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特表2024-501785プラスチック材料又はバイオマスを含む廃棄物を処理する方法及びプラント
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  • 特表-プラスチック材料又はバイオマスを含む廃棄物を処理する方法及びプラント 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-15
(54)【発明の名称】プラスチック材料又はバイオマスを含む廃棄物を処理する方法及びプラント
(51)【国際特許分類】
   C10B 47/44 20060101AFI20240105BHJP
   C10J 3/00 20060101ALI20240105BHJP
   C08J 11/12 20060101ALI20240105BHJP
   B09B 3/40 20220101ALI20240105BHJP
   B09B 101/85 20220101ALN20240105BHJP
【FI】
C10B47/44
C10J3/00 Z
C08J11/12 ZAB
B09B3/40
B09B101:85
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563360
(86)(22)【出願日】2021-12-24
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 IT2021050426
(87)【国際公開番号】W WO2022144942
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】102020000032600
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523240017
【氏名又は名称】ベンツィ アンド パートナーズ エス.アール.エル.
【氏名又は名称原語表記】BENZI & PARTNERS S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110003476
【氏名又は名称】弁理士法人瑛彩知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベンツィ, ジュゼッペ
【テーマコード(参考)】
4D004
4F401
【Fターム(参考)】
4D004AA02
4D004AA07
4D004AA12
4D004BA03
4D004BA06
4D004CA07
4D004CA24
4D004CB31
4D004CB33
4D004CB42
4D004DA02
4D004DA03
4D004DA06
4D004DA07
4D004DA20
4F401AA02
4F401AA09
4F401AA10
4F401AA11
4F401AA22
4F401AA26
4F401AA27
4F401BA02
4F401BA03
4F401BA05
4F401CA02
4F401CA22
4F401CA29
4F401CA70
4F401CB04
4F401CB10
4F401CB11
4F401CB14
4F401DA01
4F401DA08
4F401DA16
4F401FA01Z
4F401FA02Y
4F401FA02Z
4F401FA20Z
(57)【要約】
固体及び液体の廃棄物を処理する熱分解プラントであって、固体及び液体の廃棄物の熱分解を行うのに適し、合成ガス又はシンガス、及び残留灰を生成する第1の区画(100);シンガスによって送られる、灰のより軽い部分、又は炭塵若しくはカーボン・ブラックをシンガスから分離するのに適した第2の区画(200);シンガスの分留を行うのに適し、瀝青残留物又はタールからシンガスの揮発性部分の分離を得る第3の区画(300);さらなる処理のために分留による瀝青残留物の再循環を行うのに適した第4の区画(400);及びシステムの故障時に自動的に介入する安全ポンプに加え、全ての安全システムを備えた第5の最終的な緊急区画を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体及び液体の廃棄物を処理するための熱分解プラントであって、
-前記固体及び液体の廃棄物の熱分解が行うのに適した第1の区画(100)であって、前記熱分解によって、合成ガス又はシンガス、及び残留灰を生じさせる、第1の区画(100)と、
-前記シンガスから、前記灰のより軽い部分、又は、炭塵若しくはカーボン・ブラックを分離させるのに適した第2の区画(200)であって、前記より軽い部分は、前記シンガスによって送られる、第2の区画(200)と、
-前記シンガスの分留を行うのに適した第3の区画(300)であって、瀝青残留物から前記シンガスの揮発性部分の分離を得る、第3の区画(300)と、
