(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】光学式タッチスクリーン
(51)【国際特許分類】
G06F 3/042 20060101AFI20240110BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240110BHJP
H01H 35/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
G06F3/042 471
G06F3/041 400
H01H35/00 X
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538918
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 GB2021053404
(87)【国際公開番号】W WO2022136868
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519258138
【氏名又は名称】ユニフィ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】ローマス,デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ビーン,マイケル デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】マカリスター,イアン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス,ジム エドワード
【テーマコード(参考)】
5G055
【Fターム(参考)】
5G055AA04
5G055AB04
(57)【要約】
タッチ感知装置であって、複数のタッチ検出領域を備え、それに関連付けられた1つまたは複数の光源を有する、上部プレートを備え、前記1つまたは複数の光源からの光が全内部反射で前記上部プレート内を伝導し、前記1つまたは複数の光源からの光を検出するための複数の検出器を備え、前記検出器はそれぞれ、タッチ検出領域に関連付けられており、外部物体がタッチ検出領域における前記上部プレートの第1の表面に触れた場合に、前記上部プレートの第2の表面から関連する前記検出器に光が結合するように、前記上部プレート及び前記検出器が配置され、前記上部プレートの任意の前記タッチ検出領域におけるタッチの有無を少なくとも判定するための処理手段をさらに備える、タッチ感知装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ感知装置であって、
複数のタッチ検出領域を備え、それに関連付けられた1つまたは複数の光源を有する、上部プレートを備え、
前記1つまたは複数の光源からの光が全内部反射で前記上部プレート内を伝導し、
前記1つまたは複数の光源からの光を検出するための複数の検出器を備え、
前記検出器はそれぞれ、タッチ検出領域に関連付けられており、
外部物体がタッチ検出領域における前記上部プレートの第1の表面に触れた場合に、前記上部プレートの第2の表面から関連する前記検出器に光が結合するように、前記上部プレート及び前記検出器が配置され、
前記上部プレートの任意の前記タッチ検出領域におけるタッチの有無を少なくとも判定するための処理手段をさらに備える、
タッチ感知装置。
【請求項2】
前記検出器は、
前記上部プレートの下方に配置され、
前記上部プレートの前記第1の表面へのタッチにより前記上部プレートの前記第2の表面から結合される光を検出するように構成される、
請求項1に記載のタッチ感知装置。
【請求項3】
前記検出器のそれぞれの感知領域が、前記上部プレートの前記第2の表面に概ね向けられている、請求項1または2に記載のタッチ感知装置。
【請求項4】
前記検出器はそれぞれ、近接焦点型PINダイオードである、請求項3に記載のタッチ感知装置。
【請求項5】
各光源は赤外線光源であり、各検出器は赤外線検出器である、請求項1乃至4のうちいずれか1つに記載のタッチ感知装置。
【請求項6】
各センサと前記上部プレートとの間にセンサ窓が配置され、前記センサ窓は、赤外光に対して実質的に半透明であるが、赤外光に対して実質的に不透明である、請求項5に記載のタッチ感知装置。
【請求項7】
タッチ検出領域に関連付けられた少なくとも1つのディスプレイ要素を備える、請求項1乃至6のうちいずれか1つに記載のタッチ感知装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのディスプレイ要素は、前記上部プレートの下方に配置される、請求項7に記載のタッチ感知装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのディスプレイ要素は、関連するタッチ検出領域の下方に配置され、前記ディスプレイ要素の起動により、関連するタッチ検出領域に情報が表示される、請求項6に記載のタッチ感知装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのディスプレイ要素は、前記ディスプレイ要素の起動によって、前記上部プレートのディスプレイ領域に情報が表示されるように配置され、
前記ディスプレイ領域は、前記ディスプレイ要素の関連する前記タッチ検出領域に隣接する、請求項7乃至9のうちいずれか1つに記載のタッチ感知装置。
【請求項11】
前記上部プレートから隆起した1つ以上の突出領域を備える、請求項1乃至10のうちいずれか1つに記載のタッチ感知装置。
【請求項12】
前記突出領域の少なくとも1つは、中央領域と、前記中央領域と前記上部プレートの平面領域との間の周縁領域と、を有する、請求項11に記載のタッチ感知装置。
【請求項13】
前記中央領域および前記周縁領域は、それぞれ、複数のタッチ検出領域を画定する、請求項12に記載のタッチ感知装置。
【請求項14】
前記処理手段は、前記周縁領域の前記タッチ検出領域にダイヤルの機能を付与する、請求項13に記載のタッチ感知装置。
【請求項15】
前記上部プレートは平面ではない、請求項1乃至14のうちいずれか1つに記載のタッチ感知装置。
【請求項16】
前記検出器および前記ディスプレイ要素は、第1のハウジングユニット内に共に収容される、請求項7から15のうちいずれか1つに記載のタッチ感知装置。
【請求項17】
前記光源は、第2のハウジングユニット内に共に収容される、請求項1乃至16のうちいずれか1つに記載のタッチ感知装置。
【請求項18】
前記第2のハウジングユニットは、前記光源が前記上部プレートの端に光を放射するように位置決めされる、請求項16または17に記載のタッチ感知装置。
【請求項19】
前記処理手段は、
第1の検出器によって検出された光の強度と、第2の検出器によって検出された光の強度と、の差を判定し、
この差に基づいて、前記第1の検出器に関連付けられた第1のタッチ検出領域と、前記第2の検出器に関連付けられた第2のタッチ検出領域と、のうちいずれでタッチが発生したかを判定する、
請求項1乃至18のうちいずれか1つに記載のタッチ感知装置。
【請求項20】
前記処理手段は、複数のタッチ検出領域におけるタッチを同時に検出するように適合されている、請求項1乃至19のうちいずれか1つに記載のタッチ感知装置。
【請求項21】
請求項1乃至20のうちいずれか1つに記載のタッチ感知装置であって、
前記タッチ感知装置は、さらなるタッチ感知領域をさらに備え、
前記さらなるタッチ感知領域は、
複数の前記タッチ感知領域とは別個の、前記上部プレートの一部を含み、
前記1つまたは複数の光源は、全内部反射によって、前記上部プレートの前記一部の内部で光を伝導し、
光学分散性ベースプレートを備え、
前記光学分散性ベースプレートは、外部物体がタッチポイントで前記上部プレートの前記一部に接触することに応答して、前記上部プレートの前記一部からの光を前記ベースプレート上及び前記ベースプレート内へ伝導させるように構成され、その結果、前記ベースプレートの表面上の入射光の位置が、前記上部プレートの前記一部における前記タッチポイントの相対位置を表し、
