(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-16
(54)【発明の名称】リネリキシバットの形態
(51)【国際特許分類】
C07D 285/36 20060101AFI20240109BHJP
A61K 31/554 20060101ALI20240109BHJP
A61P 17/04 20060101ALI20240109BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240109BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240109BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240109BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
C07D285/36 CSP
A61K31/554
A61P17/04
A61P1/16
A61P29/00
A61K9/20
A61K9/48
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537952
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 EP2021086929
(87)【国際公開番号】W WO2022136335
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513110104
【氏名又は名称】グラクソスミスクライン、インテレクチュアル、プロパティー、(ナンバー2)、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GLAXOSMITHKLINE INTELLECTUAL PROPERTY (NO.2) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カリノ,スティーブン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC04
4C076CC16
4C076CC18
4C076FF04
4C076FF63
4C076FF68
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC91
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA52
4C086NA03
4C086NA10
4C086ZA75
4C086ZB11
4C086ZC54
(57)【要約】
リネリキシバットの結晶及び非晶質形態、並びにそれを含有する医薬組成物が開示される。その調製方法及びその使用方法も開示される。リネリキシバットについての溶解度及び溶解情報も開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
形態IIIである、リネリキシバットの結晶形態。
【請求項2】
形態IIIが、
図4と実質的に一致するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項3】
形態IIIが、Cu K
α放射線を使用して測定された場合、約5.2、7.1、10.4、13.3、15.7、19.1、20.9、及び21.3度2θからなる群から選択される、少なくとも3個又は少なくとも4個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項4】
形態IIIが、
図6と実質的に一致する
13C固体NMR(SSNMR)スペクトルを特徴とする、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項5】
i)請求項1~4のいずれか一項に記載のリネリキシバットの結晶形態IIIと、ii)リネリキシバットの結晶形態Iとの混合物。
【請求項6】
形態Iが、
図1と実質的に一致するXRPDパターンを特徴とする、請求項5に記載の混合物。
【請求項7】
形態Iが、Cu K
α放射線を使用して測定された場合、約5.0、5.5、7.0、8.9、9.9、12.1、13.3、14.9、18.6、19.9、20.6、及び22.3度2θからなる群から選択される、少なくとも3個又は少なくとも4個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする、請求項5に記載の混合物。
【請求項8】
形態Iが、
図3と実質的に一致する
13C SSNMRスペクトルを特徴とする、請求項5に記載の混合物。
【請求項9】
形態IIである、リネリキシバットの結晶形態。
【請求項10】
形態IVである、リネリキシバットの結晶形態。
【請求項11】
形態Vである、リネリキシバットの結晶形態。
【請求項12】
リネリキシバットの非晶質形態。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の形態におけるリネリキシバット、又はそれらの2つ以上の混合物を含む、組成物。
【請求項14】
請求項5~8のいずれか一項に記載のリネリキシバットの結晶形態I及びIIIの混合物を含む、組成物。
【請求項15】
形態IIIが、組成物のリネリキシバット原薬成分の約40重量%以下の量で存在する、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
リネリキシバットが、約40mgの量で存在する、請求項14又は15に記載の組成物。
【請求項17】
請求項13~16のいずれか一項に記載の組成物及び薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項18】
医薬組成物が、経口投与用である、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
医薬組成物が、錠剤又はカプセルである、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
医薬組成物が、錠剤である、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
有効量の、請求項17~20のいずれか一項に記載の医薬組成物を患者に投与するステップを含む、原発性胆汁性胆管炎を有する患者における胆汁うっ滞性そう痒症を治療する方法。
【請求項22】
リネリキシバットが、約6.8の腸pHにおいて≧0.4mg/mLの溶解度を有する形態で存在することを特徴とし、経口投薬形態の溶解が、≦1時間で完了する、リネリキシバットの経口投薬形態。
【請求項23】
リネリキシバットが、約6.8の腸pHにおいて>1mg/mLの溶解度を有する形態で存在する、請求項22に記載のリネリキシバットの経口投薬形態。
【請求項24】
リネリキシバットが、約1.2の胃pHにおいて>1mg/mLの溶解度を有する形態で存在する、請求項22又は請求項23に記載のリネリキシバットの経口投薬形態。
【請求項25】
リネリキシバットが、請求項1~12のいずれか一項に記載の形態、又はそれらの2つ以上の混合物で存在する、請求項22~24のいずれか一項に記載のリネリキシバットの経口投薬形態。
【請求項26】
リネリキシバットが、結晶形態I、結晶形態III、又はそれらの混合物として存在する、請求項22~24のいずれか一項に記載のリネリキシバットの経口投薬形態。
【請求項27】
リネリキシバットが、約40mgの量で存在する、請求項22~26のいずれか一項に記載のリネリキシバットの経口投薬形態。
【請求項28】
錠剤である、請求項22~27のいずれか一項に記載のリネリキシバットの経口投薬形態。
【請求項29】
5分後に、約pH6.8における水性緩衝液中で少なくとも90%溶解している、請求項22~28のいずれか一項に記載のリネリキシバットの経口投薬形態。
【請求項30】
図24と実質的に一致する溶解プロファイルを示す、リネリキシバットの経口投薬形態。
【請求項31】
請求項22~30のいずれか一項に記載の経口投薬形態と80~125%生物学的に同等である、リネリキシバットの経口投薬形態。
【請求項32】
図25に示される溶解度プロファイルと80~125%同等の溶解度プロファイルを示す、IBAT阻害剤。
【請求項33】
図25と実質的に一致する溶解度プロファイルを示す、IBAT阻害剤。
【請求項34】
リネリキシバットである、請求項32又は請求項33に記載のIBAT阻害剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リネリキシバットの結晶及び非晶質形態、並びにリネリキシバットの溶解度及び溶解プロファイルに関する。リネリキシバットは、式(I)の構造を有する。
【0002】
【0003】
本発明は、リネリキシバットの結晶形態、例えば、リネリキシバットの形態I、形態II、形態III、形態IV、形態V、若しくは非晶質リネリキシバット、並びに形態I、形態II、形態III、形態IV、形態V若しくは非晶質リネリキシバット又はそれらの2つ以上の混合物を含む組成物を提供する。本発明はまた、リネリキシバットの結晶形態を製造する方法、リネリキシバットの結晶形態を含む医薬組成物、及びリネリキシバットの結晶形態を使用して、原発性胆汁性胆管炎(PBC)を有する患者における胆汁うっ滞性そう痒症を治療する方法を提供する。
【背景技術】
【0004】
リネリキシバット、GSK2330672、GSK2330672Bとしても知られ、時々GSK672と略記される、3-({[(3R,5R)-3-ブチル-3-エチル-7-(メチルオキシ)-1,1-ジオキシド-5-フェニル-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,4-ベンゾチアゼピン-8-イル]メチル}アミノ)ペンタン二酸(本明細書において以下「リネリキシバット」)は、ヒト回腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)の選択的阻害剤であり、原発性胆汁性胆管炎(PBC)を有する患者における胆汁うっ滞性そう痒症の治療のための臨床試験中である。
【0005】
国際特許出願公開第WO2011/137135号は、実施例26におけるリネリキシバットを含む、一連の化合物の調製を記載する。リネリキシバットを合成する方法はまた、WO2016/020785及びWO2018/002827に記載される。これらの3つの国際特許出願公開は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の態様では、形態IIIである、リネリキシバットの結晶形態が提供される。
【0007】
本発明の第2の態様では、i)リネリキシバットの結晶形態IIIと、ii)リネリキシバットの結晶形態Iとの混合物が提供される。
【0008】
本発明の第3の態様では、形態IIである、リネリキシバットの結晶形態が提供される。
【0009】
本発明の第4の態様では、形態IVである、リネリキシバットの結晶形態が提供される。
【0010】
本発明の第5の態様では、形態Vである、リネリキシバットの結晶形態が提供される。
【0011】
本発明の第6の態様では、リネリキシバットの非晶質形態が提供される。
【0012】
本発明の第7の態様では、本明細書に開示される形態におけるリネリキシバットを含む、組成物が提供される。
【0013】
本発明の第8の態様では、本明細書に開示される形態におけるリネリキシバットの組成物及び薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物が提供される。
【0014】
本発明の第9の態様では、有効量の本明細書に開示される医薬組成物を患者に投与するステップを含む、原発性胆汁性胆管炎を有する患者における胆汁うっ滞性そう痒症を治療する方法が提供される。
【0015】
本発明の第10の態様では、リネリキシバットが、約6.8の腸pHにおいて≧0.4mg/mLの溶解度を有する形態であることを特徴とし、経口投薬形態の溶解が、≦1時間で完了する、リネリキシバットの経口投薬形態が提供される。
【0016】
本発明の第11の態様では、
図24と実質的に一致する溶解プロファイルを示す、リネリキシバットの経口投薬形態が提供される。
【0017】
本発明の第12の態様では、
図25に示される溶解度プロファイルと80~125%同等の溶解度プロファイルを示す、IBAT阻害剤が提供される。
【0018】
本発明の第13の態様では、
図25と実質的に一致する溶解度プロファイルを示す、IBAT阻害剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】リネリキシバットの形態IのX線粉末回折パターンを示す。
【
図2】リネリキシバットの形態Iの示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。
【
図3】リネリキシバットの形態Iの