-さらなる処理のために。前記分留の前記瀝青残留物のリサイクルを行うのに適した第4の区画(400)と、
-システムが故障する事態には自動的に介入できる安全ポンプに加えて、すべての安全装置が含まれている、第5の最終的で緊急用の区画と、
を含み、
前記固体及び液体の廃棄物の前記熱分解を行うのに適した前記第1の区画(100)には、自身の軸を中心に回転するシリンダ(2)又は熱分解チャンバが含まれ、これには、
外部断熱と、
前記回転によって、前記シリンダ(2)内に収容された材料を進ませる手段であって、前記回転によって、前記シリンダ(2)内に収容された材料を進ませることを可能にする手段は、アルキメデス・スクリュー(3)を含み、
前記熱分解チャンバ(2)の第1の端部(2a)に配置された、固体の廃棄物の装填手段と、
少なくとも1つの高周波誘導発電機(6)を含む加熱手段(5)であって、前記発電機(6)はそれぞれコイル(7)と接続され、その内部で前記熱分解シリンダ(2)がゆっくりと回転し、前記コイル(7)は、少なくとも1つの前記発電機(6)によって生じた高周波誘導電流を伝達して、前記熱分解シリンダ(2)が渦電流の発生場所となって、ジュール効果によって加熱するようにした、前記加熱手段(5)と、
前記シリンダ(2)を回転させる手段と、
を備えることを特徴とした、熱分解プラント。
【請求項2】
前記シリンダ(2)を回転させる手段は、第1のモータ減速装置(4)を含み、
前記固体の廃棄物の装填手段は、前記熱分解シリンダ(2)の前記第1の端部(2a)に配置されて、ホッパ(8)によって供給されて、第2のモータ減速装置(10)によって回転されるオーガ(9)を含む、請求項1に記載の熱分解プラント。
【請求項3】
前記オーガ(9)は、前記固体の廃棄物を、約1:200の圧縮比で供給するとともに、前記廃棄物の種類に応じて適当な温度で予熱することによりキャップを形成して、シンガスの漏れと、前記熱分解チャンバ(2)内への酸素の浸入との双方を防ぐようにした、請求項2に記載の熱分解プラント。
【請求項4】
前記シンガスから、前記灰のより軽い部分、又は炭塵若しくはカーボン・ブラックを分離させるのに適した前記第2の区画(200)では、静置チャンバ(12)が含まれ、その中に前記熱分解チャンバ(2)から出るシンガスが集められて、さらに、少なくとも1つのダクト(15、16)が備えられて、前記シンガスを少なくとも1つのサイクロン(17、18)に向って送るようにし、その中で前記シンガスを処理して、前記シンガスによって送られる前記炭塵又はカーボン・ブラックからの分離を行うようにして、さらに、前記少なくとも1つのサイクロン(17、18)の下部開口部(17a、18a)から前記炭塵を排出させるとともに、上部開口部(17b、18b)から浄化されたシンガスを排出させるようにした、請求項1に記載の熱分解プラント。
【請求項5】
前記シンガスの分留を行うのに適した前記第3の区画(300)には、コラム(19)が含まれ、
前記コラム(19)の下方にダクト(20)及び(21)が配置されて、それらを通って、前記分離サイクロン(17)、(18)から出るシンガスを流入させ、
前記コラム(19)の上方に出口(22)が配置されて、それを通って、歴青残留物又はタールから分離された後にシンガスを流出させ、前記シンガスをブロワに向って送り、前記ブロワは、前記熱分解チャンバ内にわずかな押し下げを生じさせて、前記シンガスを洗浄コラムに向って送るようにし、
前記コラム(19)の下方に出口(23)が配置されて、それを通って、前記歴青残留物を排出させ、
前記分留コラム(19)は、さらにダクト(24)を備えて、前記分留コラム(19)の上方に接続させて、その中に冷却水を流入させて、その水がコイル(26)を横切って、加熱蒸気の形態で、ダクト(27)から流出するようにした、
請求項1に記載の熱分解プラント。
【請求項6】
前記分留の前記瀝青残留物のリサイクルを行うのに適した前記第4の区画(400)には、
前記瀝青残留物が挿入される、第3のモータ減速装置(30)によって駆動されるターボ・ミキサ(29)と、
前記サイクロン(17)、(18)から出るカーボン・ブラックを前記ターボ・ミキサ(29)内に挿入させるダクト(32)と、
液体の廃棄物、排出された植物油及び脂肪を前記ターボ・ミキサ(29)に挿入させるダクト(34)と、
が含まれ、
前記ターボ・ミキサ(29)内で生成されたエマルジョンが、熱分解チャンバ(2)に挿入されるようにし、
前記第4の区画(400)は、さらに、導管(40)を含み、それを通って、前記分留コラム(19)から出る過熱蒸気が、前記導管(27)を通って、前記熱分解チャンバ(2)内に挿入されるようにした、
請求項1に記載の熱分解プラント。
【請求項7】
プラスチック材料又はバイオマスからなる廃棄物、及び分子中に炭素を含有するすべての有機材料を処分するための熱分解プラントであって、
-廃棄物供給システムと、
