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特表2024-501631エネルギーストレージを備える太陽光発電システムとシステムを制御する方法
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  • 特表-エネルギーストレージを備える太陽光発電システムとシステムを制御する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-15
(54)【発明の名称】エネルギーストレージを備える太陽光発電システムとシステムを制御する方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20240105BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240105BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20240105BHJP
   H02S 10/20 20140101ALI20240105BHJP
   H02S 50/00 20140101ALI20240105BHJP
【FI】
H02J3/38 150
H02J3/32
H02J7/35 B
H02J7/35 K
H02S10/20
H02S50/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536081
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-07-21
(86)【国際出願番号】 EP2021085907
(87)【国際公開番号】W WO2022129178
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】20214267.5
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518359144
【氏名又は名称】リチウム バランス エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アナスン,ミーケル・エ・イ
(72)【発明者】
【氏名】オウヤング,シバイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジェー
(72)【発明者】
【氏名】マネス,ケビン・トマス
【テーマコード(参考)】
5F251
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5F251JA28
5F251KA01
5F251KA03
5F251KA04
5F251KA05
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA01
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA06
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA08
5G503GB03
5G503GB06
(57)【要約】
本発明は、電気エネルギーストレージのためのシステムに関する。より具体的には、このシステムは、既存の太陽光発電システムにレトロフィットされたエネルギーストレージを含む。本発明はさらに、電気エネルギーストレージのためのそのようなシステムを制御するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電システムであって、
・ 太陽光発電パネル(8)によって生成される電流を出力するための出力端子(8.1)を有する、太陽光発電パネル(8)、
・ DC電流を入力するための入力端子(7.1)、およびAC電流を出力するための出力端子(7.2)を有する、DC-ACコンバータ(7)、
・ DC電流を入出力するための第1の端子(2.1)、およびDC電流を入出力するための第2の端子(2.2)を有する、双方向DC-DCコンバータ(2)、
・ 電気ストレージ(4)、
・ 制御システム(3)
を備え、
・ 太陽光発電パネル(8)の出力端子(8.1)は、DC-ACコンバータの入力端子(7.1)と電気接続されており、前記DC-ACコンバータは、最大電力点追従(MPPT)アルゴリズムに基づいて太陽光発電パネル(8)から電力を抽出するように構成されており、
・ 双方向DC-DCコンバータを通して電気ストレージ(4)を充電または放電するのいずれかによって、太陽光発電パネル(8)からDC-ACコンバータに流れる電流から電流ドレインを、または太陽光発電パネル(8)からDC-ACコンバータに流れる電流に電流余剰を提供するように、双方向DC-DCコンバータ(2)の第1の端子(2.1)は、太陽光発電パネル(8)とDC-ACコンバータとに電気的に接続されており、双方向DC-DCコンバータの第2の端子(2.2)は、電気ストレージ(4)に電気的に接続されており、
・ 双方向DC-DCコンバータ(2)は、制御システム(3)からの制御信号に基づいて電流方向を制御するように構成され、制御システム(3)は、DC-ACコンバータ(7)によって送達される電力を決定するように構成され、および、出力端子(7.2)に電気的に接続可能な負荷(5)に送達される電力を決定し、前記決定に基づいて、DC-DCコンバータ(2)を通る前記電流方向を、電気ストレージ(4)を充電または放電するのいずれかに制御することによって、
