(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】リンパ管吻合術の装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/04 20130101AFI20240110BHJP
A61B 34/30 20160101ALI20240110BHJP
【FI】
A61F2/04
A61B34/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538936
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 US2021065126
(87)【国際公開番号】W WO2022140690
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】305049506
【氏名又は名称】ベス イスラエル デアコネス メディカル センター, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シンガル、ドラヴ
(72)【発明者】
【氏名】シンガル、キエラン
(72)【発明者】
【氏名】キュスター、ウィリアム、ザ・サード
【テーマコード(参考)】
4C097
4C130
【Fターム(参考)】
4C097AA14
4C097BB01
4C097BB04
4C097CC05
4C097EE02
4C097EE08
4C097EE09
4C097EE11
4C097EE13
4C097MM09
4C130AB01
4C130AD07
(57)【要約】
【要約】
好ましい実施形態は、リンパ静脈バイパス処置を実行するための装置及び方法に関する。第1リングは、患者の少なくとも1つのリンパ流路に接続される組織に固定され、第2リングは、患者の静脈に取り付けられる。第1リングを通じて延在するリンパ流路の端は、静脈の開放端に挿入され、リングは、リンパ流路から静脈への液体の流れを確立するために共に接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リンパ静脈バイパス手術のための装置であって、
少なくとも1つのリンパ流路に連結する第1組織把持要素を有する第1連結要素;及び
前記第1連結要素に接続可能な第2連結要素、ここで、前記第2連結要素は、静脈を前記第2連結要素に固定するように構成されている第2組織把持要素を有する、
を備え、前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、リンパ液を前記リンパ流路から前記静脈に供給するために、患者の前記静脈に対して少なくとも1つのリンパ流路を配置する、
装置。
【請求項2】
前記第2連結要素は円錐状表面を有し、前記第2組織把持要素は前記円錐状表面から突出する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記円錐状表面は、1~3mmの範囲の第1直径、及び、7~12mmの範囲の第2直径を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記円錐状表面の前記第2直径は、共通軸に沿って、前記第1連結要素のリングアパーチャと整列する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1組織把持要素は、1又は複数のピンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第2組織把持要素は、1又は複数のピンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1連結要素は、前記少なくとも1つのリンパ流路を含む組織が前記第1組織把持要素との接続のために挿入されるリングアパーチャを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1連結要素及び前記第2連結要素のうちの少なくとも1つは生体適合性高分子材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1連結要素は、前記第2連結要素のそれぞれの凹部に各々が係合して前記第1連結要素及び前記第2連結要素を共に固定する複数の接続要素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
各接続要素は、フック又はラッチ要素を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1連結要素は、1mm~15mmの範囲の直径の円形形状を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記第2連結要素は、1mm~15mmの範囲の直径の円形形状を有し、前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、接続されて、移植可能な管状ボディを形成する、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記円錐状表面は、前記静脈が延在する管に前記円錐状表面が連結される、より狭い直径に比べて、上面において、より広い直径を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項14】
前記円錐状表面は、ピンが挿入され得る複数の凹部を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項15】
前記ピンは少なくとも6個の凹部に挿入される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1組織把持要素は、前記第1連結要素の外縁の周りに間隔を空けて配置された少なくとも6個のピンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記第1連結要素上の前記ピンは、前記第2連結要素上のピンを通じて延在する単一の平面に配置されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、共通の長手方向軸に沿って共に連結され、組織に取り付けられたピンは、前記長手方向軸に平行に延在する、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記第1連結要素から延在するコネクタ要素は、前記第1連結要素の周囲リングの周りに間隔を空けて配置され、各コネクタ要素は、前記第2連結要素の部分に連結するラッチを有し、前記装置は円筒ボディを含み、前記円筒ボディは、前記円筒ボディが使用者によって把持されることを可能にするスロットを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
連結装置を用いてリンパ静脈バイパス外科的処置を実行する方法であって、
患者の少なくとも1つのリンパ流路を含む組織に第1連結要素を取り付ける段階;
前記患者の静脈に第2連結要素を取り付ける段階、ここで、前記第2連結要素は円錐を含む;及び、
前記第1連結要素及び前記第2連結要素を接続し、それによって、前記少なくとも1つのリンパ流路を前記静脈に連結する段階、ここで、前記リンパ流路は前記円錐を通じて延在する、
を備える方法。
【請求項21】
前記第1連結要素及び前記第2連結要素を接続して、複数のリンパ流路を前記患者の前記静脈の開放端内に連結するコネクタ装置を形成し、前記コネクタ装置は、患者に移植される管状ボディを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1連結要素を組織に取り付けることは、前記組織を前記第1連結要素のリングアパーチャに挿入すること;及び、前記組織を第1組織把持要素上に固定することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのリンパ流路を前記静脈に連結することにより、ある距離だけ前記静脈内に延在させることによって前記少なくとも1つのリンパ流路に前記静脈を重積させる、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
複数のリンパ流路の1又は複数は、前記静脈の内側に少なくとも1mmの深度だけ延在する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第2連結要素を前記静脈に取り付けることは、
前記第2連結要素の円錐状表面の第1端から開始して、前記第2連結要素を通じて前記静脈を挿入すること;及び
第2組織把持要素を使用して、前記円錐状表面の第2端に前記静脈を固定すること
を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記静脈を固定することは、前記円錐状表面の前記第2端における前記静脈の開放端の直径を拡大することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1連結要素を前記第2連結要素に接続することは、
前記第1連結要素の複数の接続要素を、前記第2連結要素の表面の上でスライドさせ、前記第1連結要素及び前記第2連結要素を共に固定すること
を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記第1連結要素を前記第2連結要素に接続することは更に、前記複数の接続要素の各々のフック又はラッチ要素を、前記第2連結要素のそれぞれの凹部に係合することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
少なくとも1つのリンパ流路を含む組織に取り付ける第1連結要素;
前記第1連結要素に接続可能な第2連結要素、ここで、前記第2連結要素は、静脈を受容するように構成されている円錐状表面を有する
を備え、前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、前記少なくとも1つのリンパ流路から前記静脈内にリンパ液を供給するために、患者の前記静脈に対して、前記少なくとも1つのリンパ流路を配置するように構成されている、
リンパ静脈バイパス手術のための装置。
【請求項30】
前記第1連結要素の表面上の第1組織把持要素、及び、前記円錐状表面から突出する第2組織把持要素を更に含む、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記円錐状表面は、1~3mmの範囲の第1直径、及び、7~12mmの範囲の第2直径を有する、請求項29に記載の装置。
【請求項32】
前記円錐状表面の前記第2直径は、共通軸に沿って、前記第1連結要素のリングアパーチャと整列する、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記少なくとも1つのリンパ流路を含む組織に連結する第1組織把持要素、及び、前記静脈に連結する第2組織把持要素は各々、1又は複数のピン、突起部、縫合、又は接着剤を含む、請求項29に記載の装置。
【請求項34】
前記第1連結要素は、前記少なくとも1つのリンパ流路を含む前記組織が第1組織把持要素への接続のために挿入されるリングアパーチャを含む、請求項29に記載の装置。
【請求項35】
前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、共通の長手方向軸に沿って共に連結し、前記装置は更に、前記長手方向軸に平行に延在する前記組織に取り付けるピンを含み、前記第1連結要素及び前記第2連結要素のうちの少なくとも1つは生体適合性高分子材料を含む、請求項29に記載の装置。
【請求項36】
前記第1連結要素は、前記第2連結要素のそれぞれの凹部に各々が係合して前記第1連結要素及び前記第2連結要素を共に固定する複数の接続要素を含む、請求項29に記載の装置。
【請求項37】
各接続要素は、フック又はラッチ要素を含む、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記第1連結要素及び前記第2連結要素は各々、1mm~15mmの範囲の直径の円形形状を有する、請求項29に記載の装置。
【請求項39】
前記円錐状表面は、前記静脈が延在する管に前記円錐状表面が連結される、より狭い直径に比べて、上面において、より広い直径を有する、請求項29に記載の装置。
【請求項40】
前記円錐状表面は、ピンが挿入され得る、複数の少なくとも6個の凹部を有する、請求項29に記載の装置。
【請求項41】
前記第1組織把持要素は、前記第1連結要素の外縁の周りに間隔を空けて配置された少なくとも6個のピンを含み、前記第1連結要素上の前記ピンは、前記第2連結要素上のピンを通じて延在する単一の平面に配置される、請求項30に記載の装置。
【請求項42】
前記第1連結要素から延在するコネクタ要素は、前記第1連結要素の周囲リングの周りに間隔を空けて配置され、各コネクタ要素は、前記第2連結要素の部分に連結するラッチを有し、前記装置は円筒ボディを含み、前記円筒ボディは、前記円筒ボディが使用者によって把持されることを可能にするスロットを有する、請求項29に記載の装置。
【請求項43】
患者の少なくとも1つのリンパ流路を含む組織に接続するように構成されている第1連結要素;
前記患者の静脈に接続するように構成されている第2連結要素、ここで、前記第2連結要素は、前記静脈を受容するための開口を有する円錐を含む
