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特表2024-501769製品仕分けシステム、製品仕分け方法およびコンピュータ・プログラム・プロダクト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-15
(54)【発明の名称】製品仕分けシステム、製品仕分け方法およびコンピュータ・プログラム・プロダクト
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/08 20060101AFI20240105BHJP
   B65G 47/68 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
B65G43/08 A
B65G47/68 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540924
(86)(22)【出願日】2022-01-03
(85)【翻訳文提出日】2023-07-27
(86)【国際出願番号】 NL2022050001
(87)【国際公開番号】W WO2022146141
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】2027263
(32)【優先日】2021-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518357759
【氏名又は名称】ファンダランデ インダストリーズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】グロッベン、クーン マールテン ヘールト
(72)【発明者】
【氏名】フェルボールト、ペトラス セオドラス コーネリス
(72)【発明者】
【氏名】ペーテルス、トーマス ヘンドリクス
【テーマコード(参考)】
3F027
3F070
【Fターム(参考)】
3F027AA03
3F027CA01
3F027DA15
3F027EA01
3F070AA06
3F070BD01
3F070BE01
3F070EA29
(57)【要約】
【解決手段】互いに平行に延びる運搬体からなるコンベヤであって該運搬体はプッシャーボディと関連しているコンベヤと、プッシャーボディを運搬体に沿って仕分け方向に移動させるためのサーボモータと、仕分け位置に関する仕分け先データを送信するために配置された中央制御サーバと、中央制御サーバと通信し、搬送方向に移動可能で、中央制御サーバから受信した仕分け先データに従って2つ以上のサーボモータを制御する複数のコントローラと、サーバと通信する定置型のアクセス・ポイント(AP)と、APに接続された一対の定置型放射ケーブルであって、一方の放射ケーブルは搬送方向に延び、他方の放射ケーブルは搬送方向と反対方向に延び、放射ケーブルはコントローラと通信可能に配置された一対の定置型放射ケーブルと、を備える製品仕分けシステム。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品(P)を仕分けする製品仕分けシステムであって、
-コンベヤ(11)と、
-中央制御サーバ(12)と、
-複数のコントローラ(13)と、
-前記中央制御サーバ(12)と通信するように配置された少なくとも1つの定置型アクセス・ポイント(AP)(14)と、
-前記定置型AP(14)に接続された第1の一対の定置型放射ケーブル(15、16)と、
を備え、
前記コンベヤ(11)は、複数の仕分け位置(111、112)が設けられた経路上を搬送方向(T)に移動可能であり、
前記コンベヤ(11)は、互いに平行に搬送方向(T)に直交する方向に延びる、互いに隣り合って配置された多数の細長い運搬体(113)を備えており、
前記運搬体(113)は、仕分けされる製品(P)を搬送するように構成されており、
前記運搬体(113)の全部または一部は、運搬体-プッシャーボディの組み合わせ(115)を形成するようにプッシャーボディ(114)と関連付けられており、
前記運搬体-プッシャーボディの組み合わせ(115)の各々は、前記運搬体(113)により搬送される製品(P)を前記運搬体(113)から押し出すために、前記運搬体(113)に沿って前記プッシャーボディ(114)を、前記搬送方向(T)に直交する仕分け方向(S)に移動させるための、サーボモータ(117)を備えたプッシャーボディ変位装置(116)を備えており、
前記中央制御サーバ(12)は、仕分けされる製品(P)が前記運搬体(113)から押し出される仕分け位置(111、112)に関する仕分け先データを送信するために配置され、
前記複数のコントローラ(13)は、前記中央制御サーバ(12)と通信可能に配置されて、前記運搬体(113)または前記運搬体(113)のグループと共に前記搬送方向(T)に移動可能であり、
前記複数のコントローラ(13)の各々は、前記中央制御サーバ(12)から受信した仕分け先データに従って、前記プッシャーボディ変位装置(116)のサーボモータ(117)のうちの2つ以上を制御するように配置されており、
前記第1の一対の定置型放射ケーブル(15、16)のうち一方の放射ケーブル(15)は、前記定置型AP(14)に対して搬送方向(T)に延び、
前記第1の一対の定置型放射ケーブル(15、16)のうち他方の放射ケーブル(16)は、前記定置型AP(14)に対して搬送方向(T)と反対方向に延び、
前記第1の一対の定置型放射ケーブル(15、16)は、複数のコントローラ(13)と通信するように配置され、
前記定置型AP(14)と通信するように配置された第2の一対の定置型放射ケーブル(17、18)をさらに含み、
前記第2の一対の定置型放射ケーブル(17、18)は、前記第1の一対の定置型放射ケーブル(15、16)と平行に配置され、
前記第2の一対の定置型放射ケーブル(17、18)のうち一方の放射ケーブル(17)は、前記定置型AP(14)に対して搬送方向(T)に延び、
前記第2の一対の定置型放射ケーブル(17、18)のうち他方の放射ケーブル(18)は、前記定置型AP(14)に対して搬送方向(T)と反対方向に延び、
