のリアクタは、約10%の収率パーセントを有する。一部の実施形態では、個別のリアクタは、約20%の収率パーセントを有する。一部の実施形態では、個別のリアクタは、約30%の収率パーセントを有する。一部の実施形態では、個別のリアクタは、約40%の収率パーセントを有する。一部の実施形態では、個別のリアクタは、約50%の収率パーセントを有する。一部の実施形態では、個別のリアクタは、約60%の収率パーセントを有する。一部の実施形態では、個別のリアクタは、約70%の収率パーセントを有する。一部の実施形態では、個別のリアクタは、約80%の収率パーセントを有する。一部の実施形態では、個別のリアクタは、約90%の収率パーセントを有する。一部の実施形態では、個別のリアクタは、約95%の収率パーセントを有する。一部の実施形態では、個別のリアクタは、約98%の収率パーセントを有する。一部の実施形態では、個別のリアクタは、約99%の収率パーセントを有する。一部の実施形態では、個別のリアクタは、約100%の収率パーセントを有する。
【0102】
一部の実施形態において、個別のリアクタ各々は、酵素-樹脂複合体がそのリアクタ内に含まれることを可能にする。一部の実施形態において、リアクタは、1つの酵素-樹脂複合体を含む。他の実施形態において、リアクタは、複数の酵素-樹脂複合体を含む。
【0103】
一部の実施形態において、個別のリアクタ各々は、一定量の酵素-樹脂複合体を含む。他の実施形態において、一定量の酵素-樹脂複合体は、調整可能な濃度の酵素が個別のリアクタ各々において達成されることを可能にし得る。例えば、より多くの酵素が望まれる場合は、個別のリアクタにより多くの酵素-樹脂複合体が充填され得、その逆もまた同様である。
【0104】
一部の実施形態において、個別のリアクタ各々は、酵素-樹脂複合体が、基質を生成物へと変換するために活性なままであることを確実にするために必要なリアクタ条件を提供する。一部の実施形態において、リアクタ条件は、酵素の寿命を確実にするために精密に制御される。リアクタが制御し得る条件の非限定的な例としては、温度またはpHまたは酸素レベルが挙げられるが、それらに限定はされない。
【0105】
一部の実施形態において、個別のリアクタ各々は、各酵素がその最適反応温度を得ることを確実にするためのカスタマイズ可能な温度制御を有する。一部の実施形態において、個別のリアクタ各々は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を使用することによってリアクタ温度を±0.1℃以内に制御する能力を有する。システムに対する手動再調整は存在せず、アルゴリズム的フィードバック、およびコンピュータへのユーザの温度設定値後の制御のみが存在する。
【0106】
本発明をいかなる理論にも機構にも限定することは望まないが、温度は反応中のどの酵素にとっても非常に重要であると、考えられる。例えば、Aldo(グリセロールをグリセリン酸へと変換する)は最適温度37℃(19.6mM、98%収率)を必要とするが、経路中の次の酵素(DHAD)は、グリセリン酸をピルビン酸へと変換する(6.4mM、32%収率、表1)ために45℃を必要とする。これらの反応温度が守られない場合、反応収率および反応速度は悪くなる。図2は、45℃がDHADにとって最適であり、反応温度が32℃に低下するかまたは55℃に上昇する場合に、最適変換からの顕著な移動が観察されることを、示す。
【0107】
一部の実施形態において、個別のリアクタ各々は、リアクタ流体pHの調整および制御を有して、各酵素について独自のpH要件を提供する(表1)。一部の実施形態において、pHセンサおよび自動化フィードバックループは、反応媒体のpHが個別の連続リアクタ間で変更され得ることを確実にする。一部の実施形態において、反応媒体のpHを変更するために、特定の容積の特定のpH溶液がリアクタシステムに注入されて、特異的なpHが変更および維持される。これは、各リアクタが最適pHを有して、タンパク質沈殿、反応性の損失、または他の分解の影響を回避することを可能にする。
【0108】
一部の実施形態において、リアクタシステムは、気体を必要とする酵素のために個別のリアクタに気体を添加する能力を有する。非限定的な例としては、酸素または窒素が挙げられ得る。本明細書において記載されるとおり、リアクタへの酸素および窒素の添加は、有効な酵素変換を確実にすることが実証された。これは極めて重要であった。その理由は、酸素添加がなければ、固定したALDOは0%の生成物を提供したからであった。しかし、リアクタへの酸素の導入の後には、98%収率が得られた(19.6mM)。
【0109】
一部の実施形態において、リアクタシステムは、反応媒体中に存在する酸素を、必要な場合に減少させ得る。一部の実施形態において、酸素は、超音波処理および減圧の使用を通じて除去される。一部の実施形態において、酸素は、窒素の添加を通じて除去される。
【0110】
本明細書において記載されるとおり、評価されたDHAD酵素は、反応効率を増大させるために酸素除去を必要とした。流体中に存在する酸素を超音波処理および減圧の使用を通じて4.07ppmになるまで除去したこのシステムのためのモジュールが、導入された。このデバイスは、室温にて10分間に7.50ppmから4.07ppmへのpO除去を可能にする。このモジュールに加えて、窒素ガスが、媒体中の酸素の量をさらに減少させるために導入され得る。
【0111】
一部の実施形態において、個別のリアクタ各々は、標準的な実験室ポンプを使用してそのリアクタを通って出発物質(基質溶液)がポンプ輸送されることを可能にする。基質溶液はリアクタに注入され、その溶液はそのリアクタを通って移動して、酵素と相互作用して化学反応を引き起こす。いったん化学反応が完了すると、その反応済みの流体は、そのリアクタを出て収集フラスコへと移動する。
【0112】
一部の実施形態において、リアクタは連続様式で作動し得、個別のリアクタへ流体を注入するポンプは、常に流体をポンプ輸送する。他の実施形態において、リアクタは半連続様式で作動し得、ポンプは、特定の時間量にわたり、個別のリアクタへ流体を注入し、その後、特定の時間量にわたり、そのリアクタに流体を保持するために停止する。一部の実施形態において、設定された時間の後、そのポンプは、リアクタシステムから反応済みの流体を押し出すことを再開する。本発明をいかなる理論にも機構にも限定することは望まないが、半連続様式は、より長い酵素反応時間が達成されるのを可能にすると、考えられる。
【0113】
一部の実施形態において、リアクタシステムは、個別のリアクタ間にある連続システムにさらなる化学溶液が添加されるのを可能にし得る。一部の実施形態において、コンピュータ制御されたポンプは、指示された場合に、化学溶液が連続製造システムに注入されるのを可能にする。化学溶液の非限定的な例としては、緩衝液、補因子、および化学試薬が挙げられ得るが、それらに限定はされない。緩衝液の例としては、プロセスフローのpHをpH7.7~pH8.5に調整するための50mM Tris(pH12.0)、プロセスフローをpH7.7~pH6.5に調整するための100mM Tris KHPO:KHPO(1:1)(pH6.33)、およびプロセスフローをpH6.47~pH8.0に調整するための50mM Tris(pH12.85)が挙げられ得るが、それらに限定はされない。
【0114】
