(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-15
(54)【発明の名称】ミリ波通信のための円偏波アレイアンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 21/24 20060101AFI20240105BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20240105BHJP
H01Q 9/16 20060101ALI20240105BHJP
H01Q 3/26 20060101ALI20240105BHJP
H01Q 19/02 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
H01Q21/24
H01Q21/06
H01Q9/16
H01Q3/26 Z
H01Q19/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540617
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(85)【翻訳文提出日】2023-06-30
(86)【国際出願番号】 US2022011381
(87)【国際公開番号】W WO2022150434
(87)【国際公開日】2022-07-14
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522243967
【氏名又は名称】キョーセラ・エイブイエックス・コンポーネンツ (サンディエゴ), インコーポレーティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シン、アビシェーク
(72)【発明者】
【氏名】ロウソン、セバスチャン
【テーマコード(参考)】
5J020
5J021
【Fターム(参考)】
5J020BC09
5J020DA07
5J021AA06
5J021AB03
5J021FA05
5J021FA26
5J021HA05
5J021JA06
(57)【要約】
円偏波アレイアンテナが提供される。円偏波アレイアンテナは、グランドプレーンと、複数の円偏波アンテナとを含む。円偏波アンテナの各々は、24ギガヘルツ(GHz)~52GHzの範囲の周波数帯域にわたって通信するように構成される。円偏波アンテナの各々は、グランドプレーンに結合された柱状基板を含む。柱状基板は、複数の面を含む。円偏波アンテナの各々は、複数の絶縁磁気双極子要素をさらに含む。絶縁磁気双極子要素の各々は、柱状基板の異なる面上に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グランドプレーンと
複数の円偏波アンテナと、
を備え、
前記円偏波アンテナの各々は、24GHz~52GHzの範囲の周波数帯域にわたって通信するように構成され、
前記円偏波アンテナの各々は、
前記グランドプレーンに結合され、複数の面を有する柱状基板と、
前記柱状基板の前記複数の面のうちの異なる面に配置された複数の絶縁磁気双極子要素と、
を備える、
円偏波アレイアンテナ。
【請求項2】
前記円偏波アンテナの各々はさらに、複数の非励振要素を備え、
前記非励振要素の各々は、前記柱状基板の異なる面上に配置され、前記非励振要素の各々は、対応する絶縁磁気双極子に電気的に結合される、
請求項1に記載の円偏波アレイアンテナ。
【請求項3】
前記円偏波アレイアンテナに適合される放射パターンは、左円偏波、又は右円偏波である、請求項1に記載の円偏波アレイアンテナ。
【請求項4】
前記複数の絶縁磁気双極子要素は、
前記柱状基板の第1の面上に配置された第1の磁気双極子要素と、
前記柱状基板の第2の面上に配置された第2の磁気双極子要素と、
前記柱状基板の第3の面上に配置された第3の磁気双極子要素と、
前記柱状基板の第4の面上に配置された第4の磁気双極子要素と、
を含む、請求項1に記載の円偏波アレイアンテナ。
【請求項5】
前記柱状基板の高さは、前記グランドプレーンの長さ、及び前記グランドプレーンの幅より短い、請求項1に記載の円偏波アレイアンテナ。
【請求項6】
前記グランドプレーンの長さ寸法は、前記グランドプレーンの幅寸法と実質的に同じである、請求項1に記載の円偏波アレイアンテナ。