前記第2の一対の定置型放射ケーブル(17、18)は、複数のコントローラ(13)と通信するように配置されることを特徴とする製品仕分けシステム(1)。
【請求項2】
前記コントローラ(13)の各々は、最大32個のプッシャーボディ変位装置(116)を制御し、例えば8個以上32個以下のプッシャーボディ変位装置を制御し、より好ましくは8個以上16個以下のプッシャーボディ変位装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の製品仕分けシステム。
【請求項3】
前記コンベヤ(11)の搬送方向(T)に沿って測定したとき、前記第1の一対の定置型放射ケーブル(15、16)の全長が100メートルを超え、好ましくは300メートル未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の製品仕分けシステム。
【請求項4】
前記定置型AP(14)に対して搬送方向(T)に延びる前記放射ケーブル(15)の長さが、前記定置型AP(14)に対して搬送方向(T)と反対方向に延びる放射ケーブル(16)の長さの50%以上200%以下、好ましくは70%以上150%以下、より好ましくは90%以上110%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の製品仕分けシステム。
【請求項5】
第2の定置型アクセスポイント(AP)(19)をさらに備え、
前記第2の定置型アクセスポイント(AP)(19)は、前記中央制御サーバ(12)と通信するように配置され、
前記第2の定置型アクセスポイント(AP)(19)は、前記第1の一対の定置型放射ケーブル(15、16)に接続され、および/または、前記第2の一対の定置型放射ケーブル(17、18)に接続されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の製品仕分けシステム。
【請求項6】
前記定置型AP(14)上の通信周波数帯域は、前記第2の定置型AP(19)上の通信周波数帯域と異なることを特徴とする請求項5に記載の製品仕分けシステム。
【請求項7】
放射ケーブル(15、16、17、18)の長さが最大150mであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の製品仕分けシステム。
【請求項8】
前記1つ以上のコントローラ(13)の各々が、仕分けパラメータに基づいてプッシャーボディ変位装置(116)を制御するために配置されており、
前記仕分けパラメータは、
-アウトフィード角度(α)、すなわち搬送方向(T)と、製品仕分けシステム(1)に接続されたアウトフィード(118)のアウトフィード方向(D)と、の間の角度、
-前記アウトフィード(118)の幅(W)、
-前記アウトフィード(118)の位置(111、112)、
-前記アウトフィード(118)上で仕分けされる製品(P)の予想速度、
のいずれかであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の製品仕分けシステム。
【請求項9】
前記コントローラ(13)の各々は、前記仕分けパラメータのいずれかに基づいて、対応するプッシャーボディ(114)の仕分けプロファイルを決定するために配置されており、
前記仕分けプロファイルは、対応する細長い運搬体(113)に対するプッシャーボディ(114)の位置に関連することを特徴とする請求項8に記載の製品仕分けシステム。
【請求項10】
前記コントローラ(13)の各々は、
-対応するプッシャーボディ(114)が仕分けされる製品(P)に対向するかまたはその製品(P)に近接するような初期位置に置かれるように、前記プッシャーボディ変位装置(116)を用いて、該対応するプッシャーボディ(114)を制御するか、
または、
-対応するプッシャーボディ(114)が初期位置から始まる仕分けプロファイルに従うように前記プッシャーボディ変位装置(116)を制御することにより、前記仕分け位置(111、112)において、仕分けられる製品(P)を仕分けることを特徴とする請求項9に記載の製品仕分けシステム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の製品仕分けシステムを用いて、仕分けされるべき製品(P)を仕分けする製品仕分け方法であって、
-前記コントローラ(13)のうちの1つ用いて、少なくとも1つの定置型AP(14、19)および定置型放射ケーブル(15、16、17、18)を介して、中央制御サーバ(12)から、仕分けされるべき製品(P)がコンベヤ(11)から押し出されるべき仕分け位置(111、112)に関する仕分け先データを受信するステップと、
-前記受信した仕分け先データに従って、前記コントローラ(13)の1つを用いて、対応する前記サーボモータ(117)を駆動することにより、前記仕分け位置(111、112)において前記プッシャーボディ変位装置(116)を制御するステップと、
を含むことを特徴とする製品仕分け方法。
【請求項12】
前記仕分け先データを受信するステップは、
-少なくとも1つの仕分けパラメータを受信するステップ
を含み、
前記仕分けパラメータは、
-アウトフィード角度(α)、すなわち搬送方向(T)と、製品仕分けシステム(1)に接続されたアウトフィード(118)のアウトフィード方向(D)と、の間の角度、
-前記アウトフィード(118)の幅(W)、
-前記アウトフィード(118)の位置(111、112)、
-前記アウトフィード(118)上での仕分けされる製品(P)の予想速度、
のいずれかであることを特徴とする請求項11に記載の製品仕分け方法。
【請求項13】
命令を記憶したコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラムプロダクトであって、