一部の実施形態において、プラットフォームは、システム完全自動化を可能にする広範囲のセンサを備える。これらのセンサとしては、温度センサ/サーミスタ、圧力センサ、流量計、pHセンサ/プローブ、溶存酸素センサ/プローブ、および分光計が挙げられるが、それらに限定はされない。GUIまたはコードにおけるプログラムされた最適値(温度、流量、pH、圧力など)からの逸脱は、アルゴリズム的フィードバックループを通じたシステム調整およびハードウェア状態における対応する変化を誘発して、必要とされる状態にシステム条件が到達するのを可能にする。
【0115】
一部の実施形態において、個別のリアクタは規模調整可能である。一部の実施形態において、個別のリアクタの長さ、直径、または数は、より高いスループットを達成するために増大させられ得る。これらのリアクタのサイズまたは数に対して、理論的限界は存在しない。一部の実施形態において、個別のリアクタは、種々のサイズ、形状、および構成であり得る。
【0116】
一部の実施形態において、個別のリアクタの円筒チュービングは、より多いもしくはより短い樹脂/酵素、またはより短い/より長い反応時間を可能にするためにユーザが望む、事実上任意の直径のチュービングおよび任意の長さであり得る。他の実施形態において、個別のリアクタの円筒チュービングの端にあるフィッティング(例えば、ステンレス鋼フィッティング)もまた、種々のサイズの入力/出力チュービングが使用されるのを可能にするようにカスタイマイズされ得る。一部の実施形態において、個別のリアクタが製造されている円筒チュービングの材料は、反応がその材料と接触するのを許容する場合に、より最適な温度伝導性または他のパラメータを可能にするように変更され得る。
【0117】
一部の実施形態において、リアクタシステムは、ユーザがマウスのクリックでリアクタを制御するためのカスタマイズ可能なユーザインターフェース(GUI(グラフィカルユーザインタフェース)として一般的に知られている)を備える。
【実施例
【0118】
(実施例)
【0119】
以下は、本発明の非限定的な実施例である。この実施例は本発明をいかなる様式でも限定することは意図されないことが、理解されるべきである。等価物または置換物は、本発明の範囲にある。
【0120】
(1.1個別のリアクタの設計): 個別のリアクタは、304ステンレス鋼円筒チュービングで製造する。個別のリアクタハウジングは、6061アルミニウムで製造する。個別のリアクタハウジングは、熱電冷却器(TEC)素子をハウジングに取り付けることによって内側に保持されたリアクタの温度を変更させるための熱伝達媒体として、使用する(図3)。リアクタの温度もまた、そのリアクタの外側に可撓性加熱素子を取り付けることを通じて変更し得る。個別のリアクタは、12℃~55℃で加熱および冷却し得る。従来のバッチリアクタと比較して、これらのリアクタは、設定温度45℃にて試験した場合に所望の温度に11分で到達し得る(図4)。個別のリアクタ各々には、304ステンレス鋼円筒チュービングの各端にてSwagelokフィッティングを取り付けて、そのチュービングを密封してリアクタを作製する。さらに、Swagelokフィッティングは、入口および出口のチュービングがリアクタに取り付けられて、個別のリアクタに流体を導入および個別のリアクタから流体を除去するのを可能にする。注目すべきことに、リアクタの体積、形状、サイズおよび材料を変更し得、プラスチックなどの種々の材料および1g~330gを含む種々の体積を試験した。
【0121】
個別のリアクタがポンプ輸送システムに適合するのを確実にするために、リアクタの圧力を試験した。経路中の最初の2個のリアクタを通して緩衝液(50mM Tris、20mMグリセリン酸、pH7.7)をポンプ輸送することによって、個別のリアクタの内圧を24時間にわたりリアルタイムでモニターした。緩衝液を、温度21℃(すなわち、室温)にて流量10mL/分で、樹脂を含む個別のリアクタを通してポンプ輸送した。最初のリアクタの後、緩衝液(50mM Tris、pH12.0)をそのpHレベルを変更するためにTris溶液とともにプロセスフローにポンプ輸送した、接合部が存在する。個別のリアクタの圧力をリアルタイムでモニターするために、両方のプロセスポンプから圧力レベルを1秒当たり1回回収するように、pythonプログラムを書いた。この試験システムにおいて、ポンプは、PFAチュービングを通じてリアクタに直接接続させており、したがって、ポンプによって計算される圧力は、個別のリアクタの内圧の直接サンプリングである。
【0122】
個別のリアクタの内部の計算された圧力は、0psig~70psigの範囲であった。システム中の最初のリアクタの平均内圧は、24時間枠にわたって試験した場合に<0.01psigであった(図5A図5B)。システム中の第2のリアクタの平均内圧は、同じ24時間枠にわたって試験した場合に<0.1psigであった。この低い圧力は、リアクタの規模拡大のために必要であり、この低い圧力はまた、このシステムが流体の取込みを通じて樹脂膨張を誘導しないことも示す。最後に、このシステムにおいて使用する圧力モニタリングはまた、安全性の面および制御の面のためにユーザがGUIにおいて圧力警戒限界を設定するのを可能にする。これは、連続製造システムの自動化制御に全体として入る。
【0123】
標準的な個別のリアクタが保持し得る酵素の量もまた、計算した。ここで試験した個別のリアクタは、57gの酵素-樹脂複合体(<5.5gの単離された酵素)を保持し得る。これは、サイズが14インチ長(L)×0.652インチ内径(ID)(全体積79mL、図6)である1個のリアクタが、バッチリアクタにおける酵素発現レベルが5.5mg/L以上である場合の1000L以上の発酵槽と同じ程度多い酵素を保持し得ることを意味する。これは単なる一例に過ぎず、この比較は、酵素を異なるレベルで発現させる場合には変化する。しかし、この劇的な改善は、本明細書において記載される1Lの個別のリアクタが、バッチリアクタにおける酵素発現レベルが5.5mg/Lである場合の12,600Lのバッチ発酵槽と同じ量の酵素を保持し得たことを、意味する。
【0124】
(1.2 個別のリアクタの温度制御): 個別のリアクタの温度制御は、Arduino Mega 2560マイクロコントローラまたはSTM32L476RGマイクロコントローラなどに含まれる、比例・積分・微分(PID)アルゴリズムおよび支援コードを通じて達成する。使用する温度センサは、それらの温度が変化すると電気抵抗の変化によって作動するNTCサーミスタである。この抵抗の変化を、分圧器回路の使用を通じて電圧としてマイクロコントローラに中継する(図7A図7B)。サーミスタをリアクタハウジング中の凹部内に配置し、いったんそのハウジングを緊密に固定した後で適所に保持する。サーミスタは、リアクタハウジングおよびリアクタ自体の両方と接触する。リアクタを可撓性シリコン加熱素子などで加熱する場合には、リアクタハウジングは使用しない。この場合には、サーミスタを、リアクタの外側と加熱素子との間に挿入する。サーミスタを配置する場所とリアクタの内部との間の温度の差を測定しており、この差をソフトウェアに算入する。PIDアルゴリズムソフトウェアの内部で、入ってくる電圧読取り値を電気抵抗に戻すように変換することによって、サーミスタの抵抗値を正確な温度読取り値に変換し、その後、Steinhart-Hart式の単純化したバージョンを使用することによって、それをさらにケルビン度へと計算する(図8)。