13C固体NMR(SSNMR)スペクトルを示す。
【
図4】リネリキシバットの形態IIIのX線粉末回折パターンを示す。
【
図5】リネリキシバットの形態IIIの示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。
【
図6】リネリキシバットの形態IIIの
13C SSNMRスペクトルを示す。
【
図7】リネリキシバットの形態I及び形態IIIのX線粉末回折パターンの重ね合わせを示す。
【
図8】形態I(下部)及び形態III(上部)の
13C SSNMRスペクトルの重ね合わせを示す。
【
図9】形態I及び形態IIIの特徴的なピークの例として、
13C SSNMRの拡大されたスペクトル領域を示す。
【
図10】形態I、形態III、及び圧縮された形態IのサンプルのX線粉末回折パターンの重ね合わせを示す。
【
図11】圧縮された形態Iのサンプルの
13C SSNMRスペクトル、及び同じスペクトルの拡大された区域を示し、これは、形態I及び形態IIIの両方の存在を示す。
【
図12】リネリキシバットの形態IIのX線粉末回折パターンを示す。
【
図13】リネリキシバットの形態IIの示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。
【
図14】リネリキシバットの形態IIの
13C固体NMR(SSNMR)スペクトルを示す。
【
図15】リネリキシバットの形態IVのX線粉末回折パターンを示す。
【
図16】リネリキシバットの形態IVの示差走査熱量測定トレースを示す。
【
図17】リネリキシバットの形態IVの
13C固体NMR(SSNMR)スペクトルを示す
【
図18】リネリキシバットの形態VのX線粉末回折パターンを示す。
【
図19】リネリキシバットの形態Vの示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。
【
図20】リネリキシバットの形態Vの
13C固体NMR(SSNMR)スペクトルを示す。
【
図21】形態I、形態II、形態III、形態IV及び形態VのX線粉末回折パターンの重ね合わせを示す。
【
図22】形態I(上部)、形態II(中央)及び形態III(下部)の
13C SSNMRスペクトルの重ね合わせを示す。
【
図23】上部から下部へ、形態I、形態II、形態III、形態IV及び形態Vの
13C SSNMRスペクトルの重ね合わせを示す。
【
図24】約37℃、40mgバッチにおける、リネリキシバット錠剤のpH6.8における溶解プロファイルを示す。
【
図25】約37℃における、4時間での、生体関連媒体中のリネリキシバット原薬形態I及び形態IIIについての溶解度プロファイルを示す。
【
図26】4時間での、pH3~pH5の間の範囲における、形態I及び形態IIIの溶解度比較を示す
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、リネリキシバットの結晶形態を対象とする。
【0021】
リネリキシバットの結晶形態III(本明細書において「形態III」又は「形態3」とも呼ばれる)は、多形体選別から発見された。形態IIIはまた、形態Iが、機械的負荷及び/又は凝縮を受けた場合に、形態Iの形態IIIへの部分的変換によって観察された。
【0022】
リネリキシバットの結晶形態I(本明細書において「形態I」又は「形態1」とも呼ばれる)は、多形形態選別から観察された主な形態であり、このことは、それが、室温で又は室温付近で最も熱力学的に安定な形態である可能性があることを示す。
【0023】
リネリキシバットの結晶形態II(本明細書において「形態II」又は「形態2」とも呼ばれる)も、多形体選別から発見された。
【0024】
リネリキシバットの結晶形態IV(本明細書において「形態IV」又は「形態4」とも呼ばれる)も、多形体選別から発見された。
【0025】
リネリキシバットの結晶形態V(本明細書において「形態V」又は「形態5」とも呼ばれる)も、多形体選別から発見された。
【0026】
本明細書で使用される場合、用語「約」が、数字のリストの前にある場合、該用語は、列挙される数字のそれぞれに適用される。
【0027】
リネリキシバットの形態I
WO2011/137135の実施例26に記載されるように、リネリキシバットの形態Iは、酢酸及び水の混合溶媒からの結晶化によって調製され得る。
【0028】
開始温度約206℃及びピーク温度約209℃で分解しながら融解する非溶媒和結晶形態である、リネリキシバットの形態Iは、多形体選別研究からリネリキシバットの主な形態として同定された。非晶質リネリキシバット及び形態Iは、多形体選別実験のための投入材料として使用された。形態Iは、形態選別から同定された他の形態と比べて最も安定な形態であるようである。形態Iは、様々な選別サンプルから得られており、使用された溶媒は、水、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル及び酢酸エチルを含む。
【0029】
一実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.0、5.5、9.9、12.1、13.3、14.9、18.6、19.9、20.6、及び22.3度2θからなる群から選択される、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、又は少なくとも9個の回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
【0030】
一実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.0、5.5、7.0、8.9、9.9、12.1、13.3、14.9、18.6、19.9、20.6、及び22.3度2θからなる群から選択される、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、又は少なくとも9個の回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。一実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.0(17.5)、5.5(16.2)、7.0(12.7)、8.9(10.0)、9.9(8.9)、12.1(7.3)、13.3(6.6)、14.9(6.0)、18.6(4.8)、19.9(4.5)、20.6(4.3)、及び22.3(4.0)度2θからなる群から選択される、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、又は少なくとも9個の回折角(d-間隔)を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。一実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.0、5.5、9.9、12.1、13.3、14.9、18.6、19.9、20.6、及び22.3度2θからなる群から選択される、少なくとも3個又は少なくとも4個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0031】
一実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.0、5.5、9.9、14.9、18.6、及び19.9度2θからなる群から選択される、少なくとも4個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.0、5.5、7.0、8.9、9.9、14.9、18.6、及び19.9度2θからなる群から選択される、少なくとも4個の回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.0(17.5)、5.5(16.2)、7.0(12.7)、8.9(10.0)、9.9(8.9)、14.9(6.0)、18.6(4.8)、及び19.9(4.5)度2θからなる群から選択される、少なくとも4個の回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0032】
一実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.0、5.5、7.0、8.9、9.9、14.9、18.6、及び19.9度2θからなる群から選択される、少なくとも3個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.0(17.5)、5.5(16.2)、7.0(12.7)、8.9(10.0)、9.9(8.9)、14.9(6.0)、18.6(4.8)、及び19.9(4.5)度2θからなる群から選択される、少なくとも3個の回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0033】
一実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.0、9.9、14.9、18.6、及び19.9度2θにおける、少なくとも4個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.0、7.0、8.9、9.9、14.9、18.6、及び19.9度2θからなる群から選択される、少なくとも4個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.0(17.5)、7.0(12.7)、8.9(10.0)、9.9(8.9)、14.9(6.0)、18.6(4.8)、及び19.9(4.5)度2θからなる群から選択される、少なくとも4個の回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0034】
一実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約9.9、14.9、18.6、及び19.9度2θにおける、少なくとも3個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約9.9、14.9、18.6、及び19.9度2θからなる群から選択される、少なくとも3個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約9.9(8.9)、14.9(6.0)、18.6(4.8)、及び19.9(4.5)度2θからなる群から選択される、少なくとも3個の回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0035】
一実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.0、5.5、7.0及び8.9度2θからなる群から選択される、少なくとも3個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.0(17.5)、5.5(16.2)、7.0(12.7)、及び8.9(10.0)度2θからなる群から選択される、少なくとも3個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0036】
一実施形態では、形態Iは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、表1に示される回折角から選択される、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、又は少なくとも9個の回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
【0037】
一実施形態では、形態Iは、
図1と実質的に一致するXRPDパターンを特徴とする。
【0038】
一実施形態では、形態Iは、
図2と実質的に一致する示差走査熱量測定(DSC)トレースを特徴とする。
【0039】
一実施形態では、形態Iは、
図3と実質的に一致する
13C固体NMR(SSNMR)スペクトルを特徴とする。
【0040】
一実施形態では、形態Iは、約161.0、140.4、124.7、65.0、63.8、35.8、及び30.4ppmからなる群から選択される少なくとも3個又は少なくとも4個の炭素ピークを含む13C SSNMRスペクトルを特徴とする。一実施形態では、形態Iは、約161.0、140.4、124.7、65.0、63.8、35.8、及び30.4ppmにおける炭素ピークを含む13C SSNMRスペクトルを特徴とする。
【0041】
別の実施形態では、形態Iは、以下の単位胞パラメーターをもたらす単結晶X線回折(XRD)を特徴とする:
a=9.0428(5)Å、b=18.5813(9)Å、c=35.320(2)Å、α=β=γ=90°、
V5934.7(6)Å3、
空間群P212121、
薬物分子/単位胞8、