-請求項1乃至6のうちの任意の1項に記載の熱分解プラントであって、前記第1の区画(100)は、前記廃棄物供給システムと機能的に接続されて、アルキメデス・スクリュー(3)が備えられた、バイメタル材料からなる同心状のシリンダ(2)を含み、前記シリンダ(2)は、外的に断熱されていて、自身の軸の周りをゆっくりと回転し、前記シリンダ(2)は、前記第2の区画(200)と機能的に接続されている、熱分解プラント。
【請求項8】
前記第1の区画(100)は、1.5KHzから5KHzまでの範囲内の周波数で2つ又は複数の誘導電流発生器(6)によって加熱される反応器を備え、前記シリンダ(2)が渦電流の発生場所となって、ジュール効果により加熱するようにし、前記反応器の内部の温度を、前記熱分解プロセスが起こる650℃から750℃までの範囲内の温度にし、前記発生器(6)のそれぞれがコイル(7)に接続され、その内部で前記シリンダ(2)が回転して、その速度がPLCによって決定され、導入される各マトリックスの変換時間に従ってPLCによって計算されるようにし、
前記シリンダ(2)は、1200mmから1500mmまでの範囲内の直径と、9mから12mまでの範囲内の長さを有し、その回転に適した歯車モータによって制御されるシステムと、温度に起因する膨張を吸収するのに適したシステムとを備え、
前記シリンダ(2)は、その端部に、溝内に収容されるパッキンで断熱され、一連のスプリングによって圧力下に保たれ、前記シリンダ(2)内に第2の窒素ガス安全断熱システムを備え、さらに、熱電対及びレーザ・プローブによる連続的な温度制御と、真空ポンプのシステムによる内圧の制御とを備えて、前記シリンダ(2)及び最終的な前記静止チャンバ(12)を外部大気圧に対して約0.7ミリバールのわずかな押し下げに保つようにし、
前記シリンダ(2)と、加熱システム、並びに、移動及び制御システム(5)は、ファラデーケージの内側に配置されて、内部誘導電流を外部から隔離させた、
請求項7に記載の熱分解プラント。
【請求項9】
前記シリンダ(2)からシンガスを受け入れるのに適した前記第2区画(200)には、静置チャンバ(12)が備えられ、そこでは、高周波電磁波によって誘導される熱化学反応が行われ、前記シンガスとより軽い部分とが、前記灰から分離され、
前記静止型又はイオン性結合チャンバ(12)には、灰の抽出を行うためのオーガのシステムが備えられ、前記オーガは、PLCによって制御されて、常に灰で満たされるようにして、ガスが逃げることと、外気が流入することとを防ぐキャップとして作用させて、さらに、最終的な部分には一方向安全弁を備えた、
請求項7に記載の熱分解プラント。
【請求項10】
前記シンガスの前記第3の冷却及び蒸留用の区画(300)は、分留コラム(19)と、遠心分離機(17、18)とによって、前記シンガスを、凝縮性部分と固体部分とに分離するように構成され、
前記第3の区画(300)には、さらに冷凍プラント又はORCシステムが備えられて、熱を回収して、エネルギに変換するようにし、
前記遠心分離機(17、18)は、冷却水から、凝縮された生成物と固体とを分離させて、その後、凝縮されて、分離された生成物を第2の蒸留用のサイクルの開始点に送るか、又は、分離された生成物をその工業用利用のために蓄えるようにした、
請求項7に記載の熱分解プラント。
【請求項11】
80℃未満に冷却されたシンガスを受け取るのに適した、前記第4の洗浄区画(400)は、水と、第1の弱酸性と、第2の弱塩基性との混合物を含む2つの冷却塔を用いて構成されて、触媒処理の完了段階にあるシンガスのさらなる冷却を行い、その処理を通じて、PHを6から7までの範囲内の値に保つことを確保させて、凝縮された高沸騰炭化水素は、遠心分離機によって、水から分離されて、サイクルの開始点に戻されるようにし、続いて、このガスは、活性炭の濾過コラム内を通って、湿度を失うようにし、さらに、前記第4の区画(400)には濾過システムが備えられて、汚染物質の形成を排除するようにした、
請求項7に記載の熱分解プラント。
【請求項12】
前記第5の最終区画では、緊急時には、生成されたシンガスが、洗浄後に、緊急トーチに送られて、前記誘導発生器(6)が自動的にスイッチがオフにされて、前記熱分解チャンバ(100)及び前記静置チャンバ(12)が窒素ガスで洗浄されるようにし、
前記第5の安全区画には、故障の事態には、前記熱分解チャンバ(100)の緊急用のトーチまでガスを送るように構成された適当な弁を備えた緊急接続システムが備えられ、
前記第5の区画には、さらに、分離による窒素の生成用のプラントと、関連する窒素の貯蔵タンクとが含まれている、
請求項7に記載の熱分解プラント。
【請求項13】
固体及び液体の廃棄物を処理する方法であって、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のプラントを用い、
前記方法は、前記固体及び液体の廃棄物の熱分解処理を行って、合成ガス又はシンガス、及び不活性残留物が得られるようにし、
前記方法は、
前記熱分解生成物を分留に供して、前記分留による瀝青残留物又はタールを新しい熱分解サイクルに送り、
