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特表2024-501837安定した扁平形態を有する折り畳み式パッケージ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-16
(54)【発明の名称】安定した扁平形態を有する折り畳み式パッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/18 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
B65D6/18 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539291
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 EP2021087340
(87)【国際公開番号】W WO2022144279
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】2014231
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519104318
【氏名又は名称】ピーエー コット エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダミアン リムーザン
(72)【発明者】
【氏名】シモン ギユー
【テーマコード(参考)】
3E061
【Fターム(参考)】
3E061AA05
3E061AB09
3E061CA02
3E061CA21
(57)【要約】
本発明は、底部(20)と、蓋(3)を含むパネル(21、22、23、3)とを備えるパッケージ(1)に関し、パッケージ(1)は、
-収容空間を定め、蓋(3)が収容空間を閉じ得る使用形態と、
-扁平形態と、の間で折り畳め、
パッケージ(1)は、パッケージ(1)の扁平形態において、底部(20)と、底部(20)に対して折り畳まれた位置にあるパネル(21、22、23、3)の少なくとも1つとの間に、固定装置を備え、それぞれの固定装置は、パネル(21、22、23、3)の1つを、それの底部(20)に対して折り畳まれた位置に保持するための力を働かせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸(200)に沿って前端(201)と後端(202)との間で延伸する底部(20)を備えるパッケージ(1)であって、
前記パッケージ(1)は、
前記底部(20)の前記前端(201)に枢動可能に取り付けられた前面パネル(21)と、
前記底部(20)の前記後端(202)に枢動可能に取り付けられた後面パネル(22)と、
前記底部(20)に枢動可能に取り付けられた側面パネル(23)と、
前記前面パネル(21)又は前記後面パネル(22)の一方に枢動可能に取り付けられた蓋(3)と、を含むパネル(21、22、23、3)をさらに備え、
前記パッケージ(1)は、
前記底部(20)、前記前面パネル(21)、前記後面パネル(22)、及び前記側面パネル(23)が、収容空間を定めるケース(2)を形成し、前記蓋(3)が前記収容空間を閉じ得る使用形態と、
前記パネル(21、22、23、3)が前記底部(20)と実質的に平行に延伸する扁平形態と、の間で折り畳め、
前記パッケージ(1)の前記扁平形態において、
前記側面パネル(23)は前記底部(20)に対して折り畳まれた位置にあり、
前記前面パネル(21)及び前記後面パネル(22)の一方は前記側面パネル(23)に重なる前記底部(20)に対して折り畳まれた位置にあり、前記前面パネル(21)及び前記後面パネル(22)の他方は前記底部(20)の延長上に枢動された位置にあり、
前記蓋(3)は前記側面パネル(23)に重なる前記底部(20)に対して折り畳まれた位置にあり、
前記パッケージ(1)は、前記底部(20)と、前記底部(20)に対して折り畳まれた位置にある前記パネル(21、22、23、3)の少なくとも1つとの間に、固定装置を備え、それぞれの固定装置は、前記パッケージ(1)の前記扁平形態において、前記パネル(21、22、23、3)の前記少なくとも1つを、それの前記底部(20)に対して折り畳まれた位置に保持するための力を働かせ、前記固定装置は、
前記底部(20)の前記前端(201)の近くにある少なくとも1つの第1固定装置(41、42)と、
前記底部(20)の前記後端(202)の近くにある少なくとも1つの第2固定装置(51、52)と、を備え、