- 電気ストレージ(4)が所定の放電設定点よりも大きい充電状態を有し、負荷(5)に送達される前記電力がDC-ACコンバータによって送達される電力よりも大きい場合には、電気ストレージ(4)を放電し、
- 電気ストレージ(4)が所定の充電設定点よりも小さい充電状態を有し、DC-ACコンバータによって送達される電力が負荷(5)に送達される前記電力よりも大きい場合には、電気ストレージ(4)を充電する
ように、電力がDC-ACコンバータ(7)の出力端子(7.2)に送達されることを保証するように構成されており、
DC-DCコントローラ(2)は、電気ストレージ(4)の充電中および放電中に、第1の端子(2.1)における電圧電位が、太陽光発電パネル(8)の出力端子(8.1)における電圧電位に本質的に等しく設定されるように、制御される、太陽光発電システム。
【請求項2】
双方向DC-DCコンバータ(2)の帯域幅が、最大電力点追従(MPPT)アルゴリズムの帯域幅よりも大きい、請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項3】
DC-ACコンバータの出力端子(7.2)が、家庭などの負荷(5)に電気的に接続されている、請求項1または2に記載の太陽光発電システム。
【請求項4】
DC-ACコンバータの出力端子(7.2)が、供給グリッドなどのACグリッド(6)に電気的に接続可能である、請求項1から3のいずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項5】
DC-ACコンバータによって送達される電力が、負荷によって消費される電力よりも大きく、電気ストレージ(3)の充電状態(SOC)が100%より小さいか、または事前定義された最大充電状態(SOC)設定点よりも小さい場合に、制御システム(3)は、双方向DC-DCコンバータ(2)を通る電流方向を制御することによって、太陽光発電パネル(8)からDC-ACコンバータに流れる電流から電流ドレインを提供し、電気ストレージ(4)を充電するように、さらに構成されている、請求項3および4に記載の太陽光発電システム。
【請求項6】
コントローラ(3)が、
・ 電気ストレージ(4)の充電状態(SOC)を決定し、
・ ACグリッド(6)から負荷(5)によって消費される電力の量を決定し、
・ 充電状態が、ゼロよりも大きい、および/または事前定義された最小充電状態(SOC)設定点よりも大きく、電力が、ACグリッド(6)から負荷(5)によって消費される場合に、電気ストレージ(4)を放電するように双方向DC-DCコンバータ(2)の電流方向を設定することによって、太陽光発電パネル(8)からDC-ACコンバータ(7)に流れる電流に、電流の余剰を提供する
ように構成されている、請求項3に依存するときの、請求項4または5に記載の太陽光発電システム。
【請求項7】
コントローラ(3)が、
・ システムによって必要とされる電流の量、および太陽光発電パネル(8)の出力端子(8.1)によって供給される電流の量を計算することによって、システムの電力バランスを決定し、
・ 電力バランスがゼロよりも大きい、または/および事前定義された電力バランス最小値よりも大きい場合に、電気ストレージ(4)を放電し、
・ 充電状態(SOC)が100%よりも低いか、または事前定義された最大充電状態(SOC)設定点よりも小さく、システムの電力バランスがゼロよりも小さい、または/および事前定義された電力バランス最小値よりも小さい場合に、電気ストレージ(4)を充電する
ように構成されている、請求項6に記載の太陽光発電システム。
【請求項8】
太陽光発電パネル(8)の出力端子(8.1)が、電気接続部(9)によってDC-ACコンバータ(7)の入力端子(7.1)と電気接続されており、双方向DC-DCコンバータ(2)の第1の端子(2.1)が、前記電気接続部(9)と電気的に接続されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項9】
双方向DC-DCコンバータ(2)、エネルギーストレージ(4)、および制御システム(3)が、太陽光発電電力生成設備に局所的にレトロフィットされた、エネルギーストレージシステム(1)を形成する、請求項1から8のいずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項10】
制御システム(3)が、双方向DC-DCコンバータの第1および/または第2の端子(2.1、2.2)における電流を決定するように構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項11】
・ 前記制御システム(3)の使用によって、DC-ACコンバータ(7)によって送達される電力を決定すること、
・ 前記送達される電力を保証するために、前記双方向DC-DCコンバータ(2)における電流方向を、前記電気ストレージ(4)を充電または放電するのいずれかに制御すること
