(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-15
(54)【発明の名称】ソーラーモジュールフレーム部材
(51)【国際特許分類】
H02S 40/22 20140101AFI20240105BHJP
H02S 30/10 20140101ALI20240105BHJP
【FI】
H02S40/22
H02S30/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540742
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-06-29
(86)【国際出願番号】 EP2021086834
(87)【国際公開番号】W WO2022144212
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523246639
【氏名又は名称】レック ソーラー プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー,メン シウ
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251JA09
5F251JA23
(57)【要約】
両面ソーラーモジュールのフレーム部材である。フレーム部材は、ソーラーモジュールの長手方向に延在する縁を保持する(または、例えば、ホールドする)ように構成されている保持部であって、保持部によって保持される(または、例えば、ホールドされる)とき、ソーラーモジュールが基準面に沿って保持部から横方向内側に延在する、保持部(または、例えば、ホルダ)を備える。フレーム部材はまた、保持部の後方及び横方向内側に配置されたリフレクタ面を備える。リフレクタ面は、基準面を通過してリフレクタ面へと到達する光がリフレクタ面によって前方及び横方向内側方向に反射されるように、基準面から離れる方向に傾斜している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面ソーラーモジュール用のフレーム部材であって、
ソーラーモジュールの長手方向に延在する縁を保持するように構成されている保持部であって、前記保持部によって保持されるとき、前記ソーラーモジュールは、基準面に沿って前記保持部から横方向内側に延在する、前記保持部と、
前記保持部の後方かつ横方向内側に配置されたリフレクタ面であって、前記基準面から離れる方向に傾斜して、前記基準面を通過して前記リフレクタ面へと到達する光が前記リフレクタ面によって前方及び横方向内側方向に反射されるようにする前記リフレクタ面と、
を備える、フレーム部材。
【請求項2】
前記リフレクタ面は、使用時に、前記基準面の第1の位置を通過して前記リフレクタ面に入射する光線が、前記リフレクタ面によって、前記第1の位置から1mmを超える距離だけ横方向内側に離間する前記基準面の第2の位置に向かって反射されるように配置される、請求項1に記載のフレーム部材。
【請求項3】
前記リフレクタ面が湾曲したプロファイルを有する、請求項1または2に記載のフレーム部材。
【請求項4】
前記リフレクタ面が5~30mmの曲率半径を有する、請求項3に記載のフレーム部材。
【請求項5】
前記リフレクタ面が凹状のプロファイルを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のフレーム部材。
【請求項6】
前記保持部が前部保持部材及び後部保持部材を有し、前記前部保持部材及び前記後部保持部材が、前記ソーラーモジュールの前記長手方向に延在する縁を受け入れるための凹部を画定するように、互いに離間されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のフレーム部材。
【請求項7】
前記リフレクタ面が、長手方向に延在する前縁から長手方向に延在する後縁まで延在する、請求項1~6のいずれか一項に記載のフレーム部材。
【請求項8】
請求項6に従属するとき、前記前縁は、前記リフレクタ面を前記後部保持部材に接合する、請求項7に記載のフレーム部材。
【請求項9】
前記後縁は、前記保持部から10~50mmの距離だけ後方に離間されている、請求項7または8に記載のフレーム部材。
【請求項10】
前記後縁は、前記保持部から5~40mmの距離だけ横方向内側に離間している、請求項7~9のいずれか一項に記載のフレーム部材。
【請求項11】
