(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-12
(54)【発明の名称】プリントヘッド組立体
(51)【国際特許分類】
B41J 2/14 20060101AFI20240104BHJP
B41J 2/155 20060101ALI20240104BHJP
B41J 2/16 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
B41J2/14 301
B41J2/155
B41J2/14 603
B41J2/16 301
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539981
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 EP2021087776
(87)【国際公開番号】W WO2022144383
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520324628
【氏名又は名称】スリーシー プロジェクト マネージメント リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】マカヴォイ,グレゴリー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】コール,リチャード
【テーマコード(参考)】
2C057
【Fターム(参考)】
2C057AF93
2C057AG14
2C057AG29
2C057AG44
2C057AG68
2C057AG83
2C057AK07
2C057AN05
2C057AP71
2C057AP77
2C057BA03
2C057BA14
(57)【要約】
本開示は、第1のプリントヘッドモジュール、第2のプリントヘッドモジュール、及び第3のプリントヘッドモジュールを含む、複数のプリントヘッドモジュール(100a)を備える、プリントヘッド組立体を提供する。複数のプリントヘッドモジュール(100a)の各々は、複数のプリントヘッドノズル(126)であって、プリント剤を複数のプリントヘッドノズル(126)から選択的に吐出するためのアクチュエータ(118)が各々設けられた、複数のプリントヘッドノズル(126)と、少なくとも1つのプリント剤入口と複数のプリントヘッドノズル(126)との間の流体連通経路を提供する少なくとも1つのプリント剤マニホールド(122、124)と、プリントヘッドノズル(126)からプリント剤を吐出するようにプリントヘッドモジュール(100a)のアクチュエータ(118)を制御する制御回路構成(104)と、を備える。第1のプリントヘッドモジュールは、第2のプリントヘッドモジュールを介して第3のプリントヘッドモジュールに取り付けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリントヘッド組立体であって、
第1のプリントヘッドモジュール、第2のプリントヘッドモジュール、及び第3のプリントヘッドモジュールを含む、複数のプリントヘッドモジュールを備え、前記複数のプリントヘッドモジュールの各々が、
複数のプリントヘッドノズルであって、プリント剤を前記複数のプリントヘッドノズルから選択的に吐出するためのアクチュエータが各々設けられた、複数のプリントヘッドノズルと、
少なくとも1つのプリント剤入口と前記複数のプリントヘッドノズルとの間の流体連通経路を提供する少なくとも1つのプリント剤マニホールドと、
前記プリントヘッドノズルからプリント剤を吐出するように前記プリントヘッドモジュールの前記アクチュエータを制御する制御回路構成と、を備え、
前記第1のプリントヘッドモジュールが、前記第2のプリントヘッドモジュールを介して前記第3のプリントヘッドモジュールに取り付けられている、プリントヘッド組立体。
【請求項2】
前記アクチュエータが、圧電アクチュエータである、請求項1に記載のプリントヘッド組立体。
【請求項3】
前記制御回路構成が、CMOS回路を含む、請求項1又は2に記載のプリントヘッド組立体。
【請求項4】
前記第1のプリントヘッドモジュールの前記少なくとも1つのプリント剤マニホールドが、前記第2のプリントヘッドモジュールの前記少なくとも1つのプリント剤マニホールドとは異なる、先行請求項のいずれか一項に記載のプリントヘッド組立体。
【請求項5】
前記第1のプリントヘッドモジュールが、前記第1のプリントヘッドモジュールの前記複数のプリントヘッドノズルの第1のサブセットによって吐出される第1のプリント剤に動作可能に結合され、かつ前記第1のプリントヘッドモジュールの前記複数のプリントヘッドノズルの第2のサブセットによって吐出される第2のプリント剤に更に動作可能に結合されるように構成されており、前記第2のプリント剤が、前記第1のプリント剤とは異なり、前記第2のサブセットが、前記第1のサブセットとは別のものである、先行請求項のいずれか一項に記載のプリントヘッド組立体。
【請求項6】
前記第1のプリントヘッドモジュールを前記第2のプリントヘッドモジュールに接続するための第1のモジュールコネクタと、前記第2のプリントヘッドモジュールを前記第3のプリントヘッドモジュールに接続するための第2のモジュールコネクタと、を更に備える、先行請求項のいずれか一項に記載のプリントヘッド組立体。
【請求項7】
前記第2のプリントヘッドモジュールの前記少なくとも1つのプリント剤マニホールドが、前記第2のプリントヘッドモジュールの前記少なくとも1つのプリント剤入口と流体連通する前記第1のプリントヘッドモジュールの少なくとも1つのプリント剤出口から、前記少なくとも1つのプリント剤入口で前記プリント剤を受容するように配置されているか、又は
前記第2のプリントヘッドモジュールの前記少なくとも1つのプリント剤マニホールドが、前記複数のプリントヘッドモジュールとは異なる、更なるプリント剤マニホールド内に画定されたプリント剤出口から、前記少なくとも1つのプリント剤入口で前記プリント剤を受容するように配置されている、先行請求項のいずれか一項に記載のプリントヘッド組立体。
【請求項8】
前記複数のプリントヘッドモジュールが、碁盤目状のパターンで配置されており、かつ/又は前記複数のプリントヘッドモジュールが各々、実質的に同一の外部形状を有する、先行請求項のいずれか一項に記載のプリントヘッド組立体。
【請求項9】
各プリントヘッドモジュールが、少なくとも100個のプリントヘッドノズルを備える、先行請求項のいずれか一項に記載のプリントヘッド組立体。
【請求項10】
前記第3のプリントヘッドモジュールは、前記第1のプリントヘッドモジュールに供給される制御信号が前記第3のプリントヘッドモジュールの前記制御回路構成によって受信され得るように、前記第2のプリントヘッドモジュールを介して前記第1のプリントヘッドモジュールに電気的に接続されている、先行請求項のいずれか一項に記載のプリントヘッド組立体。
【請求項11】
更なるプリントヘッドモジュールに接続するための第1のプリントヘッドモジュールであって、前記更なるプリントヘッドモジュールが、前記第1のプリントヘッドモジュールと実質的に同一の外部形状を有し、前記第1のプリントヘッドモジュールが、
複数のプリントヘッドノズルであって、プリント剤を前記複数のプリントヘッドノズルから選択的に吐出するためのアクチュエータが各々設けられた、複数のプリントヘッドノズルと、
少なくとも1つのプリント剤入口と前記複数のプリントヘッドノズルとの間の流体連通経路を提供する少なくとも1つのプリント剤マニホールドと、
前記プリントヘッドノズルからプリント剤を吐出するように前記アクチュエータを制御する制御回路構成と、
前記第1のプリントヘッドモジュールの、前記更なるプリントヘッドモジュールへの取り付けを容易にするように配置された接続部分と、を備える、第1のプリントヘッドモジュール。
【請求項12】
プリントヘッドモジュールを製造する方法であって、
基板内に集積制御回路を形成することと、
前記集積制御回路と各々電気的に連通する複数の圧電アクチュエータを形成することと、
各々が前記複数の圧電アクチュエータのそれぞれの1つに関連付けられた複数のノズル出口を形成することと、
少なくとも1つのプリント剤入口と前記複数のノズル出口との間の流体連通経路を画定する少なくとも1つのプリント剤マニホールドを形成することと、を含む、方法。
【請求項13】
プリントヘッド組立体を製造する方法であって、前記方法が、
各々請求項12に記載の方法に従って、第1のプリントヘッドモジュール、第2のプリントヘッドモジュール、及び第3のプリントヘッドモジュールを製造することと、
前記第1のプリントヘッドモジュールを、前記第2のプリントヘッドモジュールを介して前記第3のプリントヘッドモジュールに取り付けることと、を含む、方法。
