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特表2024-501698ハイブリッドマルチソースX線源及び撮像システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-15
(54)【発明の名称】ハイブリッドマルチソースX線源及び撮像システム
(51)【国際特許分類】
   H01J 35/06 20060101AFI20240105BHJP
   H01J 35/08 20060101ALI20240105BHJP
   H01J 35/14 20060101ALI20240105BHJP
   H05G 1/70 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
H01J35/06 B
H01J35/08 E
H01J35/14
H01J35/06 H
H05G1/70 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540111
(86)(22)【出願日】2021-12-31
(85)【翻訳文提出日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 US2021065845
(87)【国際公開番号】W WO2022147367
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】63/133,036
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】21157470.2
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】17/177,038
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517023736
【氏名又は名称】ヴァレックス イメージング コーポレイション
(71)【出願人】
【識別番号】521276412
【氏名又は名称】ブイイーシー イメージング ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャファリ、ホウマン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ、ボ
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン、ヴァンス、スコット
【テーマコード(参考)】
4C092
【Fターム(参考)】
4C092AA01
4C092AB03
4C092AC01
4C092AC11
4C092BD04
4C092CC07
4C092CE06
(57)【要約】
いくつかの実施形態は、複数のx線源を有するシステムを含み、各x線源は、電子ビームを発生するように構成された電子源と、電子ビームを受信し、電子ビームをx線ビームに変換するように構成されたターゲットとを含み、x線源のうちの第一x線源は、x線源のうちの第二x線源とは異なり、また、x線源のターゲットは線形ターゲットの一部である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のx線源を含むシステムであって、
各x線源は、
電子ビームを発生するように構成された電子源、及び
前記電子ビームを受信し、前記電子ビームをx線ビームに変換するように構成されたターゲット、
を含み、
前記x線源のうちの第一x線源は、前記x線源のうちの第二x線源とは異なり、前記第一x線源の電子源は少なくとも1つの電界エミッタを含み、
前記x線源のうちの前記第二x線源の前記電子源は、電界エミッタとは異なり、
前記x線源の前記ターゲットは線形ターゲットの一部であり、各ターゲットは線形ターゲットに沿った異なる位置に配置される、システム。
【請求項2】
前記第一x線源の前記電子源および前記第二x線源の前記電子源は、対応するターゲット上の第一焦点スポット上の前記第一x線源の前記電子源からの前記電子ビームの第一最大電流が、前記対応するターゲット上の第二焦点スポット上の前記第二x線源の前記電子源からの前記電子ビームの第二最大電流とは異なるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第一最大電流は、2倍、10倍、または100倍のうち少なくとも1つだけ前記第二最大電流より大きい、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ターゲットの表面は、関連する電子ビームに対して垂直とは異なる角度で配置され、
前記電子源に最も近いコリメータの第一エッジは、前記コリメータに入る前の前記x線ビームの中心軸よりも前記電子源に近い、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第一エッジとは反対側にある前記コリメータの第二エッジは、前記コリメータに入る前の前記x線ビームの前記中心軸にある、または前記コリメータに入る前の前記x線ビームの前記中心軸よりも前記電子源に近い、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記線形ターゲットのアスペクト比は2:1、10:1、または20:1より大きいかまたは等しい、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記x線源のうちの前記第二x線源は、フィラメント、低仕事関数エミッタ、ディスペンサカソード、またはフォトエミッタを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記x線源の少なくともいくつかは実質的に同じである、または
前記x線源のうちの少なくとも3つは実質的に同じである、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第一x線源は、第一エミッタ及び第二エミッタを含み、
前記第一エミッタは、前記第二エミッタの最大電流よりも高い最大電流を発生するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第一x線源は、
複数のエミッタ、及び
前記エミッタからの電子ビームを単一の焦点スポット上に制御可能に集束させ、前記エミッタからの前記電子ビームを複数の焦点スポット上に制御可能に集束させるように構成された複数の集束電極、
を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記第一x線源を有する第一真空筐体、
前記第二x線源を有する、前記第一真空筐体とは別である第二真空筐体、
をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第一x線源の前記ターゲットは、前記第二x線源の前記ターゲットとは異なる傾きを有する、及び/または
前記第一x線源の前記ターゲットは、前記第二x線源の前記ターゲットの材料とは異なる材料を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第一x線源の前記ターゲットを前記第二x線源の前記ターゲットとは異なって冷却するように構成された冷却システムをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
ターゲットの第一の一部を含む第一x線源から第一x線ビームを放射すること、及び
前記ターゲットの前記第一の一部とは異なる前記ターゲットの第二の一部において電界エミッタとは異なるエミッタを含む第二x線源から第二x線ビームを放射すること、
を含む、方法であって、
前記第一x線源は前記第二x線源とは異なり、
前記ターゲットは線形ターゲットである、方法。
【請求項15】
前記第一x線ビームを放射することは、複数のエミッタを含む第一電子源から前記ターゲットに向けて第一電子ビームを放出することを含み、
前記第二x線ビームを放射することは、少なくとも1つのエミッタを含む第二電子源から前記ターゲットに向けて第二電子ビームを放出することを含み、
前記ターゲット上の第一焦点スポットでの前記第一電子ビームの第一最大電流は、前記ターゲット上の第二焦点スポットでの第二電子ビームの第二最大電流とは異なる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第二電子源の前記少なくとも1つのエミッタは、第一エミッタ及び第二エミッタを含み、