前記固体の廃棄物は、プラスチック材料とバイオマスを含み、熱分解チャンバ(2)内に直接的に装填されて、そこで、前記熱分解処理に供せられ、
前記液体の廃棄物は、排出された油及び脂肪を含み、これらは、熱分解生成物の分留から送られる前記瀝青残留物又はタールとの混合後に、前記熱分解チャンバ(2)内に挿入されるようにした、
方法。
【請求項14】
プラスチック材料又はバイオマス、及び分子中に炭素を含有する全ての有機材料を含む廃棄物を処理する方法であって、
請求項13に記載の方法に従い、
請求項7乃至12のいずれか1項に記載のプラントを用い、
前記方法は、
電場中に分子が導入されると、その分子は、その双極子に従って、それ自体で向きを定め、そして、電場が繰り返し逆転されると、その場の各反転に対して、その分子が、それ自体、再配置するように強制されて、その分子の加熱が引き起こされるようにし、このことは、その分子の共鳴周波数がより近いほど効率的となるが、しかし、その周波数が共鳴周波数と異なっていても、依然として、加熱は生じる、という原理に依拠し、
前記方法は、まず、電場中の分子が分離するまで加熱されることで、CO-CO-H-Oを主成分とする、合成ガス又はシンガスを生じさせて、それに続いて、前記シリンダ(2)が、誘起された電磁場の影響により、指向性アンテナとして機能して、温度により生じた分子構造の乱れが、高周波によって生じたエネルギの寄与を受けて、シンガスの成分が強くイオン化されて、過熱蒸気と相互作用して、新しい規則構造を形成するようにし、これは、主にCH4に由来する高周波のPLC制御によって処理されるようにした、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック又はバイオマス材料を含む固体の廃棄物、特に排出された植物油及び脂肪を含む液体、並びに分子中に炭素を含有する全ての有機材料を処理するための方法及びプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物処理は深刻な問題であるが、その理由として、埋立地を見つけることがますます困難になっていることがある。加えて、焼却は高コストであって、しかも正しく行われない場合には、環境汚染をもたらす虞があるからである。
【0003】
処理プラントの内、廃棄物利用エネルギ・プラントとして知られているものは、プラスチック材料を燃料として利用して、熱を生成するように構成されており、また、バイオマス処理プラントとして知られているものは、発酵作用を通じて、燃料ガスを生成するように構成されている。
【0004】
国際公開第2016/006010号では、その独立請求項の前段部に、装置と方法とについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2016/006010号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1の好適な形態では、プラスチック材料、バイオマス、及び排出された植物油及び脂肪を処理する新しい手法を提案するが、熱分解処理によって、燃料ガスを得ることを可能にするする。
従って、本発明は、各独立請求項に記載のように、方法と、当該方法を実行可能にするためのシステムとを提案する。
【0007】
特に、本方法では、処理対象の固体及び液体の廃棄物を熱分解処理に供して、燃料合成ガス又はシンガス(syngas)の抽出を可能にするとともに、埋立処分の問題を生じさせないように、不活性の残留物を得るようにする。
【0008】
本実施形態では、プラントは、基本的に以下を含む。即ち、
-廃棄物の熱分解が行われて、合成ガス(又はシンガス)と残留灰とが生成される、第1の区画と、
-上記シンガスによって送られる上記灰のより軽い部分、又は、炭塵若しくはカーボン・ブラックが、上記シンガスから分離される、第2の区画と、
-上記熱分解生成物の分留(又は分別蒸留)が行われて、高沸騰した炭化水素、つまり、瀝青(又はビチューメン)残留物(又はタール)が得られる、第3の区画と、
-上記分留の瀝青残留物が、さらなる処理のためにリサイクル(又は再循環)されて、上記瀝青残留物が上記液体の廃棄物と混合可能になる、第4の区画と、
-システムが故障する事態には自動的に介入できる安全ポンプに加えて、すべての安全装置が含まれている、第5の最終的で緊急用の区画と、が含まれる。
【0009】
熱分解チャンバは、基本的に、加熱される特殊な鋼管を含むとともに、固体の塊が熱分解処理に供されるように、その移動と制御された前進とを行うための機械化システムを備えている。この管は、セラミック・ファイバーを用いて外的に断熱されており、モータ減速装置によって、自身の軸を中心にゆっくりと回転するようにされている。
【0010】
このシステムの特徴として、エネルギ的に自給自足的であるが、それは、生成された燃料ガスの一部を利用して、内燃機関への動力を供給することで、交流発電機(又はオルタネータ)を駆動させており、それによって、熱分解チャンバを加熱して、プラントの操作に必要な全ての装置を動作させるために用いられる電気を供給する。