【請求項14】
プリンタであって、請求項1~10のいずれか一項に記載のプリントヘッド組立体と、各プリントヘッドモジュールの前記少なくとも1つのプリント剤マニホールドの前記少なくとも1つのプリント剤入口と流体接続する1つ以上のプリント剤源と、を備える、プリンタ。
【請求項15】
印刷する方法であって、
請求項14に記載のプリンタを提供することと、
前記制御回路構成を動作させて、前記複数のプリントヘッドモジュールの前記複数のプリントヘッドノズルのうちの少なくとも1つからプリント剤を吐出することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリントヘッド組立体と、プリントヘッドモジュールと、プリントヘッドモジュールを製造する方法とに関する。特に、本発明は、圧電作動プリントヘッドノズルを有するプリントヘッドに関する
【背景技術】
【0002】
複数のプリントヘッドノズルからプリント剤を制御可能に吐出するためのプリントヘッドを製造することが知られている。
【0003】
典型的には、プリントヘッド組立体は、プリント剤を格納するための1つ以上のバルクリザーバと、複数のプリントヘッドノズルの各々との間の流体連通を提供するプリントヘッドマニホールドから形成される。複数のプリントヘッドノズルは、プリントヘッドマニホールドに個別に、又はグループで取り付けられる。各プリントヘッドノズルは、各プリントヘッドノズルからのプリント剤の吐出を制御するためのアクチュエータ(例えば、圧電アクチュエータ)を含む。
【0004】
プリントヘッドを使用した正確かつ精確な印刷を保証するには、各プリントヘッドノズルがプリントヘッドマニホールド上の所定の位置に取り付けられることが重要である。したがって、典型的には、より高い精度の製造方法を用いることが必要である。
【0005】
本発明が考案されたのは、この文脈においてである。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一態様によれば、第1のプリントヘッドモジュール、第2のプリントヘッドモジュール、及び第3のプリントヘッドモジュールを含む、複数のプリントヘッドモジュールを備える、プリントヘッド組立体が提供される。複数のプリントヘッドモジュールの各々は、複数のプリントヘッドノズルであって、プリント剤を複数のプリントヘッドノズルから選択的に吐出するためのアクチュエータが各々設けられた、複数のプリントヘッドノズルと、少なくとも1つのプリント剤入口(例えば、プリント剤入口又は複数のプリント剤入口)と複数のプリントヘッドノズルとの間の流体連通経路を提供する少なくとも1つのプリント剤マニホールド(例えば、プリント剤マニホールド又は複数のプリント剤マニホールド)と、プリントヘッドノズルからプリント剤を吐出するようにプリントヘッドモジュールのアクチュエータを制御する制御回路構成と、を備える。第1のプリントヘッドモジュールは、第2のプリントヘッドモジュールを介して第3のプリントヘッドモジュールに取り付けられている。
【0007】
したがって、製造公差を考慮して、隣接するプリントヘッドノズルに対するプリントヘッドノズルの必要な相対的位置決めをより正確に達成することができる。共通の足場に取り付ける代わりに、プリントヘッドモジュールを互いに取り付けることによって、隣接するプリントヘッドノズルの相対的な位置の任意の誤差は、2つの別個のノズルの独立した位置付け間の位置付け誤差ではなく、個々のプリントヘッドモジュールの製造公差に依存し得る。更に、直列に接続された追加のプリントヘッドモジュールを提供することによって、大型プリントヘッド組立体を容易に製造することができる。対照的に、従来技術の解決策は、各プリントヘッドモジュールが接続される構造的足場が、プリントヘッド組立体の必要なサイズに製造されることを必要とする。プリントヘッドモジュールを互いに取り付けることにより、多くの(時には数千もの)接続ポートが全て正確に位置する大型コンポーネントを製造する必要がもはやなくなる。本発明のプリントヘッド組立体は、構造的足場などの更なるコンポーネントに取り付けられ得るが、隣接するプリントヘッドモジュール間のプリントヘッドノズルの相対的な場所が既に画定されているため、任意の更なる接続が精密である必要はなく、かつ/又はプリントヘッド組立体を含むプリンタからの出力にそのような弊害をもたらす影響を及ぼさないこととなることが理解されるであろう。
【0008】
プリントヘッド組立体は、製造中に一緒に接続され得る複数のプリントヘッドモジュールを備える、プリンタで使用するためのコンポーネントであることが理解されるであろう。
【0009】
いくつかの例では、各プリントヘッドモジュールは、複数のプリントヘッドノズルから単一のプリント剤のみを印刷するものである。他の例では、複数のプリントヘッドノズルの第1のサブセットは、第1のプリント剤をそこから吐出するためのものであり、複数のプリントヘッドノズルの第2のサブセットは、第2のプリント剤をそこから吐出するためのものである。第2のサブセットは、第1のサブセットとは別のものであり得る。このようにして、単一のプリントヘッドモジュールを使用して、複数のプリント剤を用いて印刷し得る。複数のプリント剤を単一のプリントヘッドモジュールから印刷することができる場合、プリント剤マニホールドは、複数の別個のプリント剤入口と、複数のプリントヘッドノズルの中の各々の別個のプリント剤に関連付けられたそれぞれのプリントヘッドノズルとの間に流体連通経路を提供し得ることが理解されるであろう。
【0010】
プリント剤マニホールドは、プリントヘッドモジュールを介したプリント剤の実質的に任意のルーティングである。典型的には、プリント剤マニホールドは、プリントヘッドモジュール内の1つ以上のチャネルによって画定されている。
【0011】
各プリントヘッドノズルは、複数のプリント剤マニホールドのうちの1つのみに接続されている場合がある。
【0012】
プリントヘッドノズルは、プリントヘッドモジュール内に画定された開口部であり、制御回路構成によって制御されるアクチュエータの動作によって、プリント剤が開口部を通って制御可能に吐出され得る。典型的には、プリントヘッドノズルは、1ミリメートル未満、例えば、0.1ミリメートル未満の断面範囲を有する。
【0013】
アクチュエータは、圧電アクチュエータであり得る。したがって、それぞれのプリントヘッドノズルに対する圧電アクチュエータの動作を使用して、それぞれのプリントヘッドノズルからプリント剤を制御可能に吐出し得る。圧電アクチュエータの使用によって、シンプルかつ正確に制御可能なプリントヘッド組立体を提供することができる。
【0014】
アクチュエータは、典型的には、アクチュエータの動作時にプリントヘッドノズルからのプリント剤の吐出を引き起こすように、プリントヘッドノズルの少なくとも一部分を画定する弾性変形可能な膜の変位を引き起こすように動作することが理解されるであろう。
【0015】
プリントヘッドモジュールの一部として制御回路構成を提供することによって、これは再び、プリントヘッド組立体の構造のモジュール性を容易にする。更に、各アクチュエータへの別個の制御配線は、各プリントヘッドモジュール上の制御回路構成からのみ提供される必要があるため、プリントヘッド組立体内の配線接続の複雑性が低減され得、プリントヘッドモジュール上の任意のアクチュエータに対する制御命令は、プリントヘッドモジュール上の制御回路構成への単一の配線接続を介してプリントヘッドモジュール上に提供され得る。更に、制御回路構成がプリントヘッドモジュール上に分散されている場合(プリントヘッド組立体に対して中央にのみ位置する代わりに)、制御回路構成からの発熱は、プリントヘッドモジュールの全てにわたって分散され、プリントヘッド組立体の熱管理が改善され得る。
【0016】
制御回路構成は、集積回路、例えば、相補型金属酸化物半導体(CMOS)回路を含み得る。制御回路構成は、プリントヘッドノズルと一体的に形成され得る。換言すれば、制御回路構成、プリントヘッドノズル、及び(任意選択的に)圧電アクチュエータの形成は、別々に組み立てられた複数のコンポーネントの組み立てを必要とせずに、同時に提供され得る。集積回路を使用して制御回路構成を提供することによって、制御回路構成がプリントヘッドノズルに隣接するように提供され得、それによって、プリントヘッドモジュールがコンパクトであることが保証される。
【0017】
制御回路構成は、(a)デジタルレジスタを備える場合がある。制御回路構成は、(b)ノズルトリミング計算回路及び/又はレジスタを備える場合がある。制御回路構成は、(c)温度測定回路を備える場合がある。制御回路構成は、(d)流体チャンバ充填検出回路を備える場合がある。
【0018】