Z’=2(Z’は、非対称単位あたりの薬物分子の数である)、
密度(計算値)1.224g/cm3。
【0042】
本開示はまた、水及び有機溶媒の溶媒混合物中でリネリキシバットを結晶化するステップを含む、リネリキシバットの形態Iを調製する方法を提供する。一実施形態では、有機溶媒は、アセトニトリル(MeCN)である。一実施形態では、有機溶媒は、1-ブタノールである。
【0043】
一実施形態では、本開示は、MeCN及び水の溶媒混合物中でリネリキシバットを結晶化するステップを含む、リネリキシバットの形態Iを調製する方法を提供する。いくつかの実施形態では、形態Iを調製する方法は、商業的規模(例えば、1kg、5kg、又は10kgを超える)で行われる。
【0044】
リネリキシバットの形態III
本開示はまた、リネリキシバットの形態IIIを提供する。リネリキシバットの形態IIIは、開始温度約203℃及びピーク温度約206℃で分解しながら融解する非溶媒和結晶形態である。多形体選別研究中に、この形態は、2-プロパノール、エタノール、トリフルオロエタノール又はメタノールなどの溶媒を有する、いくつかのアルコール性溶媒和物の脱溶媒和から主に得られた。
【0045】
一実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.2、7.1、10.4、13.3、15.7、19.1、20.9、及び21.3度2θからなる群から選択される、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、又は少なくとも7個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.2(17.0)、7.1(12.5)、10.4(8.5)、13.3(6.6)、15.7(5.7)、19.1(4.6)、20.9(4.2)、及び21.3(4.2)度2θからなる群から選択される、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、又は少なくとも7個の回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0046】
一実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.2、7.1、10.4、13.3、15.7、19.1、20.9、及び21.3度2θからなる群から選択される、少なくとも3個又は少なくとも4個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0047】
一実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.2、7.1、10.4、19.1、及び20.9度2θからなる群から選択される、少なくとも4個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.2(17.0)、7.1(12.5)、10.4(8.5)、19.1(4.6)、及び20.9(4.2)度2θからなる群から選択される、少なくとも4個の回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0048】
一実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.2、7.1、10.4、19.1、及び20.9度2θからなる群から選択される、少なくとも3個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.2(17.0)、7.1(12.5)、10.4(8.5)、19.1(4.6)、及び20.9(4.2)度2θからなる群から選択される、少なくとも3個の回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0049】
一実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.2、7.1、10.4、及び20.9度2θにおける、少なくとも3個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.2、7.1、10.4、及び20.9度2θからなる群から選択される、少なくとも3個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.2(17.0)、7.1(12.5)、10.4(8.5)、及び20.9(4.2)度2θからなる群から選択される、少なくとも3個の回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0050】
一実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.2、10.4、及び20.9度2θにおける、3個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.2(17.0)、10.4(8.5)、及び20.9(4.2)度2θにおける、3個の回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.2、7.1、及び10.4度2θにおける、3個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態では、形態IIIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.2(17.0)、7.1(12.5)、及び10.4(8.5)度2θにおける、3個の回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0051】
一実施形態では、形態IIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、表2に示される回折角から選択される、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、又は少なくとも9個の回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
【0052】
一実施形態では、形態IIIは、
図4と実質的に一致するXRPDパターンを特徴とする。
【0053】
一実施形態では、形態IIIは、
図5と実質的に一致する示差走査熱量測定(DSC)トレースを特徴とする。
【0054】
一実施形態では、形態IIIは、
図6と実質的に一致する
13C固体NMR(SSNMR)スペクトルを特徴とする。
【0055】
一実施形態では、形態IIIは、約161.6、145.6、141.6、62.7、34.5、24.3、16.7、及び16.0ppmからなる群から選択される少なくとも3個又は少なくとも4個の炭素ピークを含む13C SSNMRスペクトルを特徴とする。一実施形態では、形態IIIは、約161.6、145.6、141.6、62.7、34.5、24.3、16.7、及び16.0ppmにおける炭素ピークを含む13C SSNMRスペクトルを特徴とする。
【0056】
リネリキシバットの形態II
本開示はまた、リネリキシバットの形態IIを提供する。リネリキシバットの形態IIは、開始温度約205℃及びピーク温度約206℃で分解しながら融解する非溶媒和結晶形態である。多形体選別研究中に、この形態はまた、水性有機溶媒の蒸発から、及びジクロロメタン中のスラリーから生成された、他の成分の混合物を含有した。
【0057】
一実施形態では、形態IIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.1、6.2、7.8、10.1、11.7、13.1、14.4及び17.3度2θからなる群から選択される、例えば、約5.1(17.5)、6.2(14.4)、7.8(11.3)、10.1(8.7)、11.7(7.6)、13.1(6.8)、14.4(6.1)及び17.3(5.1)度2θからなる群から選択される、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個又は8個の回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0058】
一実施形態では、形態IIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約6.2、7.8、10.1、13.1、14.4及び17.3度2θからなる群から選択される、例えば、約6.2(14.4)、7.8(11.3)、10.1(8.7)、13.1(6.8)、14.4(6.1)及び17.3(5.1)度2θからなる群から選択される、少なくとも4個又は少なくとも3個の回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0059】
一実施形態では、形態IIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約6.2、7.8、11.7、13.1及び14.4度2θからなる群から選択される、例えば、約6.2(14.4)、7.8(11.3)、11.7(7.6)、13.1(6.8)及び14.4(6.1)度2θからなる群から選択される、少なくとも4個の回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0060】
一実施形態では、形態IIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約6.2、7.8及び10.1度2θにおける、例えば、約6.2(14.4)、7.8(11.3)及び10.1(8.7)度2θにおける回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0061】
一実施形態では、形態IIは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、表3に示される回折角から選択される、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、又は少なくとも9個の回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
【0062】
一実施形態では、形態IIは、
図12と実質的に一致するXRPDパターンを特徴とする。
【0063】
一実施形態では、形態IIは、
図13と実質的に一致する示差走査熱量測定(DSC)トレースを特徴とする。
【0064】
一実施形態では、形態IIは、
図14と実質的に一致する
13C固体NMR(SSNMR)スペクトルを特徴とする。
【0065】
リネリキシバットの形態IV
本開示はまた、リネリキシバットの形態IVを提供する。リネリキシバットの形態IVは、開始温度約195℃及びピーク温度約200℃で分解しながら融解する非溶媒和結晶形態である。
【0066】
一実施形態では、形態IVは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.1、10.1、12.2、15.1、20.2、25.3及び30.5度2θからなる群から選択される、例えば、約5.1(17.5)、10.1(8.8)、12.2(7.3)、15.1(5.9)、20.2(4.4)、25.3(3.5)及び30.5(2.9)度2θからなる群から選択される、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、又は少なくとも7個の回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0067】
一実施形態では、形態IVは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、表4に示される回折角から選択される、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、又は少なくとも9個の回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
【0068】
一実施形態では、形態IVは、
図15と実質的に一致するXRPDパターンを特徴とする。
【0069】
一実施形態では、形態IVは、
図16と実質的に一致する示差走査熱量測定(DSC)トレースを特徴とする。
【0070】
一実施形態では、形態IVは、
図17と実質的に一致する
13C固体NMR(SSNMR)スペクトルを特徴とする。
【0071】
リネリキシバットの形態V
本開示はまた、リネリキシバットの形態Vを提供する。リネリキシバットの形態Vは、開始温度約198℃及びピーク温度約201℃で分解しながら融解する非溶媒和結晶形態である。
【0072】