請求項6に従属する場合、
前記後部保持部材から後方及び横方向内側に延在するリフレクタであって、前記リフレクタ面が前記リフレクタの外面である、前記リフレクタと、
前記前部保持部材及び前記後部保持部材が横方向内側に突出する側壁と、
前記側壁から前記リフレクタの後端まで横方向内側に延在する、ベース部材と、
をさらに備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のフレーム部材。
【請求項12】
前記ベース部材が、前記前部保持部材及び前記後部保持部材のそれぞれより幅広である、請求項11に記載のフレーム部材。
【請求項13】
前記後部保持部材から前記ベース部材まで後方に延在する中間壁をさらに備える、請求項11または12に記載のフレーム部材。
【請求項14】
その長さのかなりの部分にわたって一定の横断面形状を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載のフレーム部材。
【請求項15】
押出加工によって形成することができる、請求項1~14のいずれか一項に記載のフレーム部材。
【請求項16】
ソーラーモジュールアセンブリであって、
太陽電池のアレイを有する両面ソーラーモジュールであって、前記太陽電池のアレイは、前記ソーラーモジュールの少なくとも1つの縁から離間され、前記少なくとも1つの縁と前記太陽電池のアレイとの間に周辺領域が画定される、前記両面ソーラーモジュールと、
フレーム部材であって、
前記ソーラーモジュールの前記少なくとも1つの縁を保持するための保持部と、
前記周辺領域の後方にあるリフレクタ面であって、前記周辺領域を通過して前記リフレクタ面へと到達する光が前記太陽電池のアレイに向かって反射されるように配置された、前記リフレクタ面と、を有する前記フレーム部材と、
を備える、ソーラーモジュールアセンブリ。
【請求項17】
4つのフレーム部材を備え、それぞれが前記ソーラーモジュールのそれぞれの縁に沿って延在する、請求項16に記載のソーラーモジュールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ソーラーモジュール用のフレーム部材、及びそのようなフレーム部材を含むソーラーモジュールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光から電気エネルギーを供給するソーラーモジュール(またはパネル)は、それぞれが半導体基板を含む太陽電池/光電池のアレイを含む。ほとんどの配置では、ソーラーモジュールの太陽電池は、前部のガラス層(使用時に太陽に面する)と後部(不透明または半透明)のバッキング層の間に挟まれている。このようなソーラーモジュールは、主にモジュールの前部に入射する光(つまり、前部ガラス層を通過する光)から電気を生成するため、片面ソーラーモジュールと呼ばれることがある。
【0003】
別のタイプのソーラーモジュールは、両面ソーラーモジュールである。後部の不透明または半透明のバッキング層の代わりに、両面ソーラーモジュールは、モジュールの前側と後側の両方から光がモジュールに入ることができるように、透明な(たとえばガラスの)後部層を備えている。両面ソーラーモジュールの利点の1つは、これらが地面(またはソーラーモジュールの後方にあるいずれかの構造物)で反射される光を利用できることである。
【0004】
両方のタイプのソーラーモジュールは、典型的には、ソーラーモジュールの周囲に延在するフレームに設けられる。これにより、ソーラーモジュールの縁が保護され、ソーラーモジュールの構造物(建物の屋根に設置された軌道(track)など)への取り付けが補助される。このようなフレームは、ソーラーモジュールの周囲を通過する光の一部を遮るが、ソーラーモジュールの太陽電池は縁からわずかな距離だけ内側に離間される傾向があるため、モジュールの性能に悪影響を与えはしない(したがって、フレームによって遮られない)。
【0005】
一部の設置では、両面ソーラーモジュールは片面ソーラーモジュールよりも高いエネルギー生産とエネルギー収率(ワットあたりのエネルギー)を提供するが、これらのタイプのソーラーモジュールのさらなる改善が継続的に必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
第1の態様によれば、両面ソーラーモジュール用のフレーム部材が提供され、フレーム部材は、