を備え、
前記第1連結要素は前記第2連結要素に接続可能であり、それによって、前記少なくとも1つのリンパ流路を前記静脈内に連結し、前記リンパ流路は、前記円錐を通じて、前記静脈の開放端内に延在する、
リンパ静脈バイパス外科的処置を実行するための装置。
【請求項44】
前記第1連結要素及び前記第2連結要素を接続することにより、複数のリンパ流路を前記患者の前記静脈内に連結する、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記第1連結要素は、前記第1連結要素のリングアパーチャを通じて組織を挿入し、前記組織を第1組織把持要素上に固定することによって、前記組織に接続し;少なくとも1つのリンパ流路を前記静脈に連結することにより、少なくとも1mmの距離だけ前記静脈内に延在させることによって前記少なくとも1つのリンパ流路に前記静脈を重積させる、請求項43に記載の装置。
【請求項46】
前記第2連結要素は、前記第2連結要素の円錐状表面の第1端で開始して、前記静脈を前記第2連結要素に挿入し、第2組織把持要素を使用して前記円錐状表面の第2端に前記静脈を固定することによって、前記静脈に接続し、前記静脈の直径は、前記円錐状表面の前記第2端において拡大される、請求項43に記載の装置。
【請求項47】
前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、前記第2連結要素の表面の上をスライドする前記第1連結要素の複数の接続要素を使用して接続し、前記第1連結要素及び前記第2連結要素を共に固定する、請求項43に記載の装置。
【請求項48】
前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、前記第2連結要素のそれぞれの凹部に係合する、前記複数の接続要素の各々のフック又はラッチ要素を使用して接続する、請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記第1連結要素は、縫合、接着剤、ピン、突起部、ポスト、及び組織アンカーのうちの少なくとも1つを用いて組織に接続される、請求項43に記載の装置。
【請求項50】
前記第2連結要素は、縫合、接着剤、ピン、突起部、ポスト、及び組織アンカーのうちの少なくとも1つを用いて静脈に接続する、請求項43に記載の装置。
【請求項51】
前記少なくとも1つのリンパ流路を受容する前記第1連結要素における第1開口は、前記静脈を受容する前記第2連結要素における第2開口より大きい、請求項1から19および29から50のいずれか一項に記載の装置。
【請求項52】
前記少なくとも1つのリンパ流路は、前記静脈の内側直径より小さい外側直径を有する、請求項1から19および29から51のいずれか一項に記載の装置。
【請求項53】
複数のリンパ流路が前記静脈に挿入される、請求項1から19および29から52のいずれか一項に記載の装置。
【請求項54】
ロボティック装置が前記第1連結要素を前記第2連結要素に接続する、請求項1から19および29から53のいずれか一項に記載の装置。
【請求項55】
ロボティック装置が、前記少なくとも1つのリンパ流路を前記第1連結要素に接続する、請求項1から19および29から53のいずれか一項に記載の装置。
【請求項56】
ロボティック装置が、前記静脈を前記第2連結要素に接続する、請求項1から19および29から53のいずれか一項に記載の装置。
【請求項57】
前記ロボティック装置は、第1アーム及び第2アームを含み、各アームは把持器具を有する、請求項54から56のいずれか一項に記載の装置。
【請求項58】
前記ロボティック装置は、リンパ静脈バイパス処置を実行するようにプログラムされたコンピュータ制御システムを含む、請求項54から57のいずれか一項に記載の装置。
【請求項59】
前記第1連結要素又は前記第2連結要素のうちの少なくとも1つは、前記ロボティック装置による把持のための、1又は複数の周囲スロットを含む、請求項54から58のいずれか一項に記載の装置。
【請求項60】
第1連結要素に連結された少なくとも1つのリンパ流路を受容するための第1開口を有する前記第1連結要素と;
前記第1連結要素に接続可能である第2連結要素、ここで、前記第2連結要素は、前記第2連結要素に連結された静脈を受容するための第2開口を有する;
とを備え、前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、リンパ液を前記リンパ流路から前記静脈に供給するために、患者の前記静脈に対して、前記少なくとも1つのリンパ流路を配置する、
リンパ静脈バイパス手術のための装置。
【請求項61】
前記第1連結要素は第1組織把持要素を有し、前記第2連結要素は、第2組織把持要素を有する円錐状表面を有する、請求項60に記載の装置。
【請求項62】
前記第2連結要素は、1~3mmの範囲の第1直径、及び、7~12mmの範囲の第2直径を有する円錐状表面を備える、請求項60に記載の装置。
【請求項63】
前記円錐状表面の前記第2直径は、共通軸に沿って前記第1連結要素のリングアパーチャと整列する、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記第1組織把持要素は、1又は複数のピン、突起部、縫合、又は接着剤を含む、請求項61に記載の装置。
【請求項65】
前記第2組織把持要素は、1又は複数のピン、突起部、縫合、又は、接着剤を含む、請求項61に記載の装置。
【請求項66】
前記第1連結要素は、前記少なくとも1つのリンパ流路を含む組織が第1組織把持要素への接続のために挿入されるリングアパーチャを含む、請求項60に記載の装置。
【請求項67】
前記第1連結要素又は前記第2連結要素のうちの少なくとも1つは生体適合性高分子材料を含む、請求項60に記載の装置。
【請求項68】
前記第1連結要素は、前記第2連結要素のそれぞれの凹部に各々が係合して前記第1連結要素及び前記第2連結要素を共に固定する複数の接続要素を含む、請求項60から67のいずれか一項に記載の装置。
【請求項69】
各接続要素は、フック又はラッチ要素を含む、請求項68に記載の装置。
【請求項70】
前記第1連結要素は、1mmから15mmの範囲の直径の円形形状を有する、請求項60に記載の装置。
【請求項71】
前記第2連結要素は、1mmから15mmの範囲の直径の円形形状を有する、請求項60に記載の装置。
【請求項72】
前記第1連結要素及び前記第2連結要素は接続可能であり、移植可能な管状ボディを形成する、請求項60から71のいずれか一項に記載の装置。
【請求項73】
前記第2連結要素は、前記静脈が延在する管に円錐状表面が連結される、より狭い直径に比べて、上面における、より広い直径を有する前記円錐状表面を有する、請求項60に記載の装置。
【請求項74】
前記円錐状表面は、ピンが挿入され得る複数の凹部を有する、請求項73に記載の装置。
【請求項75】
前記ピンは、少なくとも6個の凹部に挿入される、請求項74に記載の装置。
【請求項76】
前記第1組織把持要素は、前記第1連結要素の外縁の周りに間隔を空けて配置された少なくとも6個のピンを含む、請求項61に記載の装置。
【請求項77】
前記第1連結要素上の前記ピンは、前記第2連結要素上のピンを通じて延在する単一の平面に位置する、請求項76に記載の装置。
【請求項78】
前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、共通の長手方向軸に沿って共に連結し、前記装置は更に、前記長手方向軸に平行に延在する組織に取り付けられるピンを含む、請求項60に記載の装置。
【請求項79】
前記複数の接続要素は、前記第1連結要素から延在し、前記第1連結要素の周囲リングの周りに間隔を空けて配置され、各コネクタ要素は、前記第2連結要素の部分に連結するラッチを有し、前記装置は円筒ボディを含み、前記円筒ボディは、前記円筒ボディが使用者によって把持されることを可能にするスロットを有する、請求項68に記載の装置。
【請求項80】
前記第1連結要素は、複数のリンパ流路を含む組織を受容するための第1中央開口を有し、前記第2連結要素は、前記静脈を受容する第2中央開口を有し、前記第1中央開口は、前記第2中央開口より大きい、請求項60に記載の装置。
【請求項81】
前記第1連結要素に連結される複数のリンパ流路は前記静脈内に延在する、請求項60から80のいずれか一項に記載の装置。
【請求項82】
リンパ液が前記静脈に供給されるように、リンパ静脈バイパス処置を実行するように構成されているロボティック装置を更に備える、請求項60から81のいずれか一項に記載の装置。
【請求項83】
前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、成形高分子材料を含む、請求項60から82のいずれか一項に記載の装置。
【請求項84】
前記第1連結要素は、前記第2連結要素と共にスナップ嵌めされる、請求項60から83のいずれか一項に記載の装置。
【請求項85】
患者の静脈を受容する第1端、及び、1又は複数のリンパ流路に連結する第2端を有する一体型ボディを備えるリンパ静脈バイパス装置であって、前記一体型ボディは、片側に開口を有し、前記静脈は前記開口内に延在し、前記第2端は、前記静脈内に延在する前記1又は複数のリンパ流路を受容する、リンパ静脈バイパス装置。
【請求項86】
前記静脈に取り付けるための第1の複数の組織把持要素;及び、前記1又は複数のリンパ流路を含む組織に取り付けるための第2の複数の組織把持要素を更に備える、請求項85に記載のリンパ静脈バイパス装置。
【請求項87】
前記一体型ボディは、1又は複数の側壁開口を有する、請求項85または86に記載のリンパ静脈バイパス装置。
【請求項88】
前記静脈は、前記1又は複数のリンパ流路を受容するように整列された円錐状表面に向かって、前記一体型ボディ内に延在する、請求項85から87のいずれか一項に記載のリンパ静脈バイパス装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本願は、2019年6月21日に出願された米国仮出願第62/864,862号の優先権を主張する、2020年6月19日に出願された国際出願第PCT/US2020/033806号に関する、2020年12月23日に出願された米国出願第17/133,277号の継続であり、上記出願の各々の全内容は、参照によって本明細書に全体的に組み込まれる。本願はまた、2020年12月23日に出願された米国特許出願第17/132,946号に関し、本願の全内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
リンパ系は、余分な液体を血流に運ぶように働く、細胞組織、血管、及び臓器の複雑なシステムであり、循環系から病原体を除去することによって、身体の免疫系に対して重要な機能を提供する。リンパ系は、人体中に約500~600個存在する小器官又はリンパ節を含む。毛細リンパ管及びリンパ管は、典型的には、リンパ本幹を通じて循環系に間質液を輸送する。リンパ系における間質液(リンパ)は、疾患又は傷害に起因して蓄積し得る。この液体の過剰な蓄積はリンパ水腫として知られている。
【0003】
乳癌関連リンパ水腫(BCRL)は、乳癌管理におけるもっとも重大なサバイバーシップ問題の1つである。現在、BCRLに治療法は存在しない。米国における280万人の乳癌生存者のうち、5人中1人がBCRLを患っていると推定される。BCRLを患っている患者は、この病状において一般に経験される腫れに次いで、圧迫感、重苦しさ、疲労感、及び、衣類に合わないことを訴えることが多い。選択された症例において、患者は罹患した四肢に急速に広がる蜂窩織炎を繰り返し発し、これは迅速に治療されない場合、生命の危機となり得る。BCRLの兆候及び症状は、不安、鬱、及び、生活の質の全体的な低下への傾向と関連している。BCRLの発症のもっとも一般的なリスク因子は、腋窩リンパ節郭清、局所リンパ節放射線照射(RLNR)、および/又は、BMIの上昇(>30)である。
【0004】
BCRLの標準的治療は、徒手リンパドレナージ、圧迫、局所的皮膚治療、運動、及び、空気圧装置を用いた理学療法である。慢性リンパ水腫の外科的管理は、リンパ静脈バイパス及びリンパ節移植を含み得るが、これらは、決定的な治療を提供するものではない。BCRLを発症する単一の最大のリスク因子は腋窩リンパ節郭清(ALND)である。リンパマイクロ手術予防治療アプローチ(LYMPHA)は、ALNDを受ける患者においてリンパ水腫のリスクを軽減するための外科的処置である。LYMPHAは、リンパ水腫を発症した、ALNDを受ける患者において使用されてきた。
【0005】
リンパ水腫の発症についての重大なリスク因子はALNDであることに留意されたい。一研究において、センチネルリンパ節生検を受けた患者67人中1人は、リンパ水腫を発症した(1.5%)。一方、ALNDだけを受けた患者10人中4人はリンパ水腫を発症した(40%)。しかしながら、ALNDのときにLYMPHAが実行されたとき、患者8人中1人のみがリンパ水腫を発症した(12.5%)。例えば、この研究において、ALNDと共にLYMPHAを提供することにより、リンパ水腫の施設内の発症率が40%から12.5%に減少した。
【0006】
