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特表2024-501749量子井戸構造、チップ加工方法及びチップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-15
(54)【発明の名称】量子井戸構造、チップ加工方法及びチップ
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/343 20060101AFI20240105BHJP
   H01S 5/12 20210101ALI20240105BHJP
   H01S 5/026 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
H01S5/343
H01S5/12
H01S5/026 618
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540828
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 CN2021135908
(87)【国際公開番号】W WO2022143028
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011606707.9
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202023289626.9
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011614713.9
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202023340352.1
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523250739
【氏名又は名称】フォグレイン テクノロジー(シェンチェン)カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ヤンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ホンリャン
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,ヤン
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AB13
5F173AD15
5F173AD17
5F173AF03
5F173AG05
5F173AG13
5F173AH14
5F173AP05
5F173AP09
5F173AP33
5F173AR23
(57)【要約】
本出願は、量子井戸構造、チップ加工方法、チップ及びレーザーに関する。量子井戸構造は、多層のインジウムアルミニウムヒ素(InAlAs)量子井戸層231と、前記InAlAs量子井戸層231の厚さと同じ厚さを有し、且つ隣接する2つの前記InAlAs量子井戸層231の間に設けられた、インジウムアルミニウムガリウムヒ素(InAlGaAs)量子井戸層232と、を備える。前記InAlAs量子井戸層231の厚さは0.4nm~0.6nmであり、前記InAlAs量子井戸層231の数は3~17である。量子井戸層の厚さは小さく、量子井戸構造の厚さを変えない場合、単層量子井戸層の厚さに対する量子井戸構造の厚さの比が大きくなるため、量子井戸の制限パラメータΓの値が大きくされ、量子井戸の制限パラメータの増大によりチップの閾値電流は低減され、チップの転送レートは高められる。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分布帰還型(DFB)レーザーのチップに用いられる量子井戸構造であって、
前記量子井戸構造は、多層のインジウムアルミニウムヒ素(InAlAs)量子井戸層と、
前記InAlAs量子井戸層の厚さと同じ厚さを有し、且つ隣接する2つの前記InAlAs量子井戸層の間に設けられた、インジウムアルミニウムガリウムヒ素(InAlGaAs)量子井戸層と、を備え、
前記InAlAs量子井戸層の厚さは0.4nm~0.6nmであり、前記InAlAs量子井戸層の数は3~17である、
ことを特徴とする量子井戸構造。
【請求項2】
各層の前記InAlAs量子井戸層の厚さは0.5nmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の量子井戸構造。
【請求項3】
前記InAlAs量子井戸層の数は6であり、前記InAlGaAs量子井戸層の数は5である、
ことを特徴とする請求項2に記載の量子井戸構造。
【請求項4】
前記InAlGaAs量子井戸層において、Inの質量パーセントは53%であり、Alの質量パーセントは36%であり、GaとAsの質量パーセントは合計で11%である、
ことを特徴とする請求項1に記載の量子井戸構造。
【請求項5】
チップ加工方法であって、
基板に順次に、
バッファ層と下部グレーデッド層群とを加工することと、
分子線エピタキシー(MBE)法により、量子井戸層を多層加工することであって、各層の前記量子井戸層の厚さは0.4nm~0.6nmである、加工することと、
上部グレーデッド層群を加工することと、
気相エピタキシャル成長(VPE)法により、被覆層、エッチング停止層、エピタキシャル層及びコンタクトエピタキシャル層を加工することと、を含む、
ことを特徴とするチップ加工方法。
【請求項6】
前記MBE法により、前記量子井戸層を多層加工することは、
前記MBE法により、前記量子井戸層を11層加工することを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載のチップ加工方法。
【請求項7】
各層の前記量子井戸層の厚さは0.5nmである、
ことを特徴とする請求項6に記載のチップ加工方法。
【請求項8】
前記MBE法により、前記量子井戸層を多層加工することは、
インジウムアルミニウムヒ素(InAlAs)量子井戸層とインジウムアルミニウムガリウムヒ素(InAlGaAs)量子井戸層とを交互に加工し、多層量子井戸層の外側に位置する層をInAlAs量子井戸層にすることを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載のチップ加工方法。
【請求項9】
請求項5~8のいずれか一項に記載のチップ加工方法で加工される、
ことを特徴とするチップ。
【請求項10】
請求項9に記載のチップが搭載された、
ことを特徴とするレーザー。
【請求項11】
チップ加工方法であって、
基板にチップ層群を加工することと、
前記チップ層群の一部を除去して導波領域を形成することと、
成長法によって被覆層を加工することと、
前記導波領域に対応する前記被覆層を導波ストリップに加工して前記導波ストリップの端面が前記チップ層群に対向するようにし、前記導波ストリップの前記チップ層群との貼り合わせ部分を除去して前記導波ストリップと前記チップ層群との間に隙間を形成することと、
導波路クラッド層を加工し、前記チップ層群及び前記隙間に対応する前記導波路クラッド層を除去することと、を含む、
ことを特徴とするチップ加工方法。
【請求項12】
前記チップ層群の一部を除去して前記導波領域を形成することは、
前記基板の一側からもう一側にかけて前記チップ層群の一部を除去して前記導波領域を形成することを含む、
