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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】低価格の生分解性飲用ストロー
(51)【国際特許分類】
   A47G 21/18 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A47G21/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518504
(86)(22)【出願日】2020-11-03
(85)【翻訳文提出日】2023-03-20
(86)【国際出願番号】 US2020058705
(87)【国際公開番号】W WO2022098345
(87)【国際公開日】2022-05-12
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523099426
【氏名又は名称】チェン,ガン
(71)【出願人】
【識別番号】523101671
【氏名又は名称】ザン,ヨンゾン
(71)【出願人】
【識別番号】523101682
【氏名又は名称】ワング,ジュンホア
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ガン
(72)【発明者】
【氏名】ザン,ヨンゾン
(72)【発明者】
【氏名】ワング,ジュンホア
【テーマコード(参考)】
3B115
【Fターム(参考)】
3B115AA14
3B115BA18
3B115DA00
3B115EA02
(57)【要約】
1つ又は複数の改良剤と混合された、構造的に未変化のコーンスターチを含む、低コストの生分解性飲用ストロー。改良剤は、生物学的酵素調製物及びコロイド調製物を含む。低コストの生分解性飲用ストローは、98%の構造的に未変化のコーンスターチを提供し、1つ又は複数の改良剤と混合して生分解性粉末を作ることによって作製される。食用生分解性粉末が飲用ストロー形状に形成され、飲用ストロー形状に押し出される。押し出された飲用ストロー形状が冷却すると、適切な飲用ストローの長さに切断される。切断された飲用ストローは、次いで乾燥させられて梱包される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低コストの生分解性飲用ストローを作製するための方法であって、
a.構造的に未変化のコーンスターチを提供するステップと、
b.前記構造的に未変化のコーンスターチを、1つ又は複数の改良剤と混合して、生分解性粉末を作製するステップと、
c.前記食用生分解性粉末を飲用ストロー形状に押し出すステップと、
d.前記飲用ストロー形状の押出物を冷却するステップと、
e.前記冷却された飲用ストロー形状の押出物を適切な飲用ストローの長さに切断するステップと、
f.前記切断した飲用ストローを乾燥させるステップと、
g.前記乾燥させた飲用ストローを梱包するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記構造的に未変化のコーンスターチが、前記飲用ストローの90~98%を構成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記構造的に未変化のコーンスターチが、前記飲用ストローの98%を構成する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記飲用ストローの2%~8%が、1つ又は複数のデンプン改良剤を含み、前記1つ又は複数のデンプン改良剤が、生物学的酵素成分及び食用コロイド成分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ又は複数の生物学的酵素成分が、1%~5%のa-アミラーゼ、1%~5%のグルコースオキシダーゼ、1%~5%のプロテアーゼ、及び1%~5%のキシラナーゼの組み合わせを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ又は複数の生物学的酵素成分が、2%のa-アミラーゼ、3%のグルコースオキシダーゼ及び3%のプロテアーゼを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ又は複数のコロイド成分が、コンニャクガム、寒天、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