(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-15
(54)【発明の名称】超音波励起装置
(51)【国際特許分類】
H04R 1/00 20060101AFI20240105BHJP
A61N 7/00 20060101ALI20240105BHJP
H04R 17/00 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
H04R1/00 330A
A61N7/00
H04R17/00 330F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539012
(86)(22)【出願日】2021-12-30
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 IL2021051558
(87)【国際公開番号】W WO2022144895
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521404853
【氏名又は名称】ソフウェイブ メディカル リミテッド
【住所又は居所原語表記】1 Ha-Otsma Street, CPC Building, Yokneam Illit, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スヴェルドリク アリエル
(72)【発明者】
【氏名】パニール エレッツ
【テーマコード(参考)】
4C160
5D019
【Fターム(参考)】
4C160MM22
5D019AA17
5D019BB02
5D019BB28
5D019FF04
(57)【要約】
組立体が、第1の表面および第2の表面を有するプリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)と、第1の表面に搭載された少なくとも1つのエネルギー送信器と、PCBの第2の表面に連結された少なくとも1つの冷却要素と、を備え、冷却要素は、PCBを介して少なくとも1つのエネルギー送信器を冷却するように構成されている。
【選択図】
図8A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面および第2の表面を有するプリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)と、
前記第1の表面に搭載された少なくとも1つのエネルギー送信器と、
前記PCBの前記第2の表面に連結された少なくとも1つの冷却要素と、を備え、
前記冷却要素は、前記PCBを介して前記少なくとも1つのエネルギー送信器を冷却するように構成されている、
組立体。
【請求項2】
前記PCBの前記第1の表面の前記少なくとも1つのエネルギー送信器の近くに搭載された少なくとも1つの温度センサを備える、
請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記少なくとも1つのエネルギー送信器は、前記PCBの前記第1の表面に搭載された複数の離間したエネルギー送信器を含み、
前記少なくとも1つの温度センサは、少なくとも2つの温度センサを含み、
前記少なくとも2つの温度センサのうちの1つまたは少なくとも1つの温度センサは、前記第1の表面における隣接する2つのエネルギー送信器の間に搭載されている、
請求項2に記載の組立体。
【請求項4】
前記少なくとも1つの温度センサは、サーミスタを有する、
請求項2または3に記載の組立体。
【請求項5】
前記PCBは、前記少なくとも1つの冷却要素と前記少なくとも1つのエネルギー送信器との間に少なくとも1つの熱伝導領域を有する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項6】
前記少なくとも1つの熱伝導領域は、前記少なくとも1つのエネルギー送信器が搭載された前記第1の表面と交差している、
請求項5に記載の組立体。
【請求項7】
前記少なくとも1つのエネルギー送信器と前記少なくとも1つの熱伝導領域との間にPCB領域が位置決めされている、
請求項5に記載の組立体。
【請求項8】
前記少なくとも1つの熱伝導領域は、前記第1の表面における前記少なくとも1つのエネルギー送信器の位置と位置合わせされている、
請求項5~7のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項9】
前記少なくとも1つの熱伝導領域は、前記PCBの内部に熱伝導性材料のインプラントを有する、
請求項5~8のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項10】
前記少なくとも1つの熱伝導領域は、前記PCBに予め形成されたビアチャネルを有し、
前記ビアチャネルの容積の少なくとも50%が、熱伝導性材料で充填されている、
請求項5~9のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項11】
前記熱伝導性材料は、銅、金、銀、銀エポキシ、および金エポキシのうちの少なくとも1つを含む、
請求項9または10に記載の組立体。
【請求項12】
前記少なくとも1つの冷却要素は、平坦面を有し、
前記平坦面は、前記PCBの前記第2の表面に少なくとも部分的に取り付けられている、
請求項1~11のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項13】
前記PCBは、前記第2の表面に開口部を有する少なくとも1つのキャビティを有し、
前記少なくとも1つのキャビティは、前記少なくとも1つのエネルギー送信器と位置合わせされかつ少なくとも部分的に前記PCBと交差し、
前記冷却要素は、前記開口部を通って前記少なくとも1つのキャビティに貫入する形状およびサイズを有する、
請求項1~12のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項14】
前記少なくとも1つの冷却要素は、少なくとも1つの突出部を有する熱伝導ホルダを有し、
前記少なくとも1つの突出部は、前記開口部を通って前記少なくとも1つのキャビティに貫入する形状およびサイズを有する、
請求項13に記載の組立体。
【請求項15】
前記少なくとも1つの冷却要素は、平坦面を有する熱伝導ホルダを有し、
前記熱伝導ホルダの平坦面は、前記第2の表面と接触している、
請求項1~12のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項16】
前記少なくとも1つの冷却要素は、前記PCBを通る1つまたは複数の冷却チャネルを有する、
請求項1~11のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項17】
前記1つまたは複数の冷却チャネルは、前記PCBの前記第2の表面に少なくとも導入口および/または少なくとも1つの排出口を有する、
請求項16に記載の組立体。
【請求項18】
前記少なくとも1つのエネルギー送信器は、前記PCBから前記少なくとも1つのエネルギー送信器に電気を送達するための少なくとも1つの第1の電極および少なくとも1つの第2の電極を有する、
請求項1~17のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項19】
前記PCBは、前記少なくとも1つの第1の電極を前記PCBの第1の導電性パッドに電気接続するための少なくとも1つの可撓性領域を有し、
前記少なくとも1つの第2の電極は、導電性接着層を介して前記PCBの第2の導電性パッドに電気接続されている、
請求項18に記載の組立体。
【請求項20】
前記PCBは、少なくとも2つの可撓性領域を有し、
少なくとも一方の可撓性領域が、前記少なくとも1つの第1の電極を前記PCBに電気接続し、
前記少なくとも2つの可撓性領域のうちの別の可撓性領域が、前記少なくとも1つの第2の電極を前記PCBに電気接続している、
請求項18に記載の組立体。
【請求項21】
前記少なくとも1つの第1の電極は、ワイヤ溶接によって前記PCBの第1の導電性パッドに電気接続され、
前記少なくとも1つの第2の電極は、導電性接着層を介して前記PCBの第2の導電性パッドに電気接続されている、
請求項18に記載の組立体。
【請求項22】
前記少なくとも1つの第1の電極および前記少なくとも1つの第2の電極のそれぞれは、導電性接着層を介して、前記PCBの異なる導電性パッドによって前記PCBに電気接続されている、
請求項18に記載の組立体。
【請求項23】
前記PCBが、前記少なくとも1つの冷却要素と、前記第1の表面における前記少なくとも1つのエネルギー送信器に隣接する少なくとも1つの領域との間に少なくとも1つの断熱領域を有する、
請求項1~22のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項24】
前記少なくとも1つの断熱領域は、前記第1の表面と交差している、
請求項23に記載の組立体。
【請求項25】
前記PCBの少なくとも1つの層が、前記第1の表面と前記少なくとも1つの断熱領域との間に位置決めされている、
請求項23に記載の組立体。
【請求項26】
前記少なくとも1つの断熱領域は、前記PCBの少なくとも1つの層によって、前記PCBの前記第1の表面および前記第2の表面のそれぞれから離間している、
請求項23に記載の組立体。
【請求項27】
前記少なくとも1つの断熱領域は、前記PCBの、空気で充填された開口部である、
請求項23~26のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項28】
前記少なくとも1つの断熱領域は、前記PCBの内部に断熱材料のインプラントを有する、
請求項23~26のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項29】
前記少なくとも1つの断熱領域は、前記PCBに予め形成されかつ断熱材料で充填されたビアを有する、
請求項23~26のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項30】
前記断熱材料は、空気、気体、または空気を含むシリカ粒子を含む、
請求項28または29のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項31】
前記第1の表面における前記少なくとも1つの温度センサと前記少なくとも1つの冷却要素との間に少なくとも1つの断熱領域を備える、
請求項2~4のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項32】
前記少なくとも1つのエネルギー送信器は、少なくとも1つの超音波トランスデューサ、少なくとも1つの高周波電極、および少なくとも1つのレーザーダイオードのうちの少なくとも1つを有する、
請求項1~31のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項33】
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは、非集束超音波エネルギーを送達するように構成されている、
請求項32に記載の組立体。
【請求項34】
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは、少なくとも1つの圧電素子を有する、
請求項31または32のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項35】
第1の表面および第2の表面を有する剛性領域であって、前記第2の表面と交差する1つまたは複数のキャビティを有する剛性領域と、
前記第1の表面に位置決めされた少なくとも1つのエネルギー送信器と、を備え、
前記1つまたは複数のキャビティは、前記少なくとも1つのエネルギー送信器の位置と位置合わせされている、
プリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)。
【請求項36】
前記剛性領域の縁部から距離をおいて前記剛性領域の第2の表面に電気的および機械的に接続された可撓性領域を備える
請求項35に記載のプリント回路基板。
【請求項37】
前記剛性領域は、前記1つまたは複数のキャビティと前記少なくとも1つのエネルギー送信器との間に少なくとも1つの熱伝導領域を有する、
請求項35または36のいずれか一項に記載のプリント回路基板。
【請求項38】
前記少なくとも1つのエネルギー送信器は、前記第1の表面において互いに距離をおいて位置決めされた複数のエネルギー送信器を含み、
前記1つまたは複数のキャビティは、前記剛性領域内に並んだ複数の離間したキャビティを含み、
前記複数の離間したキャビティの各キャビティは、前記複数のエネルギー送信器の異なるエネルギー送信器と位置合わせされている、
請求項35~37のいずれか一項に記載のプリント回路基板。
【請求項39】
前記第1の表面および/または前記第2の表面は、平面である、
請求項35~38のいずれか一項に記載のプリント回路基板。
【請求項40】
前記1つまたは複数のキャビティは、少なくとも1つの冷却要素を受け入れる形状およびサイズを有する、
請求項35~39のいずれか一項に記載のプリント回路基板。
【請求項41】
第1の表面および第2の表面を有するプリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)、および
前記第1の表面に搭載された少なくとも1つの超音波トランスデューサ
を有する少なくとも1つのエネルギー放射組立体と、
開口部を有し、かつ前記PCBと幾何学的に互いに係止し合うように構成された少なくとも1つの剛性カバーと、を備え、
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサおよび前記PCBの前記第1の表面は、前記少なくとも1つの剛性カバーの前記開口部を介して少なくとも部分的に露出している、
超音波アプリケータ。
【請求項42】
前記PCBは、少なくとも1つの凹部を備え、
前記少なくとも1つの剛性カバーは、前記少なくとも1つの凹部と幾何学的に互いに係止し合っている、
請求項41に記載の超音波アプリケータ。
【請求項43】
前記少なくとも1つのエネルギー放射組立体は、前記PCBの前記第2の表面に連結された少なくとも1つの冷却要素を備え、
前記少なくとも1つの冷却要素は、前記PCBを介して前記少なくとも1つの超音波トランスデューサを冷却するように構成されている、
請求項41または42のいずれか一項に記載の超音波アプリケータ。
【請求項44】
前記開口部の遠位において前記カバーに取り付けられた少なくとも1つの絶縁層を備え、
前記少なくとも1つの絶縁層は、前記少なくとも1つのエネルギー放射組立体を電気的に絶縁し、前記少なくとも1つのエネルギー放射組立体を湿気および液体の侵入から封止する、
請求項41~43のいずれか一項に記載の超音波アプリケータ。
【請求項45】
プリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)の表面に搭載される少なくとも1つのエネルギー送信器を用意するステップと、
前記PCBを介して前記少なくとも1つのエネルギー送信器および/または前記表面を冷却するステップと、
を含む、エネルギー送信器を冷却する方法。
【請求項46】
前記冷却するステップは、前記PCBの異なる表面を介して前記PCB内に少なくとも部分的に貫入する少なくとも1つの冷却要素によって、前記少なくとも1つのエネルギー送信器および/または前記表面を冷却するステップを含む、
請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記用意するステップは、前記表面に搭載される少なくとも1つの超音波トランスデューサを用意するステップを含み、
前記冷却するステップは、前記PCBを介して前記少なくとも1つの超音波トランスデューサおよび/または前記表面を冷却するステップを含む、
請求項45または46に記載の方法。
【請求項48】
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサを作動させて、前記冷却するステップ中に非集束超音波エネルギーを生成して皮膚組織に送達するステップを含む、
請求項47に記載の方法。
【請求項49】
電気配線と、第1の表面と、第2の表面とを有する剛性プリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)を用意するステップと、
前記第1の表面に少なくとも2つの超音波トランスデューサを互いに距離をおいた状態で搭載するステップと、
を含む、エネルギー送信組立体を製造する方法。
【請求項50】
少なくとも2つのそれぞれが前記第2の表面に開口部を有するキャビティを、前記PCBに形成するステップを含む、
請求項49に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年12月31日に出願された米国特許仮出願第63/132,629号の35 USC §119(e)に基づく優先権の利益を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
本発明は、いくつかの実施形態では、エネルギー送信組立体に関し、より詳細には、限定はしないが、超音波エネルギー送信組立体に関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以下では、本発明の実施形態のいくつかの例を説明する(実施形態は、2つ以上の例からの特徴を含んでいてもよいし、かつ/または各例のすべての特徴に満たない数の特徴を含んでいてもよい)。
【0004】
例1
第1の表面および第2の表面を有するプリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)と、
前記第1の表面に搭載された少なくとも1つのエネルギー送信器と、
前記PCBの前記第2の表面に連結された少なくとも1つの冷却要素と、を備え、
前記冷却要素は、前記PCBを介して前記少なくとも1つのエネルギー送信器を冷却するように構成されている、
組立体。
【0005】
例2
前記PCBの前記第1の表面の前記少なくとも1つのエネルギー送信器の近くに搭載された少なくとも1つの温度センサを備える、例1に記載の組立体。
【0006】
例3
前記少なくとも1つのエネルギー送信器は、前記PCBの前記第1の表面に搭載された複数の離間したエネルギー送信器を含み、前記少なくとも1つの温度センサは、少なくとも2つの温度センサを含み、前記少なくとも2つの温度センサのうちの1つまたは少なくとも1つの温度センサは、前記第1の表面における隣接する2つのエネルギー送信器の間に搭載されている、例2に記載の組立体。
