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特表2024-501668誘導加熱装置を備えるエアロゾル発生装置およびシステムならびにその動作方法
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  • 特表-誘導加熱装置を備えるエアロゾル発生装置およびシステムならびにその動作方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-15
(54)【発明の名称】誘導加熱装置を備えるエアロゾル発生装置およびシステムならびにその動作方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20240105BHJP
   A24F 40/57 20200101ALI20240105BHJP
   A24F 40/53 20200101ALI20240105BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/57
A24F40/53
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023538791
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 EP2021087543
(87)【国際公開番号】W WO2022136660
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】20217031.2
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ブタン ヤニック
(72)【発明者】
【氏名】ガトニ ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】モフセニ ファーハン
(72)【発明者】
【氏名】ネーショヴィッチ ミリツァ
(72)【発明者】
【氏名】ストゥラ エンリコ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC22
4B162AC34
4B162AD06
4B162AD12
4B162AD23
(57)【要約】
エアロゾル発生装置(200)におけるエアロゾル生成を制御するための方法(800)が提供される。装置(200)は、誘導加熱配設(320)、および誘導加熱配設(320)に電力を提供するための電源(310)を備える。方法は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル発生装置のユーザー操作中の第一の加熱段階の間に、誘導加熱配設(320)に誘導的に結合されたサセプタ(160)に関連付けられた一つ以上の較正値を測定するために較正プロセスを実施すること(820)であって、サセプタ(160)は、エアロゾル形成基体(110)を加熱するように構成されている、実施すること(820)と、エアロゾルを生成するためのエアロゾル発生装置のユーザー操作中の第二の動作段階の間に、サセプタ(160)の温度が一つ以上の較正値に基づいて調整されるように、誘導加熱配設(320)に提供される電力を制御すること(840)とを含む。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置におけるエアロゾル生成を制御するための方法であって、前記装置が、誘導加熱配設と、前記誘導加熱配設に電力を供給するための電源とを備え、前記方法が、
エアロゾルを生成するための前記エアロゾル発生装置のユーザー操作中の第一の加熱段階の間に、前記誘導加熱配設に誘導的に結合されたサセプタに関連付けられた一つ以上の較正値を測定するために較正プロセスを実施することであって、前記サセプタが、エアロゾル形成基体を加熱するように構成されている、実施することと、
エアロゾルを生成するための前記エアロゾル発生装置のユーザー操作中の第二の加熱段階の間に、前記サセプタの前記温度が前記一つ以上の較正値に基づいて調整されるように、前記誘導加熱配設に提供される電力を制御することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記誘導加熱配設が、DC/ACコンバータと、前記DC/ACコンバータに接続されたインダクタとを含み、前記サセプタが、前記インダクタに誘導的に結合されるように配設される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電源からの電力が、前記DC/ACコンバータを介して、断続的に前記インダクタに供給される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記電源からの電力が、前記DC/ACコンバータを介して、複数のパルスとして前記インダクタに供給され、各パルスが時間間隔で分離される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記サセプタの前記温度を調整することが、前記複数のパルスのそれぞれの間の前記時間間隔を制御することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記サセプタの前記温度を調整することが、前記複数のパルスの各パルスの長さを制御することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御することが、前記サセプタに関連付けられた電流値、コンダクタンス値、および抵抗値のうちの一つを調整することを含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
較正プロセスを実施することが、(i)前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御して、前記サセプタの前記温度を上昇させる工程と、(ii)前記サセプタに関連付けられた少なくとも電流値を監視する工程と、(iii)電流値が最大値に達するときに、前記誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程であって、前記最大値における前記電流値が、前記サセプタの第二の較正温度に対応する、中断する工程と、(iv)前記電流値が最小値に達するまで、前記サセプタに関連付けられた前記電流値を監視する工程であって、前記最小値における前記電流値が、前記サセプタの第一の較正温度に対応する、監視する工程と、を含む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記較正プロセスを実施することが、前記サセプタに関連付けられた前記電流値が前記最小値に達するときに、工程i)~iv)を繰り返すことをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記較正プロセスを実施することが、工程i)~iv)を繰り返す間に、前記最大値における前記電流値を前記一つ以上の較正値の較正値として記憶し、前記最小値における前記電流値を前記一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御することが、前記サセプタに関連付けられた電流値を前記第一の較正温度に対応する第一の電流値と前記第二の較正温度に対応する第二の電流値との間に維持することを含む、請求項8~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
較正プロセスを実施することが、i)前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御して、前記サセプタの前記温度を上昇させる工程と、ii)前記サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を監視する工程と、iii)前記コンダクタンス値が最大値に達するときに、前記誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程であって、前記最大値における前記コンダクタンス値が、前記サセプタの第二の較正温度に対応する、中断する工程と、iv)前記コンダクタンス値が最小値に達するまで、前記サセプタに関連付けられた前記コンダクタンス値を監視する工程であって、前記最小値における前記コンダクタンス値が、前記サセプタの第一の較正温度に対応する、監視する工程と、を含む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記較正プロセスを実施することが、前記サセプタに関連付けられた前記コンダクタンス値が前記最小値に達するときに、工程i)~iv)を繰り返すことをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記較正プロセスを実施することが、工程i)~iv)を繰り返す間に、前記最大値における前記コンダクタンス値を前記一つ以上の較正値の較正値として記憶し、前記最小値における前記コンダクタンス値を前記一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御することが、前記サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を前記第一の較正温度に対応する第一のコンダクタンス値と前記第二の較正温度に対応する第二のコンダクタンス値との間に維持することを含む、請求項12~14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記較正プロセスを実施することが、i)前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御して、前記サセプタの前記温度を上昇させる工程と、ii)前記サセプタに関連付けられた抵抗値を監視する工程と、iii)前記抵抗値が最小値に達するときに、前記誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程であって、前記最小値における前記抵抗値が、前記サセプタの第二の較正温度に対応する、中断する工程と、iv)前記抵抗値が最大値に達するまで、前記サセプタに関連付けられた前記抵抗値を監視する工程であって、前記最大値における前記抵抗値が、前記サセプタの第一の較正温度に対応する、監視する工程と、を含む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記較正プロセスを実施することが、前記サセプタに関連付けられた前記抵抗値が前記最大値に達するときに、工程i)~iv)を繰り返すことをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記較正プロセスを実施することが、工程i)~iv)を繰り返す間に、前記最小値における前記抵抗値を前記一つ以上の較正値の較正値として記憶し、前記最大値における前記抵抗値を前記一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御することが、前記サセプタに関連付けられた抵抗値を前記第一の較正温度に対応する第一の抵抗値と前記第二の較正温度に対応する第二の抵抗値との間に維持することを含む、請求項16~18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記サセプタの前記第二の較正温度が、前記サセプタの材料のキュリー温度に対応し、前記サセプタの前記第一の較正温度が、前記サセプタの前記材料の最大透過性における温度に対応する、請求項8~19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記サセプタが、第一のキュリー温度を有する第一のサセプタ材料と第二のキュリー温度を有する第二のサセプタ材料とを含み、前記第二のキュリー温度が前記第一のキュリー温度より低く、前記第二の較正温度が、前記第二のサセプタ材料の前記第二のキュリー温度に対応する、請求項8~19のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記第一の較正温度が、摂氏150度~摂氏350度であり、前記第二の較正温度が、摂氏200度~摂氏400度であり、前記第一の較正温度と前記第二の較正温度との間の温度差が、少なくとも摂氏50度である、請求項8~21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記第二の加熱段階の間に、所定の持続時間、所定の回数のユーザー吸煙、および所定の前記電源の電圧値のうちの一つ以上を検出することに応答して、前記サセプタに関連付けられた一つ以上の較正値を測定するために前記較正プロセスを実施することをさらに含む、請求項1~22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記第一の加熱段階の間に、予熱プロセスを実施することをさらに含み、前記予熱プロセスが、前記較正プロセスの前に実施され、前記予熱プロセスが、所定の持続時間を有する、請求項1~23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記予熱プロセスの前記所定の持続時間が、10秒~15秒である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記予熱プロセスが、i)前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御して、前記サセプタの前記温度を上昇させる工程と、ii)前記サセプタに関連付けられた少なくとも電流値を監視する工程と、iii)前記電流値が最小値に達するときに、前記誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程と、を含む、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
前記電流値が、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の終了前に最小値に達する場合、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の前記終了まで、前記予熱プロセスの工程i)~iii)を繰り返すことをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記サセプタに関連付けられた前記電流値が、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の間に最小値に達しない場合、前記エアロゾル発生装置の動作を停止することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記予熱プロセスが、(i)前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御して、前記サセプタの前記温度を上昇させる工程と、(ii)前記サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を監視する工程と、(iii)前記コンダクタンス値が最小値に達するときに、前記誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程と、を含む、請求項24または25に記載の方法。
【請求項30】
前記コンダクタンス値が、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の終了前に最小値に達する場合、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の前記終了まで、前記予熱プロセスの工程(i)~(iii)を繰り返すことをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記サセプタに関連付けられた前記コンダクタンス値が、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の間に最小値に達しない場合、前記エアロゾル発生装置の動作を停止することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記予熱プロセスが、i)前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御して、前記サセプタの前記温度を上昇させる工程と、ii)前記サセプタに関連付けられた抵抗値を監視する工程と、iii)前記抵抗値が最大値に達するときに、前記誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程と、を含む、請求項20または21に記載の方法。
【請求項33】
前記抵抗値が、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の終了前に最大値に達する場合、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の前記終了まで、前記予熱プロセスの工程i)~iii)を繰り返すことをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記サセプタに関連付けられた前記抵抗値が、前記予熱プロセスの所定の持続時間の間に最大値に達しない場合、前記エアロゾル発生装置の動作を停止することをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記予熱プロセスの間、前記電源からの電力が、前記DC/ACコンバータを介して、断続的に前記インダクタに供給される、請求項20~34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記較正プロセスが、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の前記終了を検出することに応答して実施される、請求項20~35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
前記予熱プロセスが、ユーザー入力を検出することに応答して^実施される、請求項20~36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
前記ユーザー入力が、前記エアロゾル発生装置のユーザー起動に対応する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記エアロゾル発生装置が、前記エアロゾル発生物品を受容するように構成され、前記エアロゾル発生物品が、前記サセプタおよび前記エアロゾル形成基体を含み、前記予熱プロセスが、前記エアロゾル発生物品の存在を検出することに応答して実施される、請求項20~38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
前記第二の加熱段階の間に前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御することが、前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御して、前記サセプタの温度を第一の動作温度から第二の動作温度へと段階的に上昇させることを含む、請求項1~39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
