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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-15
(54)【発明の名称】内視鏡システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/005 20060101AFI20240105BHJP
【FI】
A61B1/005 523
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540758
(86)(22)【出願日】2021-09-27
(85)【翻訳文提出日】2023-06-29
(86)【国際出願番号】 KR2021013159
(87)【国際公開番号】W WO2023048313
(87)【国際公開日】2023-03-30
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523248781
【氏名又は名称】メディンテック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MEDINTECH INC.
【住所又は居所原語表記】1F,60,Daehak-ro Jongno-gu Seoul 03100,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、チ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミョン ジュン
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161DD03
4C161FF32
4C161HH35
4C161HH47
(57)【要約】
本発明の一態様は、被検体内に挿入して組織などを検査または治療することができる内視鏡システムに関するものであって、より詳しくは、挿入部における湾曲部の湾曲動作が電動化され、術者の操作の利便性が確保された内視鏡システムに関する。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と照明手段を有する先端部と、前記先端部が接続され、被検体の所望の部位を観察できるように設定された方向に湾曲される湾曲部と、前記湾曲部が接続され、前記被検体内に円滑に挿入できるように柔軟に動く軟性部とを有する挿入部;
前記挿入部に接続され、前記湾曲部の湾曲角度を制御する制御手段を有し、ユーザが容易に把持できるように寸法決めされて形成される操作部;および
前記操作部に接続され、前記湾曲部を湾曲させるための動力源が設けられる外部装置;
を含む、内視鏡システム。
【請求項2】
前記外部装置は、前記撮像手段が収集した画像情報を受信して処理する画像処理装置、または前記照明手段に光源を提供する光源装置を含むことを特徴とする、請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記湾曲部を湾曲させるために、一方は前記湾曲部に接続され、他方は前記外部装置の前記動力源に接続され、前記動力源が生成する動力を前記湾曲部に伝達するメカニカルストリングを含むことを特徴とする、請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記操作部と前記外部装置とを接続し、前記ユーザが前記操作部を把持した状態で前記操作部を容易に操作できるように、前記外部装置から前記操作部を離隔させるユニバーサルコードを含むことを特徴とする、請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項5】
前記湾曲部を湾曲させるために、一方は前記湾曲部に接続され、他方は前記外部装置の前記動力源に接続され、前記動力源が生成する動力を前記湾曲部に伝達するメカニカルストリングを含み、前記メカニカルストリングは、前記ユニバーサルコードを貫通して設けられることを特徴とする、請求項4に記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記外部装置は、前記動力源に接続される第1のコネクタを有し、前記ユニバーサルコードは、前記メカニカルストリングに接続される第2のコネクタを有し、前記ユニバーサルコードが前記外部装置に接続されると、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが相互作用して前記動力源が生成した動力を前記メカニカルストリングに伝達することを特徴とする、請求項5に記載の内視鏡システム。
【請求項7】
被検体内に挿入され、照明を照らし、画像情報を収集し、設定された方向に湾曲される湾曲部を有する挿入部;
前記挿入部に接続され、前記湾曲部の湾曲を制御する操作部;および
前記照明のための光源を提供し、前記画像情報を処理し、前記湾曲部に動力を提供する動力源を有する外部装置;
を含む、内視鏡システム。
【請求項8】
動力源を有する光源装置;および
前記光源装置に接続されて光源を提供され、前記動力源が生成する動力を伝達され、前記動力によって湾曲される湾曲部を有する内視鏡モジュール;
を含む、内視鏡システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、被検体内に挿入して組織などを検査または治療することができる内視鏡システムに関するものであって、より詳しくは、挿入部における湾曲部の湾曲動作が電動化され、術者の操作の利便性が確保された内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ここで述べられる内容は、単に本発明の実施形態に関する背景情報を提供するだけで、従来の技術を構成するものではない。
【0003】
内視鏡は、一般に、医療目的で体内を観察するための医療器具を指す。検査する部位によって、「気管支鏡」、「胃内視鏡」、「腹腔鏡」、「大腸内視鏡」などと呼ばれる。他のほとんどの医療用撮像装置とは異なり、内視鏡は、体内に直接挿入される。
【0004】
内視鏡は、光学技術の発展、光ファイバの開発、電子工学の急速な発展に支えられ、現在の電子内視鏡に至っており、消化器学分野の発展に大きく貢献した。電子内視鏡の開発により、被検体内を直接観察し、組織学的検査を行う診断的分野だけでなく、各種治療内視鏡の急激な発展により開腹手術に代わるようになった。
