(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-16
(54)【発明の名称】多層相変化メモリ・デバイス
(51)【国際特許分類】
H10B 63/10 20230101AFI20240109BHJP
H10N 70/00 20230101ALI20240109BHJP
H10N 70/20 20230101ALI20240109BHJP
H10N 99/00 20230101ALI20240109BHJP
【FI】
H10B63/10
H10N70/00 A
H10N70/20
H10N99/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538738
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(85)【翻訳文提出日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 CN2021126411
(87)【国際公開番号】W WO2022142647
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ブリュー、ケヴィン ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】オク、インジョ
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ジン ピン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ、ティモシー マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ブライトスキー、マシュー ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ソルニエ、ニコール
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083FZ10
5F083GA05
5F083GA11
5F083GA21
5F083JA60
5F083PR34
(57)【要約】
相変化メモリ(PCM)セルは、第1の導電性材料で構成された第1の電極と、第2の導電性材料で構成された第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に位置決めされ、第1の相変化材料で構成された第1の相変化層と、第1の電極と第2の電極との間に位置決めされ、第2の相変化材料で構成された第2の相変化層とを備える。第1の相変化材料は第1の抵抗率を有し、第2の相変化材料は第2の抵抗率を有し、第1の抵抗率は第2の抵抗率の少なくとも2倍である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相変化メモリ(PCM)セルであって、
第1の導電性材料で構成された第1の電極と、
第2の導電性材料で構成された第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置決めされ、第1の相変化材料で構成された第1の相変化層と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置決めされ、第2の相変化材料で構成された第2の相変化層と、
を備え、
前記第1の相変化材料は、第1の抵抗率を有し、
前記第2の相変化材料は、第2の抵抗率を有し、
前記第1の抵抗率は、前記第2の抵抗率の少なくとも2倍である、相変化メモリ(PCM)セル。
【請求項2】
前記第1の相変化層および前記第2の電極と接触している第3の相変化層であって、第3の相変化材料で構成されている、前記第3の相変化層をさらに備え、
前記第3の相変化材料は、第3の抵抗率を有し、
前記第1の抵抗率は、前記第3の抵抗率の少なくとも2倍である、請求項1に記載のPCMセル。
【請求項3】
前記第3の相変化層はさらに、ドーパント材料を含む、請求項2に記載のPCMセル。
【請求項4】
前記第1の相変化層はさらに、ドーパント材料を含む、請求項1に記載のPCMセル。
【請求項5】
前記第2の相変化層は、前記第2の相変化材料でできている、請求項4に記載のPCMセル。
【請求項6】
前記第2の相変化層は、前記第1の電極および前記第2の電極と接触している、請求項1に記載のPCMセル。
【請求項7】
前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置決めされ、半導体材料で構成されたプロジェクション・ライナーをさらに備える、請求項1に記載のPCMセル。
【請求項8】
前記プロジェクション・ライナーは、前記第1の電極および前記第2の相変化層と接触している、請求項7に記載のPCMセル。
【請求項9】
相変化メモリ(PCM)セルであって、
第1の導電性材料で構成された第1の電極と、
第2の導電性材料で構成された第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置決めされた第1の相変化層であって、第1の厚さを有し、第1の相変化材料で構成されている、前記第1の相変化層と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置決めされた第2の相変化層であって、第2の厚さを有し、第2の相変化材料で構成されている、前記第2の相変化層と、
を備え、
前記第2の厚さは、前記第1の厚さの4分の1未満である、相変化メモリ(PCM)セル。
【請求項10】
前記第1の相変化層および前記第2の電極と接触している第3の相変化層であって、第3の厚さを有し、第3の相変化材料で構成されている、前記第3の相変化層をさらに備え、
前記第3の厚さは、前記第1の厚さの4分の1未満である、請求項9に記載のPCMセル。
【請求項11】
前記第3の相変化層はさらに、ドーパント材料を含む、請求項9に記載のPCMセル。
【請求項12】
前記第1の相変化層はさらに、ドーパント材料を含む、請求項9に記載のPCMセル。
【請求項13】
前記第2の相変化層は、ドープされていない前記第2の相変化材料で本質的にできている、請求項12に記載のPCMセル。
【請求項14】
前記第1の相変化層は、第1の抵抗率を有し、
前記第2の相変化層は、第2の抵抗率を有し、
前記第1の抵抗率は、前記第2の抵抗率の少なくとも2倍である、請求項9に記載のPCMセル。
【請求項15】
前記第2の相変化層は、前記第1の電極および前記第2の電極と接触している、請求項9に記載のPCMセル。
【請求項16】
前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置決めされ、半導体材料で構成されたプロジェクション・ライナーをさらに備える、請求項9に記載のPCMセル。
【請求項17】
前記プロジェクション・ライナーは、前記第1の電極および前記第2の相変化層と接触している、請求項17に記載のPCMセル。
【請求項18】
第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置決めされたドープ相変化層と、前記ドープ相変化層ならびに前記第1の電極および前記第2の電極のうちの1つと接触している第1の非ドープ相変化層と、を備える相変化メモリ(PCM)セルを使用する方法であって、
前記ドープ相変化層に非晶質構造を有する第1の非晶質ゾーンを作成するために、前記第1の電極から、前記第1の非ドープ相変化層を介して前記第2の電極に第1の電流を流すことと、
前記第1の非晶質ゾーンを介する前記第1の電極と前記第2の電極との間の第1の電気抵抗を測定することと、
多結晶構造を有するように前記第1の非晶質ゾーンをアニールするために、前記第1の電極から、前記非ドープ相変化層を介して前記第2の電極に第2の電流を流すことと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記第1の非晶質ゾーンのアニーリングの後に、前記第1の電極と前記第2の電極との間の第2の電気抵抗を測定することをさらに含み、
前記第2の電気抵抗は、前記第1の電気抵抗未満である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ドープ相変化層に非晶質構造を有する第2の非晶質ゾーンを作成するために、前記第1の電極から、前記第1の非ドープ相変化層を介して前記第2の電極に第3の電流を流すことをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
相変化メモリ(PCM)セルであって、
第1の導電性材料で構成された第1の電極と、
第2の導電性材料で構成された第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置決めされた、電気絶縁性材料で構成された絶縁体と、
前記第1の電極および前記第2の電極、ならびに前記絶縁体に沿って位置決めされた第1の相変化層であって、第1の相変化材料とドーパント材料との混合物で構成され、第1の厚さを有する、前記第1の相変化層と、
前記第1の相変化層と接触しており、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電気路内にある第2の相変化層であって、本質的に第2の相変化材料からなり、第2の厚さを有する、前記第2の相変化層と、
を備え、
前記第2の厚さは、前記第1の厚さの半分未満である、相変化メモリ(PCM)セル。
【請求項22】