その後、この値をケルビンからセルシウスへと変換する。個別のリアクタの温度を、1秒あたり1回読み取る。温度読取り値を、現在温度に反応するPIDループに供給し、これは、加熱素子に電力供給している電気出力のパルス幅変調(PWM)デューティサイクルを修正して、個別のリアクタの温度を正確なレベルに変更する。その回路機構は図9A図9Bにおいて見られ得る。PIDソフトウェアフレームワークは、MITパーミッシブ・ライセンスのもとで使用許可を与えられている。このソフトウェアの基本を編集して、本明細書において記載されるシステムを制御するように拡張した。このPIDループを、温度のオーバーシュートの量および平衡時間を最小にするように微調整した(図4)。温度変化を引き起こすTECを、熱伝導性接着剤を使用して個別のリアクタハウジングに取り付ける。その接着剤は、熱伝達が途切れない状態であり続けるのを可能にしながら、TECがハウジングに確実に固定されるのを維持する(図3)。可撓性シリコン加熱素子などは、種々の物体に取り付けることを可能にするために1つの面に接着剤を有する。
【0125】
温度制御システムはまた、個別のリアクタを12℃に冷却し得る(図10A図10B)。性能に変化は観察されなかった。さらに、この温度を冷却させるために必要とした電力の量は、0.027kWであった。これは、冷却するために大量の電気を必要とする大きなバッチリアクタと比較して、驚異的な利点を有する。冷却は、TECのもう一方の面が「冷たい」面である場合に、TECをそのもう一方の面になるように裏返すことによって達成し得る。あるいは、リアクタが加熱および冷却の両方をされる必要がある適用が存在する場合は、加熱を作動させるために使用されるワイヤの代わりに別個のワイヤを対応するマイクロコントローラデジタルパルス幅変調(PWM)ピンに挿入することによって、加熱/冷却の切り替えを可能にする代替回路(alternate circuit)を実装し得る(図9B)。冷却が必要とされる場合、ペルチェ素子にヒートシンク装置を取り付けることが必要である。この素子は、プレートの各面の間の温度差に基づいて機能し、したがって、リアクタを冷却させるために冷たい面が使用されている場合、もう一方の面は熱くなる。ヒートシンクを使用しない場合、熱い面は、周囲温度よりも高い平衡温度に到達するまで、冷たい面を圧倒する。ヒートシンクは、「熱い」面をより冷たく維持し、これは、冷たい面がより冷たい温度を維持するのを可能にする。これが生じている熱画像が、図10Bにおいて見られ得る。
【0126】
(1.3 個別のリアクタは厳密なpH制御を有する): 各リアクタの間には、酸性溶液または塩基性溶液をプロセスフローに連続注入して、インラインで次のリアクタのpH要件に一致するpH変化を提供し得る、注入点が存在する。必要とされる注入物の正確な流量およびpHレベルは、実験を通じて決定した。さらに、流動溶液のpHをリアルタイムで測定して正確なpHモニタリングを提供し得る、pHセンサを実装した。pHセンサをインラインで接続し、このpHセンサは、1秒当たり1回、pH値を制御システムに連続的に送る。これは、pH調整の精度についての追加データをユーザに提供し、かつ、正確なpH出力を維持するためにpH注入の流量を自動的に変更する。
【0127】
(1.4 気体を個別のリアクタに添加し得る): システムは、流体フローへの気体注入のための追加の注入点を、個別のリアクタの前に備える。必要とされる気体タンクを、マスフローコントローラを介してこのシステムに接続する。ここで、ユーザは、個別のリアクタに連続様式で入る気体の流量を設定し得る。これらのマスフローコントローラを、電圧シグナルを介して制御する。これらのシグナルは、ポテンショメータを備えた分圧器回路を使用してアナログ様式(ダイアルの手動調整)で、またはデジタル-アナログ変換器(DAC)を通じてデジタルシグナルを送ることを介してデジタル的に、両方で調整され得る。これらの気体(圧縮空気、酸素、および窒素)をこれまで試験してきた。圧縮空気を、適切に反応するために追加酸素を必要とするAldo酵素のために使用した。圧縮窒素を使用して、流体の酸素濃度を減少させ得る。気体タンクを、チュービングおよびステンレス鋼フィッティングを介してマスフローコントローラに接続する。マスフローコントローラを、チュービングおよびSwagelokフィッティングを介して個別のリアクタに接続する。マスフローコントローラを、1分当たり特異的な体積の気体がマスフローコントローラを通って個別のリアクタへ行くのを可能にするように、プログラムする。気体対流体の正確な比を実験的に試験し最適化した。これは、ほぼ1:1の体積比である。
【0128】
(1.5 個別のリアクタに入る流体中の酸素含有量を減少させるモジュール): 酸素を減少させるため窒素ガスを添加することに加えて、システムは、脱酸素化および/または脱気装置を使用して、プロセスフロー内の酸素の量を減少させる。その脱酸素化/脱気モジュールをそのフローと直列に配置する。その装置から出る流体は、3.68ppmまでの酸素を除去する。7.75ppmから4.07ppmへの溶存酸素の減少(ほぼ50%の減少)が示された(図11)。
【0129】
(1.6 個別のリアクタへの追加の化学物質ストリームの注入): pHを調整するための溶液の注入に加えて、プロセスフローに化学物質ストリームを添加するための注入点が存在する。これらの化学物質ストリームは、それらが関連するリアクタに特異的であり、意図される生成物を生じるのに必要とされる化学反応を変更する。
【0130】
(1.7 個別のリアクタに対するシステムの制御および自動化):システムは、ユーザによって伝えられたかまたは自動的に伝えられた場合に反応条件をモニターおよび/または適合させるための種々のセンサを含む。センサとしては、温度センサ/サーミスタ、流量計、圧力センサ、pHプローブ、溶存酸素プローブ、マスフローコントローラ、および分光計が挙げられるが、それらに限定はされない。個別のリアクタ各々のための温度センサは、データをマイクロコントローラに供給し、その後、そのマイクロコントローラは、加熱素子への電力出力を自動的に調整し、その加熱素子は、そのリアクタの温度を変更する。流量計は、システム内の流体がリアクタを通って流れる速度をモニターし、そのデータをマイクロコントローラに流れさせる。プロセスフローが、最適ではないと考えられる速度にまで遅くなった場合、マイクロコントローラは、許容可能な流量が達成されるまで、ポンプの流量を徐々に増加または減少させる命令を送る。pHプローブは、そのpHプローブを通過する体積のpHをモニターし、プロセスフローに注入される酸性溶液または塩基性溶液の量を調整して、望ましいpHレベルを達成する。溶存酸素プローブは溶液中の酸素の量を測定し、マイクロコントローラは、酸素または他の気体がプロセスフローに添加される速度を、マスフローコントローラを介して調整し得る。圧力センサは、プロセスフロー内の圧力を測定する。分光計は、リアクタを出る体積の光の波長を測定し、スペクトル340.6nm~1010nmの全体にわたる強度および同じ光スペクトルの全体にわたる吸光度レベルを読み取る。
【0131】