【0005】
内視鏡の構造は、一般に、生検チャンネル、照明レンズ、送気・送水ノズル、カメラなどが設けられる先端部と、所望の方向に湾曲される湾曲部と、内部で光ファイバがねじれたり変形したりしないように保護する挿入部(Insertion Tube)と、吸引や送気・送水などを操作することができ、画像を撮像して保存する各種スイッチが配置される操作部とを含んで構成される。
【0006】
一方、湾曲部の湾曲動作は、複数のワイヤがそれぞれ引っ張られることによって制御されるが、そのために操作部にはチェーンなど、湾曲部の湾曲を制御するための各種機械的構成が配置され、この機械的構成を動作させるための方向調整ノブが設けられており、術者が手動で湾曲動作を制御できるようになっている。
【0007】
しかし、このような構造は、術者が内視鏡を操作する際に直観性を低下させる、疲労を増加させるといった問題に加え、人工知能を適用しにくいという問題がある。
【0008】
前述した背景技術は、発明者が本発明の実施形態を導出するために保有していたか、もしくは導出過程で習得した技術情報であり、必ずしも本発明の実施形態を出願する前に一般公衆に開示された公知の技術とはいえない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明による一態様は、前述した問題を解決するために提案されたものであり、本発明の目的は、術者が快適に内視鏡を使用できるように湾曲動作を電動化した内視鏡システムを提供することにある。
【0010】
また、本発明の別の目的は、湾曲動作を電動化することによって人工知能を適用することができ、術者が挿入部を挿入するだけで湾曲部が自動的に湾曲動作を行い、屈曲した臓器の内部で自ら位置決めして所望の部位まで進むことができ、さらには内視鏡検査で必要な過程を自動的に行うことができるスマート内視鏡システムを提供することにある。
【0011】
また、本発明の別の目的は、内視鏡の使用後の洗浄が容易にできるように構造化されていて衛生的であり、耐久性が向上した内視鏡システムを提供することにある。
【0012】
本発明が達成しようとする技術的課題は、前述した技術的課題に限定されず、言及されていない他の技術的課題は、以下の記載から、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を達成するために、本発明の一態様は、撮像手段と照明手段を有する先端部と、前記先端部が接続され、被検体の所望の部位を観察できるように設定された方向に湾曲される湾曲部と、前記湾曲部が接続され、前記被検体内に円滑に挿入できるように柔軟に動く軟性部とを有する挿入部;
【0014】
送気源、送水源、または吸引源と接続され、前記挿入部に空気、水、または吸引を提供するユニバーサルコード;
【0015】
前記挿入部と前記ユニバーサルコードとを接続し、前記湾曲部の湾曲角度を制御する制御手段、前記送気を調節する送気バルブ、前記送水を制御する送水バルブ、前記吸引を制御する吸引バルブのうち1つ以上を有する操作部;および、前記ユニバーサルコードが接続され、前記湾曲部を湾曲させるための動力源が設けられる外部装置;のうちの少なくとも1つ以上を含む内視鏡システムを提供することができる。
【0016】
実施形態によれば、前記外部装置の前記撮像手段が収集した画像情報を受信して処理する画像処理装置であってもよい。また、前記外部装置の別の実施形態は、前記照明手段に光源を提供する光源装置であってもよい。
【0017】
実施形態によれば、前記湾曲部を湾曲させるために、一方は前記湾曲部に接続され、他方は前記外部装置の前記動力源に接続され、前記動力源が生成する動力を前記湾曲部に伝達するメカニカルストリングを含んでいてもよい。
【0018】
実施形態によれば、前記外部装置は、前記動力源に接続される第1のコネクタを有し、前記ユニバーサルコードは、前記メカニカルストリングに接続される第2のコネクタを有し、前記ユニバーサルコードが前記外部装置に嵌合されると、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが相互作用して、前記動力源が生成した動力を前記メカニカルストリングに伝達することができる。
【0019】
実施形態によれば、前記操作部の内部には、前記ユニバーサルコードのねじれや折れなどによって予期せぬ異常な張りが生じた場合、前記異常な張りが前記湾曲部の姿勢維持に影響しないように補償機能を実行するコンペンセータが設けられてもよい。
【0020】
実施形態によれば、前記メカニカルストリングは、前記挿入部に介在される第1のストリングと、前記第1のストリングとカップリングされて前記ユニバーサルコードに介在される第2のストリングとを有し、
【0021】
前記ユニバーサルコードがねじれたり折れたりして予期せぬ異常な張りが生じた場合、前記異常な張りが前記湾曲部の姿勢維持に影響しないように、前記メカニカルストリングは、前記操作部の内部でデカップリングされてもよい。
【0022】
また、本発明の別の態様は、被検体内に挿入されて照明を照らし、画像情報を収集して、設定された方向に湾曲される湾曲部を有する挿入部;
【0023】
前記挿入部に接続され、前記湾曲部の湾曲を制御する操作部;および、前記照明のための光源を提供し、前記画像情報を処理し、前記湾曲部に動力を提供する動力源を有する外部装置;を含む内視鏡システムを提供することができる。
【0024】
また、本発明のさらに別の態様は、撮像手段と照明手段を有する先端部と、前記先端部が接続され、被検体の所望の部位を観察できるように設定された方向に湾曲される湾曲部と、前記湾曲部が接続され、前記被検体内に円滑に挿入できるように柔軟に動く軟性部とを有する挿入部;
【0025】
前記挿入部の先端に接続され、前記湾曲部の湾曲角度を制御する制御手段を有し、ユーザが容易に把持できるように寸法決めされて形成される操作部;および
【0026】
前記操作部に接続され、前記湾曲部を湾曲させるための動力源が設けられる外部装置;を含む内視鏡システムを提供することができる。
【0027】
ここで、前記外部装置は、前記撮像手段が収集した画像情報を受信して処理する画像処理装置、または前記照明手段に光源を提供する光源装置を含んでいてもよい。
【0028】
実施形態によれば、前記湾曲部を湾曲させるために、一方は前記湾曲部に接続され、他方は前記外部装置の前記動力源に接続され、前記動力源が生成する動力を前記湾曲部に伝達するメカニカルストリングを含んでいてもよい。
