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特表2024-501952ガラス物品を成形する設備、そのような設備を制御する方法におけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定する装置及び方法
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  • 特表-ガラス物品を成形する設備、そのような設備を制御する方法におけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定する装置及び方法 図1
  • 特表-ガラス物品を成形する設備、そのような設備を制御する方法におけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定する装置及び方法 図2
  • 特表-ガラス物品を成形する設備、そのような設備を制御する方法におけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定する装置及び方法 図3
  • 特表-ガラス物品を成形する設備、そのような設備を制御する方法におけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定する装置及び方法 図4-5A-5E
  • 特表-ガラス物品を成形する設備、そのような設備を制御する方法におけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定する装置及び方法 図6
  • 特表-ガラス物品を成形する設備、そのような設備を制御する方法におけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定する装置及び方法 図7
  • 特表-ガラス物品を成形する設備、そのような設備を制御する方法におけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定する装置及び方法 図8
  • 特表-ガラス物品を成形する設備、そのような設備を制御する方法におけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定する装置及び方法 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ガラス物品を成形する設備、そのような設備を制御する方法におけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 7/16 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
C03B7/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538934
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 FR2021052359
(87)【国際公開番号】W WO2022136773
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】2014150
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】2103977
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】2107837
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509083201
【氏名又は名称】ティアマ
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100168273
【弁理士】
【氏名又は名称】古田 昌稔
(74)【代理人】
【識別番号】100219531
【弁理士】
【氏名又は名称】南部 麻美
(72)【発明者】
【氏名】ルコント,マルク
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ,ミシェル
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、4つの異なるリニアカメラを用いてガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定する装置及び方法に関し、リニアカメラのそれぞれが、第1の高交点及び第1の低交点でそれぞれ、理論自由落下経路に沿って互いにオフセットされた、かつ、第2の高交点及び第2の低交点でそれぞれ、理論自由落下経路に沿って互いにオフセットされた、理論自由落下経路を横切る観察されたリニア視野を有し、高光軸と低光軸とは、理論自由落下経路の方向に垂直な平面への投影において、互いに異なる。本発明は、また、ガラス物品成形設備を制御する方法を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス物品成形設備におけるガラスゴブ(P)の自由落下の運動学的特性を測定する方法であって、ガラス源と成形キャビティとの間のゴブ装填経路に沿った前記ゴブの自由落下エリア(24,26)において、前記ゴブは、前記自由落下エリア内に理論垂直自由落下経路(28.24,28’.24)を有するとともに、先端部(Pd)、末端部(Pf)、及び前記先端部と前記末端部との間のゴブ長さを有し、
前記方法は、
4つの異なるリニアカメラ(32,32.1h,32.1b,32.2h,32.2b)を使用して、連続するリニアデジタル画像の少なくとも4つのシリーズを取得することと、を含み、
前記リニアカメラのそれぞれが、リニア光電センサと、光学中心及び対象となる前記カメラに対して観察されたリニア視野(34,34.1h,34.1b,34.2h,34.2b)を定義する光軸(36,36.1h,36.1b,36.2h,36.2b)を有するレンズ(33,33.1h,33.1b,33.2h,33.2b)とを有し、リニア画像の所定のシリーズの各画像は、対応する前記リニアカメラの前記観察されたリニア視野の前記リニア画像であり、前記4つのシリーズは、第1の高カメラ(32.1h)によって取得された第1の高シリーズ、第1の低カメラ(32.1b)によって取得された第1の低シリーズ、第2の高カメラ(32.2h)によって取得された第2の高シリーズ、及び第2の低カメラ(32.2b)によって取得された第2の低シリーズを含み、リニア画像の前記4つのシリーズは、それぞれ第1の高リニア視野(34.1h)、第1の低リニア視野(34.1b)、第2の高リニア視野(34.2h)、及び第2の低リニア視野(34.2b)のリニア画像に対応し、
前記少なくとも4つのシリーズは、
前記第1の高リニア視野及び前記第1の低リニア視野がそれぞれ、対応する前記光軸と前記対応する光軸に垂直な水平延在方向とによって定義されたそれぞれの平面に沿って広がり、前記第1の高リニア視野及び前記第1の低リニア視野がそれぞれ、第1の高交点(40.1h)及び第1の低交点(40.1b)でそれぞれ前記理論自由落下経路を横切り、前記第1の高交点及び低交点が、垂直方向のオフセットをもって前記理論自由落下経路に沿って互いにオフセットされるように、
前記第2の高リニア視野及び前記第2の低リニア視野がそれぞれ、対応する前記光軸と前記対応する光軸に垂直な水平延在方向とによって定義されたそれぞれの平面に沿って広がり、前記第2の高リニア視野及び前記第2の低リニア視野がそれぞれ、第2の高交点(40.2h)及び第2の低交点(40.2b)でそれぞれ前記理論自由落下経路を横切り、前記第2の高交点及び前記低交点が、前記理論自由落下経路の方向に沿って互いにオフセットされるように、
リニア画像の前記4つのシリーズの画像(I1,…,Ii,…,IL)がそれぞれ、第1の高観察軸(37.1h)、第1の低観察軸(37.1b)、第2の高観察軸(37.2h)、及び第2の低観察軸(37.2b)に沿ってそれぞれ取得された、対応する前記交点の画像を含み、対応する前記リニアカメラによる各交点の前記観察軸が、前記対応するリニアカメラ(32.1h,32.2h,…)の前記リニア視野(34.1h,34.2h,…)に含まれ、前記カメラの前記レンズの前記光学中心を通過するとともに、前記理論自由落下経路の前記対応する交点を通過するように、
前記第1及び第2の高観察軸(37.1h,37.2h)が共に、前記理論自由落下経路の方向に垂直な平面への投影において、前記理論自由落下経路の周りに0度と異なりかつ180度と異なる高観察偏角(Aobsh,Aobsh’)を形成するように、
前記第1及び第2の低観察軸(37.1b,37.2b)が共に、前記理論自由落下経路の方向に垂直な平面への投影において、前記理論自由落下経路の周りに0度と異なりかつ180度と異なる低観察偏角(Aobsb,Aobsb’)を形成するように、
同じシリーズの任意の2つの画像の取得間の、及び、2つの異なるシリーズの任意の2つの画像間の時間差が決定可能であるように、
取得され、
前記方法は、それぞれが前記ゴブの前記先端部及び前記末端部のうちの前記ゴブの同じ所定の端部の画像を含む高リニア画像及び低リニア画像をコンピュータ特定することと、前記特定することから、前記高リニア画像の取得と前記低リニア画像の取得との間の時間差をコンピュータ推定することと、
前記高交点及び低交点のうちの1つを前記ゴブの前記所定の端部が通過する際の前記ゴブの前記所定の端部の垂直移動の瞬間速度を、前記高リニア画像の取得と前記低リニア画像の取得との間の前記時間差から、かつ、自由落下体の運動学の法則を適用することによって、コンピュータ計算することと、
前記先端部及び前記末端部の2つ以外の前記ゴブのセグメントの画像を含む中間リニア画像(Ii)について、前記ゴブの前記所定の端部の垂直移動の瞬間速度に対応する前記交点を前記ゴブの前記所定の端部が通過する際の前記ゴブの前記所定の端部の垂直移動の前記瞬間速度、及び、対象となる前記中間リニア画像の取得から前記ゴブの前記所定の端部の垂直移動の前記瞬間速度に対応する前記交点を前記ゴブの前記端部が前記通過するまでの経過時間、に応じて、自由落下体の運動学の法則を適用することによって、前記中間リニア画像に含まれる前記ゴブの前記画像と前記ゴブの対応するセグメント(Pi)とをコンピュータによってマッチングすることと、
を含み、
前記方法は、
前記ゴブの少なくとも2つの異なるセグメントについて、前記高交点と前記低交点との間における、互いに異なる、それぞれ第1の水平測定軸(X1)に沿った及び第2の水平測定軸(X2)に沿った、前記セグメントの第1及び第2の水平移動の量の組、又は、前記セグメントの第1及び第2の水平移動の平均速度の組、及び/又は、
前記高交点と前記低交点との間における、互いに異なる、それぞれ第1の水平軸(X1)の周りの及び第2の水平軸(X2)の周りの、前記ゴブの第1及び第2の回転量の組、又は、前記ゴブの第1及び第2の平均回転速度の組、及び/又は、
前記高交点と前記低交点との間における、前記ゴブの変形量、又は、前記ゴブの平均変形速度、及び/又は、
三次元空間に従った前記ゴブの少なくとも1つ以上のセグメントの経路、
のうちの少なくとも1つをコンピュータ決定することを含む、
測定方法。
【請求項2】
前記ゴブの2つの対象となるセグメント(Si,S[i-1])間の位置差をコンピュータ決定することを含み、前記ゴブのそれぞれの画像は、リニア画像の所定のシリーズの2つの連続するリニア画像(Ii,I(i-1))に含まれ、前記コンピュータ決定することは、
一方では、前記2つの対象となるセグメントのうちの1つを含む前記連続するリニア画像(Ii,I(i-1))のうちの1つと、他方では、それぞれが前記ゴブの前記先端部及び前記末端部の画像を含む、決定された前記シリーズの先端リニア画像(I1)と末端リニア画像(IL)のうちの1つと、の間で決定された前記シリーズにおけるリニア画像の数、
前記決定されたシリーズに対応する前記交点を前記ゴブの所定の端部が通過する際の前記ゴブの前記所定の端部の垂直移動の前記瞬間速度、
前記決定されたシリーズについての前記リニア画像の取得頻度、及び、
重力定数、
に応じて決定することを特徴とする、
請求項1に記載の測定方法。
【請求項3】
それぞれリニア画像の前記第1の高シリーズ及び前記第1の低シリーズに基づいて、及び、リニア画像の前記第2の高シリーズ及び前記第2の低シリーズに基づいて、前記高交点及び低交点(40.1h,40.1b,40.2h,40.2b)のうちの1つを前記ゴブの前記所定の端部(Pd,Pf)が通過する間の前記ゴブの前記所定の端部の第1及び第2の垂直移動の瞬間速度をコンピュータ計算することを含むことを特徴とし、この交点を前記ゴブの前記所定の端部(Pd,Pf)が通過する間の前記ゴブの前記所定の端部の垂直移動の瞬間速度は、この交点を前記ゴブの前記所定の端部が通過する間の前記ゴブの前記所定の端部の前記第1及び第2の垂直移動の瞬間速度の平均値としてコンピュータによって決定されることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の測定方法。
【請求項4】
前記決定されたシリーズの前記先端リニア画像(I1)から前記末端リニア画像(II)までの決定されたシリーズの全ての前記連続するリニア画像についての前記位置差(hi)を合計することによって、前記先端部(Pd)と前記末端部(Pf)との間のゴブ高さをコンピュータ計算することを含むことを特徴とする、
請求項1から3のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項5】
前記方法は、コンピュータ決定することを含み、
前記コンピュータ決定することは、所定のゴブのいくつかのセグメントの集合について、
各セグメントに対応する第1の高リニア画像の前記第1の高シリーズにおいて及び第1の低リニア画像の前記第1の低シリーズにおいて、前記第1の水平測定軸(X1)に沿って、前記第1の高交点と低交点(40.1h,40.1b)との間における前記高リニア画像と前記低リニア画像との間の前記集合の各セグメントの前記第1の水平移動の量を決定することと、
各セグメントに対応する第2の高リニア画像の前記第2の高シリーズにおいて及び第2の低リニア画像の前記第2の低シリーズにおいて、前記第2の水平測定軸(X2)に沿って、前記第1の高交点と低交点(40.2h,40.2b)との間における各セグメントの前記第2の水平移動の量を決定することと、
を含み、
前記方法は、
それぞれ2つの異なる水平軸に沿った、前記高交点と前記低交点との間の前記ゴブの水平移動の平均速度の2つの水平成分、及び/又は、
2つの水平軸の周りの前記高交点と前記低交点との間の前記ゴブの2つの回転角、及び/又は、
前記高交点と前記低交点との間を落下する間の前記ゴブの変形、
の集合の各セクションの水平移動の量をコンピュータによって推定するステップを含むことを特徴とする、
請求項1から4のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項6】
前記ゴブの、
第1の水平方向に沿った前記ゴブの第1の直径、
前記第1の水平方向とは異なる第2の水平方向に沿った第2の直径、
前記ゴブの長さ又は高さ、
前記ゴブの体積、
のうちの少なくとも1つの幾何学的寸法をコンピュータ測定することを含むことを特徴とする、
請求項1から5のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項7】
高交点と対応する低交点との間のセグメント(Pi)の水平移動の量をコンピュータ決定することは、対応する前記高シリーズ及び前記低シリーズの前記高リニア画像及び前記低リニア画像における前記セグメント(Pi)の少なくとも同じ点(M)の位置を検出することを含むことを特徴とする、
請求項1から6のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項8】
前記同じ点(M)は、前記セグメントのエッジ点のうちの1つ、前記セグメントの2つのエッジ点の間の中間点、又は前記高リニア画像及び前記低リニア画像においてその画像が認識可能な点であることを特徴とする、
請求項7に記載の測定方法。
【請求項9】
前記第1の高観察軸(37.1h)及び前記第1の低観察軸(37.1b)は、同じ垂直平面において垂直方向に沿って重ね合わされていることを特徴とする、
請求項1から8のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項10】
前記第1の高観察軸(37.1h)と前記第1の低観察軸(37.1b)とは、互いに平行であることを特徴とする、
請求項1から9のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項11】
前記第1の高観察軸(37.1h)及び前記第1の低観察軸(37.1b)は、前記理論自由落下経路に垂直であることを特徴とする、
請求項1から10のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項12】
前記第1の高観察軸(37.1h)及び前記第2の高観察軸(37.2h)は、前記理論垂直自由落下経路の同じ前記高交点(40.1h)を横切る、及び/又は前記第1の低観察軸(37.1b)及び前記第2の低観察軸(37.2b)は、前記理論垂直自由落下経路の同じ前記低交点(40.1b)を横切ることを特徴とする、
請求項1から11のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項13】
ガラス製品成形設備(10)におけるガラスゴブ(P)の自由落下の運動学的特性を測定する装置であって、ガラス源(18)と成形キャビティ(16)との間のゴブ装填経路に沿った前記ゴブの自由落下エリア(24,26)において、前記ゴブは、前記自由落下エリア内に理論垂直自由落下経路(28.24,28’.24)を有するとともに、先端部(Pd)、末端部(Pf)、及び前記先端部と前記末端部との間のゴブ長さを有し、