、ジェランガム、及びキサンタンガムのうちの1つ又は複数を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ又は複数のコロイド成分が、1%~35%のコンニャクガム、1%~35%の寒天、1%~35%のカラギーナン、1%~35%のアルギン酸ナトリウム、1%~35%のグアーガム、1%~35%のジェランガム、及び1%~45%のキサンタンガムのうちの1つ又は複数を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ又は複数のコロイド成分が、21%のコンニャクガム、29%のアルギン酸ナトリウム、32%のキサンタンガム及び10%のジェランガムを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
低コストの食用生分解性飲用ストローであって、
a.構造的に未変化のコーンスターチと
b.1つ又は複数のデンプン改良剤であって、生物学的酵素調製物及び食用コロイド調製物を含む、デンプン改良剤と、を含む、生分解性食用ストロー。
【請求項11】
前記食用生分解性飲用ストローが、90%~98%のコーンスターチ及び2%~8%のデンプン改良剤を含む、請求項10に記載の食用生分解性飲用ストロー。
【請求項12】
前記食用生分解性飲用ストローが、98%のコーンスターチ及び2%のデンプン改良剤を含む、請求項10に記載の食用生分解性飲用ストロー。
【請求項13】
前記1つ又は複数の生物学的酵素調製物が、a-アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、プロテアーゼ、キシラナーゼ、コンニャクガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム及びジェランガムのうちの1つ又は複数を含む、請求項11に記載の食用生分解性飲用ストロー。
【請求項14】
前記1つ又は複数の生物学的酵素調製物が、2%のa-アミラーゼ、3%のグルコースオキシダーゼ及び3%のプロテアーゼを含む、請求項13に記載の食用生分解性飲用ストロー。
【請求項15】
前記1つ又は複数の食用コロイド調製物が、コンニャクガム、寒天、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、ジェランガム、及びキサンタンガムのうちの1つ又は複数を含む、請求項11に記載の食用生分解性飲用ストロー。
【請求項16】
前記1つ又は複数の食用コロイド調製物が、25%のコンニャクガム、25%のアルギン酸ナトリウム、35%のキサンタンガム、及び15%のジェランガムを含む、請求項15に記載の食用生分解性飲用ストロー。
【請求項17】
前記生物学的酵素調製物が、食品グレードの酵素調製物である、請求項10に記載の食用生分解性飲用ストロー。
【請求項18】
前記食用コロイド調製物が、完全性の高い食品グレードのコロイドである、請求項10に記載の食用生分解性飲用ストロー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲用ストローの技術分野に属し、より具体的には、安全、便利、衛生的で、生分解性の、環境に安全な、低コストの飲用ストローに関する。
【背景技術】
【0002】
米国だけでも、毎日5億本のプラスチック製ストローが使用されていると推定される。これらのプラスチック製ストローのほとんどは、最終的には海に流れ込み、水を汚染し、海洋生物を死滅させる。また、ほとんどのプラスチック製ストローは、軽量すぎて、機械式のリサイクル選別機を通過できない。プラスチック製ストローは、選別スクリーンを通り抜けて他の材料と混ざり、小さすぎて分別できず、リサイクルされる投入物に混入するか、又はゴミとして処分される。
【0003】
プラスチック製ストローが海に辿り着くと、生分解又は溶解するのではなく、「マイクロプラスチック」として知られる小さな破片に分解され、魚を含む海洋生物に大きな脅威をもたらす。
【0004】
1つの代替案は、堆肥化可能なプラスチック製ストローである。堆肥化可能なプラスチック製ストローは理論的には優れているが、通常のプラスチック製ストローと同じように、ほとんどが誤って処分され、最終的には水路に流れ込む。また、堆肥化可能なプラスチック製ストローは、海に入ったときに通常のプラスチック製ストローよりも優れているわけではない。堆肥化可能なプラスチック製ストローは、海水ではなく、堆肥化施設の条件で分解するように設計されている。
【0005】