【0029】
その場合、前記外部装置は、前記動力源に接続される第1のコネクタを有し、前記操作部は、前記メカニカルストリングに接続される第2のコネクタを有し、前記操作部が前記外部装置に接続されると、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが相互作用して前記動力源が生成した動力を前記メカニカルストリングに伝達することを特徴とする。
【0030】
また、実施形態によれば、前記操作部と前記外部装置とを接続するが、前記ユーザが前記操作部を把持した状態で前記操作部を容易に操作できるように、前記外部装置から前記操作部を離隔させるユニバーサルコードを含んで構成されてもよい。
【0031】
その場合、前記湾曲部を湾曲させるために、一方は前記湾曲部に接続され、他方は前記外部装置の前記動力源に接続され、前記動力源が生成する動力を前記湾曲部に伝達するメカニカルストリングを含み、前記メカニカルストリングは、前記ユニバーサルコードの内部に設けられることを特徴とする。
【0032】
その場合、前記外部装置は、前記動力源に接続される第1のコネクタを有し、前記ユニバーサルコードは、前記メカニカルストリングに接続される第2のコネクタを有し、前記ユニバーサルコードが前記外部装置に接続されると、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが相互作用して前記動力源が生成した動力を前記メカニカルストリングに伝達することを特徴とする。
【0033】
本発明のさらに別の態様は、撮像手段と照明手段を有する先端部と、前記先端部が接続され、被検体の所望の部位を観察できるように設定された方向に湾曲される湾曲部と、前記湾曲部が接続され、前記被検体内に円滑に挿入できるように柔軟に動く軟性部を有する挿入部;
【0034】
前記挿入部に接続され、前記湾曲部の湾曲角度を制御する制御手段を有し、ユーザが容易に把持できるように寸法決めされて形成される操作部;を含む内視鏡モジュール;および
【0035】
前記操作部に接続され、前記湾曲部を湾曲させるための動力源が設けられる外部装置;を含む内視鏡システムを提供することができる。
【0036】
本発明の別の態様は、動力源を有する光源装置;および、前記光源装置に接続されて光源が提供され、前記動力源が生成する動力を伝達され、前記動力によって湾曲される湾曲部を有する内視鏡モジュール;を含む内視鏡システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0037】
以上説明したように、本発明の一実施形態は、術者が内視鏡を容易に使用できるように湾曲動作を電動化した内視鏡システムを提供する。
【0038】
また、本発明の別の実施形態は、湾曲動作を電動化することにより人工知能を適用することができ、術者が挿入部を挿入するだけで、湾曲部が自動的に湾曲動作を行い、屈曲した体内で自ら位置決めして所望の部位まで進むことができ、さらには内視鏡検査で必要な過程を自動的に行うことができるスマート内視鏡システムを提供する。
【0039】
さらに、本発明の別の目的は、内視鏡の使用後の洗浄が容易にできるように構造化されていて衛生的であり、かつ耐久性が向上した内視鏡システムを提供する。
【0040】
その他にも、本発明の効果は、実施形態によれば、優れた汎用性を有するなど、様々な効果を有し、そのような効果については後述する実施形態の説明から明確に確認することができる。
【0041】
本明細書に添付される以下の図面は、本発明の一実施形態を例示し、前述した発明の概要と共に本発明の技術思想をより理解しやすくするためのものである。したがって、本発明は、図面に記載された事項だけに限定されて解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明の一実施形態による、内視鏡システムを構成する内視鏡モジュールを示す。
図2】本発明の一実施形態による、ユニバーサルコードが外部装置に設けられ、第1のコネクタと第2のコネクタとが接続される様子を示す。
図3】本発明の一実施形態による、操作部に設けられたコンペンセータの一例を示す。
図4】本発明の別の実施形態による、操作部に設けられたコンペンセータの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の利点および特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に記述される実施形態を参照すれば明らかになるであろう。しかしながら、本発明は、以下に提示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で具現されることができ、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変換、等価物ないしは代替物を含むものとして理解すべきである。以下に提示される実施形態は、本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。本発明の説明において、関連する公知技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0044】
図1は、本発明の一実施形態による、内視鏡システムを構成する内視鏡モジュールを示す。
【0045】
そして、図2は、本発明の一実施形態による、ユニバーサルコードが外部装置に嵌合され、第1のコネクタと第2のコネクタとが接続される様子を示す。図2(a)は、ユニバーサルコードが外部装置に嵌合された様子を示し、図2(b)は、分離された様子を示す。
【0046】
本発明の一実施形態による内視鏡システムは、撮像手段と照明手段を有する先端部210と、前記先端部210が接続され、被検体の所望の部位を観察できるように設定された方向に湾曲される湾曲部220と、前記湾曲部220が接続され、前記被検体内に円滑に挿入できるように柔軟に動く軟性部230とを有する挿入部(Insertion Tube)200;
【0047】
送気源、送水源、または吸引源と接続され、前記挿入部200に空気、水、または吸引を提供するユニバーサルコード(Universal Code)400;
【0048】