ソーラーモジュールの長手方向に延在する縁を保持する(または、例えば、ホールドする)ように構成されており、保持部によって保持される(または、例えば、ホールドされる)とき、ソーラーモジュールが基準面に沿って保持部から横方向内側に延在する、保持部(または、例えば、ホルダ)と、
保持部の後方かつ横方向内側に配置されたリフレクタ面であって、基準面から離れる方向に傾斜して、基準面を通過してリフレクタ面へと到達する光がリフレクタ面によって前方及び横方向内側方向に反射されるようにするリフレクタ面と、を備える。
【0007】
保持部の後方及び横方向内側に配置される傾斜付きのリフレクタ面を設けることは、ソーラーモジュール(すなわち、保持部とソーラーモジュールの太陽電池との間)を通過する光がリフレクタ面によって反射され得ることを意味する。その光を前方及び横方向内側方向に反射するようにリフレクタ面を傾斜させることにより、リフレクタ面は光をソーラーモジュールの太陽電池に向けることができ、太陽電池はその光を使用して発電することができる。これにより、ソーラーモジュールの性能を向上することができる。
【0008】
「前部」及び「前方」という用語は、本明細書では、使用中の光源(例えば、太陽)に向かう方向であり、ソーラーモジュールの前面に直交する方向を指し、「後部」及び「後方」という用語は、前部/前方の方向とは反対の方向を指すことを意図している。「横方向内側」という用語は、ソーラーモジュールの縁に実質的に直交する方向と、ソーラーモジュールの反対側の縁に向かう方向の両方を指す。
【0009】
誤解を避けるために、「長手方向」という用語は、(ソーラーモジュール自体の軸ではなく)ソーラーモジュールの縁の延長によって定められる方向を指す。したがって、例えば、この用語に対して、ソーラーモジュールの縁がソーラーモジュールの長い縁であることは必要ではない。ソーラーモジュールの縁は、ソーラーモジュールの長い縁または短い縁であり得る(すなわち、ソーラーモジュールが長方形であるが正方形ではない場合)。
【0010】
基準面は、(保持部によって保持されるとき)ソーラーモジュールの上面及び下面に実質的に平行な面であり、ソーラーモジュールを通るように(例えば、上面と下面との間の中央に)延びる。
【0011】
リフレクタ面全体は、保持部の横方向内側及び後方(すなわち、保持部の最も横方向内側の部分の横方向内側、及び保持部の最も後部の後方)にあってもよい。あるいは、リフレクタ面の一部のみが、保持部の横方向内側及び後方にあってもよい。このようにリフレクタ面を配置することは、光が通過できるソーラーモジュールの周辺領域の背後にリフレクタ面が配置されることを意味する。
【0012】
リフレクタ面は、使用時に、基準面の第1の位置を通過し、リフレクタ面に入射する光線(基準面に直角)が、リフレクタ面によって、第1の位置から横方向内側に離間する基準面の第2の位置に向かって反射されるように配置することができる。第1の位置と第2の位置との間の距離は、1mmより長く、または2mmより長く、または3mmより長く、または4mmより長く、または5mmより長く、または10mmより長く、または14mmより長くすることができる。
【0013】
リフレクタ面は、湾曲したプロファイル(すなわち、長手方向軸を横切る方向の断面として得られるプロファイル)を有していてもよい。誤解を避けるために、「湾曲した」という用語は、曲線と近似するように配置された複数の直線セグメントを包含することを意図している。リフレクタ面は、凹面プロファイルを有していてもよい。リフレクタ面の曲率半径は、5mm~30mm、または例えば10mm~25mm、または例えば15mm~22mmとすることができる。一実施形態では、リフレクタ面は実質的に一定の曲率半径を有する。しかし、いくつかの他の実施形態では、リフレクタ面は、変化するまたは一定でない曲率半径を有する。
【0014】
あるいは、リフレクタ面は実質的に平面であってもよい。
【0015】
リフレクタ面は長手方向に細長くてもよい。リフレクタ面は、長手方向に延在する前縁から長手方向に延在する後縁まで延在してもよい。
【0016】
後縁は、保持部から(例えば、保持部の最後部から)10mm~50mm、または10mm~30mm、または例えば約20mmの距離だけ後方に離間され得る。後縁は、前縁から10mm~50mm、または10mm~30mm、または例えば約20mmの距離だけ後方に離間され得る。
【0017】