第一動作中に、前記第二電子源の前記第一エミッタから第一電流で前記第二電子ビームを放出すること、及び
第二動作中に、前記第一電流よりも高い第二電流で前記第二電子源の前記第二エミッタから前記第二電子ビームを放出すること、
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第二電子源の前記少なくとも1つのエミッタは複数のエミッタを含み、
前記第二電子源の前記エミッタからの電子ビームを前記第二焦点スポット上に集束させることをさらに含む、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
電子ビームを放出するための複数の手段、
前記電子ビームに応答してx線を発生するための手段、
を含む、システムであって、
電子ビームを放出するための第一手段と、電子ビームを放出するための前記第一手段の前記電子ビームに応答して前記x線を発生するための手段との第一組み合わせは、電界エミッタを含み、前記第一組み合わせは、電子ビームを放出するための第二手段と、電子ビームを放出するための前記第二手段の前記電子ビームに応答して前記x線を発生するための手段との第二組み合わせとは異なり、
電子ビームを放出するための前記第二手段は電界エミッタとは異なるエミッタを含み、
電子ビームを放出するための前記第一手段の前記電子ビームに応答して前記x線を発生するための手段は、電子ビームを放出するための前記第二手段の前記電子ビームに応答して前記x線を発生するための手段とは異なる位置に配置される、システム。
【請求項19】
前記電子ビームを放出するための手段の1つから第一電子ビームの前記x線を発生するための手段での第一最大電流は、前記電子ビームを放出するための前記手段の別の1つからの第二電子ビームの第二最大電流とは異なる、請求項18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
定置型トモシンセシスは、マルチソースx線管を使用して実行されることができる。このようなマルチソースx線管は、ナノチューブエミッタなどの複数のエミッタを含み得る。トモシンセシスを、マルチソースx線管を使用して実行することができるが、特定のより高線量の二次元(2D)撮像を実行するには線量が不十分な場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0002】
図1】いくつかの実施形態による、複数のx線源を備えたシステムのブロック図である。
図2】いくつかの他の実施形態による、複数のx線源を備えたシステムのブロック図である。
図3A】いくつかの他の実施形態による、複数のエミッタを含むx線源を備えたシステムのブロック図である。
図3B】いくつかの他の実施形態による、複数のエミッタを含むx線源を備えたシステムのブロック図である。
図4】いくつかの実施形態による、より小さいエミッタを含むx線源を備えたシステムのブロック図である。
図5】いくつかの実施形態による、より大きいエミッタを含むx線源を備えたシステムのブロック図である。
図6A】いくつかの実施形態による、ターゲットが複数の領域を有するx線源を備えたシステムのブロック図である。
図6B】いくつかの実施形態による、異なる傾きを有するターゲットの領域のブロック図である。
図7】いくつかの実施形態による、異なる冷却システムを含む、ターゲットが複数の領域を有するx線源を備えたシステムのブロック図である。
図8】いくつかの実施形態による、複数の真空筐体を含むx線源を備えたシステムのブロック図である。
図9】いくつかの実施形態による、撮像システムのブロック図である。
図10】いくつかの他の実施形態による、撮像システムのブロック図である。
図11】いくつかの実施形態による、複数のx線源を備えたシステムを動作させる技法のフローチャートである。
図12】いくつかの実施形態による、複数のx線源を備えたシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
いくつかの実施形態は、複数のx線束(異なる線量を表す)を有するx線源に関する。本明細書に記載される実施形態は、より低線量の三次元(3D)撮像(例えば、「3D」マンモグラフィ)、ならびにより高線量の二次元(2D)撮像及び拡大撮像の一方または両方で使用されるトモシンセシスを可能にし得る。様々な電子エミッタ‐アノード構成を、様々な用途に適した様々なx線束のx線源で使用することができる。
【0004】
図1は、いくつかの実施形態による、複数のx線源を備えたシステムのブロック図である。システム100aは、エミッタ102及び104ならびにターゲット106を有する複数のx線源101aを含む。システム100aは、他の構成要素、電子機器、真空筐体などを含んでもよいが、明確にするためにこれらは図示されない。
【0005】
エミッタ102及び104は、あらゆる多様なエミッタであってもよい。例えば、エミッタ102及び104のそれぞれは、フィラメント(例えば、コイルフィラメントエミッタ)、低仕事関数(LWF)エミッタ、電界エミッタ、ディスペンサカソード、フォトエミッタなどを含み得る。エミッタ102及び104は、同じタイプのエミッタであってもよく、または異なるタイプのエミッタであってもよい。例えば、エミッタ102はトモシンセシスに使用される電界エミッタであってもよく、エミッタ104は2D及び/または拡大撮像に使用されるフィラメントであってもよい。
【0006】
ターゲット106は、電子ビーム108及び110などの入射電子ビームに応答してx線を発生するように構成された構造体である。ターゲット106は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、銀(Ag)、レニウム(Re)、パラジウム(Pd)などの材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、ターゲット106は、ターゲットの長さがターゲットの幅(または高さ)の2倍、5倍、10倍、20、または50倍である、長さ:幅(または長さ:高さ)のアスペクト比の線形ターゲットである。いくつかの実施形態では、線形ターゲットは、平坦であってもよく、または連続曲線、区分線形曲線、それらのような曲線の組み合わせなどの曲線であってもよい。いくつかの実施形態では、エミッタ102及び104のそれぞれからの電子ビーム108及び110は、ターゲット106の異なるセクションまたは部分に衝突し得る。いくつかの実施形態では、エミッタ102及び104からの電子ビーム108及び110は、ターゲット106の少なくとも3、5、または10個の異なるセクションまたは部分に衝突し得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、x線源101から放射されるx線は、共通の位置に向けられることができる。例えば、x線源101は、x線が単一の点または領域に向けられるように、ハウジング、ガントリ、または他の構造体内で配向されてもよい。システム100aが設置される場合、点または領域は、物体、検体、患者などが配置される位置であり得る。いくつかの実施形態では、システムは静止構造体またはガントリ上に取り付けられてもよい。x線源101の配置及び配向により、物体、検体、患者などの周囲でシステムを回転させる必要性が軽減される場合がある。
【0008】
エミッタ102または104とターゲット106との組み合わせは、x線源101aを形成する。例えば、x線源101a-0は、エミッタ104及びターゲット106を含む。x線源101a-1から101a-nのそれぞれは、対応するエミッタ102-1から102-n及びターゲット106を含む。単一のターゲット106が例として示されているが、以下でさらに詳細に説明されるように、各x線源101は、ターゲット106の異なる領域または別個のターゲット106を含んでもよい。以下にさらに詳細に説明されるように、x線源101は、x線源101の少なくとも1つがx線源101の別の1つとは異なるように、エミッタ102または104の異なる構成、異なるターゲット106及び/またはターゲット106の領域などの他の態様を有してもよい。ここで、x線源101a-0は、エミッタ102がエミッタ104とは異なるという点で、x線源101a-1から101a-nとは異なる。いくつかの実施形態では、エミッタ102は同一であってもよい。したがって、x線源101aのうちの1つ、すなわち、x線源101a-0のみがその他のものと異なる。ただし、いくつかの実施形態では、x線源101のそれぞれは異なってもよい。他の実施形態では、エミッタ102及び104の異なる組み合わせは同じであってもよい一方で、他は異なってよい。