前記挿入部200と前記ユニバーサルコード400とを接続し、前記湾曲部220の湾曲角度を制御する制御手段310、前記送気を調整する送気バルブ、前記送水を制御する送水バルブ、前記吸引を制御する吸引バルブのうちの少なくとも1つを有する操作部(Control Body)300;および
【0049】
前記ユニバーサルコード400が接続され、前記湾曲部220を湾曲させるための動力源510が設けられる外部装置(External Device)500;を含んで構成されてもよい。
【0050】
挿入部200は、術者が内視鏡検査を行う際に被検体内に挿入されるものとして、先端部(Tube-Tip)210、湾曲部(Bending Section)220、および軟性部(Flexible Portion)230を含んで構成されてもよい。
【0051】
実施形態によれば、先端部210は、湾曲部220の先端に形成される構成であってもよく、湾曲部と軟性部230が1つのチューブで接続されて構成されてもよい。
【0052】
先端部210は、被検体内に挿入されて様々な構造物を観察できるように、挿入部200の湾曲部220先端に位置し、吸引および付属器具が通過する開口部、光源から光ファイバを介して光を伝達され、術者の視野が確保できるように照らす照明手段、内部組織などを撮像して画像情報を収集し伝達する撮像手段のうち1つ以上を含んで構成されてもよい。
【0053】
実施形態によれば、湾曲部220は、金属材質のワイヤが織られてメッシュ状に形状を維持するように構成されてもよく、メッシュ形状の内部にはメカニカルストリング(Mechanical String)420が介在され、湾曲部220の湾曲動作を具現することができる。
【0054】
湾曲部220は、設定された角度で上下左右の全ての方向に湾曲することができ、これを組み合わせて被検体内で全ての方向を観察することができる。
【0055】
また、湾曲部220は、術者が被検体内を観察するために挿入部200を被検体内に挿入する過程で、設定された角度に湾曲され、観察しようとする所望の部位に先端部210が円滑に移動できるように先端部210の移動をガイドすることができる。
【0056】
ユニバーサルコード400は、送気源、送水源、または吸引源に接続されて空気、水、または吸引を提供され、提供された空気、水、または吸引を先端部210に送ることができる。そのために、ユニバーサルコード400の内部には、空気または水が移動できる流路が形成されてもよく、この流路は、操作部と挿入部200の内部にも同様に形成されてもよい。
【0057】
術者は、操作部300に設けられた送気バルブ、送水バルブ、吸引バルブを操作して、挿入部200の先端から空気や水を噴射したり吸引を作動させることができる。
【0058】
操作部300には、制御手段310と機能スイッチが設けられてもよい。術者は、操作部300の制御手段310を使って湾曲動作を制御することができ、機能スイッチを使って空気噴射機能または水噴射機能を選択することができ、吸引を行うことができる。ここで、制御手段310は、例えば、湾曲角度調整ノブまたはジョイスティックを含む。
【0059】
制御手段310は、外部装置500に設けられる動力源510と有線または無線で通信することができ、術者は、制御手段310を操作して外部装置500に設けられた動力源510に制御命令を伝送することができ、制御命令によって動力源510を駆動し、湾曲部220に湾曲動作を実行させることができる。
【0060】
実施形態によれば、制御手段310は、人工知能と人工知能の制御命令を受信して電力源510に伝送する通信モジュールを含んで構成されてもよい。人工知能は、あらかじめプログラムされた内容に基づいて所望の部位に進行を誘導する湾曲部220の湾曲動作を設定することができ、それを実行するように制御命令を送信することができる。
【0061】
本明細書の実施形態によれば、挿入部200と操作部300とが結合された結合体を「内視鏡モジュール100」という。
【0062】
本明細書の実施形態によれば、挿入部200と操作部300とユニバーサルコード400とが結合された結合体も「内視鏡モジュール100」という。
【0063】
すなわち、内視鏡モジュール100は、実施形態によれば、挿入部200と操作部300とが結合された結合体と、挿入部200と操作部300とユニバーサルコード400とが結合された結合体を含んでいてもよい。
【0064】
また、本明細書において、「外部装置500」は、内視鏡モジュール100の「外部」にある装置を意味するものであり、内視鏡モジュール100とは異なる別途の製品として存在する装置を意味し得る。術者は、内視鏡モジュール100のユニバーサルコード400を外部装置500に結合してはじめて内視鏡モジュール100を使用することができる。ユニバーサルコード400は、軟質のコード部と外部装置500に直接接続される接続部とを含む構成であってもよい。
【0065】
実施形態によれば、外部装置500は、撮像手段が収集した画像情報を受信して処理する画像処理装置、または照明手段へ光源を提供する光源装置を含んでいてもよい。実施形態によれば、外部装置500は、画像処理機能と光源機能の両方を有する装置を含んでいてもよい。
【0066】
内視鏡を使用して生検を行う際に、術者は、内視鏡モジュール100を外部装置500、例えば、光源装置に嵌合し、光源装置から光源を供給されて観察しようとする体内を照明することができる。また、術者は、画像処理装置に内視鏡モジュール100を嵌合し、カメラが撮像して収集した被検体内の画像情報を画像処理装置に伝送し、画像を処理して確認分析のために保存することができる。
【0067】
一方、外部装置500には、湾曲部220を湾曲させるための動力源510が設けられてもよい。ここで、動力源510は、実施形態によれば、モータであってもよいが、これに限定されない。
【0068】
実施形態によれば、内視鏡システムは、メカニカルストリング420を含んでいてもよい。メカニカルストリングは、湾曲部220を湾曲させるために、一方は湾曲部220に接続され、他方は外部装置500の動力源510に接続され、動力源510が生成する動力を湾曲部220に伝達することができる。
【0069】
実施形態によれば、外部装置500は、動力源510に接続される第1のコネクタ520を有してもよく、内視鏡モジュール100のユニバーサルコード400は、メカニカルストリング420に接続される第2のコネクタ410を有してもよい。ユニバーサルコード400が外部装置500に設けられると、第1のコネクタ520と第2のコネクタ410とがカップリングされ、相互作用して動力源510が生成した動力をメカニカルストリング420に伝達することができる。