ことを特徴とする請求項11記載のチップ加工方法。
【請求項13】
前記成長法によって前記被覆層を加工することは、
気相エピタキシャル成長(VPE)法により、0.5μm~2μmの前記被覆層を加工することを含む、
ことを特徴とする請求項11記載のチップ加工方法。
【請求項14】
前記導波領域に対応する前記被覆層を前記導波ストリップに加工して前記導波ストリップの端面が前記チップ層群に対向するようにすることは、
フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、前記導波領域に対応する前記被覆層を横断面が正方形である導波ストリップに加工することを含み、
前記導波ストリップの横断面の一辺の長さは0.5μm~2μmである、
ことを特徴とする請求項11記載のチップ加工方法。
【請求項15】
前記基板に前記チップ層群を加工することは、
前記基板に順次に、
1μm~1.5μm厚のバッファ層を加工することと、
10nm~100nm厚の下部グレーデッドバッファ層を加工することと、
10nm~30nm厚の量子井戸層群を加工することと、
10nm~100nm厚の上部グレーデッドバッファ層を加工することと、
10nm~50nm厚の回折格子エピタキシャル層を加工し、電子ビームによる回折格子書き込み方法により回折格子を加工することと、
10nm~50nm厚のエッチング停止層を加工することと、を含む、
ことを特徴とする請求項11記載のチップ加工方法。
【請求項16】
前記チップ加工方法は、前記導波路クラッド層を加工した後、
エピタキシャル層及びコンタクトエピタキシャル層を順次に加工し、前記導波領域に対応する前記エピタキシャル層及び前記コンタクトエピタキシャル層を除去することを含む、
ことを特徴とする請求項11記載のチップ加工方法。
【請求項17】
チップであって、
チップ領域及び導波領域を有する基板と、
前記基板の前記チップ領域に設けられたチップ層群と、
前記チップ層群と間隔を隔てて前記基板の前記導波領域に集積され、出射されるレーザー光のスポットを略円形状に導くための、導波ストリップと、
前記導波ストリップに堆積された導波路クラッド層と、を備える、
ことを特徴とするチップ。
【請求項18】
前記導波ストリップの横断面は正方形であり、前記導波ストリップの横断面の一辺の長さは0.5μm~2μmであり、
前記導波路クラッド層の厚さは2μm~3μmであり、前記導波ストリップの屈折率は、前記導波路クラッド層の屈折率より大きい、
ことを特徴とする請求項17に記載のチップ。
【請求項19】
前記導波ストリップと前記チップ層群との間の隙間は1μm~5μmである、
ことを特徴とする請求項17に記載のチップ。
【請求項20】
請求項17~19のいずれか一項に記載のチップが搭載された、
ことを特徴とするレーザー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、全般的にレーザー技術分野に関し、具体的には、量子井戸構造、チップ加工方法、チップ及びレーザーに関する。
【背景技術】
【0002】
分布帰還型(distributed feedback、DFB)レーザーのチップ構造は、主にN型電極と、多層量子井戸エピタキシャル構造と、ブラッググレーティング層と、リッジ導波路と、P型電極とを含む。レーザー光は、主に多層量子井戸構造により、順方向電流の働きで反転分布が発生して誘導放射が形成されることで、発生されたものである。
【0003】
多層量子井戸構造は、レーザー光を発生させる鍵である。レーザー原理により、レーザーチップの閾値電流は主に、量子井戸の制限パラメータと関係し、量子井戸の制限パラメータが大きいほどチップの閾値電流が小さくなる。しかし、従来の量子井戸構造及び加工プロセスによれば、制限パラメータが小さく、チップの閾値電流が大きいため、チップの転送レートは大きく影響される。
【発明の概要】
【0004】
発明の概要には、簡略化された一連の概念を導入したが、発明を実施するための形態においてそれらの概念を詳述する。本出願の内容は、保護を求めようとする技術的解決策の核心的な特徴と必要な技術的特徴を限定することを意図するものではなく、保護を求めようとする技術的解決策の保護範囲を決定することをさらに意図するものではない。
【0005】
チップの閾値電流が大きいことで伝送レートが低いという技術的問題を解決するために、本出願は、量子井戸構造、チップ加工方法、チップ及びレーザーを提供することを主な目的とする。
【0006】
上記発明の目的を達成するために、本出願は、以下のような技術的解決策を採用する。
【0007】
分布帰還型(DFB)レーザーのチップに用いられる量子井戸構造である。量子井戸構造は、多層のインジウムアルミニウムヒ素(indium aluminum arsenide、InAlAs)量子井戸層と、InAlAs量子井戸層の厚さと同じ厚さを有し、且つ隣接する2つのInAlAs量子井戸層の間に設けられた、インジウムアルミニウムガリウムヒ素(indium aluminum gallium arsenide、InAlGaAs)量子井戸層と、を備える。InAlAs量子井戸層の厚さは0.4nm~0.6nmであり、InAlAs量子井戸層の数は3~17である。
【0008】
さらに、本出願のいくつかの実施形態において、各層のInAlAs量子井戸層の厚さは0.5nmである。
【0009】
さらに、本出願のいくつかの実施形態において、InAlAs量子井戸層の数は6であり、InAlGaAs量子井戸層の数は5である。
【0010】
さらに、本出願のいくつかの実施形態において、InAlGaAs量子井戸層において、Inの質量パーセントは53%であり、Alの質量パーセントは36%であり、GaとAsの質量パーセントは合計で11%である。
【0011】
チップ加工方法であって、基板に順次に、バッファ層と下部グレーデッド層群とを加工することと、分子線エピタキシー(molecular beam epitaxy、MBE)法により、量子井戸層を多層加工することであって、各層の量子井戸層の厚さは0.4nm~0.6nmである、加工することと、上部グレーデッド層群を加工することと、気相エピタキシャル成長(vapor phase epitaxy、VPE)法により、被覆層、エッチング停止層、エピタキシャル層及びコンタクトエピタキシャル層を加工することと、を含む。
【0012】
さらに、本出願のいくつかの実施形態において、MBE法により、量子井戸層を多層加工することは、MBE法により、量子井戸層を11層加工することを含む。
【0013】
さらに、本出願のいくつかの実施形態において、各層の量子井戸層の厚さは0.5nmである。
【0014】
さらに、本出願のいくつかの実施形態において、MBE法により、量子井戸層を多層加工することは、インジウムアルミニウムヒ素(InAlAs)量子井戸層とインジウムアルミニウムガリウムヒ素(InAlGaAs)量子井戸層とを交互に加工し、多層量子井戸層の外側に位置する層をInAlAs量子井戸層にすることを含む。
【0015】
上記チップ加工方法で加工されるチップである。
【0016】
上記チップが搭載されたレーザーである。
【0017】