前記装置は、
少なくとも4つの異なるリニアカメラ(32,32.1h,32.1b,32.2h,32.2b)と、を含むタイプであり、前記リニアカメラのそれぞれが、光学中心及び対象となる前記カメラに対して観察されたリニア視野を定義する光軸(36,36.1h,36.1b,36.2h,36.2b)を有するレンズ(33,33.1h,33.1b,33.2h,33.2b)を有し、前記リニアカメラは、第1の高カメラ(32.1h)、第1の低カメラ(32.1b)、第2の高カメラ(32.2h)、及び第2の低カメラ(32.2b)を備え、
前記カメラのそれぞれが、互いに異なる第1の高光軸(36.1h)、第1の低光軸(36.1b)、第2の高光軸(36.2h)、及び第2の低光軸(36.2b)を有し、前記カメラのそれぞれが、観察されたリニア視野の、第1の高リニア視野(34.1h)、第1の低リニア視野(34.1b)、第2の高リニア視野(34.2h)、及び第2の低リニア視野(34.2b)のデジタル画像(I1,…,Ii,…,IL)をそれぞれ形成することができ、ここで、
前記第1の高リニア視野(34.1h)及び前記第1の低リニア視野(34.1b)がそれぞれ、対応する前記光軸と前記対応する光軸に垂直な水平延在方向とによって定義されたそれぞれの平面に沿って広がり、前記第1の高リニア視野及び前記第1の低リニア視野がそれぞれ、第1の高交点(40.1h)及び第1の低交点(40.1b)でそれぞれ前記理論自由落下経路を横切り、前記第1の高交点及び低交点が、前記理論自由落下経路に沿って互いにオフセットされており、
前記第2の高リニア視野(34.2h)及び前記第2の低リニア視野(34.2b)がそれぞれ、対応する前記光軸と前記対応する光軸に垂直な水平延在方向によって定義されたそれぞれの平面に沿って広がり、前記第2の高リニア視野及び前記第2の低リニア視野がそれぞれ、第2の高交点(40.2h)及び第2の低交点(40.2b)でそれぞれ前記理論自由落下経路を横切り、前記第2の高交点及び低交点が、前記理論自由落下経路に沿って互いにオフセットされており、
前記理論自由落下経路の方向に垂直な平面上への垂直投影において、前記高光軸(36.1h,36.2h)は互いに異なり、前記理論自由落下経路の方向に垂直な平面上への垂直投影において、前記低光軸(36.1b,36.2b)は互いに異なる、
装置。
【請求項14】
前記高光軸(36.1h,36.2h)は共に、前記理論自由落下経路の方向に垂直な平面への垂直投影において、前記投影平面における2つの前記光軸の前記投影の収束点を通過する前記理論自由落下経路に平行な軸の周りに0度と異なりかつ180度と異なる高光軸の偏角(Aopth)を形成し、
前記低光軸(36.1b,36.2b)は共に、前記理論自由落下経路の方向に垂直な平面への垂直投影において、前記投影平面における2つの前記光軸の前記投影の収束点を通過する前記理論自由落下経路に平行な軸の周りに0度と異なりかつ180度と異なる低光軸の鋭角の偏角(Aoptb)を形成することを特徴とする、
請求項13に記載の装置。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実行するようにプログラムされた電子計算ユニット(12)を含むことを特徴とする、
請求項13又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の高リニア視野(34.1h)と前記第1の低リニア視野(34.1b)、及び前記第2の高リニア視野(34.2h)と前記第2の低リニア視野(34.2b)はそれぞれ、同じ前記ガラス源によって同時に形成されたいくつかのガラスゴブの前記理論自由落下経路(28.24,28’.24)を横切ることを特徴とする、
請求項13から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
ガラス物品成形設備(10)を制御する方法であって、前記設備(10)は、ガラス源(18)と、前記ガラス源の出口に配置され、かつ、分配器(20,20a,20b,20c)内に重力によって落下する連続するゴブ(P)を切断するために一定の間隔で作動する少なくとも1つの剪断機(22)とを含み、前記分配器は、少なくとも1つのゴブ装填経路に沿って前記設備の成形キャビティ(16)に向けて前記ゴブを導き、前記ゴブ装填経路は、前記剪断機(22)と前記分配器(20)との間に前記ゴブの自由落下(28.24,28’.24)の少なくとも1つのエリアを含み、前記方法は、前記剪断機(22)と前記分配器(20)との間の前記ゴブの前記自由落下エリア(24)における前記ガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定することを含み、前記測定することは、所定のゴブのいくつかのセグメントの集合について、前記集合の各セクションの水平移動の量を決定することを含むことを特徴とし、かつ、前記制御方法は、前記集合の各セクションの少なくとも水平移動の量に応じて、前記剪断機(22)の少なくとも1つの動作パラメータを調節することを含むことを特徴とする、
制御方法。
【請求項18】
前記調節することは、前記剪断機(22)の切断点の位置を調節することを含むことを特徴とする、
請求項16に記載の制御方法。
【請求項19】
前記調節することは、前記剪断機(22)の少なくとも刃の変位速度を調節することを含むことを特徴とする、
請求項17又は18に記載の制御方法。
【請求項20】
前記調節することは、前記剪断機(22)の少なくとも1つの刃の変位速度のプロファイルを調節することを含むことを特徴とする、
請求項17から19のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項21】
前記調節することは、前記剪断機(22)の潤滑パラメータを調節することを含むことを特徴とする、
請求項17から20のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項22】
前記測定することは、前記高交点と前記低交点との間の前記ゴブの少なくとも1つのセグメントの水平移動の速度の少なくとも2つの水平成分を決定することを含むことを特徴とする、
請求項17から21のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項23】
前記測定することは、第1の水平軸の周りの前記ゴブの回転の少なくとも第1の成分を決定することを含み、前記調節することは、前記剪断機(22)の切断点の位置の成分を調節すること、及び/又は前記剪断機(22)の少なくとも刃の変位速度の成分を調節すること、及び/又は前記剪断機(22)の少なくとも1つの刃の変位速度の成分のプロファイルを調節することを含むことを特徴とする、
請求項17から22のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項24】
前記測定することは、前記第1の水平軸とは異なる第2の水平軸の周りの前記ゴブの回転の少なくとも第2の成分を決定することを含み、前記制御方法は、前記第1の水平軸の周りの前記ゴブの回転の前記第1の成分、及び、前記第2の水平軸の周りの前記ゴブの回転の前記第2の成分に応じて、前記剪断機(22)の少なくとも1つの動作パラメータを調節することを含むことを特徴とする、
請求項17から23のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項25】
前記ガラスゴブの前記自由落下の運動学的特性を測定することは、請求項1から12のいずれか一項に従って実行されることを特徴とする、
請求項17から24のいずれか一項に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス物品成形設備におけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定する装置及び方法に関する。本発明はまた、ガラス物品成形設備を制御する方法にも関し、特にそのような制御方法は、本発明に係る測定方法に従って及び/又は本発明に係る測定装置を用いて測定されたガラスゴブの自由落下の少なくとも1つの運動学的特性を提供する。
【背景技術】
【0002】
文献EP2356081/WO2010047579には、ガラス製品成形設備におけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定する装置及び方法が記載されており、当該設備は、2つの観察軸に沿って配置された2つのカメラを実装し、2つの観察軸は互いに異なるが、金型の入口において理論垂直自由落下経路の同じ交点で交差する。これら2つのカメラは必然的にマトリックスカメラであるため、各カメラによって取得されたいくつかの画像において、2つの異なる瞬間に同じゴブの少なくとも2つの完全なビューを得ることができる。ゴブの各ビューは必然的に、カメラ1回の取得サイクルに含まれる完全なビューである。このようにして一度に取得された2つの完全な画像を比較することで、ガラスゴブの自由落下の運動学的特性を決定できることが理解される。特に、この文献は、ゴブの速度に対する基準寸法及び方向を決定できなければならないことを教示しているが、この決定がこれらの画像からどのように行われるかについては説明がない。1回の取得時間でゴブの完全なマトリックス画像を取得する必要があるため、一方では、非常に高性能のマトリックスカメラの使用が強いられ、他方では、各カメラの設置位置から、交点における完全なゴブの全体が見えれば足りることに留意されたい。ただし、産業設備の枠組み内では、設備内及びそのすぐ周囲に多数の部品及び機器が存在するせいで、これは問題となりうる。これらの存在は、産業という面では、そのような完全なビューが必ずしも可能であるとは限らないことを意味し、いずれにせよ、そのような完全なビューは正確な測定を可能とする観察軸を関与させるためである必要はないことを意味する。これは、ゴブが分配器に入る前に、ゴブを切断する剪断機の真下でゴブを観察する場合によく当てはまる。
【0003】
文献DE10312550には、ガラス製品成形設備内で自由落下するガラスゴブの幾何学的特性を測定する装置及び方法が記載されており、当該設備は、リニアカメラ及び2つの光電セルを実装しており、これらは、金型の入口で理論垂直自由落下経路の重なり合った2つの異なる交点でのゴブの通過を検出するように配置されている。単一のリニアカメラの存在では、運動学的特性を特定することはできない。2つの光電セルは、理論垂直自由落下経路の方向に沿ってのみゴブの速度を決定する。
【0004】
文献EP1418158には、2つ又は3つのCCDカメラを含む装置が記載されており、これらのカメラは、これらのカメラによってカバーされた視野が、ゴブ切断シャーと分配システムの漏斗との間の空間的広がりをカバーするように配置されている。同じ要件が文献US20130000359にも見られる。従って、実装されたカメラはマトリックスカメラであり、文献EP2356081に関しては、産業という面ではそのような完全な視野が必ずしも可能ではないことが留意されるべきである。
【0005】
文献US2017121207では、1つ又は2つのカメラがゴブの1つ又は2つの画像を捕捉し、捕捉されたゴブの1つ又は2つの2D画像は画像処理装置にロードされる。
【0006】
文献US4205973は、ゴブが落下するとき、2つの連続するレーザービームの経路を分断し、これにより、ゴブの先端と末端の速度を測定できることを教示している。次に、1つ(又は2つ)のリニアカメラを使用して、ゴブの垂直軸に沿った等しい寸法のセグメントを表す水平走査を増分毎に実行する。走査レートは、ゴブの加速を考慮するように、時間の経過とともに変化する走査周波数でスキャンクロックによって監視される。
【0007】
文献US5434616は、先の文献を参照し、そのような配置では、カメラの走査速度をゴブの動きと慎重に同期させる必要があること、及びゴブの速度のわずかな変化により、測定サイズに誤差が生じることを指摘している。従って、この文献は、二次元CCDカメラを使用して、ゴブの経路の「フリーズ」二次元画像を連続的に捕捉することを教示している。
【0008】
文献JP3623329では、CCDカメラを使用してゴブの画像を捕捉している。この画像から、ゴブの重量が計算される。この文献からは、画像が二次元画像であることが推定される。このような装置では、2つの水平軸に沿った運動学的特性を特定できない。
【0009】
文献WO2016181071には、いくつかの成形セクション、ゴブ分配器を備えるタイプであって、少なくとも1つの光検出器を含む検出装置を備えるガラス物品成形設備が記載されており、光検出器は、2つの異なる成形セクションに対応するゴブ装填経路の少なくとも2つの特定部分で交差する自由光軸に沿って循環する光情報を検出するように配置されている。
【0010】
文献「AMELIORATION SIGNIFICATIVE DE PERFORMANCES PAR CONTROLE AUTOMATIQUE DU GOB」、INSTITUTE OF GLASS, PARIS, FR, vol. 9, no. 2, 1 April 2003 (2003-04-01), page 6/07, XP001160130, ISSN: 0984-7979は、従来技術のさらに別の装置に言及している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、ガラス製品成形設備におけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性の測定を可能とする測定装置及び方法を提案することを目的としており、これらの特性は、これらの測定値を考慮した上記設置の駆動、例えばゴブを切断するハサミの駆動、を可能とするのに十分な精度でなければならない。決定されんとする特性には、
ゴブの少なくとも2つの異なるセグメントについて、高交点と低交点との間で、互いに異なる、それぞれ第1の水平軸に沿った及び第2の水平軸に沿ったセグメントの第1及び第2の水平移動の量又は速度の組、及び/又は、
高交点と低交点との間における、それぞれ第1の水平軸の周りの及び第2の水平軸の周りの、互いに異なる、ゴブの第1の回転量又は回転速度の組、及び/又は、
高交点と低交点との間における、ゴブの変形の量又は速度、及び/又は、
三次元空間に従ったゴブの少なくとも1つ以上のセグメントの経路、
の少なくとも1つが含まれる。
【0012】
上記測定装置及び方法は、自由落下エリアにおけるゴブの視界を妨げそうな多くの部品及び付属品を含む可能性のある産業環境で実施できなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的のために、本発明は、特許請求の範囲に記載されているように、ガラス製品成形設備におけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定する装置及び方法、並びにそのような設備を制御する方法を提案する。
【0014】
従って、本発明は、ガラス物品成形設備におけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定する方法を提案し、ガラス源と成形キャビティとの間のゴブ装填経路に沿ったゴブの自由落下エリアにおいて、ゴブは、自由落下エリア内に理論垂直自由落下経路を有するとともに、先端部、末端部、及び先端部と末端部との間のゴブ長さを有し、
当該方法は、
4つの異なるリニアカメラを使用して、連続するリニアデジタル画像の少なくとも4つのシリーズを取得することと、を含み、
リニアカメラのそれぞれが、リニア光電センサと、光学中心及び対象となるカメラに対して観察されたリニア視野を定義する光軸を有するレンズとを有し、リニア画像の所定のシリーズの各画像は、対応するリニアカメラの観察されたリニア視野のリニア画像であり、4つのシリーズは、第1の高カメラによって取得された第1の高シリーズ、第1の低カメラによって取得された第1の低シリーズ、第2の高カメラによって取得された第2の高シリーズ、及び第2の低カメラによって取得された第2の低シリーズを含み、リニア画像の4つのシリーズは、それぞれ第1の高リニア視野、第1の低リニア視野、第2の高リニア視野、及び第2の低リニア視野のリニア画像に対応し、
上記少なくとも4つのシリーズは、
第1の高リニア視野及び第1の低リニア視野がそれぞれ、対応する光軸と対応する光軸に垂直な水平延在方向とによって定義されたそれぞれの平面に沿って広がり、第1の高リニア視野及び第1の低リニア視野がそれぞれ、第1の高交点及び第1の低交点でそれぞれ理論自由落下経路を横切り、第1の高交点及び低交点が、垂直方向のオフセットをもって理論自由落下経路に沿って互いにオフセットされるように、
第2の高リニア視野及び第2の低リニア視野がそれぞれ、対応する光軸と対応する光軸に垂直な水平延在方向とによって定義されたそれぞれの平面に沿って広がり、第2の高リニア視野及び第2の低リニア視野がそれぞれ、第2の高交点及び第2の低交点でそれぞれ理論自由落下経路を横切り、第2の高交点及び低交点が、理論自由落下経路の方向に沿って互いにオフセットされるように、
リニア画像の4つのシリーズの画像がそれぞれ、第1の高観察軸、第1の低観察軸、第2の高観察軸、及び第2の低観察軸に沿ってそれぞれ取得された、対応する交点の画像を含み、対応するリニアカメラによる各交点の観察軸が、対応するリニアカメラのリニア視野に含まれ、カメラのレンズの光学中心を通過するとともに、理論自由落下経路の対応する交点を通過するように、
第1及び第2の高観察軸が共に、理論自由落下経路の方向に垂直な平面への投影において、理論自由落下経路の周りに0度と異なりかつ180度と異なる高観察偏角を形成するように、
