(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-12
(54)【発明の名称】音響出力装置
(51)【国際特許分類】
H04R 1/00 20060101AFI20240104BHJP
H04R 1/10 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
H04R1/00 317
H04R1/10 104A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540620
(86)(22)【出願日】2021-05-27
(85)【翻訳文提出日】2023-06-30
(86)【国際出願番号】 CN2021096377
(87)【国際公開番号】W WO2022213462
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】202110383452.2
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202120727654.X
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521080118
【氏名又は名称】シェンツェン・ショックス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 磊
(72)【発明者】
【氏名】王 真
(72)【発明者】
【氏名】王 力▲維▼
(72)【発明者】
【氏名】童 ▲ペイ▼耕
(72)【発明者】
【氏名】廖 ▲風▼云
(72)【発明者】
【氏名】▲齊▼ 心
(72)【発明者】
【氏名】石 ▲縣▼委
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ ▲帥▼林
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 云斌
【テーマコード(参考)】
5D005
5D017
【Fターム(参考)】
5D005BE01
5D017AB13
(57)【要約】
本明細書は、音響出力装置に関する。前記音響出力装置は、オーディオ信号を振動信号に変換するスピーカーアセンブリと、前記スピーカーアセンブリに電気的に接続された機能アセンブリと、前記スピーカーアセンブリ及び前記機能アセンブリに接続される支持構造と、を含んでもよく、前記支持構造内には、前記機能アセンブリに電気的に接続された金属体が設置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーディオ信号を振動信号に変換するスピーカーアセンブリと、
前記スピーカーアセンブリに電気的に接続された機能アセンブリと、
前記スピーカーアセンブリ及び前記機能アセンブリに接続される支持構造と、を含み、前記支持構造内には、前記機能アセンブリに電気的に接続された金属体が設置される、ことを特徴とする音響出力装置。
【請求項2】
前記金属体は、前記音響出力装置のアンテナとする、ことを特徴とする請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項3】
前記支持構造は、耳掛けアセンブリ及び後掛けアセンブリを含み、前記耳掛けアセンブリは、前記スピーカーアセンブリと前記機能アセンブリとの間に接続され、前記後掛けアセンブリは、2組の前記機能アセンブリの間に接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の音響出力装置。
【請求項4】
前記後掛けアセンブリ内に前記金属体が設置され、前記金属体の少なくとも一端は、前記機能アセンブリに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項3に記載の音響出力装置。
【請求項5】
前記機能アセンブリは、2組の機能アセンブリを含み、前記金属体の両端は、それぞれ前記2組の機能アセンブリに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項4に記載の音響出力装置。
【請求項6】
前記金属体は、第1のサブアンテナ及び第2のサブアンテナを含み、前記第1のサブアンテナと前記第2のサブアンテナとは、それぞれ、対応する組の機能アセンブリに電気的に接続され、前記第1のサブアンテナと前記第2のサブアンテナとは、間隔をあけて設置される、ことを特徴とする請求項4に記載の音響出力装置。
【請求項7】
前記第1のサブアンテナと前記第2のサブアンテナとの長さは、いずれも第1の長さ閾値以上である、ことを特徴とする請求項6に記載の音響出力装置。
【請求項8】
前記耳掛けアセンブリ内に前記金属体が設置され、前記金属体の一端は、前記機能アセンブリに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項3に記載の音響出力装置。
【請求項9】
前記金属体の長さは、第2の長さ閾値以上である、ことを特徴とする請求項4又は8に記載の音響出力装置。
【請求項10】
前記支持構造は、前記スピーカーアセンブリと前記機能アセンブリとの間に接続されて、前記音響出力装置の耳掛けアセンブリとし、装着状態で人体の耳部に跨って支持される、ことを特徴とする請求項2に記載の音響出力装置。
【請求項11】
前記金属体の端部に溶接金属層が覆われ、前記金属体は、前記溶接金属層により前記機能アセンブリにおける主制御回路基板に溶接される、ことを特徴とする請求項2に記載の音響出力装置。
【請求項12】
前記溶接金属層は、亜鉛めっき層である、ことを特徴とする請求項11に記載の音響出力装置。
【請求項13】
前記支持構造は、前記金属体及び金属コネクタを含む後掛けアセンブリを含み、前記金属コネクタは、前記金属体の両端にそれぞれ外嵌固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項14】
前記金属体の前記金属コネクタの内部に位置する第1の部分の前記金属体の前記金属コネクタの外部に位置する第2の部分に対する変形量は、第1の変形閾値以下である、ことを特徴とする請求項13に記載の音響出力装置。
【請求項15】
前記変形量は、前記第1の部分の断面の幾何学的中心を通る任意の方向に沿った断面寸法φ1と、前記第2の部分の断面の幾何学的中心を通り、かつ前記第1の部分の断面寸法φ1の方向と同じである方向に沿った断面寸法φ2と、に基づいて決定される、ことを特徴とする請求項14に記載の音響出力装置。
【請求項16】
前記第1の部分の外表面にローレット構造が設置される、ことを特徴とする請求項14に記載の音響出力装置。
【請求項17】
前記ローレット構造の深さと前記第1の部分の断面寸法φ1との比は、第1の割合閾値以下である、ことを特徴とする請求項16に記載の音響出力装置。
【請求項18】
前記金属コネクタに取付孔が設置され、前記金属体は、前記取付孔に挿入されるとともに、溶接の方式で前記金属コネクタに接続される、ことを特徴とする請求項14に記載の音響出力装置。
【請求項19】
前記金属体の端部は、さらに、前記金属コネクタの外端面から露出し、前記金属体と前記金属コネクタとの溶接点は、前記金属体の露出部分と前記金属コネクタの外端面との間に形成される、ことを特徴とする請求項18に記載の音響出力装置。
【請求項20】
前記金属コネクタは、ダイカストの方式で前記金属体に接続される、ことを特徴とする請求項13に記載の音響出力装置。
【請求項21】
前記後掛けアセンブリは、弾性被覆体をさらに含み、前記弾性被覆体は、前記金属体を被覆して、さらに収容室被覆部を形成し、前記収容室被覆部の少なくとも一部は、収容室を被覆し、前記収容室は、電池又は主制御回路基板を収容する、ことを特徴とする請求項13に記載の音響出力装置。
【請求項22】
前記後掛けアセンブリは、導線をさらに含み、前記導線は、長さが前記金属体の長さより大きく、かつ前記金属体の一端から他端まで延在し、
前記弾性被覆体は、射出成形の方式で前記導線を被覆し、配線通路が設置され、前記金属体は、前記配線通路に穿設され、前記配線通路の寸法は、前記金属体が前記配線通路内で移動することを許可するように設定され、或いは、
前記弾性被覆体に配線通路が設置され、前記金属体及び前記導線は、前記配線通路に穿設され、前記配線通路の寸法は、前記金属体及び前記導線が前記配線通路内で移動することを許可するように設定される、ことを特徴とする請求項21に記載の音響出力装置。
【請求項23】
前記収容室被覆部は、前記金属コネクタに近接する第1の被覆部と、前記金属コネクタから離れた第2の被覆部と、を含み、前記第1の被覆部及び前記第2の被覆部は、それぞれ、前記収容室に接着固定され、前記第2の被覆部と前記収容室との接着強度は、前記第1の被覆部と前記収容室との接着強度より大きい、ことを特徴とする請求項21に記載の音響出力装置。
【請求項24】
前記第2の被覆部の内部に遷移接続部材が射出成形され、前記遷移接続部材と前記収容室との接着強度は、前記第2の被覆部と前記収容室との接着強度より大きい、ことを特徴とする請求項23に記載の音響出力装置。
【請求項25】
前記収容室は、プラスチック製の部品であり、前記遷移接続部材は、金属製の部品又はプラスチック製の部品である、ことを特徴とする請求項24に記載の音響出力装置。
【請求項26】
前記第1の被覆部は、第1の接着剤により前記収容室に固定的に接続され、前記第2の被覆部は、第2の接着剤により前記収容室に固定的に接続され、前記第2の接着剤の硬化速度は、前記第1の接着剤の硬化速度より大きい、ことを特徴とする請求項23に記載の音響出力装置。
【請求項27】
前記収容室は、収容室本体及びカバープレートを含み、前記収容室本体は、一端が開口した収容空間を形成し、前記カバープレートは、前記収容室本体の開口端に覆設され、前記第1の被覆部は、スリーブ状に設置されるとともに、前記収容室本体及び前記カバープレートの周辺に外嵌され、前記第2の被覆部は、ストライプ状に設置されるとともに、前記カバープレートを覆う、ことを特徴とする請求項23に記載の音響出力装置。
【請求項28】
前記収容室本体の開口端には、外端面と、内側面と、前記外端面及び前記内側面を接続する遷移面と、が設置され、前記カバープレートと前記遷移面の少なくとも一部の領域とは、間隔をあけて設置されて、前記カバープレートと前記遷移面との間に、接着剤収容用の接着剤収容空間が形成される、ことを特徴とする請求項27に記載の音響出力装置。
【請求項29】
前記カバープレートは、カバープレート本体及び前記カバープレート本体に接続された環状フランジを含み、前記カバープレート本体は、前記外端面に覆設されるとともに、前記外端面に接触し、前記環状フランジは、前記収容室本体に挿入され、前記接着剤収容空間は、前記遷移面と前記カバープレート本体の下表面及び前記環状フランジの外側面との間に形成される、ことを特徴とする請求項28に記載の音響出力装置。
【請求項30】
前記遷移面は、平面であり、前記外端面と前記内側面とにそれぞれ鈍角で接続され、前記遷移面と前記外端面との間の鈍角は、前記遷移面と前記内側面との間の鈍角より小さい、ことを特徴とする請求項29に記載の音響出力装置。
【請求項31】
前記収容室内に前記主制御回路基板が設置され、前記主制御回路基板にスイッチアセンブリが設置され、前記スイッチアセンブリは、第1の固定部、第2の固定部及びスイッチ本体を含み、前記第1の固定部は、前記主制御回路基板の主表面にフィットして設置され、前記第2の固定部は、前記第1の固定部に湾曲して接続されるとともに、前記主制御回路基板の側表面にフィットして設置され、前記スイッチ本体は、前記第2の固定部の前記主制御回路基板から離れた側に設置される、ことを特徴とする請求項29に記載の音響出力装置。
【請求項32】
前記カバープレート本体にキー孔が設置され、耳掛けアセンブリは、前記カバープレート本体の前記環状フランジから離れた側に固定されたキーアセンブリをさらに含み、前記キーアセンブリは、ユーザーによって印加された押圧力を受け、かつ前記キー孔により前記スイッチアセンブリをトリガー可能であるように設置され、前記キーアセンブリによる前記スイッチアセンブリへの押圧の方向は、前記主制御回路基板の主表面に平行である、ことを特徴とする請求項31に記載の音響出力装置。
【請求項33】
前記スイッチアセンブリ、前記キー孔及び軟質キーの数は、それぞれ2つであり、それぞれ一対一に対応して設置され、各前記軟質キーの中間突起部に止まり穴が設置され、各前記軟質キーの縁部接続部は、前記カバープレート本体と前記第2の被覆部との間に位置し、前記第2の被覆部には、前記キー孔にそれぞれ対応する逃げ孔が設置され、各前記軟質キーの前記中間突起部は、前記逃げ孔から露出し、硬質キーは、一体に接続された押圧部及び挿入柱を含み、前記押圧部は、前記第2の被覆部の前記カバープレート本体から離れた側に位置し、前記挿入柱も2つであり、各前記挿入柱は、それぞれ1つの前記止まり穴に嵌め込まれる、ことを特徴とする請求項32に記載の音響出力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、音響出力の技術分野に関し、特に音響出力装置に関する。
【0002】
[参照による援用]
本明細書は、2021年4月9日に提出された中国出願第202110383452.2号及び2021年4月9日に提出された中国出願第202120727654.X号の優先権を主張するものであり、それらの全ての内容は、参照により本願に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
音響出力技術の発展に伴い、音響出力装置は、非常に広く応用されている。音響出力装置は、特定の範囲で音響伝導を実現する携帯型オーディオ出力装置である。人々の日常生活(例えば、ソーシャル、娯楽、仕事など)における音響出力装置の絶え間ない普及に伴い、人々の音響出力装置の品質に対する要求もますます高くなっている。イヤホン(開放型イヤホン、カナル型イヤホン、耳掛け型イヤホンなど)のような音響出力装置を例として、従来のイヤホンは、スピーカーアセンブリ又は機能アセンブリにおけるデバイスが多いため、全体がシンプルではなく、かつ装着快適さに影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、デバイスがシンプルで、装着が快適なイヤホンが強く求められている。また、優れた構造信頼性、外観品質及び装着快適さが強く求められている以外に、ユーザーがイヤホンを使用するときに、聴覚、装着などの面で良好な体験を有することを十分に保証するために、ベースエクステンション、高音の透き通る音質及び長いバッテリー駆動時間が強く求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書の実施例に係る音響出力装置は、オーディオ信号を振動信号に変換するスピーカーアセンブリと、前記スピーカーアセンブリに電気的に接続された機能アセンブリと、前記スピーカーアセンブリ及び前記機能アセンブリに接続される支持構造と、を含み、前記支持構造内には、前記機能アセンブリに電気的に接続された金属体が設置される。
【0006】
いくつかの実施例では、前記金属体は、前記音響出力装置のアンテナとする。
【0007】
いくつかの実施例では、前記支持構造は、耳掛けアセンブリ及び後掛けアセンブリを含み、前記耳掛けアセンブリは、前記スピーカーアセンブリと前記機能アセンブリとの間に接続され、前記後掛けアセンブリは、2組の前記機能アセンブリの間に接続される。
【0008】
いくつかの実施例では、前記後掛けアセンブリ内に前記金属体が設置され、前記金属体の少なくとも一端は、前記機能アセンブリに電気的に接続される。
【0009】
いくつかの実施例では、前記機能アセンブリは、2組の機能アセンブリを含み、前記金属体の両端は、それぞれ前記2組の機能アセンブリに電気的に接続される。
【0010】
いくつかの実施例では、前記金属体は、第1のサブアンテナ及び第2のサブアンテナを含み、前記第1のサブアンテナと前記第2のサブアンテナとは、それぞれ、対応する組の機能アセンブリに電気的に接続され、前記第1のサブアンテナと前記第2のサブアンテナとは、間隔をあけて設置される。
【0011】
いくつかの実施例では、前記第1のサブアンテナと前記第2のサブアンテナとの長さは、いずれも第1の長さ閾値以上である。
【0012】
いくつかの実施例では、前記耳掛けアセンブリ内に前記金属体が設置され、前記金属体の一端は、前記機能アセンブリに電気的に接続される。
【0013】
いくつかの実施例では、前記金属体の長さは、第2の長さ閾値以上である。
【0014】
いくつかの実施例では、前記支持構造は、前記スピーカーアセンブリと前記機能アセンブリとの間に接続されて、前記音響出力装置の耳掛けアセンブリとし、装着状態で人体の耳部に跨って支持される。
【0015】
いくつかの実施例では、前記金属体の端部に溶接金属層が覆われ、前記金属体は、前記溶接金属層により前記機能アセンブリにおける主制御回路基板に溶接される。
【0016】
いくつかの実施例では、前記溶接金属層は、亜鉛めっき層である。
【0017】
いくつかの実施例では、前記支持構造は、前記金属体及び金属コネクタを含む後掛けアセンブリを含み、前記金属コネクタは、前記金属体の両端にそれぞれ外嵌固定される。
【0018】
いくつかの実施例では、前記金属体の前記金属コネクタの内部に位置する第1の部分の前記金属体の前記金属コネクタの外部に位置する第2の部分に対する変形量は、第1の変形閾値以下である。
【0019】
いくつかの実施例では、前記変形量は、前記第1の部分の断面の幾何学的中心を通る任意の方向に沿った断面寸法φ1と、前記第2の部分の断面の幾何学的中心を通り、かつφ1の方向と同じである方向に沿った断面寸法φ2と、に基づいて決定される。
【0020】
いくつかの実施例では、前記第1の部分の外表面にローレット構造が設置される。
【0021】
いくつかの実施例では、前記ローレット構造の深さと前記第1の部分の断面寸法φ1との比は、第1の割合閾値以下である。
【0022】
いくつかの実施例では、前記金属コネクタに取付孔が設置され、前記金属体は、前記取付孔に挿入されるとともに、溶接の方式で前記金属コネクタに接続される。
【0023】
いくつかの実施例では、前記金属体の端部は、さらに、前記金属コネクタの外端面から露出し、前記金属体と前記金属コネクタとの溶接点は、前記金属体の露出部分と前記金属コネクタの外端面との間に形成される。
【0024】
いくつかの実施例では、前記金属コネクタは、ダイカストの方式で前記金属体に接続される。
【0025】
いくつかの実施例では、前記後掛けアセンブリは、弾性被覆体をさらに含み、前記弾性被覆体は、前記金属体を被覆して、さらに収容室被覆部を形成し、前記収容室被覆部の少なくとも一部は、収容室を被覆し、前記収容室は、電池又は主制御回路基板を収容する。
【0026】
いくつかの実施例では、前記後掛けアセンブリは、導線をさらに含み、前記導線は、長さが前記金属体の長さより大きく、かつ前記金属体の一端から他端まで延在し、前記弾性被覆体は、射出成形の方式で前記導線を被覆し、配線通路が設置され、前記金属体は、前記配線通路に穿設され、前記配線通路の寸法は、前記金属体が前記配線通路内で移動することを許可するように設定され、或いは、前記弾性被覆体に配線通路が設置され、前記金属体及び前記導線は、前記配線通路に穿設され、前記配線通路の寸法は、前記金属体及び前記導線が前記配線通路内で移動することを許可するように設定される。
【0027】
いくつかの実施例では、前記収容室被覆部は、前記金属コネクタに近接する第1の被覆部と、前記金属コネクタから離れた第2の被覆部と、を含み、前記第1の被覆部及び前記第2の被覆部は、それぞれ、前記収容室に接着固定され、前記第2の被覆部と前記収容室との接着強度は、前記第1の被覆部と前記収容室との接着強度より大きい。
【0028】
いくつかの実施例では、前記第2の被覆部の内部に遷移接続部材が射出成形され、前記遷移接続部材と前記収容室との接着強度は、前記第2の被覆部と前記収容室との接着強度より大きい。
【0029】
いくつかの実施例では、前記収容室は、プラスチック製の部品であり、前記遷移接続部材は、金属製の部品又はプラスチック製の部品である。
【0030】
いくつかの実施例では、前記第1の被覆部は、第1の接着剤により前記収容室に固定的に接続され、前記第2の被覆部は、第2の接着剤により前記収容室に固定的に接続され、前記第2の接着剤の硬化速度は、前記第1の接着剤の硬化速度より大きい。
【0031】
いくつかの実施例では、前記収容室は、収容室本体及びカバープレートを含み、前記収容室本体は、一端が開口した収容空間を形成し、前記カバープレートは、前記収容室本体の開口端に覆設され、前記第1の被覆部は、スリーブ状に設置されるとともに、前記収容室本体及び前記カバープレートの周辺に外嵌され、前記第2の被覆部は、ストライプ状に設置されるとともに、前記カバープレートを覆う。
【0032】
いくつかの実施例では、前記収容室本体の開口端には、外端面と、内側面と、前記外端面及び前記内側面を接続する遷移面と、が設置され、前記カバープレートと前記遷移面の少なくとも一部の領域とは、間隔をあけて設置されて、前記カバープレートと前記遷移面との間に、接着剤収容用の接着剤収容空間が形成される。
【0033】
いくつかの実施例では、前記カバープレートは、カバープレート本体及び前記カバープレート本体に接続された環状フランジを含み、前記カバープレート本体は、前記外端面に覆設されるとともに、前記外端面に接触し、前記環状フランジは、前記収容室本体に挿入され、前記接着剤収容空間は、前記遷移面と前記カバープレート本体の下表面及び前記環状フランジの外側面との間に形成される。
【0034】
いくつかの実施例では、前記遷移面は、平面であり、前記外端面と前記内側面とにそれぞれ鈍角で接続され、前記遷移面と前記外端面との間の鈍角は、前記遷移面と前記内側面との間の鈍角より小さい。
【0035】
いくつかの実施例では、前記収容室内に前記主制御回路基板が設置され、前記主制御回路基板にスイッチアセンブリが設置され、前記スイッチアセンブリは、第1の固定部、第2の固定部及びスイッチ本体を含み、前記第1の固定部は、前記主制御回路基板の主表面にフィットして設置され、前記第2の固定部は、前記第1の固定部に湾曲して接続されるとともに、前記主制御回路基板の側表面にフィットして設置され、前記スイッチ本体は、前記第2の固定部の前記主制御回路基板から離れた側に設置される。
【0036】
いくつかの実施例では、前記カバープレート本体にキー孔が設置され、前記耳掛けアセンブリは、前記カバープレート本体の前記環状フランジから離れた側に固定されたキーアセンブリをさらに含み、前記キーアセンブリは、ユーザーによって印加された押圧力を受け、かつ前記キー孔により前記スイッチアセンブリをトリガー可能であるように設置され、前記キーアセンブリによる前記スイッチアセンブリへの押圧の方向は、前記主制御回路基板の主表面に平行である。
【0037】
いくつかの実施例では、前記スイッチアセンブリ、前記キー孔及び軟質キーは、それぞれ2つであり、それぞれ一対一に対応して設置され、各前記軟質キーの中間突起部に止まり穴が設置され、各前記軟質キーの縁部接続部は、前記カバープレート本体と前記第2の被覆部との間に位置し、前記第2の被覆部には、前記キー孔にそれぞれ対応する逃げ孔が設置され、各前記軟質キーの前記中間突起部は、前記逃げ孔から露出し、硬質キーは、一体に接続された押圧部及び挿入柱を含み、前記押圧部は、前記第2の被覆部の前記カバープレート本体から離れた側に位置し、前記挿入柱も2つであり、各前記挿入柱は、それぞれ1つの前記止まり穴に嵌め込まれる。
【0038】
例示的な実施例によって本明細書をさらに説明し、これらの例示的な実施例を、図面を参照して詳細に説明する。これらの実施例は、限定的なものではなく、これらの実施例では、同じ番号は同じ構造を示す。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本明細書のいくつかの実施例に係る音響出力装置の概略構成図である。
【
図2】本明細書のいくつかの実施例に係る音響出力装置の概略構成図である。
【
図3】本明細書のいくつかの実施例に係る、支持構造が耳掛けアセンブリのみを含む音響出力装置の概略構成図である。
【
図4】本明細書のいくつかの実施例に係るスピーカーアセンブリの断面概略構成図である。
【
図5】本明細書のいくつかの実施例に係る音響出力装置の、振動膜が設置される前の周波数応答曲線と振動膜が設置された後の周波数応答曲線との比較概略図である。
【