チップ加工方法であって、基板にチップ層群を加工することと、チップ層群の一部を除去して導波領域を形成することと、成長法によって被覆層を加工することと、導波領域に対応する被覆層を導波ストリップに加工して導波ストリップの端面がチップ層群に対向するようにし、導波ストリップのチップ層群との貼り合わせ部分を除去して導波ストリップとチップ層群との間に隙間を形成することと、導波路クラッド層を加工し、チップ層群及び隙間に対応する導波路クラッド層を除去することと、を含む。
【0018】
さらに、本出願のいくつかの実施形態において、チップ層群の一部を除去して導波領域を形成することは、基板の一側からもう一側にかけてチップ層群の一部を除去して導波領域を形成することを含む。
【0019】
さらに、本出願のいくつかの実施形態において、成長法によって被覆層を加工することは、気相エピタキシャル成長(VPE)法により、0.5μm~2μmの被覆層を加工することを含む。
【0020】
さらに、本出願のいくつかの実施形態において、導波領域に対応する被覆層を導波ストリップに加工して導波ストリップの端面がチップ層群に対向するようにすることは、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、導波領域に対応する被覆層を横断面が正方形である導波ストリップに加工することを含み、導波ストリップの横断面の一辺の長さは0.5μm~2μmである。
【0021】
さらに、本出願のいくつかの実施形態において、基板にチップ層群を加工することは、基板に順次に、1μm~1.5μm厚のバッファ層を加工することと、10nm~100nm厚の下部グレーデッドバッファ層を加工することと、10nm~30nm厚の量子井戸層群を加工することと、10nm~100nm厚の上部グレーデッドバッファ層を加工することと、10nm~50nm厚の回折格子エピタキシャル層を加工し、電子ビームによる回折格子書き込み方法により回折格子を加工することと、10nm~50nm厚のエッチング停止層を加工することと、を含む。
【0022】
さらに、本出願のいくつかの実施形態において、チップ加工方法は、導波路クラッド層を加工した後、エピタキシャル層及びコンタクトエピタキシャル層を順次に加工し、導波領域に対応するエピタキシャル層及びコンタクトエピタキシャル層を除去することを含む。
【0023】
チップであって、チップ領域及び導波領域を有する基板と、基板のチップ領域に設けられたチップ層群と、チップ層群と間隔を隔てて基板の導波領域に集積され、出射されるレーザー光のスポットを略円形状に導くための、導波ストリップと、導波ストリップに堆積された導波路クラッド層と、を備えるチップである。
【0024】
さらに、本出願のいくつかの実施形態において、導波ストリップの横断面は正方形であり、導波ストリップの横断面の一辺の長さは0.5μm~2μmである。導波路クラッド層の厚さは2μm~3μmであり、導波ストリップの屈折率は、導波路クラッド層の屈折率より大きい。
【0025】
さらに、本出願のいくつかの実施形態において、導波ストリップとチップ層群との間の隙間は1μm~5μmである。
【0026】
上記チップが搭載されたレーザーである。
【0027】
以上の技術的解決策から明らかになるように、本出願の量子井戸構造、チップ加工方法、チップ及びレーザーの利点と積極的な効果は、量子井戸の制限パラメータを大きくし、チップの閾値電流を低減することにより、チップの転送レートを高めることである。
【0028】
本出願の第一態様において、量子井戸構造を提供する。量子井戸構造は、多層のインジウムアルミニウムヒ素(InAlAs)量子井戸層と、InAlAs量子井戸層の厚さと同じ厚さを有し、且つ隣接する2つのInAlAs量子井戸層の間に設けられた、インジウムアルミニウムガリウムヒ素(InAlGaAs)量子井戸層と、を備える。InAlAs量子井戸層の厚さは0.4nm~0.6nmであり、InAlAs量子井戸層の数は3~17である。
【0029】
量子井戸の制限パラメータΓは数1によって表される。
【数1】
【0030】
λはレーザー発振波長である。dは活性領域の厚さ、即ち量子井戸構造全体の厚さである。dwは単層の量子井戸の厚さである。本出願の解決策における量子井戸構造は、二種の材料で作製される量子井戸層を交互に積み重ねて形成するものである。インジウムアルミニウムヒ素(InAlAs)量子井戸層の厚さとインジウムアルミニウムガリウムヒ素(InAlGaAs)量子井戸層の厚さは同じである。dwはInAlAs量子井戸層の厚さ又はInAlGaAs量子井戸層の厚さであってもよい。nraはInAlGaAs材料の屈折率であり、nrcはInAlAs材料の屈折率である。本出願の解決策において、InAlAs量子井戸層の厚さ及びInAlGaAs量子井戸層の厚さが小さいため、量子井戸の制限パラメータΓは大きくされ、チップの閾値電流は低減され、それゆえ、チップの転送レートは高められる。
【0031】
本出願の第二態様において、チップ加工方法を提供する。チップ加工方法は、基板に順次に、バッファ層と下部グレーデッド層群(lower-graded-layer group)とを加工することと、分子線エピタキシー(MBE)法により、量子井戸層を多層加工することであって、各層の量子井戸層の厚さは0.4nm~0.6nmである、加工することと、上部グレーデッド層群を加工することと、VPE法により、被覆層、エッチング停止層、最上層、遷移層及びコンタクト層を加工することと、を含む。本出願において、有機金属気相成長法(metal organic chemical vapor deposition、MOCVD)及びMBE法を組み合わせ、MBE法により量子井戸層のエピタキシャル成長を行い、MOCVD法により量子井戸層以外の各エピタキシャル成長層を加工する。MBE法により、量子井戸層の厚さを0.4nm~0.6nmの間に制御することで、従来のチップの量子井戸構造の厚さより薄くして、チップの転送レートを高めるとともに、量子井戸の制限パラメータΓを大きくし、チップの閾値電流を低減することで、チップの転送レートを高める。
【0032】
本出願の第三態様において、チップ加工方法を提供する。チップ加工方法は、基板にチップ層群を加工することと、チップ層群の一部を除去して導波領域を形成することと、成長法によって被覆層を加工することと、導波領域に対応する被覆層を導波ストリップに加工して導波ストリップの端面がチップ層群に対向するようにし、導波ストリップのチップ層群に対向する部分を除去して導波ストリップとチップ層群との間に隙間を形成することと、導波路クラッド層を加工し、チップ層群及び隙間に対応する導波路クラッド層を除去することと、を含む。導波ストリップは、出射されるレーザー光のスポットが円形に近づくように、チップ層群が発するレーザー光を整形するために用いられる。それゆえ、レーザーチップにより出射される光のスポット形状を改善し、レーザーチップと光ファイバーの結合効率を高める。
【0033】
本出願の第四態様において、チップを提供する。チップは、基板、チップ層群、導波ストリップ及び導波路クラッド層を含む。基板はチップ領域及び導波領域を有し、チップ層群は基板のチップ領域に設けられており、導波ストリップは、チップ層群と間隔を隔てて基板の導波領域に集積され、出射されるレーザー光のスポットを略円形状に導くために用いられ、導波路クラッド層は導波ストリップに堆積されている。それゆえ、チップにより出射される光のスポット形状を改善し、レーザーチップと光ファイバーの結合効率を高め、チップの閾値電流を低減し、チップの転送レートを高める。
【0034】
