(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-12
(54)【発明の名称】組織をクランプするためのシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/10 20060101AFI20240104BHJP
A61B 17/08 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
A61B17/10
A61B17/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540646
(86)(22)【出願日】2021-07-12
(85)【翻訳文提出日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 CN2021105801
(87)【国際公開番号】W WO2022142258
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011622698.2
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522049093
【氏名又は名称】沛嘉医療科技(蘇州)有限公司
【氏名又は名称原語表記】PEIJIA MEDICAL (SUZHOU) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】8 Zhongtian Lane, Suzhou Industrial Park, Suzhou Area, China (Jiangsu) Pilot Free Trade Zone, Suzhou, Jiangsu,China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】陳剣鋒
(72)【発明者】
【氏名】王凱
(72)【発明者】
【氏名】張一
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC03
4C160CC07
4C160MM33
(57)【要約】
【要約】
本発明は、組織をクランプするためのシステムを提供し、この組織をクランプするためのシステムは、組織を閉鎖するための挟持機構と、前記挟持機構を取り付けるための支持機構とを含む固定装置であって、前記支持機構は、挟持機構を開閉駆動する駆動ユニットを含む固定装置と、前記固定装置を所定の位置にプッシュするためのプッシュ軸と、プッシュ軸と固定装置とを分離可能に接合させる分離装置とを含む移動制御装置と、を含み、前記挟持機構は1対の閉鎖部材を含み、前記閉鎖部材には、1つの非直線部を少なくとも含むガイド溝が設けられ、前記支持機構には、少なくとも一部が前記ガイド溝内に位置する溝駆動部材が設けられ、前記溝駆動部材は、前記ガイド溝内を往復摺動可能であり、2つの前記閉鎖挟持部を近接又は離間させるように駆動することができる。駆動方式を改良することで、弁葉のつかみの安定性と信頼性を高める。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織をクランプするためのシステムであって、
組織を閉鎖するための挟持機構(1000)と、前記挟持機構(1000)を取り付けるための支持機構(2000)とを含む固定装置であって、前記支持機構(2000)は、挟持機構(1000)を開閉駆動する駆動ユニット(2200)を含む固定装置と、
前記固定装置を所定の位置にプッシュするためのプッシュ軸(600)と、プッシュ軸(600)と固定装置とを分離可能に接合させる分離装置(3000)とを含む移動制御装置と、を含み、
前記挟持機構(1000)は、1対の閉鎖部材(1100)を含み、前記閉鎖部材(1100)には、1つの非直線部を少なくとも含むガイド溝(1121)が設けられ、前記支持機構(2000)には、少なくとも一部が前記ガイド溝(1121)内に位置する溝駆動部材(850)が設けられ、前記溝駆動部材(850)は、前記ガイド溝(1121)内を往復摺動可能であり、これにより、2つの前記閉鎖挟持部(1110)を相対的に近接又は離間させるように駆動する、ことを特徴とする、組織をクランプするためのシステム。
【請求項2】
前記挟持機構(1000)は、1対の閉鎖部材(1100)と、各前記閉鎖部材(1100)に対応して設置される1対のつかみ部材(1200)とを含み、前記閉鎖部材(1100)は、閉鎖接続部(1120)と閉鎖挟持部(1110)とを含み、前記閉鎖挟持部(1110)は、前記つかみ部材(1200)と協働して組織を挟持するために用いられ、
前記ガイド溝(1121)は、前記閉鎖接続部(1120)に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の組織をクランプするためのシステム。
【請求項3】
前記支持機構(2000)は、固定接続ユニット(2100)を含み、前記固定接続ユニット(2100)には、少なくとも一部が前記ガイド溝(1121)内に位置する溝駆動部材(850)が設けられ、前記駆動ユニット(2200)は、2つの前記閉鎖接続部(1120)に接続され、且つ前記駆動ユニット(2200)が前記固定接続ユニット(2100)に対して移動する時、前記溝駆動部材(850)が前記ガイド溝(1121)内を往復摺動するように構成される、ことを特徴とする請求項2に記載の組織をクランプするためのシステム。
【請求項4】
前記ガイド溝(1121)は、連通する少なくとも2つの案内溝を含み、且つ第1の案内溝のラジアンが前記第2の案内溝のラジアンよりも大きい、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の組織をクランプするためのシステム。
【請求項5】
前記第2の案内溝に連通し且つラジアンが前記第2の案内溝のラジアンよりも大きい第3の案内溝を含み、前記第2の案内溝は、前記第1の案内溝と前記第3の案内溝との間に位置する、ことを特徴とする請求項4に記載の組織をクランプするためのシステム。
【請求項6】
前記分離装置(3000)は、前記駆動ユニット(2200)に相対回動不能で且つ軸方向に分離可能に接合される操作ロッド(3100)を含み、前記操作ロッド(3100)は、回動することで、前記駆動ユニット(2200)の軸方向の動作を駆動し、
且つ前記操作ロッド(3100)は、予め設定された通り近接端へ移動する時、前記分離装置(3000)を前記固定装置から離脱させるように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の組織をクランプするためのシステム。
【請求項7】
前記支持機構(2000)は、固定接続ユニット(2100)と、前記固定接続ユニット(2100)と相対移動可能な駆動ユニット(2200)とを含み、前記固定接続ユニット(2100)はベース分離端(2120)を含み、
分離装置(3000)は、前記ベース分離端(2120)と分離可能に接合されるジョイントベース(3300)と、前記ベース分離端(2120)と前記ジョイントベース(3300)とを接続する係合部材(3200)と、前記駆動ユニット(2200)に駆動力を供給できる操作ロッド(3100)とを含み、
前記操作ロッド(3100)は、前記駆動ユニット(2200)に軸方向に分離可能で且つ相対回動不能に接続される操作ロッド分離端(3120)を含み、前記操作ロッド(3100)は、前記係合部材(3200)に対して第1の位置と第2の位置との間を移動できるように構成され、前記操作ロッド(3100)が第2の位置で近接端へ移動する時、前記操作ロッド支持部(3130)は、前記係合部材(3200)を同時に近接端へ移動させて、前記ジョイントベース(3300)と前記ベース分離端(2120)とを相対的に分離可能にする、ことを特徴とする請求項6に記載の組織をクランプするためのシステム。
【請求項8】