(1.8 等しいフローを伴う並列リアクタの使用): システムは、並列様式でリアクタを使用し得る。2個の個別のリアクタを、1個のポンプに並列に接続し得る。その2個のリアクタは、付随するハードウェアとともに制御ソフトウェアを実装することによって、各々を通る等しいフローを達成した。この構成における付随するハードウェアは、流量計および制御弁である。制御弁をリアクタから上流に配置し、流量計をリアクタから下流に直列に配置する。そのソフトウェアを流量計に接続し、そのソフトウェアは、並列に接続された各リアクタの出力の流量を計算する。そのソフトウェアは、各リアクタを通って流された量の総計を維持する。その後、そのソフトウェアは、ソレノイド弁を介して個別のリアクタ中のフローを一時的に停止させるかまたは継続させて、各々を通って流れる溶液の総量が一様であることを維持するために、流量および流された量に基づいて決定をおこなう(図27)。
【0132】
(1.9 システム出力の色および吸収の収集): システムは、システム出力の波長および吸収が測定され得る分光計を含む。フローセルを、システム出力と直接に接続し、そのフローセルを通ってその出力が流れる。光源を、光ファイバケーブルを介してフローセルに接続する。そのフローセルを、光ファイバケーブルを介して分光計に接続する。その分光計の読取り値を、2通りの方法で回収し得る。1つの方法は、分光計に含まれる市販のソフトウェアパッケージをその分光計ユニットと連動して使用して、出力の色の波長または出力の吸収をリアルタイムで読み取ることによる(図28)。2つ目の方法は、RS232を介してデータを回収するように分光計と通信するように書かれたソフトウェアによる。そのソフトウェアは、スペクトル340.6nm~1010nmの全体にわたりサンプルの波長強度を回収し得る。そのソフトウェアはまた、サンプルの強度レベルを吸光度値に変換する計算も実施する。そのソフトウェアは、その知見をグラフ上にプロットする能力および/またはその知見をログファイルもしくはスプレッドシートのドキュメントなどに保存する能力を有する(図29)。そのソフトウェアは、Pythonで書いた。サンプルの色および吸光度からのデータをさらに分析して、その色/スペクトルのデータに基づいて出力の濃度の推測を行い得る。
【0133】
(1.10 リアクタは種々のサイズ、形状、および構成であり得る): 個別のリアクタは、そのリアクタを通って流される流体について種々の滞留時間を可能にするために種々の直径および長さであり得る。今のところ、3種の異なるサイズのリアクタを試した:
1. 第1のサイズのリアクタは、長さ13.5インチであり0.25インチ外径(OD)および0.180インチ内径(ID)を有し、体積5.63mLとなる(表2)。
2. 第2のサイズのリアクタは、長さ14.5インチであり0.75インチODおよび0.652インチ(ID)を有し、体積79.33mLとなる(表2)。
3. 第3のサイズのリアクタは、長さ5.5インチであり0.25インチODおよび0.218インチIDを有し、体積1.64mLとなる(表2)。
【0134】
【表2】
【0135】
2種の異なるサイズのリアクタハウジングを製造し、1種は1/4インチODのリアクタ用であり、1種は3/4インチODのリアクタ用であった。完全な寸法は、図12A図12Dにおけるそれらの図で見られ得る。第3のリアクタの短い長さを収容するために、1/4インチODのリアクタ用のリアクタハウジングを、長さに合わせて切断した。それらのリアクタのサイズおよびその計算した滞留時間は、表2において見られ得る。
【0136】
(1.11 リアクタシステムは、リアクタを制御するためのユーザインターフェースを備える): システムは、任意選択のユーザインターフェースを備えて、ユーザが、どの温度に各リアクタをプログラムすべきかを特定すること、システム内のポンプを開始および停止すること、各ポンプにかかる圧力を手動で確認すること、ならびにポンプに対する圧力上限を設定することを可能にする(図9A図9B)。そのGUIは、Kivyフレームワークを使用してPythonで書いた。
【0137】
(1.12 システムは、各リアクタに関する変数をリアルタイムでモニターするためのグラフィカルダッシュボードを備える): ユーザインターフェースが提供する制御に加えて、各リアクタの温度、流量計によって提供される流量、ポンプによって観察される圧力、および各ペルチェ素子に適用されるPWMデューティサイクルを表示する、モニタリングダッシュボードが存在する。Grafanaを使用してデータを表示させ、InfluxDBをNodeREDと合わせて使用してデータベース中にそのデータを格納する。この環境には、raspberry piによって電力供給およびホストさせる。そのデータフローは、図13において見られ得る。
【0138】
(1.13 個別のリアクタを、多段階酵素リアクタを提供するためにシークエンスに連結し得る): リアクタを、多段階酵素反応を可能にするように、1/4インチODのチュービングを介して直列に接続し得る。その経路は、13種の異なる酵素を必要とし、これらの酵素は13個の異なるリアクタに移る。これらのリアクタを、pH制御および気体添加のための注入点とともに直列に接続する。
【0139】
(実施例2.0: 実験的実施例)。
【0140】
(2.1 固定したアルジトールオキシダーゼ(Aldo)を使用する、グリセロールからのグリセリン酸の生成(図14)): 固定したAldo酵素(4.00gの樹脂上の240mg酵素)を含む、長さ13.5インチで0.25インチ外径および0.180インチ内径のリアクタを37℃に加熱し、平衡緩衝液(50mM tris、pH8.5)をそのリアクタに通して1時間平衡化した。1時間沈静化させた後、基質溶液(40mL、50mM Tris、pH8.5、20mMグリセロール)を、流量20μL/分でリアクタを通して流した。そのリアクタに入る前に、その基質溶液を等しい流量の圧縮空気(0.02標準立方センチメートル毎分(sccm))と混合して、そのリアクタを通る総流量40μL/分(18分の滞留時間)を生じた。この溶液がこのリアクタを通過した後、この溶液を出発溶液と同じビーカーに収集して、この溶液が個別のリアクタを通ってリサイクルするのを可能にした。この反応を72時間進行させて、24時間毎にサンプリングを実施した。サンプリングのために、その反応流体のうちの100μlを、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムにて試験して、グリセロールおよびグリセリン酸の量を調べた。このHPLC方法は、以下のとおりであった:Agilent 1200 HPLCに、30cm Aminex HPX-87HカラムおよびマイクロガードカチオンHリフィルカートリッジを備え付けた。このカラムを55℃に加熱し、サンプルブロックを25℃にて維持した。各サンプルについて、1μLを注入し、100%硫酸(10mM)で構成されるアイソクラティック移動相を使用した。サンプル実行時間は合計45分であり、グリセリン酸が17.2分で溶出し、グリセロールが21.0分で溶出した。検出のために、2時間の平衡期間により安定なベースラインを生じた後に、RID検出器(Agilent)を使用した。分析の際に、以下のデータが得られた:24時間の反応時間=21%のグリセリン酸および79%のグリセロール、48時間の反応時間=76%のグリセリン酸および24%のグリセロール、72時間=98%のグリセリン酸、3%のグリセロール。72時間では、グリセロールをグリセリン酸に変換する反応の収率は、99%(19.6mM、2.06g/L)だった。注目すべきことに、同じ反応を圧縮空気の添加なしで実行し、0%の変換が観察された。この反応を、14インチ長×0.75インチ外径および0.652インチ内径という寸法を有するリアクタに規模調整した(下記の実施例2.13)。生成物への98%の変換(19.6mMのグリセリン酸)が、上記と同じ条件下で66時間で観察された。