後縁は、5mm~40mm、または5mm~30mm、または10mm~20mm、または例えば約16mmの距離だけ、(例えば、保持部の内側端部から)横方向内側に離間され得る。後縁は、前縁から5mm~40mm、または5mm~30mm、または10mm~20mm、または約16mmの距離だけ、横方向内側に離間され得る。
【0018】
保持部は、前部保持部材と後部保持部材とを備えることができる。前部保持部材及び後部保持部材は、ソーラーモジュールの長手方向に延在する縁を受け入れるための凹部(または溝)を画定するように、互いに離間され得る。
【0019】
リフレクタ面の前縁は、リフレクタ面を後部保持部材に接合することができる。あるいは、別の実施形態では、リフレクタ面の前縁は、保持部から後方に(例えば、保持部の最後部から)及び/または後部保持部材から後方に離間させてもよい。
【0020】
リフレクタ面は、フレーム部材のリフレクタの外面であってもよい。リフレクタは、後部保持部材から後方および横方向内側に延在してもよい。リフレクタは湾曲していてもよく、凹状であってもよい。
【0021】
リフレクタの長手方向に延在する後方端部は、フレーム部材のベース部材に接続することができる。ベース部材は、リフレクタから横方向外側に延在することができる。ベース部材は、フレーム部材が使用時に(例えば、ソーラーモジュールを支持するための構造で)支持され得る後面を有していてもよい。ベース部材は実質的に平面であってもよい。ベース部材は、フレーム部材を別の構造物体に取り付け/固定するために使用することができる。ベース部材は、追加的または代替的に、機械的な負荷のためにフレーム部材を強化することができる。
【0022】
フレーム部材は、長手方向に延在する側壁を有していてもよい。前部保持部材及び後部保持部材は、側壁から横方向内側に突出することができる。この点で、側壁は、凹部の閉鎖端(使用時にソーラーモジュールを受け入れる)を画定することができる。前部保持部材及び後部保持部材は、実質的に(横方向に)同じ幅を有することができる。したがって、前部保持部材及び後部保持部材は、側壁から実質的に同じ程度まで横方向内側に突出することができる。ベース部材は、前部保持部材及び/または後部保持部材より(横方向に)広くてもよい。ベース部材は、前部保持部材及び/または後部保持部材よりも大きく側壁から横方向内側に突出することができる。
【0023】
ベース部材は、側壁からリフレクタの後端まで横方向内側に延在することができる。したがって、側壁、ベース部材、リフレクタ、及び後部保持部材の間に細長い空洞を画定することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、中間壁が、後部保持部材からベース部材まで後方に延在していてもよい。このように、中間壁は、細長い空洞を2つの細長い空洞の部分に分割することができる。
【0025】
フレーム部材は(長手方向に)細長くてもよい。したがって、前部保持部材、後部保持部材、リフレクタ面、リフレクタ、ベース部分、及び側壁のうちの1つまたは複数は、長手方向に細長くてもよい。
【0026】
リフレクタ面は、その長さのかなりの部分に対して一定の横断面の形状(すなわちプロファイル)を有することができる。したがって、リフレクタ面は、押出プロセスによって形成できるようにしても(すなわち、そのようにするように成形されても)よい。
【0027】
リフレクタ面は、実質的に滑らかであってもよい(例えば、凹凸がなく、突起またはくぼみがない)。
【0028】
フレーム部材は、その長さのかなりの部分に対して一定の横断面の形状(すなわち、長手方向軸に対して横方向)を有し得る。したがって、例えば、断面の形状は、別の同様のフレーム部材と接続するために変形され得る対向する端部を除いて、その長さに沿って一定であり得る。例えば、各端部には、フレーム部材に対して垂直に配向された同様のフレーム部材と接続できるように角度を付けることができる。
【0029】
リフレクタ(及びリフレクタ面)は、その長さに沿って(リフレクタ面がフレーム部材の長さに対して途切れがあるように)アパーチャ、凹部、及び/またはギャップを備えることができる。これらの途切れにより、ベース部材へアクセスできるようになり、構造体へのベース部材の取り付けを容易にすることができる。さらに、これらの途切れにより、1つまたは複数の補強ストラットをフレーム部材に固定することができるようになる。例えば、フレーム部材は、フレーム部材を構造体に取り付ける/固定するために、リフレクタ及びベース部材を通ってリフレクタ面から後方に延在する1つまたは複数のボア/穴を有していてもよい。代替的または追加的に、ボア/穴をベース部材に形成することができ、リフレクタ層に途切れ(例えばギャップ)を設けて、そのようなボア/穴にアクセスできるようにすることができる。