前記第一の動作温度が、前記エアロゾル形成基体がエアロゾルを形成するのに十分である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記サセプタの前記温度の前記段階的な上昇が、少なくとも三つの連続的な温度ステップを含み、各温度ステップが、持続時間を有する、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
各温度ステップの前記持続時間の間、前記サセプタの前記温度が所定の温度に維持される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記サセプタの前記温度を前記所定の温度に維持することが、前記判定された温度が事前設定された閾値温度を上回るときに、前記DC/ACコンバータに提供される電力の提供を中断することと、前記判定された温度が前記事前設定された閾値温度を下回るときに、前記DC/ACコンバータへの前記電力の提供を再開することと、を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
各温度ステップの前記持続時間が、少なくとも10秒である、請求項42~44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
各温度ステップの前記持続時間が、30秒~200秒である、請求項42~44のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
各温度ステップの前記持続時間が、40秒~160秒である、請求項42~44のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
各温度ステップの前記持続時間が、予め決められている、請求項42~47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
各温度ステップの前記所定の持続時間が、所定の回数のユーザー吸煙に対応する、請求項42~44のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
第一の温度ステップが、後続の温度ステップより長い持続時間を有する、請求項43~49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
前記サセプタに関連付けられた電流値、コンダクタンス値、および抵抗値のうちの一つを判定することをさらに含み、前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御することが、前記判定された値に基づいて、前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御することを含む、請求項1~50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
前記DC/ACコンバータの入力側において、前記電源から引き出されるDC電流を測定することをさらに含み、前記コンダクタンス値および前記抵抗値が、前記電源のDC供給電圧に基づいて、および前記電源から引き出される前記DC電流から判定される、請求項7~51のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
前記DC/ACコンバータの前記入力側において、前記電源のDC供給電圧を測定することをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
エアロゾル発生装置であって、
DC供給電圧およびDC電流を提供するための電源と、
前記電源に接続された電源電子回路であって、前記電源電子回路が、DC/ACコンバータ、および前記DC/ACコンバータからの交流電流によって通電されたときに交番磁界を発生するために前記DC/ACコンバータに接続されたインダクタであって、前記インダクタが、サセプタに結合可能であり、前記サセプタが、エアロゾル形成基体を加熱するように構成される、インダクタ、を含む、電源電子回路と、
コントローラであって、
エアロゾルを生成するための前記エアロゾル発生装置のユーザー操作中の第一の加熱段階の間に、前記サセプタに関連付けられた一つ以上の較正値を測定するために較正プロセスを実施し、エアロゾルを生成するための前記エアロゾル発生装置のユーザー操作中の第二の加熱段階の間に、前記サセプタの前記温度が前記一つ以上の較正値に基づいて調整されるように、前記電源電子回路に提供される電力を制御するように構成されたコントローラと、を備える、エアロゾル発生装置。
【請求項55】
前記電源電子回路が、前記電源から、前記DC/ACコンバータを介して前記インダクタに電力を断続的に供給するように構成されている、請求項54に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項56】
前記電源電子回路が、前記電源から、前記DC/ACコンバータを介して前記インダクタに複数のパルスとして電力を供給するように構成され、各パルスが時間間隔で分離される、請求項54または55のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項57】
前記コントローラが、前記複数のパルスのそれぞれの間の前記時間間隔を制御して、前記サセプタの前記温度を調整するように構成されている、請求項56に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項58】
前記コントローラが、前記複数のパルスの各パルスの長さを制御して、前記サセプタの前記温度を調整するように構成されている、請求項56に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項59】
前記電源電子回路に提供される前記電力を制御することが、前記サセプタに関連付けられた電流値、コンダクタンス値、または抵抗値のうちの一つを調整することを含む、請求項54~58のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項60】
前記較正プロセスを実施することが、(i)前記電源電子回路に提供される前記電力を制御して、前記サセプタの前記温度を上昇させる工程と、(ii)前記サセプタに関連付けられた電流値を監視する工程と、(iii)前記電流値が最大値に達するときに、前記電源電子回路への電力の提供を中断する工程であって、前記最大値における前記電流値が、前記サセプタの第二の較正温度に対応する、中断する工程と、(iv)前記電流値が最小値に達するまで、前記サセプタに関連付けられた前記電流値を監視する工程であって、前記最小値における前記電流値が、前記サセプタの第一の較正温度に対応する、監視する工程と、を含む、請求項54~59のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項61】
前記較正プロセスを実施することが、前記サセプタに関連付けられた前記電流値が前記最小値に達するときに、工程i)~iv)を繰り返すことをさらに含む、請求項60に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項62】
前記較正プロセスを実施することが、工程i)~iv)を繰り返す間に、前記最大値における前記電流値を前記一つ以上の較正値の較正値として記憶し、前記最小値における前記電流値を前記一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含む、請求項61に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項63】
前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御することが、前記サセプタに関連付けられた電流値を前記第一の較正温度に対応する第一の電流値と前記第二の較正温度に対応する第二の電流値との間に維持することを含む、請求項60~62のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項64】
前記較正プロセスを実施することが、i)前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御して、前記サセプタの前記温度を上昇させる工程と、ii)前記サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を監視する工程と、iii)前記コンダクタンス値が最大値に達するときに、前記誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程であって、前記最大値における前記コンダクタンス値が前記サセプタの第二の較正温度に対応する、中断する工程と、iv)前記コンダクタンス値が最小値に達するまで、前記サセプタに関連付けられた前記コンダクタンス値を監視する工程であって、前記最小値における前記コンダクタンス値が、前記サセプタの第一の較正温度に対応する、監視する工程と、を含む、請求項54~58のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項65】
前記較正プロセスを実施することが、前記サセプタに関連付けられた前記コンダクタンス値が前記最小値に達するときに、工程i)~iv)を繰り返すことをさらに含む、請求項64に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項66】
前記較正プロセスを実施することが、工程i)~iv)を繰り返す間に、前記最大値における前記コンダクタンス値を前記一つ以上の較正値の較正値として記憶し、前記最小値における前記コンダクタンス値を前記一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含む、請求項65に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項67】
前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御することが、前記サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を前記第一の較正値に対応する第一のコンダクタンス値と前記第二の較正温度に対応する第二のコンダクタンス値との間に維持することを含む、請求項64~66のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項68】
前記較正プロセスを実施することが、i)前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御して、前記サセプタの前記温度を上昇させる工程と、ii)前記サセプタに関連付けられた抵抗値を監視する工程と、iii)前記抵抗値が最小値に達するときに、前記誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程であって、前記最小値における前記抵抗値が、前記サセプタの第二の較正温度に対応する、中断する工程と、iv)前記抵抗値が最大値に達するまで、前記サセプタに関連付けられた前記抵抗値を監視する工程であって、前記最大値における前記抵抗値が、前記サセプタの第一の較正温度に対応する、監視する工程と、を含む、請求項54~58に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項69】
前記較正プロセスを実施することが、前記サセプタに関連付けられた前記抵抗値が前記最大値に達するときに、工程i)~iv)を繰り返すことをさらに含む、請求項68に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項70】
前記較正プロセスを実施することが、工程i)~iv)を繰り返す間に、前記最小値における前記抵抗値を前記一つ以上の較正値の較正値として記憶し、前記最大値における前記抵抗値を前記一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含む、請求項69に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項71】
前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御することが、前記サセプタに関連付けられた抵抗値を前記第一の較正温度に対応する第一の抵抗値と前記第二の較正温度に対応する第二の抵抗値との間に維持することを含む、請求項68~70のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項72】
前記サセプタの材料の前記第二の較正温度が、前記サセプタのキュリー温度に対応する、請求項54~71のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項73】
前記サセプタの前記第一の較正温度が、前記サセプタの前記材料の最大透過性における温度に対応する、請求項72に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項74】
前記第一の較正温度が、摂氏150度~摂氏350度であり、前記第二の較正温度が、摂氏200度~摂氏400度であり、前記第一の較正温度と前記第二の較正温度との間の温度差が、少なくとも摂氏50度である、請求項54~71のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項75】
前記コントローラが、前記第二の加熱段階の間に、所定の持続時間、所定の回数のユーザー吸煙、および所定の前記電源の電圧値のうちの一つ以上を検出することに応答して、前記サセプタに関連付けられた一つ以上の較正値を測定するために前記較正プロセスを実施するようにさらに構成されている、請求項54~74に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項76】
前記コントローラが、前記第一の加熱段階の間に、予熱プロセスを実施するようにさらに構成され、前記予熱プロセスが、前記較正プロセスの前に実施され、前記予熱プロセスが、所定の持続時間を有する、請求項54~75のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項77】
前記予熱プロセスの前記所定の持続時間が、10秒~15秒である、請求項76に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項78】
前記予熱プロセスが、i)前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御して、前記サセプタの前記温度を上昇させる工程と、ii)前記サセプタに関連付けられた少なくとも電流値を監視する工程と、iii)前記電流値が最小値に達するときに、前記誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程と、を含む、請求項76または77に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項79】
前記予熱プロセスが、前記電流値が、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の終了前に最小値に達する場合、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の前記終了まで、前記予熱プロセスの工程i)~iii)を繰り返すことをさらに含む、請求項76に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項80】
前記コントローラが、前記サセプタに関連付けられた前記電流値が、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の間に最小値に達しない場合、前記エアロゾル発生装置の動作を停止するようにさらに構成されている、請求項77に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項81】
前記予熱プロセスが、(i)前記電源電子回路に提供される前記電力を制御して、前記サセプタの前記温度を上昇させる工程と、(ii)前記サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を監視する工程と、(iii)前記コンダクタンス値が最小値に達するときに、前記電源電子回路への電力の提供を中断する工程と、を含む、請求項76または77に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項82】
前記コントローラが、前記コンダクタンス値が、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の終了前に最小値に達する場合、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の前記終了まで、前記予熱プロセスの工程(i)~(iii)を繰り返すようにさらに構成されている、請求項81に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項83】
前記コントローラが、前記サセプタに関連付けられた前記コンダクタンス値が、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の間に最小値に達しない場合、前記エアロゾル発生装置の動作を停止するようにさらに構成されている、請求項81または82に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項84】
前記予熱プロセスが、i)前記誘導加熱配設に提供される前記電力を制御して、前記サセプタの前記温度を上昇させる工程と、ii)前記サセプタに関連付けられた抵抗値を監視する工程と、iii)前記抵抗値が最大値に達するときに、前記誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程と、を含む、請求項76または77に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項85】
前記予熱プロセスが、前記抵抗値が、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の終了前に最大値に達する場合、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の前記終了まで、前記予熱プロセスの工程i)~iii)を繰り返すことをさらに含む、請求項84に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項86】
前記コントローラが、前記サセプタに関連付けられた前記抵抗値が、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の間に最大値に達しない場合、前記エアロゾル発生装置の動作を停止するようにさらに構成されている、請求項85に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項87】
前記予熱プロセスの間、前記電源からの電力が、前記DC/ACコンバータを介して、断続的に前記インダクタに供給される、請求項76~86のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項88】