前記命令は、コントローラ(13)によって実行されたとき、コントローラ(13)に請求項11または12に記載の製品仕分け方法を実施させることを特徴とするコンピュータプログラムプロダクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品仕分けシステムに関する。このシステムは、多数の仕分け位置が設けられた経路上を搬送方向に移動可能なコンベヤを備える。コンベヤは、互いに隣り合って配置され、搬送方向に垂直な方向で互いに平行に延びる多数の細長い運搬体を含む。運搬体は、仕分けされる製品を運搬するように構成されている。運搬体の全部または一部は、運搬体-プッシャーボディの組み合わせを形成するために、プッシャーボディと関連付けられる。各運搬体-プッシャーボディの組み合わせは、運搬体によって運ばれる製品を運搬体から押し出すために、プッシャーボディを運搬体に沿って搬送方向と直交する仕分け方向に移動させるための、サーボモータを備えたプッシャーボディ変位装置を備える。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムは、国際特許出願NL2019/050488号明細書に開示されている。この特定の特許出願は、システムが、距離パラメータを決定するように構成された距離決定デバイスを備える、という考え方に焦点を当てている。この距離決定デバイスは、組み合わせのプッシャーボディと、運搬体によって運ばれる仕分け対象製品との、仕分け方向の距離に関連する。距離決定デバイスはさらに、距離パラメータをオンボード制御システムに送るように構成される。オンボード制御システムは、組み合わせのオンボード駆動デバイスをこの距離データに基づいて制御するように構成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のシステムは、通信トポロジーが中央に集中しているという欠点を持つ。中央サーバは、組み合わせに関する制御器に、データを提供しなければならない。しかし、上記の特定の態様を実現するのに有効なトポロジーは存在しない。本発明は、中央サーバと複数の制御器との間でデータを交換するのに有効な通信トポロジーを持つ製品仕分けシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による第1の態様では、製品を仕分けする製品仕分けシステムが与えられる。このシステムは、
-コンベヤと、
-中央制御サーバと、
-複数のコントローラと、
-中央制御サーバと通信するように配置された少なくとも1つの定置型アクセス・ポイント(AP)と、
-APに接続された第1の一対の定置型放射ケーブルと、
を備え、
コンベヤは、複数の仕分け位置が設けられた経路上を搬送方向に移動可能であり、
コンベヤは、互いに平行に搬送方向に直交する方向に延びる、互いに隣り合って配置された多数の細長い運搬体を備えており、
運搬体は、仕分けされる製品を搬送するように構成されており、
運搬体の全部または一部は、運搬体-プッシャーボディの組み合わせを形成するようにプッシャーボディと関連付けられており、
運搬体-プッシャーボディの組み合わせの各々は、運搬体により搬送される製品を運搬体から押し出すために、運搬体に沿ってプッシャーボディを、搬送方向に直交する仕分け方向に移動させるための、サーボモータを備えたプッシャーボディ変位装置を備えており、
中央制御サーバは、仕分けされる製品が運搬体から押し出される仕分け位置に関する仕分け先データを送信するために配置され、
複数のコントローラは、中央制御サーバと通信可能に配置されて、運搬体または運搬体のグループと共に搬送方向に移動可能であり、
複数のコントローラの各々は、中央制御サーバから受信した宛先データに従って、プッシャーボディ変位装置のサーボモータのうちの2つ以上を制御するように配置されており、
第1の一対の定置型放射ケーブルのうち一方の放射ケーブルは、APに対して搬送方向に延び、
第1の一対の定置型放射ケーブルのうち他方の放射ケーブルは、APに対して搬送方向と反対方向に延び、
第1の一対の定置型放射ケーブルは、複数のコントローラと通信するように配置される。
【0005】
本発明によれば、コンベヤは、例えば、エンドレスタイプであってよい。コンベヤには仕分け位置が設けられ、製品が搬送される経路を定義する上部ループ部分と、リターン経路としての下部ループ部分と、を有する閉回路を形成する。コンベヤは、例えばベルトコンベヤであってもよく、原理的には他のタイプのコンベヤであってもよい。
【0006】
例えば、コンベヤは、コンベヤの技術分野でよく知られているように、コンベヤ変位装置によって駆動することができる。
【0007】
仕分けされる製品は、細長い運搬体の上に押し込まれるか、またはその上に載せられる。コンベヤの搬送方向から見た細長い運搬体の寸法は、少なくとも2つの連続して位置する細長い運搬体を製品がまたがるような寸法であってもよい。この場合、製品をそれぞれの細長いキャリングボディから押し出すために、少なくとも2つのプッシャーボディを一緒に制御する必要がある。
【0008】
細長い運搬体の全部または一部に、プッシャーボディが設けられている。プッシャーボディは、運搬体に対して仕分け方向に移動可能である。仕分け方向は、搬送方向に対して横方向である。電気モータ(例えば直流モータ)は、プッシャーボディをキャリングボディに沿って仕分け方向に移動させるために、キャリングボディとプッシャーボディの組み合わせごとに設けられる。作動中、プッシャーボディは、仕分けされる製品が、対応する細長い運搬体から押し出されるように、仕分けされる製品に押し付けられる。
【0009】
プッシャーボディ変位装置のサーボモータの作動、ひいてはプッシャーボディの移動は、コントローラによって制御される。コントローラは、運搬体または運搬体群とともに運搬方向に移動可能である。言い換えれば、製品仕分けシステムが設置された建物のような「固定された世界」に対して、コントローラは移動可能である。プッシャーボディ変位装置のサーボモータの動作指示は、宛先データに対応して、コントローラが通信する中央制御サーバから受信される。
【0010】
移動可能なコントローラとは対照的に、中央制御サーバは、例えば静止している。典型的な実施の態様では、サーバは、例えば、製品仕分けシステムの近くに位置することができる。しかし別の典型的な実施な態様では、サーバは、代替的に「クラウド内」にあることができる。この場合、サーバは、製品仕分けシステムが設置されている建物から離れた位置に位置する。
【0011】
