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特表2024-501955エポキシ化植物油由来のエラストマーゲルおよびその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】エポキシ化植物油由来のエラストマーゲルおよびその使用
(51)【国際特許分類】
   C08G 59/22 20060101AFI20240110BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20240110BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20240110BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240110BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20240110BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20240110BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20240110BHJP
   A61Q 1/06 20060101ALI20240110BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20240110BHJP
   A61Q 1/08 20060101ALI20240110BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20240110BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240110BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20240110BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20240110BHJP
   C08G 59/40 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
C08G59/22
A61K8/86
A61Q15/00
A61Q19/00
A61Q5/12
A61Q5/02
A61Q5/00
A61Q1/06
A61Q1/02
A61Q1/08
A61Q1/10
A61Q19/10
A61Q13/00 100
A61Q17/04
C08G59/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538954
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-06-23
(86)【国際出願番号】 US2021064981
(87)【国際公開番号】W WO2022140620
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】63/130,271
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508229301
【氏名又は名称】モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Momentive Performance Materials Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】キン,シュー
(72)【発明者】
【氏名】フォーク,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】タマミ,マナ
(72)【発明者】
【氏名】ガラブラ,ユリイ
(72)【発明者】
【氏名】パワル,アマル
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー,ローランド
【テーマコード(参考)】
4C083
4J036
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB152
4C083AB172
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB332
4C083AB442
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC052
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC212
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC472
4C083AC512
4C083AC532
4C083AC662
4C083AC842
4C083AC912
4C083AD042
4C083AD072
4C083AD092
4C083AD111
4C083AD112
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4C083AD352
4C083CC03
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4C083CC32
4C083CC33
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4C083DD21
4C083DD31
4C083DD33
4C083DD41
4C083EE17
4J036AJ01
4J036AJ02
4J036AJ03
4J036AJ05
4J036AK19
4J036DB02
4J036DB15
4J036DB18
4J036DB24
4J036DC03
4J036DC06
4J036JA15
(57)【要約】
本開示は少なくとも1つのエポキシ化分子と少なくとも1つの架橋剤の反応生成物を含み、パーソナルケア成分との相溶性に利点を有するゲル組成物、および得られるパーソナルケア配合物に関する。本開示はまた、ゲル組成物の調製方法にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのエポキシ化分子と少なくとも1つの架橋剤の反応生成物を含むエラストマー。
【請求項2】
少なくとも1つのエポキシ化分子は式(I)の化合物であり
【化17】

式中
はC~C100,000アルキル基、C~C100,000ヘテロアルキル基、C~C100,000アルケン基、C~C100,000ヘテロアルケン基、C~C100,000アルキン基、C~C100,000ヘテロアルキン基、C~C100,000環状基、またはC~C100,000ヘテロ環状基;
は水素、C~C100,000アルキル基、C~C100,000ヘテロアルキル基、C~C100,000アルケン基、C~C100,000ヘテロアルケン基、C~C100,000アルキン基、C~C100,000ヘテロアルキン基、C~C100,000環状基、またはC~C100,000ヘテロ環状基;そして
mは2から1,000の整数である、請求項1のエラストマー。
【請求項3】
少なくとも1つのエポキシ化分子は少なくとも1つのエポキシ化植物油である、請求項1または2のエラストマー。
【請求項4】
少なくとも1つの架橋剤は:
式(II)の構造を含むカルボン酸
【化18】

式中
はC~C200アルキル基、C~C200ヘテロアルキル基、C~C200アルケン基、C~C200ヘテロアルケン基、C~C200アルキン基、C~C200ヘテロアルキン基、C~C200環状基、またはC~C200ヘテロ環状基;そして
nは2から10の整数;
式(III)の構造を含む無水物
【化19】

式中
はC~C200アルキル基、C~C200ヘテロアルキル基、C~C200アルケン基、C~C200ヘテロアルケン基、C~C200アルキン基、C~C200ヘテロアルキン基、C~C200環状基、またはC~C200ヘテロ環状基;
式(IV)の構造を含むアミン
【化20】

式中
はC~C200アルキル基、C~C200ヘテロアルキル基、C~C200アルケン基、C~C200ヘテロアルケン基、C~C200アルキン基、C~C200ヘテロアルキン基、C~C200環状基、またはC~C200ヘテロ環状基;そして
pは2から10の整数;
式(V)の構造を含むアルコール
【化21】

式中
はC~C200アルキル基、C~C200ヘテロアルキル基、C~C200アルケン基、C~C200ヘテロアルケン基、C~C200アルキン基、C~C200ヘテロアルキン基、C~C200環状基、またはC~C200ヘテロ環状基;
qは2から10の整数;
式(VI)の構造を含むヒドロキシルカルボン酸
【化22】

式中
はC~C200アルキル基、C~C200ヘテロアルキル基、C~C200アルケン基、C~C200ヘテロアルケン基、C~C200アルキン基、C~C200ヘテロアルキン基、C~C200環状基、またはC~C200ヘテロ環状基;
式(VII)の構造を含むアミンカルボン酸
【化23】

式中
はC~C200アルキル基、C~C100,000ヘテロアルキル基、C~C200アルケン基、C~C200ヘテロアルケン基、C~C200アルキン基、C~C200ヘテロアルキン基、C~C200環状基、またはC~C200ヘテロ環状基;
およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1から3のいずれか1のエラストマー。
【請求項5】
少なくとも1つの架橋剤は式(II)の構造を含むカルボン酸であり、式中RはC~C60アルキル基、C~C60ヘテロアルキル基、C~C60アルケン基、またはC~C60ヘテロアルケン基;そしてnは2から6の整数である、請求項4のエラストマー。
【請求項6】
カルボン酸は、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、プロパン-1,2,3-トリカルボン酸、トリメシン酸、カルバリル酸、C54トリマー酸、メリット酸、リシノール酸とセバシン酸の反応生成物、C36ダイマー酸の反応生成物、C36ダイマージオール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項4または5のエラストマー。
【請求項7】
カルボン酸はジカルボン酸である、請求項5のエラストマー。
【請求項8】
ジカルボン酸は、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ヘキサデカン二酸、C21ダイマー酸、C36ダイマー酸、水素化C36ダイマー酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、酒石酸、リンゴ酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項7のエラストマー。
【請求項9】
少なくとも1つの架橋剤は式(V)の構造を含むアルコールであり、式中RはC~C200アルキル基、C~C200ヘテロアルキル基、C~C200アルケン基、またはC~C200ヘテロアルケン基;そしてqは2から6の整数である、請求項5のエラストマー。
【請求項10】
アルコールはジオールである、請求項9のエラストマー。
【請求項11】
ジオールは、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、C36ダイマージオール、水素化C36ダイマージオール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項10のエラストマー。
【請求項12】
少なくとも1つのエポキシ化分子と少なくとも1つの架橋剤を第1の溶媒の存在下に反応させ架橋ポリマー構造を形成することにより調製される、請求項1から11のいずれか1のエラストマー。
【請求項13】
溶媒は、トリグリセリド系溶媒、モノエステル系溶媒、ジエステル系溶媒、クエン酸エステル系溶媒、エーテル系溶媒、カーボネート系溶媒、炭化水素系溶媒、シリコーン系溶媒、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項12のエラストマー。
【請求項14】
トリグリセリド系溶媒は式(VIII)の化合物を含み、
【化24】

式中
11、R12、およびR13は独立してC~C35アルキル基、C~C35ヘテロアルキル基、C~C35アルケン基、またはC~C35ヘテロアルケン基である、請求項13のエラストマー。
【請求項15】
トリグリセリド系溶媒は、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、トリヘプタノイン、コーン油、大豆油、オリーブ油、菜種油、綿実油、ヤシ油、アーモンド油、アルゴン油、ローズヒップ油、ブラックシード油、グレープシード油、アボカド油、アンズ核油、ゼラニウム油、ラベンダー油、ローズヒップ油、マカダミア油、ユーカリ油、イワシ油、ニシン油、ベニバナ油、亜麻仁油、ひまわり油、オリーブ油、キャノーラ油、ごま油、綿実油、パーム油、菜種油、桐油、魚油、ピーナッツ油、クフェア油、トウワタ油、アッケシ油、鯨油、ヒマシ油、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項13または14のエラストマー。
【請求項16】
モノエステル系溶媒は式(IX)の化合物であり、
【化25】

式中
14はC~C35アルキル基、C~C35ヘテロアルキル基、C~C35アルケン基、またはC~C35ヘテロアルケン基;そして
15はH、C~C35アルキル基、C~C35ヘテロアルキル基、C~C35アルケン基、またはC~C35ヘテロアルケン基である、請求項13のエラストマー。
【請求項17】
モノエステル系溶媒は、ココカプリル酸/カプリン酸、ココカプリル酸、ココカプリン酸、ホホバ油、ホホバエステル、ホホバ脂肪酸イソプロピル、マカダミ酸エチル、ラウリン酸イソアミル、ウンデシレン酸ヘプチル、イソステアリン酸メチルヘプチル、イソステアリン酸イソステアリル、リシノール酸グリセリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ブチル、ヤシ油脂肪酸エチルヘキシル、パルミチン酸エチルヘキシル、ステアリン酸エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、ベヘン酸イソセチル、ミリスチン酸イソセチル、パルミチン酸イソセチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸プロピレングリコール、エルカ酸オクチドデシル、乳酸アルキル(C12~C13)、乳酸アルキル(C12~C15)、乳酸イソステアリル、乳酸グリセレス-5、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸オレイル、安息香酸ラウレス-2、安息香酸アルキル(C12~C15)、安息香酸(C12~C15)パレス-3、安息香酸ジプロピレングリコール、サリチル酸イソデシル、サリチル酸アルキル(C12~C15)、サリチル酸トリデシル、イソノナン酸エチルヘキシル、エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、エチルヘキサン酸イソデシル、イソノナン酸イソデシル、エチルヘキサン酸トリデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソステアリル、イソノナン酸セテアリル、ラウレス-2エチルヘキサン酸、エチルヘキサン酸セテアリル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸ミリスチル、ベヘン酸イソステアリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、ネオペンタン酸トリデシル、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項13または16のエラストマー。
【請求項18】
ジエステル系溶媒は式(X)、式(XI)、または式(XII)の化合物であり、
【化26】