【0141】
(2.2 固定したジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(DHAD)を使用するグリセリン酸からのピルビン酸の生成(図15): 固定したDHAD酵素(3.70gの樹脂上の360mg酵素)を含む、長さ13.5インチで0.25インチ外径および0.180インチ内径のリアクタを55℃に加熱し、平衡緩衝液(250mM HEPES、pH7.4、2.5mM MgCl・6HO)をそのリアクターに通して1時間平衡化した。1間が沈静化させた後、基質溶液(40mL、250mM HEPES、pH7.4、2.5mM MgCl・6HO、20mMグリセリン酸)を、流量10μL/分)でリアクタを通して流した(72分滞留時間、図15)。この溶液がこのリアクタを通過した後、この溶液を出発溶液と同じビーカーに収集して、この溶液が個別のリアクタを通ってリサイクルするのを可能にした。この反応を72時間進行させて、24時間毎にサンプリングを実施した。サンプリングのために、その反応流体のうちの100μlを、HPLCシステムにて試験して、グリセリン酸およびピルビン酸の量を調べた。HPLC法は上記と同じであり、ピルビン酸は15.8分で溶出し、グリセリン酸は17.2分で溶出した。分析すると、次のデータが得られた;24時間の反応性=17%ピルビン酸および48%グリセリン酸、48時間の反応性=23%ピルビン酸および47%グリセリン酸。48時間では、グリセリン酸をピルビン酸に変換する反応の収率は23%(4.51mM、0.4g/L)であった。この反応を、14インチ長×0.75インチ外径および0.652インチ内径という寸法を有するリアクタに規模調整した(下記の実施例2.13)。生成物への20%の変換(2mMのピルビン酸)が、上記と同じ条件下で16時間で観察された。
【0142】
(2.3 固定したピルビン酸オキシダーゼ(PyOx)を使用した、ピルビン酸からのアセチルリン酸の生成(図16): 固定したPyOX酵素(3.5gの樹脂上の140mg)を含む、長さ13.5インチで0.25インチ外径および0.180インチ内径のリアクタを37℃に加熱し、平衡緩衝液(10mM Tris、50mM KHPO、50mM KHPO、pH6.5、5.0mM MgCl、および100mM NaCl)をそのリアクタに通して1時間平衡化した。1時間沈静化させた後、基質溶液(10mM Tris、50mM KHPO、50mM KHPO、pH6.5、5.0mM MgCl、100mM NaCl、5mMピルビン酸、5mMチアミンピロリン酸(TPP))を、流量10μL/分でリアクタを通して流した(72分の滞留時間、図16)。この溶液がこのリアクタを通過した後、この溶液を出発溶液と同じビーカーに収集して、この溶液が個別のリアクタを通ってリサイクルするのを可能にした。この反応を16時間進行させた。このHPLC方法は、以下のとおりであった:Agilent 1200 HPLCに、30cm Aminex HPX-87HカラムおよびマイクロガードカチオンHリフィルカートリッジを備え付けた。このカラムを55℃に加熱し、サンプルブロックを25℃にて維持した。このHPLC方法は、5μlのサンプル注入量と100%硫酸(10mM)で構成されるアイソクラティック移動相からなった。実行時間は合計25分であり、アセチルリン酸は23.6分で溶出し、ピルビン酸は16.0分で溶出した。2時間の平衡期間により安定なベースラインを生じた後に、屈折率検出器(Agilent)を分析に使用した。16時間の反応で、ピルビン酸をアセチルリン酸に変換する反応収率は10%であった(0.5mMまたは92mg/L)。
【0143】
(2.4 固定したアセチルリン酸トランスフェラーゼ(PTA)を使用した、アセチルリン酸からのアセチルコエンザイムAの生成(図17): 固定したPTA酵素(3.50gの樹脂上の112mg酵素)を含む、長さ13.5インチで0.25インチ外径および0.180インチ内径のリアクタを55℃に加熱し、平衡化緩衝液(10mM Tris、50mM KHPO、50mM KHPO、pH 8.0、5.0mM MgCl、100mM NaCl)をそのリアクタに通して1時間平衡化した。1時間沈静化させた後、基質溶液(10mM Tris、50mM KHPO、50mM KHPO、pH8.0、5.0mM MgCl、100mM NaCl、3.2mMアセチルリン酸、および3.2mM CoA)を、流量10μL/分でリアクタを通して流した(72分の滞留時間、図17)。この溶液がこのリアクタを通過した後、この溶液を出発溶液と同じビーカーに収集して、この溶液が個別のリアクタを通ってリサイクルするのを可能にした。この反応を8時間進行させた。サンプリングのために、その反応流体を、HPLCシステムにて試験して、アセチルリン酸およびアセチル-CoAの量を調べた。このHPLC方法は、以下のとおりであった:Agilent 1200 HPLCに、BetaSil C18 20mm×2.1mmガードカラムを備えたHYPERSIL ODS COLUMN 150mm×3mmを取り付けた。このカラムを25℃に加熱し、サンプルブロックを4℃にて維持した。HPLC方法は5μlサンプル注入体積を使用し、移動相が、75mM CHCOONa(酢酸ナトリウム)および100mM NaHPO(リン酸二水素ナトリウム)をアセトニトリル(体積比94:6)とで混合して構成された。実行時間は合計12分であり、アセチルCoAが8.5分で溶出し、コエンザイムAが3.9分で溶出した。ダイオードアレイ検出器(Agilent)を、259nmでの目的分子の検出のために使用した。8時間の反応で、アセチルリン酸をアセチルコエンザイムAに変換する反応収率は12%であった(0.384mMまたは337mg/L)。
【0144】
(2.5 固定したアセチル-CoAアセチルトランスフェラーゼ(PhaA)を使用したアセチルコエンザイムAからのアセトアセチルコエンザイムAの生成(図18): 固定したPhaA酵素(1.5gの樹脂上の41mg)を含む、長さ5.5インチで0.25インチ外径および0.218インチ内径のリアクタを32℃に加熱し、平衡緩衝液(10mM Tris、50mM KHPO、50mM KHPO、pH8.0、5.0mM MgCl、100mM NaCl)をそのリアクタに通して1時間平衡化した。1時間沈静化させた後、基質溶液(10mM Tris、50mM KHPO、50mM KHPO、pH8.0、5.0mM MgCl、100mM NaCl、2.5mM アセチルCoA)を、流量10μL/分でリアクタを通して流した(43分の滞留時間、図18)。この溶液がこのリアクタを通過した後、この溶液を出発溶液と同じビーカーに収集して、この溶液が個別のリアクタを通ってリサイクルするのを可能にした。この反応を8時間進行させた。サンプリングのために、その反応流体を、HPLCシステムにて試験して、AcCoAおよびCoAの量を調べた。このHPLC方法は、以下のとおりであった:Agilent 1200 HPLCに、BetaSil C18 20mm×2.1mmガードカラムを備えたHYPERSIL ODS COLUMN 150mm×3mm備え付けた。このカラムを25℃に加熱し、サンプルブロックを4℃にて維持した。HPLC方法は5μlのサンプル注入量からなり、アセトニトリル(ACN)と94:6の比率で混合した75mM CHCOONaおよび100mM NaHPOで構成されるアイソクラティック勾配を移動相として使用した。実行時間は合計12分で、アセチルCoAは8.5分で溶出し、コエンザイムAは3.9分で溶出した。ダイオードアレイ検出器(Agilent)を使用して、259nmで目的の分子を検出した。8時間の反応で、アセチルリン酸をアセトアセチルコエンザイムAに変換する反応収率は21%であった(0.94mMまたは930mg/L)。