製品仕分けシステムが稼動しているときに、移動コントローラと中央制御サーバとの間の通信を可能にするために、階層通信アーキテクチャが提供される。階層アーキテクチャの最上位レベルである「マスター」は中央制御サーバである。階層アーキテクチャの最下位レベルである「オペレーター」はコントローラである。中央制御サーバとコントローラとの間には、定置型のアクセスポイント(AP)と、一対の定置型放射ケーブルが配置されている。前述のように、通信アーキテクチャの一部は固定されており、通信アーキテクチャの一部は移動可能である。
【0012】
定置型APは「固定された世界」に対して固定されており、中央制御サーバと通信するために配置されている。定置型放射ケーブルも「固定された世界」に対して固定されており、APに接続されている。「固定された世界」に対して移動可能なコントローラは、コンベヤとともに移動する。中央制御サーバから送信された宛先データは、まずAPに送られ、APから放射ケーブルに沿って送信される。ケーブルは、細長いアンテナの役割を果たしながら、ケーブルの長さに沿って信号を送受信する。従って、宛先データは、放射ケーブルに沿って移動するコントローラによって、特にコントローラに付随するアンテナによってピックアップされる。
【0013】
このように、定置型放射ケーブル(漏電同軸ケーブルなど)は、中央制御サーバによって開始された通信を、静止環境である「固定された世界」から移動環境に移行させることができる。
【0014】
本発明者らは、APに接続される放射ケーブルを対で提供することにより、特に、対の一方の放射ケーブルがAPに対してコンベヤの搬送方向に逆らって(または反対方向に)延び、対の他方の放射ケーブルがAPに対してコンベヤの搬送方向に延び、ケーブルがこのように反対方向に延びることにより、堅牢で信頼性が高く効率的な通信アーキテクチャを得るために必要な部品数が最小限になることを見出した。
【0015】
各放射ケーブルは、少なくとも一端がAPに接続されている。自由端は終端インピーダンスに接続される。APはその両側でケーブルに接続されてもよいし、2本のケーブルがAPの片側に接続されてもよい。より具体的には、実施の形態では、最大250メートルまたは300メートルの経路長にわたる通信をカバーするのに、単一のAPだけで十分な場合がある。
【0016】
対の放射ケーブルの一方は、APに対して搬送方向と逆方向に延びる。対の放射ケーブルの他方は、APに対して搬送方向に延びる。このため、コンベヤの搬送経路に沿って見たとき、APは搬送経路の始点からも終点からも離れて配置されてよい。実施の形態では、APは、経路の中心位置(経路の始点および終点に関する中心である)またはその近傍に配置されてもよい。しかしAPは、必ずしも経路の中央に配置されなくてもよい(それが望ましい場合もあるが)。
【0017】
本発明者らは、上述の通信アーキテクチャにはいくつかの利点があることを発見した。
【0018】
第1に、同じAPに接続され、異なる方向に延びる2本の放射ケーブルにより、コントローラおよびコンベヤが同じ信号を拾う経路長が相対的に長くなる。当業者には既知のように、ローミングとは、コントローラと第1APなどの通信ソースとの間の通信経路を、同じコントローラと第2APなどの異なる通信ソースとの間の別の通信経路に変更することをいう。好ましくは、経路が約300m、または約250m、または約200mよりも短い場合には、放射ケーブルによって送信される同じ信号を経路の全長にわたって拾うことができるため、ローミングを回避することができる。
【0019】
第2に、本明細書に開示する通信アーキテクチャでは、比較的長い経路長にわたって、単一のAPだけで効果的なアーキテクチャを実現することができる。以下に説明する実施の形態では、2つのAPを使用することが1つのAPよりも実際に有利であるように示されるが、システムは1つのAPでも適切に動作し得る。わずか1台(または2台)のAPを使用できることで、既知の通信アーキテクチャと比較して大幅な削減となる。
【0020】
第3に、APの数が少なければ、中央位置(例えば中央制御サーバ)から異なるAPへの配線も少なくなり、さらにアーキテクチャの複雑さが軽減される。
【0021】
第4に、中央制御サーバとコントローラとはケーブルで物理的に接続されておらず、放射ケーブルを介して通信しているため、特に「固定された世界」に対して動くコンベヤの部分では、多くの配線を省略することができる。
【0022】
このようにして本発明の目的が達成される。
【0023】
本開示に係るシステム(より具体的には、システムで使われる通信トポロジー)は、異なる種類の通信技術、例えば無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、Bluetooth(登録商標)およびZigbee(登録商標)を使ってもよい。
【0024】
通信技術としてはWLANが使われることが望ましい。なぜなら、WLANはシステムに必要なビットレートをサポートするからである。上記のように、システムは複数の制御器を含んでもよく、これらの制御器の各々は中央制御サーバと通信することを必要としてもよい。中央制御サーバと複数の制御器との間で交換されるデータパケットの総量は足し合わされてもよい。本発明者らは、WLANはこうしたタイプの通信をサポートすることを見出した。
【0025】
ある実施の形態では、コントローラの各々は、最大32個のプッシャーボディ変位装置を制御し、例えば8個以上32個以下のプッシャーボディ変位装置を制御し、より好ましくは8個以上16個以下のプッシャーボディ変位装置を制御するように構成される。
【0026】
原理的には、制御の観点では、1つのコントローラで制御できるプッシャーボディ変位装置の数に上限はなくい。一方、部品点数を最小限に抑える観点では、1つのコントローラで制御できるプッシャーボディ変位装置の数は、多ければ多いほどよい。しかし、何らかの理由でコントローラが故障した場合、そのコントローラによって制御されるすべてのプッシャーボディ変位装置が制御不能となり、これらのプッシャーボディ変位装置に関連するコンベヤの細長い運搬体上の製品を仕分けすることができなくなる。そのような観点では、1つのコントローラで制御するプッシャーボディ変位装置の数は、適度な数に抑えることが望ましい。実用的なテストによれば、制御不能となる運搬体の数が、同時に32個までであれば、システムの効率に深刻な影響を与えることなく許容できることが示されている。