【0011】
本発明に係る方法とプラントとを用いることで、最終的には、固体及び液体の廃棄物を、可燃性ガス及び不活性残留物に変えることを可能にする。可燃性ガスの一部は、全プラントの動作に必要なエネルギを生成するために用いられる一方、残留物の不活性部分(その容量又は体積は、廃棄物の当初の量と対比してはるかに低くめられている)は、特別な問題を生じさせることなく、埋立地に処分されることを可能にしているが、それは、上記灰の量を減らして、汚染されないようにしたためである。
【0012】
第2の好適な実施形態では、本発明は、有機炭素を含有する材料からメタンガスを生成するための、方法及び工業プラントに関する。
【0013】
本プラント及び方法は、新しい種類の、電磁場中での、ゆっくりとした湿式熱分解を基本的に実現させながら、全ての有機材料をガス化することを可能にし、大気中への放出を行わないようにする。
【0014】
熱分解とは、温度のみの影響によって生じて、外部から酸素を供給することなく、有機物質を熱化学的に分解するプロセスのことである。
【0015】
本実施形態のプラント及び方法の動作(又は操作)が依拠する原理では、電場中に分子が置かれると、その分子は、それ自体、その双極子に従って向きを定め、そして、電場が繰り返して逆転されると、その場の各反転に対して、その分子が、それ自体、再配置するように強制されるため、その分子の加熱が引き起こされる。このことは、その分子の共鳴周波数がより近いほど効率的となるが、しかし、その周波数が共鳴周波数と異なっていても、依然として、加熱は生じる。
【0016】
また、本実施形態では、プラントは5つの区画(又はセクション)から成り、はじめに、第1の区間では、主にCO-CO-H2-Oを主成分とする合成ガス(又はシンガス)の生成を伴うように、電場内の分子が分裂するまで加熱される。その後、第2の区画では、誘起された電磁場の影響により、第1の区画のシリンダが指向性アンテナとして機能して、温度により生じた分子構造の乱れが、高周波によって生じたエネルギの寄与を受けて、シンガスの成分が強くイオン化されて、過熱蒸気と相互作用して、新しい規則構造を形成するが、これは、主にCH4に由来する高周波のPLC制御によって処理される。
【0017】
本プラントは、外部から隔離されたファラデーケージ(又はファラデーの籠)内に収容される。
【0018】
本プラントの主な特徴では、大気中への放出が無いことに加えて、エネルギ的に自足自給的に構成されており、生成されたガスの一部を利用して、内燃機関又はタービンに動力を供給して、それによって交流発電機を作動させることで、熱分解チャンバを加熱して、システムの動作に必要なすべての装置を作動させるために用いられる電気を供給可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、熱分解システムの機能図を例示した図であって、非限定的な例として、本発明を説明するための、好適な実施形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1を参照すると、参照符号(1)によって、本発明の第1の実施形態に係る熱分解プラント(又は熱分解装置)を示しているが、これは、高周波電流によって加熱される。この熱分解プラント(1)には、
-廃棄物の熱分解が行われて、合成ガス(又はシンガス)が生成されて、その処理の残留灰が排出される、第1の区画(100)と、
-シンガスによって送られる上記灰のより軽い部分(又は炭塵若しくはカーボン・ブラック)が、上記シンガスから分離される、第2の区画(200)と、
-熱分解生成物の分留(又は分別蒸留)が行われて、高沸騰した炭化水素又は瀝青残留物(又はタール)が得られる、第3の区画(300)と、
-上記分留の瀝青残留物が、さらなる処理のためにリサイクル(再循環)される、第4の区画(400)と、
-システムが故障する事態には自動的に介入できる安全ポンプに加えて、すべての安全装置が含まれている、第5の最終的で緊急用の区画(500)と、
が含まれる。
【0021】
第1の区画(100)には、シリンダ(2)又は熱分解チャンバが含まれるが、これは、自身の軸を中心に回転し、外的に断熱材が備えられるが、例えば、セラミック・ファイバーが備えられる。このシリンダの中には、窒化によって表面硬化されているアルキメデス・スクリューのフィニング(又は螺旋翼)(3)が溶接される。
【0022】
シリンダ(2)は、第1のモータ減速装置(4)によって回転するように設けられており、かつ加熱手段(5)によって内部加熱されるが、例えば、680℃から750℃までの範囲内の温度で、固形物(固体の塊)を熱分解可能にしている。
【0023】