【請求項7】
前記周波数帯域は、24GHz~30GHzである、請求項1に記載の円偏波アレイアンテナ。
【請求項8】
前記周波数帯域は、30GHz~40GHzである、請求項1に記載の円偏波アレイアンテナ。
【請求項9】
複数の位相調整器を含む位相調整回路であって、前記複数の位相調整器の各々は、無線周波数(RF)源に電気的に結合される、位相調整回路と、
前記位相調整回路に電気的に結合された円偏波アレイアンテナと、
を備え、
前記円偏波アレイアンテナは複数の円偏波アンテナを備え、
前記円偏波アンテナの各々は、24GHz~52GHzの範囲の周波数帯域にわたって通信するように構成され、
前記円偏波アンテナの各々は、
複数の面を有し、グランドプレーンに結合された柱状基板と、
前記柱状基板の異なる面に配置された複数の絶縁磁気双極子要素と、
を備える、
アンテナシステム。
【請求項10】
前記円偏波アンテナの各々はさらに、複数の非励振要素を備え、
前記非励振要素の各々は、前記柱状基板の異なる面上に配置され、
前記非励振要素の各々は、対応する絶縁磁気双極子に電気的に結合されている、
請求項9に記載のアンテナシステム。
【請求項11】
前記円偏波アレイアンテナに適合される放射パターンは、左円偏波、又は右円偏波である、請求項9に記載のアンテナシステム。
【請求項12】
前記複数の絶縁磁気双極子要素は、
前記柱状基板の第1の面上に配置された第1の磁気双極アンテナと、
前記柱状基板の第2の面上に配置された第2の磁気双極アンテナと、
前記柱状基板の第3の面上に配置された第3の磁気双極アンテナと、
前記柱状基板の第4の面上に配置された第4の磁気双極アンテナと、
含む、請求項9に記載のアンテナシステム。
【請求項13】
前記柱状基板の高さは、前記グランドプレーンの長さ、及び前記グランドプレーンの幅より短い、請求項9に記載のアンテナシステム。
【請求項14】
前記グランドプレーンの長さ寸法は、前記グランドプレーンの幅寸法と実質的に同じである、請求項9に記載のアンテナシステム。
【請求項15】
前記周波数帯域は、24GHz~30GHzの範囲である、請求項9に記載のアンテナシステム。
【請求項16】
前記周波数帯域は、30GHz~40GHzの範囲である、請求項9に記載のアンテナシステム。
【請求項17】
複数の増幅器を備える振幅制御回路をさらに備え、
前記増幅器の各々は対応する前記位相調整回路の前記位相調整器と対応する前記円偏波アレイアンテナの前記円偏波アンテナとの間に結合され、
前記増幅器の各々は、対応する前記位相調整器から受信した位相シフトRF信号を増幅するように構成されている、
請求項9に記載のアンテナシステム。
【請求項18】
前記複数の位相調整器の各々は、ミリ波位相調整器を備える、請求項9に記載のアンテナシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権主張]
本発明は、「ミリ波通信のための円偏波アレイアンテナ」と題され、2021年1月7日の出願日を有する米国仮出願No.63/134,900の優先権を主張し、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、フェーズドアレイアンテナに関する。より詳細には、本開示は、ミリ波通信のための円偏波アレイアンテナに関する。
【背景技術】
【0003】
ミリ波通信(例えば、第5世代移動通信)のために構成されたアンテナシステムは、位相調整回路と、位相調整回路に電気的に結合されたフェーズドアレイアンテナとを含むことができる。位相調整回路は、RF源から受信したRF信号の位相を、RF位相調整回路の出力で測定されたRF信号の位相が、RF位相調整回路の入力で測定されたRF信号の位相と異なるように変更することができる。このようにして、RF位相調整回路は、フェーズドアレイアンテナに関連する放射パターンを操作するために、RF信号の位相シフトを制御することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態の態様及び利点は、以下の説明に部分的に記載されるか、又はその説明から学習され得るか、又は実施形態の実施を通じて学習され得る。
【0005】