一実施形態では、形態Vは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.3、7.1、9.5、10.7、12.2、15.2、15.8、17.2、17.5、19.0、19.5、19.7、20.3、20.5、21.1、21.6、23.9、24.4、24.8、25.6及び26.5からなる群から選択される、例えば、約5.3(16.8)、7.1(12.5)、9.5(9.3)、10.7(8.2)、12.2(7.3)、15.2(5.8)、15.8(5.6)、17.2(5.2)、17.5(5.1)、19.0(4.7)、19.5(4.5)、19.7(4.5)、20.3(4.4)、20.5(4.3)、21.1(4.2)、21.6(4.1)、23.9(3.7)、24.4(3.6)、24.8(3.6)、25.6(3.5)及び26.5(3.4)度2θからなる群から選択される、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、又は少なくとも7個の回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0073】
一実施形態では、形態Vは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.3、10.7、15.8及び17.2からなる群から選択される、例えば、約5.3(16.8)、10.7(8.2)、15.8(5.6)及び17.2(5.2)度2θからなる群から選択される、少なくとも4個の回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態では、形態Vは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、約5.3、10.7及び15.8における、例えば、約5.3(16.8)、10.7(8.2)及び15.8(5.6)度2θにおける、3個の回折角(d-間隔)を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0074】
一実施形態では、形態Vは、Cu Kα放射線を使用して測定された場合、表5に示される回折角から選択される、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、又は少なくとも9個の回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
【0075】
一実施形態では、形態Vは、
図18と実質的に一致するXRPDパターンを特徴とする。
【0076】
一実施形態では、形態Vは、
図19と実質的に一致する示差走査熱量測定(DSC)トレースを特徴とする。
【0077】
一実施形態では、形態Vは、
図20と実質的に一致する
13C固体NMR(SSNMR)スペクトルを特徴とする。
【0078】
温度データ
表Aは、形態I、II、III、IV及びVについて、DSCによって測定された融解開始及び融解ピークデータを提供する。DSCサーモグラムは、TA discovery Q2500を使用して得られた。
【0079】
【0080】
本発明はまた、約202℃~206℃の間の融解開始を有するIBAT阻害剤(リネリキシバット)の結晶形態を提供する。DSCサーモグラムは、TA discovery Q2500を使用して得られる。
【0081】
形態I及び形態IIIを含む組成物
本開示は、形態IIIを含む組成物をさらに提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、形態I及び形態IIIを含む。
【0082】
本明細書で使用される場合、用語「原薬」は、FDA(https://www.ecfr.gov/cgi-bin/text-idx?SID=6bb682592d11076ada7004b2b3cd73ae&mc=true&node=se21.5.314_13&rgn=div8)によって現在定義されるとおりであり、すなわち、薬理学的活性、又は疾患の診断、治癒、緩和、治療、若しくは予防における他の直接的効果を提供すること、又はヒトの体の構造若しくは任意の機能に影響を及ぼすことが意図された活性成分であるが、該成分の合成に使用される中間体を含まない。
【0083】
本明細書で使用される場合、用語「医薬品」は、FDA(https://www.ecfr.gov/cgi-bin/text-idx?SID=6bb682592d11076ada7004b2b3cd73ae&mc=true&node=se21.5.314_13&rgn=div8)によって現在定義されるとおりであり、すなわち、原薬を含有し、一般には1つ以上の他の成分と関連するが、必ずしもそうではない、完成した投薬形態、例えば、錠剤、カプセル、又は溶液である。
【0084】
一実施形態では、本発明は、原薬の形態における組成物を提供する。別の実施形態では、本発明は、医薬品の形態における組成物を提供する。
【0085】
形態Iの形態IIIへの変換は、形態Iが、機械的負荷及び/又は凝縮(例えば、錠剤圧縮プロセス中、又は形態Iの製造中の機械的負荷の結果として)を受けた場合に観察され、こうして、形態I及び形態IIIの混合物を形成した。実験による決定は、形態IIIが、様々な合成経路から製造された形態Iの投入原薬を使用した凝縮体中に存在することを示した。形態IIIのXRPDインデックス付けと組み合わされた、形態Iの結晶構造及び粒子形態分析に基づく、この形態変化についての可能性のあるメカニズムはまた、形態IIIが、形態Iの圧縮によって取得され得るという事実を支持した。
【0086】
本明細書で使用される場合、用語「量」又は「重量による」が、リネリキシバットの多形形態の量又は重量(例えば形態3の量)を記載するために使用される場合、言及される量又は重量は、製剤化されていない「原薬」(本明細書に定義される)の量又は重量であり、完成した「医薬品」(これも本明細書に定義される)の量又は重量ではない。
【0087】
一実施形態では、形態III及び形態Iは、一緒に存在し、形態IIIは、約1重量%~100重量%、約5重量%~60重量%、約10重量%~50重量%又は約10重量%~40重量%の量で、例えば、約10重量%未満、約20重量%未満、約30重量%未満、約40重量%未満、約50重量%未満、又は約60重量%未満の量で存在する。一実施形態では、形態IIIは、約1重量%~100重量%、約5重量%~60重量%、又は約10重量%~50重量%の量で存在する。一実施形態では、リネリキシバットの結晶形態I及びIIIの混合物を含む組成物であって、形態IIIは、組成物のリネリキシバット原薬成分の約1重量%~100重量%、約5重量%~60重量%、約10重量%~50重量%又は約10%~40%の量で存在する、組成物が提供される。別の実施形態では、リネリキシバットの結晶形態I及びIIIの混合物を含む組成物であって、形態IIIは、組成物のリネリキシバット原薬成分の約40重量%以下の量で存在する、組成物が提供される。別の実施形態では、リネリキシバットは、約40mgの量で組成物中に存在する。
【0088】
別の実施形態では、形態III及び形態Iは、一緒に存在し、形態Iは、約1重量%~99重量%、約40重量%~95重量%、約50重量%~90重量%又は約60重量%~90重量%の量で存在する。一実施形態では、形態Iは、約1重量%~99重量%、約40重量%~95重量%、又は約50重量%~90重量%の量で存在する。一実施形態では、形態III及び形態Iは、一緒に存在し、形態Iは、約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、若しくは99重量%の量で、又は先行するパーセンテージの任意の2つの間の範囲で存在する。一実施形態では、形態III及び形態Iは、一緒に存在し、形態Iは、約90重量%~99重量%の量で存在する。一実施形態では、形態III及び形態Iは、一緒に存在し、形態Iは、約60重量%~99重量%の量で存在する。一実施形態では、形態III及び形態Iは、一緒に存在し、形態Iは、約50重量%~99重量%の量で存在する。一実施形態では、形態III及び形態Iは、一緒に存在し、形態Iは、約60重量%~90重量%の量で存在する。
【0089】
一実施形態では、リネリキシバットの結晶形態I及びIIIの混合物を含む組成物であって、形態Iは、組成物のリネリキシバット原薬成分の約1重量%~99重量%、約40重量%~95重量%、約50重量%~90重量%又は約60重量%~90重量%の量で存在する、組成物が提供される。別の実施形態では、リネリキシバットは、約40mgの量で組成物中に存在する。
【0090】
一実施形態では、形態III及び形態Iは、一緒に存在し、形態Iは、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%又は少なくとも約90重量%の量で存在する。
【0091】
一実施形態では、本発明は、リネリキシバットの形態I及び形態IIIを含む医薬組成物、例えば、経口投薬形態(例えば、錠剤又はカプセル)であって、形態IIIは、組成物のリネリキシバット原薬成分の約1重量%~100重量%の量で存在する、医薬組成物を提供する。一実施形態では、医薬組成物は、錠剤であり、形態IIIは、組成物のリネリキシバット原薬成分の約40重量%以下、約50重量%以下、又は約60重量%以下の量で存在する。一実施形態では、医薬組成物は、錠剤であり、組成物のリネリキシバット原薬成分は、実質的に純粋な形態IIIを含む。一実施形態では、形態IIIは、約50重量%未満又は約40重量%未満の量で錠剤のリネリキシバット原薬成分中に存在する。
【0092】
いくつかの実施形態では、当業者が理解するように、特定のリネリキシバット多形体は、前述の実施形態を特徴付ける分析データの2つ以上のセットの任意の組み合わせを特徴とする。例えば、一実施形態では、形態Iは、
図1と実質的に一致するX線粉末回折(XRPD)パターン及び
図3と実質的に一致する
13C固体NMR(SSNMR)スペクトルを特徴とする。別の実施形態では、形態IIIは、
図4と実質的に一致するX線粉末回折(XRPD)パターン及び
図6と実質的に一致する
13C固体NMR(SSNMR)スペクトルを特徴とする。
【0093】
形態I及びIIIは、XRPDによって容易に識別可能である。それらの完全なディフラクトグラムの重ね合わせは、
図7に示される。形態Iのディフラクトグラムに存在しないが、形態IIIのディフラクトグラムに存在する、およそ5.2、7.1、及び10.4°2θにおける追加のピークがある。形態I及びIIIはまた、
13C SSNMR分光法によって容易に識別可能である。形態I及びIIIの
13C SSNMRスペクトルの比較は、
図8に示される。形態I及び形態IIIの両方のスペクトル中の二重のいくつかの共鳴は、Z’=2(非対称単位あたりの分子の数)を示し、これは、X線回折によって決定される単結晶構造と一致する。拡大された芳香族スペクトル領域は、一例として、それぞれ約161.0ppm及び約161.6ppmにおける形態I及びIIIの特徴的なピークを示す(
図9)。例えば化学シフト約161ppmでの、
13C SSNMRスペクトルにおける特徴的な共鳴は、原薬及び医薬品の組成物中の形態IIIのレベルを評価するために使用され得る。
【0094】
形態I及び形態IIIの主要な特性が分析され、表Bに列挙された。米国食品医薬品局(FDA)に報告されたとおり、2つの固体形態の特性が類似しており、同様の融点、生体関連pH値における類似した溶解度を有し、安定性に関する顕著な差がないことを見出すことは驚くべきことであった。
【0095】
【0096】
加えて、リネリキシバットは、最小の全身性吸収を示し、形態I及び形態IIIの両方は、生体関連媒体中を含めて、類似した溶解度及び溶解挙動を示し、作用部位で完全に溶解している。したがって、投与の時点での、意図される臨床用量における原薬中の形態I及びIIIの比率が、製品の安全性、性能又は有効性の点でインビボ性能に影響を与えることは予想されていない。医薬組成物の製造中の形態Iから形態IIIへの形態変化を回避又は制御するための対策を講じることは必要とは見なされない。
【0097】
したがって、一態様では、本発明は、リネリキシバットの形態I及び形態IIIを含む新規医薬組成物を提供する。
【0098】
本発明はまた、40℃/75%RH及び50℃/周囲RHでの1ヶ月の保管後に、HPLC、XRPD及びSSNMRによって、形態、又は薬物関連不純物の含有量が変化しないことを実証する、リネリキシバットの結晶形態を提供する。
【0099】
XRPD(X線粉末回折)
XRPDパターンが、特定される値の±0.2度2θ、すなわち許容誤差内の回折角を含む場合、XRPDパターンは、本明細書で特定される「約」の値の回折角(「度2θ」又は「°2θ」で表される)を含むことが理解される。したがって、特定の実施形態では、XRPD回折角に関する許容誤差は、特定される値の±0.2度2θ内である。他の実施形態では、XRPD回折角に関する許容誤差は、特定される値の±0.1度2θ内である。さらに、用いられる装置、湿度、温度、粉末結晶の配向、及び他のパラメーター、例えば、サンプルの転置及び他の実験誤差、例えば、X線粉末回折(XRPD)パターンの取得に関与しているサンプル調製物の高さが、回折パターンにおける線の外観、強度、及び位置においていくらかの変動性を引き起こし得ることが当業者に周知であり、理解されている。