【化27】

【化28】

式中
16はC~C35アルキル基、C~C35ヘテロアルキル基、C~C35アルケン基、またはC~C35ヘテロアルケン基;そして
17およびR18は独立してH、C~C35アルキル基、C~C35ヘテロアルキル基、C~C35アルケン基、またはC~C35ヘテロアルケン基である、請求項13のエラストマー。
【請求項19】
クエン酸エステル系溶媒は式(XIII)の化合物であり、
【化29】

式中
19、R20、R21、およぴR22は独立してH、C~C35アルキル基、C~C35ヘテロアルキル基、C~C35アルケン基、またはC~C35ヘテロアルケン基である、請求項13のエラストマー。
【請求項20】
エーテル系溶媒は式(XIV)の化合物であり、
【化30】

式中
23およびR24は独立してH、C~C20アルキル基、C~C20ヘテロアルキル基、C~C20アルケン基、またはC~C20ヘテロアルケン基である、請求項16のエラストマー。
【請求項21】
エーテル系溶媒は、ジカプリリルエーテル、ジデシルエーテル、パンテニルエチルエーテル、ジセチルエーテル、ジミリスチルエーテル、ジステアリルエーテル、ジステアリルエーテル、ジラウリルエーテル、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項13または20のエラストマー。
【請求項22】
カーボネート系溶媒は、式(XV)の化合物であり、
【化31】

式中
25およびR26は独立してH、C~C20アルキル基、C~C20ヘテロアルキル基、C~C20アルケン基、またはC~C20ヘテロアルケン基である、請求項13のエラストマー。
【請求項23】
炭化水素系溶媒は、ファルネセン、水素化ファルネセン、ココナッツアルカン、ココナッツ/パーム核油アルカン、C~C12アルカン、C10~C13アルカン、C12~C17アルカン、C13~C14アルカン、C13~C15アルカン、C14~C17アルカン、C14~C19アルカン、C14~C20アルカン、C14~C22アルカン、C15~C19アルカン、C21~C28アルカン、C17~C23アルカン、C~C12イソアルカン、C~C13イソアルカン、C~C14イソアルカン、C~C16イソアルカン、C10~C11イソアルカン、C10~C12イソアルカン、C10~C13イソアルカン、C11~C12イソアルカン、C11~C13イソアルカン、C11~C14イソアルカン、C12~C14イソアルカン、C12~C15イソアルカン、C12~C20イソアルカン、C13~C14イソアルカン、C13~C16イソアルカン、C14~C16イソアルカン、C15~C19イソアルカン、ジエチルヘキシルシクロヘキサン、ウンデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ドコサン、スクワラン、水素化ポリイソブテン、ポリブテン、水素化ポリデセン、水素化ジデセン、鉱油、パラフィン油、ワセリン、ドデカン、イソヘキサデカン、イソドデカン、イソエイコサン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項13のエラストマー。
【請求項24】
請求項1から23のいずれか1のエラストマーを含む組成物。
【請求項25】
組成物はゲルである、請求項24の組成物。
【請求項26】
請求項1から23のいずれか1のエラストマーを請求項14から23の1またはより多くの溶媒と組み合わせ、ホモジナイズ処理して生成せされるゲル。
【請求項27】
請求項26のゲルを含むパーソナルケア配合物。
【請求項28】
パーソナルケア配合物は、デオドラント、制汗剤、スキンクリーム、フェイシャルクリーム、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、ムース、ヘアスタイリングジェル、ヘアスプレー、保護クリーム、口紅、ファンデーション、チーク、メイクアップ、マスカラ、スキンケアローション、モイスチャライザー、フェイシャルトリートメント、パーソナルクレンザー、洗顔料、バスオイル、香水、シェービングクリーム、プレシェーブローション、アフターシェーブローション、オーデコロン、サシェ、および日焼け止めからなる群より選択されるパーソナルケア用品である、請求項27のパーソナルケア配合物。
【請求項29】
少なくとも1つのエポキシ化分子と少なくとも1つの架橋剤を第1の溶媒の存在下に反応させることによって架橋ポリマー構造を形成することを含む、請求項1から23のいずれか1のエラストマーの調製方法。
【請求項30】
方法はさらに:
i.架橋ポリマー構造を第2の溶媒と組み合わせることによって膨潤した架橋ポリマー構造を形成し;そして
ii.膨潤した架橋ポリマー構造に剪断力を適用することによってゲルを形成することを含む、請求項29の方法。
【請求項31】
請求項1から23のいずれか1のエラストマーから調製されたゲルのパーソナルケア配合物における使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、少なくとも1つのエポキシ化分子と少なくとも1つの架橋剤の反応性生物を含むエラストマー、およびそうした組成物を調製するための方法に関する。また、それらのエラストマーはエラストマーゲルに変換することができる。本開示はまたそうしたエラストマーまたはエラストマーゲルを含有するパーソナルケア配合物にも関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア産業は、幾つかの成分を混合することに基づいて複数の性能を持つ製品を上市することに成功しており、成分のそれぞれは、最終的な配合物において重要な、または望ましい性能特性を有している。シリコーンゲルは、種々のパーソナルケア配合物に一般的に添加されて、感覚的、テクスチャー的、レオロジー的、および光学的な性能に関して審美性を向上させている。例えば米国特許第4,987,169号;第5,654,362号;第5,760,116号;第6,423,322号;および第5,811,487号を参照されたい。
【0003】
しかしながら、従来のシリコーンゲルは、多くの天然油、エステル油、およびパーソナルケア配合物において関心の高まっている他のバイオ系成分との相溶性に関して、汎用性が限定されたものであった。さらにまた、シリコーンポリマーは生物学的分解またはその他の分解が困難である。種々のパーソナルケア製品に使用されている具体的なシリコーン化合物である、環状シロキサンD4(オクタメチルシクロテトラシロキサン)およびD5(デカメチルシクロペンタシロキサン)は空気および水に対する汚染物質であり、試験動物の健康に対して悪影響を示す。環境的な意識の高まり、社会的な関心の増大、および新たな環境規制や法制に鑑みると、健康および環境に対する懸念のない、バイオ再生可能な原材料から作成された生分解性の天然ポリマーゲルが極めて望ましい。
【0004】
大豆油やアマニ油のような植物油または天然油は、再生可能な化合物の合成にとって、最も有望な原材料の1つである。これらの天然材料は高価でなく、非常に豊富にあり、信頼性および持続性のある資源に由来し、そして高い変性可能性を有している。植物油はトリグリセリドであり、炭素数の異なるさまざまな種類の不飽和脂肪酸および飽和脂肪酸を含んでいる。例えば大豆油は3つの不飽和脂肪酸を有し、平均不飽和度は4.6である。エポキシ化植物油(EVO)は、オキシラン環部分を備えた官能化したトリグリセリドである。エポキシ化大豆油(ESO)は、コンポジット(Thielemans W.他、Journal of Applied PolymerScience、2002年、83:323-331およびLu J.他、Polymer、2005年、46:71-80)、潤滑剤、可塑剤、熱安定剤(LathiP. S.、Applied Catalysis B. Environmental、2007年、69:207-212、Demertzis P. G.他、European Polymer Journal、1991年、27(3):231-235およびLiu P.他、Polymer Degradation and Stability、2007年92:503-508)、およびフローリング材料(米国特許第7,196,124号)として使用されてきている。
【0005】
エポキシ化植物油およびポリマーを含むその誘導体は、上述した広範な用途にもかかわらず、パーソナルケア用途には殆ど用いられていない。エポキシ化植物油、特にエポキシ化大豆油の公知の性質を考慮すれば、これらの油はパーソナルケア配合物用の生分解性天然ポリマーゲルを開発するための再生可能な資源モノマー単位として優れた候補である。
【発明の概要】
【0006】
ある実施態様において、本開示は少なくとも1つのエポキシ化分子と少なくとも1つの架橋剤の反応生成物を含むエラストマーに関する。
【0007】
ある実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子は式(I)の化合物である。
【化1】