デジタルレジスタは、例えば、シフトレジスタ、又はラッチレジスタであり得る。動作中、データは制御回路構成内のレジスタに格納されているか、又はレジスタから読み出される場合がある。動作中、温度は、温度測定回路の温度感受性コンポーネントを使用して測定される場合がある。動作中、流体チャンバの充填レベルが測定される場合がある。
【0019】
制御回路構成は、典型的にはプリントヘッドモジュール内にある、制御回路構成によって格納されたデータ、又は1つ以上のセンサからの測定に応答して、1つ以上の圧電アクチュエータの1つ以上の電極に印加された電圧パルスを修正するように構成されている場合がある。動作中、制御回路構成は、典型的にはプリントヘッドモジュール内にある、制御回路構成によって格納されたデータ、又は1つ以上のセンサからの測定に応答して、1つ以上の圧電アクチュエータの1つ以上の電極に印加された電圧パルスを測定する場合がある。
【0020】
電圧パルスを修正することは、それらを時間内にシフトすることを含み得る。電圧パルスを修正することは、それらを圧縮又は拡張することを含み得る。電圧パルスを修正することは、それらの大きさを修正することを含み得る。電圧パルスを修正することは、異なるプロファイルを有する受信したアクチュエータ駆動パルスの複数の(典型的には繰り返される)シーケンス間で入れ替わることを含み得る。制御回路構成は、典型的には、制御回路構成によって格納されたその個々の圧電アクチュエータに関連するデータ、又は1つ以上のセンサからの測定値に応答して、1つ以上の個々の圧電アクチュエータの1つ以上の電極に印加された電圧パルスを修正するように構成されている。
【0021】
制御回路構成は、吐出トランジスタを備える場合がある。吐出トランジスタは、典型的には、圧電アクチュエータの電極と直接電気的に連通している(スイッチ半導体接合部を介さない)。動作中、吐出トランジスタは、吐出トランジスタからの電位出力を圧電アクチュエータの電極に直接印加させるように制御される場合がある。
【0022】
制御回路構成は、プリントヘッドモジュールの外側から入力制御信号を受信し、アクチュエータ制御信号を複数のアクチュエータの各々に出力して、複数のプリントヘッドノズルからのプリント剤の吐出を制御するように構成され得る。
【0023】
プリントヘッドモジュールは、アクチュエータ駆動パルスを受信するための電気入力を備える場合がある。動作中、プリントヘッドモジュールは、アクチュエータ駆動パルスを受信し得る。
【0024】
プリントヘッド組立体は、プリントヘッド組立体のプリントヘッドモジュールを制御するためのコントローラを備え得る。コントローラは、プログラムコードを格納するメモリと通信するか、又はそれを備える、統合又は分散され得る1つ以上のマイクロコントローラ又はマイクロプロセッサを備え得る。
【0025】
コントローラは、(典型的には一連の)アクチュエータ駆動パルスを生成するように構成されたパルス発生器を備える場合がある。各プリントヘッドモジュールは、典型的には、アクチュエータ駆動パルスがそこを通して受信されるコントローラに接続された、電気入力を備える。動作中、プリントヘッド組立体は、アクチュエータ駆動パルス(例えば、コントローラ内)を生成し、電気接続を介してそれらをプリントヘッドモジュールに伝導し得る。典型的には、1つ以上のプリントヘッドモジュールの場合、駆動パルスは、1つ以上の他のプリントヘッドモジュールを介して、それぞれのプリントヘッドモジュールに伝導される。典型的には、第2のプリントヘッドモジュールは、アクチュエータ駆動パルスを第1のプリントヘッドモジュールから第3のプリントヘッドモジュールに伝導するように構成されている。
【0026】
アクチュエータ駆動パルスは、典型的には、アナログ信号である。アクチュエータ駆動パルスは、典型的には、周期的な繰り返し電圧波形を有する。
【0027】
制御回路構成は、複数の圧電アクチュエータの少なくとも1つの電極又は複数の圧電アクチュエータのうちの各々を、受信したアクチュエータ駆動パルスに切り替え可能に接続又は切断し、それによって圧電アクチュエータを選択的に作動させるように構成されている場合がある。動作中、プリントヘッドモジュールは、複数の圧電アクチュエータの少なくとも1つの電極又は複数の圧電アクチュエータのうちの各々を、受信したアクチュエータ駆動パルスに切り替え可能に接続又は切断し、それによって圧電アクチュエータを選択的に作動させる場合がある。
【0028】
コントローラは、アクチュエータ駆動パルスの複数のシーケンスを生成する1つ以上のパルス発生器を備え、プリントヘッドモジュールの電気入力は、コントローラへの複数の電気接続を介して(1つ以上のパルス発生器によって生成された)アクチュエータ駆動パルスの複数のシーケンスを受信し、制御回路構成は、複数の圧電アクチュエータの少なくとも1つ以上の電極又は複数の圧電アクチュエータのうちの各々を、複数の異なる受信したアクチュエータパルスのシーケンスから選択された受信したアクチュエータ駆動パルスに切り替え可能に接続又は切断するように構成されている場合がある。動作中、プリントヘッド組立体は、複数の異なるシーケンスのアクチュエータ駆動パルス(例えば、コントローラ内)を生成し、別個の電気接続を介してそれらをプリントヘッドモジュールに伝導し、複数の圧電アクチュエータの少なくとも1つの電極又は複数の圧電アクチュエータのうちの各々を、複数の異なるアクチュエータ駆動パルスのシーケンスのうちの可変の(及び選択可能な)1つから受信された1つ以上の受信したアクチュエータ駆動パルスに切り替え可能に接続又は切断する場合がある。
【0029】
圧電アクチュエータの少なくとも1つの電極が接続されているアクチュエータパルスの受信したシーケンスに関する選択は、それぞれの圧電アクチュエータに固有の格納されたデータに応答し、かつ/又はそれぞれの圧電アクチュエータの動作の測定値に応答し得る。したがって、制御回路構成は、典型的には、各圧電アクチュエータが周期的な液滴吐出決定点のシーケンスの各々で液滴を吐出するかどうかを選択することができる。決定点によって、特定の圧電アクチュエータの少なくとも1つの電極にそのアクチュエータ駆動パルスを通信するかどうかが判定されるアクチュエータ駆動パルスの開始前の時間を表す。いくつかの実施形態では、CMOS制御回路はまた、複数のアクチュエータパルスの中から(同じ又は異なるアクチュエータパルスのストリームから)、各々の上記液滴吐出決定点でそれぞれの圧電アクチュエータの少なくとも1つの電極にどのアクチュエータパルスが印加されるかを選択し得、又は典型的には方法が選択することを含む。
【0030】
典型的には、アクチュエータ駆動パルスは周期的に繰り返される。アクチュエータ駆動パルスは、コントローラによって増幅される場合がある。アクチュエータ駆動パルスは、プリントヘッドモジュールによって増幅されない場合がある。プリントヘッドモジュールが、アクチュエータ駆動パルスを生成しない場合がある。
【0031】
典型的には、パルス発生器からのパルスは、複数のプリントヘッドモジュールの一部であり得る複数の制御回路に伝導される。したがって、単一のパルス発生器回路は、同じ基板上の複数の圧電トランスデューサ、及び/又は各々が複数の圧電トランスデューサを有する別個の基板を有する複数のプリントヘッドモジュールを駆動し得る。
【0032】
デジタル作動制御信号は、典型的には、コントローラから受信される。デジタル作動制御信号は、典型的には、可撓性コネクタを介して受信される。デジタル作動制御信号は、シリアル形式で受信され、制御回路構成内のシフトレジスタを使用して並列制御信号に変換され得る。
【0033】
コントローラは、プリントヘッドモジュール(又は複数のプリントヘッドモジュール)に伝導されるアクチュエータ駆動パルス及びプリントヘッドモジュール(又は複数のプリントヘッドモジュール)に伝導されるデジタル制御信号を生成するように構成されたパルス発生器を備え、デジタル制御信号は、プリントヘッドモジュールの制御回路構成内で処理されて、どのアクチュエータ駆動パルスが、1つ以上のプリントヘッドモジュールの圧電アクチュエータ又は複数の圧電アクチュエータの少なくとも1つの電極に伝導されるかを決定し、それによって液滴吐出を引き起こす場合がある。
【0034】
動作中、プリントヘッド組立体は、アクチュエータ駆動パルス(例えば、コントローラで)及びデジタル制御信号を生成し、アクチュエータ駆動パルス及びデジタル制御信号の両方をプリントヘッドモジュールの制御回路構成に伝導し、制御回路構成は、デジタル制御信号を処理し、それに応答して、選択されたアクチュエータ駆動パルスを圧電アクチュエータの少なくとも1つの電極又は1つ以上のプリントヘッドモジュールの圧電アクチュエータに伝導し、それによって液滴吐出を引き起こす場合がある。
【0035】
