(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-15
(54)【発明の名称】自動流量調整カートリッジ及びこれを含む燃料電池膜加湿器
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04119 20160101AFI20240105BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20240105BHJP
H01M 8/04746 20160101ALI20240105BHJP
B01D 63/02 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
H01M8/04119
H01M8/04 N
H01M8/04746
B01D63/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540841
(86)(22)【出願日】2022-01-21
(85)【翻訳文提出日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 KR2022001150
(87)【国際公開番号】W WO2022164141
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0012278
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518215493
【氏名又は名称】コーロン インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ヒョンモ
(72)【発明者】
【氏名】キム キョンジュ
(72)【発明者】
【氏名】アン ウンジョン
(72)【発明者】
【氏名】キム インホ
【テーマコード(参考)】
4D006
5H127
【Fターム(参考)】
4D006GA41
4D006HA02
4D006HA19
4D006HA91
4D006JA10A
4D006JA10C
4D006JA13A
4D006JA13C
4D006JA14A
4D006JA18A
4D006JA25A
4D006JA27A
4D006JA27C
4D006JA51A
4D006JB06
4D006KA31
4D006KE02Q
4D006MA01
4D006MC29
4D006MC39
4D006MC58
4D006MC62
4D006PA01
4D006PB19
4D006PB65
4D006PC80
5H127AA06
5H127AC02
5H127AC10
5H127BA02
5H127BB02
5H127BB18
5H127BB34
5H127DC32
5H127EE17
(57)【要約】
本発明は、燃料電池スタックから排出されてカートリッジ内部に流入する排ガスの流量を自動に調整できる自動流量調整カートリッジ及びこれを含む燃料電池膜加湿器に関するものであって、
本発明の実施形態に係る自動流量調整カートリッジは、
燃料電池スタックから排出された排ガスが流入する第1のメッシュホール部と、前記第1のメッシュホール部を介して流入した排ガスが水分交換した後、外部に排出される第2のメッシュホール部とが形成されたインナーケースと、前記インナーケースの一面で移動可能に形成され、排ガス流量によって前記第1のメッシュホール部に流入する排ガス流量を調整する流量調整部とを備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池スタックから排出された排ガスが流入する第1のメッシュホール部と、前記第1のメッシュホール部を介して流入した排ガスが水分交換した後、外部に排出される第2のメッシュホール部とが形成されたインナーケースと、
前記インナーケースの一面で移動可能に形成され、排ガス流量によって前記第1のメッシュホール部に流入する排ガス流量を調整する流量調整部と、
を備える自動流量調整カートリッジ。
【請求項2】
前記流量調整部は、
前記インナーケースの一面に形成され、前記第1のメッシュホール部をなす少なくとも1つ以上のメッシュホールウィンドウを遮って排ガスが流入しないように遮断する遮断部材と、
前記遮断部材の一面に形成され、排ガスの流量によって圧縮または伸長しながら前記遮断部材を移動させる調整部材と、
を備える請求項1に記載の自動流量調整カートリッジ。
【請求項3】
前記調整部材は、
前記遮断部材の一側と所定角度で傾斜した形態で形成される加圧部材と、
前記加圧部材に固定形成され、排ガス流量によって圧縮または伸長が可能な弾性部材と、
を備える請求項2に記載の自動流量調整カートリッジ。
【請求項4】
ミッド-ケースと、
前記ミッド-ケースと締め付けられるキャップと、
前記ミッド-ケース内に配置され、複数の中空糸膜を収容する少なくとも1つのカートリッジと、
を備え、
前記カートリッジは、
燃料電池スタックから排出された排ガスが流入する第1のメッシュホール部と、前記第1のメッシュホール部を介して流入した排ガスが水分交換した後、外部に排出される第2のメッシュホール部とが形成されたインナーケースと、
前記インナーケースの一面で移動可能に形成され、排ガス流量によって前記第1のメッシュホール部に流入する排ガス流量を調整する流量調整部と、
を備える燃料電池膜加湿器。
【請求項5】
前記流量調整部は、