前記第1固定装置(41、42)は、前記第1軸(200)に沿って前記第2固定装置(51、52)から間隔をあけて配置されることを特徴とする、パッケージ(1)。
【請求項2】
前記底部(20)は、前記側面パネル(23)が枢動可能に取り付けられた2つの側端(203)を備え、
前記パッケージ(1)は、
それぞれ、前記底部(20)のそれぞれの側端(203)の近くに、前記第1軸(200)に沿って同じ距離に、配置された2つの第1固定装置(41、42)と、
それぞれ、前記底部(20)のそれぞれの側端(203)の近くに、前記第1軸(200)に沿って同じ距離に、配置された2つの第2固定装置(51、52)と、を備えることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項3】
前記蓋(3)は前記後面パネル(22)に枢動可能に取り付けられ、前記蓋(3)又は前記前面パネル(21)の一方は、
前記1つの又はそれぞれの第1固定装置(41、42)の第1部分(411、421)と、
前記蓋(3)又は前記前面パネル(21)の他方を重複によって保持する部材(6)と、を有し、
前記底部(20)は、前記第1部分(411、421)と相補的な前記1つの又はそれぞれの第1固定装置(41、42)の第2部分(412、422)を有し、
前記パッケージ(1)の前記扁平形態において、前記保持部材(6)は、前記蓋(3)又は前記前面パネル(21)の前記他方を、それの前記底部(20)に対して折り畳まれた位置に固定することを特徴とする、請求項1又は2に記載のパッケージ(1)。
【請求項4】
前記第1固定装置(41、42)及び/又は前記第2固定装置(51、52)はクリッピングによって作動可能な型のものであり、前記パッケージ(1)のその扁平形態への切り替えが前記固定装置のクリッピングを生じさせ得ることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項5】
前記パッケージの前記扁平形態において、ロック可能な固定装置と呼ばれる前記第1固定装置(41、42)及び/又は前記第2固定装置(51、52)がロックされるロック位置と、
前記ロック可能な固定装置が作動しないロック解除位置と、の間で可動な少なくとも1つの作動装置(7)を含むロック機構を備えることを特徴とする、請求項4に記載のパッケージ(1)。
【請求項6】
前記ロック機構は、前記作動装置(41、42)をそのロック解除位置からそのロック位置へ戻す傾向にある、前記作動装置(41、42)を弾性的に戻す手段を備えることを特徴とする、請求項5に記載のパッケージ(1)。
【請求項7】
前記第1固定装置(41、42)又は前記第2固定装置(51、52)の一部のみがロック可能な固定装置であり、前記第1固定装置(41、42)又は前記第2固定装置(51、52)の残りのクリッピングは力によって解除され得ることを特徴とする、請求項5又は6に記載のパッケージ(1)。
【請求項8】
前記第1固定装置(41、42)又は前記第2固定装置(51、52)の一部のみがロック可能な固定装置であり、前記第1固定装置(41、42)又は前記第2固定装置(51、52)の残りは、前記底部(20)の延長上に折り畳まれた位置にある前記パネル(21、22)を、この前記底部(20)の延長上に折り畳まれた位置をこえて枢動することで分離可能であることを特徴とする、請求項5又は6に記載のパッケージ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物流の分野である。より具体的に、本発明は、物体を2つの目的地の間で運搬するための、梱包手段とも呼ばれるパッケージ、即ち容器に関する。
【背景技術】
【0002】
物体を安全に運送するために、プラスチック材料及び段ボールで作られた箱のようなパッケージが知られている。
【0003】
一般に、パッケージは、少なくとも1つの運送される物体が収容される収容空間を一緒に定める底部及び周縁部を有するケースを備える。
【0004】
また、パッケージは、ケースに対して可動である、又はケース上に追加された蓋を備え、この蓋は、特に、蓋がケースの収容空間を閉じる収容空間の閉封位置を取り得る。
【0005】
従来、これらのパッケージは折り畳み式である。従って、それらは、ケースが形成されて収容空間を定める使用形態と、パッケージがそれ自体折り畳まれてより小さな嵩を生じさせる扁平形態との間で可動である。
【0006】
特に、周縁部は、
-第1パネルと、
-第2パネルと、
-第1パネルに対向する第3パネルと、
-第2パネルに対向する第4パネルと、を備える。