【0009】
エミッタ102及び104は同様であってもよいが、エミッタ102及び104は、ターゲット106上の第一焦点スポットでのエミッタ102のうちの1つからの第一電子ビーム108の最大電流が、ターゲット106上の第二焦点スポットでの第二電子ビーム110の第二最大電流とは異なるように構成される。
【0010】
最大電流は、個々のエミッタ102または104、及びターゲット106の対応する部分の構成によって達成可能な最大電流である。いくつかの実施形態では、エミッタ102及び104は同じ動作電流を有するように動作することができるが、エミッタ102及び104及び/またはターゲット106は、エミッタ104及びターゲット106によって達成可能な最大電流が異なることもできるように構成される。例えば、エミッタ102のうちの1つもしくは複数は、エミッタ104の構成では達成できない最大電流を有してもよく、またはエミッタ104は、エミッタ102のうちの1つもしくは複数では達成できない最大電流を有してもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、システム100aは、少なくとも1つのエミッタ102及び単一のエミッタ104を含む。以下でさらに詳細に説明されるように、エミッタ102及び104は、いくつかの類似点を有する場合があるが、動作中で、かつ対応する焦点スポットとターゲット106の部分との組み合わせでは、エミッタとターゲットとの組み合わせは最大電流を有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、エミッタ104とターゲット106の対応する部分とによる最大電流は、エミッタ102-1などの単一のエミッタ102と、ターゲット106の対応する部分との最大電流よりも大きい。他の実施形態では、相対的な最大電流が逆流するため、エミッタ102の最大電流はエミッタ104よりも大きくなる。最大電流は、1.5倍、2倍、10倍、100倍またはそれ以上の関係である可能性がある。
【0013】
いくつかの実施形態では、電子ビーム110の最大電流は、電子ビーム108のうちの1つの最大電流より大きくてもよく、または小さくてもよい。したがって、ターゲット106の同一部分であっても、電子ビーム108は、電子ビーム110とは異なる最大電流をターゲット106上に発生する可能性がある。例えば、電子ビーム108の最大電流は約30ミリアンペア(mA)であり得るが、電子ビーム110の最大電流は約100mAであり得る。一例では、第一電子源(例えば、101a-0)からの電子ビーム(例えば、110)の最大電流(例えば、第一最大電流)は、第二電子源(例えば、101a-1)からの電子ビーム(例えば、108)の最大電流(例えば、第二最大電流)よりも少なくとも二倍(2倍)、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、または100倍大きい。例えば、エミッタ102からの電子ビーム108はより低線量のトモシンセシスに使用され得、エミッタ104からの電子ビーム110はより高線量の2D及び/または拡大撮像に使用され得る。
【0014】
システム100aは、エミッタ102-1から102-nで表される任意の数のエミッタ102を含むことができる。ここで、nは1より大きい任意の整数である。いくつかの実施形態では、エミッタ102の数は1つまたは少なくとも2つである。いくつかの実施形態では、エミッタ102の数は約25個であってもよい。他の実施形態では、その数は、レイアウト、構成、用途などの様々な要因に基づいて異なる場合がある。
【0015】
いくつかの実施形態では、エミッタ102及び104は、平坦な一次元アレイに配置され得る。他の実施形態では、エミッタ102及び104は、連続曲線、区分線形曲線、それらのような曲線の組み合わせなどの曲線に配置され得る。いくつかの実施形態では、エミッタ102及び104は、二次元アレイ、または一次元アレイと二次元アレイとの組み合わせに配置され得る。いくつかの実施形態では、エミッタの円弧は、中心点の周囲に約+/-15度から約+/-90度まで延在することができる。ターゲット106は、エミッタ102及び104の一次元または二次元アレイに対応する方法で形成され得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、エミッタ104はエミッタ102の中心に配置される。しかしながら、他の実施形態では、エミッタ104は異なる位置に配置されてもよい。例えば、エミッタ104は、エミッタ104のアレイの端部、エミッタ104の中心からオフセットなどに配置され得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、システム100aは、異なる用途に使用されてもよい。例えば、1セットの動作では、エミッタ102及び104のそれぞれは、ターゲット106上に実質的に同じ電流を発生するように動作し得る。このような用途は、断層撮影画像を生成するために使用され得る。しかし、二次元マンモグラフィなどの他の動作では、二次元投影画像が望ましい場合がある。それらのような画像の場合、より高いx線強度が望ましい場合がある。エミッタ104がエミッタ102とは異なるように構成されるため、システム100aは両方のタイプの動作で使用されることができる。
【0018】
図2は、いくつかの他の実施形態による、複数のエミッタを備えたシステムのブロック図である。システム100bは、上述のシステム100aと類似し得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、システム100bは、複数のエミッタ104を備えたx線源101b-0を含んでもよい(x線源101a-1から101a-nと同様の他のx線源101は明確にするためにこの図または他の図には示されていない)。ここでは、2つのエミッタ104-1及び104-2が示されているが、他の実施形態では、その数は2より大きくてもよい。各エミッタ104は、対応する電子ビーム110を発生するように構成され得る。いくつかの実施形態では、電子ビーム110は、ターゲット106上の同じ焦点スポット上など、ターゲット106の同じ部分上に集束されてもよく、及び/または操縦されてもよい。ターゲット106の同じ部分上に電子ビーム110を集束させること及び/または操縦することは、エミッタ104の構造特徴(例えば、エミッタキャビティ)及び/または電気特徴(例えば、集束電極)及び/または磁気または静電機構などによって実行されてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、エミッタ104-1など、エミッタ104のうちの1つは、エミッタ102と同様であってもよい。しかしながら、エミッタ104-2は、より大きくなる、またはより小さくなるなどで、異なっていてもよい。結果として、ターゲット上の最大電流は、エミッタ104-2が異なるために異なる可能性がある。
【0020】
いくつかの実施形態では、エミッタ104-1及び104-2の両方はエミッタ102とは異なってもよい。例えば、エミッタ104-1は、より小さくなり得、及び/またはターゲット106上により小さい焦点スポットを生成するように構成され得、エミッタ104-1は、より大きくなり得、及び/またはターゲット上により大きい焦点スポットを生成するように構成され得る。いくつかの動作では、より小さい焦点スポットを有するエミッタ104-1を高解像度撮像に使用し得、より大きいエミッタ104-2をマンモグラフィなどの二次元撮像に使用し得る。
【0021】
図3Aから3Bは、いくつかの他の実施形態による、複数のエミッタを含むx線源を備えたシステムのブロック図である。いくつかの実施形態では、システム100cは、上記のシステム100bに類似するものであり得る。しかしながら、x線源101c-0のエミッタ104は、電子ビーム110をターゲット106上の異なる焦点スポットに集束させるように構成された1つ以上の集束電極112を含んでもよい。いくつかの動作では、集束電極112は、図3Aに示されるように、電子ビーム110のそれぞれをターゲット106上の異なる焦点スポットに集束させるように制御され得る。
【0022】