【0027】
コンベヤの搬送方向に沿って測定した場合、第1の一対の定置型放射ケーブルの全長が100メートルを超え、好ましくは300メートル未満である。
【0028】
移動可能なコントローラがピックアップするために、放射ケーブルが信号を「漏洩」するとき、信号の強さは、放射ケーブル長さが長くなるにつれて弱くなる。放射ケーブル長さが長くなるにつれ、ケーブルの端で十分に強い信号を得るためには、APから放射ケーブルへの信号電力は次第に高くなるはずである。実際には、1本のケーブルの最大長は約150m、好ましくは約125mが最適であることが分かっている。対のケーブルは反対方向に延びるので、この場合、1対あたりの最大総延長は約300m、好ましくは約250mになる。
【0029】
更なる実施例では、システムは、さらなる第2のAPに接続された第2の一対の定置型放射ケーブルをさらに備える。従ってシステムは少なくとも2対の定置型放射ケーブルと、少なくとも2台のAPと、を備える。この例では、定置型放射ケーブルの対は、互いに部分的に重なり合うか、または互いに真後ろに配置される。経路の長さは、少なくとも200メートルである。
【0030】
さらなる実施の形態では、APに対して搬送方向に延びる放射ケーブルの長さは、APに対して搬送方向と反対方向に延びる放射ケーブルの長さの50%以上200%以下、好ましくは70%以上150%以下、より好ましくは90%以上110%以下である。
【0031】
好ましくは、搬送方向と反対方向に延びる放射ケーブルは、搬送方向に延びる放射ケーブルとほぼ同じ長さを有する。しかし、原理的には、一方のケーブルが他方のケーブルよりも例えば最大3倍、または最大2倍長くてもよい。好ましくは、一方のケーブルの外端は経路の始点まで延び、他方のケーブルの外端は経路の終点まで延び、APはこれらの端の間に配置される。
【0032】
さらなる実施例では、システムはさらに、APと通信するように配置された第2の一対の定置型放射ケーブルを備える。第1の一対の定置型放射ケーブルは、第2の一対の定置型放射ケーブルと平行に配置される。第2の一対の定置型放射ケーブルの一方の放射ケーブルは、APに対して搬送方向に延び、第2の一対の定置型放射ケーブルの他方の放射ケーブルは、APに対して搬送方向と反対方向に延びる。第2の一対の定置型放射ケーブルは、複数の可動コントローラと通信するように配置される。
【0033】
本実施例は、2対の固定ケーブルが互いに平行に(すなわち上方から見て隣り合うように)配置されている状況に関連する。両方の対が、1つの同じAPに接続されることもある。しかし後述するように、2つの対が、2つの異なるAPに接続されることもある。2対の放射ケーブルがある場合、冗長システムが有利に提供され、ケーブルの一方に障害が発生しても、障害が発生したケーブルの機能を冗長ケーブルが引き継ぐことができる。これにより、システムの障害が発生しない。従って、システム全体のダウンタイムが大幅に短縮される。
【0034】
さらなる実施の形態では、システムは、中央制御サーバと通信するように配置され、定置型放射ケーブルの第1の組に接続された第2の定置型アクセス・ポイント(AP)をさらに備える。
【0035】
このようにして、冗長システムが提供される。この場合、APの1つに障害が発生しても、障害が発生したAPの機能を冗長APが引き継ぐことができる。これにより、システムの障害が発生しない。従って、システム全体のダウンタイムが大幅に短縮される。
【0036】
さらに別の例では、システムは2対の放射ケーブルで構成される。ケーブルは、(上述のように)互いに平行に配置されるとともに、(上述のように)2台のAPを備える。放射ケーブルの各々が、APの各々に接続される。これにより、最適な冗長性が得られる。従って、さらに複数の入力を送信し、複数の出力を受信することができる。
【0037】
APが2台ある場合、1台目のAPの通信周波数帯域と、2台目のAPの通信周波数はと異なることが望ましい。放射ケーブルが2つ以上のAPに接続されている場合、干渉を避けるため、2つの異なる周波数帯域が重ならないようにする。
【0038】
好ましくは、各周波数帯域は、5GHz帯域内、特に5.1GHzから5.8GHzの間にある。有利なことに、この帯域幅は、現在のところ比較的十分に利用されていない。このため、この周波数帯域を使用すれば、他の信号との干渉(すなわち「ノイズ」)を比較的小さく抑えることができる。
【0039】
上述のように、放射ケーブルの長さは最大150mであることが望ましい。
【0040】
さらなる実施の形態では、1つ以上のコントローラの各々が、仕分けパラメータに基づいてプッシャーボディ変位装置を制御するために配置されており、
仕分けパラメータは、
-アウトフィード角度、すなわち搬送方向と、製品仕分けシステムに接続されたアウトフィードのアウトフィード方向と、の間の角度
-アウトフィードの幅
-アウトフィードの位置
-アウトフィード上での仕分けされる製品の予想速度
のいずれかである。
【0041】
この場合、複数のコントローラの各々は、仕分けパラメータのいずれかに基づいて、対応するプッシャーボディの仕分けプロファイルを決定するために配置されてもよい。仕分けプロファイルは、対応する細長い運搬体に対するプッシャーボディの位置に関連する。
【0042】
本発明者らは、対応する細長い本体から特定の製品を押し出すための効果的な方法を決定するために、仕分けパラメータを考慮に入れることが有益であり得ることを見出した。
【0043】
仕分けパラメータは、アウトフィードの角度、アウトフィードの幅、アウトフィードの位置、および/またはアウトフィード上で仕分けされる製品の予想速度のような、システム自体のパラメータに関する。これらの種類のパラメータは、特定の製品を仕分けするとき、すなわち特定の製品を対応する細長い本体から押し出すときに考慮されることがある。
【0044】
例えば、対応するプッシャーボディの出口速度を決定するために、アウトフィード上で仕分けされる製品の予想速度がコントローラで考慮されてもよい。すなわち、対応するプッシャーボディの出口速度が、仕分けされる製品の予想速度に同調されると有益となり得る。