式中
はC~C100,000アルキル基、C~C100,000ヘテロアルキル基、C~C100,000アルケン基、C~C100,000ヘテロアルケン基、C~C100,000アルキン基、C~C100,000ヘテロアルキン基、C~C100,000環状基、またはC~C100,000ヘテロ環状基;
は水素、C~C100,000アルキル基、C~C100,000ヘテロアルキル基、C~C100,000アルケン基、C~C100,000ヘテロアルケン基、C~C100,000アルキン基、C~C100,000ヘテロアルキン基、C~C100,000環状基、またはC~C100,000ヘテロ環状基;そして
mは2から1,000の整数である。
【0008】
別の実施態様において、本開示は、少なくとも1つのエポキシ化分子と少なくとも1つの架橋剤を第1の溶媒の存在下に反応させることによって架橋ポリマー構造を形成することにより調製されるエラストマーに関する。
【0009】
さらに別の実施態様において、本開示は、少なくとも1つのエポキシ化分子と少なくとも1つの架橋剤を第1の溶媒の存在下に反応させることにより架橋ポリマー構造を形成することを含む、エラストマーの調製方法に関する。
【0010】
別の実施態様において、本開示は、少なくとも1つのエポキシ化分子と少なくとも1つの架橋剤の反応生成物であるエラストマー組成物から調製されるゲルを含むパーソナルケア配合物に関する。
【0011】
さらになお別の実施態様において、本開示は、本願に記載のゲルをパーソナルケア配合物に使用することに関する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
定義
特段明示しない限り、価数を満たさないすべての原子は、価数を満たすのに十分な水素原子を有するものとする。
【0013】
単数形「ある」、「1つの」、および「その」は、特段明記しない限りは複数形を含んでいる。
【0014】
さらにまた「および/または」は、本願で使用するところでは、特定された2つの特徴や成分のそれぞれが、他方を伴いまたは伴わない具体的な開示として理解されるべきである。かくして用語「および/または」は、本願において「Aおよび/またはB」のような言い回しにおいて使用されるところでは、「AおよびB」、「Aまたは」、「A」(単独)、および「B」(単独)を含むことを意図している。同様に、用語「および/または」は、「A、B、および/またはC」のような言い回しにおいて使用されるところでは、以下の実施態様のそれぞれを含むことを意図している:A、B、およびC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);およびC(単独)。
【0015】
本願において実施態様が「含む」という用語を用いて記載される場合は、「からなる」および/または「から本質的になる」という用語で記述される、他の点においては同様の実施態様もまた提示されていることが理解されよう。
【0016】
本願においては「約」という用語は、おおよそ、大体、周辺、または近傍にあることを意味するように用いられる。用語「約」が数値範囲に関連して使用される場合、それは記載された数値範囲の境界を上下に拡張することによって、その範囲を修正する。一般に、用語「約」は数値を、例えば10パーセント上方または下方(より高くまたはより低く)だけ変動させることによって、記載された値を上下に変化させることができる。
【0017】
本願で使用されるところでは、特に明記しない限り以下の定義が適用される。本開示の目的については、化学元素はCAS版の元素の周期律表、および化学および物理ハンドブック75版1994年にしたがって識別される。加えて、有機化学の一般原理は、トーマス・ソレル「有機化学」、ユニバーシティサイエンスブックス、サウサリート:1999年、およびM.B. スミスおよびJ. マーチ編「マーチ最新有機化学」第6版、ジョンワイリーアンドサンズ社ニューヨーク:2007年に記載されており、これらの全内容は参照によって本願に取り込まれるものとする。
【0018】
用語「アルキル」は、本願で使用されるところでは、それ自体でまたは基の一部として、1から200の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の脂肪族炭化水素、すなわちC~C200アルキル、または指定された数の炭素を含有する直鎖または分岐鎖の脂肪族炭化水素、例えばメチルのようなCアルキル、エチルのようなCアルキルを指している。1つの実施形態では、アルキルはC~C200アルキル基である。別の実施形態では、アルキルはC~C60アルキル基である。別の実施形態では、アルキルはC~C22アルキル基である。アルキル基の例には、ブチル、オクチル、デシル、ラウリル、セチル(パルミチル)、およびステアリルが含まれる。
【0019】
用語「アルケン」は、本願で使用されるところでは、それ自体でまたは基の一部として、1つ、2つ、3つ、またはより多くの炭素-炭素二重結合を含むアルキル基を指している。1つの実施形態では、アルケン基はC~C200アルキレン基である。別の実施形態では、アルケン基はC~C60アルケン基である。別の実施形態では、アルケン基はC~C60アルケン基である。別の実施形態では、アルケン基はC~C22アルケン基である。アルケンの例には、リノレイル、オレイル、ジリノレイル、およびトリリノレイルが含まれる。
【0020】
用語「アルキン」は、本願で使用されるところでは、それ自体でまたは基の一部として、1つ、2つ、3つ、またはより多くの炭素-炭素三重結合を含むアルキル基を指している。別の実施形態では、アルキンはC~C200アルキン基である。
【0021】
用語「環状」は、本願で使用されるところでは、それ自体でまたは基の一部として、3つまたはより多くの炭素原子を含む安定な環状化合物を指している。ある実施形態では、環状はC~C200環状基である。ある実施形態では、環状はC~C60環状基である。ある実施形態では、環状はC~C22環状基である。環状化合物の例には、ベンゼン、シクロペンタンおよびシクロヘキサンが含まれる。
【0022】
用語「ヘテロアルキル」は、本願で使用されるところでは、それ自体でまたは基の一部として、2から200の炭素原子およびO、N、またはSから選択され同一でも異なっていてもよい少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、硫黄原子は任意選択的に酸化されていてよい、安定な直鎖または分岐鎖のアルキルラジカルを指している。ヘテロ原子はヘテロアルキル基の任意の内部位置に、またはヘテロアルキル基が分子の残部に結合される位置に配置されることができる。ある実施形態では、ヘテロアルキルはC~C60ヘテロアルキル基である。例には、限定するものではないが、ヒドロキシエチレン、ヒドロキシステアリル、グリセリルステアリル、スクシニル、アジポイル、およびセバコイルが含まれる。
【0023】
用語「ヘテロアルケン」は、本願で使用されるところでは、それ自体でまたは基の一部として、2から200の炭素原子およびO、N、またはSから選択され同一でも異なっていてもよい少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、硫黄原子は任意選択的に酸化されていてよい、安定な直鎖または分岐鎖のアルケンラジカルを指している。ヘテロ原子はヘテロアルキル基の任意の内部位置に、またはヘテロアルキル基が分子の残部に結合される位置に配置されることができる。ヘテロアルケン化合物の例には、オレオイル、リシノリル、およびリノレオイルが含まれる。
【0024】
用語「ヘテロアルキン」は、本願で使用されるところでは、それ自体でまたは基の一部として、2から200の炭素原子およびO、N、またはSから選択され同一でも異なっていてもよい少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、硫黄原子は任意選択的に酸化されていてよい、安定な直鎖または分岐鎖のアルキンラジカルを指している。ヘテロ原子はヘテロアルキル基の任意の内部位置に、またはヘテロアルキル基が分子の残部に結合される位置に配置されることができる。
【0025】
用語「ヘテロ環状」は、本願で使用されるところでは、それ自体でまたは基の一部として、2つまたはより多くの炭素原子およびO、N、またはSから選択され同一でも異なっていてもよい少なくとも1つのヘテロ原子を含有する、安定な環状化合物を指している。ある実施形態では、ヘテロ環状基はC~C200ヘテロ環状基である。ある実施形態では、ヘテロ環状基はC~C60ヘテロ環状基である。例には、限定するものではないが、フラン、オキソラン、およびチオフェンが含まれる。
【0026】
本開示の種々の実施態様を以下に詳細に説明する。
組成物
A.エラストマー
【0027】
ある実施態様において、本開示は、少なくとも1つのエポキシ化分子と少なくとも1つの架橋剤の反応生成物を含むエラストマーを対象としている。
a.成分
i.エポキシ化分子
【0028】
ある実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子は式(I)の化合物である。
【化2】

式中
はC~C100,000アルキル基、C~C100,000ヘテロアルキル基、C~C100,000アルケン基、C~C100,000ヘテロアルケン基、C~C100,000アルキン基、C~C100,000ヘテロアルキン基、C~C100,000環状基、またはC~C100,000ヘテロ環状基;
は水素、C~C100,000アルキル基、C~C100,000ヘテロアルキル基、C~C100,000アルケン基、C~C100,000ヘテロアルケン基、C~C100,000アルキン基、C~C100,000ヘテロアルキン基、C~C100,000環状基、またはC~C100,000ヘテロ環状基;そして
mは2から1,000の整数である。
【0029】
ある実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子はエポキシ化植物油であってよい。さらなる実施態様において、エポキシ化植物油はエポキシ化大豆油、エポキシ化ベニバナ油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化コーン油、エポキシ化ひまわり油、エポキシ化オリーブ油、エポキシ化キャノーラ油、エポキシ化ごま油、エポキシ化綿実油、エポキシ化パーム油、エポキシ化菜種油、エポキシ化桐油、エポキシ化魚油、エポキシ化ピーナッツ油、エポキシ化クフェア油、エポキシ化トウワタ油、エポキシ化アッケシ油、エポキシ化高オレインベニバナ油、エポキシ化高オレイン大豆油、エポキシ化高オレインピーナッツ油、エポキシ化高オレインひまわり油、エポキシ化高エルカ菜種油(クランベ油)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、エポキシ化植物油はエポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、およびそれらの組み合わせであってよい。よりさらなる実施態様において、エポキシ化植物油はエポキシ化大豆油であってよい。
【0030】
ある実施態様において、エポキシ化植物油は、植物油を過酸で処理して植物油中の二重結合を完全にエポキシ化することによって調製されてよい。植物油のエポキシ化は、クレシ他、ポリマーサイエンスアンドテクノロジー17巻、プレナムプレス社、p.250に記載されたようにして行ってよく、その全内容は参照によって本願に取り入れるものとする。植物油のエポキシ化のための他の方法は、当技術において一般的に知られている。幾つかの実施態様において、エポキシ化反応は完了まで進行される。非限定的な実施態様において、エポキシ化はトウワタ油とギ酸および過酸化水素を75℃で反応させることによって行われてよい。
【0031】
幾つかの実施態様において、エポキシ化度はトリグリセリド分子当たりオキシラン環3個を超えてよい。他の実施態様において、エポキシ化度はトリグリセリド分子当たりオキシラン環3から5個であってよい。さらなる実施態様において、エポキシ化度はトリグリセリド環当たりオキシラン環4個であってよい。
ii.架橋剤
【0032】
ある実施態様において、少なくとも1つの架橋剤は以下からなる群より選択される:
式(II)の構造を含むカルボン酸
【化3】

式中
はC~C200アルキル基、C~C200ヘテロアルキル基、C~C200アルケン基、C~C200ヘテロアルケン基、C~C200アルキン基、C~C200ヘテロアルキン基、C~C200環状基、またはC~C200ヘテロ環状基;そして
nは2から10の整数;
式(III)の構造を含む無水物
【化4】

式中
はC~C200アルキル基、C~C200ヘテロアルキル基、C~C200アルケン基、C~C200ヘテロアルケン基、C~C200アルキン基、C~C200ヘテロアルキン基、C~C200環状基、またはC~C200ヘテロ環状基;
式(IV)の構造を含むアミン
【化5】

式中
はC~C200アルキル基、C~C200ヘテロアルキル基、C~C200アルケン基、C~C200ヘテロアルケン基、C~C200アルキン基、C~C200ヘテロアルキン基、C~C200環状基、またはC~C200ヘテロ環状基;そして
pは2から10の整数;
式(V)の構造を含むアルコール
【化6】

式中
はC~C200アルキル基、C~C200ヘテロアルキル基、C~C200アルケン基、C~C200ヘテロアルケン基、C~C200アルキン基、C~C200ヘテロアルキン基、C~C200環状基、またはC~C200ヘテロ環状基;そして
qは2から10の整数;
式(VI)の構造を含むヒドロキシルカルボン酸
【化7】

式中
はC~C200アルキル基、C~C200ヘテロアルキル基、C~C200アルケン基、C~C200ヘテロアルケン基、C~C200アルキン基、C~C200ヘテロアルキン基、C~C200環状基、またはC~C200ヘテロ環状基;
式(VII)の構造を含むアミンカルボン酸
【化8】