別の、より旧式の代替手段は、紙製の飲用ストローである。しかしながら、紙製の飲用ストローは、液体に長時間浸すとすぐに崩れて持ちこたえられないため、ほとんどの消費者は、紙のストローを嫌う。これは、ユーザーのフラストレーションにつながり、複数の紙製飲用ストローが使用されることになる。プラスチック製又は堆肥化可能な飲用ストローよりも優れているものの、紙製ストローの製造はより高価であり、上記の代替品ほど弾力性がない。
【0006】
他の代替品には、ポリエチレンでコーティングされた板紙、パルプ成形品、わら植物、シェル成形品、分解性プラスチック、デンプン生分解、及び他の食器材料又は製品が含まれるが、それらはほとんど互いに関与しておらず、安全性、衛生、利便性、環境保護、及び低コストの利点を同時に満たすことができない。例えば:
【0007】
US2018/0282509A1は、生分解性バイオプラスチック組成物と、その製造方法及び使用方法を記載している。
【0008】
CA2114157A1は、穀物製のストロー又はシェル、デンプン、及び分解性材料の合成による容器製品の製造方法を記載している。
【0009】
CN110684240Aは、マルチフレーバーの分解性食用食器の調製方法に関する。
【0010】
CN110041568Aには、食用の環境保護ストローとその調製方法が記載されている。
【0011】
現在、先行技術のストローの耐熱性及び耐浸漬機能を改善し、商業的価値を実現しようとするために、先行技術は米デンプンを主原料として使用している。他の技術は、デンプンを加工して分子構造を変化させ、その結果得られたものを主原料として使用することによって加工デンプンを使用している。別の技術では、デンプン改良剤にいくつかのプラスチック原料を添加して、耐熱性及び耐浸漬性ストローの性能を向上させている。
【0012】
したがって、先行技術の限界を克服する、安全、便利、衛生的で、生分解性の、環境に安全な、低コストの飲用ストローが必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の記述、添付の特許請求の範囲、及び添付の図を参照することで、より良好に理解されるであろう。
【0014】
図1】安全、便利、衛生的で、生分解性の、環境に安全な、低コストの飲用ストローを製造するための方法のいくつかのステップのフローチャート図である。
図2】本発明の一実施形態による、安全、便利、衛生的で、生分解性の、環境に安全な、低コストの飲用ストローの一例である。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、低コストの生分解性飲用ストローを作製するための方法を用いることにより、先行技術の限界を克服する。最初に、構造的に未変化のコーンスターチを提供し、1つ又は複数の改良剤と混合して、生分解性粉末を作製する。次いで、食用生分解性粉末を、飲用ストロー形状に押し出し、冷却する。次に、冷却された飲用ストロー形状の押出物を、適切な飲用ストローの長さに切断し、乾燥させる。最後に、乾燥した飲用ストローを使用のために梱包する。
【0016】
構造的に未変化のコーンスターチは、飲用ストローの90~98%を構成し、好ましくは、飲用ストローは、構造的に未変化のコーンスターチを98%含む。飲用ストローは、2%~8%の1つ又は複数のデンプン改良剤を含み、1つ又は複数のデンプン改良剤は、生物学的酵素成分及び食用コロイド成分を含む。
【0017】
1つ又は複数の生物学的酵素成分は、1%~5%のa-アミラーゼ、1%~5%のグルコースオキシダーゼ、1%~5%のプロテアーゼ、及び1%~5%のキシラナーゼの組み合わせを含む。好ましくは、1つ又は複数の生物学的酵素成分は、2%のa-アミラーゼ、3%のグルコースオキシダーゼ及び3%のプロテアーゼを含む。
【0018】
1つ又は複数のコロイド成分は、1%~35%のコンニャクガム、1%~35%の寒天、1%~35%のカラギーナン、1%~35%のアルギン酸ナトリウム、1%~35%のグアーガム、1%~35%のジェランガム、及び1%~45%のキサンタンガムのうちの1つ又は複数を有する1つ又は複数のコロイド成分を含む。好ましくは、1つ又は複数のコロイド成分は、21%のコンニャクガム、29%のアルギン酸ナトリウム、32%のキサンタンガム及び10%のジェランガムを含む。
【0019】
