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特表2024-501632第1のセルから第2のセルに移動するための方法およびデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-15
(54)【発明の名称】第1のセルから第2のセルに移動するための方法およびデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/08 20090101AFI20240105BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20240105BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20240105BHJP
   H04W 74/08 20240101ALI20240105BHJP
【FI】
H04W48/08
H04W84/06
H04W36/08
H04W74/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536099
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 IB2021061727
(87)【国際公開番号】W WO2022130217
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/136278
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【弁理士】
【氏名又は名称】小梶 晴美
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(72)【発明者】
【氏名】マーッタネン, ヘルカ-リーナ
(72)【発明者】
【氏名】ルーン, ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ヤヴツ, エムル
(72)【発明者】
【氏名】リン, ツィーペン
(72)【発明者】
【氏名】リーバリ, オロフ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE07
5K067EE10
5K067JJ39
(57)【要約】
ユーザ機器が通信システムにおいて第1のセルから第2のセルに移動するのを支援するための方法およびシステムが、説明される。実施形態は、ユーザ機器がその中に移動しているネイバリングセルにおけるエフェメリスデータまたは他のデータの送信をトリガすることを含む。ユーザ機器は、第1のセルにある間に、設定情報に従って、ネイバリングセルにおけるデータのブロードキャストをトリガするようにとの要求を送ることができる。ユーザ機器は、次いで、ネイバリングセルに進入し、データを受信することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のセルから第2のセルに移動するための、ユーザ機器(UE)によって実施される方法(400)であって、前記第1のセルが、前記UEのサービングセルであり、前記第2のセルが、1つまたは複数のネイバーセルのうちの1つを含み、前記方法が、
前記第1のセルから前記第2のセルに移動するより前に設定情報に従って、前記第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとの要求を、前記第1のセルにおいてサーブされている間に、前記第1のセルに関連付けられた基地局に送信する(401)ことと、
前記第2のセルに関連付けられた第2の基地局によってブロードキャストされた前記情報データを受信する(402)ことと
を含む、方法(400)。
【請求項2】
前記受信された情報データを使用することによって、前記第2のセルにおけるアップリンク送信に適用されるべき時間事前補償および周波数事前補償のうちの少なくとも1つを計算することをさらに含む、請求項1に記載の方法(400)。
【請求項3】
前記第1のセルに関連付けられた前記基地局から、1つまたは複数のネイバーセルにおける前記情報データの前記ブロードキャストについての前記要求のための前記設定情報を取得することをさらに含む、請求項1に記載の方法(400)。
【請求項4】
要求を前記送信することが、
前記第2のセルへのセル再選択を実施するより前に前記要求を送信すること、または
前記第2のセルへのハンドオーバを実行するより前に前記要求を送信すること
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法(400)。
【請求項5】
前記要求を承認または拒否する応答メッセージを受信することと、
前記要求を承認する前記応答メッセージが受信された場合、前記第2のセルにおけるダウンリンク送信からの前記情報データを監視することと
をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項6】
前記情報データが、システム情報を介してブロードキャストされた衛星エフェメリスデータを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項7】
前記要求された情報データが受信されるまで前記UEがその間待たなければならない時間期間を管理するタイマーを始動させることをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項8】
前記タイマーが満了したときに前記第1のセルにおいて前記要求を再送信することをさらに含む、請求項7に記載の方法(400)。
【請求項9】
前記タイマーが満了したときに前記第1のセルにおいて前記要求を前記再送信することが、バックオフ時間の後である、請求項8に記載の方法(400)。
【請求項10】
1つまたは複数のネイバーセルにおける前記情報データの前記ブロードキャストについての前記要求が、システム情報要求、ランダムアクセスプリアンブルまたはランダムアクセス手順に関係するメッセージを使用するエフェメリスデータ要求、ランダムアクセスMsg3、2ステップランダムアクセスMsgA、および専用RRCメッセージ要求のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の方法(400)。
【請求項11】
前記システム情報要求が、
前記第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとのMsg1ベースのシステム情報要求、
前記第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとのMsg3ベースの要求、および
前記第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとの2ステップランダムアクセスベース要求、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の方法(400)。
【請求項12】
前記要求が、Msg1ベースのシステム情報要求である場合、1つまたは複数のプリアンブルが、ネイバーセル(10、20、40)のリストされたセットの各々、衛星(13、17)のリストされたセットの各々、および同じ衛星(13)によってサーブされるかまたは異なる衛星(17)によってサーブされるネイバーセルのセットのうちの少なくとも1つについて設定される、請求項1から4、10または11のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項13】
前記1つまたは複数のネイバーセル(10、20、40)のうちのいずれが同じ衛星(13)によってサーブされるかが、前記設定情報において、またはインジケータによって指し示される、請求項1から4、10または11のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項14】
同じ衛星(13)によってサーブされる前記1つまたは複数のネイバーセル(10、20、40)が、前記設定情報において、またはインジケータによってサブグループに分割される、請求項1から4、10または11のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項15】
前記第2のセルにおいてブロードキャストされた前記情報データを前記受信することが、
衛星エフェメリスデータと、前記第2のセルにおける参照ロケーションに関連付けられた共通タイミングアドバンスおよび共通ドップラーシフトのうちの少なくとも1つとを受信すること
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項16】
前記第1のセルおよび前記第2のセルが、
地球移動ビームを用いる非地上ネットワーク(50)におけるセル(10、20、30、40)、または
地上ネットワーク(1010)におけるセル(1013a/b/c)
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項17】
前記基地局および前記第2の基地局が、同じ物理的基地局である、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項18】
第1のネットワークノードに関連付けられた第1のセルから第2のセルにユーザ機器(UE)を移動させるための、前記第1のネットワークノードによって実施される方法(500)であって、前記第1のセルが、前記UEのためのサービングセルであり、前記方法は、
前記第1のセルにおいて、前記第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとの要求を前記UEから受信する(501)ことと、
前記第2のセルが、前記第1のネットワークノードによってサーブされるのか、第2のネットワークノードによってサーブされるのかを決定する(502)ことと、
前記第2のセルが、前記第2のネットワークノードによってサーブされる場合、前記第2のネットワークノードに前記情報データのブロードキャストについての前記要求をフォワーディングする(503)ことと、前記第2のセルが、前記第1のネットワークノードによってサーブされる場合、前記第2のセルにおいて前記要求された情報データをブロードキャストする(504)ことと
を含む、方法(500)。
【請求項19】
1つまたは複数のネイバーセルにおける前記情報データのブロードキャストを前記UEが要求するための手法に関係する設定情報を取得することと、
前記1つまたは複数のネイバーセルにおける前記情報データのブロードキャストの要求のための前記手法に関係する前記情報を用いて、前記第1のセルにおけるブロードキャストされたシステム情報を使用して、前記UEを設定することと
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項18に記載の方法(500)。
【請求項20】
要求を受信することは、
前記UEが前記第2のセルへのセル再選択を実施するより前に、前記要求を受信することと、
前記UEが前記第2のセルへのハンドオーバを実行するより前に、前記要求を受信することと
のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の方法(500)。
【請求項21】
前記第2のセルが、前記第1のネットワークノードによってサーブされる場合、前記第2のセルにおいて前記情報データをブロードキャストするための前記要求を受け付けるべきかどうかを決定することをさらに含む、請求項18に記載の方法(500)。
【請求項22】
前記第2のセルが、前記第2のネットワークノードによってサーブされる場合、前記第2のネットワークノードから、前記第2のセルにおいて前記情報データをブロードキャストするための前記要求を承認または拒否する応答メッセージを受信することをさらに含む、請求項18に記載の方法(500)。
【請求項23】
前記第2のセルにおいて前記情報データをブロードキャストするための前記要求を承認または拒否する応答メッセージを前記UEに送信することをさらに含む、請求項21または22に記載の方法(500)。
【請求項24】
前記情報データが、システム情報を介してブロードキャストされた衛星エフェメリスデータを含み、前記衛星エフェメリスデータが、衛星(13)の軌道、位置および速度情報、ならびにノード間伝搬経路に関する情報を含む、請求項18から22のいずれか一項に記載の方法(500)。
【請求項25】
前記第2のセルにおいて前記要求された情報データをブロードキャストすることが、
設定情報または前記UEからの前記要求に従って、
遅延の後に、
指定された時間において、
時間間隔内に1回または複数回、あるいは
何回か繰り返して、
ブロードキャストすることを含む、請求項18から22のいずれか一項に記載の方法(500)。
【請求項26】
前記第2のセルにおいて前記要求された情報データをブロードキャストすることが、衛星エフェメリスデータと、前記第2のセルにおける参照ロケーションに関連付けられた共通タイミングアドバンスおよび共通ドップラーシフトのうちの少なくとも1つとをブロードキャストすることを含む、請求項18から22のいずれか一項に記載の方法(500)。
【請求項27】
第1のセルから第2のネットワークノードに関連付けられた第2のセルにユーザ機器(UE)を移動させるための、前記第2のネットワークノードによって実施される方法(600)であって、前記第1のセルが、前記UEのサービングセルであり、第1のネットワークノードによって制御され、前記第2のセルが、前記第1のセルの1つまたは複数のネイバーセルのうちの1つを含み、前記方法が、
前記第1のネットワークノードから、前記第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとの要求を受信する(601)こと
を含む、方法(600)。
【請求項28】
前記第2のセルにおいて前記要求された情報データをブロードキャストする(602)ことをさらに含む、請求項27に記載の方法(600)。
【請求項29】
前記第2のセルにおいて前記情報データをブロードキャストするための前記要求を受け付けるかどうかを決定することをさらに含む、請求項27または28に記載の方法(600)。
【請求項30】
前記第1のネットワークノードに、前記第2のセルにおいて前記情報データをブロードキャストするための前記要求を承認または拒否する応答メッセージを送信することをさらに含む、請求項27から29のいずれか一項に記載の方法(600)。
【請求項31】
前記第2のセルにおいて前記要求された情報データをブロードキャストすることが、
設定情報または前記受信された要求に従って、
遅延の後に、
指定された時間において、
時間間隔内に1回または複数回、あるいは
何回か繰り返して、
ブロードキャストすることを含む、請求項27から30のいずれか一項に記載の方法(600)。
【請求項32】
前記情報データが、システム情報を介してブロードキャストされた衛星エフェメリスデータを含み、前記衛星エフェメリスデータが、衛星の軌道、位置および速度情報、ならびにノード間伝搬経路に関する情報を含む、請求項27から30のいずれか一項に記載の方法(600)。
【請求項33】
前記第2のセルにおいて前記要求された情報データをブロードキャストすることが、衛星エフェメリスデータと、前記第2のセルにおける参照ロケーションに関連付けられた共通タイミングアドバンスおよび共通ドップラーシフトのうちの少なくとも1つとをブロードキャストすることを含む、請求項27から30のいずれか一項に記載の方法(600)。
【請求項34】
プロセッサ(701)と、
前記プロセッサ上で実行されるとき、前記プロセッサに、第1のセルから第2のセルに移動するための方法であって、前記第1のセルが、UEのサービングセルであり、前記第2のセルが、1つまたは複数のネイバーセルのうちの1つを含み、前記方法が、
前記第1のセルから前記第2のセルに移動するより前に設定情報に従って、前記第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとの要求を、前記第1のセルにおいてサーブされている間に、前記第1のセルに関連付けられた基地局に送信する(401)ことと、
前記第2のセルに関連付けられた第2の基地局によってブロードキャストされた前記情報データを受信する(402)ことと
を含む、方法を行わせるコンピュータプログラムを記憶したメモリ(702)と
を備える、ユーザ機器(UE)(700)。
【請求項35】
前記方法が、前記受信された情報データを使用することによって、前記第2のセルにおけるアップリンク送信に適用されるべき時間事前補償および周波数事前補償のうちの少なくとも1つを計算することをさらに含む、請求項34に記載のUE。
【請求項36】
前記方法が、前記第1のセルに関連付けられた前記基地局から、1つまたは複数のネイバーセルにおける前記情報データの前記ブロードキャストについての前記要求のための前記設定情報を取得することをさらに含む、請求項34に記載のUE。
【請求項37】
要求を前記送信することが、
前記第2のセルへのセル再選択を実施するより前に前記要求を送信すること、または
前記第2のセルへのハンドオーバを実行するより前に前記要求を送信すること
のうちの少なくとも1つを含む、請求項34に記載のUE。
【請求項38】
前記方法は、
前記要求を承認または拒否する応答メッセージを受信することと、
前記要求を承認する前記応答メッセージが受信された場合、前記第2のセルにおけるダウンリンク送信からの前記情報データを監視することと
をさらに含む、請求項34から37のいずれか一項に記載のUE。
【請求項39】
前記情報データが、システム情報を介してブロードキャストされた衛星エフェメリスデータを含む、請求項34から37のいずれか一項に記載のUE。
【請求項40】
前記方法は、前記要求された情報データが受信されるまで前記UEがその間待たなければならない時間期間を管理するタイマーを始動させることをさらに含む、請求項34から37のいずれか一項に記載のUE。
【請求項41】
前記方法は、前記タイマーが満了したときに前記第1のセルにおいて前記要求を再送信することをさらに含む、請求項40に記載のUE。