式中
はC~C200アルキル基、C~C200ヘテロアルキル基、C~C200アルケン基、C~C200ヘテロアルケン基、C~C200アルキン基、C~C200ヘテロアルキン基、C~C200環状基、またはC~C200ヘテロ環状基;
およびそれらの組み合わせ。
【0033】
ある実施態様において、カルボン酸は式(II)の構造を含み、式中RはC~C60アルキル基、C~C60ヘテロアルキル基、C~C60アルケン基、またはC~C60ヘテロアルケン基;そしてnは2から10の整数である。さらなる実施態様において、Rはスクシニル、アジポイル、セバコイル、ジリノレイル、またはトリリノレイルであってよい。
【0034】
ある実施態様において、カルボン酸は式(II)の構造を含み、式中nは2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。ある実施態様において、カルボン酸は式(II)の構造を含み、式中nは2から6の整数である。ある実施態様において、カルボン酸は式(II)の構造を含み、式中nは2、3、4、5、または6である。
【0035】
ある実施態様において、カルボン酸は、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、プロパン-1,2,3-トリカルボン酸、トリメシン酸、カルバリル酸、C54トリマー酸、メリット酸、リシノール酸とセバシン酸の反応生成物、C36ダイマー酸の反応生成物、C36ダイマージオール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、カルボン酸は、クエン酸、C54トリマー酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0036】
ある実施態様において、カルボン酸はジカルボン酸である。ある実施態様において、ジカルボン酸は、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ヘキサデカン二酸、C21ダイマー酸、C36ダイマー酸、水素化C36ダイマー酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、酒石酸、リンゴ酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、ジカルボン酸は、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、C21ダイマー酸、C36ダイマー酸、水素化C36ダイマー酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。1つの実施態様において、ジカルボン酸はC36ダイマー酸である。
【0037】
ある実施態様において、無水物は式(III)の構造を含み、式中RはC~C10アルキル基またはC~C10アルケン基である。さらなる実施態様において、RはC~Cアルキル基である。
【0038】
ある実施態様において、無水物は、無水マロン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水ピメリン酸、無水スベリン、無水アゼライン酸、無水セバシン酸、無水ウンデカン二酸、無水ドデカン二酸、無水トリデカン二酸、無水ヘキサデカン二酸、C21ダイマー酸無水物、 C36ダイマー酸 無水物、水素添加C36ダイマー酸無水物、無水アスパラギン酸、無水グルタミン酸、無水酒石酸、無水リンゴ酸、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、無水物は、無水コハク酸、無水アジピン酸、無水セバシン酸、C36ダイマー酸無水物、水素化C36ダイマー酸無水物、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0039】
ある実施態様において、アミンは式(IV)の構造を含み、式中pは2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。ある実施態様において、アミンは式(IV)の構造を含み、式中pは2から6の整数である。ある実施態様において、アミンは式(IV)の構造を含み、式中pは2、3、4、5、または6である。
【0040】
ある実施態様において、アミンは、1,2-ジアミノエタン、プロパン-1,3-ジアミン、ブタン-1,4-ジアミン、ペンタン-1,5-ジアミン、ヘキサン-1,6-ジアミン、1,7-ヘプタンジアミン、C36ダイマージアミン、水素化C36ダイマージアミン、C54トリマートリアミン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、アミンはヘキサン-1,6-ジアミン、C36ダイマージアミン、水素化C36ダイマージアミン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0041】
ある実施態様において、アミンは、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン(1,3-プロパンジアミン)、プトレシン(1,4-ブタンジアミン)、カダベリン(1,5-ペンタンジアミン)、ヘキサメチレンジアミン(1,6-ヘキサンジアミン)、トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、1,7-ヘプタンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,11-ウンデカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、ジフェニルエチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、トリエチレンテトラミン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、スペルミジン、スペルミン、ポリエチレンイミン、C36ダイマージアミン、水素化C36ダイマージアミン、ポリ(エチレングリコール)ビス(アミン)、リジン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。幾つかの実施態様において、アミンは、スペルミジン、スペルミン、ポリエチレンイミン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。他の実施態様において、アミンは、1,5-ペンタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、C36ダイマージアミン、水素化C36ダイマージアミン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0042】
ある実施態様において、アミンはジアミンであってよい。ある実施態様において、ジアミンは、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン(1,3-プロパンジアミン)、プトレシン(1,4-ブタンジアミン)、カダベリン(1,5-ペンタンジアミン)、ヘキサメチレンジアミン(1,6-ヘキサンジアミン)、トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、1,7-ヘプタンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,11-ウンデカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、ジフェニルエチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、ポリエチレンイミン、C36ダイマージアミン、水素化C36ダイマージアミン、ポリ(エチレングリコール)ビス(アミン)、リジン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、ジアミンは、1,5-ペンタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、C36ダイマージアミン、水素化C36ダイマージアミン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0043】
ある実施態様において、アルコールは式(V)の構造を含み、式中RはC~C200アルキル基、C~C200ヘテロアルキル基、C~C200アルケン基、またはC~C200ヘテロアルケン基;そしてqは2から10の整数である。さらなる実施態様において、アルコールは式(V)の構造を含み、式中RはC~C60アルキル基、C~C60ヘテロアルキル基、C~C60アルケン基、またはC~C60ヘテロアルケン基;そしてqは2から10の整数である。
【0044】
ある実施態様において、アルコールは式(V)の構造を含み、式中qは2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。ある実施態様において、アルコールは式(V)の構造を含み、式中qは2から6の整数である。ある実施態様において、アルコールは式(V)の構造を含み、式中qは2、3、4、5、または6である。
【0045】
ある実施態様において、アルコールは、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、ヒマシ油、水素化ヒマシ油、糖アルコール、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類、タンニン、没食子酸、グルコン酸、ラクトビオン酸、グルコノラクトン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、アルコールは、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ヒマシ油、水素化ヒマシ油、ソルビトール、没食子酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0046】
ある実施態様において、アルコールはジオールであってよい。いくつかの実施態様において、ジオールは、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、C36ダイマージオール、水素化C36ダイマージオール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、ジオールは、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、C36ダイマージオール、水素化C36ダイマージオール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。1つの実施態様において、アルコールはC36ダイマージオールである。
【0047】
ある実施態様において、ヒドロキシルカルボン酸は、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、トロパ酸、リシノール酸、イソリシノール酸、レスケロール酸、デンシポリ酸、オーリコール酸、ジモルフェコール酸、ヒドロキシパルミトレイン酸、ヒドロキシパルミチン酸、ヒドロキシオレイン酸、2-ヒドロキシステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、ヒドロキシルカルボン酸は、リシノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0048】
ある実施態様において、アミンカルボン酸は、グリシン、β-アラニン、4-アミノ酪酸、5-アミノ吉草酸、6-アミノカプロン酸、7-アミノヘプタン酸、8-アミノカプリル酸、アミノカプリル酸、12-アミノラウリン酸、14-アミノテトラデカン酸、18-アミノステアリン酸、リジン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、アミンカルボン酸は、β-アラニン、6-アミノカプロン酸、8-アミノカプリル酸、リジン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0049】
ある実施態様において、アミンカルボン酸は、3-アミノプロパン酸、2-アミノブタン酸、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、バリン、トリプトファン、アスパラギン、グルタミン、リジン、グルタミン酸、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、アミンカルボン酸は、2-アミノブタン酸、リジン、グルタミン酸、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
iii.比率
【0050】
ある実施態様において、エポキシ化分子からのエポキシ官能基と、架橋剤のカルボン酸官能基(-COOH)、カルボン酸無水物官能基(-COOCO-)、ヒドロキシル官能基(-OH)、またはアミン官能基(-NH)とのモル比は、2:1から1:2の範囲にある。幾つかの実施態様において、エポキシ化分子からのエポキシ官能基と、カルボン酸官能基(-COOH)、カルボン酸無水物官能基(-COOCO-)、ヒドロキシル官能基(-OH)、またはアミン官能基(-NH)のモル比は約2:1、約1.5:1、約1:1、約1:1.5、または約1:2である。
【0051】
ある実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(II)の構造を含むカルボン酸中のカルボン酸官能基(-COOH)とのモル比は、約1:2から約2:1である。 幾つかの実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(II)の構造を含むカルボン酸中のカルボン酸官能基(-COOH)とのモル比は、約1:2、約1:1.9、約1:1.8、約1:1.7、約1:1.6、約1:1.5、約1:1.4、約1:1.3、約1:1.2、約1:1.1、約1:1、約1.1:1、約1.2:1、約1.3:1、約1.4:1、約1.5:1、約1.6:1、約1.7:1、約1.8:1、約1.9:1、または約2:1である。さらなる実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、 式(II)の構造を含むカルボン酸中のカルボン酸能基(-COOH)とのモル比は、約1:1.5から約1.5:1である。
【0052】
ある実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(III)の構造を含む無水物中の無水物官能基(-COOCO-)とのモル比は、約1:1から約4:1である。幾つかの実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(III)の構造を含む無水物中の無水物官能基(-COOCO-)とのモル比は、約1:1、約1.1:1、約1.15:1、約1.2:1、約1.25:1、約1.3:1、約1.35:1、約1.4:1、約1.45:1、約1.5:1、約1.55:1、約1.6:1、約1.65:1、約1.7:1、約1.75:1、約1.8:1、約1.85:1、約1.9:1、約1.95:1、約2:1、約2.1:1、約2.2:1、約2.3:1、約2.4:1、約2.5:1、約2.6:1、約2.7:1、約2.8:1、約2.9:1、約3:1、約3.1:1、約3.2:1、約3.3:1、約3.4:1、約3.5:1、約3.6:1、約3.7:1、約3.8:1、約3.9:1、または約4:1である。さらなる実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(III)の構造を含む無水物中の無水物官能基(-COOCO-)とのモル比は約1.33:1から約3:1である。
【0053】
ある実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(IV)の構造を含むアミン中のアミン官能基(-NH)とのモル比は、約1:2から約2:1である。幾つかの実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(IV)の構造を含むアミン中のアミン官能基(-NH)とのモル比は、約1:2、約1.1.9、約1:1.8、約1:1.7、約1.1.6、約1:1.5、約1:1.4、約1.1.3、約1:1.2、約1:1.1、約1:1、約1.1:1、約1.2:1、約1.3:1、約1.4:1、約1.5:1、約1.6:1、約1.7:1、約1.8:1、約1.9:1、または約2:1である。さらなる実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(IV)の構造を含むアミン中のアミン官能基(-NH)とのモル比は約1:1.5から1.5:1である。
【0054】
ある実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(V)の構造を含むアルコール中のヒドロキシル官能基(-OH)とのモル比は、約1:2から約2:1である。幾つかの実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(V)の構造を含むアルコール中のヒドロキシル官能基(-OH)とのモル比は、約1:2、約1:1.9、約1:1.8、約1:1.7、約1:1.6、約1:1.5、約1:1.4、約1:1.3、約1:1.2、約1:1.1、約1:1、約1.1:1、約1.2:1、約1.3:1、約1.4:1、約1.5:1、約1.6:1、約1.7:1、約1.8:1、約1.9:1、または約2:1である。さらなる実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(V)の構造を含むアルコール中のヒドロキシル官能基(-OH)とのモル比は約1:1.5から1.5:1である。
【0055】
ある実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(VI)の構造を含むヒドロキシルカルボン酸中のカルボン酸官能基(-COOH)とのモル比は、約1:1から約4:1である。幾つかの実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(VI)の構造を含むヒドロキシルカルボン酸中のカルボン酸官能基(-COOH)とのモル比は、約1:1、約1.1:1、約1.15:1、約1.2:1、約1.25:1、約1.3:1、約1.35:1、約1.4:1、約1.45:1、約1.5:1、約1.55:1、約1.6:1、約1.65:1、約1.7:1、約1.75:1、約1.8:1、約1.85:1、約1.9:1、約1.95:1、約2:1、約2.1:1、約2.2:1、約2.3:1、約2.4:1、約2.5:1、約2.6:1、約2.7:1、約2.8:1、約2.9:1、約3:1、約3.1:1、約3.2:1、約3.3:1、約3.4:1、約3.5:1、約3.6:1、約3.7:1、約3.8:1、約3.9:1、または約4:1である。さらなる実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(VI)の構造を含むヒドロキシルカルボン酸中のカルボン酸官能基(-COOH)とのモル比は約1.33:1から約3:1である。
【0056】
ある実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(VII)の構造を含むアミンカルボン酸中のカルボン酸官能基(-COOH)とのモル比は、約1:1から約4:1である。幾つかの実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(VII)の構造を含むアミンカルボン酸中のカルボン酸官能基(-COOH)とのモル比は、約1:1、約1.1:1、約1.15:1、約1.2:1、約1.25:1、約1.3:1、約1.35:1、約1.4:1、約1.45:1、約1.5:1、約1.55:1、約1.6:1、約1.65:1、約1.7:1、約1.75:1、約1.8:1、約1.85:1、約1.9:1、約1.95:1、約2:1、約2.1:1、約2.2:1、約2.3:1、約2.4:1、約2.5:1、約2.6:1、約2.7:1、約2.8:1、約2.9:1、約3:1、約3.1:1、約3.2:1、約3.3:1、約3.4:1、約3.5:1、約3.6:1、約3.7:1、約3.8:1、約3.9:1、または約4:1である。さらなる実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(VII)の構造を含むアミンカルボン酸中のカルボン酸官能基(-COOH)とのモル比は約1.33:1から約3:1である。
B.ゲルまたはペースト
【0057】
ある実施態様において、エラストマーは砕いて、架橋ポリエステルエラストマーの粉末を形成してよい。
【0058】
ある実施態様において、組成物は本願で記載するようにエラストマーを剪断し、またはエラストマーを溶媒で剪断することによって調製されて、剪断されたゲルを形成してよい。別の実施態様において、組成物は本願で記載するようにエラストマーを溶媒と組み合わせ、それによって混合物を形成し、その混合物を剪断することによって調製されてよい。ある実施態様において、組成物はゲルまたはペーストである。さらなる実施態様において、組成物はゲルである。
【0059】
いくつかの実施態様において、溶媒は以下に記載する如きものである。
【0060】
いくつかの実施態様において、ゲルの粘度は0.1s-1の剪断速度でレオメーターによって測定して、約10cPから約1,000,000cPであってよい。別の実施態様において、ゲルの粘度は約30,000cPから約500,000cPであってよい。いくつかの実施態様において、ゲルの粘度は約10cP、約1,000cP、約5,000cP、約10,000cP、約15,000cP、約20,000cP、約25,000cP、約30,000cP、約35,000cP、約40,000cP、約45,000cP、約50,000cP、約55,000cP、約60,000cP、約65,000cP、約70,000cP、約75,000cP、約80,000cP、約85,000cP、約90,000cP、約95,000cP、約100,000cP、約150,000cP、約200,000cP、約250,000cP、約300,000cP、約350,000cP、約400,000cP、約450,000cP、約500,000cP、約550,000cP、約600,000cP、約650,000cP、約700,000cP、約750,000cP、約800,000cP、約850,000cP、約900,000cP、約950,000cP、または約1,000,000cPであってよい。
【0061】
いくつかの実施態様において、ゲルはレーザー回折粒子径分析器によって測定して、約1μmから約500μmの粒子径で構成される。別の実施態様において、ゲルは約25μmから約400μmの粒子径で構成される。いくつかの実施態様において、ゲルは約1μm、約5μm、約10μm、約15μm、約20μm、約25μm、約30μm、約35μm、約40μm、約45μm、約50μm、約75μm、約100μm、約125μm、約150μm、約175μm、約200μm、約225μm、約250μm、約275μm、約300μm、約325μm、約350μm、約375μm、または約400μmの粒子径で構成される。
【0062】
ある実施態様において、エラストマーは本願に記載する方法を使用して調製されてよい。
C.方法
【0063】
本開示はまた、少なくとも1つのエポキシ化分子(例えばエポキシ化大豆油)と少なくとも1つの架橋剤(C36ダイマー酸および/またはC36ダイマージオール)を第1の溶媒の存在下に反応させることにより架橋ポリマー構造を形成することを含む、エラストマーの調製方法にも関している。
D.重合反応
【0064】
いくつかの実施態様において、本願に説明するゲルの調製方法は、環境に優しいプロセスにおいて生成される。追加的な実施態様において、本願に説明するゲルの調製方法は、毒性のある原材料を使用しない。さらなる実施態様において、本願に説明するゲルの調製方法は、毒性のある副生物を生成しない。
a.成分
i.エポキシ化分子
【0065】
ある実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子は上記した式(I)の化合物である。ある実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子は上記したエポキシ化植物油、例えばエポキシ化大豆油であってよい。
ii.架橋剤
【0066】
ある実施態様において、少なくとも1つの架橋剤は:
上述した式(II)の構造を含むカルボン酸;
上述した式(III)の構造を含む無水物;
上述した式(IV)の構造を含むアミン;
上述した式(V)の構造を含むアルコール;
上述した式(VI)の構造を含むヒドロキシルカルボン酸;
上述した式(VII)の構造を含むアミンカルボン酸からなる群より選択される。
【0067】
ある実施態様において、カルボン酸は式(II)の構造を含み、式中RはC~C60アルキル基、C~C60ヘテロアルキル基、C~C60アルケン基、またはC~C60ヘテロアルケン基;そしてnは2から10の整数である。さらなる実施態様において、Rはスクシニル、アジポイル、セバコイル、ジリノレイル、またはトリリノレイルであってよい。
【0068】
ある実施態様において、カルボン酸は式(II)の構造を含み、式中nは2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。ある実施態様において、カルボン酸は式(II)の構造を含み、式中nは2から6の整数である。ある実施態様において、カルボン酸は式(II)の構造を含み、式中nは2、3、4、5、または6である。
【0069】
ある実施態様において、カルボン酸は、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、プロパン-1,2,3-トリカルボン酸、トリメシン酸、カルバリル酸、C54トリマー酸、メリット酸、リシノール酸とセバシン酸の反応生成物、C36ダイマー酸の反応生成物、C36ダイマージオール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、カルボン酸は、クエン酸、C54トリマー酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0070】
ある実施態様において、カルボン酸はジカルボン酸である。ある実施態様において、ジカルボン酸は、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ヘキサデカン二酸、C21ダイマー酸、C36ダイマー酸、水素化C36ダイマー酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、酒石酸、リンゴ酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、ジカルボン酸は、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、C21ダイマー酸、C36ダイマー酸、水素化C36ダイマー酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。別の実施態様において、ジカルボン酸は、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、C21ダイマー酸、C36ダイマー酸、水素化C36ダイマー酸、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。1つの実施態様において、ジカルボン酸はC36ダイマー酸である。
【0071】
ある実施態様において、C36ダイマー酸は、植物油由来の不飽和脂肪酸を二量体化することによって調製されるジカルボン酸である。
【0072】
ある実施態様において、C54トリマー酸は、植物油由来の不飽和脂肪酸を三量体化することによって調製されるポリカルボン酸である。
【0073】
幾つかの実施態様において、不飽和脂肪酸は、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、またはリノレン酸である。
【0074】
幾つかの実施態様において、植物油は、大豆油、ベニバナ油、アマニ油、コーン油、ひまわり油、オリーブ油、キャノーラ油、ごま油、綿実油、パーム油、菜種油、桐油、ピーナッツ油、またはトウワタ油である。
【0075】
ある実施態様において、無水物は式(III)の構造を含み、式中RはC~C10アルキル基またはC~C10アルケン基である。さらなる実施態様において、RはC~Cアルキル基である。
【0076】
ある実施態様において、無水物は、無水マロン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水ピメリン酸、無水スベリン、無水アゼライン酸、無水セバシン酸、無水ウンデカン二酸、無水ドデカン二酸、無水トリデカン二酸、無水ヘキサデカン二酸、C21ダイマー酸無水物、C36ダイマー酸無水物、水素化C36ダイマー酸無水物、無水アスパラギン酸、無水グルタミン酸、無水酒石酸、無水リンゴ酸、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、無水物は、無水コハク酸、無水アジピン酸、無水セバシン酸、C36ダイマー酸無水物、水素化C36ダイマー酸無水物、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0077】
ある実施態様において、C36 ダイマージアミンはC36ダイマー酸から生成されるジアミンである。
【0078】
ある実施態様において、アミンは式(IV)の構造を含み、式中pは2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。ある実施態様において、アミンは式(IV)の構造を含み、式中pは2から6の整数である。ある実施態様において、アミンは式(IV)の構造を含み、式中pは2、3、4、5、または6である。
【0079】
ある実施態様において、アミンは、1,2-ジアミノエタン、プロパン-1,3-ジアミン、ブタン-1,4-ジアミン、ペンタン-1,5-ジアミン、ヘキサン-1,6-ジアミン、1,7-ヘプタンジアミン、C36ダイマージアミン、水素化C36ダイマージアミン、C54トリマートリアミン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、アミンはヘキサン-1,6-ジアミン、C36ダイマージアミン、水素化C36ダイマージアミン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0080】
ある実施態様において、アミンは、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン(1,3-プロパンジアミン)、プトレシン(1,4-ブタンジアミン)、カダベリン(1,5-ペンタンジアミン)、ヘキサメチレンジアミン(1,6-ヘキサンジアミン)、トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、1,7-ヘプタンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,11-ウンデカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、ジフェニルエチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、トリエチレンテトラミン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、スペルミジン、スペルミン、ポリエチレンイミン、C36ダイマージアミン、水素化C36ダイマージアミン、ポリ(エチレングリコール)ビス(アミン)、リジン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。幾つかの実施態様において、アミンは、スペルミジン、スペルミン、ポリエチレンイミン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。他の実施態様において、アミンは、1,5-ペンタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、C36ダイマージアミン、水素化C36ダイマージアミン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0081】
ある実施態様において、アミンはジアミンであってよい。ある実施態様において、ジアミンは、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン(1,3-プロパンジアミン)、プトレシン(1,4-ブタンジアミン)、カダベリン(1,5-ペンタンジアミン)、ヘキサメチレンジアミン(1,6-ヘキサンジアミン)、トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、1,7-ヘプタンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,11-ウンデカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、ジフェニルエチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、ポリエチレンイミン、C36ダイマージアミン、水素化C36ダイマージアミン、ポリ(エチレングリコール)ビス(アミン)、リジン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、ジアミンは、1,5-ペンタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、C36ダイマージアミン、水素化C36ダイマージアミン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0082】
ある実施態様において、アルコールは式(V)の構造を含み、式中RはC~C200アルキル基、C~C200ヘテロアルキル基、C~C200アルケン基、またはC~C200ヘテロアルケン基;そしてqは2から10の整数である。さらなる実施態様において、アルコールは式(V)の構造を含み、式中RはC~C60アルキル基、C~C60ヘテロアルキル基、C~C60アルケン基、またはC~C60ヘテロアルケン基;そしてqは2から10の整数である。
【0083】
ある実施態様において、アルコールは式(V)の構造を含み、式中qは2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。ある実施態様において、アルコールは式(V)の構造を含み、式中qは2から6の整数である。ある実施態様において、アルコールは式(V)の構造を含み、式中qは2、3、4、5、または6である。
【0084】
ある実施態様において、アルコールは、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、ヒマシ油、水素化ヒマシ油、糖アルコール、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類、タンニン、没食子酸、グルコン酸、ラクトビオン酸、グルコノラクトン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、アルコールは、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ヒマシ油、水素化ヒマシ油、ソルビトール、没食子酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。別の実施態様において、アルコールは、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ヒマシ油、水素化ヒマシ油、ソルビトール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0085】
ある実施態様において、アルコールはジオールであってよい。いくつかの実施態様において、ジオールは、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、C36ダイマージオール、水素化C36ダイマージオール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、ジオールは、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、C36ダイマージオール、水素化C36ダイマージオール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。別の実施態様において、ジオールは1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、C36ダイマージオール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。1つの実施態様において、アルコールはC36ダイマージオールである。ある実施態様において、C36ダイマージオールはC36ダイマー酸から生成されたジオールである。
【0086】
ある実施態様において、ヒドロキシルカルボン酸は、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、トロパ酸、リシノール酸、イソリシノール酸、レスケロール酸、デンシポリ酸、オーリコール酸、ジモルフェコール酸、ヒドロキシパルミトレイン酸、ヒドロキシパルミチン酸、ヒドロキシオレイン酸、2-ヒドロキシステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、ヒドロキシルカルボン酸は、リシノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0087】
ある実施態様において、アミンカルボン酸は、グリシン、β-アラニン、4-アミノ酪酸、5-アミノ吉草酸、6-アミノカプロン酸、7-アミノヘプタン酸、8-アミノカプリル酸、アミノカプリル酸、12-アミノラウリン酸、14-アミノテトラデカン酸、18-アミノステアリン酸、リジン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、アミンカルボン酸は、β-アラニン、6-アミノカプロン酸、8-アミノカプリル酸、リジン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0088】
ある実施態様において、アミンカルボン酸は、3-アミノプロパン酸、2-アミノブタン酸、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、バリン、トリプトファン、アスパラギン、グルタミン、リジン、グルタミン酸、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、アミンカルボン酸は、2-アミノブタン酸、リジン、グルタミン酸、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
iii.比率
【0089】
ある実施態様において、エポキシ化分子からのエポキシ官能基と、架橋剤のカルボン酸官能基(-COOH)、カルボン酸無水物官能基(-COOCO-)、ヒドロキシル官能基(-OH)、またはアミン官能基(-NH)とのモル比は、上述した通りである。
【0090】
ある実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(II)の構造を含むカルボン酸中のカルボン酸官能基(-COOH)とのモル比は、上述した通りである。
【0091】
ある実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(III)の構造を含む無水物中の無水物官能基(-COOCO-)とのモル比は、上述した通りである。
【0092】
ある実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(IV)の構造を含むアミン中のアミン官能基(-NH)とのモル比は、上述した通りである。
【0093】
ある実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(V)の構造を含むアルコール中のヒドロキシル官能基(-OH)とのモル比は、上述した通りである。
【0094】
ある実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(VI)の構造を含むヒドロキシルカルボン酸中のカルボン酸官能基(-COOH)とのモル比は、上述した通りである。
【0095】
ある実施態様において、少なくとも1つのエポキシ化分子中のエポキシ官能基と、式(VII)の構造を含むアミンカルボン酸中のカルボン酸官能基(-COOH)とのモル比は、上述した通りである。
b.触媒
【0096】
ある実施態様において、反応はさらに少なくとも1つの触媒の存在下に行われてよい。幾つかの実施態様において、少なくとも1つの触媒は、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、硫酸、アミドスルホン酸、スルファミン酸、重硫酸ナトリウム、リン酸、塩酸、臭化水素酸、硝酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、ネオデカン酸ビスマス、クエン酸ビスマス(III)、塩化ビスマス(III)、酢酸ビスマス(III)、リン酸ビスマス(III)、塩化スズ、ピロンスズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキシド、ブチルスズ酸、塩化亜鉛、臭化亜鉛、カルボン酸亜鉛、酸化亜鉛、ヒドロキシ硝酸亜鉛、ヒドロキシ酢酸亜鉛、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、コカミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、少なくとも1つの触媒はp-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、リン酸、ネオデカン酸ビスマス、およびこれらの組み合わせである。
c.溶媒
【0097】
いくつかの実施態様において、溶媒はバイオ系または天然物から誘導されたものであってよい。ある実施態様において、第1の溶媒はトリグリセリド系溶媒、モノエステル系溶媒、ジエステル系溶媒、クエン酸エステル系溶媒、エーテル系溶媒、カーボネート系溶媒、炭化水素系溶媒、シリコーン系溶媒、およびこれらの組み合わせであってよい。
【0098】
ある実施態様において、溶媒はトリグリセリドであってよい。ある実施態様において、トリグリセリド系溶媒は式(VIII)の化合物であってよい。
【化9】