【0030】
一実施形態では、リフレクタ(及びリフレクタ面)は、フレーム部材の長さの大部分に沿って延在し得る。すなわち、フレーム部材の途切れを合わせた領域は、フレーム部材の長さのわずかな部分に相当し得る。
【0031】
フレーム部材は、押出プロセスによって形成(できるように成形)することができる(例えば、押し出すことができる)。フレーム部材は、押出プロセスによって形成することができる。フレーム部材は、アルミニウムなどの金属で形成することができる。
【0032】
リフレクタ面は、リフレクタ面に塗布されたコーティングを有していてもよい。コーティングは、リフレクタ面の反射率を高めるように構成された反射層を有していてもよい。コーティングは、反射層を保護する(例えば、腐食を防止する)ように構成された保護層(例えば、反射層の外面に塗布される)を有していてもよい。
【0033】
コーティング(例えば、コーティングの反射層)は、例えば、金、亜鉛、銅、白金、銀、またはアルミニウム(及びそれらの組み合わせ)などの金属ベースのコーティングを有していてもよい。コーティング(例えば、コーティングの場合は反射層)は、溶融亜鉛めっきプロセス、溶射プロセス、電気めっきプロセス、及び/またはシェラダイジングプロセスによって設けることができる。
【0034】
コーティング(例えば、コーティングの保護層)は、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、窒化ケイ素、酸化マグネシウム及び/または酸化ニオブなどの1つ以上の透明な誘電体材料を含んでいてもよい。コーティング(例えば、コーティングの保護層)は、電気めっきプロセス、原子層堆積プロセス、溶射プロセス、化学気相堆積(CVD)プロセス、及び/または物理気相堆積(PVD)プロセスによって設けることができる。
【0035】
第2の態様では、ソーラーモジュールアセンブリが提供され、ソーラーモジュールアセンブリは、
太陽電池のアレイを含む両面ソーラーモジュールであって、太陽電池のアレイは、ソーラーモジュールの少なくとも1つの縁と太陽電池のアレイとの間に周辺領域が画定されるようにソーラーモジュールの少なくとも1つの縁から離間される、両面ソーラーモジュールと、
フレーム部材であって、
ソーラーモジュールの少なくとも1つの縁を保持するための保持部と、
周辺領域の後方にあるリフレクタ面であって、周辺領域を通過してリフレクタへと到達する光が太陽電池のアレイに向かって反射されるように配置された、リフレクタ面と、を有するフレーム部材と、を備える。
【0036】
フレーム部材は、第1の態様に関して上述した通りとすることができる。
【0037】
太陽電池のアレイは、ソーラーモジュールの少なくとも1つの縁から、4mmを超える、または5mmを超える、または8mmを超える、または10mmを超える、または12mmを超える、または15mmを超える距離だけ離間され得る。
【0038】
ソーラーモジュールアセンブリは、それぞれがソーラーモジュールのそれぞれの縁に沿って延在する4つのフレーム部材を備えることができる(それぞれの縁は、対応するフレーム部材の凹部に受け入れられる)。この点で、4つのフレーム部材は、ソーラーモジュールアセンブリのフレームを画定することができる。
【0039】
当業者は、相互に排他的である場合を除いて、上記の態様のいずれか1つに関して説明された特徴またはパラメータを、他のいずれかの態様に適用できることを理解する。さらに、相互に排他的である場合を除き、本明細書に記載の任意の機能またはパラメータは、任意の態様に適用でき、及び/または本明細書に記載の任意の他の機能またはパラメータと組み合わせることができる。
【0040】
以下、図面を参照して、例示のみで実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】第1の実施形態に係るソーラーモジュールアセンブリの正面図である。
【
図2】
図1のソーラーモジュールアセンブリのフレーム部材の側面断面図である。
【
図3】第2の実施形態に係るソーラーモジュールアセンブリのフレーム部材の側面断面図である。
【
図4】第3の実施形態に係るソーラーモジュールアセンブリのフレーム部材の斜視図である。
【