しかしながら、他の動作では、図3Bに示されるように、集束電極112は、電子ビーム110を単一の焦点スポットに集束させるように制御されることもできる。結果として、その焦点スポット上の実効最大電流は、単一エミッタ104のものよりも高くなる。一例として2つのエミッタ104が使用されているが、他の実施形態では、より多くのエミッタ104が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、所望の総電流を達成するために、十分な数のエミッタ104をグループ化することができる。例えば、エミッタ104は二次元アレイに配置されてもよい。
【0023】
電子ビーム110をターゲット106上の単一の焦点スポットまたは複数の焦点スポットに集束させるように集束電極112を制御することができる、いくつかの実施形態について説明してきたが、他の実施形態では、集束は固定されてもよい。例えば、集束は、電子ビーム110を単一の焦点スポットに集束させるように設定されてもよい。動作中、ゼロからすべてのエミッタ104までの任意の数のエミッタ104は、集束電極112(この組み合わせはグリッドと呼ばれることができる)またはエミッタ104のタイプに特異的な他の構成要素などによって、電子ビーム110を選択的に放出するように制御されることができる。その結果、どのエミッタ104が電子ビーム110を単一の焦点スポットに向けて放出するかを制御することによって、単一の焦点スポット上の実効電流を制御することができる。
【0024】
図4は、いくつかの実施形態による、より小さいエミッタを含むx線源を備えたシステムのブロック図である。システム100dは、上述のシステム100aと類似し得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、エミッタ104dはエミッタ102よりも小さくてもよい。エミッタ104dは、より低い最大電流を有する電子ビーム110dを提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、電子ビーム110dは、より小さい焦点スポットサイズを有してもよい。焦点スポットサイズが小さいため、他の電子ビーム108よりも高い解像度が可能になり得る。結果として、電子ビーム110d及び得られたx線ビームは、高解像度撮像に使用されることができる。
【0025】
図5は、いくつかの実施形態による、より大きいエミッタを含むx線源を備えたシステムのブロック図である。システム100eは、上述のシステム100aと類似し得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、エミッタ104eの最大電流は、エミッタ102の最大電流より大きくてもよい。結果として、より大きい電流により、二次元マンモグラフィなどの二次元撮像が可能になる可能性がある。
【0026】
ターゲット106上に異なる最大電流をもたらすエミッタ構成の多くの変形形態を上記で説明してきた。以下にさらに詳細に説明されるように、ターゲット106は、異なる最大電流を達成するために、ターゲット106の異なる部分に対して異なる構成を含んでもよい。エミッタ102及び104が同じまたは類似の電流による電子ビーム108及び110を有する実施形態について説明するが、他の実施形態では、エミッタ構成及びターゲット構成の様々な組み合わせによって異なる最大電流が達成され得る。
【0027】
図6Aは、いくつかの実施形態による、ターゲットが複数の領域を有するx線源を備えたシステムのブロック図である。システム100fは、上述のシステム100aと類似し得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、x線源101f-0のエミッタ104は、x線源101f-1のエミッタ102と同様であってもよい。エミッタ102及びエミッタ104のそれぞれは、ここでは領域106f-0から106f-nとして識別されるターゲット106fの異なる領域に向けて、対応する電子ビーム108または110を放出するように構成される。領域106f-0から106f-nは、x線源101f-0から101f-nの一部である。ここで、エミッタ102-1から102-nは、対応する領域106f-1から106f-nに向けて電子ビーム108-1から108-nを放出するように構成され、エミッタ104は、領域106f-0に向けて電子ビーム110を放出するように構成される。
【0028】
領域106f-0から106f-nは隣接するものとして示されているが、いくつかの実施形態では、領域間の間隔は異なってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、電子ビーム108または110によって生成される焦点スポットは、重なり合うのではなく分離されてもよい。
【0029】
図6Bは、いくつかの実施形態による、異なる傾きを有するターゲットの領域のブロック図である。図6A及び6Bを参照すると、いくつかの実施形態では、領域106f-0は、領域106f-1などの別の領域とは異なる傾きを有してもよい。この例では、領域106f-0は領域106f-1よりも浅い傾きを有する。その結果、領域106f-0内のターゲット上の実効電流密度は領域106f-1でのものよりも、対応する電子ビーム108-1及び110では電流が同じであるが、小さくなる。いくつかの実施形態では、エミッタ104からの電子ビーム110での電流は、電子ビーム108-1と比較して相対的に大きくてもよい。電流が大きくなるのは、エミッタ104のサイズが大きくなることによる可能性がある。電子ビーム110は、ターゲット106の領域106f-0上に、領域106f-1と比較してより大きい焦点スポットを有し得る。しかしながら、領域106f-0の傾きが領域106f-1の傾きよりも小さいため、x線ビーム114-0の焦点スポットサイズはx線ビーム114-1の焦点スポットサイズよりも小さくなり得る。その結果、いくつかの実施形態では、x線ビーム114-1と同様のx線焦点スポットサイズを維持しながら、より高い電流を使用してx線ビーム114-0を発生することができる。さらに、電子ビーム110の電流は、高くなると、ターゲット106の領域106f-0内に広がる面積が大きくなる可能性がある。結果として、いくつかの実施形態では、領域106f-0上の電流は、広がる面積が大きくなり得ると、より大きい電流がより小さい焦点スポットに集束した場合よりも領域106f-0上の電流密度が小さくなる可能性がある。領域106f-0上の電流密度が低くなると、例えば、ターゲット106の温度、熱流束などが低減することによって、ターゲット106の安定性を高めることができる。いくつかの実施形態では、領域106f-1から106f-nの構成は類似していてもよいが、領域106f-0の構成は領域106f-1から106f-nのそれぞれの構成とは異なる。
【0030】
領域106f-0のより浅い傾きが例として使用されているが、他の実施形態では、構成は異なってもよい。例えば、領域106f-0は、領域106f-1から106f-nと比べて急な傾きを有してもよい。
【0031】
図6Aに戻り参照すると、いくつかの実施形態では、領域106f-0は、領域106f-1から106f-nの材料とは異なる材料を含み得る。上述のように、ターゲット106fとして様々な異なる材料を使用してもよく、または例えば銅(Cu)など、より効率的な熱伝達に適している様々な異なる材料を使用してターゲットを支持することができる。これらの材料のいずれかを使用して、領域106f間の材料に差異を生じさせることができる。
【0032】
特定の例では、領域106f-0はタングステン(W)で形成されてもよい。領域106f-1から106f-nは、タングステン-ロジウム合金から形成されてもよい。上述のように、いくつかの実施形態では、ターゲット106f-0上のビーム110の最大電流は、他の領域106f-1から106f-nより大きくてもよい。したがって、その領域106f-0には、より高い融点を有するなど、より高い熱性能を有するタングステンなどの材料を使用することができる。ただし、ロジウム(Rh)は、マンモグラフィなどの特定の用途では、より望ましいx線スペクトルを有する可能性がある。したがって、ロジウムは、最大電流が高い電子ビーム108を受信しない領域106f-1から106f-nの一部として使用されることができる。したがって、いくつかの実施形態では、材料は、熱性能及び/またはx線発光スペクトルに基づいて選択され得る。
【0033】