式中
、R10、およびR11は独立してC~C35アルキル基、C~C35ヘテロアルキル基、C~C35アルケン基、およびC~C35ヘテロアルケン基である。
【0099】
ある実施態様において、化合物は式(VIII)の化合物であり、式中R、R10、およびR11は独立してC~C17アルキル基またはC~C17アルケン基である。
【0100】
ある実施態様において、トリグリセリド系溶媒は、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、トリヘプタノイン、コーン油、大豆油、オリーブ油、菜種油、綿実油、ヤシ油、アーモンド油、アルゴン油、ローズヒップ油、ブラックシード油、グレープシード油、アボカド油、アンズ核油、ゼラニウム油、ラベンダー油、ローズヒップ油、マカダミア油、ユーカリ油、イワシ油、ニシン油、ベニバナ油、亜麻仁油、ひまわり油、オリーブ油、キャノーラ油、ごま油、綿実油、パーム油、菜種油、桐油、魚油、ピーナッツ油、クフェア油、トウワタ油、アッケシ油、鯨油、ヒマシ油、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、トリグリセリド系溶媒は、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、トリヘプタノイン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0101】
ある実施態様において、溶媒はモノエステル系溶媒であってよい。ある実施態様において、モノエステル系溶媒は式(IX)の化合物であってよい。
【化10】