構造的に未変化のコーンスターチと、1つ又は複数のデンプン改良剤とで作製された低コストの食用生分解性飲用ストローも提供され、改良剤は生物学的酵素調製物及び食用コロイド調製物を含む。食用生分解性飲用ストローは、90%~98%のコーンスターチ及び2%~8%のデンプン改良剤を含む。好ましくは、食用生分解性飲用ストローは、98%のコーンスターチ及び2%のデンプン改良剤を含む。1つ又は複数の生物学的酵素調製物は、a-アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、プロテアーゼ、キシラナーゼ、コンニャクガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム及びジェランガムのうちの1つ又は複数を含む。好ましくは、1つ又は複数の生物学的酵素調製物は、2%のa-アミラーゼ、3%のグルコースオキシダーゼ及び3%のプロテアーゼを含む。1つ又は複数の食用コロイド調製物が、コンニャクガム、寒天、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、ジェランガム、及びキサンタンガムのうちの1つ又は複数を含む、食用生分解性飲用ストロー。好ましくは、1つ又は複数の食用コロイド調製物は、25%のコンニャクガム、25%のアルギン酸ナトリウム、35%のキサンタンガム、及び15%のジェランガムを含む。生物学的酵素調製物は、食品グレードの酵素調製物であり、食用コロイド調製物は、完全性の高い食品グレードのコロイドである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、安全、便利、衛生的で、生分解性の、環境に安全な、低コストの飲用ストローを提供することによって、先行技術の限界を克服する。
【0021】
本発明は、原料としてのコーンスターチと、生分解性ストローを作製するためにコーンスターチに添加される様々な生物学的酵素調製物及びコロイドを含む少量のデンプン改良剤と、を使用して、原料の高コスト及び環境汚染の問題を解決する。ストローは、常温水(25℃)に1~1.5時間、崩壊することなく浸漬することができる。ストローは、40℃の温水に0.5~1時間、崩壊することなく浸漬することができる。ストローは、常温(25℃)の酸性飲料(pH5.0~7.0)に0.5~1時間、崩壊することなく浸漬することができる。ストローは、常温(25℃)のアルカリ性飲料(pH7.0~9.0)に0.5~1時間、崩壊することなく浸漬することができ、依然としてストローとして使用することができる。
【0022】
本発明は、酵素調製物及び食用コロイドを用いてコーンスターチを作製することによって先行技術を改善し、ストローの耐熱性及び耐浸漬性を向上させて、その商品価値を実現する。
【0023】
本開示で指定される全ての寸法は、単なる例であり、限定することを意図するものではない。更に、これらの図に示されている比率は、必ずしも縮尺通りではない。本開示を参照して当業者によって理解されるように、本開示で開示される任意のシステム、任意のデバイス、又はシステム若しくはデバイス一部の実際の寸法及び比率は、その使用目的によって決定される。
【0024】
ここで、本発明の様々な特徴の実施形態を実装する方法及びデバイスについて、図面を参照して記述する。図面及び関連付けられた記述は、本発明の実施形態を説明するために提供され、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書における「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも実施形態中に含まれることを示すことを意図している。本明細書の様々な場所での「一実施形態において」又は「実施形態」という句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態について言及しているとは限らない。
【0025】
図面全体を通して、参照番号は、参照している要素間での対応関係を示すために、再利用される。加えて、各参照番号の最初の桁は、要素が最初に表示される図を示す。
【0026】
本開示で使用される場合、文脈上別段の必要がある場合を除き、用語「含む(comprise)」、及び「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、並びに「含まれる(comprised)」などの、この用語の活用形は、他の追加的なもの、コンポーネント、整数、又はステップを除外することを意図しない。
【0027】