前記インナーケースの一面に形成され、前記第1のメッシュホール部をなす少なくとも1つ以上のメッシュホールウィンドウを遮って排ガスが流入しないように遮断する遮断部材と、
前記遮断部材の一面に形成され、排ガスの流量によって圧縮または伸長しながら前記遮断部材を移動させる調整部材と、
を備える請求項4に記載の燃料電池膜加湿器。
【請求項6】
前記調整部材は、
前記遮断部材の一側と所定角度で傾斜した形態で形成される加圧部材と、
前記加圧部材に固定形成され、排ガス流量によって圧縮または伸長が可能な弾性部材と、
を備える請求項5に記載の燃料電池膜加湿器。
【請求項7】
前記ミッド-ケースの内部空間を仕切る隔壁を備え、
前記弾性部材の一端は、前記隔壁に固定され、他端は、前記加圧部材に固定される請求項6に記載の燃料電池膜加湿器。
【請求項8】
前記ミッド-ケースと前記カートリッジとの間に形成される樹脂層を備え、
前記弾性部材の一端は、前記樹脂層に固定され、他端は、前記加圧部材に固定される請求項6に記載の燃料電池膜加湿器。
【請求項9】
前記ミッド-ケースと前記カートリッジとの間に形成されるガスケット組立体を備え、
前記弾性部材の一端は、前記ガスケット組立体に固定され、他端は、前記加圧部材に固定される請求項6に記載の燃料電池膜加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ及びこれを含む燃料電池膜加湿器に関し、より具体的には、燃料電池スタックから排出されてカートリッジ内部に流入する排ガスの流量を自動に調整できる自動流量調整カートリッジ及びこれを含む燃料電池膜加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池とは、水素と酸素を結合させて電気を生産する発電型電池である。燃料電池は、乾電池や蓄電池など、一般化学電池とは異なり、水素と酸素が供給される限り、電気を生産し続けることができ、熱損失がないので、内燃機関より効率が2倍くらい高いという長所がある。
また、水素と酸素の結合により発生する化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換するので、公害物質排出が少ない。したがって、燃料電池は、環境親和的であり、かつ、エネルギー消費増加による資源枯渇に対する心配を減らすことができるという長所がある。
【0003】
このような燃料電池は、使用される電解質の種類によって、大別して、高分子電解質型燃料電池(Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell:PEMFC)、リン酸型燃料電池(Phosphoric Acid Fuel Cell:PAFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(Molten Carbonate Fuel Cell:MCFC)、固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)、及びアルカリ型燃料電池(Alkaline Fuel Cell:AFC)などに分類することができる。
【0004】
これらのそれぞれの燃料電池は、元々同じ原理により作動するが、使用される燃料の種類、運転温度、触媒、電解質などが互いに異なる。この中で、高分子電解質型燃料電池(PEMFC)は、他の燃料電池に比べて低温で動作するという点、及び出力密度が大きくて、小型化が可能であるので、小規模据え置き型発電装備だけでなく、輸送システムでも最も有望なものと知られている。
高分子電解質型燃料電池(PEMFC)の性能を向上させるにあたり、最も重要な要因のうち1つは、膜-電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)の高分子電解質膜(Polymer Electrolyte MembraneまたはProton Exchange Membrane:PEM)に一定量以上の水分を供給することによって含水率を維持させることである。高分子電解質膜が乾燥されれば、発電効率が急激に低下するためである。
【0005】
高分子電解質膜を加湿する方法では、1)内圧容器に水を満たした後、対象気体を拡散器(diffuser)に通過させて水分を供給するバブラ(bubbler)加湿方式、2)燃料電池反応に必要な供給水分量を計算し、ソレノイドバルブを介してガス流動管に直接水分を供給する直接噴射(direct injection)方式、及び3)高分子分離膜を利用してガスの流動層に水分を供給する加湿膜方式などがある。
これらの中でも、排ガス中に含まれる水蒸気のみを選択的に透過させる膜を利用して、水蒸気を高分子電解質膜に供給される空気に提供することによって高分子電解質膜を加湿する膜加湿方式が膜加湿器を軽量化及び小型化できるという点で有利である。
【0006】
膜加湿方式に使用される選択的透過膜は、モジュールを形成する場合、単位体積当り透過面積が大きい中空糸膜が好ましい。すなわち、中空糸膜を利用して膜加湿器を製造する場合、接触表面積が広い中空糸膜の高集積化が可能であって、小容量でも燃料電池の加湿が十分になされることができ、低価素材の使用が可能であり、燃料電池において高温に排出される排ガス(off-gas)に含まれた水分と熱を回収し、膜加湿器を介して再使用できるという利点を有する。
【0007】
図1は、従来技術に係る燃料電池膜加湿器が示された分解斜視図であり、
図2は、
図1のA-A’ラインから眺めた断面図であり、
図3は、