式中
12はC~C35アルキル基、C~C35ヘテロアルキル基、C~C35アルケン基、またはC~C35ヘテロアルケン基;そして
13はH、C~C35アルキル基、C~C35ヘテロアルキル基、C~C35アルケン基、またはC~C35ヘテロアルケン基である。
【0102】
ある実施態様において、化合物は式(IX)の化合物であり、式中R12はC~C17アルキル基またはC~C17アルケン基、そしてR13はC~C18アルキル基である。
【0103】
ある実施態様において、モノエステル系溶媒は、ココカプリル酸/カプリン酸、ココカプリル酸、ココカプリン酸、ホホバ油、ホホバエステル、ホホバ脂肪酸イソプロピル、マカダミ酸エチル、ラウリン酸イソアミル、ウンデシレン酸ヘプチル、イソステアリン酸メチルヘプチル、イソステアリン酸イソステアリル、リシノール酸グリセリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ブチル、ヤシ油脂肪酸エチルヘキシル、パルミチン酸エチルヘキシル、ステアリン酸エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、ベヘン酸イソセチル、ミリスチン酸イソセチル、パルミチン酸イソセチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸プロピレングリコール、エルカ酸オクチドデシル、乳酸アルキル(C12~C13)、乳酸アルキル(C12~C15)、乳酸イソステアリル、乳酸グリセレス-5、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸オレイル、安息香酸ラウレス-2、安息香酸アルキル(C12~C15)、安息香酸(C12~C15)パレス-3、安息香酸ジプロピレングリコール、サリチル酸イソデシル、サリチル酸アルキル(C12~C15)、サリチル酸トリデシル、イソノナン酸エチルヘキシル、エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、エチルヘキサン酸イソデシル、イソノナン酸イソデシル、エチルヘキサン酸トリデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソステアリル、イソノナン酸セテアリル、ラウレス-2エチルヘキサン酸、エチルヘキサン酸セテアリル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸ミリスチル、ベヘン酸イソステアリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、ネオペンタン酸トリデシル、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0104】
ある実施態様において、モノエステル系溶媒は、ココカプリル酸/カプリン酸、ココカプリル酸、ホホバ油、ラウリン酸イソアミル、イソステアリン酸メチルヘプチル、乳酸アルキル(C12~C13)、乳酸アルキル(C12~C15)、イソノナン酸エチルヘキシル、エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、エチルヘキサン酸イソデシル、イソノナン酸イソデシル、エチルヘキサン酸トリデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソステアリル、イソノナン酸セテアリル、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、モノエステル系溶媒は、ココカプリル酸/カプリン酸、ココカプリル酸、ラウリン酸イソアミル、イソノナン酸イソノニル、ウンデシレン酸ヘプチル、ホホバ油、ホホバエステル、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。1つの実施態様において、モノエステル系溶媒はココカプリル酸/カプリン酸である。
【0105】
ある実施態様において、溶媒はジエステル系溶媒であってよい。ある実施態様において、ジエステル系溶媒は式(X)、式(XI)、または式(XII)の化合物であってよい。
【化11】