【請求項42】
前記タイマーが満了したときに前記第1のセルにおいて前記要求を前記再送信することが、バックオフ時間の後に実施される、請求項41に記載のUE。
【請求項43】
1つまたは複数のネイバーセルにおける前記情報データの前記ブロードキャストについての前記要求が、システム情報要求、ランダムアクセスプリアンブルまたはランダムアクセス手順に関係するメッセージを使用するエフェメリスデータ要求、ランダムアクセスMsg3、2ステップランダムアクセスMsgA、および専用RRCメッセージ要求のうちの少なくとも1つを含む、請求項36に記載のUE。
【請求項44】
前記システム情報要求が、
前記第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとのMsg1ベースのシステム情報要求、
前記第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとのMsg3ベースの要求、および
前記第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとの2ステップランダムアクセスベース要求、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項43に記載のUE。
【請求項45】
前記要求が、Msg1ベースのシステム情報要求である場合、1つまたは複数のプリアンブルが、ネイバーセル(10、20、40)のリストされたセットの各々、衛星(13、17)のリストされたセットの各々、および同じ衛星(13)によってサーブされるかまたは異なる衛星(17)によってサーブされるネイバーセルのセットのうちの少なくとも1つについて設定される、請求項34から37、43または44のいずれか一項に記載のUE。
【請求項46】
前記1つまたは複数のネイバーセル(10、20、40)のうちのいずれが同じ衛星(13)によってサーブされるかが、前記設定情報において、またはインジケータによって指し示される、請求項34から37、43または44のいずれか一項に記載のUE。
【請求項47】
同じ衛星(13)によってサーブされる前記1つまたは複数のネイバーセル(10、20、40)が、前記設定情報において、またはインジケータによってサブグループに分割される、請求項34から37、43または44のいずれか一項に記載のUE。
【請求項48】
前記第2のセルにおいてブロードキャストされた前記情報データを前記受信することが、
衛星エフェメリスデータと、前記第2のセルにおける参照ロケーションに関連付けられた共通タイミングアドバンスおよび共通ドップラーシフトのうちの少なくとも1つとを受信すること
を含む、請求項34から37のいずれか一項に記載のUE。
【請求項49】
前記第1のセルおよび前記第2のセルが、
地球移動ビームを用いる非地上ネットワーク(50)におけるセル(10、20、30、40)、または
地上ネットワーク(1010)におけるセル(1013a/b/c)
を含む、請求項34から37のいずれか一項に記載のUE。
【請求項50】
前記基地局および前記第2の基地局が、同じ物理的基地局である、請求項34から49のいずれか一項に記載のUE。
【請求項51】
第1のネットワークノード(800)であって、
プロセッサ(801)と、
前記プロセッサ上で実行されるとき、前記プロセッサに、前記第1のネットワークノードに関連付けられた第1のセルから第2のセルにユーザ機器(UE)を移動させるための方法(500)であって、前記第1のセルが、前記UEのためのサービングセルであり、前記方法は、
前記第1のセルにおいて、前記第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとの要求を前記UEから受信する(501)ことと、
前記第2のセルが、前記第1のネットワークノードによってサーブされるのか、第2のネットワークノードによってサーブされるのかを決定する(502)ことと、
前記第2のセルが、前記第2のネットワークノードによってサーブされる場合、前記第2のネットワークノードに前記情報データのブロードキャストについての前記要求をフォワーディングする(503)ことと、前記第2のセルが、前記第1のネットワークノードによってサーブされる場合、前記第2のセルにおいて前記要求された情報データをブロードキャストする(504)ことと
を含む、方法(500)を行わせるコンピュータプログラムを記憶したメモリ(802)と
を備える、第1のネットワークノード(800)。
【請求項52】
前記方法は、
1つまたは複数のネイバーセルにおける前記情報データのブロードキャストを前記UEが要求するための手法に関係する設定情報を取得することと、
前記1つまたは複数のネイバーセルにおける前記情報データのブロードキャストの要求のための前記手法に関係する前記情報を用いて、前記第1のセルにおけるブロードキャストされたシステム情報を使用して、前記UEを設定することと
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項51に記載の第1のネットワークノード。
【請求項53】
要求を受信することは、
前記UEが前記第2のセルへのセル再選択を実施するより前に、前記要求を受信することと、
前記UEが前記第2のセルへのハンドオーバを実行するより前に、前記要求を受信することと
のうちの少なくとも1つを含む、請求項51に記載の第1のネットワークノード。
【請求項54】
前記方法は、前記第2のセルが、前記第1のネットワークノードによってサーブされる場合、前記第2のセルにおいて前記情報データをブロードキャストするための前記要求を受け付けるべきかどうかを決定することをさらに含む、請求項51に記載の第1のネットワークノード。
【請求項55】
前記方法は、前記第2のセルが、前記第2のネットワークノードによってサーブされる場合、前記第2のネットワークノードから、前記第2のセルにおいて前記情報データをブロードキャストするための前記要求を承認または拒否する応答メッセージを受信することをさらに含む、請求項51に記載の第1のネットワークノード。
【請求項56】
前記方法が、前記第2のセルにおいて前記情報データをブロードキャストするための前記要求を承認または拒否する応答メッセージを前記UEに送信することをさらに含む、請求項54または55に記載の第1のネットワークノード。
【請求項57】
前記情報データが、システム情報を介してブロードキャストされた衛星エフェメリスデータを含み、前記衛星エフェメリスデータが、衛星(13)の軌道、位置および速度情報、ならびにノード間伝搬経路に関する情報を含む、請求項51から55のいずれか一項に記載の第1のネットワークノード。
【請求項58】
前記第2のセルにおいて前記要求された情報データをブロードキャストすることが、
設定情報または前記UEからの前記要求に従って、
遅延の後に、
指定された時間において、
時間間隔内に1回または複数回、あるいは
何回か繰り返して、
ブロードキャストすることを含む、請求項51から55のいずれか一項に記載の第1のネットワークノード。
【請求項59】
前記第2のセルにおいて前記要求された情報データをブロードキャストすることが、前記衛星エフェメリスデータと、前記第2のセルにおける参照ロケーションに関連付けられた共通タイミングアドバンスおよび共通ドップラーシフトのうちの少なくとも1つとをブロードキャストすることを含む、請求項51から55のいずれか一項に記載の第1のネットワークノード。
【請求項60】
第2のネットワークノード(900)であって、
プロセッサ(901)と、
前記プロセッサ上で実行されるとき、前記プロセッサに、第1のセルから前記第2のネットワークノードに関連付けられた第2のセルにユーザ機器(UE)を移動させるための方法(600)であって、前記第1のセルが、前記UEのサービングセルであり、第1のネットワークノードによって制御され、前記第2のセルが、前記第1のセルの1つまたは複数のネイバーセルのうちの1つを含み、前記方法が、前記第1のネットワークノードから、前記第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとの要求を受信する(601)ことを含む、方法(600)を行わせるコンピュータプログラムを記憶したメモリ(902)と
を備える、第2のネットワークノード(900)。
【請求項61】
前記方法が、前記第2のセルにおいて前記要求された情報データをブロードキャストする(S602)ことをさらに含む、請求項60に記載の第2のネットワークノード。
【請求項62】
前記方法が、前記第2のセルにおいて前記情報データをブロードキャストするための前記要求を受け付けるかどうかを決定することをさらに含む、請求項60または61に記載の第2のネットワークノード。
【請求項63】
前記方法が、前記第1のネットワークノードに、前記第2のセルにおいて前記情報データをブロードキャストするための前記要求を承認または拒否する応答メッセージを送信することをさらに含む、請求項60から62のいずれか一項に記載の第2のネットワークノード。
【請求項64】
前記第2のセルにおいて前記要求された情報データをブロードキャストすることが、
設定情報または前記受信された要求に従って、
遅延の後に、
指定された時間において、
時間間隔内に1回または複数回、あるいは
何回か繰り返して、
ブロードキャストすることを含む、請求項60から63のいずれか一項に記載の第2のネットワークノード。
【請求項65】
前記情報データが、システム情報を介してブロードキャストされた衛星エフェメリスデータを含み、前記衛星エフェメリスデータが、衛星の軌道、位置および速度情報、ならびにノード間伝搬経路に関する情報を含む、請求項60から63のいずれか一項に記載の第2のネットワークノード。
【請求項66】
前記第2のセルにおいて前記要求された情報データをブロードキャストすることが、衛星エフェメリスデータと、前記第2のセルにおける参照ロケーションに関連付けられた共通タイミングアドバンスおよび共通ドップラーシフトのうちの少なくとも1つとをブロードキャストすることを含む、請求項60から63のいずれか一項に記載の第2のネットワークノード。
【請求項67】
少なくとも1つのプロセッサ上で実行されるとき、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法を行わせるコンピュータプログラムを記憶した、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項68】
少なくとも1つのプロセッサ上で実行されるとき、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項18から26のいずれか一項に記載の方法を行わせるコンピュータプログラムを記憶した、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項69】
少なくとも1つのプロセッサ上で実行されるとき、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項27から33のいずれか一項に記載の方法を行わせるコンピュータプログラムを記憶した、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連情報の相互参照
本出願は、その内容が全体的に本明細書に組み込まれる、「Methods and Devices for Moving from First Cell to Second Cell」と題する、2020年12月14日に出願された、特許協力条約優先権出願第PCT/CN2020/136278号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、概して、無線通信の技術分野に関する。
【背景技術】
【0003】
第3世代パートナーシップ(3GPP)第5世代(5G)/新無線(New Radio:NR)バックグラウンドの下で、3GPPリリース8において、エボルブドパケットシステム(EPS)が指定された。EPSは、Long-Term Evolution(LTE)無線ネットワークおよびエボルブド・パケット・コア(EPC)に基づく。EPSは、当初、ボイスおよびモバイルブロードバンド(MBB)サービスを提供することを意図されたが、EPSの機能を拡大するために継続的に発展してきており、リリース13以来、狭帯域(NB)モノのインターネット(IoT)およびLTEマシンツーマシン(LTE-M)は、LTE仕様の部分であり、マッシブマシン型通信(mMTC)サービスへのコネクティビティを提供する。
【0004】
3GPPリリース15において、5Gシステム(5GS)の最初のリリースが指定された。これは、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、超高信頼低レイテンシ通信(URLLC)およびmMTCなどの使用ケースをサーブすることを意図された新しい世代の無線アクセス技術である。5Gは、新無線(NR)アクセス階層インターフェースおよび5Gコアネットワーク(5GC)を含む。NR物理レイヤおよび上位レイヤは、LTE仕様の部分を再利用しており、新しい使用ケースによって動機付けされたとき、必要とされる構成要素をそのLTE仕様の部分に追加する。
【0005】
リリース15において、3GPPはまた、非地上ネットワーク(NTN)における動作のためのNRを準備するためのワークを始めた。ワークは、研究アイテム「非地上ネットワークをサポートするためのNR」内で実施され、その結果、TR 38.811が得られた。リリース16において、3GPPは、NTNネットワークにおける動作のためのNRを準備するためのワークを始め、ワークは、研究アイテム「NRが非地上ネットワークをサポートするためのソリューション」を継続し、その結果が、TR 38.821において文書化された。並行して、NTNにおける動作のためにLTEを適応させることへの関心が高まっている。その結果、3GPPは、リリース17において、LTEとNRの両方においてNTNのためのサポートを導入することを検討している。
【0006】
衛星無線アクセスネットワークは、通常、以下の構成要素、すなわち、スペースボーンプラットフォームを指す衛星と、アーキテクチャの選定に応じて基地局またはコアネットワークに衛星を接続する地球ベースゲートウェイと、ゲートウェイと衛星との間のリンクを指すフィーダリンクと、衛星とUE(ユーザ機器)との間のリンクを指す(サービスリンクとも呼ばれる)アクセスリンクとを含む。
【0007】
軌道高度に応じて、衛星は、低地球軌道(LEO)衛星、中間地球軌道(MEO)衛星、または静止地球軌道(GEO)衛星にカテゴリー分類され得る。
・ LEO:一般的な高度は250~1,500kmの範囲に及び、軌道周期は90~120分の範囲に及ぶ。
・ MEO:一般的な高度は5,000~25,000kmの範囲に及び、軌道周期は3~15時間の範囲に及ぶ。
・ GEO:約35,786kmの高度であり、軌道周期は24時間である。
【0008】
著しい軌道高度は、衛星システムが、地上ネットワークにおいて予想されるものよりも著しく高いパス・ロスを特徴とすることを意味する。パス・ロスを克服するために、しばしば、アクセスリンクおよびフィーダリンクが、見通し線状態において動作させられること、およびUEが、高いビーム指向性を与えるアンテナを備えることが要求される。
【0009】
通信衛星は、一般的に、所与のエリアにわたって数個のビームを生成する。ビームのフットプリントは、通常、楕円形状であり、これは、旧来、セルと見なされてきた。ビームのフットプリントは、しばしば、スポットビームとも呼ばれる。スポットビームは、衛星移動とともに地球表面にわたって移動し得るか(移動ビームセルケース/展開と呼ばれる)、または衛星によってその動きを補償するために使用される何らかのビームポインティング機構を用いて地球固定され得る(地球固定ビームケース/展開と呼ばれる)。スポットビームのサイズは、システム設計に依存し、数十キロメートルから数千キロメートルの範囲に及び得る。
【0010】
2つの基本アーキテクチャ、すなわち、透明ペイロードおよび再生成ペイロードが検討されている。(ベントパイプアーキテクチャとも呼ばれる)透明システムにおいて、次世代ノードB(gNB)は、地上に位置し、衛星は、gNBとUEとの間で信号/データをフォワーディングする。再生成システムにおいて、gNBは、衛星中に位置する。3GPPリリース17におけるNR NTNのためのワークアイテムにおいて、透明アーキテクチャのみが考察されている。
【0011】
図1は、ベントパイプトランスポンダをもつ衛星ネットワーク50の例示的なアーキテクチャを示す。衛星13は、デバイス9などのUEに通信能力を提供する。衛星13は、スポットビーム1、2、3、4のうちの1つまたは複数をサーブし得る。衛星17などの他の衛星は、1つまたは複数のスポットビーム1、2、3、4をサーブし得る。基地局16は、ゲートウェイ15とコロケートされ得る。衛星13は、フィーダリンク11を介してゲートウェイ15と、およびアクセスリンク12を介してデバイス9と通信する。以下でさらに説明されるように、デバイス9は、あるスポットビーム(たとえば、スポットビーム4)から別のスポットビーム(たとえば、スポットビーム1)に移動していることがある。そのような場合、ネイバリングスポットビーム1は、同じ衛星13によってサーブされることも、異なる衛星17によってサーブされることもある。本開示の下での実施形態は、スポットビーム1をサーブする衛星を、エフェメリスデータまたは他のデータを送るようにトリガするための方法およびシステムであって、それにより、デバイス9が、新しいスポットビーム1中に到達したとき、デバイス9は、送られたデータを受信する、方法およびシステムを含む。
【0012】
NTNビームは、地上ネットワークにおいて観測されるビームと比較して、非常に幅広く、サーブされるセルによって規定されるエリアの外側のエリアをカバーすることがある。隣接するセルをカバーするビームは、重複し、有意なレベルのセル間干渉を引き起こすことがある。大きいレベルの干渉を克服するための、NTNにおける一般的な手法は、異なるキャリア周波数および偏波モードを用いて異なるセルを設定することである。
【0013】