LYMPHA処置において、腋窩郭清のときに、腕を流れるリンパ管が識別され、腋窩静脈支流にバイパスされる。この技法では、例えば、4年間の期間において、腋窩リンパ節郭清(ALND)及びLYMPHA後のリンパ水腫の発症率が5%であることが実証された。ALND後のリンパ水腫の過去の発症率は変動性が高いが、多くの場合20~40%の間であると示され、77%もの高さであると報告されている。
【0007】
LYMPHA処置の1つの課題は、ALNDの後のレベル1リンパ節に対して側方から、健康的切断されたリンパ管を可視化することである。これらのリンパ管を識別するための技法は、同側の上腕近位部への青色色素の注射を使用して、場所を可視化し得る。大部分のLYMPHA処置は、腋窩ベッドにおいて実行されるが、頚部、胸部、腹部、及び、鼠径部を含む他のリンパ節郭清の場所は、リンパ水腫発症のリスクを有し、バイパスにより、これらの部位及び関連する四肢におけるリンパ水腫発症のリスクを低減し得ることに留意されたい。上で参照された処置を用いたリンパ水腫の治療の改善にもかかわらず、この病状の治療を改善するために、この処置において更なる改善が必要である。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、1又は複数のリンパ流路を血管系に連結するための装置に関する。前に記載されたすべての他のリンパ管及び血管の吻合装置では、同様の直径の血管が、端と端との間で接続される、又は、サイズ不一致の場合に端と側方との間で接続される必要があることに留意することが重要である。本明細書において記載される好ましい実施形態は、例えば、著しく異なるサイズの1又は複数のリンパ流路を単一の静脈に重積(intussusception)することを可能にする。結果的に、連結装置のこれらの好ましい実施形態は、処置の速度を改善することによって、LYMPHA処置を容易にし、結果的な吻合術の安定性を改善し、単一のリンパ流路又は複数のリンパ流路を、静脈又は動脈など単一の血管流路に連結するように機能できる。
【0009】
処置は、1、2、又はより多くのリンパ流路のグループ化に関連する脂肪組織を利用して、リンパ流路を装置の第1連結要素に接続することを助け得る。処置の開始前に、関心領域におけるリンパ系は、可視化技法によって評価され得る。顕微鏡イメージング及びリンパマッピングのために色素が注射され、患者の腕などの罹患領域から液体を流すように機能する特定の関心領域が識別され得る。外科医は、切開によって部位にアクセスして、使用され得るリンパ流路及び1又は複数の静脈を露出させること、及び、選択された静脈に連結される1又は複数のリンパ流路を識別することによって、処置を開始する。移植された装置の可視化は、装置の1又は複数の領域に取り付けられた、又は、その中に埋め込まれた、又は、その上に位置する蛍光透視鏡マーカを用いて改善され得る。リンパ流路を静脈に連結するために、又は、静脈の1又は複数の支流へ連結するために、コネクタを移植した後のリンパ流の可視化は、外科創傷の閉鎖後のリンパ流のバイアビリティをモニタリングするために使用され得る。
【0010】
特定の連結装置が、それらが配置されるリンパ流路及び静脈の数及びサイズに基づいて選択され得る。装置は、例えば合成高分子又はシリコーンなどの生体適合性材料を使用して、標準の成形及び組み立て技法によって製造され得る。これらは、移植のための特定の部位に応じて、異なるサイズ及び形状を有し得る。例えば直径1.0mm~3.0mmのアパーチャ又は開口を含み得る第2連結要素に静脈が取り付けられ得る。第1及び第2連結要素は、リングの形状であり得、リンパ流路は、第1リングの中央開口を通じて延在するように接続され、静脈は第2リングに接続され、第1リングは第2リングに取り付けられ、1又は複数のリンパ流路は、単一の静脈内に延在する、すなわち、リンパ流路は、静脈内に重積される。
【0011】
更なる実施形態において、コネクタ装置は、第1リングを第2リングに整列して接続するために使用され得る。コネクタ装置は、例えば、リンパ流路がそれを通って第2リング開口を通じて静脈内に延在し得るコネクタ流路を有する1又は複数の円錐状要素を含み得、すなわち、リンパ流路は、重積され、又は、静脈内にはめ込まれる。円錐状要素は、より大きい直径部分から、リンパ管がそれを通って静脈内にスライドする空洞の開口の周りに延在するより小さい直径部分に延在する、形状を有する表面又は表面を含み得る。空洞は、静脈が挿入される管状流路を含み得、静脈の壁は、ピン又は組織アンカーによって係合される。リンパ管及び毛管は、一般にリンパ管を囲む支持組織内に包埋される。患者の病状に措置を行うためにリンパ節が除去されたとき、そのリンパ節に接続されていたリンパ管は切断され、典型的には、切断された端を通じて周囲組織に流れるリンパ液を通過させ続けることに留意されたい。外科医は、切断されたリンパ管の端を露出させ得、ここで、端は、支持組織を把持するサイズ及び形状であるピン又は組織アンカーに取り付けられた支持組織の部分から、ある距離だけ延在する。支持組織は、例えば、外科医が鉗子又はピンセットを使用することによって手で把持され得る線維性結合組織を含み得る。これらは、0.1mm~1.0mmの範囲又はより大きい直径を有し得る、リンパ管を把持するための小さい先端サイズを有する把持器具を含み得、それらは、リンパ液が供給される静脈の露出端の中、又は、その近くに配置される。除去されたリンパ節の周りの領域には、3又は4個のリンパ管があることが多く、これらのリンパ管を支持する周囲の脂肪組織を使用して把持され得る。リンパ管は間隔を空けて配置されており、外科医は多くの場合、静脈の直径内に適合するほど十分近い間隔を空けたリンパ管の群を吻合術のために選択する。リンパ節は、患者の年齢及び病状に応じてサイズが変動し得るが、多くの場合、リンパ節の長い軸に沿って、4mm~2cmの範囲のサイズを有する。本装置のサイズは、装置に取り付けられる静脈のサイズに応じて変動し得るが、同様に4mm~2cmの範囲の直径でもあり得る。支持組織をピン又はアンカー上に装着することによって、この装着の動きにより、リンパ管の切断端が、周囲組織から更に延在し、それによって、静脈の露出端内に容易に配置され、ここで、静脈の端がピン又はアンカー上に装着される。静脈の開放端は、わずかに拡大され得る。リンパ管は、支持組織から延在する長さが変動し得るので、異なる挿入の長さで静脈内に配置され得る、又は、それにも関わらずリンパ液を静脈内に供給し続ける静脈の端の外側に存在するリンパ管の端があり得る。リンパ管の一部は、より高い流量を有するので、装置の移植、及び、外科創傷の閉鎖の後に静脈の外側に存在するものでも、静脈が流れを維持するために十分な近接性を有する。高流量リンパ管の端から静脈内に延在する組織流流路が形成され得る。
【0012】
第1連結要素は、リンパ流路を囲む脂肪組織を把持するピン、突起部、又は、組織アンカーなどの組織把持要素を有し得る。したがって、リンパ流路は、リンパ流路機能を損なうことなく第1連結要素に取り付けられ得る流路支持組織内に延在し、それによって、腫れが軽減されるようにリンパを静脈内に輸送することを可能にする。ピン、ポスト、突起部、又は組織アンカーは、脂肪組織を通じて延在して、第2連結要素上の受容機構と係合し得る。第1リング及び第2リングの間のコネクタ要素を利用する実施形態については、例えば、ピン、突起部、又は組織アンカーは、組織に係合し得、また、コネクタ要素に係合し得る。
【0013】
組織を把持して、それをピン、突起部、又は組織アンカーに対して配置し、それによって、組織を吻合術装置に取り付けるために外科用器具が使用され得る。必要に応じて、装置の連結要素を位置に一時的に保持して、各要素への組織の取り付け、連結要素の整列、及び、コンポーネント同士の接続を容易にするためにクランプ装置が使用され得る。
【0014】
医療従事者は、まず、腫れが生じた、又は、生じる可能性が高い患者の病状を評価することによって、本明細書に記載される処置を実行し得る。本明細書に記載される可視化技法は、リンパ系のそれらの領域を、本明細書に記載の1又は複数の装置の移植によって腫れを軽減又は除去する、選択された1又は複数の領域にマッピングするために使用され得る。好ましくは、少なくとも2、3、4、5又はより多くのリンパ流路が単一の静脈に流体連結され得るので、単一の装置を使用して、著しい量のリンパが単一の静脈内に除去され得る。マッピング及び選択の後、本明細書に記載の1又は複数の装置が移植される。
【0015】
更なる実施形態は、リンパ流路が個別に又はまとめて把持され、選択された深度で静脈内に配置される装置を採用する。これは、手動で、又は、ロボティック装置を使用することによって実行され得る。例えば、鉗子および/又は縫合材料のループが、1又は複数の流路を把持するために使用され、管又はリングに取り付けられた静脈内にそれらを配置するために使用され得る。縫合材料は、流路を静脈に恒久的に接続するように流路組織及び静脈組織が治る期間にわたって、傷の閉鎖後、生分解前に管に一時的に取り付けられ得る。例えば、生体適合性接着剤も、組織を管に取り付けるために使用され得る。管は、本明細書に記載のように片側に挿入されピン又は突起部に接続された静脈、及び、管の反対端の静脈に挿入された流路の取り付けのために、外科医によって保持されることを可能にする表面要素又は溝を有し得る。ロボット手術では、静脈を隔離して把持し、露出端を第1連結要素に取り付けるために、操作要素を有する複数の制御アームが使用され得る。制御アームはまた、本明細書に記載されるように、リンパ管を含む内臓脂肪組織などの組織を第2連結要素に取り付けるために動作し得る。ロボティックアームはその後、リンパ流路を静脈内に流体連結するように、第1及び第2要素を把持し、それらを整列させ、共に取り付けるために外科医によって制御され得る。装置はその後、傷の開口内に配置され得、傷を閉じるために傷は縫合される。
【0016】
更なる実施形態において、1又は複数のリンパ管は、静脈及びリンパ管を単一の一体的連結要素に取り付けることによって静脈に流体連結され得る。一体的連結要素は、一般に、静脈が円筒ボディの第1端に、リンパ管が円筒の第2端に連結される円筒ボディを含み得る。実施形態は更に、より丸い、又は、楕円の形状を含み得る。外部表面は、使用者が手動で、又は、鉗子又はピンセットなどの外科用把持器具を用いて、より容易に移植装置を把持することを可能にするスロット又は溝を有し得る。一体的連結要素は、第1開口の内側部分の周りに位置する第1グループのピン又はアンカーを用いて、第1端において静脈を受容するための第1開口を有し、静脈の開放端をインプラント内に固定する。第2端は、支持組織の挿入を提供するための、静脈挿入開口より広い開口を有し得、典型的には、静脈内に挿入される、間隔を空けて配置されたリンパ管をすべて組み込む必要があるので、静脈により大きい直径を有する。第2開口の外縁の周りに延在する移植装置の側壁は、側壁開口又はウィンドウを有し得る。外科医は、それを通じて、例えば、静脈の開放端を固定する第1グループのピン又はアンカーと反対方向に一般に延在する第2グループのピン又はアンカー上に配置するための支持組織の異なる領域を把持する鉗子などの外科用把持器具を挿入し得る。ピン又はアンカーは、例えば、より固定された取り付けを提供するように、移植装置の長手方向軸に沿って延在し得るか、又は、放射状に、若しくは、長手方向軸に対して1~45度の間のいくらかの角度を付けて延在し得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】リングのペアを使用してリンパ流路を静脈又は動脈に整列して接続する連結装置の実施形態を図示する。
【
図2A】1又は複数のリンパ流路を静脈に連結する、リングのペアを共に取り付けるコネクタ要素を含む実施形態を図示する。
【
図2B】リングに接続される中央管を含む実施形態を更に図示し、外部シースは、連結要素を包囲するために取り付けられ得る。
【
図2C】第1連結要素を第2連結要素に接続するための更なる機構を図示する。
【
図2D】リンパ静脈バイパス処置のためのインプラントの第1端の斜視図を図示する。
【
図2E】
図2Dに示されるインプラントの第2端の斜視図を更に図示する。
【
図3】以降に記載されるFITC注射及びバイパスからリンパ流路が発光するレベル1および2リンパ節の郭清後の腋窩解剖領域を図示する。
【
図4】発明の実施形態による、バイパス外科的処置を実行するための外科的処置のステップを概略的に図示する。
【
図5】リンパ水腫を軽減するために本発明によるバイパス処置が異なる場所で実行され得る、人体のリンパ流路系を概略的に図示する。
【
図6】本明細書に記載される外科的処置と併せて使用されるリンパ水腫プロトコルのフローチャートを図示する。
【
図7】外科医が好ましい実施形態による処置を実行し得るように、マニピュレータを有するアームのコンピュータ制御を有するロボティック制御システムを図示する。
【
図8】好ましい実施形態による、ロボット制御外科プロセスを実行するためのプロセスフロー図を図示する。
【
図9】静脈へのリンパ液の流れを測定するためにコネクタ装置に装着されたセンサを図示する。
【
図10】リンパ液が静脈に入る、静脈における接合部の液体圧力を制御するためのバルブ装置を図示する。
【
図11】特定の実施形態による、連結装置及び固定要素の更なる実施形態を図示する。
【
図13】
図12に示される線で取得される連結装置の左側断面図を図示する。
【
図16】本明細書に記載される特定の実施形態による第1連結要素の更なる実施形態の側面図を図示する。
【
図21】本明細書において記載される第1及び第2連結要素と適合するピンの実施形態を図示する。
【