前記第2の相変化層は、第2の部分から分離された第1の部分を含み、
前記第1の部分は、前記第1の電極と接触しており、かつ前記第1の電極に沿って延在し、
前記第2の部分は、前記第2の電極と接触しており、かつ前記第2の電極に沿って延在し、
前記第1の相変化層は、前記第1の部分、前記絶縁体、および前記第2の部分と接触しており、かつ前記第1の部分、前記絶縁体、および前記第2の部分に沿って延在している、請求項21に記載のPCMセル。
【請求項23】
前記第1の電極、前記絶縁体、および前記第2の電極と接触しており、かつ前記第1の電極、前記絶縁体、および前記第2の電極に沿って延在するプロジェクション・ライナーであって、金属材料および半導体材料からなる群から選択された材料で構成されている、前記プロジェクション・ライナーをさらに備え、
前記第2の相変化層は、前記プロジェクション・ライナー全体と接触しており、かつ前記プロジェクション・ライナー全体に沿って延在し、
前記第1の相変化層は、前記第2の相変化層全体と接触しており、かつ前記第2の相変化層全体に沿って延在している、請求項21に記載のPCMセル。
【請求項24】
相変化メモリ(PCM)セルであって、
第1の電極と、
第2の電極と、
第1の相変化材料とドーパント材料との混合物で構成されたピラーであって、第1の高さを有する、前記ピラーと、
前記ピラーを取り囲む絶縁体であって、電気絶縁性材料を含む、前記絶縁体と、
本質的に第2の相変化材料からなる層であって、前記ピラーと接触しており、前記ピラーの側部全体に沿って延在し、前記第1の電極および前記第2の電極のうちの少なくとも1つと接触しており、第2の高さを有する、前記層と、
を備え、
前記第2の高さは、前記第1の高さの半分未満である、相変化メモリ(PCM)セル。
【請求項25】
前記第1の電極に接続されたセレクタであって、オボニック閾値スイッチを含む、前記セレクタをさらに備える、請求項24に記載のPCMセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ・メモリに関し、より具体的には、複数層を有する相変化材料メモリ・デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
相変化メモリ(PCM)は、人工知能のためのアナログ・コンピューティングにおけるトレーニングと推論の両方に利用することができる。相変化メモリ構造体は、デバイスごとに調整可能な伝導率と、エネルギー消費を最小限に抑えるために高い保持力を有する全体的に高いデバイス抵抗を有する相変化メモリスティブ・デバイスを含むことができる。PCM材料を、誘電体と、例えば、二酸化ケイ素(SiO2)、一酸化ケイ素(SiO)、酸窒化ケイ素(SiON)、酸炭化ケイ素(SiOC)、および窒化アルミニウム(AlN)などの低導電性材料と混合(ドーピングとしても知られる)すると、結晶化温度と抵抗率の両方を高めることができ、抵抗状態保持が向上され、プログラミング・パワーが低下する。
【発明の概要】
【0003】
本開示の実施形態によれば、相変化メモリ(PCM)セルは、第1の導電性材料で構成された第1の電極と、第2の導電性材料で構成された第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に位置決めされ、第1の相変化材料で構成された第1の相変化層と、第1の電極と第2の電極との間に位置決めされ、第2の相変化材料で構成された第2の相変化層と、を備える。第1の相変化材料は、第1の抵抗率を有し、第2の相変化材料は、第2の抵抗率を有し、第1の抵抗率は、第2の抵抗率の少なくとも2倍である。
【0004】
本開示の実施形態によれば、PCMセルは、第1の導電性材料で構成された第1の電極と、第2の導電性材料で構成された第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に位置決めされた第1の相変化層であって、第1の厚さを有し、第1の相変化材料で構成されている、上記第1の相変化層と、を備える。PCMセルはさらに、第1の電極と第2の電極との間に位置決めされた第2の相変化層であって、第2の厚さを有し、第2の相変化材料で構成されている、上記第2の相変化層を備え、第2の厚さは、第1の厚さの4分の1未満である。
【0005】
本開示の実施形態によれば、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に位置決めされたドープ相変化層と、ドープ相変化層ならびに第1の電極および第2の電極のうちの1つと接触している第1の非ドープ相変化層と、を備えるPCMセルを使用する方法が開示される。この方法は、ドープ相変化層に非晶質構造を有する第1の非晶質ゾーンを作成するために、第1の電極から、第1の非ドープ相変化層を介して第2の電極に第1の電流を流すことと、第1の非晶質ゾーンを介する第1の電極と第2の電極との間の第1の電気抵抗を測定することと、多結晶構造を有するように第1の非晶質ゾーンをアニールするために、第1の電極から、非ドープ相変化層を介して第2の電極に第2の電流を流すことと、を含む。
【0006】
本開示の実施形態によれば、PCMセルは、第1の導電性材料で構成された第1の電極と、第2の導電性材料で構成された第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に位置決めされた、電気絶縁性材料で構成された絶縁体と、を備える。PCMセルはまた、第1の電極および第2の電極、ならびに絶縁体に沿って位置決めされた第1の相変化層であって、第1の相変化材料とドーパント材料との混合物で構成され、第1の厚さを有する、上記第1の相変化層と、第1の相変化層と接触しており、第1の電極と第2の電極との間の電気路内にある第2の相変化層であって、本質的に第2の相変化材料からなり、第2の厚さを有する、上記第2の相変化層と、を備える。第2の厚さは、第1の厚さの半分未満である。
【0007】
本開示の実施形態によれば、PCMセルは、第1の電極と、第2の電極と、第1の相変化材料とドーパント材料との混合物で構成されたピラーであって、第1の高さを有する、上記ピラーと、を備える。PCMセルはまた、ピラーを取り囲む絶縁体であって、電気絶縁性材料を含む、上記絶縁体と、本質的に第2の相変化材料からなる層であって、ピラーと接触しており、ピラーの側部全体に沿って延在し、第1の電極および第2の電極のうちの少なくとも1つと接触しており、第2の高さを有する、上記層と、を備え、第2の高さは、第1の高さの半分未満である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本開示の実施形態による、多結晶構造のドープ層を有するマッシュルームPCMセルの断面図である。
【
図1B】本開示の実施形態による、ドープ相変化層の非晶質化部分を含むドープ相変化材料層を有するマッシュルームPCMセルの断面図である。
【
図1C】本開示の実施形態による、ドープ相変化層の非晶質化部分を含むドープ相変化材料層と、非ドープ相変化層の非晶質化部分を含む非ドープ相変化材料層とを有するマッシュルームPCMセルの断面図である。
【
図2A】本開示の実施形態による、代替実施形態のマッシュルームPCMセルの断面図である。
【
図2B】本開示の実施形態による、代替実施形態のマッシュルームPCMセルの断面図である。
【
図2C】本開示の実施形態による、代替実施形態のマッシュルームPCMセルの断面図である。
【
図2D】本開示の実施形態による、代替実施形態のマッシュルームPCMセルの断面図である。
【
図2E】本開示の実施形態による、代替実施形態のマッシュルームPCMセルの断面図である。
【
図2F】本開示の実施形態による、代替実施形態のマッシュルームPCMセルの断面図である。
【
図3A】本開示の実施形態による、代替実施形態のブリッジPCMセルの断面図である。
【
図3B】本開示の実施形態による、代替実施形態のブリッジPCMセルの断面図である。
【
図3C】本開示の実施形態による、代替実施形態のブリッジPCMセルの断面図である。
【
図4】本開示の実施形態による、代替実施形態のピラーPCMセルの断面図である。
【
図5A】本開示の実施形態による、代替実施形態の閉じ込めPCMセルの断面図である。
【
図5B】本開示の実施形態による、代替実施形態の閉じ込めPCMセルの断面図である。
【
図5C】本開示の実施形態による、代替実施形態の閉じ込めPCMセルの断面図である。
【
図5D】本開示の実施形態による、代替実施形態の閉じ込めPCMセルの断面図である。
【
図5E】本開示の実施形態による、代替実施形態の閉じ込めPCMセルの断面図である。
【
図5F】本開示の実施形態による、代替実施形態の閉じ込めPCMセルの断面図である。
【
図5G】本開示の実施形態による、代替実施形態の閉じ込めPCMセルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示のさまざまな実施形態は、関連図面を参照して、本明細書に説明される。本開示の範囲から逸脱することなく、代替実施形態を考案することができる。以下の説明および図面における要素間に、さまざまな接続および位置関係(例えば、上、下、隣接など)が示されていることに留意されたい。これらの関係または位置関係あるいはその両方は、特に明記されていない限り、直接的または間接的であり得るものであり、本開示はこの点で限定的であることを意図していない。したがって、エンティティの結合は直接または間接の結合のいずれかを指すことができ、エンティティ間の位置関係は直接的または間接的な位置関係であることが可能である。間接的な位置関係の一例として、本説明における層「A」を層「B」上に形成することへの参照には、1つまたは複数の中間層(例えば、層「C」と「D」)が、層「A」と層「B」に関連する特性と機能が中間層によって実質的に変化しない限り、層「A」と層「B」との間にある状況が含まれる。