前記コントローラが、前記予熱プロセスの前記所定の持続時間の前記終了を検出することに応答して、前記較正プロセスを実施するように構成されている、請求項76~87のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項89】
前記コントローラが、ユーザー入力を検出することに応答して、前記予熱プロセスを実施するように構成されている、請求項76~87のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項90】
前記ユーザー入力が、前記エアロゾル発生装置のユーザー起動に対応する、請求項89に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項91】
前記コントローラが、エアロゾル発生物品の存在を検出することに応答して、前記予熱プロセスを実施するように構成されている、請求項79~87のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項92】
前記第二の加熱段階の間に前記電源電子回路に提供される前記電力を制御することが、前記電源電子回路に提供される前記電力を制御して、前記サセプタの温度を第一の動作温度から第二の動作温度へと段階的に上昇させることを含む、請求項54~91のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項93】
前記第一の動作温度が、前記エアロゾル形成基体がエアロゾルを形成するのに十分である、請求項92に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項94】
前記サセプタの温度の前記段階的な上昇が、少なくとも三つの連続的な温度ステップを含み、各温度ステップが、持続時間を有する、請求項92または93に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項95】
前記コントローラが、各温度ステップの前記持続時間の間、前記サセプタの前記温度を所定の温度に維持するように構成されている、請求項94に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項96】
前記サセプタの前記温度を前記所定の温度に維持することが、前記判定された温度が事前設定された閾値温度を上回るときに、前記DC/ACコンバータに提供される電力の提供を中断するための制御信号を発生することと、前記判定された温度が前記事前設定された閾値温度を下回るときに、前記DC/ACコンバータへの前記電力の提供を再開することと、を含む、請求項95に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項97】
各温度ステップの前記持続時間が、少なくとも10秒である、請求項94~96のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項98】
各温度ステップの前記持続時間が、30秒~200秒である、請求項94~96のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項99】
各温度ステップの前記持続時間が、40秒~160秒である、請求項94~96のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項100】
各温度ステップの前記持続時間が、予め決められている、請求項94~99のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項101】
各温度ステップの前記持続時間が、所定の回数のユーザー吸煙に対応する、請求項94~96のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項102】
第一の温度ステップが、後続の温度ステップより長い持続時間を有する、請求項94~101のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項103】
前記コントローラが、前記サセプタに関連付けられた電流値、コンダクタンス値、または抵抗値のうちの一つを判定するようにさらに構成され、前記電源電子回路に提供される前記電力を制御することが、前記判定された値に基づいて、前記電源電子回路に前記提供される電力を制御することを含む、請求項54~102のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項104】
前記コンダクタンス値または前記抵抗値が、前記電源のDC供給電圧から、および前記電源から引き出されるDC電流から判定される、請求項56~103のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項105】
前記DC/ACコンバータの前記入力側において、前記電源から引き出されるDC電流を測定するように構成された電流センサをさらに備え、前記サセプタに関連付けられた前記コンダクタンス値および前記抵抗値が、前記電源のDC供給電圧から、および前記電源から引き出される前記DC電流から判定される、請求項59~104のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項106】
前記DC/ACコンバータの前記入力側において、前記電源の前記DC供給電圧を測定するように構成された電圧センサをさらに備える、請求項105に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項107】
前記電源電子回路が、前記インダクタのインピーダンスを前記サセプタのインピーダンスに整合させるための整合ネットワークをさらに含む、請求項56~106のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項108】
エアロゾル発生物品を取り外し可能に受容するように構成された空洞を有するハウジングをさらに備え、前記エアロゾル発生物品が、前記エアロゾル形成基体および前記サセプタを含む、請求項56~107のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項109】
エアロゾル発生システムであって:
請求項56~108のいずれか一項に記載の前記エアロゾル発生装置と、
エアロゾル発生物品と、を備え、前記エアロゾル発生物品が、前記エアロゾル形成基体および前記サセプタを含む、エアロゾル発生システム。
【請求項110】
前記サセプタが、第一の材料からなる第一の層と、第二の材料からなる第二の層とを備え、前記第一の材料が、前記第二の材料と物理的に接触して配置される、請求項109に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項111】
前記第一の材料が、アルミニウム、鉄、およびステンレス鋼のうちの一つであり、前記第二の材料が、ニッケルまたはニッケル合金である、請求項110に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項112】
前記第一の材料が、第一のキュリー温度を有し、前記第二の材料が、第二のキュリー温度を有し、前記第二のキュリー温度が、前記第一のキュリー温度より低い、請求項109または110に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項113】
前記第二の較正温度が、前記第二のサセプタ材料の前記第二のキュリー温度に対応する、請求項112に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル形成基体を加熱するための誘導加熱装置に関する。本発明はさらに、このような誘導加熱装置を含むエアロゾル発生装置、およびエアロゾル発生装置におけるエアロゾル生成を制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生装置は、エアロゾルを生成するためにエアロゾル形成基体を加熱するように構成された電気的に作動する熱源を含み得る。電気的に作動する熱源は、誘導加熱装置であってもよい。誘導加熱装置は典型的に、サセプタに誘導的に結合されるインダクタを備える。インダクタは、サセプタの加熱を引き起こす交番磁界を発生する。典型的には、サセプタはエアロゾル形成基体と直接接触し、熱はサセプタから主に伝導によってエアロゾル形成基体に伝達される。エアロゾル形成基体の温度は、サセプタの温度を制御することによって制御され得る。したがって、このようなエアロゾル発生装置は、ユーザーへのエアロゾルの最適な発生および送達を確実にするために、サセプタの温度を正確に監視および制御することが重要である。
【0003】
正確で、信頼性があり、かつ安価である誘導加熱装置の温度監視および制御を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態によれば、エアロゾル発生装置におけるエアロゾル生成を制御するための方法が提供される。装置は、誘導加熱配設および誘導加熱配設に電力を提供するための電源を備える。方法は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル発生装置のユーザー操作中の第一の加熱段階の間に、誘導加熱配設に誘導的に結合されたサセプタに関連付けられた一つ以上の較正値を測定するために較正プロセスを実施することであって、サセプタは、エアロゾル形成基体を加熱するように構成されている、実施することと、エアロゾルを生成するためのエアロゾル発生装置のユーザー操作中の第二の加熱段階の間に、サセプタの温度が一つ以上の較正値に基づいて調整されるように、誘導加熱配設に提供される電力を制御することとを含み得る。
【0005】
エアロゾル発生装置のユーザー操作中に較正を実施することは、較正プロセスを製造時に実施する場合よりも、加熱プロセスを制御するのに使用される較正値がより正確かつ確実であることを意味する。これはまた、エアロゾル発生装置が複数のタイプのサセプタに対して較正されうるという点で、柔軟性およびコスト効率を改善する。これは、サセプタが、エアロゾル発生装置の一部を形成しない別個のエアロゾル発生物品の一部を形成する場合、特に重要である。そのような状況では、製造時の較正は不可能である。
【0006】
誘導加熱配設は、DC/ACコンバータと、DC/ACコンバータに接続されたインダクタとを含み、サセプタは、インダクタに誘導的に結合されるように配設され得る。電源からの電力は、DC/ACコンバータを介して、断続的にインダクタに供給され得る。電源から供給され得る電力は、DC/ACコンバータを介して、複数のパルスとしてインダクタに供給されてもよく、各パルスは時間間隔で分離される。サセプタの温度を調整することは、複数のパルスのそれぞれの間の時間間隔を制御することを含み得る。サセプタの温度を調整することは、複数のパルスの各パルスの長さを制御することを含み得る。
【0007】
誘導加熱配設に提供される電力を制御することは、サセプタに関連付けられた電流値、コンダクタンス値、および抵抗値のうちの一つを調整することを含み得る。
【0008】
較正プロセスを実施することは、(i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、(ii)サセプタに関連付けられた電流値を監視する工程と、(iii)電流値が最大値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程であって、最大値における電流値が、サセプタの第二の較正温度に対応する、中断する工程と、(iv)電流値が最小値に達するまで、サセプタに関連付けられた電流値を監視する工程であって、最小値における電流値が、サセプタの第一の較正温度に対応する、監視する工程とを含み得る。
【0009】
較正プロセスを実施することは、サセプタに関連付けられた電流値が最小値に達するときに、工程i)~iv)を繰り返すことをさらに含んでもよい。較正プロセスを実施することは、工程i)~iv)を繰り返す間に、最大値における電流値を一つ以上の較正値の較正値として記憶し、最小値における電流値を一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含み得る。
【0010】
誘導加熱配設に提供される電力を制御することは、サセプタに関連付けられた電流値を第一の較正温度に対応する第一の電流値と第二の較正温度に対応する第二の電流値との間に維持することを含み得る。
【0011】
較正プロセスを実施することは、i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、ii)サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を監視する工程と、iii)コンダクタンス値が最大値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程であって、最大値におけるコンダクタンス値が、サセプタの第二の較正温度に対応する、中断する工程と、iv)コンダクタンス値が最小値に達するまで、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を監視する工程であって、最小値におけるコンダクタンス値が、サセプタの第一の較正温度に対応する、監視する工程とを含み得る。
【0012】
較正プロセスを実施することは、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値が最小値に達するときに、工程i)~iv)を繰り返することをさらに含んでもよい。較正プロセスを実施することは、工程i)~iv)を繰り返す間に、最大値におけるコンダクタンス値を一つ以上の較正値の較正値として記憶し、最小値におけるコンダクタンス値を一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含み得る。
【0013】
誘導加熱配設に提供される電力を制御することは、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を第一の較正温度に対応する第一のコンダクタンス値と第二の較正温度に対応する第二のコンダクタンス値との間に維持することを含み得る。
【0014】
較正プロセスを実施することは、i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、ii)サセプタに関連付けられた抵抗値を監視する工程と、iii)抵抗値が最小値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程であって、最小値における抵抗値が、サセプタの第二の較正温度に対応する、中断する工程と、iv)抵抗値が最大値に達するまで、サセプタに関連付けられた抵抗値を監視する工程であって、最大値における抵抗値が、サセプタの第一の較正温度に対応する、監視する工程とを含み得る。
【0015】
較正プロセスを実施することは、サセプタに関連付けられた抵抗値が最大値に達するときに、工程i)~iv)を繰り返すことをさらに含んでもよい。較正プロセスを実施することは、工程i)~iv)を繰り返す間に、最小値における抵抗値を一つ以上の較正値の較正値として記憶し、最大値における抵抗値を一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含み得る。
【0016】
誘導加熱配設に提供される電力を制御することは、サセプタに関連付けられた抵抗値を第一の較正温度に対応する第一の抵抗値と第二の較正温度に対応する第二の抵抗値との間に維持することを含み得る。
【0017】
サセプタの第二の較正温度は、サセプタの材料のキュリー温度に対応してもよい。サセプタの第一の較正温度は、サセプタの材料の最大透過性における温度に対応し得る。
【0018】
サセプタは、第一のキュリー温度を有する第一のサセプタ材料および第二のキュリー温度を有する第二のサセプタ材料を備えてもよく、第二のキュリー温度は第一のキュリー温度よりも低い。第二の較正温度は、第二のサセプタ材料の第二のキュリー温度に対応してもよい。第一および第二のサセプタ材料は、一緒に結合され、それ故に互いに物理的に密着して接触し、それによって両方のサセプタ材料が熱伝導に起因して同じ温度を有することが確保される、二つの別個のサセプタ材料であることが好ましい。二つのサセプタ材料は、好ましくは、それらの主表面のうちの一つに沿って結合される二つの層またはストリップであることが好ましい。サセプタはさらに、サセプタ材料のさらなる第三の層を含んでもよい。サセプタ材料の第三の層は、第一のサセプタ材料から作製されてもよい。サセプタ材料の第三の層の厚さは、第二のサセプタ材料の第二の層の厚さよりも小さくてもよい。
【0019】
第一の較正温度は、摂氏150度~摂氏350度であってもよい。第二の較正温度は、摂氏200度~摂氏400度であってもよい。第一の較正温度と第二の較正温度との間の温度差は、少なくとも摂氏50度であってもよい。
【0020】
較正プロセスを実施することは、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値が最小値に達するときに、工程(i)~(iv)を繰り返すことをさらに含んでもよい。
【0021】
較正プロセスを実施することは、工程(i)~(iv)を繰り返す間に、最大値におけるコンダクタンス値を一つ以上の較正値の較正値として記憶し、最小値におけるコンダクタンス値を一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含み得る。
【0022】
較正プロセスは、エアロゾル生成を遅らせることなく、迅速で信頼性が高い。さらに、較正プロセスの工程を繰り返すことで、熱が基体内に分布する時間が多くなってきたため、その後の温度調節が大幅に改善される。少なくとも測定された電流値に基づいて較正プロセスを実施することは、電源の電圧が一定のままであると仮定する。したがって、較正プロセス中にコンダクタンス値または抵抗値を監視すること(したがって測定された電流値および電圧値の両方を使用すること)により、電源の電圧が長期間にわたって(例えば、何度も再充電された後に)変化する場合の較正の信頼性がさらに改善される。
【0023】
方法は、第二の加熱段階の間に、所定の持続時間、所定の回数のユーザー吸煙、および所定の電源の電圧値のうちの一つ以上を検出することに応答して、サセプタに関連付けられた一つ以上の較正値を測定するために較正プロセスを実施することをさらに含み得る。
【0024】
条件は、エアロゾル発生装置のユーザー操作中に変わることがある。例えば、サセプタは、誘導加熱配設に対して移動してもよく、電源(例えば、電池)は、経時的にいくらかの効率を失う可能性があるなどである。したがって、所定の持続時間、所定の回数のユーザー吸煙、および所定の電源の電圧値のうちの一つ以上を検出することに応答して較正プロセスを実施することにより、較正値の信頼性が確保され、それによって、エアロゾル発生装置の使用全体を通して、最適な温度調節が維持されることが確保される。
【0025】
方法は、第一の加熱段階の間、予熱プロセスを実施することをさらに含みうる。予熱プロセスは、較正プロセスの前に実施されてもよい。予熱プロセスは、所定の持続時間を有し得る。予熱プロセスの所定の持続時間は、10秒~15秒であってもよい。
【0026】