図22A】ピンを含む第2連結要素の実施形態の斜視図を図示する。
【
図22B】本明細書に記載の複数の実施形態の連結装置の内部容積の斜視図を図示する。
【
図23】ピンを含む第1連結要素の更なる実施形態の後方斜視図を図示する。
【
図24A】連結装置の更なる実施形態の前方斜視図を図示する。
【
図24B】連結装置の更なる実施形態の上方斜視図を図示する。
【
図24C】連結装置の更なる実施形態の底面図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発明の好ましい実施形態は、1又は複数のリンパ流路を患者の循環系の静脈に連結するための装置を利用する。
図1に示されるのは、リンパ流路106、108を囲む脂肪組織104が、内側リング表面から第2連結要素120に向かって内側を向くピン、突起部、又は組織アンカー102を越えて引き出される中央開口109を第1連結要素100が有するリングを含む連結装置の実施形態である。2つの血管の端を接続するために使用される血管吻合カプラと異なり、本発明は、1又は複数のリンパ流路を、血管又は静脈の開放端内に挿入すること(すなわち、重積)を可能にする。なぜなら、典型的にはサイズに不整合があり、1つのリンパ流路は、それが挿入される静脈のサイズより著しく小さいからである。したがって、リンパ液を流すための流路を有する1、2、又はより多くのリンパ管は、そのサイズに応じて単一の静脈128に挿入され得る。凝固は吻合術の失敗をもたらし得るので、血管を互いに挿入できないことに留意されたい。一方、リンパ液は凝固しない。リンパ流路組織の血管への挿入は、そのような凝固を誘発せず、リンパが閉塞無くリンパ管内に流れることを可能にする。
【0019】
図1におけるコンポーネントは、組織を貫通及び把持するように構成されているピン、突起部、又は組織アンカーを除く概して円滑な表面の特徴を有する、剛性又は半剛性の可撓性、弾性生体適合性材料を含み得る。選択された実施形態において、コンポーネントは、スーチャーレス組織コネクタを提供するが、いくつかの実施形態において、装置の移植を助けるために、縫合が使用され得る。
【0020】
装置のコンポーネントは、シリコーン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、マイラー、ケブラー(登録商標)(KevlarTM)、ポリイソプレン、ポリオレフィン、又はそれらの組み合わせなどの生体適合性材料を使用して作られ得る。
【0021】
第1連結要素は、(リンパ液を輸送するために、リンパ管を通じて延在する流路を有するリンパ管を含む)内臓脂肪組織などの脂肪組織の厚さに対応するために、より大きい開口を有するリングを備え得、それを通じて延在し、リンパ組織を囲み、リンパ組織は結果的に、コネクタ表面に接触しない。リング要素は、楕円形断面などの他の形状、又は、患者における特定の解剖学的配置に適した、何らかの他の形状を有し得ることに留意されたい。外側表面は、隣接組織を摩耗することを回避するために、円滑であることが好ましい。リンパ管は、内皮細胞で裏打ちされ、外膜を有する周囲組織に接続された平滑筋を含む、薄い壁の管形状組織構造である。毛細リンパ管は、より小さく、筋肉及び外膜が無く、直径は15~75ミクロンの範囲である。より大きいリンパ管は、その長さに沿って間隔を空けて配置された弁を有し、蠕動によって液体移動が提供され、液体圧力によりリンパ液を管内で移動させる。リンパ集合管は、100~800ミクロン又はより大きい範囲の直径を有する。血管系の静脈は、1mm又はより大きい直径を有し得、選択された各静脈について、2又はより多くのリンパ流路を受容するように選択され得る。一般に、静脈は、2~4mmの範囲の直径を有し、静脈を保持するアパーチャの直径より大きい装置アパーチャ内に適合する支持組織を有するリンパ管に連結される。連結要素は、1~15mmの範囲の直径を有し得、2つの連結要素を含む実施形態において、一致する直径を有し得る。本装置及び方法はまた、より大きい静脈に流れ込む1又は複数のより小さい支静脈に連結するために使用され得る。内側リングにおける中央開口の内側表面は、静脈の露出端が第2コネクタに取り付けられ得るように、静脈を中央開口に通過させることを可能にするほど十分に大きいことがあり得る。したがって、第2コネクタ120は、ピン125の上に折り畳まれる静脈129の組織に係合するピン、突起部、又は組織アンカー125を有する内側リング124を有し得る。外側リング122は、例えば、少なくとも組織に係合するほど十分な高さでリング表面の上に突出するピン102の端を受容しそれに係合するピン受容領域126を有する。領域126は、リング100の表面からの突出要素又はピン102の少なくとも一部と共にスナップ嵌めしてスナップ嵌めコネクタを提供するように構成され得る。ラッチ機構又は他のコネクタが、連結要素を共に固定するために使用され得る。これらの特徴は、本明細書に記載される図の1又は複数に図示される。
【0022】
リング要素124は、リング122の表面より1又は数ミリメートル高いことがあり得ることに留意されたい。周囲壁121は、少なくとも1mmの高さを有し得る。これにより、例えば、静脈128内に少なくとも1mmの深度となるようにリンパ流路106の挿入を提供し得る。したがって、連結要素の相対的な寸法は、挿入の深度を定義し得る。
【0023】
図2Aに示されるのは、前に記載されたように静脈220を受容して係留する第1リング208を有するカプラ200であるが、これは、より小さい直径の管205の開口への第1端に向かって直径が徐々に狭くなる開放端を有する第1円錐202形状要素と接続し、管205において、リンパ流路224は、管205の第2端に向かって狭くなる第2円錐204から受容される。円錐206の広い端は、リンパ管224を有する脂肪組織をリング240に係合し固定するピン、突起部、又は組織アンカー242を有する第1リング240の内側を向く表面に取り付けるためのサイズ及び形状であり、ここで、リンパを囲む組織260は、例えば、表面250上のアンカー242の上に折り畳まれる。このようにしてリンパ管は、円錐206の開放端に入り、狭い開口を通じて、管205及び静脈内に通過する。
図1の実施形態は、円錐の開放端から円錐の狭い開口を通じて静脈内へリンパ管を入れることを誘導して、リンパ液が静脈に入る接合部を画定する単一の円錐を採用し得ることに留意されたい。
図2Aに戻ると、第2リング208は、第1蛍光透視鏡マーカ270を含み得、円錐206は、第2蛍光透視鏡マーカ272を含み得、第2リング240は、第3蛍光透視鏡マーカ274を含み得、例えば、本明細書に記載される様々な実施形態上のマーカの使用を図示する。
図2Bに示されるのは、第1リング277が第2リング278に接続され得る更なる実施形態である。管275は、複数の腕又は接続要素279によってリング278に接続される。管275は、本明細書に記載されるように、静脈が挿入され、管得取り付けられる内部空洞を有する。好ましい実施形態において、第1及び第2リングは、共に接続されているとき、共通軸上で整列し得る。ピン又はアンカーは、共通の長手方向軸の周りに対称的に配置され得る。静脈のためのピン又はアンカーは、共通軸に平行な第1方向に突出し得るが、結合支持組織のためのピン又はアンカーは、共通軸に平行に、反対の第2方向に延在し得る。
【0024】
本明細書に記載の実施形態は、共に接続されたときに共通軸に沿って整列されるリングの周りに延在する外側シース276内に包含され得る。第1連結要素又はリングは、1又は複数のコネクタ要素を用いて、第2連結要素に接続され得る。本明細書に記載されるように、ピン、ポスト又は突起部などのコネクタ要素が使用され得る。
図2Cに示されるように、複数の突起部271、273が、第1リングから第2リングに延在し得、ここで、内側を向く突出部又は隆起は、第2リングの外側の縁を把持する。装置の外側シース又は表面は、円滑な外側表面を提供する。装置の特定の要素は、患者の周囲組織と共に移動するように、可撓性であり得る。装置の1又は複数の要素は、生体吸収性材料を含み得る。選択された表面は、組織マトリックス内で装置を安定化するために、装置に隣接する組織への内部成長及び接着に対応するように、多孔性であり得る。管275(又は管205)の長さは、リンパ流路が吻合から外れることを防止するように、静脈内に延在するリンパ流路の長さが十分長いことを使用者に示すために使用され得る。好ましくは装置ハウジング内に接合領域があり、ここで、リンパ管は、リンパ液を静脈内に供給する。流路が静脈内に挿入された状態で要素を整列及び接続するために、使用者が旋回軸を中心に2つのコンポーネントを互いに対して単純に回転し得るように、第1及び第2連結要素は任意選択的に、片側で接続され得ることに留意されたい。更なる実施形態において、外側シース276は、装置の周囲に延在する装置に取り付けられ得、それによって、装置を包囲する。シース276はまた、シースコネクタによって共に接続する各リングから周辺に延在する部分を含み得る。
【0025】
更なる実施形態において、連結装置は、第1端を通じて静脈を受容するための管状部分を有する単一の一体的なピースとして製造され得、静脈の壁は、管状部分の第2端上のピン又はアンカーによって把持され得る。装置の第2端は、静脈に挿入されたリンパ管を含む支持組織を受容する、より大きい開口を有し得る。
図2Dの正面図及び
図2Eの背面図に示されるように、本明細書に記載のいくつかの実施形態による連結装置300は、標準的な成形技法を使用して、又は、3次元(3D)印刷方法を使用することによって製造され得る単一の一体的なピースから形成されるボディを有し得る。本実施形態において、連結装置300は、連結装置300の異なる部分を少なくとも部分的に囲む円筒壁302によって画定される。円筒壁302は、いくつかの実施形態において、外側リング側壁312に隣接する側壁開口306、308、310を有し得る。側壁開口306、308、310は、使用者が、まず側壁開口の1つを通じて、その後、リング開口を通じて、底部リング表面304を越えて、鉗子又は他の器具を通過させることを可能にするサイズである。鉗子は、各開口306、308、310において、組織(リンパ流路を囲む脂肪組織など)を把持し、それを、リング開口を通じて、ピン、アンカーなどの組織把持要素324上に引き出すために使用され得る。ピンは、例えば、ピン固定エリアに挿入され得、又は、連結装置300と一体的に形成され得る。いくつかの実施形態において、連結装置300は、内側底面314から連結要素300の上面320に延在する中央アパーチャ316を有し得る。静脈は、中央アパーチャ316を通じて上面320から延在し得、ピン固定エリア内に挿入され得る、又は、連結装置300と一体的に形成され得るピンなどの組織把持要素315に取り付けられ得る。組織把持要素315は、リング要素の下の深度318においてセットされる内側底面314から突出し得る。いくつかの実施形態において、脂肪組織は、ピン324上に延ばされ得、脂肪組織内においてリンパ管の延長が生じ得、その結果、リンパ管は好ましくは、ピン315において固定される静脈内に延在する。底部リング表面開口は、静脈に流体連結されるリンパ流路を含む支持組織のより大きい体積の挿入に対応する必要があるので、中央アパーチャ316よりより大きいサイズ又は直径を有する。
【0026】
上面320において、中央アパーチャ316の周りの表面は、円錐状表面322であり得る。円錐状表面322は、力が組織に加えられるときに、組織を中央アパーチャ316内に誘導することによって、組織の直接的な挿入を助け得る。加えて、円錐状表面322は、鋭い角又は縁を有しないので、挿入された組織(例えば、静脈)の摩滅を軽減し得る。
【0027】
図3は、リンパ管287、289のペアを受容した静脈285、並びに、リンパ節282を備える腋窩の場所280の拡大
図284を示す。流路を静脈285に固定するために縫合286を使用した従来の処置と異なり、本発明は、静脈に入る流路287、289の接合部においてカプラ290を使用する。
【0028】
図4において概略的に示されるのは、外科的処置を実行する方法400であり、例えば、外科医は、1又は複数のリンパ流路を含む組織にアクセスするために、皮膚に対する切開を実行し得る(402)。連結装置は、患者内に配置され(404)、第1連結要素は、1又は複数のリンパ流路に取り付けられ(406)、第2連結要素は、静脈に取り付けられる(408)。第1連結要素は、第2連結要素に接続され(410)、1又は複数のリンパ流路は、露出された静脈開口内に、リンパ流路からのリンパが静脈内に流れ得るような深度に配置される。外科医はその後、連結装置が患者内に移植されるように、外科的開口を閉鎖する(412)。代替的に、連結装置は、管の一方の開放端に挿入される静脈に接続するために、片側にピン又は組織アンカーを有する単一の管又はリングを含み得る。静脈の壁組織は、静脈を装置に対して所定の位置に保持するために、壁組織を貫通するピン又は組織アンカー要素上に配置される。リンパ流路は、反対端の管開口を通じて、少なくとも部分的に管内に配置される静脈内に挿入され得る。管は、片側における挿入を可能にするが、静脈の除去を阻止する内部的特徴を有し得る。このようにして、管の内側壁は、管における静脈の移動を阻止するために、一方向を向いた歯、ピン、又は、他の特徴を有する摩擦表面を有し得る。管は、流路を把持する材料のループが管に取り付けられることを可能にする外部的特徴を有し得る。
【0029】