を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の太陽光発電システムを制御するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気エネルギーストレージのためのシステムに関する。より具体的には、このシステムは、既存の太陽光発電システムにレトロフィットされたエネルギーストレージを含む。本発明はさらに、電気エネルギーストレージのためのそのようなシステムを制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電(PV)パネルの電力生成は、明らかに、パネルが晒される光条件に依存している。このことは、しばしば、電力生成が、例えば電力が供給される家庭による電力の必要性と、時間的にタイミングが外れるという結果となる。多くの実装において、この固有の問題は、太陽光発電システムによって生成される電力の余剰がACグリッドに提供され、家庭が太陽光発電システムによって提供されるよりも多くの電力を必要とする場合、そのような電力はACグリッドによって提供されるように、太陽光発電システムをACグリッドに接続することによって解決されている。
【0003】
ストレージのないPVシステムのもう一つの問題は、PVが、グリッドが取ることができない、多すぎる電力を発生するとき、PVインバータは作動を停止しなければならず、そうでなければ、グリッド結合点の電圧が増加し、グリッド保護をトリガーする可能性があることである。したがって、ストレージを用いて、PVによって発生されたがグリッドによって吸収されない、余分な電力を保存することができる。
【0004】
このようなセットアップは、運用可能なソリューションを提供はするが、太陽光発電パネルによって生成された電力の余剰が、例えば、家庭にローカルに貯蔵され、そのような貯蔵された電力が、家庭が太陽光発電システムによって提供されるよりも多くの電力を必要とするときに使用された場合と比較して、エネルギー効率が低いことがよくある。
【0005】
電力ストレージ設備を設置することを考えるとき、そのようなストレージ設備はDC電流を必要とし、太陽光発電システムのAC側に実装される場合、ストレージは、AC-DCコンバータと、ACグリッドと家庭と共に適切に作動する複雑な実装を必要とすることに気づかされる。
【0006】
したがって、太陽光発電システムのDC側(太陽光発電パネルとDC-ACコンバータの間)に電気ストレージを実装することが、実現可能な方法であると思われる。しかし、この方法で電気ストレージを実装することは、動作が、通常、最大電力点追従(Maximum Power Point Tracking)(MPPT)アルゴリズムに基づいており、ストレージがMPPTアルゴリズムの実装で対処されていないような電流のドレインまたは追加を表わすので、太陽光発電システムの効果的な動作を妨げるか、さらには使えなくすることが分かっている。この結果は、太陽光発電システムの最適でないパフォーマンスとなり、最悪の場合には、MPPT制御の失敗となる。
【0007】
電気ストレージを含めるためのそのような企ては、そのようなストレージ無しで設計されて構築された太陽光発電システムに電気ストレージをレトロフィットすることが望みであるとき、一層さらに問題がある、何故なら、そのような場合には、太陽光発電システムへ最小限の介入をするか、または設置された太陽光発電システムの変更/修正をまったく行わないことが求められるであろうからである。
【0008】
したがって、改良された太陽光発電システムが有利であり、特に太陽光発電システムにおけるより効率性および/または信頼性の高い電気ストレージが有利となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来技術に対する代替を提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0010】
特に、上述の従来技術の問題を解決する、太陽光発電システムを提供することが、本発明の目的であるとみなされる。
【0011】
特に、レトロフィット可能な電気ストレージを提供することが、本発明の目的であるとみなされる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、上述の目的、およびいくつかの他の目的は、本発明の第1の態様における太陽光発電システムを提供することによって得られることが意図され、本システムは、
・ 太陽光発電パネルによって生成される電流を出力するための出力端子を有する、太陽光発電パネル;
・ DC電流を入力するための入力端子、およびAC電流を出力するための出力端子を有するDC-ACコンバータ;
・ DC電流を入出力するための第1の端子、およびDC電流を入出力するための第2の端子を有する、双方向DC-DCコンバータ;
・ 電気ストレージ;
・ 制御システム
を備え、
・ 太陽光発電パネルの出力端子は、DC-ACコンバータの入力端子と電気接続されており、前記DC-ACコンバータは、最大電力点追従(MPPT)アルゴリズムに基づいて太陽光発電パネルから電力を抽出するように構成されており;
・ 双方向DC-DCコンバータを通して電気ストレージを充電または放電するのいずれかによって、太陽光発電パネルからDC-ACコンバータに流れる電流から電流ドレインを、または太陽光発電パネルからDC-ACコンバータに流れる電流に電流余剰を提供するように、双方向DC-DCコンバータの第1の端子は、太陽光発電パネルとDC-ACコンバータとに電気的に接続されており、双方向DC-DCコンバータの第2の端子は、電気ストレージに電気的に接続されており;
・ 双方向DC-DCコンバータは、制御システムからの制御信号に基づいて電流方向を制御するように構成され、制御システムは、DC-ACコントローラによって送達される電力を決定するように構成され、および、DC-ACコントローラの出力端子に電気的に接続された負荷に送達される電力を決定し、前記決定に基づいて、DC-DCコンバータを通る前記電流方向を、電気ストレージを充電または放電するのいずれかに制御することによって、