【0145】
(2.6 固定したHMG-CoAシンターゼA110G(HMGS A110G)を使用した、アセトアセチルコエンザイムAからのβ-ヒドロキシβ-メチルグルタリル-コエンザイムA(HMG-CoA)の生成(図19): 固定したHMGS A110G酵素(1.5gの樹脂上の34.5mg)を含む、長さ5.5インチで0.25インチ外径および0.218インチ内径のリアクタを32℃に加熱し、平衡緩衝液(50mM Tris、100mM NaCl、5mM MgCl、pH7.0)をそのリアクタに通して1時間平衡化した。1時間沈静化させた後、基質溶液(50mM Tris、100mM NaCl、5mM MgCl、pH7.0、5mMアセトアセチル CoA)を、流量10μL/分でリアクタを通して流した(43分の滞留時間、図19)。この溶液がこのリアクタを通過した後、この溶液を出発溶液と同じビーカーに収集して、この溶液が個別のリアクタを通ってリサイクルするのを可能にした。この反応を2時間進行させた。2時間後、反応溶液を20.7μM HMGRおよび5mMニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)とともにインキュベートした。HMGRは、補因子NADPHを使用してアセトアセチルCoAをHMG-CoAに変換する。HMGRの活性は、分光光度計を使用して340nmでNADPHの損失をモニタリングすることによって測定した。2時間の反応で、アセトアセチルCoAをHMG-CoAに変換する反応収率は13%であった(0.65mMまたは621mg/L)。
【0146】
(2.7 固定したHMG-CoAレダクターゼ(HMGR)を使用したHMG-CoAからのメバロン酸の生成(図20): 固定したHMGS A110G酵素(1.5gの樹脂上の31mg)を含む、長さ5.5インチで0.25インチ外径および0.218インチ内径のリアクタを37℃に加熱し、平衡緩衝液(50mM Tris、100mM NaCl、5mM MgCl、pH7.0)をそのリアクタに通して1時間平衡化した。1時間沈静化させた後、基質溶液(50mM Tris、100mM NaCl、5mM MgCl、pH7.0、5mM NADPH)を、流量10μL/分でリアクタを通して流した(滞留時間43分、図20)。この溶液がこのリアクタを通過した後、この溶液を出発溶液と同じビーカーに収集して、この溶液が個別のリアクタを通ってリサイクルするのを可能にした。HMGRの活性は、分光光度計を使用して340nmでNADPHの損失をモニタリングすることによって測定した。2時間の反応で、HMG-COAをメバロン酸に変換する反応収率は98.3%であった(2.45mMまたは378mg/L)。
【0147】
(2.8 固定したメルボネートキナーゼ(MVK)を使用したメバロン酸からのメバロン酸-5-リン酸の生成(図21): 固定したMVK酵素(1.5gの樹脂上の60mg)を含む、長さ5.5インチで0.25インチ外径および0.218インチ内径のリアクタを37℃に加熱し、平衡緩衝液(50mM Tris、5mM MgCl、pH8)をそのリアクタに通して1時間平衡化した。1時間沈静化させた後、基質溶液(50mM Tris、5mM MgCl、pH8、4mMアデノシン三リン酸(ATP)、4mMメバロン酸)を、流量10μL/分でリアクタを通して流した(43分の滞留時間、図21)。この溶液がこのリアクタを通過した後、この溶液を出発溶液と同じビーカーに収集して、この溶液が個別のリアクタを通ってリサイクルするのを可能にした。この反応を16時間進行させた。サンプリングのために、その反応流体を、HPLCシステムにて試験して、最終反応溶液中に存在するATPおよびADP(アデノシン二リン酸)の量を調べた。そのHPLC方法は、以下のとおりであった:Agilent 1200 HPLCに、BetaSil C18 20mm×2.1mmガードカラムを備えたHYPERSIL ODS COLUMN 150mm×3mmを取り付けた。このカラムを25℃に加熱し、サンプルブロックを4℃にて維持した。HPLC方法は、5μlサンプル注入体積で構成され、アイソクラティック移動相が、100mMのKHPO(リン酸二水素カリウム)、8mMのTBAHS(硫酸水素テトラブチルアンモニウム)、pH6.0、20%のメタノール(体積/体積)からなった。実行時間は合計10分であり、ATPが5.7分で溶出し、ADPが4.6分で溶出した。ダイオードアレイ検出器(Agilent)を、254nmでの目的分子の検出のために使用した。16時間の反応で、メバロン酸をメバロン酸-5-リン酸に変換する反応収率は0.3mM(68mg/L)。
【0148】
(2.9 固定したホスホメバロン酸キナーゼ(PMVK)を使用したメバロン酸-5-リン酸からのメバロン酸-5-二リン酸の生成(図22): 固定したPMVK酵素(1.5gの樹脂上の54mg)を含む、長さ5.5インチで0.25インチ外径および0.218インチ内径のリアクタを37℃に加熱し、平衡緩衝液(50mM Tris、5mM MgCl、pH8)をそのリアクタに通して1時間平衡化した。1時間沈静化させた後、基質溶液(50mM Tris、5mM MgCl、pH8、4mM ATP、4mM メバロン酸-5-リン酸)を、流量10μL/分でリアクタを通して流した(43分の滞留時間、図22)。この溶液がこのリアクタを通過した後、この溶液を出発溶液と同じビーカーに収集して、この溶液が個別のリアクタを通ってリサイクルするのを可能にした。この反応を32時間進行させた。サンプリングのために、その反応流体を、HPLCシステムにて試験して、反応混合物中に存在するATPおよびADPの量を調べた。このHPLC方法は、以下のとおりであった:Agilent 1200 HPLCに、BetaSil C18 20mm×2.1mmガードカラムを備えたHYPERSIL ODSカラム150mm×3mmを備え付けた。このカラムを25℃に加熱し、サンプルブロックを4℃にて維持した。HPLC方法は、5μlサンプル注入量、および100mM KHPO、8mM TBAHS、pH6.0、20%メタノール (v/v)で構成されるアイソクラティック移動相からなった。実行時間は合計10分であり、ATPは5.7分で溶出し、ADPは4.6分で溶出した。ダイオードアレイ検出器(Agilent)を使用して、254nmで目的分子を検出した。32時間の反応で、反応によりメバロン酸がメバロン酸-5-ピロリン酸に変換された(2.1mM、697mg/L)。
【0149】