【0100】
用語「XRPD」は、用語「PXRD」と交換可能に本明細書で使用される。
【0101】
本明細書に提供されるX線粉末回折パターンは、シリコンウエハ反射XRPDを使用して生成された。
【0102】
本明細書に提供される
図1、
図4、
図12、
図15又は
図18のX線粉末回折パターンと「実質的に一致する」X線粉末回折パターンは、
図1、
図4、
図12、
図15又は
図18のXRPDパターンを提供した化合物と同じ結晶形態を有する化合物を表すと当業者によって見なされるであろうXRPDパターンである。すなわち、XRPDパターンは、
図1、
図4、
図12、
図15又は
図18のXRPDパターンと同一であってもよく、又はよりあり得ることに、それは、いくらか異なってもよい。このようなXRPDパターンは、本明細書に示される回折パターンのいずれか1つの線のそれぞれを必ずしも示さなくてもよく、且つ/又はデータの取得に関与している条件における差異から生じる前記線の外観、強度、又は位置におけるシフトのわずかな変化を示してもよい。当業者は、結晶化合物のサンプルが、本明細書に開示される形態と同じ形態を有するか、又は異なる形態を有するかを、それらのXRPDパターンの比較によって決定することが可能である。例えば、当業者は、リネリキシバットを含有するサンプルのXRPDパターンを
図1と重ね合わせ、当技術分野における専門的技術及び知識を使用して、サンプルのXRPDパターンが、リネリキシバットの形態IのXRPDパターンと実質的に一致するかどうかを容易に決定することができる。XRPDパターンが、
図1と実質的に一致する場合、サンプル形態は、形態Iと同じ形態を有すると容易に且つ正確に同定され得る。
【0103】
13C SSNMR(13C固体核磁気共鳴)
同様に、13C SSNMRスペクトルが、特定されるピーク値の±0.1ppm、すなわち許容誤差内の同位体化学シフト値を含む場合、SSNMRスペクトルは、本明細書で特定される「約」の値のピークを含むことが理解される。したがって、特定の実施形態では、13C SSNMRスペクトルピークに関する許容誤差は、特定されるピーク値の±0.1ppm内である。
【0104】
用いられる装置、湿度、温度、及び他のパラメーター、例えば、SSNMRスペクトルの取得に関与している場の強さ及びスピニング周波数が、スペクトルにおけるピークの外観、強度、及び位置においていくらかの変動性を引き起こし得ることが当業者に周知であり、理解されている。本明細書に提供される
図3、
図6、
図14、
図17又は
図20の
13C SSNMRスペクトルと「実質的に一致する」
13C SSNMRスペクトルは、
図3、
図6、
図14、
図17又は
図20の
13C SSNMRスペクトルを提供した化合物と同じ結晶形態を有する化合物を表すと当業者によって見なされるであろう
13C SSNMRスペクトルである。すなわち、
13C SSNMRスペクトルは、
図3、
図6、
図14、
図17又は
図20の
13C SSNMRスペクトルと同一であってもよく、又はよりあり得ることに、それは、いくらか異なってもよい。当業者は、結晶化合物のサンプルが、本明細書に開示される形態と同じ形態を有するか、又は異なる形態を有するかを、それらの
13C SSNMRスペクトルの比較によって、例えば、それらを重ね合わせることによって決定することが可能である。
【0105】
本発明の化合物
「本発明の化合物」は、3-({[(3R,5R)-3-ブチル-3-エチル-7-(メチルオキシ)-1,1-ジオキシド-5-フェニル-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,4-ベンゾチアゼピン-8-イル]メチル}アミノ)ペンタン二酸(すなわち、リネリキシバット)、その結晶形態(例えば、形態I、形態II、形態III、形態IV、形態V)、非晶質リネリキシバット又はそれらの2つ以上の混合物、例えば、形態I及び形態IIIの混合物を意味する。
【0106】
リネリキシバットの溶解度及び溶解プロファイル
リネリキシバットは、下部の腸において局所的に作用し、最小の全身性吸収を有する。遠位回腸における作用部位への通過時間は、典型的には、作用部位に到達する前に3~4時間である(1~9時間の範囲)。遠位回腸(作用部位)のpHは、pH6.8付近であり、自由液体腸体積の控えめな見積もりは、100mLである。したがって、リネリキシバットは、以下の条件で、作用部位において溶解している:
・腸pHにおけるリネリキシバット原薬の溶解度が、≧0.4mg/mL(40mg用量、100mL腸体積)である、
・リネリキシバット医薬品の溶解が、模擬腸条件(pH6.8)下で≦1時間で完了する。
【0107】
リネリキシバットは、胃及び腸の両方のpHで非常に迅速に放出することが示されている(pH1.2及びpH6.8における溶解度は、>1mg/mLであり、5分で完全な放出を示す)。6.8のpHは、溶解を測定するための最も生物学的に関連するpHを表し、薬物の局所的に作用する性質及び最小の全身性吸収に基づいて適切である。これらの条件下でのリネリキシバットの非常に迅速な放出の実証は、医薬品の品質及び性能の保証を提供する。
【0108】
したがって、本発明は、リネリキシバットが、約6.8の腸pHにおいて≧0.4mg/mLの溶解度を有する形態であることを特徴とし、経口投薬形態の溶解が、≦1時間で完了する、リネリキシバットの経口投薬形態を提供する。一実施形態では、リネリキシバットは、約6.8の腸pHにおいて>1mg/mLの溶解度を有する形態で存在する。別の実施形態では、リネリキシバットは、約6.8の腸pHにおいて>5mg/mLの溶解度を有する形態で存在する。さらなる実施形態では、リネリキシバットは、約1.2の胃pHにおいて>1mg/mLの溶解度を有する形態で存在する。別の実施形態では、リネリキシバットは、約1.2の胃pHにおいて>7mg/mLの溶解度を有する形態で存在する。一実施形態では、リネリキシバットは、本明細書に開示される形態(形態I、形態II、形態III、形態IV、形態V又は非晶質リネリキシバット)又はそれらの2つ以上の混合物で存在する。別の実施形態では、リネリキシバットは、結晶形態I、結晶形態III、又はそれらの混合物として存在する。さらなる実施形態では、リネリキシバットは、約40mgの量で存在する。一実施形態では、リネリキシバットの経口投薬形態は、錠剤である。さらなる実施形態では、経口投薬形態は、5分後に、約pH6.8における水性緩衝液中で少なくとも90%溶解している。一実施形態では、リネリキシバットの経口投薬形態は、
図24と実質的に一致する溶解プロファイルを示す。別の実施形態では、リネリキシバットの経口投薬形態は、本明細書に開示される所与の経口投薬形態と80~125%生物学的に同等である。
【0109】
本発明はまた、
図25と実質的に一致する溶解度プロファイルを示す、IBAT阻害剤を提供する。本発明はまた、
図25に示される溶解度プロファイルと80~125%同等の溶解度プロファイルを示す、IBAT阻害剤を提供する。一実施形態では、IBAT阻害剤は、リネリキシバットである。
【0110】
使用、治療方法、及び医薬組成物
本発明は、有効量の本発明の化合物、又は有効量の本発明の化合物及び任意選択の薬学的に許容される担体を含む組成物を患者に投与するステップを含む、原発性胆汁性胆管炎を有する患者における胆汁うっ滞性そう痒症を治療する方法を提供する。リネリキシバットを使用することによって胆汁うっ滞性そう痒症を治療する方法は、文献に記載される。例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる、Hegade, V.S., et al., “Effect of ileal bile acid transporter inhibitor GSK2330672 on pruritus in primary biliary cholangitis: a double-blind, randomised, placebo-controlled, crossover, phase 2a study,” Lancet, 389(10074):1114-112 (2007)を参照。
【0111】
本明細書で使用される場合、用語「治療」は、特定される状態を緩和すること、状態の1つ以上の症状を排除するか若しくは低減すること、状態の進行を遅らせるか若しくは排除すること、並びに以前に罹患したか若しくは診断された患者若しくは対象における状態の再発を予防するか若しくは遅延させることを指す。
【0112】
本明細書で使用される場合、用語「有効量」は、例えば研究者又は臨床医によって、求められている、組織、系、動物、又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発する薬物又は薬剤の量を意味する。別段記載されない限り、薬物又は薬剤の量は、遊離塩基化合物の量を指し、対応する薬学的に許容される塩の量を指すものではない。
【0113】
本発明はまた、本発明の化合物及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物を対象とする。本発明は、発明の化合物及び薬学的に許容される担体を混合するステップを含む、医薬組成物を調製する方法をさらに対象とする。
【0114】
「薬学的に許容される担体」は、本発明の化合物の製剤化に使用するのに十分な純度及び品質であり、ヒトに適切に投与された場合に有害反応を生じず、原薬(すなわち、本発明の化合物)のためのビヒクルとして使用される、任意の1つ以上の化合物及び/又は組成物を意味する。担体は、賦形剤、希釈剤、造粒剤及び/又は分散剤、界面活性剤及び/又は乳化剤、結合剤、保存剤、緩衝剤、滑沢剤、及び天然油を含み得る。したがって、本発明の一態様では、本明細書に開示される形態におけるリネリキシバットの組成物及び薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物が提供される。
【0115】
本発明はさらに、本発明の化合物及び1つ以上の薬学的に許容される担体を混合するステップを含む、医薬組成物を製造する方法を含み、そのような方法から生じる組成物を含み、該方法は、従来の製薬技術を含む。例えば、本発明の化合物は、製剤化前にナノミリングされてもよい。本発明の化合物はまた、粉砕、微粉化、又は当技術分野で公知の他の粒径縮小法によって調製されてもよい。本発明の医薬組成物は、当業者に公知の技術及び方法を使用して調製されてもよい。当技術分野で通常使用される方法のいくつかは、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Company)に記載されており、その教示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0116】
特に、本発明の化合物、又は本発明で使用される対応する医薬組成物若しくは製剤は、ヒト又は獣医学の医療に使用するための任意の好都合な方法で投与するために製剤化されてもよい。
【0117】
一実施形態では、医薬組成物は、経口投与用である。医薬組成物は、錠剤、カプセル、粉末、又は顆粒の形態であってもよい。一実施形態では、医薬組成物は、錠剤又はカプセルである。別の実施形態では、医薬組成物は、錠剤である。別の実施形態では、形態I及び形態IIIは、一緒に存在し、形態IIIは、約50重量%未満又は約40重量%未満の量で錠剤中に存在する。
【0118】
本発明における経口投与用の錠剤及びカプセルは、単位用量の提供形態であってもよく、従来の賦形剤、例えば結合剤、例えばシロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、又はポリビニルピロリドン;増量剤、例えばラクトース、糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトール又はグリシン;錠剤化滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール又はシリカ;崩壊剤、例えばジャガイモデンプン;又は許容される湿潤剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムを含有してもよい。錠剤は、通常の製薬実務において周知の方法に従ってコーティングされてもよい。
【0119】
本発明は、リネリキシバットを含む医薬組成物を調製する方法であって、該方法は、(1)形態I、形態III、又は形態I及び形態IIIの混合物、又は形態I、形態II、形態III、形態IV、形態V及び非晶質リネリキシバットの2つ以上の混合物を、薬学的に許容される担体と混合するステップを含む、方法を提供する。一実施形態では、方法は、生じた混合物を圧縮して、錠剤を形成するステップをさらに含む。