図7は、いくつかの実施形態による、異なる冷却システムを含む、ターゲットが複数の領域を有するx線源を備えたシステムのブロック図である。システム100gは、上述のシステム100fと類似し得る。しかしながら、システム100gは、領域106f-1に近接し、少なくともその領域106f-0を冷却するように構成された冷却システム116gを含んでもよい。例えば、冷却システム116gは、水冷システム、蒸発冷却システム、相変化材料などの流体冷却システムを含むことができる。いくつかの実施形態では、ターゲット106fの他の部分が冷却されてもよい。しかしながら、最大電流が高くなることにより、領域106f-0が発生する熱が多くなる可能性があるため、その領域106f-0に追加の冷却を提供し得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、領域106fは互いに離隔されることができる。例えば、領域106f間の間隔は、約5%、10%、またはそれ以上など、領域106fの長さの一部であってもよい。いくつかの実施形態では、領域106f間の間隔は同じであってもよく、または異なってもよい。いくつかの実施形態では、領域106f-0と他の領域106fとの間の間隔は、それら他の領域106fの間の間隔とは異なってもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、x線源100aから100gなど、1つのシステム100内で2つの異なる構成が可能であることにより、コストが削減される可能性がある。所望の動作によって最大電流が高くなるか、低くなるかに関係なく、単一システム100での組み合わせにより、複雑さが軽減し得、より均一な部品が含まれ得、コストが削減され得、以下同様である。さらに、この組み合わせにより、他のx線源の以前の使用を維持しながら、追加の使用が可能になる場合がある。例えば、二次元撮像に特定のx線源を使用することに慣れた使用者は、断層撮影の撮像、モーションブラーの減少による画質の向上、より高解像度の撮像など、上記の追加の利点を得ながら、その動作を使用し続けることができる。
【0036】
図8は、いくつかの実施形態による、複数の真空筐体を含むx線源を備えたシステムのブロック図である。いくつかの実施形態では、システム100hは、上述のシステム100aと類似し得る。しかしながら、エミッタ104は、異なる真空筐体120内にあってもよい。ここで、エミッタ102は、対応するターゲット106h-1とともに真空筐体120-1内に配置される。しかしながら、エミッタ104は、対応するターゲット106h-2とともに真空筐体120-2内に配置される。真空筐体120-1は、真空筐体120-2に隣接し得、結果としてx線が生じると、実質的に同じ位置に向けられるように配置され得る。エミッタ102を含んだ真空筐体120-1とは異なる真空筐体120-2内にエミッタ104を含むことにより、システム100h全体を交換することなく、故障及び/または磨耗したシステム100hの一部を交換することが可能になることにより、コストが削減されることができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、第一x線源は、第二x線源とは異なるターゲットまたはターゲットの領域に衝突する。第一x線源は、同じ制御電子機器、電源などを共有してもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、上述のターゲットは固定アノードの一部である。いくつかの実施形態では、上述のターゲットは線形アノードの一部である。
【0039】
図9は、いくつかの実施形態による、撮像システムのブロック図である。いくつかの実施形態では、撮像システム200aは、電子ビーム210を発生するように構成された電子源205を含む。電子ビーム210はターゲット206に向けられる。ターゲット206は、入射電子ビーム210に対して垂直とは異なる角度で配置された表面206aを有する。いくつかの実施形態では、ターゲット206は回転アノードの一部であるが、他の実施形態では、ターゲット206は固定アノードの一部であってもよい。ターゲット206が受信した電子ビーム210は、真空筐体の窓280を通過するx線ビーム270を発生する。いくつかの実施形態では、電子源205及びターゲット206の構成は、上述のx線源100と同様であってもよいが、他の実施形態では、その組み合わせは異なる場合がある。例えば、電子源205は単一エミッタを含んでもよい。
【0040】
コリメータ220aは、x線ビーム270を整形するように構成される。整形されたx線ビーム270は、中心軸272、電子源205に近い部分274、及び電子源205から遠い部分276を含む。中心軸272は、入射電子ビーム210に対して垂直な角度で発生する、x線ビーム270内のx線の方向である。部分274及び276は、コリメータ220aのエッジ220a-1及び220a-2によって少なくとも部分的に形成される。特に、エッジ220a-1は、中心軸272よりも電子源205に近い。エッジ220a-2は、中心軸272よりも電子源205から遠い。x線ビーム270の発生中のヒール効果が原因で、部分274の強度は部分276よりも高く、より均一になる可能性がある。部分276では、コリメータ220aのエッジ220a-2に近いほど強度がより早く低下する可能性がある。
【0041】
アノードヒール効果またはヒール効果は、電子ビームに対して垂直以上の角度ではターゲット材料からのx線放射が少なくなるため、カソードまたは電子源205と比較してアノードに近いほどx線ビーム270の部分における電界強度またはx線束が低減することを指す。電子ビーム210のx線への変換は、ターゲット206の材料の表面で起こるだけでなく、ターゲット206の材料内でも起こる。ターゲット206の材料内のより深くでx線が発生するため、これらのx線はターゲット206の材料から出て横切っても戻り、それからx線が検出器230に進むことができる。電子ビーム210に対してより平行な(カソードまたは電子源205に近い)放射角度よりも、電子ビーム210に対して垂直な(ターゲット206に近い)放射角度でより多くのターゲット206の材料を横切る必要がある。ターゲット206の材料が増加すると、ターゲット206の材料によるx線の再吸収が多くなり、その結果、電子ビーム210に対して垂直な角度で電界に到達するx線が少なくなる。対照的に、x線は、放射される角度が入射電子ビーム210に近くなると、ターゲット206の材料を通過するものが少なくなり、再吸収されるものが少なくなる。最終的に、カソードまたは電子源205に向かう電界強度及びx線束が、ターゲット206に向かうものよりも大きくなるという結果になる。この不均一なビーム効果またはヒール効果は、x線撮像の検出結果に悪影響を与える可能性がある。
【0042】
いくつかの実施形態では、x線フィルタ260がx線ビーム270内に配置され得る。x線フィルタ260は、コリメータ220aから下流にあるように示されているが、他の実施形態では、x線フィルタ260は他の位置に配置されてもよい。x線フィルタ260は、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、銀(Ag)及びアルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレス鋼、これらの材料の組み合わせなどの材料を様々な厚さで含んでもよい。x線フィルタ260は、部分274及び276がより均一になるようにx線ビーム270の強度を調整することにより、ヒール効果を軽減するように構成され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、x線源200aは、患者250の部分240に基づいて画像を生成するために、検出器230とともに使用される。例えば、部分240は患者250の乳房であってもよい。x線ビーム270に対する患者250の位置決めにより、部分240'が撮像されない可能性がある。しかしながら、残りは、ヒール効果(例えば、質量密度が低い乳房のより狭い部分に適用されるヒール効果)による強度の変動の影響が軽減するx線ビームで撮像されることができる。例えば、ヒール効果による変動は、表面206aの角度が15度の場合、80%から100%の範囲となり得る。したがって、x線源200aの動作中の所与の画質に関して、患者が受ける線量は減少する可能性がある。さらに、実質的に結像型のx線ビーム270を使用することができると、SID(source-to-image distance:x線源から検出器までの距離)を減少させ、撮像x線量を増加させることが可能になり、同じ撮像x線量に対する出力を低減させることなどが可能になる。
【0044】