前記ジョイントベース(3300)は、ジョイントベース接続端(3310)と、ジョイントベース分離端(3320)と、前記ジョイントベース(3300)を貫通するジョイントベースチャンバー(3330)とを含み、前記係合部材(3200)は、前記ジョイントベースチャンバー(3330)内に設けられ、前記ジョイントベース分離端(3320)は、前記係合部材(3200)を介して前記ベース分離端(2120)に接続され、前記ジョイントベース接続端(3310)は、移動装置に接続されるために用いられる、ことを特徴とする請求項7に記載の組織をクランプするためのシステム。
【請求項9】
前記移動制御装置は、前記挟持機構(1000)のつかみ部材(1200)を開閉制御するための操作ワイヤ(610)をさらに含み、前記係合部材(3200)は、操作ワイヤ制限溝(3322)を含み、前記ジョイントベース(3300)が前記ベース分離端(2120)に接続される時、前記操作ワイヤ制限溝(3322)は、前記操作ワイヤ(610)の離脱を制限する、ことを特徴とする請求項8に記載の組織をクランプするためのシステム。
【請求項10】
前記固定接続ユニット(2100)は、ベースハウジングを含み、前記ベースハウジング内にベースチャンバー(2130)が設けられ、前記ベースチャンバー(2130)内にベースねじ部(2131)が設けられ、前記駆動ユニット(2200)は、駆動軸(2230)を含み、前記駆動軸(2230)は、前記ベースねじ部(2131)と螺合する駆動ねじ部(2231)を含み、ベースねじ部(2131)と駆動ねじ部(2231)とが螺合するリード角度が摩擦角よりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の組織をクランプするためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具に関し、特に組織をクランプするためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療技術の進歩に伴い、従来の高リスクの外科手術は、低侵襲カテーテル手術に取って代わられつつある。現在、市場で主に展開され、応用されている低侵襲介入技術は、間接弁輪成形術(annuloplasty)、直接弁輪成形術、エッジツーエッジ修復、腱索修復を含む。
【0003】
エッジツーエッジ修復技術は、外科手術で僧帽弁逆流を治療する臨床実践により徐々に成熟し、良好な治療効果を示す。
【0004】
外科手術の弁膜のエッジツーエッジ縫合技術原理に基づいて開発された弁膜クリップデバイスは、安全性が高く、技術原理が簡単で、実行可能性が大きいため、現在、最も肯定されている。
【0005】
従来技術では、弁膜クリップデバイスシステムを使用する時に、移動ユニットによって弁膜クリップデバイスを心臓の所定の位置まで移動し、そして弁膜クリップデバイスで挟持して固定した後に、弁膜クリップデバイスをインプラントとして心臓に留置する必要がある。一方、移動ユニットは、分離装置によって弁膜クリップデバイスから分離する必要がある。しかしながら、従来技術では、クリップが狭い通路を通過して曲がる必要があるため、クリップの長さに一定の制限があり、さらにつかみ距離が制限される。従来技術では、一般的に、クリップを駆動するためのリンク機構により、クリップの反転角度も制限され、弁葉をつかむ難易度が向上する。要するに、その駆動方式及び分離方式には改善する余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、駆動方式を改良することで、弁葉のつかみの安定性と信頼性を高める、組織をクランプするためのシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
具体的には、下記態様を含む。
組織をクランプするためのシステムであって、
組織を閉鎖するための挟持機構と、前記挟持機構を取り付けるための支持機構とを含む固定装置であって、前記支持機構は、挟持機構を開閉駆動する駆動ユニットを含む固定装置と、
前記固定装置を所定の位置にプッシュするためのプッシュ軸と、プッシュ軸と固定装置とを分離可能に接合させる分離装置移動制御装置と、を含み、
前記挟持機構は1対の閉鎖部材を含み、前記閉鎖部材には、1つの非直線部を少なくとも含むガイド溝が設けられ、前記支持機構には、少なくとも一部が前記ガイド溝内に位置する溝駆動部材が設けられ、前記溝駆動部材は、前記ガイド溝内を往復摺動可能であり、これにより、2つの前記閉鎖挟持部を相対的に近接又は離間させるように駆動する。
【0008】
さらに、前記挟持機構は、1対の閉鎖部材と、各前記閉鎖部材に対応して設置される1対のつかみ部材とを含み、前記閉鎖部材は、閉鎖接続部と閉鎖挟持部とを含み、前記閉鎖挟持部は、前記つかみ部材と協働して組織を挟持するために用いられ、
前記ガイド溝は、前記閉鎖接続部に設けられる。
【0009】
さらに、前記支持機構は、固定接続ユニットを含み、前記固定接続ユニットには、少なくとも一部が前記ガイド溝内に位置する溝駆動部材が設けられ、前記駆動ユニットは、2つの前記閉鎖接続部に接続され、且つ前記駆動ユニットが前記固定接続ユニットに対して移動する時、前記溝駆動部材が前記ガイド溝内を往復摺動するように構成される。
【0010】
さらに、前記ガイド溝は、連通する少なくとも2つの案内溝を含み、且つ第1の案内溝のラジアンが前記第2の案内溝のラジアンよりも大きい。
【0011】
さらに、前記第2の案内溝に連通し且つラジアンが前記第2の案内溝のラジアンよりも大きい第3の案内溝をさらに含み、前記第2の案内溝は、前記第1の案内溝と前記第3の案内溝との間に位置する。
【0012】
さらに、前記分離装置は、前記駆動ユニットに相対回動不能で且つ軸方向に分離可能に接合される操作ロッドを含み、前記操作ロッドは、回動することで前記駆動ユニットの軸方向の動作を駆動し、
前記操作ロッドは、予め設定された通り近接端へ移動する時、前記分離装置を前記固定装置から離脱させるように構成される。
【0013】
さらに、前記支持機構は、固定接続ユニットと、前記固定接続ユニットと相対移動可能な駆動ユニットとを含み、前記固定接続ユニットは、ベース分離端を含み、
分離装置は、前記ベース分離端と分離可能に接合されるジョイントベースと、前記ベース分離端と前記ジョイントベースとを接続する係合部材と、前記駆動ユニットに駆動力を供給できる前記操作ロッドを含み、
前記操作ロッドは、前記駆動ユニットに軸方向に分離可能であって且つ相対回動不能に接続される操作ロッド分離端を含み、前記操作ロッドは、前記係合部材に対して第1の位置と第2の位置との間を移動できるように構成され、且つ前記操作ロッドが第2の位置で近接端へ移動する時、前記操作ロッド支持部は、前記係合部材を同時に近接端へ移動させることで、前記ジョイントベースと前記ベース分離端とを相対的に分離させることができる。
【0014】
さらに、前記ジョイントベースは、ジョイントベース接続端と、ジョイントベース分離端と、前記ジョイントベースを貫通するジョイントベースチャンバーを含み、前記係合部材は、前記ジョイントベースチャンバー内に設けられ、前記ジョイントベース分離端は、前記係合部材を介して前記ベース分離端に接続され、前記ジョイントベース接続端は、移動装置に接続されるために用いられる。
【0015】
さらに、前記移動制御装置は、前記挟持機構のつかみ部材を開閉制御するための操作ワイヤをさらに含み、前記係合部材は、操作ワイヤ制限溝を含み、前記ジョイントベースが前記ベース分離端に接続される時、前記操作ワイヤ制限溝は、前記操作ワイヤの離脱を制限する。
【0016】
さらに、前記固定接続ユニットは、ベースハウジングを含み、前記ベースハウジング内にベースチャンバーが設けられ、前記ベースチャンバー内にベースねじ部が設けられ、前記駆動ユニットは、駆動軸を含み、前記駆動軸は、前記ベースねじ部と螺合する駆動ねじ部を含み、ベースねじ部と駆動ねじ部とが螺合するリード角度が摩擦角よりも小さい。
【発明の効果】
【0017】
上記のように、本発明は、下記有益な効果を有する。
1)非直線部を有するガイド溝を駆動に用いるように駆動方式を改良することで、閉鎖部材の開き角度とつかみ距離を改良し、これにより、弁葉のつかみをより容易にし、弁葉接触面をより長くし、弁葉をより強固につかむことを可能にする。