予熱プロセスは、i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、ii)サセプタに関連付けられた少なくとも電流値を監視する工程と、iii)電流値が最小値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程とを含み得る。
【0027】
電流値が、予熱プロセスの所定の持続時間の終了前に最小値に達する場合、予熱プロセスの所定の持続時間の終了まで、予熱プロセスの工程i)~iii)を繰り返してもよい。
【0028】
サセプタに関連付けられた電流値が、予熱プロセスの所定の持続時間の間に最小値に達しない場合、エアロゾル発生装置の動作は停止されうる。
【0029】
予熱プロセスは、(i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、(ii)サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を監視する工程と、(iii)コンダクタンス値が最小値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程とを含み得る。
【0030】
方法は、コンダクタンス値が予熱プロセスの所定の持続時間の終了前に最小に達する場合、予熱プロセスの所定の持続時間の終了まで、予熱プロセスの工程(i)~(iii)を繰り返すことをさらに含んでもよい。
【0031】
所定の時持続時間により、基体の物理的状態(例えば、基体が乾燥しているか湿っているか)に関係なく、熱が、較正プロセス中に測定された最小コンダクタンス値に達するまでに、基体内で拡散することが可能になる。これにより、較正プロセスの信頼性が保証される。
【0032】
方法は、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値が予熱プロセスの所定の持続時間の間に最小値に達しない場合、エアロゾル発生装置の動作を停止することをさらに含み得る。
【0033】
予熱プロセスは、i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、ii)サセプタに関連付けられた抵抗値を監視する工程と、iii)抵抗値が最大値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程とを含み得る。
【0034】
抵抗値が、予熱プロセスの所定の持続時間の終了前に最大値に達する場合、予熱プロセスの所定の持続時間の終了まで、予熱プロセスの工程i)~iii)を繰り返してもよい。
【0035】
サセプタに関連付けられた抵抗値が予熱プロセスの所定の持続時間の間に最大値に達しない場合、方法は、エアロゾル発生装置の動作を停止することをさらに含み得る。
【0036】
予熱プロセスにより、較正プロセスの起動前に基体内に熱が拡散することが可能になり、それによって、較正値の信頼性がさらに改善される。
【0037】
サセプタは、エアロゾル発生装置に挿入されるように構成されたエアロゾル発生物品の一部であることが好ましい。エアロゾル発生装置と共に使用されるように構成されていないエアロゾル発生物品は、承認されたエアロゾル発生物品と同じ挙動を示さない。具体的には、サセプタに関連付けられたコンダクタンスが予熱プロセスの所定の持続時間中に最小値に達しない。したがって、これは、承認されていないエアロゾル発生物品の使用を防止する。
【0038】
予熱プロセス中、電源からの電力は、DC/ACコンバータを介して、継続的にインダクタに供給されうる。
【0039】
較正プロセスは、予熱プロセスの所定の持続時間の終了を検出することに応答して実施されてもよい。
【0040】
予熱プロセスは、ユーザー入力を検出することに応答して実施されてもよい。ユーザー入力は、エアロゾル発生装置のユーザー起動に対応してもよい。
【0041】
サセプタおよびエアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部を形成してもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を取り外し可能に受容するように構成されてもよい。予熱プロセスは、エアロゾル発生物品の存在を検出することに応答して実施されてもよい。
【0042】
第二の加熱段階の間に誘導加熱配設に提供される電力を制御することは、誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を第一の動作温度から第二の動作温度へと段階的に上昇させることを含み得る。
【0043】
第一の動作温度は、エアロゾル形成基体がエアロゾルを形成するのに十分であり得る。サセプタの温度の段階的な上昇は、少なくとも三つの連続的な温度ステップを含み得る。各温度ステップは、持続時間を有し得る。各温度ステップの持続時間の間、サセプタの温度は所定の温度に維持され得る。
【0044】
誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を段階的に上昇させることにより、例えば、14回の吸煙などの多数の吸煙、または6分など所定の時間間隔の完全なユーザー体験を含む、持続期間にわたるエアロゾルの発生が可能になり、送達(ニコチン、風味、エアロゾル体積など)はユーザー体験全体を通して吸煙ごとに実質的に一定である。具体的には、サセプタの温度が、時間の経過に伴う基体の枯渇および熱拡散の減少によるエアロゾル送達の減少を防止する場合、段階的増加がもたらされる。さらに、温度を段階的に増加させることにより、各ステップで熱が基体内に広がることが可能になる。
【0045】
サセプタの温度を所定の温度に維持することは、判定された温度が事前設定された閾値温度を上回るときに、DC/ACコンバータに提供される電力の提供を中断することと、判定された温度が事前設定された閾値温度を下回るときに、DC/ACコンバータへの電力の提供を再開することとを含み得る。
【0046】
各温度ステップの持続時間は、少なくとも10秒であってもよい。各温度ステップの持続時間は、30秒~200秒であってもよい。各温度ステップの持続時間は、40秒~160秒であってもよい。第一の温度ステップは、後続の温度ステップより長い持続時間を有してもよい。各温度ステップの持続時間は、予め決められてもよい。
【0047】
各温度ステップの持続時間は、所定の数のユーザー吸煙に対応してもよい。
【0048】
方法は、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値、電流値、または抵抗値のうちの一つを判定することをさらに含んでもよく、誘導加熱配設に提供される電力を制御することは、判定された値に基づいて、誘導加熱配設に提供される電力を制御することを含む。
【0049】
方法は、DC/ACコンバータの入力側において、電源から引き出されるDC電流を測定することをさらに含み得る。コンダクタンス値および抵抗値は、電源のDC供給電圧に基づいて、および電源から引き出されるDC電流から判定されてもよい。方法は、DC/ACコンバータの入力側において、電源のDC供給電圧を測定することをさらに含み得る。これは、サセプタの実際のコンダクタンス(サセプタが物品の一部を形成する場合には、決定できない)と、このように決定される見かけのコンダクタンス(サセプタが、結合される(DC/ACコンバータの)LCR回路のコンダクタンスを付与するため、負荷(R)の大部分がサセプタの抵抗によるものであるため)との間に単調な関係があるという事実による。コンダクタンスは1/Rである。したがって、このテキストにおいて、発明者らがサセプタのコンダクタンスに言及する場合、実際には、サセプタが別個のエアロゾル発生物品の一部を形成する場合の見かけのコンダクタンスに言及している。
【0050】
本発明の別の実施形態によれば、DC供給電圧およびDC電流を提供するための電源と、電源に接続された電源電子回路とを備えるエアロゾル発生装置が提供されている。電源電子回路は、DC/ACコンバータ、DC/ACコンバータからの交流電流によって通電されたときに交番磁界を発生するためにDC/ACコンバータに接続されたインダクタであって、サセプタと結合可能であり、サセプタはエアロゾル形成基体を加熱するように構成されている、インダクタ、およびコントローラを含み得る。コントローラは、エアロゾルを生成するためのエアロゾル発生装置のユーザー操作中の第一の加熱段階の間に、サセプタに関連付けられた一つ以上の較正値を測定するために較正プロセスを実施し、エアロゾルを生成するためのエアロゾル発生装置のユーザー操作中の第二の加熱段階の間に、サセプタの温度が一つ以上の較正値に基づいて調整されるように、電源電子回路に提供される電力を制御するように構成され得る。
【0051】
電源電子回路は、電源から、DC/ACコンバータを介してインダクタに電力を断続的に供給するように構成され得る。
【0052】
電源電子回路は、電源から、DC/ACコンバータを介してインダクタに複数のパルスとして電力を供給するように構成されてもよく、各パルスは時間間隔で分離される。
【0053】
コントローラは、複数のパルスのそれぞれの間の時間間隔を制御して、サセプタの温度を調整するように構成され得る。
【0054】
コントローラは、複数のパルスの各パルスの長さを制御して、サセプタの温度を調整するように構成されてもよい。
【0055】
電源電子機器に提供される電力を制御することは、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を調整することを含み得る。
【0056】
較正プロセスを実施することは、(i)電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、(ii)サセプタに関連付けられた電流値を監視する工程と、(iii)電流値が最大値に達するときに、電源電子回路への電力の提供を中断する工程であって、最大値における電流値が、サセプタの第二の較正温度に対応する、中断する工程と、(iv)電流値が最小値に達するまで、サセプタに関連付けられた電流値を監視する工程であって、最小値における電流値が、サセプタの第一の較正温度に対応する、監視する工程とを含み得る。
【0057】
較正プロセスを実施することは、サセプタに関連付けられた電流値が最小値に達するときに、工程i)~iv)を繰り返すことをさらに含んでもよい。較正プロセスを実施することは、工程i)~iv)を繰り返す間に、最大値における電流値を一つ以上の較正値の較正値として記憶し、最小値における電流値を一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含み得る。
【0058】
誘導加熱配設に提供される電力を制御することは、サセプタに関連付けられた電流値を第一の較正温度に対応する第一の電流値と第二の較正温度に対応する第二の電流値との間に維持することを含み得る。
【0059】
較正プロセスを実施することは、i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、ii)サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を監視する工程と、iii)コンダクタンス値が最大値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程であって、最大値におけるコンダクタンス値が、サセプタの第二の較正温度に対応する、中断する工程と、iv)コンダクタンス値が最小値に達するまで、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を監視する工程であって、最小値におけるコンダクタンス値が、サセプタの第一の較正温度に対応する、監視する工程とを含み得る。
【0060】
較正プロセスを実施することは、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値が最小値に達するときに、工程i)~iv)を繰り返することをさらに含んでもよい。較正プロセスを実施することは、工程i)~iv)を繰り返す間に、最大値におけるコンダクタンス値を一つ以上の較正値の較正値として記憶し、最小値におけるコンダクタンス値を一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含み得る。
【0061】
誘導加熱配設に提供される電力を制御することは、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を第一の較正温度に対応する第一のコンダクタンス値と第二の較正温度に対応する第二のコンダクタンス値との間に維持することを含み得る。
【0062】
較正プロセスを実施することは、i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、ii)サセプタに関連付けられた抵抗値を監視する工程と、iii)抵抗値が最小値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程であって、最小値における抵抗値が、サセプタの第二の較正温度に対応する、中断する工程と、iv)抵抗値が最大値に達するまで、サセプタに関連付けられた抵抗値を監視する工程であって、最大値における抵抗値が、サセプタの第一の較正温度に対応する、監視する工程とを含み得る。
【0063】
較正プロセスを実施することは、サセプタに関連付けられた抵抗値が最大値に達するときに、工程i)~iv)を繰り返すことをさらに含んでもよい。
【0064】
較正プロセスを実施することは、工程i)~iv)を繰り返す間に、最小値における抵抗値を一つ以上の較正値の較正値として記憶し、最大値における抵抗値を一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含み得る。
【0065】
誘導加熱配設に提供される電力を制御することは、サセプタに関連付けられた抵抗値を第一の較正温度に対応する第一の抵抗値と第二の較正温度に対応する第二の抵抗値との間に維持することを含み得る。
【0066】
サセプタの第二の較正温度は、サセプタの材料のキュリー温度に対応してもよい。サセプタの第一の較正温度は、サセプタの材料の最大透過性における温度に対応し得る。
【0067】
第一の較正温度は、摂氏150度~摂氏350度であってもよく、第二の動作温度は、摂氏200度~摂氏400度である。第一の較正温度と第二の較正温度との間の温度差は、少なくとも摂氏50度である。
【0068】
コントローラは、第二の加熱段階の間に、所定の持続時間、所定の回数のユーザー吸煙、および所定の電源の電圧値のうちの一つ以上を検出することに応答して、サセプタに関連付けられた一つ以上の較正値を測定するために較正プロセスを実施するようにさらに構成されてもよい。
【0069】
コントローラはさらに、第一の加熱段階の間に、予熱プロセスを実施するように構成されてもよい。予熱プロセスは、較正プロセスの前に実施されてもよい。予熱プロセスは、所定の持続時間を有し得る。予熱プロセスの所定の持続時間は、10秒~15秒であってもよい。
【0070】
予熱プロセスは、i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、ii)サセプタに関連付けられた少なくとも電流値を監視する工程と、iii)電流値が最小値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程とを含み得る。
【0071】
予熱プロセスは、電流値が予熱プロセスの所定の持続時間の終了前に最小に達する場合、予熱プロセスの所定の持続時間の終了まで、予熱プロセスの工程i)~iii)を繰り返すことをさらに含んでもよい。
【0072】
コントローラはさらに、サセプタに関連付けられた電流値が、予熱プロセスの所定の持続時間の間に最小値に達しない場合、エアロゾル発生装置の動作を停止するように構成され得る。
【0073】
予熱プロセスは、(i)電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、(ii)サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を監視する工程と、(iii)コンダクタンス値が最小値に達するときに、電源電子回路への電力の提供を中断する工程とを含み得る。
【0074】
コントローラは、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値が、予熱プロセスの所定の持続時間の終了前に最小値に達する場合、予熱プロセスの所定の持続時間の終了まで、予熱プロセスの工程(i)~(iii)を繰り返すようにさらに構成されてもよい。
【0075】
コントローラはさらに、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値が、予熱プロセスの所定の持続時間の間に最小値に達しない場合、エアロゾル発生装置の動作を停止するように構成される。
【0076】
予熱プロセスは、i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、ii)サセプタに関連付けられた抵抗値を監視する工程と、iii)抵抗値が最大値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程とを含み得る。
【0077】
予熱プロセスは、抵抗値が予熱プロセスの所定の持続時間の終了前に最大値に達する場合、予熱プロセスの所定の持続時間の終了まで、予熱プロセスの工程i)~iii)を繰り返すことをさらに含んでもよい。
【0078】
コントローラはさらに、サセプタに関連付けられた抵抗値が、予熱プロセスの所定の持続時間の間に最大値に達しない場合、エアロゾル発生装置の動作を停止するように構成され得る。
【0079】
予熱プロセス中、電源からの電力は、DC/ACコンバータを介して、継続的にインダクタに供給されうる。
【0080】
コントローラは、予熱プロセスの所定の持続時間の終了を検出することに応答して、較正プロセスを実施するように構成される。
【0081】
コントローラは、ユーザー入力を検出することに応答して、予熱プロセスを実施するように構成されてもよい。ユーザー入力は、エアロゾル発生装置のユーザー起動に対応してもよい。
【0082】
コントローラは、エアロゾル発生物品の存在を検出することに応答して、予熱プロセスを実施するように構成されてもよい。
【0083】
第二の加熱段階の間に電源電子回路に提供される電力を制御することは、電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタの温度を第一の動作温度から第二の動作温度へと段階的に上昇させることを含み得る。第一の動作温度は、エアロゾル形成基体がエアロゾルを形成するのに十分であり得る。
【0084】
誘導加熱配設に提供される電力を制御してサセプタの温度を段階的に上昇させることにより、持続的な期間にわたるエアロゾルの発生が可能になり、基体の枯渇に起因するエアロゾル送達の低減、および経時的な熱拡散の低減を防止することが可能になる。さらに、温度を段階的に増加させることにより、各ステップで熱が基体内に広がることが可能になる。
【0085】
サセプタの温度の段階的な上昇は、少なくとも三つの温度ステップを含んでもよい。各温度ステップは、持続時間を有し得る。
【0086】
コントローラは、各温度ステップの持続時間の間、サセプタの温度を所定の温度に維持するように構成され得る。
【0087】