いくつかの実施形態では、より小さい角度がターゲット206の表面206aに使用されてもよい。例えば、ナノチューブ(NT)エミッタがw1(幅)×l1(長さ)のサイズを有すると、電子ビーム集束後に表面206a上で、電気焦点スポットサイズ(FSS)がw2(幅)×l2(長さ)になる。表面206a上の電子FSSは集束電極の設計に依存し、NTエミッタサイズ(w1×l1)が小さいほど、表面上の電子FSS(w2×l2)も小さくなる。w3(幅)×l3(長さ)のX線FSSは、電子FSSと表面206aの角度(θ)とによって決定される。w3はw2に等しく、l3はl2xsin(θ)に等しい。所与のx線FSSでは、アノード角度が小さいほど、電子FSSが大きくなり、エミッタが大きくなることが可能になる。NTエミッタが大きいほど、より大きいエミッション電流を発生させることできる。表面206a上の電子FSSが大きいほど、熱負荷を分散させる面積が大きくなり、管の出力及びx線量の出力が高くなることが可能になる。
【0045】
したがって、ヒール効果の影響が軽減されると、表面206aに使用する角度を小さくすることができる。角度が小さいほど、電子源205内のエミッタの電流またはサイズを大きくすることが可能になる。例えば、電界エミッタのサイズが大きくなると、より大きい電流が供給される可能性があるが、サイズが大きくなると、x線FSSが大きくなる。ただし、同じまたは同様のSIDでは、x線FSSを維持するように表面206aの角度を低下させるにもかかわらず、線量を増加させることができる。
【0046】
図10は、いくつかの他の実施形態による撮像システムのブロック図である。撮像システム200bは、上述の撮像システム200aと類似し得る。しかしながら、撮像システム200bは、異なる構成を有するコリメータ220bを含む。コリメータ220bは、中心軸272と実質的にアライメントされるエッジ220b-2を含む。他の実施形態では、エッジ220b-2は、電子源205により近いなど、異なる位置にあってもよい。コリメータ220bのエッジ220b-1及び220b-2の位置の結果として、コリメータを出るx線ビーム270の部分は、実質的に部分274または部分274のサブセットのみである。ヒール効果は、部分274への影響を軽減することができ、その結果、コリメータ220bを通過するx線の均一性が向上する。いくつかの実施形態では、部分274内のx線の均一性が十分であり得るため、x線フィルタ260を省略することができる。例えば、x線強度は、ターゲット表面206a上の15度の角度で約90%から100%まで変動し得る。さらに、撮像システム200bは、部分240の遠位端部でより高い強度を有し得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、撮像システム200bは、患者250がシステム200bの図9とは反対側にいることを可能にする。いくつかの実施形態では、回転アノードを使用する電子源205と比較して、上述のような分散型電子源205の使用により、患者250のための追加の空間が可能になり得る。システム200bの患者250側の外部付属品の数を減らして、患者250により多くの空間を残すことができる。例えば、高電圧接続、イオンポンプ、ゲッター、管形成などにより、患者250により多くの空間が残される場合がある。さらに、分散型電子源205の使用により、回転アノードを使用しないという柔軟性が可能になる。その結果、回転アノードのベアリング、ロータ、ステータなどが患者250側に存在しなくてもよい。患者250はx線ビーム270の近くに位置決めされ、患者250の胸壁が画像から切り取られる量を最小にすることができる。
【0048】
図9及び10を参照すると、いくつかの実施形態では、コリメータ220は調整可能であり得る。例えば、エッジ220a-2/220b-2の位置は、エッジを図9の位置から図10の位置に移動させるように調整可能であってもよい。他の実施形態では、コリメータの他の態様を移行させてもよい。例えば、位置、アパーチャ、形状などを、中心軸272ならびに部分274及び276に対して調整し、所望の開口部を実現する。
【0049】
図11は、いくつかの実施形態による、複数のx線源を備えたシステムを動作させる技法のフローチャートである。1100では、第一x線ビームを第一x線源から放射する。1102では、第二x線ビームを第二x線源から放射する。この技法及びその変形形態は、上述の様々なシステムによって使用されることができる。例えば、図1及び図11を参照すると、第一x線ビームの放射はx線源101a-0によって実行され得、第二x0線ビームの放射はx線源101a-1によって実行され得る。x線ビームの放射は、対応するエミッタ102及び104からの電子ビーム108及び110の放出によって引き起こされ得る。
【0050】
図2及び図11を参照すると、x線ビームのうちの1つの放射は、複数の電子ビーム110-1及び110-2がターゲット106上に集束した結果である可能性がある。図3A図3B、及び図11を参照すると、いくつかの実施形態では、電子ビーム110-1及び110-2がそれぞれターゲット106の異なる領域または同じ領域に集束して、複数または単一のx線ビームを発生するように、集束を変更することができる。
【0051】
図12は、いくつかの実施形態による、複数のx線源を備えたシステムのブロック図である。いくつかの実施形態では、x線源101は、制御ロジック1200に結合され得る。制御ロジック1200には、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路、マイクロコントローラ、プログラマブル論理回路、ディスクリート回路、このようなデバイスの組み合わせなどが含まれていてもよい。制御ロジック1200には、外部インタフェース、例えば、アドレス及びデータバスインタフェース、割込みインタフェースなどが含まれていてもよい。制御ロジック1200には、制御ロジック1200を内部及び外部部品に接続するための他のインタフェースデバイス、例えば、ロジックチップセット、ハブ、メモリコントローラ、通信インタフェースなどが含まれていてもよい。制御ロジック1200は、本明細書で説明する種々の動作を制御するように構成してもよい。制御ロジック1200は、エミッタ102及び104、集束電極112、ターゲット106などに電圧を印加する、及び/または電流を供給するための接続部を含む、x線源101への接続部を含み得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、x線ビームの放射は、異なるサイズのエミッタが電子ビーム110をターゲット106に向けて放出した結果であってもよい。
【0053】
いくつかの実施形態は、複数のx線源(101)を有するシステムを含み、各x線源(101)は、電子ビーム(108、110)を発生するように構成された電子源(102、104)、及び電子ビーム(108、110)を受信し、電子ビーム(108、110)をx線ビームに変換するように構成されたターゲット(106)を含み、x線源(101)のうちの第一x線源(101)は、x線源(101)のうちの第二x線源(101)とは異なる。
【0054】
いくつかの実施形態では、x線源(101)のターゲット(106)は線形ターゲット(106)の一部である。
【0055】
いくつかの実施形態では、線形ターゲット(106)のアスペクト比は2:1、10:1、及び20:1のうちの少なくとも1つ以上である。
【0056】
いくつかの実施形態では、線形ターゲット(106)は、平坦、湾曲、または区分線形ターゲット(106)である。
【0057】
いくつかの実施形態では、x線源(101)は、対応するx線ビームが単点に実質的に収束するように配置される。
【0058】
いくつかの実施形態では、複数のx線源(101)のうちの第一x線源は、少なくとも1つの電界エミッタを含み、x線源(101)のうちの別のx線源(101)は、フィラメント、低仕事関数エミッタ、ディスペンサカソード、またはフォトエミッタを含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、システムは、x線源(101)のそれぞれからのx線ビームをコリメートするように構成されたコリメータ(220)をさらに含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、x線源(101)のうちの第一x線源(101)は、少なくとも1つのエミッタを有する第一電子源(102、104)を含み、x線源(101)のうちの第二x線源(101)は、少なくとも1つのエミッタを有する第二電子源(102、104)を含み、第一電子源(102、104)及び第二電子源(102、104)は、対応するターゲット(106)上の第一焦点スポットでの第一電子源(102、104)のエミッタのうちの1つからの第一電子ビーム(108、110)の第一最大電流が、対応するターゲット(106)上の第二焦点スポットでの第二電子源(102、104)からの第二電子ビーム(108、110)の第二最大電流とは異なるように構成される。