【0007】
例4
前記少なくとも1つの温度センサは、サーミスタを有する、例2または3に記載の組立体。
【0008】
例5
前記PCBは、前記少なくとも1つの冷却要素と前記少なくとも1つのエネルギー送信器との間に少なくとも1つの熱伝導領域を有する、上述の例のいずれか1つに記載の組立体。
【0009】
例6
前記少なくとも1つの熱伝導領域は、前記少なくとも1つのエネルギー送信器が搭載された前記第1の表面と交差している、例5に記載の組立体。
【0010】
例7
前記少なくとも1つのエネルギー送信器と前記少なくとも1つの熱伝導領域との間にPCB領域が位置決めされている、例5に記載の組立体。
【0011】
例8
前記少なくとも1つの熱伝導領域は、前記第1の表面における前記少なくとも1つのエネルギー送信器の位置と位置合わせされている、例5~7のいずれか1つに記載の組立体。
【0012】
例9
前記少なくとも1つの熱伝導領域は、前記PCBの内部に熱伝導性材料のインプラントを有する、実施例5~8のいずれか1つに記載の組立体。
【0013】
例10
前記少なくとも1つの熱伝導領域は、前記PCBに予め形成されたビアチャネルを有し、前記ビアチャネルの容積の少なくとも50%が、熱伝導性材料で充填されている、実施例5~9のいずれか1つに記載の組立体。
【0014】
例11
前記熱伝導性材料は、銅、金、銀、銀エポキシ、および金エポキシのうちの少なくとも1つを含む、例9または10に記載の組立体。
【0015】
例12
前記少なくとも1つの冷却要素は、平坦面を有し、前記平坦面は、前記PCBの前記第2の表面に少なくとも部分的に取り付けられている、上述の例のいずれか1つに記載の組立体。
【0016】
例13
前記PCBは、前記第2の表面に開口部を有する少なくとも1つのキャビティを有し、前記少なくとも1つのキャビティは、前記少なくとも1つのエネルギー送信器と位置合わせされかつ少なくとも部分的に前記PCBと交差し、前記冷却要素は、前記開口部を通って前記少なくとも1つのキャビティに貫入する形状およびサイズを有する、上述の例のいずれか1つに記載の組立体。
【0017】
例14
前記少なくとも1つの冷却要素は、少なくとも1つの突出部を有する熱伝導ホルダを有し、前記少なくとも1つの突出部は、前記開口部を通って前記少なくとも1つのキャビティに貫入する形状およびサイズを有する、例13に記載の組立体。
【0018】
例15
前記少なくとも1つの冷却要素は、平坦面を有する熱伝導ホルダを有し、前記熱伝導ホルダの平坦面は、前記第2の表面と接触している、例1~12のいずれか1つに記載の組立体。
【0019】
例16
前記少なくとも1つの冷却要素は、前記PCBを通る1つまたは複数の冷却チャネルを有する、例1~11のいずれか1つに記載の組立体。
【0020】
例17
前記1つまたは複数の冷却チャネルは、前記PCBの前記第2の表面に少なくとも導入口および/または少なくとも1つの排出口を有する、例16に記載の組立体。
【0021】
例18
前記少なくとも1つのエネルギー送信器は、前記PCBから前記少なくとも1つのエネルギー送信器に電気を送達するための少なくとも1つの第1の電極および少なくとも1つの第2の電極を有する、上述の例のいずれか1つに記載の組立体。
【0022】
例19
前記PCBは、前記少なくとも1つの第1の電極を前記PCBの第1の導電性パッドに電気接続するための少なくとも1つの可撓性領域を有し、前記少なくとも1つの第2の電極は、導電性接着層を介して前記PCBの第2の導電性パッドに電気接続されている、例18に記載の組立体。
【0023】
例20
前記PCBは、少なくとも2つの可撓性領域を有し、少なくとも一方の可撓性領域が、前記少なくとも1つの第1の電極を前記PCBに電気接続し、前記少なくとも2つの可撓性領域のうちの別の可撓性領域が、前記少なくとも1つの第2の電極を前記PCBに電気接続している、例18に記載の組立体。
【0024】
例21
前記少なくとも1つの第1の電極は、ワイヤ溶接によって前記PCBの第1の導電性パッドに電気接続され、前記少なくとも1つの第2の電極は、導電性接着層を介して前記PCBの第2の導電性パッドに電気接続されている、例18に記載の組立体。
【0025】
例22
前記少なくとも1つの第1の電極および前記少なくとも1つの第2の電極のそれぞれは、導電性接着層を介して、前記PCBの異なる導電性パッドによって前記PCBに電気接続されている、例18に記載の組立体。
【0026】
例23
前記PCBが、前記少なくとも1つの冷却要素と、前記第1の表面における前記少なくとも1つのエネルギー送信器に隣接する少なくとも1つの領域との間に少なくとも1つの断熱領域を有する、上述の例のいずれか1つに記載の組立体。
【0027】
例24
前記少なくとも1つの断熱領域は、前記第1の表面と交差している、例23に記載の組立体。
【0028】
例25
前記PCBの少なくとも1つの層が、前記第1の表面と前記少なくとも1つの断熱領域との間に位置決めされる、例23に記載の組立体。
【0029】
例26
前記少なくとも1つの断熱領域は、前記PCBの少なくとも1つの層によって、前記PCBの前記第1の表面および前記第2の表面のそれぞれから離間している、例23に記載の組立体。
【0030】
例27
前記少なくとも1つの断熱領域は、前記PCBの、空気で充填された開口部である、実施例23~26のいずれか1つに記載の組立体。
【0031】
例28
前記少なくとも1つの断熱領域は、前記PCBの内部に断熱材料のインプラントを有する、実施例23~26のいずれか1つに記載の組立体。
【0032】
例29
前記少なくとも1つの断熱領域は、前記PCBに予め形成されかつ断熱材料で充填されたビアを有する、実施例23~26のいずれか1つに記載の組立体。
【0033】
例30
前記断熱材料は、空気、気体、または空気を含むシリカ粒子を含む、実施例28または29のいずれか1つに記載の組立体。
【0034】
例31
前記第1の表面における前記少なくとも1つの温度センサと前記少なくとも1つの冷却要素との間に少なくとも1つの断熱領域を備える、例2~4のいずれか1項に記載の組立体。
【0035】
例32
前記少なくとも1つのエネルギー送信器は、少なくとも1つの超音波トランスデューサ、少なくとも1つの高周波電極、および少なくとも1つのレーザーダイオードのうちの少なくとも1つを有する、上述の例のいずれか1つに記載の組立体。
【0036】
例33
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは、非集束超音波エネルギーを送達するように構成されている、例32に記載の組立体。
【0037】
例34
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは、少なくとも1つの圧電素子を有する、実施例31または32のいずれか1つに記載の組立体。
【0038】
例35
第1の表面および第2の表面を有する剛性領域であって、前記第2の表面と交差する1つまたは複数のキャビティを有する剛性領域と、
前記第1の表面に位置決めされた少なくとも1つのエネルギー送信器と、を備え、
前記1つまたは複数のキャビティは、前記少なくとも1つのエネルギー送信器の位置と位置合わせされている、
プリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)。
【0039】
例36
前記剛性領域の縁部から距離をおいて前記剛性領域の第2の表面に電気的および機械的に接続された可撓性領域を備える、例35に記載のプリント回路基板。
【0040】
例37
前記剛性領域は、前記1つまたは複数のキャビティと前記少なくとも1つのエネルギー送信器との間に少なくとも1つの熱伝導領域を有する、例35または36のいずれか1つに記載のプリント回路基板。
【0041】
例38
前記少なくとも1つのエネルギー送信器は、前記第1の表面において互いに距離をおいて位置決めされた複数のエネルギー送信器を含み、前記1つまたは複数のキャビティは、前記剛性領域内に並んだ複数の離間したキャビティを含み、前記複数の離間したキャビティの各キャビティは、前記複数のエネルギー送信器の異なるエネルギー送信器と位置合わせされている、例35~37のいずれか1つに記載のプリント回路基板。
【0042】
例39
前記第1の表面および/または前記第2の表面は、平面である、例35~38のいずれか1つに記載のプリント回路基板。
【0043】
例40
前記1つまたは複数のキャビティは、少なくとも1つの冷却要素を受け入れる形状およびサイズを有する、例35~39のいずれか1つに記載のプリント回路基板。
【0044】
例41
第1の表面および第2の表面を有するプリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)、および
前記第1の表面に搭載された少なくとも1つの超音波トランスデューサ、
を有する少なくとも1つのエネルギー放射組立体と、
開口部を有し、かつ前記PCBと幾何学的に互いに係止し合うように構成された少なくとも1つの剛性カバーと、を備え、
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサおよび前記PCBの前記第1の表面は、前記少なくとも1つの剛性カバーの前記開口部を介して少なくとも部分的に露出している、
超音波アプリケータ。
【0045】
例42
前記PCBは、少なくとも1つの凹部を備え、前記少なくとも1つの剛性カバーは、前記少なくとも1つの凹部と幾何学的に互いに係止し合っている、例41に記載の超音波アプリケータ。
【0046】
例43
前記少なくとも1つのエネルギー放射組立体は、前記PCBの前記第2の表面に連結された少なくとも1つの冷却要素を備え、前記少なくとも1つの冷却要素は、前記PCBを介して前記少なくとも1つの超音波トランスデューサを冷却するように構成されている、例41または42のいずれか1つに記載の超音波アプリケータ。
【0047】
例44
前記開口部の遠位において前記カバーに取り付けられた少なくとも1つの絶縁層を備え、前記少なくとも1つの絶縁層は、前記少なくとも1つのエネルギー放射組立体を電気的に絶縁し、前記少なくとも1つのエネルギー放射組立体を湿気および液体の侵入から封止する、実施例41~43のいずれか1つに記載の超音波アプリケータ。
【0048】
例45
プリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)の表面に搭載される少なくとも1つのエネルギー送信器を用意するステップと、
前記PCBを介して前記少なくとも1つのエネルギー送信器および/または前記表面を冷却するステップと、
を含む、エネルギー送信器を冷却する方法。
【0049】
例46
前記冷却するステップは、前記PCBの異なる表面を介して前記PCB内に少なくとも部分的に貫入する少なくとも1つの冷却要素によって、前記少なくとも1つのエネルギー送信器および/または前記表面を冷却するステップを含む、例45に記載の方法。
【0050】
例47
前記用意するステップは、前記表面に搭載される少なくとも1つの超音波トランスデューサを用意するステップを含み、前記冷却するステップは、前記PCBを介して前記少なくとも1つの超音波トランスデューサおよび/または前記表面を冷却するステップを含む、実施例45または46のいずれか1つに記載の方法。
【0051】
例48
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサを作動させて、前記冷却するステップ中に非集束超音波エネルギーを生成して皮膚組織に送達するステップを含む、例47に記載の方法。
【0052】
例49
電気配線と、第1の表面と、第2の表面とを有する剛性プリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)を用意するステップと、
前記第1の表面に少なくとも2つの超音波トランスデューサを互いに距離をおいた状態で搭載するステップと、
を含む、エネルギー送信組立体を製造する方法。
【0053】
例50
少なくとも2つのそれぞれが前記第2の表面に開口部を有するキャビティを、前記PCBに形成するステップを含む、例49に記載の方法。
【0054】
特に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術および/または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様のまたは等価な方法および材料を、本発明の実施形態の実践または試験に使用することができるが、例示的な方法および/または材料を下記に記載する。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が優先する。加えて、材料、方法、および実施例は単なる例示であり、必ずしも限定を意図するものではない。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態について、その例示のみを目的として添付の図面を参照して本明細書に記載する。以下、特に図面を詳細に参照して示す細部は、例示を目的とし、また本発明の実施形態の詳細な説明を目的とすることを強調する。同様に、図面と共に説明を見ることで、本発明の実施形態をどのように実践し得るかが当業者には明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBの表面に位置決めされた少なくとも1つのエネルギー送信器を有するエネルギー送信組立体の概略図である。
【
図2】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBを介して少なくとも1つのエネルギー送信器を冷却するための全般的なフローチャートである。
【
図3A】本発明のいくつかの例示的実施形態による、PCBの概略図である。
【
図3B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、アプリケータ本体内のPCBの概略図である。
【
図3C】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、アプリケータ本体内のPCBの概略図である。
【
図3D】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、アプリケータ本体内のPCBの概略図である。
【
図3E】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、アプリケータ本体内のPCBの概略図である。
【
図3F】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBの可撓性領域と剛性領域との間の接続の概略図である。
【
図4A】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、少なくとも1つのキャビティを有するPCBの概略図である。
【
図4B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、少なくとも1つのキャビティを有するPCBの概略図である。
【
図4C】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、少なくとも1つのキャビティを有するPCBの概略図である。
【
図4D】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、少なくとも1つのキャビティを有するPCBの概略図である。
【
図4E】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、少なくとも1つのキャビティを有するPCBの概略図である。
【
図4F】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、少なくとも1つのキャビティを有するPCBの概略図である。
【
図4G】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、少なくとも1つのキャビティを有するPCBの概略図である。
【
図5A】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBのキャビティ内に配置される手指のような形の複数の延在部を有する熱伝導ホルダの概略図である。
【
図5B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBのキャビティ内に配置される手指のような形の複数の延在部を有する熱伝導ホルダの概略図である。
【
図5C】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBのキャビティ内に配置される手指のような形の複数の延在部を有する熱伝導ホルダの概略図である。
【
図5D】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBのキャビティ内に配置される手指のような形の複数の延在部を有する熱伝導ホルダの概略図である。
【
図5E】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBのキャビティ内に配置される手指のような形の複数の延在部を有する熱伝導ホルダの概略図である。
【
図5F】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBのキャビティ内に配置される手指のような形の複数の延在部を有する熱伝導ホルダの概略図である。
【
図6A】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、ホルダ延在部の上部に配置された平坦面を有するPCBを示す概略図である。
【
図6B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、ホルダ延在部の上部に配置された平坦面を有するPCBを示す概略図である。
【
図7A】本発明のいくつかの例示的実施形態による、ホルダ延在部上に位置決めされた、少なくとも1つの熱伝導領域および/または少なくとも1つの断熱領域を有するPCBの概略図である。
【
図7B】本発明のいくつかの例示的実施形態による、ホルダ延在部上に位置決めされた、少なくとも1つの熱伝導領域および/または少なくとも1つの断熱領域を有するPCBの概略図である。
【
図7C】本発明のいくつかの例示的実施形態による、ホルダ延在部上に位置決めされた、少なくとも1つの熱伝導領域および/または少なくとも1つの断熱領域を有するPCBの概略図である。