前記ベースプレートは、その上に入射する光を前記ベースプレート内部で捕捉および伝導し、拡散およびエネルギー損失によって伝導光を分散させるように構成され、
前記ベースプレートの光学分散特性は、前記ベースプレート表面上の入射光の前記位置からの距離に応じた、前記伝導光の強度の減少が、指数関数に近似するものであり、
前記構成は、前記ベースプレートのそれぞれの端で前記ベースプレートから伝導される光の強度を検出するための少なくとも1つのセンサをさらに備え、
前記処理手段は、検出された前記光強度及び前記指数関数から、前記スクリーン上の前記タッチポイントの相対位置を計算するように、適合されている、
タッチ感知装置。
【請求項22】
タッチ感知装置を動作させる方法であって、
前記タッチ感知装置は、
複数のタッチ検出領域を備え、それに関連付けられた1つまたは複数の光源を有する、上部プレートを備え、
前記1つまたは複数の光源からの光が全内部反射で前記上部プレート内を伝導し、
前記1つまたは複数の光源からの光を検出するための複数の検出器を備え、
前記検出器はそれぞれ、タッチ検出領域に関連付けられており、
前記上部プレートの任意の前記タッチ検出領域におけるタッチの有無を少なくとも判定するための処理手段をさらに備え、
前記タッチ感知装置のタッチ検出領域のうちいずれでタッチが検出されたかを判定するステップと、
タッチが検出された前記タッチ検出領域に対応する制御動作を判定し、前記制御動作を実行するステップと、
を備える、方法。
【請求項23】
複数のタッチ検出領域でタッチが検出され、そのすべてのタッチに対応して制御動作が実行される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも1つの制御動作は、タッチが同時に検出される複数のタッチ検出領域に関連する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記タッチ感知装置は、別の装置に対するインターフェースに含まれており、前記制御動作はその装置の制御に関連する、請求項22乃至25のうちいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式タッチスクリーン技術に関し、特に、デバイス制御用のタッチスクリーンの構造及び操作に関する。
【背景技術】
【0002】
デバイス制御用のタッチ感知スクリーンは、特に携帯用電子デバイスにおいて、ますます普及している。従来のタッチスクリーン構成は、LCDディスプレイ表面と、LCDディスプレイ表面上に配置される抵抗膜式または静電容量式のオーバーレイとを備え得る。抵抗膜式タッチスクリーンでは、オーバーレイを介してLCDディスプレイ表面に圧力が加わると、その相対位置を表す電子信号がコントローラICによって生成されるが、このような信号は、ホストコンピューティングデバイス内のデバイスドライバなどによって、タッチベースの入力(キーの押下やスクロール操作など)として解釈される。同様に、静電容量式タッチスクリーンでは、タッチ操作の判定に、オーバーレイ内で生成される電界の乱れが利用される。
【0003】
抵抗膜式タッチスクリーンは、低コスト、低消費電力、スタイラスサポートの観点から、多くの用途で特に好まれている。一般的に、抵抗膜式タッチスクリーンは、薄い空間で分離された導電層と抵抗層とを備える。指やスタイラスなどのポインタがスクリーンに触れると、層同士が接触し、これにより効果的にスイッチが閉じ、電流が流れる。コントローラは、層間の電流を判定することで、タッチポイントの位置を導き出す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、抵抗膜式タッチスクリーンには多くの欠点がある。オーバーレイの存在により、スクリーンが完全に透明ではないため、通常、直射日光の下ではスクリーンを判読できない。また、このようなスクリーンでは感圧層が劣化しやすいため、定期的な再校正も必要となる。さらに、検出には十分な圧力をかける必要があるため、ポインタによって加えられる圧力が不十分な場合、ポインタが検出されない。加えて、抵抗膜式タッチスクリーンは、2つ以上のポインタが同時にスクリーンに触れていること(「マルチタッチ」として知られている)を認識できない。
【0005】
静電容量式タッチスクリーンは、一般的にコストが高くなるが、抵抗膜式タッチスクリーンに関連する問題の一部を解決する。このようなシステムは、埋め込まれた導体のアレイ上で、タッチによる静電容量の変化を検出することで機能する。この検出は、これらの導体の静電容量の差動変化(自己静電容量)、または、これらの導体のペア(またはセット)での静電容量の差動変化(相互静電容量)に基づいて行われる。静電容量式タッチスクリーンの欠点には、誤作動、電磁干渉、工具コストが比較的高いことなどが挙げられる。
【0006】
抵抗膜式と静電容量式の両技術における最も重大な欠点の1つは、大きなダイナミック レンジを有するタッチの圧力強度を、本質的に判定できないことである。これは、偶発的な軽いタッチと、しっかりした意図されたタッチと、を区別するのが容易ではなく、追加の制御入力としてタッチ圧力を利用することが本質的に実現できないことを意味する。
【0007】
他のタイプのタッチスクリーン技術も開発されている。例えば、本出願人は、国際公開第2015/155508号に記載されている、フラストレート全内部反射に基づく代替技術を考案した。これにより、従来のタッチスクリーンが抱える多くの問題が解決される。
【0008】
しかしながら、タッチスクリーンは依然として、一般に、前面のユーザーインターフェース表面が平たいガラスシートによって形成された、従来のデバイスディスプレイに限定して使用されている。タッチスクリーン技術の用途を拡大し、このフォームファクタが不便または不適切である状況でも、効果的かつ確実に使用できるようにすることが望ましい。
【0009】
本発明は、このような背景に基づいて考え出されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様では、本発明は、タッチ感知装置であって、複数のタッチ検出領域及びそれに関連付けられた1つまたは複数の光源を有する、上部プレートを備え、前記1つまたは複数の光源からの光が全内部反射で前記上部プレート内を伝導し、前記1つまたは複数の光源からの光を検出するための複数の検出器を備え、前記検出器はそれぞれ、タッチ検出領域に関連付けられている。外部物体がタッチ検出領域における前記上部プレートの第1の表面に触れた場合に、前記上部プレートの第2の表面から関連する前記検出器に光が結合するように、前記上部プレート及び前記検出器が配置される。タッチ感知装置はさらに、前記上部プレートの任意の前記タッチ検出領域におけるタッチの有無を少なくとも判定するための処理手段をさらに備える。
【0011】
前記検出器は、前記上部プレートの下方に配置され、前記上部プレートの前記第1の表面へのタッチにより前記上部プレートの前記第2の表面から結合される光を検出するように構成される。
【0012】
前記検出器のそれぞれの感知領域が、前記上部プレートの前記第2の表面に概ね向けられている。前記検出器はそれぞれ、近接焦点型PINダイオードである。
【0013】
各光源は赤外線光源であり、各検出器は赤外線検出器である。
【0014】
センサ窓が、各センサと前記上部プレートとの間に配置される。前記センサ窓は、赤外光に対して実質的に半透明であるが、赤外光に対して実質的に不透明である。
【0015】
タッチ感知装置は、タッチ検出領域に関連付けられた少なくとも1つのディスプレイ要素を備える。少なくとも1つのディスプレイ要素は、前記上部プレートの下方に配置される。少なくとも1つのディスプレイ要素は、関連するタッチ検出領域の下方に配置され、前記ディスプレイ要素の起動により、関連するタッチ検出領域に情報が表示される。少なくとも1つのディスプレイ要素は、前記ディスプレイ要素の起動によって、前記上部プレートのディスプレイ領域に情報が表示されるように配置され、前記ディスプレイ領域は、前記ディスプレイ要素の関連する前記タッチ検出領域に隣接する。
【0016】
前記上部プレートから隆起した1つ以上の突出領域を備える。前記突出領域の少なくとも1つは、中央領域と、前記中央領域と前記上部プレートの平面領域との間の周縁領域と、を有する。前記中央領域および前記周縁領域は、それぞれ、複数のタッチ検出領域を画定する。