したがって、典型的には、アナログアクチュエータ駆動パルス及びデジタル制御信号は、制御回路構成によって(及び典型的には、プリントヘッドモジュールによって)入力される。典型的には、デジタル制御信号は、アナログアクチュエータ駆動パルスを選択的に切り替え、それによってそれらを圧電アクチュエータに選択的に送信するために使用される。
【0036】
いくつかの実施形態では、制御回路構成は、接地及び単一の固定非ゼロ電圧線のうちの1つ以上、又は異なる電圧の複数の固定電圧線(そのうちの1つ以上は接地されていてもよい)を圧電アクチュエータの一方又は両方の電極に切り替え可能に接続し、それによってプリント剤の液滴吐出を引き起こすように構成されている。例えば、制御回路構成は、液滴吐出を引き起こすために、接地への接続と、異なる電圧の固定電圧又は複数の固定電圧線への接続との間で電極を切り替えて、再び接地に戻し得る。典型的には、第2のプリントヘッドモジュールは、第1のプリントヘッドモジュールから第3のプリントヘッドモジュールまで、上記接地及び/又は上記単一の固定非ゼロ電圧を伝導するように構成されている。
【0037】
接地への接続と固定電圧への接続との間、又は固定電圧線間で電極を切り替えることは、ラッチを動作させることを含み得る。
【0038】
制御回路構成は、同じ基板上の1つ以上の上記層によって形成されており、かつ(異なるそれぞれの液滴吐出出口を有し、場合によってはプリントヘッドノズルと称される)異なるそれぞれの流体チャンバの一部を画定する少なくとも3つ(又は少なくとも4つ)の上記圧電アクチュエータ素子を個別にかつ選択的に作動させるように構成されており、任意選択的に、上記少なくとも3つ(又は少なくとも4つ)のアクチュエータ素子は、異なる色又は組成物の流体を吐出するように、又は冗長液滴吐出出口として構成されている場合がある。
【0039】
上記少なくとも3つ(又は少なくとも4つ)の圧電アクチュエータ素子は、基板上に(任意選択的に互いに隣接し、任意選択的に一行に並んで)位置し、制御回路構成は、1つ以上の電気信号導体を有する可撓性プリントヘッドケーブルに接続され、ここでは制御回路構成は、少なくとも3つ(又は少なくとも4つ)の圧電アクチュエータ素子のアクチュエータ素子を、同じ信号導体を介して受信された作動コマンドに応答して個別にかつ選択的に作動させるように構成されている場合がある。
【0040】
したがって、少なくとも3つ(又は少なくとも4つ)のアクチュエータ素子を駆動するように構成された制御回路構成の統合により、個々の信号導体は、少なくとも3つ(又は少なくとも4つ)の圧電アクチュエータ素子の個々のアクチュエータ素子の作動につながる制御信号を送信し得る。典型的には、制御信号はデジタル制御信号である。
【0041】
少なくとも3つ(又は少なくとも4つ)の圧電アクチュエータ素子は、圧電アクチュエータ素子のグループ、例えば、同じ色若しくは組成物の流体(例えば、同じ流体供給源と流体連通する流体チャンバを有する)、又は異なる色若しくは組成物の流体(例えば、別個の流体供給源と流体連通する流体チャンバを有する)を吐出するように構成された圧電アクチュエータ素子のグループ、又は複数の(典型的には少なくとも3つ若しくは少なくとも4つの)サブグループに分割された圧電アクチュエータ素子のグループを含み得るか、又はそれらであり得、ここでは各サブグループ内の圧電アクチュエータ素子は、同じ色若しくは組成物の流体(例えば、同じ流体供給源と流体連通する流体チャンバを有する)を吐出するように構成されており、いくつかの若しくは全てのサブグループの圧電アクチュエータ素子は、異なる色若しくは組成物の流体(例えば、別個の流体供給源と流体連通する流体チャンバを有する)を吐出するように構成されている。同じサブグループ内の圧電アクチュエータ素子は、アレイ内に配置され得、それぞれのサブグループについて複数のアレイが存在し得る。
【0042】
制御回路構成は、制御回路構成が作動制御信号を、そこを通して受信する信号導体よりも少なくとも2倍の数の圧電アクチュエータ素子を個別にかつ選択的に作動させるように構成されている場合がある。
【0043】
上記制御回路構成は、少なくとも128個(又は少なくとも256個)の圧電アクチュエータ素子を個別にかつ選択的に作動させるように構成されており、制御回路構成は、最大32個(又は最大16個)の信号導体を介して作動制御信号を受信する場合がある。
【0044】
制御回路構成は、1つ以上の信号導体を介してシリアル形式で受信されたデジタル信号を、同時に(すなわち、並列に)液滴吐出を実行するために作動される圧電アクチュエータの選択に変換するように構成された、シリアルから並列への変換回路を含み得る。シリアルから並列への変換回路は、典型的には、1つ以上のシフトレジスタを備える。
【0045】
第1のプリントヘッドモジュールは、第2のプリントヘッドモジュールを介して第3のプリントヘッドモジュールに電気的に接続されるように構成され得る。第3のプリントヘッドモジュールは、第2のプリントヘッドモジュール及び第1のプリントヘッドモジュールを介して作動制御信号(例えば、デジタル制御信号)を受信するように構成されている場合がある。したがって、アクチュエータ制御信号は、第1のプリントヘッドモジュールに入力され、第1のプリントヘッドモジュールによって、例えば、それに接続された更なるプリントヘッドモジュールを介して、それに接続された更なるプリントヘッドモジュールに中継され得る。
【0046】
プリントヘッドモジュールの各々は、作動制御信号から別々にアクチュエータに電力を供給するために電力を受け得る。第3のプリントヘッドモジュールは、第2のプリントヘッドモジュール及び第1のプリントヘッドモジュールを介して電力を受けるように構成され得る。
【0047】
第1のプリントヘッドモジュールのプリント剤マニホールドは、第2のプリントヘッドモジュールのプリント剤マニホールドとは異なり得る。したがって、第1のプリントヘッドモジュールは、第2のプリントヘッドモジュールと比較して、プリントヘッド組立体内の異なる目的のためのものであり得る。第1のプリントヘッドモジュールのプリント剤マニホールドの形状は、第2のプリントヘッドモジュールのプリント剤マニホールドの形状とは異なる場合がある。プリント剤マニホールドの1つ以上の内部表面特性(表面粗さなど)は、第1のプリントヘッドモジュールと第2のプリントヘッドモジュールとの間で異なる場合がある。換言すれば、第1のプリントヘッドモジュールのプリント剤マニホールドは、第1のプリント剤とともに使用されるように構成され得、第2のプリントヘッドモジュールのプリント剤マニホールドは、第1のプリント剤とは異なる第2のプリント剤とともに使用されるように構成され得る。いくつかの例では、プリント剤マニホールドの内面は、それに提供されるプリント剤に適合され得る。
【0048】
第1のプリントヘッドモジュールは、第1のプリントヘッドモジュールの複数のプリントヘッドノズルの第1のサブセットによって吐出される第1のプリント剤に動作可能に結合されるように構成され得、かつ第2のプリントヘッドモジュールの複数のプリントヘッドノズルの第2のサブセットによって吐出される第2のプリント剤に動作可能に結合されるように更に構成され得る。第2のプリント剤は、第1のプリント剤とは異なり得る。第2のサブセットは、第1のサブセットとは別のものであり得る。
【0049】
典型的には、第1のプリントヘッドモジュールは、第1のプリントヘッドモジュールの第1のプリント剤入口を介して第1のプリント剤に動作可能に結合され、かつ第1のプリントヘッドモジュールの第2のプリント剤入口を介して第2のプリント剤に動作可能に結合されるように構成されている。
【0050】
したがって、第1のプリントヘッドモジュールは、複数のプリント剤を複数のプリントヘッドノズルに接続して、複数のプリントヘッドノズルから複数のプリント剤のうちのいずれかを吐出することを可能にするように構成され得る。典型的には、任意の所与のプリントヘッドノズルは、複数のプリント剤のうちの1つのプリント剤のみそこから選択的に吐出されるように構成されている。
【0051】
一例では、複数のプリント剤は、2つのプリント剤よりも多い。複数のプリント剤は、10個未満のプリント剤であり得る。いくつかの例では、複数のプリント剤は、4つのプリント剤である。プリント剤の各々は、異なる組成物を有し得る。プリント剤がインクである場合、複数のプリント剤の各々は異なる色であり得る。
【0052】
プリントヘッド組立体は、第1のプリントヘッドモジュールを第2のプリントヘッドモジュールに接続するための第1のモジュールコネクタを更に備え得る。プリントヘッド組立体は、第2のプリントヘッドモジュールを第3のプリントヘッドモジュールに接続するための第2のモジュールコネクタを更に備え得る。したがって、プリントヘッドモジュール間に中間コネクタが存在し得るが、それでも第1のプリントヘッドモジュールは、第2のプリントヘッドモジュールを介して第3のプリントヘッドモジュールに接続されている。