【
図8A】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、ホルダの平坦面上に位置決めされた平坦面を有するPCBの概略図
【
図8B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、平坦面と、ホルダの平坦面上に位置決めされた少なくとも1つの熱伝導領域および/または少なくとも1つの断熱領域とを有するPCBの概略図である。
【
図8C】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、平坦面と、ホルダの平坦面上に位置決めされた少なくとも1つの熱伝導領域および/または少なくとも1つの断熱領域とを有するPCBの概略図である。
【
図8D】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、平坦面と、ホルダの平坦面上に位置決めされた少なくとも1つの熱伝導領域および/または少なくとも1つの断熱領域とを有するPCBの概略図である。
【
図9A】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、内部冷却要素を有するPCBの概略図である。
【
図9B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、内部冷却要素、および、内部冷却要素とエネルギー送信器が搭載されるPCBの表面との間の少なくとも1つの熱伝導要素を有するPCBの概略図である。
【
図9C】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、内部冷却要素、および、内部冷却要素とエネルギー送信器が搭載されるPCBの表面との間の少なくとも1つの熱伝導要素を有するPCBの概略図である。
【
図10A】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、内部冷却要素を有するPCBに搭載されたエネルギー送信器の概略断面図である。
【
図10B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、内部冷却要素を有するPCBに搭載されたエネルギー送信器の概略断面図である。
【
図10C】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、内部冷却要素を有するPCBに搭載されたエネルギー送信器の概略断面図である。
【
図11A】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBの表面に搭載されたエネルギー送信器を有するPCBを備えるアプリケータヘッドの組立プロセスの概略図である。
【
図11B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBの表面に搭載されたエネルギー送信器を有するPCBを備えるアプリケータヘッドの組立プロセスの概略図である。
【
図11C】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBの表面に搭載されたエネルギー送信器を有するPCBを備えるアプリケータヘッドの組立プロセスの概略図である。
【
図11D】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBの表面に搭載されたエネルギー送信器を有するPCBを備えるアプリケータヘッドの組立プロセスの概略図である。
【
図11E】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBの表面に搭載されたエネルギー送信器を有するPCBを備えるアプリケータヘッドの組立プロセスの概略図である。
【
図11F】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBの表面に搭載されたエネルギー送信器を有するPCBを備えるアプリケータヘッドの組立プロセスの概略図である。
【
図11G】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、ホルダに取り付けられたPCBの可撓性領域を示す概略図である。
【
図11H】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、ホルダに取り付けられたPCBの可撓性領域を示す概略図である。
【
図12A】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBとPCB上のエネルギー送信器との間の電気接続を示す概略図である。
【
図12B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBとPCB上のエネルギー送信器との間の電気接続を示す概略図である。
【
図12C】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBとPCB上のエネルギー送信器との間の電気接続を示す概略図である。
【
図12D】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBとPCB上のエネルギー送信器との間の電気接続を示す概略図である。
【
図12E】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBとPCB上のエネルギー送信器との間の電気接続を示す概略図である。
【
図12F】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBとPCB上のエネルギー送信器との間の電気接続を示す概略図である。
【
図13A】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBの電気コネクタを取り囲む電気的に絶縁された領域を示す概略図である。
【
図13B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBの電気コネクタを取り囲む電気的に絶縁された領域を示す概略図である。
【
図13C】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBの電気コネクタを取り囲む電気的に絶縁された領域を示す概略図である。
【
図14A】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、エネルギー送信組立体のユニットを1つ以上備えるアプリケータの概略図である。
【
図14B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、エネルギー送信組立体のユニットを1つ以上備えるアプリケータの概略図である。
【
図14C】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、エネルギー送信組立体のユニットを1つ以上備えるアプリケータの概略図である。
【
図15】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCB表面上に少なくとも2つの異なるタイプのエネルギー送信器を備えるエネルギー送信組立体の概略図である。
【
図16】
図16A~
図16Fは、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBの配線および層の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明は、そのいくつかの実施形態では、エネルギー送信組立体に関し、より詳細には、限定はしないが、超音波エネルギー送信組立体に関する。
【0058】
概要
いくつかの実施形態の一態様は、回路基板、例えば、プリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)に搭載された1つまたは複数のエネルギー送信器を有するエネルギー送信組立体と、回路基板を介した1つまたは複数のエネルギー送信器の冷却とに関する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のエネルギー送信器は、PCBの可撓性領域、たとえば可撓性PCBに、および/またはPCBの剛性領域、たとえば剛性PCBに搭載されている。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のエネルギー送信器は、1つまたは複数のエネルギートランスデューサ、たとえば1つまたは複数の超音波トランスデューサを有する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のエネルギー送信器は、回路基板の第1の表面に搭載され、冷却は、回路基板の第2の表面を介して適用される。代替的にまたは追加的に、冷却は、回路基板内から適用される。いくつかの実施形態では、回路基板は、1つまたは複数のエネルギー送信器に電力を送達し、1つまたは複数のエネルギー送信器を電源および/または制御回路と電気接続するように構成された電気配線を有する。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、冷却は、PCBの第2の表面に連結された少なくとも1つの冷却要素によって提供される。いくつかの実施形態では、冷却要素は、PCBの第2の表面に取り付けられ、熱が、1つまたは複数のエネルギー送信器からPCBの第2の表面を介して冷却要素に伝導される。あるいは、熱は、1つまたは複数のエネルギー送信器からPCB内に位置決めされた冷却要素に伝導される。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、PCB内に位置決めされた冷却要素は、PCBの第2の表面に取り付けられた熱伝導ホルダの少なくとも1つの指状部(finger)を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの指状部は、PCB内に貫入している。オプションとして、少なくとも1つの指状部、例えば、少なくとも1つの指状部の長軸は、第1の表面に搭載されたエネルギー送信器の位置と位置合わせされている。あるいは、PCB内に位置決めされた冷却要素は、PCB内の冷却液の流れを可能にする形状およびサイズの少なくとも1つのチャネルを備える。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、PCBは、エネルギー送信器の少なくともいくつかまたはエネルギー送信器の各々と冷却要素との間に1つまたは複数の熱伝導インサートを有する。いくつかの実施形態では、熱伝導インサートは、熱伝導性材料から形成され、オプションとして、エネルギー送信器から冷却要素にのみ熱を伝導する形状およびサイズを有する。
【0062】
いくつかの実施形態によれば、エネルギー放射組立体は、回路基板(例えば、PCB)の第1の表面に搭載された1つ以上のセンサを有する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサは、隣接するエネルギー送信器の間に位置決めされている。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサは、複数のセンサを含み、複数のセンサの各々は、回路基板の第1の表面における隣接する2つのエネルギー送信器の間に位置決めされている。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサは、少なくとも1つの温度センサ、たとえばサーミスタを含む。代替的に、または追加的に、1つまたは複数のセンサは、少なくとも1つの圧力センサを含む。
【0063】
いくつかの実施形態によれば、回路基板は、1つまたは複数のセンサと少なくとも1つの冷却要素との間に1つまたは複数の断熱領域を有する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の断熱領域は、1つまたは複数のセンサを冷却モジュールから熱的に分離するように構成された断熱材料、例えば、空気、窒素ガス、ガス充填小ポリマー粒子、ガス充填小シリカ粒子、およびガラス繊維を含む。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、1つまたは複数のエネルギー送信器は、単一のエネルギー送信タイプ、たとえば超音波トランスデューサを含む。あるいは、1つまたは複数のエネルギー送信器は、回路基板の第1の表面に配置された2つ以上のタイプのエネルギー送信器のマイクを含む。
【0065】
回路基板に1つまたは複数のエネルギー送信器を搭載すること、そして最も重要なことであるが、平面的な幾何学形状で搭載することの潜在的な利点は、例えば、PCB製造産業において非常に一般的かつ標準的であるピックアンドプレース方法および/またはピックアンドプレースマシンを使用するエネルギー送信組立体の容易な組み立ておよび/または大量生産を可能にすることであり得る。
【0066】
いくつかの実施形態の一態様は、PCB内の少なくとも1つの熱伝導領域を使用して、PCBを介して熱伝導率を制御することに関する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの熱伝導領域は、PCBに連結された少なくとも1つの冷却要素と、PCBの、少なくとも1つのエネルギー送信器が搭載された表面との間に位置決めされている。いくつかの実施形態では、熱伝導領域は、エネルギー送信器と冷却要素との間の熱伝導率を高めるように構成されている。オプションとして、熱伝導領域により、冷却要素は、効率的にエネルギー送信器を冷却することができる。いくつかの実施形態では、熱伝導領域は、例えば、発熱素子、例えば、エネルギー送信器の位置または計画された位置に従って、PCB内に選択的に位置決めされる。
【0067】
いくつかの実施形態では、PCB内の少なくとも1つの熱伝導領域は、PCBの他の領域と比較して20%超、例えば40%超、50%超、60%超、80%超、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きいパーセンテージ値の熱伝導効率で熱を伝導する領域である。
【0068】
いくつかの実施形態によれば、熱伝導領域は、エネルギー送信器が搭載されたPCBの第1の表面と、冷却要素に連結された第2の表面との間に位置決めされている。いくつかの実施形態では、熱伝導領域は、第2の表面に開口部を有するチャネル、例えば、熱伝導性材料で充填されたビアチャネルを含む。いくつかの実施形態では、ビアチャネルの少なくとも50%、例えば、ビアチャネルの少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%が、熱伝導性材料で充填されている。いくつかの実施形態では、例えば、第1の表面に搭載されたエネルギー送信器とビアチャネル内の熱伝導性材料とを電気的に絶縁できるように、ビアチャネルとPCBの第1の表面との間にPCBの一部が位置決めされている。あるいは、ビアチャネルは、PCBの第1の表面および第2の表面と交差している。
【0069】
いくつかの実施形態によれば、熱伝導領域は、インプラント、例えば、PCB内に位置決めされたインサートを有する。いくつかの実施形態では、インプラントは、熱伝導性材料を含む。いくつかの実施形態では、PCBの一部が、インプラントと、トランスデューサが取り付けられた第1の表面とを分離している。加えて、またはオプションとして、PCBの一部が、PCBの第2の表面とインプラントとを分離している。あるいは、インプラントは、PCBの第2の表面および/または第1の表面と交差している。
【0070】
いくつかの実施形態によれば、PCBは、少なくとも1つの熱的に分離された領域を含む。いくつかの実施形態では、PCB内の熱的に分離された領域は、PCBの他の領域と比較して、20%未満、例えば40%未満、50%未満、60%未満、80%未満、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きいパーセンテージ値の熱伝導効率で熱を伝導する領域である。
【0071】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの熱的に分離された領域は、PCBの第2の表面および/または冷却要素と、第1の表面の、エネルギー送信器に隣接するかまたはエネルギー送信器の近くにある領域との間に位置決めされている。オプションとして、少なくとも1つの熱的に分離された領域は、PCBの第2の表面および/または冷却要素と、第1の表面の、隣接する2つのエネルギー送信器の間に位置決めされた領域との間に位置決めされている。第1の表面のこの領域は、例えば、オプションとして組織に接触する第1の表面の過冷却を防止するために隣接する2つのエネルギー送信器の間に配置されている。
【0072】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの熱的に分離された領域の位置は、PCBの表面上のエネルギー送信器の位置および/または少なくとも1つのセンサ(例えば、温度センサ)の位置に従って決定される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの熱的に分離された領域は、少なくとも1つのセンサと少なくとも1つの冷却要素との間に選択的に位置決めされている。いくつかの実施形態では、熱的に分離された領域の位置は、第1の表面上における隣接する2つのエネルギー送信器間の領域および/または第1の表面上のセンサの位置と位置合わせされている。
【0073】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの熱的に分離された領域は、少なくとも1つのセンサが位置決めされ、かつ/または少なくとも1つの冷却要素と接触している表面と接触している。あるいは、少なくとも1つの熱的に分離された領域は、少なくとも1つのセンサが位置決めされる表面から離間し、かつ/または少なくとも1つの冷却要素から離間している。
【0074】
いくつかの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの熱的に分離された領域は、PCBの第1の表面および/または第2の表面と交差している。いくつかの実施形態では、PCBの一部が、少なくとも1つの熱的に分離された領域と、PCBの第1の表面および/または第2の表面とを分離している。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの熱的に分離された領域は、熱的に分離する材料で充填されたビアチャネルを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの熱的に分離された領域は、熱的に分離する材料のインプラントを有する。