【0017】
前記処理手段は、前記周縁領域の前記タッチ検出領域にダイヤルの機能を付与する。
【0018】
前記上部プレートは平面ではない(すなわち、非平面である)。
【0019】
前記検出器および前記ディスプレイ要素は、第1のハウジングユニット内に共に収容される。前記光源は、第2のハウジングユニット内に共に収容される。前記第2のハウジングユニットは、前記光源が前記上部プレートの端に光を放射するように位置決めされる。
【0020】
前記処理手段は、第1の検出器によって検出された光の強度と、第2の検出器によって検出された光の強度と、の差を判定し、この差に基づいて、前記第1の検出器に関連付けられた第1のタッチ検出領域と、前記第2の検出器に関連付けられた第2のタッチ検出領域と、のうちいずれでタッチが発生したかを判定する。
【0021】
前記処理手段は、複数のタッチ検出領域におけるタッチを同時に検出するように適合されている。
【0022】
前記タッチ感知装置は、さらなるタッチ感知領域をさらに備え、前記さらなるタッチ感知領域は、複数の前記タッチ感知領域とは別個の、前記上部プレートの一部を含み、前記1つまたは複数の光源は、全内部反射によって、前記上部プレートの前記一部の内部で光を伝導し、光学分散性ベースプレートを備え、前記光学分散性ベースプレートは、外部物体がタッチポイントで前記上部プレートの前記一部に接触することに応答して、前記上部プレートの前記一部からの光を前記ベースプレート上及び前記ベースプレート内へ伝導させるように構成され、その結果、前記ベースプレートの表面上の入射光の位置が、前記上部プレートの前記一部における前記タッチポイントの相対位置を表し、前記ベースプレートは、その上に入射する光を前記ベースプレート内部で捕捉および伝導し、拡散およびエネルギー損失によって伝導光を分散させるように構成され、前記ベースプレートの光学分散特性は、前記ベースプレート表面上の入射光の前記位置からの距離に応じた、前記伝導光の強度の減少が、指数関数に近似するものであり、前記構成は、前記ベースプレートのそれぞれの端で前記ベースプレートから伝導される光の強度を検出するための少なくとも1つのセンサをさらに備え、前記処理手段は、検出された前記光強度及び前記指数関数から、前記スクリーン上の前記タッチポイントの相対位置を計算するように、適合されている。
【0023】
他の態様では、本発明は、タッチ感知装置を動作させる方法であって、前記タッチ感知装置は、複数のタッチ検出領域を備え、それに関連付けられた1つまたは複数の光源を有する上部プレートを備え、前記1つまたは複数の光源からの光が全内部反射で前記上部プレート内を伝導し、前記1つまたは複数の光源からの光を検出するための複数の検出器を備え、前記検出器はそれぞれ、タッチ検出領域に関連付けられており、前記上部プレートの任意の前記タッチ検出領域におけるタッチの有無を少なくとも判定するための処理手段をさらに備える。前記方法は、前記タッチ感知装置のタッチ検出領域のうちいずれでタッチが検出されたかを判定するステップと、タッチが検出された前記タッチ検出領域に対応する制御動作を判定し、前記制御動作を実行するステップと、を備える。
【0024】
複数のタッチ検出領域でタッチが検出され、そのすべてのタッチに対応して制御動作が実行される。
【0025】
少なくとも1つの制御動作は、タッチが同時に検出される複数のタッチ検出領域に関連する。
【0026】
前記タッチ感知装置は、別の装置に対するインターフェースに含まれており、前記制御動作はその装置の制御に関連する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明をより容易に理解できるように、本発明の好ましい非限定的な実施形態を、添付の図面を参照しながら、単なる例として説明する。
【0028】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態におけるタッチスクリーン構成の分解図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すタッチスクリーン構成の斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すタッチスクリーン構成の別の斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1のタッチスクリーン構成の一部の概略断面図である。
【
図5】
図5は、
図1のタッチスクリーン構成における検出・ディスプレイユニットの斜視断面図を示す。
【
図6】
図6は、
図1のタッチスクリーン構成における上部プレートの平面図であり、上部プレートのアクティブタッチ検出領域を示す。
【
図7】
図7は、
図1のタッチスクリーン構成における上部プレートの平面図であり、上部プレートのディスプレイ領域を示す。
【
図8】
図8は、ユーザが、
図1のタッチスクリーン構成における中央タッチ検出領域に触れた状態を示す図である。
【
図9】
図9は、ユーザが、
図1のタッチスクリーン構成におけるタッチ検出領域に触れて、対応するディスプレイ領域の照明が付いた状態を示す図である。
【
図10】
図10は、ユーザが、
図1のタッチスクリーン構成における3つのタッチ検出領域に触れて、対応する3つのディスプレイ領域の照明が付いた状態を示す図である。
【
図11】
図11は、静的タッチダイヤルとして使用される、
図1のタッチスクリーン構成を示す図である。
【
図12】
図12は、損失性下部プレートを利用したタッチ感知システムの概略断面図である。
【
図13】
図13は、本発明の別の実施形態におけるタッチスクリーン構成の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面および以下の説明において、同様の特徴には同様の参照記号が割り当てられる。
【0030】
図1~
図11は、本発明の一実施形態におけるタッチスクリーン構成8を示す。
【0031】
特に
図1を参照すると、タッチスクリーン構成8は、光学的に透明な上部プレート10と、複数の光源12と、複数の検出器またはセンサ14と、を備える。図示された実施形態では、さらに、複数のディスプレイ要素も含まれる。
図1では、これらのディスプレイ要素の一部を、ディスプレイライト16の形で示している。
【0032】
上部プレート10は、光学的に透明な任意の材料(例えばガラスやアクリル)から形成されてもよい。光源12は、上部プレート10の端に配置され、本例ではそれぞれ発光ダイオード(LED)を備えるが、他の光源も使用できることは当業者には明らかであろう。光源12は、プリント回路基板(PCB)13に取り付けられ、使用時に上部プレート10の端のほぼ全長に沿って延びるエミッタのラインを形成するように、ホルダ15内に収容及び支持される。光源12、ホルダ15、PCB13及び関連する電子機器は、タッチスクリーン構成8のエミッタユニット17を形成する。照射光の角度を付けたり、照射光の焦点を合わせたり、及び/または照射光を横方向に広げたりするために、必要に応じて、光源12と上部プレート10の端との間に1つ以上のレンズ(不図示)を設けてもよい。上記構成が明るい環境条件において効果的に機能するように、光源12は、赤外線または可視の強度変調光源を含んでもよい。この場合、タッチ位置を正確に検出する能力は、スペクトル拡散ベースのアプローチまたは複数の変調周波数のいずれかを使用して、各光源12または光源のグループを独自に変調することによって強化することができる。本例では複数の光源12が設けられているが、当業者であれば、単一の光源のみを備える構成が可能であることを理解するであろう。また、他の実施形態において、光源12が上部プレート10の複数の端に沿って設けられ得ること、また、
図1では光源12が上部プレート10の端に設けられているが、他の実施形態において、光は異なる位置から上部プレート10内に注入されてもよいことを、当業者であれば理解するであろう。
【0033】