【0010】
以下の定義および略語は、特許請求の範囲および明細書の解釈に使用される。本明細書で使用される場合、「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、「含有する」、もしくは「含有している」との用語、またはこれらの任意の他のバリエーションは、非排他的な包含を対象とすることを意図している。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもこれらの要素のみに限定されるものではなく、明示的にリストされてないか、その組成物、混合物、プロセス、方法、物品、または装置に固有のものでない他の要素を含むことができる。さらに、本明細書に含まれる任意の数値範囲は、特に明記されていない限り、その境界を含む。
【0011】
以下の説明のために、「上部」、「下部」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」との用語、およびこれらの派生語は、図面図に方向づけられているように、説明された構造体および方法に関連するものである。「重なる」、「~の頂上に」、「~の上」、「~の上に位置決めされる」、または「~の頂上に位置決めされる」との用語は、第1の構造体などの第1の要素が第2の構造体などの第2の要素の上に存在することを意味し、接合構造体などの介在要素が、第1の要素と第2の要素との間に存在してもよい。「直接接触」との用語は、第1の構造体などの第1の要素と、第2の構造体などの第2の要素とが、2つの要素の接合部分で任意の中間伝導層、絶縁層、または半導体層なしで接続されることを意味する。例えば、「第2の要素に対して選択的な第1の要素」などの「~に対して選択的」との用語は、第1の要素がエッチング可能であり、第2の要素がエッチ・ストップとして機能することができることを意味することに留意されたい。
【0012】
本明細書では、簡潔にするために、半導体デバイスおよび集積回路(IC)製造に関する従来の技術について詳細に説明する場合もあればしない場合もある。さらに、本明細書に説明されるさまざまなタスクおよびプロセス・ステップは、本明細書に詳細には説明されていない追加のステップまたは機能を有するより包括的な手順またはプロセスに組み込むことができる。特に、半導体デバイスや半導体ベースのICの製造におけるさまざまなステップはよく知られているため、簡潔さの観点から、本明細書では、多くの従来のステップについては簡単に触れるのみか、よく知られたプロセスの詳細を提供せずに完全に省略する。
【0013】
一般に、ICにパッケージ化されるマイクロチップを形成するために使用されるさまざまなプロセスは、4つの一般的なカテゴリ、すなわち、膜堆積、除去/エッチング、半導体ドーピング、およびパターニング/リソグラフィに分類される。
【0014】
成膜は、ウェハ上に材料を成長させる、コーティングする、またはそうでなく転写する任意のプロセスであり得る。利用可能な技術には、数ある中でも、物理気相成長(PVD)、化学気相成長(CVD)、電解メッキ(ECD)、分子線エピタキシ(MBE)、および、より最近では原子層堆積(ALD)がある。別の成膜技術は、プラズマ中のエネルギーを使用してウェハ表面で反応を起こすプロセスであるプラズマCVD(PECVD)である。これは、そうしなければ、従来のCVDに関連付けられている高い温度が必要となる。PECVD成膜中のエネルギー・イオン衝撃は、膜の電気的特性および機械的特性を向上させることもできる。
【0015】
除去/エッチングは、ウェハから材料を除去する任意のプロセスであり得る。エッチング・プロセス(湿式または乾式のいずれか)の例としては、化学機械平坦化(CMP)などが挙げられる。除去プロセスの一例は、イオン・ビーム・エッチング(IBE)である。一般的に、IBE(またはミリング)とは、リモートのブロード・ビーム・イオン/プラズマ源を利用して、物理的な不活性ガス手段または化学反応性ガス手段あるいはその両方によって基板材料を除去する乾式プラズマ・エッチング方法を指す。他の乾式プラズマ・エッチング技術と同様に、IBEにはエッチング速度、異方性、選択性、均一性、アスペクト比、および基板損傷の最小限化などの利点がある。乾式除去プロセスの別の例は、反応性イオン・エッチング(RIE)である。一般的に、RIEは化学反応性プラズマを使用してウェハに成膜した物質を除去する。RIEでは、プラズマは、電磁場によって低圧(真空)下で発生する。RIEプラズマからの高エネルギー・イオンがウェハ表面を攻撃し、それに反応して材料を除去する。
【0016】
半導体ドーピングは、例えば、トランジスタのソースやドレインをドーピングすることによる、一般的に、拡散によるまたはイオン注入によるあるいはその両方による電気的特性の変更であり得る。これらのドーピング・プロセスの後に、炉アニーリングまたは急速熱アニーリング(「RTA」)が続く。アニーリングは、注入されたドーパントを活性化させる。導体(例えば、ポリシリコン、アルミニウム、銅など)と絶縁体(例えば、さまざまな形態の二酸化ケイ素、窒化ケイ素など)の両方の膜を使用して、トランジスタとそのコンポーネントとを接続したり分離したりする。半導体基板のさまざまな領域を選択的にドーピングすることで、電圧印加によって基板の伝導率を変化させることができる。これらのさまざまなコンポーネントの構造体を作ることで、何百万ものトランジスタを組み立てて配線し、現代のマイクロエレクトロニクス・デバイスの複雑な回路を形成することができる。
【0017】
半導体リソグラフィは、基板へのパターンのその後の転写のために、半導体基板上に3次元レリーフ画像またはパターンを形成することであり得る。半導体リソグラフィでは、パターンは、フォトレジストと呼ばれる感光性ポリマーによって形成される。トランジスタを構成する複雑な構造体と、回路の何百万ものトランジスタを接続する多くのワイヤを構築するために、リソグラフィステップとエッチング・パターン転写ステップは複数回繰り返される。ウェハにプリントされる各パターンは、以前に形成されたパターンと位置合わせされ、徐々に導体、絶縁体、および選択的にドープされた領域が構築されて最終デバイスが形成される。
【0018】
図1Aは、多結晶構造のドープ層102を有するPCMセル100の断面図である。
図1Bは、非晶質構造のゾーン116を含むドープ層102を有するPCMセル100の断面図である。
図1Cは、非晶質構造のゾーン116を含むドープ層102と、非晶質構造のゾーン118を含む非ドープ層108-1とを有するPCMセル100の断面図である。
図1A~
図1Cについては、相互に関連して説明する。
【0019】
図示する実施形態では、PCMセル100は、ヒータ106、底部電極ヒータ106と接触している非ドープ層108-1、ドープ層108-1と接触しているドープ層102、ドープ層102と接触している非ドープ層108-2、および非ドープ層108-2と接触している電極110を備える。非ドープ層108-1、ドープ層102、非ドープ層108-2、および電極110の幅は同じであるが、ヒータ106の幅は比較的大幅に縮小されている。これにより、PCMセル100は、電流がヒータ106から電極110に非ドープ層108-1、ドープ層102、および非ドープ層108-2を通って流れることができるマッシュルーム構造を有していると言える。
【0020】
ヒータ106および電極110は、例えば窒化チタン(TiN)である金属などの導電性材料で構成することができる。ヒータ106は、比較的狭い断面面積を有する電極で、PCMセル100を流れる電流を集束させる。これにより、ヒータ106は、抵抗加熱によって熱を発生させることができ、この熱は、PCMセル100(例えば、非ドープ層108-1やドープ層102)の温度を、例えば結晶化温度やドープ層102の融解温度よりも上に変更するために使用することができる。さらに、ヒータ106は、複数層に配置することができる複数の異なる導電性材料で構成することができる。
【0021】
非ドープ層108-1および108-2(総称して非ドープ層108)は、ゲルマニウム-アンチモン-テルル(GST)ガリウム-アンチモン-テルル(GaST)、または銀-イリジウム-アンチモン-テルル化物(AIST)材料などの相変化材料で本質的にできていてよいが、他の材料を必要に応じて使用することができる。さらに、非ドープ層108-1および108-2の相変化材料は、いくつかの実施形態では同じであり、他の実施形態では異なる。異なる層の材料に関して本明細書で使用される「本質的に~でできている」および「本質的に~からなる」との用語は、他の材料が、存在する場合、引用された材料の基本的な特性を実質的に変更しないことを示している。例えば、本質的にGST材料からなる層には、GST材料の基本的な特性を実質的に変更する他の材料は含まれない。したがって、層108-1および108-2は、非ドープ層とも呼ばれる。一方、ドープ層102は、相変化材料112と相分離ドーパント材料114との混合物であり得る。ドープ層102はまた、例えば、チタン-GST(TiGST)、ガリウム-GST(GaGST)、シリコン-GST(SiGST)、またはビスマス-GST(BiGST)などの置換型または侵入型ドープ相変化材料であり得る。これは、これらの原子がGSTに溶解するために隙間に置換/座ることができるためである。相変化材料112はGST材料であり得る(ただし、必要に応じて、非ドープ層108と同じであっても異なっていてもよい他の材料を使用することもできる)。相分離ドーパント材料114は、1つもしくは複数の誘電体材料、またはSiO2、SiO、SiON、SiOC、炭素(C)、窒化タンタル(Ta3N5)、窒化アルミニウム(AlN)、および窒化チタン(TiN)などの低導電性金属であり得るが、必要に応じて他の材料を使用することもできる。相分離ドーパント材料114の粒子は、相変化材料112の粒子サイズを制限し、ドープ層102の抵抗を増加させるために「ナノ・オープン」(すなわち、電気抵抗が比較的高い局所領域)を提供することができる。また、いくつかの実施形態では、ドープ層102中の相分離ドーパント材料114の量は体積比で少なくとも10%である。