【0007】
従って、それぞれのパネルは、
-それが底部と実質的に平行に延伸する収容位置と、
-それが底部と実質的に垂直に延伸する使用位置と、を取り得る。
【0008】
物体を運送する前に、ユーザは、パッケージを成形するために、扁平形態にあるパッケージを掴む。実際、ほとんどの場合、パッケージの保管状態において、周縁部のパネルはそれらの収容位置にあり、それはパッケージが扁平形態にあることを暗に意味する。
【0009】
そして、ユーザはケースを成形しなければならず、即ち周縁部のそれぞれのパネルをその使用位置に置くことで収容空間を定めなければならない。
【0010】
そして、ユーザは、収容空間に物体を挿入し、蓋を収容空間の閉封位置に置き得る。
【0011】
普通は、パッケージは段ボール製である。これらの段ボール製のパッケージは、一般に、たった1回の発送、又は特に限られた回数の発送に使用されるだけである。
【0012】
これらの段ボール製のパッケージは、これらのパッケージを取り扱う条件、及びそれらが晒されるだろう環境条件によって、特にはやく劣化する傾向にある。
【0013】
その結果、物流運送中に使用される段ボールの量を考慮に入れると、この型のパッケージの製造の簡単で容易な性質を考慮してさえ、これらの段ボールの使用は、環境に優しくなく、特に多量の資源を必要とすると考えられ得る。
【0014】
最近、再使用できるパッケージの計画が現れている。
【0015】
これらの再使用できるパッケージは、それらを再生利用又は修理しなければならない前に何度も使用できる能力を有する。この目的で、これらのパッケージは、段ボールより抵抗力及び耐久性のある材料で形成された壁を含む。
【0016】
結局、それは段ボール製のパッケージより複雑で費用のかかる設計又は製造を伴うが、そのような再使用できるパッケージのエコロジカル・フットプリントはより優れている。
【0017】
しかし、再使用できるパッケージの使用によって、幾つかの問題が起こる。
【0018】
実際、既に使用されたパッケージ、即ち、受取人によって受け取られ、再使用又は返送される前に保管されるパッケージの保管に関する問題が存在する。
実際、ユーザは、パッケージを受け取ったとき、必ずしもこのパッケージを直接に返送又は再使用できるとは限らず、それを脇に置いておかなければならない。しかし、その使用形態において、段ボール製のパッケージはかなり嵩張る。
【0019】
その結果、この嵩を低減することを目指す解決策が必要である。
【0020】
一般に、パッケージはその扁平形態へ戻すことができる。しかし、扁平形態にあり、かつ、既に使用された、即ち既に少なくとも一度成形されたパッケージの嵩が、大抵、それがその最初の使用前にその扁平形態で示すものより大きいことが実施によって示されている。
【0021】
例えば、既に使用され、その扁平形態に戻されたパッケージが、わずかだが再展開する傾向にあり、従ってその扁平形態より大きな体積を占める形態を示すことが観察されている。勿論、これらのパッケージは強制的な方法で平らに保たれ得るが、この影響は外部応力がない場合にずっと残り得る。
【発明の概要】
【0022】
本発明は、特に、従来技術の欠点を克服することを目的とする。
【0023】
より具体的に、本発明は、使用せずに保管することを望む場合に限られた嵩を有し、その限られた嵩を維持する再使用できるパッケージを提案することを目的とする。
【0024】
本発明の目的は請求項1に記載のパッケージによって達成される。
【0025】
ここに、第1軸に沿って前端と後端との間で延伸する底部を備えるパッケージが説明され、パッケージは、
-底部の前端に枢動可能に取り付けられた前面パネルと、
-底部の後端に枢動可能に取り付けられた後面パネルと、
-底部に枢動可能に取り付けられた側面パネルと、
-前面パネル又は後面パネルの一方に枢動可能に取り付けられた蓋と、を含むパネルをさらに備え、
パッケージは、
-底部、前面パネル、後面パネル、及び側面パネルが、収容空間を定めるケースを形成し、蓋が収容空間を閉じ得る使用形態と、
-パネルが底部と実質的に平行に延伸する扁平形態と、の間で折り畳め、
パッケージの扁平形態において、
-側面パネルは底部に対して折り畳まれた位置にあり、
-前面パネル及び後面パネルの一方は側面パネルに重なる底部に対して折り畳まれた位置にあり、前面パネル及び後面パネルの他方は底部の延長上に枢動された位置にあり、
-蓋は、側面パネルに重なる底部に対して折り畳まれた位置にある。
【0026】