- 電気ストレージが所定の放電設定点よりも大きい充電状態を有し、負荷に送達される前記電力がDC-ACコンバータによって送達される電力よりも大きい場合には、電気ストレージを放電し;
- 電気ストレージが所定の充電設定点よりも小さい充電状態を有し、DC-ACコンバータによって送達される電力が負荷に送達される前記電力よりも大きい場合には、電気ストレージを充電する
ように、電力がDC-ACコントローラの出力端子に送達されることを保証するように構成されている。
【0013】
本発明の実装は、第1の端子における電圧電位が、好ましくは、太陽光発電パネルの出力端子における電圧電位と本質的に等しく設定できるように、電気ストレージの充放電中にDC-DCコントローラを制御できる方法で、実装されるのが好ましい。
【0014】
放電設定点と充電設定点はゼロより大きい数値であり、通常はユーザーによって定義または決定される。決定は、好ましくは、グリッドからの電力の使用を最小化することを目的としてなされる、本発明によるシステムの使用中の経験的研究に基づいてもよい。
【0015】
本発明は、太陽光発電パネルから抽出された電力を後の使用のために電気ストレージに貯蔵することができるように、電気ストレージを備える太陽光発電システムを得るのに、特に、しかし排他的ではなく、有利である。
【0016】
好ましい実施形態では、DC-DCコンバータ、電気ストレージ、および制御システムが、既存のPVシステムにレトロフィットされており、ここでは、MMPT制御アルゴリズムが既存のシステムのDC-ACコントローラを制御する。DC-DCコンバータ、電気ストレージ、制御システムの追加により、MMPT制御アルゴリズムは変更されないままである。
【0017】
好ましい実施形態では、双方向DC-DCコンバータの帯域幅は、最大電力点追従(MPPT)アルゴリズムの帯域幅よりも大きくてもよい。
【0018】
好ましい実施形態では、DC-ACコンバータの出力端子は、家庭などの負荷に電気的に接続されてもよい。DC-ACコンバータの出力端子を負荷に接続することは有利であり得る。このようなシステムでは、太陽光発電パネルは、家庭または他のタイプのエネルギーを必要とするシステムに電力を送達することができる。太陽光発電パネルの仕様に基づいて、太陽光発電パネルにより供給されるエネルギーが負荷からの需要を満たすのに不十分であり、その結果、システムに取り付けられたエネルギーストレージが、システムにエネルギーを供給するのに有利となるときがある。
【0019】
好ましい実施形態では、DC-ACコンバータの出力端子を、供給グリッドなどのACグリッドに電気的に接続してもよい。
【0020】
DC-ACコンバータの出力端子をACグリッドに接続することは有利であり得る。このようなシステムでは、システム内のエネルギーに対する需要が太陽光発電パネルによる供給よりも低い場合、太陽光発電パネルは供給グリッドに電力を送達することができる。これにより、太陽光発電システム内のエネルギーに対する需要が太陽光発電パネルによる供給よりも低いときに、システムは、他の家庭などの他の負荷に、それらがACグリッドに接続された電気システムなどの電気システムに接続されているときに、供給することができる。
【0021】
好ましい実施形態では、DC-ACコンバータによって送達される電力が負荷よりも大きく、電気ストレージの充電状態(SOC)が100%より小さいか、または、事前定義された最大充電状態(SOC)設定点よりも小さい場合に、制御システムは、双方向DC-DCコンバータを通る電流方向を制御することによって、太陽光発電パネルからDC-ACコンバータに流れる電流から電流ドレインを提供し、電気ストレージを充電するように、さらに構成されてもよい。
【0022】
双方向DC-DCコンバータを通る電流方向を制御するために、制御システムは太陽光発電システムの利点である。このような制御システムは、制御信号に基づいて、DC-ACコンバータに送達される電力が負荷からの需要よりも大きく、電気ストレージの充電状態が事前定義された最大充電状態よりも小さいときに、太陽光発電パネルからDC-ACコンバータに流れる電流からの電流ドレインを提供することができる。
【0023】
好ましい実施形態において、コントローラは、
・ 電気ストレージの充電状態(SOC)を決定し、
・ ACグリッドから負荷によって消費される電力の量を決定し、
・ 充電状態がゼロよりも大きい、および/または事前定義された最小充填状態(SOC)設定点よりも大きい場合、および電力がACグリッドから負荷によって消費される場合に、電気ストレージを放電させるように双方向DC-DCコンバータの電流方向を設定することによって、電流の余剰を、太陽光発電パネルからDC-ACコンバータに流れる電流に提供する
ように構成されてもよい。
【0024】
好ましい実施形態において、コントローラは、
・ システムによって必要とされる電流の量、および太陽光発電パネルの出力端子によって供給される電流の量を計算することによって、システムの電力バランスを決定し、
・ 電力バランスがゼロよりも大きい、または/および事前定義された電力バランス最小値よりも大きい場合に、電気ストレージを放電し、
・ 充電状態(SOC)が100%よりも低いか、または事前定義された最大充電状態(SOC)設定点よりも小さく、システムの電力バランスがゼロよりも小さい、または/および事前定義された電力バランス最小値よりも小さい場合に、電気ストレージを充電する