TR 38.821において、たとえば、衛星のほうへ指向性アンテナ(またはアンテナビーム)を向けるのを支援するために、ならびに正しいタイミングアドバンス(TA)およびドップラーシフト(これらは、UEによって自律的に導出されるとき、それぞれ、時間事前補償および周波数事前補償とも呼ばれる)を計算するために、エフェメリスデータがUEに提供されるべきであることがキャプチャされている。どのようにエフェメリスデータを提供および更新すべきかについての手順が、まだ詳細には研究されていない。
【0014】
衛星軌道は、6つのパラメータを使用してフルに説明され得る。厳密には、パラメータのどのセットが選ばれるかは、ユーザによって決められ得、多くの異なる表現が可能である。たとえば、天文学においてしばしば使用されるパラメータの選定は、セット(a、ε、i、Ω、ω、t)である。ここで、半長軸aおよび偏心εは、軌道楕円の形状およびサイズを説明し、傾きi、昇交点Ωの赤経、および近点ωの引数は、空間におけるそれの位置を決定し、エポックtは、参照時間(たとえば、衛星が近点を通って移動する時間)を決定する。軌道エレメントと呼ばれる、パラメータのこのセットは、図2中に図示されている。
【0015】
異なるパラメータ化の例として、2ラインエレメント(TLE)セットフォーマットが、aおよびtの代わりに、平均動きnおよび平均近点角Mを使用する。パラメータの完全に異なるセットは、衛星の位置および速度ベクトル(x、y、z、vx、vy、vz)である。これらは、軌道状態ベクトルと呼ばれることがある。それらは、軌道エレメントから導出され、その逆も同様であり得、これは、それらが含んでいる情報が等価であるからである。すべてのこれらのフォーマット(および、多くの他のもの)は、NTNにおいて使用されるべきエフェメリスデータのフォーマットについての可能な選定である。さらなる進捗を可能にするために、データのフォーマットが、任意の所与のネットワークに関与する当事者によって同意されるべきである。
【0016】
研究アイテム中に論じられ、TR 38.821においてキャプチャされた別の態様は、エフェメリスデータの有効時間である。一般の衛星位置の予測は、大気抵抗、衛星のマヌーバリング、使用される軌道モデルの欠陥などにより、使用されるエフェメリスデータのエイジの増加とともに劣化する。それゆえ、公的に入手可能なTLEデータは、極めて頻繁に更新される。更新頻度は、衛星および衛星の軌道に依存し、強力な大気抵抗にさらされ、頻繁に矯正マヌーバを実施する必要がある非常に低い軌道上の衛星の場合、毎週~1日に複数回の範囲に及ぶ。
【0017】
したがって、必要とされる精度をもつ衛星位置を提供することが可能なように思われるが、たとえば、エフェメリスデータフォーマット、または軌道伝搬のために使用されるべき軌道モデルを選ぶとき、ならびに提供されるエフェメリスデータをどれくらいの頻度で更新すべきかを検討するとき、これらの要件を満たすために注意が払われる必要がある。
【0018】
システム情報(SI)は、セルラ通信システムにおける重要な機能である。SIは、ネットワークにアクセスするために、および3GPP規格に従って動作するセルラネットワークにおいて、セルの間で再選択すること、およびマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)送信を受信することなど、他の機能を実施するために必要とされる情報を、UEに提供する。追加として、3GPPセルラシステムにおいて、SI機構は、地震津波警報システム(ETWS)メッセージおよび商業モバイル警告システム(CMAS)メッセージなど、公衆警報システムメッセージを伝達するために使用される。LTEにおいて、SIは、各セルにおける周期的ブロードキャスティングを使用して提供される。SIは、マスタ情報ブロック(MIB)といくつかのシステム情報ブロック(SIB)とに分割される。MIBおよびSIB1は、規格において固定されている期間をもってブロードキャストされる。他のSIBは、SIB1において設定された、異なる期間をもってブロードキャストされる。
【0019】
(RANが次世代無線アクセスネットワーク(NG-RAN)と呼ばれ、コアネットワークが次世代コア(NGC)と呼ばれる)新無線(NR)と呼ばれる5Gシステムのために、3GPPは、LTEにおいて使用されるシステム情報(SI)の配信のための原理を部分的に変更した。NRのために、SIは、「最小SI」と「他のSI」とに分割され、ここで、最小SIは、セルにアクセスするために必要とされるSIであり、NRスタンドアロンモードの場合(換言すれば、LTEを用いるデュアル接続設定でない場合)、最小SIは、他のSIのSIBのためのスケジューリング情報をも含んでいる。最小SIは、マスタ情報ブロック(MIB)およびシステム情報ブロックタイプ1(SIB1)を備える。SIB1は、「残余最小システム情報」(RMSI)とも呼ばれる。少なくともNRスタンドアロンモードにおいて、最小SIは、セルにおいて周期的にブロードキャストされ、他のSIは、周期的にブロードキャストされるか、またはUEからの要求によってトリガされてオンデマンドで送達されるかのいずれかであり得る。周期的にブロードキャストされるSIとオンデマンドSIへの分割のグラニュラリティは、SIメッセージのレベルにある。あるSIメッセージが、周期的にブロードキャストされるのか、オンデマンドで提供されるのかは、(たとえば、si-BroadcastStatusパラメータを使用して)SIB1において指し示される。RRC_IDLE、RRC_INACTIVEまたはRRC_CONNECTED状態にあるUEは、(Msg1ベースの方法と呼ばれる)ランダムアクセスプリアンブルを使用して、または(Msg3ベースの方法と呼ばれる)ランダムアクセスメッセージ3を使用してのいずれかで、オンデマンドSIメッセージを要求することができる。ランダムアクセスプリアンブル(Msg1)送信が使用される場合、他のSIの異なるSIメッセージ(および結果として、SIメッセージに割り当てられたSIB)を要求するための異なるプリアンブルがあり得る。ランダムアクセスプリアンブルと要求されるべきSIメッセージとの間のマッピングは、SIB1において設定される。ランダムアクセスメッセージ3(Msg3)送信が使用される場合、UEは、ネットワークが他のSIのどのSIメッセージ(および結果として、SIメッセージに割り当てられたSIB)をブロードキャスト/送信することをUEが希望するかを、そのようなメッセージにおいて指定し得る。オンデマンドSIメッセージについての要求は、SIB1における関係するSIメッセージに関連付けられたスケジューリング情報に従って、限られた時間の間、要求されたSIメッセージをブロードキャストするようにネットワークをトリガする。ネットワークはまた、要求元UEに確認応答メッセージを送信する。Msg1ベースの要求方法の場合、ネットワークは、確認応答ランダムアクセスメッセージ2(Msg2)で応答する。Msg3ベースの要求方法の場合、ネットワークは、確認応答ランダムアクセスメッセージ4(Msg4)で応答する。
【0020】
SIの周期的ブロードキャストは、大部分が、LTEの場合と同じ原理に従ってNRにおいて設計される。LTEと同様に、マスタ情報ブロック(MIB)は、同期信号に関して固定ロケーションにおいて送信される。SIB1についての状況は、LTEにおけるのとはわずかにNRにおいて異なる。SIB1の周期性は、160msであるが、SIB1は、この160ms内で何回か繰り返され得、送信設定は、MIBにおいて指し示される。残りのSIBは、SIB1においてスケジュールされ、LTEの場合と同じやり方で物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)上で送信される。異なるSIBは、異なる周期性を有することができる。同じ周期性をもつSIBが、同じSIメッセージに割り当てられ、あらゆるSIメッセージは、SIメッセージがそれ以内に送信されるべきである周期的SI-ウィンドウに関連付けられる。異なるSIメッセージのSI-ウィンドウは、異なる周期性を有し、非重複であり、それらはすべて、同じ持続時間を有する。SIメッセージの正確な送信機会は設定されず、SIメッセージがそれ以内に送信されるウィンドウのみが設定されることに留意されたい。PDSCH送信がSIメッセージを含んでいることを指し示すために、PDSCH送信リソースを割り当てるダウンリンク制御情報(DCI)をスケジュールする物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の巡回冗長検査(CRC)が、システム情報-無線ネットワーク一時識別子(SI-RNTI)を用いてスクランブルされる。受信UEは、受信UEがどのSIメッセージを受信するか(およびそれゆえに、SIメッセージがどのSIBを含んでいるか)を識別するために、SI-ウィンドウの非重複性質を活用し、SIメッセージは、それら自体に、あるSIメッセージをその他から区別するための指示を有しない。SIメッセージにSIBを割り当てること、およびSI-ウィンドウにおけるSIメッセージのスケジューリングの原理が、図4中に図示されている。各SIメッセージは、それ自体のSI-ウィンドウにおいて送信され、SI-ウィンドウの時間的発生は、SIメッセージ周期性、およびSIB1におけるリスト中のSIメッセージの位置に依存する。
【0021】
あらゆるSIメッセージは、そのSIメッセージが、周期的にブロードキャストされるのか、オンデマンドで提供されるのかにかかわらず、設定されたスケジュールを有することに留意されたい。後者の場合、スケジュールされたブロードキャスト機会は、ネットワーク、換言すれば、gNBが、関係するSIメッセージについての要求を受信したときにのみ、利用される。
【0022】
図3および図4A図4Bは、SIB1におけるSIスケジューリング関係パラメータのASN.1規定、および関連する欄の説明を表示する。
【0023】
NRにおけるSI更新のための基本原理は、LTEの場合と同じである。それは、SI修正期間の概念を中心として構築される。いくつかの例外はあるが、SIは、2つのSI修正期間の間の境界点においてのみ更新され得る。その上、計画されたSI更新は、実際のSI更新より前にSI修正期間において告知されなければならない。そのような告知は、ページング機構を使用して実施され、換言すれば、ページングチャネル上での通知が、RRC_IDLE状態にあるUE、RRC_INACTIVE状態にあるUE、およびRRC_CONNECTED状態にあるUEに、来たるべきシステム情報変更について通知するために使用される。NRにおいて、来たるべきSI更新の通知は、いわゆる「ショートメッセージ」を介して伝達され、換言すれば、PDSCH上の関連するスケジュールされたページングメッセージの有無にかかわらず、PDCCH上の(P-RNTIを用いてスクランブルされたCRCを伴う)DCI中に含まれる。UEが、systemInfoModification指示を含むショートメッセージを含んでいるDCIを受信した場合、UEは、システム情報が次のSI修正期間境界において変化することを知る。
【0024】
ページングチャネル上でのショートメッセージを介したSI更新通知の特殊な場合は、ショートメッセージ中のetwsAndCmasIndicationパラメータが、公衆警報システムメッセージ(ETWSまたはCMAS)がSIにおいてアクティブ化された(または変更された)ことを指し示すときである。この場合、UEは、更新が、直ちに適用可能であり、UEが、できるだけ早く、関係する公衆警報に関係するSIBを獲得し、読むべきであることを知る。UEは、通知が、ETWSに関係するのか、CMASに関係するのかを見つけ出すために、SIB1を読まなければならない。
【0025】
SI更新は、これにより、ページングチャネルを介して通知され、結果として、UEは、それら自体をターゲットにするページングを受信するためだけでなく、(PWS通知を含む)可能性があるSI更新通知を受信するためにも、ページングチャネルを監視しなければならない。RRC_IDLE状態にあるUEおよびRRC_INACTIVE状態にあるUEは、それらの規則的なページング機会(PO)、換言すれば、ページングDRXサイクルごとに1つのPOを監視することができ、RRC_CONNECTED状態にあるUEは、SI更新通知についてPOを監視することができるが、(SIB1においてdefaultPagingCycleパラメータによって指し示された)デフォルトページングサイクルごとに少なくとも1つのPOを監視すべきである。
【発明の概要】
【0026】
本開示の下での一実施形態は、第1のセルから第2のセルに移動するための、ユーザ機器(UE)によって実施される方法であって、第1のセルが、UEのサービングセルであり、第2のセルが、1つまたは複数のネイバーセルのうちの1つを含む、方法を含む。方法は、第1のセルにおいて、第1のセルから第2のセルに移動するより前に設定情報に従って、第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとの要求を送信することと、第2のセルにおいてブロードキャストされた情報データを受信することとを含むことができる。
【0027】
別の実施形態は、第1のネットワークノードに関連付けられた第1のセルから第2のセルにUEを移動させるための、第1のネットワークノードによって実施される方法であって、第1のセルが、UEのためのサービングセルである、方法を含むことができる。方法は、第1のセルにおいて、第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとの要求をUEから受信することと、第2のセルが、第1のネットワークノードによってサーブされるのか、第2のネットワークノードによってサーブされるのかを決定することとを含むことができる。第2のセルが、第2のネットワークノードによってサーブされる場合、要求は、情報データのブロードキャストのために第2のネットワークノードにフォワーディングされる。第2のセルが、第1のネットワークノードによってサーブされる場合、要求された情報データは、第2のセルにおいてブロードキャストされる。
【0028】
別の実施形態は、第1のセルから第2のネットワークノードに関連付けられた第2のセルにUEを移動させるための、第2のネットワークノードによって実施される方法であって、第1のセルが、UEのサービングセルであり、第1のネットワークノードによって制御され、第2のセルが、第1のセルの1つまたは複数のネイバーセルのうちの1つを含む、方法を含むことができる。方法は、第1のネットワークノードから、第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとの要求を受信することを含むことができる。方法は、随意に、第2のセルにおいて、要求された情報データをブロードキャストすること、および/または第2のセルにおいて情報データをブロードキャストするための要求を受け付けるかどうかを決定することをさらに含むことができる。
【0029】
別の実施形態は、プロセッサとメモリとを備えるUEを備えることができる。メモリは、プロセッサ上で実行されるとき、プロセッサに、第1のセルから第2のセルに移動するための方法であって、第1のセルが、UEのサービングセルであり、第2のセルが、1つまたは複数のネイバーセルのうちの1つを含む、方法を行わせるコンピュータプログラムを記憶している。方法は、第1のセルから第2のセルに移動するより前に設定情報に従って、第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとの要求を、第1のセルにおいてサーブされている間に、第1のセルに関連付けられた基地局に送信することと、第2のセルに関連付けられた第2の基地局によってブロードキャストされた情報データを受信することとを含む。
【0030】
さらなる実施形態は、プロセッサと、プロセッサ上で実行されるとき、プロセッサに、第1のネットワークノードに関連付けられた第1のセルから第2のセルにUEを移動させるための方法であって、第1のセルが、UEのためのサービングセルである、方法を行わせるコンピュータプログラムを記憶したメモリとを備える第1のネットワークノードを備えることができる。方法は、第1のセルにおいて、第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとの要求をUEから受信することと、第2のセルが、第1のネットワークノードによってサーブされるのか、第2のネットワークノードによってサーブされるのかを決定することと、第2のセルが、第2のネットワークノードによってサーブされる場合、第2のネットワークノードに情報データのブロードキャストについての要求をフォワーディングすることと、第2のセルが、第1のネットワークノードによってサーブされる場合、第2のセルにおいて、要求された情報データをブロードキャストすることとを含む。
【0031】
追加の実施形態は、プロセッサと、プロセッサ上で実行されるとき、プロセッサに、第1のセルから第2のネットワークノードに関連付けられた第2のセルにUEを移動させるための方法であって、第1のセルが、UEのサービングセルであり、第1のネットワークノードによって制御され、第2のセルが、第1のセルの1つまたは複数のネイバーセルのうちの1つを含む、方法を行わせるコンピュータプログラムを記憶したメモリとを備える第2のネットワークノードを備えることができる。方法は、第1のネットワークノードから、第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとの要求を受信することを含む。
【0032】
さらなる実施形態は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されるとき、少なくとも1つのプロセッサに、本明細書で説明される実施形態のいずれか1つに記載の方法を行わせるコンピュータプログラムを記憶した、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備えることができる。
【0033】
この発明の概要は、発明を実施するための形態において以下でさらに説明される概念の選択を簡略化された形で紹介するために提供された。この発明の概要は、請求される主題の主要な特徴または不可欠な特徴を識別することを意図されず、請求される主題の範囲の指示として使用されることも意図されない。