図5】第4の実施形態に係るソーラーモジュールアセンブリのフレーム部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本開示の態様及び実施形態を、添付の図面を参照して説明する。さらなる態様及び実施形態は、当業者には明らかである。図では、明確にするために層の厚さが誇張されている。また、図に示されている層の相対的な厚さは、すべての実施形態における層の実際の相対的な厚さを必ずしも表してはいない。
【0043】
図1は、第1の実施形態に係るソーラーモジュールアセンブリ100を示す。ソーラーモジュールアセンブリ100は、ソーラーモジュール101と、ソーラーモジュール101の周囲に延在する長方形フレーム102とを備える。ソーラーモジュール101は、格子状のパターンで配置された太陽電池103のアレイを有する。太陽電池103は、前部104と後部105(
図2参照)の透明ガラス層との間に挟まれ、ソーラーモジュール101は両面ソーラーモジュールとなる。
図1から明らかなように、太陽電池103の配置は、それらがソーラーモジュール101の4つの縁から離間されるようになっている。そのため、フレーム102と太陽電池103との間に画定されたソーラーモジュール101の周辺領域106があり、周辺領域106において光は太陽電池103によって吸収されることなくソーラーモジュール101を通過する。
【0044】
フレーム102は、ソーラーモジュール101の縁を保護し、ソーラーモジュール101を構造物(例えば、建物の屋根など、多くのソーラーモジュール101を取り付けることができる構造物)に取り付ける手段となる。フレーム101は、ソーラーモジュール101のそれぞれの縁にそれぞれ取り付けられ、ソーラーモジュール101のそれぞれの縁に沿って延在する4つの細長いフレーム部材107を備える。フレーム部材107は、フレーム102の角を画定するように、それらの端で互いに接続される。これらの接続は、ブラケットまたは他の手段(例えば、溶接、締結具など)によって設けることができる。
【0045】
図2は、フレーム部材107をより詳細に示している。この詳細は、
図1に示されているフレーム部材107のいずれかを表し得ることを理解されたい。フレーム部材107は保持部108を備える。保持部108は、長手方向に(ページ内に)延在する細長いフランジの形態の前部保持部材109および後部保持部材110を有する。前部保持部材109及び後部保持部材110は離間し、実質的に平行であり、これらの間に長手方向に延在する凹部111を画定する。ソーラーモジュール101の長手方向に延在する縁112は、この凹部111に受け入れられて、保持される(前部保持部材109と後部保持部材110との間に挟まれるようにする)。このようにすると、ソーラーモジュール101は、基準面121に沿って(基準面がソーラーモジュール101の前面及び後面に実質的に平行であり、実質的に前面及び後面の間の中央に延びるように)横方向内側に(すなわち、ページの右側に向かって)延在する。長手方向に延在する縁112は、
図1に示される短縁の1つまたは長縁の1つのいずれかであり得ることが理解されるべきである。
【0046】
フレーム部材107は、保持部108の後方(すなわち、ページの下の方向)及び横方向(すなわち、ページの横側の方向)の両方に位置付けられるリフレクタ面113をさらに備える。特に、リフレクタ面113は、保持部108の内側に(すなわち、ソーラーモジュール101の反対側の縁に向かって)あり、ソーラーモジュール101の周辺領域106の背後に配置されるようにする。
図1に関して説明したように、この周辺領域106に入射する光は、前部保持部材109によって反射されることも、太陽電池103によって吸収されることもない。したがって、この光の大部分は、ガラス層104、105を通過して、リフレクタ面113に入射する。
【0047】
リフレクタ面113は、後部保持部材110と接合する前縁114から、前縁114から後方かつ横方向内側に離間する後縁115まで傾斜している。このように、リフレクタ面113は、基準面121から離れる方向に傾斜している。リフレクタ面113は、湾曲した凹面プロファイルを有する。リフレクタ面113のこの構成により、リフレクタ面113に入射する(すなわち、ソーラーモジュール101の周辺領域106を通過した)光は、ソーラーモジュール101の、周辺領域106の内側にある領域に向かう方向(