【0120】
本発明は、有効量の本明細書に開示される医薬組成物を患者に投与するステップを含む、原発性胆汁性胆管炎を有する患者における胆汁うっ滞性そう痒症を治療する方法をさらに提供する。
【0121】
以下に記載される実施例は、本発明を説明するものであり、本発明の範囲を限定することは決して意図されない。
【実施例】
【0122】
実験
以下の実施例は、本発明を説明する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定することは意図されず、むしろ本発明の結晶形態、組成物、及び方法を調製し使用するために当業者に手引きを提供することが意図される。本発明の特定の実施形態が記載されるが、当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び改変が行われ得ることを理解する。別段示されない限り、試薬は市販されているか、又は文献中の手順に従って調製される。
【0123】
実施例1
リネリキシバットの形態I及び非晶質リネリキシバット
実施例1a - 非晶質材料の調製
方法1
リネリキシバット(3.04g)を酢酸(60mL)と合わせ、周囲温度で撹拌して溶液をもたらし、これを0.2μmシリンジフィルターを通して濾過した。濾液(500μL)を、2mLバイアルにピペットで移し、これに蓋をして液体窒素中で凍結した。バイアルの蓋をすぐに取り外し、バイアルを3日間凍結乾燥した。生成物のXRPD分析は、結晶材料を示さなかった。非晶質リネリキシバットを、多形体選別研究のための投入物として使用した。
【0124】
方法2
代わりに、非晶質リネリキシバットは、i)機械的衝撃、例えば、ボールミリング又は微粉化による、ii)加熱とその後の急冷、又は脱溶媒和をもたらす溶媒和物の加熱、iii)特定の溶媒に基づく方法、例えば、回転蒸発、凍結乾燥、沈殿又は噴霧乾燥によるものを含むがこれらに限定されない、当業者に周知の技術を使用して製造されてもよい。
【0125】
例えば、非晶質リネリキシバットを、形態選別中に凍結乾燥によって、及びまた、RETSCH MM200ボールミル、大きなステンレス鋼チャンバー、1つの大きな12mmの及び2つの小さな10mmのステンレス鋼ボール、ボールミリング周波数25 1/sを使用して、形態選別中にボールミリングによって生成した。XRPDによる非晶質「ハロー」(すなわち著しい回折角がない)が観察されるまで、これを行った。
【0126】
実施例1b - 形態Iの調製
方法1
形態Iは、WO2011/137135、実施例26中の手順に従って調製されてもよい。
【0127】
方法2
リネリキシバットの形態Iを、以下の手順に従って大規模(>500g)で調製した。すべての充填は、投入リネリキシバットに基づいた。
【0128】
中間等級のリネリキシバットを、アセトニトリル/水(12vol/8vol)中に還流(約76℃)で溶解した。溶液を形態I(2%w/w)で70℃にてシーディングし、15分かけて60℃に冷却し、60℃で2時間熟成させた。水(14vol)を8時間かけて添加し、1時間熟成させた。懸濁液を1時間かけて20℃に冷却し、>30分間熟成させた。スラリーを濾過し、アセトニトリル:水(6:11v/v)(3.5vol)で洗浄し、次いで水(2vol)で2回洗浄し、窒素を8~18時間吹き込んだ。乾燥を、カールフィッシャー測定値(KF)が<10%w/wになるまで、撹拌せずに40~50℃にて真空下で行った。バッチを、KF≦1%w/wまで3時間ごとに2分間、4rpmで撹拌して、形態Iを得た。
【0129】
形態Iはまた、シーディングのステップなしで上記の手順によって調製することができる。
【0130】
方法3
リネリキシバットの形態Iを、以下の手順に従って大規模(>50kg)で調製した。反応器(反応器1)に、55.84kgのGSK2330672B(1.0wt)中間等級(IG)、続いてアセトニトリル(12vol)及び精製水(8vol)を充填した。混合物を加熱還流し(74~79℃)、完全な溶解が観察されるまで保持した。次いで、溶液を、フィルター(0.22μmパイプ-ラインフィルター)を介して、74~79℃に予熱された反応器(反応器2)に移した。反応器1を、アセトニトリル(MeCN)(0.3vol)及び精製水(0.2vol)ですすぎ、反応器1中の溶液を、フィルター(0.22μmパイプ-ラインフィルター)を介して反応器2に移した。反応器2の内容物を、完全な溶解が観察されるまで保持した。反応器2中の溶液を、69~72℃に冷却し、次いで、2w/w%(純粋なGSK2330672B投入物に基づく)でシーディングした。懸濁液を10~20分以内に58~62℃に冷却した。懸濁液を58~62℃で2時間保持した。精製水(14vol)を8時間かけて添加した。添加が完了した後、スラリーを、58~62℃で60分間保持し、次いで、50~70分かけて18~25℃に冷却した。スラリーを18~25℃で30分間以上撹拌し、次いで、懸濁液を真空下で濾過した。反応器をMeCN/水(6/11v:v、3.5vol)ですすぎ、すすぎ液を使用してケーキを洗浄した。ケーキを水(2vol)で2回洗浄した。ケーキに窒素を吹き込み、真空下で60℃にて乾燥させて、46.35kgのGSK2330672B形態1固体を得た。
【0131】
方法4
10.94gのGSK2330672Bを、131mLのアセトニトリル(MeCN)及び88mLの水を使用して容器に充填し洗浄した。次いで、スラリーを加熱還流した。4mLの3:2v/v MeCN/水を充填し、続いて5.5mLの3:2v/v MeCN/水を充填した。内容物を70℃に冷却し、次いで、15分かけて60℃に冷却し、2時間撹拌し続けた。153mLの水を8時間かけて添加し、内容物を1時間かけて20℃に冷却し、1時間撹拌し続けた。生成物を単離し、38mLの6:11 MeCN/水で洗浄し、次いで、22mLの水で2回洗浄した。脱液後、生成物を真空下で45℃にて乾燥させて、9.35g(85.5%w/w)の形態IのGSK2330672Bを得た。
【0132】
実施例1c - 形態IのXRPD
リネリキシバットの形態IのX線粉末回折(XRPD)パターンを
図1に示し、回折角及びd-間隔の概要を以下の表1に示す。XRPDデータは、PANalytical X’Pert Pro粉末回折計、モデルPW3040/60でX’Celerator検出器を使用して取得した。取得条件は以下のとおりであった:
放射線:Cu K
α、
発電機電圧:40kV、
発電機電流:45mA、
開始角度:2.0°2θ、
終了角度:40.0°2θ、
ステップサイズ:0.0167°2θ、
ステップあたりの時間:31.75秒。
【0133】
数ミリグラムのサンプルをシリコンウエハ(ゼロバックグラウンドプレート)上に載せ、粉末の薄層をもたらすことによって、サンプルを調製した。
【0134】
【0135】
実施例1d - 形態IのDSC
本出願におけるDSCサーモグラムを、TA discovery Q2500を使用して得た。サンプルをアルミニウムパンに秤量し、パンの蓋を上に置き、パンを密封せずに軽くかしめた。実験を、10℃分
-1の加熱速度を使用して実施した。形態IのDSCサーモグラムを
図2に示し、形態Iは、およそ205.6℃における融解開始を有し、約208.6℃におけるピーク温度を有する。
【0136】
実施例1e - 形態Iの13C固体NMR(13CSSNMR)
13C固体NMRデータを、500.13MHzの1H動作周波数を用いて、Bruker Avance III NMR分光計を使用して取得した。分光計には、8kHzの回転周波数で動作する、4mmの二重共鳴マジック角回転プローブが備え付けられていた。交差分極効率を高めるために1Hチャネルで使用される直線的出力ランプを用いて、交差分極を使用してスペクトルを得た。スピニングサイドバンドを、全サイドバンド抑制シーケンスによって排除した。1Hデカップリングを、SPINAL-64シーケンスを使用して得た。13C化学シフトは、0ppm(百万分率)におけるテトラメチルシランを基準とし、176.4ppmおけるα-グリシン中のカルボニルピークを二次基準として使用する。
【0137】
リネリキシバットの形態Iについての
13C SSNMRスペクトルを
図3に示す。形態Iについて特徴的な炭素ピークは、161.0、140.4、124.7、65.0、63.8、35.8、及び30.4ppmを含む。
【0138】
実施例1f - 形態Iの単結晶構造
遊離塩基リネリキシバットの純粋な形態の測定される単結晶を、混合されたアセトニトリル/水の溶液からゆっくり冷却することによって調製した。
【0139】
単結晶データを、Incoatec microfocus 3.0 CuKα Sourceを使用して、Bruker D8 Ventureシステムで収集した。データ収集及び単位胞インデックス付けを、APEX3 v2017.3-0スイート(Bruker AXS Inc.、2017)で行った;測定された強度データの処理は、SAINT V8.38Aソフトウェアパッケージ(Bruker AXS Inc.、2017)を用いて行った。構造を、SHELXT-2018/2ソフトウェアパッケージ(Sheldrick、2018)を使用した直接法によって解明した。導出された原子パラメーター(座標及び温度因子)を、SHELXL-2018/3(Sheldrick、2018)における完全行列最小二乗法によって精密化した。水素を、理想的な位置に導入した。
【0140】
単結晶X線データを低温(-123℃)で測定した。単結晶を、以下の単位胞パラメーターを有するリネリキシバット構造と確認した:
a=9.0428(5)Å、b=18.5813(9)Å、c=35.320(2)Å、α=β=γ=90°、
V5934.7(6)Å3、
空間群P212121、
薬物分子/単位胞8、
Z’=2(Z’は、非対称単位あたりの薬物分子の数である)、
密度(計算値)1.224g/cm3。
【0141】
実施例2
リネリキシバットの形態III
実施例2a - 形態IIIの調製方法
方法1
イソプロピルアルコール(IPA)/水(7:3v/v、70mL)の混合物中のリネリキシバットの形態I(4.93g)のスラリーを調製し、40℃に加熱し、IPA/水(7:3v/v、0.5mL)中でスラリー化された形態III(20mg)でシーディングし、次いで、温度を40~0℃の間で2日間サイクルした。スラリーを真空下で濾過し、IPA/水(7:3v/v、5mL)で洗浄した。固体を真空オーブン中50℃で2日間乾燥させた。乾燥生成物(4.559g)をXRPDにより分析し、形態IIIのGSK2330672Bであることが確認された。
【0142】
方法2
96.6g(1wt)のGSK2330672Bを、1353mL(14vol)の7:3イソプロピルアルコール(IPA)/水中に懸濁した。次いで、スラリーを撹拌し、以下のように76時間熱サイクルした:スラリーをおよそ1時間かけて40℃に加熱し、およそ1時間保持し、およそ1時間かけて0℃に冷却し、0℃でおよそ1時間保持した。次いで、0℃で少なくとも1時間保持したら、生成物を濾過し、2~8℃に冷やした96.6mL(1vol)の7:3 IPA/水で洗浄し、1時間吹き込んだ。次いで、生じた固体を、真空下で50℃にて撹拌機で乾燥させて、GSK2330672B形態III固体を得た。
【0143】
方法3
反応器(反応器1)に、6.00kgのGSK2330672B、続いてイソプロピルアルコール(IPA)(9.8vol)及び精製水(4.2vol)を充填した。以下の温度サイクルを3回行った:35~45℃に1~3時間加熱し、1~2時間保持し、次いで、-2~6℃に1~3時間冷却し、1~2時間保持した。懸濁液を濾過し、IPA/水(2.6:1.2v/v、3.8vol)で洗浄した。濾過ケーキに窒素を吹き込み、15~25℃にて真空下で撹拌せずに12時間乾燥させ、45~55℃にて真空下で撹拌せずに3時間乾燥させ、次いで、ガスクロマトグラフィー(GC)により残存IPAが0.5(%w/w)以下になるまで、45~55℃にて真空下で断続的に撹拌しながら乾燥させた。乾燥固体を20メッシュのふるいサイズを用いてふるいにかけて、5.60kgの形態IIIのGSK2330672Bを得た。
【0144】
実施例2b - 形態IIIのXRPD
リネリキシバットの形態IIIのX線粉末回折(XRPD)パターンを
図4に示し、回折角及びd-間隔の概要を以下の表2に示す。XRPDデータは、実施例1cと同じ装置及び条件を使用して取得した。
【0145】
【0146】
実施例2c - 形態IIIのDSC
形態IIIのDSCサーモグラムを、TA discovery Q2500を使用して得て、実施例1dと同じ条件下で行った。形態IIIのDSCサーモグラムを
図5に示し、形態IIIは、およそ202.6℃における融解開始を有し、約205.8℃におけるピーク温度を有する。
【0147】
実施例2d - 形態IIIの13C固体NMR
リネリキシバットの形態IIIについての
13C SSNMRスペクトルを
図6に示す。