【0070】
実施形態によれば、第1のコネクタ520は、外部装置500においてユニバーサルコードに接続される接続部上に外部に露出した形態で設けられてもよい。また、第2のコネクタ410は、ユニバーサルコード400の接続部(ここで、接続部は、外部装置500と直接接続される部分を含む)に外部に露出した形態で設けられてもよく、外部装置500の第1のコネクタ520が設けられた位置と対応する位置に設けられてもよい。
【0071】
このような構成により、ユーザがユニバーサルコードの接続部を外部装置に嵌合すると、第1のコネクタ520と第2のコネクタ410とが結合されることができる。
【0072】
したがって、ユーザが内視鏡モジュール100を外部装置500に接続すると、第1のコネクタ520の露出された部分と第2のコネクタ410の露出された部分とが電気的または機械的に結合されて相互作用することによって、外部装置500に設けられた動力源510で生成される動力をメカニカルストリング420に伝達できるようになる。そして、ユーザが内視鏡モジュール100を洗浄するために内視鏡モジュール100を外部装置500から取り外すと、第1のコネクタ520と第2のコネクタ410は分離される。
【0073】
本実施形態において、外部装置500に設けられた動力源510がメカニカルストリング420を介して湾曲部220を湾曲させる過程を詳しく説明する。また、外部装置500は光源装置に代替し、動力源510はモータに代替して説明する。
【0074】
メカニカルストリング420の一端は、挿入部200の湾曲部220に接続され、他端は、ユニバーサルコード400の先端に設けられる第2のコネクタ410に接続されてもよい。この場合、メカニカルストリング420は、ユニバーサルコード400と操作部300と挿入部200の内部を通過して設けられてもよい。
【0075】
一方、光源装置の内部に設けられるモータには、第1のコネクタ520が接続されてもよい。実施形態によれば、モータは、減速機がさらに設けられてもよく、これによりモータの動力を減速して出力させることができる。
【0076】
内視鏡モジュール100のユニバーサルコード400を光源装置に接続すると、内視鏡モジュール100内に設けられる、光ガイド機能を実行する光ファイバが光源に接続されて照明手段が機能するようになり、光源装置内に配置される各種電源を供給する電源部が内視鏡モジュール100と接続されて内視鏡モジュール100に電源を供給するようになり、第1のコネクタ520と第2のコネクタ410とがカップリングされ、モータの動力がメカニカルストリング420を牽引または弛緩して湾曲部220が湾曲動作を行うようになる。
【0077】
湾曲部220は、上下左右方向に湾曲動作を行うことができる。すなわち、ヨーイング動作とピッチング動作を行うことができる。
【0078】
メカニカルストリング420は、図面上では一対のみを表示しているが、上下方向の湾曲動作を行う一対のメカニカルストリング420と、左右方向の湾曲動作を行う一対のメカニカルストリング420とが設けられ、少なくとも合計4本のメカニカルストリング420が設けられてもよい。
【0079】
モータは、複数あってもよく、上下方向の湾曲動作のためのものと左右方向の湾曲動作のためのものが別々に備えられてもよい。一対のメカニカルストリング420は、例えば、チェーンとギアが噛み合う構成、またはプーリとベルトが噛み合う構成などによって1対1にマッピングされて駆動されてもよい。例えば、一対のメカニカルストリング420は、一方が1ほど牽引されると、他方は-1ほど弛緩される方法で駆動されてもよい。
【0080】
本発明による実施形態において、湾曲部220は、外部装置500の動力源510とメカニカルストリング420に接続されて動力を伝達されて湾曲を制御されるが、このように湾曲部220が外部装置500の動力源510と接続されて動力を伝達される構造は、手動で湾曲部220を操作する従来の技術とは区別される。
【0081】
従来の技術による挿入部200は、湾曲部220を湾曲させるメカニカルストリング420が設けられ、操作部300にメカニカルストリング420を牽引または弛緩することができる機械的装置が配置され、操作部300にこれを手動で操作できる湾曲角度調整ノブが設けられた構造を有する。そして、ユニバーサルコード400には、送気・送水チューブ、吸引チューブの電気接続線などが設けられ、メカニカルストリング420などの動力伝達構成は有しない。
【0082】
従来の技術による内視鏡の使用では、術者は、操作部300を片手に持ち、ノブを回してメカニカルストリング420を牽引することで、湾曲部220の湾曲動作を制御することができた。
【0083】
この場合、例えば、胃内視鏡検査の際に、術者が挿入部200を被検体内に経口にて挿入すると、先端部210は、口から体内に移動し、食道と気道が分かれる地点に到達する。このような部位では、熟練した術者でもノブを手動で操作して湾曲部220の湾曲動作を制御するのに多くの時間がかかる。
【0084】
本発明の一実施形態による、湾曲部220が動力源と接続されて動力を伝達される構造は、湾曲動作を制御するための術者の手動操作を最小限に抑えるため、体内の所望の部位に到達するまで短い時間のみが所要され、手間を省くことができる。
【0085】
また、未熟練の術者の場合、暗い体内で所望の部位に向かう道を失う可能性があるが、湾曲動作を電動化することにより人工知能を適用することができ、自動的に所望の部位に前進できるため、この問題は解決できる。
【0086】
本実施形態によれば、内視鏡の画像から現在の進行方向を検出し、人工知能によって検出された進行方向に基づいて動力源510の制御値を入力すれば、術者は、挿入部200を挿入するだけで、人工知能が湾曲部220の湾曲動作を制御してくれるため、挿入部200が自ら適切に姿勢を制御し、被検体内に沿って正確に進行することができる。
【0087】
挿入部200が被検体内を挿入される際に、臓器の屈曲した部分を人工知能が自動的に判断し、自ら湾曲することができるため、術者は、ボタンを押したり無理な体勢をとったりする必要がない。すなわち、食道か気道かを人工知能が自ら判断してあらかじめ湾曲を制御するため、術者は、挿入部200を口などから被検体内に挿入するだけでよいのである。