【0075】
PCB本体内の少なくとも1つの特定の熱的に分離された領域を有するPCBの潜在的な利点は、感熱性素子(例えば、PZTの表面に搭載された少なくとも1つの温度センサ)に対するPCB本体を介した熱効果を制御または制限することであり得る。
【0076】
熱伝導領域および/または断熱領域を有することの潜在的な利点は、PCB層を通る少なくとも1つの冷却要素からの冷却効果の分配を制御することであり得る。PCB内の熱的分離領域により、エネルギー送信器(例えば圧電素子(PZT))の位置に冷却の位置を合わせることができ、かつ/または、PCB内の、PZTの下および/または近くの領域を局所的に冷却することができる。これにより、皮膚に接触するPZTのないPCB領域の冷却を防ぐことができる。
【0077】
冷却効果の制御は、例えば、PZT素子によって組織内に生成される所望の熱効果を減少させたり、妨げたりもする皮膚の過度の冷却を防止するために重要である。
【0078】
熱的分離領域の更なる潜在的な利点は、例えばサーミスタの皮膚からの熱流に対する応答性を高めることができるように、サーミスタを冷却効果から隔離することであり得る。
【0079】
本明細書に記載される組立体およびアプリケータは、直接接触した状態での皮膚温度の測定、および、エネルギーが印加される皮膚表面の位置に相対的に非常に近くでの皮膚温度を測定ができるように構成されている。
【0080】
いくつかの実施形態の一態様は、少なくとも1つのエネルギー送信器と、第1の表面上のエネルギー送信器の位置と位置合わせされた少なくとも1つのキャビティと、を有する第1の表面を有するPCB(例えばPCBの剛性領域)に関する。いくつかの実施形態では、キャビティは、PCBの第2の表面に開口部を有する。第2の表面は、オプションとして、第1の表面とは反対側の表面である。いくつかの実施形態では、可撓性領域は、剛性領域の端部から距離をおいて剛性領域に電気的および機械的に結合されている。オプションとして、可撓性領域は、少なくとも1つのエネルギー送信器を有する剛性領域を、少なくとも1つの異なる剛性領域と電気的および機械的に接続する。
【0081】
いくつかの実施形態によれば、剛性領域は、互いに距離を置いて第1の表面に搭載された複数の離間したエネルギー送信器(例えば、超音波トランスデューサ)を有する。いくつかの実施形態では、剛性領域は、第1の表面上のエネルギー送信器の分布に従ってPCB内に選択的に位置決めされた複数の離間したキャビティを有する。いくつかの実施形態では、各キャビティは、第1の表面上のエネルギー送信器の位置と位置合わせされている。いくつかの実施形態では、PCBの一部が、各キャビティと第1の表面との間を分離している。いくつかの実施形態では、各キャビティとPCBの第1の表面との間のPCBの一部は、50μm~300μm、例えば、50μm~100μm、70μm~200μm、100μm~200μm、150μm~300μm、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値の範囲の厚さ値を有する。
【0082】
いくつかの実施形態では、PCBの第1の表面および第2の表面の少なくとも1つまたは各表面は、平面である。
【0083】
いくつかの実施形態によれば、PCBの剛性領域は、キャビティと第1の表面との間に少なくとも1つの熱伝導領域を有する。いくつかの実施形態では、熱伝導領域は、PCBの一部によってキャビティおよび/または第1の表面から分離されている。
【0084】
いくつかの実施形態の一態様は、PCBの表面に搭載された少なくとも1つのエネルギー送信器を有するPCBと、PCBと幾何学的に互いに係止し合うように構成されたカバー(例えば剛性カバー)と、を備える超音波アプリケータに関する。いくつかの実施形態では、カバーは、開口部を有する。いくつかの実施形態では、カバーがPCBと互いに係止し合っている場合、少なくとも1つのエネルギー送信器は、カバーの開口部を介して露出されている。いくつかの実施形態では、超音波アプリケータは、カバー(例えばカバーの開口部の上)に取り付けられた少なくとも1つの絶縁層を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの絶縁層は、湿気および/または液体からPCBおよび/または少なくとも1つのエネルギー送信器を封止する。
【0085】
いくつかの実施形態によれば、PCBは、少なくとも1つの凹部、例えば、PCB上の少なくとも1つのエネルギー送信器の位置から横方向に位置決めされた凹部を有する。いくつかの実施形態では、カバーは、少なくとも1つの凹部と幾何学的に互いに係止し合うように(例えば、接触するように)構成されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの凹部は、少なくとも1つのエネルギー送信器が搭載された表面の凹部である。あるいは、少なくとも1つの凹部は、PCBの異なる表面、例えば、エネルギー送信器が搭載される表面の反対側の表面の凹部である。
【0086】
いくつかの実施形態の一態様は、PCBの表面に少なくとも1つのエネルギー送信器(例えば、超音波トランスデューサ)を搭載することによってエネルギー送信組立体を製造する方法に関する。いくつかの実施形態では、例えば、ピックアンドプレースプロセスを使用して、複数のエネルギー送信器が互いに距離をおいてPCBの表面に搭載される。いくつかの実施形態では、PCB上の隣接する2つのエネルギー送信器間の距離(例えば、最小距離)は、0.1mm~100mmの範囲、例えば0.5mm~20mm、1mm~10mm、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値の範囲である。いくつかの実施形態では、PCB上の隣接する2つのエネルギー送信器間の距離(例えば、最小距離)は、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい距離である。いくつかの実施形態では、エネルギー送信器のうちの少なくともいくつかまたはすべては、平行に位置決めされる。代替的に、またはオプションとして、エネルギー送信器の少なくともいくつかは、隣接するエネルギー送信器に対してある角度に、または異なる方位に向けられる。代替的にまたはオプションとして、隣接するエネルギー送信器間の距離は、PCB上のエネルギー送信器間で同様であるかまたは様々である。
【0087】
いくつかの実施形態によれば、製造プロセス中に、例えば、少なくとも1つのエネルギー送信器の計画された位置に従って、1つまたは複数のキャビティがPCBに形成される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のキャビティは、PCBの、少なくとも1つのエネルギー送信器が搭載されているかまたは搭載される予定の表面とは異なる表面(オプションとして反対側の表面)に開口部を有する。いくつかの実施形態では、PCBの一部が、キャビティと、PCB上の少なくとも1つのエネルギー送信器の計画された位置との間を分離している。
【0088】
いくつかの実施形態によれば、キャビティは、PCBを穿孔することによって形成される。あるいは、キャビティは、キャビティの計画された位置に開口部をそれぞれ有する各PCB層を積層することによって形成される。いくつかの実施形態では、各キャビティは、計画された位置またはPCB表面上のエネルギー送信器の位置と位置合わせされる。いくつかの実施形態では、キャビティは、少なくとも1つの加熱要素(例えば、熱伝導ホルダの延在部)がキャビティに貫入できるように選択された寸法で形成されている。
【0089】
いくつかの実施形態によれば、製造プロセス中に、少なくとも1つの熱伝導領域がPCBに形成される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの熱伝導領域は、少なくとも1つのエネルギー送信器が搭載されることが計画されているPCBの表面と、PCBの第2の表面との間に形成される。あるいは、少なくとも1つの熱伝導領域は、少なくとも1つのエネルギー送信器が搭載されることが計画されているPCBの表面と、PCBにおけるキャビティまたはキャビティの計画位置との間に形成される。
【0090】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの熱伝導領域は、熱伝導インプラントをPCB内(例えば、PCB内に形成された空隙または開口部)に配置または導入することによって形成される。あるいは、熱伝導領域は、PCB内にビアチャネルを生成し、ビアチャネルを熱伝導性材料で充填することによって形成される。
【0091】
いくつかの実施形態によれば、製造プロセスは、少なくとも1つのエネルギー送信器が搭載される表面に少なくとも1つのセンサ(例えば、温度センサ)を取り付けることを含む。いくつかの実施形態では、温度センサは、隣接する2つのエネルギー送信器の間に搭載される。いくつかの実施形態では、温度センサは、ピックアンドプレースプロセスを使用して搭載されている。
【0092】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、必ずしもその用途が、以下の記載に示す、および/または図面および/または実施例で例示する、構成の詳細および要素の配置および/または方法に限定されるものではないことを理解するべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、また、さまざまな手段で実施または実行することが可能である。
【0093】
例示的なエネルギー送信組立体
いくつかの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つのエネルギー送信器は、例えば、医療処置または美容処置中に、身体の組織にエネルギーを送達するために使用される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエネルギー送信器は、トランスデューサ(例えば超音波トランスデューサ)を有する。オプションとして、超音波トランスデューサは、圧電セラミック材料、例えばジルコン酸チタン酸鉛、チタン酸バリウム、または圧電挙動を示す他の材料を含む。代替的または追加的に、少なくとも1つのエネルギー送信器は、無線周波数(RF:RadioFrequency)電極および/またはレーザーダイオードのうちの少なくとも1つを有する。
【0094】
いくつかの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つのエネルギー送信器はエネルギー送信組立体の一部である。エネルギー送信組立体は、電気回路と、少なくとも1つのエネルギー送信器の起動前、起動中、および/または起動後に少なくとも1つのエネルギー送信器および/または身体の組織を冷却するように構成された冷却要素(例えば、冷却器)と、を有する。ここで、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、エネルギー放射組立体を示す
図1を参照する。
【0095】
いくつかの例示的な実施形態によれば、エネルギー送信組立体(例えば、組立体102)は、第1の表面106および少なくとも1つの追加の表面(例えば、第2の表面108)を有する回路基板(例えば、PCB104)を有する。いくつかの実施形態では、第2の表面108は、第1の表面106の反対側にある。
【0096】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組立体102は、少なくとも1つのエネルギー送信器、例えば、第1の表面106に搭載された少なくとも2つのエネルギー送信器110および112を備える。いくつかの実施形態では、少なくとも2つのエネルギー送信器110および112は、第1の表面106に取り付けられるか、または第1の表面106に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、少なくとも2つのエネルギー送信器110および112は、離間している(例えば、第1の表面106上に分散している)。
【0097】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組立体102は、PCB104の第2の表面108に連結された少なくとも1つの冷却要素114、例えば少なくとも1つの冷却器を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの冷却要素は、熱電冷却器(TEC:Thermoelectric Cooler)、熱伝導ホルダ、ヒートシンク、および、PCB104を通るかまたはPCB104と接触した状態で配置された冷却流体または冷却流体チャネルのうちの少なくとも1つを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの冷却要素は、受動冷却要素および/または能動冷却要素を有する。
【0098】
いくつかの例示的な実施形態によれば、冷却要素114は、第2の表面108に少なくとも部分的に取り付けられている。いくつかの実施形態では、冷却要素114は、第2の表面108と少なくとも部分的に接触している。代替的にまたは追加的に、冷却要素114は、少なくとも部分的にPCB104内に貫入しており、オプションとして第2の表面108を貫通している。いくつかの実施形態では、冷却要素114のPCB104への貫入領域は、PCB104の第1の表面106上の少なくとも1つのエネルギー送信器の位置と位置合わせされている。
【0099】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組立体102は、PCB104の第1の表面106に搭載された少なくとも1つのセンサ、例えば少なくとも2つのセンサ116および118を備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサは、温度センサ(例えば、サーミスタ)を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサは、第1の表面106に取り付けられている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサは、隣接する2つのエネルギー送信器、例えばエネルギー送信器110および112の間に位置決めされている。いくつかの実施形態では、少なくとも2つのセンサ116および118の各センサは、第1の表面106上の隣接する一対のエネルギー送信器の間に位置決めされている。
【0100】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組立体102は、例えば、少なくとも1つのエネルギー送信器および冷却モジュールからのPCBを通る熱伝導を増加させるために、PCB内に、オプションとして冷却要素114と少なくとも1つのエネルギー送信器との間に、少なくとも1つの熱伝導領域を備える。いくつかの実施形態では、組立体102は、例えば、少なくとも1つの温度センサによる熱測定に対する冷却モジュール114からの干渉を低減するために、PCB内に(オプションとして、少なくとも1つのセンサ(例えば、温度センサ)と冷却要素との間に)少なくとも1つの熱絶縁領域を有する。
【0101】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組立体102は、オプションとして医療処置および/または美容処置に使用されるエネルギー送信アプリケータの一部である。いくつかの実施形態では、組立体102は、第1の表面106が身体組織に対向するように配向されるように、アプリケータのヘッド内に配置される。いくつかの実施形態では、第1の表面106は、組織(例えば、皮膚)と直接または間接的に接触して配置されるように構成されている。いくつかの実施形態では、第1の表面106は、アプリケータの皮膚接触面に隣接する。オプションとして、アプリケータの皮膚接触面は、組織(例えば、皮膚)または皮膚表面と、少なくとも1つのエネルギー送信器を有する第1の表面106との間に位置決めされる。
【0102】
送信器を冷却するための例示的なプロセス
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織にエネルギーを送達するための装置(例えば、アプリケータ)は、1つまたは複数のエネルギー送信器、例えば、エネルギー放射トランスデューサを有する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のエネルギー送信器は、回路基板(例えばPCB)の表面に搭載され、アプリケータの皮膚接触面に対向するようにアプリケータの内部に位置決めされている。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のエネルギー送信器の起動中に、熱が生成され、アプリケータの皮膚接触面に接触している組織(例えば、皮膚)に送達される。いくつかの実施形態では、組織への熱損傷を防止するために、アプリケータの皮膚接触面および/またはエネルギー送信器の少なくとも1つが冷却される。
【0103】
ここで、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、アプリケータの少なくとも1つのエネルギー送信器を冷却するための方法を示す
図2を参照する。
【0104】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ブロック202において、少なくとも1つのエネルギー送信器を有するアプリケータを用意する。いくつかの実施形態では、アプリケータは、組織(例えば、皮膚)と接触して配置される形状およびサイズを有する表面を有する。いくつかの実施形態では、アプリケータは、アプリケータの皮膚接触面に隣接して配置されたPCBの表面に搭載されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエネルギー送信器は、アプリケータの皮膚接触面とPCBとの間に位置決めされている。
【0105】
いくつかの例示的な実施形態によれば、アプリケータは、ブロック204において、皮膚と接触して配置されてもよい。いくつかの実施形態では、アプリケータの皮膚接触面の少なくとも一部は、皮膚と接触して配置される。