図1のB-B’ラインから眺めた断面図である。
図1~
図3に示されたように、従来技術の燃料電池膜加湿器10は、外部から供給される空気と燃料電池スタック(図示せず)から排出される排ガスとの間の水分交換が起こる加湿モジュール11及び加湿モジュール11の両端に結合されたキャップ12を備える。
キャップ12のうち1つは、外部から供給される空気を加湿モジュール11に供給し、他の1つは、加湿モジュール11により加湿された空気を燃料電池スタックに供給する。
【0008】
加湿モジュール11は、排ガス流入口(off-gas inlet)11bと排ガス排出口(off-gas outlet)11cとを有するミッド-ケース(mid-case)11a及びミッド-ケース11a内に配置された少なくとも1つのカートリッジ20を備える。図面では、1つのカートリッジが例示されている。カートリッジ20は、インナーケース21を備え、インナーケース21内部には、複数の中空糸膜22と、中空糸膜22束の両末端を固定するポッティング部23とが形成される。ポッティング部23は、一般的にキャスティング(casting)方式によって液状ポリウレタン樹脂のような液状ポリマーを硬化させることにより形成される。
【0009】
カートリッジ20とミッド-ケース11aとの間には、樹脂層11eが形成され、樹脂層11eは、カートリッジ20をミッド-ケース11aに固定し、キャップ12の内部空間とミッド-ケース111の内部空間とを遮断する。
ミッド-ケース11aの内部空間は、隔壁(partitions)11dにより第1の空間S1と第2の空間S2とに仕切られる。インナーケース21は、第1の空間S1との流体連通のためにメッシュ形態で配列された第1のメッシュホール部24a及び第2の空間S2との流体連通のためにメッシュ形態で配列された第2のメッシュホール部24bを備える。
排ガス流入口11bを介してミッド-ケース11aの第1の空間S1に流入した排ガスは、第1のメッシュホール部24aを介してインナーケース21内に流れ込み、中空糸膜22の外表面と接触する。次いで、水分を奪われた排ガスは、第2のメッシュホール部24bを介して第2の空間S2に抜け出した後、排ガス排出口11cを介してミッド-ケース11aから排出される。このようなインナーケース21を備えるカートリッジ20は、ミッド-ケース11aに容易に組み立てられ得るだけでなく、容易に交替され得るという長所を有する。
このような従来のカートリッジ20は、燃料電池スタックの出力量に関係なく、第1のメッシュホール部24aを介して常に一定の流量がインナーケース21内部に流入して、場合によって過度な加湿が生じる恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、燃料電池スタックから排出されてカートリッジ内部に流入する排ガスの流量を自動に調整できる自動流量調整カートリッジ及びこれを含む燃料電池膜加湿器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施形態に係る自動流量調整カートリッジは、
燃料電池スタックから排出された排ガスが流入する第1のメッシュホール部と、前記第1のメッシュホール部を介して流入した排ガスが水分交換した後、外部に排出される第2のメッシュホール部とが形成されたインナーケースと、前記インナーケースの一面で移動可能に形成され、排ガス流量によって前記第1のメッシュホール部に流入する排ガス流量を調整する流量調整部とを備える。
【0012】
本発明の実施形態に係る自動流量調整カートリッジにおいて、前記流量調整部は、前記インナーケースの一面に形成され、前記第1のメッシュホール部をなす少なくとも1つ以上のメッシュホールウィンドウを遮って排ガスが流入しないように遮断する遮断部材と、前記遮断部材の一面に形成され、排ガスの流量によって圧縮または伸長しながら前記遮断部材を移動させる調整部材とを備えることができる。
【0013】
本発明の実施形態に係る自動流量調整カートリッジにおいて、前記調整部材は、前記遮断部材の一側と所定角度で傾斜した形態で形成される加圧部材と、前記加圧部材に固定形成され、排ガス流量によって圧縮または伸長が可能な弾性部材とを備えることができる。
また、本発明の実施形態に係る燃料電池膜加湿器は、
ミッド-ケースと、前記ミッド-ケースと締め付けられるキャップと、前記ミッド-ケース内に配置され、複数の中空糸膜を収容する少なくとも1つのカートリッジとを備える。前記カートリッジは、燃料電池スタックから排出された排ガスが流入する第1のメッシュホール部と、前記第1のメッシュホール部を介して流入した排ガスが水分交換した後、外部に排出される第2のメッシュホール部とが形成されたインナーケースと、前記インナーケースの一面で移動可能に形成され、排ガス流量によって前記第1のメッシュホール部に流入する排ガス流量を調整する流量調整部とを備える。
【0014】
本発明の実施形態に係る燃料電池膜加湿器において、前記流量調整部は、前記インナーケースの一面に形成され、前記第1のメッシュホール部をなす少なくとも1つ以上のメッシュホールウィンドウを遮って排ガスが流入しないように遮断する遮断部材と、前記遮断部材の一面に形成され、排ガスの流量によって圧縮または伸長しながら前記遮断部材を移動させる調整部材とを備えることができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池膜加湿器において、前記調整部材は、前記遮断部材の一側と所定角度で傾斜した形態で形成される加圧部材と、前記加圧部材に固定形成され、排ガス流量によって圧縮または伸長が可能な弾性部材とを備えることができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池膜加湿器において、前記ミッド-ケースの内部空間を仕切る隔壁を備え、前記弾性部材の一端は、前記隔壁に固定され、他端は、前記加圧部材に固定されることができる。