第1及び第2の低観察軸が共に、理論自由落下経路の方向に垂直な平面への投影において、理論自由落下経路の周りに0度と異なりかつ180度と異なる低観察偏角を形成するように、
同じシリーズの任意の2つの画像の取得間の、及び、2つの異なるシリーズの任意の2つの画像間の時間差が決定可能であるように、
取得され、
上記方法は、それぞれがゴブの先端部及び末端部のうちのゴブの同じ所定の端部の画像を含む高リニア画像及び低リニア画像をコンピュータ特定することと、上記特定することから、高リニア画像の取得と低リニア画像の取得との間の時間差をコンピュータ推定することと、
高交点及び低交点のうちの1つをゴブの所定の端部が通過する際のゴブの所定の端部の垂直移動の瞬間速度を、高リニア画像の取得と低リニア画像の取得との間の時間差から、かつ、自由落下体の運動学の法則を適用することによって、コンピュータ計算することと、
先端部及び末端部の2つ以外のゴブのセグメントの画像を含む中間リニア画像について、ゴブの所定の端部の垂直移動の瞬間速度に対応する交点をゴブの所定の端部が通過する際のゴブの所定の端部の垂直移動の瞬間速度、及び、対象となる中間リニア画像の取得からゴブの所定の端部の垂直移動の瞬間速度に対応する交点をゴブの上記端部が通過するまでの経過時間、に応じて、自由落下体の運動学の法則を適用することによって、中間リニア画像に含まれるゴブの画像とゴブの対応するセグメントとをコンピュータによってマッチングすることと、
を含み、
さらに、上記方法は、
ゴブの少なくとも2つの異なるセグメントについて、高交点と低交点との間における、互いに異なる、それぞれ第1の水平測定軸に沿った及び第2の水平測定軸に沿った、セグメントの第1及び第2の水平移動の量の組、又は、セグメントの第1及び第2の水平移動の平均速度の組、及び/又は、
高交点と低交点との間における、互いに異なる、それぞれ第1の水平軸の周りの及び第2の水平軸の周りの、ゴブの第1及び第2の回転量の組、又は、ゴブの第1及び第2の平均回転速度の組、及び/又は、
高交点と低交点との間における、ゴブの変形量、又は、ゴブの平均変形速度、及び/又は、
三次元空間に従ったゴブの少なくとも1つ以上のセグメントの経路、
のうちの少なくとも1つをコンピュータ決定することを含む。
【0015】
本発明に係るこのような方法は、以下の任意の特徴の1つ以上を単独で又は組み合わせてさらに含みうる。
【0016】
場合によっては、上記方法は、ゴブの2つの対象となるセグメント間の位置差をコンピュータ決定することを含み、ゴブのそれぞれの画像は、リニア画像の所定のシリーズの2つの連続するリニア画像に含まれ、上記コンピュータ決定することは、
一方では、2つの対象となるセグメントのうちの1つを含む連続するリニア画像のうちの1つと、他方では、それぞれがゴブの先端部及び末端部の画像を含む、決定されたシリーズの先端リニア画像と末端リニア画像のうちの1つと、の間で決定されたシリーズにおけるリニア画像の数、
決定されたシリーズに対応する交点をゴブの所定の端部が通過する際のゴブの所定の端部の垂直移動の瞬間速度、
決定されたシリーズについてのリニア画像の取得頻度、及び、
重力定数、
に応じて決定する。
【0017】
場合によっては、上記方法は、それぞれリニア画像の第1の高シリーズ及び第1の低シリーズに基づいて、及び、リニア画像の第2の高シリーズ及び第2の低シリーズに基づいて、高交点及び低交点のうちの1つをゴブの所定の端部が通過する間のゴブの所定の端部の第1及び第2の垂直移動の瞬間速度をコンピュータ計算することを含み、この交点をゴブの所定の端部が通過する間のゴブの所定の端部の垂直移動の瞬間速度は、この交点をゴブの所定の端部が通過する間のゴブの所定の端部の第1及び第2の垂直移動の瞬間速度の平均値としてコンピュータによって決定される。
【0018】
場合によっては、上記方法は、決定されたシリーズの先端リニア画像から末端リニア画像までの決定されたシリーズの全ての連続するリニア画像についての位置差を合計することによって、先端部と末端部との間のゴブ高さをコンピュータ計算することを含む。
【0019】
場合によっては、上記方法は、コンピュータ決定することを含み、
上記コンピュータ決定することは、所定のゴブのいくつかのセグメントの集合について、
各セグメントに対応する第1の高リニア画像の第1の高シリーズにおいて及び第1の低リニア画像の第1の低シリーズにおいて、第1の水平測定軸に沿って、第1の高交点と低交点との間における高リニア画像と低リニア画像との間の集合の各セグメントの第1の水平移動の量を決定することと、
各セグメントに対応する第2の高リニア画像の第2の高シリーズにおいて及び第2の低リニア画像の第2の低シリーズにおいて、第2の水平測定軸に沿って、第1の高交点と低交点との間における各セグメントの第2の水平移動の量を決定することと、
を含み、
さらに、上記方法は、
それぞれ2つの異なる水平軸に沿った、高交点と低交点との間のゴブの水平移動の平均速度の2つの水平成分、及び/又は、
2つの水平軸の周りの高交点と低交点との間のゴブの2つの回転角、及び/又は、
高交点と低交点との間を落下する間のゴブの変形、
の集合の各セクションの水平移動の量をコンピュータによって推定するステップを含む。
【0020】
場合によっては、上記方法は、ゴブの、
第1の水平方向に沿ったゴブの第1の直径、
第1の水平方向とは異なる第2の水平方向に沿った第2の直径、
ゴブの長さ又は高さ、
ゴブの体積、
のうちの少なくとも1つの幾何学的寸法をコンピュータ測定することを含む。
【0021】
場合によっては、高交点とこれに対応する低交点との間のセグメントの水平移動の量をコンピュータ決定することは、対応する高シリーズ及び低シリーズの高リニア画像及び低リニア画像におけるセグメントの少なくとも同じ点の位置を検出することを含む。このような場合のいくつかの変形例では、上記同じ点は、セグメントのエッジ点のうちの1つ、セグメントの2つのエッジ点の間の中間点、又は高リニア画像及び低リニア画像においてその画像が認識可能な点である。
【0022】
場合によっては、第1の高観察軸及び第1の低観察軸は、同じ垂直平面において垂直方向に沿って重ね合わされている。
【0023】
場合によっては、第1の高観察軸と第1の低観察軸とは、互いに平行である。
【0024】
場合によっては、第1の高観察軸及び第1の低観察軸は、理論自由落下経路に垂直である。
【0025】
場合によっては、第1の高観察軸及び第2の高観察軸は、理論垂直自由落下経路の同じ高交点を横切り、及び/又は第1の低観察軸及び第2の低観察軸は、理論垂直自由落下経路の同じ低交点を横切る。
【0026】
本発明はまた、ガラス製品成形設備におけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定する装置に関し、ガラス源と成形キャビティとの間のゴブ装填経路に沿ったゴブの自由落下エリアにおいて、ゴブは、自由落下エリア内に理論垂直自由落下経路を有するとともに、先端部、末端部、及び先端部と末端部との間のゴブ長さを有し、
当該装置は、
少なくとも4つの異なるリニアカメラと、を含むタイプであり、リニアカメラのそれぞれが、光学中心及び対象となるカメラに対して観察されたリニア視野を定義する光軸を有するレンズを有し、リニアカメラは、第1の高カメラ、第1の低カメラ、第2の高カメラ、及び第2の低カメラを備え、
これらのカメラのそれぞれが、互いに異なる第1の高光軸、第1の低光軸、第2の高光軸、及び第2の低光軸を有し、カメラのそれぞれが、観察されたリニア視野の、第1の高リニア視野、第1の低リニア視野、第2の高リニア視野、及び第2の低リニア視野のデジタル画像をそれぞれ形成することができ、ここで、
第1の高リニア視野及び第1の低リニア視野がそれぞれ、対応する光軸と対応する光軸に垂直な水平延在方向とによって定義されたそれぞれの平面に沿って広がり、第1の高リニア視野及び第1の低リニア視野がそれぞれ、第1の高交点及び第1の低交点でそれぞれ理論自由落下経路を横切り、第1の高交点及び低交点が、理論自由落下経路に沿って互いにオフセットされており、
第2の高リニア視野及び第2の低リニア視野がそれぞれ、対応する光軸と対応する光軸に垂直な水平延在方向によって定義されたそれぞれの平面に沿って広がり、第2の高リニア視野及び第2の低リニア視野がそれぞれ、第2の高交点及び第2の低交点でそれぞれ理論自由落下経路を横切り、第2の高交点及び低交点が、理論自由落下経路に沿って互いにオフセットされており、
理論自由落下経路の方向に垂直な平面上への垂直投影において、高光軸は互いに異なり、理論自由落下経路の方向に垂直な平面上への垂直投影において、低光軸は互いに異なる。
【0027】
場合によっては、上記装置は、上述した方法の特徴のいずれか1つを有する方法を実行するようにプログラムされた電子計算ユニットを含む。
【0028】
場合によっては、
上記高光軸は共に、理論自由落下経路の方向に垂直な平面への垂直投影において、投影平面における2つの光軸の投影の収束点を通過する理論自由落下経路に平行な軸の周りに0度と異なりかつ180度と異なる高光軸の偏角を形成し、
上記低光軸は共に、理論自由落下経路の方向に垂直な平面への垂直投影において、投影平面における2つの光軸の投影の収束点を通過する理論自由落下経路に平行な軸の周りに0度と異なりかつ180度と異なる低光軸の鋭角の偏角を形成する。
【0029】
場合によっては、第1の高リニア視野と第1の低リニア視野、及び第2の高リニア視野と第2の低リニア視野はそれぞれ、同じガラス源によって同時に形成されたいくつかのガラスゴブの理論自由落下経路を横切る。
【0030】
本発明はまた、ガラス物品成形設備を制御する方法に関し、上記設備は、ガラス源と、ガラス源の出口に配置され、かつ、分配器内に重力によって落下する連続するゴブを切断するために一定の間隔で作動する少なくとも1つの剪断機とを含み、分配器は、少なくとも1つのゴブ装填経路に沿って上記設備の成形キャビティに向けてゴブを導き、ゴブ装填経路は、剪断機と分配器との間にゴブの自由落下の少なくとも1つのエリアを含み、当該方法は、剪断機と分配器との間のゴブの自由落下エリアにおけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定することを含み、上記測定することは、所定のゴブのいくつかのセグメントの集合について、集合の各セクションの水平移動の量を決定することを含むことを特徴とし、かつ、当該制御方法は、集合の各セクションの少なくとも水平移動の量に応じて、剪断機の少なくとも1つの動作パラメータを調節することを含むことを特徴とする。
【0031】
本発明に係るこのような制御方法は、以下の任意の特徴の1つ以上を単独で又は組み合わせてさらに含みうる。
【0032】
場合によっては、上記調節することは、剪断機の切断点の位置を調節することを含む。
【0033】
場合によっては、上記調節することは、剪断機の少なくとも刃の変位速度を調節することを含む。
【0034】
場合によっては、上記調節することは、剪断機の少なくとも1つの刃の変位速度のプロファイルを調節することを含む。
【0035】
場合によっては、上記調節することは、剪断機の潤滑パラメータを調節することを含む。
【0036】
場合によっては、上記測定することは、高交点と低交点との間のゴブの少なくとも1つのセグメントの水平移動の速度の少なくとも2つの水平成分を決定することを含む。
【0037】
場合によっては、上記測定することは、第1の水平軸の周りのゴブの回転の少なくとも第1の成分を決定することを含み、上記調節することは、剪断機の切断点の位置の成分を調節すること、及び/又は剪断機の少なくとも刃の変位速度の成分を調節すること、及び/又は剪断機の少なくとも1つの刃の変位速度の成分のプロファイルを調節することを含む。
【0038】
場合によっては、上記測定することは、第1の水平軸とは異なる第2の水平軸の周りのゴブの回転の少なくとも第2の成分を決定することを含み、上記制御方法は、第1の水平軸の周りのゴブの回転の第1の成分、及び、第2の水平軸の周りのゴブの回転の第2の成分に応じて、剪断機の少なくとも1つの動作パラメータを調節することを含む。
【0039】
場合によっては、上記のガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定することは、上述の決定方法の特徴のいずれか1つを有する決定方法を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1は、ガラス物品成形設備の概略図である。
【0041】
図2図2は、本発明に係る測定装置の概略斜視図である。
【0042】
図3図3は、本発明に係る測定装置のリニアカメラの概略斜視図である。
【0043】
図4図4は、本発明に係る方法におけるリニア画像の高シリーズの及び低シリーズの画像の取得のある瞬間を示す概略図である。
図5A図5Aは、本発明に係る方法におけるリニア画像の高シリーズの及び低シリーズの画像の取得の別の瞬間を示す概略図である。
図5B図5Bは、本発明に係る方法におけるリニア画像の高シリーズの及び低シリーズの画像の取得の別の瞬間を示す概略図である。
図5C図5Cは、本発明に係る方法におけるリニア画像の高シリーズの及び低シリーズの画像の取得の別の瞬間を示す概略図である。
図5D図5Dは、本発明に係る方法におけるリニア画像の高シリーズの及び低シリーズの画像の取得の別の瞬間を示す概略図である。
図5E図5Eは、本発明に係る方法におけるリニア画像の高シリーズの及び低シリーズの画像の取得の別の瞬間を示す概略図である。
【0044】
図6図6は、本発明に係る測定装置の同じ高又は低グループの2つのリニアカメラの相対的な配置を示す概略平面図である。
【0045】
図7図7は、本発明の枠組みの中でリニアカメラによって取得されたリニア画像のシリーズの連続画像に関連付けられたゴブ上の垂直座標を示す図である。
【0046】
図8図8は、中間リニア画像に含まれるゴブの画像の先端部及び末端部の2つ以外のゴブのセグメントの画像を含む中間リニア画像について、ゴブの対応するセグメントとのマッチングを示す図である。
【0047】
図9図9は、同じカメラグループに属する2つのカメラの光軸によって決定された平面における位置の立体視によって決定を行う可能性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、ガラス物品成形設備10の例示的な実施形態を部分的かつ概略的に示す。設備10は、特に、成形機11を含み、成形機11は、成形セクション12、又はいくつかの異なる成形セクション12を備え、各成形セクション12は、少なくとも1つの金型キャビティ16を有する少なくとも1つの金型14を含む。設備10は、可鍛性ガラスの、それゆえ高温ガラスの、源18、及び、重力によって可鍛性ガラスのゴブPを成形機11の各金型キャビティ16に分配するガラスゴブPの分配器20を含みうる。既知の態様で、上記設備は少なくとも1つの剪断機22を含みうる。剪断機22は、高温ガラス源18の出口に配置され、かつ、一定の間隔で作動して、源18からの可鍛性ガラスの押出部分を切断するか、あるいはセクションごとに複数の金型キャビティを含む設備について、場合によってはいくつかの部分を並行して同時に切断する。剪断機22は、一般に2枚の刃を含む。剪断機の刃は、パラレルカットアウトと呼ばれるカットアウトのための並進又はシザーカットアウトと呼ばれるカットアウトのための回転の相対移動に従って、好ましくは2つの可動刃を用いて作動する。いくつかの設備では、例えば、セクションがいくつかのブランク金型を含み、かつ、各サイクルで同時にいくつかのゴブが装填される場合、いくつかの剪断機22が存在する可能性がある。
【0049】
本明細書では、剪断機22によって切断された可鍛性ガラスの押出部分をゴブPと呼ぶ。このようなゴブはドロップと呼ばれることもある。ゴブPは、成形方法のこの段階ではゴブと呼ばれる。可鍛性ガラスは、剪断機22によるカットアウトのレベルで、一般に900℃より高い温度、例えば1100℃から1300℃の間の温度を有する。このゴブは、一般にゴブの長さに対応する中心軸を定義可能な長さを有する可鍛性ガラスの中実円筒であるとみなされる。本明細書では、ゴブPが実際には完全な円筒ではないことが理解される。そのため、ゴブPの外側面は、円筒に対して変形していてもよい。同様に、剪断機22による剪断動作から生じるゴブの上端部Pf及び下端部Pdは、一般に中心軸に垂直な平面部を有さない。ただし、ゴブは一般に中心軸に沿って細長い、実質的に円筒形の物体であることが理解されるであろう。この中心軸は、少なくとも理論上は、直線状でありうる。実際には、特にゴブが分配器20内の自身の経路に沿って変形させられるとき、この中心軸は変形させられる。また、本明細書中では、中心軸の曲線寸法をゴブPの長さと呼ぶ。地球の重力の向きに対する垂直軸Z上のこの長さの投影をゴブPの高さと呼ぶ。
【0050】
特に源18及び剪断機22の動作パラメータに応じて、ゴブの断面及びガラスのフローレートが決定されるので、剪断機22の2回の動作間の時間間隔によって、ゴブの長さ、その重量、及びその体積が決定される。可鍛性ガラスの源18は、成形機11の上部に、それゆえ成形セクション12の金型14の上部に配置され、これにより重力によるゴブの分配が可能となる。分配器20は一般に高温ガラス源18と各成形セクションの金型キャビティとの間のいくつかのブランチに沿って延びる。図1は、これらのブランチのうちの1つだけを表している。源18、分配器20、及び剪断機22は、任意の既知のタイプのものとすることができるので詳細には説明しない。
【0051】
中空ガラス物品を形成する機械は、金型の充填ステップと、その後の連続的なプレス及び/又はブローのステップとを組み合わせた様々な方法を実行する。説明の明確性のために、例として、プレス・アンド・ブロー法又はブロー・アンド・ブロー法と呼ばれる既知の方法に係るボトルの成形ステップの例を採用する。
【0052】