【0088】
例えば、胃内視鏡検査の際に、幽門(Pylorus)の場合は、挿入部200が体内に入っているときの姿勢と術者が実際に見ている姿勢の差がほぼ180度である。術者が手動で操作しながらこの状態を維持するためには、指にかなりの力が入る。特に、このような状態で術者が画像の撮像を行う場合は、先端部210が少し揺れるだけですぐにぼやけてしまうため、さらに指に力が入る。このような操作は、医者にとって非常に大きい疲労感を与える。
【0089】
ところが、例えば、幽門の検査時に必ず撮像が必要な部位が8か所であるとして、これを人工知能があらかじめ把握して自動的に撮像できれば、姿勢の維持さえ難しい術者にとって非常に便利なことである。本実施形態による湾曲部220が動力源510と接続されて動力を伝達される構造は、湾曲角度の調整を電動化可能にし、かつ人工知能の適用を可能にするため、様々な機能が実現可能であり、前述の状況において術者の内視鏡使用の利便性を確保することができる。
【0090】
さらに、本発明による内視鏡システムは、外部装置500に動力源510が設けられる構造であるため、内視鏡モジュール100のメンテナンスが容易である。
【0091】
内視鏡モジュール100は、被検体内に挿入するものであるため、衛生が重要である。したがって、内視鏡モジュールの洗浄が非常に重要である。術者が生検のために内視鏡モジュールを使用した後は、必ずモジュールをきれいに洗浄する必要がある。
【0092】
内視鏡モジュールを洗浄するには、水で希釈した化学物質を含む洗剤を使用する必要がある。しかし、動力源であるモータは、水分に脆弱であるため、モータが水分にさらされると内視鏡モジュールの寿命には致命的である。
【0093】
内視鏡モジュールは非常に高価であるため、動力源510であるモータが操作部300の内部に設けられる構造を有する場合、ユーザは、内視鏡モジュールを洗浄する際に内部に水が入らないように注意しなければならず、内視鏡モジュールの洗浄が煩わしくなる。内視鏡モジュール内部のモータに水分が流入して故障することを懸念し、内視鏡モジュールを正しく洗浄できなくなると、衛生に致命的な問題となる。内視鏡モジュールは高価であるため、モータなどの内部部品の故障によって製品全体を交替することとなった場合、ユーザにとっては非常に非経済的である。
【0094】
本発明の一実施形態による内視鏡システムは、モータが、内視鏡モジュール100ではなく、内視鏡モジュール100とは別の製品として構成される外部装置500に取り付けられるため、前記問題を根本的に解消できる。すなわち、術者は、内視鏡モジュールを使用した後に、内視鏡モジュールを外部装置500から取り外して洗浄すればよい。内視鏡モジュールは、モータなどの動力源510が設けられておらず、モータに水が入る恐れがないため、気楽に内視鏡モジュールを洗浄することができる。
【0095】
図3は、本発明の一実施形態による、操作部に設けられたコンペンセータの一例を示す。
【0096】
本発明の一実施形態による内視鏡システムは、メカニカルストリング420の動きを調整するコンペンセータ(Compensator)600を含んで構成されてもよい。
【0097】
ここで、コンペンセータ600は、湾曲部220の湾曲角度が予期せぬ外力によって変化するのを防ぐために、メカニカルストリング420の動きを調整する補償機能を実行することができる。
【0098】
例えば、コンペンセータ600は、ユニバーサルコード400のねじれや折れなどによってメカニカルストリング420に予期せぬ異常な張りが生じた場合、異常な張りが湾曲部220の姿勢維持(ここで、姿勢維持は、湾曲角度の維持を含む)に影響しないように補償機能を実行することができる。
【0099】
実施形態によれば、コンペンセータ600は、操作部300またはユニバーサルコード400の内部に設けられてもよい。実施形態によれば、コンペンセータ600は、外部装置500に設けられてもよい。
【0100】
図3を参照すると、コンペンセータ600の一実施形態は、アイドラプーリ620を採用したものである。この場合、コンペンセータ600の一実施形態は、操作部300の内部に一対のメカニカルストリング420のうち一方を一対のメインプーリ610とアイドラプーリ620に接続し、他方も同様に一対のメインプーリ610とアイドラプーリ620に接続する。メカニカルストリング420は、上下方向への湾曲のための一対と左右方向への湾曲のための一対からなる2セットが設けられるため、コンペンセータ600もそれぞれに必要である。
【0101】
操作中にユニバーサルコード400を操作者が踏むことで異常な張りが生じると、アイドラプーリ620が作動して異常な張りを解消し、挿入部200側のメカニカルストリング420の張りに変化が生じないようにし、湾曲部(220)の姿勢を維持させることができる。
【0102】
図4は、本発明の別の実施形態による、操作部に設けられたコンペンセータの一例を示す。
【0103】
コンペンセーションを行える別の実施形態によれば、メカニカルストリング420は、挿入部200に介在される第1のストリング710と、第1のストリング710とカップリングされ、ユニバーサルコード400に介在される第2のストリング720とを有し、
【0104】
ユニバーサルコード400がねじれたり折れたりして予期せぬ異常な張りが生じた場合、異常な張りが湾曲部の姿勢維持に影響しないように、第1のストリング710と第2のストリング720とは、操作部の内部でデカップリングされてもよい。
【0105】
本実施形態によるコンペンセータ600の構造は、操作部300には、相対回転可能な補償軸740に接続された複数のプーリ750からなるコネクティングプーリ結合体700が配置され、それぞれのプーリ750には、挿入部200側に引き出されて湾曲部220に接続される第1のストリング710と、ユニバーサルコード400側に引き出されて第2のコネクタ410に接続される第2のストリング720とが結合され、第1のストリング710と第2のストリング720それぞれの張りを感知する張力センサが配置される構造を有してもよい。
【0106】
通常は、外部装置500に介在された動力源510によってユニバーサルコード400の第2のストリング720が駆動すると、コネクティングプーリ結合体700によって第2のストリング720と1対1でカップリングされた第1のストリング710が駆動され、湾曲角度が調整される。
【0107】