サセプタの温度を所定の温度に維持することは、判定された温度が事前設定された閾値温度を上回るときに、DC/ACコンバータに提供される電力の提供を中断するための制御信号を発生することと、判定された温度が事前設定された閾値温度を下回るときに、DC/ACコンバータへの電力の提供を再開することとを含み得る。
【0088】
各温度ステップの所定の持続時間は、少なくとも10秒であってもよい。各温度ステップの持続時間は、30秒~200秒であってもよい。各温度ステップの持続時間は、40秒~160秒であってもよい。第一の温度ステップは、後続の温度ステップより長い持続時間を有してもよい。各温度ステップの持続時間は、予め決められてもよい。各温度ステップの持続時間は、所定の数のユーザー吸煙に対応してもよい。
【0089】
コントローラはさらに、サセプタに関連付けられた電流値、コンダクタンス値、または抵抗のうちの一つを判定するように構成され得る。電源電子回路に提供される電力を制御することは、判定された値に基づいて、電源電子回路に提供される電力を制御することを含み得る。
【0090】
コンダクタンス値は、電源のDC供給電圧から、および電源から引き出されるDC電流から判定され得る。
【0091】
エアロゾル発生装置は、DC/ACコンバータの入力側において、電源から引き出されるDC電流を測定するように構成された電流センサをさらに備えてもよい。サセプタに関連付けられたコンダクタンス値は、電源のDC供給電圧から、および電源から引き出されるDC電流から判定され得る。
【0092】
エアロゾル発生装置は、DC/ACコンバータの入力側において、電源のDC供給電圧を測定するように構成された電圧センサをさらに備えてもよい。
【0093】
電源電子回路は、インダクタのインピーダンスをサセプタのインピーダンスに整合させるための整合ネットワークをさらに備えてもよい。
【0094】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を取り外し可能に受容するように構成された空洞を有するハウジングをさらに備えてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体およびサセプタを備えてもよい。
【0095】
本発明の別の態様によれば、エアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生システムは、上述のエアロゾル発生装置を備え得る。エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生物品をさらに備え得る。エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体およびサセプタを備えてもよい。
【0096】
サセプタは、第一の材料からなる第一の層と、第二の材料からなる第二の層とを含み得る。第一の材料は、第二の材料と密接に物理的に接触して配置されてもよい。第一の材料は、アルミニウム、鉄、およびステンレス鋼のうちの一つであってもよく、第二の材料は、ニッケルまたはニッケル合金である。第一の材料は第一のキュリー温度を有してもよく、また第二の材料は第二のキュリー温度を有してもよい。第二のキュリー温度は第一のキュリー温度より低くてもよい。第二の較正温度は、第二のサセプタ材料の第二のキュリー温度に対応してもよい。
【0097】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置を指す。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、エアロゾル形成基体を含むカートリッジとのうちの一方または両方と相互作用してもよい。一部の実施例において、エアロゾル発生装置はエアロゾル形成基体を加熱して、基体からの揮発性化合物の放出を容易にする場合がある。電気的に作動するエアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成するための、電気ヒーターなどのアトマイザーを備えてもよい。
【0098】
本明細書で使用される「エアロゾル発生システム」という用語は、エアロゾル形成基体とのエアロゾル発生装置の組み合わせを指す。エアロゾル形成基体が、エアロゾル発生物品の一部を形成する時、エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生物品とのエアロゾル発生装置の組み合わせを指す。エアロゾル発生システムでは、エアロゾル形成基体およびエアロゾル発生装置は協働して、エアロゾルを発生する。
【0099】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱する、または燃焼することによって放出されてもよい。加熱または燃焼に代わるものとして、一部の場合において、化学反応によって、または超音波などの機械的な刺激によって揮発性化合物が放出されてもよい。エアロゾル形成基体は固体であってもよく、または固体構成成分と液体構成成分の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部であってもよい。
【0100】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。たばこを含むエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品は、本明細書においてたばこスティックと呼ばれる場合がある。
【0101】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。エアロゾル形成基体はたばこを含んでもよく、例えば加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料、例えばキャストリーフたばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は固体成分と液体成分の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例はグリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0102】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル冷却要素」は、使用中に、エアロゾル形成基体から放出される揮発性化合物によって形成されたエアロゾルが、ユーザーによって吸入される前にエアロゾル冷却要素を通過し、かつエアロゾル冷却要素によって冷却されるように、エアロゾル形成基体の下流に位置するエアロゾル発生物品の構成要素を指す。エアロゾル冷却要素は広い表面積を有するが、低い圧力降下を生じさせる。高い圧力降下を発生させるフィルターおよび他のマウスピース(例えば繊維の束で形成されたフィルター)は、エアロゾル冷却要素とは見なされない。エアロゾル発生物品内のチャンバーおよび空洞は、エアロゾル冷却要素とは見なされない。
【0103】
本明細書で使用される場合、「マウスピース」という用語は、エアロゾルを直接吸入するためにユーザーの口の中へと入れられる、エアロゾル発生物品、エアロゾル発生装置、またはエアロゾル発生システムの一部分を意味する。
【0104】
本明細書で使用される場合、「サセプタ」という用語は、磁場のエネルギーを熱へと変換する能力を有する材料を含む要素を指す。サセプタが交番磁界内に位置しているときに、サセプタは加熱される。サセプタの加熱は、サセプタ材料の電気的特性および磁性に依存して、サセプタ内で誘導されるヒステリシス損失および渦電流のうちの少なくとも一つの結果であり得る。
【0105】
エアロゾル発生装置に言及する際に本明細書で使用される場合、「上流」および「前方」、ならびに「下流」および「後方」という用語は、エアロゾル発生装置の使用中に空気がエアロゾル発生装置を通って流れる方向に関連して、エアロゾル発生装置の構成要素の、または構成要素の部分の相対的な位置を説明するために使用される。本発明によるエアロゾル発生装置は、使用時にエアロゾルが通って装置を出る近位端を備える。エアロゾル発生装置の近位端はまた、口側端または下流端と呼ばれてもよい。口側端は遠位端の下流である。エアロゾル発生物品の遠位端はまた、上流端と呼ばれてもよい。エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分は、エアロゾル発生装置の気流経路に対するこれらの相対的な位置に基づいて、互いの上流または下流にあるものとして説明されてもよい。
【0106】
エアロゾル発生物品に言及する際に本明細書で使用される場合、「上流」および「前方」、ならびに「下流」および「後方」という用語は、エアロゾル発生物品の使用中にエアロゾル発生物品を通って空気が流れる方向に関連して、エアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の部分の相対的位置を説明するために使用される。本発明によるエアロゾル発生物品は、使用時にエアロゾルが通って物品を出る近位端を備える。エアロゾル発生物品の近位端はまた、口側端または下流端と呼ばれる場合がある。口側端は遠位端の下流である。エアロゾル発生物品の遠位端はまた、上流端と呼ばれてもよい。エアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の部分は、エアロゾル発生物品の近位端とエアロゾル発生物品の遠位端との間のこれらの相対的位置に基づき互いの上流または下流にあると説明されうる。エアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の部分の前方は、エアロゾル発生物品の上流端に最も近い端にある部分である。エアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の部分の後方は、エアロゾル発生物品の下流端に最も近い端にある部分である。
【0107】
本明細書で使用される場合、「誘導的に結合する」という用語は、交番磁界によって貫通されたときにサセプタを加熱することを指す。加熱は、サセプタ内の渦電流の発生によって引き起こされ得る。加熱は、磁気ヒステリシス損失によって引き起こされてもよい。
【0108】
本明細書で使用される場合、「吸煙」という用語は、ユーザーが、エアロゾルをユーザーの口または鼻を介してユーザーの身体に吸い込む動作を意味する。
【0109】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供する。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0110】
実施例1
エアロゾル発生装置におけるエアロゾル生成を制御するための方法であって、装置が、誘導加熱配設と、誘導加熱配設に電力を提供するための電源とを備え、方法が、エアロゾルを生成するためのエアロゾル発生装置のユーザー操作中の第一の加熱段階の間に、誘導加熱配設に誘導的に結合されたサセプタに関連付けられた一つ以上の較正値を測定するために較正プロセスを実施することであって、サセプタが、エアロゾル形成基体を加熱するように構成されている、実施することと、エアロゾルを生成するためのエアロゾル発生装置のユーザー操作中の第二の加熱段階の間に、サセプタの温度が一つ以上の較正値に基づいて調整されるように、誘導加熱配設に提供される電力を制御することと、を含む、方法。
実施例2
誘導加熱配設が、DC/ACコンバータ、およびDC/ACコンバータに接続されたインダクタを含み、サセプタが、インダクタに誘導的に結合されるように配設される、実施例1による方法。
実施例3
電源からの電力が、DC/ACコンバータを介して、断続的にインダクタに供給される、実施例2による方法。
実施例4
電源からの電力が、DC/ACコンバータを介して、複数のパルスとしてインダクタに供給され、各パルスが時間間隔で分離される、実施例2または3による方法。
実施例5
サセプタの温度を調整することが、複数のパルスのそれぞれの間の時間間隔を制御することを含む、実施例4による方法。
実施例6
サセプタの温度を調整することが、複数のパルスの各パルスの長さを制御することを含む、実施例4による方法。
実施例7
誘導加熱配設に提供される電力を制御することが、サセプタに関連付けられた電流値、コンダクタンス値、および抵抗値のうちの一つを調整することを含む、実施例1~6のいずれかによる方法。
実施例8
較正プロセスを実施することが、(i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、(ii)サセプタに関連付けられた少なくとも電流値を監視する工程と、(iii)電流値が最大値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程であって、最大値における電流値が、サセプタの第二の較正温度に対応する、中断する工程と、(iv)電流値が最小値に達するまで、サセプタに関連付けられた電流値を監視する工程であって、最小値における電流値が、サセプタの第一の較正温度に対応する、監視する工程と、を含む、実施例1~7のいずれかによる方法。
実施例9
較正プロセスを実施することが、サセプタに関連付けられた電流値が最小値に達するときに、工程i)~iv)を繰り返すことをさらに含む、実施例8による方法。
実施例10
較正プロセスを実施することが、工程i)~iv)を繰り返す間に、最大値における電流値を一つ以上の較正値の較正値として記憶し、最小値における電流値を一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含む、実施例9による方法。
実施例11
誘導加熱配設に提供される電力を制御することが、サセプタに関連付けられた電流値を第一の較正温度に対応する第一の電流値と第二の較正温度に対応する第二の電流値との間に維持することを含む、実施例8~10のいずれかによる方法。
実施例12
較正プロセスを実施することが、i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、ii)サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を監視する工程と、iii)コンダクタンス値が最大値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程であって、最大値におけるコンダクタンス値が、サセプタの第二の較正温度に対応する、中断する工程と、iv)コンダクタンス値が最小値に達するまで、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を監視する工程であって、最小値におけるコンダクタンス値が、サセプタの第一の較正温度に対応する、監視する工程と、を含む、実施例1~7のいずれかによる方法。
実施例13
較正プロセスを実施することが、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値が最小値に達するときに、工程i)~iv)を繰り返すことをさらに含む、実施例12による方法。
実施例14
較正プロセスを実施することが、工程i)~iv)を繰り返す間に、最大値におけるコンダクタンス値を一つ以上の較正値の較正値として記憶し、最小値におけるコンダクタンス値を一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含む、実施例13による方法。
実施例15
誘導加熱配設に提供される電力を制御することが、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を第一の較正温度に対応する第一のコンダクタンス値と第二の較正温度に対応する第二のコンダクタンス値との間に維持することを含む、実施例12~14のいずれかによる方法。
実施例16
較正プロセスを実施することが、i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、ii)サセプタに関連付けられた抵抗値を監視する工程と、iii)抵抗値が最小値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程であって、最小値における抵抗値が、サセプタの第二の較正温度に対応する、中断する工程と、iv)抵抗値が最大値に達するまで、サセプタに関連付けられた抵抗値を監視する工程であって、最大値における抵抗値が、サセプタの第一の較正温度に対応する、監視する工程と、を含む、実施例1~7のいずれかによる方法。
実施例17
較正プロセスを実施することが、サセプタに関連付けられた抵抗値が最大値に達するときに、工程i)~iv)を繰り返すことをさらに含む、実施例16による方法。
実施例18
較正プロセスを実施することが、工程i)~iv)を繰り返す間に、最小値における抵抗値を一つ以上の較正値の較正値として記憶し、最大値における抵抗値を一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含む、実施例17による方法。
実施例19
誘導加熱配設に提供される電力を制御することが、サセプタに関連付けられた抵抗値を第一の較正温度に対応する第一の抵抗値と第二の較正温度に対応する第二の抵抗値との間に維持することを含む、実施例16~18のいずれかによる方法。
実施例20
サセプタの第二の較正温度が、サセプタの材料のキュリー温度に対応し、サセプタの第一の較正温度が、サセプタの材料の最大透過性における温度に対応する、実施例8~19のいずれかによる方法。
実施例21
サセプタが、第一のキュリー温度を有する第一のサセプタ材料と第二のキュリー温度を有する第二のサセプタ材料とを含み、第二のキュリー温度が第一のキュリー温度より低く、第二の較正温度が、第二のサセプタ材料の第二のキュリー温度に対応する、実施例8または19のいずれかによる方法。
実施例22
第一の較正温度が、摂氏150度~摂氏350度であり、第二の較正温度が、摂氏200度~摂氏400度であり、第一の較正温度と第二の較正温度との間の温度差が、少なくとも摂氏50度である、実施例8~21のいずれかによる方法。
実施例23
第二の加熱段階の間に、所定の持続時間、所定の回数のユーザー吸煙、および所定の電源の電圧値のうちの一つ以上を検出することに応答して、サセプタに関連付けられた一つ以上の較正値を測定するために較正プロセスを実施することをさらに含む、実施例1~22のいずれかによる方法。
実施例24
第一の加熱段階の間に、予熱プロセスを実施することをさらに含み、予熱プロセスが、較正プロセスの前に実施され、予熱プロセスが、所定の持続時間を有する、実施例1~23のいずれかによる方法。
実施例25
予熱プロセスの所定の持続時間が、10秒~15秒である、実施例24による方法。
実施例26
予熱プロセスが、i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、ii)サセプタに関連付けられた少なくとも電流値を監視する工程と、iii)電流値が最小値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程と、を含む、実施例24または25による方法。
実施例27
電流値が、予熱プロセスの所定の持続時間の終了前に最小値に達する場合、予熱プロセスの所定の持続時間の終了まで、予熱プロセスの工程i)~iii)を繰り返すことをさらに含む、実施例26による方法。
実施例28
サセプタに関連付けられた電流値が、予熱プロセスの所定の持続時間の間に最小値に達しない場合、エアロゾル発生装置の動作を停止することをさらに含む、実施例27による方法。
実施例29