本出願は、上記チップが搭載されたレーザーをさらに提供する。チップの導波ストリップは、出射されるレーザー光のスポットを略円形状に導くことで、レーザーの出射スポット形状を光ファイバー心線の端面形状と略同一にして、レーザーと光ファイバーの結合効率を高める。
【図面の簡単な説明】
【0035】
以下の図面は明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成するものであり、本発明が適用される実施形態を示し、明細書と共に本発明の原理を説明するためのものである。
【0036】
本発明の実施形態又は従来技術にある技術的解決策をより明確に説明するために、以下、実施形態又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、当業者は、創造的な努力なしに、これらの図面によって他の図面を得ることができる。
図1図1は、例示的な実施形態に係るチップ加工方法のフローを示す概略図である。
図2図2は、例示的な実施形態に係るチップ加工方法における、被覆層を成長させることを示す概略図である。
図3図3は、例示的な実施形態に係るチップ加工方法における、被覆層の加工を示す概略図である。
図4図4は、例示的な実施形態に係るチップ加工方法における、導波路クラッド層を成長させることを示す概略図である。
図5図5は、例示的な実施形態に係るチップ加工方法における、導波路クラッド層の加工を示す概略図である。
図6図6は、例示的な実施形態に係るチップ加工方法における、エピタキシャル層及びコンタクトエピタキシャル層を成長させることを示す概略図である。
図7図7は、例示的な実施形態に係るチップ加工方法における、エピタキシャル側及びコンタクトエピタキシャル層の加工を示す概略図である。
図8図8は、例示的な実施形態に係るチップの構成を示す概略図である。
図9図9は、例示的な実施形態に係る量子井戸構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本出願の実施形態の目的、技術的解決策及び利点をより明確にするために、以下、本出願の実施形態における図面を参照しながら、本出願の実施形態における技術的解決策を明晰に且つ全面的に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本出願の一部の実施形態にすぎず、全ての実施形態ではない。本出願における実施形態に基づいて、当業者が創造的な努力なしに得ることができるすべての他の実施形態は、皆本出願の保護範囲に属する。以下、図面を参照しながら提供される本発明の実施形態についての詳細な説明は、保護を求めようとする本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の選択例のみを示すものである。本出願の実施形態に基づいて、当業者が、創造的な労働なしに得る全ての他の実施形態は、すべて本出願の保護範囲に属する。
【0038】
本実施形態は、チップ加工方法、チップ及びレーザーを提供する。チップは当該チップ加工方法により加工されたものである。レーザーは、このチップを搭載してある。チップ加工方法は、基板100にチップ層群200を加工すること、チップ層群200の一部を除去して導波領域を形成すること、成長法によって被覆層400を加工することと、導波領域に対応する被覆層400を導波ストリップ300に加工して導波ストリップ300の端面がチップ層群200に対向するようにし、導波ストリップ300のチップ層群200に対向する部分を除去して導波ストリップ300とチップ層群200との間に隙間を形成することと、導波路クラッド層500を加工し、チップ層群200及び隙間に対応する導波路クラッド層500を除去することと、を含む。導波ストリップ300は、出射されるレーザー光のスポットが円形に近づくように、チップ層群200が発するレーザー光を整形するために用いられる。
【0039】
本実施形態のチップ加工方法は以下を含む。
【0040】
ステップ1:図1を参照して、基板100にチップ層群200を加工し、基板100の一側からもう一側にかけてチップ層群200の一部を除去して基板100に導波領域を形成する。
【0041】
具体的には、有機金属気相成長法(MOCVD)装置を用いて基板100にチップ層群200を加工することは、基板100に順次に、1μm~1.5μm厚の燐化インジウム(indium phosphide、InP)バッファ層210を成長させることと、10nm~100nm厚のInAlGaAs下部グレーデッドバッファ層220を成長させることと、10nm~30nm厚のInAlAs/InAlGaAs量子井戸層群230を成長させることと、10nm~100nm厚のInAlGaAs上部グレーデッドバッファ層240を成長させることと、10nm~50nm厚の回折格子エピタキシャル層(grating epitaxial layer)を成長させ、電子ビームによる回折格子書き込み方法により回折格子を加工して回折格子層250を形成することと、10nm~50nm厚のインジウムガリウムヒ素リン(indium gallium arsenide phosphide、InGaAsP)エッチング停止層260を成長させることと、を含む。好ましくは、MOCVD法によりl5nm厚のInGaAsPエッチング停止層を加工する。
【0042】
図1を参照して、フォトリソグラフィ、誘導結合プラズマ(inductively coupled plasma、ICP)ドライエッチング及びウェットエッチングにより、チップ層群200の一部を除去して導波領域を形成する。レーザー光の出射方向において、導波領域の長さはdであり、チップ層群200の長さはdである。本実施形態では、dは50μm~100μmにあり、dは150μm~300μmにある。
【0043】
図9を参照して、下部グレーデッド層群は、50nm厚の第1の下部グレーデッド層と、10nm厚の第2の下部グレーデッド層221とを含む。第1の下部グレーデッド層は、MOCVD法によりInPバッファ層に加工され、第2の下部グレーデッド層221は、MBE法により第1の下部グレーデッド層に加工され、第1の下部グレーデッド層及び第2の下部グレーデッド層の材質は、いずれもInAlxGaAsである。
【0044】
MBE法により比較的に薄い第2の下部グレーデッド層を先に成長させることで、次にMBE法によりInAlAs量子井戸層とInAlGaAs量子井戸層を成長させる。それゆえ、InAlAs量子井戸層又はInAlGaAs量子井戸層を直接成長させる場合の、成長中のAl元素の酸化は避けられることで、デバイスの故障は避けられる。
【0045】
MBE法により、量子井戸層を多層加工する。各層の量子井戸層の厚さは0.4nm~0.6nmである。
【0046】
具体的には、MBE法により、0.5nm厚のInAlAs量子井戸層231と0.5nm厚のInAlGaAs量子井戸層232を交互に成長させる。InAlAs量子井戸層231を6層加工し、InAlGaAs量子井戸層232を5層加工し、多層量子井戸層の外側に位置する層をInAlAs量子井戸層231にする。
【0047】
上部グレーデッド層群は、50nm厚の第1の上部グレーデッド層と、10nm厚の第2の上部グレーデッド層241とを含む。第2の上部グレーデッド層241は、MBE法により外側に位置するInAlAs量子井戸層231に加工され、第1の上部グレーデッド層は、MOCVD法により第2の上部グレーデッド層241に加工される。第1の上部グレーデッド層及び第1の下部グレーデッド層の材質はいずれもInAlxGaAsである。