【0053】
いくつかの例では、第1のプリントヘッドモジュールは、第2のプリントヘッドモジュールに直接接続され得、第2のプリントヘッドモジュールは、第3のプリントヘッドモジュールに直接接続され得る。換言すれば、第1のプリントヘッドモジュールは、第1のプリントヘッドモジュールと第3のプリントヘッドモジュールとの間の第2のプリントヘッドモジュールのみを介して第3のプリントヘッドモジュールに接続され得る。
【0054】
第2のプリントヘッドモジュールのプリント剤マニホールドは、第1のプリントヘッドモジュールのプリント剤出口から、プリント剤入口でプリント剤を受容するように配置され得る。第1のプリントヘッドモジュールのプリント剤出口は、第2のプリントヘッドモジュールのプリント剤入口と流体連通し得る。したがって、プリント剤は、他のプリントヘッドモジュールを介してプリントヘッドモジュールに提供され得る。このようにして、より広い規模のプリントヘッド組立体が、複数のプリントヘッドモジュールへのプリント剤源の数の増加を必要とせずに、更なるプリントヘッドモジュールを提供することによって提供され得ることが理解されるであろう。
【0055】
第2のプリントヘッドモジュールのプリント剤マニホールドは、複数のプリントヘッドモジュールとは異なる、更なるプリント剤マニホールド内に画定されたプリント剤出口から、プリント剤入口でプリント剤を受容するように配置され得る。したがって、プリント剤は、典型的には、複数のプリントヘッドモジュール内の任意の他のプリントヘッドモジュールを介してではなく、更なるプリント剤マニホールドを介して第2のプリントヘッドモジュールに供給され得る。
【0056】
各プリントヘッドモジュールは、少なくとも10個のプリントヘッドノズルを備え得る。各プリントヘッドモジュールは、少なくとも100個のプリントヘッドノズルを備え得る。各プリントヘッドモジュールは、少なくとも1000個のプリントヘッドノズルを備え得る。各プリントヘッドモジュールは、少なくとも3000個のプリントヘッドノズルを備え得る。
【0057】
複数のプリントヘッドモジュールは、少なくとも10個のプリントヘッドモジュールを備え得る。複数のプリントヘッドモジュールは、少なくとも100個のプリントヘッドモジュールを備え得る。
【0058】
第3のプリントヘッドモジュールは、第2のプリントヘッドモジュールを介して第1のプリントヘッドモジュールに電気的に接続され得る。したがって、第3のプリントヘッドモジュール、第2のプリントヘッドモジュール、又は第1のプリントヘッドモジュールのうちのいずれかによって受信される電気信号は、第1のプリントヘッドモジュールに供給され、第2のプリントヘッドモジュールに向けて前方に中継され得、そこから第3のプリントヘッドモジュールに更に中継される。第3のプリントヘッドモジュールの制御回路構成は、第2のプリントヘッドモジュールを介して第1のプリントヘッドモジュールに電気的に接続され得る。このようにして、第1のプリントヘッドモジュールに供給される制御信号は、第3のプリントヘッドモジュールの制御回路構成によって受信され得る。
【0059】
複数のプリントヘッドモジュールは、碁盤目状のパターンで配置され得る。このため、プリントヘッドモジュールは、空間内に多数のプリントヘッドモジュールを設けることができることを確実にするために、いかなる隙間もなく効率的に一緒に収まることができる。
【0060】
複数のプリントヘッドモジュールは、ともに複数の異なる外部形状を有し得、複数の異なる外部形状は、プリントヘッドモジュールの数よりも少ない。したがって、複数のプリントヘッドモジュールのいくつかの繰り返し外部形状が存在し得る。複数の異なる外部形状の各々は、複数のプリントヘッドモジュール内で2回以上発生する場合がある。したがって、各々異なる外部形状を有する複数のプリントヘッドモジュールを製造し、一緒に使用してプリントヘッド組立体を形成することができる。
【0061】
複数のプリントヘッドモジュールは、各々実質的に同一の外部形状を有してもよい。よって、プリントヘッドモジュールの外部形状は同一であり、複数のプリントヘッドモジュールからプリントヘッド組立体を形成することが容易になる。複数のプリントヘッドモジュールが同じ外部形状を有する場合でさえ、それらは、複数のプリントヘッドモジュールの中でサブセットを形成する1つ以上のプリントヘッドモジュールに異なる機能性を提供するために異なる内部構成を有することができることが理解されるであろう。
【0062】
これはそれ自体が新規であると考えられ、したがって、本発明の別の態様によれば、更なるプリントヘッドモジュールに接続するための第1のプリントヘッドモジュールが提供され、更なるプリントヘッドモジュールは、第1のプリントヘッドモジュールと実質的に同一の外部形状を有する。第1のプリントヘッドモジュールは、複数のプリントヘッドノズルであって、プリント剤を複数のプリントヘッドノズルから選択的に吐出するためのアクチュエータが各々設けられた、複数のプリントヘッドノズルと、少なくとも1つのプリント剤入口(例えば、プリント剤入口又は複数のプリント剤入口)と複数のプリントヘッドノズルとの間の流体連通経路を提供する少なくとも1つのプリント剤マニホールド(例えば、プリント剤マニホールド又は複数のプリント剤マニホールド)と、プリントヘッドノズルからプリント剤を吐出するようにアクチュエータを制御する制御回路構成と、第1のプリントヘッドモジュールの、更なるプリントヘッドモジュールへの取り付けを容易にするように配置された接続部分と、を備える。
【0063】
したがって、モジュール配置で他のプリントヘッドモジュールと接続されてプリントヘッド組立体を提供することができるプリントヘッドモジュールが提供される。
【0064】
別の態様から見ると、プリントヘッドモジュールを製造する方法が提供される。方法は、基板内に集積制御回路を形成することと、集積制御回路と各々電気的に連通する複数の圧電アクチュエータを形成することと、各々が複数の圧電アクチュエータのそれぞれの1つに関連付けられた複数のノズル出口を形成することと、少なくとも1つのプリント剤入口(例えば、プリント剤入口又は複数のプリント剤入口)と複数のノズル出口との間の流体連通経路を画定する少なくとも1つのプリント剤マニホールド(例えば、プリント剤マニホールド又は複数のプリント剤マニホールド)を形成することと、を含む。
【0065】
したがって、複数の圧電作動ノズル出口を有するプリントヘッド組立体の文脈では、プリントヘッドモジュールのモジュールシステムを製造する方法が提供され得る。これは、集積制御回路を一体的に形成して、複数の圧電アクチュエータに接続し、複数の圧電アクチュエータを制御することによって可能になる。
複数のノズル出口は、基板を通って延在し得る。いくつかの例では、複数のノズル出口は、少なくとも部分的に、基板によって画定され得る。いくつかの例では、複数のノズル出口は、少なくとも部分的に、基板上に取り付けられた1つ以上の更なる層によって画定され得る。流体連通経路は、基板を通って延在し得る。
【0066】
別の態様から見ると、プリントヘッド組立体を製造する方法が提供される。方法は、各々が前述のように製造された、第1のプリントヘッドモジュール、第2のプリントヘッドモジュール、及び第3のプリントヘッドモジュールを製造することと、第1のプリントヘッドモジュールを、第2のプリントヘッドモジュールを介して第3のプリントヘッドモジュールに取り付けることと、を含む。このように、プリントヘッド組立体は、プリントヘッドモジュールを共通の足場構造にのみ取り付ける代わりに、プリントヘッドモジュールを互いに取り付けることによって形成することができる。
【0067】
別の態様から見ると、前述のプリントヘッド組立体と、各プリントヘッドモジュールのプリント剤マニホールドのプリント剤入口と流体接続する1つ以上のプリント剤源と、を備えるプリンタが提供される。したがって、当業者によって理解されるように、プリントヘッド組立体は、プリンタ内で使用され得る。
【0068】
別の態様から見ると、プリンタを提供することと、制御回路構成を動作させて、複数のプリントヘッドモジュールの複数のプリントヘッドノズルのうちの少なくとも1つからプリント剤を吐出することと、を含む、印刷する方法が提供される。したがって、プリンタのプリントヘッド組立体は、プリント剤を使用して印刷するように動作させられ得る。
【0069】
プリント剤は、インクであり得る。代替的に、プリント剤は、積層造形プリント剤であり得る。プリント剤は、表面上に堆積される複数のプリントヘッドノズルから制御可能に吐出されることができる実質的に任意の物質であることが理解されるであろう。プリント剤は、液体であり得る。プリント剤は、粉末であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0070】