上部プレート10の下方には、光学的に透明なプレートの屈折率よりも低い屈折率を有する中間層18が存在する。本実施形態では、中間層18は空気で構成されるが、中間層18に使用される物質は、上部プレート10に使用される材料よりも低い屈折率を有するという要件によってのみ制限される。
【0034】
タッチスクリーン構成8では、上部プレート10は、上部プレート10内(上部プレート10における、第1の表面すなわち上表面20と、第2の表面すなわち下表面22と、の間)で光の全内部反射を引き起こすように、光源12によって照明される。全内部反射とは、入射光波が、表面の法線に対して特定の臨界角より大きい角度で媒体境界に当たるときに発生する現象である。境界の反対側の屈折率が低く、入射角が臨界角より大きい場合、光は境界を通過できず、媒質内で完全に反射される。
【0035】
スタイラスや指などのポインタが上部プレート10の上表面20に触れると、上部プレート10内の全内部反射が、フラストレート全内部反射(FTIR)によって遮断される。これにより、一部の光が上部プレート10及び中間層18を透過することになる。上部プレート10が触れる位置によって、光が上部プレート10の下表面22から出る相対的な位置が決定されることが理解されるであろう。後でより詳細に説明するように、上部プレートのタッチ感知領域(タッチ検出領域)でタッチが発生した場合、上部プレート10の下表面22から出る光は、その下方に位置する少なくとも1つのセンサ14に結合する。これにより、タッチスクリーン構成8は、タッチが発生したことを検出し、上部プレート10のどのタッチ検出領域でタッチが発生したかを判定することができる。さらに、タッチした全体面積と、「実際の表面接触」の割合(例えば、タッチ中のユーザの指と上部プレート10との間であり、滑らかな表面では表面接触の割合が高く、粗い表面では表面接触の割合が低い。本明細書では「実際の表面接触」のレベルと称す)と、によって、光源12で発されて上部プレート10から出た光の絶対量が決定される。したがって、タッチした全体面積と、「実際の表面接触」の割合と、は下方に設けられたセンサ14によって捕捉される光の絶対量または強度に関係する。
【0036】
ユーザの指と上部プレート10の表面との間の「実際の表面接触」の領域は、ユーザの指と上部プレート10との間の距離が、全内部反射を妨げるほど十分に小さい領域である。事実、概して上部プレート10と接触しているように見えるユーザの指が一部存在するが、実際には、その指部分は、例えば上部プレート10全体にわたる表面粗さ及び/またはユーザの指全体にわたる表面粗さの違いにより、上部プレート10の表面に十分に近づいていない。
【0037】
一般的に、ユーザの指と上部プレート10との間の見かけ上のまたは名目上の接触面積が大きくなると、実際の表面接触の面積が大きくなる。さらに、一般的に、タッチの強度または圧力が大きいほど(つまり、より強く押すと)、実際の表面接触の面積が大きくなる。これは、より強く押すことで、指が広がる傾向があるためである。これにより、指と上部プレート10との間の名目上の接触面積が増加するとともに、名目上の接触領域内の指の大部分が押されて、上部プレート10と実際に接触することとなり、指と上部プレート10との間の界面の「濡れ」が増加する。
【0038】
したがって、所与のタッチ位置に関してセンサ14によって検出される絶対光強度は、ユーザの指と上部プレート10との間の、実際の表面接触の面積を示し、それは今度は、タッチ強度または圧力、及び/または、タッチ検出領域内におけるタッチの名目範囲を示す。
【0039】
本例では、上部プレート10は輪郭が付けられ、湾曲した輪郭を有する。具体的には、上部プレート10は、中央領域を画定する頂面24と、周縁領域を画定する側面26と、を有する。頂面24は、平面視においてほぼ円形であり、側面26は、頂面24の周縁28から上部プレート10の周囲部分30まで、下方かつ径方向外側に延びており、この場合は平面領域である。上部プレート10の形状はこの特定の形状に限定されず、他の実施形態では、任意の数の他の形状であってもよい。
【0040】
上部プレート10は、複数のタッチ検出領域と、複数のディスプレイ領域と、を備える。
図6は、上部プレート10の上表面20を、有利な地点から直接見下ろした平面図における、アクティブなタッチ検出領域を示す。
図7は、同じ視点からのディスプレイ領域を示す。
【0041】
タッチ検出領域は、タッチスクリーン構成8によってタッチが検出され得る、上部プレート10の上表面20の領域を画定する。このようにして、上部プレート10がマルチタッチ表面を画定し、タッチスクリーン構成8がマルチタッチに適応する。
【0042】
各タッチ検出領域は、そのほぼ下方に配置された関連するセンサ14を有し、これによって、タッチスクリーン構成8がその領域内のタッチを検出できるようになる。この点については、後述する。
【0043】
本実施形態では、上部プレート10の頂面24および側面26のそれぞれが、複数のタッチ検出領域を画定する。具体的には、頂面24は、2つの中央タッチ検出領域、すなわち第1の中央タッチ検出領域32と第2の中央タッチ検出領域34を画定し、側面26は、側面26の周囲に等間隔で配置された30個の外側タッチ検出領域36を画定する(
図6では、図の明瞭さを妨げないよう、外側タッチ検出領域36のうち3つだけに符号を付している)。本実施形態では、第1及び第2の中央タッチ検出領域32、34はそれぞれ略半円形の形状であり、共同で、頂面24を実質的に覆う略円形の領域を画定する。本実施形態では、各外側タッチ検出領域36は略長方形である。
【0044】
他の実施形態では、上部プレート10がより多くのまたはより少ないタッチ検出領域を含むことができ、及び/または、タッチ検出領域が異なる形状をとることができ、及び/または、タッチ検出領域が上部プレート10の異なる領域を包含することができる。これにより、他の実施形態では、タッチスクリーン構成8の異なる領域または追加領域に、タッチ機能を付与することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、タッチ検出領域の一部またはすべては、上部プレート10の上表面20上または上表面20内の適切な位置に設けられた浅い隆起または溝(不図示)によって、上部プレート10の周囲の領域から、及び/または相互に、境界を定められてもよい。ただし、これらの特徴により、全内部反射によって上部プレートに含有される光の上方への著しい漏洩が引き起こされない場合に限る。このような特徴は、ユーザの指またはスタイラスの方向を決める際に役立ち、ユーザの指またはスタイラスをガイドするだけでなく、異なるタッチ検出領域の位置及び境界を視覚的に表示させることができる。
【0046】
ディスプレイ領域は、1つ以上のタッチ検出領域におけるタッチに対応して点灯し得る上部プレート10の領域を画定する。そのため、各ディスプレイ領域は、ほぼその下方に配置された、関連するディスプレイライト16を有する。この点については、後述する。
【0047】
本実施形態では、各ディスプレイ領域はタッチ検出領域に関連付けられ、タッチスクリーン構成8は、関連付けられたタッチ検出領域でタッチが検出されると、1つまたは複数の特定のディスプレイ領域が点灯するように構成される。特に
図7を参照すると、ディスプレイ領域は、5つの第1の中央ディスプレイ領域38及び5つの第2の中央ディスプレイ領域40を含む10個の中央ディスプレイ領域と、30個の外側ディスプレイ領域42と、を備える(
図7では、図の明瞭さを妨げないよう、外側ディスプレイ領域42のうち3つだけに符号を付している)。
【0048】
中央ディスプレイ領域38、40は、上部プレート10の頂面24上で、中央タッチ検出領域32、34内に設けられる。特に、第1の中央ディスプレイ領域38は第1の中央タッチ検出領域32内に設けられ、第2の中央ディスプレイ領域40は第2の中央タッチ検出領域34内に設けられる。第1及び第2の中央ディスプレイ領域38、40はそれぞれ、頂面24の周縁28に向かって配置される。
【0049】
後述するように、タッチスクリーン構成8は、第1の中央タッチ検出領域32がタッチされることによって1つ以上の第1中央ディスプレイ領域38が点灯するように構成される。同様に、第2の中央タッチ検出領域34がタッチされることによって、1つ以上の第2の中央ディスプレイ領域40が点灯する。