【0034】
本開示のより完全な理解のために、次に、添付の図面とともに行われる以下の説明への参照がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本開示の下の、ベントパイプ衛星ネットワークアーキテクチャの概略図を示す図である。
図2】衛星軌道を説明するための軌道エレメントの概略図を示す図である。
図3】SIB1におけるSIスケジューリング関係パラメータのASN.1規定を示す図である。
図4A】SIB1におけるSI関係パラメータのための欄の説明を示す図である。
図4B】SIB1におけるSI関係パラメータのための欄の説明を示す図である。
図5】SIメッセージにSIBを割り当てること、およびSI-ウィンドウにおけるSIメッセージのスケジューリングの概略図を示す図である。
図6】本開示の実施形態による、第1のセルから第2のセルに移動するための、UEによって実施される方法の概略的フローチャートを示す図である。
図7】本開示の実施形態による、第1のセルから第2のセルに移動するための、UEによって実施される方法の概略的フローチャートを示す図である。
図8】本開示の実施形態による、第1のセルから第2のセルに移動させるための、第1のネットワークノードによって実施される方法の概略的フローチャートを示す図である。
図9】本開示の実施形態による、第1のセルから第2のセルに移動させるための、第1のネットワークノードによって実施される方法の概略的フローチャートを示す図である。
図10】本開示の実施形態による、第1のセルから第2のセルに移動させるための、第2のネットワークノードによって実施される方法の概略的フローチャートを示す図である。
図11】本開示の実施形態による、第1のセルから第2のセルに移動させるための、第2のネットワークノードによって実施される方法の概略的フローチャートを示す図である。
図12】本開示の実施形態による、UEの概略ブロック図を示す図である。
図13】本開示の実施形態による、第1のネットワークノードの概略ブロック図を示す図である。
図14】本開示の実施形態による、第2のネットワークノードの概略ブロック図を示す図である。
図15】中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続された通信ネットワークを概略的に図示する図である。
図16】部分的無線接続上で基地局を介してユーザ機器と通信するホストコンピュータの一般化されたブロック図である。
図17】ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ機器を含む通信システムにおいて実装される方法を図示するフローチャートである。
図18】ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ機器を含む通信システムにおいて実装される方法を図示するフローチャートである。
図19】ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ機器を含む通信システムにおいて実装される方法を図示するフローチャートである。
図20】ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ機器を含む通信システムにおいて実装される方法を図示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
詳細に本開示の様々な実施形態を説明する前に、本開示は、詳しく例示されるシステム、方法、装置、製品、プロセス、および/またはキットのパラメータに限定されず、それらは、もちろん、変動し得ることを理解されたい。これにより、本開示のいくらかの実施形態は、特定の設定、パラメータ、構成要素、エレメントなどに関して詳細に説明されるが、説明は、例証であり、請求される実施形態の範囲を限定するものと解されるべきではない。追加として、本明細書で使用される用語法は、実施形態を説明するためのものであり、必ずしも請求される実施形態の範囲を限定することを意図されるとは限らない。
【0037】
既存のソリューションには多数の問題がある。上記から理解され得るように、NTN UEは、効率的な動作のためにNTNにおける衛星のためのエフェメリスデータへのアクセスに依拠する。しかしながら、システム情報におけるエフェメリスデータのブロードキャスティングは、とりわけ、移動ビーム展開ケースにおいて、追加の制御シグナリングオーバーヘッドを引き起こす。
【0038】
以下の議論では、現在の技法の特定の実施形態の具体的な詳細が、限定ではなく解説の目的で記載される。他の実施形態がこれらの具体的な詳細から離れて採用され得ることが、当業者によって諒解されよう。その上、いくつかの事例では、よく知られている方法、ノード、インターフェース、回路、およびデバイスの詳細な説明が、不要な詳細で説明を不明瞭にしないように省略される。
【0039】
様々な無線システムが、当業者によって諒解されるように、本開示内でカバーされるアイデアを活かすことから恩恵を受け得るので、本明細書で使用される「基地局」、「ユーザ機器」、「アクセスポイント」および「ネットワークノード」のような用語は、広義に理解されるべきである。具体的には、基地局は、第2世代(2G)ネットワークにおけるレガシー基地局、第3世代(3G)ネットワークにおけるノードB、第4世代(4G)におけるエボルブドノードB(eノードB)、第5世代(5G)またはNRネットワークあるいは将来のエボルブドネットワーク(たとえば、LTEネットワーク、LTEアドバンスト(LTE-A)ネットワークなど)におけるgNBなどを包含すると理解されるべきである。ユーザ機器は、携帯電話、スマートフォン、無線対応タブレットまたはパーソナルコンピュータ、無線マシンツーマシンユニットなどを包含すると理解されるべきである。その上、NR NTNにおいて、UEは、セルを見るが、必ずしも衛星を見るとは限らない。本明細書では、「サービング衛星」という用語は、UEのサービングセルをサーブする衛星(換言すれば、UEのサービングセルにおいて信号/データを送信し、UEのサービングセルから信号/データを受信する衛星)と理解されるべきである。同様に、「ネイバー衛星」という用語は、ネイバーセルをサーブする衛星と理解されるべきである。コンテキストに応じて、ネイバーセルは、(UEの観点からすると)UEのサービングセルに近隣するセルであり得るか、あるいは(衛星の観点または衛星を使用するgNBの観点からすると)ネイバーセルは、衛星によってサーブされるセルのうちの少なくとも1つに近隣するネイバー衛星によってサーブされるセルであり得る。(すなわち、衛星/gNB観点からすると、2つの衛星は、その衛星のうちの一方によってサーブされるセルのうちの少なくとも1つが、他方の衛星によってサーブされるセルのうちの少なくとも1つに近隣する場合、ネイバーである)
【0040】
上記で説明された問題に対処するために、本開示は、移動ビームの場合など、UEがあるセルから別のセルに移動する状況のためのシステムおよび方法の複数の実施形態を含む。本開示の提案される実施形態は、UEが、ネイバーセルにおける衛星エフェメリスデータのブロードキャスティングをトリガ/要求するために、UEのサービングセルにおいて信号または要求をそれによって送り得る方法を含む。ブロードキャストがそれについて要求されるエフェメリスデータは、関係するネイバーセルをサーブする衛星に関連付けられたエフェメリスデータであるべきである。これは、関係するネイバーセルに再選択しようとしているUEにとって、またはたとえば、UEがネイバーセルへの条件付きハンドオーバを実行しようとしているので、ネイバーセルにハンドオーバされようとしているUEにとって、有用であり得る。UEは、ネイバーセルにおけるフルエフェメリスデータのブロードキャストを要求するために、SI要求方法、または別のタイプの要求、たとえば、RRC_CONNECTED状態における専用RRCメッセージのうちのいずれかを使用することができる。
【0041】
Msg1ベースのSI要求方法が使用される場合、ネイバーセルのリストされたセットの各々について、このタイプの要求のために設定された1つのプリアンブルがあり得、ここで、セットサイズは、(セットが述べられるすべての後の例の場合のように)1つまたは複数のセルであり得る。別のオプションとして、1つの(専用)プリアンブルが、衛星のリストされたセットの各々について設定される。この場合、衛星は、何らかの種類の識別子を用いて識別され得るか、またはプリアンブルが、設定情報において、代わりに、ネイバーセルのセットに関連付けられ得、ここにおいて、そのようなセット中のすべてのネイバーセルは、同じネイバー衛星によってサーブされる。また別のオプションとして、1つのプリアンブルが、ネイバーセルのリストされたセット中のすべてのネイバーセルにおいてブロードキャストされるエフェメリスデータの要求について設定され得る。
【0042】
また別のオプションとして、専用プリアンブルが、(場合によっては、UEの現在のサービング衛星によってサーブされるネイバーセルを除いて)各リストされたネイバーセルにおけるエフェメリスデータ要求について設定される場合、サービングセルにおける設定データは、同じ衛星によってサーブされるネイバーセルをも指し示し得る(たとえば、ネイバーセルは、衛星ごとにグループ化され得るか、または各ネイバーセルは、関連付けられた衛星識別子を有し得る)。別のオプションは、インジケータ、たとえば、1ビットフラグが、リストされたネイバーセルの各々に関連付けられ、セルが、現在のサービング衛星(換言すれば、UEの現在のサービングセルをサーブする衛星)によってサーブされるのか、別の衛星によってサーブされるのかを示すことである。UEにこのタイプの情報を伝達することの利益は、情報からネイバーセルのうちの1つにおけるエフェメリスデータをすでに(たとえば、最近)収集したUEが、いくらかの他のネイバーセルが同じ衛星によってサーブされると結論付け、UEが、結果として、エフェメリスデータがこの他のネイバーセルにおいてブロードキャストされることを要求するのを、たとえば、そのネイバーセルへのセル再選択を実施するより前に控えることができると結論付け得ることであり得る。また、別のオプションとして、1つの衛星によってサーブされるセルは、サブグループ中に集められ得、この場合、いくらかのブロードキャスト情報は、セルのそのようなサブグループ、たとえば、PLMNまたはTAIにのみ適用される。また別のオプションは、インジケータ、たとえば、1ビットフラグが、リストされたネイバーセルの各々に関連付けられ、専用プリアンブルがその特定のセルのために使用されるべきであるかどうか指し示すことであり、これは、サービング衛星(換言すれば、UEの現在のサービングセルをサーブする衛星)に関して、または別の衛星に関してセルを暗黙的にグループ化することを可能にする。
【0043】
別の実施形態では、エフェメリスデータ要求のために設定されたプリアンブルが、MIBまたはSIB(好ましくは、SIB1またはSIB2)を介してセルにおいてブロードキャストされ、それにより、UEは、たとえば、キャンピングまたはハンドオーバするための候補セルが識別されると、要求を送信することができる。変形態では、上記で説明された実施形態は、特定のセルが、そのような要求を送る前に、同じ衛星によってサーブされるかどうかをUEが事前に知ることができるように組み合わせられ得る。
【0044】
Msg3ベースのSI要求方法が使用される場合、要求元UEは、エフェメリスデータがどのネイバーセルにおいてブロードキャストされることを要求元UEが希望するかを要求メッセージにおいて(ランダムアクセスMsg3において)指し示すことができる。随意に、UEは、たとえば、どのパラメータをブロードキャストすべきか、どのエフェメリスデータフォーマット(換言すれば、どの衛星軌道表現フォーマット/パラメータ)をブロードキャスト情報のために使用すべきか、および/またはブロードキャスト情報の所望の精度、に関してブロードキャストされることをUEが希望するエフェメリスデータに関する詳細をも指し示し得る。RRC_CONNECTED状態において使用されるRRCメッセージなど、ランダムアクセスMsg3とは別のメッセージが使用される場合、ブロードキャストされることを要求されるエフェメリスデータの詳細に関するそのような指示も含まれ得る。
【0045】
既存のMsg1およびMsg3ベースのSI要求方法に加えて、ネイバーセルにおいてブロードキャストされるエフェメリスデータの要求のために2ステップランダムアクセスに基づく方法を使用することが可能である。たとえば、MsgAベースSI要求方法が使用され得、ここにおいて、関係するセル、エフェメリスデータフォーマットおよび/または(Msg3ベースのSI要求が使用される場合について上記で説明された)パラメータなど、要求および可能性がある詳細が、MsgAのPUSCH部分中に含まれる。MsgAベース方法が有益であり得る1つのシナリオは、2ステップランダムアクセスのみが、サービングセル(またはBWP)において設定される(換言すれば、4ステップランダムアクセスは、サービングセル(またはBWP)において設定されない)場合である。MsgAベース方法のための別の動機付けは、Msg3ベース方法を用いるケースとは異なり、MsgAは、(Msg1に対応する)ランダムアクセスプリアンブルと、(Msg3に対応する)PUSCH上のメッセージの両方を備え、ランダムアクセスプリアンブル(Msg1)およびランダムアクセス応答(Msg2)が、実際の要求を送信する前に交換されることを必要としないので、MsgAベース方法がMsg3ベース方法と比較して1回のメッセージラウンドトリップを節約するということである。MsgAベースSI要求方法は、3GPPリリース16において指定されていないが、そのような方法は、一般のNRについて、またはNTNにおいて使用するために適応されたNRについてのみのいずれかで、3GPP規格の後のリリースにおいて導入され得る。
【0046】
1つのオプションとして、関与するgNBは、要求されたエフェメリスデータがブロードキャストされる前に、ネイバーセルのダウンリンクと同期するのに十分な時間をUEに与えるために、要求されたエフェメリスデータをブロードキャストする前に短い追加の遅延を導入し得る。1つのオプションとして、この遅延のサイズは、エフェメリスデータブロードキャスト要求方法を設定し、および/または関係するネイバーセルをリストする、サービングセルにおける設定データ中に含まれ得る。別のオプションとして、UEが、追加の詳細の指示を可能にする、ネイバーセルにおけるエフェメリスデータのブロードキャストを要求するための要求/トリガ方法を使用する場合(たとえば、Msg3ベースSI要求方法、MsgAベースSI要求方法またはRRC_CONNECTED状態において使用されるRRCメッセージなどの別のメッセージ)、UEは、そのような遅延を要求するか、あるいはブロードキャストが行われるべきである(または、好ましくは行われるべきである)時間を指し示すか、あるいはブロードキャストが(1回または複数回)それ以内に行われるべきである時間間隔、または要求されるブロードキャスト繰返しの回数および/もしくは(たとえば、要求される繰返し間隔の形態の)ブロードキャスト繰返しの頻度を指し示し得る。タイミング、遅延、間隔、繰返しの回数などに関するそのような指示は、これにより、ランダムアクセスMsg3、2ステップランダムアクセスMsgA(PUSCH部分)またはRRC_CONNECTED状態において使用されるRRCメッセージ中に含まれ得る。
【0047】
また別のオプションとして、ネイバーセルにおけるエフェメリスデータのブロードキャストについての要求の送信の後に、UEは、要求されたエフェメリスデータブロードキャストの受信のために、関係するネイバーセルにおけるダウンリンクをUEが監視するためのタイマーまたは時間ウィンドウを始動させることができる。このオプションの1つの変形態では、タイマーまたは時間ウィンドウが満了し、UEが、ネイバーセルにおいてブロードキャストされた要求されたエフェメリスデータを受信しなかった場合、UEは、サービングセルにおけるエフェメリスデータのブロードキャストをトリガするために、サービングセルにおける要求のUEによる送信を繰り返す。このオプションの別の変形態では、UEが、ネイバーセルにおいてブロードキャストされた要求されたエフェメリスデータを受信しなかった場合、UEは、エフェメリスデータが受信され得るまで、プロアクティブであり、遅延を低減するために、およびサービングセルにおけるチャネル品質が、(たとえば、UEが、サービングセルからネイバーセルに移動しており、ネイバーセルに再選択するかまたはネイバーセルにハンドオーバされようとしている場合)要求の正常な送信にとって劣化し過ぎるというリスクを低減するために、タイマーまたは時間ウィンドウが満了する前に、サービングセルにおいてUEの要求メッセージを繰り返す。随意に、UEのタイマーまたは時間ウィンドウは、関係するネイバーセルを制御するgNBにおける対応するタイマーまたは時間ウィンドウと一致し得、ここにおいて、タイミングの協調は、サービングgNBと、サービングgNBと連携してネイバーセルを制御するgNBとの間で実施され、ネイバーセルを制御するgNBに要求をフォワーディングし得る。
【0048】
図6は、本開示の可能な実施形態による、第1のセルから第2のセルに移動するための、UEによって実施される方法400の概略的フローチャートを示す。方法400では、第1のセルは、UEのサービングセルであり、第2のセルは、1つまたは複数のネイバーセルのうちのネイバーセルである。第1のセルおよび第2のセルは、地球移動ビームを用いるNTNにおける、または地上ネットワークにおけるセルであり得る。第1のセルは、たとえば、第1のネットワークノードによって制御される。第2のセルは、第2のネットワークノードによって制御される。第1のネットワークノードは、たとえば、NTNにおけるネットワークデバイス(たとえば、gNB)であり得る。第2のネットワークノードは、第1のネットワークノードに近隣する、たとえば、NTNにおける別のネットワークデバイス(たとえば、gNB)であり得る。実施形態として、方法400は、以下のステップ401~402を含む。
【0049】