図6】本明細書のいくつかの実施例に係るコアハウジングの断面概略構成図である。
【
図7】本明細書のいくつかの実施例に係るエネルギー変換装置の断面概略構成図である。
【
図8】本明細書のいくつかの実施例に係る複数種の振動膜の部分断面概略構成図である。
【
図9】本明細書のいくつかの実施例に係る振動膜の部分断面概略構成図である。
【
図10】本明細書のいくつかの実施例に係る導音部材の原理概略構成図である。
【
図11】本明細書のいくつかの実施例に係る音響インピーダンス網の平面概略構成図である。
【
図12】本明細書のいくつかの実施例に係る導音部材での気導音の周波数応答曲線を示す概略図である。
【
図13】本明細書のいくつかの実施例に係る導音部材での気導音の周波数応答曲線を示す概略図である。
【
図14】本明細書のいくつかの実施例に係る減圧孔での気導音の周波数応答曲線を示す概略図である。
【
図15】本明細書のいくつかの実施例に係る、スピーカーアセンブリに調音孔が設置される前及び調音孔が設置された後の後壁の音圧分布の比較概略図である。
【
図16】本明細書のいくつかの実施例に係る導音部材での気導音の周波数応答曲線時間領域図である。
【
図17】本明細書のいくつかの実施例に係る導音部材での気導音の周波数応答曲線を示す概略図である。
【
図18】本明細書のいくつかの実施例に係るスピーカーアセンブリの漏れ音の周波数応答曲線を示す概略図である。
【
図19】本明細書のいくつかの実施例に係るスピーカーアセンブリの原理概略構成図である。
【
図20】本明細書のいくつかの実施例に係るスピーカーアセンブリの分解概略構成図である。
【
図21】本明細書のいくつかの実施例に係るスピーカーアセンブリの分解概略構成図である。
【
図22】本明細書のいくつかの実施例に係るコイルホルダの概略構成図である。
【
図23】本明細書のいくつかの実施例に係るスピーカーアセンブリの断面概略構成図である。
【
図24】本明細書のいくつかの実施例に係るスピーカーアセンブリの断面概略構成図である。
【
図25】本明細書のいくつかの実施例に係る後掛けアセンブリの分解概略構成図である。
【
図26】本明細書のいくつかの実施例に係る金属体の断面概略構成図である。
【
図27】本明細書のいくつかの実施例に係る機能アセンブリ及び耳掛けアセンブリの一体に設計される場合の分解概略構成図である。
【
図28】本明細書のいくつかの実施例に係る機能アセンブリの概略構成図である。
【
図30】本明細書のいくつかの実施例に係る後掛けアセンブリの分解概略構成図である。
【
図32】本明細書のいくつかの実施例に係る金属コネクタの導線に接触する側の概略構成図である。
【
図33】
図30中の後掛けアセンブリの部分断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本明細書の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、本明細書のいくつかの例又は実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて本明細書を他の類似するシナリオに適用することができる。言語環境から明らかではないか又は別に説明しない限り、図中の同じ符号は、同じ構造又は操作を示す。
【0041】
本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」は、レベルの異なる様々なアセンブリ、素子、部材、部分又は組立体を区別する方法であることを理解されたい。しかしながら、他の用語が同じ目的を達成することができれば、上記用語の代わりに他の表現を用いることができる。
【0042】
本明細書及び特許請求の範囲で使用されるように、文脈が明確に別段の指示をしない限り、「1つ」、「1個」、「1種」及び/又は「該」などの用語は、特に単数形を意味するものではなく、複数形を含んでもよい。一般的には、用語「含む」及び「含有」は、明確に特定されたステップ及び要素を含むことを提示するものに過ぎず、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列ではなく、方法又は機器は、また他のステップ又は要素を含む可能性がある。
【0043】
音響出力技術の発展に伴い、音響出力装置は、特定の範囲内で音響伝導を実現することができる携帯型オーディオ出力装置として非常に広く応用されている。例えば、音響出力装置は、人々の日常生活に不可欠な仕事、ソーシャル、娯楽のツールとなっている。音響出力装置の音声伝播方式によって分類すると、いくつかの実施例では、音響出力装置は、骨伝導イヤホン及び空気伝導イヤホンを含んでもよい。音響出力装置の装着方式又は位置によって分類すると、いくつかの実施例では、音響出力装置は、カナル型イヤホン、ヘッドホン、開放型イヤホンなどを含んでもよいが、それらに限定されない。いくつかの実施例では、音響出力装置は、固定構造(例えば、耳掛け、後掛けなどの構造)によりユーザーの頭部に装着されてもよく、ユーザーの身体の他の部位(例えば、頸部、肩部などの領域)に装着されてもよい。いくつかの実施例では、音響出力装置は、他のウェアラブル装置(例えば、スマートヘルメット、メガネなど)と結合されてユーザーの頭部又は他の部位に装着されてもよい。いくつかの実施例では、音響出力装置が骨伝導イヤホンである場合、音響出力装置は、ユーザーが音響出力装置から再生された音声に聞こえるとともに、外部の音声情報をよく感知することを保証するように、ユーザーの耳を塞がずに近接してもよい。骨伝導イヤホンは、オーディオを異なる周波数の機械的振動に変換し、人の骨を機械的振動伝達の媒体とすることにより、音波を聴覚神経に伝達することができ、このようにして、ユーザーは、耳の外耳道及び鼓膜を介することなく音声を受けることができる。
【0044】
実際の応用において、ユーザーが音響出力装置を使用するときに良好な使用体験(例えば、聴覚体験、装着体験など)を有することを保証するために、音響出力装置の構造信頼性、装着快適さ、外観、音質及びバッテリー駆動時間などの各方面に対する要求も高まっている。
【0045】
いくつかの使用シーンにおいて、音響出力装置(例えば、ワイヤレスイヤホン)は、通常、信号の送受信を行うためにアンテナを設置する必要がある。いくつかの実施例では、音響出力装置のアンテナは、音響出力装置のスピーカーアセンブリ又は機能アセンブリに設置されてもよい。しかしながら、スピーカーアセンブリは、オーディオ信号を振動信号に変換することにより音声をユーザーに伝達する必要があり、機能アセンブリは、スピーカーアセンブリに電気的に接続されてスピーカーアセンブリの発音制御又はスピーカーアセンブリへの電力供給などの機能を実行する必要があるため、スピーカーアセンブリ及び機能アセンブリは、デバイスが多く、構造も複雑であり、スピーカーアセンブリ又は機能アセンブリ内にアンテナを設置すると、スピーカーアセンブリ又は機能アセンブリの設計難易度が上がるだけでなく、スピーカーアセンブリ又は機能アセンブリの体積が増加するため、スピーカーアセンブリ又は機能アセンブリがシンプルではなく、音響出力装置の美観性に影響を与えるとともに、音響出力装置の装着快適さに影響を与える可能性がある。
【0046】
また、ユーザーが装着しやすいように、音響出力装置に支持構造を設置する必要がある。具体的には、支持構造は、耳掛けアセンブリ及び/又は後掛けアセンブリを含んでもよく、耳掛けアセンブリは、スピーカーアセンブリ及び機能アセンブリに接続され、ユーザーが音響出力装置を装着しているときにユーザーの耳部に支持され、後掛けアセンブリは、2組の機能アセンブリを接続し、ユーザーが音響出力装置を装着しているときにユーザーの頭部に支持される。いくつかの実施例では、耳掛けアセンブリ及び/又は後掛けアセンブリには、弾性部材が設置されて、耳掛けアセンブリ及び/又は後掛けアセンブリに弾性力を提供し、耳掛けアセンブリ及び/又は後掛けアセンブリの剛性及び強度を向上させることができる。いくつかの実施例では、耳掛けアセンブリとスピーカーアセンブリと機能アセンブリとの接続及び/又は後掛けアセンブリと機能アセンブリとの接続を容易にするために、弾性部材の両端にコネクタを設置して、対応するスピーカーアセンブリ又は機能アセンブリと挿着係合してもよい。いくつかの実施例では、コネクタは、プラスチックコネクタであってもよいが、プラスチックコネクタを弾性部材の両端に設置する場合、弾性部材の両端に対してプレスなどの前処理を行う必要があるため、弾性部材が変形して脆化する可能性があり、それにより耳掛けアセンブリ及び/又は後掛けアセンブリの信頼性が低下し、そして、プラスチックコネクタ自体の構造強度から見れば、プラスチックコネクタは、好ましい選択ではない。
【0047】
本明細書の実施例には、音響出力装置が記載され、該音響出力装置は、スピーカーアセンブリ及び機能アセンブリに接続される支持構造を含んでもよく、支持構造内には、機能アセンブリに電気的に接続された金属体が設置される。さらに、支持構造における後掛けアセンブリは、上記金属体、金属コネクタ及び弾性被覆体を含んでもよく、弾性被覆体は、金属体を被覆して、さらに収容室被覆部を形成することができ、収容室被覆部は、機能アセンブリ内に位置して電池又は主制御回路基板を収容する収容室を被覆することができる。収容室被覆部は、金属コネクタに近接する第1の被覆部と、金属コネクタから離れた第2の被覆部と、を含み、第1の被覆部及び第2の被覆部は、それぞれ、収容室に接着固定され、第2の被覆部と上記収容室との接着強度は、第1の被覆部と収容室との接着強度より大きい。このように設置することにより、金属体は、アンテナとして支持構造内に設置されて、スピーカーアセンブリ又は機能アセンブリにおけるアンテナの設置を回避し、スピーカーアセンブリ又は機能アセンブリをよりシンプルにすることができるだけでなく、弾性部材として支持構造(例えば、後掛けアセンブリ)に弾性を提供するとともに、支持構造の剛性及び強度を向上させることができる。金属コネクタは、金属体の両端に対するプレスなどの前処理を減少させ、ひいては回避することにより、金属体が変形して脆化することを回避し、支持構造の信頼性を向上させ、金属コネクタ自体も優れた構造強度を有する。弾性被覆体は、機能アセンブリ、支持構造(後掛けアセンブリ、耳掛けアセンブリ)の外層としてユーザーの皮膚に接触してもよく、音響出力装置の装着快適さを改善することができ、収容室被覆部の第1の被覆部及び第2の被覆部の収容室との接着強度の間に差異が存在するため、収容室被覆部と収容室との接着過程において両者の相対位置を調整して、両者間の組立誤差を除去することにより、音響出力装置の外観品質を改善することができる。
【0048】
本明細書の実施例に記載の音響出力装置を詳細に説明しやすいために、以下、図面を参照して具体的に説明する。
【0049】
図1及び
図2は、本明細書のいくつかの実施例に係る音響出力装置の概略構成図である。
【0050】
本明細書では、音響出力装置100は、ヘッドホンであってもよい。このとき、ユーザーが音響出力装置100を装着している場合、主にユーザーの頭部により音響出力装置100の重量を受け、例えば、音響出力装置100の重量が人体の耳により受けられ、或いは、音響出力装置100の重量が人体の脳部により受けられる。
【0051】
図1及び
図2に示すように、音響出力装置は、スピーカーアセンブリ10、機能アセンブリ20及び支持構造50を含んでもよい。いくつかの実施例では、支持構造50は、後掛けアセンブリ30、耳掛けアセンブリ40のうちの少なくとも1種を含んでもよい。後掛けアセンブリ30は、2つの機能アセンブリ20の間に接続されてもよく、耳掛けアセンブリ40は、スピーカーアセンブリ10と機能アセンブリ20との間に接続されてもよい。
【0052】
いくつかの実施例では、スピーカーアセンブリ10は、耳掛けアセンブリ40に固定的に接続されてもよく、耳掛けアセンブリ40に可動に接続されてもよい。いくつかの実施例では、耳掛けアセンブリ40とスピーカーアセンブリ10とは、接着、係着、リベット接合又は一体射出成形などの方式で固定的に接続されてもよい。いくつかの実施例では、耳掛けアセンブリ40とスピーカーアセンブリ10とは、ヒンジ接続又は自在継手などの方式で可動に接続されてもよい。
【0053】
いくつかの実施例では、さらに、
図1及び
図2に示すように、音響出力装置100は、2つのスピーカーアセンブリ10、2つの機能アセンブリ20及び支持構造50を含んでもよい。支持構造50は、後掛けアセンブリ30及び2つの耳掛けアセンブリ40を含んでもよく、後掛けアセンブリ30の両端は、それぞれ、対応する機能アセンブリ20の一端に接続され、各機能アセンブリ20の後掛けアセンブリ30から離れた他端は、それぞれ、1つの耳掛けアセンブリ40により対応するスピーカーアセンブリ10に電気的に接続される。
【0054】
いくつかの実施例では、後掛けアセンブリ30は、ユーザーの頭部の後側に掛けられるように、湾曲状に設置されてもよい。具体的には、後掛けアセンブリ30の両端は、それぞれ、2つの機能アセンブリ20の間又は2つの耳掛けアセンブリ40の間に接続されてもよく、後掛けアセンブリ30は、2組のスピーカーアセンブリ10及び/又は2組の機能アセンブリ20が人体の頭部の両側に挟まれるように弾力を提供する。
【0055】
いくつかの実施例では、耳掛けアセンブリ40は、ユーザーの耳部と頭部との間に掛けられて、音響出力装置100の装着需要を実現するように、湾曲状に設置されてもよく、スピーカーアセンブリ10は、ユーザーが音響出力装置100により音声に聞こえるように、オーディオ信号を機械的振動に変換することができる。いくつかの実施例では、オーディオ信号は、電気信号であってもよい。
【0056】
上記設置により、音響出力装置100が装着状態にある場合、2つのスピーカーアセンブリ10は、それぞれ、ユーザーの頭部の左側及び右側に位置してもよく、2つのスピーカーアセンブリ10も2つの耳掛けアセンブリ40及び後掛けアセンブリ30の協働作用でユーザーの頭部に押し付けられることにより、ユーザーが音響出力装置100から出力された音声に聞こえる。
【0057】
いくつかの実施例では、機能アセンブリ20と耳掛けアセンブリ40とは、一体に設計されてもよく、例えば、一体成形の方式で
図1中の機能アセンブリ20のハウジング及び耳掛けアセンブリ40のハウジングを製造することができる。いくつかの実施例では、機能アセンブリ20と耳掛けアセンブリ40とは、別体に設計されてもよく、例えば、機能アセンブリ20のハウジング及び耳掛けアセンブリ40のハウジングをそれぞれ製造してから、係着、接着などの方式で両者のハウジングを組み立ててもよい。なお、機能アセンブリ20と耳掛けアセンブリ40とは、通常、一体に設計されるため、本明細書では、機能アセンブリ20と耳掛けアセンブリ40とを同一のアセンブリとして説明することができ、例えば、いくつかの場合に、機能アセンブリ20は、耳掛けアセンブリ40の一部とされてもよく、耳掛けアセンブリ40は、機能アセンブリ20の一部とされてもよい。
【0058】
いくつかの実施例では、支持構造50は、後掛けアセンブリ30を含まず、2つの耳掛けアセンブリ40のみを含んでもよく、2つの耳掛けアセンブリ40は、それぞれユーザーの2つの耳に掛けられて、音響出力装置100の装着需要を実現することができ、例えば、
図3に示す音響出力装置である。
【0059】
図3は、本明細書のいくつかの実施例に係る、支持構造が耳掛けアセンブリのみを含む音響出力装置の概略構成図である。
図3に示すように、支持構造50は、音響出力装置100の耳掛けアセンブリ40として装着状態で人体の耳部に跨って支持されるように、スピーカーアセンブリ10と機能アセンブリ20との間に接続されてもよい。すなわち、支持構造50は、後掛けアセンブリ30を含まず、耳掛けアセンブリ40のみを含む。
【0060】
具体的には、
図3に示すように、音響出力装置100は、スピーカーアセンブリ10、機能アセンブリ20及び耳掛けアセンブリ40を含む。耳掛けアセンブリ40は、音響出力装置100が非装着状態(すなわち、自然状態)で三次元空間において湾曲状となるように、スピーカーアセンブリ10及び機能アセンブリ20に接続される。
【0061】
換言すれば、三次元空間において、スピーカーアセンブリ10、機能アセンブリ20及び耳掛けアセンブリ40は、面一ではなくてもよい。このように設置すると、音響出力装置100が装着状態にあるとき、機能アセンブリ20は、主にユーザーの耳部の後側と頭部との間に掛けられ、スピーカーアセンブリ10は、主にユーザーの耳部の前側に接触し、耳掛けアセンブリ40は、頭部から頭部の外側へ延在して、機能アセンブリ20と協働してスピーカーアセンブリ10に耳部の前側への押圧力を提供することにより、音響出力装置100が耳部に装着される。
【0062】
いくつかの実施例では、音響出力装置100のスピーカーアセンブリ10及び機能アセンブリ20が1つのアセンブリとして集積されるように設計されてもよい場合、音響出力装置100は、耳掛けアセンブリ40を含まず、後掛けアセンブリ30のみを含んでもよく、後掛けアセンブリ30によりユーザーの頭部に掛けられ、スピーカーアセンブリ10及び機能アセンブリ20が集積されたアセンブリは、ユーザーの耳を被覆し、或いは、音響出力装置100が後掛けアセンブリ30及び耳掛けアセンブリ40を含まず、スピーカーアセンブリ10及び機能アセンブリ20が集積されたアセンブリは、ユーザーの外耳道内に直接配置されてもよい。
【0063】
いくつかの実施例では、音響出力装置100は、他の装着方式、例えば、耳掛けアセンブリ40がユーザーの耳を覆うか又は包み、後掛けアセンブリ30がユーザーの頭頂を跨ぐ方式などを有してもよく、ここでは一々列挙しない。
【0064】
さらに、
図1及び
図2に示すように、音響出力装置100は、主制御回路基板60及び電池70をさらに含んでもよい。主制御回路基板60及び電池70は、同一の機能アセンブリ20の収容室(例えば、収容室21)内に設置されてもよく、それぞれ2つの機能アセンブリ20のそれぞれの収容室内に設置されてもよく、或いは、各機能アセンブリ20の収容室内にいずれも主制御回路基板60及び電池70が設置される。さらに、主制御回路基板60及び電池70は、いずれも対応する導線により2つのスピーカーアセンブリ10に電気的に接続されてもよく、主制御回路基板60は、オーディオ信号を機械的振動に変換するようにスピーカーアセンブリ10を制御することができ、電池70は、音響出力装置100に電気エネルギーを提供することができる。当然のことながら、本明細書の実施例に記載の音響出力装置100は、マイクロフォン、ピックアップのようなマイクロフォン、ブルートゥース(登録商標)、NFCのような通信素子、及び光学センサー、振動センサーのようなセンサーをさらに含んでもよく、それらは、対応する導線により主制御回路基板60及び電池70に接続されて、対応する機能を実現することができる。
【0065】
なお、本明細書に記載の音響出力装置100のスピーカーアセンブリ10は、2つ設置され、2つのスピーカーアセンブリ10は、いずれもオーディオ信号を機械的振動(例えば、イヤホンのコア振動)に変換することができ、主に音響出力装置100がステレオ音響効果を達成するためである。いくつかの実施例では、ステレオに対する要求が特に高くない他の応用シーン、例えば、難聴患者の補聴、生放送中の司会者へのセリフ提示などでは、音響出力装置100には、1つのスピーカーアセンブリ10のみが設置されてもよい。
【0066】
上記関連説明に基づいて、スピーカーアセンブリ10は、ユーザーが音響出力装置100により音声に聞こえるように、通電状態でオーディオ信号を機械的振動に変換することができる。いくつかの実施例では、スピーカーアセンブリ10は、骨伝導により音声を伝達してもよく、すなわち、機械的振動は、骨伝導原理に基づいて、主にユーザーの骨及び組織を媒介としてユーザーの聴覚神経に直接作用することができる。いくつかの実施例では、スピーカーアセンブリは、空気伝導により音声を伝達してもよく、すなわち、機械的振動は、空気伝導原理に基づいて、主に空気を媒介としてユーザーの鼓膜に作用して、さらに聴覚神経に作用することができる。ユーザーが聞こえる音声については、スピーカーアセンブリ10が骨伝導原理に基づいて出力する音声は、「骨導音」と略称されてもよく、空気伝導原理に基づいて出力する音声は、「気導音」と略称されてもよい。いくつかの実施例では、スピーカーアセンブリ10は、骨導音を形成してもよく、例えば、骨伝導イヤホンのスピーカーアセンブリは、骨導音を形成する。いくつかの実施例では、スピーカーアセンブリ10は、気導音を形成してもよく、例えば、空気伝導イヤホンのスピーカーアセンブリは、気導音を形成する。いくつかの実施例では、スピーカーアセンブリ10は、骨導音及び気導音を同時に形成してもよく、例えば、骨導気導複合型イヤホンのスピーカーアセンブリは、骨導音及び気導音を同時に形成する。
【0067】
いくつかの実施例では、スピーカーアセンブリ10は、コアハウジング及びイヤホンコアを含んでもよい。コアハウジングは、耳掛けアセンブリ40の一端に接続され、イヤホンコアを収容する。スピーカーアセンブリ10のコアハウジングは、第1のコアハウジング部及び第2のコアハウジング部を含んでもよく、第1のコアハウジング部及び第2のコアハウジング部は、係合接続されるか又は締結部材若しくは接着剤を用いるなどの方式で接続され、イヤホンコア収容用空間が形成される。いくつかの実施例では、コアハウジングは、
図4に示すコアハウジング11であってもよく、イヤホンコアは、少なくとも、
図4に示すエネルギー変換装置12を含んでもよい。例えば、イヤホンコアは、
図4に示すエネルギー変換装置12及び振動膜13を含んでもよい。いくつかの実施例では、第1のコアハウジング部と第2のコアハウジング部とは、それぞれ、フロントハウジング及びリアハウジング(例えば、
図4中のフロントハウジング116及びリアハウジング115)と呼ばれてもよく、第1のコアハウジング部及び第2のコアハウジング部が接続されて形成されたイヤホンコア収容用空間は、収容キャビティと呼ばれてもよい。
【0068】
いくつかの実施例では、耳掛けアセンブリ40は、第1の耳掛け部及び第2の耳掛け部を含んでもよく、第1の耳掛け部及び第2の耳掛け部は、係合接続されるか又は接着剤を用いるなどの方式で接続され、第1の耳掛け部には、機能アセンブリ20からスピーカーアセンブリ10への導線を収容するように、配線ダクトが設置され、第1の耳掛け部と第2の耳掛け部とは、接続されて、導線の露出を回避する。第1の耳掛け部及び第1のコアハウジング部は、固定的に接続されるか又は可動に接続される。耳掛けアセンブリ40は、他の構造であってもよく、例えば、耳掛けアセンブリ40は、スリーブ構造などであってもよい。
【0069】
図4は、本明細書のいくつかの実施例に係るスピーカーアセンブリの断面概略構成図である。
図1、
図2及び
図4に示すように、スピーカーアセンブリ10は、コアハウジング11及びエネルギー変換装置12を含んでもよい。コアハウジング11は、耳掛けアセンブリ40の一端に接続され、ユーザーの皮膚に接触する。さらに、コアハウジング11に収容キャビティ(図示せず)がさらに形成され、エネルギー変換装置12は、前述の収容キャビティ内に設置され、コアハウジング11に接続されてもよい。エネルギー変換装置12は、通電状態でオーディオ信号を機械的振動に変換して、コアハウジング11の皮膚接触領域(例えば、
図6に示す前底板1161)がエネルギー変換装置12の作用で骨導音を発生させることができる。このようにして、ユーザーが音響出力装置100を装着しているとき、エネルギー変換装置12は、オーディオ信号を機械的振動に変換して、それに伴って機械的振動を発生させるようにコアハウジング11の皮膚接触領域を駆動することができ、該機械的振動は、ユーザーの骨及び組織を媒介としてユーザーの聴覚神経に直接作用することにより、ユーザーがスピーカーアセンブリ10により骨導音に聞こえる。
【0070】
いくつかの実施例では、スピーカーアセンブリ10は、エネルギー変換装置12とコアハウジング11との間に接続された振動膜13をさらに含んでもよく、振動膜13は、コアハウジング11の内部空間(すなわち、上述した収容キャビティ)を、コアハウジング11の皮膚接触領域に近接するフロントキャビティ111と、コアハウジング11の皮膚接触領域から離れたリアキャビティ112と、に仕切る。換言すれば、ユーザーが音響出力装置100を装着しているとき、フロントキャビティ111は、リアキャビティ112よりユーザーに近接することができる。コアハウジング11には、リアキャビティ112と連通する放音孔113が設置され、振動膜13は、エネルギー変換装置12とコアハウジング11との相対運動の過程において、放音孔113を介して人の耳に伝達される気導音を発生させることができる。このようにして、リアキャビティ112に発生した音声は、放音孔113から伝達され、空気を媒介としてユーザーの鼓膜に作用することができ、それによりユーザーがスピーカーアセンブリ10により気導音に聞こえる。