ように構成されてもよい。
【0025】
電気ストレージの充電状態およびACグリッドから負荷によって消費される電力量を決定できるコントローラを有することは、多くの状況において有利である。1つの状況は、制御信号に基づいて電気ストレージを放電し、充電状態が事前定義された最小値より大きく、ACグリッドから負荷によって消費される電力がゼロより大きいときに、電気ストレージから電流の流れを提供することであり得る。状況によっては、流れる電流に電流の余剰を供給するため、または電気ストレージを充電するために電気ストレージがアクティブ化される前に、負荷およびコンバータからの電力の最小の事前定義された需要が必要とされるように、システムの電力バランスを決定することが好ましい場合さえある。
【0026】
好ましい実施形態では、太陽光発電パネルの出力端子は、電気接続部によってDC-ACコンバータの入力端子と電気接続されていてもよく、双方向DC-DCコンバータの第1の端子は、前記電気接続部と電気的に接続されていてもよい。
【0027】
好ましい実施形態では、双方向DC-DCコンバータ、エネルギーストレージ、および制御システムが、太陽光発電電力生成設備に局所的にレトロフィットされたエネルギーストレージシステムを形成することができる。
【0028】
好ましい実施形態では、制御システムは、双方向DC-DCコンバータの第1および/または第2の端子における電流を決定するように構成されてもよい。
【0029】
本発明の第2の態様では、太陽光発電システムを提供することにより、この方法は、備える。
【0030】
本発明の個々の態様は、それぞれ、他の態様のいずれかと組み合わせてもよい。本発明のこれらおよび他の態様は、記載された実施形態を参照して以下の説明から明らかになるであろう。
【0031】
本発明および、特にその好ましい実施形態を、添付の図に関してより詳細にここで説明する。図は、本発明を実装する方法を示しており、添付の請求項セットの範囲内に入る、その他の可能な実施形態に対して限定的であると解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の第1の実施形態による、太陽光発電システムを概略的に示す図である。
図2A】i(電流)対V(電圧)に対する一般的な曲線形状を概略的に示す図である。
図2B】P(電力)対V(電圧)に対する一般的な曲線形状を概略的に示す図である。
図3】太陽光発電パネルからのV-P曲線の例を示す図である。
図4】DC-ACコンバータからのV-P曲線の例を示す図である。
図5】時間に関する入力電力の変化を示すことにより、電気ストレージを充電する例を示す図である。
図6】太陽光発電システムの電力バランスに応じて、いつ電気ストレージを充電/放電すべきかについてのコントローラの使用の一態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
第1の実施形態における太陽光発電システムを概略的に示す、図1を参照する。太陽光発電システムは、物理コンポーネントを表わすボックスで概念的に示されている。太陽光発電システムは、家の屋根または壁に配置された太陽光発電パネルであり得る、太陽光発電パネル8を有する。ただし、パネルの実際の位置決めは、電流を生成するための光に晒されるようにパネルが配置されている限り、所望に応じて選択できる。太陽光発電パネルは、太陽光発電パネル8によって生成された電流を出力するための出力端子8.1を有する。
【0034】
入力端子7.1を有するDC-ACコンバータ7は、太陽光発電パネル8からDC電流を入力するために、通常は適切なワイヤによって、太陽光発電パネル8に接続されている。入力端子7.1は、以下に詳述するように、ストレージから電流を受け取るようにも接続されている。また、DC-ACコンバータ7は、DC電流をAC電流に変換することによって、コンバータによって提供されるAC電流を出力するための出力端子7.2も有している。
【0035】
双方向DC-DCコンバータ2も設けられている。双方向DC-DCコンバータ2は、DC電流の入出力用の第1の端子2.1と、DC電流の入出力用の第2の端子2.2とを有する。つまり、一方の端子に電流が入力されると、他方が出力端子になり、その逆も同様である。
【0036】
電気ストレージ4も設けられている。電気ストレージは、電力を貯蔵するための電池および/またはキャパシタ、あるいは他の適切なストレージ設備であってもよい。
【0037】
本発明の一つの手段は、システム内の電流の流れを制御することであるので、制御システム3が設けられる。この制御システムは、通常は、充電状態、電流および/または負荷などのパラメータを表わす制御信号を提供する、センサからの入力を受け取る、コンピュータにより実装された制御システムである。制御システム3は、コンピュータにより実装された場合には、それらの信号に基づいて、システムの要素への制御信号を発生して、そのような要素を所望の動作モードに設定するプログラム実行を有している。
【0038】
図1に示すように、太陽光発電パネル8の出力端子8.1は、DC-ACコンバータの入力端子7.1と電気接続されている。DC-ACコンバータ7は、最大電力点追従(MPPT)アルゴリズムに基づいて太陽光発電パネル8から電力を抽出するように構成されている。したがって、DC-ACコンバータ7は、通常は、CPUと、MPPTアルゴリズムを遂行し、それに従った電力の抽出の動作をするようにCPUを構成する、ソフトウェアとを含む、能動コンポーネントである。DC-ACコンバータは単一のコンポーネントとして示されているが、データ、電力、および/または制御信号を交換するために接続された、いくつかのコンポーネントに分割される場合があることに留意されたい。
