(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-15
(54)【発明の名称】抗微生物剤組成物とその製造方法及びその製品
(51)【国際特許分類】
A61K 36/488 20060101AFI20240105BHJP
A61K 36/346 20060101ALI20240105BHJP
A61K 33/10 20060101ALI20240105BHJP
A61K 33/14 20060101ALI20240105BHJP
A61K 31/19 20060101ALI20240105BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240105BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240105BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20240105BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
A61K36/488
A61K36/346
A61K33/10
A61K33/14
A61K31/19
A61K9/08
A61K9/20
A61P31/12
A61P31/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563789
(86)(22)【出願日】2021-10-07
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 KR2021013739
(87)【国際公開番号】W WO2022139132
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0183573
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523241852
【氏名又は名称】イン,ドン チョル
(71)【出願人】
【識別番号】523235231
【氏名又は名称】キム,ウ ジュン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】イン,ドン チョル
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076AA36
4C076BB01
4C076CC31
4C076CC35
4C076GG01
4C076GG41
4C086AA01
4C086AA02
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4C086HA24
4C088AB12
4C088AB30
4C088AB59
4C088BA08
4C088CA03
4C088MA09
4C088MA17
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4C088NA14
4C088ZB33
4C088ZB35
4C206AA01
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4C206DA02
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4C206MA04
4C206MA37
4C206MA55
4C206NA14
4C206ZB33
4C206ZB35
(57)【要約】
本発明は抗微生物剤組成物とその製造方法及びその製品に関し、より詳しくは、抗微生物剤組成物であって、精製水50-60%重量に、塩化物の中で塩化ナトリウムと塩化カルシウムを1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物1-10%重量、天然抽出物の中で選択された葛根抽出物と桔梗抽出物を1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物1-2%重量、炭酸塩系の中で炭酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムを1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物5-10%重量、有機酸剤の中で乳酸と酢酸及びその関連塩を1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物10-15%重量、及び無機酸剤である塩素酸系化合物5-10%重量が混合された混合物(原液)であることを特徴とする抗微生物剤組成物によって発酵技術安全性を確保するとともに体内吸収率及び効能を高めて生理作用の相乗効果によって優れた抗菌または抗ウイルスの免疫増強の効果を得ることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