【0045】
コントローラの各々は、
-対応するプッシャーボディが仕分けされる製品に対向するかまたはその製品に近接するような初期位置に置かれるように、プッシャーボディ変位装置を用いて、該対応するプッシャーボディを制御するか、
または、
-対応するプッシャーボディが初期位置から始まる仕分けプロファイルに従うようにプッシャーボディ変位装置を制御することにより、仕分け位置において、仕分けられる製品を仕分ける
プッシャーボディを初期位置に制御し、第2のステップにおいて、対応するプッシャーボディが決定された(または予め定められた)仕分けプロファイルに従うように製品を仕分けすると有益であることが見出された。仕分けプロファイルは、仕分けパラメータに基づいてコントローラによって決定されてもよいし、例えば、システムのオペレータによって予め決定されてもよい。以上により、製品の効率的な仕分けが可能となり、エラーのリスクが低減される。
【0046】
本発明の第2の態様は、前述のいずれかの製品仕分けシステムを用いて、仕分けされるべき製品を仕分けする製品仕分け方法である。この方法は、
-コントローラのうちの1つ用いて、少なくとも1つの定置型APおよび定置型放射ケーブルを介して、中央制御サーバから、仕分けされるべき製品がコンベヤから押し出されるべき仕分け位置に関する仕分け先データを受信するステップと、
-受信した仕分け先データに従って、コントローラの1つを用いて、対応するサーボモータを駆動することにより、仕分け位置においてプッシャーボディ変位装置を制御するステップと、を含む。
【0047】
本発明の第1の態様に関して開示された利点および定義は、仕分け対象製品を仕分けする方法である本発明の第2の態様にも対応されることに留意されたい。
【0048】
ある実施の形態では、
受信するステップは、
-少なくとも1つの仕分けパラメータを受信するステップ
を含み、
仕分けパラメータは、
-アウトフィード角度、すなわち搬送方向と、製品仕分けシステムに接続されたアウトフィードのアウトフィード方向と、の間の角度
-アウトフィードの幅
-アウトフィードの位置
-アウトフィード上での仕分けされる製品の予想速度
のいずれかである。
さらに制御するステップは、上記のいずれかの仕分けパラメーターに基づいて実行される。
【0049】
本発明の第3の態様は、命令を記憶したコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラムプロダクトである。この命令は、コントローラによって実行されたとき、コントローラに前述のいずれかの方法を実施させる。ことを特徴とするコンピュータプログラムプロダクト。
【0050】
以下、本発明の複数の可能な実施の形態に基づいて、下記の図面を参照しながら、さらに詳細を説明する。同様のパーツまたは特徴には同様の符号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】本開示係る製品仕分けシステムの概略的な側面図である。
図2】本開示係る製品仕分けシステムの概略的な上面図である。
図3】本開示係る製品仕分けシステムの一部を形成する運搬体-プッシャーボディの組み合わせの概略的な側面図である。
図4】本開示に係る製品仕分けシステムの一部として提供される通信アーキテクチャの高レベルデザイン図である。
図5】本開示に係る製品仕分けシステムの一部として提供される通信アーキテクチャの別の高レベルデザイン図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、製品仕分けシステム1の非常に概略的な概観を側面図で示す。しかし図1には製品は示されていない。製品仕分けシステム1は、エンドレスタイプのコンベヤ11で構成されている。コンベヤ11は、ここでは2つのコンベヤ変位装置124によって駆動される。しかし、そのうちの1つはガイドであってもよく、その場合他方だけが実際にコンベヤ11を駆動する。実際、通常、コンベヤ変位装置は、コンベヤの下流側で、搬送経路の終点付近にのみ存在する。コンベヤ11は、搬送方向Tに駆動される。図では、コンベヤ11の長さは(少なくとも高さに比べて)比較的小さいように見えるが、当業者であれば、実際には長さは原則的に無制限であり、例えば数百メートル、例えば100メートル以上、例えば200メートル、250メートル、300メートルまたはそれ以上であってもよいことを理解するであろう。コンベヤ11は、コンベヤ11の経路の始点120からコンベヤの経路の終点121まで搬送方向Tに移動し、製品を搬送する上部ループ部122を有する。コンベヤ11はまた、搬送方向Tに逆らって移動し、経路の終点121から経路の始点120に戻るリターンループ部123を有する。
【0053】
図では、経路は直線経路として示されているが、当業者であれば、経路は代替的にあらゆる種類のねじれ、曲がり、曲線、その他の非直線部分を有していてもよいことを理解するであろう。ここに示されているコンベヤ11は、2つのコンベヤ変位装置124を備えているが、特にコンベヤ11が比較的長い場合には、より多くのコンベヤ変位装置124が設けられてもよく、例えばコンベヤ11がエンドレスループの複数のセクションから構成されてもよいことを、当業者であれば理解するであろう。
【0054】
経路の始点120の近くには、切込み119が設けられている。以下に詳しく説明するように、経路に沿って複数のアウトフィードと仕分け位置とが設けられている。
【0055】
図1にはさらに、多数の運搬体-プッシャーボディの組み合わせ115が示されているが、参照されているのは1つだけだが、このような組み合わせ115が多数あることが分かる。この図では側面からしか見えない組み合わせ115は、搬送方向Tに垂直な方向に延び、次々に配置され、異なる組み合わせ115が互いに平行に延びている。組み合わせ115は、より詳細に後述するように、製品が保持される運搬体113(以下、スラットと称する)と、運搬された製品をスラットから押し出すことができるプッシャーボディ114(以下、シューと称する)とからなる。
【0056】
経路に沿ってさらに、アクセスポイント(AP)14と、AP14に対して搬送方向Tに延びる放射ケーブル15と、AP14に対して搬送方向Tとは逆に延びる放射ケーブル16と、が見える。これらの放射ケーブル15、16とAP14の機能については後述する。