2)弧状の第1の案内溝、直線状の第2の案内溝、弧状の第3の案内溝を順に備えることで、閉鎖部材を初期位置で開ける際に、及び、最大開き角度の位置にある際に、中間のつかみ過程よりも、必要とするモーメントが小さく、変化速度は速い一方、つかみ部では、遅い角度変化で、手術者の細かい操作を容易にし、システムの信頼性を高める。
3)操作ロッド分離端と伝動ロッド分離端とを分離させる過程に、ジョイントベースとベース分離端も同時に分離することができ、複数の複雑なステップにより各部品の接続関係を解除する必要なく、分離動作全体をワンステップで完了させることができる。
4)ベースハウジング又は駆動軸を停止する際に、ベースハウジング又は駆動軸に軸方向力のみを加えても、それらは軸方向に変位することがなく、従来技術のように、板ばねやその他の構造によりセルフロックする必要がなく、ねじ螺合によっていずれの位置に停止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な努力を必要とせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【
図1】本願の挟持機構が僧帽弁に位置するときの構造概略図である。
【
図4】本願のつかみ部材が異なる位置にあるときの原理概略図である。
【
図5】(a)は、本願の閉鎖部材の側面図である。(b)は、本願の閉鎖部材の構造概略図である。
【
図6】(a)~(d)は、本願の閉鎖部材の原理概略図である。
【
図7】(a)は、本願のつかみ部材の構造概略図である。(b)は、本願の一実施形態のつかみ部材の断面図である。(c)は本願の別の実施形態のつかみ部材の断面図である。
【
図8】(a)~(e)は、本願の支持機構のパーツ図である。
【
図9】(a)~(c)は、本願の閉鎖部材とつかみ部材の挟持中の動作概略図である。
【
図10】(a)~(d)は、本願の分離装置のパーツ図である。
【
図11】操作ワイヤの離脱位置の部分拡大図である。
【
図12】(a)~(d)は、本願の挟持機構が閉鎖部材を解放する動作過程図である。
【
図13】(a)~(d)は、本願の挟持機構によるつかみと固定の動作過程図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下は、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例の技術的解決手段を明瞭且つ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本実施例では、記載された「近接端」とは操作者に近接する方向を指し、「離間端」とは、操作者から離間する方向を指す。当業者が本発明の実施例に基づき創造的な努力を必要とせずに得る他のすべての実施例は本発明の特許範囲に属する。
【0020】
実施例1
本実施例では、組織をクランプするためのシステムを提供する。このシステムは、具体的には、
組織を閉鎖するための挟持機構1000と、挟持機構1000を取り付けるための支持機構2000とを含む固定装置であって、支持機構2000は、挟持機構1000を開閉駆動する駆動ユニット2200を含む固定装置と、
固定装置を所定の位置にプッシュするためのプッシュ軸600と、プッシュ軸600と固定装置とを分離可能に接合させる分離装置3000とを含む移動制御装置と、を含み、
挟持機構1000は、1対の閉鎖部材1100を含み、閉鎖部材1100には、1つの非直線部を少なくとも含むガイド溝1121が設けられ、支持機構2000には、少なくとも一部がガイド溝1121内に位置する溝駆動部材850が設けられ、溝駆動部材850は、ガイド溝1121内を往復摺動可能であり、2つの閉鎖挟持部1110を相対的に近接又は離間させるように駆動する。
【0021】
本実施例では、具体的には、挟持機構1000は、1対の閉鎖部材1100と、各閉鎖部材1100に対応して設置される1対のつかみ部材1200とを含み、閉鎖部材1100は、駆動ユニット2200によって開閉を実現し、つかみ部材1200は、操作ワイヤ610によって開閉を実現する。組織を挟持する際に、閉鎖部材1100の内側への動作とつかみ部材1200の外側への動作との組み合わせにより挟持を実現する。本実施例では、心臓弁膜のクランプを実施シナリオとして、本願の組織をクランプするための固定装置の具体的な使用原理について説明する。
図1に示すように、本願の固定装置は、移動制御ユニットによって心臓の所定の位置まで移動される。具体的には、移動制御ユニットは、固定装置を所定の位置にプッシュするためのプッシュ軸600と、プッシュ軸600と固定装置とを分離可能に接合させる分離装置3000とを含む。本発明の一実施例では、プッシュ軸600は、内部にチャンバーを有する棒状体又は中空の管状体であり、生体適合性材料で製造される。本実施例では、係合軸820は、円棒状又は円管状であり、プッシュ軸600は、表面が滑らかであり、これにより、プッシュ軸600が弁葉を損傷する又は腱索を引っ掛けることを回避する。ここで、プッシュ軸600は、まず導管500とともに手術通路内に入り、病巣の近くに到達した後、プッシュ軸600は、導管500から伸び出し、固定装置を僧帽弁まで移動させる。固定装置の離間端、即ち、挟持機構1000の離間端は、好ましくは、保護被覆層で被覆され、保護被覆層は、生体適合性材料で製造され且つ挟持機構1000の外周を完全に被覆し、デバイスが組織を損傷することを防止することができ、固定装置がインプラントとして心臓内に残される時、固定装置の外面は、保護被覆層によって完全に保護することができる。
【0022】
固定装置が病巣位置に到達した後、本実施例における挟持機構1000の閉鎖部材1100とつかみ部材1200との協働によって、心臓弁膜の前葉と後葉が正常に合わせることができない位置をクランプすることができるので、正常に合わせることができない部分の位置を揃え、それにより、僧帽弁を完全に閉鎖し又は開口の面積を小さくすることができ、「僧帽弁逆流」を治療又は軽減する。
【0023】
僧帽弁のクランプが完了した後、固定装置は、分離装置3000によって移動制御ユニットから分離され、それにより、固定装置は、病巣に残されて弁膜の固定を維持する。
【0024】
ガイド溝1121は、少なくとも連通する第1の案内溝と第2の案内溝の少なくとも2つの案内溝を含み、且つ第1の案内溝のラジアンが第2の案内溝のラジアンよりも大きい。
図6(a)は、本願の第1の実施例のガイド溝の実現形態を示す図であり、このガイド溝は、離間端から近接端に向かって、第1の案内溝、第2の案内溝、第3の案内溝に分けられ、第1の案内溝と第3の案内溝は、弧状部であり、第2の案内溝は、直線部である。ここで、円弧部の特徴は、より大きい反転角度の変化があるが、モーメントが小さく、モーメントが非線形に変化し、且つ変化範囲が小さく、且つモーメントがゼロの死点が存在することである一方、直線部の特徴は、モーメントが大きく、且つモーメントが線形に安定して変化し、変化範囲が大きく、モーメント死点が存在しないが、反転角度の変化が小さいことである。そのため、ガイド溝1121は弧状の第1の案内溝、直線の第2の案内溝、弧状の第3の案内溝を順に備えることで、閉鎖部材を初期位置で開ける際に、及び最大開き角度の位置にある際に、中間のつかみ過程よりも、必要とするモーメントが小さく、変化速度が速い一方、つかみ部では、遅い角度変化で、手術者の細かい操作を容易にし、システムの信頼性を高める。
【0025】
図6(a)、
図6(c)及び(d)に示すように、溝駆動部材850は円軸状であり、ガイド溝1121内に位置し、ガイド溝1121の幅は、溝駆動部材850の外径と一致する。開いていない初期位置にある時、溝駆動部材850は、最近接端にあり、
図6(c)に示すように、第3の案内溝の最近接端に位置し、この時、溝駆動部材850と閉鎖部材協働部2320との間の距離は、h1である。閉鎖挟持部1110が開く過程に、溝駆動部材850は、第3の案内溝において離間端へ摺動し、第3の案内溝の最離間端において第2の案内溝内に入り、この時、閉鎖挟持部1110がすでに回動した角度は、α1である。溝駆動部材850は、さらに離間端へ摺動し、溝駆動部材850が第2の案内溝の最離間端即ち直線部の末端に位置する時、閉鎖挟持部1110がすでに回動した角度は、α2であり、この時、溝駆動部材850と閉鎖部材協働部2320との間の距離は、