予熱プロセスが、(i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、(ii)サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を監視する工程と、(iii)コンダクタンス値が最小値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程と、を含む、実施例24または25による方法。
実施例30
コンダクタンス値が、予熱プロセスの所定の持続時間の終了前に最小値に達する場合、予熱プロセスの所定の持続時間の終了まで、予熱プロセスの工程(i)~(iii)を繰り返すことをさらに含む、実施例29による方法。
実施例31
サセプタに関連付けられたコンダクタンス値が、予熱プロセスの所定の持続時間の間に最小値に達しない場合、エアロゾル発生装置の動作を停止することをさらに含む、実施例30による方法。
実施例32
予熱プロセスが、i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、ii)サセプタに関連付けられた抵抗値を監視する工程と、iii)抵抗値が最大値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程と、を含む、実施例20または21による方法。
実施例33
抵抗値が予熱プロセスの所定の持続時間の終了前に最大値に達する場合、予熱プロセスの所定の持続時間の終了まで、予熱プロセスの工程i)~iii)を繰り返すことをさらに含む、実施例32による方法。
実施例34
サセプタに関連付けられた抵抗値が、予熱プロセスの所定の持続時間の間に最大値に達しない場合、エアロゾル発生装置の動作を停止することをさらに含む、実施例33による方法。
実施例35
予熱プロセスの間、電源からの電力が、DC/ACコンバータを介して、断続的にインダクタに供給される、実施例20~34のいずれかによる方法。
実施例36
較正プロセスが、予熱プロセスの所定の持続時間の終了を検出することに応答して実施される、実施例20~35のいずれかによる方法。
実施例37
予熱プロセスが、ユーザー入力を検出することに応答して実施される、実施例20~36のいずれかによる方法。
実施例38
ユーザー入力が、エアロゾル発生装置のユーザー起動に対応する、実施例37による方法。
実施例39
エアロゾル発生装置が、エアロゾル発生物品を受容するように構成され、エアロゾル発生物品が、サセプタおよびエアロゾル形成基体を含み、予熱プロセスが、エアロゾル発生物品の存在を検出することに応答して実施される、実施例20~38のいずれかによる方法。
実施例40
第二の加熱段階の間に誘導加熱配設に提供される電力を制御することが、誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を第一の動作温度から第二の動作温度へと段階的に上昇させることを含む、実施例1~39のいずれかによる方法。
実施例41
第一の動作温度が、エアロゾル形成基体がエアロゾルを形成するのに十分である、実施例40による方法。
実施例42
サセプタの温度の段階的な上昇が、少なくとも三つの連続的な温度ステップを含み、各温度ステップが、持続時間を有する、実施例40または41による方法。
実施例43
各温度ステップの持続時間の間、サセプタの温度が所定の温度に維持される、実施例42による方法。
実施例44
サセプタの温度を所定の温度に維持することが、判定された温度が事前設定された閾値温度を上回るときに、DC/ACコンバータに提供される電力の提供を中断することと、判定された温度が事前設定された閾値温度を下回るときに、DC/ACコンバータへの電力の提供を再開することと、を含む、実施例43による方法。
実施例45
各温度ステップの持続時間が、少なくとも10秒である、実施例42~44のいずれかによる方法。
実施例46
各温度ステップの持続時間が、30秒~200秒である、実施例42~44のいずれかによる方法。
実施例47
各温度ステップの持続時間が、40秒~160秒である、実施例42~44のいずれかによる方法。
実施例48
各温度ステップの前記持続時間が、予め決められている、請求項42~47のいずれかに記載の方法。
実施例49
各温度ステップの所定の持続時間が、所定の回数のユーザー吸煙に対応する、実施例42~44のいずれかによる方法。
実施例50
第一の温度ステップが、後続の温度ステップより長い持続時間を有する、実施例43~49のいずれかによる方法。
実施例51
サセプタに関連付けられた電流値、コンダクタンス値、および抵抗値のうちの一つ判定することをさらに含み、誘導加熱配設に提供される電力を制御することが、判定された値に基づいて、誘導加熱配設に提供される電力を制御することを含む、実施例1~50のいずれかによる方法。
実施例52
DC/ACコンバータの入力側において、電源から引き出されるDC電流を測定することをさらに含み、コンダクタンス値および抵抗値が、電源のDC供給電圧に基づいて、および電源から引き出されるDC電流から判定される、実施例7~51のいずれかによる方法。
実施例53
DC/ACコンバータの入力側において、電源のDC供給電圧を測定することをさらに含む、実施例52による方法。
実施例54
DC供給電圧およびDC電流を提供するための電源と、電源に接続された電源電子回路であって、DC/ACコンバータ、およびDC/ACコンバータからの交流電流によって通電されたときに交番磁界を発生するためにDC/ACコンバータに接続されたインダクタであって、サセプタと結合可能であり、サセプタが、エアロゾル形成基体を加熱するように構成される、インダクタ、を含む、電源電子回路と、エアロゾルを生成するためのエアロゾル発生装置のユーザー操作中の第一の加熱段階の間に、サセプタに関連付けられた一つ以上の較正値を測定するために較正プロセスを実施し、エアロゾルを生成するためのエアロゾル発生装置のユーザー操作中の第二の加熱段階の間に、サセプタの温度が一つ以上の較正値に基づいて調整されるように、電源電子回路に提供される電力を制御するように構成されている、コントローラと、を備える、エアロゾル発生装置。
実施例55
電源電子回路が、電源から、DC/ACコンバータを介してインダクタに電力を断続的に供給するように構成されている、実施例54によるエアロゾル発生装置。
実施例56
電源電子回路が、電源から、DC/ACコンバータを介してインダクタに複数のパルスとして電力を供給するように構成され、各パルスが時間間隔で分離される、実施例54または55によるエアロゾル発生装置。
実施例57
コントローラが、複数のパルスのそれぞれの間の時間間隔を制御して、サセプタの温度を調整するように構成されている、実施例56によるエアロゾル発生装置。
実施例58
コントローラが、複数のパルスの各パルスの長さを制御して、サセプタの温度を調整するように構成されている、実施例56によるエアロゾル発生装置。
実施例59
電源電子回路に提供される電力を制御することが、サセプタに関連付けられた電流値、コンダクタンス値、または抵抗値のうちの一つを調整することを含む、実施例54~58のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例60
較正プロセスを実施することが、(i)電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、(ii)サセプタに関連付けられた電流値を監視する工程と、(iii)電流値が最大値に達するときに、電源電子回路への電力の提供を中断する工程であって、最大値における電流値が、サセプタの第二の較正温度に対応する、中断する工程と、(iv)電流値が最小値に達するまで、サセプタに関連付けられた電流値を監視する工程であって、最小値における電流値が、サセプタの第一の較正温度に対応する、監視する工程と、を含む、実施例54~59のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例61
較正プロセスを実施することが、サセプタに関連付けられた電流値が最小値に達するときに、工程i)~iv)を繰り返すことをさらに含む、実施例60によるエアロゾル発生装置。
実施例62
較正プロセスを実施することが、工程i)~iv)を繰り返す間に、最大値における電流値を一つ以上の較正値の較正値として記憶し、最小値における電流値を一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含む、実施例61によるエアロゾル発生装置。
実施例63
誘導加熱配設に提供される電力を制御することが、サセプタに関連付けられた電流値を第一の較正温度に対応する第一の電流値と第二の較正温度に対応する第二の電流値との間に維持することを含む、実施例60~62のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例64
較正プロセスを実施することが、i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、ii)サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を監視する工程と、iii)コンダクタンス値が最大値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程であって、最大値におけるコンダクタンス値が、サセプタの第二の較正温度に対応する、中断する工程と、iv)コンダクタンス値が最小値に達するまで、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を監視する工程であって、最小値におけるコンダクタンス値が、サセプタの第一の較正温度に対応する、監視する工程と、を含む、実施例54~58のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例65
較正プロセスを実施することが、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値が最小値に達するときに、工程i)~iv)を繰り返すことをさらに含む、実施例64によるエアロゾル発生装置。
実施例66
較正プロセスを実施することが、工程i)~iv)を繰り返す間に、最大値におけるコンダクタンス値を一つ以上の較正値の較正値として記憶し、最小値におけるコンダクタンス値を一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含む、実施例65によるエアロゾル発生装置。
実施例67
誘導加熱配設に提供される電力を制御することが、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を第一の較正温度に対応する第一のコンダクタンス値と第二の較正温度に対応する第二のコンダクタンス値との間に維持することを含む、実施例64~66のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例68
較正プロセスを実施することが、i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、ii)サセプタに関連付けられた抵抗値を監視する工程と、iii)抵抗値が最小値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程であって、最小値における抵抗値が、サセプタの第二の較正温度に対応する、中断する工程と、iv)抵抗値が最大値に達するまで、サセプタに関連付けられた抵抗値を監視する工程であって、最大値における抵抗値が、サセプタの第一の較正温度に対応する、監視する工程と、を含む、実施例54~58のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例69
較正プロセスを実施することが、サセプタに関連付けられた抵抗値が最大値に達するときに、工程i)~iv)を繰り返すことをさらに含む、実施例68によるエアロゾル発生装置。
実施例70
較正プロセスを実施することが、工程i)~iv)を繰り返す間に、最小値における抵抗値を一つ以上の較正値の較正値として記憶し、最大値における抵抗値を一つ以上の較正値の較正値として記憶することをさらに含む、実施例69によるエアロゾル発生装置。
実施例71
誘導加熱配設に提供される電力を制御することが、サセプタに関連付けられた抵抗値を第一の較正温度に対応する第一の抵抗値と第二の較正温度に対応する第二の抵抗値との間に維持することを含む、実施例68~70のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例72
サセプタの材料第二の較正温度が、サセプタのキュリー温度に対応する、実施例54~71のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例73
サセプタの第一の較正温度が、サセプタの材料の最大透過性における温度に対応する、実施例72によるエアロゾル発生装置。
実施例74
第一の較正温度が、摂氏150度~摂氏350度であり、第二の較正温度が、摂氏200度~摂氏400度であり、第一の較正温度と第二の較正温度との間の温度差が、少なくとも摂氏50度である、実施例54~71のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例75
コントローラが、第二の加熱段階の間に、所定の持続時間、所定の回数のユーザー吸煙、および所定の電源の電圧値のうちの一つ以上を検出することに応答して、サセプタに関連付けられた一つ以上の較正値を測定するために較正プロセスを実施するようにさらに構成されている、実施例54~74によるエアロゾル発生装置。
実施例76
コントローラが、第一の加熱段階の間に、予熱プロセスを実施するようにさらに構成され、予熱プロセスが、較正プロセスの前に実施され、予熱プロセスが、所定の持続時間を有する、実施例54~75のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例77
予熱プロセスの所定の持続時間が、10秒~15秒である、実施例76によるエアロゾル発生装置。
実施例78
予熱プロセスが、i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、ii)サセプタに関連付けられた少なくとも電流値を監視する工程と、iii)電流値が最小値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程と、を含む、実施例76または77によるエアロゾル発生装置。
実施例79
予熱プロセスが、電流値が、予熱プロセスの所定の持続時間の終了前に最小値に達する場合、予熱プロセスの所定の持続時間の終了まで、予熱プロセスの工程i)~iii)を繰り返すことをさらに含む、実施例26によるエアロゾル発生装置。
実施例80
コントローラが、サセプタに関連付けられた電流値が、予熱プロセスの所定の持続時間の間に最小値に達しない場合、エアロゾル発生装置の動作を停止するようにさらに構成されている、実施例27によるエアロゾル発生装置。
実施例81
予熱プロセスが、(i)電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、(ii)サセプタに関連付けられたコンダクタンス値を監視する工程と、(iii)コンダクタンス値が最小値に達するときに、電源電子回路への電力の提供を中断する工程と、を含む、実施例76または77によるエアロゾル発生装置。
実施例82
コントローラが、コンダクタンス値が、予熱プロセスの所定の持続時間の終了前に最小値に達する場合、予熱プロセスの所定の持続時間の終了まで、予熱プロセスの工程(i)~(iii)を繰り返すようにさらに構成されている、実施例81によるエアロゾル発生装置。
実施例83
コントローラが、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値が、予熱プロセスの所定の持続時間の間に最小値に達しない場合、エアロゾル発生装置の動作を停止するようにさらに構成されている、実施例81または82によるエアロゾル発生装置。
実施例84
予熱プロセスが、i)誘導加熱配設に提供される電力を制御して、サセプタの温度を上昇させる工程と、ii)サセプタに関連付けられた抵抗値を監視する工程と、iii)抵抗値が最大値に達するときに、誘導加熱配設への電力の提供を中断する工程と、を含む、実施例76または77によるエアロゾル発生装置。
実施例85
予熱プロセスが、抵抗値が、予熱プロセスの所定の持続時間の終了前に最大値に達する場合、予熱プロセスの所定の持続時間の終了まで、予熱プロセスの工程i)~iii)を繰り返すことをさらに含む、実施例84によるエアロゾル発生装置。
実施例86
コントローラが、サセプタに関連付けられた抵抗値が、予熱プロセスの所定の持続時間の間に最大値に達しない場合、エアロゾル発生装置の動作を停止するようにさらに構成されている、実施例85によるエアロゾル発生装置。
実施例87
予熱プロセスの間、電源からの電力が、DC/ACコンバータを介して、断続的にインダクタに供給される、実施例76~86のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例88
コントローラが、予熱プロセスの所定の持続時間の終了を検出することに応答して、較正プロセスを実施するように構成されている、実施例76~87のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例89
コントローラが、ユーザー入力を検出することに応答して、予熱プロセスを実施するように構成されている、実施例76~87のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例90
ユーザー入力が、エアロゾル発生装置のユーザー起動に対応する、実施例89によるエアロゾル発生装置。
実施例91
コントローラが、エアロゾル発生物品の存在を検出することに応答して、予熱プロセスを実施するように構成されている、実施例79~87のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例92
第二の加熱段階の間に電源電子回路に提供される電力を制御することが、電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタの温度を第一の動作温度から第二の動作温度へと段階的に上昇させることを含む、実施例54~91のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例93
第一の動作温度が、エアロゾル形成基体がエアロゾルを形成するのに十分である、実施例92によるエアロゾル発生装置。
実施例94
サセプタの温度の段階的な上昇が、少なくとも三つの連続的な温度ステップを含み、各温度ステップが、持続時間を有する、実施例92または93によるエアロゾル発生装置。
実施例95
コントローラが、各温度ステップの持続時間の間、サセプタの温度を所定の温度に維持するように構成されている、実施例94によるエアロゾル発生装置。
実施例96
サセプタの温度を所定の温度に維持することが、判定された温度が事前設定された閾値温度を上回るときに、DC/ACコンバータに提供される電力の提供を中断するための制御信号を発生することと、判定された温度が事前設定された閾値温度を下回るときに、DC/ACコンバータへの電力の提供を再開することと、を含む、実施例95によるエアロゾル発生装置。
実施例97
各温度ステップの持続時間が、少なくとも10秒である、実施例94~96のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例98