精製水50-60%重量に、塩化物の中で塩化ナトリウムと塩化カルシウムを1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物1-10%重量、天然抽出物の中で選択された葛根抽出物と桔梗抽出物を1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物1-2%重量、炭酸塩系の中で炭酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムを1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物5-10%重量、有機酸剤の中で乳酸と酢酸及びその関連塩を1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物10-15%重量、及び無機酸剤である塩素酸系化合物5-10%重量が混合された混合物(原液)であることを特徴とする、抗微生物剤組成物。
【請求項2】
前記混合物(原液)1Kgをさらに精製水50-100Kgで希釈したものからなることを特徴とする、請求項1に記載の抗微生物組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の抗微生物剤の組成物を選択する1段階と、
前記1段階の組成物に50-60℃に熱を加え、溶解剤を追加して前記成分を完全に溶解させて液状化した複合物質を液状製品化する2段階と、
前記2段階の液状複合物質を60℃で加熱乾燥して粉末化する3段階と、
前記3段階の加熱乾燥された粉末を成形して錠剤製品に製造する4段階とによって製造することを特徴とする、抗微生物剤の製造方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載の組成物を選択する1段階と、
前記1段階の組成物に50-60℃に熱を加え、溶解剤を追加して前記成分を完全に溶解させて液状化した複合物質を液状製品化する2段階と、
前記2段階の液状化した複合物質1Kgをさらに精製水50-100Kgで希釈する3段階とによって製造することを特徴とする、抗微生物剤の製造方法。
【請求項5】
請求項3に記載の抗微生物剤の製造方法で製造されたことを特徴とする、錠剤製品。
【請求項6】
請求項4に記載の抗微生物剤の製造方法で製造されたことを特徴とする、液状製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抗微生物剤組成物及びその製造方法に関し、より詳しくは天然抽出物、抗菌または抗ウイルス活性を有する有機酸剤、炭酸塩化合物、及び塩素系化合物から適宜組成されて使用される抗微生物剤組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
また、本発明の組成物は、大腸菌、サルモネラ菌など、一般的に食中毒を引き起こす主要細菌と皮膚化膿を引き起こす黄色ブドウ球菌に抗菌活性を有することを特徴とし、ウイルスの中ではエンベロープウィルスであるインフルエンザ、ヘルペスウイルス、コロナウイルスに抗ウイルス効果を得ることを目的とする。
【背景技術】
【0003】
医薬及び畜産業分野で抗生剤の誤用及び乱用による抗生剤耐性菌の急激な増加はヒトや家畜に深刻な問題を引き起こしている。これにより、国内では2011年7月1日から配合飼料内の抗生剤添加を全面的に禁止するなど、力強い規制が伴っている。しかし、抗生剤を使わない場合、疾病にそのまま露出されて斃死率の急増や成績不振などの副作用が発生することがあり、抗生剤代替物質の開発が急に要求される実情である。
【0004】
本発明の背景になる「抗菌・抗ウイルス剤」の成分である有機酸と無機酸などが混合された組成物の抗微生物(ウイルス、細菌など)の作用機序は次のようである。
【0005】
「有機酸と無機酸が混合された組成物成分投入→微生物の細胞膜を透過して細胞構成成分を排出→微生物細胞破壊→殺菌(抗ウイルス)作用」
【0006】
特に、抗菌・抗ウイルス剤に対応する抗生剤代替物質の一つで腸内微生物の菌叢を改善して宿主動物に有益な作用をする微生物製である生菌剤が用いられている。このような生菌剤は各種の疾病に対する免疫力を増加させ、下痢の発生を減少させ、血清内コレステロール含量の減少、及び白血球による植菌作用を増強させるものと知られており、腸内で他の有害性微生物の成長を抑制し、摂取した飼料の消化吸収を助ける利点を有している。
【0007】
しかし、動物の消化管内でこのような効能を発揮するためには、腸管内に成功的に定着しなければならないが、これに対する明確な証拠が不明確であり、よって、持続的な効果のために連続的に投与しなければならないという問題がある。また、既存の抗生剤よりはその効能が落ち、即刻効能を得ることができないという欠点を有している。
【0008】