以下の記述では、実施形態の全体を通した理解を提供するために、特定の詳細が与えられる。しかしながら、実施形態はこれらの特定の詳細なしで実践され得ることが当業者によって理解されるであろう。実施形態を曖昧にしないために、周知の回路、構造体、及び技法を詳細に示さない場合がある。例えば、回路は、実施形態を不必要に詳細に曖昧にしないために、ブロック図で示され得る。
【0028】
また、フローチャート、フロー図、構造図、又はブロック図として描写するプロセスとして、実施形態が記載され得ることに留意されたい。図中のフローチャート及びブロック図は、開示される様々な実施形態によるシステム、方法、及びプロセスの可能な実装のアーキテクチャ、機能、及び動作を示すことができる。この点に関して、フローチャート又はブロック図中の各ブロックは、プロセスのステップを表すことができる。いくつかの代替実装では、ブロックに書かれている機能が、図に書かれている順序とは異なる場合があることにも注意されたい。フローチャートは、逐次プロセスとして動作を記載することがあるが、動作のうちの多くは、並行して、又は、同時に実施することができる。加えて、動作の順序は再構成され得る。
【0029】
以下の記述では、特定の用語を使用して、本発明の1つ以上の実施形態の特定の特徴を記載する。
【0030】
「改良剤」という用語は、様々な生物学的酵素調製物及びコロイドを指す。
【0031】
様々な実施形態が、低コストの生分解性飲用ストローを提供する。本発明の一実施形態は、低コストの生分解性飲用ストローを提供する。別の実施形態では、ストローを使用するための方法が提供される。その方法及び使用を以下に詳細に開示する。
【0032】
ここで図1を参照すると、安全、便利、衛生的で、生分解性の、環境に安全な、低コストの飲用ストローを製造するための方法のいくつかのステップのフローチャート図が示される。最初に、ストローを作製するために、構造的に未変化のコーンスターチ(102)が提供される。次いで、構造的に未変化のコーンスターチを、1つ又は複数の改良剤と混合する(104)。次に、混合物をストロー形状に押し出す(106)。次いで、ストロー形状の押出物を冷却する(108)。次に、冷却されたストロー形状の押出物を適切な長さに切断する(110)。次に、切断されたストローを乾燥させる(112)。最後に、乾燥したストローをパッケージに入れる(114)。
【0033】
有利には、原料としてコーンスターチを使用することは、低価格かつ豊富な供給源によって、将来の大量生産のために、便利で、低価格の入手しやすい供給源を提供する。また、米デンプンの代わりにコーンスターチを使用してこれらの生分解性ストローを製造すると、食物をめぐって人間と競合することがなくなり、本発明の普及と応用の問題が解決される。
【0034】
現在の技術とは異なり、本発明は未変化のコーンスターチを主原料として使用し、アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、キシラナーゼ、アルギン酸ナトリウム、コンニャクガム、並びに他の生物学的酵素調製物及びコロイドを添加し、次いで、混合、押出、冷却、切断、乾燥及び成形を行い、耐熱性及び耐浸漬性のストローを製造する。現在の用途のほとんどは、コーンスターチを使用し、それを米デンプン及びキャッサデンプンと組み合わせている。
【0035】
また、現在の技術とは異なり、本発明は、他の発明が有していない生分解性の態様を無効にするであろう非分解性プラスチック成分を含まない。
【0036】
デンプン改良剤は、プラスチック成分又は他の化学試薬を添加することなく、安全で信頼できる生物学的酵素調製物及び食用コロイドを含む。製造される分解性ストローは、現在の食品グレードのストローに取って代わることができる耐浸漬性及び耐温度性を有する。分解性ストローは、ストローの全ての成分が有機物であるため、容易に分解し、環境を汚染しない。分解性ストローは、処理後に動物飼料の原料としても使用することができる。
【0037】
本発明の一態様において、改良剤は、様々な生物学的酵素調製物及びコロイドを含む。次いで、コーンスターチと改良剤が一緒に混合される。完全に混合された後、生分解性粉末は、ストローのような形状に押し出される。目下のところ、現在入手可能な分解性ストローの原料は主に米デンプンであり、少量のコーンスターチが添加されないか又は添加される。
【0038】
オプション1