一態様では、円偏波アレイアンテナが提供される。円偏波アレイアンテナは、グランドプレーンと、複数の円偏波アンテナとを含む。円偏波アンテナの各々は、24ギガヘルツ(GHz)~52GHzの範囲の周波数帯域にわたって通信するように構成される。円偏波アンテナの各々は、グランドプレーンに結合された柱状基板を含む。柱状基板は、複数の面を含む。円偏波アンテナの各々は、複数の絶縁磁気双極子要素をさらに含む。絶縁磁気双極子要素の各々は、柱状基板の異なる面上に配置される。
【0006】
別の態様では、アンテナシステムが提供される。アンテナシステムは、位相調整回路を含む。位相調整回路は、複数の位相調整器を含む。位相調整器の各々は、無線周波数(RF)源に電気的に結合される。アンテナシステムは、円偏波アレイアンテナをさらに含む。円偏波アレイアンテナは、位相調整回路に電気的に結合される。円偏波アレイアンテナは、グランドプレーンと、複数の円偏波アンテナとを含む。円偏波アンテナの各々は、24ギガヘルツ(GHz)~52GHzの範囲の周波数帯域にわたって通信するように構成される。円偏波アンテナの各々は、グランドプレーンに結合された柱状基板を含む。柱状基板は、複数の面を含む。円偏波アンテナの各々は、複数の絶縁磁気双極子要素をさらに含む。絶縁磁気双極子要素の各々は、柱状基板の異なる面上に配置される。
【0007】
様々な実施形態のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を参照することによってよりよく理解されるのであろう。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は本開示の実施形態を示し、説明と共に、関連する原理を説明するのに役立つ。
【0008】
当業者に向けられた実施形態の詳細な説明は、添付の図面を参照して、本明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の例示的実施形態によるアンテナシステムの構成要素のブロック図を示す。
【
図2】本開示の例示的実施形態による円偏波アレイアンテナを示す。
【
図3】本開示の例示的実施形態による円偏波アレイアンテナの円偏波アンテナの構成要素を示す。
【
図4】本開示の例示的実施形態による、
図3の円偏波アンテナの概略図を描写する。
【
図5】本開示の例示的実施形態による円偏波アレイアンテナの円偏波アンテナの構成要素を示す。
【
図6】本開示の例示的実施形態による、
図5の円偏波アンテナの概略図を描写する。
【
図7】本開示の例示的実施形態による円偏波アレイアンテナに関連する放射パターンのグラフ図を示す。
【
図8】本開示の例示的実施形態による、円偏波アレイアンテナの放射パターンに関連する軸方向比のグラフ図を描写する。
【
図9】本開示の例示的実施形態による、円偏波アレイアンテナの第1及び第2の放射パターンに関連する利得のグラフ図を描写する。
【
図10】本開示の例示的実施形態による別のアンテナシステムの構成要素のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、その1つ又は複数の例が図面に示されている実施形態を詳細に参照する。各実施例は、本開示を限定するものではなく、実施形態の説明として提供される。実際、本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、実施形態に様々な修正及び変更を加えることができることが、当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示又は説明される特徴は、別の実施形態とともに使用されて、さらに別の実施形態をもたらすことができる。したがって、本開示の態様は、そのような修正及び変形を包含することが意図される。
【0011】
フェーズドアレイアンテナは、複数のアンテナセルを含む。複数のアンテナセルの各々は、位相調整回路に電気的に結合され得る。位相調整回路は、フェーズドアレイアンテナに供給されるRF信号に関連する位相シフトを制御するように構成することができる。RF信号に関連付けられた位相シフトを制御することによって、フェーズドアレイアンテナに関連付けられた放射パターンは、アンテナセルのうちの1つ又は複数を物理的に移動させることなく操作することができる。
【0012】