好適な実施形態では、熱分解チャンバ(2)の内径は、好ましくは、650mmから950mmまでの範囲内にあり、その長さは、好ましくは、6000mmから8000mmまでの範囲内にあり、かつ、例えば、毎分に1回転から3回転まで間の速度で回転する。さらに、加熱手段(5)には2つの誘導発電機(6)が備えられるが、それぞれ、1.5kHzから2.5kHzまでの範囲内で変動可能な高周波(又は無線周波数)で、80kWから120kWまでの範囲内の電力で動作しており、2つの誘導発電機(6)のそれぞれがコイル(7)と接続されて、その内部で、熱分解シリンダ(2)がゆっくりと回転するようにしている。2つのコイルは、2つの発電機によって生成された高周波の誘導電流を伝達するが、シリンダ(2)が渦電流の発生場所となって、ジュール効果により加熱するようにしている。
【0024】
上記温度制御は、熱分解チャンバ(2)の入口及び中央に配置された2つのレーザ・プローブ(図示略)を用いて行われる。2つの制御点は、それぞれ、3つの連続する調査点から成る。
【0025】
シリンダ(2)の第1の端部(2a)にてシリンダ(2)への装填が行われるが、その際、ホッパー(8)を用いて、オーガ(又はスクリュー又は螺旋状の器具)(9)に供給し、後者は、第2のモータ減速装置(10)によって回転される。
【0026】
熱分解チャンバ(2)には、その入口にて、材料が装填されている。処理対象の廃棄物が固体の場合には、最初に、それは約1cmの大きさの小片に細断され、そして、好適には1:150から1:250までの範囲内の圧縮率と、調節可能な速度とで、オーガ(9)を用いて装填される。一方、廃棄物が液体の場合には、以下で詳述されるように、リサイクルが行われる区間(400)内に装填される。
【0027】
ホッパー(8)内に装填されて、オーガ(9)から圧力下で挿入される材料は、シリンダー(2)の内部に到達するが、その回転は、アルキメデス・スクリュー(3)と組み合わせられており、その材料をシリンダー(2)の第2の端部(2b)に向かって押し込む。
【0028】
シリンダ(2)に沿った経路上で、680℃から750℃までの範囲内の温度で、プラスチック材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS、PET、ポリスチレン、ポリウレタン、又はバイオマス(例えば、木材、下水汚泥、稲わら等)を主成分とする固形廃棄物が熱分解されて、固体とガス(又は気体)の混合物が生成される。シンガスとしても参照されるガス状の部分には、H2、CO、CO2 CH4の混合物(室温での揮発性部分)が含まれ、高沸騰した炭化水素、様々な分子量の酸化生成物を、蒸気及び炭塵(又はカーボン・ブラック)の形態で運ぶが、その一方、固体の部分には、極めて少量の残留灰が含まれる。
【0029】
シンガスは、開口部(11)を通って、静置チャンバ(12)に流入するが、その際、残留灰は、ダクト(13)を通って、容器(14)内に排出される。
【0030】
第2の区画(200)には、上記静置チャンバ(12)が含まれるが、ここではシンガスが、第1のダクト(15)と第2のダクト(16)とを通って、それぞれ、第1のサイクロン(17)と第2のサイクロン(18)とに送られる。上記サイクロン(17)、(18)の内部では、シンガスが処理されるが、その際、それが運ぶ炭塵(又はカーボン・ブラック)からの分離が完了される。上記炭塵は、第1及び第2のサイクロン(17、18)の下部開口部(17a、18a)から排出され、一方、このようにカーボン・ブラックから浄化されたシンガスが上部(17b、18b)から放出される。
【0031】
第3の区画(300)では、熱分解生成物の部分的な分離が行われるが、そこに含まれる分留コラム(19)には、凝縮プレート及び冷却コイルを含む様々な構成要素が含まれており、高沸騰した混合物の凝縮温度に各モジュールを保つのに必要とされる水の量が調節されており、シンガスを放出している。全ての凝縮された高沸騰物は、コラムの底部に送られている。
【0032】
分離サイクロン(17)及び(18)から送られるシンガスは、ダクト(20)及び(21)を通って、分留コラム(19)の下部に流入する。コラム(19)の中では、シンガスの揮発性部分が高沸騰した炭化水素から分離して、上記瀝青残留物(又はタール)を生じさせて、上部出口(22)から流出する一方、上記高沸騰した炭化水素は、下部出口(23)から流出している。シンガスは、ブロワー(図示略)に送られるが、それは熱分解チャンバ(2)内をわずかに押し下げて、シンガスを塩基性及び酸性の洗浄コラム(図示略)に向って送っている。
【0033】
導管(24)を通って、冷却水がコラム(19)の上部に送られるが、上記入口は、弁(25)及び電子式リットル・カウンタ(図示略)によって制御されている。その水は、次に、過熱蒸気の形態で、コイル(26)を通って、導管(27)から流出している。
【0034】
第4の区画(400)では、分留コラム(19)の下部から、ダクト(23)を通って流出する高沸騰した炭化水素と、静置チャンバ(12)の出口に配置された分離サイクロン(17)、(18)から抽出される炭塵(又はカーボン・ブラック)と、の再循環(リサイクル)が行われる。