【0050】
外側ディスプレイ領域42は、上部プレート10の周囲部分30において、外側検出領域36よりも径方向外側に、上部プレート10の側面26を囲むように位置している。各外側ディスプレイ領域42は、関連する外側検出領域36に隣接して放射状に位置合わせされている。後で説明するように、本実施形態では、外側タッチ検出領域36をタッチすることにより、それに関連する外側ディスプレイ領域42が点灯するように、タッチスクリーン構成8が構成される。
【0051】
本実施形態では、各タッチ検出領域およびディスプレイ領域はそれぞれ、単一の検出器および単一のディスプレイライトのみに関連付けられているが、この点において、他の実施形態は本実施形態と相違し得ることに留意されたい。例えば、他の実施形態では、タッチ検出領域の一部またはすべてが、2つ以上の関連する検出器を有することができる。さらに、ディスプレイ領域の一部またはすべては、例えば言葉や記号の形式でより複雑な情報を表示できるように、2つ以上の関連するディスプレイライトまたはピクセルグリッドを備えることができる。図示の実施形態では、これは、例えば中央ディスプレイ領域38、40に実装され得る。
【0052】
次に、縁部領域、内側ディスプレイ領域と外側ディスプレイ領域の間、及び中央領域における配置について、より詳細に説明する。これらには、タッチスクリーン構成8のセンサ14およびディスプレイライト16が関与する。
【0053】
本実施形態では、各センサ14は近接焦点PINダイオードの形態の光検出器であるが、当業者は他のセンサも使用可能であることを理解するであろう。各センサ14は、上部プレート10のほぼ下方に位置するとともに、そのアクティブ感知領域43が上部プレート10の下表面22に向けられて上部プレート10の下表面22に近接するように、配置される。これにより、本実施形態では、上部プレート10とセンサ14との間に、センサに一体化されたもの以外の追加の集束光学系が必要なくなる。このようにして、各センサ14は、ユーザが、センサ14の上にほぼ重なるように配置される、関連するタッチ検出領域内において、上部プレート10にタッチした際に、上部プレート10から透過される光を検出するように構成される。
【0054】
センサ14は、第1の中央タッチ検出領域32に関連付けられた第1の中央センサ48と、第2の中央タッチ検出領域34に関連付けられた第2の中央センサ50と、それぞれが異なる外側タッチ検出領域36に関連付けられた30個の外側センサ52と、を備える。他の実施形態では、より多くのまたはより少ない中央センサ及び/または外側センサを使用することができ、本発明はこの点において限定されないことに留意されたい。
【0055】
本例では、ディスプレイライト16はそれぞれ、可視スペクトルで動作する発光ダイオード(LED)を備えるが、当業者であれば、代替光源が使用可能であることを理解するであろう。
【0056】
本実施形態では、ディスプレイライト16は、5つの第1の中央ディスプレイLED54と、5つの第2の中央ディスプレイLED56と、30個の外側ディスプレイLED58と、を備える。5つの第1の中央ディスプレイLED54は、それぞれが、第1の中央ディスプレイ領域38及び第1の中央タッチ検出領域32に関連付けられている。5つの第2の中央ディスプレイLED56は、それぞれが、第2の中央ディスプレイ領域40及び第2の中央タッチ検出領域34に関連付けられている。30個の外側ディスプレイLED58は、それぞれが、異なる外側ディスプレイ領域42及び異なる外側タッチ検出領域36に関連付けられている。各ディスプレイライト16は、その関連するタッチ検出領域内でのタッチに応じて、その関連するディスプレイ領域を点灯させるように、構成及び制御される。
【0057】
センサ14およびディスプレイライト16は、プリント回路基板(PCB)60上に取り付けられ、ボルトやネジによってPCB60に取り付けられた内部ハウジング62内に収容される。
【0058】
内部ハウジング62は、3Dプリントされた構造であり、本実施形態においては、その構造の上表面64の少なくとも一部が、その上方に配置される上部プレート10の輪郭とほぼ一致して従うように形成されている。内部ハウジング62は、中央領域を画定する頂面66と、周縁領域を画定する側面68と、を含む。タッチスクリーン構成8が組み立てられる際、上部プレート10の頂面24及び縁部領域26は、内部ハウジング62の頂面66及び縁部領域68とほぼ位置合わせされる。これにより、上部プレート10の頂面24は内部ハウジング62の頂面66に上方から重なり、上部プレート10の縁部領域26は内部ハウジング62の縁部領域68に上方から重なる。
【0059】
内部ハウジング62は、使用時にセンサ14を受け入れて収容する複数のセンサ開口部と、使用時にディスプレイライト16を収容する複数のディスプレイ開口部と、を備える。
【0060】
センサ開口部は、第1の中央センサ48を収容するための第1の中央センサ開口部70と、第2の中央センサ50を収容するための第2の中央センサ開口部72と、外側センサ52を収容するための30個の外側センサ開口部74と、を備える。
【0061】
中央センサ開口部70、72は、内部ハウジング62の上表面64と下表面76との間に画定される、内部ハウジング62の厚さ全体を通って延びる。各中央センサ開口部70、72は、内部ハウジング62の下表面76に位置する下端78から、内部ハウジング62の上表面64に位置する上端80まで、ほぼ上方に延びている。中央センサ開口部70、72の上端80は、開口部70、72内に収容される中央センサのキャップまたはヘッド82の寸法とほぼ一致する寸法を有する。これにより、中央センサ開口部70、72の上端80は、ヘッド82を比較的密接した状態で収容できる(
図4に、最も良好に示されている)。タッチスクリーン構成8が組み立てられる際、上部プレート10における第1の中央タッチ検出領域32が、第1の中央センサ48を収容する第1の中央センサ開口部70の上方に重なり、上部プレート10における第2の中央タッチ検出領域34が、第2の中央センサ50を収容する第2の中央センサ開口部72の上方に重なるように、中央センサ開口部70、72が配置される。
【0062】
外側センサ開口部74もそれぞれ、内部ハウジング62の上表面64と下表面76との間に画定される、内部ハウジング62の厚さ全体を通って延びる。各外側センサ開口部74は、内部ハウジング62の下表面76に位置する下端84から、内部ハウジング62の上表面64に位置する上端86まで、延びている。各外側センサ開口部74は、下端84から上方に延びる下側セクション88と、下側セクション88から上端86まで、上方且つ径方向外側に延びる上側セクション90と、を含む。各外側センサ開口部74の上端86は、外側センサ52のパッケージまたはヘッド82の寸法とほぼ一致する寸法を有する。これにより、外側センサ開口部74の上端86は、ヘッド82を比較的密接した状態で収容できる。使用に際してタッチスクリーン構成8が組み立てられる際、上部プレート10における各外側タッチ検出領域36が、内部ハウジング62の外側センサ開口部74及びこれに関連する外側センサ52の上方にほぼ重なるように、外側センサ開口部74が配置される。
【0063】
各センサ開口部70、72、74の上端80、86には、略平面プレートの形態のセンサ窓92が設けられている。センサ窓92は、内部ハウジング構造によって、所定の位置で支持される。各センサ窓92は、上部プレート10と、センサ開口部70、72、74に収容されたセンサと、の間に配置される。窓92は、センサ開口部70、72、74の上方に配置される。センサ窓92の材料及び/またはコーティングは、上部プレート10を照らす光源12からの光を透過させ得るように、選択される。これにより、上部プレート10の上表面20をタッチすることによって上部プレート10から出る光が、センサ48、50、52に到達して検出される。例えば、考え得る一実施形態では、光源12は赤外光を放射する。この場合、センサ窓92は、対応する赤外波長において実質的に透明であってよい。これにより、タッチによって上部プレート10から出た赤外光が、センサ48、50、52に到達できる。この場合において、組み立てられたタッチスクリーン構成8において窓92の下方のセンサ48、50、52が見えなくなるよう、センサ窓92を可視光に対して光学的に暗くするために、センサ窓92が可視光に対して低い透過率を有することが、有利となり得る。これにより、タッチスクリーン構成8の美的魅力を向上させるだけでなく、センサ48、50、52に到達する可視光の量を減少させて、センサひいてはシステムにおける誘導電気的ショットノイズを低減させる。