ボトル成形機において、各成形セクション12は、いくつかの金型、例えば、一方がブランク金型であり、他方がブロー金型である2つの金型、を含みうる。各セクションは、一組のブランク金型と一組の仕上げ金型を含む場合があり、一組の金型は、同じ成形セクションのいくつかの金型から構成され、同じ成形ステップに関連し、かつ、一般に同時に開閉する。この場合、所定のゴブが分配器20によってブランク金型、例えば、圧縮空気のブローによって又はパンチの貫通によって実行される穿孔動作と呼ばれる第1の成形動作をゴブが受ける成形セクションのブランク金型、へ案内されることが理解される。次に、移送システム(図示せず)は、第1の成形動作を受けたゴブ、つまりブランク、をブランク金型から取り外して第2の金型に移すことができ、第2の金型は、一般にブロー金型と呼ばれ、そこでブランクは少なくとも第2の成形動作を受けることができ、最後の動作は仕上げ動作と呼ばれる。一般に、成形セクションの各金型は、2つのハーフ金型を含み、これらは、分割平面に垂直な方向に沿って互いに移動可能であり、分割平面では、2つのハーフ金型が閉じた位置で接触している。図1は、成形セクション12について1つの金型14のみを示すが、本発明は、当然のことながら、成形セクションごとにいくつかの金型を含むマルチゴブ設備と呼ばれる設備にも適用される。
【0053】
セクション12は、単一の金型キャビティ16を含みうる。ただし、上述したように、特にマルチゴブ設備では、異なる成形セクション12のそれぞれが、少なくとも2つの異なる成形キャビティ16を含みうる。というのも、マルチゴブ設備は、一般にいくつかの金型を含み、まれにいくつかのキャビティを有する金型を含むからである。
【0054】
一般に、高温ガラス源18は、剪断機22を介して、成形セクション内にある成形キャビティと同数のゴブを同時に送る。従って、各成形セクションにゴブが次々と連続的に供給されることが理解される。従って、高温ガラス源18の同じ出口を通って次々に供給される2つの成形セクションを設けることができる。従って、これら2つのセクションは同時には供給されない。
【0055】
従って、分配器20は、剪断機22によって切断されたゴブを収集し、それぞれが切断されたゴブを成形キャビティ16に対応する装填経路28に沿った成形セクションの成形キャビティの方へと導く。異なる成形キャビティに対する装填経路は、共通部分及び特定部分を含む。特定部分は、1つの成形キャビティに対応する装填経路の一部であり、分配器によってこの成形キャビティの方へと導かれるゴブだけを伴う。従って、分配器20はゴブを案内及び切換する手段を含む。これらの案内及び切換手段は、スクープ(cuilleres)、スロー(goulottes)、ディフレクタ等を含むことができ、そのうちいくつかは、少なくともダイバータを構成するために可動式である。分配器では、スロー、ディフレクタ、及びダイバータが、ゴブの装填経路を決定する。
【0056】
図1の例では、分配器20を案内及び切換する手段は、実際、源18と金型14との間の装填経路に沿って連続的に、スクープ20a、スロー20b、及びディフレクタ20cを含む。一般に、スクープ20aは、位置及び向きが調節可能である。特に、いくつかのセクションを含む機械の場合、スクープ20aは、源から出て来るゴブを収集し、それらをいくつかの成形セクションに対応するいくつかのスローのうちの1つへ向かわせるように、垂直軸の周りに回転可能でありうる。スクープ20aの後、ゴブPはスロー20bによって支持され、次いで、ディフレクタ20cは、このディフレクタ20cに対応するキャビティ16の方向にゴブを方向付けるように、ゴブをそらせる。一部の設備では、スクープの入口に、つまり自由落下の終了点に、漏斗及び/又はゴブ加速器が設けられうる。例えば、ゴブ加速器は、ゴブを加速させて押し込むように、空圧動作を使用する。この動作は、各ゴブが対象とするセクション及び/又はキャビティに応じて異なってもよい。
【0057】
図示した例では、ゴブの装填経路の特定部分であるゴブの装填経路の最初の部分は、高自由落下エリア24であり、ゴブはそれに沿って案内されず、地球の重力の影響下で垂直方向の案内なしに、剪断機22と分配器20のスクープ20aとの間に落下する。
【0058】
図示した例では、ゴブの装填経路の特定部分であるゴブの装填経路の最後の部分は、低自由落下エリア26であり、ゴブはそれに沿って案内されず、重力の影響下で垂直方向の案内なしに、金型キャビティ16において分配器20のディフレクタ20cの出口で落下する。
【0059】
スクープ20aとまさに同様に、スロー20b及びディフレクタ20c等の分配器の様々な要素は、ゴブが金型キャビティ16の方へ正確に案内されるように、位置及び向きが調節可能である。ディフレクタ20cの設定は、装填経路の終了点、特にキャビティの開口の軸に対する経路の位置、の決定に寄与することに留意することが重要である。
【0060】
ボトル成形機において、ゴブの成形動作の制御及び同期、剪断機22の剪断動作、金型の移動、高温ガラス源18のパンチの移動、ブロー、移送等は、以前はネジスタッドを有する溝付きドラムを使用することによって、機械的に行われていた。ネジスタッドの各スタッドは調節可能であり、シリンダを制御するバルブを機械的に制御する作用を有する。新しい機械には、今や電子制御装置が、つまりプログラマブル・ロジック・コントローラが装備されており、これにより空圧又は電気エネルギで動作するアクチュエータ等、あらゆるタイプのアクチュエータを用いて移動を駆動することが可能となる。後で詳説するように、電子制御装置は、センサ又はアクチュエータ、同期信号、センサから届く設備の状態についての制御信号又は情報を含み、あらゆる内部又は外部の部材と、例えば有線、無線、又は混合タイプの通信ネットワークによって、やり取りすることができる。ただし、プログラマブル・ロジック・コントローラは、依然として非常に特殊なプログラミングを備えたシステムであり、周期的逐次プログラムに限定されている。電子制御装置は、例えば、周期的逐次プログラムを実行しうるが、内部モデル制御、多変数調整アルゴリズム、シミュレーション、最適化も統合しうる。
【0061】
本発明の一態様によれば、設備10は、ガラス物品成形設備における、ガラスゴブPの自由落下の運動学的特性を測定する少なくとも1つの装置30を含む。この測定装置30は、リニアカメラに基づく光学装置であるので、ガラス源18と成形キャビティ16との間のゴブ装填経路に沿ってゴブの自由落下エリアでゴブPを観察できるように、設備内に配置される。上記の例では、ゴブPの経路に沿って、設備が高自由落下エリア24及び低自由落下エリア26を有することが理解される。設備には、高自由落下エリア24用の第1の測定装置及び/又は低自由落下エリア26用の第2の測定装置を装備することができる。以下では、高自由落下エリア24におけるゴブPを観察できるように設備内に配置された、運動学的特性を測定する装置30を含む設備の場合について詳細に説明する。
【0062】
自由落下エリア、特に高自由落下エリア24では、ゴブPは地球の重力の作用のみを受け、少なくとも高自由落下エリア24では、ゴブPは自由落下エリアにおいて垂直な理論自由落下経路28.24を有するとみなされる。加えて、この高自由落下エリアでは、ゴブPは、この垂直落下中に、理論垂直配向を有し、その中心軸は垂直と推定され、かつ、理論垂直自由落下経路28.24と一致するとみなされる。従って、自由落下中のこの理論垂直配向において、ゴブPは垂直方向に沿って、先端部Pdつまり下方端部又は下端部、末端部Pfつまり上方端部又は上端部、及び先端部Pdと末端部Pfとの間のゴブ長さを有するとみなされる。もちろん、この理論配向は実際の上での理論上であって、測定装置30によりゴブの実際の向きとこの理論配向との間の差を知ることができることが理解されるであろう。
【0063】
図2及び3からより詳細に理解されるように、測定装置30は、少なくとも4つの異なるリニアカメラ32.1h、32.1b、32.2h、32.2b(共通の参照符号32によって集合的に及び/又は大まかに指定されうる)であって、各カメラが、光学中心(図6のC1h、C1b、C2h、C2bを参照)と、光軸36.1h、36.1b、36.2h、36.2b(共通の参照符号36によって集合的に及び/又は大まかに指定されうる)であって、対象となるカメラについて、観察されたリニア視野34.1h、34.1b、34.2h、34.2b(共通の参照符号34によって集合的に及び/又は大まかに指定されうる)を定義する光軸と、を有するレンズ33.1h、33.1b、33.2h、33.2b(共通の参照符号33によって集合的に及び/又は大まかに指定されうる)を含む。従って、これら4つのリニアカメラは、第1の高カメラ32.1h、第1の低カメラ32.1b、第2の高カメラ32.2h、及び第2の低カメラ32.2bを備え、各カメラは、互いに異なる第1の高光軸36.1h、第1の低光軸36.1b、第2の高光軸36.2h、及び第2の低光軸36.2bをそれぞれ有する。「高」と「低」の概念は、地球の重力の垂直方向に沿った向きを意味する。
【0064】
各リニアカメラ32は、リニア光電センサを含み、それゆえ光電素子の列で構成されており、リニアカメラ32のレンズ33は、レンズ33を介してセンサによって見られたリニア視野34の撮影画像を光電素子の列の上に形成する。センサは、時間的に連続する撮影、デジタル、及びリニア画像を提供するように連続的に取得される画像信号を送信する。センサは可視光領域において感度の高いセンサとすることができ、市場で広く入手可能であって、妥当なコストで十分な性能を有するセンサ及びレンズを使用することが可能となる。ただし、これは、赤外線領域においても感度が高いセンサ、又は赤外線領域においてのみ感度が高いセンサの使用を除外するものではない。リニアカメラ32のそれぞれについて、カメラ32のレンズ33がカメラの光軸36を決定する。カメラ32のレンズ33はテレセントリックレンズであることができ、従来のレンズであってもよい。
【0065】
従って、リニアカメラ32のそれぞれは、4つのカメラが合計4つのリニア視野34、それぞれ第1の高リニア視野34.1h、第1の低リニア視野34.1b、第2の高リニア視野34.2h、及び第2の低リニア視野34.2b、を定義するように、このカメラに対応するリニア視野34のデジタル画像を形成することができる。1つのカメラに対応するリニア視野34は、リニアカメラ32の光軸36によって定義される平面の方向に沿って、かつ、上記光軸に垂直であってリニア光電センサを構成する光電素子の列に対応する延在方向に沿って広がる。
【0066】
そのため、第1の高リニア視野34.1h及び第1の低リニア視野34.1bはそれぞれ、対応する光軸36.1h、36.1bによって定義されるそれぞれの平面に沿って、かつ、このリニア視野34に関連付けられたリニアカメラ32の対応する光軸36.1h、36.1hに垂直な水平延在方向に沿って広がる。
【0067】
第1の高リニア視野34.1h及び第1の低リニア視野34.1bはそれぞれ、第1の高交点40.1h及び第1の低交点40.1bで理論自由落下経路28.24を横切り、第1の高交点及び低交点は、垂直方向のオフセットによって理論自由落下経路28.24に従って互いにオフセットされている。第1の高交点40.1hと第1の低交点40.1bとの間のこの垂直方向のオフセットは、たとえゴブが見えにくい環境であっても後述する方法を実行できるようにするために、ゴブの予想される公称長さよりも厳密に小さいことが有利でありうる。
【0068】
第2の高リニア視野34.2h及び第2の低リニア視野34.2bはそれぞれ、対応する光軸36.2h、36.2bによって定義されるそれぞれの平面に沿って、かつ、このリニア視野34に関連付けられたリニアカメラ32の対応する光軸に垂直な水平延在方向に沿って広がる。第2の高リニア視野34.2h及び第2の低リニア視野34.2bはそれぞれ、第2の高交点40.2h及び第2の低交点40.2bで理論自由落下経路を横切り、第2の高交点及び低交点は、垂直方向のオフセットによって理論自由落下経路の方向に沿って互いにオフセットされている。第2の高交点と低交点との間のこの垂直方向のオフセットも、有利には、上記と同じ利点により、ゴブの予想される公称長さよりも厳密に小さくなりうる。
【0069】
図面から理解されるように、高光軸、つまり第1の高光軸36.1h及び第2の高光軸36.2hは、自由落下エリアの立体視を可能にするように、理論自由落下経路の方向に垂直な平面上への垂直投影において互いに異なる。換言すれば、第1の高光軸36.1h及び第2の高光軸36.2hは、垂直方向に上下に重なり合わず、一致しない。そのため、自由落下エリアの立体視を得るために、2つの高カメラ32.1h及び32.2hは一致せず、180度正対向もせず、垂直方向に上下に平行に直接重ね合わされもしない。
【0070】
図面から理解されるように、低光軸、つまり第1の低光軸36.1b及び第2の低光軸36.2bは、自由落下エリアの立体視を可能にするために、理論自由落下経路の方向に垂直な平面上への垂直投影において互いに異なる。換言すれば、第1の低光軸36.1b及び第2の低光軸36.2bは、垂直方向に上下に重なり合わず、一致しない。そのため、自由落下エリアの立体視を得るために、2つの低カメラ32.1b及び32.1bは一致せず、180度正対向もせず、垂直方向に上下に平行に直接重ね合わされもしない。
【0071】
図6から理解されるように、高光軸、つまり第1の高光軸36.1h及び第2の高光軸36.2hが共に、理論自由落下経路28.24の方向に垂直な平面への垂直投影において、理論自由落下経路28.24の周りに、又は、それに平行で投影平面における2つの光軸の投影の収束点を通過する軸の周りの場合に、高光軸の偏角Aopthを確実に形成することが好ましく、それは、0度と異なりかつ180度と異なり、これはリニア視野が交差する広いエリアを確保できるようにするためであり、そのエリア内で2つの異なる視点から同じゴブを表示することができ、これによりこの交差エリアの任意の点について、立体視効果によって2つの水平方向に沿ったゴブの幾何学的及び位置的特性を決定することが可能となる。
【0072】
図6は垂直投影図である。図2、3、及び6に示した例では、低リニアカメラ32.1b、32.2bは同じものであり、かつ、高リニアカメラ32.1h、32.2hと同じように配置されているため、図6では、これらの全ての要素は、高リニアカメラ32.1h、32.2hの対応する要素に重ね合わされて表されている。低光軸、つまり第1の低光軸36.1b及び第2の低光軸36.2bが共に、理論自由落下経路28.24の方向に垂直な平面への垂直投影において、理論自由落下経路28.24の周りに、又は、上記投影平面における2つの光軸の投影の収束点を通過する軸の周りの場合に、低光軸の偏角Aoptbを形成し、それは、0度と異なりかつ180度と異なり、これにより立体視効果によって2つの方向に沿ったゴブの幾何学的及び位置的特性を決定することが可能となる。
【0073】
好ましくは、図面に示すように、第1の高光軸36.1h及び第2の高光軸36.2h、又は少なくとも理論自由落下経路28.24の方向に垂直な平面におけるそれらの垂直投影は、高リニアカメラ32.1h、32.2hの前に位置する収束点で、すなわちそれらのレンズに対してカメラのセンサの反対側で、収束する。同様に、好ましくは、第1の低光軸36.1b及び第2の低光軸36.2b、又は少なくとも理論自由落下経路28.24の方向に垂直な平面におけるそれらの垂直投影は、図面に示すように、低リニアカメラ32.1b、32.2bの前で収束する。平行又は発散性の高光軸、及び/又は平行又は発散性の低光軸はありうるが、最適ではない。
【0074】
図4から理解されるように、自由落下中、それゆえに所定のゴブPは、第1の低カメラ32.1bの第1の低リニア視野34.1bを通過する前に、まず第1の高カメラ32.1hの第1の高リニア視野34.1hを通過する。同時に、同じゴブは、第2の低カメラ32.2bの第2の低リニア視野32.2bを通過する前に、まず第2の高カメラ32.2hの第2の高リニア視野34.2hを通過する。所定のリニアカメラ32の前では、所定のゴブPの末端部Pfが所定のカメラの前を通過する前に、所定のゴブPの先端部Pdが所定のカメラの前を通過する。
【0075】
図示した例では、第1の高カメラ32.1hの第1の高光軸36.1h及び第1の低カメラ32.1bの第1の低光軸36.1bは、同一垂直平面において垂直方向に沿って重ね合わされている。図示した例では、第2の高カメラ32.2hの第2の高光軸36.2h及び第2の低カメラ32.2bの第2の低光軸36.2bは、同一垂直平面において垂直方向に沿って重ね合わされている。
【0076】
図示した例では、低光軸36.1b、36.2b間の低光軸の偏角Aoptbは、高光軸36.1h、36.2h間の高光軸の偏角Aopthと同一である。この配置は決して必須ではないが、以下で説明する計算を容易にする。
【0077】
いくつかの実施形態では、第1の高光軸36.1h及び第1の低光軸36.1bによって定義される平面は、対象となる自由落下エリアにおけるゴブの理論垂直経路28.24も含む平面である。この配置は、特に、測定装置30がゴブの単一の所定の理論自由落下経路に対して実行される場合に使用することができる。
【0078】