リンパ系の可視化及びマッピングを助けるために色素が使用され得る。例えばフルオレセインイソチオシアネート(FITC)が、可視スペクトルにおいて励起され、手術室において日常的に使用されている。神経外科医は、この色素を静脈内に注射し、フィルタ技術を搭載した顕微鏡を利用して腫瘍を可視化しながら、周囲組織の生き生きとした色を維持し、拡大及び組織郭清を同時に可能にする。これは、リンパの外科医にとって重要である。したがって、FITCは、リンパマッピングのために手術室において使用され得る。FITCは、慢性リンパ水腫の患者における腕の表面組織においてリンパ静脈バイパス(LVB)を実行するために利用されてきたことに更に留意されたい。FITCは、LYMPHA処置などの観血手術分野におけるリンパマッピング及び郭清のための、安全で高度に有効な色素である。
【0030】
LYMPHA処置を受けたすべての乳癌患者のリンパ水腫リポジトリデータは、人口統計学的情報(年齢、ボディマス指数(BMI))を含み、周術期データが取得された(可視化されバイパスされたリンパ流路の数、腋窩静脈からの流路の距離、標的静脈の名称、及び有害事象)。
【0031】
例示的な処置(全内容が参照によって本明細書に組み込まれる、Spiguel et al. "Fluorescein Isothiocynate: A Novel Application for Lymphatic Surgery", Annals of Plastic Surgery, Volume 78 (2017)を参照)において、例えば、ALNDの前に、2ccの改変された2%フルオレセイン溶液が、同側の上腕の筋膜に沿って、皮内注射される。溶液は、7.5ccの生理食塩水及び0.5ccのAlbuRx5 (CSL Behring Inc., King of Prussia, PA)で2ccを希釈することによって、ストックAK-FLUOR 10% (Akorn Inc., Lake Forest, IL)溶液から改変され得る。ALNDは、レベルIリンパ節を長手方向にトラバースする表在副静脈支流を保護するために慎重に実行される。腋窩静脈に沿ったレベルI腋窩内容物の優れた郭清は、典型的には胸背神経血管束の前方に見られる副静脈支流の識別を用いて実行される。静脈はその後、レベルI腋窩内容物から郭清され、最大の長さを提供するように遠位側でクリップされる。その後、レベルI及びIIのALNDの完了が実行される。
【0032】
腋窩郭清の完了後、例えば、YELLOW 560パッケージを搭載したPentero 900D Microscope (Carl Zeiss Inc., Germany)が、腕を流れる分割されたリンパ流路を識別及びマッピングするために利用され得る。採取された静脈は、標準のマイクロ手術技法のために準備される。外科医は、既存の技法を利用して、9-0ナイロン縫合を使用して、「U」字ステッチを配置して、静脈の前方の壁、及び、バイパスのために選択されたリンパ流路におけるパラシュートを捕捉する。その後、10-0ナイロンが、静脈の壁を外リンパ組織に縫合するために利用され得る。バイパスされない流路はクリップされる。静脈を満たすリンパ管の流れは、吻合術後に1時間活性化されたフィルタを用いて可視化され得る。
【0033】
しかしながら、選択された実施形態によれば、外科医は、縫合の代わりに、外リンパ組織を第1接続要素に取り付け、静脈を第2接続要素に取り付け、リンパ流路の露出端を静脈における開口に挿入し、これらのコンポーネントを接続して、吻合術又は静脈へのリンパ流路の重積を安全に完了する。
【0034】
Spiguel, et alによる研究に示されるように、2015年3月から9月までに13人の患者が、術中FITCリンパ管イメージングと共にLYMPHAを受けた。患者の平均年齢は50歳、平均BMIは28であった。平均では、3.4の分割されたリンパ流路(範囲1~8)が、腋窩静脈の尾側の2.72cmの平均距離(範囲0.25~5cm)において識別された。患者あたり1.7の流路がバイパスされた(0~4)。腋窩静脈の副枝又は側枝に吻合術が実行された。LYMPHAは、これらの例において、腫瘍学的処置に平均で67分間(45~120分間)を追加した。
【0035】
したがって、FITCは、LYMPHA技法のための安全で効果的な色素である。ICG及び青色色素と比較して、FITCは、多くの長所を有する。FITCは、ICG及び青色色素とは対照的に、周囲組織を恒久的に染めるものではなく、リンパ流路の郭清を容易にする。リンパ手術におけるICGに対するFITCの主な長所は、例えば、FITCは可視スペクトルにおいて励起され、観血手術分野において使用される色素になるので、リンパ流路の可視化及び郭清を同時に可能にできることである。
【0036】
診断された乳癌患者は、術前にリンパ水腫評価を有し得る。術前及び術後の各評価は、3つの要素、すなわち、(1)BCRLの兆候及び症状についての、認定されたリンパ水腫セラピストによる評価、(2)周囲測定、及び、(3)生体インピーダンス分光法を含み得る。リンパ水腫は、BCRLの兆候/症状及び1つの客観的な陽性指標を有するものと定義され得、一過性であり得るか、又は、例えば6か月を超えて延長し得る。人口統計学(年齢、BMI、過去の放射線又は化学療法)、癌治療特性(化学療法、放射線治療の種類、及び、外科的管理)、及び、理学療法評価(周囲測定、生体インピーダンス分光法データ、追跡調査)が分析に含まれ得る。
【0037】
ALND処置は、腋窩レベルI及びII節の切除を含む。ALNDを受ける患者は、FITCを用いて、分割されたリンパ管の識別を受け、その後、それらの流路を、保護された腋窩静脈支流に経路変更し得る。
【0038】
年齢、ボディマス指数、臨床病期、放射線治療、及び化学療法など、リンパ水腫の発症についての人口統計学的及び潜在的リスク因子が検討された。同様に、LYMPHA技法を受けた患者は、ALNDのみを受けた患者と比較された。すべてのp値は、適宜、フィッシャーの正確確率検定又は両側検定を使用して計算された。統計的コンピューティング、バージョン3.3.2のR言語で計算が行われた。
【0039】
例えば、フィッシャーの正確確率検定を用いて、SASを使用して、検定力分析が実行され得る。これは、我々の施設のデータに基づいて、0.40の設定制御パーセントを利用した。前に示された通り、同時のリンパ静脈バイパス後のリンパ水腫の発症率は、0.04であった。この処置の評価において、検定力は保守的に0.8に設定され得る。
【0040】
Hahamoff et alによって行われた研究(参照によって全内容が本明細書に組み込まれる、"A Lymphatic Surveillance Program for Breast Cancer Patients Reveals the Promise of Surgical Prevention", Journal of Surgical Research, 2017, 10.008)において、177人の患者が、術前リンパ水腫評価に提示され、期間中に87任意の患者(49%)がプログラムに関与した。センチネルリンパ節(SLN)生検を受けた患者の45%(67/145)及びプログラムに関与したALNDを受けた患者の64%(18/28)は、平均年齢が60(32~83の範囲)、BMIが30(17~46の範囲)であった。40%は乳房切除を受け、21%はALNDを受けた。18%は、ネオアジュバント化学療法を受け、24%は、RLNRを受けた。この例における大部分の患者は、任意の再建術を受けなかった(62%)。
【0041】
リンパ水腫の発症についての単一のもっとも重大なリスク因子は、ALNDであった(p<0.001)。乳房切除(p=0.02)、補助化学療法(p=0.03)、及び、RLNR(p=0.05)を受けることも、リンパ水腫発症に関連する。リンパ水腫発症及び臨床病期III疾患(p=0.10)への傾向も示された。
【0042】
表1.FITCと比較される、リンパ手術においてもっとも一般に使用される2つのフルオロフォア(青色色素及びICG)の長所及び短所
【表1】
リンパ水腫を発症したすべての患者は、治療中に、又は、癌治療の完了の6か月以内に最初に診断された。したがって、すべての患者は、最初に一過性リンパ水腫と診断された。外科的処置後の診断までの平均時間は、4.7か月であった。SLN生検群における1人の患者は、一過性リンパ水腫を発症し、その後、持続性リンパ水腫を発症した(1/67又は1.5%)。LYMPHA処置無しでALNDを受けた後に一過性リンパ水腫を発症した5人の患者のうち、1人の患者の症状及び客観的指標は、完全に解消し、4人の患者の症状は持続し、リンパ水腫を発症した(4/10、又は40%)。これら4人の患者のうち3人は、周囲測定及び生体インピーダンス分光法における関連する変化を伴う症状の変化に基づいて、リンパ水腫と診断された。第4の患者は、症状及び周囲測定単独の変化に基づいて診断された。期間中にLYMPHA処置を受けた17人の患者のうち、8人のみが我々の監視プログラムに関与した。ALND+LYMPHA群における1人の患者は、継続的な一過性リンパ水腫を発症したが、それでも、補助放射線治療の完了の6か月以内であった(1/8又は12.5%)。この患者の診断は、周囲測定の変化が無い、症状及び生体インピーダンスの変化に基づく。LYMPHAを伴う、又は伴わないALNDを受けた2つの群の間の唯一の有意差は、追跡調査期間がそれぞれ、15か月、20か月であるという点である(p<0.03)。
【0043】
任意の潜在的な交絡因子又は偏りを識別するための、LYMPHAを伴う、又は伴わないALNDを受けた患者と、追跡調査不能になった患者との比較において、示された群の間の唯一の違いは、LYMPHAを受けた参加者は、追跡調査不能になった患者より10歳高齢であったことであった(59対49、p=0.04)。
【0044】
現在までBCRLの治療は無いので、ハイリスク患者の認識及び予防的治療は重要な考慮事項である。ALND後のリンパ水腫の割合は、この例におけるLYMPHAアプローチの導入後、40%から12.5%に軽減され得る。同様に、ALNDを受ける患者におけるリンパ水腫は、処置の5か月以内に識別することが好ましい。ALND、乳房切除、補助化学療法、及びRLNRは、リンパ水腫の発症と関連する。
【0045】
Hahamoff et al,の研究の注目すべき発見は、LYMPHA技法の導入後ALNDを受けた患者において、リンパ水腫の発症率が40%から12.5%に低減したことであった。
【0046】
リンパ水腫を発症した患者は、治療中に、又は、癌治療の終了の6か月以内に、兆候及び症状を最初に示したことに留意されたい。これらの患者のうち、1人の患者の病状は、完全に解消した。現在まで、癌治療の完了後6か月を超えてリンパ水腫を示した患者は存在しない。この発見は、早期リンパ水腫を検出することができる監視の価値を裏付けるものである。迅速な検出及び治療は、疾患の進行を潜在的に遅くし得るので、これは特に、ハイリスク患者にとって重要である。
【0047】
ALND及びRLNRは、リンパ水腫の発症についての重要なリスク因子である。乳房切除を受けた患者では、リンパ水腫の発症率が増加し得、これは、ALNDの指示によって説明され得る。具体的には、乳腺腫瘍摘出術を受けた、リンパ節の転移が限定されている患者は、ALNDを必要としないが、乳房切除を受けた患者は、同程度のリンパ節の転移で、ALNDを受ける。したがって、乳房切除を受けた患者は、乳腺腫瘍摘出術を受けた患者より侵襲性の高い腋窩管理を受ける。補助化学療法を受けた患者について、リンパ水腫の発症率が増加し得、化学療法を受けた患者は、最初により進行した疾患を示した可能性が高いので、やはり偏りが生じ得る。しかしながら、研究によれば、特定の化学療法レジメンがリンパ水腫の発症と関連することが示される。最後に、ALNDに提示される患者は、疾患がより進行しているので、臨床病期3の疾患を有する患者においてリンパ水腫の発症率が増加することが示されたことは驚くことではない。
【0048】
外科的予防は、乳癌生存者の生活の質を改善することを助け得るが、このプログラムの開発には、課題があった。SLNが永続的セクションのために送られ、後日に患者がALNDのために手術室に戻ったとき、乳腺及び形成外科医の間の組み合わせ処置のスケジューリングは有効であった。しかしながら、SLNが凍結セクションために送られたとき、ALNDの必要性に挑戦する最近の試験を特に考慮すると、より多くの割合の患者はALNDに進行しないので、スケジューリングはより不規則であり得る。
【0049】
リンパ水腫の治療のための本装置及び方法は、腋窩への転移性疾患の治療法を変化させ得る。ALND、すなわちリンパ水腫の著しい死亡率を考慮して、早期段階の乳癌においては、RLNRに比べて、ALNDは明確に回避される。しかしながら、LYMPHA処置の改善、及び、リンパ水腫の発症率が低くなる見込みにより、局所領域制御の改善された方法の提供におけるALNDの役割が強化され得る。
【0050】
重大な発見として、リンパ水腫の診断までの平均時間は、外科的介入の4.7か月なので、LYMPHAの登場後におけるリンパ水腫の発症率の減少が著しい。この例において、ALND対ALND+LYMPHA群における総追跡調査時間は、それぞれ、20か月及び15か月であった。
【0051】
ALNDと共にLYMPHAを提供することによって、リンパ水腫の発症率が40%から12.5%に減少した。同様に、手術後の監視は、理学療法による早期の診断及び介入を提供し得る。リンパ水腫の発症についての重大なリスク因子は、ALND、RLNR、補助化学療法、及び乳房切除を含む。