パッケージは、パッケージの扁平形態において、底部と、底部に対して折り畳まれた位置にあるパネルの少なくとも1つとの間に、固定装置を備え、それぞれの固定装置は、パネルの1つを、それの底部に対して折り畳まれた位置に保持するための力を働かせ、固定装置は、
-底部の前端の近くにある少なくとも1つの第1固定装置と、
-底部の後端の近くにある少なくとも1つの第2固定装置と、を備え、
第1固定装置は、第1軸に沿って第2固定装置から間隔をあけて配置される。
【0027】
従って、パッケージは、その扁平形態において、限定された嵩を有する。
【0028】
実際、本発明の原理のおかげで、扁平形態にあるパッケージはその形状及び嵩を維持し、パッケージは、自発的な行動がない場合、特に「形状記憶」効果によって変形することを防がれる。
【0029】
より具体的に、このように使用形態と扁平形態との間で折り曲げられ得る再使用できるパッケージは、これらの構成要素の一部の間の枢動接続部、及びパッケージのパネルを形成する材料の性質のために、扁平形態を自然に維持できなさそうである。
【0030】
本発明によるパッケージは、その前面パネルとその底部との間、及びその後面パネルとその底部との間の枢動接続部を有する。また、蓋は前面パネル又は後面パネルに枢動可能に取り付けられる。そして、これら3つの枢動接続部は、開き、それらがパッケージの扁平形態で維持するはずだろう角度を維持しない傾向にありそうである。
【0031】
本発明のおかげで、底部の前端(従って、前面パネルと底部との間の枢動接続部)の近くに位置する第1固定装置、及び底部の後端(従って、底部と後面パネルとの間の枢動接続部)の近くに位置する第2固定装置は、パッケージのパネルと底部とを実質的に平行に保つことに関与し、従って、パッケージがその扁平形態に切り替えられた時にパッケージのこれらの構成要素がこの位置を保つことを保証する。
【0032】
例えば、後面パネルが底部の延長上に延伸し、後面パネルと底部との間の枢動接続部が後面パネルを持ち上げる傾向にある弾性効果を有する場合、第2固定装置は、底部の後端の近くに位置するパッケージの2つの構成要素を互いに対して押し付けることで、枢動接続部によって生じる弾性力を相殺することを可能にする。これにより、パッケージがその扁平形態を失うことが防がれる。
【0033】
有利な一解決策によれば、底部は、側面パネルが枢動可能に取り付けられた2つの側端を備え、
パッケージは、
-それぞれ、底部のそれぞれの側端の近くに、第1軸に沿って同じ距離に、配置された2つの第1固定装置と、
-それぞれ、底部のそれぞれの側端の近くに、第1軸に沿って同じ距離に、配置された2つの第2固定装置と、を備える。
【0034】
これらの4つの固定装置のおかげで、パッケージをその扁平形態に維持することが最適化される。
従って、実際、固定装置はパッケージの異なる箇所に配置され、パッケージを平たく保つための力は、これら4つの箇所のそれぞれに、しかも特に異なるパネルと底部との枢動接続部のできるだけ近くに分散される。
【0035】
有利な一解決策によれば、蓋は後面パネルに枢動可能に取り付けられ、
蓋又は前面パネルの一方は、
-1つの又はそれぞれの第1固定装置の第1部分と、
-蓋又は前面パネルの他方を重複によって保持する部材と、を有し、
底部は、1つ又は複数の第1部分と相補的な1つの又はそれぞれの第1固定装置の第2部分を有し、
パッケージの扁平形態において、保持部材は、蓋又は前面パネルの他方を、それの底部に対して折り畳まれた位置に固定する。
【0036】
このようにして、1つ又は複数の第1固定装置によって、蓋又は前面パネルの一方を、底部に対して折り畳まれた位置に押し付けられた状態に保つことができるが、前面パネル又は蓋の他方は、重なる保持部材によって、底部に対して折り畳まれた位置に押し付けられた状態に保たれる。
【0037】
従って、パッケージをその扁平形態で維持することが最適化される。
【0038】
1つの好ましい設計によれば、1つ又は複数の第1固定装置及び/又は1つ又は複数の第2固定装置はクリッピングによって作動可能な型のものであり、パッケージのその扁平形態への切り替えが固定装置のクリッピングを生じさせ得る。
【0039】
そのような型の固定装置のおかげで、パッケージをその扁平形態に維持することを実施することは特に簡単である。なぜなら、単にパッケージをその使用形態からその扁平形態に切り替えれば、クリッピングによって作動可能な型の固定装置のそれぞれを始動させるのに十分だからである。
【0040】
1つの好ましい設計によれば、パッケージは、
-パッケージの扁平形態において、ロック可能な固定装置と呼ばれる1つ又は複数の第1固定装置及び/又は1つ又は複数の第2固定装置がロックされるロック位置と、