【0015】
本発明の実施形態に係る燃料電池膜加湿器において、前記ミッド-ケースと前記カートリッジとの間に形成される樹脂層を備え、前記弾性部材の一端は、前記樹脂層に固定され、他端は、前記加圧部材に固定されることができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池膜加湿器において、前記ミッド-ケースと前記カートリッジとの間に形成されるガスケット組立体を備え、前記弾性部材の一端は、前記ガスケット組立体に固定され、他端は、前記加圧部材に固定されることができる。
その他、本発明の様々な側面による実現例等の具体的な事項は、以下の詳細な説明に含まれている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、燃料電池スタックから排出されてカートリッジ内部に流入する排ガスの流量を自動に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】従来技術に係る燃料電池膜加湿器が示された分解斜視図である。
【
図2】
図1のA-A’ラインから眺めた断面図である。
【
図3】
図1のB-B’ラインから眺めた断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る燃料電池膜加湿器が示された分解斜視図である。
【
図5】
図4のA-A’ラインから眺めた断面図である。
【
図6】
図4のB-B’ラインから眺めた断面図である。
【
図7】
図4のB-B’ラインから眺めた断面図である。
【
図9】流量調整部の動作過程を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、様々な変換を加えることができ、種々の実施形態を有することができるところ、特定実施形態を例示し、詳細な説明に詳細に説明しようとする。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物ないし代替物を含むことと理解されなければならない。
【0019】
本発明において使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないことと理解されるべきである。以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る燃料電池膜加湿器を説明する。
【0020】
図4は、本発明の一実施形態に係る燃料電池膜加湿器が示された分解斜視図であり、
図5は、
図4のA-A’ラインから眺めた断面図であり、
図6及び
図7は、
図4のB-B’ラインから眺めた断面図である。
図4~
図7に示すように、本発明の一実施形態に係る燃料電池膜加湿器100は、加湿モジュール110とキャップ120とを備える。
加湿モジュール110は、外部から供給される空気と燃料電池スタック(図示せず)から排出される排ガスとの間の水分交換を行う。キャップ120は、加湿モジュール110の両端に結合される。キャップ120のうち1つは、外部から供給される空気を加湿モジュール110に供給し、他の1つは、加湿モジュール110により加湿された空気を燃料電池スタックに供給する。
【0021】
加湿モジュール110は、排ガス流入口112と排ガス排出口113とを有するミッド-ケース111及びミッド-ケース111内に配置された少なくとも1つのカートリッジ200を備える。このとき、カートリッジ200には、燃料電池スタックから排出されてカートリッジ内部に流入する排ガスの流量を自動に調整できる流量調整部300が設けられる。流量調整部300については後述する。
ミッド-ケース111とキャップ120とは、各々独立的に硬質プラスチックや金属で形成されることができ、円形または多角形の幅方向断面を有することができる。円形は、楕円形を含み、多角形は、丸いコーナ(rounded corner)を有する多角形を含む。例えば、硬質プラスチックは、ポリカーボネート、ポリアミド(PA)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリプロピレン(PP)などであることができる。ミッド-ケース111の内部空間は、隔壁(partitions)114により第1の空間S1と第2の空間S2とに仕切られることができる。
カートリッジ200は、複数の中空糸膜220及びこれらを互いに固定させるポッティング部230を備えることができる。中空糸膜220の末端は、ポッティング部230に固定されることができる。
【0022】
また、カートリッジ200は、インナーケース210をさらに備えることができる。インナーケース210は、各末端に開口(opening)を有し、中空糸膜220がその中に入っている。中空糸膜220の端部がポッティングされているポッティング部230は、インナーケース210の開口を閉鎖させる。