【0048】
MBE法により比較的に薄い第1の上部グレーデッド層を先に生成しておくことで、MBE装置からMOVCD装置への移動中に、InAlAs量子井戸層又はInAlGaAs量子井戸層の酸化による故障を回避することができる。
【0049】
ステップ2:図2を参照して、導波領域及びチップ層群200に被覆層400を成長させる。
【0050】
具体的には、MOCVD装置を用いて、0.5μm~2μm厚のInP被覆層400を気相エピタキシャル成長(VPE)法により加工する。
【0051】
ステップ3:図3を参照して、導波領域に対応する被覆層400を導波ストリップに加工して導波ストリップ300の端面がチップ層群200に対向するようにし、導波ストリップ300のチップ層群200との貼り合わせ部分を除去して導波ストリップ300とチップ層群200との間に隙間を形成する。
【0052】
具体的には、フォトリソグラフィ及びICPドライエッチングにより、導波領域の被覆層400を、横断面が正方形である導波ストリップ300に加工する。導波ストリップ300の横断面の一辺の長さは0.5μm~2μmであり、導波ストリップ300の屈折率は3.1であり、導波ストリップ300とチップ層群200との隙間をdとして定義し、dは1μm~5μmにある。
【0053】
ステップ4:図4を参照して、導波路クラッド層500を加工する。
【0054】
具体的には、プラズマ強化化学気相堆積(plasma-enhanced chemical vapor deposition、PECVD)装置を用いて、2μm~3μm厚のSiO導波路クラッド層500の堆積を行う。導波ストリップ300の屈折率は3.1であり、SiO導波路クラッド層500の屈折率は1.46であるため、InP材質で導波ストリップ300を作製し、SiOで導波路クラッド層500を作製することができる。
【0055】
ステップ5:図5を参照して、チップ層群200及び隙間に対応する導波路クラッド層500を除去する。
【0056】
具体的には、フォトリソグラフィ及びウェットエッチングにより、チップ層群200の上部及び隙間にある導波層を除去し、本実施形態では、レーザー光の出射方向に垂直な方向において、隙間に対応する領域の導波層をすべて除去する。
【0057】
ステップ6:図6を参照して、導波路クラッド層500を加工した後、エピタキシャル層600及びコンタクトエピタキシャル層700を順次に加工する。
【0058】
具体的には、MOCVD装置を用いて1μm~2μm厚のInPエピタキシャル層600を先に成長させた後、0.1μm~0.3μm厚のInGaAsコンタクトエピタキシャル層700を成長させる。
【0059】
ステップ7:図7を参照して、導波領域に対応するエピタキシャル層600及びコンタクトエピタキシャル層700を除去する。
【0060】
具体的には、フォトリソグラフィ及びウェットエッチングにより、導波領域に対応するInPエピタキシャル層600及びInGaAsコンタクトエピタキシャル層700を除去する。
【0061】
次に、従来のDFBレーザーチップ作製プロセスを組み合わせて、リッジ導波路に対する背面の薄め、磨き、正電極及び負電極の作製、へき開(cleavage)、端面の被覆等のプロセスを行って、導波路構造を有するDFBレーザーチップを形成する。図7を参照して、チップ層群200に対応するInGaAsコンタクトエピタキシャル層700に上部負電極層800を加工し、基板100の底部に下部負電極層900を加工する。
【0062】
実施形態において、MOCVD法は、VPE法に基づいて発展してきた新規なVPE法である。MOCVD法とは、III族、II族元素の有機化合物と、V族、VI族元素の水素化物等を結晶成長原料とし、熱分解反応により基板100でVPE法を行い、各種の、III-V族、II-VI族化合物半導体及びこれらの多成分固溶体(multicomponent solid solution)の薄層単結晶材料を成長させることである。Inは化学元素インジウム(indium)を表し、Pは化学元素リン(phosphorus)を表し、Alは化学元素アルミニウム(aluminium)を表し、Gaは化学元素ガリウム(gallium)を表し、Asは化学元素ヒ素(arsenic)を表す。PECVD装置はプラズマ強化化学気相堆積装置であり、DFBレーザーは分布帰還型レーザーである。
【0063】
MOCVD法とMBE法を組み合わせてチップを加工し、MBE法により量子井戸層の厚さを0.4nm~0.6nmの間に制御することで、量子井戸構造の厚さを薄くし、チップの転送レートを高くするとともに、量子井戸の制限パラメータΓを大きくし、チップの閾値電流を低減し、チップの転送レートを高める。
【0064】
本実施形態は、量子井戸構造をさらに提供する。量子井戸構造は、InAlAs量子井戸層231とInAlGaAs量子井戸層232を含む。InAlAs量子井戸層231は多層設けられている。InAlGaAs量子井戸層232の厚さは、InAlAs量子井戸層231の厚さと同じである。InAlGaAs量子井戸層232は、隣接する2つのInAlAs量子井戸層231の間に設けられている。InAlAs量子井戸層231の厚さは0.4nm~0.6nmであり、InAlAs量子井戸層231の数は3~17の間である。量子井戸の制限パラメータΓは、Γ=(2π/λ)(d/dw)(nra -nrc )によって表される。
【0065】
λははレーザー発振波長である。dは活性領域の厚さ、即ち量子井戸構造全体の厚さである。dwは、単層の量子井戸の厚さである。本出願の解決策において、量子井戸構造は、二種の材料で作製される量子井戸層、即ち、InAlAs量子井戸層231とInAlGaAs量子井戸層232を交互に積み重ねることにより形成されるものである。InAlAs量子井戸層231の厚さとInAlGaAs量子井戸層232の厚さは同じである。dwはInAlAs量子井戸層231の厚さ又はInAlGaAs量子井戸層232の厚さであってもよい。nraはInAlGaAs材料の屈折率であり、nrcはInAlAs材料の屈折率である。数1により、例えば、InAlAs量子井戸層の数が17層であり、InAlGaAs量子井戸層の数が16層であり、InAlAs量子井戸層の厚さが0.6である場合、dの値は19.8nmであり、d/dwの比は33である。ここから分かるように、dの値が変わらない場合、InAlAs量子井戸層の厚さ及びInAlGaAs量子井戸層の厚さを薄くすると、d/dwの値が大きくなり、それにより、量子井戸の制限パラメータΓは大きくされ、チップの閾値電流は低減され、チップの転送レートは高められる。
【0066】
本出願は、MOCVD法及びMBE法を組み合わせ、MBE法により量子井戸層のエピタキシャル成長を行い、MOCVD法により量子井戸層以外の各エピタキシャル成長層を加工する。チップ加工方法は、基板に順次に、バッファ層と下部グレーデッド層群とを加工することと、MBE法により、量子井戸層を多層加工することと、各層の量子井戸層の厚さは0.4nm~0.6nm厚である、上部グレーデッド層群を加工することと、VPE法により、被覆層、エッチング停止層、最上層、遷移層及びコンタクト層を加工することと、を含む。MBE法により、量子井戸層の厚さを0.4nm~0.6nmの間に制御することで、量子井戸構造の厚さを薄くし、チップの転送レートを高めるとともに、量子井戸の制限パラメータΓを大きくし、チップの閾値電流を低減し、チップの転送レートを高める。
【0067】