【0071】
いくつかの実施例では、
図4に示すように、エネルギー変換装置12によりコアハウジング11の皮膚接触領域がユーザーの顔に近接する方向に向かって運動する場合は、骨導音が増強されると簡単に見なすことができる。それと同時に、コアハウジング11のその皮膚接触領域に対向する部分は、それに伴ってユーザーの顔に近接する方向に向かって運動し、エネルギー変換装置12及びそれに接続された振動膜13は、作用力及び反力の関係によりユーザーの顔から離れた方向に向かって運動することにより、リアキャビティ112内の空気が押され、それに対応して、リアキャビティ112内の空気圧力が増加し、放音孔113から伝達された音声が増強され、この場合は、気導音が増強されると簡単に見なすことができる。これにより、本明細書では、スピーカーアセンブリ10により発生した骨導音が増強されるとともに、それにより発生した気導音も増強される。それに応じて、骨導音が減衰する場合、気導音も減衰する。したがって、本明細書では、スピーカーアセンブリ10により発生した骨導音及び気導音は、位相が同じであるという特性を有し、すなわち、気導音及び骨導音は、同期に増強するか又は減衰することができる。
【0072】
いくつかの実施例では、フロントキャビティ111及びリアキャビティ112は、ほぼ振動膜13及びエネルギー変換装置12などの構造部材により仕切られるため、フロントキャビティ111内の空気圧力の変化法則は、ちょうどリアキャビティ112内の空気圧力の変化法則と逆である。例えば、エネルギー変換装置12及びそれに接続された振動膜13がユーザーの顔から離れた方向に向かって運動する場合、リアキャビティ112内の空気が押されるため、リアキャビティ112内の空気圧力が増加し、それと同時に、フロントキャビティ111の空間体積が増大し、フロントキャビティ111内の空気圧力が減少する。したがって、コアハウジング11には、フロントキャビティ111と連通する減圧孔114が設置されてもよく、減圧孔114によりフロントキャビティ111が外部環境と連通することができるため、空気がフロントキャビティ111に自由に出入りすることができる。このようにして、リアキャビティ112内の空気圧力の変化は、できるだけフロントキャビティ111により阻止されず、このようにして、スピーカーアセンブリ10により発生した気導音の音響表現力を効果的に改善することができる。いくつかの実施例では、減圧孔114と放音孔113とは、両者の逆位相による消音現象の発生をできるだけ回避するように、互いにずれ、すなわち、両者が隣接しない必要がある。
【0073】
いくつかの実施例では、放音孔113の出口端の実際の面積は、ユーザーがより多くの気導音に聞こえるように、予め設定された面積閾値より以上であってもよい。例えば、上記予め設定された面積は、7mmm2、8mm2、9mmm2などである。いくつかの実施例では、放音孔113の入口端の実際の面積は、その出口端の実際の面積以上であってもよい。
【0074】
なお、コアハウジング11などの構造部材が一定の厚さを有するため、コアハウジング11に形成された放音孔113、減圧孔114などの貫通孔が一定の深さを有し、さらにコアハウジング11の収容キャビティに対して、放音孔113、減圧孔などの貫通孔は、前述の収容キャビティに近接する入口端と、前述の収容キャビティから離れた出口端と、を有する。さらに、本明細書に記載の貫通孔の出口端の実際の面積は、出口端の位置する端面の面積と定義されてもよい。
【0075】
上記方式により、スピーカーアセンブリ10により発生した気導音及び骨導音は、同一の振動源(すなわち、エネルギー変換装置12)から由来し、かつ両者の位相が同じであり、すなわち、スピーカーアセンブリ10により発生した気導音及び骨導音が同期に増強することができるため、ユーザーが音響出力装置100により聞こえる音声がより強くなり、音響出力装置100がより省電力になり、さらに音響出力装置100のバッテリー駆動時間を延長する。それ以外に、スピーカーアセンブリ10の構造を合理的に設計することにより、気導音及び骨導音は、音響出力装置100が特定の周波数帯域で優れた音響表現力を有するように、周波数応答曲線の周波数帯域で互いに協働することができる。例えば、気導音により骨導音の低周波数帯域を補償し、また例えば、気導音により骨導音の中間周波数帯域、中高周波数帯域を強化する。
【0076】
なお、本明細書では、低周波数帯域に対応する周波数範囲は、20Hz~150Hzであってもよく、中間周波数帯域に対応する周波数範囲は、150Hz~5kHzであってもよく、高周波数帯域に対応する周波数範囲は、5kHz~20kHzであってもよい。中低周波数帯域に対応する周波数範囲は、150Hz~500Hzであってもよく、中高周波数帯域に対応する周波数範囲は、500Hz~5kHzであってもよい。
【0077】
図5は、本明細書のいくつかの実施例に係る音響出力装置の、振動膜が設置される前の周波数応答曲線と振動膜が設置された後の周波数応答曲線との比較概略図である。上記詳細な説明に基づいて、
図5に示すように、上記皮膚接触領域は、エネルギー変換装置12の作用で骨導音を発生させることができ、それに応じて、前述の骨導音は、周波数応答曲線を有する。前述の周波数応答曲線は、少なくとも一つの共振ピークを有してもよい。いくつかの実施例では、前述の共振ピークのピーク共振周波数は、|f1-f2|/f1≦50%という関係式を満たしてもよい。また、f1に対応するピーク共振強度とf2に対応するピーク共振強度との間の差は、5db以下であってもよい。式中、f1は、振動膜13がエネルギー変換装置12及びコアハウジング11に接続されているときに前述の共振ピークのピーク共振周波数であり、f2は、振動膜13とエネルギー変換装置12及びコアハウジング11のうちのいずれかとの接続が切断されたときに前述の共振ピークのピーク共振周波数である。換言すれば、|f1-f2|/f1は、振動膜13によるエネルギー変換装置12の前述の皮膚接触領域の駆動への影響を判断することができる。該比が小さければ小さいほど、該影響が小さいことを示す。このようにして、スピーカーアセンブリ10の元の共振システムにできるだけ影響を与えない上で、振動膜13を導入することにより、スピーカーアセンブリ10が同じ位相を有する骨導音及び気導音を同期に出力することができるため、スピーカーアセンブリ10の音響表現力を改善し、より省電力にし、さらに音響出力装置のバッテリー駆動時間を延長する。
【0078】
いくつかの実施例では、
図5に示すように、本明細書の実施例では、主に周波数応答曲線における低周波数帯域又は中低周波数帯域の移動量を考察してもよく、すなわち、f1≦500Hzであり、それにより骨導音の低周波数、中低周波数にできるだけ影響を与えない。前述の移動量は、50Hz以下であってもよく、すなわち、|f1-f2|≦50Hzであり、それにより振動膜13は、エネルギー変換装置12が上記皮膚接触領域を駆動することにできるだけ影響を与えない。いくつかの実施例では、前述の移動量は、5Hz以上であってもよく、すなわち、|f1-f2|≧5Hzであり、それにより振動膜13は、一定の構造強度及び弾性を有し、さらに使用中の疲労変形を低減することにより、振動膜13の耐用年数を延長する。
【0079】
なお、
図5に示すように、本明細書の実施例では、振動膜13がエネルギー変換装置12及びコアハウジング11に接続されているときに上記皮膚接触領域が第1の周波数応答曲線(例えば、
図5中のk1+k2で示された破線)を有し、振動膜13とエネルギー変換装置12及びコアハウジング11のうちのいずれかとの接続が切断されたときに前述の皮膚接触領域が第2の周波数応答曲線(例えば、
図5中のk1で示された実線)を有すると定義することができる。さらに、本明細書に記載の周波数応答曲線については、横軸は、周波数を示すことができ、その単位は、Hzであり、縦軸は、強度を示すことができ、その単位は、dBである。
【0080】
図6は、本明細書のいくつかの実施例に係るコアハウジングの断面概略構成図である。
図6及び
図4に示すように、コアハウジング11は、リアハウジング115及びリアハウジング115に接続されたフロントハウジング116を含んでもよい。リアハウジング115とフロントハウジング116との係合接合により、エネルギー変換装置12、振動膜13などの構造部材を収容する収容キャビティが形成されてもよい。いくつかの実施例では、フロントハウジング116は、ユーザーの皮膚に接触して、コアハウジング11の皮膚接触領域を形成することができ、すなわち、コアハウジング11がユーザーの皮膚に接触する場合、フロントハウジング116は、リアハウジング115よりユーザーに近接する。これに基づいて、エネルギー変換装置12は、それに伴って機械的振動を発生させるようにコアハウジング11の皮膚接触領域を駆動するように、フロントハウジング116に接続されてもよい。いくつかの実施例では、放音孔113は、リアハウジング115に設置されてもよく、減圧孔114は、フロントハウジング116に設置されてもよい。このように設置することにより、両者の逆位相による消音現象の発生を回避することができる。いくつかの実施例では、振動膜13は、リアハウジング115に接続されてもよく、フロントハウジング116に接続されてもよく、リアハウジング115とフロントハウジング116との間の接合箇所に接続されてもよい。
【0081】
いくつかの実施例では、リアハウジング115は、一体に接続された後底板1151及び筒状後側板1152を含んでもよく、筒状後側板1152の後底板1151から離れた一端は、フロントハウジング116に接続される。いくつかの実施例では、放音孔113は、筒状後側板1152に設置されてもよい。
【0082】
いくつかの実施例では、コアハウジング11の内側面には、環状支持台1153がさらに設置されてもよく、例えば、環状支持台1153は、筒状後側板1152の後底板1151から離れた一端に設置されてもよい。
図6に示すように、後底板1151を参考基準とすると、環状支持台1153は、筒状後側板1152の後底板1151から離れた端面よりわずかに低くてもよい。
図6に示すように、エネルギー変換装置12の振動方向に、放音孔113は、環状支持台1153と後底板1151との間に位置してもよい。これに基づいて、放音孔113の断面積は、環状支持台1153がエネルギー変換装置12の振動方向に十分な厚さを有して、さらに環状支持台1153の構造強度を向上させるように、放音孔113の入口端からその出口端への方向(すなわち、放音孔113の後文に言及される放音通路141に向かう方向)に徐々に小さくなってもよい。このようにして、リアハウジング115とフロントハウジング116が係合するとき、フロントハウジング116は、後文に言及されるコイルホルダ121を環状支持台1153に押し付けて固定することができる。いくつかの実施例では、振動膜13は、環状支持台1153に固定されてもよく、コイルホルダ121により環状支持台1153に押し付けられ、さらにコアハウジング11に接続されてもよい。
【0083】
いくつかの実施例では、フロントハウジング116は、一体に接続された前底板1161及び筒状前側板1162を含んでもよく、筒状前側板1162の前底板1161から離れた一端は、リアハウジング115に接続される。前底板1161の位置する領域は、本明細書に記載の皮膚接触領域と簡単に見なすことができる。それに応じて、減圧孔114は、筒状前側板1162に設置されてもよい。
【0084】
図7は、本明細書のいくつかの実施例に係るエネルギー変換装置の断面概略構成図である。
図7及び
図4に示すように、エネルギー変換装置12は、コイルホルダ121、磁気回路システム122、コイル123及びバネシート124を含んでもよい。コイルホルダ121及びバネシート124は、フロントキャビティ111内に設置される。バネシート124の中心領域は、磁気回路システム122に接続されてもよく、バネシート124の周辺領域は、コイルホルダ121によりコアハウジング11に接続されて、磁気回路システム122をコアハウジング11内に吊り下げる。さらに、コイル123は、コイルホルダ121に接続され、かつ磁気回路システム122の磁気ギャップに挿入されてもよい。
【0085】
いくつかの実施例では、コイルホルダ121は、環状本体部1211及び第1の筒状ホルダ部1212を含んでもよく、第1の筒状ホルダ部1212の一端は、環状本体部1211に接続される。環状本体部1211は、バネシート124の周辺領域に接続されてもよく、両者は、金属インサート射出成形プロセスにより一体構造部材を形成することができる。いくつかの実施例では、環状本体部1211は、接着、係着などの接続方式のうちの1種又はそれらの組み合わせにより前底板1161に接続されてもよい。いくつかの実施例では、コイル123は、磁気回路システム122に挿入されるように、第1の筒状ホルダ部1212の環状本体部1211から離れた他端に接続されてもよい。いくつかの実施例では、振動膜13は、一部が磁気回路システム122に接続されてもよく、他の部分がリアハウジング115及びフロントハウジング116のうちの少なくとも1つに接続されてもよい。
【0086】
いくつかの実施例では、コイルホルダ121は、環状本体部1211に接続された第2の筒状ホルダ部1213をさらに含んでもよく、第2の筒状ホルダ部1213は、第1の筒状ホルダ部1212を取り囲み、かつ第1の筒状ホルダ部1212と同方向に環状本体部1211の側方に延在する。第2の筒状ホルダ部1213及び環状本体部1211は、コイルホルダ121とコアハウジング11との接続強度を向上させるように、共にフロントハウジング116に接続されてもよい。例えば、環状本体部1211は、前底板1161に接続され、それと同時に、第2の筒状ホルダ部1213は、第2の環状側板1162に接続される。それに応じて、第2の筒状ホルダ部1213には、第2の筒状ホルダ部1213が減圧孔114とフロントキャビティ111との連通を遮断することを回避するように、減圧孔114と連通する逃げ孔1214が設置されてもよい。このとき、振動膜13は、一部が磁気回路システム122に接続されてもよく、他の部分が第2の筒状ホルダ部1213の環状本体部1211から離れた他端に接続されて、さらにコアハウジング11に接続されてもよい。このように設置することにより、スピーカーアセンブリ10が組み立てられた後、第2の筒状ホルダ部1213の環状本体部1211から離れた他端は、振動膜13の他の部分を環状支持台1153に押し付けることができる。
【0087】
いくつかの実施例では、第1の筒状ホルダ部1212及び/又は第2の筒状ホルダ部1213は、コイルホルダ121の構造強度を向上させるように、コイルホルダ121の周方向に連続した完全な構造であってもよく、他の構造部材を避けるように、部分的に連続しない構造であってもよい。
【0088】
いくつかの実施例では、磁気回路システム122は、磁束伝導カバー1221及び磁性体1222を含んでもよく、両者が協働して磁場を形成してもよい。磁束伝導カバー1221は、一体に接続された底板1223及び筒状側板1224を含んでもよい。いくつかの実施例では、磁性体1222は、筒状側板1224内に設置されるとともに、底板1223に固定され、磁性体1222の底板1223から離れた側は、コイル123が磁性体1222と磁束伝導カバー1221との間の磁気ギャップ内に挿入されるように、接続部材1225によりバネシート124の中心領域に接続されてもよい。このとき、振動膜13は、一部が磁束伝導カバー1221に接続されてもよい。
【0089】
いくつかの実施例では、磁性体1222は、1つの磁性体のみを含んでもよく、複数のサブ磁性体で形成された磁性体グループであってもよい。いくつかの実施例では、磁性体1222の底板1223から離れた側には、磁束伝導プレート(図示せず)がさらに設置されてもよい。
【0090】
図8は、本明細書のいくつかの実施例に係る複数種の振動膜の部分断面概略構成図である。
図8、
図7及び
図4に示すように、振動膜13は振動膜本体131を含んでもよく、振動膜本体131は、一体に接続された第1の接続部132、皺部133及び第2の接続部134を含んでもよい。第1の接続部132は、エネルギー変換装置12を取り囲むとともに、エネルギー変換装置12に接続され、第2の接続部134は、第1の接続部132の周側に周設されるとともに、エネルギー変換装置12の振動方向に垂直な方向に第1の接続部132と互いに間隔をあけて設置され、皺部133は、第1の接続部132と第2の接続部134との間の間隔領域内に位置するとともに、第1の接続部132及び第2の接続部134に接続される。
【0091】
いくつかの実施例では、第1の接続部132は、筒状に設置されるとともに、磁束伝導カバー1221に接続されてもよく、第2の接続部134は、環状に設置されるとともに、第2の筒状ホルダ部1213の環状本体部1211から離れた他端に接続されて、さらにコアハウジング11に接続されてもよい。
図7に示すように、皺部133と第1の接続部132との接続点は、筒状側板1224の底板1223から離れた端面より低くてもよい。
【0092】
いくつかの実施例では、皺部133は、エネルギー変換装置12の振動方向における第1の接続部132及び第2の接続部134の相対運動をより容易にし、さらに振動膜13によるエネルギー変換装置12への影響を低減するように、第1の接続部132と第2の接続部134との間に凹み領域135が形成される。
図4に示すように、凹み領域135は、リアキャビティ112に向かって凹んでもよい。当然のことながら、凹み領域135は、フロントキャビティ111に向かって凹んでもよく、すなわち、
図4に示す凹み領域135の凹み方向と逆である。
【0093】
いくつかの実施例では、凹み領域135の数は、複数であってもよく、例えば、2つ、3つ、4つなどであり、複数の凹み領域135は、エネルギー変換装置12の振動方向に垂直な方向に間隔をあけて分布してもよい。いくつかの実施例では、各凹み領域135のエネルギー変換装置12の振動方向における深さは、完全に同じである。いくつかの実施例では、各凹み領域135のエネルギー変換装置12の振動方向における深さは、同じでなくてもよく、完全に異なってもよい。本明細書の実施例では、凹み領域135の数が1つであることを例として例示的に説明する。
【0094】
いくつかの実施例では、振動膜本体131の材質は、ポリカーボネート(Polycarbonate、PC)、ポリアミド(Polyamides、PA)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(Acrylonitrile Butadiene Styrene、ABS)、ポリスチレン(Polystyrene、PS)、耐衝撃性ポリスチレン(High Impact Polystyrene、HIPS)、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)、ポリ塩化ビニル(Polyvinyl Chloride、PVC)、ポリウレタン(Polyurethanes、PU)、ポリエチレン(Polyethylene、PE)、フェノール樹脂(Phenol Formaldehyde、PF)、尿素-ホルムアルデヒド樹脂(Urea-Formaldehyde、UF)、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂(Melamine-Formaldehyde、MF)、ポリアリレート(Polyarylate、PAR)、ポリエーテルイミド(Polyetherimide、PEI)、ポリイミド(Polyimide、PI)、ポリエチレンナフタレート(Polyethylene Naftwo formic acid glycol ester、PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(Polyetherketone、PEEK)、シリコーンゴムなどのうちのいずれか1種又はそれらの組み合わせであってもよい。PETは、熱可塑性ポリエステルであり、成形性に優れ、それにより製造された振動膜は、一般的にはMylar(マイラー(登録商標))フィルムと呼ばれ、PCは、強い耐衝撃性を有し、成形後の寸法が安定し、PARは、PCのアドバンスエディションであり、主に環境保護を考慮したものであり、PEIは、PETより柔軟であり、内部減衰がより大きく、PIは、耐高温であり、成形温度がより高く、加工に必要な時間が長く、PENは、強度が高く、硬く、特性として、色付き、染色、メッキに用いられることであり、PUは、複合材料の減衰層又はエッジに用いることが多く、弾性が高く、内部減衰が大きく、PEEKは、より新規な材料であり、耐摩擦性、耐疲労性を有する。なお、複合材料は、一般的には複数種の材料の特性を両立させることができ、一般的な複合材料は、例えば、二層構造(一般的なホットプレスPUであり、内部減衰が増加する)、三層構造(サンドイッチ構造であり、中間には、減衰層PU、アクリル接着剤、UV接着剤、感圧接着剤が挟まれる)、五層構造(二層のフィルムが両面テープにより接着され、両面テープは、下地を有し、通常、PETである)がある。
【0095】
いくつかの実施例では、振動膜13は、補強リング136をさらに含んでもよく、補強リング136の硬さは、振動膜本体131の硬さより大きくてもよい。いくつかの実施例では、補強リング136は、環状に設置されてもよく、そのリング幅は、0.4mm以上であってもよく、厚さは、0.4mm以下であってもよい。いくつかの実施例では、補強リング136は、第2の接続部134が補強リング136によりコアハウジング11に接続されるように、第2の接続部134に接続されてもよい。このようにして、振動膜13の縁部の構造強度を向上させ、さらに振動膜13とコアハウジング11との接続強度を向上させることができる。
【0096】
なお、補強リング136を環状に設置することは、主に第2の接続部134の環状構造に適合しやすいためである。いくつかの実施例では、補強リング136は、構造的に連続した完全な円環であってもよく、連続しないセグメント円環であってもよい。さらに、スピーカーアセンブリ10が組み立てられた後、第2の筒状ホルダ部1213の環状本体部1211から離れた他端は、補強リング136を環状支持台1153に押し付けることができる。
【0097】
いくつかの実施例では、第1の接続部132は、磁束伝導カバー1221の外周面に射出成形されてもよく、補強リング136は、第2の接続部134に射出成形されてもよく、それにより両者の接続方式を簡略化するとともに、両者の接続強度を向上させる。第1の接続部132は、第1の接続部132と磁気回路システム122との接触面積を増加させ、さらに両者の結合強度を向上させるように、筒状側板1224を被覆してもよく、底板1223をさらに被覆してもよい。同様に、第2の接続部134は、第2の接続部134と補強リング136との接触面積を増加させ、さらに両者の結合強度を向上させるように、補強リング136の内側面及び1つの端面に接続されてもよい。
【0098】
図8に示すように、
図8中の(a)~(d)は、主に振動膜本体131の様々な構造変形を示し、それらの主な相違点は、皺部133の具体的な構造である。
図8中の(a)に対して、皺部133は、対称な構造に設置されてもよく、その両端のそれぞれの第1の接続部132及び第2の接続部134との接続点は、面一であってもよく、例えば、2つの接続点のエネルギー変換装置12の振動方向への投影が重なる。
図8中の(b)に対して、皺部133は、大部分が対称な構造に設置されてもよいが、その両端のそれぞれの第1の接続部132及び第2の接続部134との接続点は、面一ではなく、例えば、2つの接続点のエネルギー変換装置12の振動方向への投影が互いにずれる。
図8中の(c)に対して、皺部133は、非対称な構造に設置されてもよいが、その両端のそれぞれの第1の接続部132及び第2の接続部134との接続点は、面一である。
図8中の(d)に対して、皺部133は、非対称な構造に設置されてもよいが、その両端のそれぞれの第1の接続部132及び第2の接続部134との接続点は、面一ではない。
【0099】