【0064】
ディスプレイ開口部は、それぞれが第1の中央ディスプレイLED54を収容する5つの第1の中央ディスプレイ開口部94と、それぞれが第2の中央ディスプレイLED56を収容する5つの第2の中央ディスプレイ開口部96と、それぞれが外側ディスプレイLED58を収容する30個の外側ディスプレイ開口部98と、を備える。
【0065】
各ディスプレイ開口部94、96、98は、内部ハウジング62の下表面76に位置する下端100から、内部ハウジング62の上表面64に位置する上端102まで、内部ハウジング62の厚さ全体を通って延びている。各ディスプレイ開口部94、96、98には、略平面プレートの形態のディスプレイ窓104が設けられる。ディスプレイ窓104は、ディスプレイ開口部94、96、98の上端102において、内部ハウジング構造によって支持される。ディスプレイライト16からの可視光がディスプレイ窓を透過できるように、ディスプレイ窓104の材料及び/またはコーティングが選択される。ディスプレイ窓104は、対応するディスプレイライト16によるディスプレイ領域の照明の美しさを向上させる拡散特性を有利に有することができる。
【0066】
センサ14、ディスプレイライト16、内部ハウジング62、センサ窓92、ディスプレイ窓104、PCB60及び関連する電子機器は、タッチスクリーン構成8における検出・ディスプレイユニット63を形成する。検出・ディスプレイユニット63は、平面視において略円形の輪郭を画定する。
【0067】
本実施形態における、組み立てられたタッチスクリーン構成8では、上部プレート10、エミッタユニット17及び検出・ディスプレイユニット63は、支持構造106によって支持される。
【0068】
支持構造106は、本体108と、ベース110と、第1及び第2のサイドカバー112a、112bと、を含む。
【0069】
本体108は、中央セクション114と、サイドセクション116と、を含む。中央セクション114は、上部プレート10を支持するとともに、検出・ディスプレイユニット63を支持して収容する。サイドセクション116は、エミッタユニット17を支持して収容する。
【0070】
中央セクション114は、プレート支持ビーム118と、取り付け延長部120と、を備える。取り付け延長部120は、プレート支持ビーム118から下方に延在し、ベース110の取り付け手段122と係合するように配置される。サイドセクション116は、プレート支持ビーム118から外側に延びるエミッタ支持プラットフォーム123を備える。
【0071】
ベース110は、支持セクション124を有する。支持セクション124は、上表面126、下表面(図示せず)及び周面130を備える。支持セクション124は、平面視において、検出ユニット63の平面視での形状及び大きさに略一致する略円形状を有する。取り付け手段122は、ベース110の支持セクション124の周面130から延在する。
【0072】
組み立てられたタッチスクリーン構成8では、上部プレート10は、本体108のプレート支持ビーム118上に載置され、プレート支持ビーム118によって支持される。ベース110は、本体108の取り付け延長部120の開口132を通ってベース110の取り付け手段122の開口134内に延びる、ボルトまたはネジによって、本体108に取り付けられる。検出・ディスプレイユニット63は、ベース110上に載置され、ベース110によって支持されており、これによって、上部プレート10がこのユニット63の上に重なる。具体的には、上部プレート10のタッチ検出領域はユニット63のセンサ14の上に重なり、上部プレート10のディスプレイ領域はユニット63のディスプレイライト16の上に重なる。
【0073】
サイドカバー112a、112bは、上部プレート10に隣接する、中央セクションの両側に設けられ、本体108にボルトまたはネジで固定される。第1サイドカバー112aは、エミッタユニット17を覆い、エミッタユニット17をユーザの視界から隠す。各サイドカバー112a、112bは、上部プレート10の縁部領域にわずかに重なり、上部プレート10を所定の位置に保持するためにボルトまたはネジによって本体108に固定される。したがって、本実施形態では、上部プレート10は、共にボルト締めされたプラスチックフレームによって機械的に所定の位置に保持される。プラスチックフレームは、サイドカバー112a、112bおよび本体108の形態をとるが、必要に応じて、他の機械的な保持方策を使用することも可能である。
【0074】
図4に最もよく示されるように、マスキングストリップ136は、タッチスクリーン構成8においてタッチ感知機能またはディスプレイ機能がない領域を覆うために、上部プレート10と検出・ディスプレイユニット63との間に設けられる。マスキングストリップ136は、上部プレートと接触しても「濡れない」材料でできており、したがって、FTIRによる上部プレートからの光損失は無視できるほどである。マスキングストリップは、電子機器やサポート構造の存在をユーザから隠す。本実施形態では、複数の別個のマスキングストリップ136が使用されているが、マスキングは、上部プレート10と検出・ディスプレイユニット63との間に位置する一体部品によって提供することもできる。この一体部品で提供されるマスキングストリップは、センサ開口部70、72、74の位置及び内部ハウジング62のディスプレイ開口部94、96、98の位置に対応する開口部を含む。
【0075】
次に、
図1から
図11のタッチスクリーン構成の動作について説明する。
【0076】
ユーザがタッチ検出領域内の上部プレート10の上表面20に触れると、光は上部プレート10から下方に延びて、上部プレート10の下方の1つまたは複数のセンサ14上に結合される。上部プレート10がタッチされる位置によって、上部プレート10からの光が入射する、下方に存する1つまたは複数のセンサ14が決定される。
【0077】
すでに議論したように、タッチ中における、ユーザの指またはスタイラスと上部プレート10との間の実際の表面接触面積は、タッチ中に上部プレート10から放出される光の絶対量を決定する。従って、タッチ中における、ユーザの指またはスタイラスと上部プレート10との間の実際の表面接触面積は、タッチによって対応するセンサ14で捕捉される光の強度に関係し、したがって、タッチによって対応するセンサ14で検出される光強度の変化に関係する。実際の表面接触の面積は、ユーザの指またはスタイラスと上部プレート10との間の名目上の接触面積と、タッチの圧力または強度と、に依存する。
【0078】
したがって、所与のタッチに対してセンサ14によって検出される光強度の変化は、タッチ圧力及び/またはタッチの名目範囲を示す。タッチが、より激しく、より力強くなるほど、ユーザの指と上部プレート10との間の実際の接触面が大きくなるため、タッチが軽い場合と比較して、下方に存するセンサ14によって検出される光の強度の変化がより大きくなる。ユーザの指と上部プレート10との間の名目上の接触面積が大きくなることによっても、下方に存するセンサ14によって検出される光の強度の変化が大きくなる。これに対応して、軽くて力が弱いタッチは、力強いタッチと比較して、タッチ中における、ユーザの指または他のタッチデバイスと上部プレート10との間の接触面積が小さくなるため、下方に存するセンサ14によって検出される光の強度の変化が比較的小さくなる。また、例えば湿った指と乾いた指を使用する場合、所与のタッチ圧力/接触面積において、下方に存するセンサ14によって検出される光の強度には大きな差がある。
【0079】