図9を参照して、DFBレーザーチップに用いられる量子井戸構造は、量子井戸層を多層含む。本実施形態において、量子井戸構造は二種の材料で作製される量子井戸層を含む。それらは、InAlAs量子井戸層231とInAlGaAs量子井戸層232である。InAlAs量子井戸層231とInAlGaAs量子井戸層232は交互に配置され、量子井戸構造の外側に位置する層はInAlAs量子井戸層231である。
【0068】
本出願において、InAlAs量子井戸層231の厚さとInAlGaAs量子井戸層232の厚さは同じであり、InAlAs量子井戸層231の厚さは0.4nm~0.6nmにある。好ましくは、InAlAs量子井戸層231の厚さとInAlGaAs量子井戸層232の厚さはいずれも0.5nmである。InAlAs量子井戸層231の数は3~17の間にあり、好ましくは、6層である。
【0069】
量子井戸層の厚さをdwとして定義する。InAlAs量子井戸層231の厚さとInAlGaAs量子井戸層232の厚さは同じであるため、dwは、InAlAs量子井戸層231の厚さ又はInAlGaAs量子井戸層232の厚さであってもよい。量子井戸構造の厚さをdとして定義する。InAlAs量子井戸層231の数が6層である場合、InAlGaAs量子井戸層232の層数は5層である。InAlAs量子井戸層231の厚さが0.5nmである場合、量子井戸構造の厚さdは5.5nmである。InAlGaAs量子井戸層232において、Inの質量パーセントは53%であり、Alの質量パーセントは36%であり、GaとAsの質量パーセントは合計で11%である。
【0070】
量子井戸の制限パラメータΓは、Γ=(2π/λ)(d/dw)(nra -nrc )によって表される。
【0071】
λはレーザー発振波長であり、nraはInAlGaAs材料の屈折率であり、nrcはInAlAs材料の屈折率である。量子井戸層の厚さを薄くし、量子井戸構造の厚さを変えない場合、d/dwの比が増大することで、Γの値が増大し、量子井戸の制限パラメータの増大によりチップの閾値電流を低減し、チップの転送レートを高める。
【0072】
本実施形態は、チップをさらに提供する。図7及び図8に示すように、チップは、基板100、チップ層群、導波ストリップ300及び導波路クラッド500を含む。基板100はチップ領域と導波領域を有する。チップ層群は基板100のチップ領域に設けられている。導波ストリップ300は、チップ層群と間隔を隔てて基板100の導波領域に集積され、出射されるレーザー光のスポットを略円形状に導くために用いられる。導波路クラッド層500は導波ストリップ300に堆積されている。それゆえ、チップにより出射される光のスポット形状を改善し、レーザーチップと光ファイバーの結合効率を高める。
【0073】
チップ層群は上記の量子井戸層群230を含む。InAlAs量子井戸層231の厚さ及びInAlGaAs量子井戸層232の厚さが小さいため、量子井戸の制限パラメータΓは大きくされ、チップ閾値電流は低減され、チップの転送レートは高められる。
【0074】
図8に示すように、導波ストリップ300の端面はチップ層群に対向している。導波ストリップ300とチップ層群との隙間は1μm~5μmである。導波ストリップ300の横断面は正方形であり、導波ストリップ300の横断面の一辺の長さは0.5μm~2μmであり、導波路クラッド層500の厚さは2μm~3μmであり、導波ストリップ300の屈折率は、導波路クラッド層500の屈折率より大きい。本実施形態では、導波路クラッド層500の材質はSiOであり、導波路クラッド層500の屈折率は1.46であり、導波ストリップ300の材質はInPであり、導波ストリップ300の屈折率は3.1である。
【0075】
数2により、Δθはレーザー光の出射発散角であり、λは出射波長であり、αは出射端面における線幅である。導波ストリップ300の横断面が正方形であるため、導波ストリップ300から出射されるレーザー光のスポットは円形スポットに近づき、レーザーチップと光ファイバーの結合効率は高められる。
【数2】
【0076】
本実施形態は、上記チップを搭載するレーザーをさらに提供する。
【0077】
本実施形態は、量子井戸構造、チップ加工方法、チップ及びレーザーを提供する。MBE法により量子井戸構造を加工する。MOCVD法により量子井戸構造以外のエピタキシャル層を加工する。量子井戸構造は、二種の材料で作製された量子井戸層を含む。それらは、InAlAs量子井戸層231とInAlGaAs量子井戸層232である。InAlAs量子井戸層231とInAlGaAs量子井戸層232は交互に配置されている。量子井戸構造の外側の層は、InAlAs量子井戸層231である。InAlAs量子井戸層231の厚さとInAlGaAs量子井戸層232の厚さは同じである。InAlAs量子井戸層231の厚さは0.4nm~0.6nmにあり、InAlAs量子井戸層231の数は3~17である。量子井戸の制限パラメータΓはΓ=(2π/λ)(d/dw)(nra -nrc )によって表される。
【0078】
λはレーザー発振波長であり、nraはInAlGaAs材料の屈折率であり、nrcはInAlAs材料の屈折率である。MBE法により量子井戸層の厚さを薄くし、量子井戸構造の厚さを変えない場合、単層量子井戸層の厚さdwに対する量子井戸構造の厚さdの比が大きくなるので、Γの値が増大し、量子井戸の制限パラメータの増大によりチップの閾値電流を低減し、チップの転送レートを高める。
【0079】
チップ加工方法により、基板にチップ層群を加工する。チップ層群の一部を除去して導波領域を形成する。成長法によって被覆層を加工する。導波領域に対応する被覆層を導波ストリップに加工して導波ストリップの端面がチップ層群に対向するようにし、導波ストリップのチップ層群との貼り合わせ部分を除去して導波ストリップとチップ層群との間に隙間を形成する。導波ストリップは、出射されるレーザー光のスポットが円形に近づくように、チップ層群が発するレーザー光を整形するために用いられる。それゆえ、レーザーチップにより出射される光のスポット形状を改善し、レーザーチップと光ファイバーの結合効率を高める。チップ層群における量子井戸層群は上記量子井戸構造を採用する。
【0080】
レーザーは、上記のチップを搭載している。チップは、導波ストライプのみを有していてもよく、上記量子井戸構造のみを有していてもよく、又は、導波ストライプと上記量子井戸構造とを共に有していてもよい。
【0081】
なお、本明細書において、「第1」及び「第2」等の関係用語は、一つのエンティティ又は操作と他のエンティティ又は操作とを区別するためだけのものであり、これらのエンティティ又は操作の間にこのような実際の関係又は順序が存在することを必ずしも要求又は示唆するものではない。また、「含む」、「備える」又は他のバリアントなどの用語はその他の構成要素を含むことを排除せず、カバーすることを意図するため、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素だけではなく、明確にリストされていない他の要素も含み、又はプロセス、方法、物品又は装置に固有の他の要素を含むことができる。制限がない限り、「…を含む」という文によって限定された要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に別の同じ要素が存在することを排除しない。
【0082】