上記関連説明に基づいて、振動膜13に対して、振動膜本体131が基本的構造、耐疲労性などの性能を確保するように一定の構造強度を有する前提で、振動膜本体131は、柔軟であるほど、弾性変形しやすく、エネルギー変換装置12への影響が小さい。これに基づいて、いくつかの実施例では、振動膜本体131の厚さは、第1の厚さ閾値以下であってもよい。例えば、振動膜本体131の厚さは、0.2mm以下であってもよい。また例えば、振動膜本体131の厚さは、0.1mm以下であってもよい。振動膜本体131の弾性変形は、主に皺部133に発生してもよい。したがって、皺部133の厚さは、振動膜本体131の他の部分の厚さより小さくてもよい。これに基づいて、いくつかの実施例では、皺部133の厚さは、第2の厚さ閾値以下であってもよい。いくつかの実施例では、上記第2の厚さ閾値は、第1の厚さ閾値以下であってもよい。例えば、皺部133の厚さは、0.2mm以下であってもよい。また例えば、皺部133の厚さは、0.1mm以下であってもよい。本明細書の実施例では、振動膜本体131が等厚構造であることを例として例示的に説明する。
【0100】
図9は、本明細書のいくつかの実施例に係る振動膜の部分断面概略構成図である。
図9に示すように、エネルギー変換装置12の振動方向に、凹み領域135は、深さHを有してもよく、エネルギー変換装置12の振動方向に垂直な方向に、凹み領域135は、半分深さ幅W1を有してもよく、第1の接続部132と第2の接続部134との間には、間隔距離W2があってもよい。0.2≦W1/W2≦0.6であり、このようにして、皺部133の変形可能な領域の大きさを保証することができるだけでなく、皺部133と第1の接続部132及び/又はコアハウジング11との構造的な干渉を回避することができる。いくつかの実施例では、0.2≦H/W2≦1.4であり、このようにして、皺部133の変形可能な領域の大きさを保証して、それを十分に柔軟にすることができるだけでなく、皺部133と第1の接続部132及び/又はコアハウジング11との構造的な干渉を回避し、かつ皺部133がその大き過ぎる自重により振動しにくいことを回避することができる。
【0101】
なお、半分深さ幅W1は、凹み領域135の1/2H深さでの幅である。
【0102】
いくつかの実施例では、皺部133は、一体に接続された第1の遷移部分1331、第2の遷移部分1332、第3の遷移部分1333、第4の遷移部分1334及び第5の遷移部分1335を含んでもよい。第1の遷移部分1331と第2の遷移部分1332との一端は、それぞれ第1の接続部132と第2の接続部134とに接続され、かつ互いに向かって延在してもよく、第3の遷移部分1333と第4の遷移部分1334との一端は、それぞれ第1の遷移部分1331と第2の遷移部分1332との他端に接続され、第5の遷移部分1335の両端は、それぞれ第3の遷移部分1333と第4の遷移部分1334との他端に接続される。このとき、前述の各遷移部分によって囲まれて凹み領域135が形成される。第1の遷移部分1331と第1の接続部132との接続点(例えば、点8A)から皺部133の第1の接続部132から最も離れる基準位置点(例えば、点8C)への方向に、第1の遷移部分1331の凹み領域135に向かう側の接線(例えば、破線TL1)とエネルギー変換装置12の振動方向との夾角は、徐々に小さくなってもよい。いくつかの実施例では、第2の遷移部分1332と第2の接続部134との接続点(例えば、点8B)から前述の基準位置点への方向に、第2の遷移部分1332の凹み領域135に向かう側の接線(例えば、破線TL2)とエネルギー変換装置12の振動方向との夾角は、凹み領域135がリアキャビティ112に向かって凹むことができるように、徐々に小さくなってもよい。いくつかの実施例では、第3の遷移部分1333の凹み領域135に向かう側の接線(例えば、破線TL3)とエネルギー変換装置12の振動方向との夾角は、変化しなくてもよく、徐々に大きくなってもよい。いくつかの実施例では、第4の遷移部分1334の凹み領域135に向かう側の接線(例えば、破線TL4)とエネルギー変換装置12の振動方向との夾角は、変化しなくてもよく、徐々に大きくなってもよい。このとき、第5の遷移部分1335は、円弧状に設置されてもよい。
【0103】
いくつかの実施例では、第5の遷移部分1335は、円弧状に設置されてもよく、かつ円弧の半径は、予め設定された半径閾値以上であってもよい。例えば、上記予め設定された半径閾値は、0.2mmであってもよい。
図8中の(a)又は(b)に示すように、第3の遷移部分1333の凹み領域135に向かう側の接線とエネルギー変換装置12の振動方向との夾角は、ゼロであってもよい。いくつかの実施例では、第4の遷移部分1334の凹み領域135に向かう側の接線とエネルギー変換装置12の振動方向との夾角は、ゼロであってもよい。このとき、第5の遷移部分1335の円弧半径は、凹み領域135の半分深さ幅W1の半分に等しくてもよい。当然のことながら、
図8中の(c)又は(d)に示すように、第3の遷移部分1333の凹み領域135に向かう側の接線とエネルギー変換装置12の振動方向との夾角は、ゼロであってもよく、第4の遷移部分1334の凹み領域135に向かう側の接線とエネルギー変換装置12の振動方向との夾角は、ゼロより大きい定値であってもよい。このとき、第4の遷移部分1334は、第5の遷移部分1335に相接してもよい。
【0104】
いくつかの実施例では、第1の遷移部分1331のエネルギー変換装置12の振動方向に垂直な方向への投影長さは、W3と定義されてもよく、第2の遷移部分1332の前述の垂直方向への投影長さは、W4と定義されてもよく、第5の遷移部分1335の前述の垂直方向への投影長さは、W5と定義されてもよく、0.4≦(W3+W4)/W5≦2.5である。
【0105】
いくつかの実施例では、第1の遷移部分1331と第2の遷移部分1332とは、それぞれ円弧状に設置されてもよい。皺部133の局所的な湾曲程度が高すぎることを回避し、さらに振動膜13の信頼性を向上させるために、第1の遷移部分1331の円弧半径R1は、第1の半径閾値以上であってもよい。例えば、第1の遷移部分1331の円弧半径R1は、0.2mm以上であってもよい。第2の遷移部分1332の円弧半径R2は、第2の半径閾値以上であってもよく、例えば、第2の遷移部分1332の円弧半径R2は、0.3mm以上であってもよい。当然のことながら、他のいくつかの実施例では、第1の遷移部分1331は、互いに接続された円弧部分及び平坦部分を含んでもよく、前述の円弧部分は、第3の遷移部分1333に接続され、前述の平坦部分は、第1の接続部132に接続され、第2の遷移部分1332は、第1の遷移部分1331と類似してもよい。
【0106】
上記詳細な説明に基づいて、
図9に示すように、振動膜本体131の厚さは、0.1mmであってもよい。例えば、W1≧0.9mm、0.3mm≦H≦1.0mm、W3+W4≧0.3mmである。いくつかの実施例では、0.3mm≦W3+W4≦1.0mmである場合、W2又はW5≧0.4mmであり、0.4mm≦W3+W4≦0.7mmである場合、W2又はW5≧0.5mmである。いくつかの実施例では、W2又はW5=0.4mm、W3=0.42mm、W4=0.45mm、H=0.55mmである。
【0107】
図9及び
図7に示すように、エネルギー変換装置12の振動方向に、皺部133と第1の接続部132との接続点(例えば、点8A)から磁気回路システム122のフロントキャビティ111から離れた外端面までの距離は、d1と定義されてもよく、バネシート124の中心領域から磁気回路システム122のフロントキャビティ111から離れた外端面までの距離は、d2と定義されてもよく、0.3≦d1/d2≦0.8である。このとき、距離d2が相対的に決定することができるため、距離d1は、皺部133と第1の接続部132との具体的な接続位置を調整するように、距離d2に基づいて調整することができる。さらに、磁性体1222の幾何学的中心(例えば、点G)から磁気回路システム122のフロントキャビティ111から離れた外端面までの距離は、d3と定義されてもよく、0.7≦d1/d3≦2である。このとき、距離d3が相対的に決定することができるため、距離d1も、皺部133と第1の接続部132との具体的な接続位置を調整するように、距離d3に基づいて調整することができる。このようにして、磁気回路システム122は、一端がバネシート124及びコイルホルダ121によりコアハウジング11に接続されてもよく、他端が振動膜13によりコアハウジング11に接続されてもよく、すなわち、バネシート124及び振動膜13は、それぞれエネルギー変換装置12の振動方向に磁気回路システム122の両端をコアハウジング11に固定することにより、磁気回路システム122の安定性を大幅に向上させることができる。
【0108】
いくつかの実施例では、d1≧d3であり、エネルギー変換装置12の振動方向に、
図4に示すように、放音孔113は、少なくとも部分的に上記接続点と上記外端面との間に位置してもよい。このようにして、磁気回路システム122の安定性をできるだけ向上させるとともに、リアキャビティ112の体積をできるだけ十分に大きくして、スピーカーアセンブリ10の音響表現力を向上させることができ、さらに放音孔113のコアハウジング11での位置及び大きさにできるだけ十分な設計空間を与えて、放音孔113を柔軟に設置することができる。
【0109】
上記関連説明に基づいて、
図7に示すように、底板1223の筒状側板1224から離れた面を参考基準とし、距離d1は、第2の接続部134と底板1223との間の距離と見なされてもよく、距離d2は、バネシート124と底板1223との間の距離と見なされてもよく、距離d3は、磁性体1222の幾何学的中心と底板1223との間の距離と見なされてもよい。いくつかの実施例では、d1=2.85mm、d2=4.63mm、d3=1.78mmである。
【0110】
いくつかの実施例では、第1の接続部132と皺部133との接続点(例えば、点8A)と、第2の接続部134と皺部133との接続点(例えば、点8B)のそれぞれのエネルギー変換装置12の振動方向への投影の間の距離は、d4と定義されてもよく、0≦d4/W2≦1.8である。このとき、同様に皺部133と第1の接続部132との具体的な接続位置を調整することができる。
図8中の(a)又は(c)に示すように、第1の接続部132と皺部133との接続点と、第2の接続部134と皺部133との接続点と、のそれぞれのエネルギー変換装置12の振動方向への投影が重なってもよく、すなわち、d4=0である。当然のことながら、
図8中の(b)又は(d)に示すように、第1の接続部132と皺部133との接続点(例えば、点8A)と第2の接続部134と皺部133との接続点(例えば、点8B)とのそれぞれのエネルギー変換装置12の振動方向への投影が互いにずれてもよく、すなわち、d4>0であってもよい。
【0111】
図10は、本明細書のいくつかの実施例に係る導音部材の原理概略構成図である。
図10及び
図4に示すように、スピーカーアセンブリ10は、コアハウジング11に接続された導音部材14をさらに含んでもよい。導音部材14には、導音通路141が設置され、導音通路141は、放音孔113と連通し、人の耳に上記気導音を案内する。換言すれば、導音部材14は、前述の気導音の伝達経路/方向を変化させることにより、前述の気導音の指向性を変化させることができ、そして、放音孔113と人の耳との間の距離を短縮することにより、前述の気導音の強度を向上させることができる。いくつかの実施例では、導音部材14は、後底板1151での可能な漏れ音による放音孔113での音声の逆位相相殺を改善するように、音響出力装置100からの気導音の実際の出力位置をコアハウジング11のその皮膚接触領域に対向する後端面(例えば、後底板1151の位置する領域)からより離れるようにしてもよい。このようにして、ユーザーが音響出力装置100を装着しているとき、ユーザーは、上記気導音によく聞こえる。
【0112】
いくつかの実施例では、音質を保証するために、周波数応答曲線を広い周波数帯域で平坦にするべきであり、すなわち、共振ピークをできるだけ高周波位置にする必要がある。放音孔113を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の周波数応答曲線は、共振ピークを有し、該共振ピークのピーク共振周波数は、第1の周波数閾値以上であってもよい。例えば、上記共振ピーク周波数は、1kHz以上であってもよい。また例えば、音響出力装置100が高い音声出力効果を有するように、ピーク共振周波数は、2kHz以上であってもよい。また例えば、音響出力装置100が高い音楽出力効果を有するように、ピーク共振周波数は、3.5kHz以上であってもよい。また例えば、ピーク共振周波数は、さらに4.5kHz以上であってもよい。
【0113】
上記関連説明に基づいて、いくつかの実施例では、導音通路141は、放音孔113によりリアキャビティ112と連通して、典型的なヘルムホルツ共振キャビティ構造を構成することができる。ヘルムホルツ共振キャビティモデルに基づいて、その共振周波数f、リアキャビティ112の体積V、導音通路141の断面積S、等価半径R及びその長さLは、f∝[S/(VL+1.7VR)]1/2という関係式を満たしてもよい。明らかなように、リアキャビティ112の体積が一定である場合に、導音通路141の断面積を増加させ、及び/又は導音通路141の長さを低減することは、いずれも共振周波数の増加に役立ち、さらに上記気導音を可能な限り高周波に移動させる。
【0114】
いくつかの実施例では、導音通路141の長さは、予め設定された長さ閾値以下であってもよい。例えば、導音通路141の長さは、7mm以下であってもよい。また例えば、導音通路141の長さは、2mm~5mmであってもよい。エネルギー変換装置12の振動方向に、導音通路141の出口端からコアハウジング11の上記皮膚接触領域から離れた後端面までの距離は、予め設定された距離閾値以上であってもよい。例えば、上記予め設定された距離閾値は、3mmであってもよい。これにより、コアハウジング11の後端面に発生した漏れ音による導音通路141の出口端での気導音の逆位相相殺を回避することができる。
【0115】
いくつかの実施例では、導音通路141の断面積は、第1の面積閾値以上であってもよい。例えば、導音通路141の断面積は、4.8mm
2以上であってもよい。また例えば、導音通路141の断面積は、8mm
2以上であってもよい。いくつかの実施例では、
図4に示すように、導音通路141の断面積は、導音通路141がラッパ状に設置されるように、上記気導音の伝送方向(すなわち、放音孔113から離れた方向)に沿って徐々に大きくなってもよく、上記気導音を案内するように、フロントハウジング116に向かって延在してもよい。いくつかの実施例では、導音通路141の入口端の断面積は、第2の面積閾値以上であってもよく、例えば、導音通路141の入口端の断面積は、10mm
2以上であってもよい。また例えば、導音通路141の入口端の断面積は、15mm
2以上であってもよい。
【0116】
いくつかの実施例では、導音通路141の体積とリアキャビティ112の体積との比は、0.05~0.9であってもよい。リアキャビティ112の体積は、第1の体積閾値以下であってもよい。例えば、リアキャビティ112の体積は、400mm3以下であってもよい。また例えば、リアキャビティ112の体積は、200mm3~400mm3であってもよい。
【0117】
いくつかの実施例では、導音通路141は、ラッパ状に設置されてもよい。導音通路141の長さは、2.5mmであってもよく、導音通路141の入口端と出口端の断面積は、それぞれ15mm2、25.3mm2であってもよい。さらに、リアキャビティ112の体積は、350mm3であってもよい。
【0118】
図10に示すように、
図10中の(a)~(e)は、主に導音部材14の様々な構造変形を示し、それらの主な相違点は、導音通路141の具体的な構造である。
図10中の(a)~(c)に対して、導音通路141は、湾曲して設置されると簡単に見なすことができ、
図10中の(d)~(e)に対して、導音通路141は、直行して設置されると簡単に見なすことができる。明らかなように、上記気導音は、導音通路141の構造の差異に応じて一定の区別が存在し、具体的には、以下のとおりである。
【0119】
図10中の(a)に対して、導音通路141の放音方向は、ユーザーの顔に指向し、導音通路141の出口端から上記後端面までの距離を増大させ、さらに上記気導音の指向性及び強度を最適化することができる。
【0120】
図10中の(b)に対して、導音通路141の放音方向は、ユーザーの耳介に指向するため、上記気導音がより耳介に収集されて耳道に入りやすく、さらに前述の気導音の強度を最適化する。
【0121】
図10中の(c)に対して、導音通路141の放音方向は、ユーザーの耳道に指向し、前述の気導音の強度を最適化することができる。それと同時に、導音通路141の出口端は、傾斜出口を用い、傾斜出口により導音通路141の出口端の実際の面積が導音通路141の断面積に制限されず、導音通路141の断面積を増大させることに相当し、さらに上記気導音の出力に役立つ。
【0122】
図10中の(d)に対して、導音通路141の壁面は、平面であり、製造過程において離型しやすい。
【0123】
図10中の(e)に対して、導音通路141の壁面は、曲面であり、導音通路141と空気との間の音響インピーダンスのマッチングを実現することに役立ち、さらに上記気導音の出力に役立つ。
【0124】
なお、導音通路141のある点の断面積は、該点を通って導音通路141を切断したときに得られる最も小さい面積である。さらに、直行導音通路は、導音通路141の入口端及び出口端のうちのいずれか一方から他方の全部を観察することができる導音通路である。いくつかの実施例では、例えば、
図10中の(d)及び(e)に示す直行導音通路に対して、導音通路141の長さは、以下の方式で算出することができる:まず、導音通路141の入口端の幾何学的中心(例えば、点10A)及びその出口端の幾何学的中心(例えば、点10B)を決定し、前述の幾何学的中心を接続して線分10A-10Bを形成し、該線分の長さは、導音通路141の長さと簡単に見なすことができる。それに応じて、湾曲導音通路は、導音通路141の入口端及び出口端のうちのいずれか一方から他方を観察することができないか又は他方の一部のみを観察することができる導音通路である。いくつかの実施例では、例えば、
図10中の(a)~(c)に示す湾曲導音通路に対して、湾曲導音通路を2つ又は2つ以上の直行サブ案内通路に分割し、かつ直行サブ案内通路の長さの和を湾曲導音通路の長さとすることができる。例えば、
図10中の(a)~(c)において、さらに中間湾曲箇所の位置する面の幾何学的中心(例えば、点10C1、点10C2)を決定し、前述の幾何学的中心を接続して線分10A-10C1-10B(又は10A-10C1-10C2-10B)を形成し、該線分の長さは、導音通路141の長さと簡単に見なすことができる。
【0125】
いくつかの実施例では、
図4に示すように、導音通路141の出口端には、一般的には音響インピーダンス網140が覆設され、該音響インピーダンス網は、前述の気導音の中高周波数帯域又は高周波数帯域での共振ピークのピーク共振周波数を低下させ、周波数応答曲線をより滑らかにし、聴取効果を向上させるように、放音孔113を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の音響インピーダンスを調整することができ、また、スピーカーアセンブリ10の防水防塵性能を向上させるように、リアキャビティ112を一定の程度で外部から隔離することができる。音響インピーダンス網140の音響インピーダンスは、260MKSrayls以下であってもよい。具体的には、音響インピーダンス網140の空隙率は、13%以上であってもよく、及び/又は、空隙の寸法は、18μm以上であってもよい。
【0126】
図11は、本明細書のいくつかの実施例に係る音響インピーダンス網の平面概略構成図である。いくつかの実施例では、
図11に示すように、音響インピーダンス網140は、フィラメントで編まれたものであってもよく、フィラメントの線径、疎密度合いなどの要因は、音響インピーダンス網140の音響インピーダンスに影響を与える。これに基づいて、縦方向に間隔をあけて配列された複数本のフィラメントと横方向に間隔をあけて配列された複数本のフィラメントのうちの4本ずつ互いに交差するフィラメントによって囲まれて、1つの空隙が形成されてもよい。フィラメントの中心線によって囲まれた領域の面積は、S1と定義されてもよく、フィラメントの縁部によって実際に囲まれた領域(すなわち、空隙)の面積は、S2と定義されてもよく、空隙率は、S2/S1と定義されてもよい。さらに、空隙寸法は、任意の隣接する2本のフィラメントの間の距離、例えば、空隙の辺長として表すことができる。
【0127】
いくつかの実施例では、本明細書の後文に導入される特定の貫通孔又は開口の有効面積は、その実際の面積と覆設された音響インピーダンス網の空隙率との積と定義されてもよい。例えば、導音通路141の出口端に音響インピーダンス網140が覆設される場合、導音通路141の出口端の有効面積は、導音通路141の出口端の実際の面積と音響インピーダンス網140の空隙率との積であり、導音通路141の出口端に音響インピーダンス網140が覆設されない場合、導音通路141の出口端の有効面積は、導音通路141の出口端の実際の面積である。いくつかの実施例では、後文に言及される減圧孔、調音孔などの貫通孔の出口端の有効面積は、それぞれ、実際の面積と対応する空隙率の積と定義されてもよく、ここでは説明を省略する。
【0128】
上記関連説明に基づいて、ユーザーは、骨導音に加えて、減圧孔114を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音ではなく、主に放音孔113及び導音通路141を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音に聞こえる。したがって、導音通路141の出口端の有効面積は、減圧孔114の面積より大きく設計されてもよい。
【0129】
いくつかの実施例では、減圧孔114の大きさは、フロントキャビティ111の排気のスムーズさに影響を与え、振動膜13の振動の難易度に影響を与え、さらに放音孔113を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の音響表現力に影響を与える。したがって、導音通路141の出口端の有効面積が一定である場合に、例えば、導音通路141の出口端の実際の面積及び/又は音響インピーダンス網140の空隙率が一定である場合に、下表を参照して、減圧孔114の出口端の有効面積を調整し、例えば、減圧孔114の出口端の実際の面積及び/又はそれに覆設された音響インピーダンス網1140の音響インピーダンスを調整することにより、放音孔113を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音を変化させることができる。本明細書では、音響インピーダンスが0であることは、音響インピーダンス網が覆設されないと簡単に見なすことができる。
【0130】
【0131】
図12は、本明細書のいくつかの実施例に係る導音部材での気導音の周波数応答曲線を示す概略図である。
図12に示すように、減圧孔114の出口端の実際の面積の増加に伴い、フロントキャビティ111の排気がよりスムーズになり、低周波数帯域又は中低周波数帯域でのピーク共振強度が明らかに向上し、減圧孔114の出口端に音響インピーダンス網1140が追加されることに伴い、フロントキャビティ111の排気が、ある程度で影響を受けるため、放音孔113を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の中低周波数が低下し、周波数応答曲線が相対的に平坦である。
【0132】
いくつかの実施例では、下表を参照して、減圧孔114の出口端の実際の面積及びそれに覆設された音響インピーダンス網1140の音響インピーダンスを調整することにより、異なる大きさの減圧孔114と異なる音響インピーダンスの音響インピーダンス網1140の組み合わせを実現することができ、さらに放音孔113を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の周波数応答曲線は、ほぼ一致する。空隙率が14%の音響インピーダンス網1140が単層網と簡単に見なすことができれば、空隙率が7%の音響インピーダンス網1140は、二層網と簡単に見なすことができる。