図6(d)に示すように、h2である。溝駆動部材850がさらに第1の案内溝において離間端へ摺動してガイド溝1121の最離間端に到達する時、閉鎖挟持部1110がすでに回動した角度は、α3である。ただし、α1、α2、α3、h1、h2の値の範囲は、いずれも実際のニーズに基づいて選択することができる。本実施例では、好ましくは、α1の値の範囲は、30°~45°であり、より好ましくは、35°~40°であり、さらに好ましくは、40°であり、α2の値の範囲は、55°~70°であり、より好ましくは、60°~70°であり、さらに好ましくは、65°であり、α3の値の範囲は、120°~150°であり、より好ましくは、125°~135°であり、さらに好ましくは、130°であり、h1の値の範囲は、好ましくは、15~16mmであり、より好ましくは、15.5mmであり、h2の距離は、5~7mmであり、より好ましくは、6mmである。上記説明から分かるように、閉鎖挟持部1110がα2角度だけ回動するには、溝駆動部材850に対してh2~h1の距離だけ移動するように閉鎖部材協働部2320を駆動する必要がある。α2が65°で、h1が15.5mmで、h2が6mmであり、即ち2つの閉鎖挟持部1110が対向して130°だけ開く時、閉鎖部材協働部2320の移動距離は、9.5mmである。弧状の第1の案内溝、直線の第2の案内溝、弧状の第3の案内溝の組み合わせにより、閉鎖部材を初期位置で開ける際に、及び最大開き角度の位置にある際に、中間のつかみ過程よりも変化速度が速い一方、つかみ部では、角度の変化速度が遅くなり、つかみがより安定し、かつ、本願では、通常の直線溝の場合よりも、予め設定されるつかみ角度に達するに必要な駆動距離が小さくなり、かつ、細かい操作が必要な位置では、曲線溝の場合よりも安全で信頼性が高い。
【0026】
図6(b)は、本願の別の実施例のガイド溝1121の実現形態を示す図であり、このガイド溝1121は、離間端から近接端に向かって、第1の案内溝と第2の案内溝に分けられ、、第1の案内溝は弧状部であり、第2の案内溝は直線部である。これは、主として、つかみ位置が最大開き角度まで達した時に迅速に収まることができ、一方、組織をつかむ時に直線部により、つかみ部では角度変化速度を低減し、これにより、つかみがより安定することを考慮した結果である。具体的には、このようにすると、ガイド溝1121の最近接部から第1の案内溝と第2の案内溝との境界までの角度の変化はθ1であり、溝駆動部材850は、ガイド溝1121の直線部での変化角度がθ1であり、さらに最離間端に移動したときに、片方の閉鎖挟持部1110の開き角度はθ2であり、好ましくは、θ1の値の範囲は、40°~60°で、θ2の値の範囲は120°~140°である。
【0027】
図3及び
図8に示すように、駆動ユニット2200は、移動ベース2300を含み、具体的には、駆動接続ブロック2310を含み、駆動接続ブロック2310の側面は、互いに垂直な第1の取り付け面と第2の取り付け面を含み、駆動接続ブロック2310は、第1の取り付け面に設けられる閉鎖部材協働部2320を介して閉鎖接続部1120にヒンジ連結され、それにより、閉鎖部材協働部2320の移動を駆動し、さらにガイド溝1121と溝駆動部材850の相対移動を実現する。
【0028】
さらに、
図7に示すように、本願では、つかみ部材1200は、順に接続される剛性つかみ部1210、可撓性接続部1220及びつかみ接続部1230を含み、可撓性接続部1220は、剛性つかみ部1210とつかみ接続部1230との間に位置し、第2の取り付け面は、つかみ接続部1230に固定接続される。
本実施例では、つかみ部材は、閉鎖部材と協働し、可動な弁葉をつかむために用いられ、つかんだ弁葉は、閉鎖部材とつかみ部材との間に位置する。そのつかみ接続部は、第2の取り付け面に接続されるために用いられる。つかみ部材の自然状態は、展開している鳥類の翼の形状を呈し、ここで、可撓性接続部は、具体的には、変形可能であるが一定の反発力を有する部品であり、剛性つかみ部に反転外力を印加すると、可撓性接続部は、弾性変形し、剛性つかみ部と軸方向との間の角度を変化させ、つかみ部材の反転を実現し、つかもうとする可動な弁葉がつかみ部材の一側の閉鎖部材の上方に位置する時、その反転外力を除去すれば、弾性の可撓性接続部は、瞬間的に自然状態での形状を回復する動作を行い、この時に、弁葉は、閉鎖部材と剛性つかみ部との間につかまれる。弁膜のつかみ中に、剛性つかみ部は、主に、可動な弁膜を固定するために用いられ、その構造は、一定の剛性を持つ必要があり、これにより、つかんだ弁葉がつかみ部材を押しのけて逃げることを回避する。
【0029】
さらに好ましくは、剛性つかみ部1210は、剛性面1211と、剛性面の外側に設けられるつかみ突起1212とを含み、剛性面1211は、厚さが均一であり且つ湾曲状に形成され、
剛性面1211は、剛性断面の特徴を有し、その断面形状は、
図7(b)のように湾曲され又は
図7(c)のように曲げられ、この構造では、湾曲された又は曲げられた部分により、本体に補強リブを追加することと同様に、シート状薄壁の断面が高い抗湾曲断面係数を有し、剛度を高める1層の部品をさらに追加する必要がなく、剛性つかみ部の剛度を高める。また、本実施例では、移動制御ユニット内の操作ワイヤをプッシュプルすることにより、操作ワイヤを介してワイヤ案内孔1213があるつかみ部材に力を加え、つかみ部材の反転動作を実現する。
【0030】
本実施例では、2つのつかみ部材1200は、1つのつかみ接続部1230を共有しており、つかみ接続部1230は、U字型であり、その対称的な垂直部は、それぞれ駆動接続ブロック2310の対称的に設置された第2の取り付け面に固定接続される。つかみ接続部1230は、駆動接続ブロック2310にヒンジ連結、リベット連結又は溶接などにより固定接続されることができ、これにより、つかみ部材1200は、駆動接続ブロック2310とともに軸方向に動作することができる。溝駆動部材850を基準点とし、駆動接続ブロック2310が溝駆動部材850の方向へ軸方向に近接する時、閉鎖部材1100は、展開反転動作を行い、つかみ部材1200全体も溝駆動部材850の方向に近接する軸方向の動作を行う。同時につかみ部材1200の剛性つかみ部に溝駆動部材850の方向への反転外力を加えると、つかみ部材1200は、溝駆動部材850の方向へ反転し、適切な弁葉が展開している閉鎖部材1100と接触すると、つかみ部材1200における反転外力を除去し、弁葉は、閉鎖部材1100とつかみ部材1200との間に挟持される。一実施例では、つかみ部材1200の自然状態は、開状態であり、操作ワイヤ610は、つかみ部材1200を絞り状態に拘束するために用いられ、操作ワイヤ610の拘束力を除去することで、つかみ部材1200の反転を実現することができる。別の実施例では、つかみ部材1200は、可撓性部材であってもよく、直接操作ワイヤ610のプッシュによって反転つかみを実現する。
【0031】
さらに、駆動接続ブロック2310が軸方向に溝駆動部材850から離間し始まる時、閉鎖部材1100は、つかんだ弁葉とともに展開しているつかみ部材1200を閉鎖反転動作させ、同時に駆動接続ブロック2310は、つかみ部材1200全体とともに溝駆動部材850から離間する方向へ軸方向に動作し、この時、つかみ部材1200は、弁葉と相対変位し、又は相対変位する傾向がある。つかみ部材1200が弾性変形するため発生する圧力は、弁葉に加えられ、相対変位したつかみ部材1200と弁葉との接触面に摩擦力が生じ、つかみ部材1200から弁葉に加える摩擦力の方向は、駆動接続ブロック2310に向かう方向であり、これによって、つかみ部材は、弁葉に対して「引っ張る」動作特性を有する。つかみ部材1200の剛性つかみ部にいくつかの摩擦力増加要素又は突起要素、例えば、本実施例におけるつかみ突起1212を追加することによって、弁葉を「引っ張る」効果が顕著になり、本発明では、背景技術の反転動作のみを行う近側素子と比較して、弁葉と固定装置の結合をより強固にする。