本開示の例示的な態様は、ミリ波通信のための円偏波アレイアンテナを対象とする。円偏波アレイアンテナは、複数の円偏波アンテナを含むことができる。例えば、いくつかの実装形態では、円偏波アレイアンテナは、128個の円偏波アンテナを含むことができる。代替実装形態では、円偏波アレイアンテナがより多い又はより少ない円偏波アンテナを含むことができる。円偏波アンテナの各々は、ミリ波通信に関連する周波数帯域(例えば、約24GHz~約52GHz)を介して通信するように構成され得る。円偏波アンテナの詳細は、ここでより詳細に説明される。
【0013】
円偏波アンテナの各々は、グランドプレーンに結合された柱状基板を含むことができる。柱状基板は、複数の面を含むことができる。例えば、いくつかの実装形態では、柱状基板が4つの別個の面(例えば、第1の面、第2の面、第3の面、及び第4の面)を含むことができる。代替実施形態では、柱状基板がより多い又はより少ない面を含むことができる。
【0014】
円偏波アンテナの各々は、複数の絶縁磁気双極子要素(isolated magnetic dipole element)をさらに含むことができる。さらに、絶縁磁気双極子要素の各々は、柱状基板の異なる面上に配置され得る。例えば、いくつかの実装形態では、円偏波アンテナの各々が4つの絶縁磁気双極子要素を含むことができる。そのような実装形態では、第1の絶縁磁気双極子要素が柱状基板の第1の面上に配置され得、第2の絶縁磁気双極子要素が柱状基板の第2の面上に配置され得、第3の絶縁磁気双極子要素が柱状基板の第3の面上に配置され得、第4の絶縁磁気双極子要素が柱状基板の第4の面上に配置され得る。
【0015】
絶縁磁気双極子要素の各々は、位相調整回路を介してRF源に電気的に結合することができる。このようにして、RF源によって生成されたRF信号は、位相調整回路を介して、絶縁磁気双極子要素の各々に提供され得る。さらに、位相調整回路は、RF信号に関連する位相角を調整するように構成することができる。このようにして、絶縁磁気双極子要素の各々に供給されるRF信号の位相角は、異なることができる。例えば、いくつかの実装形態では、位相調整回路が第1の絶縁磁気双極子要素に第1のRF信号を、第2の絶縁磁気双極子要素に第2のRF信号を、第3の絶縁磁気双極子要素に第3のRF信号を、第4の絶縁磁気双極子要素に第4のRF信号を供給することができる。第2のRF信号は、第1のRF信号に対して90度位相がずれていてもよい。第3のRF信号は、第1のRF信号に対して180度位相がずれていてもよい。第4のRF信号は、第1のRF信号に対して270度位相がずれていてもよい。
【0016】
いくつかの実装形態では、円偏波アンテナの各々が非励振要素(parasitic element)を含み得る。非励振要素は、対応する絶縁磁気双極子要素と電磁的に結合することができる。このようにして、非励振要素間の電磁結合は、円偏波アンテナの各々が周波数帯域上の少なくとも第1の周波数と、周波数帯域上の第2の周波数とに同調されることを可能にすることができる。例えば、いくつかの実装形態では第1の周波数は約28GHzであり得るが、第2の周波数は約39GHzであり得る。
【0017】
本開示の例示的な態様による円偏波アレイアンテナは、多数の技術的効果及び利益を提供する。例えば、円偏波アレイアンテナはミリ波通信に関連する周波数帯域上で円偏波(例えば、左円偏波、右円偏波)される放射パターンを提供することができる。
【0018】
本明細書で使用される場合、数値と併せた「約」という用語の使用は、記載された量の20%以内を指すことが意図される。さらに、「第1の」及び「第2の」という用語は、1つの構成要素を別の構成要素から区別するために互換的に使用され得、個々の構成要素の位置又は重要性を示すことを意図しない。
【0019】
ここで
図1を参照すると、本開示の例示的実施形態によるアンテナシステム100が示されている。図示のように、アンテナシステム100は、RF位相調整回路110及び円偏波アレイアンテナ120を含むことができる。RF位相調整回路110は、複数のミリ波位相調整器112を含むことができる。ミリ波位相調整器112の各々は、RF源130に電気的に結合することができる。このようにして、ミリ波位相調整器112の各々は、RF源130からRF信号を受信することができる。RF信号は、ミリ波通信に関連付けることができる。このようにして、RF信号の周波数は、約24GHz~約52GHzの範囲であり得る。例えば、いくつかの実装形態では、RF信号の周波数は24GHzから30GHzの範囲であり得る。代替実装形態では、RF信号の周波数が30GHz~40GHzの範囲であり得る。ミリ波位相調整器112の各々は、RF源130から受信されるRF信号の位相シフトを制御するように構成され得ることを理解されたい。このようにして、円偏波アレイアンテナ120を介して放射されるRF波の放射パターンは、円偏波アレイアンテナ120の1つ又は複数の円偏波アンテナ200を物理的に移動させることなく操作することができる。