-1つ又は複数のロック可能な固定装置が作動しないロック解除位置と、の間で可動な少なくとも1つの作動装置を含むロック機構を備える。
【0041】
このようにして、パッケージのユーザは、パッケージにその扁平形態をやめさせ、それをその使用形態に折り曲げることができるように作動装置を作動させなければならない。
【0042】
従って、パッケージのその扁平形態からその使用形態への切り替えはそのユーザの自発的な行動から生じる。
【0043】
有利に、ロック機構は、1つ又は複数の作動装置をそのロック解除位置からそのロック位置へ戻す傾向にある、1つ又は複数の作動装置を弾性的に戻す手段を備える。
【0044】
従って、作動装置の偶発的の作動は、作動装置がそのロック位置に戻ることを可能にする弾性戻し手段によって相殺される。
【0045】
加えて、適切な場合、クリッピングによって作動可能な型の固定装置と組み合わせて、ロック可能な固定装置は簡単で直観的な操作をもたらす。実際、パッケージをその扁平形態に切り替えれば、作動装置がロック位置にあり、弾性戻し手段が作動装置をそのロック位置に維持する傾向にある状態での固定装置のクリッピングが生じる。この場合、作動装置を意図的に作動させ、パッケージを適切に取り扱うことによってのみ、それをその使用形態に切り替えることができる。
【0046】
1つの好ましい設計によれば、第1固定装置又は第2固定装置の一部のみがロック可能な固定装置であり、第1固定装置又は第2固定装置の残りのクリッピングは力によって解除され得る。
【0047】
この設計によって、固定装置の異なる作用の統合が簡単になる。
【0048】
別の好ましい設計によれば、第1固定装置又は第2固定装置の一部のみがロック可能な固定装置であり、第1固定装置又は第2固定装置の残りは、底部の延長上に折り畳まれた位置にあるパネルを、この底部の延長上に折り畳まれた位置をこえて枢動することで分離可能である。
【0049】
このようにして、「ロック可能な固定装置」ではない固定装置の分離は、ロック可能な固定装置のロックを解除した後、パッケージをその扁平形態から展開する特定の運動学を用いて行われる。
【0050】
また、この設計は、パッケージをその扁平形態で固定するという利点を提供する。実際、その場合、人は、ロック可能な固定装置のロックを予め解除せずに、パッケージの一部を移動させて、パッケージを部分的に開くことはできない。
【0051】
パッケージの扁平形態によって小さな収容空間を得ることができる状況において、パッケージをその扁平形態で固定することを可能にするこの設計は、特に有利である。
【0052】
本発明の他の特徴及び利点は、説明に役立つ非限定的な例として与えられた本発明の好ましい一実施形態の以下の説明、及び添付図面を理解すると、より明瞭に見えてくるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1図1は、パッケージのケースが、形成され、蓋によって閉じられた収容空間を定める使用形態における、本発明によるパッケージの概略斜視上面図である。
図2図2は、扁平形態にある、本発明によるパッケージの概略斜視上面図である。
図3図3は、扁平形態にある、本発明によるパッケージの概略側面図である。
図4図4は、パッケージの底部によって与えられた固定装置の一部を示す円形の詳細図の付いた、使用形態と扁平形態との間の中間状態にある、本発明によるパッケージの概略斜視上面図である。
図5図5は、固定部の一部を示す2つの円形の詳細図を含む、パネルがロック機構を統合した、パッケージのケースの前面パネルの後面の概略斜視上面図である。
図6図6は、使用形態と扁平形態との間の中間状態にある、本発明によるパッケージの概略上面図である。
図7図7は、パッケージの蓋によって与えられた第2固定装置の一部に焦点を合わせた概略斜視図である。
図8図8は、図7に示された固定装置の部分と相補的である、パッケージの底部によって保持された固定装置の別の部分の概略斜視上面図である。
図9図9は、図7及び8に示された2つの固定装置の部分の協働を示す概略断面図である。
図10図10は、図7から9の固定装置の分離位置の部分概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1、2、3、4、及び6を参照すると、本発明によるパッケージ1が示されている。本発明によるパッケージ1は折り畳み式のパッケージである。パッケージ1は、
-底部20と、
-パネルと、を備える。
【0055】
底部20は第1軸200に沿って前端201と後端202との間で延伸する。