また、漢方生薬などの植物抽出物は長い歴史を有する我が国の伝統医薬であり、人体感染性疾患の治療に効率的に使われて来たし、臨床的に既に安全性が確保された素材であり、即刻の効果を示すという点で大きな利点を有している。しかし、現在植物から抽出した抗生剤代替物質としては、サポニン、ハーブ、香辛料抽出物などの一部が使われているだけであり、体系的で科学的な研究結果が充分でない実情である。また、生薬特性のため、保管上の問題点が報告されており、苦味や刳い味などによって嗜好性が落ちるという欠点もある。
【0009】
一般的に、抗微生物剤の抗菌範囲に、グラム陽性菌(Bacillus cereus, Listeria monocytogenes, Mycobacterium spp., Staphylococcus aureus, Streptococcus spp., Pediococcus spp.など)、グラム陰性菌{大腸菌(E.Coli)、サルモネラ菌、Pseudomonasspp., Proteusspp.,ニワトリ壊死性腸炎(Cl.Perfringens)など}、ウイルス{鳥インフルエンザ(A.I)ウイルス、ND Virus、IB Virus(corona virus)、ニューモウィルス、豚PRRS Virus、Rotavirus、豚PEDウイルス(corona virus)、牛ウイルス性下痢(BVD)Virus、肝炎(B、C型)ウイルス、猫伝染性腹膜炎(corona virus)、犬ジステンパーウィルスなど}がある。
【0010】
しかし、いまだに前述した抗微生物剤の有効成分を活用した発酵技術を用いて、安全性を確保しながら体内吸収率及びその効能を最大化し、多様な生理作用の相乗効果によって疾病を効率的に予防し、優れた抗菌及び免疫増強効果を有する発酵物及びこれを含む抗菌及び免疫増強組成物に寄与することができる生薬組成物に対する研究は初期段階にあり、低調な状態である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
まず、本発明の抗微生物剤として使われる「インパクト」に対して定義しようとする。インパクトとは有機酸と無機酸などの混合物が処方された力強い抗菌、抗ウイルス代替療法剤であり、家畜の主要疾病(ウイルス、細菌及びカビ性疾病)を予防及び治療する新製法の抗菌抗ウイルス代替剤と言う。インパクトは環境に優しい畜産物生産(鶏肉及び卵)及びHACCP認証農場に絶対的に必要な製品であり、休薬期間がなくて出荷前に疾病が発生した肉鶏、肥育豚及び産卵中に疾病が発生した産卵鶏に安心して使うことができる製品である。
【0012】
前述した抗微生物剤であるインパクトの抗菌範囲は、1)グラム陽性菌としてBacillus cereus, Listeria monocytogenes, Mycobacterium spp., Staphylococcus aureus, Streptococcus spp., Pediococcus spp.など、2)グラム陰性菌である大腸菌(E.Coli)、サルモネラ菌、Pseudomonas spp., Proteus spp.,、鶏壊死性腸炎(Cl.Perfringens)など}、3)ウイルス{エンベロープ(親油性)ウイルス}として鳥インフルエンザ(A.I)ウイルス、ND Virus、IB Virus(corona virus)、ニューモウィルス、豚PRRS Virus、Rota virus、豚PEDウイルス(corona virus)、牛ウイルス性下痢(BVD)Virus、肝炎(B型、C型)ウイルス、猫伝染性腹膜炎(corona virus)、犬ジステンパーウィルスなどに使用される。
【0013】
本発明は、天然抽出物を活用して、抗微生物活性を有する有機酸剤、炭酸塩化合物、及び塩素系化合物から適宜組成された抗微生物剤組成物とその製造方法及びその製品を製造し、これにより発酵技術安全性を確保するとともに体内吸収率及び効能を高めて、生理作用の相乗効果によって優れた抗菌または抗ウイルスの免疫増強効果を有することを解決課題とする。
【0014】
また、本発明の組成物は、大腸菌、サルモネラ菌など、一般的に食中毒を引き起こす主要細菌と皮膚化膿を引き起こす黄色ブドウ球菌に抗菌活性を有することを特徴とし、ウイルスの中ではエンベロープウィルスであるインフルエンザ、ヘルペスウイルス、コロナウイルスに抗微生物効果を有することを解決課題とする。
【0015】
また、本発明の抗微生物剤組成物は、天然抽出物などの複合組成物を製造して抗菌または抗ウイルス代替療法によって家畜の主要疾病(ウイルス、細菌及びカビ性疾病)を予防、治療する抗菌または抗ウイルス代替物であり、環境に優しい畜産物生産(鶏肉及び卵)及びHACCP認証農場に必要な製品であるだけでなく、今後の休薬期間がなくて、出荷前に疾病が発生した肉鶏、肥育豚、及び産卵中に疾病が発生した産卵鶏に安心して使うことができる製品の製造方法を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、国民保健上の抗生剤の誤用及び乱用によって抗生剤の耐性問題が発生して、疾病を治療することができる抗生剤が減少している現実状況で天然物と抗菌抗ウイルス効果を示す食品添加物を用いた組成物及びその製造方法を提供するためのものである。