【0057】
図2に目を向けると、システム1の上面図が示されている。ここには、コンベヤ11の上部ループのみが示される。ここでも、コンベヤ11によって定義された経路の始点付近に切込み119があるのが見える。切込み119から、製品Pがコンベヤ11上に置かれる。コンベヤ11は、図1からも明らかなように、多数のスラット113から構成されている。スラット113は次々に配置され、搬送方向Tに垂直な方向に互いに平行に延びている。必須ではないが典型的な例として、1つの製品Pが複数のスラット113によって運ばれる。また、容易に理解できるように、各スラット113にはシュー114が取り付けられている。先に図1を参照して説明したように、シュー114とスラット113とは、運搬体-プッシャーボディの組み合わせ115(以下、単に組み合わせと呼ぶ)を形成する。図から分かるように、スラット113上のシュー114の位置は静的ではなく、シュー114は、当業者に公知の方法で、スラット113に対して、特にSで示される仕分け方向に移動することができる。仕分け方向Sは、ここでは搬送方向Tに垂直である。仕分け方向Sは、一般的には搬送方向Tに直角であるが、必ずしも直角でなくてもよい。
【0058】
経路に沿って、2つの仕分け位置111、112が示されている。仕分け位置111、112にはアウトフィード118が設けられ、このアウトフィード118は、当該技術分野で公知の方法で製品Pを収集することができる。以下に詳述するように、中央制御サーバは、製品Pが「正しい」または「所望の」仕分け位置111、112でコンベヤ11から押し出されるように、シュー114の動作を制御する。
【0059】
より具体的には、シュー114の動作は、アウトフィード118のアウトフィード角度α、すなわち仕分け搬送方向Tとアウトフィード方向Dとの間の角度、および/またはアウトフィード118の幅W、および/またはアウトフィード118の仕分け位置111、112、および/またはアウトフィード118上で仕分けされる製品の予想速度のいずれかである、いわゆる仕分けパラメータに基づいてもよい。
【0060】
特に、1つ以上のコントローラがシステムの一部として提供されてもよい(後述する)。コントローラの各々は、上述の仕分けパラメータのいずれかに基づいて、コントローラによって制御される対応するシュー114の仕分けプロファイルを決定するために配置される。仕分けプロファイルは、特に、組み合わせ115の対応するスラット113に対する、シュー114の位置に関連する。
【0061】
上に示したシステムの特定の利点の1つは、このようにして、各シュー114が、仕分けプロセスを個々の製品にマッチできるように、個別に、個々に、独立して制御され得ることである。
【0062】
次に図3に目を向けると、シュー114をスラット113に対して移動するための多くの方法の一つが示されている。ここに示された特定の実施の形態以外に、スラット113に対してシュー114を動かす、図示されていない他の多くの方法が当業者に知られている。従って本開示は、シュー114を操作する特定の方法に限定されないことに留意されたい。このような図示しない方法の例に、ベルト伝動や、シュー114内またはシュー114上に設けられたサーボモータによる直接伝動などがある。
【0063】
次に、図3は、スラット113と、スラット113に対して2つの反対仕分け方向Sに相対的に移動可能なシュー114と、の組み合わせ115を示している。このような移動のために、組み合わせ115は、スラット112の下面に、プッシャーボディ変位装置116(この特定の例ではスピンドル伝動装置)を備えている。スピンドル伝動装置116は、ねじ付きスピンドル126と、ねじ付きスピンドル126を取り囲んでこれに係合するナット127と、を含む。ナット127は、その下側で、プッシャーシュー114に接続されている。プッシャーボディ変位装置116は、さらに、電気モータであるサーボモータ117を含み、このサーボモータ117は、直交伝動装置125を介して、スラット113とその一端とを剛性的に連結し、ねじ付きスピンドル126の一端に連結されている。
【0064】
反対側の端部では、ねじ付きスピンドル126は、スラット113に剛性的に連結された軸受体128に回転可能に取り付けられている。サーボモータ117の起動により、ねじ付きスピンドル126は、回転する両頭矢印で示された2方向のうちの1方向に、符号の付されていない中心線の周りに回転する。ナット127とプッシャーシュー114との間の結合により、シュー114もまた、スラット113の長手方向に平行な、2つの反対向きの仕分け方向4のうちの1つに移動する。
【0065】
サーボモータ117は、例えば、ここでは図示されないバッテリーによって駆動される。このようなバッテリーの充電は、例えば誘導的であってもよく(すなわち非接触であってもよく)、摺動接点によって行ってもよい。
【0066】
次に図4に目を向けると、本発明の基礎となる基本原理が概略的に示される。本発明の基本原理は請求項1で定義されるが、請求項の必須要件以上の特徴を含む、より有利な実施形態が図4に示される。図4には、2つのアクセスポイント14、19が示されており、各アクセスポイント14、19は、コンバイナ20を介して、両側で、2つの放射ケーブル15、16、17、18(以下、漏洩同軸ケーブル15、16、17、18と呼ぶ)に接続されている。図4には示されないが、実際には、漏洩同軸ケーブル15、16、17、18は、コンベヤ(コンベヤの搬送方向を指す一般的な符号Tで示される)に平行に配置される。漏洩同軸ケーブル15、16、17、18は、対になって配置される。第1の対は上側の漏洩同軸ケーブル17、18によって形成され、第2の対は下側の漏洩同軸ケーブル15、16によって形成される。対は互いに平行に配置されている。各対は、AP14、19に対して搬送方向Tに延びる1本の漏洩同軸ケーブル15、17と、AP14、19に対して搬送方向Tの反対方向に延びるもう1本の漏洩同軸ケーブル16、18とを有する。
【0067】