次に、本発明の例示的な実施形態を、以下の図を参照して示す。
【0071】
【
図1】本明細書に開示されるアクチュエータ、プリントヘッドノズル、及び制御回路構成の配置を示す概略図である。
【
図2】複数のプリントヘッドノズルを含む、
図1に示す配置の図示である。
【
図3a】本明細書に開示されるプリントヘッドの制御回路構成のブロック図である。
【
図3b】本明細書に開示されるプリントヘッドの制御回路構成のブロック図である。
【
図4】本明細書に記載される回路構成のアクチュエータ制御信号のグラフ表示である。
【
図5】本明細書に開示されるプリントヘッドモジュールの例を示す。
【
図6】
図5に示す複数のプリントヘッドモジュールの配置を示す。
【
図7】プリントヘッドモジュールの製造の方法が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0072】
図1は、本明細書に開示されるアクチュエータ、プリントヘッドノズル、及び制御回路構成の配置を示す概略図である。
図1を参照すると、本発明による液滴吐出器組立体100(プリントヘッドモジュールとして機能する)は、シリコン基板102を備え、シリコン基板102は、シリコン基板102の第1の表面106上に制御回路構成104を備える。制御回路構成104は、典型的には、CMOS回路104の形態の集積回路104である。当業者は、CMOS回路が、基板のドープ領域及び金属化層の両方、並びに基板の第1の表面上に形成された相互接続部を備えることを理解するであろう。概して112として示されている複数の層が、シリコン基板102の第1の表面106上に形成されている。層112は、CMOS金属化層であり、金属導電性トレース及びSiO
2、SiN、SiONなどの不動態化絶縁体を備える。液滴吐出器組立体100は、この例ではAlN又はScAlNから形成されているが、450℃未満の温度で処理可能である別の好適な圧電材料で形成され得る圧電体120を備える圧電アクチュエータ118を更に備える。圧電アクチュエータ118は、シリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、又はそれらの誘導体などの材料の層を有するダイヤフラムを形成し、印加された電位が流体に接触することを防止する不動態化層160(ノズル画定層160と称されることもある)を有する。
【0073】
少なくとも1つの金属化層112は、相互接続を含み、外部コントローラからの信号を、ボンドパッド180を介して制御回路構成104の第1の部分105aに、かつ制御回路構成104の第2及び第3の部分105b、150cから電気相互接続108を介して圧電アクチュエータに、特に、電位差を印加するように配置された第1の電極140及び第2の電極142にわたって伝導し、それによって圧電体120を作動させる。開口部120aが、制御回路構成104の第2の部分105bと第2の電極142との間の電気相互接続108の通過のために圧電体120内に画定されている。
【0074】
圧電アクチュエータ118及び付随する不動態化層160は、導管124を介してインク(インクジェットプリンタの場合)又は別の印刷可能な流体(例えば、積層造形プリンタの場合)などのプリント剤を受容し、かつ液体を吐出するためにプリントヘッドノズル126と連通する、流体チャンバ122の壁を画定する。圧電アクチュエータ118及びノズル画定層160は、プリントヘッドノズル126の壁を更に画定する。導管124は、プリント剤入口(
図1には示されていない)とプリントヘッドノズル126(及び
図1には示されていない更なるプリントヘッドノズル)との間の流体連通経路を提供するプリント剤マニホールドの少なくとも一部を形成する。導管124は、シリコン基板102、金属化層112、及びノズル画定層160によって画定されている。保護前面170は、圧電アクチュエータ118を覆い保護するために提供され、かつノズル画定層160の表面162に当接する、液滴吐出器組立体100の外面を提供する。保護前面170は、ノズル126を画定するアパーチャを有する。圧電アクチュエータ118、チャンバ122、及びノズル126はともに、概して101として示されている液滴吐出器を形成する。
【0075】
典型的には、CMOS制御回路は、ドープされたシリコン及び金属化層のパターン化領域を備える。金属化層の数は、CMOS制御回路の複雑さに依存するが、多くの用途では3層で十分である。
【0076】
図1には1つのプリントヘッドノズル126及び圧電アクチュエータ118のみが示されているが、複数のプリントヘッドノズル126及び対応する圧電アクチュエータ118が典型的には提供されることが理解されるであろう。各圧電アクチュエータ118は、それぞれのプリントヘッドノズル126からのプリント剤の吐出を制御するように構成されている。
【0077】
図2は、複数のプリントヘッドノズルを含む、
図1に示す配置の図を示している。複数の液滴吐出器101(個々の圧電アクチュエータ、流体チャンバ、及び液滴吐出出口)を有するプリントヘッドモジュール100aを具体的に示す
図2を参照すると、限られた数の信号導体を有する可撓性ケーブル相互接続138は、異なるプリント剤、例えば、異なる色のインクを吐出するために、外部コントローラを、ワイヤを介して、101として示されている複数の液滴吐出器を備えるプリントヘッドモジュール100aに接続する。複数の液滴吐出器101を形成する圧電アクチュエータ118、制御回路構成104、及びプリントヘッドノズル126は、典型的には、単一のCMOS/アクチュエータ基板から形成されているが、各プリントヘッドモジュール100aのプリント剤マニホールドは、プリントヘッドノズル126と流体連通するように設けられた少なくとも1つの更なるコンポーネントによって少なくとも部分的に画定され得る。これらの例では、CMOS制御回路104の主要部分と同様に、CMOS制御回路は、各液滴吐出器に関連付けられた別個の回路素子104’を含み、これは、例えば、各圧電アクチュエータのためのラッチ及び吐出器トランジスタを備え得る。
【0078】
図3aは、プリントヘッド組立体のための制御回路構成のブロック図である。この例では、アクチュエータ制御は、プリントヘッドモジュール100a内のマシンコントローラ220と制御回路構成(例えば、CMOS回路)104との間に分散されている。それらは、単一又は複数の可撓性ケーブル相互接続138を通って延在する導体によって部分的に接続されている。複数のアクチュエータ120は、それらの電極140、142への電位の印加によって制御される。マシンコントローラは、関連データ及びプログラムコードを格納するメモリ202を有するマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラなどの少なくともプロセッサ200を備える。有線又は無線電子インターフェース204は、外部デバイスドライバから入力データを受信する。当業者であれば、マシンコントローラは、例えば、ディザマトリクスを使用して印刷するために画像をピクセル化されたパターンに変換する1つのコンポーネント、及びピクセル化されたパターンを異なるノズルのための印刷パターンに変換する別個のコンポーネントなど、いくつかの別個のコンポーネント又は機能モジュール間に分散され得ることを理解するであろう。
【0079】
マシンコントローラは、少なくとも1つの波形発生器と、1つ以上の駆動信号導体210を介してプリントヘッドにアクチュエータ制御パルス(
図4に示す)の連続パターンを提供する電圧増幅器208と、を備え得る。接地導体212はまた、マシンコントローラから液滴吐出器組立体100まで延在する。(分かり易くするために、プリントヘッド内の接地接続は図示されていない)。プロセッサ200は、典型的にはシリアルバスとしてデジタル制御信号214を生成し、また、印刷をプリントヘッドの動きと同期させる機能を果たすクロック信号216をプリントヘッドに送信する。コネクタはまた、CMOS制御電子機器の動作電圧に関連する電圧レベルを提供する。
【0080】
プリントヘッドモジュール100a内で、接触パッド136が、可撓性コネクタの導体に接続されており、信号は、パターン化された金属化された層112を介してCMOS制御回路104に、かつCMOS制御回路からそれぞれの圧電アクチュエータ内の個々の圧電体120を作動させる電極140、142にルーティングされる。基板102上の制御回路104は、電極140、142と直接電気的に接続されている(すなわち、更なるスイッチング半導体接合部を介さない)出力を有する吐出トランジスタを含む吐出スイッチ回路220を備える。吐出スイッチ回路は、アクチュエータ制御パルス信号を切り替え、電極のうちの1つが接地に接続されたままである場合、吐出スイッチ回路は、アクチュエータごとに単一のトランジスタ、又は電極ごとに単一のトランジスタと同じくらいよう単純であり、その電極に印加された信号を切り替え得る。吐出スイッチ回路は、各液滴吐出器に近接する部分(例えば、トランジスタ、又はトランジスタ及びラッチ)を有する基板の周りに分散され得る。