【0017】
本発明は、重症急性呼吸器症候群、中東呼吸器症候群、新種コロナウイルスの出現によって全世界が恐怖にとらわれているので、前述した疾病を解決するための方法の一つである。
【0018】
本発明による抗微生物剤組成物は、塩化物である塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウムの中で少なくとも1種以上を選択し、植物抽出物である葛根抽出物、桔梗抽出物、糸瓜抽出物、スベリヒユ抽出物、及び柑橘抽出物の中で少なくとも1種を以上選択し、炭酸塩化合物である炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、及び炭酸マグネシウムの中で1種以上を選択し、有機酸剤である酢酸及びその関連塩、乳酸及びその関連塩、リンゴ酸及びその関連塩、フマル酸(fumaric acid)及びその関連塩、ギ酸及びその関連塩、プロピオン酸及びその関連塩、コハク酸及びその関連塩、酒石酸及びその関連塩、アジピン酸及びその関連塩、ピルビン酸及びその関連塩、硫酸水素ナトリウム、及びスルホン酸(sulfonic acid)及びその関連塩の中で少なくとも1種以上を選択し、無機酸製剤である塩素酸系(HClO、HClO2、HClO3)化合物を選択して精製水と混合したことを特徴とする抗微生物製剤組成物に関するものである。
【0019】
前述したその関連塩とは、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などを言う。
【0020】
より具体的には、本発明の抗微生物剤組成物は、精製水50-60%重量に、塩化物の中で塩化ナトリウムと塩化カルシウムを1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物1-10%重量、天然抽出物の中で選択された葛根抽出物と桔梗抽出物を1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物1-2%重量、炭酸塩系の中で炭酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムを1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物5-10%重量、有機酸剤の中で乳酸と酢酸及びその関連塩を1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物10-15%重量、及び無機酸剤である塩素酸系化合物5-10%重量が混合された混合物(原液)であることを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前述した混合物(原液)1Kgをさらに精製水50-100Kgで希釈したことを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、前述した抗微生物剤の組成物を選択する1段階と、前記1段階の組成物に50-60℃に熱を加え、溶解剤を追加して前記成分を完全に溶解させて液状化した複合物質を液状製品化する2段階と、前記2段階の液状複合物質を60℃で加熱乾燥して粉末化する3段階と、前記3段階の加熱乾燥された粉末を成形して錠剤製品に製造する4段階とによって製造することを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、前述した組成物を選択する1段階と、前記1段階の組成物に50-60℃に熱を加え、溶解剤を追加して前記成分を完全に溶解させて液状化した複合物質を液状製品化する2段階と、前記2段階の液状化した複合物質1Kgをさらに精製水50-100Kgで希釈する3段階とによって製造することを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、前述した抗微生物剤の製造方法で製造された錠剤製品及び液状製品を提供することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明は抗菌または抗ウイルス活性を有する有機酸剤、炭酸塩化合物、塩素系化合物、及び天然抽出物が適宜組成された抗微生物剤組成物とその製造方法によって発酵技術安全性を確保するとともに、体内吸収率及び効能を高めて生理作用の相乗効果によって優れた抗菌または抗ウイルスの免疫を増強する効果を得ることができる。
【0026】
また、本発明の組成物は、大腸菌、サルモネラ菌など、一般的に食中毒を引き起こす主要細菌と皮膚化膿を引き起こす黄色ブドウ球菌に抗菌活性を有することを特徴とし、ウイルスの中ではエンベロープウィルスであるインフルエンザ、ヘルペスウイルス、コロナウイルスに抗ウイルス効果を得ることができる。
【0027】