ステップ401において、第1のセルから第2のセルに移動するより前に、UEは、第1のセルにおいて、設定情報に従って、第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするための信号(たとえば、要求)を送信する。設定情報は、O&Mシステムからの、またはコアネットワークノードからの、または現場技術者からの設定情報、あるいは製造または顧客適応中の設定、あるいはプログラミングまたは製品設計中に作成されたハードコード化された情報を指すことがある。たとえば、設定情報は、手法のうちの1つまたは複数のために使用されるリソース、たとえば、msg1ベースの手法のためのPRACHプリアンブル設定を設定するために、どの手法が第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするために使用されるべきであるかを設定するなどのために使用され得る。例では、UEは、SI要求、ランダムアクセスプリアンブルを使用するエフェメリスデータ要求、またはランダムアクセス手順に関係するメッセージ、ランダムアクセスMsg3、2ステップランダムアクセスMsgA、および/または専用RRCメッセージ要求を使用することによって、1つまたは複数のネイバーセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとの要求を送信し得る。SI要求は、第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとのMsg1ベースSI要求、第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとのMsg3ベース要求、または第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとの2ステップランダムアクセスベース要求のうちの1つまたは複数を含み得る。たとえば、Msg1ベースSI要求の場合、1つまたは複数のプリアンブルが、ネイバーセルのリストされたセットの各々について設定され得る。随意に、1つまたは複数のプリアンブルが、衛星のリストされたセットの各々について設定され得る。随意に、1つまたは複数のプリアンブルが、同じ衛星によってサーブされるネイバーセルのセットについて設定され得るか、または異なる衛星によってサーブされるネイバーセルのセットについて設定され得る。加えて、1つまたは複数のネイバーセルのうちのいずれが同じ衛星によってサーブされるかは、設定情報において、またはインジケータによって指し示され得る。その上、同じ衛星によってサーブされる1つまたは複数のネイバーセルは、設定情報において、またはインジケータによってサブグループに分割され得る。例では、要求を送信する前に、UEは、第1のセルにおいて、1つまたは複数のネイバーセルにおける情報データのブロードキャストの要求のための設定情報を取得し得る。例では、たとえば、UEが、RRC_IDLEまたはRRC_INACTIVE状態にあるとき、UEは、第2のセルへのセル再選択を実施するより前に要求を送信し得る。別の例として、たとえば、UEが、RRC_CONNECTED状態にあるとき、UEは、第2のセルへのハンドオーバを実行するより前に要求を送信し得る。
【0050】
ステップ402において、UEは、第2のセルにおいてブロードキャストされた情報データを受信する。情報データは、システム情報(SI)を介してブロードキャストされた衛星のエフェメリスデータであり得る。情報データはまた、他のタイプの情報またはシステム情報、あるいはシステム情報の他の部分、あるいはシステム情報の選択された部分であり得る。衛星エフェメリスデータは、衛星の軌道、位置および速度情報、ならびに(衛星とゲートウェイとの間の)フィーダリンク伝搬遅延および/またはフィーダリンクドップラーシフトなど、ノード間伝搬経路/リンクに関する情報を含み得る。例では、情報データを受信する前に、UEは、要求を承認または拒否する応答メッセージを受信し得、要求を承認する応答メッセージが受信された場合、UEは、情報データについて第2のセルにおけるダウンリンク送信を監視することを開始する。例では、UEは、第2のセルにおいてブロードキャストされた衛星エフェメリスデータを、第2のセルにおける参照ロケーションに関連付けられた「共通タイミングアドバンス」および/または「共通ドップラーシフト」とともに受信し得る。ここで、タイミングおよび/または周波数関係情報が、参照ロケーション、たとえば、ネイバーセルの中心ロケーションに関連付けられている場合、関連するタイミングおよび/または周波数関係情報は、「共通タイミングアドバンス」および/または「共通ドップラーシフト」と称され得る。例では、UEは、要求された情報データが受信されるまでUEがその間待たなければならない時間期間を管理するタイマーを始動させ得る。タイマーが満了したとき、UEは、第1のセルにおいて要求を再送信し得る。随意に、UEはまた、タイマーが満了したとき、第1のセルにおいて要求をバックオフ時間の後に再送信し得る。バックオフ時間は、より良いオーバーロードおよびアクセス制御のために設定される。例として、UEは、受信された情報データを使用することによって、第2のセルにおけるアップリンク送信に適用されるべき時間事前補償および/または周波数事前補償を計算し得る。
【0051】
図7は、本開示による、NTNによってサーブされている(RRC_IDLE、RRC_INACTIVEまたはRRC_CONNECTED状態にある)UEによって実施される方法700の可能な実施形態を示す。ステップ710は、第1の(サービング)セルにおいて、1つまたは複数のネイバーセルにおける衛星エフェメリスデータのブロードキャストの要求のための方法を設定する設定データを取得することである。ステップ720は、第2のセルに切り替える必要性を決定することであり、ここにおいて、第2のセルは、1つまたは複数のネイバーセルのうちの1つである。ステップ730は、第1のセルにおいて、衛星エフェメリスデータを第2のセルにおいてブロードキャストさせるための要求を送信することである。ステップ740は、(随意に)要求の承認を受信することである。ステップ750は、第2のセルにおけるダウンリンク送信を監視することである。ステップ760は、第2のセルにおける(随意に、他の関連のあるデータを用いて補完された)衛星エフェメリスデータを受信することである。ステップ770は、第2のセルにおけるアップリンク送信、たとえば、ランダムアクセスプリアンブル送信に適用されるべき時間事前補償および/または周波数事前補償を計算するために受信データを使用することである。ステップ730において、UEは、随意に、UEが第2のセルにおける要求された衛星エフェメリスデータを受信するまで最高でどのくらいの時間の間UEが待たなければならないと予想するかを管理するタイマーを始動させ得、ここにおいて、タイマーの満了は、第1の(サービング)セルにおいて要求を再送信するようにUEをトリガし得る。
【0052】
ネットワーク側で、関与するノードは、エフェメリスデータブロードキャストについての要求が、ブロードキャストを実施することを担当するノードに伝達されることを保証する。また、対応する肯定応答(または否定応答、たとえば、要求の拒否)が、ブロードキャストを実施することを担当するノードから返され得、肯定応答(または否定応答)は、要求元UEに至るまでフォワーディングされ得る。これは、たとえば、再生成ペイロード展開アーキテクチャの場合、衛星間リンクを伴い得、ここで、Xn(gNB間)インターフェースが、衛星間リンク上で搬送される。それは、たとえば、透明ペイロード展開アーキテクチャにおける地上リンク、たとえば、gNB間リンクをも伴い得、ここで、Xn(gNB間)インターフェースは、地上トランスポートネットワークリンク上で搬送される。いくつかの考え得るノード間経路は、以下を含む。
・ サービング衛星→(GW)→(地上)gNB→(GW)→ネイバー衛星、
・ サービング衛星→(GW)→(地上)gNB→(地上)gNB→(GW)→ネイバー衛星、
・ サービング衛星→(GW)→(地上)gNB(ここで、gNBは、別のセルを介して、場合によっては別の衛星を介してエフェメリスデータをブロードキャストすることを担当する)、
・ サービング衛星→(GW)→(地上)gNB→(地上)gNB(ここで、gNBは、別のセルを介して、場合によっては別の衛星を介してエフェメリスデータをブロードキャストすることを担当する)、
・ (オンボードDUをもつ)サービング衛星→(GW)→(地上)CU→(GW)→(オンボードDUをもつ)ネイバー衛星、
・ (オンボードDUをもつ)サービング衛星→(GW)→(地上)CU→(別のgNBの)(地上)CU→(GW)→(オンボードDUをもつ)ネイバー衛星、
・ (オンボードDUをもつ)サービング衛星→(GW)→(地上)CU(ここで、CUは、別のセルを介して、場合によっては別の衛星を介してエフェメリスデータをブロードキャストすることを担当する)、
・ (オンボードDUをもつ)サービング衛星→(GW)→(地上)CU→(別のgNBの)(地上)CU(ここで、CUは、別のセルを介して、場合によっては別の衛星を介してエフェメリスデータをブロードキャストすることを担当する)、および
・ (オンボードgNBをもつ)サービング衛星→(オンボードgNBをもつ)ネイバー衛星。
【0053】
肯定応答(または否定応答)が、要求元UEに送られる場合、これは、Msg1ベースSI要求方法が使用される場合にはランダムアクセスMsg2中で、またはMsg3ベースSI要求方法が使用される場合にはランダムアクセスMsg4中で、MsgAベースSI要求方法が使用される場合にはMsgB中で、または専用RRCメッセージが(たとえばRRC_CONNECTED状態における)要求のために使用される場合には専用RRCメッセージ中で送られ得る。
【0054】
図8は、第1のネットワークノードに関連付けられた第1のセルから第2のセルにUEを移動させるための、第1のネットワークノードによって実施される方法500であって、ここにおいて、第1のセルが、UEのためのサービングセルである、方法500の概略的フローチャートを示す。方法500において、第1のセルは、UEのサービングセルであり、第1のネットワークノードによって制御され、第2のセルは、第2のネットワークノードによって制御される1つまたは複数のネイバーセルのうちの1つである。方法500は、以下のステップ501~504を含む。
【0055】
ステップ501において、第1のネットワークノードは、第1のセルにおいて、第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするための信号(たとえば、要求)をUEから受信する。例では、信号を受信する前に、第1のネットワークノードは、1つまたは複数のネイバーセルにおける情報データのブロードキャストをUEが要求するための手法に関係する設定情報を取得し得る。代替的に、信号を受信する前に、第1のネットワークノードは、1つまたは複数のネイバーセルにおける情報データのブロードキャストの要求のための手法に関係する情報を用いて、第1のセルにおいてブロードキャストされたシステム情報を使用して、UEを設定し得る。例では、たとえば、UEが、RRC_IDLEまたはRRC_INACTIVE状態にあるとき、第1のネットワークノードは、第2のセルへのセル再選択を実施するより前に要求を受信し得る。別の例では、たとえば、UEが、RRC_CONNECTED状態にあるとき、第1のネットワークノードは、第2のセルへのハンドオーバを実行するより前に要求を受信し得る。
【0056】
ステップ502において、第1のネットワークノードは、第2のセルが、第1のネットワークノードによってサーブされるのか、第2のネットワークノードによってサーブされるのかを決定する。例では、第2のセルが、第1のネットワークノードによってサーブされる場合、第1のネットワークノードは、第2のセルにおいて情報データをブロードキャストするための要求を受け付けるべきかどうかを決定し得る。例では、第2のセルが、第2のネットワークノードによってサーブされる場合、第1のネットワークノードは、第2のネットワークノードから、第2のセルにおいて情報データをブロードキャストするための要求を承認または拒否する応答メッセージを受信し得る。例では、第1のネットワークノードは、第2のセルにおいて情報データをブロードキャストするための要求を承認または拒否する応答メッセージをUEに送信し得る。
【0057】
第2のセルが、第2のネットワークノードによってサーブされる場合、第1のネットワークノードは、ステップS503において、第2のネットワークノードに情報データのブロードキャストについての要求をフォワーディングし、第2のセルが、第1のネットワークノードによってサーブされる場合、第1のネットワークノードは、ステップ504において、第2のセルにおいて、要求された情報データをブロードキャストする。例では、第1のネットワークノードは、第2のセルにおいて、設定情報またはUEからの要求に従って、遅延の後に、指定された時間において、時間間隔内に1回または複数回、あるいは複数回、要求された情報データをブロードキャストし得る。例では、第1のネットワークノードは、第2のセルにおいて、衛星エフェメリスデータを、上記で説明された第2のセルにおける参照ロケーションに関連付けられた「共通タイミングアドバンス」および/または「共通ドップラーシフト」とともにブロードキャストし得る。
【0058】
図9は、第1のネットワークノードによって制御される(「第1のセル」とも呼ばれる)サービングセルにおいて(RRC_IDLE、RRC_INACTIVEまたはRRC_CONNECTED状態にある)UEをサーブする、NTNにおける第1のネットワークノード、たとえば、gNBによって実施される方法のための可能な方法実施形態900を表示する。方法900は、UEが第1のセルから第2のセルに移動するのを支援するために第1のネットワークノードによって実施され得る。ステップ910は、1つまたは複数のネイバーセルにおける衛星エフェメリスデータのブロードキャストを(サービング/第1のセルにおいて)UEが要求するための方法に関係する設定情報を取得することである。ステップ920は、(随意に)1つまたは複数のネイバーセルにおける衛星エフェメリスデータのブロードキャストの要求のための方法に関係する情報を用いて、たとえば、第1の/サービングセルにおけるブロードキャストされたシステム情報を使用して、UEを設定することである。(代替として、UEは、前に説明されたように、設定情報を用いてあらかじめ設定され得るかまたはハードコード化され得る)。ステップ930は、サービング/第1のセルにおいて、第2のセルにおける衛星エフェメリスデータのブロードキャストについての要求をUEから受信することであり、ここにおいて、第2のセルは、1つまたは複数のネイバーセルのうちの1つである。ステップ940において、第2のセルが、別の第2のネットワークノードによってサーブされる場合、第2のネットワークノードに衛星エフェメリスデータのブロードキャストについての要求を送る/フォワーディングする。随意に、970において、第1のネットワークノードは、第2のネットワークノードから、第2のセルにおいて衛星エフェメリスデータをブロードキャストするための要求を承認する(肯定応答)または拒否する(否定応答)応答メッセージを受信することができる。ステップ950において、第2のセルが、第1のネットワークノードによってサーブされる場合、第2のセルにおいて衛星エフェメリスデータをブロードキャストするための要求を受け付けるべきかどうかを決定する。随意に、ステップ960において、第1のネットワークノードは、(第2のネットワークノードから受信された随意の応答、またはステップ950において行われた決定に従って)第2のセルにおいて衛星エフェメリスデータをブロードキャストするための要求を承認する(肯定応答)または拒否する(否定応答)応答メッセージをUEに送ることができる。ステップ980において、UEからの要求が受け付けられた場合、第1のネットワークノードは、(随意に、設定またはUEからの要求による遅延の後に)受け付けられた要求に従って第2のセルにおいて衛星エフェメリスデータをブロードキャストすることができる。上記のステップ910における「取得する」は、O&Mシステムからの、またはコアネットワークノードからの、または現場技術者からの情報、あるいは製造または顧客適応中の設定、あるいはプログラミングまたは製品設計中に作成されたハードコード化された情報を受信することを含み得ることに留意されたい。
【0059】
図10は、本開示の実施形態による、第1のセルから第2のセルにUEを移動させるための、第2のネットワークノードによって実施される方法600の概略的フローチャートを示す。方法600において、第1のセルは、UEのサービングセルであり、第1のネットワークノードによって制御され、第2のセルは、第2のネットワークノードによって制御される1つまたは複数のネイバーセルのうちの1つである。方法600は、以下のステップ601~602を含む。ステップ601において、第2のネットワークノードは、第1のネットワークノードから、第2のセルにおける情報データのブロードキャストをトリガするようにとの要求を受信する。随意に、第2のネットワークノードは、第2のセルにおいて情報データをブロードキャストするための要求を受け付けるかどうかを決定し得る。したがって、第2のネットワークノードは、第1のネットワークノードに、第2のセルにおいて情報データをブロードキャストするための要求を承認または拒否する応答メッセージを送信し得る。(いくつかの実施形態では随意の)ステップ602において、第2のネットワークノードは、第2のセルにおいて、要求された情報データをブロードキャストする。例では、第2のネットワークノードは、第2のセルにおいて、設定情報または受信された要求に従って、遅延の後に、指定された時間において、時間間隔内に1回または複数回、あるいは複数回、要求された情報データをブロードキャストし得る。例では、第2のネットワークノードは、第2のセルにおいて、衛星エフェメリスデータを、上記で説明された第2のセルにおける参照ロケーションに関連付けられた「共通タイミングアドバンス」および/または「共通ドップラーシフト」とともにブロードキャストし得る。
【0060】