しかし、ユニバーサルコード400がねじれたり折りたりして第2のストリング720に異常な張りが感知されると、コネクティングプーリ結合体700の2つのプーリは、直ちにデカップリングし、第1のストリング710に異常な張りがかからないため、湾曲部220は湾曲角度を維持できるようになる。
【0108】
第2のストリング720に異常な張りがかかっているかどうかは、実施形態によれば、第1および第2のストリング720それぞれに張りを感知する一対の張力センサ間でセンシング値を比較することによって判断することができる。
【0109】
異常な張りが感知された場合、これを補償するためのデカップリングが行われる前には、第1のストリング710が第2のストリング720とカップリングされているため、第1のストリング710がねじれると、第2のストリング720も異常な張りに影響を受けてねじれてしまう。したがって、湾曲部220の姿勢も影響を受ける。この場合、湾曲部220が正しい姿勢を維持できるように、第1のストリング710を元の状態に戻す補償を行う必要がある。元の状態に戻すために第1のストリング710が結合されたプーリ750には、別途動力源510と接続される第3のストリング730が結合されてもよく、異常な張りが感知されるとデカップリングとともに第3のストリング730の補償も一緒に行われ、第1のストリング710と湾曲部220を元の正しい姿勢に回復させることができる。
【0110】
例えば、張力センサがユニバーサルコード400側と挿入部200側にそれぞれ配置されているため、ユニバーサルコード400がねじれたり折れたりして第2のストリング720に異常な張りが生じた場合、それに相応する逆の力を提供すればよい。仮にユニバーサルコード(400)側の張力センサに0の力が入るべきところをユニバーサルコード(400)がねじれて1の力が入ったとすれば、挿入部(200)側の張力センサに-1の力がかかるようにすることで湾曲部(220)の姿勢を維持することができる。
【0111】
したがって、第3のストリング730を調整して、挿入部200側の張力センサに-1の力がかかるように制御できるのである。
【0112】
一方、別のコンペンセーション方法は、張力センサのセンシング値を収集して異常な張りが感知された場合、直ちに動力源510、例えば、モータに制御コマンドを出し、モータが直接動力を提供することで元の状態に戻せる制御部を設けるのである。ここで、制御部は、実施形態によれば、操作部300または外部装置500に設けられてもよい。
【0113】
内視鏡モジュールを使用するとき、術者は、操作部300を片手に持ち、スイッチや制御手段310を操作する。この場合、挿入部200は、被検体内に挿入されて所望の部位に向かって移動するが、ユニバーサルコード400は、外部に露出された状態となる。したがって、ユニバーサルコード400は、足に踏まれたり、その他の予期せぬ外力によって折れたりねじれたりすることがある。
【0114】
本発明の一実施形態による内視鏡モジュールは、従来の技術と異なって、ユニバーサルコード400にもメカニカルストリング420が設けられており、ユニバーサルコード400のねじれ、折れなどによってメカニカルストリング420に異常な張りがかかる可能性がある。従来の技術は、ユニバーサルコード400にメカニカルストリング420がないため、このような問題は生じない。
【0115】
メカニカルストリング420に異常な張りがかかると、被検体内で役割を果たしている湾曲部220の姿勢維持に影響を及ぼして問題が生じる。例えば、特定の所望の部位を撮像するために湾曲部220が特定の姿勢を維持しなければならない場合、異常な張りによって姿勢が崩れると役割を果たすことができなくなるため、問題となる。
【0116】
本発明の一実施形態によるコンペンセータ600を適用すれば、前記のような問題は解消でき、予期せぬ状況、外力などによる異常な張りを解消することができる。
一方、本発明のさらに別の態様は、撮像手段と照明手段を有する先端部と、前記先端部が接続され、被検体の所望の部位を観察できるように設定された方向に湾曲される湾曲部220と、前記湾曲部220が接続され、前記被検体内に円滑に挿入できるように柔軟に動く軟性部とを有する挿入部200;
【0117】
前記挿入部200の先端に接続され、前記湾曲部220の湾曲角度を制御する制御手段310を有し、ユーザが容易に把持できるように寸法決めされて形成される操作部300;および
【0118】
前記操作部300に接続され、前記湾曲部220を湾曲させるための動力源510が設けられる外部装置500;を含む内視鏡システムを提供することができる。
【0119】
ここで、ユーザは、内視鏡システムを使用する医師を含んでもよい。
【0120】
ここで、前記外部装置500は、実施形態によれば、前記撮像手段が収集した画像情報を受信して処理する画像処理装置、または前記照明手段に光源を提供する光源装置を含んでいてもよい。
【0121】
実施形態によれば、前記湾曲部220を湾曲させるために、一方は前記湾曲部220に接続され、他方は前記外部装置500の前記動力源510に接続され、前記動力源510が生成する動力を前記湾曲部220に伝達するメカニカルストリング420を含んでいてもよい。
【0122】
すなわち、ここで、メカニカルストリング420は、挿入部200と操作部300を貫通して外部装置500に設けられた動力源510と接続されるように構成されてもよい。これにより、外部装置500の内部に設けられた動力源510で生成された動力を湾曲部220に伝達することができる。
【0123】
この場合、前記外部装置500は、前記動力源510と接続される第1のコネクタ520を有し、前記操作部300は、前記メカニカルストリング420と接続される第2のコネクタ410を有し、前記操作部300が前記外部装置500に接続されると、前記第1のコネクタ520と前記第2のコネクタ410とが相互作用して前記動力源510が生成した動力を前記メカニカルストリング420に伝達することができ、
【0124】
前記操作部300と前記外部装置500との接続が解除されると、前記第1のコネクタ520と前記第2のコネクタ410も相互作用を中断し、ユーザは、操作部300と挿入部200の組立体を水で洗浄することができる。水で洗浄しても動力源510は操作部300や挿入部200ではなく外部装置500に設けられているため、動力源510が洗浄水に触れて故障する恐れはない。
【0125】