【0020】
アンテナシステム100は、1つ又は複数の制御装置140を含むことができる。1つ又は複数の制御装置140は、円偏波アレイアンテナ120に通信可能に結合され得る。このようにして、1つ又は複数の制御装置140は、円偏波アレイアンテナ120に関連する放射パターンを方位面又は仰角面のうちの少なくとも1つに沿って操向するように、円偏波アレイアンテナ120の1つ又は複数の円偏波アンテナ200を制御するように構成され得る。
【0021】
さらに、いくつかの実装形態では、1つ又は複数の制御装置140がRF位相調整回路110に通信可能に結合され得る。このようにして、1つ又は複数の制御装置140は、そのミリ波位相調整器112を制御して、方位面又は仰角面のうちの少なくとも1つに沿って円偏波アレイアンテナ120の放射パターンを操作するように構成することができる。
【0022】
図示のように、1つ又は複数の制御装置140は、1つ又は複数のプロセッサ142と、1つ又は複数のメモリ装置144とを含み得る。1つ又は複数のプロセッサ142は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、論理装置、又は他の適切な処理装置など、任意の適切な処理装置を含むことができる。1つ又は複数のメモリ装置144は、限定しないが、非一時的コンピュータ可読媒体、RAM、ROM、ハードドライブ、フラッシュドライブ、又は他のメモリ装置を含む、1つ又は複数のコンピュータ可読媒体を含むことができる。
【0023】
1つ又は複数のメモリ装置144は、1つ又は複数のプロセッサ142によって実行され得るコンピュータ可読命令を含む、1つ又は複数のプロセッサ142によってアクセス可能な情報を記憶することができる。コンピュータ可読命令は、1つ又は複数のプロセッサ142によって実行されたときに、1つ又は複数のプロセッサ142に動作を実行させる命令の任意のセットであり得る。コンピュータ可読命令は、任意の適切なプログラミング言語で書かれたソフトウェアであり得るか、又はハードウェアで実装され得る。いくつかの実装形態では、コンピュータ可読命令が1つ又は複数のプロセッサによって実行されて、1つ又は複数のプロセッサに、円偏波アレイアンテナ120の円偏波アンテナ200を制御するなどの動作を実行させることができる。加えて、動作は、RF位相調整回路110の1つ又は複数のミリ波位相調整器112を制御することを含むことができる。
【0024】
ここで
図2を参照すると、本開示の例示的実施形態による円偏波アレイアンテナ120の例示的実施形態が提供される。図示のように、いくつかの実装形態では、円偏波アレイアンテナ120がグランドプレーン125を含むことができる。いくつかの実装形態では、グランドプレーン125の長さ寸法127がグランドプレーン125の幅寸法129と実質的に同じ(例えば、約10ミリメートル以内)であり得る。代替実装形態では、グランドプレーン125の長さ寸法127がグランドプレーン125の幅寸法129と異なる(例えば、より長く、より短く)ことができる。
【0025】
図示のように、いくつかの実装形態では、円偏波アレイアンテナ120は、行列構成でグランドプレーン125上に配置された4つの円偏波アンテナ200を含むことができる。例えば、行列構成は、2行の円偏波アンテナ200と2列の円偏波アンテナ200とを含むことができる。代替実装形態では、円偏波アレイアンテナ120がより多い又はより少ない円偏波アンテナ200を含み得ることを理解されたい。ここで、円偏波アンテナ200の詳細についてより詳細に説明する。
【0026】
ここで
図3及び
図4を参照すると、円偏波アレイアンテナ120(
図2)の円偏波アンテナ200の例示的実施形態が提供される。図示のように、円偏波アンテナは、柱状基板210を含むことができる。柱状基板210は、円偏波アレイアンテナ120(