【0133】
【0134】
図13は、本明細書のいくつかの実施例に係る導音部材での気導音の周波数応答曲線を示す概略図である。
図14は、本明細書のいくつかの実施例に係る減圧孔での気導音の周波数応答曲線を示す概略図である。
図13に示すように、減圧孔114の出口端の実際の面積が大きいほど、それに対応する音響インピーダンス網の音響インピーダンスも大きくなるべきであり、それにより減圧孔114の出口端の有効面積がほぼ一致するため、フロントキャビティ111の排気のスムーズさがほぼ同じであり、さらに放音孔113を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の周波数応答曲線がほぼ一致する。しかしながら、
図14に示すように、放音孔113を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の周波数応答曲線がほぼ一致するが、減圧孔114を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の周波数応答曲線が同じではなく、すなわち、減圧孔114での漏れ音が異なる。減圧孔114の出口端の実際の面積の増加及び音響インピーダンス網1140の音響インピーダンスの増加に伴い、減圧孔114を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の周波数応答曲線は、全体的に下へ移動し、すなわち、減圧孔114での漏れ音がそれに伴って減衰する。換言すれば、導音部材14での気導音の周波数応答曲線がほぼ変化しないことを保証する場合に、減圧孔114の大きさをできるだけ増加させるとともに、減圧孔114上の音響インピーダンス網1140の音響インピーダンスを増加させることにより、減圧孔114での漏れ音をできるだけ小さくすることができる。以上より、減圧孔114の出口端の有効面積が2.76mm
2以下であることを保証する前提で、減圧孔114の出口端の実際の面積及び音響インピーダンス網1140の空隙率を増加させることにより、減圧孔114での漏れ音を低減することができる。
【0135】
なお、コアハウジング11の大きさが限られているため、単一の減圧孔114があまり大きくてはいけない。これに基づいて、いくつかの実施例では、減圧孔114は、少なくとも1つ又は少なくとも2つ、例えば、後文に記載される3つ設置されてもよい。
【0136】
上記詳細な説明に基づいて、いくつかの実施例では、ユーザーが放音孔113を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音に聞こえるように、導音通路141の出口端の有効面積は、各減圧孔114の出口端の有効面積より大きくてもよい。有効面積の定義に基づいて、導音通路141の出口端の実際の面積は、各減圧孔114の出口端の実際の面積より大きくてもよい。さらに、導音通路141の出口端の有効面積は、全ての減圧孔114の出口端の有効面積の和以上であってもよい。全ての減圧孔114の出口端の有効面積の和と導音通路141の出口端の有効面積との比は、第3の面積閾値以上であってもよい。例えば、全ての減圧孔114の出口端の有効面積の和と導音通路141の出口端の有効面積との比は、0.15以上であってもよい。また例えば、全ての減圧孔114の出口端の有効面積の和は、2.5mm2以上であってもよい。このようにして、フロントキャビティ111の排気のスムーズさを確保し、さらに放音孔113を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の音響表現力を改善し、減圧孔114での漏れ音を低減することができる。
【0137】
いくつかの実施例では、導音通路141の出口端の実際の面積は、第4の面積閾値以上であってもよい。例えば、導音通路141の出口端の実際の面積は、4.8mm2以上であってもよい。また例えば、導音通路141の出口端の実際の面積は、8mm2以上であってもよい。それに応じて、全ての減圧孔114の出口端の実際の面積の和は、第5の面積閾値以上であってもよい。例えば、全ての減圧孔114の出口端の実際の面積の和は、2.6mm2以上であってもよい。また例えば、全ての減圧孔114の出口端の実際の面積は、10mm2以上であってもよい。いくつかの実施例では、減圧孔114の数が1つである場合、全ての減圧孔114の出口端の実際の面積の和は、1つの減圧孔114の出口端の実際の面積であり、調音孔117は、それと類似する。いくつかの実施例では、導音通路141の出口端の実際の面積は、25.3mm2であってもよく、減圧孔114は、3つ設置されてもよく、例えば、後文に言及される第1の減圧孔1141、第2の減圧孔114及び第3の減圧孔1143が設置され、それらの出口端の実際の面積は、それぞれ、11.4mm2、8.4mm2、5.8mm2であってもよい。
【0138】
いくつかの実施例では、導音通路141の出口端に音響インピーダンス網140が覆設されてもよく、少なくとも一部の減圧孔114の出口端に音響インピーダンス網1140が覆設されてもよい。音響インピーダンス網1140の空隙率は、音響インピーダンス網140の空隙率以下であってもよい。いくつかの実施例では、音響インピーダンス網140の空隙率は、予め設定された空隙率閾値以上であってもよい。例えば、音響インピーダンス網140の空隙率は、13%以上であってもよい。また例えば、音響インピーダンス網1140の空隙率は、7%以上であってもよい。
【0139】
上記関連説明に基づいて、導音通路141は、放音孔113によりリアキャビティ112と連通して、典型的なヘルムホルツ共振キャビティ構造を構成することができ、共振ピークを有する。本発明者らは、ヘルムホルツ共振キャビティが共振するときのリアキャビティ112の音圧分布状況を研究することができる。
図15は、本明細書のいくつかの実施例に係る、スピーカーアセンブリに調音孔が設置される前及び調音孔が設置された後の後壁の音圧分布の比較概略図である。
図15中の(a)に示すように、リアキャビティ112内には、放音孔113から離れた高圧領域と、放音孔113に近接する低圧領域と、が形成される。さらに、ヘルムホルツ共振キャビティ構造が共振するとき、リアキャビティ112内に定常波が現れると見なすことができる。定常波の波長は、リアキャビティ112の寸法に対応し、例えば、リアキャビティ112が深いほど、すなわち、低圧領域と高圧領域との間の距離が長いほど、定常波の波長が長くなり、ヘルムホルツ共振キャビティ構造の共振周波数が低くなることを引き起こす。これに基づいて、
図15中の(b)に示すように、高圧領域を破壊することにより、例えば、高圧領域にリアキャビティ112と連通する貫通孔を設置することにより、高圧領域で本来反射できる音声が反射できなくなり、さらに前述の定常波を形成することができない。このとき、ヘルムホルツ共振キャビティ構造が共振するとき、リアキャビティ112内の高圧領域は、低圧領域に近接する方向に向かって内向きに移動することにより、定常波の波長が短くなり、さらにヘルムホルツ共振キャビティ構造の共振周波数が向上する。
【0140】
さらに、
図4に示すように、コアハウジング11には、リアキャビティ112と連通する調音孔117がさらに設置されてもよい。同じ条件下で、調音孔117をリアキャビティ112内の高圧領域に設置すると、高圧領域を最も効果的に破壊することができる。当然のことながら、調音孔117は、リアキャビティ112内の高圧領域と低圧領域との間の任意の領域に設置されてもよい。例示的には、調音孔117は、リアハウジング115に設置されるとともに、放音孔113及び導音部材14に対向してエネルギー変換装置12の両側に設置されてもよい。
【0141】
図16は、本明細書のいくつかの実施例に係る導音部材での気導音の周波数応答曲線時間領域図である。
図16に示すように、放音孔113を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の周波数応答曲線は、共振ピークを有する。下表を参照して、音響インピーダンス網が覆設されない場合に、調音孔117の出口端の実際の面積を調整することにより、調音孔による上記高圧領域への破壊程度を制御し、さらに共振ピークのピーク共振周波数を調整することができる。調音孔117の出口端の実際の面積が0であることは、調音孔117が閉鎖状態にあると見なすことができる。
【0142】
【0143】
図16に示すように、調音孔117の出口端の実際の面積が大きいほど、上記高圧領域への破壊効果が明らかであり、共振ピークのピーク共振周波数も相対的に高くなる。調音孔117が開放状態にある場合の共振ピークのピーク共振周波数は、調音孔117が閉鎖状態にある場合の共振ピークのピーク共振周波数より高周波に移動し、かつ移動量は、第1の予め設定された移動量閾値以上であってもよい。例えば、移動量は、500Hz以上であってもよい。また例えば、前述の移動量は、1kHz以上であってもよい。いくつかの実施例では、音響出力装置100が高い音声出力効果を有するように、調音孔117が開放状態にある場合の共振ピークのピーク共振周波数は、2kHz以上であってもよい。いくつかの実施例では、ピーク共振周波数は、第1の周波数閾値以上であってもよい。例えば、音響出力装置100が高い音楽出力効果を有するように、ピーク共振周波数は、3.5kHz以上であってもよい。また例えば、ピーク共振周波数は、さらに4.5kHz以上であってもよい。
【0144】
いくつかの実施例では、コアハウジング11の大きさが限られているため、単一の調音孔117があまり大きくてはいけない。これに基づいて、調音孔117は、少なくとも1つ、例えば、後文に記載される2つ設置されてもよい。
【0145】
いくつかの実施例では、ユーザーは、骨導音に加えて、調音孔117を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音ではなく、主に放音孔113を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音に聞こえる。したがって、導音通路141の出口端の有効面積は、調音孔117の面積より大きく設計されてもよい。
【0146】
図16及び
図15に示すように、リアキャビティ112に調音孔117が追加されるため、一部の音声が調音孔117から漏れ、すなわち、調音孔117に漏れ音が形成され、それにより放音孔113を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の周波数応答曲線が、全体的に下向きに移動する。このために、
図4に示すように、リアキャビティ112内の高圧領域を破壊するとともに調音孔117からの音声の漏れをできるだけ回避するように、少なくとも一部の調音孔117の出口端に音響インピーダンス網1170が覆設されてもよい。下表を参照して、調音孔117の出口端の有効面積を調整し、例えば、調音孔117の出口端の実際の面積及び/又はそれに覆設された音響インピーダンス網1170の音響インピーダンスを調整することにより、放音孔113を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音を変化させることができる。
【0147】
【0148】
図17は、本明細書のいくつかの実施例に係る導音部材での気導音の周波数応答曲線を示す概略図である。
図17に示すように、調音孔117の出口端に音響インピーダンス網1170を追加すると、リアキャビティ112内の調音孔117に明らかな反射音がない(すなわち、定常波がなく、硬音場境界ではない)ことを保証することにより、リアキャビティ112内の高圧領域を内向きに移動させることができるだけでなく、音声が調音孔117から漏れることを一定の程度で回避することにより、より多くの音声が放音孔113を介して音響出力装置100の外部に出力することができる。さらに、中低周波数帯域でのピーク共振強度が明らかに向上し、気導音の音量が増加し、高周波数帯域でのピーク共振強度がある程度で減少するため、周波数応答曲線は、高周波数帯域でより平坦になり、高周波の音質がより均一になる。
【0149】
上記詳細な説明に基づいて、いくつかの実施例では、ユーザーが放音孔113を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音に聞こえるように、導音通路141の出口端の有効面積は、各調音孔117の出口端の有効面積より大きくてもよい。有効面積の定義に基づいて、導音通路141の出口端の実際の面積は、各調音孔117の出口端の実際の面積より大きくてもよい。いくつかの実施例では、導音通路141の出口端の有効面積は、全ての調音孔117の出口端の有効面積の和より大きくてもよい。全ての調音孔117の出口端の有効面積の和と導音通路141の出口端の有効面積との比は、0.08以上であってもよい。いくつかの実施例では、全ての調音孔117の出口端の有効面積の和は、1.5mm2以上であってもよい。いくつかの実施例では、調音孔117の数が1つである場合、全ての調音孔117の出口端の有効面積の和は、1つの調音孔117の出口端の有効面積であり、減圧孔114は、それと類似する。このようにして、放音孔113を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の共振ピークのピーク共振周波数をできるだけ高周波に移動させることができるだけでなく、調音孔117での漏れ音を低減することができる。
【0150】
いくつかの実施例では、全ての調音孔117の出口端の実際の面積の和は、5.6mm2以上であってもよい。いくつかの実施例では、調音孔117は、2つ設置されてもよく、例えば、後文に言及される第1の調音孔1171及び第2の調音孔1172が設置され、それらの出口端の実際の面積は、それぞれ、7.6mm2、5.6mm2であってもよい。
【0151】
いくつかの実施例では、導音通路141の出口端に音響インピーダンス網140が覆設されてもよく、少なくとも一部の調音孔117の出口端に音響インピーダンス網1170が覆設されてもよい。音響インピーダンス網1170の空隙率は、音響インピーダンス網140の空隙率以下であってもよい。いくつかの実施例では、音響インピーダンス網140の空隙率は、13%以上であってもよく、音響インピーダンス網1170の空隙率は、16%以下であってもよい。
【0152】
上記関連説明に基づいて、減圧孔114及び放音孔113に対して、それぞれ両者を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の位相が逆であるため、減圧孔114及び放音孔113を三次元空間においてできるだけずれるべきであり、それによりそれぞれ両者を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音が干渉して相殺されることを回避することができる。このために、減圧孔114をできるだけ放音孔113から離れさせるべきである。調音孔117及び放音孔113に対して、放音孔113の位置する領域をリアキャビティ112内の低圧領域と簡単に見なすことができれば、リアキャビティ112内の放音孔113の位置する領域から最も遠い領域をリアキャビティ112内の高圧領域と簡単に見なすことができ、調音孔117は、好ましくは、リアキャビティ112内の高圧領域に設置されて、元の高圧領域を破壊するとともに、低圧領域に移動させる。このために、調音孔117をできるだけ放音孔113から離れさせるべきである。
【0153】
いくつかの実施例では、減圧孔114がフロントキャビティ111と連通し、調音孔117がリアキャビティ112と連通して、それぞれ減圧孔114と調音孔117とを介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の位相が逆であるため、干渉相殺の方式で減圧孔114及び調音孔117からの漏れ音を低減することができる。これに基づいて、干渉相殺に条件を提供するように、少なくとも一部の減圧孔114と少なくとも一部の調音孔117とは、それぞれ隣接して設置されてもよい。減圧孔114及び調音孔117の漏れ音の干渉相殺を促進するために、両者の間の間隔距離をできるだけ小さくすべきであり、例えば、減圧孔114と調音孔117との出口端の輪郭の間の最小距離は、2mm以下である。それ以外に、それぞれ減圧孔114と調音孔117とを介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の共振ピークのピーク共振周波数及び/又はピーク共振強度もできるだけマッチングすべきである。しかしながら、実際の製品設計において、具体的な構造及びプロセス公差の影響を受け、一般的には、前述の2つの孔からの気導音の共振ピークのピーク共振周波数及び/又はピーク共振強度をちょうど完全に同じにしにくいため、設計において、前述の2つの孔からの気導音の共振ピークのピーク共振周波数及び/又はピーク共振強度の差が大きすぎないことをできるだけ保証すべきである。
【0154】
図18は、本明細書のいくつかの実施例に係るスピーカーアセンブリの漏れ音の周波数応答曲線を示す概略図である。
図18に示すように、減圧孔114を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の周波数応答曲線は、第1の共振ピークf1を有し、調音孔117を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の周波数応答曲線は、第2の共振ピークf2を有する。下表を参照して、第1の共振ピークのピーク共振周波数と第2の共振ピークのピーク共振周波数とは、それぞれ、2kHz以上であってもよく、かつ|f1-f2|/f1≦60%である。第1の共振ピークのピーク共振周波数と第2の共振ピークのピーク共振周波数との差が徐々に減少することに伴い、漏れ音を低減できる周波数幅が徐々に広くなり、すなわち、周波数応答曲線が徐々に相対的に平坦になり、音響出力装置100の漏れ音が徐々に小さくなると表現し、すなわち、それぞれ減圧孔114と調音孔117とを介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の干渉相殺効果も高くなる。例えば、第1の共振ピークのピーク共振周波数と第2の共振ピークのピーク共振周波数とは、それぞれ3.5kHz以上であってもよく、かつ|f1-f2|≦2kHzである。このようにして、それぞれ減圧孔114と調音孔117とを介して音響出力装置100の外部に出力される気導音ができるだけ高周波数帯域で干渉して相殺することができる。
【0155】
【0156】
さらに、フロントキャビティ111内にコイルホルダ121、バネシート124などの構造部材が設置されるため、フロントキャビティ111内の定常波の波長が相対的に長く、調音孔117及び放音孔113は、互いに高圧領域を破壊することができるため、リアキャビティ112内の定常波の波長が相対的に短い。このようにして、第1の共振ピークのピーク共振周波数は、一般的には、第2の共振ピークのピーク共振周波数より小さい。いくつかの実施例では、それぞれ減圧孔114と調音孔117とを介して音響出力装置100の外部に出力される気導音をよりよく干渉させて相殺するために、第2の共振ピークのピーク共振周波数にできるだけ近接するように第1の共振ピークのピーク共振周波数をできるだけ高周波に移動させるべきである。このために、ヘルムホルツ共振キャビティモデルに基づいて、隣接して設置された減圧孔114と調音孔117とのうち、減圧孔114の出口端の有効面積は、調音孔117の出口端の有効面積より大きくてもよい。隣接して設置された減圧孔114と調音孔117とのうち、減圧孔114の出口端の有効面積と調音孔117の出口端の有効面積との比は、2以下であってもよい。いくつかの実施例では、隣接して設置された減圧孔114と調音孔117とのうち、減圧孔114の出口端の実際の面積は、調音孔117の出口端の実際の面積より大きくてもよい。さらに、隣接して設置された減圧孔114と調音孔117との出口端には、それぞれ音響インピーダンス網1140と音響インピーダンス網1170とが覆設されてもよく、音響インピーダンス網1140の空隙率は、音響インピーダンス網1170の空隙率より大きくてもよい。
【0157】
図19は、本明細書のいくつかの実施例に係るスピーカーアセンブリの原理概略構成図である。
図19中の(a)に示すように、減圧孔114は、第1の減圧孔1141及び第2の減圧孔1142を含んでもよい。第1の減圧孔1141は、第2の減圧孔1142より放音孔113から離れて設置されてもよい。このとき、第1の減圧孔1141の出口端の有効面積は、第2の減圧孔1142の出口端の有効面積より大きくてもよい。このようにして、コアハウジング11の大きさ及びフロントキャビティ111の排気需要を両立させることができるだけでなく、排気量が相対的に大きい第1の減圧孔1141をできるだけ放音孔113から離れさせることができ、さらに減圧孔114での漏れ音による放音孔113での気導音への影響を低減することができる。いくつかの実施例では、減圧孔114は、第3の減圧孔1143をさらに含んでもよく、第1の減圧孔1141は、第3の減圧孔1143より放音孔113から離れて設置されてもよい。第2の減圧孔1142の出口端の有効面積は、第3の減圧孔1143の出口端の有効面積より大きくてもよい。
【0158】
いくつかの実施例では、
図19中の(a)及び
図4に示すように、放音孔113及び第1の減圧孔1141は、エネルギー変換装置12の対向する両側に位置してもよく、第2の減圧孔1142及び第3の減圧孔1143は、対向して設置されるとともに、放音孔113と第1の減圧孔1141との間に位置してもよい。
【0159】
いくつかの実施例では、減圧孔114の出口端の有効面積を調整するように、減圧孔114のうちの少なくとも一部の減圧孔の出口端に音響インピーダンス網1140が覆設されてもよい。本実施例では、減圧孔114の出口端にそれぞれ音響インピーダンスが同じの音響インピーダンス網1140が覆設されることを例として例示的に説明する。このようにして、音響出力装置100の音響表現力及び防水防塵性能を改善することができるだけでなく、音響インピーダンス網1140の多すぎる規格及び種類による混乱を回避することができる。これに基づいて、減圧孔114の出口端の実際の面積を調整すれば、対応する有効面積を得ることができる。例えば、第1の減圧孔1141の出口端の実際の面積は、第2の減圧孔1142の出口端の実際の面積より大きくてもよく、第2の減圧孔1142の出口端の実際の面積は、第3の減圧孔1143の出口端の実際の面積より大きくてもよい。
【0160】
いくつかの実施例では、
図19中の(b)に示すように、調音孔117は、第1の調音孔1171及び第2の調音孔1172を含んでもよい。第1の調音孔1171は、第2の調音孔1172より放音孔113から離れて設置されてもよい。このとき、リアキャビティ112内の高圧領域を破壊するように、第1の調音孔1171の出口端の有効面積は、第2の調音孔1172の出口端の有効面積より大きくてもよい。このようにして、コアハウジング11の大きさ及び調音孔117がリアキャビティ112の高圧領域を破壊するという需要を両立させるとともに、放音孔113での気導音の共振周波数をできるだけ高くすることができるだけでなく、破壊程度が相対的に高い第1の調音孔1171をできるだけ放音孔113から離れさせることができる。
【0161】
いくつかの実施例では、
図19中の(b)及び
図4に示すように、放音孔113及び第1の調音孔1171は、エネルギー変換装置12の対向する両側に位置してもよく、第2の調音孔1172は、放音孔113と第1の調音孔1171との間に位置してもよい。
【0162】
いくつかの実施例では、調音孔117の出口端の有効面積を調整するように、調音孔117のうちの少なくとも一部の調音孔の出口端に音響インピーダンス網1170が覆設されてもよい。本明細書の実施例では、調音孔117の出口端にそれぞれ音響インピーダンスが同じの音響インピーダンス網1170が覆設されることを例として例示的に説明する。このようにして、音響出力装置100の音響表現力及び防水防塵性能を改善することができるだけでなく、音響インピーダンス網1170の多すぎる規格及び種類による混乱を回避することができる。これに基づいて、調音孔117の出口端の実際の面積を調整すれば、対応する有効面積を得ることができる。例えば、第1の調音孔1171の出口端の実際の面積は、第2の調音孔1172の出口端の実際の面積より大きくてもよい。いくつかの実施例では、第1の調音孔1171の出口端の実際の面積は、第6の面積閾値以上であってもよい。例えば、第1の調音孔1171の出口端の実際の面積は、3.8mm2以上であってもよい。第2の調音孔1172の出口端の実際の面積は、第7の面積閾値以上であってもよい。例えば、第2の調音孔1172の出口端の実際の面積は、2.8mm2以上であってもよい。