【0032】
さらに、本実施例では、
図3に示すように、閉鎖挟持部1110は、自由端と、閉鎖接続部1120に接続される接続端とを含み、閉鎖挟持部1110の外面は、接続端から自由端の方向へ少なくとも部分的に内側に収縮する傾向にある。閉鎖挟持部1110は、カップの口の特徴があり、その内側が凹む特徴構造のため、弁膜をクランプする時、弁葉との接触面積を増加させることができる。つかみ部材1200と協働して弁膜を挟んで固定する時、カップの口の凹み部内の弁膜をクランプすることで、弁葉での固定装置の径方向変位を制限することができる。閉鎖挟持部1110のフランジの特徴構造は、閉鎖挟持部1110のエッジによる弁膜の損傷を回避する。固定装置が最終的に弁葉を閉鎖した後、閉鎖挟持部1110の内側が曲げられる特徴構造により、両側の閉鎖挟持部の端部に絞りを形成し、これにより、弁葉を軸方向においてより強固に係止する。また、本発明の他の実施例の挟持機構1000も、「三尖弁逆流」を緩和又は治療するために用いられ、即ち、「三尖弁逆流」を治療するために、従来の1対の閉鎖部材1100とつかみ部材1200に加えて、さらに1つが追加される。その原理及び構造は、本発明の実施例で僧帽弁逆流を解決するための原理及び構造と同様であり、ここで詳細には説明しない。理解できるように、本発明の他の実施例は、さらに複数の葉状の組織をクランプする必要がある他の低侵襲外科手術に用いることができ、且つ閉鎖部材1100とつかみ部材1200の数は、実際の使用ニーズに応じて変化する。
【0033】
本実施例では、分離装置3000は、駆動ユニット2200に相対回動不能で且つ軸方向に分離可能に接合される操作ロッド3100を含み、操作ロッド3100は、回動することで、駆動ユニット2200の軸方向の動作を駆動し、且つ操作ロッド3100は、予め設定された通り近接端へ移動する時、分離装置3000を固定装置から離脱させるように構成される。以下では、具体的に
図3、
図8と
図10を参照して、分離装置3000と支持機構2000の分離原理を解釈する。
【0034】
ここで、挟持機構1000を取り付けるための支持機構2000は、固定接続ユニット2100と、固定接続ユニット2100と相対移動可能な駆動ユニット2200とを含む。ここで、具体的には、駆動ユニット2200は、駆動軸2230を含み、駆動軸2230は、ベースねじ部2131と螺合する駆動ねじ部2231を含み、駆動出力軸2210とベースハウジングとの間に回転動作が存在することで、駆動軸2230の軸動作を実現し、駆動出力軸の回転は、分離装置3000における操作ロッド3100を介して回動モーメントを加えることで実現され、操作ロッド3100は、具体的には、駆動ユニット2200に軸方向に分離可能で且つ相対回動不能に接続される操作ロッド分離端3120と、操作ロッド支持部3130とを含み、具体的には、駆動ユニット2200は、伝動ロッド分離端2220を含み、操作ロッド分離端3120は、伝動ロッド分離端2220に相対回動不能に接続され、操作ロッド分離端3120と伝動ロッド分離端2220との間の張力が予め設定される値よりも大きい場合、操作ロッド分離端3120は、伝動ロッド分離端2220から離脱する。ここで、らせんリング溝のらせん角度が2つのらせん溝の接触面間の摩擦角よりも小さいため、ベースハウジング又は駆動軸2230を停止させる時、ベースハウジング又は駆動軸2230に軸方向力のみを加えても、それらは、軸方向に変位することがなく、従って、操作ロッド分離端3120と伝動ロッド分離端2220とを分離させる必要がある時、伝動ロッド分離端2220の分離端が動かないままで、軸方向に近接端へ操作ロッド3100を引けば、予め設定される値に達する時に離脱させるができる。
【0035】
具体的には、本実施例では、予め設定される値に達する時に離脱させる具体的な実現構造は、以下のとおりである。
【0036】
操作ロッド分離端3120と伝動ロッド分離端2220のうちの一方に変形可能なクリップ3121が設けられ、変形可能なクリップ3121は、弾性生体適合性材料、例えばいくつかの生体適合性高分子材料で製造されるものであってもよく、他方に分離接合溝2222が設けられ、分離接合溝2222内には、変形可能なクリップ3121と嵌合して接続可能な係合軸820が設けられ、係合軸820は、結合軸孔222に挿入され、具体的には、変形可能なクリップ3121は、係合口3122と、係合口3122を通過した後に係合軸820とマッチングする係合孔3123とを有する。操作ロッド分離端3120と伝動ロッド分離端2220は、変形可能なクリップ3121と係合軸820を介して接続され、操作ロッド分離端3120と伝動ロッド分離端2220との間の張力が予め設定される値よりも大きい場合、変形可能なクリップ3121は、係合軸820から離脱する。本実施例では、変形可能なクリップ3121は、操作ロッド分離端3120に設置され、分離接合溝2222は、伝動ロッド分離端2220に設置され、逆にして設置されてもよい。
【0037】
操作ロッド分離端3120と伝動ロッド分離端2220とを分離させる過程に、支持機構2000の外部ハウジングも分離装置3000の外部ハウジングから分離させるために、具体的には、本実施例では、分離装置3000には、ベース分離端2120に分離可能に接合されるジョイントベース3300、及び、ベース分離端2120とジョイントベース3300とを接続する係合部材3200がさらに設置される。操作ロッド3100は、係合部材3200に対して第1の位置と第2の位置との間を移動できるように構成され、操作ロッド3100が第2の位置で近接端へ移動する時、操作ロッド支持部3130は、係合部材3200を同時に近接端へ移動させることができ、これにより、ジョイントベース3300とベース分離端2120とを相対的に分離可能にすることができ、それにより、操作ロッド分離端3120と伝動ロッド分離端2220とを分離させる過程に、ジョイントベース3300とベース分離端2120とを同時に分離できることを実現する。
具体的には、本実施例では、ジョイントベース3300は、ジョイントベース接続端3310と、ジョイントベース分離端3320と、ジョイントベース3300を貫通するジョイントベースチャンバー3330とを含み、係合部材3200は、ジョイントベースチャンバー3330内に設けられ、ジョイントベース分離端3320は、係合部材3200を介してベース分離端2120に接続され、ジョイントベース接続端3310は、移動装置に接続されるために用いられる。
【0038】
ベース分離端2120本体は、ベースの管状構造の延長であり、ジョイントベース分離端3320は、ベース分離端2120に外嵌されてもよく、又はベース分離端2120内に挿入されてもよく、2つの分離端の接触面は、それぞれベース嵌合面とジョイントベース嵌合面と呼ばれ、ここで、ベース嵌合面の径方向にベース係合孔2121が設置され、それに対応するジョイントベース嵌合面の径方向には、同じ向きのジョイントベース係合孔3321が設置され、ジョイントベース分離端3320にジョイントベース係合孔3321が設けられ、ベース分離端2120には、ジョイントベース係合孔3321に対応するベース係合孔2121が設けられる。係合部材3200は、ジョイントベース係合孔3321とベース係合孔2121を同時に貫通することで、ジョイントベース3300とベース分離端2120を相対的に固定するクリップ3220を含む。クリップ3220は、係合部材3200がジョイントベース3300に対して近接端へ移動する時、クリップ3220がジョイントベース係合孔3321及び/又はベース係合孔2121から離脱することで、ジョイントベース3300とベース分離端2120とを相対的に分離できるように構成される。
【0039】
クリップ3220は、可撓性材料で製造され、係合部材3200がジョイントベース3300に対して近接端へ移動する時、クリップ3320は変形し、これによって、クリップは、ジョイントベース係合孔3321とベース係合孔2121から直接離脱することができ、回復して効果的に分離できないことがない。クリップ3220の材料は、曲げられた後に回復しない、生体適合性を有するプラスチック又は金属で製造される。