(2.10 固定したジホスホメバロン酸キナーゼ(MDC)を用いたメバロン酸-5-二リン酸からのイソペンテニルピロリン酸の生成(図23):固定したMDC酵素(1.5gの樹脂上の30mg)を含む、長さ5.5インチで0.25インチ外径および0.218インチ内径のリアクタを37℃に加熱し、平衡緩衝液(50mM Tris、5mM MgCl、pH8.0)をそのリアクタに通して1時間平衡化した。1時間沈静化させた後、基質溶液(50mM Tris、5mM MgCl、pH8、4mM ATP、4mM メバロン酸-5-ピロリン酸)を、流量10μL/分でリアクタを通して流した(43分の滞留時間、図23)。この溶液がこのリアクタを通過した後、この溶液を出発溶液と同じビーカーに収集して、この溶液が個別のリアクタを通ってリサイクルするのを可能にした。この反応を16時間進行させた。サンプリングのために、その反応液をHPLCシステムにて検査して、ATPおよびADPの量を調べた。そのHPLC方法は、以下のとおりであった:Agilent 1200 HPLCに、BetaSil C18 20mm×2.1mmガードカラムを備えたHYPERSIL ODS COLUMN 150mm×3mmを取り付けた。このカラムを25℃に加熱し、サンプルブロックを4℃にて維持した。HPLC方法は、5μlサンプル注入体積からなり、100mM KHPO、8mM TBAHS、pH6.0、20%のメタノール(体積/体積)で構成されたアイソクラティック勾配が、移動相として使用された。実行時間は合計10分であり、ATPが5.7分で溶出し、ADPが4.6分で溶出した。ダイオードアレイ検出器(Agilent)を、254nmでの目的分子の検出のために使用した。16時間の反応で、メバロン酸-5-ピロリン酸は0.9mM(237mg/L)でイソペンテニルピロリン酸に変換された。
【0150】
(2.11 固定したファルネシル-PPシンターゼ(FPPS)およびCBGA生成のためのレポータープレニルトランスフェラーゼを使用した、ジメチルアリルピロリン酸からのゲラニルピロリン酸(GPP)の生成(図24): 固定したFPPS酵素(1.5gの樹脂上の68mg)を含む長さ5.5インチで0.25インチ外径および0.218インチ内径のリアクタを25℃に加熱し、平衡緩衝液(50mM Tris pH8.0、5mM MgCl、10mM NaCl)をそのリアクタに通して1時間平衡化した。1時間沈静化させた後、基質溶液(50mM Tris、pH8、5mM MgCl、10mM NaCl、3.5mMイソペンテニルピロリン酸、3.5mMジメチルアリルピロリン酸)を、4時間の滞留時間を満たすために、各10秒のポンピングの後に50秒間の断続的停止させながら流量10μL/分でリアクタを通して流した(図24)。上記の他の例とは異なり、この実験では反応溶液をリサイクルしなかった。指定の時間の完了後に回収した反応溶液を、3.5mMオリベトール酸(OA)および120μMプレニルトランスフェラーゼ(NphB)と25℃で2時間インキュベートした。完了した反応物を酢酸エチルで3回抽出し、蒸発させ、CBGA(カンナビゲロール酸)の量を調べるためのHPLCシステムでの分析のためにメタノール中に再懸濁した。この共役反応は、25%の出発物質を生成物へと変換可能であった。そのHPLC方法は、以下のとおりであった:Agilent 1200 HPLCに、ガードカラムを備えた250mm×4.6mmの5μm liChrospher RP8カラムを取り付けた。このカラムを30℃に加熱し、サンプルブロックを25℃にて維持した。HPLC方法は、5μlサンプル注入体積で構成され、アイソクラティック移動相が、25%の緩衝液A(水、0.1%ギ酸、5mMギ酸アンモニア)および75%の緩衝液B(アセトニトリル、0.1%ギ酸、5mMギ酸アンモニア)からなった。カップリングさせた反応を分析すると、反応により0.9mMまたは285mg/Lの最終生成物CBGAが得られた。
【0151】
(2.12 個々のリアクタの前の反応流からの酸素の除去: 一部の場合では、酵素の失活を避けるために、反応混合物中の気体酸素の分圧を低下させなければならない。したがって、反応溶液をリアクタを通してポンピングする前に、溶液を脱酸素および/または脱気デバイスを通してポンピングして、次の反応に先立って反応溶液中の酸素分圧を下げなければならない。脱酸素および/または脱気機をシステムとカップリングさせると、ほぼ50%減少した最大3.68ppmの酸素を除去できた(図17)。試験のために、脱イオン水を、0.25mL/分の流量で脱酸素/脱気デバイスを通過させた。このプロセスが完了するまでに約20分かかる。脱酸素/脱ガス成分に加えて、酸素をさらに除去するために窒素ガスを溶液に導入することもできる。質量流量コントローラによって制御される窒素ガス入力は、リアクタを通してポンピングする前に溶液に添加される(図25A~25B)。
【0152】
(2.13 グリセロールをピルビン酸に変換する多段階酵素反応(図26): 固定したAldo酵素(56gの樹脂上の2.7gの酵素)を含む、長さ14インチで0.75インチ外径および0.652インチ内径のリアクタを37℃に加熱し、そのリアクタを通して平衡緩衝液(50mM tris、pH8.5)をポンプ輸送することによって、平衡緩衝液で6時間平衡化した。この時間の後、基質溶液(40mL、50mM Tris、pH8.5、20mMグリセロール)を、流量10μL/分でリアクタを通して流した。そのリアクタに入る前に、その基質溶液を等しい流量の圧縮空気(0.01sccm)と混合して、そのリアクタを通る総流量20μL/分(8時間の滞留時間)を生じた。この溶液がこのリアクタを通過した後、その流体フロー(ここではグリセリン酸(直前のリアクタからの98%の変換)のみを含む)をインラインでpH調整する。このために、pH緩衝液(50mM Tris、pH12.0)をこの反応フローに、T型ミキサを使用してpH緩衝溶液の流量10μL/分で添加した。ここでpH調整済みの得られた流体を、バブリング窒素フローを使用することによって脱気した撹拌タンクリアクタ(CSTR)中にすぐに保持する。最後に、別のポンプが、このCSTRから、45℃で加熱した固定したDHAD酵素(56gの樹脂上の1.8gの酵素)を含む長さ14インチで0.75インチ外径および0.652インチ内径の第2のリアクタへと、流体を引き出す。このリアクタを通る反応混合物の総流量は、10μL/分(16.25時間の滞留時間)であった。この溶液を第2のリアクタの端でガラスビーカー中に収集した。その後、この反応混合物を24時間毎に分析した。サンプリングのために、その反応流体のうちの100μlを、HPLCシステムにて試験して、グリセロール、グリセリン酸およびピルビン酸の量を調べた。このHPLC方法は、以下のとおりであった:Agilent 1200 HPLCに、30cm Aminex HPX-87HカラムおよびマイクロガードカチオンHリフィルカートリッジを備え付けた。このカラムを55℃に加熱し、サンプルブロックを25℃にて維持した。各サンプルについて、1μLを注入し、100%硫酸(10mM)で構成されるアイソクラティック移動相を使用した。サンプル実行時間は合計45分であり、グリセリン酸が17.2分で溶出し、グリセロールが21.0分で溶出し、ピルビン酸が15.8分で溶出した。検出のために、2時間の平衡期間により安定なベースラインを生じた後に、RID検出器(Agilent)を使用した。第1のリアクタがグリセロールのうちの98%をグリセリン酸に変換し、第2のリアクタがそのグリセリン酸を最終濃度2mMのピルビン酸に変換したことが、見出された。本発明者らは、ALDOリアクタが生産性の喪失がなく3日間で98%の変換レベルを達成可能であり、10日間の連続処理の間にこの酵素変換が可能なままであったことを、見出した。