漏洩同軸ケーブル15、16、17、18の各々の全長は、コンバイナ20への接続位置からその反対側の端部まで測定したとき、最大150メートル、例えば最大約125メートルであってよい。1対の漏洩同軸ケーブルの全長は、搬送方向Tに延びるケーブル16、18のコンバイナ20の遠方側の外側端部から、搬送方向Tに延びるケーブル15、17のコンバイナ20の遠方側の外側端部まで測定したとき、最大300メートルであってもよく、例えば100メートルよりも長くてもよい。
【0068】
搬送方向Tに延びる漏洩同軸ケーブル15、17の長さは、逆方向に延びる漏洩同軸ケーブル16、18の長さとほぼ等しくてもよい。あるいは、一方のケーブルの長さは、他方のケーブルの長さの最大3倍、例えば最大2倍であってもよい。
【0069】
第1のAP14の通信周波数帯域は、第2のAP19の通信周波数帯域と異なっていてもよい。
【0070】
次に図5に目を向けると、再び多数のスラット113が示される(ただし、参照されているのは2つだけである)。スラット113の各々、またはその一部だけが、シュー114と関連しており、この図ではそのうちの2つだけが示される。上述のように、スラット113はコンベヤを形成し、搬送方向Tに移動する。上述のように、シュー114は、スラット113に対して搬送方向Tに直交する仕分け方向Sに移動可能である。
【0071】
図5の下部に概略的に示されるように、中央制御サーバ12がある。中央制御サーバ12は、必ずしもコンベヤと同じ部屋または建物に存在する必要はない。中央制御サーバ12は、通信アーキテクチャーの「マスター」であり、仕分けされるべき製品が載っている運搬体113から押し出されるべき仕分け位置に関連する仕分け先データを送信する。これは、最終的にシュー114がどのように操作されるべきかを決定する要素である。中央制御サーバ12は、第1のAP14および第2のAP19と通信可能に接続されている。各AP14、19は、一対の漏洩同軸ケーブル15、16、17、18に接続されている。第1のAP14は、コンバイナ20を介して、第1の対の漏洩同軸ケーブル15、16に接続される。第2のAP19は、コンバイナ20を介して、第2の対の漏洩同軸ケーブル17、18に接続される。各対のうち、1本の漏洩同軸ケーブル15、17は搬送方向Tに延び、1本の漏洩同軸ケーブル16、18は搬送方向Tとは反対側に延びる。
【0072】
AP14、19および漏洩同軸ケーブル15、16、17、18は、固定された世界に対して静止している。これに対して、コンベヤに関連する要素、中でも組み合わせ115、シュー114、スラット113、サーボモータ117、コントローラ13、およびコントローラアンテナ131は、固定された世界に対して移動する。漏洩同軸ケーブル15、16、17、18は、コントローラ13(例えば、コントローラアンテナ131)と通信することによって、この固定された世界とこれらの移動する構成要素との間の通信を提供する。例えば、アンテナは内蔵アンテナであってもよい。
【0073】
このように中央制御サーバ12と通信可能に配置されたコントローラ13は、中央制御サーバ12から送信された目的地データをピックアップし、当該目的地データに応答して、シュー114に関連する2つ以上のサーボモータ117の動作を制御する。
【0074】
図から分かるように、各コントローラ13は、例えば最大32個のサーボモータを制御する。有利なことに、1つのコントローラ13で制御されるサーボモータ117のグループは、デイジーチェーン構成で互いに結合される。
【0075】
当業者に理解されるように、このように配置されたコントローラ13の各々は、以下のために配置される:
-プッシャーボディ変位装置およびそれに関連するサーボモータを介して、シュー114を、対応するシューが仕分けされる製品に対向する(またはそれに近接する)初期位置に制御する。
-対応するシューが初期位置から始まる確立された仕分けプロファイルに従うように、仕分け位置でプッシャーボディ変位装置、特にそのサーボモータ117を制御することによって、仕分けされる製品を仕分けする。
【0076】
コントローラ13は、例えば、マイクロプロセッサまたはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)で構成することができる。コントローラ13は、少なくとも、例えば中央制御サーバから直接、関連するスラット113から仕分けされるべき製品が押されるべき仕分け位置111、112に関連し、少なくとも仕分け経路において搬送方向Tに見た組み合わせ115の位置に関連するデータを受信し、関連するサーボモータ117を制御するように構成される。
【0077】
コントローラ13は、前述の仕分け位置に関連するデータを記憶し、関連するスラットに対するシューの長手方向位置を決定するためのROMおよび/またはRAMをさらに備えるように構成されてもよい。
【0078】
動力伝達に関しては、仕分け装置のサイドフレームの一方にパワーレールを取り付けることができる。集電装置は、移動する運搬体に取り付けられ、運搬体に固定されたパワーピックアップユニットに接続される。
【符号の説明】
【0079】
1・・製品仕分けシステム、
11・・コンベヤ、
111・・仕分け位置、
112・・仕分け位置、
113・・運搬体、
114・・プッシャーボディ、
115・・運搬体-プッシャーボディの組み合わせ、
116・・プッシャーボディ変位装置、
117・・サーボモータ、
118・・アウトフィード、
119・・インフィード、
120・・経路の始点、
121・・経路の終点、
122・・上部ループ部、
123・・リターンループ、
124・・コンベヤ変位装置、
125・・直交伝動装置、
126・・ねじ付きスピンドル、
127・・ナット、
128・・軸受体、
12・・中央制御サーバ、
13・・コントローラ、
131・・アンテナ、
14・・アクセスポイント、
15・・放射ケーブル、
16・・放射ケーブル、
17・・放射ケーブル、
18・・放射ケーブル、
19・・アクセスポイント、
20・・コンバイナ、
α・・アウトフィード方向と搬送方向との角度、
D・・アウトフィード方向、
P・・製品、
S・・仕分け方向、
T・・搬送方向、
W・・切出し幅。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】