【0056】
底部20は前端201と後端202との間で延伸する2つの側端203をさらに備える。
【0057】
パッケージ1のパネル21、22、23、3は、
-前面パネル21と、
-後面パネル22と、
-側面パネル23と、
-蓋3と、から構成される。
【0058】
前面パネル21は底部20の前端201に枢動可能に取り付けられる。
【0059】
後面パネル22は底部20の後端202に枢動可能に取り付けられる。
【0060】
側面パネル23は底部20の側端203に枢動可能に取り付けられる。
【0061】
本実施形態によれば、蓋3は後面パネル22に枢動可能に取り付けられる。しかし、可能な一実施形態によれば、そして以下に説明される構成要素の特別の変更を通じて、蓋3はパッケージ1の前面パネル21に枢動可能に取り付けられ得る。
【0062】
上述のように、パッケージ1は折り畳み式である。より具体的に、パッケージ1は使用形態及び扁平形態を含む異なる形態を有し得る。
【0063】
その使用形態において、パッケージ1は収容空間を定めるケース2を有する。
【0064】
このケース2は、底部20、前面パネル21、後面パネル22、及び側面パネル23を繋いで形成される。
【0065】
この使用形態において、前面パネル21、後面パネル22、及び側面パネル23は、底部20で周縁部を形成する。従って、前面パネル21、後面パネル22、及び側面パネル23は、それぞれ、使用位置にある。
【0066】
図1に示すこの使用形態では、蓋3によって収容空間を閉じることができる。
【0067】
先に説明されたように、蓋3は後面パネル22に枢動可能に取り付けられる。蓋3を後方に枢動することで、収容空間の内部に達することができる。
【0068】
図2及び3に示されるその扁平形態において、前面パネル21、後面パネル22、及び側面パネル23は、底部20と実質的に平行に延伸する。従って、前面パネル21、後面パネル22、及び側面パネル23は、それぞれ、折り畳まれた位置(又は「収容位置」)にある。
【0069】
実際、パッケージ1のこの扁平形態において、側面パネル23は底部20に対して直接に折り畳まれる。
【0070】
次に、前面パネル21及び後面パネル23の一方は、側面パネル23に重なることで底部20に対して折り畳まれ、前面パネル21及び後面パネル22の他方は、後方に折り畳まれる、即ち後方に枢動されて底部20の延長上に配置される。
【0071】
この場合、前面パネル21は、側面パネル23に重なることで底部20に対して折り畳まれた位置にあり、後面パネル22は底部20の延長上へ後方に枢動される。従って、後面パネル22は底部20と同一平面上に位置する。
【0072】
最後に、蓋3も底部20に対して折り畳まれる。従って、蓋3は側面パネル23を覆う。本実施形態によれば、蓋3は後面パネル22も覆う。
【0073】
上述のように、蓋3は後面パネル22に枢動可能に取り付けられる。
図2及び3を参照すると、パッケージ1は、前面パネル21及び蓋3の一方を重複によって保持する部材6を備える。
【0074】
この場合、図1から5に示されるように、蓋3の前縁31をそれの底部20に対して折り畳まれた位置に維持するために、前面パネル21は、重複保持部材6を備え、従ってパッケージ1の扁平形態において蓋の重複を生じさせることを意図されている。
【0075】
図2及び図3に示されるパッケージ1の扁平形態において、保持部材6は蓋3をそれの底部20に対して折り畳まれた位置に固定する。この保持部材6は、蓋3の前縁31に重なることで、即ちそれの上方に、延伸するキャップの形を取る。
【0076】
勿論、この実施形態によれば、前面パネル21が完全に折り畳まれる前に、蓋3が底部20に対して完全に折り畳まれなければならない。
【0077】
図示されていない一実施形態によれば、別の型の重複保持部材6は、前面パネル21及び蓋3の一方に可動に取り付けられた少なくとも1つのアームの形を取り得る。この場合、アームは、パッケージ1の扁平形態において、前面パネル21及び蓋3の他方の下に置かれる。従って、アームを保持した前面パネル21又は蓋3は、前面パネル21又は蓋3の他方を予め持ち上げずに持ち上げることはできない。なぜなら、1つ又は複数のアームはこの構成要素の下で自由に移動できないからである。
【0078】
本発明の原理によれば、パッケージ1は、その扁平形態において、底部20と、底部20に対して折り畳まれた位置にあるパネル21、22、23、3の少なくとも1つとの間に固定装置を備える。
【0079】