【0039】
双方向DC-DCコンバータ2の第1の端子2.1は、太陽光発電パネル8およびDC-ACコンバータと電気的に接続されている。この場合も、このような接続は、適切なワイヤによって提供されてもよい。双方向DC-DCコンバータ2の第2の端子2.2は、電気ストレージ4と電気的に接続されている。双方向DC-DCコンバータは双方向であるため、双方向DC-DCコンバータを通して電気ストレージ4を充電または放電するのいずれかによって、太陽光発電パネル8からDC-ACコンバータへ流れる電流から電流ドレインを、またはその電流に電流余剰を提供するように、電気ストレージ4との間で電流を流すことができる。
【0040】
双方向DC-DC2を通って流れる電流の方向を制御するために、コンバータ2は、制御システム3からの制御信号に基づいて、電流方向を制御するように構成されている。
【0041】
制御システム3は、DC-ACコンバータ7によって送達される電力を決定するように構成され、および出力端子7.2に電気的に接続された負荷5に送達される電力を決定するように構成されている。そして、これらの決定に基づいて、DC-DCコンバータ2を通る前記電流方向を、電気ストレージ4を充電または放電するのいずれかに制御することにより、
- 電気ストレージ4が所定の放電設定点よりも大きい充電状態を有し、負荷5に送達される前記電力がDC-ACコンバータによって送達される電力よりも大きい場合、電気ストレージ4を放電し;
- 電気ストレージ4が所定の充電設定点よりも小さい充電状態を有し、DC-ACコンバータによって送達される電力が負荷5に送達される前記電力よりも大きい場合には、電気ストレージ4を充電する
ように、DC-ACコンバータ7の出力端子7.2において電力が送達されることが保証される。
【0042】
このように、そのようなシステムによって、DC-ACコントローラの出力端子7.2における電力が、太陽光発電パネル8だけから来るのか、ストレージ4からの、またはストレージ4だけから来る余剰を含むのか、を制御してもよい。さらに、必要とされるのは、双方向DC-DCコンバータを、太陽光発電パネル8とDC-ACコンバータ7との間の電気接続部と接続する、電気接続部であるので、ストレージ設備は、DC-ACコンバータ7に変更がなされることを要求するものではない。それによって、既存の太陽光発電システムにでも、ストレージ能力を容易にレトロフィットさせることができる。
【0043】
本発明の好ましい実施形態は、電気ストレージ4がDC-DCコンバータ2と共に、あたかも見かけの比例的PVパネルとして動作しているかのように見ることができる。この概念をよりよく理解するために、以下の2つの例が図2Aおよび図2Bを参照して提供される。図2Aおよび図2Bでは、「A」とラベル付けされた曲線は、電気ストレージ4が充電も放電もされていない動作状態である。丁寧に観察されると、図2Aおよび図2Bに提示されている曲線は一般的な曲線形状を表わしており、測定によって得られたデータ点に必ずしも類似しているとは限らない。
【0044】
状況B:電気ストレージの放電
電気ストレージが放電する時点において、DC-DCコンバータは、電気ストレージから次のように電流を提供するように制御される:
storage=Vpv、およびistorage=k・ipv ここでk>0
ここで、添え字storageは、電気ストレージ4を指し、添え字pvはPVパネルを指す。Vは電圧を指し、iは電流を指す。
【0045】
このことは、PVパネルおよび電気ストレージによって提供される総電力が:
total=Ppv+Pstorage=Vpv・ipv+Vpv・k・ipv=Vpv・ipv(1+k)
であることを意味する。
【0046】
これによって、電気ストレージ4の放電は、見かけ上のより大きなPVパネル、または見かけ上のより多い太陽放射と等価であることが分かる。したがって、MPPTアルゴリズムに基づいてPVパネル8から電力を抽出するように構成されたDC-ACコンバータ7は、DC-DCコンバータ2と組み合わせた電気ストレージ4が、それらがPVパネルであるかのようにふるまうので、電気ストレージ4が電力を送達することを認識しない。それによって、DC-ACコンバータは、PVパネルMPP(最大電力点)において動作し続ける。
【0047】
このことが、(丸印で表示された)動作点が曲線Aから曲線Bに移動することを示す矢印によって、図Iおよび図IIに示されている。
【0048】
DC-ACコンバータ7の誤動作を防止するために、総電力がDC-ACコンバータの定格電力を超えないように電力を制御する必要があり得る。
【0049】
状況C:電気ストレージの充電
電気ストレージが充電される時点において、DC-DCコンバータ2は、電気ストレージに次のように電流を提供するように制御される:
storage=Vpv、およびistorage=k・ipv ここでk<0
【0050】
このことは、PVパネル8および電気ストレージ4によって提供される総電力が:
total=Ppv+Pstorage=Vpv・ipv+Vpv・k・ipv=Vpv・ipv(1+k)
であることを意味する。
【0051】