【0022】
図示する実施形態では、非ドープ層108はドープ層102よりも実質的に薄い(高さにおいて)。さらに、非ドープ層108-1および108-2の厚さは、いくつかの実施形態で同じであり、他の実施形態では異なる。いくつかの実施形態では、非ドープ層108の厚さは、ドープ層102の厚さの半分未満である。いくつかの実施形態では、非ドープ層108の厚さは、ドープ層102の厚さの8分の1未満である。いくつかの実施形態では、非ドープ層108の厚さは、ドープ層102の厚さの16分の1未満である。いくつかの実施形態では、非ドープ層108の厚さは、ドープ層102の厚さの80分の1未満である。いくつかの実施形態では、非ドープ層108の厚さは、0.2ナノメートル(nm)~10nmであり、ドープ層102の厚さは、20nm~100nmである。いくつかの実施形態では、非ドープ層108の厚さは、0.5nm~5nmであり、ドープ層102の厚さは、40nm~80nmである。
【0023】
いくつかの実施形態では、PCMセル100の断面(
図1Aおよび
図1Bのページの奥の方へ)を正方形にすることができるが、他の実施形態では、長方形または円形にすることができる。いくつかの実施形態では、ヒータ106の幅または直径は、20nm~60nmであり得る。いくつかの実施形態では、ヒータ106の幅または直径は、約40nmであり得る。いくつかの実施形態では、ドープ層102、非ドープ層108、および電極110の幅または直径は、100nm~300nmであり得る。いくつかの実施形態では、ドープ層102、非ドープ層108、および電極110の幅または直径は、約200nmであり得る。いくつかの実施形態では、ドープ層102、非ドープ層108、および電極110の幅または直径は、200nmよりも大きくなることがある。
【0024】
図示する実施形態では、PCMセル100は、ヒータ106から電極110に電流を渡すことによってメモリセルとして動作させることができる。これは、PCMセル100に対して値を読み書きするために、さまざまな電圧で行うことができる。例えば、書き込みには、高電圧(例えば、1ボルト(V)~4V)を短時間使用することができる。これにより、ヒータ106がドープ層102をその融点を超えて加熱することができる。電流の流れが止まると、ドープ層102は急速に冷却することができ、「リセット」と呼ばれるプロセスでゾーン116が形成される。ゾーン116は、ドープ層102のドーム型領域で、ゾーン116の内側の相変化材料112は非晶質構造になっているが、ゾーン116の外側の相変化材料112は依然として多結晶構造になっている。さらに、同様の「リセット」ゾーン118を、リセット電気パルスの電圧、電流、または持続時間あるいはその組み合わせに応じて、非ドープ層108-1に形成することができる。さらに、ゾーン118の直径は、ゾーン116よりも大きいか、同じであるか、または小さいことが可能である(が、
図1Cでは大きいものとして示されている)。一般的に、この非晶質構成は明確な構造を有していない。しかし、ゾーン116またはゾーン118あるいはその両方には局所的に非接合の結晶核(すなわち、相変化材料112の小さな結晶化領域)が存在することがある。
【0025】
いくつかの実施形態では、ゾーン116は高さ40nmで、直径40nmであり得る。ゾーン116を作成することによって、ドープ層102の多結晶構造単独(
図1A参照)と比較して、PCMセル100全体の電気抵抗を増加させることができる。この新しい抵抗値は、抵抗値を変更することなく、低電圧(例えば、0.2V)の電流を使用して読み取ることができる。
【0026】
また、PCMセル100を再び書き込むために、PCMセル100を「セット」することによって、相変化材料112を多結晶構造単独に戻すことができる。高電圧(例えば、1V~4V)を短時間(例えば、10ナノ秒(ns))使用することができる。これにより、ヒータ106がドープ層102をその結晶化点を超えて加熱することができるが、その融点までは加熱しない。結晶化温度は融点よりも低いため、電流の流れが止まるとドープ層102はアニールして結晶を形成することができる。これにより、非晶質ゾーン116(
図1B参照)またはゾーン118(
図1C参照)あるいはその両方を有する場合と比較して、PCMセル100全体の電気抵抗を低下させることができる。この新しい抵抗値は、抵抗値を変更することなく、低電圧(例えば、0.2V)の電流を使用して読み取ることができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、非ドープ層108とドープ層102の溶融温度(すなわち、相変化材料112と、相分離ドーパント材料114を有する相変化材料112との溶融温度)は約600℃であり得る。いくつかの実施形態では、例えば相分離ドーパント材料114がSiO2であれば、ドープ層102の結晶化温度は約220℃であり得る。いくつかの実施形態では、非ドープ層108の結晶化温度は約180℃であり得る。さらに、PCMセル100をセットし、リセットするプロセスは繰り返し行うことができる。いくつかの実施形態では、ドープ層102に異なる抵抗を有するさまざまなゾーン116を作成することができる(例えば、ゾーン116の結晶化核のサイズと量が異なるため)。これにより、リセット・パラメータを変更することでさまざまな異なる抵抗を作成できるため、PCMセル100を非バイナリにすることができる。
【0028】
ドープ層102をセットし、リセットする機能は、ドープ層102とヒータ106/電極110との間に非ドープ層108を含めることで促進することができる。より具体的には、ドープ層102内の相分離ドーパント材料114は、相変化材料112を電気的に結晶化することができる時間および電圧条件を最小限に抑えることができる。これにより、非ドープ層108は、ヒータ106/電極110の低抵抗とドープ層102の高抵抗との間の遷移として機能することができ、電流をヒータ106の上面よりも広い領域に拡散させることができる。非ドープ層108は、ドープ層102よりもヒータ106/電極110とのオーム接触が良好であり得、ヒータ106との均質な接触により、非ドープ層108-1の低抵抗状態でのばらつきが少なくなる。さらに、非ドープ層108は、ドープ層102およびヒータ106/電極110とのオーム接触領域を均質化し、低抵抗状態分散を低減することができる。
【0029】
PCMセル100のコンポーネントと構造は、アナログ・コンピューティング機能を提供する。例えば、PCMセル100の可変抵抗を、アナログ重みの値に対応するようにセットすることができる。バイナリ・コンピューティングに適した高抵抗状態および低抵抗状態に関連付けられた1および0だけではなく、これらの重みは、アナログ抵抗値の連続体に存在し、人工知能計算や機械学習のためのニューラル・ネット内の人工シナプス重みとして使用することができる。ヒータ106/電極110とドープ層102との間に位置決めされた比較的薄い非ドープ層108は、PCMセル100をセットし、リセットするのに使用できる電圧範囲を広げる。これは、ドープ層102のドーピング量が多い場合に重要である。そうしないと、PCMセル100は、初めてリセットされた後にセットできない可能性があるためである。さらに、電圧範囲が広いため、PCMセル100のメモリ・プログラミング機能の動作範囲が拡大し、抵抗状態の分布をより狭くすることができ、PCMセル100のより信頼性の高い動作が可能になる。
【0030】
図1A~
図1Cには、代替案が存在する本開示の一実施形態が示されている。例えば、ドープ層102は、ドープ層102と同じ厚さの別の非ドープ層に置き換えることができる。このような実施形態では、厚い非ドープ層は、実質的に高い電気抵抗率を有する薄い非ドープ層108とは異なる材料であり得る。いくつかの実施形態では、非ドープ層108が本質的にアンチモン・テルル化物(Sb2Te3)からなる場合、厚い非ドープ層は本質的にGST225(すなわち、Ge2Sb2Te5)からなることが可能である。結晶構造の場合、Sb2Te3は約0.0005オーム*cmの抵抗率を有し、GST225は約0.003オーム*cmの抵抗率を有する。これは、結晶構造の場合、約1オーム*cmの抵抗率を有することができ、本質的にGST225からなる非ドープ層108とともに使用することができるドープ層102とは対照的である。ドープ層102/厚い非ドープ層および非ドープ層108の抵抗率は、結晶構造や非晶質構造の変化に伴って変化することができるが、一般的には、厚い非ドープ層の抵抗率は非ドープ層108の抵抗率よりも2~1000倍大きいことが可能である。いくつかの実施形態では、厚い非ドープ層の抵抗率は、非ドープ層108の抵抗率よりも8~750倍大きいことが可能である。いくつかの実施形態では、厚い非ドープ層の抵抗率は、非ドープ層108の抵抗率よりも10~500倍大きいことが可能である。