また、本発明の抗微生物剤組成物及びその製造方法は、家畜の主要疾病(ウイルス、細菌及びカビ性疾病)を予防及び治療する抗菌または抗ウイルス代替物であり、環境に優しい畜産物生産(鶏肉及び卵)及びHACCP認証農場に必要な製品であるだけでなく、今後の休薬期間がなくて、出荷前に疾病が発生した肉鶏、肥育豚及び産卵中に疾病が発生した産卵鶏に安心して使うことができる効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】<表1>のATCC 6538(黄色ブドウ球菌)に対して本発明のインパクト(抗微生物剤)とアンピシリン100(抗生剤;対照物質)とを比較試験した結果写真である。
【
図2】<表1>のATCC 8739(大腸菌)に対して本発明のインパクト(抗微生物剤)とアンピシリン100(抗生剤;対照物質)とを比較試験した結果写真である。
【
図3】<表1>のATCC 14028(サルモネラ菌)に対して本発明のインパクト(抗微生物剤)とアンピシリン100(抗生剤;対照物質)とを比較試験した結果写真である。
【
図4】本発明のインパクト(抗微生物剤)とアンピシリン100(抗生剤;対照物質)とを比較試験した試験成績書である。
【
図5】本発明のインパクト(抗微生物剤)とアンピシリン100(抗生剤;対照物質)とを比較試験した試験成績書である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施することができるほどに詳細に説明するために、本発明の具体的な実施例を次のように説明する。
【0030】
本発明の抗微生物剤組成物は、精製水50-60%重量に、塩化物の中で塩化ナトリウムと塩化カルシウムを1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物1-10%重量、天然抽出物の中で選択された葛根抽出物と桔梗抽出物を1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物1-2%重量、炭酸塩系の中で炭酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムを1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物5-10%重量、有機酸剤の中で乳酸と酢酸及びその関連塩を1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物10-15%重量、及び無機酸剤である塩素酸系化合物5-10%重量が混合された混合物(原液)からなることを特徴とする。
【0031】
また、本発明は、前述した混合物(原液)1Kgをさらに精製水50-100Kgで希釈したものからなることを特徴とする。
【0032】
また、本発明は、前述した抗微生物剤の組成物を選択する1段階と、前述した1段階の組成物に50-60℃に熱を加え、溶解剤を追加して前記成分を完全に溶解させて液状化した複合物質を液状製品化する2段階と、前述した2段階の液状複合物質を60℃で加熱乾燥して粉末化する3段階と、前述した3段階の加熱乾燥された粉末を成形して錠剤製品に製造する4段階とによって製造することを特徴とする。
【0033】
また、本発明は、前述した抗微生物剤の組成物を選択する1段階と、前述した1段階の組成物に50-60℃に熱を加え、溶解剤を追加して前記成分を完全に溶解させて液状化した複合物質を液状製品化する2段階と、前述した2段階の液状化した複合物質1Kgをさらに精製水50-100Kgで希釈する3段階とによって製造することを特徴とする。
【0034】
また、本発明は、前述した抗微生物剤の製造方法によって製造された錠剤製品及び液状製品を提供することを特徴とする。
【0035】
下記の<表1>は、
図4及び
図5に示すように、本発明の具体的な実施例としての、抗微生物剤組成物に関する公認試験成績書である。その抗微生物剤組成物は、精製水50-60%重量に塩化物の中で塩化ナトリウムと塩化カルシウムを1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物1-10%重量、天然抽出物の中で選択された葛根抽出物と桔梗抽出物を1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物1-2%重量、炭酸塩系の中で炭酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムを1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物5-10%重量、有機酸剤の中で乳酸と酢酸及びその関連塩を1対1の比(50%重量:50%重量)で混合した混合物10-15%重量、及び無機酸剤である塩素酸系化合物を5-10%重量が混合された混合物(原液)からなる。前記試験された抗微生物剤組成物によって下記の3種の菌株を選定して本発明によるインパクト(抗微生物剤)を試験した結果である。
【0036】