【0035】
第4の区画(400)には、ターボ・ミキサ(29)内まで高沸騰した炭化水素を噴射するポンプ(28)が備えられているが、ターボ・ミキサ(29)は第3のモータ減速装置(30)によって作動されており、高沸騰した炭化水素の流れは、弁(31)によって調整されている。
【0036】
サイクロン(17)、(18)から送られるカーボン・ブラックは、ダクト(32)を通って、ターボ・ミキサ(29)内に導入されており、カーボン・ブラックの流れは、弁(33)によって調節されている。
【0037】
液体の廃棄物(又は排出された植物油及び脂肪)についても、ダクト(34)を通って、ターボ・ミキサ(29)内に導入されているが、液体の廃棄物はホッパー(35)内に導入されて、その流れは弁(36)によって調節されている。
【0038】
ターボ・ミキサ(29)内では、エマルジョン(又は乳状液)が生成されるが、これはダクト(37)を通ってポンプ(38)に到達すると、そこから、ダクト(39)を通って熱分解チャンバ(2)内に導入されている。ダクト(40)を通るように、分留コラム(19)から流出する過熱蒸気が、ダクト(27)を通って、熱分解チャンバ(2)内に導入されているが、その蒸気の流れは、弁(41)によって調節されている。
【0039】
ターボ・ミキサ(29)は、分離サイクロンから流出する炭素質物質と、分留コラム(19)の基部で抽出されたタールとを緊密に混合することができる。この混合物は、分留コラムのコイルから送られる過熱蒸気と共に、熱分解チャンバの入口へ再導入される。蒸気の量は、熱分解装置の入口に装填される廃棄物の10重量%から15重量%までの範囲内で変化し得る。この変動は、処理される廃棄物の性質に依拠する。この混合は、分離した回収物から送られて、ホッパー(35)内に挿入される、排出された植物油を加えることで、非常に効率的になるが、その理由は、高濃度の場合であっても炭化水素の優れた分解特性を有するからである。
【0040】
熱分解チャンバ内に存在する酸素の割合は、分析機器の種類のSYN100によって、連続的に監視、記録されるが、この機器は生成されるシンガス中のCO、CO2、H2及びCH4の割合についても検証することができる。シンガスの漏れと、熱分解チャンバ内への酸素の浸入の双方を防ぐため、オーガ(9)を用いて固体の廃棄物を高圧縮で供給して、適当な温度に(つまり、廃棄物の種類に応じて)予熱して、プラグの形成を可能にしており、それによって、空気の侵入、従って熱分解チャンバ(2)内への酸素の侵入について、システムの気密性を確保させている。充填用のホッパーとオーガとの間には回転弁が挿入されていて、空気の浸入を防いでおり、従って、熱分解プロセスに有害な酸素の浸入を防いでいる。
【0041】
熱分解チャンバ(2)は、上記ブロワによって、わずかに押し下げて保たれるが、それによって、シンガスを、塩基性及び酸性の洗浄コラムに向って送っている。この押し下げは、外圧よりも低い約0.7 mbarに等しい。
【0042】
緊急時には、洗浄後に生じたシンガスが、緊急用のトーチで開始して、誘導発生器のスイッチがオフにされて、熱分解チャンバが窒素ガスで洗浄される。
【0043】
さらに好適な実施形態では、本発明のプラントは、実質的に、以下のものを含む。即ち、
-廃棄物の供給システム(図示略)と、
-上記供給システムと機能的(又は操作可能)に接続されて、同心状のバイメタル(又は二種の金属から成る)シリンダ(2)を含む第1の区画(100)であって、上記シリンダ(2)はアルキメデス・スクリュー(3)を備えて、外的に断熱されて、自身の軸の周りをゆっくりと回転する、第1の区画(100)と、
-上記シリンダ(2)が第2の区画(200)内で終端し、そこでは、熱化学反応が完了して、上記反応のより軽い部分が灰から分離されて、シンガスによって、第3の区画(300)内に送られ、そこでは、冷却が行われるとともに、熱分解の高沸騰生成物、及び瀝青残留物、並びに残留炭素からのシンガスの分離が行われ、
-シンガスが流入して、洗浄されて、その後、使用のために送られる、第4の洗浄区画(400)と、
-システムが故障する事態には自動的に介入できる安全ポンプに加えて、すべての安全装置が含まれている、第5の最終的で緊急用の区画(図示略)と、を含む。
【0044】
特に、この装置(又はシステム)の操作では、サイロ内に収容されている破砕された固形物が、回転弁を備えた充填区画(8)に送られて、歯車モータ装置によって回転されるオーガ(9)によって、その材料が加圧されて、シリンダ内に送られ、その際、必要に応じて、少量の水分が、第1の区画内に液体の廃棄物を注入するポンプによって注入される。
【0045】
上記材料は、シリンダ(2)の内側に到達するが、その導入部には、塊の形成を防ぐように構成された掻取システムが備えられている。歯車モータ群によってシリンダ(2)が回転されることにより、材料がチャンバの対向側に向かって押されて、その際、内部に備えられたアルキメデス・スクリュー(3)によって、経路(シリンダの1回転毎に300mm)の間に、全ての有機部分がシンガスに変えられ、その際、供給された廃棄物中に含有された金属と、不活性灰とをシリンダ(2)の底部上に残し、アルキメデス・スクリュー(3)によって送られるように、シリンダ(2)の端部に到達すると、第2の区画(200)の底部に向う。