【0081】
吐出スイッチ回路は、電力増幅を実行しない。代わりに、吐出スイッチ回路はアクチュエータ制御パルスを切り替え、各パルスについて、各パルスがそれぞれのアクチュエータに中継されているかどうかを判定する。電圧増幅は、増幅器208によってマシンコントローラ内で実行される。
【0082】
吐出スイッチ回路は、ラッチ及びシフトトランジスタ222によって制御され、ラッチ及びシフトトランジスタ222は、受信したデータを処理し、例えば、受信したシリアルデータを変換し、これらをレジスタ226に格納し、かつ受信したデータを使用して各連続したアクチュエータ発射イベント中にどのアクチュエータを作動させるかを決定する、制御回路224からデジタルデータを受信し格納する。制御回路228はまた、各アクチュエータの電圧スイッチングの正確なタイミングをカスタマイズするために使用されるトリムデータを格納し、これは典型的には、セットアップ時の較正ステップ中に決定され、ノズルの物理的レイアウト、セキュリティ情報、及び又はノズル作動カウント履歴情報を示す構成データ230を格納し得る。制御回路224はまた、センサ232、234、236からデータを受信し、そのうちのいくつかは、個々のアクチュエータに関連付けられた、例えば、ノズル充填レベルセンサであり、そのうちのいくつかは、プリントヘッド全体の機能に関連する感知パラメータ、例えば、温度センサである。
【0083】
図3bは、プリントヘッド組立体の制御回路構成の更なるブロック図である。制御回路構成は、
図3aに関して説明したものと実質的に類似しているが、電気信号(例えば、駆動信号導体210を介したアクチュエータ制御パルス、デジタル制御信号214、及びクロック信号216)は、一緒にプリントヘッドモジュール100a、100b、100cに転送される。換言すれば、電気信号210、214、216は、第1のプリントヘッドモジュール100a及び第2のプリントヘッドモジュール100bを介して第3のプリントヘッドモジュール100cに転送される。このようにして、マシンコントローラ220と複数のプリントヘッドモジュール100a、100b、100cとの間の電気接続は、マシンコントローラ220が第1のプリントヘッドモジュール100aにのみ直接電気的に接続されている場合でも提供され得ることが理解されるであろう。
【0084】
各プリントヘッドモジュール100a、100b、100cは、制御回路構成104及び複数の(例えば、少なくとも2つの)アクチュエータ120を含み、電気信号は、各プリントヘッドモジュール100a、100b、100c上の制御回路構成104を介して、複数のプリントヘッドモジュール100a、100b、100cのうちのいずれか上のアクチュエータ120のうちの1つ以上の任意の組み合わせの作動を提供し得る。電気信号210、214、216の各々は、プリントヘッドモジュール100a、100b、100cの各々の制御回路構成104に電気的に接続されている。
【0085】
電気信号は、典型的には、特定のプリントヘッドモジュール100a、100b、100c、及び所与のプリントヘッドモジュール100a、100b、100c上の特定のアクチュエータ120を示すアドレス情報を含み、動作させられたアクチュエータ120に関連付けられたプリントヘッドノズルからのプリント剤の吐出を引き起こすように動作させられる。
【0086】
図4(a)、4(b)及び4(c)は、代替の実施形態における、波形発生器又は電圧増幅206によって生成される3つの可能な駆動波形を示している。x軸は時間(ミリ秒単位)であり、y軸はアクチュエータのμm厚さ当たりの電位である。この例では、圧電体が非強誘電体材料で作製されているため、パルスはいずれの方向にも印加され得る。
図4(a)では、信号のデフォルト電圧は0であり、各パルスにおいて、正の電位に切り替えられ、所定の期間後にゼロに戻る。
図4(b)では、信号のデフォルト電圧は0であり、最初に正の電位に切り替えられ(圧電アクチュエータを一方向に変形させ)、次に負の電位に切り替えられて(圧電アクチュエータを反対方向に変形させて)から、ゼロに戻る。
図4(c)では、信号のデフォルト電圧は200Vであり、-200Vの電圧に切り替えられてから(圧電体内の電界の方向を逆にする)、200Vに戻る。
【0087】
動作中、プロセッサ200は、インターフェース204を介してビットマップなどのデジタル形式の印刷データを受信し、このデータを既知の手段によって処理して、一連の印刷命令を、シリアル接続216を介して各プリントヘッドモジュールに送信する。これらの印刷命令は、印刷サイクル中に液滴を吐出するか、及びいつ吐出するかについての各プリントヘッドモジュールに対する命令と同様に詳細であり得る。一実施形態では、波形発生器は、個々の圧電アクチュエータの電極への適用に好適な繰り返し電圧パルスを生成する。これらは、プリントヘッド上の液滴吐出イベント間の時間を決定する時間間隔を有する周期的なものである。代替的に、電圧増幅208は、複数の電圧レベルのうちの単一の電圧レベルをプリントヘッド組立体に提供し、維持し得る。プリントヘッドモジュール内の吐出トランジスタは、CMOS制御回路に従ってこれらの電圧を切り替えることとなる。
【0088】
波形発生器又は複数の波形発生器は、プリントヘッド上に位置せず、多数の圧電アクチュエータを駆動するために使用されるため、問題を引き起こすことなく、かなりの量の熱を生成し得る。実質的な基板空間の制限はないため、波形発生器又は複数の波形発生器は、選択された、かつ任意選択的に可変的なスルーレートを用いて波形の形状を慎重に制御するように適合された比較的複雑な回路であり得、電力増幅器は、同時に作動され得る全てのアクチュエータが一緒に作動され得る場合に、最大可能電流要件までの所望の電圧を生成するように選択され得る。
【0089】
個々のプリントヘッド基板上の制御回路224は、シリアル接続216を介して印刷命令を受信し、それらを処理する(例えば、シリアル命令から並列命令への変換)。クロック信号214を参照して、各個々の圧電アクチュエータを作動させて各印刷サイクル中に液滴を吐出すべきかどうかが判定され、このデータはラッチ222にロードされる。各印刷サイクル中の適切な時点で、ラッチされたデータは、吐出スイッチ回路に渡され、それによって、受信した印刷波形をそれぞれのアクチュエータ素子の電極に切り替えて、液滴吐出サイクルを実行させるか、又はそうしないかのいずれかであり、そうしない場合、それぞれのアクチュエータ素子の両方の電極が接地に接続されたままであり、液滴吐出器は液滴吐出サイクルを実行しない。
【0090】
センサ232、234、236は、印刷中に監視される。受信した印刷波形をそれぞれのアクチュエータ素子の電極に切り替える正確なタイミングは、温度感受性CMOS素子を使用して温度の測定に応答して変化させることができる。
【0091】
各ノズルは、作動寿命に起因するプリントヘッド組立体によるウェハ製造(単一ウェハ上、又はウェハロット間)のばらつきに基づいて、わずかに異なる吐出特性挙動(ドロップ体積、速度)を有し得る。このデータは、CMOS制御回路によって特定のノズルの駆動波形を、例えば、作動パルスの持続時間を変更するか、若しくは別のレベルに切り替えるなど、変化させるか、又は、特定のノズルを異なる駆動波形に切り替えるために使用され得る。
【0092】
いくつかのインクの粘度及び表面張力は温度に対して非常に敏感であり、これは、最終的に液滴吐出特性を変化させる。特定の印刷パターンでは、特定のノズルは連続的に発射するが、他のノズルは散発的に発射することとなる。これにより、可変的な熱パターンが生じることとなる。監視された温度は、制御回路によって使用されて、波形及び/又はコントローラへのフィードバック制御情報を修正して、印刷速度などを低下させるなどの適切なアクションを行うことができる。
【0093】
シフトレジスタは、液滴発射パターン情報をラッチレジスタに移動させる。したがって、シフトレジスタは、シリアル接続とインターフェースし、所与の印刷サイクルにおいて全ての印刷データをラッチレジスタに移動させる。ラッチレジスタは、吐出レジスタとインターフェースして、印刷コマンドを開始する。
【0094】
図5は、本明細書に開示され、複数の他のプリントヘッドモジュールに接続されている(
図6に示されるように)、プリントヘッドモジュール300を示している。プリントヘッドモジュール300は、複数のプリント剤入口310の形態のプリント剤入口310を含む。プリント剤は、プリント剤入口310を介してプリントヘッドモジュール300に入り、本明細書で前述されたように、1つ以上のプリント剤マニホールド(