図2)のグランドプレーン125(
図2)上に配置することができる。いくつかの実装形態では、柱状基板210の高さ212がグランドプレーン125の長さ寸法127(
図2)及びグランドプレーン125の幅寸法129よりも短くなり得る。図示のように、柱状基板210は、複数の面を含むことができる。例えば、いくつかの実装形態では、柱基板210が第1の面220と、第2の面222と、第3の面224と、第4の面226とを含み得る。代替の実装形態では、柱基板210がより多い又はより少ない面を含むことができる。
【0027】
円偏波アンテナ200の各々は、複数の絶縁磁気双極子要素230を含むことができる。絶縁磁気双極子要素230の各々は、柱状基板210の異なる面(例えば、第1の面220、第2の面222、第3の面224、第4の面226)上に配置され得る。さらに、絶縁磁気双極子要素230の各々は、RF位相調整回路110(
図1)を介してRF源130(
図1)に電気的に結合され得る。このようにして、RF源130によって生成されたRF信号は、RF位相調整回路110を介して、絶縁磁気双極子要素230の各々に提供され得る。
【0028】
いくつかの実装形態では、RF位相調整回路110は、柱状基板210の第1の面220上に配置された絶縁磁気双極子要素230に第1のRF信号を与え、柱状基板210の第2の面222上に配置された絶縁磁気双極子要素230に第2のRF信号を与え、柱状基板210の第3の面224上に配置された絶縁磁気双極子要素230に第3のRF信号を与え、柱状基板210の第4の面226上に配置された絶縁磁気双極子要素230に第4のRF信号を与えることができる。第2のRF信号は、第1のRF信号に対して90度位相がずれていてもよい。第3のRF信号は、第1のRF信号に対して180度位相がずれていてもよい。第4のRF信号は、第1のRF信号に対して270度位相がずれていてもよい。
【0029】
いくつかの実装形態では、絶縁磁気双極子要素230が屈曲導体(bent conductor)を含むことができる。図示のように、屈曲導体は、RF位相調整回路110(
図1)に結合することができる底部302を含むことができる。さらに、底部302は、1つ以上の接地接続304、306を含むことができる。屈曲導体は、底部302の対向する端部から延びる一対の垂直部分を含むことができ、例えば、屈曲導体は、底部302の第1の端部から延びる第1の垂直部分308と、底部302の第2の端部から延びる第2の垂直部分310とを含むことができる。屈曲導体は、第1の水平部分312及び第2の水平部分314をさらに含むことができる。第1の水平部分312は、第1の垂直部分308の遠位端(例えば、底部302から最も遠い)から延びることができる。第2の水平部分314は、第2の垂直部分310の遠位端から延在することができる。図示のように、第1の水平部分312及び第2の水平部分314は、互いに重なり合って、それらの間に容量性領域RCを形成することができる。さらに、底部302、第1の垂直部分308、第2の垂直部分310、第1の水平部分312、及び第2の水平部分314は、まとめて、誘導領域Riが形成されるループを形成することができる。
【0030】
ここで
図5及び
図6を参照すると、円偏波アレイアンテナ120(
図2)の円偏波アンテナ200の別の例示的実施形態が提供される。円偏波アンテナ200は、
図3及び
図4を参照して上述した円偏波アンテナ200と実質的に同じ方法で構成することができる。例えば、円偏波アンテナ200は、柱状基板210と、複数の絶縁磁気双極子要素230とを含むことができる。さらに、
図5及び
図6の円偏波アンテナ200は、複数の非励振要素240を含むことができる。ここで、非励振要素240の詳細についてより詳細に説明する。
【0031】
図示のように、非励振要素240の各々は、柱状基板210の異なる面(例えば、第1の面220、第2の面222、第3の面224、第4の面226)上に配置され得る。非励振要素240の各々は、対応する絶縁磁気双極子要素230と電磁的に結合することができる。このようにして、非励振要素240と対応する絶縁磁気双極子要素230との間の電磁結合は、円偏波アンテナ200が周波数帯域上の少なくとも第1の周波数と、周波数帯域上の第2の周波数とに同調されることを可能にすることができる。例えば、いくつかの実装形態では第1の周波数は約28GHzであり得るが、第2の周波数は約39GHzであり得る。