【0052】
胸腺外科医は多くの場合、センチネルリンパ節(SLN)識別のための青色色素及びテクネチウム硫黄コロイドの両方を含むデュアルトレーサー方法の使用を好むことに留意されたい。これは特に、ネオアジュバント化学療法が前に処方された場合において重要である。したがって、腕と胸部のリンパ管から染色を区別するために、腕のリンパマッピングのための異なる色素が探されていた。したがって、可視化処置の組み合わせが使用され得る。
図5に示されるのは、リンパ系の部分を含む身体の領域である。これらの領域の各々は、特定の病状について、必要に応じてリンパの流れをマッピングするためにイメージングされ得る。
【0053】
現在使用されるリンパ管マッピングのもっとも一般的方法は、インドシアニングリーン(ICG)である。しかしながら、ICGの課題は、色素が近赤外であり、したがって、非可視スペクトルにおいて励起することである。これにより、可視化及び同時郭清のためのICGの有用性が限定される。色素は黒色の背景上で白色の信号として表示され、顕微鏡の両眼を通じて同時に可視化することができないからである。
【0054】
図6に図示されるのは、癌患者におけるリンパ水腫を治療することに関連する段階を示すフローチャート600である。プロセスは602で開始され、ここで、患者は、3つの異なるプロトコル604、606、608の1つへ送られ得る。第1プロトコル604において、腋窩手術は実行されず、追跡調査は、リンパ水腫が観察されないことを示す。第2プロトコル606は、特定の集団が治療を必要とするリンパ水腫を発症するセンチネルリンパ節生検を採用する。第3プロトコル608は、本明細書に記載されるLYMPHA処置を有する(612)又は有しない(610)ALND処置の実行を伴う。
【0055】
図7および8に関連して図示されるのは、本明細書に記載されるような連結装置を移植するためのロボティックリンパ静脈バイパス外科的処置を実行するためのシステム及び方法である。Intuitive Surgical Inc., Sunnyvale CAから入手可能なDa Vinciシステムなどのロボティックシステムは、
図3と関連して図示されるLVAマイクロ手術処置を実行するために使用されてきた。参照によって全内容が本明細書に組み込まれる、van Mulken et al, "First-in-human robotic supermicrosurgery using a dedicated microsurgical robot for treating breast cancer-related lymphedema: a randomized pilot trial", Nature Communications, 11:757,2020年2月20日を参照されたい。ロボット手術に関連する更なる詳細が、米国特許出願第9,138,297号に記載され、その全内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。このシステム700は、鉗子状のマニピュレータなどの把持要素706、708に取り付けられたロボティックアーム702、704を採用し得る。外科医は、システム700を使用して、外科分野におけるマイクロ手術器具を把持及び制御し得る。システム700におけるコンピュータ化システム710は、例えば、スケーリング動作及びトレマーフィルタリングを実行するためにソフトウェアでプログラムされている。
図8のプロセスフロー図に記載されるように、プロセス800は、処置を実行するように駆動される複数の2又はより多くの制御アーム702、704を使用する。ここで、本明細書に記載されるような第1(又は第2)連結要素に連結するのに好適な直径を有する静脈が選択される(802)。ロボティックアームは更に、1又は複数のリンパ管を有する脂肪組織の領域を把持し得、ここで、脂肪組織は、本明細書に記載されるような第2(又は第1)連結要素に取り付けられる(804)。ロボティックアームは、
図7で見られるように、第1及び第2連結要素100、120を把持し得、典型的には外科用顕微鏡による可視化により、リンパ管が静脈内に挿入されるように、2つの要素を整列する(806)。ロボティック把持器具706、708は、刻み目又はスロットを有するように作られ得る外側周囲表面によって2つの連結要素を保持し、安定かつ安全なグリップを可能にし得る。2つの連結要素は互い接続され(808)、装置は、傷の閉鎖(810)のために、傷の開口内に配置される。
【0056】
図9に示されるように、1又は複数のセンサ265又はイメージング装置は、装置内の接合部における静脈へのリンパ液の流れを測定するために使用され得る。センサ265は、光センサであり得、例えば、発光ダイオード(LED)又はレーザダイオードなどの光源が、静脈の外側表面に接触するセンサモジュール266内のフォトディテクタアレイに対して配置され得る。本明細書に記載されるように、光センサが色素の移動を検出することによって流量を測定できるように、蛍光色素は、処置の前、間、又は後に、リンパ管内に供給され得る。代替的に、センサ265は、蛍光色素と共にリンパ管内に導入されるリフレクタを検出するために、音信号を静脈内に送り得る超音波トランスデューサ266を含み得る。ケーブル又はワイヤ268は、創傷閉鎖後の組織表面に延在する経皮ポート267を通じて延在し得る。ケーブルは、測定されたデータをディスプレイ上に表示するため、及び、データをメモリに格納するために、コンピュータ制御データ処理及び表示装置に接続される。このデータは、各患者についての電子医療記録に送られ得る。センサは、創傷閉鎖後の早期の挿入及び除去を可能にするべく、特定の実施形態においてポートを通じて挿入されるように構成され、そのようなサイズを有し得る。前に記載されたように、センサおよび/又は蛍光透視鏡イメージングは任意選択的に、リンパ管及びリンパ流の適切な配置を確認するために、処置の間および/又は後に使用され得る。装置はまた、任意選択的に、接合部の近傍にある静脈内の凝固形成を阻止する1又は複数の治療薬でコーティングされ得る。
図10に更に示されるのは、メンブレン283を有する連結要素277に可撓性バルブリング281が取り付けられ得る実施形態である。バルブ要素281の内側表面は、要素277の内側表面に示されるピンに取り付けられる静脈の外側表面と接触している。バルブ要素は、装置内の接合部上の静脈圧力を制限して、接合領域上の静脈の液体からの逆圧を減少させるべく、静脈を収縮させるようなサイズであり得る。接合部における、この軽減された圧力は、経時的に増加する傾向があるリンパ液の流れを確立することを助け得る。バルブ要素は、接合部におけるリンパ液体圧力の増加を遅くすることに対応するような形状、サイズを有し、そのように構成され得、経時的に圧迫の量を低減し得る。バルブ要素は、材料の分解の速度に起因して、経時的な静脈上の制限を軽減する生分解性材料を含み得る。バルブはまた、経時的に食塩水などの加圧された液体を放出し得る、加圧されたブラダなどによって活性化され得る。代替的に、柔軟なフラップも、選択された速度で拡張する弾性材料を用いて、静脈上の十分な圧力を付与し得る。
【0057】
図11に更に示されるのは、連結装置900が、第1リング外側表面920を有する第1連結要素902、及び、第2連結要素904を備え得る実施形態である。第1連結要素902は、リンパ管905を含む脂肪組織906に取り付けられ得、一方、第2連結要素904は、静脈908に取り付けられ得る。第1連結要素902及び第2連結要素906が共に組み合わされて連結装置900を形成するとき、リンパ管905からのリンパ液が静脈908へ流れる。
【0058】
図12は、連結装置900の底面図を図示する。第1連結要素は、第1リング外側表面920及び接続要素突起部922を有するリング要素の形態であり得る。第2連結要素904は、1又は複数のリンパ管905が静脈内に挿入され得るように、まずピンに連結される静脈に係合し、また、円錐容積内に脂肪又は脂肪組織906を受容し得る円錐状要素を含み得る。脂肪組織906及び包埋されたリンパ管905は、連結装置900のリング開口901を通じて延在し得る。リンパ管905は、第2連結要素904における開口を通じて延在し得る静脈908内に挿入され得る。いくつかの実施形態において、第1連結要素902は、接続要素922を通じて第2連結要素904に接続され得る。第1連結要素902の接続要素922は、第2連結要素904上の受容要素に係合し、それによって、第1連結要素902を第2連結要素904に接続し得る。いくつかの実施形態において、第2連結要素904は、静脈908の端を把持するように配置され得る組織把持要素918を有し得る。いくつかの実施形態において、組織把持要素918はピンであり得る。ピン918は、第2連結要素と一体的に形成され得るか、又は、第2連結要素における開口916に挿入され得る。第2連結要素904の組織把持要素918は、手術中に、静脈908を予定位置に固定する。第1連結要素902及び第2連結要素904は、組織を貫通及び把持するように構成されているピン、突起部、又は組織アンカーを除いて概して円滑な表面の特徴を有する、剛性又は半剛性の可撓性又は弾性生体適合性材料を含み得る。いくつかの実施形態において、第1連結要素902及び第2連結要素904は、2つのコンポーネントを共にスナップ嵌めして連結装置900をより容易に形成することを可能にし得る表面を有し得る。
【0059】
図12に示されるように、第1連結要素902は、第1連結要素902を第2連結要素904に接続して連結装置900を形成するように構成されている接続要素突起部922を有し得る。いくつかの実施形態において、第1連結要素902は、使用者が器具を使用して要素を把持し連結要素又は装置900を操作することを可能にする表面領域を提供し得るリング壁流路911を有し得る。共に連結されるとき、第2連結要素904の第2リング外側リング壁流路911の表面915は、第1連結要素902における各リング壁要素の端に当接する。
【0060】
図13は、
図12に図示される線に沿って取得される連結装置900の断面図を図示する。
図13に示されるように、リンパ管壁905は、静脈の内部908内に延在し得、それにより、リンパ液がリンパ管から静脈内に流れることを可能にする。様々な実施形態によれば、第2連結要素904は静脈を把持する。静脈は、例えば1~3mmの範囲の直径914を有し得る。いくつかの実施形態において、第1連結要素902は、第1連結要素902及び脂肪組織906の間の接触の支持を提供し得る組織接触表面903を有し得る。いくつかの実施形態において、第1内側リングにおける開口936の直径は、5mmから12mmの間の範囲であり得る。他の実施形態において、開口936は、7.2mmより小さい、又は、10mmより大きい直径を有し得る。いくつかの実施形態において、第1連結要素902は、5~10mm、好ましくは約7mmの範囲の長さ910を有し得る。開口936の直径は、開口を通じてマイクロ鉗子(典型的には、マイクロ鉗子の各アームについて、0.5mmの先端幅)を快適に通過させ、組織を把持し、開口936を通じて組織を引き出すのに十分に大きいことがあり得る。静脈-静脈吻合術のための従来の装置において、小さい直径開口が両方の要素上に提供され、静脈が通過することを可能にする。そのような装置は、マイクロ鉗子が通過できないほど小さく、束ねられた脂肪組織及びリンパ流路をそれを通じて引き出すことができないほど小さいことがあり得る開口を有する。本明細書に記載のシステム及び方法は、より大きい直径の開口936を採用して、組織操作を容易にし、リンパ液を静脈内に流すように静脈に対して1又は複数のリンパ管が配置されることを確実にし得る。
【0061】
いくつかの実施形態において、第1連結要素902は、1、2、又はより多くのリンパ管を含む脂肪組織906に取り付けられ得る。単一のリンパ管が
図11~
図15において図示される。リンパ管壁905は、リンパ管壁905内の流路907を有し得る。いくつかの実施形態において、リンパ管壁905内の流路907は、約15~4000ミクロン(0.015~4mm)、又はより好ましくは、0.1~0.8mmの範囲の直径912を有し得る。本開示の装置を使用して、リンパ幹管が静脈に連結される適用において、リンパ管の直径912は、2~4mmの範囲であり得る。第1内側リング901は、第1連結要素902及び第2連結要素904の間の脂肪組織906に接触し得る。いくつかの実施形態において、第1内側リング901を通じた開流路917があり得る。いくつかの実施形態において、第2連結要素904は、ピン916のためのピン固定領域918を有し得る。ピン固定領域918は、固定されるピン916の部分に各々が接続する孔を含み得る。ピン固定領域918は、いくつかの実施形態において、ねじ孔を含み得る。ピン916は、静脈を第2連結要素904に固定する。ピン916は、
図21を参照して、下でより詳細に記載される。
【0062】