図11は、第1のネットワークノードによって制御される(「第1のセル」とも呼ばれる)サービングセルにおいて(RRC_IDLE、RRC_INACTIVEまたはRRC_CONNECTED状態にある)UEをサーブする第1のネットワークノードに近隣するNTNにおける第2のネットワークノード、たとえば、gNBによって実施される、可能な方法2100であって、ここにおいて、第2のネットワークノードは、UEのサービング/第1のセルに近隣する少なくとも1つの第2のセルをサーブする、方法2100を示す。ステップ2110は、第1のネットワークノードから、第2のセルにおいて衛星エフェメリスデータをブロードキャストするための要求を受信することである。ステップ2120は、第2のセルにおいて衛星エフェメリスデータをブロードキャストするための要求を受け付けるべきかどうかを決定することである。随意に、ステップ2130において、第2のネットワークノードは、(ステップ2120における決定の結果に従って)第2のセルにおいて衛星エフェメリスデータをブロードキャストするための要求を承認する(肯定応答)または拒否する(否定応答)応答メッセージを第1のネットワークノードに送ることができる。2140において、ステップ2120における決定の結果が、要求を受け付けることであった場合、第2のネットワークノードは、(随意に、設定または受信された要求による遅延の後に)第2のセルにおいて、要求された衛星エフェメリスデータをブロードキャストすることができる。
【0061】
すべての上記の実施形態の変形態では、ブロードキャストされる衛星エフェメリスデータ(換言すれば、軌道および位置/速度情報)は、フィーダリンク伝搬(もしくはラウンドトリップ)遅延および/またはフィーダリンクドップラーシフト、ならびに/あるいはGWに関する情報、たとえば、GWロケーション、ならびに/あるいは(地上の、換言すれば、透明ペイロードアーキテクチャにおける)gNBに関する情報、たとえば、gNBロケーション、ならびに/あるいは(もしあれば)GW-gNBリンクに関する情報、たとえばGW-gNB伝搬(またはラウンドトリップ)遅延、(もしあれば)GW-CUリンクに関する情報、たとえば、GW-CU伝搬(またはラウンドトリップ)遅延など、衛星のフィーダリンクに関する情報によって補完され得る。その上、関係するネイバーセルにおける事前補償タイミングアドバンスおよび/またはドップラーシフト周波数事前補償のUEの計算をサポートするための方法が、参照ロケーション、たとえば、ネイバーセルの中心ロケーションに関連付けられたタイミングおよび/または周波数関係情報に基づく場合、この参照ロケーションならびに好ましくはそれの関連付けられた、「共通タイミングアドバンス」および/または「共通ドップラーシフト」など、タイミングおよび/または周波数関係情報が、標準仕様によって明記されているデフォルトで、またはUEによって送信された(および、関係するネイバーセルをサーブする衛星に関連付けられたgNBにフォワーディングされた)要求中の指示に応じてのいずれかで、ネイバーセルにおいてエフェメリスデータとともにブロードキャストされ得る。これは、UEが、正確な事前補償タイミングアドバンスおよび/または正確な事前補償周波数シフトで到達するために(たとえば、ドップラーシフトを補償するために)残留タイミングおよび/または周波数補償を計算することを容易にすることができる。
【0062】
上記で説明された実施形態は、UEが、UEがそれに移動しているセルにおいてエフェメリスデータがブロードキャストされることを希望するシナリオに焦点を当てたが、本開示の下での実施形態は、他の情報、たとえば、他のタイプの情報またはシステム情報あるいはシステム情報の他の部分に適用され得る。例は、たとえば、リソース節約方式が適用され、この情報が、低頻度でブロードキャストされるか、またはオンデマンドでのみ利用可能である、定期的である場合、アクセス関係情報であり得、その場合、セルに進入するより前の要求は、有益であり、新しいセルにおけるアクセス手順を高速化する。別の例は、UEが、新しいセルにおいて使用されるべき事前補償タイミングアドバンス(および/または、たとえば、ドップラーシフトを補償するための事前補償周波数シフト)を計算するために、(グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)(たとえば、全地球測位システム(GPS))衛星から取り出された時間参照とともに)使用し得る正確なタイムスタンプであり得る。
【0063】
上記の実施形態は、NTNにおけるセルにおいてサーブされているUEに関して説明された。しかしながら、提案されるソリューションは、UEが、地上ネットワーク、たとえば、無線アクセス技術(RAT)NRまたはLTEを採用するセルラネットワークにおけるセルにおいてサーブされるシナリオにおいても適用可能である。そのようなシナリオでは、UEは、NTNにおけるセルに(セル再選択またはハンドオーバを通して)切り替わろうとしていることがあり、ここにおいて、提案されるソリューションは適用され得る。その上、提案されるソリューションは、サービングセルと、関係するネイバーセルの両方が地上ネットワークによってサーブされるときにも適用可能であり得、とはいえ、そのシナリオでは、ネイバーセルにおいてブロードキャストされることを要求される情報は、衛星エフェメリスデータとは別のタイプのものになる。さらに、本開示の実施形態が適用され得る追加のシナリオは、UEが、NTNにおけるセルにおいてサーブされ、関係するネイバーセルが、地上ネットワークに属するときである。要約すれば、提案されるソリューションは、関与するセル(換言すれば、サービングセルおよびネイバーセル)のネットワークタイプ(換言すれば、地上ネットワークまたはNTN)の任意の組合せを伴うシナリオにおいて適用され得、関係するネイバーセルが、地上ネットワークに属するシナリオにおいて、ネイバーセルにおける衛星エフェメリスデータのブロードキャストを要求するためのオプションが適用可能ではなく、ブロードキャストされることを要求される情報が、代わりに、別のタイプのもの、たとえば、アクセス設定に関係するシステム情報または関係するネイバーセルにおけるアクセス制約であるという制約を伴う。
【0064】
図12図14は、それぞれ、本開示の実施形態による、UE700、第1のネットワークノード800および第2のネットワークノード900の概略ブロック図を示す。
【0065】
UE700、第1のネットワークノード800および第2のネットワーク900は、各々、図12図14中に示されているように、少なくとも1つのプロセッサ701、801、901、および少なくとも1つのメモリ702、802、902を含み得る。図12中に示されているように、メモリ702は、プロセッサ701上で実行されたとき、プロセッサ701に、本開示による、UE700において実施される方法のうちのいずれかを行わせるコンピュータプログラムを記憶している。図13中に示されているように、メモリ802は、プロセッサ801上で実行されたとき、プロセッサ801に、本開示による、第1のネットワークノード800において実施される方法のうちのいずれかを行わせるコンピュータプログラムを記憶している。図14中に示されているように、メモリ902は、プロセッサ901上で実行されたとき、プロセッサ901に、本開示による、第1のネットワークノード900において実施される方法のうちのいずれかを行わせるコンピュータプログラムを記憶している。
【0066】
メモリは、たとえば、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリおよびハードドライブであり得る。プロセッサは、単一のCPU(中央処理ユニット)であり得るが、2つまたはそれ以上の処理ユニットを備えることもできる。たとえば、プロセッサは、汎用マイクロプロセッサ、命令セットプロセッサおよび/または関係チップセット、ならびに/あるいは特定用途向け集積回路(ASIC)などの専用マイクロプロセッサを含み得る。プロセッサは、キャッシング目的でボードメモリをも備え得る。コンピュータプログラムは、プロセッサに接続されたコンピュータプログラム製品によって搬送され得る。コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ可読媒体を備え得る。たとえば、コンピュータプログラム製品は、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、またはEEPROMであり得、コンピュータプログラムモジュールは、代替実施形態では、UEまたはネットワークノード内のメモリの形態の異なるコンピュータプログラム製品上に分散され得る。
【0067】
本開示の実施形態では、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されたとき、少なくとも1つのプロセッサに、本開示による方法を行わせるコンピュータプログラムを記憶した、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0068】
本開示の実施形態によれば、UEは、UEのサービングセルにおいて信号を送信することによって、別のセルにおけるシステム情報または衛星エフェメリスデータのブロードキャストをトリガすることができる。好ましい実施形態では、信号は、場合によってはいくらかのPRACH送信リソースと組み合わせた、この目的に専用であるように設定されたPRACHプリアンブルであり得る。1つの典型的な実施形態では、UEは、RRC_IDLEまたはRRC_INACTIVE状態にあり得、関係する他のセルへのセル再選択を実施するより前にそのような信号を送る。別の実施形態では、UEは、RRC_CONNECTED状態にあり得、関係する他のセルへのハンドオーバ(たとえば、条件付きハンドオーバ)を実行するより前に信号を送る。
【0069】
図15は、中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続された通信ネットワークを概略的に図示する。
【0070】
図15を参照すると、実施形態によれば、通信システムが、無線アクセスネットワークなどのアクセスネットワーク1011とコアネットワーク1014とを備える、3GPPタイプセルラネットワークなどの通信ネットワーク1010を含む。アクセスネットワーク1011は、NB、eNB、gNBまたは他のタイプの無線アクセスポイントなど、複数の基地局1012a、1012b、1012cを備え、各々が、対応するカバレッジ・エリア1013a、1013b、1013cを規定する。各基地局1012a、1012b、1012cは、有線または無線接続1015を介してコアネットワーク1014に接続可能である。カバレッジ・エリア1013c中に位置する第1のユーザ機器(UE)1091は、対応する基地局1012cに無線で接続する、または対応する基地局1012cによってページングされるように設定される。カバレッジ・エリア1013a中の第2のUE1092は、対応する基地局1012aに無線で接続可能である。この例では複数のUE1091、1092が図示されているが、開示される実施形態は、唯一のUEがカバレッジ・エリア中にある状況、または唯一のUEが、対応する基地局1012に接続している状況に等しく適用可能である。
【0071】
UE1091、1092は、あるカバレッジ・エリア1013a、1013b、1013cから別のカバレッジ・エリアに移動していることがあり、UEがそれに移動しているネイバリングセルにおけるエフェメリスまたは他のデータの送信をトリガする必要があり得る。データの送信をトリガする方法は、本明細書で説明される様々な実施形態において、第1の基地局(たとえば、1012a)、第2の基地局(たとえば、1012b)、またはUE(たとえば、1092)によって実践され得る。
【0072】
通信ネットワーク1010は、それ自体、ホストコンピュータ1030に接続され、ホストコンピュータ1030は、スタンドアロンサーバ、クラウド実装サーバ、分散サーバのハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて、あるいはサーバファーム中の処理リソースとして具現され得る。ホストコンピュータ1030は、サービスプロバイダの所有または制御下にあり得るか、あるいはサービスプロバイダによって、またはサービスプロバイダに代わって動作させられ得る。通信ネットワーク1010とホストコンピュータ1030との間の接続1021、1022が、コアネットワーク1014からホストコンピュータ1030まで直接延び得るか、または随意の中間ネットワーク1020を介して進み得る。中間ネットワーク1020は、公衆ネットワーク、プライベートネットワークまたはホストされたネットワークのうちの1つ、あるいはそれらのうちの2つ以上の組合せであり得、中間ネットワーク1020は、もしあれば、バックボーンネットワークまたはインターネットであり得、特に、中間ネットワーク1020は、2つまたはそれ以上のサブネットワーク(図示せず)を備え得る。
【0073】
図15の通信システムは、全体として、接続されたUE1091、1092のうちの1つとホストコンピュータ1030との間のコネクティビティを可能にする。コネクティビティは、オーバーザトップ(OTT)接続1050として説明され得る。ホストコンピュータ1030および接続されたUE1091、1092は、アクセスネットワーク1011、コアネットワーク1014、任意の中間ネットワーク1020および可能なさらなるインフラストラクチャ(図示せず)を媒介として使用して、OTT接続1050を介してデータおよび/またはシグナリングを通信するように設定される。OTT接続1050は、OTT接続1050が通過する、参加する通信デバイスが、アップリンク通信およびダウンリンク通信のルーティングに気付いていないという意味で、透過的であり得る。たとえば、基地局1012は、接続されたUE1091にフォワーディング(たとえば、ハンドオーバ)されるべき、ホストコンピュータ1030から発生したデータを伴う着信ダウンリンク通信の過去のルーティングについて、知らされないことがあるかまたは知らされる必要がない。同様に、基地局1012は、UE1091から発生してホストコンピュータ1030に向かう発信アップリンク通信の将来のルーティングに気付いている必要がない。
【0074】
図16は、部分的無線接続上で基地局を介してユーザ機器と通信するホストコンピュータの一般化されたブロック図である。次に、実施形態による、前の段落において論じられたUE、基地局およびホストコンピュータの例示的な実装形態が、図16を参照しながら説明される。通信システム1100では、ホストコンピュータ1110が、通信システム1100の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線または無線接続をセットアップおよび維持するように設定された通信インターフェース1116を含む、ハードウェア1115を備える。ホストコンピュータ1110は、記憶能力および/または処理能力を有し得る、処理回路1118をさらに備える。特に、処理回路1118は、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または命令を実行するように適応されたこれらの組合せ(図示せず)を備え得る。ホストコンピュータ1110は、ホストコンピュータ1110に記憶されるかまたはホストコンピュータ1110によってアクセス可能であり、処理回路1118によって実行可能である、ソフトウェア1111をさらに備える。ソフトウェア1111は、ホストアプリケーション1112を含む。ホストアプリケーション1112は、UE1130およびホストコンピュータ1110において終端するOTT接続1150を介して接続するUE1130など、リモートユーザにサービスを提供するように動作可能であり得る。リモートユーザにサービスを提供する際に、ホストアプリケーション1112は、OTT接続1150を使用して送信されるユーザデータを提供し得る。
【0075】
通信システム1100は、通信システム中に提供された基地局1120をさらに含み、基地局1120は、基地局1120がホストコンピュータ1110およびUE1130と通信することを可能にするハードウェア1125を備える。ハードウェア1125は、通信システム1100の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線または無線接続をセットアップおよび維持するための通信インターフェース1126、ならびに基地局1120によってサーブされるカバレッジ・エリア(図16中に図示せず)中に位置するUE1130との少なくとも無線接続1170をセットアップおよび維持するための無線インターフェース1127を含み得る。通信インターフェース1126は、ホストコンピュータ1110への接続1160を容易にするように設定され得る。接続1160は直接であり得るか、あるいは接続1160は、通信システムのコアネットワーク(図16中に図示せず)を、および/または通信システムの外部の1つまたは複数の中間ネットワークを通過し得る。示されている実施形態では、基地局1120のハードウェア1125は、処理回路1128をさらに含み、処理回路1128は、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または命令を実行するように適応されたこれらの組合せ(図示せず)を備え得る。基地局1120は、内部的に記憶されるかまたは外部接続を介してアクセス可能なソフトウェア1121をさらに有する。
【0076】