さらに、図6は、上述した4つのリニアカメラ32を備える同じ測定装置30を使用する場合を概略的に示し(図6では、第1の高カメラ32.1h及び第2の高カメラ32.2hのみが見えるが、同じ図を複製して、第1の低カメラ32.1b及び第2の高カメラ32.2bの状況を表すことができる)、これにより、少なくとも2つの異なる成形キャビティに向かう同じガラス源18からの少なくとも2つのゴブについて、同じ自由落下エリア24内で、少なくとも2つの理論垂直自由落下経路28.24及び28’.24を観察することが可能となる。少なくとも対象となる自由落下エリア24において、2つの理論垂直自由落下経路28.24及び28’.24は平行であり、かつ、それらの共通の垂直方向に垂直な水平方向に沿って互いにオフセットされている。図6は、4つのリニアカメラ32の光軸36が、2つの理論自由落下経路のうちの第1の経路28.24を横切るように配置されている特定の場合、光軸36.1h、36.2h、…がそれぞれ高交点及び低交点でこの経路28.24と交差するという意味で、を表す。一方、2つの理論垂直自由落下経路28.24及び28’.24は、互いに水平方向にオフセットされているため、4つのカメラ32.1h、32.2h、…の光軸36.1h、36.2h、…は、第2の理論垂直自由落下経路28’.24と交差できないことが理解される。それにもかかわらず、この同じ測定装置30の4つのリニアカメラ32.1h、32.2h、…に対応する4つのリニア視野34.1h、34.2h、…は、設備に対する4つのリニアカメラ32.1h、32.2h、...の向きを変更することなく、4つのリニア視野34.1h、34.2h、…のそれぞれに対応する高交点及び低交点40’.1h、40’.1b、40’.2h、40’.2bで、この第2の理論垂直自由落下経路28’.24をも横切る。そのため、一般に、測定装置30は、第1の高リニア視野34.1h及び第1の低リニア視野34.1b、並びに第2の高リニア視野34.2h及び第2の低リニア視野34.2bのそれぞれが、同じガラス源によって同時に形成されたいくつかのガラスゴブの理論自由落下経路を横切るように配置されうる。実際、「マルチゴブ」分配器は広く普及しており、場合によっては2、3、又は4つのタンクオリフィスを有する独立した2、3、又は4つのプランジャ、及び2、3、又は4対の同期又は非同期のハサミを使用して、一般に2、3、又は4つのゴブを並行して送る。
【0079】
従って、この場合、各所定の理論自由落下経路について、かつ、測定装置30の4つのリニアカメラ32.1h、32.2h、…のそれぞれについて、対象となるカメラによる所定の理論自由落下経路の観察軸37.1h、37.2h、…を定義することができる。対象となるリニアカメラによる、所定の理論自由落下経路のこの観察軸37.1h、37.2h、…は、対象となるリニアカメラ32.1h、32.2h、…のリニア視野34.1h、34.2h、...に含まれる軸であって、それは、対象となるカメラのレンズ33の光学中心を通過し、かつ、この観察軸が対応する交点でこの所定の理論自由落下経路28’.24と交差するという意味で、所定の理論自由落下経路、例えば第2の理論自由落下経路28’.24を横切る。これらの条件下で、測定装置30は、第1の理論自由落下経路28.24に沿って落下するガラスゴブだけでなく、測定装置30の4つのリニアカメラ32.1h、32.2h、…のリニア視野34.1h、34.2h、…によっても横切られる第2の理論垂直自由落下経路28’.24に沿って落下するガラスゴブの自由落下の運動学的特性をも測定することを可能とする。リニアカメラ32の光軸36.1h、36.2h、…が所定の理論自由落下経路(特に図6に示されるように、第1の理論自由落下経路28.24)を横切るとき、対象となるリニアカメラ32の光軸36.1h、36.2h、…と、所定の理論自由落下経路28.24を対象となるリニアカメラ32.1h、32.2h、…のレンズの光学中心に結ぶ観察軸37.1h、37.2h、…とが一致する。
【0080】
図6に示した例では、リニアカメラ32.1h、32.2hのそれぞれの光軸36.1h、36.2h、…が、測定装置30の4つのリニアカメラ32.1h、32.2h、…のリニア視野34.1h、34.2h、…によって横切られる複数の理論自由落下経路のうちの同じ理論自由落下経路を横切ることが理解される。ただし、変形例として、4つのリニアカメラ32.1h、32.2h、…のリニア視野34.1h、34.2h、…が複数の理論自由落下経路を横切り、リニアカメラ32.1h、32.2hの光軸36.1h、36.2h、…が、上記複数の理論自由落下経路のうちのいかなる理論自由落下経路も横切らないように、又は、リニアカカメラ32.1h、32.2hの光軸36.1h、36.2h、…が全て、上記複数の理論自由落下経路のうちの同じ理論自由落下経路を横切らないように、4つのリニアカメラを配列しつつ、測定装置30を配置することもできる。そのため、第1の高カメラ及び第1の低カメラの光軸が、(第2の理論自由落下経路を横切ることなく)第1の理論自由落下経路を横切り、かつ、第2の高カメラ及び第2の低カメラの光軸が、(第1の理論自由落下経路を横切ることなく)第2の理論自由落下経路を横切る構成を得ることができる。
【0081】
図示した例では、第1の高カメラ32.1hの第1の高光軸36.1hと第1の低光軸36.1bとは、同一垂直平面において重なり合い、さらに互いに平行である。このような平行性により、測定の精度が向上し、かつ、関連する運動方程式の決定が容易になる。ただし、この平行性は必須ではない。また、図示した例にあるように、第2の高カメラ32.2hの第2の高光軸36.2hと第2の低光軸36.2bとが同じ垂直平面において重ね合わされると有利であり、それらがさらに互いに平行であるとさらに有利である。
【0082】
好ましくは、測定装置30の4つのリニアカメラ32の光軸36は全て水平であり、それゆえ理論垂直自由落下経路の方向に直交する。これは、これらの光軸の1つがこれらの理論垂直経路の1つと交差する場合と同様であり、これらの光軸の1つがこれ又はこれらの理論垂直経路と交差しない場合と同様である。この場合、所定の理論自由落下経路28.24の交点を対応するリニアカメラ32.1h、32.2h、…のレンズの光学中心に結ぶ観察軸37.1h、37.2h、…もまた、理論自由落下経路が何であれ、水平である。
【0083】
好ましくは、第1の高交点40.1h、40’.1h及び第2の高交点40.2h、40’.2hは、所定の理論自由落下経路28.24、28’.24について一致する。換言すれば、この場合、第1の高カメラ32.1h及び第2の高カメラ32.2hは、これらのレンズを通して、ゴブの理論垂直自由落下経路の同じ点が見えるように配置される。同様に、好ましくは、第1の低交点40.1b、40’.1b及び第2の低交点40.2b、40’.2bは、所定の理論自由落下経路28.24、28’.24について一致する。
【0084】
上述から理解できるように、測定装置30は、4つのリニアカメラ32を備え、これらは共に、2つのカメラの2つのグループを構成するとみなされることができ、カメラの高グループは、第1の高カメラ32.1h及び第2の高カメラ32.2hを備え、カメラの低グループは、第1の低カメラ32.1b及び第2の低カメラ32.2bを備える。
【0085】
好ましくは、カメラの高グループの2つのカメラは、理論垂直自由落下経路28.24の同じ高交点40.1hを含むリニア画像を取得し、従って、ゴブがこの点を通過する際のゴブの同じセグメントのリニア画像を取得する。カメラの高グループの2つのカメラは、高交点40.1hに対して空間内の異なる点に配置されているため、ゴブの同じセグメントのリニア画像が2つの異なる視点から取得され、これにより、立体視によって2つの異なる水平方向に沿ったこのセグメントの幾何学的及び位置的特性を決定することが可能となる。カメラの低グループの2つのカメラにも同じことが当てはまる。上記例では、カメラの高グループの2つのカメラは、それぞれの光軸が理論垂直自由落下経路28.24の周りに、180度と異なる非ゼロ角度Aopthを形成するように配置されている。典型的に、カメラの高グループの2つのカメラは共に、それぞれの光軸が理論垂直自由落下経路28.24の周りに、5度から90度の範囲に含まれる角度Aopthを形成するように配置される。
【0086】
さらに、測定装置の4つのリニアカメラ32は共に、2つのカメラの2組を構成するとみなされることができ、各組は高カメラ及び低カメラを備える。高カメラ及び低カメラを備えるカメラの組を用いて、ガラスゴブの自由落下の運動学的特性を決定することができる。カメラの2組、それぞれの組が高カメラ及び低カメラを備えるが、カメラの光軸は2つの異なる組に属し、180度と異なる非ゼロ角度を一緒に形成する、を用いて、ガラスゴブの自由落下の三次元における運動学的特性を決定することができる。
【0087】
実際、測定装置30は、ゴブの自由落下経路が、測定装置30の4つのリニアカメラ32の4つのリニア視野を横切るとき、ガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定する方法を実行するようにプログラムされた電子計算ユニット42を含むか、又はそれに接続されている。電子計算ユニット42は、例えば、データ取得基板及び/又は施設11内のコンピュータの形態で作製されることができ、それは、測定装置30の4つのカメラ32のそれぞれによって取得された連続するリニアデジタル画像のシリーズを収集する。電子処理ユニット42は、測定装置30専用とすることもできるし、設備10の他の機器と共用とすることもできる。
【0088】
図1の例は、設備10が、制御及び監視コンピュータシステム44を含むことを示し、電子計算ユニット42がその一部を構成しうるか、又は、電子計算ユニット42はそれとコンピュータによって通信しうる。実際、そのような設備では、全ての要素の動作が必然的に連係されており、規則的なサイクルに従う。例えば、分配器20は、成形機11のサイクルに従って設備の制御及び監視中央ユニットによって監視される。成形機11は一般に、例えば異なるセクションの金型14のかわるがわるの開閉を監視する1つ以上の制御ユニットをも含み、制御ユニットは、成形動作を制御し、場合によっては、ブランクを仕上げ金型に移送するための部材、又は形成された容器をブロー金型から容器搬送コンベアに移送する手段を制御し、溶融ガラスを選択された温度でガラス源18へ持ってくる前炉を制御し、さらに、ガラス源18の1つ以上のプランジャ17及び/又はシリンダ19の動作を制御し、剪断機22等を制御する。機械及び/又は設備の電子制御ユニットは、それぞれ異なっていても完全に同じであってもよいが、設備の制御及び監視コンピュータシステム44に属し、従って、機械の及びその種々の成形セクションの動作サイクルに関する情報を有することが不可欠である。コンピュータシステム44は、少なくとも1つの標準的なコンピュータを備えることができ、従って、少なくとも1つのマイクロプロセッサ、1つ以上の電子メモリユニット、及び1つ以上のディスプレイ(スクリーン、プロジェクタ、ホログラフィック・ディスプレイ等)、入力インターフェイス(キーボード、マウス、タッチパッド、タッチ・スクリーン等)、及び/又は通信インターフェイス(USB、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、ジグビー(登録商標)等)を含む。コンピュータシステムは、ネットワーク上の1つ以上の他のコンピュータと、又は例えばインターネット又はイーサネット(登録商標)プロトコルによって他のネットワークと、データを共有するコンピュータネットワークを備えうる。リニアカメラ32への自明な接続に加えて、コンピュータシステム44は、設備の状態についての情報を提供するセンサに、及び/又は設備のアクチュエータ(コンベヤ、エジェクタ等)に接続されうる。コンピュータシステムは、1つ以上のリモートコンピュータサーバを含む、ローカル又はリモートで保存される及び/又は実施される1つ以上のソフトウェアを実装する。この又はこれらのソフトウェアは、好ましくは、以下に説明するように、ゴブの自由落下の運動学的特性を測定する方法を実行するようにプログラムされた1つ以上のソフトウェアを含む。特に、電子計算ユニット42は、そのような方法を実行するようにプログラムされうる。
【0089】
第一に、上記方法は、例えば、上述した測定装置30の異なる4つのリニアカメラ32を用いて、連続するリニアデジタル画像の少なくとも4つのシリーズを取得することを含むことができ、リニア画像の所定のシリーズの各画像は、これらの4つのリニアカメラ32のうちの1つによって取得された自由落下エリアの観察視野のリニア画像である。
【0090】
そのため、リニア画像の4つのシリーズは、第1の高カメラ32.1hによって取得された第1の高シリーズ、第1の低カメラ32.1bによって取得された第1の低シリーズ、第2の高カメラ32.2hによって取得された第2の高シリーズ、及び第2の低カメラ32.2bによって取得された第2の低シリーズを含む。そのため、取得されたリニア画像の4つのシリーズは、自由落下エリア、例えば高自由落下エリア24、における第1の高リニア視野34.1h、第1の低リニア視野34.1b、第2の高リニア視野34.2h、及び第2の低リニア視野34.2bのリニア画像にそれぞれ対応する。
【0091】
所定の理論自由落下経路について、リニア画像の4つのシリーズの画像はそれぞれ、対応する交点40.1h、40.1b、40.2h、40.2bの画像を含み、従って、相互に区別される第1の高観察軸37.1h、第1の低観察軸37.1b、第2の高観察軸37.2h、及び第2の低観察軸37.2bに沿ってそれぞれ取得され、かつ、上述のように、対応するリニアカメラによって決定され、観察軸は上記交点を通過し、かつ、対象となるシリーズに対応するカメラの光学中心を通過する。
【0092】
所定の理論自由落下経路、例えば、図6の2つの理論自由落下経路28.24及び28’.24のいずれかについて、第1及び第2の高観察軸は共に、理論自由落下経路の方向に垂直な平面への垂直投影において、理論自由落下経路の周りに0度と異なりかつ180度と異なる高観察偏角Aobsh、Aobsh’を形成する。そのため、ゴブの同じセグメントの2つのリニア画像が、2つの異なる視点から、かつ、揃っていない2つの異なる観察方向で取得され、これにより、立体視の原理に従って、2つの水平方向に沿ったゴブの幾何学的及び位置的特性を決定することが可能となる。好ましくは、高観察偏角Aobsh、Aobsh’は、理論自由落下経路の周りの10°から170°の角度の範囲に含まれる。2つの観察軸の方向の間の最小角度が10度である場合、互いに垂直な2つの水平方向に沿ったゴブの幾何学的および位置的特徴を得るために、2つの観察軸が互いに垂直である必要はないことに注意して、互いに垂直な2つの水平方向に沿ったゴブの幾何学的及び位置的特性に関して十分な精度を得るために視点間に十分な差があることが確認される。高観察偏角Aobsh、Aobsh’は、装置のコンパクト性を向上し、設備への組み込みを容易にするために、有利には、10°から45°の範囲、又は10°から25°の範囲に含まれうることに留意されたい。これにより、高光軸の偏角Aopthが、10°から45°の範囲、さらには10°から25°の範囲に含まれうる。
【0093】
同様に、所定の理論自由落下経路、例えば、図6の2つの理論自由落下経路28.24及び28’.24のいずれかについて、第1及び第2の低観察軸37’.1b、37’.1hは好ましくは共に、理論自由落下経路の方向に垂直な平面への垂直投影において、同じ利点に基づき、理論自由落下経路の周りに0度と異なりかつ180度と異なる低観察偏角Aobsb、Aobsb’を形成する。同様に、互いに垂直な2つの水平方向に沿ったゴブの幾何学的及び位置的特徴を十分な精度で得るために、低観察偏角は、理論自由落下経路の周りの10°から170°の角度の範囲に含まれることが好ましい。同様に、低観察偏角Aobsb、Aobsb’は、装置のコンパクト性を向上し、設備への組み込みを容易にするために、有利には、10°から45°の範囲、又は10°から25°の範囲に含まれうる。これにより、低光軸の偏角Aoptbが、10°から45°の範囲、さらには10°から25°の範囲に含まれうる。
【0094】
同じシリーズの、すなわち同じリニアカメラ32によって取得された、任意の2つの画像の取得間の、及び、2つの異なるシリーズの、すなわち測定装置30の2つの異なるリニアカメラによって取得された、任意の2つの画像間の時間差が決定可能である。例えば、同じシリーズの2つの連続する画像の取得間の時間差は、少なくとも既知の変動を伴うか又は既知の関数に従って、予め決定され、好ましくは一定であり、そのため、シリーズの任意の2つの連続する又は非連続の画像の取得間の時間差を決定するためは、シリーズの画像の取得の瞬間がわかれば十分である。同様に、2つの異なるシリーズの任意の2つの画像の取得間の時間差を決定するためには、例えば、第1のシリーズの参照画像(例えば、ゴブの識別可能な点を含む画像)の取得と、別のシリーズの参照画像(例えば、ゴブの同じ識別可能な点を含む画像)の取得との間の時間差がわかれば十分である。
【0095】
図4~5A~5Eは、ゴブが測定装置30の前を通過する際における、その理論自由落下経路28.24上のゴブの異なる連続位置を示している。
【0096】