処理手段(不図示)は、各センサ14によって検出された光の強度を表すデータを、センサ14から受け取る。処理手段は、任意の時点で上部プレート10から受け取る光の強度の変化をどのセンサ14が検出するかに基づいて、上部プレート10のどのタッチ検出領域がタッチされたかを判定することができる。処理手段はまた、センサ14に入射する光の強度の変化に基づいて、タッチ検出領域におけるタッチの圧力/範囲を判定することもできる。
【0080】
次に、ディスプレイライト16は、タッチの性質および位置に基づいて制御され得る。
【0081】
本実施形態では、第1の中央タッチ検出領域32におけるタッチにより、1つ以上の第1の中央ディスプレイLED54が作動し、1つ以上の第1の中央ディスプレイ領域38が照明される。本実施形態では、第2の中央タッチ検出領域34におけるタッチにより、1つ以上の第2の中央ディスプレイLED56が作動し、1つ以上の第2の中央ディスプレイ領域40が照明される。
【0082】
ユーザが第1または第2の中央タッチ検出領域32、34内の上部プレート10に触れると、光が上部プレート10から下方に結合される。第1または第2の中央タッチ検出領域32、34内のタッチの位置に応じて、上部プレート10から下方へ結合された光は、第1の中央センサ48及び/または第2の中央センサ50に入射し得る。
【0083】
処理手段(不図示)は、各中央センサ48、50によって検出された光の強度を表すデータを、中央センサ48、50から受け取り、補間を使用して、第1の中央センサ48の上方に直接存在する上部プレートの領域と、第2の中央センサ50の上方に直接存在する上部プレートの領域と、のうちタッチが生じた位置が近いのはどちらであるか、を判定する。このようにして、処理手段は、タッチが発生したのが、第1の中央タッチ検出領域32と、第2の中央タッチ検出領域34と、のどちらであるかを判定することができる。したがって、中央ディスプレイLED54、56は、タッチの位置および性質に基づいて制御され得る。
【0084】
図8を参照すると、第1の中央タッチ検出領域32内の上部プレート10にユーザがタッチすることで、3つの第1の中央ディスプレイLED54(そのうちの1つは
図8では見えていない)が作動し、それらに対応する上方に存する第1の中央ディスプレイ領域38が照明された様子が示されている。
【0085】
本実施形態では、第1の中央タッチ検出領域32内の所与のタッチに対して起動される第1のディスプレイLED54の数及び起動されたLED54の輝度は、タッチによって生じる、中央センサ48、50で検出される光強度の変化に依存し、したがって、タッチの圧力及び範囲に依存する。同様に、第2の中央タッチ検出領域34内の所与のタッチに対して起動される第2のディスプレイLED56の数及び起動されたLED56の輝度は、タッチによって生じる、中央センサ48、50で検出される光強度の変化に依存し、したがって、タッチの圧力及び範囲に依存する。
【0086】
他の実施形態では、タッチスクリーン構成8が中央タッチ検出領域32、34内のタッチに応答する方法が異なっていてもよい。
【0087】
ここで
図9を参照すると、本実施形態では、外側タッチ検出領域36におけるタッチにより、関連する外側ディスプレイLED58が作動し、対応する外側ディスプレイ領域42が照明される。外側ディスプレイ領域42は、上部プレート10の外側タッチ検出領域36の半径方向外側に位置して隣接する。
【0088】
図9は、ユーザが単一の外側タッチ検出領域36内の上部プレート10の上表面20に触れている場合のシナリオを示す。対応する外側ディスプレイLED58が作動し、これにより上部プレート10の対応する外側ディスプレイ領域42が照明される。外側ディスプレイ領域42は、外側ディスプレイLED58の上に重なり、ユーザが接触する外側タッチ検出領域36の半径方向外側に位置して隣接する。外側ディスプレイLED58から出力される光の強度は、対応する外側センサ52に入射する上部プレート10からの光の強度に依存する。このように、タッチを激しくすると、例えばユーザの指と接触する外側タッチ検出領域36の面積が大きくなるため、対応する外側ディスプレイ領域42の照明がより明るくなる。
【0089】
図9の例では、ユーザのタッチは単一の外側タッチ検出領域36に制限され、タッチスクリーン構成8の照明は単一の外側ディスプレイ領域42に制限される。
【0090】
一方、
図10に示される例では、ユーザの指は、タッチ中に、同時に3つの隣接する外側タッチ検出領域36内で上部プレート10に接触し、3つの対応する外側ディスプレイ領域42が点灯する。この3つの対応する外側ディスプレイ領域42は、3つの外側タッチ検出領域36の半径方向外側に位置して隣接する。本実施形態では、
図10に示すように、ユーザの指との接触およびユーザの指からの圧力が最大レベルとなる外側タッチ検出領域36に対応する外側ディスプレイ領域42において、最も明るい照明が生じるように、タッチスクリーン構成8が構成される。しかしながら、当業者であれば、タッチスクリーン構成8を異なる方法で構成することが可能であることを理解するであろう。例えば、対応するセンサ14によって検出された光の強度が所定の閾値以上である場合にのみ、外側ディスプレイLED58または他のディスプレイライト16が作動するように、構成8を構成することもできる。このようにして、システムは、偶発的な光やタッチを無視するように、及び/または、ユーザがタッチした主領域に対応する単一のディスプレイ領域のみを照明するように、構成することができる。その場合、例えば
図8の例のように3つのタッチ検出領域にユーザの指が接触した場合でも、
図9に示すように1つのディスプレイ領域を点灯させることが可能となる。別の例として、隣接するディスプレイ領域に関連付けられたセンサ14が、光の強度が所定の閾値を超えていることを検出したときに、1つまたは複数の外側ディスプレイLED58が作動するように、構成8を構成することができる。
【0091】
上部プレート10のディスプレイ領域の照明、およびこの照明によって表示される情報の種類は、スクリーン構成8の特定の用途に依存することが理解されるであろう。例えば、上記の代わりに、または上記に加えて、タッチ検出領域をタッチすることによって、ディスプレイ機能を有するスクリーン構成8の他の領域及び/または構成8の複数のディスプレイ領域を、点灯させることができる。
【0092】
他の実施形態では、タッチスクリーン構成8は、上述の照明に加えて、またはその代わりに、異なる機能を有するように構成され得ることも理解されるべきである。例えば、タッチスクリーン構成8は、異なるタッチの種類によって特定の制御機能をもたらすように構成することができる。スクリーン構成8がスピーカ用の制御画面に組み込まれる実施形態では、例えば、特定の領域におけるタッチ及び/または特定のタイプのタッチにより、デバイス設定が選択され得る。
【0093】
既に示したように、スクリーン構成8は、1つ以上のタッチの位置に基づいて情報を表示するように構成されることに加えて、タッチの性質に基づいて情報が表示されるように構成されることもできる。例えば、ユーザによるスワイプ動作により、特定の情報が表示されたり、特定の動作(例えば、特定のデバイス設定の選択)が実行されてもよい。例えば、ユーザが上部プレート10の上表面で指をスワイプし、第1および第2の中央タッチ検出領域が連続してタッチされると、特定のアクションを引き起こすことができる。構成8は、第1の検出領域に続いて第2の検出領域に接触する指のスワイプと、第2の検出領域に続いて第1の検出領域に接触する指のスワイプと、を区別し、これらの異なるジェスチャーに潜在的に起因した異なる機能を有するように、構成され得る。
【0094】
タッチスクリーン構成8はまた、異なるタッチ検出領域における複数の同時または連続したタッチを検出し、このタッチに起因した異なる制御機能を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、タッチスクリーン構成8は、2つ以上の所定のタッチ検出領域における同時または連続したタッチによって、1つ以上のディスプレイ領域が点灯するように、構成され得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、タッチスクリーン構成8は、「静的タッチダイヤル」として使用するために構成され得る。特に