【0163】
いくつかの実施例では、
図19中の(c)及び(d)に示すように、第1の減圧孔1141と第1の調音孔1171とは、隣接して設置されてもよく、第2の減圧孔1142と第2の調音孔1172とは、隣接して設置されてもよい。このようにして、それぞれ第1の減圧孔1141と第1の調音孔1171とを介して音響出力装置100の外部に出力される気導音が干渉して相殺することができ、それぞれ第2の減圧孔1142と第2の調音孔1172とを介して音響出力装置100の外部に出力される気導音も干渉して相殺することができる。
【0164】
いくつかの実施例では、第1の減圧孔1141を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音のピーク共振周波数ができるだけ高周波に移動して、第1の調音孔1171を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音のピーク共振周波数にできるだけ近接し、さらにそれぞれ第1の減圧孔1141と第1の調音孔1171とを介して音響出力装置100の外部に出力される気導音がよりよく干渉して相殺することができるように、第1の減圧孔1141の出口端の有効面積は、第1の調音孔1171の出口端の有効面積より大きくてもよい。いくつかの実施例では、第2の減圧孔1142の出口端の有効面積は、第2の調音孔1172の出口端の有効面積より大きくてもよく、ここでは説明を省略する。
【0165】
いくつかの実施例では、調音孔117がリアキャビティ112内の高圧領域を破壊することと類似し、第2の減圧孔1142及び第3の減圧孔1143は、フロントキャビティ111内の高圧領域を破壊することにより、フロントキャビティ111内の定常波の波長が小さくなり、さらに第1の減圧孔1141を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音のピーク共振周波数が高周波に移動して、第1の調音孔1171を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音とよりよく干渉して相殺することができる。例えば、移動量は、500Hz以上であってもよく、共振ピークのピーク共振周波数は、2kHz以上であってもよい。また例えば、移動量は、1kHz以上であってもよい。いくつかの実施例では、第2の減圧孔1142を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音のピーク共振周波数も高周波に移動することができる。要するに、調音孔117に隣接して設置された減圧孔114を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音の周波数応答曲線は、共振ピークを有し、調音孔117に隣接して設置された減圧孔114以外の他の減圧孔114が開放状態にある場合の共振ピークのピーク共振周波数は、他の減圧孔114が閉鎖状態にある場合の共振ピークのピーク共振周波数より高周波に移動する。他の減圧孔114が開放状態にある場合の共振ピークのピーク共振周波数は、2kHz以上であってもよい。
【0166】
図19及び
図4に示すように、コアハウジング11は、エネルギー変換装置12の対向する両側に位置する第1の側壁19A及び第2の側壁19Bと、第1の側壁19A及び第2の側壁19Bに接続されるとともに互いに間隔をあけて設置された第3の側壁19C及び第4の側壁19Dと、を含んでもよい。要するに、コアハウジング11は、矩形枠に簡略化することができる。当然のことながら、コアハウジング11の全体がトラック状に設置されるように、第3の側壁19C及び第4の側壁19Dは、円弧状に設置されてもよい。第1の側壁19Aは、第2の側壁19Bより人の耳に近接し、第3の側壁19Cは、第4の側壁19Dより耳掛けアセンブリ40に近接する。さらに、放音孔113は、ユーザーが放音孔113及び導音通路141を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音に聞こえるように、第1の側壁19Aに設置されてもよく、第1の減圧孔1141と第1の調音孔1171とは、より放音孔113から離れるようにそれぞれ第2の側壁19Bに設置されてもよい。それに応じて、第2の減圧孔1142と第2の調音孔1172とは、それぞれ第3の側壁19C及び第4の側壁19Dのうちの一方に設置されてもよく、第3の減圧孔1143は、第3の側壁19C及び第4の側壁19Dのうちの他方に設置されてもよい。
【0167】
上記関連説明に基づいて、
図4及び
図19に示すように、いくつかの実施例では、減圧孔114により、フロントキャビティ111と音響出力装置100の外部とは、連通することができ、調音孔117により、リアキャビティ112と音響出力装置100の外部とは、連通することができ、少なくとも一部の減圧孔114と少なくとも一部の調音孔117とは、それぞれ隣接して設置されてもよく、両者の間隔距離は、2mm以下であってもよく、例えば、第1の減圧孔1141と第1の調音孔1171とは、隣接して設置され、第2の減圧孔1142と第2の調音孔1172とは、隣接して設置される。これに基づいて、いくつかの実施例では、スピーカーアセンブリ10は、保護カバー15をさらに含んでもよく、保護カバー15は、減圧孔114及び調音孔117の周辺に覆設されてもよい。保護カバー15は、金属ワイヤで編まれたものであってもよく、金属ワイヤのワイヤ径は、0.1mmであってもよく、保護カバー15は、一定の構造強度及び優れた通気度を有するように、メッシュ数が90~100であってもよい。このようにコアモジュール10の内部への異物の侵入を回避するとともに音響出力装置100の音響表現力に影響を与えないことができる。このようにして、保護カバー15は、隣接して設置された減圧孔114と調音孔117との両方を覆うことができ、すなわち、「1つのカバーで2つの孔を覆う」ことができ、さらに材料を大幅に低減し、かつ音響出力装置100の外観品質を改善する。
【0168】
図20は、本明細書のいくつかの実施例に係るスピーカーアセンブリの分解概略構成図である。いくつかの実施例では、
図20に示すように、コアハウジング11の外表面に収容領域118が設置されてもよく、収容領域118は、隣接して設置された減圧孔114及び調音孔117の出口端と連通してもよい。このとき、保護カバー15は、板状であってもよく、かつ係着、接着、溶接などの接続方式のうちの1種又はそれらの組み合わせにより収容領域118内に固定されてもよく、例えば、保護カバー15は、減圧孔114及び調音孔117を覆うように収容領域118の底部に接着又は溶接により接続されてもよい。保護カバー15の外表面は、音響出力装置100の外観品質を改善するように、コアハウジング11の外表面と面一となるか又は円弧状に連なってもよい。
【0169】
いくつかの実施例では、収容領域118内にボス1181がさらに形成されてもよく、ボス1181と収容領域118の側壁とは、間隔をあけて設置されてボス1181を取り囲む収容溝1182を形成する。収容溝1182の溝幅は、0.3mm以下であってもよい。このとき、減圧孔114及び調音孔117の出口端は、ボス1181の頂部に位置し、すなわち、収容溝1182は、減圧孔114及び調音孔117を取り囲んでもよい。それに応じて、保護カバー15は、主カバープレート151及び環状側板152を含んでもよく、環状側板152は、主カバープレート151の縁部に湾曲して接続されて、主カバープレート151の側方向に延在する。主カバープレート151に対する環状側板152の高さは、0.5mm~1.0mmであってもよい。このようにして、保護カバー15が収容領域118内に固定される場合、保護カバー15とコアハウジング11との接続強度を改善するように、また、環状側板152は、収容溝1182内に挿入されて固定されてもよい。例えば、環状側板152は、収容溝1182内の接着剤(図示せず)によりコアハウジング11に固定的に接続される。いくつかの実施例では、主カバープレート151は、溶接の方式でボス1181の頂部に接続されてもよい。ボス1181の頂部は、コアハウジング11の外表面よりわずかに低くてもよく、例えば、両者の間の段差は、主カバープレート151の厚さとほぼ等しい。
【0170】
上記関連説明に基づいて、
図20及び
図4に示すように、減圧孔114と調音孔117との出口端にそれぞれ音響インピーダンス網1140と音響インピーダンス網1170とが覆設されて、それぞれ減圧孔114と調音孔117との出口端の有効面積を調整して、さらに音響出力装置100の音響表現力を改善する。このとき、音響インピーダンス網1140及び音響インピーダンス網1170は、まず第1の環状接着シート1183によりボス1181の頂部に固定されてもよく、その後に、保護カバー15は、収容領域118内に固定されてもよい。第1の環状接着シート1183は、減圧孔114及び調音孔117を取り囲み、かつ両者の出口端を露出させる。さらに、主カバープレート151は、第2の環状接着シート1184により音響インピーダンス網1140及び音響インピーダンス網1170に固定されてもよい。第1の環状接着シート1183、第2の環状接着シート1184は、リング幅がそれぞれ0.4mm~0.5mmであってもよく、厚さがそれぞれ0.1mm以下であってもよい。当然のことながら、いくつかの実施例では、音響インピーダンス網1140及び音響インピーダンス網1170を保護カバー15に予め固定して、構造アセンブリを形成してから、該構造アセンブリを収容領域118内に固定してもよい。例えば、音響インピーダンス網1140及び音響インピーダンス網1170を第2の環状接着シート1184により主カバープレート151の同一側に固定し、環状側板152により取り囲み、さらに保護カバー15と共に構造アセンブリを形成する。音響インピーダンス網1140と音響インピーダンス網1170とは、少なくとも部分的に互いにすらして、それぞれ隣接して設置された減圧孔114と調音孔117との出口端を覆設し、かつ両者の間の間隔距離に適応することができる。
【0171】
なお、
図4に示すように、音響インピーダンス網140が導音通路141の出口端に覆設されるとともに対応する保護カバー15により覆われるように、導音部材14のコアハウジング11から離れた一端には、上記いずれかの方式と同じであるか又は類似する方式で音響インピーダンス網140及びそれに対応する保護カバー15が固定的に設置されてもよい。
【0172】
図21は、本明細書のいくつかの実施例に係るスピーカーアセンブリの分解概略構成図である。
図21及び
図4に示すように、コイルホルダ121は、リアハウジング115とフロントハウジング116との係合方向に垂直な方向にフロントハウジング116の側方向から露出してもよい。換言すれば、
図6に示すように、フロントハウジング116に対して、その筒状前側板1162の放音孔113又は導音部材14に隣接する側は、少なくとも部分的に取り除かれて、コイルホルダ121を露出させる逃げ領域を形成する。いくつかの実施例では、導音部材14は、コイルホルダ121の露出部分及びリアハウジング115の外側に係合するとともに、放音通路141と放音孔113とを連通させることができる。このようにして、フロントハウジング116の導音部材14に隣接する側は、コイルホルダ121を完全に包まなくてもよく、スピーカーアセンブリ10が局所的に厚すぎることを回避することができるだけでなく、導音部材14とコアハウジング11との固定に影響を与えない。
【0173】
いくつかの実施例では、コイルホルダ121の露出部分とリアハウジング115の外側面とが協働してボス119を形成することができる。ボス119は、リアハウジング115に位置する第1のサブボス部1191と、コイルホルダ121に位置する第2のサブボス部1192と、を含んでもよい。このとき、放音孔113は、全体的にリアハウジング115に設置されてもよく、放音孔113の出口端は、第1のサブボス部1191の頂部に位置してもよい。それに応じて、導音部材14のコイルホルダ121及びリアハウジング115に向かう側に凹み領域142が設置されてもよい。このとき、導音通路141の入口端は、凹み領域142の底部と連通してもよい。このようにして、導音部材14がコアハウジング11に組み立てられる場合、ボス119は、凹み領域142内に嵌設されるとともに、放音通路141と放音孔113とを連通させることができる。
図21に示すように、ボス119の高さと凹み領域142の深さとは、以下の関係を満たしてもよい:ボス119の頂部が凹み領域142の底部に当接する場合、導音部材14の端面とコアハウジング11とがちょうど接触するか、又は両者の間に隙間が残されて、導音通路141と放音孔113との間の気密性を改善する。これに基づいて、ボス119の頂部と凹み領域142の底部との間には、環状シール材(図示せず)などがさらに設置されてもよい。
【0174】
いくつかの実施例では、リアハウジング115及び導音部材14のうちの一方に挿着孔1154が設置されてもよく、それに応じて、他方に挿着柱143が設置されてもよい。挿着柱143は、挿着孔1154内に挿入固定されて、導音部材14とコアハウジング11との組立の精度及び信頼性を改善する。いくつかの実施例では、挿着孔1154は、リアハウジング115に設置され、具体的には、第1のサブボス部1191に位置してもよく、挿着柱143は、導音部材14に設置され、具体的には、凹み領域142内に位置してもよい。
【0175】
なお、
図21に示すように、導音部材14及びコアハウジング11は、
図21中の破線で示す方向に沿って組み立てられてもよい。
【0176】
いくつかの実施例では、例えば、スピーカーアセンブリ10に振動膜13が設置されない場合、スピーカーアセンブリ10の組立の信頼性を改善するために、フロントハウジング116によりコイルホルダ121を環状支持台1153に押し付けてもよい。具体的には、フロントハウジング116により第2の筒状ホルダ部1213の環状本体部1211から離れた他端を環状支持台1153に押し付けてもよい。
【0177】
他のいくつかの実施例では、例えば、スピーカーアセンブリ10に振動膜13が設置される場合、スピーカーアセンブリ10の組立の信頼性を改善するために、フロントハウジング116によりコイルホルダ121及びそれに接続された振動膜13を環状支持台1153に押し付けてもよい。振動膜13は、その補強リング136により第2の筒状ホルダ部1213の環状本体部1211から離れた他端に接続されてもよい。具体的には、フロントハウジング116は、第2の筒状ホルダ部1213により補強リング136を環状支持台1153に押し付けてもよい。
【0178】
いくつかの実施例では、
図21及び
図6に示すように、調音孔117は、完全な貫通孔の形態でリアハウジング115に設置されてもよく、減圧孔114は、不完全な切り欠きの形態でフロントハウジング116に設置されてもよく、リアハウジング115とフロントハウジング116との接合により完全な貫通孔が形成される。このようにして、隣接して設置された減圧孔114と調音孔117との間の間隔距離を低減しやすいだけでなく、減圧孔114の出口端の実際の面積を調音孔117の出口端の実際の面積より大きくしやすい。
【0179】
図22は、本明細書のいくつかの実施例に係るコイルホルダの概略構成図である。いくつかの実施例では、
図22及び
図4に示すように、フロントキャビティ111内の空気が排出過程においてコイルホルダ121及びコイル123などを迂回する必要がなく、コイルホルダ121を直接貫通するように、環状本体部1211と第1の筒状ホルダ部1212との接続箇所に連通孔1215が設置されてもよく、このようにして、フロントキャビティ111の排気効率を向上させることができるだけでなく、フロントキャビティ111内の定常波の波長を小さくすることができ、さらに減圧孔114を介して音響出力装置100の外部に出力される気導音のピーク共振周波数を高周波に移動させる。いくつかの実施例では、連通孔1215は、全体的に環状本体部1211又は第1の筒状ホルダ部1212に位置してもよい。いくつかの実施例では、連通孔1215は、複数であってもよく、コイルアセンブリの円周方向に沿って間隔をあけて設置される。各連通孔1215の断面積は、第8の面積閾値以上であってもよい。例えば、各連通孔1215の断面積は、2mm
2以上であってもよい。また例えば、第1の減圧孔1141に隣接して設置された連通孔1215の断面積は、3mm
2以上であってもよく、第2の減圧孔1142と第3の減圧孔1143とにそれぞれ隣接して設置された連通孔1215の断面積は、2.5mm
2以上であってもよい。
【0180】
図23及び
図24は、本明細書のいくつかの実施例に係るスピーカーアセンブリの断面概略構成図である。さらに、
図1及び
図2に示すように、音響出力装置100は、2つのスピーカーアセンブリ10を含んでもよく、2つのスピーカーアセンブリ10は、音響出力装置100が装着状態にある場合、それぞれユーザーの頭部の左側と右側とに位置してもよい。これに基づいて、
図23及び
図24に示すように、本明細書の実施例では、以下のように定義することができる。音響出力装置100が装着状態にある場合、2つのスピーカーアセンブリ10のうち、ユーザーの頭部の左側に位置するものは、左側スピーカーアセンブリであり、例えば、
図23に示すとおりであり、ユーザーの頭部の右側に位置するものは、右側スピーカーアセンブリであり、例えば、
図24に示すとおりである。いくつかの実施例では、スピーカーアセンブリ10には、エネルギー変換装置12などの音響発生に関連する構造部材が設置される以外に、機能キー、マイクロフォンなどの他の補助デバイスがさらに設置されて音響出力装置100の機能を増やし、拡張することができる。いくつかの実施例では、ユーザーの一般的な使用習慣に基づいて、機能キーは、左側スピーカーアセンブリ内に配置されてもよく、マイクロフォンは、右側スピーカーアセンブリ内に配置されてもよい。機能キー及びマイクロフォンは、体積が異なってもよい。当然のことながら、補助デバイスは、他の方式で設置され、分布してもよく、例えば、左側スピーカーアセンブリ、右側スピーカーアセンブリのそれぞれ内に1つのマイクロフォンが設置され、ここでは一々列挙しない。
【0181】
いくつかの実施例では、
図23に示すように、スピーカーアセンブリ10は、コアハウジング11の収容キャビティ内に設置された機能キー16を含んでもよく、機能キー16は、ユーザーの押圧操作を受けるように、リアハウジング115から露出してもよい。機能キー16のトリガー方向は、エネルギー変換装置12の振動方向とほぼ一致してもよい。
【0182】
いくつかの実施例では、
図24に示すように、スピーカーアセンブリ10は、コアハウジング11の収容キャビティ内に設置された第1のマイクロフォン171を含んでもよく、第1のマイクロフォン171は、スピーカーアセンブリ10の外部の音声を収集することができる。第1のマイクロフォン171の振動方向とエネルギー変換装置12の振動方向との夾角は、65度~115度であってもよい。このようにして、第1のマイクロフォン171がエネルギー変換装置12の振動に伴って機械的共振が発生することを回避し、さらにスピーカーアセンブリ10の収音効果を改善する。
【0183】
いくつかの実施例では、スピーカーアセンブリ10は、コアハウジング11の収容キャビティ内に設置された第2のマイクロフォン172をさらに含んでもよく、第2のマイクロフォン172は、スピーカーアセンブリ10の外部の音声を収集することができる。第2のマイクロフォン172の振動方向と第1のマイクロフォン171の振動方向との夾角は、65度~115度であってもよい。このようにして、第2のマイクロフォン172と第1のマイクロフォン171とは、それぞれ2つの異なる音声を受けることができるだけでなく、2つの異なる方向から同一の音声を受けることができ、さらに音響出力装置100のノイズ低減、音声通話などの機能を改善する。これに基づいて、いくつかの実施例では、音響出力装置100は、主制御回路基板60に集積された処理回路(図示せず)をさらに含んでもよく、処理回路は、第1のマイクロフォン171を主マイクロフォンとして、例えば、ユーザーの音声を収集し、第2のマイクロフォン172を補助マイクロフォンとして、例えば、ユーザーのいる環境の環境音を収集し、かつ第2のマイクロフォン172によって収集された音声信号により第1のマイクロフォン171によって収集された音声信号に対してノイズ低減処理を行う。第1のマイクロフォン171及び第2のマイクロフォン172は、同一のフレキシブル基板に溶接されて、スピーカーアセンブリ10の配線構造を簡略化することができる。例えば、第1のマイクロフォン171の振動方向とエネルギー変換装置12の振動方向は、互いに垂直であり、第2のマイクロフォン172の振動方向と第1のマイクロフォン171の振動方向とは、互いに垂直である。
【0184】
上記関連説明に基づいて、いくつかの実施例では、スピーカーアセンブリ10が骨導音を発生させるとともに気導音を発生させることができるように、スピーカーアセンブリ10は、エネルギー変換装置12とコアハウジング11との間に接続された振動膜13をさらに含んでもよい。これに基づいて、
図23(又は
図24)及び
図4に示すように、スピーカーアセンブリ10は、仕切り板18をさらに含んでもよく、仕切り板18は、リアキャビティ112内に設置されて、補助デバイスとリアキャビティ112とを仕切ることにより、リアキャビティ112の位置する空間が補助デバイスの影響をできるだけ受けないため、リアキャビティ112を囲む壁面は、できるだけ滑らかで、丸くなり、さらに音響出力装置100の気導音の音響表現力を改善する。このとき、エネルギー変換装置12は、仕切り板18のフロントキャビティ111に向かう側に位置する。
【0185】
いくつかの実施例では、仕切り板18は、リアキャビティ112を、フロントキャビティ111に近接して設置された第1のサブリアキャビティ1121と、フロントキャビティ111から離れて設置された第2のサブリアキャビティ1122と、に仕切ることができる。放音孔113と調音孔117とは、それぞれ第1のサブリアキャビティ1121と連通してもよく、機能キー16、第2のマイクロフォン172などの補助デバイスは、第2のサブリアキャビティ1122内に設置されてもよく、第1のマイクロフォン171は、第1のサブリアキャビティ1121内に設置されてもよい。これに基づいて、機能キー16と第2のマイクロフォン172とは、それぞれ、左側スピーカーアセンブリの後底板1151と対応する仕切り板18との間、右側スピーカーアセンブリの後底板1151と対応する仕切り板18との間に固定されてもよい。それに応じて、第1のマイクロフォン171は、右側スピーカーアセンブリの筒状後側板1152の溝(図示せず)内に固定されて、エネルギー変換装置12が動作振動中に第1のマイクロフォン171と衝突することを回避し、さらにスピーカーアセンブリ10の信頼性を向上させる。左側スピーカーアセンブリに対して、仕切り板18は、ユーザーによって機能キー16に印加された押圧力を受けることができる。
【0186】
いくつかの実施例では、仕切り板18は、左側スピーカーアセンブリの第1のサブリアキャビティ1121の体積が右側スピーカーアセンブリの第1のサブリアキャビティ1121の体積と同じであるように、第1のサブリアキャビティ1121の大きさを調整することができる。このようにして、それぞれ左側スピーカーアセンブリ、右側スピーカーアセンブリから出力された気導音の周波数応答曲線が一致することになり、さらに音響出力装置100の音響表現力を改善する。
【0187】
なお、加工精度、組立精度などの不可抗力の要素の制限を受けて、左側スピーカーアセンブリ、右側スピーカーアセンブリの第1のサブリアキャビティの体積が同じであることについては、両者の体積の間に一定の差が存在することが許容される。いくつかの実施例では、左側スピーカーアセンブリと右側スピーカーアセンブリとの第1のサブリアキャビティの体積の間の差は、予め設定された差閾値以下であってもよい。例えば、左側スピーカーアセンブリと右側スピーカーアセンブリとの第1のサブリアキャビティの体積の間の差は、10%以下であってもよい。また例えば、左側スピーカーアセンブリと右側スピーカーアセンブリとの第1のサブリアキャビティの体積の間の差は、5%以下であってもよい。さらに例えば、左側スピーカーアセンブリと右側スピーカーアセンブリとの第1のサブリアキャビティの体積の間の差は、1%以下であってもよい。