【0040】
さらに、本実施例では、係合部材3200は、係合爪ボトムリング3230と、クリップ3220の数と同じであり且つクリップ3220と係合爪ボトムリング3230とを接続する係合爪接続ロッド3210とをさらに含み、係合爪ボトムリング3230にはボトムリング孔が設けられる。係合爪接続ロッド3210の数は、3つ~6つであり、且つ均一に分布して係合爪ボトムリング3230の側面に接続される。好ましくは、係合爪接続ロッド3210の数は、3つである。ここで、軸状又はロッド状の操作ロッド支持部3130の径方向面は、クリップ3220の中心への動作を制限し、クリップ3220がベース係合孔2121とジョイントベース係合孔3321から不意に抜け出すことを制限し、さらにベース分離端2120とジョイントベース3300の接続を維持することができ、
操作ロッド3100は、操作ロッド支持部3130の近接端に接続される操作ロッド接続端3110をさらに含み、操作ロッド接続端3110の近接端は、ボトムリング孔を貫通した後に、駆動源に接続され、操作ロッド支持部3130の近接端の外径は、ボトムリング孔の内径よりも大きい。
【0041】
操作ロッド支持部3130の長さが係合爪接続ロッド3210の長さよりも小さく、操作ロッド支持部3130の外径は、操作ロッド支持部3130がジョイントベース係合孔3321に位置する時、操作ロッド支持部3130外面が、クリップ3220がジョイントベース係合孔3321とベース係合孔2121から離脱することを防止するように構成されるため、操作ロッド支持部3130が係合爪ボトムリング3230と接触し、さらに近接端へ移動する場合のみ、クリップ3220は、変形する。
【0042】
上記構造に基づき、ベース分離端2120とジョイントベース3300とを分離させようとする時、操作ロッドは、軸方向力の作用で、係合爪ボトムリング3230の方向へ移動し、係合爪ボトムリング3230が操作ロッドにより押えられると同時に、操作ロッド支持部3130は、クリップ3220から離脱し、その径方向動作を制限しなくなり、外力が十分な条件下で、クリップ3220をベース係合孔2121とジョイントベース係合孔3321から引き出すことができ、これにより、ベース分離端2120とジョイントベース3300の分離を実現する。
【0043】
上記実施例をさらに説明し、ジョイントベース分離端3320は、ベース分離端2120に外嵌され、
図11に示すように、係合部材3200は、操作ワイヤ制限溝3322を含み、移動制御ユニットにおける、挟持機構1000のつかみ部材1200を開閉制御するための操作ワイヤ610のヘッドに膨張部があり、この膨張部は、ベース端孔2122内に配置され、その最小寸法は、操作ワイヤ制限溝3322よりも大きく、ベース端孔2122よりも小さい。ジョイントベース3300がベース分離端2120に接続される時、操作ワイヤ制限溝3322によって、操作ワイヤ610の離脱を制限し、
一実施例では、操作ロッド3100内には、その近接端から操作ロッド分離端3120まで貫通して連通するチャンネルが設けられ、従来技術のように、操作ロッドを中実にしてねじで接続する必要がないため、本願では、分離接合溝2222を介して変形可能なクリップ3121に嵌合するため、操作ロッド内を中空にし、そして方向を制御するためのソフトシャフトを設置することができ、それにより、曲がりを制御するための外部の操作構造を節約する。
【0044】
そして、
図3及び
図8を参照して、支持機構2000の構造及び原理について説明する。支持機構2000は、固定接続ユニット2100と、固定接続ユニット2100と相対移動可能な駆動ユニット2200とを含み、駆動ユニット2200の離間端が2つの閉鎖部材1100に接続されることで、駆動ユニット2200が固定接続ユニット2100に対して移動する時、閉鎖部材1100の開閉を制御する。具体的には、挟持機構1000の閉鎖部材1100は、閉鎖接続部1120と閉鎖挟持部1110とを含み、閉鎖挟持部1110は、つかみ部材1200と協働して組織を挟持するために用いられる。閉鎖接続部1120にガイド溝1121が設けられる。固定接続ユニット2100には、少なくとも一部が非直線ガイド溝1121内に位置する溝駆動部材850が設けられ、ガイド溝1121は、一部の非直線部を少なくとも含み、駆動ユニット2200は、2つの閉鎖接続部1120に接続され、且つ駆動ユニット2200が固定接続ユニット2100に対して移動する時、溝駆動部材850がガイド溝1121内を往復摺動して、2つの閉鎖挟持部1110を相対的に近接又は離間するように駆動するように構成される。
【0045】
さらに、ベースハウジングは、離間端に設けられるベース支持耳2110をさらに含み、溝駆動部材850は、ベース支持耳2110の外側に設けられる。溝駆動部材850に対して移動するように駆動ユニット2200を制御することで、閉鎖部材1100の開閉を制御する。
【0046】
具体的には、固定接続ユニット2100は、ベースハウジングを含み、ベースハウジング内にベースチャンバー2130が設けられ、ベースチャンバー2130内にベースねじ部2131が設けられ、駆動ユニット2200は、駆動軸2230を含み、駆動軸2230は、ベースねじ部2131と螺合する駆動ねじ部2231を含み、ベースねじ部2131と駆動ねじ部2231とが螺合するリード角度が摩擦角よりも小さい。
【0047】
本実施例では、駆動ねじ部2231とベースねじ部2131とが螺合した後、それらが同様なピッチと断面形状を有するため、ベースハウジング又は駆動軸2230を回転することで、ベースハウジングと駆動軸2230の軸方向の相対動作を実現することができる。そのらせんリング溝のらせん角度が2つのらせん溝接触面間の摩擦角よりも小さいため、ベースハウジング又は駆動軸2230を停止させる時、ベースハウジング又は駆動軸2230に軸方向力のみを加えても、それらは、軸方向に変位することがない。これによって、従来技術のように板ばね又はその他の構造によりセルフロックを実現することなく、セルフロック機能を実現し、且つ螺合によっていずれかの位置に止まることができる。
【0048】
駆動ユニット2200は、駆動軸2230の離間端に設けられた、外径が駆動軸2230よりも小さい駆動出力軸2210をさらに含み、駆動接続ブロック2310には、内径が駆動出力軸2210と一致する接続ガイド孔2311が設けられ、駆動出力軸2210は、接続ガイド孔2311と軸方向に回動して嵌合する。駆動ユニット2200は、駆動接続ブロック2310の離間端側に設けられる位置決めスリーブ810をさらに含み、駆動出力軸2210は、接続ガイド孔2311を貫通した後に位置決めスリーブ810の位置決めスリーブ取り付け孔811に挿入され、位置決めスリーブ810に固定接続される。
【0049】
上記構造の説明から分かるように、本実施例には、駆動出力軸2210と駆動接続ブロック2310との間の動作嵌合方式が開示され、駆動出力軸2210の出力端は、推力と張力を駆動接続ブロック2310に出力することで、駆動接続ブロック2310の軸方向動作を実現するが、駆動出力軸2210とベースハウジングとが回転動作し、駆動接続ブロック2310とベースハウジングとが回転変位しないため、上記構造を採用することで、挟持機構を回動させることなく、回動駆動の過程を実現することができ、挟持機構は、軸方向に安定して動作する。前記位置決めスリーブ810は、管状部材であってもよく、両側の軸方向端面は、位置決めスリーブ810の端面である。位置決めスリーブ810と駆動出力軸2210の出力端との固定接続は、溶接又は締め嵌合方式を採用してもよく、機械接続方式を採用してもよい。1つの機械接続方式は、以下に開示される。位置決めスリーブ810の径方向に位置決めスリーブ位置決め孔812が設置されるとともに、駆動出力軸2210の出力端と位置決めスリーブ810との嵌合箇所の径方向に駆動出力軸位置決め孔2211が設置され、位置決めスリーブ位置決め孔812と駆動出力軸位置決め孔2211内にピン軸840が入れられる。