好ましい実施形態において、リンパ管内の流路907は、連結装置900が組み立てられるとき、静脈908内において、ある距離だけ延在し得る。換言すると、リンパ管は静脈内に重積され得る。いくつかの実施形態において、流路907は、0.5mm、1mm、1.5mm、又はより多くの距離だけ延在し得る。流路907を静脈内にある距離だけ延在させることによって、流路から出るリンパ液は、静脈908内に直接連結され、流れ得る。他の実施形態において、流路907は、連結装置900が組み立てられるとき、静脈内に延在しない。むしろ、リンパ管及び静脈の端は、整列され、連結装置900で封止され得る。組み立て後、リンパ液は、リンパ管から漏れ続けて脂肪組織906に接触し得、連結装置900内の内部空間を満たし得る。リンパ液に接触した後、脂肪組織906は、セローマ空洞において生じるものなど、天然のライニング材料に変化し得る。このライニング材料は、更なるリンパ液の浸透を比較的通さない。リンパ液が接触する表面上のこのライニング材料の生成は、連結装置900内の封止を生じさせ、リンパ液が静脈908以外の任意の手段によって出ることを防止する。
【0063】
図14および
図15はそれぞれ、連結装置900の前方及び後方斜視図を示す。上で示されたように、第1連結要素902は、構造的支持及び操作可能性を連結装置900に提供し得るリング壁流路911を有し得る。いくつかの実施形態において、リング壁流路911は、第1連結要素902を第2連結要素904に固定することを助け得る。いくつかの実施形態において、第2連結要素904は、内部円筒壁流路909を含み得る。内部円筒壁流路909は、連結装置900のたmねい、より軽い総重量を維持しながら、可撓性を提供し得る。いくつかの実施形態において、壁流路909は、移植中に第2連結要素904を保持及び操作することを可能にするために、器具によって係合され得る。いくつかの実施形態において、連結装置900は、第2リングの外側リング壁流路911の表面915を有し得る。いくつかの実施形態において、連結装置900は、リング孔901を通じた開流路917を有し得る。開流路917は、連結装置900の移植時に、装置の追加的な安定性を経時的に提供する、組織の内部成長を可能にし得る。
【0064】
図16に示されるように、第1連結要素902は、第1リング外側表面920を有し得る。いくつかの実施形態において、第1リング外側表面920は、接続要素突起部922に延在する。いくつかの実施形態において、接続要素突起部922は、上面924を有し得る。いくつかの実施形態において、接続要素突起部922の上面924は剛性、かつ、テクスチャリングされ得る。いくつかの実施形態において、接続要素922は、第1連結要素902及び第2連結要素904の間のスナップ嵌め接続を可能にし、連結装置900を形成し得る。いくつかの実施形態において、第1連結要素902は、約7mmの高さ925を有し得る。いくつかの実施形態において、フックの底部又はラッチ要素928及びリングの間の距離930は、約4mmであり得る。いくつかの実施形態において、接続要素922は、約1mmの幅926を有し得る。
【0065】
図17に示されるように、第1連結要素902における開口936は、5mm~15mmの範囲の直径を有し得る。いくつかの実施形態において、第1連結要素902は、約1mmの直径934を有するリング壁流路911を有し得る。いくつかの実施形態において、第1連結要素902は、リング基部における反対の刻み目の間の直径938を有し得る。
【0066】
図18に示されるように、接続要素922は、フック又はラッチ要素928を含み得る。いくつかの実施形態において、第1連結要素902はピン固定領域933を含み得る。ピン固定領域933は、ピン946(例えば、
図23に示される)を受け、固定し得る。ピン946は、第1連結要素902に関連するピン918と同様であり得る。ピン固定領域933におけるピン946は、リンパ管を含む脂肪組織906に接続する、又は、把持し得る。例えば、脂肪組織906は、第1連結要素902の開口936を通じて運ばれ、ピン946のうちの1又は複数に延ばされ得る。
【0067】
図19に示されるように、第1連結要素902は、上面924を有する接続要素突起部922上にラッチ要素928を有し得る。いくつかの実施形態において、距離939は、反対の接続要素922の内側表面の間にある。いくつかの実施形態において、ラッチ要素928は、接続要素922の内側表面から距離927だけ延在し得る。いくつかの実施形態において、フック又はラッチ要素928の上面の角度947は、例えば、約40~65度であり得る。
【0068】
図20に示されるように、第1連結要素902は、約60度の、隣接する接続要素突起部922の間の角度距離929を有し得る。いくつかの実施形態において、各ラッチ928の幅925は、例えば約1~2mmであり得る。いくつかの実施形態において、各突起部の幅961は、対応するラッチより大きい。
【0069】
図21に示されるように、いくつかの実施形態において、ピン918は、ピン918の基部に締結具913を有し得る。いくつかの実施形態において、締結具913は、ピン固定領域916と篏合するネジ山であり得る。いくつかの実施形態において、各ピン918の端は先端921に向かって狭くなり得る。いくつかの実施形態において、先端921は尖っていることがあり得る。いくつかの実施形態において、ピン916の先端921は、脂肪組織906又は静脈壁上に保持され得る。
【0070】
図22Aに示されるように、第2連結要素904はリング流路942を有し得る。第2連結要素904の中央部分は円錐状表面940を含み得る。円錐状表面940は、第2連結要素904の底部におけるもっとも狭い直径から、隆起したリングの上面における最大の直径まで、直径が増加し得る。いくつかの実施形態において、円錐状表面940は脂肪組織906を受容し得る。いくつかの実施形態において、ピン916はピン固定領域918に配置され得る。ピン固定領域918は、ピン916が円錐状表面940から延在するように、円錐状表面940上に配置され得る。いくつかの実施形態において、第2連結要素904は、第2リング外側表面945を有し得る。いくつかの実施形態において、円錐状表面940は、第2連結要素904の表面より1又は数ミリメートル高いことがあり得る。これにより、例えば、静脈908内への少なくとも1mmの深度のリンパ流路907の挿入を提供し得る。したがって、連結要素の相対的な寸法は、挿入の深度を定義し得る。
【0071】
例示的な連結装置900の斜視図が
図22Bに示される。第1連結要素及び第2連結要素が接続されるとき、内部容積が連結装置内に作成される。内部容積は、リングアパーチャを通じて引き出された、ある程度の張力下にある脂肪組織で充填され得る。脂肪組織は、リングアパーチャを封止するように機能して、内部容積からリンパ液が出ることを防止し得る。
【0072】
図23に示されるように、第1連結要素902は、第2連結要素904を接続して連結装置900を形成し得る連結要素突起部922を有し得る。いくつかの実施形態において、第1連結要素902は、第1内側リング901の第1リング外側表面920を有し得る。第1連結要素902は、脂肪組織906に接続して把持するためのピン946を含み得る。
【0073】
図24A~
図24Cに示されるように、いくつかの実施形態の連結装置900は、コンポーネントを囲む円筒壁950によって画定され得る。上で示されるように、いくつかの実施形態において、連結装置900は、第1連結要素及び第2連結要素を接続することによって形成され得る。第1連結要素及び第2連結要素は、別個のピースであり得るか、又は、接続シース、ヒンジ、又は、要素が互いに対して移動することを可能にする他の接続装置を使用して連結され得る。代替的に、連結装置900は、単一の一体的オブジェクトとして形成され得る。いくつかの実施形態において、連結装置900は、第1円錐表面952及び第2円錐表面940を有し得る。第1円錐表面952は、静脈を装置内に配置することを助け、組織の摩滅を回避し得る。第2円錐表面940は、静脈直径が通常の直径から、第2円錐表面940の上方の縁において拡張された直径に広がるときに、支持を提供し得る。組織把持要素は、第2円錐表面から延在し、静脈などの組織を固定し得る。
【0074】
当業者であれば、上に記載された装置及び方法の修正及び変形は、本明細書において開示される発明思想から逸脱することなく行われ得ることを理解するはずである。したがって、開示は、添付の特許請求の範囲の及び思想によって限定される以外は、限定されるものとみなされるべきでない。
【0075】
[項目1]
リンパ静脈バイパス手術のための装置であって、
少なくとも1つのリンパ流路に連結する第1組織把持要素を有する第1連結要素;及び
前記第1連結要素に接続可能な第2連結要素、ここで、前記第2連結要素は、静脈を前記第2連結要素に固定するように構成されている第2組織把持要素を有する、
を備え、前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、リンパ液を前記リンパ流路から前記静脈に供給するために、患者の前記静脈に対して少なくとも1つのリンパ流路を配置する、
装置。
[項目2]
前記第2連結要素は円錐状表面を有し、前記第2組織把持要素は前記円錐状表面から突出する、項目1に記載の装置。
[項目3]
前記円錐状表面は、1~3mmの範囲の第1直径、及び、7~12mmの範囲の第2直径を有する、項目2に記載の装置。
[項目4]
前記円錐状表面の前記第2直径は、共通軸に沿って、前記第1連結要素のリングアパーチャと整列する、項目3に記載の装置。
[項目5]
前記第1組織把持要素は、1又は複数のピンを含む、項目1に記載の装置。
[項目6]
前記第2組織把持要素は、1又は複数のピンを含む、項目1に記載の装置。
[項目7]
前記第1連結要素は、前記少なくとも1つのリンパ流路を含む組織が前記第1組織把持要素との接続のために挿入されるリングアパーチャを含む、項目1に記載の装置。
[項目8]
前記第1連結要素及び前記第2連結要素のうちの少なくとも1つは生体適合性高分子材料を含む、項目1に記載の装置。
[項目9]
前記第1連結要素は、前記第2連結要素のそれぞれの凹部に各々が係合して前記第1連結要素及び前記第2連結要素を共に固定する複数の接続要素を含む、項目1に記載の装置。
[項目10]
各接続要素は、フック又はラッチ要素を含む、項目9に記載の装置。
[項目11]
前記第1連結要素は、1mm~15mmの範囲の直径の円形形状を有する、項目1から10のいずれか一項に記載の装置。
[項目12]
前記第2連結要素は、1mm~15mmの範囲の直径の円形形状を有し、前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、接続されて、移植可能な管状ボディを形成する、項目1から11のいずれか一項に記載の装置。
[項目13]
前記円錐状表面は、前記静脈が延在する管に前記円錐状表面が連結される、より狭い直径に比べて、上面において、より広い直径を有する、項目2に記載の装置。
[項目14]
前記円錐状表面は、ピンが挿入され得る複数の凹部を有する、項目2に記載の装置。
[項目15]
前記ピンは少なくとも6個の凹部に挿入される、項目14に記載の装置。
[項目16]
前記第1組織把持要素は、前記第1連結要素の外縁の周りに間隔を空けて配置された少なくとも6個のピンを含む、項目1に記載の装置。
[項目17]
前記第1連結要素上の前記ピンは、前記第2連結要素上のピンを通じて延在する単一の平面に配置されている、項目16に記載の装置。
[項目18]
前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、共通の長手方向軸に沿って共に連結され、組織に取り付けられたピンは、前記長手方向軸に平行に延在する、項目1に記載の装置。
[項目19]
前記第1連結要素から延在するコネクタ要素は、前記第1連結要素の周囲リングの周りに間隔を空けて配置され、各コネクタ要素は、前記第2連結要素の部分に連結するラッチを有し、前記装置は円筒ボディを含み、前記円筒ボディは、前記円筒ボディが使用者によって把持されることを可能にするスロットを有する、項目1に記載の装置。
[項目20]
連結装置を用いてリンパ静脈バイパス外科的処置を実行する方法であって、
患者の少なくとも1つのリンパ流路を含む組織に第1連結要素を取り付ける段階;
前記患者の静脈に第2連結要素を取り付ける段階、ここで、前記第2連結要素は円錐を含む;及び、
前記第1連結要素及び前記第2連結要素を接続し、それによって、前記少なくとも1つのリンパ流路を前記静脈に連結する段階、ここで、前記リンパ流路は前記円錐を通じて延在する、
を備える方法。
[項目21]
前記第1連結要素及び前記第2連結要素を接続して、複数のリンパ流路を前記患者の前記静脈の開放端内に連結するコネクタ装置を形成し、前記コネクタ装置は、患者に移植される管状ボディを含む、項目20に記載の方法。
[項目22]
前記第1連結要素を組織に取り付けることは、前記組織を前記第1連結要素のリングアパーチャに挿入すること;及び、前記組織を第1組織把持要素上に固定することを含む、項目20に記載の方法。
[項目23]
前記少なくとも1つのリンパ流路を前記静脈に連結することにより、ある距離だけ前記静脈内に延在させることによって前記少なくとも1つのリンパ流路に前記静脈を重積させる、項目20に記載の方法。
[項目24]
複数のリンパ流路の1又は複数は、前記静脈の内側に少なくとも1mmの深度だけ延在する、項目23に記載の方法。
[項目25]
前記第2連結要素を前記静脈に取り付けることは、
前記第2連結要素の円錐状表面の第1端から開始して、前記第2連結要素を通じて前記静脈を挿入すること;及び
第2組織把持要素を使用して、前記円錐状表面の第2端に前記静脈を固定すること
を含む、項目20に記載の方法。
[項目26]
前記静脈を固定することは、前記円錐状表面の前記第2端における前記静脈の開放端の直径を拡大することを含む、項目25に記載の方法。