【0188】
いくつかの実施例では、第2のサブリアキャビティ1122内に接着剤(図示せず)が充填されてもよい。第2のサブリアキャビティ1122内の接着剤の充填率は、第2のサブリアキャビティ1122ができるだけ中実であるように、90%以上であってもよい。このようにして、第2のサブリアキャビティ1122が中空構造であり、第1のサブリアキャビティ1121と音響共振が発生することを回避することができ、さらに音響出力装置100の音響表現力を改善する。
【0189】
いくつかの実施例では、仕切り板18は、透光性材料で製造されてもよく、それに応じて、充填される接着剤は、光硬化接着剤であってもよく、光照射作用で硬化することができる。仕切り板18は、ホットメルト柱によりリアハウジング115と仮固定されてもよい。いくつかの実施例では、仕切り板18の側面とリアハウジング115との間の隙間は、光硬化接着剤により充填されてもよい。いくつかの実施例では、筒状後側板1152の溝は、第2のマイクロフォン172が収容された後に光硬化接着剤又は他のコロイドにより充填されてもよい。
【0190】
いくつかの実施例では、
図23(又は
図24)及び
図4に示すように、エネルギー変換装置12の振動方向に、磁束伝導カバー1221のフロントキャビティ111から離れた外端面と仕切り板18とは、間隔をあけて設置されて、両者がエネルギー変換装置12の動作中に衝突することを回避する。それだけではなく、磁束伝導カバー1221の外端面45の中心領域と仕切り板18との間隔距離は、磁束伝導カバー1221の外端面の縁部領域と仕切り板18との間隔距離より大きくてもよく、すなわち、第1のサブリアキャビティ1121の中心領域は、その縁部領域より広く、それにより第1のサブリアキャビティ1121内の空気の流れが容易になる。磁束伝導カバー1221に対して、その底板1223の仕切り板18に向かう面の中心領域は、仕切り板18から離れた方向に向かって凹んで円弧面になってもよく、及び/又は、仕切り板18に対して、仕切り板18の磁束伝導カバー1221に向かう面の中心領域は、磁束伝導カバー1221から離れた方向に向かって凹んで円弧面になってもよい。
【0191】
上記実施例におけるスピーカーアセンブリ10の構造設置により、音響出力装置100の音響表現力を改善することができるだけでなく、音響出力装置100のバッテリー駆動時間の延長、音響出力装置100の外観品質及び装着快適さの向上などに対して積極的な意義を有する。それ以外に、さらに音響出力装置100の支持構造50内に金属体を設置することができ、金属体は、支持構造50が一定の変形に適応するように支持構造に弾性を提供して、ユーザーが音響出力装置100を装着しているときに、支持構造50が異なる頭部又は耳部の形状などに適応することを保証するとともに、支持構造50が変形するときに破損しにくいことを保証することにより、支持構造50の耐久性を向上させ、また、金属体は、ユーザーが音響出力装置100を装着しているときに支持構造50をユーザーの頭部又は耳部に支持する剛性を支持構造50に提供することができる。それと同時に、いくつかの場合に、例えば、音響出力装置100がワイヤレスイヤホンである場合、金属体は、さらに音響出力装置100のアンテナとして信号を送受信することができ、このようにして、スピーカーアセンブリ10又は機能アセンブリ20におけるアンテナの設置を回避することができるため、スピーカーアセンブリ10又は機能アセンブリ20内のデバイスを低減し、スピーカーアセンブリ10又は機能アセンブリ20の寸法が大きすぎることがなく、構造もよりシンプルである。以下、金属体及びその関連構造を詳細に説明する。
【0192】
いくつかの実施例では、支持構造50内に金属体が設置されてもよく、金属体は、機能アセンブリ20に電気的に接続されて、音響出力装置100のアンテナとしてもよい。
【0193】
具体的には、後掛けアセンブリ30及び/又は耳掛けアセンブリ40内に金属体が設置され、金属体は、機能アセンブリ20に電気的に接続されて、音響出力装置100のアンテナとしてもよい。金属体は、一定の長さを有し、変化する電流及び変化する磁場を変換することにより、信号の送受信を実現することができるため、アンテナとして使用することができる。
【0194】
いくつかの実施例では、後掛けアセンブリ30内に金属体が設置されてもよく、金属体の少なくとも一端は、機能アセンブリ20に電気的に接続される。いくつかの実施例では、金属体31は、一体型であってもよく、その一端が1組の機能アセンブリ20に電気的に接続され、他端が他組の機能アセンブリ20に電気的に接続されず、或いは、その両端がそれぞれ対応する機能アセンブリ20に電気的に接続される。いくつかの実施例では、金属体は、分離式であってもよく、それぞれ1つの機能アセンブリ20に電気的に接続される。
【0195】
図25は、本明細書のいくつかの実施例に係る後掛けアセンブリの分解概略構成図である。
図25に示すように、後掛けアセンブリ30は、第1の後掛けハウジング301、第2の後掛けハウジング302及び金属体31を含み、金属体31は、第1の後掛けハウジング301と第2の後掛けハウジング302との係合によって形成された空間内に位置し、金属体31は、機能アセンブリ20に電気的に接続されて、音響出力装置100のアンテナとし、すなわち、後掛けアセンブリ30内に設置された金属体31をアンテナとして通信信号を送受信することができ、さらに機能アセンブリ20又はスピーカーアセンブリ10におけるアンテナの設置を回避することができ、機能アセンブリ20又はスピーカーアセンブリ10の体積を低減することができ、機能アセンブリ20及び耳掛けアセンブリ40を流線形に設置することに役立つ。
【0196】
いくつかの実施例では、金属体31は、一本分の金属ワイヤであってもよく、金属体31の両端は、それぞれ2つの機能アセンブリ20に電気的に接続される。いくつかの実施例では、金属体31は、信号をよく送受信することに役立つように、長さが第1の長さ閾値以上であってもよい。第1の長さ閾値は、後掛けアセンブリ30の長さ及び/又は金属体31をアンテナとして通信信号をよく送受信することができる場合に対応する長さに基づいて決定されてもよい。いくつかの実施例では、後掛けアセンブリ30の長さは、人間工学(例えば、人間の頭部輪郭寸法など)に基づいて設計されてもよい。いくつかの実施例では、第1の長さ閾値の範囲は、35mm~50mmであってもよい。いくつかの実施例では、第1の長さ閾値の範囲は、35mm~40mmであってもよい。いくつかの実施例では、第1の長さ閾値は、35mmであってもよく、すなわち、金属体31の長さは、35mm以上であってもよい。金属体31の長さを第1の長さ閾値以上に設定することにより、金属体31は、アンテナとして信号をよく送受信することに役立つことができるだけでなく、後掛けアセンブリ30における弾性部材として弾性力を提供することができ、さらに後掛けアセンブリ30の剛性及び強度を向上させることができる。金属体31を後掛けアセンブリ30における弾性部材として使用して弾性力を提供することに関するより多くの説明は、本明細書の他の箇所(例えば、
図31、
図32及びそれらの関連説明)を参照してもよい。
【0197】
いくつかの実施例では、金属体31は、分離式であってもよい。具体的には、金属体31は、第1のサブアンテナ(図示せず)及び第2のサブアンテナ(図示せず)を含んでもよく、第1のサブアンテナと第2のサブアンテナとは、それぞれ、対応する機能アセンブリ20に電気的に接続され、第1のサブアンテナと第2のサブアンテナとは、間隔をあけて設置される。本実施例では、第1のサブアンテナと第2のサブアンテナとは、後掛けアセンブリ30内に設置され、第1のサブアンテナと第2のサブアンテナとの長さは、いずれも第1の長さ閾値以上であり、例えば、第1のサブアンテナと第2のサブアンテナとは、信号をよく送受信することに役立つように、長さがいずれも35mmより大きくてもよい。
【0198】
いくつかの実施例では、耳掛けアセンブリ40内に金属体31が設置されてもよく、金属体31は、一端が機能アセンブリ20に電気的に接続されて、音響出力装置100のアンテナとして、通信信号を送受信する。具体的には、金属体31は、一本分の金属ワイヤであり、耳掛けアセンブリ40内に設置されてもよい。いくつかの実施例では、金属体31は、信号をよく送受信することに役立つように、長さが第2の長さ閾値以上であってもよい。いくつかの実施例では、第2の長さ閾値は、耳掛けアセンブリ40の長さ及び/又は金属体31をアンテナとして通信信号をよく送受信することができる場合に対応する長さに基づいて決定されてもよい。いくつかの実施例では、耳掛けアセンブリ40の長さは、人間工学(例えば、人間の耳部輪郭寸法など)に基づいて設計されてもよい。いくつかの実施例では、第2の長さ閾値の範囲は、35mm~50mmであってもよい。いくつかの実施例では、第2の長さ閾値の範囲は、35mm~40mmであってもよい。いくつかの実施例では、第2の長さ閾値は、35mmであってもよく、すなわち、金属体31の長さは、35mm以上であってもよい。金属体31の長さを第2の長さ閾値以上に設定することにより、金属体31は、アンテナとして信号をよく送受信することに役立つことができるだけでなく、耳掛けアセンブリ40における弾性部材として弾性力を提供することができ、さらに耳掛けアセンブリ40の剛性及び強度を向上させることができる。いくつかの実施例では、第2の長さ閾値と第1の長さ閾値とは、同じであってもよく、異なってもよい。
【0199】
いくつかの実施例では、金属体31と機能アセンブリ20との電気的接続を実現しやすいために、金属体31の端部(例えば、金属体31の機能アセンブリ20に接続される一端)に溶接金属層を覆うことにより、金属体31を溶接金属層により機能アセンブリ20の回路基板(例えば、主制御回路基板60)に溶接することができる。
【0200】
いくつかの実施例では、金属体31は、チタンワイヤであってもよく、チタンワイヤは、優れた導電性を有して、信号をよく送受信することに役立つだけでなく、重量が軽く、かつ支持構造50に弾性及び剛性を提供することができる。それに応じて、溶接金属層は、亜鉛めっき層であってもよい。このようにして、チタンワイヤを回路基板に直接溶接しにくいという問題を解決することができ、チタンワイヤは、端部には、回路基板に溶接されやすい溶接金属層がメッキされることにより、回路基板に電気的に接続されやすい。
【0201】
いくつかの実施例では、金属体31は、ばね鋼、チタン合金、チタンニッケル合金又はクロムモリブデン鋼などの金属であってもよく、溶接金属層は、銅メッキ層などであってもよく、本明細書では、これを具体的に限定しない。
【0202】
いくつかの実施例では、金属体31の機能アセンブリ20に接続される一端にピンヘッダーを設置し、対応するソケットを機能アセンブリ20の回路基板に設置することができ、このようにして、金属体31と機能アセンブリ20との電気的接続を実現しやすいだけでなく、金属体31を機能アセンブリ20の回路基板から取り外しやすい。
【0203】
いくつかの実施例では、音響出力装置100の支持構造50が後掛けアセンブリ30を含まず、耳掛けアセンブリ40のみを含む場合(例えば、音響出力装置100は、
図3中の音響出力装置であってもよく、音響出力装置100の支持構造50が後掛けアセンブリ30を含まず、耳掛けアセンブリ40のみを含むことに関するより多くの説明は、
図3及びその関連説明を参照してもよい)、支持構造50内に金属体31が設置されてもよく、すなわち、耳掛けアセンブリ40内に金属体31が設置されてもよく、金属体31は、機能アセンブリ20に電気的に接続されて、音響出力装置100のアンテナとする。
【0204】
いくつかの実施例では、金属体31は、さらに音響出力装置100の構造強度を改善することができる。いくつかの実施例では、金属体31の断面は、円形であってもよい。
【0205】
図26は、本明細書のいくつかの実施例に係る金属体の断面概略構成図である。いくつかの実施例では、
図3及び
図26に示すように、金属体31は、各方向に異なる変形能力を有するように、フラットシート構造であってもよい。金属体31の断面は、
図26中の(a)に示す角丸長方形であってもよく、
図26中の(b)に示す楕円形であってもよい。いくつかの実施例では、金属体31の長辺(又は長軸、L3)とその短辺(又は短軸、L4)との比は、設定された数値の範囲内にあってもよい。さらに、
図26中の(c)に示すように、金属体31の断面が
図26中の(a)に示す角丸長方形である場合、プレス、予備折り曲げなどのプロセスにより金属体31を短軸方向に円弧状にすることにより、金属体31は、一定の弾性ポテンシャルエネルギーを貯蔵することができる。具体的には、金属体31は、元の状態がカール状であり、金属体を、真っ直ぐに伸ばした後にプレスプロセスにより短軸方向に円弧状にすることにより、金属体31は、一定の内部応力を貯蔵して平らな形態を維持することができ、「記憶金属ワイヤ」になり、小さな外力を受けると、捲縮状態に戻り、さらに、フック状部が人の耳にフィットして包み得る。いくつかの実施例では、金属体31の円弧高さ(L5)とその長辺(L3)との比は、設定された数値の範囲内にあってもよい。
【0206】
上記方式により、このようなフラットシート構造を有する金属体31の作用で、耳掛けアセンブリ40が強い剛性を有することにより、スピーカーアセンブリ10及び機能アセンブリ20が協働してユーザーの耳部を効果的に弾性的に挟持することができるだけでなく、機能アセンブリ20がその長さ方向に沿って湾曲して強い弾性を有することにより、機能アセンブリ20自体は、ユーザーの耳部又は頭部に効果的に弾性的に押し付けることができる。
【0207】
したがって、金属体31は、音響出力装置100のアンテナとすることができるだけでなく、音響出力装置100の構造強度を改善することができる。いくつかの実施例では、音響出力装置100の構造強度を改善するために、スピーカーアセンブリ10及び機能アセンブリ20などの構造内に金属体31が設置されてもよい。
【0208】
上記説明に基づいて、金属体31は、音響出力装置100のアンテナとして支持構造50(例えば、後掛けアセンブリ30及び/又は耳掛けアセンブリ40)内に設置されてもよく、音響出力装置100の構造強度を改善するために、音響出力装置100の各アセンブリ(例えば、スピーカーアセンブリ10、機能アセンブリ20、支持構造50)内に設置されてもよい。また、支持構造50内に設置された金属体31は、弾性部材として後掛けアセンブリ30及び/又は耳掛けアセンブリ40に弾性を提供して変形に適応し、かつ後掛けアセンブリ30及び/又は耳掛けアセンブリ40に剛性を提供することにより、後掛けアセンブリ30及び/又は耳掛けアセンブリ40がユーザーの頭部又は耳部に支持することができる。以下、図面を参照して金属体31を弾性部材とすることについて詳細に説明する。
【0209】
いくつかの実施例では、耳掛けアセンブリ40は、金属体31を含んでもよく、金属体31は、音響出力装置100のアンテナとすることができるだけでなく、弾性部材として耳掛けアセンブリ40に弾性及び剛性を提供することができる。
図27は、本明細書のいくつかの実施例に係る機能アセンブリ及び耳掛けアセンブリの一体に設計される場合の分解概略構成図である。
図27、
図1及び
図2に示すように、機能アセンブリ20は、収容室21を含んでもよく、耳掛けアセンブリ40は、湾曲遷移部42及び固定部43を含んでもよい。機能アセンブリ20の収容室21は、主制御回路基板60又は電池70を収容することができ、耳掛けアセンブリ40の固定部43は、スピーカーアセンブリ10を固定することができ、湾曲遷移部42は、収容室21及び固定部43を接続することができる。いくつかの実施例では、湾曲遷移部42は、耳掛けアセンブリ40が機能アセンブリ20及びスピーカーアセンブリ10と一緒にユーザーの耳部と頭部との間に掛けられるように、湾曲状に設置されてもよい。
【0210】
いくつかの実施例では、収容室21と固定部43とは、それぞれプラスチック製の部品であってもよく、金属体31は、湾曲遷移部42内に設置されてもよく、金属体31は、弾性金属ワイヤであってもよく、弾性金属ワイヤとプラスチックとは、金属インサート成形プロセスにより一体に接続されてもよい。いくつかの実施例では、金属体31の機能アセンブリ20に向かう一端に金属コネクタが設置されてもよく、金属体31は、金属コネクタと機能アセンブリ20との挿着により機能アセンブリ20の主制御回路基板60に電気的に接続されて、音響出力装置100のアンテナとする。それと同時に、金属体31は、耳掛けアセンブリ40に弾性及び剛性を提供することにより、耳掛けアセンブリ40が変形に適応するとともに、ユーザーの耳部に支持することができる。いくつかの実施例では、音響出力装置100の装着快適さを改善するために、耳掛けアセンブリ40及び機能アセンブリ20の表面は、弾性被覆体であってもよい。
【0211】
図28は、本明細書のいくつかの実施例に係る機能アセンブリの概略構成図である。いくつかの実施例では、収容室21は、収容室本体211及びカバープレート212を含んでもよい。
図28に示すように、収容室本体211は、一端が開口した収容空間(図示せず)を形成し、カバープレート212は、収容室本体211の開口端に覆設されてもよい。
図29は、
図28中のA領域の部分拡大概略構成図である。いくつかの実施例では、
図29に示すように、収容室本体211の開口端には、外端面2111と、内側面2112と、外端面2111及び内側面2112を傾斜して接続する遷移面2113と、が設置されてもよい。カバープレート212が収容室本体211の開口端に覆設される場合、カバープレート212と遷移面2113の少なくとも一部の領域とは、間隔をあけて設置されて、カバープレート212と遷移面2113との間に、接着剤収容用の接着剤収容空間213が形成される。このとき、カバープレート212及び収容室本体211は、接着剤収容空間213内の接着剤(図示せず)により接続されてもよい。このようにして、ディスペンス需要を満たすとともに、収容室本体211の開口端の構造強度を最大限に確保することができ、さらに収容室本体211の構造全体の薄型化に役立つ。収容室本体211の開口端の壁厚は、0.6mm~1.0mmであってもよい。当然のことながら、いくつかの実施例では、カバープレート212が収容室本体211の開口端に覆設される場合、カバープレート212と外端面2111とは、溶接の方式で接続されてもよい。このとき、収容室本体211の開口端に遷移面2113が設置されなくてもよい。いくつかの実施例では、外端面2111と内側面2112との間には、内側面2112にほぼ垂直な環状のディスペンス台が設置されてもよい。
【0212】
いくつかの実施例では、遷移面2113は、平面であり、外端面2111と内側面2112とにそれぞれ鈍角で接続されてもよい。遷移面2113と外端面2111との間の鈍角(例えば、θ1)は、遷移面2113と内側面2112との間の鈍角(例えば、θ2)より小さくてもよい。このようにして、接着剤収容空間213の体積がディスペンス需要を満たすことができることを確保するとともに、収容室本体211の開口端の局所的な壁厚を最大限に保証し、さらに収容室本体211の開口端の構造強度を向上させる。いくつかの実施例では、遷移面2113と外端面2111との間の鈍角は、110度~135度であってもよく、或いは、遷移面2113と内側面2112との間の鈍角は、135度~160度であってもよい。
【0213】
いくつかの実施例では、遷移面2113にローレット構造が設置されて、遷移面2113と接着剤との接触面積を増加させ、さらにカバープレート212と収容室本体211との間の接着強度を改善する。
【0214】
いくつかの実施例では、
図28及び
図29に示すように、カバープレート212は、カバープレート本体2121及びカバープレート本体2121に接続された環状フランジ2122を含んでもよい。カバープレート本体2121は、外端面2111に覆設されるとともに、外端面2111に接触して、位置制限の作用を果たし、環状フランジ2122は、収容室本体211に挿入される。このとき、接着剤収容空間213は、遷移面2113とカバープレート本体2121の下表面及び環状フランジ2122の外側面との間に形成されてもよい。これに基づいて、いくつかの実施例では、収容室本体211及びカバープレート212は、フリップ方式で組み立てられてもよく、例えば、まず、ディスペンサーによりカバープレート212の周方向に沿って適量の接着剤をカバープレート本体2121の下表面と環状フランジ2122の外側面との間にディスペンスしてから、収容室本体211により機能アセンブリ20をカバープレート212に逆さまにして置くことにより、接着剤が収容室本体211の内部へ流れることを回避する。
【0215】
いくつかの実施例では、
図28に示すように、収容室21内に主制御回路基板60が設置されてもよく、主制御回路基板60にスイッチアセンブリ61が設置されてもよい。スイッチアセンブリ61は、第1の固定部611、第2の固定部612及びスイッチ本体613を含んでもよく、第2の固定部612は、第1の固定部611に湾曲して接続されてもよく、スイッチ本体613は、第2の固定部612に設置されてもよい。いくつかの実施例では、第1の固定部611は、主制御回路基板60の主表面にフィットして設置されてもよく、両者は、溶接されてもよく、第2の固定部612は、主制御回路基板60の側表面にフィットして設置されてもよく、スイッチ本体613は、第2の固定部612の主制御回路基板60から離れた側に位置する。
【0216】
いくつかの実施例では、カバープレート本体2121にキー孔2123が設置されてもよく、キー孔2123は、環状フランジ2122によって取り囲まれてもよい。それに応じて、機能アセンブリ20は、カバープレート本体2121の環状フランジ2122から離れた側に固定されたキーアセンブリ24をさらに含んでもよく、キーアセンブリ24は、ユーザーによって印加された押圧力を受け、かつキー孔2123によりスイッチアセンブリ61をトリガー可能であるように設置される。このとき、キーアセンブリ24によるスイッチアセンブリ61への押圧の方向は、主制御回路基板60の主表面に平行であることにより、主制御回路基板60がその主表面に垂直な方向に沿って変形することを回避する。
【0217】
いくつかの実施例では、
図28及び
図29に示すように、カバープレート本体2121の環状フランジ2122から離れた面は、部分的に環状フランジ2122に向かって凹んで配置領域2124を形成してもよく、それによりキー孔2123は、配置領域2124内に設置されてもよい。それに応じて、キーアセンブリ24は、軟質キー241及び軟質キー241に接続された硬質キー242を含んでもよい。軟質キー241は、配置領域2124内に設置されるとともに、キー孔2123を覆う。このとき、ユーザーが硬質キー242を押圧することにより軟質キー241を変形させ、かつキー孔2123に逃げることで収容室21の内部へのストロークが発生し、さらにスイッチ本体613に作用して、スイッチアセンブリ61をトリガーする。
【0218】
いくつかの実施例では、軟質キー241は、一体に接続された中間突起部2411及び縁部接続部2412を含んでもよく、縁部接続部2412は、カバープレート本体2121に接続され、中間突起部2411は、硬質キー242に接続される。配置領域2124の深さは、縁部接続部2412の厚さより大きく、かつ中間突起部2411の厚さより小さい。このとき、軟質キー241及びカバープレート212は、2色射出成形プロセスにより一体に接続されてもよく、配置領域2124の深さが縁部接続部2412の厚さより大きいため、成形過程におけるバリの発生を回避することができる。いくつかの実施例では、カバープレート本体2121の環状フランジ2122から離れた側には、配置領域2124を取り囲む環状補強リブが設置されてもよく、該環状補強リブのカバープレート本体2121から突出する高さは、約0.05mmであってもよく、そのリング幅は、約0.2mmであってもよく、該環状補強リブを成形過程における接着剤止め壁とすると、同様にバリの発生を回避することができる。
【0219】
いくつかの実施例では、