【0050】
挟持機構1000については、
図4~
図9及び
図12~
図13を参照し、本実施例では、具体的には、閉鎖接続部1120の離間端は、駆動ユニット2200に回動可能に接続され、具体的には、駆動ユニット2200の離間端に回動可能に接続され、本実施例では、閉鎖接続部1120に接続部軸孔1122が設けられ、回動軸を介して駆動ユニット2200に接続され、他の実施例では、他のヒンジ連結方式を選択してもよい。固定装置が所定の位置に移動される前、閉鎖挟持部1110は、初期位置に位置し、
図12(a)の状態であり、溝駆動部材850は、ガイド溝1121の近接端に位置し、この時、閉鎖挟持部1110は、閉状態にある。駆動ユニット2200の駆動下で、溝駆動部材850とガイド溝1121とが嵌合するため、駆動ユニット2200と閉鎖接続部1120との回動可能な接続箇所が近接端へ移動する時、即ち接続部軸孔1122が近接端へ移動する時、ガイド溝1121は、それとともに同期に近接端へ移動する傾向にあり、溝駆動部材850が動作せず、即ち溝駆動部材850がガイド溝1121に対して離間端へ移動するため、閉鎖挟持部1110は、この距離に適応するように変わり、溝駆動部材850は、溝1121を接続部軸孔1122に対して適当に回転させ、さらに閉鎖挟持部1110が接続部軸孔1122を円心として回動することを実現する。閉鎖挟持部1110は、接続部軸孔1122を軸心として外へ反転し、それにより、
図12(b)と(c)の状態に達する。さらに近接端へ移動するように接続部軸孔1122を駆動し、閉鎖挟持部1110は、
図12(d)の状態に達することができ、この時、2つの閉鎖挟持部1110は、対向して180°の挟角を形成し、且つ端部間の距離は、最も大きいつかみ距離に達する。
【0051】
ガイド溝1121の設計により、2つの閉鎖挟持部1110は、対向して180°の挟角を形成した後、さらに反転することによって、対向して
図13(a)のような鈍角になるように開くことができ、不正確な位置決め又は他の問題のため、固定装置を心臓から退出させる必要がある場合に適用することができ、2つの閉鎖挟持部1110が対向して鈍角になるため、退出中に、組織接触面と外へ傾斜する傾向になり、組織に引っ掛けることなく、退出過程がスムーズで安全である。具体的に、溝駆動部材850とガイド溝1121とが互いに協働することで、閉鎖挟持部1110が上記開き角度を実現する過程の原理について、後で詳細に説明する。
【0052】
本実施例では、閉鎖挟持部1110の開閉過程は、駆動ユニット2200を介して溝駆動部材850に対して動作し、溝駆動部材850及びそれに接続される固定接続ユニット2100は、動作しないため、閉鎖部材1100の閉鎖挟持部1110の初期位置から開き位置までの過程に、その離間端での閉鎖接続部1120は、近接端へ移動する。従来技術の挟持素子が展開反転動作しかできないことと比較して、本発明では、この時、閉鎖部材1100の有する2つの複合動作により、閉鎖部材1100が径方向により広い展開距離を得ることができる。それが初期位置にある時、閉鎖接続部1120は、さらなる他の機構がなく、そのため、固定装置全体の高さを小さくし、移動時の曲がりをより容易にする。これに基づき、閉鎖部材1100の長さをより長くすることができ、それにより、より大きいつかみ距離を有する。
【0053】
閉鎖挟持部1110がつかみ部材1200と協働して組織を挟持した後、閉鎖挟持部1110は、さらに絞る必要があり、絞る過程に、その離間端での閉鎖接続部1120は、離間端へ移動するため、閉鎖挟持部1110は、離間端へ引っ張る効果を有することで、閉鎖過程は、「咬合する」動作特性があり、組織の挟持が強固であることを前提として、閉鎖挟持部1110における弁葉は、「引っ張る」効果を取得し、弁葉と閉鎖挟持部1110との接触をより強固にする。
【0054】
本実施例の装置の手術中の具体的な応用について具体的に説明するために、以下では、本実施例で具体的に説明される構造を参照して、僧帽弁膜の修復過程を例にして、本願の組織をクランプするためのシステムの操作方法について説明する。
【0055】
第1のステップ:プッシュ軸600によって、それに接続される固定装置を左心房から押し込め、僧帽弁を通過して左心室に到達する。この時、挟持機構1000の閉鎖部材1100は、
図12(a)に示すように、絞り状態にある。
【0056】
第2のステップ:プッシュ軸600によって、弁膜の固定装置と僧帽弁の相対位置を調整することで、固定装置の2つの閉鎖部材1100をそれぞれ僧帽弁の前葉と後葉に近接させ、そして駆動軸2230を回動し、ベースねじ部2131が駆動ねじ部2231と螺合することで、駆動接続ブロック2310を離間端へ移動させ、溝駆動部材850を基準点として、駆動接続ブロック2310が溝駆動部材850の方向へ軸方向に近接する時、閉鎖部材1100は、展開反転動作を行い、それにより、
図12(b)、(c)のような状態に達し、閉鎖部材は、さらに
図12(d)のような状態になるように反転することができ、この時、2つの閉鎖部材1100の端部は、最大距離を有し、2つの閉鎖挟持部1110は、対向して180°の挟角を形成した後、さらに反転することによって、対向して
図13(a)のような鈍角になるように開くことができ、不正確な位置決め又は他の問題のため固定装置を心臓から退出させる必要がある場合に適用することができ、2つの閉鎖挟持部1110が対向して鈍角になるため、退出中に、組織接触面と外へ傾斜する傾向になり、組織を引っ掛けることがなく、退出過程がスムーズで安全である。
【0057】
第3のステップ:2つの閉鎖部材1100が弁葉をつかんだ後、操作ワイヤ610を制御することでつかみ部材1200を閉鎖挟持部1110の方向へ反転させ、弁葉は、
図13(b)に示すように、閉鎖部材1100とつかみ部材1200との間に挟持される。
【0058】
第4のステップ:駆動接続ブロック2310が溝駆動部材850の方向から離間して軸方向に移動し始まる時、閉鎖部材1100は、つかんだ弁葉と展開しているつかみ部材1200を閉鎖反転動作させ、同時に駆動接続ブロック2310は、つかみ部材1200全体を溝駆動部材850の方向から離間して軸方向に動作させ、
図13(c)、(d)の状態に達し、この時、つかみ部材1200は、弁葉と相対変位し、又は相対変位する傾向がある。つかみ部材1200が弾性変形するため発生する圧力は、弁葉に加えられ、相対変位したつかみ部材1200と弁葉との接触面に摩擦力が生じ、つかみ部材1200が加える弁葉の摩擦力の方向は、駆動接続ブロック2310に向かう方向であり、これによって、つかみシートは、弁葉に対して「引っ張る」動作特性を有する。
【0059】
本願の組織をクランプするためのシステムによって心臓弁膜を修復し、閉鎖挟持部は、離間端へ引っ張る効果を有することで、閉鎖過程は、「咬合する」動作特性があり、組織の挟持が強固であることを前提として、閉鎖挟持部における弁葉は、「引っ張る」効果を得、非直線部を有するガイド溝を駆動に用いることで、閉鎖部材の開き角度とつかみ距離を高め、弁葉のつかみをより容易にし、弁葉接触面をより長くし、つかんだ弁葉をより強固にする。
【0060】
本明細書では、係る前、後、上、下などの方位用語は、図面における部品が図に位置すること、及び、部品同士の位置で定義されており、技術的解決手段を明瞭且つ容易にするためのものに過ぎない。なお、前記方位用語の使用は、本願が保護を要求する範囲を制限すべきではない。
【0061】
矛盾しない場合、本明細書における上記実施例と実施例の特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0062】
以上の開示は本発明の好適な実施例にすぎず、もちろん、これによって本発明の請求項の範囲を限定することはできないので、本発明の請求項による均等な変化は、依然として本発明がカバーする範囲に属する。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織をクランプするためのシステムであって、