【化12】

【化13】

式中
14はC~C35アルキル基、C~C35ヘテロアルキル基、C~C35アルケン基、またはC~C35ヘテロアルケン基;および
15およびR16は独立してH、C~C35アルキル基、C~C35ヘテロアルキル基、C~C35アルケン基、またはC~C35ヘテロアルケン基である。
【0106】
ある実施態様においては、式(X)、式(XI)、または式(XII)の化合物であり、式中R14はC~C10アルキル基またはC~C10アルケン基、そしてR15およびR16は独立してC~C12アルキル基またはC~C12アルケン基である。
【0107】
ある実施態様において、ジエステル系溶媒は、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、コハク酸ジエチルヘキシル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、ジイソステアリルダイマー、リンゴ酸ジイソステアリル、ステアロイルオキシステアリン酸イソステアリル、ステアロイルオキシステアリン酸イソセチルステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル、ジエチルヘキシルリンゴ酸、マレイン酸ジエチルヘキシル、ジプロピレングリコールジベンゾエート、アジピン酸ジカプリル、マレイン酸ジカプリリル、ジイソプロピルダイマー、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、ジイソステアリルダイマー、コハク酸ジエチルヘキシル、ジエチルヘキサン酸ジエチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール、ジイソステアリン酸ネオペンチルグリコール、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、ジエステル系溶媒は、アジピン酸ジカプリル、マレイン酸ジカプリリル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、コハク酸ジエチルヘキシル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0108】
ある実施態様において、溶媒はクエン酸エステルであってよい。ある実施態様において、クエン酸エステルは式(XIII)の化合物であってよい。
【化14】

式中
17、R18、R19、およびR20は独立してH、C~C35アルキル基、C~C35ヘテロアルキル基、C~C35アルケン基、またはC~C35ヘテロアルケン基である。
【0109】
ある実施態様において、化合物は式(XIII)の化合物であり、式中R17、R18、およびR19 は独立してC~C10アルキル基またはC~C10アルケン基、そしてR20はアセチル基である。
【0110】
ある実施態様において、クエン酸エステル系溶媒は、クエン酸トリカプリリル、クエン酸トリイソステアリル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリオクチルドデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチルドデシル、クエン酸トリイソセチル、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される化合物であってよい。
【0111】
ある実施態様において、溶媒はエーテル系溶媒であってよい。ある実施態様において、エーテル系溶媒は式(XIV)の化合物であってよい。
【化15】

式中
21およびR22は独立してH、C~C20アルキル基、C~C20ヘテロアルキル基、C~C20アルケン基、またはC~C20ヘテロアルケン基である。
【0112】
ある実施態様において、化合物は式(XIV)の化合物であり、式中R21およびR22は独立してC~C20アルキル基である。
【0113】
ある実施態様において、エーテル系溶媒は、ジカプリリルエーテル、ジデシルエーテル、パンテニルエチルエーテル、ジセチルエーテル、ジミリスチルエーテル、ジステアリルエーテル、ジステアリルエーテル、ジラウリルエーテル、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、エーテル系溶媒は、ジカプリリルエーテル、ジデシルエーテル、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0114】
ある実施態様において、溶媒はカーボネート系溶媒であってよい。ある実施態様において、カーボネート系溶媒は式(XV)の化合物であってよい。
【化16】