一方、別の実施形態によれば、前記内視鏡システムは、前記操作部と前記外部装置500とを接続するが、前記ユーザが前記操作部を把持した状態で前記操作部を容易に操作できるように、前記外部装置500から前記操作部を離隔させるユニバーサルコード400を含んで構成されてもよい。
【0126】
この場合、前記湾曲部220を湾曲させるために、一方は前記湾曲部220に接続され、他方は前記外部装置500の前記動力源510に接続され、前記動力源510が生成する動力を前記湾曲部220に伝達するメカニカルストリング420を含み、前記メカニカルストリング420は、前記ユニバーサルコード400の内部に設けられてもよい。
【0127】
すなわち、メカニカルストリング420は、ユニバーサルコード400、操作部300、および挿入部200を貫通して設けられてもよい。
【0128】
ここで、前記外部装置500は、前記動力源510と接続される第1のコネクタ520を有し、前記ユニバーサルコード400は、前記メカニカルストリング420と接続される第2のコネクタ410を有し、前記ユニバーサルコード400が前記外部装置500に接続されると、前記第1のコネクタ520と前記第2のコネクタ410とが相互作用して前記動力源510が生成した動力を前記メカニカルストリング(420)に伝達することができる。また、前記ユニバーサルコード400が前記外部装置500から接続解除されると、前記第1のコネクタ520と前記第2のコネクタ410との相互作用は終了する。
【0129】
この場合、動力源510は、外部装置500に設けられ、前記ユニバーサルコード400、操作部300、および挿入部200の組立体である内視鏡モジュールには設けられないため、ユーザが内視鏡モジュールを水などの洗浄液で洗浄しても動力源510が水に濡れて故障することはない。
【0130】
実施形態によれば、前記操作部300の内部には、前記ユニバーサルコード400のねじれ、折れなどにより予期せぬ異常な張りが生じた場合、前記異常な張りが前記湾曲部220の姿勢維持に影響しないように補償機能を実行するコンペンセータ600が設けられてもよい。このコンペンセータ600は、前述した実施形態で説明したコンペンセータ600と実質的に同様の構成であってもよいため、詳細な説明は省略する。
【0131】
実施形態によれば、前記メカニカルストリング420は、前記挿入部200に介在される第1のストリング710と、前記第1のストリング710とカップリンされ、前記ユニバーサルコード400に介在される第2のストリング720とを有し、
【0132】
前記ユニバーサルコード400がねじれたり折れたりして予期せぬ異常な張りが生じた場合、前記異常な張りが前記湾曲部220の姿勢維持に影響しないように、前記メカニカルストリング420は、前記操作部300の内部でデカップリング、すなわち、分離されてもよい。この構造は、前述した実施形態で説明したプーリ750と補償軸740と第3のストリング730とを有するデカップリング構造と実質的に同様の構成であってもよいため、詳細な説明は省略する。
【0133】
本発明の別の実施形態は、動力源510を有する光源装置;および、前記光源装置に接続されて光源を提供され、前記動力源510が生成する動力を伝達され、前記動力によって湾曲される湾曲部220を有する内視鏡モジュール;を含む内視鏡システムを提供することができる。
【0134】
ここで、光源装置は、例えば、LEDなどの光源を含む装置であって、内視鏡モジュールに光源を提供する装置を含んでもよい。例えば、前述した実施形態で述べた外部装置500、すなわち、光源装置または画像処理装置を意味することもできる。
【0135】
ここで、動力源510は、前述した実施形態で述べたモータ構成を含んでもよい。
【0136】
ここで、湾曲部220は、前述した実施形態で述べた内視鏡モジュール100に含まれる湾曲部220と実質的に同様の機能を有する構成を意味し得る。
【0137】
ここで、内視鏡モジュール100には、予期せぬ外力によって湾曲部220の湾曲角度が任意に変わることを防止するために補償機能を実行するコンペンセータ構成を含んでもよい。
【0138】
コンペンセータ構成は、前述した実施形態で既に説明しているため、詳細な説明は省略する。
【0139】
本発明の明細書(特に特許請求の範囲)において「前記」という用語およびこれと類似した指示語は、単数および複数のいずれにも該当し得る。また、本発明において、範囲(range)を記載した場合、前記範囲に属する個別の値を適用した発明を含むものであり(それに反する記載がない限り)、発明の概要に前記範囲を構成する各個別の値を記載したのと同様である。
【0140】
本発明による方法を構成するステップにおいて、明らかに順序を記載しているか、またはそれに反する記載がない限り、前記ステップは、適切な順序によって行われる。必ずしも前記ステップに関して記載された順序によって本発明が限定されるものではない。本発明におけるすべての例または例示的な用語(「例えば」、「など」など)の使用は、単に本発明を詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲によって限定されない限り、前記例または例示的な用語によって本発明の範囲が限定されるものではない。また、当業者であれば、様々な修正、組み合わせ、および変更が加味された特許請求の範囲またはその等価物の範囲内において、設計条件および要因にしたがって構成され得るということを理解することができるであろう。
【0141】
したがって、本発明の思想は、前述した実施形態に限定されてはならず、後述する特許請求の範囲はもちろん、特許請求の範囲と均等な、もしくは等価的に変更された全ての範囲が、本発明の思想の範囲に属するといえる。
【符号の説明】
【0142】
100:内視鏡システム
200:挿入部
210:先端部
220:湾曲部
230:軟性部
300:操作部
310:制御手段
400:ユニバーサルコード
410:第2のコネクタ
420:メカニカルストリング
500:外部装置
510:動力源
520:第1のコネクタ
600:コンペンセータ
610:メインプーリ
620:アイドラプーリ
700:コネクティングプーリ結合体
710:第1のストリング
720:第2のストリング
730:第3のストリング
740:補償軸
750:プーリ

図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】