本発明の好ましい実施形態において、生物学的酵素調製物及び食用コロイドは、a-アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、コンニャクガム、アルギン酸ナトリウム及びキサンタンガムを含む。より具体的には、生物学的酵素調製物は、5%のa-アミラーゼ及び2%のグルコースオキシダーゼを含む。コロイドは、23%のコンニャクガム、38%のアルギン酸ナトリウム、及び32%のキサンタンガムを含む。混合物は、1%~5%のグルコースオキシダーゼと混合され、20~35%のコンニャクガムと混合され、35%~45%のアルギン酸ナトリウムと混合され、30%~40%のキサンタンガムと混合された、2%~10%のa-アミラーゼを使用する。
【0039】
押出用の生分解性粉末を調製するために、混合物は、構造的に未変化のコーンスターチを98%含む。残りの2%は、2%~10%のa-アミラーゼ、1%~5%のグルコースオキシダーゼ、1%~5%のプロテアーゼ、15%~25%のコンニャクガム、30%~40%のアルギン酸ナトリウム、及び35%~45%のキサンタンガムの混合物である。この場合、a-アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、及びプロテアーゼは、パン及びケーキの製造に広く使用されている食品グレードの酵素調製物である。コンニャクガム、アルギン酸ナトリウム、及びキサンタンガムは、食品グレードの食用コロイドであり、完全性の高い食品添加剤として使用することができる。
【0040】
オプション2
別の実施形態において、生物学的酵素調製物及びコロイドは、a-アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、プロテアーゼ、コンニャクガム、アルギン酸ナトリウム及びキサンタンガムを含む。より具体的には、生物学的酵素調製物は、3%のa-アミラーゼ、2%のグルコースオキシダーゼ及び2%のプロテアーゼを含む。食用コロイドは、18%のコンニャクガム、34%のアルギン酸ナトリウム、及び41%のキサンタンガムを含む。
【0041】
オプション3
別の実施形態では、生物学的酵素調製物は、a-アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、プロテアーゼ、コンニャクガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム及びジェランガムを含む。
【0042】
より具体的には、生物学的酵素調製物は、2%のa-アミラーゼ、3%のグルコースオキシダーゼ及び3%のプロテアーゼを含む。コロイドは、21%のコンニャクガム、29%のアルギン酸ナトリウム、32%のキサンタンガム、10%のジェランガムを含む。
【0043】
押出用の生分解性粉末を調製するために、混合物は、98%の未変化のコーンスターチを含む。残りの2%は、1%~5%のグルコースオキシダーゼと混合され、1%~5%のプロテアーゼと混合され、15%~25%のコンニャクガムと混合され、25~35%のアルギン酸ナトリウムと混合され、30%~40%のキサンタンガムと混合され、5%~15%のジェランガムと混合された、2%~8%のa-アミラーゼの混合物である。
【0044】
オプション4
別の実施形態において、生物学的酵素調製物は、a-アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、プロテアーゼ、キシラナーゼ、コンニャクガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム及びジェランガムを含む。
【0045】
より具体的には、生物学的酵素調製物は、2%のa-アミラーゼ、3%のグルコースオキシダーゼ及び3%のプロテアーゼを含む。コロイドは、21%のコンニャクガム、29%のアルギン酸ナトリウム、32%のキサンタンガム及び10%のジェランガムを含む。
【0046】
押出用の生分解性粉末を調製するために、混合物は、98%の未変化コーンスターチを含む。残りの2%は、1%~5%のグルコースオキシダーゼと混合され、1%~5%のプロテアーゼと混合され、15%~25%のコンニャクガムと混合され、25%~35%のアルギン酸ナトリウムと混合され、30%~40%のキサンタンガムと混合され、5%~15%のジェランガムと混合された、2%~8%のa-アミラーゼの混合物である。
【0047】
オプション5
別の実施形態において、生物学的酵素調製物は、a-アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、キシラナーゼ、コンニャクガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム及びジェランガムを含む。