図2の矢印によって示される方向)に反射される。したがって、リフレクタ面113は、(周辺領域106を経由して受光した)光を、ソーラーモジュール101の太陽電池103に向け、これにより反射光を太陽電池103が使用して電気を生成することができる。したがって、ソーラーモジュール101は、ソーラーモジュール101の後方の軌道に沿って続く光(周辺領域106の背後にいずれの表面もない場合)、または180度反射されて、太陽電池103によって吸収されることなく周辺領域106を経てまっすぐ戻る光(ソーラーモジュールに対して傾斜したリフレクタ面がない場合)を利用することができる。
【0048】
リフレクタ面113は、後部保持部材110から横方向内側及び後方に延びる凹状リフレクタ116の外面である。リフレクタ116、したがってリフレクタ面113は、長手方向に細長く、フレーム部材107の長さにわたって延在する。
【0049】
リフレクタ116の後端は、リフレクタ116から横方向外側に延在する平面ベース部材117に接合される。使用時に、フレーム部材107は、ベース部材117の下面に支持され得る。
【0050】
フレーム部材107には側壁118も設けられ、側壁118から前部保持部材109、後部保持部材110、及びベース部材118のそれぞれが横方向内側に延在する。したがって、前部保持部材109と後部保持部材110との間の側壁118の前方部分は、凹部111の閉鎖端を画定し、ソーラーモジュール101の縁112が凹部111の中に受け入れられたときに、当接することができる。側壁118の後方部分は、後部保持部材110、リフレクタ116、及びベース部材117とともに、フレーム部材107の長さにわたって延在する細長い空洞119を取り囲む。
【0051】
フレーム部材107は、(
図1に示すように)隣接するフレーム部材107と接続するために角度を付けられた端部を除いて、その長さに沿って実質的に一定の断面形状を有する。したがって、フレーム部材107は、押出プロセスによって形成することができ(その後、端部を機械加工/切断する)、例えばアルミニウムで形成することができる。
【0052】
図3は、上述の
図2に示したフレーム部材107の変形例である、第2の実施形態に係るフレーム部材107’を示す。
図1のフレーム部材107のそれぞれは、
図3に示される実施形態の形状に置き換えてもよい。
図3のフレーム部材107’は、
図2のフレーム部材107と同じ特徴を多く有し、そのため、対応する参照符号が使用されている。
【0053】
図3の実施形態は、リフレクタ116と側壁118との間に中間壁120が設けられている点のみが異なっている。この中間壁120は、後部保持部材110からベース部材117まで後方に延在し、細長い空洞を第1の細長い空洞部分119a及び第2の細長い空洞部分119bに分割する。この中間壁120を設けることにより、フレーム部材107’の強度を高めることができる。
【0054】
図4は、
図2に示したフレーム部材107のさらなる変形例を表す、フレーム部材107’’の第3の実施形態を示している。この実施形態では、フレーム部材107’’は、リフレクタ面113がその中に形成されたギャップに起因して途切れがあるという点で異なっている。ギャップは、リフレクタ116に長方形の凹部122が形成されて生じたものである。凹部122は、凹部122の底部に形成された穴123へのアクセスをもたらす。この穴123は、フレーム部材107’’を別の構造体に取り付ける/固定するために使用することができる。
【0055】
図5は、フレーム部材107’’’の第4の実施形態を示している。この実施形態では、リフレクタ面113は、リフレクタ面113からフレーム部材107’’’を通って後方に延在する穴123’を除いて、実質的に連続的である。やはり、この穴123’は、フレーム部材107’’’を別の構造体に取り付ける/固定するために使用することができる。
【0056】
図4及び5のフレーム部材107’’および107’’’はそれぞれ中実の部品として示されているが、それらが
図2及び3に示したものと同様の形状を有するように空洞を備えるようにしてもよいということを理解されたい。
【0057】
本発明は上述の実施形態に限定されず、本明細書に記載の概念から逸脱することなく様々な変更及び改良を行うことができることが理解されるであろう。相互に排他的である場合を除き、特徴のいずれかを個別に、または他のいずれかの特徴と組み合わせて使用することができ、本開示は、本明細書に記載の1つまたは複数の特徴のすべての組み合わせ及びサブコンビネーションにまで及び、それらを含む。
【国際調査報告】