【0031】
別の例では、非ドープ層108の一方または両方を、それぞれ非ドープ層108と同じくらい薄い別のドープ層に置き換えることができる。このような実施形態では、薄いドープ層は、実質的に低い電気抵抗率を有する厚いドープ層102とは異なる材料であり得る。低い抵抗率をもたらすドーパントには、チタン(Ti)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)、および銀(Ag)などがある。これらのドーパントは、例えば、SiO2、SiO、SiON、SiOC、C、Ta3N5、AlN、およびTiNなどの高い抵抗率をもたらすドーパントとは対照的である。したがって、いくつかの実施形態では、ドープ層102がSiO2:GSTを含む場合、薄いドープ層はTiGSTを含むことができる。
【0032】
図2A~
図2Fは、それぞれ代替実施形態のPCMセル200A~200E(総称してPCMセル200)の断面図である。PCMセル200は、特定の態様ではPCMセル100(
図1に示す)と類似しているか、または同じであり得る。したがって、これらの態様のうちのいくつかは、PCMセル100の参照番号よりも100大きい参照番号を有している場合がある。
【0033】
図2Aに図示する実施形態では、PCMセル200-1は、ヒータ206とドープ層202との間に位置決めされた単一の薄い非ドープ層208-1を含む。
図2Bに図示する実施形態では、PCMセル200-2は、ドープ層202と電極210との間に位置決めされた単一の薄い非ドープ層208-2を含む。PCMセル200-1および200-2は、PCMセル100よりも非ドープ層が少ないが、非ドープ層208-1および208-2の機能および目的は、非ドープ層108と同じであり得る。
【0034】
図2Cに図示する実施形態では、PCMセル200-3は、ヒータ206と非ドープ層208-3との間に位置決めされたプロジェクション・ライナー218-1を含み、非ドープ層208-3はドープ層202とも接触している。
図2Dに図示する実施形態では、PCMセル200-4は、ヒータ206とドープ層202との間に位置決めされたプロジェクション・ライナー218-2を含み、非ドープ層208-4は、ドープ層202と電極210との間に位置決めされている。
図2Eに図示する実施形態では、PCMセル200-5は、ヒータ206と非ドープ層208-5との間に位置決めされたプロジェクション・ライナー218-3を含み、非ドープ層208-5はドープ層202とも接触している。さらに、PCMセル200-5は、ドープ層202と電極210との間に位置決めされた第2の非ドープ層208-6を含む。
図2Fに図示する実施形態では、PCMセル200-6は、ヒータ206とプロジェクション・ライナー218-4との間に位置決めされた非ドープ層208-7を含み、プロジェクション・ライナー218-4はドープ層202とも接触している。
【0035】
プロジェクション・ライナー218-1、218-2、および218-3(総称してプロジェクション・ライナー218)は、それぞれ非ドープ層208-3、ドープ層202、および非ドープ層208-5の全幅にわたって延在することができる。プロジェクション・ライナー218は、金属または半導体材料あるいはその両方で構成することができる。これにより、プロジェクション・ライナー218は、PCMセル200-3、200-4、および200-5がリセットされたときに、一定量の電気抵抗を提供し、ゾーン116(
図1に示す)の周囲に並列電流路を作成することができる。
【0036】
図3A~
図3Cは、それぞれ代替実施形態のPCMセル300-1、300-2、および300-3(総称してPCMセル300)の断面図である。PCMセル300は、特定の態様ではPCMセル100(
図1Aおよび
図1Bに示す)または200(
図2A~
図2Eに示す)と類似しているか、または同じであり得る。したがって、これらの態様のうちのいくつかは、PCMセル100の参照番号よりも200大きい、またはPCMセル200の参照番号よりも100大きい参照番号を有している場合がある。
【0037】
図3Aに図示する実施形態では、PCMセル300-1は、電極306および310を含み、絶縁体320が電極306と310との間に、かつそれらと同一平面に位置決めされている。絶縁体320は、例えば、低誘電率材料、SiO2、窒化ケイ素(SiN)、およびフッ素化オルトケイ酸テトラエチル(FTEOS)などの電気絶縁性材料で構成することができる。さらに、非ドープ層308-1が電極306の上部の幅全体に延在し、非ドープ層308-2が電極310の上部の幅全体に延在している。非ドープ層308-1および308-2(集合的に非ドープ層308)ならびに絶縁体320の長さ全体に沿ってドープ層302が延在している。
【0038】
電流は、PCMセル300-1に流されると、電極306から電極310へ、非ドープ層308-1、ドープ層302、および非ドープ層308-2を介して移動する。したがって、PCMセル300-1にはブリッジ構造がある。(
図1Aおよび
図1Bに示す)PCMセル100と同様に、非ドープ層308は、PCMセル100と同じ比率または寸法あるいはその両方を有することができるドープ層302の厚さと比較して薄い。いくつかの実施形態では、ドープ層302の高さは、5nm~30nmである。いくつかの実施形態では、PCMセル300-1の深さ(すなわち、
図2Aのページの奥の方への寸法)は、100nm~800nmである。しかしながら、いくつかの実施形態では、ドープ層302は、真ん中で深さが10nm~50nmに浅くされたドッグ・ボーンまたはボウタイの形状をしている。PCMセル300-1は、PCMセル100とは異なる非ドープ層308の構造を有しているが、非ドープ層308の機能および目的は、非ドープ層108と同じであり得る。
【0039】
図3Bに図示する実施形態では、PCMセル300-2は、電極306および310ならびに絶縁体320の長さ全体にわたって延在している単一の薄い非ドープ層308-3を含む。これにより、ドープ層302は、非ドープ層308-3の長さ全体に沿って延在している。電流は、PCMセル300-2を流されると、電極306から電極310へ、非ドープ層308-3およびドープ層302を介して移動する(そうすることで、ドープ層302を移動する電流は、非ドープ層308-3を2回横断する)。
【0040】
図3Cに図示する実施形態では、PCMセル300-3は、電極306および310ならびに絶縁体320の長さ全体にわたって延在するプロジェクション・ライナー318を含む。これにより、非ドープ層308-4はプロジェクション・ライナー318の長さ全体に沿って延在し、ドープ層302は非ドープ層308-4の長さ全体に沿って延在している。電流は、PCMセル300-2を流されると、電極306から電極310へ、プロジェクション・ライナー318、非ドープ層308-4、およびドープ層302を介して移動する(そうすることで、非ドープ層308-4を移動する電流は、プロジェクション・ライナー318を2回横断し、ドープ層302を移動する電流は、ドープ層308-4およびプロジェクション・ライナー318を2回横断する)。PCMセル300-3は、PCMセル200-3、200-4、および200-5とは異なるプロジェクション・ライナー318の構造を有しているが、プロジェクション・ライナー318の機能および目的は、プロジェクション・ライナー218と同じであり得る。
【0041】
図4は、代替実施形態のPCMセル400の断面図である。PCMセル400は、特定の態様では(
図1Aおよび
図1Bに示す)PCMセル100、(
図2A~
図2Eに示す)PCMセル200、または(
図3A~
図3Cに示す)PCMセル300と類似しているか、または同じであり得る。したがって、これらの態様のうちのいくつかは、PCMセル100の参照番号よりも300大きい、PCMセル200の参照番号よりも200大きい、およびPCMセル300の参照番号よりも100大きい参照番号を有している場合がある。
【0042】
図示する実施形態では、電極406、非ドープ層408-1、ドープ層402、非ドープ層408-2、および電極410の各々の直径は同じ(例えば、約40nm)である。したがって、PCMセル400にはピラー構造がある。PCMセル400は、各層(すなわち、電極406、非ドープ層408-1、ドープ層402、非ドープ層408-2、および電極410)を形成(例えば、成膜)して、それらをエッチングしてピラーにすることによって作ることができる。
【0043】
さらに、PCMセル400は、電極406の下にセレクタ422を含む。セレクタ422は、炭素層424-1、炭素層424-1と接触しているオボニック閾値スイッチ層426、およびオボニック閾値スイッチ層426と電極406とに接触している炭素層424-2を備えている。しかし、当業者であれば、セレクタ422以外にPCMセル400に採用できる他のセレクタがあることを認識するであろう。
【0044】
図5A~
図5Gは、代替実施形態のPCMセル500-1、500-2、500-3、500-4、500-5、500-6、および500-7(総称してPCMセル500)の断面図である。PCMセル500は、特定の態様では(
図1Aおよび
図1Bに示す)PCMセル100、(
図2A~
図2Eに示す)PCMセル200、(
図3A~
図3Cに示す)PCMセル300、または(