【0106】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ブロック206において、少なくとも1つのエネルギー送信器を作動させる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエネルギー送信器の作動により、エネルギーを生成し、少なくとも1つのエネルギー送信器から組織にエネルギーを送達する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエネルギー送信器は、超音波トランスデューサを有する。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサの作動により、超音波エネルギー(例えば、非集束超音波エネルギー)を生成し、皮膚の組織層内(例えば、皮膚の深部組織層内)に超音波エネルギーを送達する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエネルギー送信器の作動により、エネルギー送信器が熱を生成する。これは、アプリケータに接触する組織の熱損傷をもたらし得る。
【0107】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ブロック208において、少なくとも1つのエネルギー送信器の冷却がPCBを通して適用される。いくつかの実施形態では、冷却は、PCB構造の1つまたは複数の層を通して適用される。いくつかの実施形態では、冷却は、PCBの1つまたは複数の層を通して、PCBの表面に搭載された少なくとも1つのエネルギー送信器に適用される。いくつかの実施形態では、冷却は、PCBの1つまたは複数の表面(例えば、少なくとも1つのエネルギー送信器が搭載された表面の反対側にある1つまたは複数の表面)を通して適用される。いくつかの実施形態では、冷却は、ブロック208において、ブロック208での作動前、作動中、および/または作動後に適用される。いくつかの実施形態では、冷却は、アプリケータおよび/または少なくとも1つのエネルギー送信器に接触する組織を冷却するために、PCBおよび少なくとも1つのエネルギー送信器を介して適用される。
【0108】
例示的な一般的なPCB
いくつかの例示的な実施形態によれば、PCBは、少なくとも1つの可撓性領域と、少なくとも1つの剛性領域とを備える。オプションとして、PCBの少なくとも1つの可撓性領域は、PCBの2つの剛性領域を相互接続し、例えば、互いに接続された可撓性領域および剛性領域から形成されたPCB本体を形成する。いくつかの実施形態では、PCBの少なくとも1つの剛性領域は、少なくとも1つのエネルギー送信器および/または少なくとも1つのセンサをPCBに接続するための基部として使用される。追加的または代替的に、少なくとも1つの領域は、PCBと、エネルギー送信アプリケータまたはシステムの他の構成からの電気配線との間の1つまたは複数の電気コネクタのための基部として使用される。
【0109】
ここで、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、可撓性領域および剛性領域を有するPCBを示す
図3を参照する。
【0110】
いくつかの例示的な実施形態によれば、PCB302は、少なくとも1つの可撓性領域308によって相互接続された、少なくとも1つの第1の剛性領域304および少なくとも1つの第2の剛性領域306を有する。いくつかの実施形態では、PCBの可撓性領域(例えば、可撓性領域308)は、薄く、かつ、可撓性領域および/または可撓性領域の構造における電気配線を損傷することなく、少なくとも45度、例えば、少なくとも90度、少なくとも180度、または任意の中間の、より小さい、またはより大きい角度での曲げを可能にする可撓性材料から形成されている。
【0111】
いくつかの例示的な実施形態によれば、エネルギー送信器は、可撓性PCB上に位置決めされている。いくつかの実施形態では、可撓性PCBにおいて、エネルギー送信器に隣接しかつ/またはエネルギー送信器と位置合わせされて位置決めされた熱伝導インプラント(オプションとしてエネルギー送信器の下に位置決めされた熱伝導インプラント)をオプションとして含む熱伝導領域は、エネルギー送信器を機械的に支持するために(例えば、可撓性PCBが曲がるときのエネルギー送信器への損傷を防止するために)使用される。あるいは、エネルギー送信器は、追加の機械的支持を伴わずに、可撓性PCB上に位置決めされている。
【0112】
いくつかの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの第1の剛性領域304は、剛性領域304の第1の表面に搭載された少なくとも1つの、例えば少なくとも2つのエネルギー送信器310および312を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの2つのエネルギー送信器は、少なくとも2つの超音波トランスデューサを有し、オプションとしてPZTを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第1の剛性領域304は、少なくとも1つのセンサ、例えば、剛性領域304の第1の表面に搭載された温度センサを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの温度センサは、サーミスタ、例えばサーミスタ312および314を備える。いくつかの実施形態では、サーミスタの各々は、隣接する2つのエネルギー送信器の間に位置決めされている。
【0113】
いくつかの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの第2の剛性領域306は、少なくとも1つの電気コネクタ、例えば電気コネクタ316および318を備える。いくつかの実施形態では、電気コネクタは、PCB302を1つまたは複数の外部電気ネットワークに電気接続するように構成されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電気コネクタ、例えば、コネクタ316および318は、バリア320によって囲まれ、コネクタ316および318の隔離領域が形成されている。いくつかの実施形態では、バリアは、第2の剛性領域の他の部分から電気コネクタを分離し、例えば、封止液または封止ゲルを用いた、コネクタを含む分離領域の選択的封止を可能にする。
【0114】
いくつかの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの第2の剛性領域306は、少なくとも1つのインジケータ(例えば、人間が検出可能な通知(例えば、音声通知および/または視覚的通知))を生成するように構成されたインジケータ322および324を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのインジケータは、少なくとも1つの電気コネクタ、例えば、コネクタ316および318を介してPCB302と外部要素との間に電気接続が確立されたときに通知を生成する。代替的にまたは追加的に、少なくとも1つのインジケータは、少なくとも1つのエネルギー送信器、たとえば送信器310および312の作動時に通知を生成する。
【0115】
いくつかの例示的な実施形態によれば、PCB302は、少なくとも1つの追加の可撓性領域、例えば、少なくとも1つの第2の剛性領域306に結合された可撓性領域326を含む。いくつかの実施形態では、可撓性領域は、剛性領域308および/または剛性領域304の電気配線に電気接続された電気配線を有する。いくつかの実施形態では、可撓性領域326は、少なくとも1つのインジケータ、例えば、少なくとも1つの人間が検出可能な通知、例えば、音声通知および/または視覚的通知を生成するように構成されたインジケータ328を有する。代替的または追加的に、可撓性領域326は、少なくとも1つのユーザ入力信号を受信するための少なくとも1つのユーザインタフェース330を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのユーザインタフェース330は、ユーザ入力を受信するためのスイッチ、選択部(selector)、および/またはボタンを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのユーザインタフェース330は、PCB302の剛性領域および可撓性領域のうちの少なくとも1つに位置決めされている。
【0116】
いくつかの例示的な実施形態によれば、PCB302は、少なくとも1つの可撓性領域、例えば、剛性領域304に結合された可撓性ストリップ332を有する。いくつかの実施形態では、可撓性ストリップは、少なくとも1つの温度センサ、例えば、可撓性ストリップ332内の配線に電気接続されたサーミスタ334を備える。
【0117】
いくつかの例示的な実施形態によれば、アプリケータ本体内に位置決めされたとき、PCB302の可撓性領域は、可撓性領域に対して、およびアプリケータ本体内の他の要素に対して、様々な位置および/または様々な向きに剛性領域を配置することを可能にする。例えば、可撓性ストリップ332は、サーミスタ334を、剛性領域304の近くに位置する1つ以上の素子、例えば、1つ以上の冷却要素と接触させることを可能にする。
【0118】
いくつかの例示的な実施形態によれば、可撓性領域および剛性領域を有するPCB302は、アプリケータ本体の電気ハブとして使用される。これにより、例えば、PCB302の中央電気配線に電気部品を接続でき、また、PCB302に結合された電気部品と、アプリケータ本体内の他の構成要素(例えば、他の電気部品および/または非電気部品)との機械的に可撓性のあるインターフェースが実現される。
【0119】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図3Bおよび
図3Cに示されるように、PCBは、組織とPCBとの接触またはアプリケータ本体内の他の構成要素との接触を防止するように構成されたカバー、例えばカバー311を有するアプリケータ本体内に配置される。いくつかの実施形態では、PCBの剛性領域、例えば、エネルギー送信器312および314を備える領域304が、カバー311と接触して配置される。
【0120】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図3Dに示されるように、アプリケータ本体は、少なくとも1つの冷却要素(例えばホルダ340)を有し、冷却要素は、PCB(例えば、エネルギー送信器(例えばエネルギー送信器310)を有する剛性領域304)と接触して配置される。いくつかの実施形態では、ホルダ340は熱伝導ホルダであり、オプションとしてPCBに機械的支持も提供する。いくつかの実施形態では、ホルダ340は、PCBの剛性領域304のための基部として使用される。いくつかの実施形態では、ホルダ340は、PCBの送信器310が搭載された表面とは反対側の表面および/または異なる表面に接触している。
【0121】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図3Dに示されるように、アプリケータ本体のカバー344は、送信器310が搭載されたPCBの剛性領域の少なくとも一部を覆い、送信器310を覆わない。いくつかの実施形態では、例えば、
図3Dに示されるように、カバー344は、送信器310を備えるPCB表面に結合されている。あるいは、例えば、
図3Eに示されるように、アプリケータ本体のカバー、例えば、カバー346は、PCBの送信器310を有する面とは反対側のPCBの表面に結合される。いくつかの実施形態では、例えば、
図3Eに示されるように、PCBの剛性領域305は、アプリケータ本体カバーの一部として使用される。
【0122】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図3Dおよび3Eに示されるように、カバー344は、PCBと、例えばPCBの剛性領域304と幾何学的に互いに係止し合っている。いくつかの実施形態では、例えば、
図3Dに示されるように、剛性領域304は、少なくとも1つの遠位凹部311、例えば、送信器310が搭載されたPCBの表面により近い側方遠位凹部を含む。いくつかの実施形態では、カバー344は、少なくとも1つの遠位凹部311と幾何学的に互いに係止し合っている。
【0123】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図3Eに示されるように、剛性領域304は、少なくとも1つの近位凹部313(例えば、PCBの、少なくとも1つの冷却要素(例えばホルダ340)に対向する表面により近い側方近位凹部)を有する。いくつかの実施形態では、カバー346は、少なくとも1つの近位凹部313と幾何学的に互いに係止し合っている。
【0124】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図3Fに示されるように、可撓性領域308は、剛性領域304の端部305(例えば縁部)から距離をおいて剛性領域304に、例えば機械的および電気的に結合されている。遠位領域の縁部から距離をおいて可撓性領域を剛性領域に結合する潜在的な利点は、剛性領域に対して可撓性領域を曲げるとき(例えば、アプリケータ本体内に配置されるPCBの形状および/またはサイズを調整する際)に張力解放することができることであり得る。
【0125】
キャビティを有する例示的なPCB
いくつかの例示的な実施形態によれば、PCBに搭載された少なくとも1つのエネルギー送信器(例えば超音波トランスデューサ)の作動中に、少なくとも1つのエネルギー送信器によって熱が生成される。いくつかの実施形態では、発生した熱は、エネルギー送信器に隣接して位置する、またはエネルギー送信器と直接的または間接的に接触して配置される組織に熱損傷を引き起こし得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエネルギー送信器の冷却は、例えば、少なくとも1つのエネルギー送信器が搭載された表面とは異なるPCBの表面を介して、PCBと連結された少なくとも1つの冷却要素を使用して実行される。
【0126】
いくつかの例示的な実施形態によれば、PCBは、例えば、PCB内への少なくとも1つの冷却要素の貫入を可能にする1つまたは複数のキャビティを備えて形成される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のキャビティは、PCBの表面上の少なくとも1つのエネルギー送信器の位置と位置合わせされている。ここで、
図4A~
図4Gを参照する。
図4A~
図4Gは、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、冷却要素の少なくとも一部を受け入れる形状およびサイズのキャビティを有するPCBを示す。
【0127】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図4Aに示されるように、PCB402は、0.5mm~3mm、例えば、0.5mm~2mm、1mm~2mm、1.5mm~3mm、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値の範囲の厚さ406を有する。オプションとして、PCB402は、多層状に、例えば、3層、4層、5層、6層、7層、または任意のより多い数の層から形成されている。
【0128】
いくつかの例示的な実施形態によれば、PCBは、少なくとも1つのキャビティ404を備える。いくつかの実施形態では、キャビティ404は、PCB402の1つまたは複数の層を貫通する。いくつかの実施形態では、キャビティ404、例えばキャビティ長軸は、PCB402の第1の表面410に取り付けられた、エネルギー送信器の配置のためのパッド408と位置合わせされている。いくつかの実施形態では、キャビティ404とパッド408との間、またはキャビティ404とPCB表面410との間のPCBの厚さ412は、0.05mm~0.5mmの範囲、例えば、0.1mm~0.2mm、0.15mm~0.3mm、0.25~0.5mm、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値の範囲である。
【0129】
いくつかの例示的な実施形態によれば、キャビティ404は、PCBの製造プロセス中に、例えば、少なくとも1つのエネルギー送信器の計画された位置またはエネルギー送信器を位置決めするためのパッドに位置合わせされた特定のPCB領域において層の数を削減することによって形成される。あるいは、キャビティは、PCBが製造された後にPCBを穿孔することによって形成される。
【0130】
いくつかの例示的な実施形態によれば、PCBは、複数のキャビティを有する。いくつかの実施形態では、キャビティの数は、PCBの表面に搭載された発熱素子の数に従って(例えば、PCB表面に搭載されたエネルギー送信器の数に従って)決定される。いくつかの実施形態では、キャビティは、PCB内で離間している。いくつかの実施形態では、隣接する2つのキャビティ間の距離は、キャビティと位置合わせされた隣接する2つのエネルギー送信器または他の発熱素子間の距離に従って決定される。
【0131】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図4Bに示されるように、キャビティの形状およびサイズは、冷却要素の少なくとも一部分を受け入れる形状およびサイズ、例えば、発熱素子から(例えば、エネルギー送信器)から近距離に冷却要素を位置決めする形状およびサイズである。いくつかの実施形態では、冷却要素は、熱をエネルギー送信器から、オプションとして追加の冷却要素に向かって伝導するように構成された熱伝導ホルダ(例えばベースホルダ)を有する。いくつかの実施形態では、ホルダは、熱伝導性材料、例えば、熱伝導性の金属または金属組成物、例えば、アルミニウムまたは任意の他の金属から形成される。
【0132】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ホルダは、少なくとも1つの突出部、例えば、キャビティ404を介してPCB402内に少なくとも部分的に貫入する形状およびサイズを有する指状部414を有する。いくつかの実施形態では、指状部414の遠位端416は、PCB402と、またはパッド408もしくはエネルギー送信器が搭載されるPCBの少なくとも1つの層と接触して配置される。いくつかの実施形態では、指状部414は、エネルギー送信器が搭載される表面410とは異なる表面、オプションとしては、表面410とは反対側の表面である表面418を通ってPCB402内に貫入している。いくつかの実施形態では、指状部、例えば、指状部414の幅は、例えば、キャビティ内への指状部の容易な挿入を可能にするために、キャビティ404の幅よりも小さい。