【0046】
第1の区画(100)には、1.5KHzから5KHzまでの範囲内の周波数と適当な電力との誘導電流により2つ又は複数の発電機(6)によって加熱される反応器(又はリアクタ)が備えられている。このため、シリンダは渦電流の発生場所となり、ジュールの作用によって加熱しており、反応器内部の温度を、熱分解プロセスが生じる650℃から750℃までの範囲内の温度にしている。
【0047】
発電機(6)は、それぞれコイル(7)と接続されており、その内側でシリンダ(2)が回転するが、その速度は、PLCによって決定されており、導入される個々のマトリクスの変化時間に従ってPLCによって算出されている。
【0048】
この好適な実施形態では、シリンダ(2)は、1200mmから1500mmまでの範囲内の直径と、9mから12mまでの範囲内の長さとを有し、その回転に適した歯車モータによって制御されるシステムと、温度に起因する膨張を吸収することに適したシステムとを備えている。
【0049】
シリンダ(2)は、その端部では、溝内に収容されるパッキン(又は詰物)を用いて断熱することができ、また、一連のばねによって圧力下に保たれているが、さらに第2の窒素ガスの安全用の断熱システムも備えることもできる。
【0050】
シリンダ(2)の内部では、サーモカップル(又は熱電対)及びレーザ・プローブによる連続的な温度制御が行われるとともに、真空ポンプのシステムによる内圧の制御が行われていて、シリンダ(2)と最終的なチャンバ(12)とを外部の大気圧に対してわずかに押し下げて(約0.7mbar)、落ち着けて保っており、それにより爆発の危険性を防いでいる。
【0051】
シリンダ(2)、加熱システム(5)、並びに、移動及び制御システムは、ファラデーケージ(図示略)の内部に配置されて、内部誘導電流を外部から隔離させている。
【0052】
シリンダ(2)からのシンガスは、静止チャンバ(12)を含む第2の区画(200)に送られて、そこでは、放射磁気波によって誘起される熱化学反応が起こり、シンガスとより軽い部分とを灰から分離させている。
【0053】
静止型又はイオン性結合チャンバ(12)には、灰を抽出するために、オーガのシステムが備えられている。PLC制御型のオーガは、常に灰で満たされているが、これは、ガスが逃げることと外気が流入することを防ぐキャップとして機能している。最終的な部分では、いずれの場合でも、一方向の安全弁が備えられている。
【0054】
シンガスは、次に、第3の冷却及び分留用の区画(300)に送られて、分留コラム(19)と遠心分離機(17、18)とによって、凝縮性部分と固形部分とから分離される。この区画(300)には、熱を回収して、エネルギに変換するための冷凍プラント又はORCシステムも備えられている。冷却水によって、凝縮され、固体の生成物は、遠心分離機(17、18)によって分離されて、次に、凝縮され、分離された生成物を第2の分留用のサイクルの開始点に送るか、又は、分離した生成物をその工業用の利用のために貯蔵する。
【0055】
80℃未満に冷却されたシンガスは、第4の洗浄区画(400)に送られるが、水と、第1の弱酸性と、第2の弱塩基性との混合物を含む2つの冷却塔(図示略)によって、触媒処理の完了段階にあるシンガスのさらなる冷却に加えて、処理を通じて、PHを6から7までの範囲内の値に保つことを確保する。凝縮された高沸騰炭化水素は、遠心分離機によって、水から分離されて、サイクルの開始点に戻される。続いて、このガスは、活性炭の濾過コラム内を通り、湿度を失う。この活性炭に加えて、この区画(400)には、さらに濾過システムが備えられており、起こり得る汚染物質の形成を排除させている。
次に、このガスは、ポンプによって、利用のために押し出される。
【0056】
第5の最終的な緊急用の区画では、システムが故障するような事態には自動的に介入できる安全ポンプに加えて、全ての安全システムが含まれており、緊急の事態には、生成されたシンガスが、洗浄後、緊急用に送られる。誘導発電機(6)は、自動的にスイッチがオフに切り換えられて、熱分解チャンバ(100)と静置チャンバ(12)とが窒素ガスで洗浄される。
【0057】
この安全区画には、故障の事態には、熱分解チャンバ(100)から緊急用のトーチまでガスを送るのに適した適当な弁を備えた緊急接続システムも含まれる。
【0058】
また、第5の最終的な区画には、分離による窒素の生成用のプラントと、関連する窒素の貯蔵タンクとが含まれている。
【0059】
以上、本発明について、例示的かつ非限定的な目的で、好適な実施形態に従って、説明した。当業者であれば、添付された特許請求の範囲内で、多くの変形例を見出し得るだろう。

図1
【国際調査報告】