インナーケース210は、第1の空間S1との流体連通のためにメッシュ形態で配列された第1のメッシュホール部241及び第2の空間S2との流体連通のためにメッシュ形態で配列された第2のメッシュホール部242を備える。第1のメッシュホール部241及び第2のメッシュホール部242は、メッシュホール部240を構成する。
排ガス流入口112を介してミッド-ケース111の第1の空間S1に流入した排ガスは、第1のメッシュホール部241を介してインナーケース210内に流れ込み、中空糸膜220の外表面と接触する。次いで、水分を奪われた排ガスは、第2のメッシュホール部242を介して第2の空間S2に抜け出した後、排ガス排出口113を介してミッド-ケース111から排出される。このとき、第1のメッシュホール部241を介してインナーケース210内部に流入する排ガス流量は、流量調整部300により自動に調整されることができる。
【0023】
中空糸膜220は、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、スルホン化ポリスルホン樹脂、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、またはこれらのうち、少なくとも2つ以上の混合物で形成された高分子膜を含むことができ、ポッティング部113は、ディップポッティング、遠心ポッティングなどのキャスティング方式によって液状ポリウレタン樹脂のような液状樹脂を硬化させることにより形成されることができる。
【0024】
カートリッジ200とミッド-ケース111との間には、樹脂層115が形成され、樹脂層115は、カートリッジ200をミッド-ケース111に固定し、キャップ120の内部空間とミッド-ケース111の内部空間とを遮断する。設計によって、樹脂層115は、加湿モジュール110の各末端に機械的組立によって気密に結合されるガスケット組立体に代替されることができる。
図6に示すように、本発明の一実施形態に係るカートリッジ200には、第1のメッシュホール部241を介してインナーケース210内部に流入する排ガス流量を自動に調整する流量調整部300が形成される。流量調整部300は、排ガス流量によってインナーケース210の一面で移動可能に形成されて、排ガス流量を自動に調整する。
図8に示すように、流量調整部300は、遮断部材310と調整部材320とを備える。遮断部材310は、インナーケース210の一面に形成され、第1のメッシュホール部241をなす少なくとも1つ以上のメッシュホールウィンドウWを遮って排ガスが流入しないように遮断する。遮断部材310は、インナーケース210の一面と対応する形状で形成されることができる。
【0025】
調整部材320は、遮断部材310の一面に固定形成される。調整部材320は、排ガスの流量によって圧縮または伸長しながら遮断部材310を移動させる。具体的に、調整部材320は、加圧部材321と弾性部材322とを備える。加圧部材321は、遮断部材310の一側(縦側または横側)と所定角度で傾斜した形態で形成され、遮断部材310の上面から所定高さで延長形成される。弾性部材322は、圧力によって圧縮/伸長が可能な部材で形成され、その一端は、隔壁114に固定され、他端は、加圧部材321に固定される。または、弾性部材322の一端は、樹脂層115またはガスケット組立体(図示せず)に固定され、他端は、加圧部材321に固定されることができる。
このように構成される流量調整部300の動作について
図9を参照して説明する。
図9は、流量調整部300の動作過程を示した平面図である。
【0026】
燃料電池スタックから排出された排ガスが排ガス流入口112を介して流入した後、ミッド-ケース111内部の第1の空間S1を流動しながら、第1のメッシュホール部241をなすメッシュホールウィンドウWを介して中空糸膜が配置されたインナーケース210内部に流入する。このとき、排ガス流動Fの少なくとも一部は、遮断部材310の上面に形成された加圧部材321と衝突しながら加圧部材321を加圧するようになる。加圧により弾性部材322が圧縮され、これにより、加圧部材321は、隔壁114方向に移動するようになる。このとき、加圧部材321と固定形成された遮断部材310も共に移動するようになる。遮断部材310の移動により第1のメッシュホール部241をなすさらに多いメッシュホールウィンドウWが開放される。(
図6及び
図7参照)
【0027】
燃料電池スタックから排出される排ガスの流量が大きい場合、排ガス流動Fは、加圧部材321を強く加圧して、相対的に多い数のメッシュホールウィンドウWを開放させ、流量が小さい場合、排ガス流動Fは、加圧部材321を弱く加圧して、相対的に少ない数のメッシュホールウィンドウWを開放させるようになる。したがって、流量調整部300は、排ガス流量によってインナーケース210内部に流入する排ガス流量を自動に調整できるようになる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、または追加などによって本発明を様々に修正及び変更させ得るであろうし、これも本発明の権利範囲内に含まれるといえるであろう。
【符号の説明】
【0028】
100:燃料電池膜加湿器
110:加湿モジュール 111:ミッド-ケース
112:排ガス流入口 113:排ガス排出口
114:隔壁 115:樹脂層
200:カートリッジ 210:インナーケース
220:中空糸膜 230:ポッティング部
240:メッシュホール部
300:流量調整部 310:遮断部材
320:調整部材 321:加圧部材
322:弾性部材
【国際調査報告】