【0153】
(実施形態)
以下の実施形態は、例示することのみが意図され、限定することは決して意図されない。
【0154】
実施形態1:化学物質生産のための無細胞製造プラットフォームであって、そのプラットフォームは、1個または複数個の個別のリアクタであって、その1個または複数個の個別のリアクタの各々は、第1端と第2端とを備える円筒管を備え、その円筒管の第1端および円筒管の第2端の両方はフィッティングを備え、その個別のリアクタの円筒管内側は、樹脂および酵素を含む、1個または複数個の個別のリアクタと;その1個または複数個の個別のリアクタを通って溶液を流すように適合されたポンプ輸送システムとを備え、その1個または複数個の個別のリアクタの各々は、閉鎖系を生じるように、その円筒管の第1端に接続された入力チュービングと、その円筒管の第2端に接続された出力チュービングとを備える、プラットフォーム。
【0155】
実施形態2:フィッティングがステンレス鋼フィッティングである、実施形態1に記載のプラットフォーム。
【0156】
実施形態3:個別のリアクタの円筒管内側が1個または複数個のセンサをさらに備える、実施形態1に記載のプラットフォーム。
【0157】
実施形態4:1個または複数個のセンサが、温度センサ、pHセンサ、圧力センサ、流量センサ、溶存酸素(DO)センサ、分光計、またはそれらの組合せを含む、実施形態3に記載のプラットフォーム。
【0158】
実施形態5:1個または複数個の個別のリアクタの各々が個別のリアクタハウジングを備える、実施形態1~4のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【0159】
実施形態6:個別のリアクタハウジングが個別のリアクタを囲んで個別のリアクタに固定されている、実施形態5に記載のプラットフォーム。
【0160】
実施形態7:個別のリアクタハウジングまたは個別のリアクタに取り付けられた、温度変更素子をさらに備える、実施形態1~6のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【0161】
実施形態8:温度変更素子が熱電冷却器(TEC)である、実施形態7に記載のプラットフォーム。
【0162】
実施形態9:1個または複数個の個別のリアクタに直列に取り付けられた分光計をさらに備える、実施形態1~8のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【0163】
実施形態10:溶液から気体を除去するように適合された脱気モジュールをさらに備える、実施形態1~9のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【0164】
実施形態11:脱気モジュールが脱酸素化モジュールである、実施形態10に記載のプラットフォーム。
【0165】
実施形態12:脱酸素化モジュールが、溶液から酸素を除去するように適合されている、実施形態11に記載のプラットフォーム。
【0166】
実施形態13:溶液に気体を導入するように適合された気体添加モジュールをさらに備える、実施形態1~12のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【0167】
実施形態14:溶液に酸または塩基を導入するように適合されたpHモジュールをさらに備える、実施形態1~13のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【0168】
実施形態15:自動化ソフトウェアおよびハードウェアを制御するように適合されたグラフィカルユーザインタフェース(GUI)をさらに備える、実施形態1~14のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【0169】
実施形態16:無細胞製造プラットフォームが、1個または複数個のリアクタの条件の各々をセンサからの入力に基づいて自動的に変更可能である、実施形態1~15のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【0170】
実施形態17:酵素が、MBP-Aldo(Aldo)、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(TvDHAD)、ピルビン酸オキシダーゼ(PyOx)、リン酸アセチルトランスフェラーゼ(PTA)、アセチルCoAアセチルトランスフェラーゼ(PhaA)、HMG-CoAシンターゼA110G(HMGS)、HMG-CoAレダクターゼ(HMGR)、メバロン酸キナーゼ(MVK)、ホスホメバロン酸キナーゼ(PMVK)、ジホスホメバロン酸キナーゼ(MDC)、イソペンチル-PPイソメラーゼ(IDI)、ファルネシル-PPシンターゼS82F(FPPS)、プレニルトランスフェラーゼ(NphB)、またはそれらの組合せを含む、実施形態1~16のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【0171】
実施形態18:酵素が固定されている、実施形態1~17のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【0172】
実施形態19:酵素が固定されていない、実施形態1~17のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【0173】
本明細書において使用される場合、用語「約」とは、言及された数±10%を指す。
【0174】
本発明の好ましい実施形態が示され記載されてきたが、添付の特許請求の範囲を越えない改変がそれらの本発明の好ましい実施形態に対して行われ得ることが、当業者にとって容易に明らかである。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。一部の実施形態において、本出願において提示される図面は、角度、寸法比などを含んで正確な縮尺である。一部の実施形態において、図面は例示的なものに過ぎず、特許請求の範囲は、図面の寸法によっては限定されない。一部の実施形態において、句「含む(comprising)」を使用して本明細書において記載された発明の記載は、「本質的にからなる(consisting essentially of)」または「からなる(consisting of)」として記載され得た実施形態を含み、したがって、句「本質的にからなる(consisting essentially of)」または「からなる(consisting of)」を使用して本発明の1つまたは複数の実施形態を特許請求することに関する記載要件は、満たされている。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25A
図25B
図26
図27
図28
図29
図30
図31A
図31B
図32
図33
図34
【国際調査報告】