図4は、瞬間td1hにおけるゴブPを示しており、ここでは、その先端部Pdは、リニアカメラ32の組、ここでは例えば2つのリニアカメラ32.1h、32.1bの第1の組、の高交点40.1hにある。図5Aは、その後の瞬間における同じゴブPを示しており、ここでは、その先端部Pdは、リニアカメラ32の同じ組の高交点40.1hを超えているが、低交点40.1bにはまだ到達していない。図5Bは、その後の瞬間td1bにおける同じゴブPを示しており、ここでは、その先端部Pdは、低交点40.1bに到達している。ゴブPの末端部Pfが高交点40.1hにまだ到達していないことは、リニアカメラのこの組、ここではリニアカメラの第1の組、の高交点と低交点との間の垂直方向のオフセットがゴブの長さよりも厳密に小さいという事実を示していることに留意されたい。図示されていないが、リニアカメラの組の2つのリニアカメラによってゴブPの2つの異なるセグメントが観察されるより後の瞬間が存在し、これらの2つのセグメントはゴブの端部セグメントとは異なる。図5Cは、その後の瞬間tf1hにおける同じゴブPを示しており、ここでは、その末端部Pfは、リニアカメラ32の組の高交点40.1hにある。図5Dは、その後の瞬間における同じゴブPを示しており、ここでは、その末端部Pfは、リニアカメラ32の同じ組の高交点40.1hを超えているが、低交点40.1bにはまだ到達していない。この瞬間、低カメラ、ここでは第1の低カメラ32.1b、は、依然としてゴブPの先端部Pdと末端部Pfとの間に位置するゴブPのセグメントを観察している。図5Eは、その後の瞬間tf1bにおける同じゴブPを示しており、ここでは、その末端部Pfは、低交点40.1bに到達している。装置30は、ゴブ全体を包含する観察視野を有することができない設備において、ゴブの特性を測定することを可能にすることを思い出されたい。垂直方向のオフセットは、例えば10mmから100mmの範囲に含まれるリニアカメラの組の高交点と低交点との間で選択されることに留意されたい。従って、ほとんどのアプリケーションにおいて、この垂直方向のオフセットはゴブの公称長さよりも短く、例えば100から250mmの範囲に含まれ、例えば150mmでありうる。ゴブの公称長さは調節可能である。言うまでもなく、上述した装置30は、実際のゴブが、カメラの組の高交点と低交点との間の垂直方向のオフセットよりも短い長さを有する場合であっても機能する。実際、例えば、公称長さよりも短い長さ(例えば80mm)のゴブを生産するように設備を調節することができる一方で、設備環境がそれを許せば、リニアカメラの組の高交点と低交点との間の垂直方向のオフセットは、このゴブ長さより長く、例えば、100mmに等しくなりうる。上述した測定方法及び装置は、今回も、両端部と高交点及び低交点とが一致する瞬間の異なるシーケンスで動作し、それは、td1h、tf1h、td1b、tf1bの順序である。
【0097】
所定のシリーズにおいて、このシリーズに対応するリニアカメラ32による、2つの連続する画像の取得間の時間差、つまりリニアカメラ32の取得周期は、リニアカメラ32のリニア視野34において、ゴブの先端部Pdの通過と同じゴブPの末端部Pfの通過とを区切る時間の合間に、ゴブのいくつかの連続する画像をリニアカメラ32が取得するように十分に短くされている。好ましくは、リニアカメラ32のリニア視野34において、ゴブの先端部Pdの通過と同じゴブPの末端部Pfの通過とを区切る時間間隔内で、リニアカメラ32は、例えば1mmゴブについて1から100のリニア画像、例えば1mmゴブについて10の画像、を取得する。換言すれば、高さ18cmのゴブについて、リニアカメラ32は、ゴブの約1,800のリニア画像を取得する。その結果、その取得周波数が少なくとも5kHz、好ましくは少なくとも10kHz、例えば40kHzであるリニアカメラが選択されることが好ましい。
【0098】
典型的に、そのリニア光電センサが、少なくとも512の、好ましくは少なくとも1,024又は2,048以上の、光電素子の列で構成されているカメラを、垂直方向の数量における精度を高めるために5kHzより大きい、好ましくは10kHzより大きい取得周波数を維持する条件で、使用することができる。
【0099】
視野34.1h及び34.2h(それぞれ34.1b及び34.1h)が互いに平行である場合、それらは水平に対して同じ画角を定義し、同じグループの2つのリニアカメラによって取得された所定のセグメントについて、同じグループの2つのリニアカメラによって取得されたこのセグメントのリニア画像は、特にゴブの先端又は末端のセグメントについて、水平に対する同じ画角によるこの同じセグメントの画像である。同様に、視野34.1h及び34.1b(それぞれ34.2h及び34.2b)が互いに平行である場合、それらは水平に対して同じ画角を定義し、同じ組のカメラの2つのリニアカメラによって取得された特定のセグメントについて、同じ組の2つのリニアカメラによって取得されたこのセグメントのリニア画像は、水平に対する同じ画角によるこの同じセグメントの画像である。どちらの場合も、これにより、ゴブのそのような先端部又は末端部の通過の瞬間を、この端部の形状とは無関係に検出することが可能となる。そのような端部の形状が、剪断機によって実行される切断動作に依存する限り、これは歓迎すべきことであり、観察点に応じて異なるプロファイルを持つことができる、それゆえ、それは観察点から、水平に対する画角に従って、すなわちその画像が対象とするグループの又は組のリニアカメラに従って、観察される。4つの視野が互いに平行であることはさらに有利である。上記装置は、空間におけるセンサ及びレンズの位置決めの精度が、機械光学アセンブリの精度によって制限されることを認識して、視野34.1h、34.2h、34.1b、及び34.1hの可能な限り最良の平行性を提供するように設計されている。
【0100】
図8は、所定のリニアカメラのリニア視野におけるゴブPの通過時間中に所定のリニアカメラによって取得されたリニア画像の組を示す。この画像の組は、画像のより大きなシリーズ、つまりカメラの動作時間中に所定のリニアカメラによって取得されたリニア画像のシリーズ、の一部である。この組は、シリーズのリニア画像をコンピュータで識別することによって決定され、ゴブの先端部Pdの画像が現れるものはゴブ先端画像I1と呼ばれ、同じゴブの末端部の画像が現れるものはゴブのリニア末端画像ILと呼ばれる。従って、この画像の組は、リニアカメラ32:I1,I2,I3,…,I(i-1),Ii,…,I(L-2),I(L-1),ILによって取得された数Lの連続するリニア画像から構成される。各画像において、ゴブのセグメントの画像の有無は、例えば、可視範囲で非常に明るいことが思い出されるゴブと背景との間のコントラストの検出によって、コンピュータで決定されうる。
【0101】
そのため、同じゴブPについて、画像の4つの組が得られ、各組がリニアカメラ32の1つに対応していることが理解される。各組について、組の第1の画像つまりゴブ先端画像I1を、それぞれの対応するシリーズにおいてコンピュータで簡単に識別することができ、ゴブ先端画像I1には、ゴブの先端部Pdの画像が、例えば、シリーズのいくつかのゴブの画像を含まない画像に続くゴブの画像を含む最初の画像であるように現れる。また、各シリーズについて、組のリニア末端画像ILを、コンピュータで簡単に識別することができ、リニア末端画像ILには、ゴブの末端部Pfの画像が、例えば、シリーズのいくつかの連続するゴブの画像を含まない画像の前のゴブの画像を含むシリーズの最後の画像であるように現れる。一方、ゴブの先端画像I1と末端画像ILとの間の中間画像については、単純な画像解析によっては、ゴブのどのセグメントが画像に含まれているかを正確に決定することはできない。実際、落下中ずっと、ゴブは地球の重力の作用のみを受けるとみなされ、これは、ゴブが地球の重力に等しい一定の加速度を持ち、すなわち速度が常に変化することを意味する。また、この方法はさらに、先端部及び末端部の2つ以外のゴブのセグメントの画像を含む中間リニア画像について、中間リニア画像に含まれるゴブの画像とゴブの対応するセグメントとをマッチングすることを提供する。
【0102】
リニアカメラ32の同じ組の2つのカメラに対応する、すなわち高カメラ及び低カメラに対応する、リニア画像の2つのシリーズから、このリニアカメラの組に対応する2つの高交点と低交点との間のゴブの一つの端部の(つまり端部セグメントの)の平均垂直速度(Vz_moy_d及び/又はVz_moy_f)を決定することができる。これは、それぞれがゴブの先端部及び末端部のうちのゴブの同じ所定の端部の画像を含む高リニア画像及び低リニア画像をコンピュータ特定することと、高リニア画像の取得と低リニア画像の取得との間の時間差を推定することと、を含む。
【0103】
そのため、例えば、高カメラに対応するリニア画像の高シリーズにおけるゴブの先端画像I1.1h(ゴブの末端画像IL.1h)、及び低カメラに対応するリニア画像の低シリーズにおけるゴブの先端画像I1.1b(ゴブの末端画像IL.1b)の決定から、これら2つの画像の取得間の時間差を決定することができる。高及び低リニアカメラの2つについて、これらの画像取得周期が同じ取得定数Ta(つまり取得周波数Fa=1/Ta)であり、同期されている場合、この時間差はOd/Fa(Of/Fa)に等しく、ここで、Odは、リニア画像の高シリーズにおけるゴブ先端画像I1.1hの取得と、低カメラに対応するリニア画像の低シリーズにおけるゴブ先端画像I1.1bの取得との間の画像取得周期の数である(Ofは、リニア画像の高シリーズにおけるゴブの末端画像IL.1hの取得と、リニア画像の低シリーズにおけるゴブの末端画像IL.1bの取得との間の画像取得周期の数である)。
【0104】
また、測定装置のこれら2つの高及び低リニアカメラにそれぞれ対応する高交点と低交点との間の実際の距離Dは、施工によって、好ましくは、例えば測定装置を校正する前段階のステップによって、知ることができる。Dは、カメラの対象となる組に応じて決まるものであるが、カメラの組の高及び低画像におけるゴブの経路の位置にも依存しうる。
【0105】
その上、ゴブの先端部の平均垂直速度Vz_moy_d(これに対応するゴブの末端部の平均垂直速度Vz_moy_f)は、高交点と低交点の2つの間の実際の距離Dを、高及び低シリーズの2つにおけるゴブの2つの先端画像I1.1hとI1.1bとの間(ゴブの2つの末端画像IL.1hとIL.1bとの間)の時間差で除した値である。図4及び図5A~5Eの例に戻ると、例えば、
Vz_moy_d=D/(td1b-td1h)、及び/又は、
Vz_moy_f=D/(tf1b-tf1h)であり、
また、
Vz_moy_d=D*Fa/Od、及び/又は、
Vz_moy_f=D*Fa/Of
と記述することができる。
【0106】
この平均垂直速度は、高カメラ及び低カメラを含むリニアカメラの組に対応する、リニア画像の4つのシリーズのうちの2つだけを使用して取得されうることに留意されたい(上記例では、第1の組のカメラの使用が示されている)。ただし、他の高カメラ及び他の低カメラを含むリニアカメラの他の組に対応する、リニア画像の他の2つのシリーズを用いてこれと同じ計算を実行することができる。カメラの2つの組が同じ高交点及び同じ低交点を持つように配置されている場合、結果は同じになるはずである。実際には、測定誤差はわずかに異なる結果をもたらす場合がある。この場合、高交点と低交点との間のゴブの所定の端部の平均垂直速度を、この端部の2つの平均垂直速度の算術平均であるとして、決定することを選択することができ、これら2つの平均速度は、リニアカメラの2つの組のいずれかを用いてそれぞれ計算される。
【0107】
この方法はさらに、高交点及び低交点のうちの1つをゴブの少なくとも1つの所定の端部が通過する際のゴブの端部の垂直移動の瞬間速度をコンピュータ計算することを提供する。この瞬間速度は、実際に、この所定の端部の高リニア画像の取得とこの所定の端部の低リニア画像の取得との間の時間差から、かつ、自由落下体の運動学の法則を適用することによって、推定されうる。
【0108】
実際、計算を簡単にするため、初期垂直速度ゼロの場合に唯一地球の重力「g」の影響を受けると仮定し、時間の原点として、ゴブPが垂直落下経路に従って垂直方向に自由落下を開始する瞬間t0=0を任意に採用する。例えば、この瞬間は、ゴブPが剪断機22によって切断され、落下し始める瞬間に対応しうる。従って、時間測定の原点として採用したこの瞬間から、ゴブの任意の点の垂直方向の瞬間速度は、次の関係に従って時間tに応じて変化する。
Vz_inst_par(t)=g*t
【0109】
速度ゼロの時点に対応する時間t0=0の原点を選択することは必須ではないことに留意されたい。時間t0の原点は任意に選択されうるが、ゴブPが剪断機22によって切断され、落下し始める瞬間の後であることが好ましい。そのため、時間t0の原点を、ゴブPが剪断機22によって切断される瞬間と、2つの高カメラのうちの少なくとも1つによってゴブPを含む最初の画像が取得される瞬間との間で選択することができる。このような取り決めにより、時間t0=0のこの原点では、ゴブの速度は時間の原点でのゴブの速度v0であり、これはゼロではない。しかし、この場合であっても、時間の原点でのゴブの速度v0は、4つの異なる方法で決定されうる。ゴブの先端点とカメラの第1の組とを使用して、時間の原点でのゴブの速度v0は、次の関係式で定められる。
V0=D/(td1b-td1h)-0.5*g*(td1b+td1h)
ゴブの末端点と、ゴブの先端点及び末端点の2つのためのカメラの第2の組とを使用して、次の関係式を用いてv0の値の4倍である合計値を決定することができる。
V0=D/(tf1b-tf1h)-0.5*g*(tf1b+tf1h)
V0=D/(td2b-td2h)-0.5*g*(td2b+td2h)
V0=D/(tf2b-tf2h)-0.5*g*(tf2b+tf2h)
【0110】
時間の原点でのゴブのこの速度v0が、ゴブPが剪断機22によって切断され、落下し始める瞬間の後の時間t0の原点に対して任意に選択されるこの仮説では、依然として、上記4つの関係式によって得られた値の算術平均を使用して、避けられない測定誤差を平均化することを選択することができることに留意されたい。
【0111】
どちらの場合も、例えば、ゴブPの先端部Pdと、リニアカメラ32.1h及び32.1bの第1の組によって取得されたリニア画像のシリーズとを考慮すると、高交点40.1hをゴブの先端部Pdが通過する瞬間td1hと、低交点40.1bをゴブの先端部Pdが通過する瞬間td1bとの間で、ゴブの先端部Pdの瞬間垂直速度は、
第1の高交点における、Vz_inst_d.1h=Vz_inst_par(td1h)、から
第1の低交点における、Vz_inst_d.1b=V_inst_par(td1b)、へ、
変化し、
ここで、Vz_inst_par(td1b)-Vz_inst_par(td1h)=g*(td1b-td1h)、であり、
ここで、td1b-td1h=Od/Fa、であり、
そのため、
Vz_inst_d.1b-Vz_inst_d.1h=g(td1b-td1h)=g*Od/Fa、である。
しかしさらに、
Vz_moy_d=[Vz_inst_par(td1b)+Vz_inst_par(td1h)]/2=D*Fa/Od、であり、
そのため、
Vz_inst_d.1h=Vz_moy_d-[Vz_inst_d.1b-Vz_inst_d.1h]/2、であり、
その上、第1の高交点40.1hにおけるゴブの先端部Pdの瞬間垂直速度Vz_inst_d.1hが、
Vz_inst_d.1h=(D*Fa/Od)-(g*Od/2*Fa)
と等しく、かつ、
第1の低交点40.1bにおけるゴブの先端部Pdの瞬間垂直速度Vz_inst_d.1 bが、
Vz_inst_d.1b=(D*Fa/Od)+(g*Od/2*Fa)
と等しいことが得られる。
【0112】
同様に、第1の高交点40.1hにおけるゴブの末端部Pfの瞬間垂直速度Vz_inst_f.1hが、
Vz_inst_f.1h=(D*Fa/Of)-(g*Of/2*Fa)
と等しく、かつ、
第1の低交点40.1bにおけるゴブの末端部Pfの瞬間垂直速度Vz_inst_f.1bが、
Vz_inst_f.1b=(D*Fa/Of)+(g*Of/2*Fa)
と等しいことを証明することができる。
【0113】
そのため、交点、ここではゴブの所定の端部の垂直移動の瞬間速度に対応する高交点、をゴブの所定の端部が通過する際のゴブの所定の端部の垂直移動の瞬間速度、例えば先端部Pdの垂直移動の瞬間速度Vz_inst_d.1h、がコンピュータ計算することによって決定される。
【0114】
ここでは、所定の端部について、高カメラ及び低カメラを含む所定の組を用いて取得された高及び低画像の2つのシリーズの組を使用して、行ったことに留意されたい。そのため、高交点及び低交点のうちの1つをゴブの所定の端部が通過する間のゴブの所定の端部の垂直移動の第1の瞬間速度(この速度は、一方では先端部及び末端部に対して与えられ、他方では高交点及び低交点に対して与えられた)は、リニア画像の第1の高シリーズ及び第1の低シリーズに基づいて、計算された。同じ所定の端部について(すなわち先端部及び/又は末端部に関して、これは高交点のレベル及び/又は低交点のレベルでの端部の通過について)、他の高カメラ及び他の低カメラを含む他の組で取得された高画像及び低画像の2つのシリーズの2つの組の他方を用いて、もちろん同じコンピュータ計算を行うことができる。また、高交点及び低交点のうちの1つをゴブの所定の端部が通過する間のゴブの所定の端部の垂直移動の第2の瞬間速度は、リニア画像の第2の高シリーズ及び第2の低シリーズに基づいて、計算することができる。結果は同じになるはずである。実際には、測定誤差はわずかに異なる結果をもたらす場合がある。この場合、高交点及び低交点のうちの1つをゴブの所定の端部が通過する間のゴブの所定の端部の垂直移動の瞬間速度を、この端部の第1及び第2の瞬間垂直速度の算術平均であるとして、決定することを選択することができ、これら2つの平均速度は、リニアカメラの2つの組のいずれかを使用いてそれぞれ計算される。
【0115】
これにより、ゴブの中間セグメント、その先端部Pd及び末端部Pfの2つを除く、の画像を含む中間リニア画像について、中間リニア画像に含まれるゴブの画像とゴブの対応するセグメントの画像とのマッチングが可能となる。そうするために、ゴブの所定の端部の垂直移動の瞬間速度に対応する交点をゴブの所定の端部が通過する際のゴブの所定の端部の垂直移動の瞬間速度、及び、対象となる中間リニア画像の取得からゴブの所定の端部の垂直移動の上記瞬間速度に対応する交点をゴブの端部が上記通過するまでの経過時間、に応じて、自由落下体の運動学の法則が適用される。
【0116】