【0061】
いくつかの実施形態では、第一最大電流は第二最大電流よりも大きい。
【0062】
いくつかの実施形態では、第一最大電流は、2倍、10倍、及び100倍のうちの少なくとも1つだけ第二最大電流より大きい。
【0063】
いくつかの実施形態では、x線源(101)の少なくともいくつかは実質的に同じである。
【0064】
いくつかの実施形態では、x線源(101)のうちの少なくとも3つは実質的に同じである。
【0065】
いくつかの実施形態では、第一x線源(101)は、第一エミッタ及び第二エミッタを含み、第一エミッタは、第二エミッタの最大電流よりも高い最大電流を発生するように構成される。
【0066】
いくつかの実施形態では、第一x線源(101)は、複数のエミッタと、これらエミッタからの電子ビーム(108、110)を単一の焦点スポット上に集束させるように構成された複数の集束電極(112)とを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、第一x線源(101)は、複数のエミッタ及び複数の集束電極(112)を含み、複数の集束電極は、これらエミッタからの電子ビーム(108、110)を単一の焦点スポット上に制御可能に集束させ、エミッタからの電子ビーム(108、110)を複数の焦点スポット上に制御可能に集束させるように構成される。
【0068】
いくつかの実施形態では、システムは、第一x線源(101)を有する第一真空筐体(120、282)、第二x線源(101)を有する、第一真空筐体(120、282)とは異なる第二真空筐体(120、282)をさらに含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、x線源(101)のうちの少なくとも1つに関して、ターゲット(106)の表面は、関連する電子ビーム(108、110)に対して垂直とは異なる角度で配置され、電子源(102、104)に最も近いコリメータ(220)の第一エッジは、コリメータ(220)に入る前のx線ビームの中心軸(272)よりも電子源(102、104)に近い。
【0070】
いくつかの実施形態では、第一エッジとは反対側にあるコリメータ(220)の第二エッジは、電子源(102、104)にある、またはコリメータ(220)に入る前のx線ビームの中心軸(272)よりも電子源(102、104)に近い。
【0071】
いくつかの実施形態では、x線ビームに対するコリメータ(220)の位置は調整可能である。
【0072】
いくつかの実施形態では、第一x線源(101)のターゲット(106)は、第二x線源(101)のターゲット(106)とは異なる構成を有する。
【0073】
いくつかの実施形態では、第一x線源(101)のターゲット(106)は、第二x線源(101)のターゲット(106)とは異なる傾きを有する。
【0074】
いくつかの実施形態では、第一x線源(101)のターゲット(106)は、第二x線源(101)のターゲット(106)の材料とは異なる材料を有する。
【0075】
いくつかの実施形態では、システムは、第一x線源(101)のターゲット(106)を第二x線源(101)のターゲット(106)とは異なって冷却するように構成された冷却システムをさらに含む。
【0076】
いくつかの実施形態は、方法を含み、この方法は、ターゲット(106)の少なくとも一部を有する第一x線源(101)から第一x線ビームを放射することと、ターゲット(106)の少なくとも一部を有する第二x線源(101)から第二x線ビームを放射することとを含み、第一x線源(101)は第二x線源(101)とは異なる。
【0077】
いくつかの実施形態では、ターゲットは線形ターゲットである。
【0078】
いくつかの実施形態では、第一x線ビームを放射することはコリメータ(220)を通して第一x線ビームを放射することを含み、第二x線ビームを放射することはコリメータ(220)を通して第二x線ビームを放射することを含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、第一x線ビームを放射することは、複数のエミッタを有する第一電子源(102、104)からターゲット(106)に向けて第一電子ビーム(108、110)を放出することを含み、第二x線ビームを放射することは、少なくとも1つのエミッタを有する第二電子源(102、104)からターゲット(106)に向けて第二電子ビーム(108、110)を放出することを含み、ターゲット(106)上の第一焦点スポットでの第一電子ビーム(108、110)の第一最大電流は、ターゲット(106)上の第二焦点スポットでの第二電子ビーム(108、110)の第二最大電流とは異なる。
【0080】
いくつかの実施形態では、第二電子源(102、104)の少なくとも1つのエミッタは、第一エミッタ及び第二エミッタを含み、第一動作中に、第二電子源(102、104)の第一エミッタから第二電子ビーム(108、110)を第一電流で放出することと、第二動作中に、第一電流より大きい第二電流で第二電子源(102、104)の第二エミッタから第二電子ビーム(108、110)を放出することとをさらに含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、第一動作は三次元撮像動作であり、第二動作は二次元撮像動作である。
【0082】
いくつかの実施形態では、第二電子源(102、104)の少なくとも1つのエミッタは複数のエミッタを含み、第二電子源(102、104)のエミッタからの電子ビーム(108、110)を第二焦点スポット上に集束させることをさらに含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、第一最大電流は第二最大電流よりも小さい。
【0084】
いくつかの実施形態では、コリメータ(220)のエッジと、第二電子源(102、104)に近いx線ビームの中心軸(272)との間にx線ビームの少なくとも一部をコリメータ(220)が通過させるように、第二電子ビーム(108、110)に応答して発生したx線ビームをコリメータ(220)でコリメートする。
【0085】
いくつかの実施形態は、電子ビームを放出するための複数の手段と、電子ビームに応答してx線を発生するための手段とを有するシステムを含み、電子ビームを放出するための第一手段と電子ビームに応答してx線を発生するための手段との第一組み合わせは、電子ビームを放出するための第二手段と、電子ビームに応答してx線を発生するための手段との第二組み合わせとは異なる。電子ビームを放出するための手段の例には、電子源102及び104などが含まれる。電子ビームに応答してx線を発生するための手段の例には、ターゲット106などが含まれる。
【0086】
いくつかの実施形態では、電子ビームを放出するための手段の1つから第一電子ビームのx線を発生するための手段での第一最大電流は、電子ビームを放出するための手段の別の1つからの第二電子ビームの第二最大電流とは異なる。
【0087】
いくつかの実施形態では、システムは、x線ビームをコリメートするための手段をさらに含む。x線ビームをコリメートするための手段の例には、コリメータ220が含まれる。
【0088】
いくつかの実施形態は、複数のエミッタを有する電子源(102、104)、ターゲット(106)を含むシステムを備え、電子源(102、104)のエミッタは、ターゲット(106)の別々の領域上の複数の焦点スポットに向けて電子を放出するように構成され、ターゲット(106)の別々の領域のうちの少なくとも1つは、別々の領域のうちの少なくとも1つの他の領域とは異なる構成を有する。
【0089】
いくつかの実施形態は、少なくとも1つのエミッタを有する第一電子源(102、104)、少なくとも1つのエミッタを有する第二電子源(102、104)、及びターゲット(106)を含むシステムを備え、第一電子源(102、104)及び第二電子源(102、104)のエミッタのそれぞれは、ターゲット(106)に向けて電子を放出するように構成され、第一電子源(102、104)及び第二電子源(102、104)は、ターゲット(106)上の第一焦点スポットでの第一電子源(102、104)のエミッタのうちの1つからの第一電子ビーム(108、110)の第一最大電流が、ターゲット(106)上の第二焦点スポットでの第二電子源(102、104)からの第二電子ビーム(108、110)の第二最大電流とは異なるように構成される。