【0048】
より具体的には、生物学的酵素調製物は、2%のa-アミラーゼ、3%のグルコースオキシダーゼ及び3%のキシラナーゼを含む。コロイドは、21%のコンニャクガム、29%のアルギン酸ナトリウム、32%のキサンタンガム及び10%のジェランガムを含む。
【0049】
押出用の生分解性粉末を調製するために、混合物は、98%の未変化のコーンスターチを含む。残りの2%は、1~5%のグルコースオキシダーゼと混合され、1%~5%のキシラナーゼと混合され、15%~25%のコンニャクガムと混合され、25%~35%のアルギン酸ナトリウムと混合され、30%~40%のキサンタンガムと混合され、5%~15%のジェランガムと混合された、2%~8%のa-アミラーゼの混合物である。
【0050】
オプション6
別の実施形態では、生物学的酵素調製物は、a-アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、キシラナーゼ、コンニャクガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム及び寒天を含む。
【0051】
より具体的には、生物学的酵素調製物は、2%のa-アミラーゼ、4%のグルコースオキシダーゼ及び2%のキシラナーゼを含む。コロイドは、21%のコンニャクガム、29%のアルギン酸ナトリウム、32%のキサンタンガム及び10%の寒天を含む。
【0052】
押出用の生分解性粉末を調製するために、混合物は、98%の未変化のコーンスターチを含む。残りの2%は、1~5%のグルコースオキシダーゼと混合され、1%~5%のキシラナーゼと混合され、15%~25%のコンニャクガムと混合され、25%~35%のアルギン酸ナトリウムと混合され、30~40%のキサンタンガムと混合され、5%~15%の寒天と混合された、2%~8%のa-アミラーゼの混合物である。
【0053】
オプション7
別の実施形態では、生物学的酵素調製物は、a-アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、キシラナーゼ、コンニャクガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム及びカラギーナンを含む。
【0054】
より具体的には、生物学的酵素調製物は、3%のa-アミラーゼ、3%のグルコースオキシダーゼ及び2%のキシラナーゼを含む。コロイドは、25%のコンニャクガム、25%のアルギン酸ナトリウム、32%のキサンタンガム及び10%のカラギーナンを含む。
【0055】
押出用の生分解性粉末を調製するために、混合物は、98%の未変化のコーンスターチを含む。残りの2%は、1%~5%のグルコースオキシダーゼと混合され、1%~5%のキシラナーゼと混合され、20%~30%のコンニャクガムと混合され、20%~30%のアルギン酸ナトリウムと混合され、30%~40%のキサンタンガムと混合され、5%~15%のカラギーナンと混合された、2%~8%のa-アミラーゼの混合物である。
【0056】
オプション8
別の実施形態において、生物学的酵素調製物は、a-アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、キシラナーゼ、コンニャクガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム及びグアーガムを含む。
【0057】
より具体的には、生物学的酵素調製物は、3%のa-アミラーゼ、3%のグルコースオキシダーゼ及び2%のキシラナーゼを含む。コロイドは、24%のコンニャクガム、28%のアルギン酸ナトリウム、32%のキサンタンガム及び8%のグアーガムを含む。
【0058】
押出用の生分解性粉末を調製するために、混合物は、98%の未変化のコーンスターチを含む。残りの2%は、1%~5%のグルコースオキシダーゼと混合され、1%~5%のキシラナーゼと混合され、20%~30%のコンニャクガムと混合され、20%~30%のアルギン酸ナトリウムと混合され、30%~40%のキサンタンガムと混合され、5%~15%のグアーガムと混合された、2%~8%のa-アミラーゼの混合物である。
【0059】
好ましい実施形態において、この配合物及び方法から作製される生分解性ストローの特徴は以下の通りである:
1)ストローは、常温水(25℃)に1~1.5時間、崩壊することなく浸漬することができる。
2)ストローは、40℃の温水に0.5~1時間、崩壊することなく浸漬することができる。