このマッチングは、図7及び図8に象徴的に示されている。上記で示したように、図8は、所定のリニアカメラのリニア視野におけるゴブPの通過時間中に所定のリニアカメラによって取得されたリニア画像の組を示す。ここでは、画像のこの組は、リニアカメラ32:I1、I2、I3、…、I(i-1)、Ii、…、I(L-2)、I(L-1)、IL、によって取得された数Lの連続するリニア画像で構成されている。また、図7及び図8には、垂直方向を表す軸Sが示されており、軸Sは、この軸上にゴブの先端部Pdに対応する垂直座標S1を有する。この垂直座標S1は、ゴブPに関連付けられた、より具体的にはゴブの先端部Pdに関連付けられた、相対座標であり、それは、空間における又は理論自由落下経路上のゴブの先端部Pdの絶対座標に必ずしも対応するとは限らない。従って、S1=0という取り決めを任意に採用することができる。同様に、ゴブの先端部Pdからゴブの末端部Pfに向かう方向にSの値が増加することが任意に定義される。従って、軸Sはゴブに関連付けられた基準フレームであり、この基準フレームは単一の目盛付き垂直軸である。上記で示したように、ゴブのリニア画像の組において、ゴブの先端部Pdに対応する先端画像I1をコンピュータによって認識する方法を知ることによって、先端画像I1とゴブの先端部Pdを表す垂直座標S1とをマッチングすることができる。
【0117】
次に、同じシリーズの任意の2つの画像の取得間の時間差が決定可能であることを示した。例えば、同じシリーズの2つの連続する画像の取得間の時間差は、一定であるか又は既知の関数に従う。このようにして、先端画像I1に続く、組の全ての中間リニア画像Ii、つまりこの例では画像I2、I3、…、I(i-1)、Ii、…、I(L-2)、I(L-1)、ILについて、中間リニア画像の取得の瞬間tiを決定することができる。
【0118】
このマッチングを実行するために、ゴブの2つの対象となるセグメント間の位置差hiを決定することから始めることができ、ゴブのそれぞれの画像は、リニア画像の所定のシリーズの2つの連続するリニア画像I(i-1)及びIiに含まれる。
【0119】
これら2つの画像は、2つの連続する取得瞬間t(i-1)及びtiで撮影された。
【0120】
瞬間tiでは、それはゴブのセグメントPiであり、セグメントPiは、ゴブ上に、つまり検討対象のシリーズに対応する交点(それゆえ、第1の高シリーズを考慮した場合、第1の高交点)で、垂直座標Si=S(ti)を持つという取り決めを採用することができる。従って、このセグメントPiは、画像Iiに現れるセグメントである。同様に、垂直座標S[i-1]=S(t(i-1))は、ゴブP上のゴブのセグメントP(i-1)の垂直座標であり、セグメントP(i-1)は、瞬間t(i-1)で、検討対象のシリーズに対応する同じ交点(それゆえ、ここでも第1の高交点)にある。従って、このセグメントP(I-1)は、画像I(i-1)に現れるセグメントである。
【0121】
従って、この取り決めにより、ゴブの2つの対象となるセグメント間の位置差hiは、hi=S(ti)-S(t(i-1))と記述することができ、2つの対象となるセグメントのそれぞれの画像は、リニア画像の所定のシリーズの2つの連続するリニア画像I(i-1)及びIiに含まれる。位置差hiは、瞬間ti-1と瞬間tiとの間で対象となるカメラのリニア視野に対するゴブの相対変位であるとしてみなされることもでき、この変位の速度は、ゴブの自由落下の瞬間速度、例えば瞬間tiでのVz_inst_f.1h、である。
【0122】
対象となるシリーズについての先端画像I1の取得に対応する瞬間t1を、基準として採用することができる。ただし、第1の高シリーズについて、この瞬間t1は、第1の高交点40.1hでのゴブの先端部Pdの通過に対応する上述した瞬間td1hである。上記では、S1は、ゴブの先端部Pdに対応する垂直座標を参照することが理解された。従って、S(t1)=S1である。上記では、S(t1)=S1=0という取り決めを採用することができることが理解された。
【0123】
ただし、一般に、ゴブの瞬間垂直速度は、ゴブの任意の点について、
Vz_inst_par(ti)=g*(ti-t1)+Vz_inst_par(t1)
であることが推定される。
【0124】
時間に関する積分により、瞬間t1で、検討対象のシリーズに対応する交点にある、ゴブのセグメントPiのゴブ上の垂直座標S(ti)が決定される。従って、このセグメントは、対応するシリーズの画像Liに現れるセグメント、
S(ti)=(1/2)*g*(ti-t1)^2+Vz_inst_par(t1)*(ti-t1)+S1
である。
【0125】
そのため、第1の高シリーズについて、t1=td1h及びVz_inst_par(td1h)=Vz_inst_d.1hという記法によると、
Vz_inst_par(ti)=g*(ti-td1h)+Vz_inst_d.1h
=g*(ti-td1h)+(D*Fa/Od)-(g*Od/2*Fa)
であり、かつ、時間に関する積分により、瞬間tiで、第1の高交点にある、ゴブのセグメントのゴブ上の垂直座標S(ti)が特定される。従って、このセグメントは、第1の高シリーズの画像Liに現れるセグメント、
S(ti)=(1/2)*g*(ti-td1h)^2+Vz_inst_d.1h*(ti-td1h)+S1
である。
【0126】
このようにして、上述した位置差hi=S(ti)-S(t(i-1))を簡単に計算することができる。
【0127】
また、所定のシリーズにおいて、垂直座標SLと垂直座標S1との差であるとして、ゴブPの高さHを簡単に計算することができる。ここで、垂直座標SLは、ゴブの末端部Pfに対応し(瞬間tLで取得されるため、SL=S(tL)となる)、垂直座標S1は、ゴブの先端部Pdに対応し、式H=SL-S1=S(tL)-S(t1)となる。
【0128】
図示した例では、同じシリーズの2つの連続する画像の取得間の時間差は一定であるので、第1の高シリーズについて、ti-td1h=i*Ta=i/Faとなり、よって、
S(ti)=(i^2)*g/(2*Fa^2)+i*(D/Od)-(g*Od/2*Fa)*i/Fa+S1
=(i^2)*g/(2*Fa^2)+i*[(D/Od)-(g*Od/(2*Fa^2))+S1
を得ることができる。
【0129】
そのため、瞬間tiで、検討対象のシリーズに対応する交点にある、ゴセグメントPiのゴブ上の位置差hi、及び/又は垂直座標S(ti)は、
一方では、2つの対象となるセグメントの1つを含む連続するリニア画像のうちの1つIiと、他方では、上記の発展させた例において、ゴブの先端部の画像を含む、決定されたシリーズの先端リニア画像と、の間で決定されたシリーズにおけるリニア画像の数、
決定されたシリーズに対応する交点、この例では高交点、をゴブの先端部が通過する際のゴブの先端部の垂直移動の瞬間速度、
決定されたシリーズについてのリニア画像の取得頻度「Fa」、及び、
重力定数「g」、
に応じて表わされうる。
【0130】
瞬間tiで検討対象のシリーズに対応する交点にある、ゴブのセグメントPiのゴブ上の位置差hi、及び/又は垂直座標S(ti)は、
一方では、2つの対象となるセグメントの1つを含む連続するリニア画像の1つIiと、他方では、上記の発展させた別の例において、ゴブの末端部の画像を含む、決定されたシリーズの末端リニア画像と、の間で決定されたシリーズにおけるリニア画像の数、
決定されたシリーズに対応する交点、この例では高交点、をゴブの末端部が通過する際のゴブの末端部の垂直移動の瞬間速度、
特定されたシリーズについてのリニア画像の取得頻度「Fa」、及び、
重力定数「g」、
に応じて表わされうる。
【0131】
さらに他の例によれば、低リニア画像のシリーズが使用されうる。
【0132】
そのため、所定のリニアカメラのリニア視野におけるゴブの通過時間中に所定のリニアカメラによって取得されたリニア画像の組の各リニア画像について、画像に映し出されたゴブセグメントのゴブ上の位置が決定されるに至る。このようにして、画像のこの組の全て又は一部をコンピュータ分析することによって、この所定のリニアカメラに対応する交点における幾何学的特性(セグメントの幅、空間におけるセグメントの絶対位置)が決定されうる。
【0133】
ゴブのいくつかのセグメントについて、ここでは高カメラ及び低カメラを備える上記装置のリニアカメラの第1の組に対応する2つのシリーズについてであるが、このマッチング動作を実行することによって、これらのいくつかのセグメントについて、第1の水平測定方向に沿って、高交点と低交点との間のセグメントの水平変位特性を決定することができる。
【0134】
ゴブのいくつかのセグメントについて、ここでは高カメラ及び低カメラを備える上記装置のリニアカメラの第2の組に対応する2つのシリーズについてであり、第2の組のカメラは第1の組のカメラとは異なり、かつ第1の組のカメラとは異なる観察軸に沿ってそれぞれの交点を観察するが、このマッチング動作を実行することによって、これらのいくつかのセグメントについて、第2の水平測定方向に沿って、高交点と低交点との間のセグメントの水平変位特性を決定することができる。
【0135】
そのため、測定装置30を用いて、ゴブのいくつかのセグメントについて、ここでは装置30のリニアカメラの第1及び第2の組に対応するリニア画像の4つのシリーズについてであるが、このマッチング動作を実行することができる。
【0136】
そのため、特に、ゴブの少なくとも2つの異なるセグメントについて、例えば、コンピュータによって、
高交点と低交点との間における、互いに異なる、それぞれ第1の水平測定軸に沿った及び第2の水平測定軸に沿った、セグメントの第1及び第2の水平移動の量の組、
又は、高交点と低交点との間における、互いに異なる、それぞれ第1の水平測定軸に沿った及び第2の水平測定軸に沿った、セグメントの第1及び第2の水平移動の平均速度の組、
を決定することを提供することができる。
【0137】
水平測定軸に沿ったセグメントの水平移動の量は、水平方向のオフセット、又は、高交点と低交点との間の空間におけるこのセグメントの水平位置の差に対応する。
【0138】
高交点と低交点との間におけるセグメントの水平移動の量の決定は、例えば、カメラの同じ組の対応する高シリーズ及び低シリーズの高リニア画像における及び低リニア画像におけるセグメントの少なくとも同じ点の位置の検出を含みうる。
【0139】
セグメントのこの同じ点であって、その位置が対応する高シリーズ及び低シリーズの高リニア画像及び低リニア画像において決定される点は、セグメントのエッジ点であることができ、リニア画像で見られるゴブのセグメントのエッジに対応し、それゆえゴブの外側側壁の点に対応し、ゴブがほぼ円筒形又は実質的に円筒形であることが想起される。
【0140】
セグメントのこの同じ点は、セグメントの2つのエッジ点の間の中間点であることができ、これらの2つのエッジ点は、リニア画像に見られるゴブのセグメントの2つのエッジに対応し、それゆえゴブが円筒形又は実質的に円筒形である場合、ゴブの外側側壁の直径方向に対向する2つの点に対応する。
【0141】
図9は、本発明に係る装置30を使用して、同じカメラグループに属する2つのカメラの光軸によって決定された平面において、ゴブセグメントの点の位置の決定を行う可能性の1つを概略的に示す。より具体的に、リニア画像の2つのシリーズに属する同じセグメントの2つの画像であって、それぞれが測定装置30の2つのリニアカメラの同じ(高又は低)グループの第1及び第2のカメラによってそれぞれ取得された画像を使用してゴブセグメントの点の位置を決定する方法を以下に説明する。従って、ゴブセグメントの点の位置を決定するこの方法は、立体視の原理を適用することによって、2つの異なる水平測定軸に沿ったこの点の位置を得ることを可能とする。例では、カメラの高グループについて説明するが、この例は、カメラの低グループについては、「必要に応じて」拒否することができる。当業者にとって、立体視の原理を適用することによって、平面において、平面の任意の基準フレームに対して、2つのカメラによって観察された任意の点の座標を三角測量によって計算する方法は公知であることが理解される。
【0142】
図9は、第1の高カメラ32.1h及び第2の高カメラ32.2hのそれぞれの第1の高観察軸37.1h及び第2の高観察軸37.2hを表す。リニアカメラ32.1h、32.2hによって定められた理論自由落下経路28.24の観察軸は、対象となるカメラのレンズ33.1h、33.2hの光学中心C1h、C2hを通過する軸であり、これは、対応する交点、ここでは高交点40.1h、で定められたこの理論自由落下経路28.24と交差することを上記で定義したことに留意されたい。これら2つのカメラの2つの光軸の交点が高交点40.1hである場合、カメラの観察軸はその光軸と一致する。これら2つの観察軸37.1h、37.2hは平行ではないが、高交点40.1hで同時に存在し、従って、これらは好ましくは水平である観察平面において同一平面上にある。定義上、高交点は、2つの観察軸によって定義されたこの高観察水平面に属する。対象となる理論自由落下経路28.24に属する高交点40.1hは、対象となる2つのカメラの2つの光軸の交点と一致するため、及び/又は例えば前段階の校正動作によって、既知である。
【0143】
図9は、観察平面におけるその位置が決定されるべき点Mを通過する第1の観察ビーム39.M1hを示す。点MはゴブPのセグメントPiに属する点であり、高及び低リニア画像の2つの取得の瞬間において、高交点の高さにある。点Mは、例えば、第1の高カメラによって取得されたこのセグメントのリニア画像で見られるように、ゴブのセグメントPiの2つのエッジ点間の中間点でありうる。この例では、点Mは、2つの観察軸によって定義された観察平面において、高交点40.1hから距離Dだけオフセットされている。
【0144】
図9は、観察平面におけるその位置が決定されるべき同じ点Mを通過する第2の観察ビーム39.M2hを示す。第2の観察ビーム39.M2hは、第2のカメラ、ここでは第2の高カメラ32.2h、のレンズの光学中心C2hを通過し、点Mを通過する。点Mは、例えば、第2のカメラによって取得されたこのセグメントのリニア画像で見られるように、ゴブのセグメントの2つのエッジ点間の中間点でありうる。中間点の例では、2つの異なる角度から見た、ゴブのセグメントの2つのエッジ点間の中間点が同じであるという単純化した仮定がなされる。この場合、点Mは、ゴブセグメントPiの断面の中心であるとみなされうる。
【0145】
2つのリニアカメラ32.1h、32.2hのそれぞれについて、このカメラによって取得されたセグメントのリニア画像において、点Mの画像とリニア画像における基準点との間の画像差が、コンピュータによって決定される。この例では、この基準点は、各カメラについて、このカメラの観察軸の像点であるが、例えば光軸の像点等の別の基準点を採用することもできる。第1のカメラによって取得されたリニア画像における基準点と第2のカメラによって取得されたリニア画像における基準点との組み合わせは、この例では、観察軸の交点に対応する。観察平面における基準点の場所は、この点を通過する観察ビームの交点を計算することによって得られる。
【0146】
従って、画像差は、各カメラについて、最初はピクセル数で決定される。既知の方法において、この画像差から、対象となるリニア画像における前提となる基準点に対する点Mの実際の差、つまりこの例では点Mと対象となるカメラの観察軸との間の実際の差、を推定することができる。この実際の差は、第1のカメラについては第1の測定軸に沿って、第2のカメラについては第2の測定軸に沿って、測定される。2つの測定軸は対象となるカメラの観察軸に、ここでは対象となるカメラの観察軸に対して垂直であることによって、それぞれ関連付けられている。測定装置の配置及び特徴(例えば、観察平面におけるカメラの光学中心の位置、光軸の向き、センサの位置又は焦点距離)を知ることによって、画像の差と実際の差とを関連付ける関係を導き出す方法を知ることができる。従って、この例では、第1の観察軸に垂直な測定軸X1に沿った、点Mと第1のカメラの観察軸との間の実際の差「ra」と、第2の観察軸に垂直な測定軸X2に沿った、点Mと第2のカメラの観察軸との間の実際の差「rb」とが得られる。2つの測定軸X1とX2とは平行ではないため、実際の差「ra」及び「rb」は、交点、ここでは高交点、に対する観察平面における点Mの位置を定義する。さらに、観察平面は校正によって知られうるので、三次元空間における点Mの位置を知ることができる。
【0147】
これら2つの実際の差から、観察平面(この例では水平である)の垂直軸X及びYの基準上の点Mの投影座標(dx,dy)を定義することができ、垂直軸X及びYは、リニア画像における前提となる基準点、つまりこの例では高交点40.1h、で交差する。この垂直基準フレームの軸Yは、第1のリニアカメラ32.1hの観察軸31.1hと角度「a」を形成し、第2のリニアカメラ32.2hの観察軸37.2hと角度「b」を形成する。
【0148】
垂直軸X及びYの基準フレーム上の点Mの投影座標(dx,dy)は、下記の式で定められる。
dx=(ra*sin(b)-rb*sin(a))/(cos(a)*sin(b)-cos(b)*sin(a))
dy=(ra*cos(b)-rb*cos(a))/(cos(a)*sin(b)-cos(b)*sin(a))
【0149】
そのため、非平行な高観察軸37.1h、37.2hに沿って取得された2つの高リニア画像を利用して、ゴブの任意のセグメントPiの少なくとも1つの代表点の位置をコンピュータ決定できることが証明された。このコンピュータ決定することは、同じセグメントPiについて、非平行な観察軸37.1b、37.2bに沿って取得された2つの低リニア画像を利用して、同様の方法で繰り返されうる。
【0150】
このようにして、非平行な高観察軸37.1h、37.2hに沿って取得された2つの高リニア画像と、非平行な低観察軸37.1b、37.2bに沿って取得された2つの低リニア画像とを利用して、ゴブPの任意だが所定のセグメントPiについて、水平測定軸に沿って、高交点と低交点との間において、ゴブの所定のセグメントPiの少なくとも1つの代表点の位置間の単純な差異によって、セグメントの水平移動の量を決定することができる。このようなセグメントの水平移動の量は、2つの異なる水平測定軸に沿って決定されうる。従って、ゴブPの任意だが所定のセグメントPiについて、高交点と低交点との間における、互いに異なる、それぞれ第1の水平測定軸に沿った及び第2の水平測定軸に沿った、セグメントの第1及び第2の水平移動の量の組が得られる。