各温度ステップの持続時間が、30秒~200秒である、実施例94~96のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例99
各温度ステップの持続時間が、40秒~160秒である、実施例94~96のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例100
各温度ステップの持続時間が、予め決められている、実施例94~99のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例101
各温度ステップの持続時間が、所定の回数のユーザー吸煙に対応する、実施例94~96のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例102
第一の温度ステップが、後続の温度ステップより長い持続時間を有する、実施例94~101のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例103
コントローラが、サセプタに関連付けられた電流値、コンダクタンス値、または抵抗値のうちの一つを判定するようにさらに構成され、電源電子回路に提供される電力を制御することが、判定された値に基づいて、電源電子回路に提供される電力を制御することを含む、実施例54~102のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例104
コンダクタンス値または抵抗値が、電源のDC供給電圧から、および電源から引き出されるDC電流から判定される、実施例56~103のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例105
DC/ACコンバータの入力側において、電源から引き出されるDC電流を測定するように構成された電流センサをさらに備え、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値または抵抗値が、電源のDC供給電圧から、および電源から引き出されるDC電流から判定される、実施例59~104のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例106
DC/ACコンバータの入力側において、電源のDC供給電圧を測定するように構成された電圧センサをさらに備える、実施例105によるエアロゾル発生装置。
実施例107
電源電子回路が、インダクタのインピーダンスをサセプタのインピーダンスと整合させるための整合ネットワークをさらに含む、実施例56~106のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例108
エアロゾル発生物品を取り外し可能に受容するように構成された空洞を有するハウジングをさらに備え、エアロゾル発生物品が、エアロゾル形成基体およびサセプタを含む、実施例56~107のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例109
実施例56~108のうちの一つのエアロゾル発生装置とエアロゾル発生物品とを備え、エアロゾル発生物品が、エアロゾル形成基体およびサセプタを含む、エアロゾル発生システム。
実施例110
サセプタが、第一の材料からなる第一の層と第二の材料からなる第二の層とを含み、第一の材料が、第二の材料と物理的に接触して配置される、実施例109によるエアロゾル発生システム。
実施例111
第一の材料がアルミニウム、鉄、およびステンレス鋼のうちの一つであり、第二の材料がニッケルまたはニッケル合金である、実施例110によるエアロゾル発生システム。
実施例112
第一の材料が、第一のキュリー温度を有し、第二の材料が、第二のキュリー温度を有し、第二のキュリー温度が、第一のキュリー温度より低い、実施例109または110によるエアロゾル発生システム。
実施例113
第二の較正温度が、第二のサセプタ材料の第二のキュリー温度に対応する、実施例112によるエアロゾル発生システム。
【0111】
ここで、図を参照しながら実施例を更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0112】
図1図1はエアロゾル発生物品の概略断面図を示す。
図2A図2Aは、図1に示すエアロゾル発生物品と共に使用するためのエアロゾル発生装置の概略断面図を示す。
図2B図2Bは、図1に示すエアロゾル発生物品と係合するエアロゾル発生装置の概略断面図を示す。
図3図3図2に関連して説明したエアロゾル発生装置の誘導加熱装置を示すブロック図である。
図4図4図3に関連して説明した誘導加熱装置の電子構成要素を示す概略図である。
図5図5は、図4に関連して説明した誘導加熱装置のLC負荷ネットワークのインダクタ上の概略図である。
図6図6はサセプタ材料がそのキュリー点に関連する相転移を受けるときに発生する、遠隔検出可能な電流の変化を示したDC電流対時間のグラフである。
図7図7は、エアロゾル発生装置の動作中のサセプタの温度プロファイルを示す。
図8図8は、図2のエアロゾル発生装置においてエアロゾル生成を制御するための方法を示す流れ図である。
【発明を実施するするための形態】
【0113】
図1は、エアロゾル発生物品100を示する。エアロゾル発生物品100は、同軸に整列して配置された四つの要素、すなわちエアロゾル形成基体110、支持要素120、エアロゾル冷却要素130、およびマウスピース140を備える。これらの四つの要素の各々は実質的に円筒状の要素であり、各々は実質的に同一の直径を有する。これらの四つの要素は連続的に配設され、外側ラッパー150によって囲まれて、円筒状のロッドを形成する。細長いサセプタ160はエアロゾル形成基体110の中に、エアロゾル形成基体110と接触して位置している。サセプタ160はエアロゾル形成基体110の長さとほぼ同じ長さを有し、エアロゾル形成基体110の半径方向の中心軸に沿って位置する。
【0114】
サセプタ160は、少なくとも二つの異なる材料を含む。サセプタ160は好ましくは長さ12mm、幅4mmの細長いストリップの形態である。サセプタ160は、少なくとも二つの層、すなわち、第二のサセプタ材料の第二の層と物理的に接触して配置される第一のサセプタ材料の第一の層を含む。第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料は各々、キュリー温度を有してもよい。この場合、第二のサセプタ材料のキュリー温度は第一のサセプタ材料のキュリー温度よりも低い。第一の材料は、キュリー温度を有しない場合がある。第一のサセプタ材料は、アルミニウム、鉄またはステンレス鋼であってもよい。第二のサセプタ材料は、ニッケルまたはニッケル合金であってもよい。サセプタ160は、第二のサセプタ材料の少なくとも一つのパッチを第一のサセプタ材料のストリップ上に電気めっきすることによって形成されてもよい。サセプタは、第二のサセプタ材料のストリップを第一のサセプタ材料のストリップに被覆することによって形成され得る。
【0115】
エアロゾル発生物品100は近位端または口側端170を有し、ユーザーは使用中にその端を口の中に挿入し、遠位端180は口側端170に対してエアロゾル発生物品100の反対側の端に位置する。組み立てられたエアロゾル発生物品100の合計長さは、好ましくは約45mmで、直径は約7.2mmである。
【0116】
使用において、空気は、遠位端180から口側の端170に、使用者によってエアロゾル発生物品100を介して引き出される。エアロゾル発生物品100の遠位端180はまた、エアロゾル発生物品100の上流端として記述されてもよく、エアロゾル発生物品100の口側端170はまた、エアロゾル発生物品100の下流端として記述されてもよい。口側端170と遠位端180との間に位置するエアロゾル発生物品100の要素は、口側端170の上流、または代替的に遠位端180の下流にあると記述することができる。エアロゾル形成基体110は、エアロゾル発生物品100の遠位端または上流端180に位置する。
【0117】
支持要素120はエアロゾル形成基体110のすぐ下流に位置し、エアロゾル形成基体110に当接する。支持要素120は中空の酢酸セルロース管であってもよい。支持要素120は、エアロゾル発生物品100の最遠位端180にエアロゾル形成基体110を配置する。支持要素120はまた、エアロゾル発生物品100のエアロゾル冷却要素130がエアロゾル形成基体110から間隙を介するためのスペーサーとして作用する。
【0118】
エアロゾル冷却要素130は支持要素120のすぐ下流に位置し、支持要素120に当接する。使用時、エアロゾル形成基体110から放出される揮発性物質は、エアロゾル発生物品100の口側端170に向かって、エアロゾル冷却要素130に沿って通過する。揮発性物質は、エアロゾル冷却要素130内で冷却してユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成してもよい。エアロゾル冷却要素130は、ラッパー190によって囲まれたポリ乳酸の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。ポリ乳酸の捲縮したシートの集合体は、エアロゾル冷却要素130の長さに沿って延在する複数の長軸方向チャネルを画定する。
【0119】
マウスピース140はエアロゾル冷却要素130のすぐ下流に位置し、かつエアロゾル冷却要素130に当接する。マウスピース140は、低濾過効率の従来の酢酸セルローストウフィルターを含む。
【0120】
エアロゾル発生物品100を組み立てるために、上述の四つの要素110、120、130、および140は外側ラッパー150内で整列され、かつしっかりと巻かれる。外側ラッパーは、従来的な紙巻たばこ用紙であってもよい。サセプタ160は、複数の要素を組み立ててロッドを形成する前に、エアロゾル形成基体110を形成するために使用されるプロセス中に、エアロゾル形成基体110内に挿入されうる。
【0121】
図1に示したエアロゾル発生物品100は、図2Aに示したエアロゾル発生装置200などのエアロゾル発生装置と係合して、エアロゾルを生成するように設計されている。エアロゾル発生装置200は、エアロゾル発生物品100を受容するよう構成された空洞220を有するハウジング210を含む。エアロゾル発生装置200は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品100を加熱するように構成された誘導加熱装置230をさらに含む。図2Bは、エアロゾル発生物品100が空洞220内に挿入されるときの、エアロゾル発生装置200を示す。
【0122】
誘導加熱装置230は、図3にブロック図として示されている。誘導加熱装置230は、DC電源310および加熱配設320(電源電子回路とも呼ぶ)を備える。加熱配設は、コントローラ330、DC/ACコンバータ340、整合ネットワーク350、およびインダクタ240を含む。
【0123】
DC電源310は、DC電力を加熱配設320に提供するように構成される。具体的には、DC電源310は、DC供給電圧(VDC)およびDC電流(IDC)をDC/ACコンバータ340に提供するように構成される。電源310はリチウムイオン電池などの電池であることが好ましい。代替として、電源310はコンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源310は再充電を必要とする場合がある。例えば、電源310はおおよそ六分間、または六分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の例において、電源310は所定の回数の吸煙、または加熱配設の不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0124】
DC/ACコンバータ340は、高周波の交流電流でインダクタ240を供給するように構成される。本明細書で使用される場合、「高周波の交流電流」という用語は、約500キロヘルツ~約30メガヘルツの周波数を有する、交流電流を意味する。高周波の交流電流は、約1メガヘルツ~約30メガヘルツ(約1メガヘルツ~約10メガヘルツ、または約5メガヘルツ~約8メガヘルツなど)の周波数を有してもよい。
【0125】
図4は、誘導加熱装置230、特にDC/ACコンバータ340の電気構成要素を概略的に示す。DC/ACコンバータ340は、好ましくはクラスE電力増幅器を備える。クラスE電力増幅器は、電界効果トランジスタ420と、例えば、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを含むトランジスタスイッチ410、電界効果トランジスタ420に切換信号(ゲート・ソース電圧)を供給するための矢印430で示したトランジスタスイッチ供給回路と、分路コンデンサC1およびインダクタ240に対応するコンデンサC2とインダクタL2の直列接続を含むLC負荷ネットワーク440とを備える。さらに、チョークL1を備えるDC電源310が、動作中にDC電源310から引き出される、DC電流IDCと共に、DC供給電圧VDCを供給するために示されている。インダクタL2のオーム抵抗RCoilと、サセプタ160のオーム抵抗RLoadの和である、合計オーム負荷450を表すオーム抵抗Rが、図5により詳細に示される。
【0126】
DC/ACコンバータ340は、クラスE電力増幅器を含むものとして示されているが、DC/ACコンバータ340は、DC電流をAC電流に変換する任意の適切な回路を使用し得ることが理解されるべきである。例えば、DC/ACコンバータ340は、二つのトランジスタスイッチを含むクラスD電力増幅器を備えてもよい。別の例として、DC/ACコンバータ340は、対で作用する四つのスイッチングトランジスタを有するフルブリッジ電力インバータを備えてもよい。
【0127】
図3に戻ると、インダクタ240は、負荷への最適な適合のために整合ネットワーク350を介してDC/ACコンバータ340から交流電流を受信してもよいが、整合ネットワーク350は必須ではない。整合ネットワーク350は小型の整合変成器を備えうる。整合ネットワーク350は、DC/ACコンバータ340とインダクタ240との間の電力伝達効率を改善しうる。
【0128】
図2Aに示すように、インダクタ240は、エアロゾル発生装置200の空洞220の遠位部分225に隣接して位置する。したがって、エアロゾル発生装置200の動作中に、インダクタ240に供給される高周波の交流電流は、インダクタ240に、エアロゾル発生装置200の遠位部分225内に高周波の交番磁界を発生させる。交番磁界は、好ましくは1~30メガヘルツ、好ましくは2~10メガヘルツ、例えば5~7メガヘルツの周波数を有する。図2Bから分かるように、エアロゾル発生物品100が空洞200に挿入されるとき、エアロゾル発生物品100のエアロゾル形成基体110は、エアロゾル発生物品100のサセプタ160がこの交番磁界内に位置するように、インダクタ240に隣接して位置する。交番磁界がサセプタ160を貫通すると、交番磁界がサセプタ160の加熱を引き起こす。例えば、渦電流は、結果として加熱されるサセプタ160内で発生される。さらなる加熱がサセプタ160内の磁気ヒステリシス損失により提供される。加熱されたサセプタ160は、エアロゾルを形成するのに十分な温度までエアロゾル発生物品100のエアロゾル形成基体110を加熱する。エアロゾルはエアロゾル発生物品100を通って下流に引き出され、ユーザーによって吸い込まれる。
【0129】
コントローラ330はマイクロコントローラ、好ましくはプログラム可能なマイクロコントローラであってもよい。コントローラ330は、サセプタ160の温度を制御するために、DC電源310から誘導加熱配設320への電力供給を調節するようにプログラムされる。
【0130】
図6は、サセプタ160の温度(破線で示される)が増加するにつれて、経時的に電源310から引き出されるDC電流IDC間の関係を示す。電源310から引き出されるDC電流IDCは、DC/ACコンバータ340の入力側で測定される。この図の目的上、電源310の電圧VDCはほぼ一定であると想定されうる。サセプタ160が誘導的に加熱されると、サセプタ160の見かけの抵抗が増加する。この抵抗の増加は、電源310から引き出されるDC電流IDCの減少として観察され、定電圧では、サセプタ160の温度が上昇するにつれて減少する。インダクタ240によって提供される高周波の交番磁界は、サセプタ表面の近くで、表皮効果として既知の効果である渦電流を誘導する。サセプタ160の抵抗は、第一のサセプタ材料の電気抵抗率、第二のサセプタ材料の抵抗率に部分的に、および誘導された渦電流に利用可能なそれぞれの材料の表皮層の深さに部分的に依存し、抵抗率は温度に依存する。第二のサセプタ材料がそのキュリー温度に達すると、その磁性が失われる。これにより、第二のサセプタ材料内で渦電流に利用可能な表皮層が増え、これによりサセプタ160の見かけの抵抗が減少する。その結果、第二のサセプタ材料の皮膚深度が増加し始め、抵抗が下がり始めると、検出されたDC電流IDCの一時的な増加が生じる。これは図6の谷(局所最小値)として見なされる。電流は、第二のサセプタ材料がその自然磁気特性を失った点と整合する最大皮膚深度に達するまで増加し続ける。この点はキュリー温度と呼ばれ、図6では丘(局所最大値)として見なされる。この時点で、第二のサセプタ材料は、強磁性またはフェリ磁性状態から常磁性状態への相変化を受けている。この時点で、サセプタ160は既知の温度(固有材料特異的温度であるキュリー温度)にある。インダクタ240が、キュリー温度に達した後、交番磁界を発生し続ける場合(すなわち、DC/ACコンバータ340への電力が中断されない)、サセプタ160内で発生される渦電流が、サセプタ160の抵抗に対して流れ、これにより、サセプタ160のジュール加熱が継続され、これにより、抵抗は再び増加し(抵抗は温度の多項式依存性を有し、大半の金属サセプタ材料については、発明者らの目的のために三次多項式依存性に近似することができる)、電流は、インダクタ240がサセプタ160に電力を供給し続ける限り、再び低下し始める。
【0131】
したがって、図6から分かるように、サセプタ160の見かけの抵抗(および対応する電源310から引き出される電流IDC)は、サセプタ160の特定の温度範囲にわたる厳密に単調な関係にあるサセプタ160の温度によって変化しうる。厳密に単調な関係により、見かけの抵抗または見かけのコンダクタンス(1/R)の決定からのサセプタ160の温度の明確な決定が可能になる。これは、見かけの抵抗の決定された値がそれぞれ、温度の一つの値のみを表すためであり、その関係に曖昧性がない。サセプタ160の温度と見かけの抵抗との単調な関係は、サセプタ160の温度を決定および制御することができるようにし、したがってエアロゾル形成基体110の温度を決定および制御することができる。サセプタ160の見かけの抵抗は、少なくともDC電源310から引き出されるDC電流IDCを監視することによって遠隔的に検出することができる。
【0132】
少なくとも、電源310から引き出されるDC電流IDCは、コントローラ330によって監視される。好ましくは、電源310から引き出されるDC電流IDCおよびDC供給電圧VDCの両方が監視される。コントローラ330は、コンダクタンス値または抵抗値に基づいて、加熱配設320に提供される電力の供給を調節する。コンダクタンスは、DC電流IDCのDC供給電圧VDCに対する比率として定義され、抵抗は、DC供給電圧VDCのDC電流IDCに対する比率として定義される。加熱配設320は、DC電流IDCを測定するための電流センサ(図示せず)を備えてもよい。加熱配設は、DC供給電圧VDCを測定するための電圧センサ(図示せず)を随意に含みうる。電流センサおよび電圧センサは、DC/ACコンバータ340の入力側に位置する。DC電流IDC、および任意選択でDC供給電圧VDCは、コントローラ330へのフィードバックチャネルによって提供され、インダクタ240へのAC電力PACのさらなる供給を制御する。