【0032】
いくつかの実装形態では、非励振要素240が対応する絶縁磁気双極子要素230と一体化され得る。例えば、
図6に示すように、非励振要素240及び対応する絶縁磁気双極子要素230は、
図4を参照して上述した屈曲導体と実質的に同じ方法で構成された屈曲導体として構成することができる。図示のように、非励振要素240は、屈曲導体の底部302から延びる垂直部分400を含むことができる。また、非励振要素240は垂直部400の先端(例えば、屈曲導体の底部302から最も遠い)から延びる水平部402を含むことができる。
【0033】
ここで
図7を参照すると、本開示の例示的実施形態による、円偏波アレイアンテナ120(
図2)に関連する放射パターン500が提供される。グランドプレーン125は、放射パターン500の逆伝播を防止することを理解されたい。このようにして、放射パターン500は、偏波アレイアンテナ120のグランドプレーン125から離れる方向に向けられる。
【0034】
ここで
図8を参照すると、本開示の例示的実施形態による、円偏波アレイアンテナの放射パターンに関連する軸比のグラフ図が提供される。示されるように、軸方向比は、角度の関数として示される。軸比は縦軸に沿ってデシベル(dB)で示され、角度は横軸に沿って度で示される。示されるように、軸方向比は角度がゼロ度に対応するとき、実質的にゼロに等しい。ゼロ度の角度は、円偏波アンテナの放射パターンに関連する天頂軸に対応することを理解されたい。
【0035】
ここで
図9を参照すると、円偏波アレイアンテナに関連する第1の放射パターン600(例えば、左円偏波)及び円偏波アレイアンテナに関連する第2の放射パターン610(例えば、左円偏波)に関連する利得のグラフ図が示されている。図示のように、ゲインは、角度の関数として示されている。ゲインは垂直軸に沿ってデシベル(dB)で表され、角度は水平軸に沿って度で表される。
【0036】
ここで
図10を参照すると、本開示の例示的実施形態による別のアンテナシステム700が提供される。アンテナシステム700は、
図1を参照して上述したアンテナシステム100と実質的に同じ方法で構成することができることを理解されたい。例えば、アンテナシステム700は、RF位相調整回路110及び円偏波アレイアンテナ120を含むことができる。
【0037】
さらに、
図1のアンテナシステム100とは対照的に、
図10のアンテナシステム700は、振幅制御回路114を含むことができる。振幅制御回路114は、複数の増幅器115を含み得る。増幅器115の各々は、RF位相調整回路110の対応するミリ波位相調整器112と、円偏波アレイアンテナ120の対応する円偏波アンテナ200とに電気的に結合され得る。このようにして、増幅器115の各々は、対応するミリ波位相調整器112から受信された位相シフトRF信号を増幅し、増幅された位相シフトRF信号を対応する円偏波アンテナ200に提供することができる。
【0038】
いくつかの実装形態では、1つ又は複数の制御装置140が振幅制御回路114に通信可能に結合され得る。例えば、1つ又は複数の制御装置140は、増幅器115の各々に通信可能に結合され得る。このようにして、1つ以上の制御装置140は、増幅器115の各々の動作を独立して制御することができる。例えば、いくつかの実装形態では、1つ又は複数の制御装置140は、振幅制御回路114がRF位相調整回路110から受信する複数の位相シフトRF信号のサブセットのみを増幅するように、増幅器115の動作を制御することができる。代替実装形態では、1つ又は複数の制御装置140は、振幅制御回路114がRF位相調整回路110から受信する位相シフトされたRF信号の各々を増幅するように、増幅器115の動作を制御することができる。
【0039】
本主題は、その特定の例示的実施形態に関して詳細に説明されているが、当業者は、前述の理解を達成すると、そのような実施形態に対する変更、変形、及び等価物を容易に生成することができることを理解されよう。したがって、本開示の範囲は、限定としてではなく例としてのものであり、主題の開示は、当業者に容易に明らかであるように、本主題に対するそのような修正、変形、及び/又は追加の包含を排除しない。
【国際調査報告】