図11を参照すると、構成8は、多数の外側検出領域における上部プレート10の側面をユーザが掴み、回転可能なダイヤルを回すように指を動かすと、回転可能なダイヤルの回転に通常関連付けられた制御機能が実行される。
図11に示すように、ユーザがタッチした外側タッチ検出領域に関連付けられた外側ディスプレイ領域も、点灯し得る。その場合、ユーザが外側検出領域を横切って指を動かすと、外側ディスプレイ領域の照明も、タッチ検出領域の移動に応じて移動する。例えば、タッチスクリーン構成8がスピーカシステムにおける制御パネルの一部として組み込まれた実施形態では、ユーザが複数のタッチ検出領域の側面を掴んで可動ダイヤルを回すように手を回すと、それに応じてスピーカの音量が増減するように、構成8を構成してもよい。別の例として、2つの外側検出領域を2本指でタップすると、例えば、スピーカの出力が一時停止する構成としてもよい。
【0096】
当業者であれば、上記は、
図1から
図11に示すようなスクリーン構成8が有し得る機能の単なる選択であることを理解するであろう。スクリーン構成8の使用目的に応じて、他の多くの機能を備えることが可能である。
【0097】
また、当業者であれば、本発明の範囲内で、上述のタッチスクリーン構成8の多くの変形が可能であることを理解するであろう。
【0098】
例えば、いくつかの実施形態では、タッチスクリーン構成8は、国際公開第2015/155508号に記載されているような機能システムを利用する1つ以上の領域を含んでもよい。国際公開第2015/155508号は、法律で許される範囲で参照により本明細書に組み込まれる。
図12はこの機能システムを示しており、完全を期すためにここで説明する。
【0099】
図12のシステムは、光学的に透明な上部プレート210と、上部プレート210の1つの端または複数の端に配置された1つまたは複数の光源212と、を備える。上部プレート210の下方には、光学的に透明なプレートよりも低い屈折率を有する任意選択の中間層214が存在し、この例では空気から構成される。上部プレート210は、上部プレート210内で光の全内部反射を引き起こすように、光源212によって照明される。
【0100】
図12のシステムは、光の分散性及び損失性を有する下部またはベースプレート218と、その端に位置する、光検出器の形態のセンサ220と、をさらに備える。下部プレート218は、上方から入射する光を下部プレート218の端に向かって分散させる分散特性を有するとともに、このプレートの上面および下面から入射光を失わせることで、損失が支配的であるプレートが形成される。このような分散特性は、当業者には明らかなように、多くの異なる方法で達成することができる。
【0101】
スタイラスまたは指222などのポインタが上部プレート210の第1の表面223に触れた場合、上部プレート210内の全内部反射は、フラストレート全内部反射(FIR)によって遮断される。これにより、一部の光223が、上部プレート210及び中間層214を通って下部プレート218に伝送され、ベースプレート218内部で伝送されるために、上部プレート210の第2の表面225から下方に存するベースプレート218内に向かって、光が結合される。上述の通り、下部プレート218の分散/損失特性により、下部プレート218に上方から入射する光は、損失の多い方法で、プレート218を通って端に向かって分散および飛散する。その結果、前記光の一部が、光検出器220によって検出される。
【0102】
上部プレート210がタッチされる位置によって、下部プレート218上で光が入射する相対的な位置が決まり、従って、下部プレート218の端から前記入射光までの距離(すなわち、光検出器が存する端に光が到達するまでに必要な距離)が決まる。その結果、光検出器220によって検出される光の相対量は、上部プレート210がタッチされる位置、したがって、光が入射する下部プレート218上の位置に、完全に依存することになる。さらに、指222などの柔軟なポインタからの圧力が増加すると、指222の下の接触面積及び接触範囲が増加するため、より多くの全内部反射光が遮断され、したがって、上部プレート210から放射されるエバネッセント光の強度が増加する。したがって、所与のタッチ位置においてセンサ220によって検出される絶対光強度は、タッチの強度または圧力を示す。よって、光の絶対強度が高いほど、上部プレート210へのタッチが激しく力強いことを示し、光の強度が低いほど、上部プレート210へのタッチが軽く弱いことを示す。
【0103】
損失性下部プレート218の飛散/分散特性を使用して、元のタッチからの距離に応じた捕捉光の減衰の挙動を制御することができ、その結果、タッチポイントの位置を一意に計算することができ、タッチ位置の精度を制御することができる。下部プレート218に埋め込まれた飛散/分散材料218aの濃度プロファイルを制御することによって、距離に応じて減衰した捕捉光のプロファイルも制御することができる。
【0104】
処理手段(図示せず)は、光検出器220によって検出された光の量および強度を表すデータを、光検出器220から受信するために設けられており、その結果、上部プレート10上のタッチポイントの位置と、タッチの性質及び/または形状と、を計算することができる。各フォトダイオード220における相対強度及びそれらの相対位置を比較することによって、また、下部プレート218の分散特性及び減衰特性の知識を使用することによって、1回のタッチまたは複数のタッチの位置および性質を計算することが可能である。デバイスドライバ(不図示)は、結果のデータを、タッチベースの入力として解釈し得る。
【0105】
ここで
図13を参照すると、
図13は、
図12で説明したような損失性下部プレート318を利用する機能システムを組み込んだタッチスクリーン構成308を示す。
図13のタッチスクリーン構成308の多くの態様は、
図1から
図11の実施形態と同じである。同様の特徴には同様の参照番号が付されており、簡略化のために、同様の特徴についてはここでは再度説明しない。この実施形態が
図1から
図11の実施形態と異なる点は、上部プレート310の中央領域のタッチ感知が、
図1から
図11の実施形態のように上部プレート310の下表面に向けられた中央センサを使用して提供されるのではなく、
図12に関連して説明したような機能システムを使用して提供されることである。
【0106】
図13のタッチスクリーン構成308では、上部プレート310の上表面324が、中央タッチ検出領域332を画定する。損失性下部プレート318は、中央タッチ検出領域332が下部プレート318の上に重なるように、上部プレート310の中央タッチ検出領域332の下方に配置され、中央タッチ検出領域332の下に位置する。このようにして、下部プレート318は、ユーザが中央タッチ検出領域332における上部プレート310に触れたときに、中央タッチ検出領域332から透過される光を捕捉するように、構成される。下部プレート318から出る光を検出するための少なくとも1つの中央センサ348が、下部プレート318の端350に配置されている。本実施形態では、8つの中央センサ348が、下部プレート318の端350の周囲に等間隔で配置され、下部プレート318の中心に向かって内側を向いている。ディスプレイスクリーン360は、下部プレート318が上部プレート310とディスプレイスクリーン360との間に位置するように、上部プレート310の上表面324の下に配置される。
【0107】
ユーザが中央検出領域332における上部プレート310に触れると、光は上部プレート310から出てその下の下部プレート318に入る。上部プレート310がタッチされる位置及びタッチの性質は、関連する処理手段(図示せず)を使用して、
図12に関連して既に説明したのと同じ方法で決定することができる。
【0108】
図13は、本発明によるタッチスクリーン構成が、タッチスクリーン構成の領域にタッチ感度を付与するための損失性下部プレートを使用した機能システムが組み込まれた、可能な一実施形態を示す。当業者であれば、他の実施形態において、損失性下部プレート及び/または上部プレートの下表面に向けられたセンサを利用したタッチ感知領域の位置及び/または範囲が変化し得ることを、理解するであろう。
【国際調査報告】