【0151】
上述した方法では、任意のセグメントについて、カメラの同じ高又は低グループの第1及び第2のリニア画像に基づいて、水平方向の二次元におけるセグメントの点の位置が決定された。次に、カメラの他の高又は低グループによって取得された2つの低リニア画像に基づいて同じ動作を繰り返すことができ、これにより、同じセグメントについて、カメラこの他のグループのレベルで水平方向の二次元におけるセグメントの基準点の位置を取得することが可能となることを示した。そこから第1及び第2の変位の量が推定された。
【0152】
高カメラ及び低カメラを備えるカメラの第1の組によってそれぞれ取得された第1の高シリーズ及び第1の低シリーズにおいて、最初にゴブの所定のセグメントに対応する第1の高リニア画像及び第1の低リニア画像を特定して、この所定のセグメントの、高リニア画像と低リニア画像との間、つまり第1の高交点と低交点との間における、この第1の水平測定軸に沿った第1の水平移動の量を特定することによって、同じ結果を達成することができることに留意されたい。次に、高カメラ及び低カメラを備えるカメラの第2組によってそれぞれ取得された第2の高シリーズ及び第2の低シリーズにおいて、ゴブの同じ所定のセグメントに対応する第2の高リニア画像及び第2の低リニア画像を特定して、この所定のセグメントの、高リニア画像と低リニア画像との間、つまり第1の高交点と低交点との間における、第2の水平測定軸に沿った第2の水平移動の量を特定することによって、同じ動作を達成することができる。
【0153】
これらの動作は、ゴブの任意の2つのセグメントに対して実行することができ、かつ、所定のゴブのいくつかのセグメントの集合、このような集合には所定のゴブの2つよりも多いセグメントが含まれる可能性があり、それゆえ所定のゴブの少なくとも3つの異なるセグメントが含まれる可能性があるが、に対してでさえ実行することができる。
【0154】
もちろん、高交点と低交点との間における、互いに異なる、それぞれ第1の水平測定軸に沿った及び第2の水平測定軸に沿った、セグメントの第1及び第2の水平移動の平均速度の組を推定することは簡単である。このためには、セグメントの第1及び第2の水平移動の量を、量を決定するために使用された、セグメントの高及び低リニア画像の取得間での経過時間で除すれば十分である。
【0155】
任意のセグメントについて、高交点と低交点との間における、互いに異なる、それぞれ第1の水平測定軸に沿った及び第2の水平測定軸に沿った、セグメントの第1及び第2の水平移動の量の組を知ることができるので、そこから、高交点と低交点との間における、互いに異なる、第1の水平軸の周りの及び第2の水平軸の周りの、ゴブの第1及び第2の回転量の組を推定することができる。
【0156】
この意味において第1の方法では、自由落下中のゴブの変形は無視できるという仮定が必要となる。この場合、好ましくはゴブの長さに沿って互いに離れている、ゴブの2つの異なるセグメントを選択するだけで十分である。次に、ゴブの第1のセグメントに属する第1の代表点を通り、かつ、ゴブの第2のセグメントに属する第2の代表点を通る直線であるとして、ゴブ配向直線を決定することができる。2つのセグメントのそれぞれについて、非平行な高観察軸37.1h、37.2hに沿って取得された2つの高リニア画像を利用して、2つのセグメントの2つの代表点が高観察平面を通過するときの連続する位置に基づいて、このゴブ配向直線の第1の向きを決定することができる。また、2つのセグメントのそれぞれについて、非平行な低観察軸37.1b、37.2bに沿って取得された2つの低リニア画像を利用して、2つのセグメントの2つの代表点の位置に基づいて、このゴブ配向直線の第2の向きを決定することができる。このゴブ配向直線の2つの向きを比較することによって、高交点と低交点との間において、互いに異なる、第1の水平軸の周りの及び第2の水平軸の周りのそれぞれで、ゴブの回転量を推定することができる。
【0157】
より一般的には、2つの異なる水平軸の周りのゴブの第1及び第2の回転量を決定するために、ゴブの配向直線を、ゴブのいくつかのセグメントPiの代表点の線形回帰の形で定義された直線であるとして決定することもできる。次に、2つよりも多いセグメントを使用する。それぞれ非平行な高観察軸37.1h、37.2hに沿って及び非平行な観察低軸37.1b、37.2bに沿って取得された2つの高リニア画像及び2つの低リニア画像を利用して、ゴブの全てのセグメントを使用することができる。また、2つよりも多いが全てのセグメントより少ないセグメントを備える、セグメントの集合を使用することを選択することができる。そのため、高交点でのゴブの通過について、そのようなゴブ配向直線の向きを決定することができる。このためには、非平行な観察高軸37.1h、37.2hに沿って、これらのセグメントについて、取得された2つの高リニア画像からのいくつかのセグメントの代表点の位置を使用する。また、非平行な観察低軸37.1b、37.2bに沿って、これらのセグメントについて、取得された2つの低リニア画像からのいくつかのセグメントの代表点の位置を使用することによって、低交点でのゴブの通過について、そのようなゴブ配向直線の向きを決定することができる。このゴブの配向直線の2つの向きを比較することによって、高交点と低交点との間における、互いに異なる、それぞれ第1の水平軸の周りの及び第2の水平軸の周りの、ゴブの回転量を推定することができる。
【0158】
ゴブの回転量を決定するために実行された方法にかかわらず、高交点と低交点との間における、互いに異なる、それぞれ第1の水平軸の周りの及び第2の水平軸の周りの、ゴブの第1及び第2の平均回転速度の組を推定することができる。このためには、ゴブの第1及び第2の回転量を、量を決定するために使用された、セグメントの高及び低リニア画像の取得間での経過時間で除する。
【0159】
ゴブを変形不可能とみなすことによって、回転の場合と同じ方法で、2つの異なる方向に沿ったゴブの全体的な水平移動の量を決定することができる。例えば、少なくとも2つのセグメントのそれぞれについて水平移動の量を決定し、次に全てのセグメントの水平移動の量が同じであれば、ゴブの回転はゼロであるので、ゴブの全体的な移動の量を決定することができる。従って、2つの異なる方向に沿った水平移動の平均速度と2つの水平軸の周りの回転とを計算することによって、変形不可能なゴブの運動学を決定することができる。
【0160】
ただし、ゴブは自由落下中に変形することもある、従って、ゴブの少なくとも3つの異なるセグメントの水平移動の量を考慮することができる。水平移動の量が3つのセグメントについて等しい場合、ゴブの純粋な全体的な水平移動が存在している。そうでない場合、セグメントの集合全体を2つずつ考慮することによって、2つのセグメント間に含まれるゴブ部分の回転を計算することができる。これらの回転のうち少なくとも2つが異なる場合、そこから変形を推定する。そして、水平移動の量を移動時間で除すると、いくつかのセグメントの水平移動の量として表された水平方向の変形の平均速度が得られる。換言すれば、各セグメント(少なくとも3つのセグメント)に、高観察平面と低観察平面との間の水平移動の二次元平均速度を割り当てることができる。同じゴブの異なるセグメントの組について、高観察平面と低観察平面との間の水平移動の二次元の平均速度を決定することによって、速度場が得られる。水平移動の二次元平均速度のこの場の分析により、垂直軸回転を除く、高交点と低交点との間のゴブの運動学(水平移動及び回転)を決定することができるだけでなく、自由落下中の変形量及び変形速度を観察及び決定することができる。
【0161】
上記で決定された要素を用いて、三次元空間に従ってゴブの少なくとも1つ以上のセグメントの経路を決定することができる。この経路は、高交点と低交点との間だけでなく、対象となる自由落下エリアにおける低交点を越えて決定されうる。実際、低交点で、三次元空間に従った各セグメントの少なくとも1つの代表点の位置を決定することができることが理解された。自由落下エリアにおいて、自由落下ゴブにかかる力は、垂直方向に働く重力だけであるとみなすことができる。従って、例えばシザーカットによって、最初に引き起こされる水平移動の速度は、分配器20に入るまで維持される。従って、ゴブが分配器20に入るときのゴブの形状、位置(センタリング及び傾斜)を外挿法によって予想することができる。
【0162】
さらに、上記の要素に基づいて、ゴブの1つ以上の幾何学的寸法の測定を実行することが可能となる。
【0163】
そのため、第1の水平方向に沿ったゴブの第1の直径及び/又は第1の水平方向とは異なる第2の水平方向に沿った第2の直径を測定することができる。これは、リニア画像のシリーズのうちの1つのリニア画像において、セグメント2つのエッジ点の画像間の画像差に注目することによって非常に簡単に達成されることができ、これらの2つのエッジ点は、リニア画像で見られるゴブのセグメントの2つのエッジに対応し、それゆえゴブが円筒形又は実質的に円筒形である場合、ゴブの外側側壁の直径方向に対向する2つの点に対応する。上記で理解されたように、この画像差から、セグメント2つのエッジ点間の実際の差を推定することができる。この実際の差は、第1のカメラについては第1の水平測定軸に沿って、第2のカメラについては第1の水平測定軸とは異なる第2の水平測定軸に沿って、測定される。2つの測定軸は、ここでは対象となるカメラの観察軸に垂直であることによって、それぞれ対象となるカメラの観察軸に関連付けられている。測定装置の配置及び特徴(例えば、カメラの位置、観察軸の向き、対応する交点でのカメラの距離、カメラのレンズの焦点距離等)を知ることによって、画像の差と実際の差とを関連付ける関係を導き出す方法を知ることができる。
【0164】
その上、ゴブの体積を測定することができ、この体積は、各画像化されたゴブセグメントの個々の体積の合計であるとして計算されうる。この体積は、特にゴブが完全な円筒形であるか否かに応じて、必然的に誤差を含む推定値である。
【0165】
ゴブの各水平セクションが回転の円筒形である場合、この体積は、各画像化されたカメラセグメントの個々の体積の合計であるとして計算されうる。このためには、各セグメントPiに、セグメントの直径Di(上記で示した方法で決定されうる)と、ゴブの対象となるセグメント、及び、先に定義された、その画像がリニア画像の所定のシリーズの先の画像に含まれているセグメントとの間の位置差hiに応じて決定された個々の体積Viを割り当てることができる。従って、基本体積は下記のように記述することができる。
Vi=hi*PI*Di (PIは数PIである)
【0166】
本発明によれば、ガラス物品成形設備を制御する方法を、設備を用いて実行することができるようになり、上記設備は、ガラス源、少なくとも1つの剪断機22、及びゴブ装填経路を含み、剪断機22は、ガラス源18の出口に配置され、かつ、一定の間隔で作動して、分配器20内に重力によって落下する連続するゴブを切断し、分配器20は、設備の成形キャビティ16に向かって少なくとも1つのゴブ装填経路に沿ってゴブを導き、ゴブ装填経路は、剪断機22と分配器20との間にゴブの自由落下の少なくとも1つのエリアを含む。
【0167】
設備を制御するこの方法は、剪断機22と分配器との間のゴブの自由落下エリアにおけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定することを含む。この測定することは、上述したように、所定のゴブのいくつかのセグメントの集合について、集合の各セクションの水平移動の量を決定することを含む。この制御方法は、有利には、集合の各セクションの少なくとも水平移動の量に応じて、剪断機22の少なくとも1つの動作パラメータを調節することを含む。
【0168】
上記調節することは、剪断機22の切断点の位置を調節することを含みうる。剪断機の切断点は、剪断機の2つの刃が完全に閉じる点として定義されうる。
【0169】
上記調節することは、剪断機22の少なくとも1つの刃の変位速度を調節すること、又は剪断機22の2つの刃の変位速度を調節することを含みうる。
【0170】
上記調節することは、剪断機22の少なくとも1つの刃の変位速度のプロファイルを調節することを含みうる。そのため、2つの刃のうちの1つ又は両方は、ゴブ切断動作中、剪断機の開構成と剪断機の閉構成との間で不均一な変位速度を有しうる。剪断機22の少なくとも1つの刃が、剪断機の開構成と剪断機の閉構成との間で変位する間、刃の速度は、例えば、自由落下エリアにおけるガラスゴブの自由落下の1つ以上の運動学的特性に応じて調節可能である程度に、第2段階よりも遅い又は速い第1段階を有しうる。
【0171】
上記調節することは、剪断機22の潤滑パラメータを調節することを含みうる。
【0172】
この制御方法において、自由落下エリアにおけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定することは、上述した測定方法と同様に、高交点と低交点との間におけるゴブの少なくとも1つのセグメントの水平移動の速度の少なくとも2つの水平成分を決定することを含みうる。
【0173】
この制御方法において、自由落下エリアにおけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定することは、上述した測定方法と同様に、第1の水平軸の周りのゴブの回転の少なくとも第1の成分を決定することを含みうる。この場合、上記調節することは、切断機の切断点の位置の成分を調節すること、及び/又は剪断機の少なくとも刃の変位速度の成分を調節すること、及び/又は第1の水平軸に垂直な方向に沿った剪断機の少なくとも1つの刃の変位速度の成分のプロファイルを調節することを含みうる。このような制御方法において、上記測定することはさらに、第1の水平軸とは異なる第2の水平軸の周りのゴブの回転の少なくとも第2の成分を決定することを含むことができ、そしてさらに、第1の水平軸の周りのゴブの回転の第1の成分及び第2の水平軸の周りのゴブの回転の第2の成分に応じて、剪断機の少なくとも1つの動作パラメータを調節することを含みうる。
【0174】
より一般的には、設備を制御する方法は、上述した測定方法の特徴の1つ又はいくつかを有する剪断機と分配器との間で、ゴブの自由落下エリアにおけるガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定することを含みうる。
【0175】
設備を制御するこのような方法において、ゴブの自由落下の運動学的特性を考慮することによって、設備の任意の動作パラメータ、特に、ガラス源18の1つ以上のプランジャ17の及び/又はシリンダ19の動き及び/又は位置パラメータのうちの1つ以上の動作パラメータ、を駆動することができる。このような制御方法は、ゴブの適合性及び分配器20へのゴブの進入を改善することを目的とする。
【0176】
任意の方法センサを用いる場合と同様に、上記測定することの役割は方法を監視することであり、従って品質及び生産性の点で期待される結果が得られるように方法を調節することであることは自明である。測定値は、設備、特にゴブ分配器20、を調節するオペレータのために表示されることができ、又は、ガラス源18及び/又は分配器20の指示を自動的に修正する、方法計算機に関連付けられたコンピュータによって提供されることができ、これにより方法のサーボ制御が可能となる。
【0177】
これらの測定値を時刻監視することにより、方法のズレを予測して修正することも可能となる。
【0178】
学習によって、本発明に係る装置の測定値を製造された物品の適合結果と簡単に関連付けることが可能である。次に、容器が高品質であることを保証する、ゴブのこれらの測定値を統計的に決定することができる。その上、この情報を使用して、剪断機22の直下、分配器20の上流、又は分配器20の出口における、ゴブの測定値から直接、ガラス源18及び/又は分配器20のサーボ制御を簡単に作成することができる。
【0179】
上記では、ガラスゴブの自由落下の運動学的特性を測定する少なくとも2つの装置、一方は高自由落下エリア24に設置され、他方は所定のガラス源と所定の成形キャビティとの間の同じゴブ装填経路の自由落下エリア26の低自由落下エリアに設置される、が存在する可能性について述べた。そのため、ゴブの自由落下の運動学的特性をその経路の2つの場所で得ることができる。これらの特性を組み合わせることによって、ゴブの速度損失又は速度増加に関する、ゴブの変形に関する、分配器20内のゴブの伸長に関する情報を決定することができる。また、金型の入口での自由落下の運動学を決定することによって、及び、分配器の既知の通常の設定(加速装置、ガイドセクションの位置、潤滑化、冷却)によりそれを監視することによって、金型にゴブを装填する動作を改善することができる。
【0180】
一般に、リニアカメラの、取得周期Ta及びそれゆえ取得周波数Faは、固定されかつ既知であるとみなされることが好ましい。それらが変化する場合、それらは計算ユニットによって常に既知であるとみなされる。取得周期は、2つの連続する画像の2つの取得の積分開始間の周期である。積分時間は一般に取得周期Taよりも短い。リニアカメラは、Tdi(Time Delay and Integration)カメラと呼ばれるカメラを含む、任意の既知のタイプのものでありうる。カメラによる取得は、ゴブの自由落下中に行われる。この条件は、全てのカメラの視野34が、切断機22から少し離れた、ゴブの長さよりも長い距離にあるときに満たされる。カメラの駆動には、切断機22の切断の瞬間、例えば剪断機22の閉鎖を指示した瞬間、又は、剪断機22が完全に閉じた瞬間、を示す信号を使用することができ、ゴブが観察されると予想される時間窓を特定することができる。
図1
図2
図3
図4-5A-5E】
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】