上記は、本発明の具体的な実施形態に過ぎず、当業者が本発明を理解又は実現できるためのものである。これらの実施形態に対する多様な修正は、当業者にとって明らかなことであり、ここに定義される一般的原理は、本発明の総括的な発明の思想から逸脱することなく、他の実施形態において達成されることができる。したがって、本発明は、ここに示した実施形態に制限されず、本出願の原理及び新規な特徴に一致した最も広い範囲を有する。
【符号の説明】
【0083】
なお、符号の説明は以下の通りである。
100…基板
200…チップ層群
300…導波ストリップ
400…被覆層
500…導波路クラッド層
600…エピタキシャル層
700…コンタクトエピタキシャル層
800…上部負電極層
900…下部負電極層
210…バッファ層
220…下部グレーデッドバッファ層
230…量子井戸層群
240…上部グレーデッドバッファ層
250…回折格子層
260…エッチング停止層
221…第2の下部グレーデッド層
241…第2の上部グレーデッド層
231…InAlAs量子井戸層
232…InAlGaAs量子井戸層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-08-21
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本出願は、全般的にレーザー技術分野に関し、具体的には、量子井戸構造、チップ加工方法及びチップに関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
本出願の実施形態の目的、技術的解決策及び利点をより明確にするために、以下、本出願の実施形態における図面を参照しながら、本出願の実施形態における技術的解決策を明晰に且つ全面的に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本出願の一部の実施形態にすぎず、全ての実施形態ではない。以下、図面を参照しながら提供される本発明の実施形態についての詳細な説明は、保護を求めようとする本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の選択例のみを示すものである。本出願の実施形態に基づいて、当業者が、創造的な労働なしに得る全ての他の実施形態は、すべて本出願の保護範囲に属する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
本実施形態は、チップ加工方法、チップ及びレーザーを提供する。チップは当該チップ加工方法により加工されたものである。レーザーは、このチップを搭載してある。チップ加工方法は、基板100にチップ層群200を加工すること、チップ層群200の一部を除去して導波領域を形成すること、成長法によって被覆層400を加工することと、導波領域に対応する被覆層400を導波ストリップ300に加工して導波ストリップ300の端面がチップ層群200に対向するようにし、導波ストリップ300のチップ層群200との貼り合わせ部分を除去して導波ストリップ300とチップ層群200との間に隙間を形成することと、導波路クラッド層500を加工し、チップ層群200及び隙間に対応する導波路クラッド層500を除去することと、を含む。導波ストリップ300は、出射されるレーザー光のスポットが円形に近づくように、チップ層群200が発するレーザー光を整形するために用いられる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
具体的には、有機金属気相成長法(MOCVD)装置を用いて基板100にチップ層群200を加工することは、基板100に順次に、1μm~1.5μm厚の燐化インジウム(indium phosphide、InP)バッファ層210を成長させることと、10nm~100nm厚のInAlGaAs下部グレーデッドバッファ層220を成長させることと、10nm~30nm厚のInAlAs/InAlGaAs量子井戸層群230(即ち量子井戸構造)を成長させることと、10nm~100nm厚のInAlGaAs上部グレーデッドバッファ層240を成長させることと、10nm~50nm厚の回折格子エピタキシャル層(grating epitaxial layer)を成長させ、電子ビームによる回折格子書き込み方法により回折格子エピタキシャル層を加工して回折格子層250を形成することと、10nm~50nm厚のインジウムガリウムヒ素リン(indium gallium arsenide phosphide、InGaAsP)エッチング停止層260を成長させることと、を含む。好ましくは、MOCVD法によりl5nm厚のInGaAsPエッチング停止層を加工する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
図9を参照して、下部グレーデッド層群は、50nm厚の第1の下部グレーデッド層(図示しない)と、10nm厚の第2の下部グレーデッド層221とを含む。第1の下部グレーデッド層は、MOCVD法によりInPバッファ層に加工され、第2の下部グレーデッド層221は、MBE法により第1の下部グレーデッド層に加工され、第1の下部グレーデッド層及び第2の下部グレーデッド層221の材質は、いずれもInAlxGaAsである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
MBE法により比較的に薄い第2の下部グレーデッド層221を先に成長させることで、次にMBE法によりInAlAs量子井戸層とInAlGaAs量子井戸層を成長させる。それゆえ、InAlAs量子井戸層又はInAlGaAs量子井戸層を直接成長させる場合の、成長中のAl元素の酸化は避けられることで、デバイスの故障は避けられる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
上部グレーデッド層群は、50nm厚の第1の上部グレーデッド層(図示しない)と、10nm厚の第2の上部グレーデッド層241とを含む。第2の上部グレーデッド層241は、MBE法により外側に位置するInAlAs量子井戸層231に加工され、第1の上部グレーデッド層は、MOCVD法により第2の上部グレーデッド層241に加工される。第1の上部グレーデッド層及び第1の下部グレーデッド層の材質はいずれもInAlxGaAsである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
具体的には、フォトリソグラフィ及びウェットエッチングにより、チップ層群200の上部及び隙間にある導波路クラッド層500を除去し、本実施形態では、レーザー光の出射方向に垂直な方向において、隙間に対応する領域の導波路クラッド層500をすべて除去する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
本実施形態は、チップをさらに提供する。図7及び図8に示すように、チップは、基板100、チップ層群200、導波ストリップ300及び導波路クラッド500を含む。基板100はチップ領域と導波領域を有する。チップ層群200は基板100のチップ領域に設けられている。導波ストリップ300は、チップ層群200と間隔を隔てて基板100の導波領域に集積され、出射されるレーザー光のスポットを略円形状に導くために用いられる。導波路クラッド層500は導波ストリップ300に堆積されている。それゆえ、チップにより出射される光のスポット形状を改善し、レーザーチップと光ファイバーの結合効率を高める。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