【0133】
コントローラ330は、測定されたコンダクタンス値または測定された抵抗値を、サセプタ160の目標動作温度に対応する目標値に維持することによって、サセプタ160の温度を制御しうる。コントローラ330は、任意の適切な制御ループを使用して、例えば、比例積分微分制御ループを使用することによって、測定されたコンダクタンス値または測定された抵抗値を目標値に維持してもよい。
【0134】
サセプタ160の見かけの抵抗(または見かけのコンダクタンス)とサセプタ160の温度との間の厳密に単調な関係を利用するために、エアロゾルを生成するためのユーザー操作中、コンダクタンス値またはサセプタと関連付けられ、DC/ACコンバータ340の入力側で測定される抵抗値が、第一の較正温度に対応する第一の較正値と、第二の較正温度に対応する第二の較正値との間に維持される。第二の較正温度は、第二のサセプタ材料(図6の電流プロットの丘)のキュリー温度である。第一の較正温度は、第二のサセプタ材料の皮膚深度が増加し始める(抵抗の一時的な低下をもたらす)、サセプタの温度以上の温度である。したがって、第一の較正温度は、第二のサセプタ材料の最大透過性における温度以上の温度である。第一の較正温度は、第二の較正温度より少なくとも摂氏50度低い。少なくとも第二の較正値は、以下でより詳細に説明するように、サセプタ160の較正によって決定されてもよい。第一の較正値および第二の較正値は、コントローラ330のメモリ内に較正値として記憶されてもよい。
【0135】
コンダクタンス(抵抗)は、温度に対する多項式依存性を有するため、コンダクタンス(抵抗)は、温度の関数として非線形に挙動する。しかしながら、第一および第二の較正値は、第一の較正値と第二の較正値との間の差が小さいために、この依存性が第一の較正値と第二の較正値との間で線形として近似され得るように、そして第一および第二の較正値が動作温度範囲の上部にあるように選択される。したがって、温度を目標動作温度に調整するために、コンダクタンスは、線形方程式を介して、第一の較正値および第二の較正値に従って調整される。例えば、第一および第二の較正値がコンダクタンス値である場合、目標動作温度に対応する目標コンダクタンス値は、次のように与えられ得る:
Target=Lower+(x×ΔG)
式中ΔGは、第一のコンダクタンス値と第二のコンダクタンス値との間の差であり、xはΔGの割合である。
【0136】
コントローラ330は、DC/ACコンバータ340のスイッチングトランジスタ410の負荷サイクルを調整することによって、加熱装置320への電力の提供を制御してもよい。例えば、加熱中に、DC/ACコンバータ340は、サセプタ160を加熱する交流電流を継続的に発生し、また同時にDC供給電圧VDCおよびDC電流IDCは、好ましくは一ミリ秒毎に100ミリ秒間測定されてもよい。コントローラ330によってコンダクタンスが監視される場合、コンダクタンスが目標動作温度に対応する値に達するまたは超えると、スイッチングトランジスタ410の負荷サイクルが低減される。コントローラ330によって抵抗が監視される場合、抵抗が目標動作温度に対応する値に達するまたは下回るとき、スイッチングトランジスタ410の負荷サイクルが低減される。例えば、スイッチングトランジスタ410の負荷サイクルは、約9%に低減されうる。言い換えれば、スイッチングトランジスタ410は、1ミリ秒の持続時間の間、10ミリ秒ごとにのみパルスを発生するモードに切り替わってもよい。スイッチングトランジスタ410のこの1ミリ秒のオン状態(導電状態)の間、DC供給電圧VDCの値およびDC電流IDCの値が測定され、コンダクタンスが決定される。コンダクタンスが減少する(または抵抗が増加する)と、サセプタ160の温度は目標動作温度を下回ることを示すため、トランジスタ410のゲートは、システムの選択された駆動周波数でパルスのトレーンを再び供給される。
【0137】
電力は、電流の連続した一連のパルスの形態でコントローラ330によってインダクタ240に供給されてもよい。特に、電力は、それぞれが時間間隔ごとに分離された一連のパルスで、インダクタ240に供給されてもよい。連続した一連のパルスは、二つ以上の加熱パルスおよび連続した加熱パルス間の一つ以上のプロービングパルスを含んでもよい。加熱パルスは、サセプタ160を加熱するなどの強度を有する。プロービングパルスは、サセプタ160を加熱するのではなく、むしろコンダクタンス値または抵抗値、次いでサセプタ温度の進化(減少)に関するフィードバックを得るような強度を有する分離されたパワーパルスである。コントローラ330は、DC電源によってインダクタ240に供給される電力の連続した加熱パルス間の時間間隔の持続時間を制御することによって、電力を制御してもよい。追加的または代替的に、コントローラ330は、DC電源によってインダクタ240に供給される電力の連続した加熱パルスのそれぞれの長さ(言い換えれば、持続時間)を制御することによって、電力を制御しうる。
【0138】
コントローラ330は、コンダクタンスがサセプタ160の既知の温度で測定される較正値を得るために、較正プロセスを実施するようにプログラムされる。サセプタの既知の温度は、第一の較正値に対応する第一の較正温度と、第二の較正値に対応する第二の較正温度とであってもよい。好ましくは、較正プロセスは、ユーザーがエアロゾル発生装置200を操作するたびに、例えば、ユーザーがエアロゾル発生物品100をエアロゾル発生装置200に挿入するたびに実施される。
【0139】
較正プロセス中、コントローラ330は、DC/ACコンバータ340を制御して、サセプタ160を加熱するために、継続的にまたは断続的に電力をインダクタ240に供給する。コントローラ330は、電源によって引き出される電流IDC、および場合により、供給電圧VDCを測定することによって、サセプタ160に関連するコンダクタンスまたは抵抗を監視する。図6に関連して上述したように、サセプタ160が加熱されると、測定された電流は、第一の転換点に達し、電流が増加するまで減少する。この第一の転換点は、局所最小コンダクタンス値(局所最大抵抗値)に対応する。コントローラ330は、第一の較正値として、コンダクタンスの局所最小値(または抵抗の局所最大値)を記録してもよい。コントローラは、最小電流に達した後の所定の時間におけるコンダクタンスまたは抵抗の値を第一の較正値として記録しうる。コンダクタンスまたは抵抗は、測定された電流IDCおよび測定された電圧VDCに基づいて決定されうる。あるいは、電源310の既知の特性である、供給電圧VDCがほぼ一定であると仮定されてもよい。第一の較正値におけるサセプタ160の温度は、第一の較正温度と称される。第一の較正温度は、摂氏150度~摂氏350度であることが好ましい。より好ましくは、エアロゾル形成基体110がたばこを含む場合、第一の較正温度は摂氏320度である。第一の較正温度は、第二の較正温度より少なくとも摂氏50度低い。
【0140】
コントローラ330が、DC/ACコンバータ340によって提供される電力を、インダクタ240に制御し続けると、測定された電流は、測定された電流が減少し始める前に、第二の転換点に達し、最大電流(第二のサセプタ材料のキュリー温度に対応する)が観察されるまで増加する。この転換点は、局所最大コンダクタンス値(局所最小抵抗値)に対応する。コントローラ330は、コンダクタンスの局所最大値(または抵抗の局所最小値)を第二の較正値として記録する。第二の較正値でのサセプタ160の温度は、第二の較正温度と称される。好ましくは、第二の較正温度は、摂氏200度~摂氏400度である。最大値が検出されると、コントローラ330は、DC/ACコンバータ340を制御して、インダクタ240への電力の提供を中断し、その結果、サセプタ160の温度の低下およびそれに対応するコンダクタンスの低下をもたらす。
【0141】
グラフの形状のために、サセプタ160を継続的に加熱して第一の較正値および第二の較正値を得るこのプロセスは、少なくとも一回繰り返されてもよい。インダクタ240への電力の提供を中断した後、コントローラ330は、第二の最小コンダクタンス値(第二の最大抵抗値)に対応する第三の転換点が観察されるまで、コンダクタンス(または抵抗)を監視し続ける。第三の転換点が検出されると、コントローラ330は、DC/ACコンバータ340を制御して、第二の最大コンダクタンス値(第二の最小抵抗値)に対応する第四の転換点が検出されるまで、継続的にインダクタ240に電力を供給する。コントローラ330は、第三の転換点における、またはその直後にコンダクタンス値または抵抗値を第一の較正値として、第四の転換点におけるコンダクタンス値または抵抗値を第二の較正値として記憶する。最小および最大測定電流に対応する転換点の測定の繰り返しは、エアロゾルを生成するための装置のユーザー操作中のその後の温度調節を著しく改善する。好ましくは、コントローラ330は、第二の最大値および第二の最小値から得られたコンダクタンス値または抵抗値に基づいて電力を調節するが、これは、熱がエアロゾル形成基体110およびサセプタ160内に分散するためにより多くの時間を必要とするため、より信頼性が高い。
【0142】
較正プロセスの信頼性をさらに改善するために、コントローラ310は、較正プロセスの前に予熱プロセスを実施するように任意にプログラムされてもよい。例えば、エアロゾル形成基体110が特に乾燥しているか、または類似の条件である場合、較正は、熱がエアロゾル形成基体110内に広がる前に実施され、較正値の信頼性が低減されことがある。エアロゾル形成基体110が湿っていた場合、サセプタ160は谷温度に達するのにより長い時間がかかる(基体110の水分含量による)。
【0143】
予熱プロセスを実施するために、コントローラ330は、継続的に電力をインダクタ240に供給するように構成される。上述のように、電流は、サセプタ160の温度の上昇と共に減少し始め、最小値に達する。この段階で、コントローラ330は、加熱を続ける前にサセプタ160が冷却できるように所定の期間待機するように構成される。したがって、コントローラ330は、DC/ACコンバータ340を制御して、インダクタ240への電力の提供を中断する。所定の期間の後、コントローラ330は、DC/ACコンバータ340を制御して、最小値に達するまで電力を供給する。この時点で、コントローラはDC/ACコンバータ340を制御して、再度、インダクタ240への電力の提供を中断する。コントローラ330は再び、同じ所定の時間待機して、加熱を続ける前にサセプタ160を冷却させる。このサセプタ160の加熱および冷却は、予熱プロセスの所定の持続時間にわたって繰り返される。予熱プロセスの所定の持続時間は、好ましくは11秒である。予熱プロセスの所定の組み合わせた持続時間に続いて、較正プロセスは、好ましくは20秒である。
【0144】
エアロゾル形成基体110が乾燥している場合、予熱プロセスの第一の最小値は、所定の時間内に達し、電力の中断は、所定の時間の終了まで繰り返される。エアロゾル形成基体110が湿っている場合、予熱プロセスの第一の最小値は、所定の時間の終了に向かって達する。したがって、所定の持続時間の間予熱プロセスを実施することは、基体110の物理的状態にかかわらず、継続的に電力を供給して第一の最大値に達する準備ができている状態になるために、基体110が最低温度に達するのに十分な時間であることを保証する。これにより、基体110が事前に谷に達していないというリスクを負わずに、可能な限り早期に較正が可能となる。
【0145】
さらに、エアロゾル発生物品100は、最小値が常に予熱プロセスの所定の持続時間内に達成されるように構成されてもよい。予熱プロセスの所定の持続時間内に最小値に達しない場合、これは、エアロゾル形成基体110を含むエアロゾル発生物品100が、エアロゾル発生装置200での使用に適さないことを示しうる。例えば、エアロゾル発生物品100は、エアロゾル発生装置200で使用することが意図されたエアロゾル形成基体100とは異なる、またはより低品質のエアロゾル形成基体110を含んでもよい。別の例として、エアロゾル発生物品100は、例えば、エアロゾル発生物品100およびエアロゾル発生装置200が異なる製造業者によって製造される場合、加熱配設320と共に使用するように構成されない場合がある。したがって、コントローラ330は、エアロゾル発生装置200の動作を停止する制御信号を発生するように構成されてもよい。
【0146】
予熱プロセスは、例えば、エアロゾル発生装置200のユーザー起動などのユーザー入力の受信に応答して実施されてもよい。追加的または代替的に、コントローラ330は、エアロゾル発生装置200内のエアロゾル発生物品100の存在を検出するように構成されてもよく、予熱プロセスは、エアロゾル発生装置200の空洞220内のエアロゾル発生物品100の存在を検出することに応答して実施されてもよい。
【0147】
図7は、サセプタ160の加熱プロファイルを示す、時間に対するコンダクタンスのグラフである。グラフは、加熱の二つの連続段階、上述の予熱プロセス710Aおよび較正プロセス710Bを含む第一の加熱段階710、およびエアロゾルを生成するエアロゾル発生装置200のユーザー操作に対応する第二の加熱段階720を示す。図7は、時間に対するコンダクタンスのグラフとして示されているが、コントローラ330は、上述の通り、測定された抵抗または電流に基づいて、第一の加熱段階710および第二の加熱段階720の間のサセプタの加熱を制御するように構成されうることが理解されるべきである。
【0148】
さらに、第一の加熱段階710および第二の加熱段階720の間のサセプタの加熱を制御する技術は、決定されたコンダクタンス値またはサセプタに関連付けられた決定された抵抗値に基づいて上述されてきたが、上述の技術は、DC/ACコンバータ340の入力で測定された電流の値に基づいて実施され得ることが理解されるべきである。
【0149】
図7から分かるように、第二の加熱段階720は、サセプタ160の第一の動作温度からサセプタ160の第二の動作温度までの複数の温度ステップに対応する、複数のコンダクタンスステップを含む。サセプタの第一の動作温度は、エアロゾル形成基体が、ユーザーが吸入したときに満足のいく経験を得るのに十分な体積および量でエアロゾルを形成する最低温度である。サセプタの第二の動作温度は、ユーザーがエアロゾルを吸入するためにエアロゾル形成基体を加熱することが望ましい最高温度の温度である。サセプタ160の第一の動作温度は、図6に示す電流プロットの谷におけるサセプタ160の第一の較正温度以上である。第一の動作温度は、摂氏150度~摂氏330度であってもよい。サセプタの第二の動作温度は、第二のサセプタ材料のキュリー温度におけるサセプタ160の第二の較正温度以下である。第二の動作温度は、摂氏200度~摂氏400度であってもよい。第一の動作温度と第二の動作温度の差は、少なくとも摂氏50度である。サセプタの第一の動作温度は、エアロゾル形成基体110がエアロゾルを形成し、その結果、各温度ステップの間にエアロゾルが形成される温度である。
【0150】
図7に示した温度ステップの数は例示的であり、第二の加熱段階720は、少なくとも三つの連続的な温度ステップ、好ましくは二つから十四の温度ステップ、最も好ましくは三つから八つの温度ステップを含むことが理解されるべきである。各温度ステップは、所定の持続時間を有してもよい。第一の温度ステップの持続時間は、後続する温度ステップの持続時間より長いことが好ましい。各温度ステップの持続時間は、好ましくは10秒よりも長く、好ましくは30秒~200秒、より好ましくは40秒~160秒である。各温度ステップの持続時間は、所定の数のユーザー吸煙に対応してもよい。好ましくは、第一の温度ステップは、四つのユーザー吸煙に対応し、各後続する温度ステップは、一つのユーザー吸煙に対応する。
【0151】
各温度ステップの持続時間について、サセプタ160の温度は、それぞれの温度ステップに対応する目標動作温度に維持される。したがって、各温度ステップの持続時間中、コントローラ330は、コンダクタンスが上述のそれぞれの温度ステップの目標動作温度に対応する値に維持されるように、加熱配設320への電力の提供を制御する。各温度ステップの目標コンダクタンス値は、コントローラ330のメモリに記憶されてもよい。
【0152】
一例として、第二の加熱段階720は、次の五つの温度ステップ、160秒の持続時間およびGTarget=Lower+(0.09×ΔG)目標コンダクタンス値を有する第一の温度ステップ、40秒の持続時間およびGTarget=Lower+(0.25×ΔG)の目標コンダクタンス値を有する第二の温度ステップ、40秒の持続時間およびGTarget=Lower+(0.4×ΔG)の目標コンダクタンス値を有する第三の温度ステップ、40秒の持続時間およびGTarget=Lower+(0.56×ΔG)の目標コンダクタンス値を有する第四の温度ステップ、ならびに、85秒の持続時間およびGTarget=Lower+(0.75×ΔG)の目標コンダクタンス値を有する第五の温度ステップ、を備えてもよい。これらの温度ステップは、摂氏330度、摂氏340度、摂氏345度、摂氏355度、および摂氏380度の温度に対応し得る。図8は、エアロゾル発生装置200においてエアロゾル生成を制御するための方法800の流れ図である。上述のように、コントローラ330は、方法800を実施するようにプログラムされてもよい。
【0153】
方法は、ステップ810で開始し、ここで、コントローラ330は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル発生装置200のユーザー操作を検出する。エアロゾル発生装置200のユーザー操作の検出は、例えば、エアロゾル発生装置200のユーザー起動などのユーザー入力を検出することを含みうる。追加的または代替的に、エアロゾル発生装置200のユーザー操作を検出することは、エアロゾル発生物品100がエアロゾル発生装置200に挿入されていることを検出することを含みうる。
【0154】
ステップ810でユーザー操作を検出することに応答して、コントローラ330は、上述の任意の予熱プロセスを実施するように構成されうる。予熱プロセスの所定の持続時間の終了時に、コントローラ330は、上述のように較正プロセス(ステップ820)を実施する。別の方法として、コントローラ330は、ステップ810でユーザー操作を検出することに応答して、ステップ820へ進むように構成されてもよい。較正プロセスの完了後、コントローラ330は、ステップ840でエアロゾルが生成される第二の加熱段階を実施する。
【0155】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表す全ての数字は、全ての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、全ての範囲は、開示された最大点及び最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。この文脈内で、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用される通りの一部の場合において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、全ての範囲は、開示された最大点及び最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】