【0090】
構造、デバイス、方法、及びシステムを特定の実施形態に従って説明しているが、当業者は、特定の実施形態に対する多くの変形が可能であることを容易に認識し、したがって、任意の変形は、本明細書で開示した趣旨及び範囲内にあると考えられるべきである。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者によって多くの変更が行われ得る。
【0091】
この書面での開示に続く特許請求の範囲は、ここで本書面での開示に明確に組み込まれ、各請求項はそれ自体で個別の実施形態として成立する。この開示には、従属クレームを伴う独立クレームのすべての変形が含まれる。さらに、以下の独立請求項及び従属請求項から派生することが可能である追加の実施形態も、本書面での説明に明示的に組み込まれる。これらの追加の実施形態は、所与の従属請求項の依存関係を語句「請求項[x]で始まり、この請求項の直前の請求項で終わる請求項のいずれか」に置き換えることによって決定され、ここで、括弧付きの用語「[x]」は、直近に記載した独立請求項の番号に置き換えられる。例えば、独立請求項1で始まる第一請求項の組について、請求項4は請求項1及び3のいずれかに従属し、これらの別々の従属関係によって2つの異なる実施形態を得ることができ、請求項5は請求項1、3または4のいずれか1項に従属し、これらの別々の従属関係によって3つの異なる実施形態を得ることができ、請求項6は請求項1、3、4または5のいずれか1項に従属し、これらの別々の従属関係によって4つの異なる実施形態を得ることができる、などである。
【0092】
特徴または要素に関する用語「第一」の請求項における記載は、第二、または追加のそのような特徴または要素の存在を必ずしも示唆するものではない。独占的所有または特権が請求される本発明の実施形態は、以下のように定められる。
(他の可能な項目)
(項目1)
複数のx線源を含むシステムであって、
各x線源は、
電子ビームを発生するように構成された電子源、及び
前記電子ビームを受信し、前記電子ビームをx線ビームに変換するように構成されたターゲット、
を含み、
前記x線源のうちの第一x線源は、前記x線源のうちの第二x線源とは異なり、
前記x線源の前記ターゲットは線形ターゲットの一部である、システム。
(項目2)
前記線形ターゲットのアスペクト比は2:1、10:1、及び20:1のうちの少なくとも1つ以上である、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記x線源は、対応するx線ビームが単点に実質的に収束するように配置される、項目1または2に記載のシステム。
(項目4)
前記複数のx線源のうちの第一x線源は、少なくとも1つの電界エミッタを含み、
前記x線源のうちの別のx線源は、フィラメント、低仕事関数エミッタ、ディスペンサカソード、またはフォトエミッタを含む、項目1から3のいずれか一項に記載のシステム。
(項目5)
前記x線源のうちの前記第一x線源は、少なくとも1つのエミッタを有する第一電子源を含み、
前記x線源のうちの前記第二x線源は、少なくとも1つのエミッタを有する第二電子源を含み、
前記第一電子源及び前記第二電子源は、対応するターゲット上の第一焦点スポットでの前記第一電子源の前記エミッタのうちの1つからの第一電子ビームの第一最大電流が、前記対応するターゲット上の第二焦点スポットでの前記第二電子源からの第二電子ビームの第二最大電流とは異なるように構成される、項目1から4のいずれか一項に記載のシステム。
(項目6)
前記第一最大電流は、2倍、10倍、または100倍のうちの少なくとも1つだけ前記第二最大電流より大きい、項目5に記載のシステム。
(項目7)
前記x線源の少なくともいくつかは実質的に同じである、または
前記x線源のうちの少なくとも3つは実質的に同じである、項目1から6のいずれか一項に記載のシステム。
(項目8)
前記第一x線源は、第一エミッタ及び第二エミッタを含み、
前記第一エミッタは、前記第二エミッタの最大電流よりも高い最大電流を発生するように構成される、項目1から7のいずれか一項に記載のシステム。
(項目9)
前記第一x線源は、
複数のエミッタ、及び
前記エミッタからの電子ビームを単一の焦点スポット上に制御可能に集束させ、前記エミッタからの前記電子ビームを複数の焦点スポット上に制御可能に集束させるように構成された複数の集束電極、
を含む、項目1から8のいずれか一項に記載のシステム。
(項目10)
前記第一x線源を有する第一真空筐体、
前記第二x線源を有する、前記第一真空筐体とは別である第二真空筐体、
をさらに含む、項目1から9のいずれか一項に記載のシステム。
(項目11)
前記x線源のうちの少なくとも1つについて、
前記ターゲットの表面は、関連する電子ビームに対して垂直とは異なる角度で配置され、
前記電子源に最も近いコリメータの第一エッジは、前記コリメータに入る前の前記x線ビームの中心軸よりも前記電子源に近い、項目1から10のいずれか一項に記載のシステム。
(項目12)
前記第一エッジとは反対側にある前記コリメータの第二エッジは、前記電子源にある、または前記コリメータに入る前の前記x線ビームの前記中心軸よりも前記電子源に近い、項目11に記載のシステム。
(項目13)
前記第一x線源の前記ターゲットは、前記第二x線源の前記ターゲットとは異なる傾きを有する、及び/または
前記第一x線源の前記ターゲットは、前記第二x線源の前記ターゲットの材料とは異なる材料を有する、項目1から11のいずれか一項に記載のシステム。
(項目14)
前記第一x線源の前記ターゲットを前記第二x線源の前記ターゲットとは異なって冷却するように構成された冷却システムをさらに含む、項目1から13のいずれか一項に記載のシステム。
(項目15)
ターゲットの少なくとも一部を含む第一x線源から第一x線ビームを放射すること、及び
前記ターゲットの少なくとも一部を含む第二x線源から第二x線ビームを放射すること、
を含む、方法であって、
前記第一x線源は前記第二x線源とは異なり、
前記ターゲットは線形ターゲットである、方法。
(項目16)
前記第一x線ビームを放射することは、複数のエミッタを含む第一電子源からターゲットに向けて第一電子ビームを放出することを含み、
前記第二x線ビームを放射することは、少なくとも1つのエミッタを含む第二電子源から前記ターゲットに向けて第二電子ビームを放出することを含み、
前記ターゲット上の第一焦点スポットでの前記第一電子ビームの第一最大電流は、前記ターゲット上の第二焦点スポットでの第二電子ビームの第二最大電流とは異なる、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記第二電子源の前記少なくとも1つのエミッタは、第一エミッタ及び第二エミッタを含み、
第一動作中に、前記第二電子源の前記第一エミッタから第一電流で前記第二電子ビームを放出すること、及び
第二動作中に、前記第一電流よりも高い第二電流で前記第二電子源の前記第二エミッタから前記第二電子ビームを放出すること、
をさらに含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記第二電子源の前記少なくとも1つのエミッタは複数のエミッタを含み、
前記第二電子源の前記エミッタからの電子ビームを前記第二焦点スポット上に集束させることをさらに含む、項目16または17に記載の方法。
(項目19)
電子ビームを放出するための複数の手段、
前記電子ビームに応答してx線を発生するための手段、
を含む、システムであって、
電子ビームを放出するための第一手段と、前記電子ビームに応答して前記x線を発生するための手段との第一組み合わせは、電子ビームを放出するための第二手段と、前記電子ビームに応答して前記x線を発生するための手段との第二組み合わせとは異なる、システム。
(項目20)
前記電子ビームを放出するための手段の1つから第一電子ビームの前記x線を発生するための手段での第一最大電流は、前記電子ビームを放出するための手段の別の1つからの第二電子ビームの第二最大電流とは異なる、項目19に記載のシステム。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】