3)ストローは、常温(25℃)の酸性飲料(pH5.0~7.0)に0.5~1時間、崩壊することなく浸漬することができる。
4)ストローは、常温(25℃)のアルカリ性飲料(pH7.0~9.0)に0.5~1時間、崩壊することなく浸漬することができる。
5)飲用ストローは、上記条件のいずれにおいてもストローとして機能する。
【0060】
ここで図2を参照すると、本発明の一実施形態による、安全、便利、衛生的で、生分解性の、環境に安全な、低コストの飲用ストロー200が示されている。飲用ストロー200は、原料としての98%のコーンスターチと、生分解性ストローを作製するためにコーンスターチに添加される様々な生物学的酵素調製物及びコロイドを含む少量のデンプン改良剤と、を含み、原料の高コスト及び環境汚染の問題を解決する。
【0061】
生分解性飲用ストロー200を製造するための主原料はコーンスターチであり、米デンプン及び/又はプラスチック原料を含まない。更に、コーンスターチを用いて生分解性飲用ストロー200を製造することにより、コストが大幅に削減される。
【0062】
飲用ストロー200は、常温水(25℃)に1~1.5時間、崩壊することなく浸漬することができる。飲用ストロー200は、40℃の温水に0.5~1時間、崩壊することなく浸漬することができる。飲用ストロー200は、常温(25℃)の酸性飲料(pH5.0~7.0)に0.5~1時間、崩壊することなく浸漬することができる。飲用ストロー200は、常温(25℃)のアルカリ性飲料(pH7.0~9.0)に0.5~1時間、崩壊することなく浸漬することができ、依然としてストローとして使用することができる。
【0063】
実験結果は、飲用ストロー200が実行可能であり、実現できることを証明している。飲用ストロー200は、生分解性飲用ストロー200を作製するために、90%~98%のコーンスターチと、様々な生物学的酵素調製物及びコロイドを含む2%~8%のデンプン改良剤とを使用する。飲用ストロー200を、常温水(25℃)、40℃の温水、常温(25℃)の酸性飲料(pH:5.0~7.0)、及び常温(25℃)のアルカリ性飲料(pH:7.0~9.0)に浸漬した。本明細書に列挙する結果が達成された。
【0064】
生分解性飲用ストロー200の特徴は以下の通りである:飲用ストロー200は、常温水(25℃)に1~1.5時間、崩壊することなく浸漬することができる。飲用ストロー200は、40℃の温水に0.5~1時間、崩壊することなく浸漬することができる。飲用ストロー200は、常温(25℃)の酸性飲料(pH5.0~7.0)に0.5~1時間、崩壊することなく浸漬することができる。飲用ストロー200は、常温(25℃)のアルカリ性飲料(pH7.0~9.0)に0.5~1時間、崩壊することなく浸漬することができる。上記の全ての場合において、飲用ストロー200は、依然として飲用ストローとして機能する。
【0065】
関連技術に固有の制限及び欠点を克服する、安全、便利、衛生的で、生分解性の、環境に安全な、低コストの飲用ストローのための、新しい改良されたシステムについて記載してきた。
【0066】
本発明はある程度詳細に記載してきたが、本開示は例としてなされたものであり、他のバージョンも可能であることを理解されたい。本発明の範囲から逸脱することなく上記の記述に様々な変更を加えることができるので、上記の記述に含まれる、又は添付の図面に示される全ての事項は例示であり、限定的な意味で使用されないことが意図される。添付の特許請求の範囲の精神及び範囲は、本開示に含まれる好ましいバージョンの記述に限定されるべきではない。
【0067】
特許請求の範囲、要約、並びに図面を含む、本明細書に開示されている全ての特徴、及び開示されている任意の方法又はプロセスの全てのステップは、そのような特徴及び/又はステップの少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。特許請求の範囲、要約、及び図面を含む、本明細書に開示されている各特徴は、明示的に別段の記載がない限り、同じ目的、同等の目的、又は同様の目的を果たす代替の特徴に置き換えることができる。したがって、明示的に別段の記載がない限り、開示されている各機能は、同等又は類似の特徴の一般的なシリーズの一例にすぎない。
【0068】
指定された機能を実施するための「手段」又は指定された機能を実施するための「ステップ」を明示的に述べていない請求項の任意の要素は、米国特許法112条で規定されている「手段」又は「ステップ」条項として解釈されるべきではない。
図1
図2
【国際調査報告】