【0133】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図4Cに示されるように、指状部420は、少なくとも1つの開口部424を含む遠位端422を有する。オプションとして、指状部420をキャビティ404内に挿入するとき、オプションとして空気で満たされた少なくとも1つの開口部424が、指状部420とPCB402との間に位置決めされている。
【0134】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図4Dに示されるように、充填材426、例えば、電気的および/または熱的に伝導性の充填材が、キャビティ404内に位置決めされ、指状部420および/または指状部の遠位部422(例えば、開口部424)とキャビティ壁との間の空間を充填する。いくつかの実施形態では、指状部420は、充填材料を収容したキャビティ内に押し込まれる。いくつかの実施形態では、充填材料は、キャビティ404内に指状部420を固定するために、および/または指状部420をPCB202に取り付けるために使用される接着剤、例えばエポキシ接着剤を含む。いくつかの実施形態では、接着剤は、金属粒子、例えば、アルミニウム粒子、銀粒子および/または金粒子を含む電気的および熱的に伝導性を有する接着剤である。
【0135】
いくつかの例示的な実施形態によれば、充填材料426は、例えば、ホルダとPCBとの間の接着性、導電性、および/または熱伝導性を高めるために、ホルダおよび/またはホルダの指状部とのインターフェースとして使用される。
【0136】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図4Eに示されるように、ホルダ本体428は、PCB402に接触し、一方、ホルダ本体428から延びる少なくとも1つの指状部430は、PCB402のキャビティ404内に貫入する。いくつかの実施形態では、ホルダ本体428は、少なくとも1つのエネルギー送信器が搭載される表面410とは異なる表面、オプションとしては、表面410とは反対側の表面418に接触している。いくつかの実施形態では、指状部430の長さは、例えば、ホルダ本体とPCBとの間の接触を可能にするために、キャビティ404の長さよりも短いかまたは等しい。あるいは、例えば、
図4B~
図4Dに示されるように、ホルダの指状部の長さは、キャビティ404の長さ405よりも大きい。
【0137】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図4Fに示されるように、ホルダの指状部432は、例えば、スナップ嵌め組付けにより、PCB434と互いに係止し合うように構成されている。いくつかの実施形態では、PCB434は、少なくとも1つの突出縁部434、例えば、指状部432の開口部438、例えば、スナップイン領域(snap-in area)に貫入するように構成された可撓性縁部を有する。いくつかの実施形態では、PCB434の少なくとも1つの突出縁部434と、指状部432の開口部438とを含むスナップ嵌め組付けは、永久的なスナップ嵌めである。あるいは、スナップ嵌め組付けは、多用途スナップ嵌めである。いくつかの実施形態では、突出縁部436は、PCB434の層のうちの1つから形成される。いくつかの実施形態では、突出縁部436は、PCB434のキャビティ404内に突出する。
【0138】
いくつかの例示的な実施形態によれば、PCB、例えば、PCB450は、ホルダの指状部454を受容する形状およびサイズを有する少なくとも1つのキャビティ452を有する。いくつかの実施形態では、指状部454は、少なくとも1つの電気コネクタ、例えば、少なくとも1つの導電性パッド、例えば、PCB450のパッド462および464にそれぞれ接触するように構成されたコネクタ458および460を有するホルダ本体456から延在する。いくつかの実施形態では、ホルダの指状部454がキャビティ452内に挿入されると、ホルダの電気コネクタがPCBのパッドに結合される。いくつかの実施形態では、接着材料468、オプションとしては
図4Dおよび4Eに示される充填材料426が、キャビティ452を充填し、かつオプションとして指状部454の遠位端466の開口部468を充填し、指状部454とPCB450とを接着する。いくつかの実施形態では、接着材料468は、キャビティ452内の指状部454の位置を固定することによって、コネクタ458および460ならびにパッド462および464を介してホルダとPCBとの間の安定した電気接続を維持することを可能にする。いくつかの実施形態では、電力が、ホルダのコネクタ458および468を介して、ホルダから、PCB上に搭載された1つまたは複数の要素に送達される。
【0139】
キャビティ内の例示的なホルダの指状部
ここで、
図5A~
図5Cを参照する。
図5A~
図5Cは、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBおよびホルダを示しており、ホルダの延在部、例えば、指状部は、PCB内に形成されたキャビティ内に貫入している。
【0140】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ホルダ502は、ホルダ本体504と、本体504から延びる複数の延在部、例えば指状部506および508とを備える。いくつかの実施形態では、例えば、
図5Bに示されるように、各指状部は、PCB512内のキャビティを介してPCB512内に貫入している。いくつかの実施形態では、各キャビティは、PCBの少なくとも50%、例えば、PCBの少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも90%と交差している。いくつかの実施形態では、PCB内の各キャビティまたはキャビティの少なくともいくつかは、PCB全体と交差している。
【0141】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図5Cに示されるように、PCB512は、例えば、表面518に取り付けられた少なくとも1つのパッド520によって、PCB512の表面518に搭載された少なくとも1つのエネルギー送信器、例えば、超音波トランスデューサ516を有する。いくつかの実施形態では、PCBは、温度を測定するための少なくとも1つのセンサ、例えばサーミスタ522を有する。いくつかの実施形態では、サーミスタ522は、PCBの表面、例えば、表面518に搭載されている。いくつかの実施形態では、例えば、
図5Cに示されるように、ホルダの指状部524は、表面518上の超音波トランスデューサ516の位置と位置合わせされ、サーミスタ522から横方向に離間している。
【0142】
ここで、
図5Dおよび
図5Eを参照する。
図5Dおよび
図5Eは、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、ホルダの指状部を受容する形状およびサイズを有する複数の開口部を有するPCBの剛性領域を示す。
【0143】
いくつかの例示的な実施形態によれば、PCB550は、少なくとも1つの剛性領域552と、剛性領域552に結合された少なくとも1つの可撓性領域554とを備える。いくつかの実施形態では、可撓性領域554は、剛性領域552まで延びる電気配線を有する。いくつかの実施形態では、剛性領域552は、少なくとも2つのエネルギー送信器、例えば、剛性領域552の第1の表面560に搭載された少なくとも2つの超音波トランスデューサ556および558を備える。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの超音波トランスデューサ、例えば、トランスデューサ556および558は、表面560上で離間している。
【0144】
いくつかの例示的な実施形態によれば、剛性領域552は、表面560に搭載された少なくとも1つのセンサ、例えばサーミスタ562を有する。いくつかの実施形態では、サーミスタ562は、表面560および/またはトランスデューサ556および558に直接または間接的に接触する組織の温度レベルを測定するように構成されている。いくつかの実施形態では、サーミスタ562は、熱伝導要素および/または発熱素子、例えば、超音波トランスデューサ556および558から距離をおいて位置決めされており、例えば、温度測定への干渉は起こらない。いくつかの実施形態では、単一のサーミスタ、例えばサーミスタ562が、表面560の隣接する2つの超音波トランスデューサ556と558との間に位置決めされている。いくつかの実施形態では、例えば、
図5Dに示されるように、サーミスタ562および/または超音波トランスデューサとPCBの電気配線との間の少なくとも1つの電気接続564が、表面560に存在する。
【0145】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図5Eに示されるように、剛性領域552には、超音波トランスデューサおよび/またはサーミスタが搭載された第1の表面560の反対側にある第2の表面568を介して剛性領域560内に貫入する複数のキャビティ、例えばキャビティ566がある。いくつかの実施形態では、複数のキャビティは、第1の表面560から離れたところで終端している。
【0146】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図5Fに示されるように、PCBの剛性領域552は、ホルダ本体570、例えば、熱伝導ホルダ本体の上に位置決めされ、例えば、
図5A~
図5Cにも示されるように、突出部(例えばホルダ本体570から延在する指状部(例えば指状部572))が剛性領域552内のキャビティ内に挿入されている。
【0147】
いくつかの例示的な実施形態によれば、PCBは、例えば、剛性領域552に電気的および機械的に結合された少なくとも1つの追加の可撓性領域574を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の可撓性領域は、ホルダ本体570の温度レベルを測定するための少なくとも1つのサーミスタ576を備える。
【0148】
例示的な平坦なPCB
いくつかの例示的な実施形態によれば、PCB(例えば、PCBの、少なくとも1つのエネルギー送信器が載る剛性領域)は、平坦であり、貫通キャビティを含まない。いくつかの実施形態では、PCBの平坦面、例えば、少なくとも1つのエネルギー送信器が搭載された表面とは異なるPCBの表面は、ホルダに接触している。いくつかの実施形態では、PCBの平坦面は、ホルダの平坦面に接触している。あるいは、PCBの平坦面は、1つ以上の延在部、例えばホルダの指状部に接触している。
【0149】
ここで、
図6A~
図6Bを参照する。
図6A~
図6Bは、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBの平坦面と、延在する指状部を有するホルダとの組立体を示す。
【0150】
いくつかの例示的な実施形態によれば、PCB602は、第1の表面604および第2の表面606を備える。いくつかの実施形態では、PCB602は、少なくとも1つのエネルギー送信器、例えば、第1の表面604に搭載された少なくとも2つの離間したエネルギー送信器608および610を有する。いくつかの実施形態では、PCB602は、少なくとも1つのセンサ、例えば、第1の表面604に搭載された少なくとも1つの温度センサ612を備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの温度センサは、少なくとも2つの温度センサ、例えば、サーミスタ612および614を備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの温度センサは、表面602に直接または間接的に接触する組織(例えば、皮膚)の温度を測定するように構成されている。
【0151】
いくつかの例示的な実施形態によれば、PCB602は、熱伝導ホルダに取り付けられ、例えば、ホルダ616は、ホルダ本体618と、本体618から延びる1つまたは複数の延在部、例えば、離間した指状部620および622とを備える。いくつかの実施形態では、指状部620および622は、第2の表面606に接触し、エネルギー送信器、例えば、第1の表面604上の送信器608および610の位置に従って位置合わせされている。いくつかの実施形態では、指状部をエネルギー送信器と位置合わせすることにより、例えば、エネルギー送信器から熱を選択的に伝導し、温度センサ、例えば、隣接する2つのエネルギー送信器の間に位置決めされたサーミスタ612に熱的に影響を及ぼすことなくエネルギー送信器を選択的に冷却することが可能になる。
【0152】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ホルダの隣接する指状部間の開口部、例えば空間は、第1の表面604に搭載された少なくとも1つのセンサ、例えばセンサ612の位置に従って位置合わせされている。いくつかの実施形態では、離間した指状部間の開口部、例えば、開口部624は、絶縁材料で充填され、少なくとも1つの温度センサ、例えば、センサ612のホルダ616からの熱的な絶縁を高めている。いくつかの実施形態では、例えば、
図6Aに示されるように、開口部、例えば開口部624は、空気で満たされている。あるいは、例えば、
図6Bに示されるように、開口部624は、空気、窒素ガス、ガス充填小ポリマー粒子、ガス充填小シリカ粒子、および/またはガラス繊維を含む絶縁材料で充填されている。
【0153】
ここで、
図7A~
図7Cを参照する。
図7A~7Cは、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、熱伝導ホルダの指状部に取り付けられた、少なくとも1つの熱伝導領域および/または少なくとも1つの断熱領域を有する平坦なPCBを示す。いくつかの実施形態では。
【0154】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図7Aに示されるように、PCB630の平坦面606は、熱伝導ホルダ616の指状部に取り付けられる。いくつかの実施形態では、PCB630は、ホルダ(例えば、表面606に接触するホルダの指状部)と、エネルギー送信器(例えば、エネルギー送信器608)との間に、少なくとも1つのビア、例えば、PCB内のビア632を備える。いくつかの実施形態では、PCB630内に形成されたビア632は、例えば、ホルダ616とエネルギー送信器608との間の熱伝導率を高めるために、例えば、銅、金、アルミニウム、銀、炭素、またはそれらの混合物などの熱伝導性材料で充填されている。いくつかの実施形態では、ビア632の容積の少なくとも50%、例えば少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きいパーセンテージ値が、熱伝導性材料で充填されている。オプションとして、ビア632の全体の容積は、熱伝導性材料で完全に充填されている。いくつかの実施形態では、ビアは、PCB本体を貫通して穿孔された穴である。いくつかの実施形態では、熱伝導性材料で充填されたビア632は、エネルギー送信器と位置合わせされ、かつ/または少なくとも1つのセンサ、例えば、表面604に搭載された温度センサ612から横方向に離間している。
【0155】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図7Bに示されるように、PCB640の平坦面606は、ホルダ616、例えば、ホルダの指状部に接触している。いくつかの実施形態では、PCB640は、1つまたは複数のインプラント、例えば、PCB640の本体内にインサートを有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のインプラント(例えば、インプラント642)は、熱伝導性材料、例えば、銅、アルミニウム、黄銅、金を含む熱伝導インプラントであり、いくつかの実施形態では、熱伝導インプラント(例えば、インプラント642)は、ホルダ(例えば、ホルダの指状部620)と、PCB上に搭載された送信器608との間に位置決めされている。いくつかの実施形態では、熱伝導インプラントの位置は、エネルギー送信器608の位置と位置合わせされ、および/またはPCB640に搭載されたセンサ(例えば温度センサ612)から横方向に離間している。
【0156】
いくつかの例示的な実施形態によれば、PCB本体内のインプラントは、PCB640と交差している。あるいは、インプラントは、PCB640の少なくとも1つの表面を貫通している。あるいは、インプラントは、PCB640内にPCBの外面(例えば、表面604および606)から距離をおいて位置決めされている。
【0157】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図7Cに示されるように、PCB650は、少なくとも1つの断熱領域652(例えば断熱材料で充填されたビア、またはインプラント(例えば断熱材料で充填されたインサート)を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの断熱領域652は、ホルダ616と、少なくとも1つのセンサ、例えば、PCB650の表面に搭載された温度センサ654との間のPCB650内に位置決めされている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの断熱領域652は、ホルダ616からの少なくとも1つのセンサの熱的な絶縁を高めるように構成されている。いくつかの実施形態では、断熱材料はガラス繊維を含む。
【0158】
いくつかの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの断熱領域は、少なくとも1つのセンサと位置合わせされ、かつ/またはPCB654上に搭載された少なくとも1つのエネルギー送信器から横方向に離間している。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの断熱領域は、PCB650、またはPCB650の少なくとも1つの表面(例えば外面)と交差している。あるいは、少なくとも1つの断熱領域は、PCB650の外面から距離をおいてPCB650内に位置決めされている。