図4に示す)PCM400と類似しているか、または同じであり得る。したがって、これらの態様のうちのいくつかは、PCMセル100の参照番号よりも400大きい、PCMセル200の参照番号よりも3000大きい、PCMセル300の参照番号よりも200大きい、またはPCMセル400の参照番号よりも100大きい参照番号を有している場合がある。
【0045】
図5Aに図示する実施形態では、PCMセル500-1は、電極506、ドープ層502-1、非ドープ層508-1、電極510、および絶縁体520を備える。ドープ層502-1は、電極506および非ドープ層508-1よりも実質的に狭いため、絶縁体520は電極506および非ドープ層508-1のプロジェクション内のドープ層502-1の周囲の空間を占有するように位置決めされている。したがって、PCMセル500-1には閉じ込められたピラー構造がある。
【0046】
(
図4に示す)PCMセル400とは異なり、PCMセル500-1は、電極506と絶縁体520とを形成(例えば、成膜)することによって作ることができる。次に、絶縁体520に孔またはビア・チャネル(すなわち、止まり孔)を形成(例えば、エッチング)し、その中にドープ層502-1を形成(例えば、成膜および研磨)することができる。次に、ドープ層502-1および絶縁体520の上に、非ドープ層508-1を形成(例えば、成膜)することができる。次に、非ドープ層508-1の上に電極510を形成(例えば、成膜)することができる。
【0047】
図5Bに図示する実施形態では、PCMセル500-2は、非ドープ層508-1と比較して短い非ドープ層508-2を含む。ただし、非ドープ層508-2がドープ層502-2の上部全体に延在していることを考えると、非ドープ層508-2の機能および目的は同じであり得る。ドープ層502-2は、絶縁体520によって囲まれているため、電極506から電極510に流れる電流は、非ドープ層508-2を依然として通過する。
【0048】
図5Cに図示する実施形態では、PCMセル500-3は、ドープ層502-3の底部に短い非ドープ層508-3を含む。したがって、PCMセル500-3は、電極506と絶縁体520を形成(例えば、成膜)することによって作ることができる。次に、絶縁体520に孔またはビア・チャネルを形成(例えば、エッチング)し、その中に非ドープ層508-3を形成(例えば、成膜)することができる。次に、非ドープ層508-3の上にドープ層502-3を形成(例えば、成膜および研磨)することができる。次に、ドープ層502-3および絶縁体520の上に電極510を形成(例えば、成膜)することができる。
【0049】
図5Dに図示する実施形態では、PCMセル500-4は、ドープ層502-4の下に全幅の非ドープ層508-4を含む。したがって、PCMセル500-4は、電極506、非ドープ層508-4、および絶縁体520を形成(例えば、成膜)することによって作ることができる。次に、絶縁体520内に、非ドープ層508-4まで下に延在する孔またはビア・チャネルを形成(例えば、エッチング)することができる。次に、非ドープ層508-4の上にドープ層502-4を形成(例えば、成膜および研磨)することができる。次に、ドープ層502-4および絶縁体520の上に電極510を形成(例えば、成膜)することができる。
【0050】
図5Eに図示する実施形態では、PCMセル500-5は、ドープ層502-5の両端に2つの非ドープ層508-5および508-6を含む。非ドープ層508-5はドープ層502-5の幅にすぎないが、非ドープ層508-6は電極510の全幅である。
図5Fに図示する実施形態では、PCMセル500-6は、ドープ層502-6の両端に2つの非ドープ層508-7および508-8を含む。非ドープ層508-7は電極506の全幅であるが、非ドープ層508-8はドープ層502-6の幅にすぎない。
図5Gに図示する実施形態では、PCMセル500-7は、ドープ層502-6の側部および底部に沿って延在する非ドープ層508-9を含む。
【0051】
いくつかの模範的な実施形態のさらなる議論
以下は、本開示のいくつかの模範的な実施形態を非排他的に説明したものである。
【0052】
本開示の模範的な実施形態によるPCMセルは、数ある中でも、第1の導電性材料で構成された第1の電極と、第2の導電性材料で構成された第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に位置決めされ、第1の相変化材料で構成された第1の相変化層と、第1の電極と第2の電極との間に位置決めされ、第2の相変化材料で構成された第2の相変化層と、を含み、第1の相変化材料は、第1の抵抗率を有し、第2の相変化材料は、第2の抵抗率を有し、第1の抵抗率は、第2の抵抗率の少なくとも2倍である。
【0053】
前段落のPCMセルは、任意選択で、追加的にまたは代替的にあるいはその両方で、次の特徴、構造、または追加のコンポーネントあるいはその組み合わせのいずれか1つまたは複数を含むことができる。
【0054】
上記のPCMセルのさらなる実施形態であって、第1の相変化層および第2の電極と接触している第3の相変化層であって、第3の相変化材料で構成されている、上記第3の相変化層をさらに備え、第3の相変化材料は、第3の抵抗率を有し、第1の抵抗率は、第3の抵抗率の少なくとも2倍である。
【0055】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第3の相変化層はさらに、ドーパント材料を含む。
【0056】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第1の相変化層はさらに、ドーパント材料を含む。
【0057】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第2の相変化層は、第2の相変化材料でできている。
【0058】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第2の相変化層は、第1の電極および第2の電極と接触している。
【0059】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第1の電極と第2の電極との間に位置決めされ、半導体材料で構成されたプロジェクション・ライナーをさらに備える。
【0060】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、プロジェクション・ライナーは、第1の電極および第2の相変化層と接触している。
【0061】
本開示の模範的な実施形態によるPCMセルは、数ある中でも、第1の導電性材料で構成された第1の電極と、第2の導電性材料で構成された第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に位置決めされた第1の相変化層であって、第1の厚さを有し、第1の相変化材料で構成されている、上記第1の相変化層と、第1の電極と第2の電極との間に位置決めされた第2の相変化層であって、第2の厚さを有し、第2の相変化材料で構成されている、上記第2の相変化層と、を含み、第2の厚さは、第1の厚さの4分の1未満である。
【0062】
前段落のPCMセルは、任意選択で、追加的にまたは代替的にあるいはその両方で、次の特徴、構造、または追加のコンポーネントあるいはその組み合わせのいずれか1つまたは複数を含むことができる。
【0063】
上記のPCMセルのさらなる実施形態であって、第1の相変化層および第2の電極と接触している第3の相変化層であって、第3の厚さを有し、第3の相変化材料で構成されている、上記第3の相変化層をさらに備え、第3の厚さは、第1の厚さの4分の1未満である。
【0064】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第3の相変化層はさらに、ドーパント材料を含む。
【0065】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第1の相変化層はさらに、ドーパント材料を含む。
【0066】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第2の相変化層は、ドープされていない第2の相変化材料で本質的にできている。
【0067】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第1の相変化層は、第1の抵抗率を有し、第2の相変化層は、第2の抵抗率を有し、第1の抵抗率は、第2の抵抗率の少なくとも2倍である。
【0068】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第2の相変化層は、第1の電極および第2の電極と接触している。
【0069】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第1の電極と第2の電極との間に位置決めされ、半導体材料で構成されたプロジェクション・ライナーをさらに備える。
【0070】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、プロジェクション・ライナーは、第1の電極および第2の相変化層と接触している。
【0071】
本開示の模範的な実施形態によるPCMセルは、数ある中でも、第1の導電性材料で構成された第1の電極と、第2の導電性材料で構成された第2の電極と、第1の相変化材料とドーパント材料との混合物で構成された第1の相変化層であって、第1の厚さを有する、上記第1の相変化層と、第1の相変化層と、第1の電極および第2の電極のうちの一方のみと接触している第2の相変化層であって、第2の厚さを有し、ドープされていない第2の相変化材料で本質的にできている、上記第2の相変化層と、を含み、第2の厚さは、第1の厚さの半分未満である。