それぞれの固定装置は、そのようなパネル21、22、23、3を、それの底部20に対して折り畳まれた位置に保持するための力を働かせるように設計される。
【0080】
特に、前記パネル21、22、23、3をそれの底部20に対して折り畳まれた位置から移動させる傾向にある力があるとすぐに、この保持力は現れる。
【0081】
これらの固定装置は、底部20の前端201の近くに位置する少なくとも1つの第1固定装置41、42と、底部20の後端202の近くに位置する少なくとも1つの第2固定装置51、52とから構成される。
【0082】
第1固定装置41、42は第1軸200に沿って第2固定装置51、52から間隔をあけて配置される。換言すれば、第1固定装置41、42は第2固定装置51、52に直接に隣接しない。
【0083】
本実施形態によれば、固定装置は、
-それぞれ、底部20のそれぞれの側端203の近くに、第1軸200に沿って同じ距離に、位置する、第1左固定装置41及び第1右固定装置42を含む、2つの第1固定装置41、42と、
-それぞれ、底部20のそれぞれの側端203の近くに、第1軸200に沿って同じ距離に、配置された、第2左固定装置51及び第2右固定装置52を含む、2つの第2固定装置51、52と、を備える。
【0084】
図3を参照すると、非限定的に、
-底部20の前端201の近くに位置する第1位置P1及び第2位置P2と、
-底部20の後端202の近くに位置する第3位置P3及び第4位置P4と、を含む4つの可能な固定装置の位置が示されている。
【0085】
換言すれば、2つの第1固定装置41、42は、位置P1又は第2位置P2に一致する第1軸200に沿った位置に配置され得るが、2つの第2固定装置51、52は、第3位置P3又は第4位置P4に一致する第1軸200に沿った位置に配置され得る。
後述されるように、それぞれの固定装置は、パッケージ1の第1構成要素によって与えられた第1部分と、パッケージ1の第2構成要素によって与えられた第2部分とを含む2つの部分を備える。それぞれの固定装置の第1部分と第2部分とは、パッケージ1がその扁平形態にある時に固定装置を実現するために互いに相補的である。
【0086】
本実施形態によれば、第1固定装置41、42は、図5に示されるように、前面パネル21によって与えられた第1部分と、図4に示されるように、底部20によって与えられた第2部分とを備える。
【0087】
その結果、前面パネル21が底部20に対して折り畳まれると、第1固定装置41、42は、作動し、前面パネル21をそれの底部20に対して折り畳まれた位置に保持するための力を働かせる。
【0088】
図4を参照すると、第1左固定装置41の第2部分412及び第1右固定装置42の第2部分422は、パッケージ1の使用形態において側面パネル23に格納され、側面パネル23が底部20に対して折り畳まれた時に見える固定部410によって形成される。
【0089】
図5を参照すると、リングによって形成された固定部410は、前面パネル21によって与えられた第1左固定部41の第1部分411及び第1右固定部42の第1部分421と相補的である。
前面パネル21が底部20に対して折り畳まれると、第2部分412、422の固定部410は第1部分411、421の内側に嵌る。従って、固定装置は作動する。
【0090】
これらの第1固定装置41、42はクリッピングによって作動可能な型のものである。
【0091】
即ち、パッケージ1をその使用形態からその扁平形態に切り替えることで、これらの固定装置のクリッピングを生じさせることができる。
【0092】
そのようなクリッピングは、例えば、固定部410のフック位置と解除位置との間で可動なフックによって達成可能である。
【0093】
このフックは、それをそのフック位置に維持する傾向にある弾性戻しシステムを備え得る。弾性戻しシステムは、固定部410を第1部分411、421の内部へ挿入する間、フックをそのロック位置からその解除位置へ切り替え、挿入が完了するとすぐに、フックをそのフック位置へ戻す設計、例えば外側の傾斜縁と組み合わされる。外側の傾斜縁は、特に、固定部410の挿入中にフックを引っ込めるカムシステムを形成し得、この固定部410は、傾斜縁を押し、それからそれを後退させる。
【0094】
本実施形態によれば、そして図1、2、及び4を参照すると、パッケージ1は2つの作動装置7を含むロック機構を備える。
【0095】
これらの作動装置7は、
-特に図1及び2に示され、パッケージ1の扁平形態において、第1固定装置41、42がロックされるロック位置と、
-第1固定装置41、42のロックが解除されるロック解除位置と、の間で可動である。