【0159】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図7Cに示されるように、PCB650は、少なくとも1つの熱伝導領域654と、少なくとも1つの断熱領域652とを有する。いくつかの実施形態では、例えばビア632およびインプラント642に関してそれぞれ
図7Aおよび
図7Bに示されるように、少なくとも1つの熱伝導領域は、エネルギー送信器608の位置と位置合わせされ、かつ/または少なくとも1つのセンサ654から横方向に離間している。
【0160】
ここで、
図8A~
図8Dを参照する。
図8A~
図8Dは、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、ホルダ(例えば熱伝導ホルダ)の平坦面に接触する平坦面を有するPCBを示す。
【0161】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図8Aに示されるように、先に
図6Aおよび
図6Bで示したPCB602がホルダ804の平坦面802に接触して配置されている。
【0162】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図8Bに示されるように、先に
図7Aに示したPCB630がホルダ804の平坦面に接触して配置されている。いくつかの実施形態では、
図7Aに関連して記載したように、PCB630は、少なくとも1つのビア632を有する。
【0163】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図8Cに示されるように、先に
図7Bに示したPCB640がホルダ804の平坦面に接触して配置されている。いくつかの実施形態では、
図7Bに関連して記載したPCB640は、少なくとも1つのインプラント642を有する。
【0164】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図8Dに示されるように、先に
図7Cに示したPCB650がホルダ804の平坦面に接触して配置されている。いくつかの実施形態では、
図7Cに関連して記載してPCB650は、少なくとも1つの熱伝導領域654と、少なくとも1つの断熱領域652とを有する。あるいは、PCBは、少なくとも1つの断熱領域652のみを有する。
【0165】
少なくとも1つの内部冷却チャネルを有する例示的なPCB
いくつかの例示的な実施形態によれば、PCBは、PCBの第1の表面に搭載された少なくとも1つのエネルギー送信器と、PCB内を通る少なくとも1つの内部冷却要素(例えば冷却チャネル)と、を有する。いくつかの実施形態では、冷却チャネルは、少なくとも1つのエネルギー送信器および/またはPCBの第1の表面を冷却するために、例えば、PCB内に冷却流体を循環させる形状およびサイズを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの冷却チャネルは、PCBの少なくとも1つの第2の表面を通る。ここで、
図9A~
図9Cを参照する。
図9A~
図9Cは、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、内部冷却要素を有するPCBを示す。
【0166】
いくつかの例示的な実施形態によれば、PCB902は、第1の表面904および第2の表面906を有する。いくつかの実施形態では、PCB902は、第1の表面904に搭載された少なくとも1つの、例えば少なくとも2つのエネルギー送信器と、PCB902内を通る少なくとも1つの内部冷却要素、例えば冷却チャネル912とを備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの冷却チャネル912は、少なくとも1つの導入口914と、少なくとも1つの排出口916とを有し、これら導入口および排出口は、オプションとして、PCB902から延出している。いくつかの実施形態では、導入口914および/または排出口916は、第1の表面904とは異なる表面を通って、例えば、第2の表面906を通って延在している。オプションとして、第2の表面906は、第1の表面904の反対側にある。
【0167】
オプションとして、PCBは、内部冷却要素(例えばチャネル912)と少なくとも1つのエネルギー送信器(例えば送信器908)との間に、1つまたは複数の熱伝導領域(例えば領域918)を有する。いくつかの実施形態では、領域918は、チャネル912を少なくとも部分的にまたは完全に取り囲む。いくつかの実施形態では、領域918は、熱伝導性材料、例えば、銅から作製された熱伝導インプラントを含む。いくつかの実施形態では、熱伝導インプラントは、チャネル912、例えば、チャネル912の壁に取り付けられている。
【0168】
いくつかの例示的な実施形態によれば、PCB902は、チャネル912と、表面904に搭載されたエネルギー送信器、例えば送信器908および910との間に位置決めされた、複数の離間した熱伝導インプラント、例えばインプラント918および920を有する。いくつかの実施形態では、離間した熱伝導要素は、エネルギー送信器と位置合わせされている。オプションとして、第2の表面906(オプションとして平坦面である)は、熱伝導ホルダ922、例えばホルダ922の平坦面に接触している。
【0169】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図9Bに示されるように、PCB924は、PCB924内を通る少なくとも1つの冷却チャネル926を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの熱伝導インプラントが、チャネル926と、エネルギー送信器が位置決めされた表面928との間に位置決めされている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの熱伝導インプラントは、多角形、楕円形、または円形の断面を有する。オプションとして、少なくとも1つの熱伝導インプラントは、長方形の断面を有する(例えばインプラント930)か、または正方形の断面を有する(例えばインプラント932)か、または台形の断面を有する(例えばインプラント934)。
【0170】
いくつかの例示的な実施形態によれば、熱伝導インプラント、例えばインプラント936は、チャネル926と接触しており、表面928から離間している。あるいは、熱伝導インプラント、例えばインプラント930は、表面928と接触し、チャネル926から離間している。あるいは、熱伝導インプラント、例えばインプラント932は、チャネル926および表面928の両方と接触している。あるいは、熱伝導インプラント、例えばインプラント938は、表面928およびチャネル926の両方から離間している。
【0171】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図9Cに示されるように、冷却チャネルは、多角形の断面、楕円形の断面、または円形の断面を有する。いくつかの実施形態では、冷却チャネル、例えば、冷却チャネル940は、長方形の断面を有する。いくつかの実施形態では、冷却チャネル、例えば、冷却チャネル942は、菱形の断面を有する。
【0172】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図9Cに示されるように、冷却チャネル、例えば、冷却チャネル940は、熱伝導インプラント944によって少なくとも部分的に囲まれ、オプションとして、熱伝導インプラント944は冷却チャネル940の壁に接触している。さらに、PCB946は、チャネル(例えば、チャネル940)と、少なくとも1つのエネルギー送信器が搭載された表面950との間に少なくとも1つの熱伝導インプラント(例えば、インプラント948)をさらに有する。
【0173】
いくつかの例示的な実施形態によれば、
図9A~
図9Cの熱伝導インプラントの説明と同様に、PCBは、オプションとして
図9A~
図9Cに示される熱伝導インプラントのような形状およびサイズを有する少なくとも1つの断熱インプラントを有する。
【0174】
内部冷却要素を有する例示的なエネルギー放射組立体
ここで、
図10A~
図10Cを参照する。
図10A~
図10Cは、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、内部冷却要素を有するPCBを備えるエネルギー放射組立体を示す。
【0175】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図10Aに示されるように、エネルギー放射組立体1002は、第1の表面1006およびオプションとして反対側の表面である第2の表面1008、ならびに少なくとも1つの内部冷却要素、例えば、PCB1004内を通る冷却チャネル1010を有するPCB1004を有する。いくつかの実施形態では、組立体1002は、導電性パッド、例えば、第1の表面1006に取り付けられたパッド1016および1018、ならびにオプションとして導電性フィルム、例えば、パッドとトランスデューサとの間に配置されたフィルム1020および1022を介して、第1の表面1006に搭載された少なくとも1つのエネルギー放射送信器、例えば、超音波トランスデューサ1012および1014を有する。
【0176】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組立体1002は、チャネル1010と第1の表面1006との間に少なくとも1つの熱伝導要素を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの熱伝導要素は、チャネル1010と表面1006との間のPCB1004内に位置決めされた熱伝導インプラント、例えばインプラント1024を有する。オプションとして、インプラント1024は、表面1006および/またはチャネル1010から離間している。いくつかの実施形態では、熱伝導要素は、熱伝導性材料で充填されたビア1026を有し、第1の表面1006と第2の表面1008との間でPCBと交差している。いくつかの実施形態では、熱伝導要素は、熱伝導性材料で充填されかつチャネル1010と第1の表面1006との間に位置決めされたビア1028を有する。いくつかの実施形態では、ビア1028は、第1の表面と交差し、チャネル1010から離間している。
【0177】
いくつかの例示的な実施形態によれば、熱伝導要素、例えば、インプラント1024、ビア1026、およびビア1028は、パッド1016および1018のうちの少なくとも1つ、ならびに/またはエネルギー送信器1012および1014の位置と位置合わせされている。
【0178】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図10Bに示されるように、エネルギー放射組立体1042は、第1の表面1046およびオプションとして反対側の表面である第2の表面1048、ならびに少なくとも1つの内部冷却要素、例えば、PCB1044内を通る冷却チャネル1010を有するPCB1004を有する。いくつかの実施形態では、組立体1042は、導電性パッド、例えば、第1の表面1006に取り付けられたパッド1016および1018、ならびにオプションとして導電性フィルム、例えば、パッドとトランスデューサとの間に配置されたフィルム1020および1022を介して、第1の表面1046に搭載された少なくとも1つのエネルギー放射送信器、例えば、超音波トランスデューサ1012および1014を有する。
【0179】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組立体1042は、第1の表面1006に取り付けられた導電性パッド1052を介して第1の表面1006に搭載された少なくとも1つの温度センサ1050をさらに有する。
【0180】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組立体1042は、チャネル1010と第1の表面1006との間に少なくとも1つの熱伝導要素を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの熱伝導要素は、チャネル1010と第1の表面1046との間のPCB1044内に位置決めされた熱伝導インプラント、例えばインプラント1024を有する。オプションとして、インプラント1024は、表面1046および/またはチャネル1010から離間している。いくつかの実施形態では、組立体1042は、チャネル1010とパッド1052および/または温度センサ1050との間のPCB1044内に位置決めされた少なくとも1つの断熱要素、例えば断熱体1054を有する。
【0181】
いくつかの例示的な実施形態によれば、断熱体1054は、PCB1044の第1の表面1046の少なくとも1つの温度センサ1050の位置と位置合わせされている。
【0182】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図10Cに示されるように、エネルギー放射組立体1060は、第1の表面1066およびオプションとして反対側の表面である第2の表面1068、ならびに少なくとも1つの内部冷却要素、例えば、PCB1064内を通る冷却チャネル1010を有するPCB1064を有する。いくつかの実施形態では、組立体1060は、第1の表面1066に取り付けられた少なくとも1つの冷却要素、例えば、熱電冷却器(TEC:Thermoelectric Cooler)1074および1076を備える。いくつかの実施形態では、これらのTECは、第1の表面1066上で離間している。いくつかの実施形態では、組立体1060は、導電性パッド(例えばTEC1074および1076のうちの別々のTECの表面にそれぞれが取り付けられたパッド1070および1072)と、オプションとして、導電性フィルム(例えばパッドとトランスデューサとの間に配置されたフィルム1020および1022)と、を介して第1の表面1066に搭載された少なくとも1つのエネルギー放射送信器、例えば超音波トランスデューサ1012および1014を有する。いくつかの実施形態では、パッド、例えばパッド1020および1022の各々は、TEC、例えばTEC1074および1076の低温表面に取り付けられている。いくつかの実施形態では、各TECの高温表面は、PCB1064の第1の表面1066に取り付けられている。
【0183】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組立体1042は、チャネル1010と第1の表面1006との間の少なくとも1つの熱伝導要素と、少なくとも1つのTEC(例えばTECの高温表面(例えばTEC1076))と、をさらに有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの熱伝導要素は、チャネル1010と第1の表面1066とTEC1076との間のPCB1044内に位置決めされた熱伝導インプラント、例えばインプラント1024を有する。
【0184】
いくつかの例示的な実施形態によれば、冷却チャネル1010は、例えば、
図10A~
図10Cに示されるように、冷却チャネルは、PCBの第2の表面を通る少なくとも1つの導入口1021と少なくとも1つの排出口1023とを有する。
【0185】
いくつかの例示的な実施形態によれば、いくつかの冷却要素、例えば、複数の冷却要素がPCB内を通っている。いくつかの実施形態では、複数の冷却チャネルのうちの各冷却チャネルは、例えば、特定のエネルギー送信器を個々に冷却するために、PCB上の単一のエネルギー送信器と位置合わせされる。あるいは、複数の冷却チャネルのうちの単一の冷却チャネルは、例えば、2つ以上のエネルギー送信器を冷却するために、2つ以上のエネルギー送信器と位置合わせされる。
【0186】
いくつかの冷却チャネル、およびオプションとして各エネルギー送信器のための個々の冷却チャネルを有することの潜在的な利点は、PCB上のすべてのエネルギー送信器のより効率的および/または均一な冷却処理を可能にすることであり得る。
【0187】
例示的なエネルギー放射組立体
ここで、
図11A~
図11Gを参照する。
図11A~
図11Gは、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、エネルギー放射組立体を示す。
【0188】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図11Aに示されるように、PCB1102は、少なくとも1つのエネルギー送信器、例えば少なくとも1つの超音波トランスデューサ1106を有する少なくとも1つの第1の剛性領域1104と、少なくとも1つの第2の剛性領域1106と、を有し、これらの剛性領域は、可撓性領域1110によって機械的および/または電気的に相互接続されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの超音波トランスデューサ1106は、少なくとも1つの第1の剛性領域1104の第1の表面に搭載されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサ、例えば、温度センサ1112が、第1の表面に搭載されている。
【0189】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図11Bに示されるように、少なくとも1つの第1の剛性領域1104は、少なくとも1つの冷却要素、例えば熱伝導ホルダ1114と接触して配置されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの剛性領域1104の、少なくとも1つの超音波トランスデューサが搭載された表面とは異なる第2の表面は、ホルダ1114と接触している。いくつかの実施形態では、ホルダ1114の少なくとも一部は、少なくとも1つの追加の冷却要素、例えばTECおよび/または熱交換器と接触している。オプションとして、ホルダの少なくとも一部は、TECの低温表面と接触し、TECの高温表面は、熱交換器と接触している。あるいは、少なくとも1つの剛性領域1104の第2の表面は、熱交換器と接触している。
【0190】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図11Cおよび
図11Eに示されるように、カバー1118がPCBの上に配置されている。いくつかの実施形態では、剛性領域1104は、カバー1118の開口部を通って延在している。いくつかの実施形態では、カバー1118は、アプリケータ、例えば超音波アプリケータのカバーである。いくつかの実施形態では、カバー1118は、例えば、ホルダとPCBの剛性領域との間の隙間を閉塞し外部要素の侵入を防止するために、PCBおよびホルダ1114を取り囲む。追加的または代替的に、カバー1118は、エネルギー送信組立体1102に機械的支持を提供する。