これによって、電気ストレージ4の充電は、見かけ上のより小さいPVパネル、または見かけ上のより少ない太陽放射と等価であることが分かる。したがって、MPPTアルゴリズムに基づいてPVパネルから電力を抽出するように構成されたDC-ACコンバータ7は、DC-DCコンバータを備えた電気ストレージが、それらがPVパネルであるかのようにふるまうので、電気ストレージが電力を抽出することを認識しない。それによって、DC-ACコンバータは、そのMPP(最大電力点)においてPVパネルを動作させ続ける。
【0052】
このことは、曲線Aから曲線Cに移動する(丸印で表示された)動作点を示す矢印によって、図IおよびIIに示されている。これらの図から分かるように、DC-DCコンバータ2は、電気ストレージ4の充放電中に、第1の端子の電圧電位が太陽光発電パネル8の出力端子(8.1)の電圧電位と本質的に等しくなるように設定されるように、制御される。
【0053】
DC-ACコンバータ7は後方(AC-DC)に電力を提供できないことが好ましいので、DC-ACコンバータ7に「送達される」総電力が負にならないように制御するステップを含めることが必要となり得る。
【0054】
本明細書に提示されるように、負荷5は、DC-ACコンバータおよびグリッド6から電力を受け取ることができる。さらに、電力ストレージ4は、負荷5に送達される電力がDC-ACコンバータによって送達される電力よりも大きい場合に放電される、すなわちPVパネルが負荷5による需要を満たすのに十分な電力を生成できない場合に、グリッド6が電力をトップアップする。このことから、電気ストレージ4の充電状態を考慮して、AC-DCコンバータによって送達される総電力が、有利には、負荷5によって受け取られる電力と等しいか、またはそれにできるだけ近くなければならないことに基づいて、kの値は決定されてもよい。同様に、DC-ACコンバータによって負荷5へ送達される電力が負荷5に送達される電力よりも大きい場合、すなわちPVパネルが負荷5の必要性と比較して電力の余剰を提供する場合に、電気ストレージ5は、充電される。この場合も、電気ストレージの充電状態を考慮して、DC-ACコンバータ7によって送達される総電力が、有利には、負荷5によって消費される電力と等しいか、またはそれにできるだけ近くなければならないことに基づいて、kの値は決定することができる。
【0055】
さらに、図3から図5を参照して、例を以下に提示する。
【0056】
太陽光発電システムの効率的な動作を提供するために、双方向DC-DCコンバータ2の帯域幅は、最大電力点追従(MPPT)アルゴリズムの帯域幅よりも大きいことが好ましい。
【0057】
図1に示すように、DC-ACコンバータの出力端子7.2は、家庭等の負荷5に電気的に接続されている。負荷のタイプ自体は、電力を消費する負荷である限り、任意の負荷を接続できることが想定されているため、本発明にとって重要ではない。
【0058】
図1にさらに示されるように、DC-ACコンバータの出力端子7.2は、供給グリッドなどのACグリッド6に電気的に接続されている。これにより太陽光発電システムは、所望の場合にACグリッド6に電力を送り出すことができる。ACグリッドと負荷5もまた電気的に接続されて、例えば、太陽光発電システムが必要な量の電力を生成および/または貯蔵しない場合に、負荷がACグリッドからの電力を消費することを可能にしてもよい。
【0059】
制御システム3は、双方向DC-DCコンバータ2を通る電流方向を制御することにより、太陽光発電パネル(8)から流れる電流から電流ドレインをDC-ACコンバータに提供し、電気ストレージ4を充電するように構成されている。この電流ドレインは、DC-ACコンバータによって送達される電力が負荷よりも大きく、電気ストレージ(3)の充電状態(SOC)が100%より小さいか、または事前定義された最大充電状態(SOC)設定点よりも小さい場合に有効化される。充電状態が事前定義された最大充電状態設定点の100%以上である場合、太陽光発電システムは、一時的に役目から解放されるか、生成された電力がACグリッド6に送給されてもよい(グリッド6に接続されている場合)。事前定義された最大充電状態設定点は、好ましくは75%、例えば80%、好ましくは90%と定義される。
【0060】
太陽光発電システムの別の動作モードでは、コントローラ3は、電気ストレージ4の充電状態(SOC)およびACグリッド6から負荷5によって消費される電力量を決定する。コントローラ3は、充電状態がゼロよりも大きいか、または事前定義された最小充電状態(SOC)設定点よりも大きい場合、および/またはそうである限り、電気ストレージ4を放電するように双方向DC-DCコンバータ2の電流方向を設定することにより、太陽光発電パネル8からDC-ACコンバータ7に流れる電流に、電流の余剰を提供するように構成されている。
【0061】
電気ストレージ4の充電状態は、通常は、充電の段階を表わす制御信号を提供するセンサによって提供され、この制御信号は制御システム3に入力される。
【0062】
太陽光発電システムのさらなる動作モードにおいて、コントローラ3は、システムによって必要とされる電流量、および太陽光発電パネル(8)の出力端子(8.1)によって供給される電流量を計算することによって、電力バランスの値に応じて電気ストレージ4が充電/放電されるように設定されるように、システムの電力バランスを決定する。
【0063】
図6に示すように、電気ストレージ4の放電/充電に関する、このような電力バランスシステム相関がどのように動作するかの一例を示す。事前定義された電力バランス最小値に基づいて、システムはコントローラ3によってオフ/オンに切り替えられる。
【0064】