13C SSNMRデータは、実施例1eと同じ装置及び条件を使用して取得した。形態IIIについて特徴的な炭素ピークは、161.6、145.6、141.6、62.7、34.5、24.3、16.7、及び16.0ppmを含む。
【0148】
実施例3
形態Iから形態IIIへの形態変化
実施例3a - 形態Iから形態IIIへの変換
実施例1bに記載される製造手順は、一般に純粋な形態Iを提供するであろう。しかし、最終乾燥ステップ後の1つの製造バッチにおいて、低レベルでの形態IIIの存在が観察された。
13C SSNMR分光法及びXRPDによる定性的評価は、形態III含有量が、そのバッチ中約10%w/w以下であることを示した。調査により、この発生は、より小さいフィルター乾燥機(撹拌乾燥段階)での比較的大きなバッチサイズの組み合わせに起因し、その結果、湿った材料が撹拌中により大きなせん断力を受け、形態Iから形態IIIへのいくらかの変換を引き起こした。錠剤圧縮プロセス中にも、形態Iから形態IIIへの変換が観察された。錠剤中の形態IIIのレベルは、製剤化プロセス中に使用された加えられた圧縮負荷と正の相関があることが観察されており、錠剤のリネリキシバット原薬成分の最大およそ40重量%のレベルであると定性的に推定されている。製剤開発中、リネリキシバット圧縮混合物のサンプルを、本格的な錠剤化プロセスを模倣するデバイス中で凝縮した。これらの「凝縮体」についてX線粉末ディフラクトグラム(XRPD)を得た。圧縮力が増加すると、XRPDパターンが変化し、一部のピークの強度が失われ、他のピークが形成された。このことは別の固体形態の存在を示しており、これは、その後形態IIIと確認された。
図10は、形態I、形態III、及び形態Iを250MPaで圧縮することによって得られた凝縮体のXRPDパターンの重ね合わせを示す。XRPDデータは、実施例1cと同じ装置及び条件を使用して取得した。同じ凝縮体について
13C SSNMRスペクトル分析を行い、それは形態IIIの存在を示した(
図11)。
図11の挿入図は、それぞれ161.0ppm及び161.6ppmの化学シフトにおける形態I及び形態IIIの特徴的なピークの例を示す。
13C SSNMRスペクトルにおける形態I及び形態IIIのピークの強度は、混合物のサンプル中の2つの多形形態の類似した集団を定性的に示す。
13C SSNMRデータは、実施例1eと同じ装置及び条件を使用して取得した。
【0149】
実施例3b - 錠剤中の形態IIIのレベル
3つの異なる引張強度1.6MPa、2.4MPa及び3.2MPaを達成するために異なる力で圧縮された形態Iのリネリキシバット錠剤、90mgについて13C SSNMRデータを収集した。13C SSNMRデータは、実施例1eと同じ装置及び条件を使用して取得した。引張強度の増加に伴い、形態III含有量が増加する傾向が観察された。調査された範囲内の引張強度を有した錠剤について、形態III含有量は、約40%w/w未満(錠剤のリネリキシバット原薬成分の総重量と比較して)と推定された。
【0150】
プロセス開発研究は、調査された引張強度範囲内で製造された生成物が、様々な錠剤サイズ及び形状にわたって適切な物理的強度(硬度)の錠剤を生成することを示した。したがって、臨床使用について提案されるリネリキシバット錠剤について、錠剤コア硬度を工程内管理として使用する圧縮中に引張強度が許容範囲に維持されるため、圧縮中の形態III変換は、錠剤のリネリキシバット原薬成分の最大約40%w/wであると推定される。
【0151】
実施例4
リネリキシバットの形態II
実施例4a - 形態IIの調製方法
方法1
ボールミリングによって調製された非晶質材料(1.9g)、及び形態II(24.6mg)を、4つの20mLバイアル間で均等に分け、粘度が高まるまでジクロロメタン(6.1mL)中に懸濁した。ジクロロメタン(DCM)(4.1mL)を各バイアルに添加し、内容物を7日間撹拌した。合わせたスラリーを、0.45ミクロンフィルターでの真空濾過によって単離し、約1時間脱液して、形態II固体を得た。
【0152】
方法2
125mLのエルレンマイヤーフラスコに、合計629.1mgの形態1及び合計112mLの3:7v/vメチルtert-ブチルエーテル/メタノール(MTBE/MeOH)を添加し、撹拌子を用いて5時間撹拌した。撹拌を停止し、WHATMAN0.45ミクロンナイロンシリンジフィルターを通して濾過した。53mLの濾過された溶液を、蓋を緩めた清潔な120mL瓶に移し、溶媒を3日間蒸発させた。次いで、蓋を取り外し、瓶をKIMWIPEで覆い、蒸発をさらに9日間続けて、174mgの形態II固体を得た。
【0153】
実施例4b - 形態IIのXRPD
リネリキシバットの形態IIのX線粉末回折(XRPD)パターンを
図12に示し、回折角及びd-間隔の概要を以下の表3に示す。XRPDデータは、実施例1cと同じ装置及び条件を使用して取得した。
【0154】
【0155】
実施例4c - 形態IIのDSC
形態IIのDSCサーモグラムを、TA discovery Q2500を使用して得て、実施例1dと同じ条件下で行った。形態IIのDSCサーモグラムを
図13に示し、形態IIは、およそ204.7℃における融解開始を有し、約206.5℃におけるピーク温度を有する。
【0156】
実施例4d - 形態IIの13C固体NMR
リネリキシバットの形態IIについての
13C SSNMRスペクトルを
図14に示す。
13C SSNMRデータを、400.22MHzの動作周波数を用いて、Bruker 400MHz Avance III HD NMR分光計を使用して取得した。分光計には、8kHzの回転周波数で動作する、4mmの二重共鳴マジック角回転プローブが備え付けられていた。交差分極効率を高めるために
1Hチャネルで使用される直線的出力ランプを用いて、交差分極を使用してスペクトルを得た。スピニングサイドバンドを、全サイドバンド抑制シーケンスによって排除した。
1Hデカップリングを、SPINAL-64シーケンスを使用して得た。
13C化学シフトは、0ppm(百万分率)におけるテトラメチルシランを基準とし、176.4ppmおけるα-グリシン中のカルボニルピークを二次基準として使用する。
【0157】
実施例5
リネリキシバットの形態IV
実施例5a - 形態IVの調製方法
方法1
125mLのエルレンマイヤーフラスコに、合計629.1mgの形態I及び合計112mLの3:7v/vメチルtert-ブチルエーテル/メタノール(MTBE/MeOH)を添加し、撹拌子を用いて5時間撹拌した。撹拌を停止し、WHATMAN0.45ミクロンナイロンシリンジフィルターを通して濾過した。57mLの濾過された溶液を、120mL琥珀色QORPAK瓶に移し、形態IV*シード(0.54mg)を添加した。蓋を緩め、ゆっくりとした蒸発を開始した。2日後、蓋を取り外し、蒸発を合計12日間続けた。湿ったペーストを、真空及び窒素パージを適用した真空オーブン中に置き、周囲温度(21.5℃)で一晩乾燥させた。乾燥材料は、形態IVであった。収量=186mg。
【0158】
*残存している形態Iが、形態IVシード中に存在する。
【0159】
方法2
25mgのGSK2330672Bを2mLバイアルに分注し、1.5mLのメチルtert-ブチルエーテル/メタノール(MTBE/MeOH)(3:7v/v)を添加し、室温で一晩撹拌して平衡化した。スラリーを、0.2umのシリンジフィルターを通して清潔なバイアルへと濾過し、蓋を緩めてゆっくりと蒸発させた。スラリーを室温で濾過し、2時間風乾して、形態IVのGSK2330672Bを得た。
【0160】
実施例5b - 形態IVのXRPD
リネリキシバットの形態IVのX線粉末回折(XRPD)パターンを
図15に示し、回折角及びd-間隔の概要を以下の表4に示す。XRPDデータは、実施例1cと同じ装置及び条件を使用して取得した。
【0161】
【0162】
実施例5c - 形態IVのDSC
形態IVのDSCサーモグラムを、TA discovery Q2500を使用して得て、実施例1dと同じ条件下で行った。形態IVのDSCサーモグラムを
図16に示し、形態IVは、およそ195.2℃における融解開始を有し、約200.4℃におけるピーク温度を有する。
【0163】
実施例5d - 形態IVの13C固体NMR
リネリキシバットの形態IVについての
13C SSNMRスペクトルを
図17に示す。
13C SSNMRデータを、400.22MHzの動作周波数を用いて、Bruker 400MHz Avance III HD NMR分光計を使用して取得した。分光計には、8kHzの回転周波数で動作する、4mmの二重共鳴マジック角回転プローブが備え付けられていた。交差分極効率を高めるために
1Hチャネルで使用される直線的出力ランプを用いて、交差分極を使用してスペクトルを得た。スピニングサイドバンドを、全サイドバンド抑制シーケンスによって排除した。
1Hデカップリングを、SPINAL-64シーケンスを使用して得た。
13C化学シフトは、0ppm(百万分率)におけるテトラメチルシランを基準とし、176.4ppmおけるα-グリシン中のカルボニルピークを二次基準として使用する。
【0164】
実施例6
リネリキシバットの形態V
実施例6a - 形態Vの調製方法
ボールミリングによって調製された非晶質材料(810.8mg)を、20mLバイアル中で3:7v/vエタノール:水(8.0mL)及び磁気撹拌子と合わせた。溶媒を1mLのアリコートにおいて添加し、添加するたびに振盪した。合計4mLを添加した後、懸濁液を短い間ボルテックスした。残りの4mLを1mLのアリコートにおいて添加し、次いで、再度ボルテックスし、撹拌を室温で開始した。2.5時間後、形態IIシード(3.71mg、ロット103774-RT-002)を添加し、混合物を短い間ボルテックスし、撹拌を続けた。1日の撹拌の後、およそ1.5時間ブフナー漏斗に真空を適用しながら、固体をWHATMAN1濾紙で濾過した。次いで、真空を停止し、固体をKIMWIPEで覆い、週末にかけてヒュームフード中で風乾させた。次いで、ブフナー漏斗への真空を再開し、4.5時間保持し、次いで固体を濾紙から単離した。単離された収率は、73%(590mg)であった。XRPDは、乾燥材料が形態Vであることを示した。
【0165】
実施例6b - 形態VのXRPD
リネリキシバットの形態VのX線粉末回折(XRPD)パターンを
図18に示し、回折角及びd-間隔の概要を以下の表5に示す。XRPDデータは、実施例1cと同じ装置及び条件を使用して取得した。
【0166】
【0167】
実施例6c - 形態VのDSC
形態VのDSCサーモグラムを、TA discovery Q2500を使用して得て、実施例1dと同じ条件下で行った。形態VのDSCサーモグラムを
図19に示し、形態Vは、およそ197.5℃における融解開始を有し、約201.3℃におけるピーク温度を有する。
【0168】
実施例6d - 形態Vの13C固体NMR
リネリキシバットの形態Vについての
13C SSNMRスペクトルを
図20に示す。
13C SSNMRデータを、400.22MHzの動作周波数を用いて、Bruker 400MHz Avance III HD NMR分光計を使用して取得した。分光計には、8kHzの回転周波数で動作する、4mmの二重共鳴マジック角回転プローブが備え付けられていた。交差分極効率を高めるために
1Hチャネルで使用される直線的出力ランプを用いて、交差分極を使用してスペクトルを得た。スピニングサイドバンドを、全サイドバンド抑制シーケンスによって排除した。
1Hデカップリングを、SPINAL-64シーケンスを使用して得た。
13C化学シフトは、0ppm(百万分率)におけるテトラメチルシランを基準とし、176.4ppmおけるα-グリシン中のカルボニルピークを二次基準として使用する。
【0169】
実施例7
リネリキシバット錠剤、40mgの組成物
40mgのリネリキシバット(遊離塩基)を含有する経口投与用の即時放出錠剤製剤を開発した。リネリキシバット錠剤、40mgを、標準的な薬剤製造プロセス(直接圧縮)及び従来の賦形剤を使用して製造する。錠剤は丸く紫色で、フィルムコーティングされており、印はない。胃環境で迅速に溶解する、外観をよくするフィルムコートの存在は、遠位回腸で局所的に作用し、作用部位に到達するまでの長いGI通過時間を有する、薬物のインビボ性能にほとんど影響を与えないと予想される。
【0170】
40mgリネリキシバット錠剤の組成を表Cに提供する:
【0171】
【0172】
注釈
1. 量は、投入原薬の割り当てられた純度を反映するように調整可能である
2. Opadry Purple 03B200014は、ヒプロメロース(E464)Ph.Eur.、又はUSP、JP、ChP、GB二酸化チタン(E171)Ph.Eur.、又はUSP、JP、ChP、GB、FCC、マクロゴール/ポリエチレングリコール400(E1521)Ph.Eur.又はUSP/NF、JP、JECFA、FCC、黒酸化鉄/四酸化三鉄(E172)NF、JPE、JECFA、ChP、赤酸化鉄(E172)NF、JPE、JECFA、ChPを含有する
3. 錠剤あたりに適用されるフィルムコートの重量は、プロセスの効率によって変わり得るが、典型的には錠剤コア重量の3%w/wである