【0191】
いくつかの例示的な実施形態によれば、カバー1118は、PCB、例えば、PCBの剛性領域1104と幾何学的に互いに係止し合っている。
【0192】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図11Dおよび
図11Eに示されるように、剛性領域1104および少なくとも1つの超音波トランスデューサは、剛性領域1104および少なくとも1つの超音波トランスデューサを流体および/または湿度から封止するように構成された少なくとも1つのコーティング層1120、たとえば絶縁層で覆われている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのコーティング層は、封止層、例えば、パリレンおよびオプションとしてパリレンCの封止層を含む。代替的にまたは追加的に、少なくとも1つのコーティング層は、電気絶縁材料、例えばカプトンを含む。いくつかの実施形態において、例えば、
図11Dに示されるように,コーティング層1120は、カバー1118の上、例えば、少なくとも1つの超音波トランスデューサが露出されるカバーの開口部の上または遠位に配置されている。
【0193】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図11Fおよび
図11Gに示されるように、PCBの剛性領域1104は、1つまたは複数の延在部または指状部、たとえば指状部1122を有するホルダの上に配置されている。いくつかの実施形態では、指状部の少なくともいくつかまたは各指状部は、剛性領域1104に搭載された少なくとも1つの超音波トランスデューサ、例えばトランスデューサ1106の位置と位置合わせされている。いくつかの実施形態では、指状部または各指状部の少なくともいくつかは、
図4A~
図4Fで前述したように、PCB内のキャビティを介して剛性領域1104内に貫入している。あるいは、剛性領域1104は、指状部上に配置されている。
【0194】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図11Gおよび
図11Hに示されるように、少なくとも1つの可撓性領域、例えば可撓性ストリップ1126が、剛性領域1104に機械的および電気的に結合されている。いくつかの実施形態では、可撓性ストリップ1126は、ホルダの温度を測定するための温度センサ、例えばサーミスタを有する。いくつかの実施形態では、可撓性ストリップ1126は、屈曲し、サーミスタをホルダ1114と、例えばホルダ1126の開口部1128内で接触させるように構成されている。
【0195】
例示的なPCBおよび送信器の電気配線
ここで、
図12A~
図12Dを参照する。
図12A~
図12Dは、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBと、超音波トランスデューサの電極、例えば超音波トランスデューサの圧電素子に取り付けられた電極との間の電気配線を示す。
【0196】
いくつかの例示的な実施形態によれば、圧電素子、例えば、PZT1202は、PCB1206からある距離に位置する少なくとも1つの第1の電極1204、例えば、遠位電極と、少なくとも1つの第2の電極1208、例えば、PCB1206のより近くに位置する近位電極と、を有する。いくつかの実施形態では、導電性パッド1210がPCB1206に取り付けられている。さらに、パッド1210は、導電性接着材料1212、例えば接着剤によって近位電極1208に取り付けられている。いくつかの実施形態では、接着剤1212は、非導電性接着剤マトリクス材内に複数の導電性粒子を含む。いくつかの実施形態では、パッド1210は、導電性金属、例えば、銅、銀、金、アルミニウム、またはそれらの任意の組合せから形成されている。
【0197】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図12Aに示されるように、電気は、パッド1210から接着剤1212を介して近位電極に伝導される。いくつかの実施形態では、PCB1206は、可撓性領域を備え、例えば、可撓性ストリップ1214は、電気配線を備える。いくつかの実施形態では、可撓性ストリップ1214は、遠位電極1204とPCB1206の電気配線とを電気接続する。
【0198】
いくつかの例示的な実施形態によれば、
図12Aと同様に、例えば、
図12Bに示されるように、電気は、接着剤1212を介してパッド1210から近位電極1206に送達される。いくつかの実施形態では、PCBは、例えば、銀または金またはアルミニウムのワイヤを用いたワイヤボンディング1218を介して遠位電極1204に電気的に結合される第2のパッド1216を有する。
【0199】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図12Cに示されるように、PCB1202の第1の電極1220は、第1の可撓性領域、例えば第1の可撓性ストリップ1222によってPCB1206に電気接続されている。いくつかの実施形態では、第1の可撓性ストリップは、オプションとして、はんだ付けによって第1の電極1220に結合されている。いくつかの実施形態では、PCB1202の第2の電極1224は、第2の可撓性領域、例えば、第2の可撓性ストリップ1226によってPCB1206に電気接続されている。
【0200】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図12Dに示されるように、PZT1202の第1の電極は、接着剤を介して第1のパッド1230と電気接続されている。さらに、PZT1202の第2の電極1232は、接着剤1212の別個の領域を介して、PCB1206の第2のパッド1234に電気接続されている。
【0201】
図12Eおよび
図12Fは、PCB1248の導電性パッド1250と圧電素子の少なくとも1つの電極1252との間の電気的接続のさらなる例を提供する。いくつかの実施形態では、Aにおいて、導電性パッド1250は、例えば金ワイヤを使用するワイヤボンディングによって電極1252に電気的に結合されている。代替的にまたは追加的に、Bにおいて、導電性パッド1250は、溶接、例えばギャップ溶接(gap welding)によって電極1252に電気的に結合されている。いくつかの実施形態では、ギャップ溶接は、少なくとも1つの銀ストリップを使用して実行される。
【0202】
PCBコネクタの例示的な電気絶縁
ここで、
図13A~
図13Cを参照する。
図13A~13Cは、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBの電気コネクタの選択的絶縁を示す。
【0203】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図13Aに示されるように、PCB、例えばアプリケータPCBの剛性領域1302は、可撓性領域1306を介して、PCB、例えばエネルギー送信器PCBの第2の剛性領域1304に結合され、電気接続されている。いくつかの実施形態では、可撓性領域1306内の電気配線は、オプションとして少なくとも1つの電気コネクタ1308を有するアプリケータPCB1302の配線と、エネルギー送信器PCB1304の配線とを電気的に相互接続している。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのコネクタ1308は、アプリケータの制御ユニットに電気接続可能な電気編組(electric braid)1310に電気接続可能である。
【0204】
いくつかの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つのコネクタ1308は、少なくとも1つのコネクタ1308を含む絶縁領域1314を画定するバリア1312によって囲まれている。いくつかの実施形態では、バリア1312は、絶縁領域1314の境界内に絶縁材料を捕捉するように構成されている。いくつかの実施形態では、絶縁材料は、自己硬化性材料、例えばゲルを含む。
【0205】
例示的なアプリケータ
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図14Cに示されるように、絶縁材料1320がバリア1312内に配置されている。
【0206】
【0207】
いくつかの例示的な実施形態によれば、アプリケータ1402は、PCB1410の表面1408に搭載された少なくとも1つのエネルギー送信器、例えば超音波トランスデューサ1404および1406を有する。いくつかの実施形態では、アプリケータ1402は、トランスデューサ1404および1406が搭載された表面1408とは異なる表面1412を介してPCB1410に連結された少なくとも1つの冷却要素を備える。
【0208】
いくつかの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの冷却要素は、PCB1410内を通る少なくとも1つの冷却チャネル1414を有し、例えば少なくとも1つの導入口チャネル1418および/または少なくとも1つの排出口チャネル1420を介して、少なくとも1つのポンプ1416に機能的に結合されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポンプ1416は、冷却チャネル1414内で冷却流体を循環させて、例えば、超音波トランスデューサ1404および1406、ならびに/または表面1408に直接的にもしくは少なくとも1つの絶縁層を介して間接的に接触する組織を冷却するように構成されている。いくつかの実施形態では、PCB1410は、超音波トランスデューサ1404および1406の各々または少なくともいくつかと、冷却チャネル1414との間に少なくとも1つの熱伝導領域1422を有する。
【0209】
いくつかの例示的な実施形態によれば、アプリケータは、例えば
図14Bに示されるように、複数のエネルギー送信サブ組立体を有する。
【0210】
いくつかの例示的な実施形態によれば、各エネルギー送信サブ組立体、例えばサブ組立体1424は、トランスデューサ1404および1406を有するPCB1410と、例えば
図14Aに示されるような冷却チャネルとを有する。
【0211】
いくつかの例示的な実施形態によれば、アプリケータ1430は、組織に対向しかつ/または組織と接触して配置されたアプリケータ1430の皮膚接触面に隣接して並置された複数のユニットのサブ組立体1424を有する。いくつかの実施形態では、複数のサブ組立体は、アプリケータの少なくとも1つの中心冷却要素(例えば、複数の組立体の各組立体1424を通して冷却流体を循環させるように構成されたポンプ1432)に結合されている。追加的または代替的に、各組立体は、少なくとも1つのファンを使用して空冷される。
【0212】
いくつかの例示的な実施形態によれば、アプリケータ内のサブ組立体の数および/またはサブ組立体の配置は、特定の美容用途または治療用途に従って決定される。代替的または追加的に、アプリケータ内のサブ組立体の数および/またはサブ組立体の配置は、治療される組織の種類および/または組織の解剖学的構造に従って決定される。
【0213】
マルチエネルギー方式のPCB
いくつかの例示的な実施形態によれば、エネルギー放射組立体は、PCBを有し、少なくとも2つのタイプのエネルギー送信器が、PCB表面に結合されている。2つ以上のタイプのエネルギー送信器を有することの潜在的な利点は、異なるタイプのエネルギー送信器によって、それぞれ、異なるタイプの組織および/または組織内の異なる深さで治療することによって、より広い範囲の治療を可能にすることであり得る。ここで、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、異なるタイプのエネルギー送信器を有するエネルギー放射組立体を示す
図15を参照する。
【0214】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組立体1502は、第1の表面1506および第2の表面1508を有するPCBを有する。いくつかの実施形態では、組立体は、第1の表面1506に結合された少なくとも2つのタイプのエネルギー送信器、例えば、圧電素子1510、RF電極1512、および/またはレーザーダイオード1514を有する。いくつかの実施形態では、第2の表面1508は、例えば、
図1および本出願の他の図で前述したように、冷却要素1516と連結されている。
【0215】
例示的なPCB配線
ここで、
図16A~
図16Fを参照する。
図16A~
図16Fは、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、PCBの異なる層を示す。いくつかの実施形態において、例えば、
図16A~16Fに示されるように、PCBは、いくつかの層から形成されている。各図は、PCBの異なる層を表す。これらの図は、皮膚表面に対向する最遠位位置の層であるPCBの層(
図16A)から、冷却要素により近い最近位層(
図16F)の順に並べられている。
【0216】
いくつかの例示的な実施形態によれば、各キャビティ、例えばキャビティ1602は、多角形の断面を有する。あるいは、キャビティは、楕円形または円形の断面を有する。いくつかの実施形態では、キャビティ1602は、少なくとも約2mm×約1mm、例えば約4mm×約2mm、約5mm×約2mm、約6mm×約2mm、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい寸法を有する矩形、例えば長方形の断面を有する。
【0217】
いくつかの例示的な実施形態によれば、層は、
図16Fに示されるように、キャビティ1602の計画された位置に銅、金、銀、金でコーティングされた銅、または炭素繊維を有する。いくつかの実施形態では、
図16Bに示される層における電気配線1604は、導電性材料、例えば銅から形成されている。
【0218】
量または値に関して本明細書で使用される「約」は、「の±10%以内」を意味する。
【0219】
「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」およびその活用形は、「限定されるものではないが、含む(including but not limited to)」を意味する。
【0220】
「からなる」という用語は、「含み、限定される」ことを意味する。
【0221】
「から実質的になる」という用語は、組成物、方法または構造が追加の成分、工程および/または部分を含み得ることを意味する。但しこれは、追加の成分、工程および/または部分が、
請求項に記載の組成物、方法または構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない場合に限られる。
【0222】
本明細書において、単数形を表す「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他を示さない限り、複数をも対象とする。例えば、「化合物(a compound)」または「少なくとも1種の化合物」には、複数の化合物が含まれ、それらの混合物をも含み得る。
【0223】
本願全体を通して、本発明のさまざまな実施形態は、範囲形式にて示され得る。範囲形式での記載は、単に利便性および簡潔さのためであり、本発明の範囲の柔軟性を欠く制限ではないことを理解されたい。したがって、範囲の記載は、可能な下位の範囲の全部、およびその範囲内の個々の数値を特異的に開示していると考えるべきである。例えば、1~6といった範囲の記載は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6等の部分範囲のみならず、その範囲内の個々の数値、例えば1、2、3、4、5および6も具体的に開示するものとする。これは、範囲の大きさに関わらず適用される。
【0224】
本明細書において数値範囲(例えば、「10~15」、「10から15」、または他の同様の範囲を示す表示によって結ばれた任意の数の対)を示す場合は常に、文脈が別段に明確に示さない限り、範囲限界を含む示された範囲限界内の任意の数(分数または整数)を含むことを意味する。示される第1の数と示される第2の数と「の間の範囲」という表現と、示される第1の数「から」示される第2の数「の範囲」、「までの範囲」、「に至る範囲」、または「まで含めた範囲」(または他の同様な範囲を示す用語)という表現とは、本明細書において交換可能に使用されており、示した第1の数および第2の数、ならびにこれらの間にある全ての分数および整数を含むことを意味する。
【0225】
別段示されなければ、本明細書で使用される数およびそれに基づく任意の数の範囲は、当業者によって理解されるように、合理的な測定および丸め誤差の精度内の近似である。
【0226】
明確さのために別個の実施形態に関連して記載した本発明の所定の特徴はまた、1つの実施形態において、これら特徴を組み合わせて提供され得ることを理解されたい。逆に、簡潔さのために1つの実施形態に関連して記載した本発明の複数の特徴はまた、別々に、または任意の好適な部分的な組み合わせ、または適当な他の記載された実施形態に対しても提供され得る。さまざまな実施形態に関連して記載される所定の特徴は、その要素なしでは特定の実施形態が動作不能でない限り、その実施形態の必須要件であると捉えてはならない。
【0227】
本発明をその特定の実施形態との関連で説明したが、多数の代替、修正および変種が当業者には明らかであろう。したがって、そのような代替、修正および変種の全ては、添付の特許請求の範囲の趣旨および広い範囲内に含まれることを意図するものである。
【0228】
本明細書で言及した全ての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許および特許出願のそれぞれについて具体的且つ個別の参照により本明細書に組み込む場合と同程度に、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。加えて、本願におけるいかなる参考文献の引用または特定は、このような参考文献が本発明の先行技術として使用できることの容認として解釈されるべきではない。また、各節の表題が使用される範囲において、必ずしも限定として解釈されるべきではない。
【0229】
加えて、本出願の優先権書類がある場合は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【国際調査報告】