【0072】
前段落のPCMセルは、任意選択で、追加的にまたは代替的にあるいはその両方で、次の特徴、構造、または追加のコンポーネントあるいはその組み合わせのいずれか1つまたは複数を含むことができる。
【0073】
上記のPCMセルのさらなる実施形態であって、第2の相変化層は、第1の相変化層および第1の電極と接触している。PCMセルはさらに、第1の相変化層および第2の電極と接触している第3の相変化層であって、第3の厚さを有し、ドープされていない第3の相変化材料で構成されている、上記第3の相変化層を備え、第3の厚さは、第1の厚さの半分未満である。
【0074】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、ドーパント材料は誘電体材料である。
【0075】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、ドーパント材料は、チタン、ガリウム、シリコン、および窒素からなる群から選択される。
【0076】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第2の相変化材料は、本質的にゲルマニウム、アンチモン、およびテルルからなる。
【0077】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第1の電極、第2の電極、第1の相変化層、および第2の相変化層は、一定の断面積を有するカラムを形成する。
【0078】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第1の電極に接続されたセレクタであって、オボニック閾値スイッチを含む、上記セレクタをさらに備える。
【0079】
数ある中でも、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に位置決めされたドープ相変化層と、ドープ相変化層ならびに第1の電極および第2の電極のうちの1つと接触している第1の非ドープ相変化層と、を含む、本開示の模範的な実施形態によるPCMセルを使用する方法であって、本開示の模範的な実施形態による方法は、数ある中でも、ドープ相変化層に非晶質構造を有する第1の非晶質ゾーンを作成するために、第1の電極から、第1の非ドープ相変化層を介して第2の電極に第1の電流を流すことと、第1の非晶質ゾーンを介する第1の電極と第2の電極との間の第1の電気抵抗を測定することと、多結晶構造を有するように第1の非晶質ゾーンをアニールするために、第1の電極から、非ドープ相変化層を介して第2の電極に第2の電流を流すことと、を含む。
【0080】
前段落の方法は、任意選択で、追加的にまたは代替的にあるいはその両方で、次の特徴、構造、または追加のコンポーネントあるいはその組み合わせのいずれか1つまたは複数を含むことができる。
【0081】
上記の方法のさらなる実施形態であって、第1の非晶質ゾーンのアニーリングの後に、第1の電極と第2の電極との間の第2の電気抵抗を測定することをさらに含み、第2の電気抵抗は、第1の電気抵抗未満である。
【0082】
上記の方法のいずれかのさらなる実施形態であって、ドープ相変化層に非晶質構造を有する第2の非晶質ゾーンを作成するために、第1の電極から、第1の非ドープ相変化層を介して第2の電極に第3の電流を流すことをさらに含む。
【0083】
上記の方法のいずれかのさらなる実施形態であって、第1の電流は、最初に第1の非ドープ相変化層を通過し、次にドープ相変化層を通過する。
【0084】
上記方法のいずれかのさらなる実施形態であって、PCMセルはさらに、ドープ相変化層と接触している第2の非ドープ相変化層を備え、第1の電流は、最初に第1の非ドープ相変化層を通過し、次にドープ相変化層を通過し、次に第2の非ドープ相変化層を通過する。
【0085】
本開示の模範的な実施形態によるPCMセルは、数ある中でも、第1の導電性材料で構成されて、第1の幅を有する第1の電極と、第2の導電性材料で構成されて、第2の幅を有する第2の電極と、第1の相変化材料とドーパント材料との混合物で構成された第1の相変化層であって、第1の厚さを有する、上記第1の相変化層と、第1の相変化層と、第1の電極および第2の電極のうちの一方との間に位置決めされた第2の相変化層であって、第2の相変化材料で本質的にできており、第2の厚さを有する、上記第2の相変化層と、を含み、第1の電極は、第1の相変化材料の結晶化温度を少なくとも上回る温度に第1の相変化層を加熱するように構成されている。
【0086】
前段落のPCMセルは、任意選択で、追加的にまたは代替的にあるいはその両方で、次の特徴、構造、または追加のコンポーネントあるいはその組み合わせのいずれか1つまたは複数を含むことができる。
【0087】
上記のPCMセルのさらなる実施形態であって、第1の幅は第2の幅の半分未満であり、第2の厚さは第1の厚さの半分未満である。
【0088】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第1の厚さは20ナノメートル(nm)~100nmであり、第2の厚さは0.2nm~10nmである。
【0089】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第1の幅は20nm~60nmであり、第2の幅は100nm~300nmである。
【0090】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第2の相変化層は、第1の電極と接触しており、第1の相変化材料および第2の相変化材料は、同じであり、本質的にゲルマニウム、アンチモン、およびテルルからなる。
【0091】
本開示の模範的な実施形態によるPCMセルは、数ある中でも、第1の導電性材料で構成された第1の電極と、第2の導電性材料で構成された第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に位置決めされた、電気絶縁性材料で構成された絶縁体と、第1の電極および第2の電極、ならびに絶縁体に沿って位置決めされた第1の相変化層であって、第1の相変化材料とドーパント材料との混合物で構成されて、第1の厚さを有する、上記第1の相変化層と、第1の相変化層と接触しており、第1の電極と第2の電極との間の電気路内にある第2の相変化層であって、本質的に第2の相変化材料からなり、第2の厚さを有する、上記第2の相変化層と、を含み、第2の厚さは、第1の厚さの半分未満である。
【0092】
前段落のPCMセルは、任意選択で、追加的にまたは代替的にあるいはその両方で、次の特徴、構造、または追加のコンポーネントあるいはその組み合わせのいずれか1つまたは複数を含むことができる。
【0093】
上記のPCMセルのさらなる実施形態であって、第1の厚さは20ナノメートル(nm)~100nmであり、第2の厚さは0.2nm~10nmである。
【0094】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第1の厚さは40nm~80nmであり、第2の厚さは0.5nm~5nmである。
【0095】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第2の相変化層は、第2の部分から分離された第1の部分を含み、第1の部分は、第1の電極と接触しており、かつ第1の電極に沿って延在し、第2の部分は、第2の電極と接触しており、かつ第2の電極に沿って延在し、第1の相変化層は、第1の部分、絶縁体、および第2の部分と接触しており、かつ第1の部分、絶縁体、および第2の部分に沿って延在している。
【0096】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第1の電極、絶縁体、および第2の電極と接触しており、かつ第1の電極、絶縁体、および第2の電極に沿って延在するプロジェクション・ライナーであって、金属材料および半導体材料からなる群から選択された材料で構成されている、上記プロジェクション・ライナーをさらに備え、第2の相変化層は、プロジェクション・ライナー全体と接触しており、かつプロジェクション・ライナー全体に沿って延在し、第1の相変化層は、第2の相変化層全体と接触しており、かつ第2の相変化層全体に沿って延在している。
【0097】
本開示の模範的な実施形態によるPCMセルは、数ある中でも、第1の電極と、第2の電極と、第1の相変化材料とドーパント材料との混合物で構成されたピラーであって、第1の高さを有する、上記ピラーと、ピラーを取り囲む絶縁体であって、電気絶縁性材料を含む、上記絶縁体と、本質的に第2の相変化材料からなる層であって、ピラーと接触しており、ピラーの側部全体に沿って延在し、第1の電極および第2の電極のうちの少なくとも1つと接触しており、第2の高さを有する、上記層と、を含み、第2の厚さは、第1の厚さの半分未満である。
【0098】
前段落のPCMセルは、任意選択で、追加的にまたは代替的にあるいはその両方で、次の特徴、構造、または追加のコンポーネントあるいはその組み合わせのいずれか1つまたは複数を含むことができる。
【0099】
上記のPCMセルのさらなる実施形態であって、第1の高さは20ナノメートル(nm)~100nmであり、第2の高さは0.2nm~10nmである。