チップ層群200は上記の量子井戸層群230を含む。InAlAs量子井戸層231の厚さ及びInAlGaAs量子井戸層232の厚さが小さいため、量子井戸の制限パラメータΓは大きくされ、チップ閾値電流は低減され、チップの転送レートは高められる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
図8に示すように、導波ストリップ300の端面はチップ層群200に対向している。導波ストリップ300とチップ層群200との隙間は1μm~5μmである。導波ストリップ300の横断面は正方形であり、導波ストリップ300の横断面の一辺の長さは0.5μm~2μmであり、導波路クラッド層500の厚さは2μm~3μmであり、導波ストリップ300の屈折率は、導波路クラッド層500の屈折率より大きい。本実施形態では、導波路クラッド層500の材質はSiOであり、導波路クラッド層500の屈折率は1.46であり、導波ストリップ300の材質はInPであり、導波ストリップ300の屈折率は3.1である。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
チップ加工方法により、基板にチップ層群200を加工する。チップ層群200の一部を除去して導波領域を形成する。成長法によって被覆層を加工する。導波領域に対応する被覆層を導波ストリップに加工して導波ストリップの端面がチップ層群200に対向するようにし、導波ストリップのチップ層群200との貼り合わせ部分を除去して導波ストリップとチップ層群200との間に隙間を形成する。導波ストリップは、出射されるレーザー光のスポットが円形に近づくように、チップ層群200が発するレーザー光を整形するために用いられる。それゆえ、レーザーチップにより出射される光のスポット形状を改善し、レーザーチップと光ファイバーの結合効率を高める。チップ層群200における量子井戸層群は上記量子井戸構造を採用する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分布帰還型(DFB)レーザーのチップに用いられる量子井戸構造であって、
前記量子井戸構造は、多層のインジウムアルミニウムヒ素(InAlAs)量子井戸層と、
前記InAlAs量子井戸層の厚さと同じ厚さを有し、且つ隣接する2つの前記InAlAs量子井戸層の間に設けられた、インジウムアルミニウムガリウムヒ素(InAlGaAs)量子井戸層と、を備え、
前記InAlAs量子井戸層の厚さは0.4nm~0.6nmであり、前記InAlAs量子井戸層の数は3~17である、
ことを特徴とする量子井戸構造。
【請求項2】
各層の前記InAlAs量子井戸層の厚さは0.5nmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の量子井戸構造。
【請求項3】
前記InAlAs量子井戸層の数は6であり、前記InAlGaAs量子井戸層の数は5である、
ことを特徴とする請求項2に記載の量子井戸構造。
【請求項4】
前記InAlGaAs量子井戸層において、Inの質量パーセントは53%であり、Alの質量パーセントは36%であり、GaとAsの質量パーセントは合計で11%である、
ことを特徴とする請求項1に記載の量子井戸構造。
【請求項5】
チップ加工方法であって、
基板にチップ層群を加工することと、
前記チップ層群の一部を除去して導波領域を形成することと、
成長法によって被覆層を加工することと、
前記導波領域に対応する前記被覆層を導波ストリップに加工して前記導波ストリップの端面が前記チップ層群に対向するようにし、前記導波ストリップの前記チップ層群との貼り合わせ部分を除去して前記導波ストリップと前記チップ層群との間に隙間を形成することと、
導波路クラッド層を加工し、前記チップ層群及び前記隙間に対応する前記導波路クラッド層を除去することと、を含む、
ことを特徴とするチップ加工方法。
【請求項6】
前記チップ層群の一部を除去して前記導波領域を形成することは、
前記基板の一側からもう一側にかけて前記チップ層群の一部を除去して前記導波領域を形成することを含む、
ことを特徴とする請求項記載のチップ加工方法。
【請求項7】
前記成長法によって前記被覆層を加工することは、
気相エピタキシャル成長(VPE)法により、0.5μm~2μmの前記被覆層を加工することを含む、
ことを特徴とする請求項記載のチップ加工方法。
【請求項8】
前記導波領域に対応する前記被覆層を前記導波ストリップに加工して前記導波ストリップの端面が前記チップ層群に対向するようにすることは、
フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、前記導波領域に対応する前記被覆層を横断面が正方形である導波ストリップに加工することを含み、
前記導波ストリップの横断面の一辺の長さは0.5μm~2μmである、
ことを特徴とする請求項記載のチップ加工方法。
【請求項9】
前記基板に前記チップ層群を加工することは、
前記基板に順次に、
1μm~1.5μm厚のバッファ層を加工することと、
10nm~100nm厚の下部グレーデッドバッファ層を加工することと、
10nm~30nm厚の量子井戸構造を加工することと、
10nm~100nm厚の上部グレーデッドバッファ層を加工することと、
10nm~50nm厚の回折格子エピタキシャル層を成長させ、電子ビームによる回折格子書き込み方法により前記回折格子エピタキシャル層を加工して回折格子層を形成することと、
10nm~50nm厚のエッチング停止層を加工することと、を含む、
ことを特徴とする請求項記載のチップ加工方法。
【請求項10】
10nm~30nm厚の前記量子井戸構造を加工することは、分子線エピタキシー(MBE)法により、量子井戸層を多層加工して前記量子井戸構造を取得することを含み、各層の前記量子井戸層の厚さは0.4nm~0.6nmである、
ことを特徴とする請求項9記載のチップ加工方法。
【請求項11】
前記MBE法により、前記量子井戸層を多層加工することは、
前記MBE法により、前記量子井戸層を11層加工することを含む、
ことを特徴とする請求項10に記載のチップ加工方法。
【請求項12】
各層の前記量子井戸層の厚さは0.5nmである、
ことを特徴とする請求項11に記載のチップ加工方法。
【請求項13】
前記MBE法により、前記量子井戸層を多層加工することは、
インジウムアルミニウムヒ素(InAlAs)量子井戸層とインジウムアルミニウムガリウムヒ素(InAlGaAs)量子井戸層とを交互に加工し、多層量子井戸層の外側に位置する層をInAlAs量子井戸層にすることを含む、
ことを特徴とする請求項10に記載のチップ加工方法。
【請求項14】
前記チップ加工方法は、前記導波路クラッド層を加工した後、
エピタキシャル層及びコンタクトエピタキシャル層を順次に加工し、前記導波領域に対応する前記エピタキシャル層及び前記コンタクトエピタキシャル層を除去することを含む、
ことを特徴とする請求項記載のチップ加工方法。
【請求項15】
請求項1~4のいずれか一項に記載の量子井戸構造を含む、
ことを特徴とするチップ。
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正の内容】
図9
【国際調査報告】