[項目27]
前記第1連結要素を前記第2連結要素に接続することは、
前記第1連結要素の複数の接続要素を、前記第2連結要素の表面の上でスライドさせ、前記第1連結要素及び前記第2連結要素を共に固定すること
を含む、項目20に記載の方法。
[項目28]
前記第1連結要素を前記第2連結要素に接続することは更に、前記複数の接続要素の各々のフック又はラッチ要素を、前記第2連結要素のそれぞれの凹部に係合することを含む、項目27に記載の方法。
[項目29]
少なくとも1つのリンパ流路を含む組織に取り付ける第1連結要素;
前記第1連結要素に接続可能な第2連結要素、ここで、前記第2連結要素は、静脈を受容するように構成されている円錐状表面を有する
を備え、前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、前記少なくとも1つのリンパ流路から前記静脈内にリンパ液を供給するために、患者の前記静脈に対して、前記少なくとも1つのリンパ流路を配置するように構成されている、
リンパ静脈バイパス手術のための装置。
[項目30]
前記第1連結要素の表面上の第1組織把持要素、及び、前記円錐状表面から突出する第2組織把持要素を更に含む、項目29に記載の装置。
[項目31]
前記円錐状表面は、1~3mmの範囲の第1直径、及び、7~12mmの範囲の第2直径を有する、項目29に記載の装置。
[項目32]
前記円錐状表面の前記第2直径は、共通軸に沿って、前記第1連結要素のリングアパーチャと整列する、項目31に記載の装置。
[項目33]
前記少なくとも1つのリンパ流路を含む組織に連結する第1組織把持要素、及び、前記静脈に連結する第2組織把持要素は各々、1又は複数のピン、突起部、縫合、又は接着剤を含む、項目29に記載の装置。
[項目34]
前記第1連結要素は、前記少なくとも1つのリンパ流路を含む前記組織が第1組織把持要素への接続のために挿入されるリングアパーチャを含む、項目29に記載の装置。
[項目35]
前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、共通の長手方向軸に沿って共に連結し、前記装置は更に、前記長手方向軸に平行に延在する前記組織に取り付けるピンを含み、前記第1連結要素及び前記第2連結要素のうちの少なくとも1つは生体適合性高分子材料を含む、項目29に記載の装置。
[項目36]
前記第1連結要素は、前記第2連結要素のそれぞれの凹部に各々が係合して前記第1連結要素及び前記第2連結要素を共に固定する複数の接続要素を含む、項目29に記載の装置。
[項目37]
各接続要素は、フック又はラッチ要素を含む、項目36に記載の装置。
[項目38]
前記第1連結要素及び前記第2連結要素は各々、1mm~15mmの範囲の直径の円形形状を有する、項目29に記載の装置。
[項目39]
前記円錐状表面は、前記静脈が延在する管に前記円錐状表面が連結される、より狭い直径に比べて、上面において、より広い直径を有する、項目29に記載の装置。
[項目40]
前記円錐状表面は、ピンが挿入され得る、複数の少なくとも6個の凹部を有する、項目29に記載の装置。
[項目41]
前記第1組織把持要素は、前記第1連結要素の外縁の周りに間隔を空けて配置された少なくとも6個のピンを含み、前記第1連結要素上の前記ピンは、前記第2連結要素上のピンを通じて延在する単一の平面に配置される、項目30に記載の装置。
[項目42]
前記第1連結要素から延在するコネクタ要素は、前記第1連結要素の周囲リングの周りに間隔を空けて配置され、各コネクタ要素は、前記第2連結要素の部分に連結するラッチを有し、前記装置は円筒ボディを含み、前記円筒ボディは、前記円筒ボディが使用者によって把持されることを可能にするスロットを有する、項目29に記載の装置。
[項目43]
患者の少なくとも1つのリンパ流路を含む組織に接続するように構成されている第1連結要素;
前記患者の静脈に接続するように構成されている第2連結要素、ここで、前記第2連結要素は、前記静脈を受容するための開口を有する円錐を含む
を備え、
前記第1連結要素は前記第2連結要素に接続可能であり、それによって、前記少なくとも1つのリンパ流路を前記静脈内に連結し、前記リンパ流路は、前記円錐を通じて、前記静脈の開放端内に延在する、
リンパ静脈バイパス外科的処置を実行するための装置。
[項目44]
前記第1連結要素及び前記第2連結要素を接続することにより、複数のリンパ流路を前記患者の前記静脈内に連結する、項目43に記載の装置。
[項目45]
前記第1連結要素は、前記第1連結要素のリングアパーチャを通じて組織を挿入し、前記組織を第1組織把持要素上に固定することによって、前記組織に接続し;少なくとも1つのリンパ流路を前記静脈に連結することにより、少なくとも1mmの距離だけ前記静脈内に延在させることによって前記少なくとも1つのリンパ流路に前記静脈を重積させる、項目43に記載の装置。
[項目46]
前記第2連結要素は、前記第2連結要素の円錐状表面の第1端で開始して、前記静脈を前記第2連結要素に挿入し、第2組織把持要素を使用して前記円錐状表面の第2端に前記静脈を固定することによって、前記静脈に接続し、前記静脈の直径は、前記円錐状表面の前記第2端において拡大される、項目43に記載の装置。
[項目47]
前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、前記第2連結要素の表面の上をスライドする前記第1連結要素の複数の接続要素を使用して接続し、前記第1連結要素及び前記第2連結要素を共に固定する、項目43に記載の装置。
[項目48]
前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、前記第2連結要素のそれぞれの凹部に係合する、前記複数の接続要素の各々のフック又はラッチ要素を使用して接続する、項目47に記載の装置。
[項目49]
前記第1連結要素は、縫合、接着剤、ピン、突起部、ポスト、及び組織アンカーのうちの少なくとも1つを用いて組織に接続される、項目43に記載の装置。
[項目50]
前記第2連結要素は、縫合、接着剤、ピン、突起部、ポスト、及び組織アンカーのうちの少なくとも1つを用いて静脈に接続する、項目43に記載の装置。
[項目51]
前記少なくとも1つのリンパ流路を受容する前記第1連結要素における第1開口は、前記静脈を受容する前記第2連結要素における第2開口より大きい、項目1から19および29から50のいずれか一項に記載の装置。
[項目52]
前記少なくとも1つのリンパ流路は、前記静脈の内側直径より小さい外側直径を有する、項目1から19および29から51のいずれか一項に記載の装置。
[項目53]
複数のリンパ流路が前記静脈に挿入される、項目1から19および29から52のいずれか一項に記載の装置。
[項目54]
ロボティック装置が前記第1連結要素を前記第2連結要素に接続する、項目1から19および29から53のいずれか一項に記載の装置。
[項目55]
ロボティック装置が、前記少なくとも1つのリンパ流路を前記第1連結要素に接続する、項目1から19および29から53のいずれか一項に記載の装置。
[項目56]
ロボティック装置が、前記静脈を前記第2連結要素に接続する、項目1から19および29から53のいずれか一項に記載の装置。
[項目57]
前記ロボティック装置は、第1アーム及び第2アームを含み、各アームは把持器具を有する、項目54から56のいずれか一項に記載の装置。
[項目58]
前記ロボティック装置は、リンパ静脈バイパス処置を実行するようにプログラムされたコンピュータ制御システムを含む、項目54から57のいずれか一項に記載の装置。
[項目59]
前記第1連結要素又は前記第2連結要素のうちの少なくとも1つは、前記ロボティック装置による把持のための、1又は複数の周囲スロットを含む、項目54から58のいずれか一項に記載の装置。
[項目60]
第1連結要素に連結された少なくとも1つのリンパ流路を受容するための第1開口を有する前記第1連結要素と;
前記第1連結要素に接続可能である第2連結要素、ここで、前記第2連結要素は、前記第2連結要素に連結された静脈を受容するための第2開口を有する;
とを備え、前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、リンパ液を前記リンパ流路から前記静脈に供給するために、患者の前記静脈に対して、前記少なくとも1つのリンパ流路を配置する、
リンパ静脈バイパス手術のための装置。
[項目61]
前記第1連結要素は第1組織把持要素を有し、前記第2連結要素は、第2組織把持要素を有する円錐状表面を有する、項目60に記載の装置。
[項目62]
前記第2連結要素は、1~3mmの範囲の第1直径、及び、7~12mmの範囲の第2直径を有する円錐状表面を備える、項目60に記載の装置。
[項目63]
前記円錐状表面の前記第2直径は、共通軸に沿って前記第1連結要素のリングアパーチャと整列する、項目62に記載の装置。
[項目64]
前記第1組織把持要素は、1又は複数のピン、突起部、縫合、又は接着剤を含む、項目61に記載の装置。
[項目65]
前記第2組織把持要素は、1又は複数のピン、突起部、縫合、又は、接着剤を含む、項目61に記載の装置。
[項目66]
前記第1連結要素は、前記少なくとも1つのリンパ流路を含む組織が第1組織把持要素への接続のために挿入されるリングアパーチャを含む、項目60に記載の装置。
[項目67]
前記第1連結要素又は前記第2連結要素のうちの少なくとも1つは生体適合性高分子材料を含む、項目60に記載の装置。
[項目68]
前記第1連結要素は、前記第2連結要素のそれぞれの凹部に各々が係合して前記第1連結要素及び前記第2連結要素を共に固定する複数の接続要素を含む、項目60から67のいずれか一項に記載の装置。
[項目69]
各接続要素は、フック又はラッチ要素を含む、項目68に記載の装置。
[項目70]
前記第1連結要素は、1mmから15mmの範囲の直径の円形形状を有する、項目60に記載の装置。
[項目71]
前記第2連結要素は、1mmから15mmの範囲の直径の円形形状を有する、項目60に記載の装置。
[項目72]
前記第1連結要素及び前記第2連結要素は接続可能であり、移植可能な管状ボディを形成する、項目60から71のいずれか一項に記載の装置。
[項目73]
前記第2連結要素は、前記静脈が延在する管に円錐状表面が連結される、より狭い直径に比べて、上面における、より広い直径を有する前記円錐状表面を有する、項目60に記載の装置。
[項目74]
前記円錐状表面は、ピンが挿入され得る複数の凹部を有する、項目73に記載の装置。
[項目75]
前記ピンは、少なくとも6個の凹部に挿入される、項目74に記載の装置。
[項目76]
前記第1組織把持要素は、前記第1連結要素の外縁の周りに間隔を空けて配置された少なくとも6個のピンを含む、項目61に記載の装置。
[項目77]
前記第1連結要素上の前記ピンは、前記第2連結要素上のピンを通じて延在する単一の平面に位置する、項目76に記載の装置。
[項目78]
前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、共通の長手方向軸に沿って共に連結し、前記装置は更に、前記長手方向軸に平行に延在する組織に取り付けられるピンを含む、項目60に記載の装置。
[項目79]
前記複数の接続要素は、前記第1連結要素から延在し、前記第1連結要素の周囲リングの周りに間隔を空けて配置され、各コネクタ要素は、前記第2連結要素の部分に連結するラッチを有し、前記装置は円筒ボディを含み、前記円筒ボディは、前記円筒ボディが使用者によって把持されることを可能にするスロットを有する、項目68に記載の装置。
[項目80]
前記第1連結要素は、複数のリンパ流路を含む組織を受容するための第1中央開口を有し、前記第2連結要素は、前記静脈を受容する第2中央開口を有し、前記第1中央開口は、前記第2中央開口より大きい、項目60に記載の装置。
[項目81]
前記第1連結要素に連結される複数のリンパ流路は前記静脈内に延在する、項目60から80のいずれか一項に記載の装置。
[項目82]
リンパ液が前記静脈に供給されるように、リンパ静脈バイパス処置を実行するように構成されているロボティック装置を更に備える、項目60から81のいずれか一項に記載の装置。
[項目83]
前記第1連結要素及び前記第2連結要素は、成形高分子材料を含む、項目60から82のいずれか一項に記載の装置。
[項目84]
前記第1連結要素は、前記第2連結要素と共にスナップ嵌めされる、項目60から83のいずれか一項に記載の装置。
[項目85]
患者の静脈を受容する第1端、及び、1又は複数のリンパ流路に連結する第2端を有する一体型ボディを備えるリンパ静脈バイパス装置であって、前記一体型ボディは、片側に開口を有し、前記静脈は前記開口内に延在し、前記第2端は、前記静脈内に延在する前記1又は複数のリンパ流路を受容する、リンパ静脈バイパス装置。
[項目86]
前記静脈に取り付けるための第1の複数の組織把持要素;及び、前記1又は複数のリンパ流路を含む組織に取り付けるための第2の複数の組織把持要素を更に備える、項目85に記載のリンパ静脈バイパス装置。
[項目87]
前記一体型ボディは、1又は複数の側壁開口を有する、項目85または86に記載のリンパ静脈バイパス装置。
[項目88]
前記静脈は、前記1又は複数のリンパ流路を受容するように整列された円錐状表面に向かって、前記一体型ボディ内に延在する、項目85から87のいずれか一項に記載のリンパ静脈バイパス装置。
【国際調査報告】