通信システム1100は、すでに言及されたUE1130をさらに含む。UE1130のハードウェア1135は、UE1130が現在位置するカバレッジ・エリアをサーブする基地局との無線接続1170をセットアップおよび維持するように設定された、無線インターフェース1137を含み得る。UE1130のハードウェア1135は、処理回路1138をさらに含み、処理回路1138は、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または命令を実行するように適応されたこれらの組合せ(図示せず)を備え得る。UE1130は、UE1130に記憶されるかまたはUE1130によってアクセス可能であり、処理回路1138によって実行可能である、ソフトウェア1131をさらに備える。ソフトウェア1131は、クライアントアプリケーション1132を含む。クライアントアプリケーション1132は、ホストコンピュータ1110のサポートの下に、UE1130を介して人間のまたは人間でないユーザにサービスを提供するように動作可能であり得る。ホストコンピュータ1110では、実行しているホストアプリケーション1112は、UE1130およびホストコンピュータ1110において終端するOTT接続1150を介して、実行しているクライアントアプリケーション1132と通信し得る。ユーザにサービスを提供する際に、クライアントアプリケーション1132は、ホストアプリケーション1112から要求データを受信し、要求データに応答してユーザデータを提供し得る。OTT接続1150は、要求データとユーザデータの両方を転送し得る。クライアントアプリケーション1132は、クライアントアプリケーション1132が提供するユーザデータを生成するためにユーザと対話し得る。
【0077】
図16中に図示されているホストコンピュータ1110、基地局1120およびUE1130は、それぞれ、図15のホストコンピュータ3230、基地局3212a、3212b、3212cのうちの1つ、およびUE3291、3292のうちの1つと同等であり得ることに留意されたい。つまり、これらのエンティティの内部の働きは、図16中に示されているようなものであり得、別個に、周囲のネットワークトポロジーは、図15のものであり得る。図16では、OTT接続1150は、仲介デバイスとこれらのデバイスを介したメッセージの正確なルーティングとへの明示的言及なしに、基地局1120を介したホストコンピュータ1110とユーザ機器1130との間の通信を図示するために抽象的に描画されている。ネットワークインフラストラクチャが、ルーティングを決定し得、ネットワークインフラストラクチャは、UE1130からまたはホストコンピュータ1110を動作させるサービスプロバイダから、またはその両方から隠れるように設定され得る。OTT接続1150がアクティブである間、ネットワークインフラストラクチャは、さらに、ネットワークインフラストラクチャが(たとえば、ネットワークの負荷分散考慮または再設定に基づいて)ルーティングを動的に変更する決定を行い得る。UE1130と基地局1120との間の無線接続1170は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従う。様々な実施形態のうちの1つまたは複数は、無線接続1170が最後のセグメントを形成するOTT接続1150を使用して、UE1130に提供されるOTTサービスの性能を改善する。より正確には、これらの実施形態の教示は、レイテンシを改善し、それにより、低減されたユーザ待ち時間、より良い応答性、延長されたバッテリー寿命などの利益を提供し得る。
【0078】
1つまたは複数の実施形態が改善する、データレート、レイテンシおよび他のファクタを監視する目的での、測定手順が提供され得る。測定結果の変動に応答して、ホストコンピュータ1110とUE1130との間のOTT接続1150を再設定するための随意のネットワーク機能がさらにあり得る。OTT接続1150を再設定するための測定手順および/またはネットワーク機能は、ホストコンピュータ1110のソフトウェア1111で、またはUE1130のソフトウェア1131で、またはその両方で実装され得る。実施形態では、OTT接続1150が通過する通信デバイスにおいて、またはその通信デバイスに関連して、センサー(図示せず)が展開され得、センサーは、上記で例示された監視された量の値を供給すること、またはソフトウェア1111、1131が監視された量をそれから算出もしくは推定し得る他の物理量の値を供給することによって、測定手順に参加し得る。OTT接続1150の再設定は、メッセージフォーマット、再送信セッティング、好ましいルーティングなどを含み得、再設定は、基地局1120に影響を及ぼす必要がなく、再設定は、基地局1120に知られていないかまたは知覚不可能であり得る。そのような手順および機能は、当技術分野において知られ、実践され得る。いくらかの実施形態では、測定は、スループット、伝搬時間、レイテンシなどのホストコンピュータ1110の測定を容易にするプロプライエタリUEシグナリングを伴い得る。測定は、ソフトウェア1111、1131が、ソフトウェア1111、1131が伝搬時間、エラーなどを監視する間にOTT接続1150を使用して、メッセージ、特に空のまたは「ダミー」メッセージが送信されるようにすることにおいて、実装され得る。
【0079】
図17は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を図示するフローチャートである。通信システムは、図15および図16を参照しながら説明されたものであり得る、ホストコンピュータと基地局とUEとを含む。本開示の簡単のために、図17への図面参照のみがこのセクションに含まれる。方法の第1のステップ1210において、ホストコンピュータはユーザデータを提供する。第1のステップ1210の随意のサブステップ1211において、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する。第2のステップ1220において、ホストコンピュータは、UEにユーザデータを搬送する送信を始動する。随意の第3のステップ1230において、基地局は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、ホストコンピュータが始動した送信において搬送されたユーザデータをUEに送信する。随意の第4のステップ1240において、UEは、ホストコンピュータによって実行されるホストアプリケーションに関連付けられたクライアントアプリケーションを実行する。
【0080】
図18は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を図示するフローチャートである。通信システムは、図15および図16を参照しながら説明されたものであり得る、ホストコンピュータと基地局とUEとを含む。本開示の簡単のために、図18への図面参照のみが、このセクションに含まれる。方法の第1のステップ1310において、ホストコンピュータは、ユーザデータを提供する。随意のサブステップ(図示せず)において、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する。第2のステップ1320において、ホストコンピュータは、UEにユーザデータを搬送する送信を始動する。送信は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、基地局を介して進み得る。随意の第3のステップ1330において、UEは、送信において搬送されたユーザデータを受信する。
【0081】
図19は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を図示するフローチャートである。通信システムは、図15および図16を参照しながら説明されたものであり得る、ホストコンピュータと基地局とUEとを含む。本開示の簡単のために、図19への図面参照のみが、このセクションに含まれる。方法の随意の第1のステップ1410において、UEは、ホストコンピュータによって提供された入力データを受信する。追加または代替として、随意の第2のステップ1420において、UEはユーザデータを提供する。第2のステップ1420の随意のサブステップ1421において、UEは、クライアントアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する。第1のステップ1410のさらなる随意のサブステップ1411において、UEは、ホストコンピュータによって提供された受信された入力データに反応してユーザデータを提供する、クライアントアプリケーションを実行する。ユーザデータを提供する際に、実行されたクライアントアプリケーションは、ユーザから受信されたユーザ入力をさらに考慮し得る。ユーザデータが提供された特定の様式にかかわらず、UEは、随意の第3のサブステップ1430において、ホストコンピュータへのユーザデータの送信を始動する。方法の第4のステップ1440において、ホストコンピュータは、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、UEから送信されたユーザデータを受信する。
【0082】
図20は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を図示するフローチャートである。通信システムは、図15および図16を参照しながら説明されたものであり得る、ホストコンピュータと基地局とUEとを含む。本開示の簡単のために、図20への図面参照のみが、このセクションに含まれる。方法の随意の第1のステップ1510において、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、基地局は、UEからユーザデータを受信する。随意の第2のステップ1520において、基地局は、ホストコンピュータへの、受信されたユーザデータの送信を始動する。第3のステップ1530において、ホストコンピュータは、基地局によって始動された送信において搬送されたユーザデータを受信する。
【0083】
本開示は、明示的に本明細書で開示される任意の新規の特徴または特徴の組合せ、あるいはその任意の一般化を含む。本開示の上記の例示的実施形態への様々な修正および適応は、添付の図面とともに読まれるとき、上記の説明に鑑みて、関連のある技術分野の当業者に明らかになり得る。しかしながら、任意のおよびすべての修正が、依然として、本開示の非限定的な例示的実施形態の範囲内に入る。
【0084】
本開示のコンピュータシステム
コンピュータシステムは、ますます多種多様な形態を取っていることが諒解されよう。この説明において、および特許請求の範囲において、「コントローラ」、「コンピュータシステム」または「コンピューティングシステム」という用語は、少なくとも1つの物理的および有形プロセッサ、ならびにプロセッサによって実行され得るコンピュータ実行可能命令をその上に有することが可能な物理的および有形メモリを含む、任意のデバイスまたはシステムあるいはそれらの組合せを含むものとして広く規定される。限定ではなく例として、本明細書で使用される「コンピュータシステム」または「コンピューティングシステム」という用語は、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、ハンドヘルドデバイス(たとえば、携帯電話、PDA、ページャ)、マイクロプロセッサベースまたはプログラマブルコンシューマーエレクトロニクス、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、マルチプロセッサシステム、ネットワークPC、分散コンピューティングシステム、データセンタ、メッセージプロセッサ、ルータ、スイッチ、さらには、ウェアラブル(たとえば、眼鏡)など、従来コンピューティングシステムと見なされなかったデバイスを含むことを意図される。
【0085】
メモリは、任意の形態を取り得、コンピューティングシステムの本質および形態に依存し得る。メモリは、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはその2つの何らかの組合せを含む、物理的システムメモリであり得る。「メモリ」という用語は、物理的記憶媒体などの不揮発性大容量ストレージを指すために、本明細書において使用されることもある。
【0086】
コンピューティングシステムはまた、「実行可能構成要素」としばしば呼ばれる複数の構造をその上に有する。たとえば、コンピューティングシステムのメモリは、実行可能構成要素を含むことができる。「実行可能構成要素」という用語は、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組合せであり得る構造であるものとしてコンピューティングの分野の当業者に十分に理解される構造のための名前である。
【0087】
たとえば、ソフトウェアで実装されるとき、当業者は、実行可能構成要素の構造が、そのような実行可能構成要素がコンピューティングシステムのヒープ中に存在するかどうかにかかわらず、または実行可能構成要素がコンピュータ可読記憶媒体上に存在するかどうかにかかわらず、コンピューティングシステム上の1つまたは複数のプロセッサによって実行され得るソフトウェアオブジェクト、ルーチン、方法などを含み得ることを理解するであろう。実行可能構成要素の構造は、それが、コンピューティングシステムの1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、コンピューティングシステムに、本明細書で説明される機能および方法など、1つまたは複数の機能を実施させるように動作可能であるような形態でコンピュータ可読媒体上に存在する。そのような構造は、実行可能構成要素がバイナリである場合のように、プロセッサによって直接的にコンピュータ可読であり得る。代替的に、構造は、プロセッサによって直接的に解釈可能であるような2進数を生成するように、単一の段階においてなのか、複数の段階においてなのかにかかわらず、解釈可能であるように構成され、および/またはコンパイルされ得る。
【0088】
「実行可能構成要素」という用語はまた、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム固有標準製品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、または任意の他の特殊な回路などの内部のハードウェア論理構成要素だけで、またはほぼハードウェア論理構成要素だけで実装された構造を含むものとして当業者によって十分に理解される。したがって、「実行可能構成要素」という用語は、ソフトウェアで実装されるのか、ハードウェアで実装されるのか、それらの組合せで実装されるのかにかかわらず、コンピューティングの当業者によって十分に理解される構造のための用語である。
【0089】
「構成要素」、「サービス」、「エンジン」、「モジュール」、「制御」、「生成器」などという用語も、この説明において使用され得る。この説明において使用される、およびこの場合に使用されるこれらの用語は、修飾節を用いて表されるのか、修飾節を用いないで表されるのかにかかわらず、「実行可能構成要素」という用語と同義であることも意図され、これにより、コンピューティングの当業者によって十分に理解される構造を同じく有する。
【0090】
実施形態では、通信システムは、上記で説明された実施形態の方法のうちのいずれかを実行するコンピューティングデバイスと、サーバパークおよびデータセンタであり得るデータ記憶デバイスとの複合体を含み得る。
【0091】
コンピュータ実装形態に関して、コンピュータは、概して、1つもしくは複数のプロセッサまたは1つもしくは複数のコントローラを備えると理解され、コンピュータ、プロセッサ、およびコントローラという用語は、互換的に採用され得る。コンピュータ、プロセッサ、またはコントローラによって提供されるとき、機能は、単一の専用コンピュータまたはプロセッサまたはコントローラによって提供されるか、単一の共有コンピュータまたはプロセッサまたはコントローラによって提供されるか、あるいはそれらのうちのいくつかが共有されることも、分散されることもある、複数の個々のコンピュータまたはプロセッサまたはコントローラによって提供され得る。その上、「プロセッサ」または「コントローラ」という用語は、上記で具陳された例示的なハードウェアなど、そのような機能を実施すること、および/またはソフトウェアを実行することが可能な他のハードウェアをも指す。
【0092】
一般に、様々な例示的な実施形態は、ハードウェアまたは専用チップ、回路、ソフトウェア、論理、あるいはそれらの任意の組合せで実装され得る。たとえば、いくつかの態様は、ハードウェアで実装され得、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、または他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェアまたはソフトウェアで実装され得るが、本開示はそれに限定されない。本開示の例示的な実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャートとして、または何らかの他の図式表現を使用して、図示および説明され得るが、本明細書において説明されるこれらのブロック、装置、システム、技法、または方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路または論理、汎用ハードウェアまたはコントローラまたは他のコンピューティングデバイス、あるいはそれらの何らかの組合せで実装され得ることを十分に理解されたい。
【0093】
すべてのコンピューティングシステムが、ユーザインターフェースを必要とするとは限らないが、いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムは、ユーザとの間で情報を通信する際に使用するためのユーザインターフェースを含む。ユーザインターフェースは、出力機構ならびに入力機構を含み得る。本明細書で説明される原理は、厳密な出力機構または入力機構に限定されず、したがって、デバイスの本質に依存する。しかしながら、出力機構は、たとえば、スピーカー、ディスプレイ、触覚出力、プロジェクション、ホログラムなどを含み得る。入力機構の例は、たとえば、マイクロフォン、タッチスクリーン、プロジェクション、ホログラム、カメラ、キーボード、スタイラス、マウス、または他のポインタ入力、任意のタイプのセンサーなどを含み得る。
【0094】