下記の<表1>の試験機関は韓国分析試験研究院に依頼して受けた試験成績書に基づくものであり、In vitro試験方法でインパクト製品を規定濃度に希釈して5分間菌と試料との間の反応状態を試験した結果である。試験結果上の阻害率(%)=(対照群菌数-試料群菌数)/対照群菌数である。
【0037】
【0038】
図1は前述した<表1>のATCC 6538(黄色ブドウ球菌)に対して本発明{インパクト(抗微生物剤)}とアンピシリン100(対照物質)とを比較試験した結果写真であり、
図2は前述した<表1>のATCC 8739(大腸菌)に対して本発明{インパクト(抗微生物剤)}とアンピシリン100(対照物質)とを比較試験した結果写真であり、
図3は前述した<表1>のATCC 14028(サルモネラ球菌)に対して本発明{インパクト(抗微生物剤)}とアンピシリン100(対照物質)とを比較試験した結果写真である。
【0039】
<表1>で1)Staphylococcus aureus ATCC 6538(黄色ブドウ球菌)接種菌液の濃度試験項目を5分後の生菌数(CFU)阻害率(%)[抗菌力]1.0×103CFU/mLの条件で試験した結果、対照群に比べてアンピシリン100で8.1×101CFU/mLの大腸菌が検出(阻害率94.6%)されたが、本発明{インパクト(抗微生物剤)}では検出(阻害率99.9%)されなかったので、抗菌効果を確認することができた。
【0040】
2)Escherichia coli ATCC 8739(大腸菌)接種菌液の濃度試験項目を5分後の生菌数(CFU)阻害率(%)[抗菌力]1.3×103CFU/mLの条件で試験した結果、アンピシリン100(対照物質)と本発明{インパクト(抗微生物剤)}では共に検出されなかった。
【0041】
3)Salmonella tyhimurium ATCC 14028(サルモネラ菌)接種菌液の濃度試験項目を5分後の生菌数(CFU)阻害率(%)[抗菌力]1.1×103CFU/mLの条件で試験した結果、対照群に比べてアンピシリン100で2.1×101CFU/mLの大腸菌が検出(阻害率98.6%)されたが、本発明{インパクト(抗微生物剤)}(阻害率99.9%)では検出されなかったので、抗菌効果を確認することができた。
【0042】
本発明は、下記のように、肉鶏、肉鶏飼養、産卵鶏、豚、犬と猫、ヒト(簡易臨床試験)に区分して臨床試験を遂行した。
【0043】
肉鶏に対する投与試験方法及び結果である。
【0044】
まず、一番目の試験(下記の表2参照)で、韓国京畿道安城市微恙面に所在の肉鶏委託飼育農場でロスという品種(飼育羽数3万羽)が25日齢に大腸菌症と診断されて敗血症と斃死が発生した。本発明の製品を飲水に適正比に希釈して3日間給与したところ、試験結果、投与後に斃死がなくなり、症状が好転され、飼料摂取量も正常に回復された。
【0045】
【0046】
二番目の試験(下記の表3参照)で、前述した肉鶏委託飼育農場でロスという品種(飼育羽数24,000羽)が20日齢に伝染性気管支炎(Corona Virus)が発生して呼吸器初期症状を示し、飼料摂取量が減少した。よって、抗生剤(Ampicillin)を投与したが、呼吸器症状が持続して本発明の製品を勧奨投与量で給与し、同じ方法で3日間投与した。試験結果、一番目の投与後の翌日に症状が好転され、3日間投与の後に呼吸器症状がなくなり、飼料摂取量も正常化した。
【0047】
【0048】
三番目の試験(下記の表4参照)で、韓国天安市東南区修身面所在のソンファ食品の肉鶏委託農場でロスという品種(飼育羽数55,000羽)がサルモネラ菌によって立秋のときから1日平均斃死が約240羽であり、10日齢まで総2,600羽が斃死した。12日齢に本発明の製品を勧奨投与量で3日間給与した。試験結果、斃死が急激に減少(1日50羽)し、飲水消費量が増加し、出荷時の育成率95.5%、出荷体重1.6Kgと良好であった。
【0049】
【0050】
四番目の試験(下記の表5参照)で、産卵鶏試験(1)を遂行したところ、韓国京畿道漣川郡所在のTY農場でハイラインという品種(飼育羽数:2,5000羽)で伝染性気管支炎(corona virus)が発病して斃死とともに産卵率が減少した。本発明の製品を勧奨投与量で5日間ずっと給与した。投与3日後から斃死が止まり、異常卵の発生が減少し、産卵率も徐々に回復された。
【0051】
【0052】
五番目の試験(下記の表6参照)で、産卵鶏試験(2)を遂行したところ、韓国天安市笠場面所在のK農場でハイラインという品種(飼育羽数:7万羽)から産卵鶏の中雛を立雛した後、12週のときから封入体性肝炎(adeno virus)による斃死が1日平均約500羽であり、発生後の2日目から本発明の製品を勧奨投与量で5日間給与した。本製品の投与の後、斃死が急激に減少(1日50羽)し、投与の後3日目から斃死が完全になくなり、正常に回復された。
【0053】
【0054】