図29に示すように、スイッチアセンブリ61、キー孔2123及び軟質キー241は、それぞれ2つであり、それぞれ一対一に対応して設置されてもよい。各軟質キー241の中間突起部2411に止まり穴(図示せず)が設置されてもよい。それに応じて、硬質キー242は、一体に接続された押圧部2421及び挿入柱2422を含んでもよい。挿入柱2422も2つであってもよく、各挿入柱2422は、それぞれ1つの止まり穴内に嵌め込まれ、両者は、締まり嵌めされてもよい。これに基づいて、2つのスイッチアセンブリ61は、それぞれ音響出力装置100の音量増加キーと音量低減キーとに対応してもよく、そのうちのいずれか1つは、さらに音響出力装置100の電源キーとして拡張されてもよい。
【0220】
いくつかの実施例では、音響出力装置100の支持構造50が後掛けアセンブリ30を含む場合、後掛けアセンブリ30は、金属体31を含んでもよく、金属体31は、音響出力装置100のアンテナとすることができるだけでなく、弾性部材として後掛けアセンブリ30に弾性及び剛性を提供することにより、後掛けアセンブリ30が変形に適応し、かつユーザーの頭部に支持することができる。
【0221】
図30は、本明細書のいくつかの実施例に係る後掛けアセンブリの分解概略構成図である。
図31は、
図30中のB領域の部分拡大概略構成図である。
図30及び
図31に示すように、後掛けアセンブリ30は、金属体31及び金属コネクタ32を含んでもよく、金属コネクタ32は、金属体31の両端にそれぞれ外嵌固定されてもよい。このとき、金属体31の両端は、それぞれの金属コネクタ32により機能アセンブリ20(例えば、収容室21)の一端に挿着接続されて、後掛けアセンブリ30の両端がそれぞれ2つの機能アセンブリ20に接続されて、後掛けアセンブリ30に弾性を提供して、後掛けアセンブリ30が変形に適応し、かつユーザーの頭部に支持することができる。それと同時に、金属体31は、機能アセンブリ20の収容室21内に位置する主制御回路基板60に電気的に接続されて、音響出力装置100のアンテナとする。いくつかの実施例では、金属体31は、弾性金属ワイヤであってもよい。いくつかの実施例では、弾性金属ワイヤは、チタンワイヤであってもよい。いくつかの実施例では、弾性金属ワイヤは、ばね鋼、チタン合金、チタンニッケル合金又はクロムモリブデン鋼などの金属であってもよい。
【0222】
いくつかの実施例では、金属コネクタ32が金属体31の端部に外嵌されるため、金属体31の一部は、金属コネクタ32内に位置する。いくつかの実施例では、金属体31の金属コネクタ32の内部に位置する第1の部分311の金属体31の金属コネクタ32の外部に位置する第2の部分312に対する変形量は、第1の変形閾値以下であってもよい。いくつかの実施例では、第1の変形閾値は、金属体31の弾性係数又は金属体31の最大変形量に基づいて決定されてもよい。金属体31の最大変形量は、金属体31のその弾性変形範囲内の最大変形量であってもよい。いくつかの実施例では、第1の変形閾値の範囲は、0%~10%であってもよい。いくつかの実施例では、第1の変形閾値の範囲は、0%~5%であってもよい。いくつかの実施例では、第1の変形閾値の範囲は、0%~2%であってもよい。いくつかの実施例では、第1の変形閾値は、10%であってもよく、すなわち、金属体31の金属コネクタ32の内部に位置する第1の部分311の金属体31の金属コネクタ32の外部に位置する第2の部分312に対する変形量は、10%以下であってもよい。金属コネクタ32を金属体31の両端に外嵌することにより、金属体31と機能アセンブリ20との挿着接続を実現すると、金属体31の両端が変形しなくてもよく(又は小さく変形してもよく)、さらに金属体31の両端が変形により脆化することを回避して、後掛けアセンブリ30の信頼性を向上させることができる。それ以外に、金属コネクタ32自体は、優れた構造強度を有するため、音響出力装置100の構造強度を改善することができる。いくつかの代替的な実施例では、金属コネクタ32の代わりにプラスチックコネクタを使用してもよく、例えば、まず、金属体の両端をそれぞれプレスしてから、金属体の両端にそれぞれプラスチックコネクタを射出成形してもよい。
【0223】
いくつかの実施例では、金属体31の金属コネクタ32の内部に位置する第1の部分311の金属体31の金属コネクタ32の外部に位置する第2の部分312に対する変形量は、第1の部分331の断面の幾何学的中心を通る任意の方向に沿った断面寸法φ1と、第2の部分432の断面の幾何学的中心を通り、かつφ1の方向と同じである方向に沿った断面寸法φ2と、に基づいて決定されてもよい。例えば、変形量は、|φ1-φ2|/φ2という式で算出することができる。いくつかの実施例では、金属体31が線材であり、かつ変形しない場合、φ1、φ1は、それぞれ第1の部分311、第2の部分312の線径に対応する。
【0224】
いくつかの実施例では、金属体31に対して、第2の部分312は、後掛けアセンブリ30がユーザーの頭部の後側に掛けられるように、第1の部分311に対して湾曲状に設置されてもよい。いくつかの実施例では、金属体31の材質は、チタンワイヤ、ばね鋼、チタン合金、チタンニッケル合金、クロムモリブデン鋼などであってもよい。いくつかの実施例では、金属コネクタ32の材質は、チタン合金(例えば、ニッケルチタン合金、チタン合金、βチタンなど)、鋼合金(例えば、ステンレス鋼、炭素鋼、鉄など)、銅合金(例えば、タフピッチ銅、黄銅、青銅及び白銅)、アルミニウム合金などであってもよい。
【0225】
いくつかの実施例では、金属コネクタ32に取付孔(図示せず)が設置されてもよい。このとき、金属体31は、取付孔に挿入され、かつ溶接の方式で金属コネクタ32に接続されてもよい。
図31に示すように、金属体31の端部は、さらに金属コネクタ32の外端面から露出してもよく、金属体31と金属コネクタ32との溶接点は、金属体31の露出部分と金属コネクタ32の外端面との間に形成されてもよい。要するに、金属コネクタ32は、金属体31に外嵌されるとともに、金属体31の端部を露出させてもよく、さらに両者の端部を溶接すると、金属体31が音響出力装置のアンテナとするとき、金属体31の金属コネクタ32から露出した端部を(例えば、端部に溶接金属層を設置することにより溶接する)機能アセンブリ20の主制御回路基板60に溶接することにより、金属体31が機能アセンブリ20に電気的に接続されやすい。
【0226】
いくつかの実施例では、金属コネクタ32は、ダイカストの方式で金属体31に接続されてもよい。上記溶接接続と比較して、ダイカスト接続により金属コネクタ32は、金属体31に直接包まれてもよく、プラスチック射出成形と類似する。
【0227】
いくつかの実施例では、溶接接続であっても、ダイカスト接続であっても、金属体31と金属コネクタ32との結合強度を向上させるために、第1の部分311の外表面にローレット構造(図示せず)を設置して、金属体31と金属コネクタ32との間の接触面積を増加させる。また、ローレット構造により、第1の部分331の外表面の摩擦係数を増加させることができるため、金属体31と金属コネクタ32との間の摩擦力を増大させ、金属体31と金属コネクタ32との結合強度を向上させる。いくつかの実施例では、ローレット構造の深さと第1の部分311の断面寸法との比は、第1の割合閾値以下であってもよい。いくつかの実施例では、ローレット構造の深さは、第1の部分311の弾性変形に影響を与え、ローレット構造の深さが大きいほど、第1の部分311が弾性変形しやすいか、又は弾性変形が大きい。したがって、第1の割合閾値は、第1の部分311の第2の部分312に対する変形量の第1の変形閾値に基づいて決定されてもよく、例えば、第1の変形閾値により第1の部分311のその弾性変形範囲内の最大変形量を決定することができ、第1の部分311のその弾性変形範囲内の最大変形量に対応するローレット構造の深さと第1の部分311の断面寸法との比は、第1の割合閾値である。例えば、第1の割合閾値は、10%であってもよく、すなわち、ローレット構造の深さと第1の部分311の断面寸法との比は、10%以下であってもよい。また例えば、第1の割合閾値は、5%であってもよく、すなわち、ローレット構造の深さと第1の部分311の断面寸法との比は、5%以下であってもよい。さらに例えば、ローレット構造の深さは、0.2mm~0.3mmであってもよい。
【0228】
図32は、本明細書のいくつかの実施例に係る金属コネクタの導線に接触する側の概略構成図である。
図33は、
図30中の後掛けアセンブリの部分断面概略図である。いくつかの実施例では、
図32及び
図33に示すように、金属コネクタ32は、柱状に設置され、かつ金属コネクタ32の軸線方向に平行な実装面321を有してもよい。実装面321は、平面状に設置されるとともに、前述の軸線方向に沿って金属コネクタ32の両端を貫通してもよい。このようにして、後文に言及される導線33は、一般的には線材であり、その断面がほぼ円形であり、平面状の実装面321により金属コネクタ32と導線33とが組み立てられることにより、後掛けアセンブリ30の配線が設置されやすい。
【0229】
いくつかの実施例では、金属コネクタ32は、実装面321に平行な回転防止面322をさらに有してもよい。このようにして、後掛けアセンブリ30が金属コネクタ32により機能アセンブリ20(例えば、収容室21)に挿着接続された後、両者が相対的に回転しにくい。回転防止面322は、前述の軸線方向に沿って金属コネクタ32の金属体31に近接する一端のみを貫通することにより、金属コネクタ32の一端には、回転防止面322に接続された止めフランジ323が形成される。このようにして、後掛けアセンブリ30が金属コネクタ32により機能アセンブリ20(例えば、収容室21)に挿着接続される過程において、金属コネクタ32は、止めフランジ323により機能アセンブリ20の端面に当接して位置を制限することができる。
【0230】
いくつかの実施例では、金属コネクタ32の止めフランジ323から離れた他端に止めスロット324が設置されてもよい。止めスロット324は、金属コネクタ32の1つの径方向に沿って実装面321及び回転防止面322を貫通するとともに、金属コネクタ32の別の径方向に沿って対向して2つ設置されてもよい。このようにして、金属コネクタ32と機能アセンブリ20(例えば、収容室21)とは、係着係合することにより、後掛けアセンブリ30及び機能アセンブリ20が組み立てられた後に分離することを回避することができる。
【0231】
いくつかの実施例では、
図33及び
図30に示すように、後掛けアセンブリ30は、導線33及び弾性被覆体34をさらに含んでもよい。導線33は、長さが金属体31の長さより大きく、かつ金属体31の一端から他端まで延在する。いくつかの実施例では、弾性被覆体34は、軟質材質(例えば、シリコーンゴム)で製造されてもよく、導線33、金属体31及びその両端の金属コネクタ32を被覆することにより、音響出力装置100の装着快適さを改善することができる。
【0232】
いくつかの実施例では、弾性被覆体34に配線通路(図示せず)が設置されてもよく、金属体31及び導線33は、配線通路内に穿設される。いくつかの実施例では、配線を容易にするために、配線通路の寸法を、金属体31及び導線33が配線通路内で移動することを許可するように設定し、例えば、配線通路の断面積は、金属体31及び導線33の断面積の和より大きくてもよい。
【0233】
いくつかの実施例では、弾性被覆体34は、射出成形の方式で導線33を被覆し、配線通路が設置され、金属体31は、配線通路内に穿設される。いくつかの実施例では、配線を容易にするために、配線通路の寸法を、金属体31が配線通路内で移動することを許可するように設定し、例えば、配線通路の断面積は、金属体31の断面積より大きい。
【0234】
いくつかの実施例では、
図30、
図1及び
図2に示すように、弾性被覆体34は、一体に接続された後掛け被覆部341及び収容室被覆部342を含んでもよい。後掛け被覆部341は、金属体31及び導線33を被覆することができ、収容室被覆部342は、金属コネクタ32が収容室21に挿着接続された後に収容室21を少なくとも部分的に被覆することができる。
【0235】
いくつかの実施例では、収容室被覆部342は、収容室21を少なくとも部分的に被覆してもよく、金属コネクタ32に近接する第1の被覆部3421と、金属コネクタ32から離れた第2の被覆部3422と、を含んでもよい。第1の被覆部3421と第2の被覆部3422は、それぞれ、収容室21に接着固定されてもよく、第2の被覆部3422と収容室21との接着強度は、第1の被覆部3421と収容室21との接着強度より大きい。このようにして、接着強度の差異により、収容室被覆部342と収容室21との接着過程において両者の相対位置を調整して、両者の間の組立誤差を除去することにより、音響出力装置100の外観品質を改善することができる。これに基づいて、第1の被覆部3421は、第1の接着剤(図示せず)により収容室21に固定的に接続されてもよく、第2の被覆部3422は、第2の接着剤(図示せず)により収容室21に固定的に接続されてもよく、第2の接着剤の硬化速度は、第1の接着剤の硬化速度より大きい。いくつかの実施例では、第1の接着剤は、シリコーンゴム接着剤又は他の軟質接着剤であってもよく、第2の接着剤は、瞬間接着剤、構造用接着剤、PUR接着剤などの接着剤であってもよい。第2の接着剤は、主に第2の被覆部3422の第1の被覆部3421から離れた端部にディスペンスされて、仮固定の作用を果たす。
【0236】
上記関連説明に基づいて、収容室21は、プラスチック製の部品であってもよく、弾性被覆体34は、シリコーンゴム製の部品であってもよく、両者の材質の差異が大きいため、両者が直接接着された後に裂けなどの不良現象が発生しやすい。このために、
図30に示すように、第2の被覆部3422の内部に遷移接続部材3423が射出成形されてもよく、遷移接続部材3423と収容室21との接着強度は、第2の被覆部3422と収容室21との接着強度より大きく、それにより遷移接続部材3423は、第2の被覆部3422を代替して収容室21に接着される。遷移接続部材3423は、金属製の部品又はプラスチック製の部品であってもよく、遷移接続部材3423がプラスチック製の部品である場合、その材質は、収容室21の材質と同じであってもよい。
【0237】
いくつかの実施例では、
図30及び
図27に示すように、収容室被覆部342に対して、第1の被覆部3421は、スリーブ状に設置されてもよく、第2の被覆部3422は、ストライプ状に設置される。このようにして、金属コネクタ32が収容室21に挿着接続された後、収容室被覆部342が収容室21を被覆するとき、第1の被覆部3421は、収容室本体211及びカバープレート212の周辺に外嵌されてもよく、第2の被覆部3422は、カバープレート212を被覆し、カバープレート212と収容室本体211との間の嵌合隙間をさらに被覆することにより、音響出力装置100の防水性能を向上させることができる。
【0238】
いくつかの実施例では、
図30及び
図28に示すように、第2の被覆部3422には、それぞれキー孔2123に対応する逃げ孔3424が設置されることにより、各軟質キー241の中間突起部2411は、逃げ孔3424を介して露出して、硬質キー242に接続される。各軟質キー241の縁部接続部2412は、カバープレート本体2121と第2の被覆部3422との間に位置し、押圧部2421は、第2の被覆部3422のカバープレート本体2121から離れた側に位置する。このようにして、音響出力装置100の防水性能を向上させる。
【0239】
上記で基本概念を説明してきたが、当業者にとっては、上記詳細な開示は、単なる例として提示されているものに過ぎず、本明細書を限定するものではないことは明らかである。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本明細書に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は、本明細書によって示唆されることが意図されているため、本明細書の例示的な実施例の趣旨及び範囲内にある。
【0240】
さらに、本明細書の実施例を説明するために、本明細書において特定の用語が使用されている。例えば、「1つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本明細書の少なくとも1つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施例」又は「1つの実施例」又は「1つの代替的な実施例」の2つ以上の言及は、必ずしもすべてが同一の実施例を指すとは限らないことを強調し、理解されたい。また、本明細書の1つ以上の実施例における特定の特徴、構造又は特性は、適切に組み合わせられてもよい。
【0241】
また、特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、本明細書に記載の処理素子又はシーケンスの列挙した順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、本明細書の手順及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において、発明の様々な有用な実施例であると現在考えられるものを様々な例を通して説明しているが、そのような詳細は、単に説明の目的のためであり、添付の特許請求の範囲は、開示される実施例に限定されないが、逆に、本明細書の実施例の趣旨及び範囲内にあるすべての修正及び等価な組み合わせをカバーするように意図されることを理解されたい。例えば、上述したシステムアセンブリは、ハードウェアデバイスにより実装されてもよいが、ソフトウェアのみのソリューション、例えば、既存のサーバ又はモバイルデバイスに説明されたシステムをインストールすることにより実装されてもよい。
【0242】
同様に、本明細書の実施例の前述の説明では、本明細書を簡略化して、1つ以上の実施例への理解を助ける目的で、様々な特徴が1つの実施例、図面又はその説明にまとめられることがあることを理解されたい。しかしながら、このような開示方法は、特許請求される主題が各請求項で列挙されるより多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈されるべきではない。実際に、実施例の特徴は、上記開示された単一の実施例のすべての特徴より少ない場合がある。
【0243】
いくつかの実施例では、成分及び属性の数を説明する数字が使用されており、このような実施例を説明するための数字は、いくつかの例において修飾語「約」、「ほぼ」又は「概ね」によって修飾されるものであることを理解されたい。特に明記しない限り、「約」、「ほぼ」又は「概ね」は、上記数字が±20%の変動が許容されることを示す。よって、いくつかの実施例では、明細書及び特許請求の範囲において使用されている数値パラメータは、いずれも個別の実施例に必要な特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例では、数値パラメータについては、規定された有効桁数を考慮するとともに、通常の丸め手法を適用するべきである。本明細書のいくつかの実施例では、その範囲を決定するための数値範囲及びパラメータは近似値であるが、具体的な実施例では、このような数値は可能な限り正確に設定される。
【0244】
本明細書において参照されているすべての特許、特許出願、公開特許公報、及び、論文、書籍、仕様書、刊行物、文書などの他の資料は、本明細書の内容と一致しないか又は矛盾する出願経過文書、及び(現在又は後に本明細書に関連する)本明細書の請求項の最も広い範囲に関して限定的な影響を有し得る文書を除いて、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。なお、本明細書の添付資料における説明、定義、及び/又は用語の使用が本明細書に記載の内容と一致しないか又は矛盾する場合、本明細書における説明、定義、及び/又は用語の使用を優先するものとする。
【0245】
最後に、本明細書に記載の実施例は、単に本明細書の実施例の原理を説明するものであることを理解されたい。他の変形例も本明細書の範囲内にある可能性がある。したがって、限定するものではなく、例として、本明細書の実施例の代替構成は、本明細書の教示と一致するように見なされてもよい。よって、本明細書の実施例は、本明細書において明確に紹介して説明された実施例に限定されない。
【符号の説明】
【0246】
100 音響出力装置
10 スピーカーアセンブリ
20 機能アセンブリ
30 後掛けアセンブリ
40 耳掛けアセンブリ
50 支持構造
60 主制御回路基板
70 電池
【手続補正書】
【提出日】2023-06-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーディオ信号を振動信号に変換するスピーカーアセンブリと、
前記スピーカーアセンブリに電気的に接続された機能アセンブリと、
前記スピーカーアセンブリ及び前記機能アセンブリに接続される支持構造と、を含み、前記支持構造内には、前記機能アセンブリに電気的に接続された金属体が設置される、ことを特徴とする音響出力装置。
【請求項2】
前記金属体は、前記音響出力装置のアンテナとする、ことを特徴とする請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項3】
前記支持構造は、耳掛けアセンブリ及び後掛けアセンブリを含み、前記耳掛けアセンブリは、前記スピーカーアセンブリと前記機能アセンブリとの間に接続され、前記後掛けアセンブリは、2組の前記機能アセンブリの間に接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の音響出力装置。
【請求項4】
前記後掛けアセンブリ内に前記金属体が設置され、前記金属体の少なくとも一端は、前記機能アセンブリに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項3に記載の音響出力装置。
【請求項5】
前記機能アセンブリは、2組の機能アセンブリを含み、前記金属体の両端は、それぞれ前記2組の機能アセンブリに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項4に記載の音響出力装置。
【請求項6】
前記金属体は、第1のサブアンテナ及び第2のサブアンテナを含み、前記第1のサブアンテナと前記第2のサブアンテナとは、それぞれ、対応する組の機能アセンブリに電気的に接続され、前記第1のサブアンテナと前記第2のサブアンテナとは、間隔をあけて設置される、ことを特徴とする請求項4に記載の音響出力装置。
【請求項7】
前記耳掛けアセンブリ内に前記金属体が設置され、前記金属体の一端は、前記機能アセンブリに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項3に記載の音響出力装置。
【請求項8】
前記金属体の端部に溶接金属層が覆われ、前記金属体は、前記溶接金属層により前記機能アセンブリにおける主制御回路基板に溶接される、ことを特徴とする請求項2に記載の音響出力装置。
【請求項9】
前記溶接金属層は、亜鉛めっき層である、ことを特徴とする
請求項8に記載の音響出力装置。
【請求項10】
前記支持構造は、前記金属体及び金属コネクタを含む後掛けアセンブリを含み、前記金属コネクタは、前記金属体の両端にそれぞれ外嵌固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項11】
前記金属体の前記金属コネクタの内部に位置する第1の部分の前記金属体の前記金属コネクタの外部に位置する第2の部分に対する変形量は、第1の変形閾値以下である、ことを特徴とする
請求項10に記載の音響出力装置。
【請求項12】
前記変形量は、前記第1の部分の断面の幾何学的中心を通る任意の方向に沿った断面寸法φ1と、前記第2の部分の断面の幾何学的中心を通り、かつ前記第1の部分の断面寸法φ1の方向と同じである方向に沿った断面寸法φ2と、に基づいて決定される、ことを特徴とする
請求項11に記載の音響出力装置。
【請求項13】
前記第1の部分の外表面にローレット構造が設置される、ことを特徴とする
請求項11に記載の音響出力装置。
【請求項14】
前記金属コネクタに取付孔が設置され、前記金属体は、前記取付孔に挿入されるとともに、溶接の方式で前記金属コネクタに接続される、ことを特徴とする
請求項11に記載の音響出力装置。
【請求項15】
前記金属コネクタは、ダイカストの方式で前記金属体に接続される、ことを特徴とする
請求項10に記載の音響出力装置。
【国際調査報告】