図5には図示せず)において複数のプリントヘッドノズルに内部でルーティングされ得る。この例では、プリント剤入口310は、プリントヘッドモジュール300の横方向側面上にある。プリントヘッドモジュール300は、プリントヘッドモジュール300からプリントヘッドノズルを介して放出されないプリント剤を、プリントヘッドモジュール300に接続された更なるプリントヘッドモジュールに中継することができる、プリント剤出口320を更に含む。換言すれば、プリント剤出口320は、更なるプリントヘッドモジュールのプリント剤入口310と整列するように構成されている。
【0095】
プリントヘッドノズルは、印刷領域340内に設けられており、そこからプリントヘッドモジュール300の動作においてプリント剤が制御可能に吐出される。
【0096】
プリント剤マニホールド又はプリント剤マニホールドの各々は、特定のプリントヘッドモジュール300に固有のものであり得る。プリント剤マニホールドの表面特性は、プリント剤に供給されるプリント剤と適合するように構成され得る。
【0097】
制御信号及び/又は電力信号は、可撓性相互接続330を介してプリントヘッドモジュール300に提供される。
【0098】
図6は、組み立てられた配置で一緒に接続された複数のプリントヘッドモジュール300の配置400を示している。本例では、プリントヘッドモジュール300は4行あり、各行は5つのプリントヘッドモジュール300を含むが、他の構成が可能であることが理解されるであろう。
【0099】
分かり易くするために、
図6には5つのプリントヘッドモジュール300のみがラベル付けされているが、
図6は、合計20個のプリントヘッドモジュール300を含むことが理解されるであろう。
【0100】
図6から、複数のプリントヘッドモジュール300が完全に碁盤目状であることが分かり、それは、それらの間に隙間がないことを意味し、それによって、プリントヘッドモジュール300の特に空間効率の良い配置を提供する。しかしながら、他の例では、プリントヘッドモジュール300のいくつかの部分の間に空間が存在し得る。
【0101】
配置400は、第1の行410、第2の行420、第3の行420、及び第4の行440を含む。第2の行420は、第1の行410内のプリントヘッドモジュール300の印刷領域340が、第2の行420内のプリントヘッドモジュール300の印刷領域340に横方向にのみ部分的に重複するように、第1の行410からオフセットされている。第3の行430及び第4の行440は、第3の行430の印刷領域340が、第1の行410の印刷領域340と実質的に横方向に一致し、第4の行440の印刷領域340が、第2の行420の印刷領域340と実質的に横方向に一致するように、第1の行410及び第2の行420と同様の方法でオフセットされている。したがって、いくつかの例では、第4の行440は、第2の行420に冗長性を提供することができ、第3の行430は、第1の行410に冗長性を提供することができる。他の例では、重複する行内の対応するプリントヘッドモジュールのプリントヘッドノズルに異なるプリント剤を提供することができる。
【0102】
図6に示すプリントヘッドモジュールの配置400は、プリントヘッドモジュール300内に冗長性を提供するために使用することができる。
【0103】
プリントヘッドモジュール300の形状は、示されている形状に限定されず、更なるプリントヘッドモジュール300に接続される任意の好適な形状であってもよいことが理解されるであろう。
【0104】
図7は、プリントヘッドモジュールを製造する方法を例示するフローチャートを示している。プリントヘッドモジュールを製造する方法500は、基板102上に集積回路(例えば、CMOS制御回路104、134、及び金属相互接続層112)を形成すること510を含む。CMOS回路は、p型又はn型の基板上へのイオン注入を含む標準的なCMOS処理方法論によって形成され、後の相互接続は、イオン注入、化学気相堆積、物理気相堆積、エッチング、化学機械平坦化、及び/又は電気めっきなどの標準的なプロセスによっても形成される。
【0105】
追加の材料の層が、連続的な薄膜堆積技術を用いて、介在する圧電体を有する、電極140及び142を含む基板上に形成される。したがって、方法500は、各々が集積回路と電気的に連通する複数のアクチュエータ(典型的には圧電アクチュエータ)を形成すること520を更に含む。各ステップは、CMOS制御回路への損傷を避けなければならない。圧電体は、PVDによって450℃未満の温度で堆積され得るAlN又はScAlNなどの材料で形成される(低温スパッタリングを含む)。電極は、例えば、チタン、白金、アルミニウム、タングステン、又はそれらの合金から形成される。
【0106】
方法500は、各アクチュエータに関連付けられたノズル出口を形成すること530を更に含む。換言すれば、複数のノズル出口が形成される。各ノズル出口は、複数のアクチュエータのそれぞれの1つに関連付けられる。各ノズル出口は、基板を通って延在する。典型的には、各ノズル出口は、基板上の1つ以上の更なる層を通って更に延在する。方法500はまた、複数のノズル出口に向かってプリント剤をルーティングさせるためのプリント剤マニホールドを形成すること540を含む。プリント剤マニホールドは、ノズル出口の形成の前又は後に形成され得る。プリント剤マニホールドは、複数のアクチュエータの形成の前又は後に形成され得る。プリント剤マニホールドは、プリントヘッドモジュールのプリント剤入口と複数のノズル出口との間の流体連通経路を画定する流体チャネルである。基板を通る流体チャネル及びアパーチャは、DRIEなどのエッチング手順を用いて形成され得る。チャネル画定層128は、シリコンMEMS基板のDRIEエッチング及びウェハ接合を用いて形成され得る。ノズル画定層は、後で画定するチャネル上に堆積するか、又は接着することによって、金属、シリコンMEMSウェハ、又はプラスチック材料で形成することができる。各液滴吐出器チップは、可撓性相互接続を介してマシンコントローラに接続される。
図1による従来技術のデバイスとは対照的に、可撓性相互接続における個別の導体の数は制限され、例えば、4~16個の導体である。
【0107】
圧電体が形成される材料は、圧電体を含む圧電アクチュエータが形成されるCMOS制御回路を損傷させることを避ける必要があるため、PZTであり得ず、及びPZTではない。したがって、圧電アクチュエータは、その精密な組成に応じて、PZTよりもはるかに低く、通常は少なくとも1つ、潜在的に2桁低い圧電定数d31を有する。
【0108】
プリントヘッドモジュールは、本明細書に記載されるものからの代替的な構成を有し得ることが理解されるであろう。
【0109】
可撓性相互接続は、プリントヘッド組立体の縁に取り付けられ、例えば、異なる色のインク(又は積層プリンタの場合は他の材料)のためのプリントヘッドモジュール、又は個々のプリントヘッドモジュール内の単一の連続基板内に全て形成され得る異なる色のインク(又は他の材料)のための液滴吐出器などの、いくつか又は多くの個々のプリントヘッドモジュールを駆動するために使用され得る。
【0110】
代替の実施形態では、波形発生器を含むマシンコントローラと、プリントヘッドモジュール及びその上のCMOS制御回路に伝導されている波形と、の代わりに、CMOS制御回路は、圧電アクチュエータを作動させ、例えば、接地と固定電圧との間、又は、そのうちの1つ以上が接地であり得る複数の固定電圧レベルとの間で、各圧電アクチュエータの1つ以上の電極に印加された電圧を切り替えることによって、液滴吐出を引き起こす。この場合、可撓性コネクタ138は、マシンコントローラからプリントヘッドモジュールに固定電圧を運ぶ1つ以上の導電体を含む。
【0111】
要約すると、第1のプリントヘッドモジュール、第2のプリントヘッドモジュール、及び第3のプリントヘッドモジュールを含む、複数のプリントヘッドモジュール(100a)を備える、プリントヘッド組立体が提供される。複数のプリントヘッドモジュール(100a)の各々は、複数のプリントヘッドノズル(126)であって、プリント剤を複数のプリントヘッドノズル(126)から選択的に吐出するためのアクチュエータ(118)が各々設けられた、複数のプリントヘッドノズル(126)と、少なくとも1つのプリント剤入口と複数のプリントヘッドノズル(126)との間に流体連通経路を提供する少なくとも1つのプリント剤マニホールド(122、124)と、プリントヘッドモジュール(100a)のアクチュエータ(118)を制御してプリントヘッドノズル(126)からプリント剤を吐出する制御回路構成(104)と、を備える。第1のプリントヘッドモジュールは、第2のプリントヘッドモジュールを介して第3のプリントヘッドモジュールに取り付けられている。
【国際調査報告】