六番目の試験で、豚試験(1)(下記の表7参照)を遂行したところ、韓国京畿道利川市所在の肥育豚農場でLDY交雑種という品種、週齢が2-3月齢(飼育頭数:1,000頭)に育成豚(体重30-40Kg)で豚繁殖・呼吸障害症候群[PRRS(PRRS virus)]が発病した。本発明の製品を勧奨投与量で給与し、同じ方法で5日間給与した。試験結果、5日間投与の後、症状が好転され、投与3日目から呼吸器症状がなくなり、飼料摂取量も正常化した。
【0055】
【0056】
七番目の試験で、豚試験(2)(下記の表8参照)を遂行したところ、韓国忠清南道論山市所在の肥育豚農場でLDY交雑種という品種(飼育頭数:1,000頭)の離乳子豚(体重10-20Kg)で大腸菌性下痢が発生した。本発明の製品を勧奨投与量で給与し、同じ方法で5日間給与した。3日間投与後の試験結果、下痢が止まり、症状は徐々に好転された。
【0057】
【0058】
八番目の試験で、豚試験(3)(下記の表9参照)を遂行したところ、韓国京畿道化城市所在の一括飼育農場でLDY交雑種という品種(母豚頭数:200頭)の離乳子豚で白痢(大腸菌及びロタウィルス)が発生した。子豚1頭当たり本発明の製品2mLを水筒100mlに希釈して経口で直接投与し、3日間給与した。試験結果、初日投与後の翌日から下痢が止まった。
【0059】
【0060】
九番目の試験で、豚試験(4)(下記の表10参照)を遂行したところ、韓国慶尚南道咸安郡所在の一括飼育農場でLDY交雑種という品種(母豚頭数:200頭)の母豚と哺乳子豚全体で豚流行性下痢病PED(corona virus)が発生した。子豚1頭当たり本発明の製品2mLを水筒100mlに希釈して経口で直接投与し、母豚及び育成豚は適正投与量で5日間給与した。試験結果、投与開始の後3日目から下痢が止まり始め、5日後から回復された。
【0061】
【0062】
十番目の試験で、猫試験(1)(下記の表11参照)を遂行したところ、韓国京畿道利川市夫鉢邑の居住者の雌性韓国猫(7月齢、体重2.7kg)が血便下痢の理由で来院し、キット検査で猫白血球減少症(FPウイルス)陽性判定を受け、血液検査でリンパ球数値が0、白血球数が1.3×103/ul、血小板が41×103/ulに著しく減少した。それで、本発明の製品を1日1頭を基準に1ml経口投与した後、1日が経ってから0.3mlずつ毎日投与した。試験結果、投薬3日の後に血便は止まり、食欲は依然として落ちてリンゲルを投与した後の血液検査の結果、リンパ球数が2.7と正常であり、白血球数が38にちょっと増加し、血小板数が333に正常に回復された。
【0063】
【0064】
十一番目の試験で、猫試験(下記の表12参照)を遂行したところ、韓国京畿道利川市柏沙面の居住者の韓国猫(品種)(年齢6月齢、体重2.3kg)が呼吸器疾病の所見で来院し、目やにがたまり、呼吸器疾病の所見でFRDC(猫複合呼吸器ウイルス)と暫定判定した。
【0065】
2020.2.6に抗生剤及び消炎剤の処方を受けたが、3日間10頭のうち6頭が斃死した。2020.2.10.~14に1頭当たりインパクト(砂糖水混合)0.2mlずつ経口で投与した。試験結果、残りの4頭も全部斃死なしに元気になり、正常に活動した。
【0066】
【0067】
十二番目の試験で、愛犬試験(下記の表13参照)を遂行したところ、韓国京畿道利川市エリョンゾン路の居住者の雄性ミックス犬(品種)(年齢1年1月齢、体重6kg)で持続的なしわぶき、高熱(40℃)、嘔吐及び下痢症状が発生し、検査結果、X-ray上で癲癇性肺炎の所見で入院した。
【0068】
初日に解熱剤、高血漿剤、抗生剤及び輸液を投与し、その後3日間は1頭当たり抗ウイルス剤(砂糖水混合)を0.2mlずつ経口で投与した。試験結果、症状が好転して退院した。
【0069】
【0070】
十三番目の試験で、簡易臨床試験でヒトに対して効能試験を遂行したところ、次のような結果が出た。
【0071】
[事例-1]
氏名:ゾOO(男性、54歳)、韓国京畿道利川市ズンポ洞居住
病名:喉が腫れ、高熱、風邪ウイルス感染。
治療:抗菌抗ウイルス剤、1日1mlずつ3日間投薬の後、風邪症状がすっきりなくなった。
【0072】
[事例-2]
氏名:キムOO(女性、63歳)、韓国京畿道城南市太平洞居住
病名:風邪のため風邪薬を7日間投薬したが風邪が治らなかった。
治療:抗菌抗ウイルス剤を1日1mlずつ2日間投薬の後、風邪が治った。
【0073】
[事例-3]
氏名:バクOO(男性、49歳)、韓国京畿道利川市倉前洞居住
病名:喉が腫れ、熱が出て風邪症状を訴えた。
治療:抗菌抗ウイルス剤を1日1mlずつ3日間投薬の後、風邪が治った。
【0074】
[事例-4]
氏名:キムOO(男性、27歳)、韓国京畿道城南市盆唐区居住
病名:喉がからからで、風邪症状が現れた。
治療:抗菌抗ウイルス剤を1日1mlずつ2日間投薬の後、回復された。
【0075】
以上のように、本発明を前述した特定の実施例に基づいて図示しながら説明したが、下記の特許請求の範囲によって決定される発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で多様な改造及び変化が可能であるということを当該技術分野で通常の知識を有する者であれば誰でも容易に分かるであろう。
【国際調査報告】