コントローラ3は、電力バランスがゼロより大きい、または/および事前定義された電力バランス最小値よりも大きい場合に、電気ストレージ(4)を放電し、充電状態(SOC)が100%より低いか、または事前定義された最大充電状態(SOC)設定点より小さく、システムの電力バランスがゼロより小さい、または/および事前定義された電力バランス最小値よりも小さい場合に、電気ストレージ(4)を充電するように、さらに構成される。
【0065】
図1に示すように、太陽光発電パネル8の出力端子8.1は、電気接続部9によってDC-ACコンバータ7の入力端子7.1と電気接続している。双方向DC-DCコンバータ2の第1の端子2.1は、前記電気接続部9と電気的に接続されている。これは、例えば、既存の太陽光発電システムにおけるエネルギーストレージ設備の非常に容易なレトロフィッティングを提供する、電気ライス(lice)によって確立することができる。
【0066】
双方向DC-DCコンバータ2、エネルギーストレージ4および制御システム3は、エネルギーストレージシステム1を形成しているとみなすことができる。これらの3つのコンポーネント(任意の周辺機器を含む)はユニットを形成し、太陽光発電電力生成設備にローカルにレトロフィットさせることができる。
【0067】
双方向DC-DCコンバータを通る電流を決定することは有利であり、これを達成するために、制御システム3は、双方向DC-DCコンバータの第1および/または第2の端子2.1、2.2における電流を決定するように構成されている。これは通常、電流を表わす制御信号を提供し、これを制御システムに入力する、電流センサの使用によって提供される。
【0068】
図3に示すように、本発明の一例が、充電動作を実行することによって示されており、ここで、DC-ACコンバータはMPPT制御を行うように設定され、図3に示されるようなPVパネルのV-P曲線、図4に示されるようなインバータのV-P曲線、および図5に示されるような電池の充電/放電電流の間の比例性が示されている。
【0069】
具体例では、負荷5からの需要は、PVパネル8からの供給に等しい。PVパネル8は、図3にMPP1として示されるように2.8kWを生成し、負荷5からの需要は2.8kWである。この具体例では、電気ストレージ4への入力電力は0kWであり、これは、図5の第1の部分に示されている。したがって、DC-ACコンバータ7への入力電力は、図4に示すように2.8kWである。
【0070】
別の具体例では、負荷5からの需要は、PVパネル8からの供給よりも小さい。この具体例では、PVパネル8は、図3にMPP1として示されているように2.8kWを生成し、負荷5からの需要は1.3kWである。結果的に、図5の中間のセクションに示すように、1.5kWが入力電力として電気ストレージ4に向けられ、図4にFMPP2として示されるように1.3kWが、DC-ACコンバータ7への入力電力として向けられる。
【0071】
別の具体例では、負荷5からの需要は、PVパネル8からの供給よりも小さい。この具体例では、PVパネル8は、図3にMPP3として示されているように2.0kWを生成し、負荷5からの需要は500Wである。結果的に、図5の最後のセクションに示されているように、1.5kWが入力電力として電気ストレージ4に向けられ、図4にFMPP3として示されているように、500Wが、DC-ACコンバータ7に入力電力として向けられる。
【0072】
本発明は、ファームウェアなどの、ハードウェアとソフトウェアの組合せによって実装することができる。本発明またはその特徴のいくつかは、1つ以上のデータプロセッサおよび/またはデジタル信号プロセッサ上で実行されるソフトウェアとして実装することもできる。
【0073】
本発明の実施形態の個々の要素は、物理的、機能的および論理的に、例えば単一のユニット内、複数のユニット内、または別個の機能的ユニットの一部として、任意の適切な方法で実装され得る。本発明は、単一のユニットに実装されるか、または異なるユニットおよびプロセッサ間で物理的および機能的の両方で分散されてもよい。
【0074】
本発明を具体的な実施形態に関連して説明したが、いかなる方法においても提示された例に限定されるものとして解釈されるべきではない。本発明の範囲は、添付の請求項セットに照らして解釈されるべきである。特許請求の範囲の文脈において、「含んでいる(comprising)」または「含む(comprises)」という用語は、他の可能な要素またはステップを排除するものではない。また、「1つ(a)」や「1つ(an)」などの参照の言及は、複数を除外するものと解釈されるべきではない。図に示された要素についての特許請求の範囲における参照記号の使用もまた、本発明の範囲を限定するものと解釈されないものとする。さらに、異なる請求項において言及された個々の特徴は、おそらくは有利に組み合わせることが可能であり、異なる請求項におけるこれらの特徴の言及は、特徴の組み合わせが不可能であり、有利であることを排除するものではない。
【符号の説明】
【0075】
1 ローカルエネルギーストレージ
2 双方向DC-DCコンバータ
2.1 双方向DC-DCコンバータの第1の端子
2.2 双方向DC-DCコンバータの第2の端子
3 制御システム
4 電気ストレージ
5 家庭等の負荷
6 ACグリッド
7 DC-ACコンバータ
7.1 DC-ACコンバータの入力端子
7.2 DC-ACコンバータの出力端子
8 太陽光発電パネル
8.1 太陽光発電パネルの出力端子
9 電気接続部
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】