【0100】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、層は、第1の電極および第2の電極と接触している。
【0101】
上記のPCMセルのいずれかのさらなる実施形態であって、第1の電極に接続されたセレクタであって、オボニック閾値スイッチを含む、上記セレクタをさらに備える。
【0102】
本発明のさまざまな実施形態の説明は、例示のために提示されたものであるが、網羅的であること、または開示された実施形態に限定されることを意図したものではない。説明された実施形態の範囲から逸脱することなく、多くの修正および変形が当業者には明らかであろう。本明細書で使用されている用語は、実施形態の原理、市場で見られる技術に対する実用的な適用または技術的改善を最もよく説明するために、または当業者が本明細書で開示されている実施形態を理解できるようにするために選択されたものである。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相変化メモリ(PCM)セルであって、
第1の導電性材料で構成された第1の電極と、
第2の導電性材料で構成された第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置決めされ、第1の相変化材料で構成された第1の相変化層と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置決めされ、第2の相変化材料で構成された第2の相変化層と、
を備え、
前記第1の相変化材料は、第1の抵抗率を有し、
前記第2の相変化材料は、第2の抵抗率を有し、
前記第1の抵抗率は、前記第2の抵抗率の少なくとも2倍である、相変化メモリ(PCM)セル。
【請求項2】
前記第1の相変化層および前記第2の電極と接触している第3の相変化層であって、第3の相変化材料で構成されている、前記第3の相変化層をさらに備え、
前記第3の相変化材料は、第3の抵抗率を有し、
前記第1の抵抗率は、前記第3の抵抗率の少なくとも2倍である、請求項1に記載のPCMセル。
【請求項3】
前記第3の相変化層はさらに、ドーパント材料を含む、請求項2に記載のPCMセル。
【請求項4】
前記第1の相変化層はさらに、ドーパント材料を含む、請求項1に記載のPCMセル。
【請求項5】
前記第2の相変化層は、前記第2の相変化材料でできている、請求項4に記載のPCMセル。
【請求項6】
前記第2の相変化層は、前記第1の電極および前記第2の電極と接触している、請求項1に記載のPCMセル。
【請求項7】
前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置決めされ、半導体材料で構成されたプロジェクション・ライナーをさらに備える、請求項1に記載のPCMセル。
【請求項8】
前記プロジェクション・ライナーは、前記第1の電極および前記第2の相変化層と接触している、請求項7に記載のPCMセル。
【請求項9】
相変化メモリ(PCM)セルであって、
第1の導電性材料で構成された第1の電極と、
第2の導電性材料で構成された第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置決めされた第1の相変化層であって、第1の厚さを有し、第1の相変化材料で構成されている、前記第1の相変化層と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置決めされた第2の相変化層であって、第2の厚さを有し、第2の相変化材料で構成されている、前記第2の相変化層と、
を備え、
前記第2の厚さは、前記第1の厚さの4分の1未満である、相変化メモリ(PCM)セル。
【請求項10】
前記第1の相変化層および前記第2の電極と接触している第3の相変化層であって、第3の厚さを有し、第3の相変化材料で構成されている、前記第3の相変化層をさらに備え、
前記第3の厚さは、前記第1の厚さの4分の1未満である、請求項9に記載のPCMセル。
【請求項11】
前記第3の相変化層はさらに、ドーパント材料を含む、請求項9に記載のPCMセル。
【請求項12】
前記第1の相変化層はさらに、ドーパント材料を含む、請求項9に記載のPCMセル。
【請求項13】
前記第2の相変化層は、ドープされていない前記第2の相変化材料で本質的にできている、請求項12に記載のPCMセル。
【請求項14】
前記第1の相変化層は、第1の抵抗率を有し、
前記第2の相変化層は、第2の抵抗率を有し、
前記第1の抵抗率は、前記第2の抵抗率の少なくとも2倍である、請求項9に記載のPCMセル。
【請求項15】
前記第2の相変化層は、前記第1の電極および前記第2の電極と接触している、請求項9に記載のPCMセル。
【請求項16】
前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置決めされ、半導体材料で構成されたプロジェクション・ライナーをさらに備える、請求項9に記載のPCMセル。
【請求項17】
前記プロジェクション・ライナーは、前記第1の電極および前記第2の相変化層と接触している、請求項16に記載のPCMセル。
【請求項18】
第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置決めされたドープ相変化層と、前記ドープ相変化層ならびに前記第1の電極および前記第2の電極のうちの1つと接触している第1の非ドープ相変化層と、を備える相変化メモリ(PCM)セルを使用する方法であって、
前記ドープ相変化層に非晶質構造を有する第1の非晶質ゾーンを作成するために、前記第1の電極から、前記第1の非ドープ相変化層を介して前記第2の電極に第1の電流を流すことと、
前記第1の非晶質ゾーンを介する前記第1の電極と前記第2の電極との間の第1の電気抵抗を測定することと、
多結晶構造を有するように前記第1の非晶質ゾーンをアニールするために、前記第1の電極から、前記非ドープ相変化層を介して前記第2の電極に第2の電流を流すことと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記第1の非晶質ゾーンのアニーリングの後に、前記第1の電極と前記第2の電極との間の第2の電気抵抗を測定することをさらに含み、
前記第2の電気抵抗は、前記第1の電気抵抗未満である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ドープ相変化層に非晶質構造を有する第2の非晶質ゾーンを作成するために、前記第1の電極から、前記第1の非ドープ相変化層を介して前記第2の電極に第3の電流を流すことをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
相変化メモリ(PCM)セルであって、
第1の導電性材料で構成された第1の電極と、
第2の導電性材料で構成された第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置決めされた、電気絶縁性材料で構成された絶縁体と、
前記第1の電極および前記第2の電極、ならびに前記絶縁体に沿って位置決めされた第1の相変化層であって、第1の相変化材料とドーパント材料との混合物で構成され、第1の厚さを有する、前記第1の相変化層と、
前記第1の相変化層と接触しており、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電気路内にある第2の相変化層であって、本質的に第2の相変化材料からなり、第2の厚さを有する、前記第2の相変化層と、
を備え、
前記第2の厚さは、前記第1の厚さの半分未満である、相変化メモリ(PCM)セル。
【請求項22】
前記第2の相変化層は、第2の部分から分離された第1の部分を含み、
前記第1の部分は、前記第1の電極と接触しており、かつ前記第1の電極に沿って延在し、
前記第2の部分は、前記第2の電極と接触しており、かつ前記第2の電極に沿って延在し、
前記第1の相変化層は、前記第1の部分、前記絶縁体、および前記第2の部分と接触しており、かつ前記第1の部分、前記絶縁体、および前記第2の部分に沿って延在している、請求項21に記載のPCMセル。
【請求項23】
前記第1の電極、前記絶縁体、および前記第2の電極と接触しており、かつ前記第1の電極、前記絶縁体、および前記第2の電極に沿って延在するプロジェクション・ライナーであって、金属材料および半導体材料からなる群から選択された材料で構成されている、前記プロジェクション・ライナーをさらに備え、
前記第2の相変化層は、前記プロジェクション・ライナー全体と接触しており、かつ前記プロジェクション・ライナー全体に沿って延在し、
前記第1の相変化層は、前記第2の相変化層全体と接触しており、かつ前記第2の相変化層全体に沿って延在している、請求項21に記載のPCMセル。
【請求項24】
相変化メモリ(PCM)セルであって、
第1の電極と、
第2の電極と、
第1の相変化材料とドーパント材料との混合物で構成されたピラーであって、第1の高さを有する、前記ピラーと、
前記ピラーを取り囲む絶縁体であって、電気絶縁性材料を含む、前記絶縁体と、
本質的に第2の相変化材料からなる層であって、前記ピラーと接触しており、前記ピラーの側部全体に沿って延在し、前記第1の電極および前記第2の電極のうちの少なくとも1つと接触しており、第2の高さを有する、前記層と、
を備え、
前記第2の高さは、前記第1の高さの半分未満である、相変化メモリ(PCM)セル。
【請求項25】
前記第1の電極に接続されたセレクタであって、オボニック閾値スイッチを含む、前記セレクタをさらに備える、請求項24に記載のPCMセル。
【国際調査報告】