4. フィルムコート懸濁液を作製し、次いで、処理中に除去されるのに十分な量
【0173】
本発明の一実施形態では、本明細書に開示される形態(形態I、形態II、形態III、形態IV、形態V、非晶質リネリキシバット又はそれらの2つ以上の混合物)におけるリネリキシバットの経口投薬形態であって、リネリキシバットは、約40mgの量で存在し、表Cにおける組成と実質的に一致する組成を有する、経口投薬形態が提供される。
【0174】
本発明の別の実施形態では、形態I、形態III、又はそれらの混合物として存在するリネリキシバットの経口投薬形態であって、リネリキシバットは、約40mgの量で存在し、表Cにおける組成と実質的に一致する組成を有する、経口投薬形態が提供される。
【0175】
実施例8
リネリキシバット溶解度プロファイル
実験8a
リネリキシバット原薬の溶解度を、形態I及び形態IIIに関して、37±1℃で1.2~6.8のpH範囲にわたって決定した。pH1.2、4.5及び6.8における緩衝液を含む、この範囲内の8個のpH値を評価した。リネリキシバットについての治療用量は、40mgである。したがって、250mLに溶解されている40mgの用量に相当する0.16mg/mLを超える溶解度は、高い溶解度と見なされる。
【0176】
表D及びEに示される結果は、リネリキシバット形態I及び形態IIIが両方とも、溶解度最小値(pH3.2~pH4.2の間)の近くを除く生理学的範囲におけるすべてのpHにおいて高度に溶解性であり、形態Iと形態IIIとの間の溶解度に著しい差がないことを実証する。
【0177】
図26は、pH3~pH5の間の範囲における、4時間における表D及びEから得られたデータのプロットである。
【0178】
【0179】
【0180】
表D及びEについての注釈:
SGF=模擬胃液
BR=ブリトンロビンソン
【0181】
実験8b
溶解度データを、リネリキシバット形態I、リネリキシバット形態IIIの原薬サンプルについて、さらに、錠剤製造中に遭遇する典型的な力を再現するために、100MPaに圧縮され、したがってある量の形態IIIを含有する形態Iのサンプルについて得た。
【0182】
原薬サンプルについて使用された媒体は、胃及び腸で経験される可能性がある生体関連媒体、すなわち、増加するpHの範囲(1.6、2.0及び4.0)にわたる模擬胃液(SGF)、及び6.5のpHにおける絶食状態の模擬腸液(FaSSIF)であった。溶解度データを、50mM酢酸ナトリウム緩衝液pH4.5中でも得た。結果を表Fに示す。
【0183】
【0184】
実験8c
形態I及び形態IIIの溶解度を、ブリトン-ロビンソン緩衝液(pH2~8)中でも測定し、遠心分離及び濾過後の定量化のための発展HPLC法を使用する自動化プラットフォームによる標準化小型振盪フラスコ法を使用して決定及び比較した。サンプルを37℃で実行し、1、4及び24時間において、各pH条件について2つの反復調製物として、及び各生体関連媒体条件について4つの反復調製物として行った。結果を
図25に示す。
【0185】
このデータに基づく結論は、生体関連媒体中の形態I、形態III及び圧縮された形態Iの溶解度が、非常に類似しているということである。
【0186】
実施例9
リネリキシバット錠剤溶解プロファイル
リネリキシバット錠剤、40mgについて開発される溶解手順を、USP<711>に指図されるように決定し、方法パラメーターを表Gに示す。溶解された薬物のパーセンテージは、現在、勾配逆相HPLCによって決定される。
【0187】
【0188】
pH6.8における上記溶解法を、2つのバッチのリネリキシバット錠剤、40mgに適用し、得られたプロファイルを
図24に示す。
【0189】
本発明は、本明細書において上に説明される態様又は実施形態に限定されず、説明される態様若しくは実施形態、並びに以下の特許請求の範囲内に含まれるすべての改変に対して権利が留保されることを理解されたい。
【0190】
本明細書で引用される雑誌、特許、及び他の出版物に対する様々な参考文献は、最先端技術を構成しており、あたかも完全に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Cu K
α
放射線を使用して測定された場合、約5.2、7.1、10.4、13.3、15.7、19.1、20.9、及び21.3度2θからなる群から選択される、少なくとも3個又は少なくとも4個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とするか、及び/又は
図4と実質的に一致するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とするか、及び/又は
図6と実質的に一致する
13
C固体NMR(SSNMR)スペクトルを特徴とする、リネリキシバットの結晶形態
III。
【請求項2】
i)請求項
1に記載のリネリキシバットの結晶形態IIIと、ii)リネリキシバットの結晶形態Iとの混合物
であって、形態Iが、Cu K
α
放射線を使用して測定された場合、約5.0、5.5、7.0、8.9、9.9、12.1、13.3、14.9、18.6、19.9、20.6、及び22.3度2θからなる群から選択される、少なくとも3個又は少なくとも4個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とするか、及び/又は、図1と実質的に一致するXRPDパターンを特徴とするか、及び/又は図3と実質的に一致する
13
C SSNMRスペクトルを特徴とする、混合物。
【請求項3】
請求項1に記載のリネリキシバットの結晶形態IIIを含む、組成物。
【請求項4】
請求項
2に記載のリネリキシバットの結晶形態I及びIIIの混合物を含む、組成物。
【請求項5】
形態IIIが、組成物のリネリキシバット原薬成分の約
10重量%~約40重量
%の量で存在する、請求項
4に記載の組成物。
【請求項6】
リネリキシバットが、約40mgの量で存在する、請求項
3~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
請求項
3~
6のいずれか一項に記載の組成物及び薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項8】
医薬組成物が、経口投与用である、請求項
7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
医薬組成物が、錠剤又はカプセルである、請求項
8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
医薬組成物が、錠剤である、請求項
9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
療法における使用のための、請求項7~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
原発性胆汁性胆管炎を有する患者における胆汁うっ滞性そう痒症
の治療における使用のための、請求項7~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
原発性胆汁性胆管炎を有する患者における胆汁うっ滞性そう痒症を治療するための医薬品の製造における、請求項1に記載のリネリキシバットの結晶形態III、請求項2に記載の混合物、請求項3~6のいずれか一項に記載の組成物、又は請求項7~10のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0190
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0190】
本明細書で引用される雑誌、特許、及び他の出版物に対する様々な参考文献は、最先端技術を構成しており、あたかも完全に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
(付記)
(付記1)
形態IIIである、リネリキシバットの結晶形態。
(付記2)
形態IIIが、図4と実質的に一致するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、付記1に記載の結晶形態。
(付記3)
形態IIIが、Cu K
α
放射線を使用して測定された場合、約5.2、7.1、10.4、13.3、15.7、19.1、20.9、及び21.3度2θからなる群から選択される、少なくとも3個又は少なくとも4個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする、付記1に記載の結晶形態。
(付記4)
形態IIIが、図6と実質的に一致する
13
C固体NMR(SSNMR)スペクトルを特徴とする、付記1に記載の結晶形態。
(付記5)
i)付記1~4のいずれか一項に記載のリネリキシバットの結晶形態IIIと、ii)リネリキシバットの結晶形態Iとの混合物。
(付記6)
形態Iが、図1と実質的に一致するXRPDパターンを特徴とする、付記5に記載の混合物。
(付記7)
形態Iが、Cu K
α
放射線を使用して測定された場合、約5.0、5.5、7.0、8.9、9.9、12.1、13.3、14.9、18.6、19.9、20.6、及び22.3度2θからなる群から選択される、少なくとも3個又は少なくとも4個の回折角を含むXRPDパターンを特徴とする、付記5に記載の混合物。
(付記8)
形態Iが、図3と実質的に一致する
13
C SSNMRスペクトルを特徴とする、付記5に記載の混合物。
(付記9)
形態IIである、リネリキシバットの結晶形態。
(付記10)
形態IVである、リネリキシバットの結晶形態。
(付記11)
形態Vである、リネリキシバットの結晶形態。
(付記12)
リネリキシバットの非晶質形態。
(付記13)
付記1~12のいずれか一項に記載の形態におけるリネリキシバット、又はそれらの2つ以上の混合物を含む、組成物。
(付記14)
付記5~8のいずれか一項に記載のリネリキシバットの結晶形態I及びIIIの混合物を含む、組成物。
(付記15)
形態IIIが、組成物のリネリキシバット原薬成分の約40重量%以下の量で存在する、付記14に記載の組成物。
(付記16)
リネリキシバットが、約40mgの量で存在する、付記14又は15に記載の組成物。
(付記17)
付記13~16のいずれか一項に記載の組成物及び薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
(付記18)
医薬組成物が、経口投与用である、付記17に記載の医薬組成物。
(付記19)
医薬組成物が、錠剤又はカプセルである、付記18に記載の医薬組成物。
(付記20)
医薬組成物が、錠剤である、付記19に記載の医薬組成物。
(付記21)
有効量の、付記17~20のいずれか一項に記載の医薬組成物を患者に投与するステップを含む、原発性胆汁性胆管炎を有する患者における胆汁うっ滞性そう痒症を治療する方法。
(付記22)
リネリキシバットが、約6.8の腸pHにおいて≧0.4mg/mLの溶解度を有する形態で存在することを特徴とし、経口投薬形態の溶解が、≦1時間で完了する、リネリキシバットの経口投薬形態。
(付記23)
リネリキシバットが、約6.8の腸pHにおいて>1mg/mLの溶解度を有する形態で存在する、付記22に記載のリネリキシバットの経口投薬形態。
(付記24)
リネリキシバットが、約1.2の胃pHにおいて>1mg/mLの溶解度を有する形態で存在する、付記22又は付記23に記載のリネリキシバットの経口投薬形態。
(付記25)
リネリキシバットが、付記1~12のいずれか一項に記載の形態、又はそれらの2つ以上の混合物で存在する、付記22~24のいずれか一項に記載のリネリキシバットの経口投薬形態。
(付記26)
リネリキシバットが、結晶形態I、結晶形態III、又はそれらの混合物として存在する、付記22~24のいずれか一項に記載のリネリキシバットの経口投薬形態。
(付記27)
リネリキシバットが、約40mgの量で存在する、付記22~26のいずれか一項に記載のリネリキシバットの経口投薬形態。
(付記28)
錠剤である、付記22~27のいずれか一項に記載のリネリキシバットの経口投薬形態。
(付記29)
5分後に、約pH6.8における水性緩衝液中で少なくとも90%溶解している、付記22~28のいずれか一項に記載のリネリキシバットの経口投薬形態。
(付記30)
図24と実質的に一致する溶解プロファイルを示す、リネリキシバットの経口投薬形態。
(付記31)
付記22~30のいずれか一項に記載の経口投薬形態と80~125%生物学的に同等である、リネリキシバットの経口投薬形態。
(付記32)
図25に示される溶解度プロファイルと80~125%同等の溶解度プロファイルを示す、IBAT阻害剤。
(付記33)
図25と実質的に一致する溶解度プロファイルを示す、IBAT阻害剤。
(付記34)
リネリキシバットである、付記32又は付記33に記載のIBAT阻害剤。
【国際調査報告】