したがって、本明細書で説明される実施形態は、専用または汎用コンピューティングシステムを備えるかまたは利用し得る。本明細書で説明される実施形態は、コンピュータ実行可能命令および/またはデータ構造を搬送または記憶するための物理的および他のコンピュータ可読媒体をも含む。そのようなコンピュータ可読媒体は、汎用または専用コンピューティングシステムによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。コンピュータ実行可能命令を記憶するコンピュータ可読媒体は、物理的記憶媒体である。コンピュータ実行可能命令を搬送するコンピュータ可読媒体は、伝送媒体である。これにより、限定ではなく例として、本明細書において開示または想定される実施形態は、少なくとも2つの明白に異なる種類のコンピュータ可読媒体、すなわち、記憶媒体および伝送媒体を備えることができる。
【0095】
コンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、ソリッドステートドライブ(「SSD」)、フラッシュメモリ、相変化メモリ(「PCM」)、CD-ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気記憶デバイス、あるいはコンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを記憶するために使用され得、開示される1つまたは複数の機能を実装するために汎用または専用コンピューティングシステムによってアクセスおよび実行され得る任意の他の物理的および有形記憶媒体を含む。たとえば、コンピュータ実行可能命令は、コンピュータプログラム製品を形成するために、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体上で具現され得る。
【0096】
伝送媒体は、コンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを担持するために使用され得、汎用または専用コンピューティングシステムによってアクセスおよび実行され得る、ネットワークおよび/またはデータリンクを含むことができる。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれることになる。
【0097】
さらに、様々なコンピューティングシステム構成要素に達すると、コンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形態のプログラムコードは、伝送媒体から記憶媒体に(またはその逆に)自動的に転送され得る。たとえば、ネットワークまたはデータリンクを介して受信されたコンピュータ実行可能命令またはデータ構造は、ネットワークインターフェースモジュール(たとえば、「NIC」)内のRAMにバッファされ、次いで最終的に、コンピューティングシステムRAMに、および/またはコンピューティングシステムにおけるより低い揮発性の記憶媒体に転送され得る。これにより、記憶媒体は、伝送媒体をも利用するか、またはさらには伝送媒体を主に利用する、コンピューティングシステム構成要素中に含まれ得ることを理解されたい。
【0098】
当業者は、コンピューティングシステムが、たとえば、ネットワークを介して他のコンピューティングシステムと通信することを可能にする通信チャネルをもコンピューティングシステムが含んでいることがあることをさらに諒解されよう。したがって、本明細書で説明される方法は、多くのタイプのコンピューティングシステムおよびコンピューティングシステム設定を伴うネットワークコンピューティング環境において実践され得る。開示される方法は、(有線データリンク、無線データリンクによって、または有線データリンクと無線データリンクとの組合せによってのいずれかで)ネットワークを通してリンクされたローカルコンピューティングシステムおよび/またはリモートコンピューティングシステムが、両方とも、タスクを実施する分散システム環境において実践されてもよい。分散システム環境において、処理、メモリ、および/または記憶能力も分散され得る。
【0099】
当業者はまた、開示される方法がクラウドコンピューティング環境において実践され得ることを諒解するであろう。クラウドコンピューティング環境は分散されてもよいが、これは必須ではない。分散されるとき、クラウドコンピューティング環境は、組織内で国際的に分散され得、および/または複数の組織にわたって所有された構成要素を有し得る。この説明および以下の特許請求の範囲では、「クラウドコンピューティング」は、設定可能なコンピューティングリソース(たとえば、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、およびサービス)の共有プールへのオンデマンドネットワークアクセスを可能にするためのモデルとして規定される。「クラウドコンピューティング」の規定は、適切に展開されたときにそのようなモデルから取得され得る他の多数の利点のうちのいずれかに限定されない。
【0100】
クラウドコンピューティングモデルは、オンデマンドセルフサービス、ブロードネットワークアクセス、リソースプーリング、高速弾性、測定サービスなど、様々な特性から構成され得る。クラウドコンピューティングモデルは、たとえば、サービスとしてのソフトウェア(「SaaS」)、サービスとしてのプラットフォーム(「PaaS」)、およびサービスとしてのインフラストラクチャ(「IaaS」)など、様々なサービスモデルの形態でもたらされてもよい。クラウドコンピューティングモデルは、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウドなど、異なる展開モデルを使用して展開されてもよい。
【0101】
略語および規定された用語
本明細書および添付の特許請求の範囲の範囲および内容を理解するのを支援するために、選択されたいくつかの用語が、以下で直接規定される。別様に規定されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって共通に理解されるものと同じ意味を有する。
【0102】
本明細書で使用される「ほぼ」「約」、および「実質的に」という用語は、依然として所望の機能を実施するかまたは所望の結果を達成する、特定の陳述された量または状態に近い量または状態を表現する。たとえば、「ほぼ」、「約」、および「実質的に」という用語は、具体的に陳述された量または状態から10%未満だけ、または5%未満だけ、または1%未満だけ、または0.1%未満だけ、または0.01%未満だけ逸脱する量または状態を指すことがある。
【0103】
デバイス、システム、および方法を含む、本開示の様々な態様が、本質的に例示である、1つまたは複数の実施形態または実装形態に関して図示され得る。本明細書で使用される「例示」という用語は、「例、事例、または例証の働きをすること」を意味し、必ずしも、本明細書で開示される他の実施形態よりも好ましいまたは有利と解されるべきとは限らない。追加として、本開示または実施形態の「実装形態」への言及は、それの1つまたは複数の実施形態への具体的な言及を含み、その逆も同様であり、本明細書によってではなく添付の特許請求の範囲によって指し示される本開示の範囲を限定することなしに、例証となる例を提供することを意図される。
【0104】
暗黙的にまたは明示的に別様に理解または陳述されていない限り、本明細書で使用される、単数形で出現する単語は、それの複数形の対応物を包含し、複数形で出現する単語は、それの単数形の対応物を包含する。これにより、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「前記(the)」は、コンテキストが明らかに別様に指図していない限り、複数形の指示対象を含むことに留意されたい。たとえば、単数形の指示対象(たとえば、「1つのウィジェット(a widget)」)への言及は、暗黙的にまたは明示的に別様に理解または陳述されていない限り、1つ、2つ、またはそれ以上の指示対象を含む。同様に、複数の指示対象への言及は、内容および/またはコンテキストが別様に明確に指図していない限り、単一の指示対象および/または複数の指示対象を備えると解釈されるべきである。たとえば、複数形の形態の指示対象(たとえば、「複数のウィジェット(widgets)」)への言及は、複数のそのような指示対象を必ずしも必要とするとは限らない。代わりに、別様に陳述されていない限り、指示対象の推測される数とは無関係に、1つまたは複数の指示対象が本明細書において企図されることが、諒解されよう。
【0105】
本明細書で使用される、「上部」、「下部」、「左」、「右」、「上」、「下」、「上側」、「下側」、「近位」、「遠位」、「隣接」など、方向を示す用語は、相対的な方向を指し示すためにのみ本明細書で使用され、本開示および/または請求される実施形態の範囲を限定することを別様に意図されない。
【0106】
「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」、「例示的な実施形態」などへの本明細書における言及は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含み得ることを指し示すが、あらゆる実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含むことは必要ではない。その上、そのような句は、必ずしも、同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が実施形態に関して説明されるとき、明示的に説明されるか否かにかかわらず、他の実施形態に関してそのような特徴、構造、または特性をもたらすことは当業者の知識内にあることが具申される。
【0107】
「第1の」および「第2の」などという用語が、様々なエレメントを説明するために本明細書で使用され得るが、これらのエレメントは、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、あるエレメントを別のエレメントから区別するために使用されるにすぎない。たとえば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1のエレメントは第2のエレメントと呼ばれ得、同様に、第2のエレメントは第1のエレメントと呼ばれ得る。本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連するリストされた用語のうちの1つまたは複数のいずれかのおよびすべての組合せを含む。
【0108】
本明細書で使用される「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含む(includes)」および/または「含んでいる(including)」という用語は、陳述される特徴、エレメント、および/または構成要素などの存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、エレメント、構成要素および/またはそれらの組合せの存在または追加を排除しないことをさらに理解されよう。
【0109】
以下の略語が、本開示において使用される。
3GPP 第3世代パートナーシッププロジェクト
BS 基地局
BWP 帯域幅部分
CMAS 商業モバイル警告システム
CRC 巡回冗長検査
CU 中央ユニット
DCI ダウンリンク制御情報
DRX 間欠受信
DU 分散ユニット
ETWS 地震津波警報システム
GEO 静止軌道
gNB (NR NTNを含む)NRにおける無線基地局
GW ゲートウェイ
ID 識別情報/識別子
IE 情報エレメント
LEO 低地球軌道
LTE Long Term Evolution
MAC 媒体アクセス制御
MEO 中間地球軌道
MO 測定対象
Msg メッセージ
NR 新無線
NTN 非地上ネットワーク
O&M 運用保守
PBCH 物理ブロードキャストチャネル
PLMN パブリックランドモバイルネットワーク
PO ページング機会
PRACH 物理ランダムアクセスチャネル
P-RNTI ページングRNTI
PUSCH 物理アップリンク共有チャネル
RA ランダムアクセス
RACH ランダムアクセスチャネル
RAT 無線アクセス技術
RNTI 無線ネットワーク一時識別子
RRC 無線リソース制御
SI システム情報
SIB システム情報ブロック
SS 同期信号
SSB (SS/PBCHブロックとも呼ばれる)同期信号ブロック
TA タイミングアドバンス
TAI トラッキングエリア識別情報
TLE 2ラインエレメントセット
TR 技術報告
TS 技術仕様
UE ユーザ機器
WI ワークアイテム
Xn (NR NTNを含む)NRにおける2つのgNBの間のインターフェース
【0110】
結論
本明細書で説明される任意の所与の構成要素または実施形態について、その構成要素についてリストされる、可能性がある候補または代替形態のうちのいずれかは、概して、暗黙的にまたは明示的に別様に理解または陳述されていない限り、個々にまたは互いと組み合わせて使用され得ることを理解されたい。加えて、そのような候補または代替形態の任意のリストは、暗黙的にまたは明示的に別様に理解または陳述されていない限り、限定ではなく、例証にすぎないことが理解されよう。
【0111】
追加として、別様に指図されていない限り、明細書および特許請求の範囲において使用される量、成分、距離、または他の測定を表す数は、その用語が本明細書において規定されるとき、「約」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。したがって、そうでないことが指し示されていない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本明細書で提示される主題によって取得されることが求められる所望の性質に応じて変動し得る近似である。最低限でも、および同等物の原則の適用を特許請求の範囲に限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告される有効桁の数に照らして、および通常の丸め技法を適用することによって解されるべきである。本明細書で提示される主題の広い範囲を記載する数値範囲およびパラメータは、近似であるにもかかわらず、特定の例に記載された数値は、できる限り正確に報告されている。しかしながら、任意の数値は、本来的に、それらのそれぞれの試験測定において発見される標準偏差から必然的に生じるいくらかのエラーを含んでいる。
【0112】
本明細書において使用される任意の見出しおよび小見出しは、構成のみを目的としており、説明または特許請求の範囲の範囲を限定するために使用されることを意味されない。
【0113】
本明細書で採用されている用語および言い回しは、説明の用語として使用され、限定の用語として使用されず、そのような用語および言い回しの使用において、示され、説明される特徴またはそれの部分の任意の等価物を除外するという意図はなく、様々な修正が、本開示の範囲内で可能であることが認識される。これにより、本開示が、部分的に、好ましい実施形態、例示的実施形態、および随意の特徴によって具体的に開示されたが、開示される本明細書における概念の修正および変形が、当業者によって用いられ得、そのような修正および変形は、本明細書の範囲内にあると見なされることを理解されたい。
【0114】
本開示のいくらかの実施形態による、システム、デバイス、製品、キット、方法、および/またはプロセスは、本明細書において開示および/または説明される他の実施形態において説明される性質または特徴(たとえば、構成要素、部材、エレメント、部分(part)および/または部分(portion))を含むか、組み込むか、またはさもなければ備え得ることも諒解されよう。したがって、いくらかの実施形態の様々な特徴は、本開示の他の実施形態と互換性があり、本開示の他の実施形態と組み合わせられ、本開示の他の実施形態中に含まれ、および/または本開示の他の実施形態に組み込まれ得る。これにより、本開示の特定の実施形態に対するいくらかの特徴の開示は、前記特徴の適用または包含の特定の実施形態への限定と解されるべきではない。そうではなく、他の実施形態は、必ずしも本開示の範囲から逸脱する必要なしに、前記特徴、部材、エレメント、部分(part)、および/または部分(portion)をも含むことができることが諒解されよう。
【0115】
その上、特徴が、それと組み合わせた別の特徴を必要とすると説明されない限り、本明細書における任意の特徴は、本明細書で開示される同じまたは異なる実施形態の任意の他の特徴と組み合わせられ得る。その上、例証となるシステム、方法、装置、などの様々なよく知られている態様は、例示的な実施形態の態様を不明瞭にしないために、特に詳細には本明細書で説明されない。しかしながら、そのような態様も、本明細書において企図される。
【0116】
本出願において引用されるすべての参考文献は、それらが、本出願における開示と矛盾しない程度まで、参照によってそれらの全体が本明細書によって組み込まれる。本明細書において具体的に説明されるもの以外の方法、デバイス、デバイスエレメント、材料、手順、および技法は、過度の実験に頼ることなく、本明細書において広く開示されるものとして、説明される実施形態の実践に適用され得ることが当業者には明らかであろう。本明細書において具体的に説明される方法、デバイス、デバイスエレメント、材料、手順、および技法のすべての技術的に知られている機能的等価物は、本開示によって包含されることを意図される。
【0117】
材料、組成、構成要素、または化合物のグループが、本明細書において開示されるとき、それらのグループおよびそれらのすべてのサブグループのすべての個々の部材は、別々に開示されることを理解されたい。マーカッシュグループまたは他のグルーピングが、本明細書において使用されるとき、グループのすべての個々の部材、ならびにグループの可能性があるすべての組合せおよび部分組合せは、本開示に個々に含まれることを意図される。
【0118】
上記で説明された実施形態は、例にすぎない。添付の特許請求の範囲によってのみ規定される、説明の範囲から逸脱することなく、当業者によって特定の実施形態に対して改変、修正、および変形が成し遂げられ得る。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図12
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図16
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【国際調査報告】