【0096】
従って、第1固定装置41、42は「ロック可能な固定装置」と呼ばれる固定装置である。
【0097】
このロック機構は、作動装置7をそれらのロック解除位置からそれらのロック位置へ戻す傾向にある、作動装置7を弾性的に戻す手段を備える。これらの弾性戻し手段は、有利に、上述のフックを戻す手段と同じであり得る。
【0098】
また、本実施形態によれば、ロック機構は、蓋3が使用形態でパッケージ1の収容空間を閉じる時に、蓋3をロックすることを可能にするように設計される。
【0099】
この目的で、そして図4及び5を参照すると、蓋3は2つのロック部材71を有し、前面パネル21は2つのロック部材71と相補的な2つのロック要素72を有する。
【0100】
この場合、パッケージ1がその使用形態にあり、蓋3が収容空間を閉じる時、
-作動装置7のロック位置において、2つのロック部材71は2つのロック要素72内に挿入及び拘束され、
-作動装置7のロック解除位置において、2つのロック部材71は、2つのロック要素72に挿入されているが、拘束されず、蓋3は自由に後方に枢動され得る。
【0101】
作動装置7の作動中にロック状態の変更を可能にするために、ロック機構は、それ自体既知の従来の設計のロッド又はカムシステムを実施し得る。
【0102】
図6から9を参照して、第2固定装置51、52が以下に説明される。
前述のように、これらの第2固定装置51、52は底部20の後端202の近くに位置する。
【0103】
本実施形態によれば、第2固定装置51、52は第2左固定装置51及び第2右固定装置52から構成される。これらの固定装置は、特に、図3に示される位置P3に対応する距離に位置する。
【0104】
本実施形態によれば、第2固定装置は底部20と蓋3との間に設けられる。
【0105】
第2固定装置51、52もクリッピングによって作動可能な型のものである。即ち、パッケージ1がその扁平形態に切り替わると、第2固定装置51、52のクリッピングが行われる。
【0106】
第1固定装置41、42とは違って、第2固定装置51、52はロック可能な固定装置ではない。
【0107】
上述のように、第2固定装置51、52は第1部分511、521及び第2部分512、522を備える。
【0108】
特に、第2固定装置51、52は、
-蓋3によって与えられたフック付きレセプタクルによって形成された第1部分511、521と、
-底部20の後端202のすぐ近くで底部20によって保持された第2部分512、522と、を備える。
【0109】
これらの第2部分512、522は、第2固定装置51、52の第1部分511、521によって形成されたフック付きレセプタクルにパチンと嵌ることで相補的なフック5120、5220によって形成される。
【0110】
第2固定装置51、52の第1部分511、521を形成するフック付きレセプタクルは、特に少なくとも2つの部分的に弾性変形できる翼5110、5210を備える。これらの翼5110、5210は、パッケージ1がその扁平形態に切り替えられる時、特にフック付きレセプタクルの翼5110、5210の間にフック5120、5220をパチンと嵌める間、これらのフック5120、5220を導くことを可能にする。
【0111】
図7から10を参照すると、フック5120、5220及びフック付きレセプタクルは、ユーザがパッケージ1をその扁平形態から広げたい時に、第2固定装置51、52を分離すように設計された形状を有する。
【0112】
特に、フック5120、5220は、パッケージ1をその扁平形態から広げなければならない時に蓋3を持ち上げなければならない方向に、底部20の前端から離れるように向く、丸みのある形状を有する。フック付きレセプタクルは底部20の前端の方向に開く。
【0113】
また、より具体的に図10を参照すると、後面パネル22を、それの底部の延長上に折り畳まれた位置をこえて後方へ枢動することで、フック5120、5220をフック付きレセプタクルから外すことができる。
【0114】
従って、図10は、第2固定装置51、52を分離するための扁平形態と使用形態との間の中間形態を示す。
【0115】
別の可能な設計によれば、第2固定装置51、52は、「力によってクリッピングを解除され」、換言すれば「力によって留めを解除され」得る固定装置である。即ち、第2固定装置51、52を作動させないために、第2固定装置51、52が働かせる折り畳まれた位置における保持力より大きな力の引っ張りを働かせることが必要である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】