組織を閉鎖するための挟持機構(1000)と、前記挟持機構(1000)を取り付けるための支持機構(2000)とを含む固定装置であって、前記支持機構(2000)は、挟持機構(1000)を開閉駆動する駆動ユニット(2200)を含む固定装置と、
前記固定装置を所定の位置にプッシュするためのプッシュ軸(600)と、プッシュ軸(600)と固定装置とを分離可能に接合させる分離装置(3000)とを含む移動制御装置と、を含み、
前記挟持機構(1000)は、1対の閉鎖部材(1100)を含み、前記閉鎖部材(1100)には、1つの非直線部を少なくとも含むガイド溝(1121)が設けられ、前記支持機構(2000)には、少なくとも一部が前記ガイド溝(1121)内に位置する溝駆動部材(850)が設けられ、前記溝駆動部材(850)は、前記ガイド溝(1121)内を往復摺動可能であり、これにより、2つの前記閉鎖挟持部(1110)を相対的に近接又は離間させるように駆動する、ことを特徴とする、組織をクランプするためのシステム。
【請求項2】
前記挟持機構(1000)は、1対の閉鎖部材(1100)と、各前記閉鎖部材(1100)に対応して設置される1対のつかみ部材(1200)とを含み、前記閉鎖部材(1100)は、閉鎖接続部(1120)と閉鎖挟持部(1110)とを含み、前記閉鎖挟持部(1110)は、前記つかみ部材(1200)と協働して組織を挟持するために用いられ、
前記ガイド溝(1121)は、前記閉鎖接続部(1120)に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の組織をクランプするためのシステム。
【請求項3】
前記支持機構(2000)は、固定接続ユニット(2100)を含み、前記固定接続ユニット(2100)には、少なくとも一部が前記ガイド溝(1121)内に位置する溝駆動部材(850)が設けられ、前記駆動ユニット(2200)は、2つの前記閉鎖接続部(1120)に接続され、且つ前記駆動ユニット(2200)が前記固定接続ユニット(2100)に対して移動する時、前記溝駆動部材(850)が前記ガイド溝(1121)内を往復摺動するように構成される、ことを特徴とする請求項2に記載の組織をクランプするためのシステム。
【請求項4】
前記ガイド溝(1121)は、連通する少なくとも2つの案内溝を含み、且つ第1の案内溝のラジアンが前記第2の案内溝のラジアンよりも大きい、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の組織をクランプするためのシステム。
【請求項5】
前記第2の案内溝に連通し且つラジアンが前記第2の案内溝のラジアンよりも大きい第3の案内溝を含み、前記第2の案内溝は、前記第1の案内溝と前記第3の案内溝との間に位置する、ことを特徴とする請求項4に記載の組織をクランプするためのシステム。
【請求項6】
前記分離装置(3000)は、前記駆動ユニット(2200)に相対回動不能で且つ軸方向に分離可能に接合される操作ロッド(3100)を含み、前記操作ロッド(3100)は、回動することで、前記駆動ユニット(2200)の軸方向の動作を駆動し、
且つ前記操作ロッド(3100)は、予め設定された通り近接端へ移動する時、前記分離装置(3000)を前記固定装置から離脱させるように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の組織をクランプするためのシステム。
【請求項7】
前記支持機構(2000)は、固定接続ユニット(2100)と、前記固定接続ユニット(2100)と相対移動可能な駆動ユニット(2200)とを含み、前記固定接続ユニット(2100)はベース分離端(2120)を含み、
分離装置(3000)は、前記ベース分離端(2120)と分離可能に接合されるジョイントベース(3300)と、前記ベース分離端(2120)と前記ジョイントベース(3300)とを接続する係合部材(3200)と、前記駆動ユニット(2200)に駆動力を供給できる操作ロッド(3100)とを含み、
前記操作ロッド(3100)は、前記駆動ユニット(2200)に軸方向に分離可能で且つ相対回動不能に接続される操作ロッド分離端(3120)を含み、前記操作ロッド(3100)は、前記係合部材(3200)に対して第1の位置と第2の位置との間を移動できるように構成され、前記操作ロッド(3100)が第2の位置で近接端へ移動する時、前記操作ロッド支持部(3130)は、前記係合部材(3200)を同時に近接端へ移動させて、前記ジョイントベース(3300)と前記ベース分離端(2120)とを相対的に分離可能にする、ことを特徴とする請求項6に記載の組織をクランプするためのシステム。
【請求項8】
前記ジョイントベース(3300)は、ジョイントベース接続端(3310)と、ジョイントベース分離端(3320)と、前記ジョイントベース(3300)を貫通するジョイントベースチャンバー(3330)とを含み、前記係合部材(3200)は、前記ジョイントベースチャンバー(3330)内に設けられ、前記ジョイントベース分離端(3320)は、前記係合部材(3200)を介して前記ベース分離端(2120)に接続され、前記ジョイントベース接続端(3310)は、移動装置に接続されるために用いられる、ことを特徴とする請求項7に記載の組織をクランプするためのシステム。
【請求項9】
前記移動制御装置は、前記挟持機構(1000)のつかみ部材(1200)を開閉制御するための操作ワイヤ(610)をさらに含み、前記
ジョイントベース(3300)は、操作ワイヤ制限溝(3322)を含み、前記ジョイントベース(3300)が前記ベース分離端(2120)に接続される時、前記操作ワイヤ制限溝(3322)は、前記操作ワイヤ(610)の離脱を制限する、ことを特徴とする請求項8に記載の組織をクランプするためのシステム。
【請求項10】
前記固定接続ユニット(2100)は、ベースハウジングを含み、前記ベースハウジング内にベースチャンバー(2130)が設けられ、前記ベースチャンバー(2130)内にベースねじ部(2131)が設けられ、前記駆動ユニット(2200)は、駆動軸(2230)を含み、前記駆動軸(2230)は、前記ベースねじ部(2131)と螺合する駆動ねじ部(2231)を含み、ベースねじ部(2131)と駆動ねじ部(2231)とが螺合するリード角度が摩擦角よりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の組織をクランプするためのシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
さらに、前記移動制御装置は、前記挟持機構のつかみ部材を開閉制御するための操作ワイヤをさらに含み、前記ジョイントベースは、操作ワイヤ制限溝を含み、前記ジョイントベースが前記ベース分離端に接続される時、前記操作ワイヤ制限溝は、前記操作ワイヤの離脱を制限する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
上記実施例をさらに説明し、ジョイントベース分離端3320は、ベース分離端2120に外嵌され、
図11に示すように、
ジョイントベース3300は、操作ワイヤ制限溝3322を含み、移動制御ユニットにおける、挟持機構1000のつかみ部材1200を開閉制御するための操作ワイヤ610のヘッドに膨張部があり、この膨張部は、ベース端孔2122内に配置され、その最小寸法は、操作ワイヤ制限溝3322よりも大きく、ベース端孔2122よりも小さい。ジョイントベース3300がベース分離端2120に接続される時、操作ワイヤ制限溝3322によって、操作ワイヤ610の離脱を制限し、
一実施例では、操作ロッド3100内には、その近接端から操作ロッド分離端3120まで貫通して連通するチャンネルが設けられ、従来技術のように、操作ロッドを中実にしてねじで接続する必要がないため、本願では、分離接合溝2222を介して変形可能なクリップ3121に嵌合するため、操作ロッド内を中空にし、そして方向を制御するためのソフトシャフトを設置することができ、それにより、曲がりを制御するための外部の操作構造を節約する。
【国際調査報告】