式中
23およびR24は独立してH、C~C20アルキル基、C~C20ヘテロアルキル基、C~C20アルケン基、またはC~C20ヘテロアルケン基である。
【0115】
ある実施態様において、化合物は式(XV)の化合物であり、式中R23およびR24は独立してC~C20アルキル基である。
【0116】
ある実施態様において、カーボネート系溶媒は、ジカプリリルカーボネート、ジエチルヘキシルカーボネート、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0117】
ある実施態様において、炭化水素系溶媒は、ファルネセン、水素化ファルネセン、ココナッツアルカン、ココナッツ/パーム核油アルカン、C~C12アルカン、C10~C13アルカン、C12~C17アルカン、C13~C14アルカン、C13~C15アルカン、C14~C17アルカン、C14~C19アルカン、C14~C20アルカン、C14~C22アルカン、C15~C19アルカン、C21~C28アルカン、C17~C23アルカン、C~C12イソアルカン、C~C13イソアルカン、C~C14イソアルカン、C~C16イソアルカン、C10~C11イソアルカン、C10~C12イソアルカン、C10~C13イソアルカン、C11~C12イソアルカン、C11~C13イソアルカン、C11~C14イソアルカン、C12~C14イソアルカン、C12~C15イソアルカン、C12~C20イソアルカン、C13~C14イソアルカン、C13~C16イソアルカン、C14~C16イソアルカン、C15~C19イソアルカン、ジエチルヘキシルシクロヘキサン、ウンデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ドコサン、スクワラン、水素化ポリイソブテン、ポリブテン、水素化ポリデセン、水素化ジデセン、鉱油、パラフィン、イソパラフィン、パラフィン油、ワセリン、ドデカン、イソヘキサデカン、イソドデカン、イソエイコサン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。さらなる実施態様において、炭化水素系溶媒は、ファルネセン、水素化ファルネセン、ココナッツアルカン、C~C12アルカン、C13~C15アルカン、C14~C19アルカン、C14~C20アルカン、C14~C22アルカン、C15~C19アルカン、C13~C16イソアルカン、ドデカン、ウンデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、スクワラン、イソドデカン、イソヘキサデカン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0118】
ある実施態様において、溶媒はシリコーン系溶媒であってよい。いくつかの実施態様において、シリコーン系溶媒は、ジメチコン、フェニルジメチコン、カプリリルメチコン、エチルトリシロキサン、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0119】
ある実施態様において、反応における第1の溶媒は、エポキシ化植物油カルボン酸、架橋剤、および溶媒の合計重量の約10%から約70%の量で存在してよい。ある実施態様において、反応における第1の溶媒は、エポキシ化された植物油、架橋剤、および溶媒の合計重量の約20%から約70%の量で存在してよい。さらなる実施態様において、溶媒は、エポキシ化植物油カルボン酸、架橋剤、および溶媒の合計重量の約30%から約50%の量で存在してよい。別の実施態様において、溶媒は、エポキシ化植物油カルボン酸、架橋剤、および溶媒の合計重量の約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、または約70%の量で存在してよい。
d.温度
【0120】
ある実施態様において、約10℃から約250℃の温度で行われることができる。ある実施態様において、反応は約15℃から約250℃、約15℃から約225℃、約20℃から約220℃、約25℃から約200℃、約25℃から約175℃、約20℃から約175℃、または約20℃から約150℃の温度において行われてよい。さらなる実施態様において、反応は約25℃から約200℃の温度において行われることができる。よりさらなる実施態様において、反応は約20℃から約150℃の温度において行われることができる。別の実施態様において、反応は約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、約100℃、約105℃、約110℃、約115℃、約120℃、約125℃、約130℃、約135℃、約140℃、約145℃、約150℃、約155℃、約160℃、約165℃、約170℃、約175℃、約180℃、約185℃、約190℃、約195℃、約200℃、約205℃、約210℃、約215℃、約220℃、約225℃、約230℃、約235℃、約240℃、約245℃、または約250℃の温度において行われることができる。1つの実施態様において、反応は約70℃から約140℃の温度において行われることができる。
e.時間
【0121】
ある実施態様において、反応時間は約4時間から約100時間であることができる。幾つかの実施態様において、反応時間は約4時間から約80時間、約4時間から約50時間、約4時間から約25時間、約8時間から約25時間、または約8時間から約24時間であることができる。別の実施態様において、反応時間は約4時間、約10時間、約15時間、約20時間、約25時間、約30時間、約35時間、約40時間、約45時間、約50時間、約55時間、約60時間、約65時間、約70時間、約75時間、約80時間、約85時間、約90時間、約95時間、または約100時間であることができる。さらに別の実施態様において、反応時間は約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約22時間、または約24時間であることができる。1つの実施態様において、反応時間は約12時間から約80時間である。
f.架橋ポリマー構造の膨潤
【0122】
付加的な実施態様において、本方法はさらに(i)架橋ポリマー構造を第2の溶媒と組み合わせることによって膨潤した架橋ポリマー構造を形成し、そして(ii)膨潤した架橋ポリマー構造に剪断力を適用することによって、ゲルへと処理可能な均一なポリエステルエラストマーを形成することを含むことができる。第2の溶媒は、上記に列挙した第1の溶媒の1つまたはより多くであることができる。
【0123】
ある実施態様において、本方法における第2の溶媒の量は、架橋ポリマーの約100重量%から約900重量%であってよい。別の実施態様において、本方法における第2の溶媒の量は、架橋ポリマーの約100重量%、約150重量%、約200重量%、約250重量%、約300重量%、約350重量%、約400重量%、約450重量%、約500重量%、約550重量%、約600重量%、約650重量%、約700重量%、約750重量%、約800重量%、約850重量%、または約900重量%であってよい。ある実施態様において、第2の溶媒の量は、架橋ポリマー構造に応じたものであることができる。
i.剪断力
【0124】
いくつかの実施態様において、剪断力は任意の種類の混合および剪断装置によってもたらされてよい。さらなる実施態様において、混合および剪断装置は、バッチ式ミキサー、プラネタリミキサー、1軸または多軸スクリュー押出機、動的ミキサーまたは静的ミキサー、コロイドミル、ホモジナイザー、Sonolator(インライン高圧乳化分散システム)、またはそれらの組み合わせであってよい。
g.性質
【0125】
本願に記載したエラストマーから調製されるゲルの粘度は、上述した通りである。加えて、このゲルは上述した大きさの粒子から構成される。
E.パーソナルケア配合物
【0126】
本開示の追加的な実施態様において、本開示の製品、すなわち熱硬化性エラストマーから調製されたゲルは、パーソナルケア配合物中に配合されてよい。
【0127】
幾つかの実施態様において、パーソナルケア配合物は化粧品または医薬品であってよい。
【0128】
ある実施態様において、パーソナルケア配合物はさらに、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、ガムまたは増粘剤、油、ワックス、香料、精油、乳化剤、界面活性剤、およびこれらの組み合わせを含んでいる。
【0129】
幾つかの実施態様において、パーソナルケア配合物は、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、ガムまたは増粘剤、油、ワックス、香料、精油、乳化剤、界面活性剤、およびこれらの組み合わせと共に配合されてよい。
【0130】
幾つかの実施態様において、本開示の生成物は、メイクアップ、カラー化粧品、ファンデーション、頬紅、口紅、リップクリーム、アイライナー、マスカラ、オイルリムーバー、カラー化粧品リムーバー、およびパウダーを含む配合物に添加されてよい。
【0131】
幾つかの実施態様において、本開示の生成物は、ビタミンのような油溶性および水溶性物質のための伝達システムとして機能してよい。
【0132】
1つの実施態様において、本開示の生成物は、粒子状の添加剤と相溶性がある。1つの実施態様において、粒子状の添加剤は無機粒子、ポリマーラテックス、および/または顔料である。別の実施態様において、ポリマーはパーソナルケア配合物中において、これらの粒子を長期間懸濁していることができる。
【0133】
所望のエマルジョンが調製された場合、得られた材料は通常、優れた感触特性と揮発性溶剤の高い吸収性を備えた高粘度のクリームである。このエマルジョンは次いで、ヘアケア、スキンケアおよびその他のためのパーソナルケア配合物にブレンドすることができる。
【0134】
パーソナルケア配合物は、デオドラント剤、制汗剤、制汗/消臭剤、シェービング用品、スキンローション、保湿剤、化粧水、バス用品、クレンジング用品、シャンプー、コンディショナー、ムース、スタイリングジェル、ヘアスプレー、染毛剤、ヘアカラー剤、ヘアブリーチ剤、ウエーブ用品、縮毛矯正剤等のヘアケア用品、マニキュア用品(例えばマニキュア、除光液、ネイルクリームおよびローション、キューティクル柔軟剤)、保護クリーム(例えば日焼け止め、虫除け、およびアンチエイジング用品)、カラー化粧品(例えば口紅、ファンデーション、フェイスパウダー、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、メイクアップ、およびマスカラ)などのパーソナルケア用品であることができる。パーソナルケア用品はまた、皮膚に適用できる医薬組成物の局所適用のための薬剤伝達システムであることもできる。
【0135】
1つの実施態様において、パーソナルケア配合物はさらに、1つまたはより多くのパーソナルケア成分を含んでいる。適切なパーソナルケア成分には、限定するものではないが、エモリエント、保湿剤、湿潤剤、顔料(例えば、塩化酸化ビスマスや二酸化チタンでコーティングされた雲母などの真珠光沢顔料)、着色剤、香料、殺生剤、防腐剤、酸化防止剤、抗真菌剤、制汗剤、角質除去剤、ホルモン、酵素、医薬化合物、ビタミン、塩類、電解質、アルコール、ポリオール、紫外線吸収剤、植物抽出物、界面活性剤、シリコーンオイル、有機オイル、ワックス、造膜剤、増粘剤(例えばヒュームドシリカ、含水シリカ)、粒子状フィラー(例えばタルク、カオリン、澱粉、変性澱粉、マイカ、ナイロン、クレイ、例えばベントナイトや有機変性クレイなど)が含まれる。
【0136】
幾つかの実施態様において、パーソナルケア配合物に含まれる1つまたはより多くのパーソナルケア成分は、保湿剤、エモリエント、湿潤剤、顔料、着色剤、香料、殺生物剤、防腐剤、酸化防止剤、抗真菌剤、制汗剤、角質除去剤、ホルモン、酵素、医薬化合物、ビタミン、塩類、電解質、アルコール、ポリオール、紫外線吸収剤、植物エキス、界面活性剤、シリコーンオイル、有機オイル、ワックス、造膜剤、および増粘剤からなる群より選択される。幾つかの実施態様において、1つまたはより多くのエモリエントは、トリグリセリドエステル、ワックスエステル、脂肪酸のアルキルエステルまたはアルケニルエステル、多価アルコールエステル、およびこれらの混合物からなる群より選択される。幾つかの実施態様において、1つまたはより多くのパーソナルケア成分は、シリコーンオイル、有機オイル、またはこれらの混合物である。
【0137】
1つの実施態様において、パーソナルケア配合物は、本願に記載のポリマー組成物または生成物と1つまたはより多くの活性制汗剤を含む制汗剤組成物である。適切な制汗剤には、限定するものではないが米国食品医薬品局の1993年10月10日の市販ヒト用制汗薬剤製品の一般薬基準に列挙されたカテゴリーIの活性制汗剤成分が含まれ、これにはハロゲン化アルミニウム、ヒドロキシハロゲン化アルミニウム、例えばクロルヒドロキシアルミニウム、およびそれらとオキシハロゲン化ジルコニルおよびヒドロキシハロゲン化ジルコニルとの錯体または混合物(例えばアルミニウムジルコニウムクロロハイドレート、およびアルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスグリシンのようなアルミニウムジルコニウムグリシン錯体)が含まれる。
【0138】
別の実施態様において、パーソナルケア配合物はスキンケア組成物であり、本願に記載のポリマー組成物または生成物と、シリコーンオイルまたは有機オイルのようなビヒクルを含んでいる。スキンケア組成物はまたエモリエント、例えばトリグリセリドエステル、ワックスエステル、脂肪酸のアルキルエステルまたはアルケニルエステルまたは多価アルコールエステル、顔料、ビタミン類(例えばビタミンA、ビタミンC、およびビタミンE)、日焼け止めまたは日焼け防止化合物(例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、オキシベンゾン、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、p-アミノ安息香酸、およびオクチルジメチル-p-アミノ安息香酸)を含むことができる。
【0139】
さらに別の実施態様において、パーソナルケア配合物は、口紅、メイクアップまたはマスカラのようなカラー化粧品組成物である。カラー化粧品組成物は、本願に記載のポリマー組成物または生成物と、着色剤(例えば顔料、水溶性染料、または油溶性染料)を含んでいる。
【0140】
さらになお別の実施態様において、パーソナルケア配合物は、本願に記載の熱硬化性エラストマーと、香料物質を含んでいる。香料物質は、香料化合物、カプセル化された香料化合物、または正味の化合物またはカプセル化化合物のいずれかである香料放出化合物であることができる。
F.ゲルの使用
【0141】
1つの実施態様において、本開示は本願に記載のゲル組成物をパーソナルケア配合物に使用することに関する。パーソナルケア配合物は、パーソナルケア用品を含めて、上述した任意のものであることができる。
実施例
【0142】
以下の実施例は、本開示の種々の実施態様を例証するために含まれている。技術分野の当業者には理解されねばならないが、以下の実施例に開示された技術は、本開示の実施において良好に機能することが本発明者らによって見出された技術を表しており、かくして本開示の実施について好ましい態様を構成すると考えることができる。しかしながら、技術分野の当業者は理解しなければならないが、本開示に照らせぱ、本開示の思想および範囲から逸脱することなしに、開示された具体例に対して多くの変更を行うことが可能であり、そして依然として同様の、または類似の効果を得ることができる。
実施例1:エポキシ化大豆油およびジカルボン酸の重合によるポリマーエラストマーの調製
【0143】
撹拌、加熱および水の留去が可能な装置を備えた適切な容器に、100gのエポキシ化大豆油を90gの水素化ダイマー酸と共に加えた。次いで190gのヘミスクワランを溶媒として加えた。すべての成分を撹拌下に仕込んだ後に、マスの温度を140℃に昇温し、水は必要に応じて除去した。この温度を12~20時間、またはゲル化が生ずるまで保持し、ポリマーエラストマーが形成された。その後にエラストマーを機械撹拌により砕いて粉末とした。
実施例2:エポキシ化大豆油および無水カルボン酸の重合によるポリマーエラストマーの調製
【0144】
撹拌、加熱および水の留去が可能な装置を備えた適切な容器に、100gのエポキシ化大豆油を16gの無水コハク酸と共に加えた。次いで58gのジカプリリルエーテルを溶媒として加えた。すべての成分を撹拌下に仕込んだ後に、マスの温度を140℃に昇温し、水は必要に応じて除去した。この温度を12~20時間、またはゲル化が生ずるまで保持し、ポリマーエラストマーが形成された。その後にエラストマーを機械撹拌により砕いて粉末とした。
実施例3:エポキシ化大豆油およびジアミンの重合によるポリマーエラストマーの調製
【0145】
撹拌、加熱および水の留去が可能な装置を備えた適切な容器に、110gのエポキシ化大豆油を30gの1,10-ジアミノデカンと共に加えた。次いで140gのヘミスクワランを溶媒として加えた。すべての成分を撹拌下に仕込んだ後に、マスの温度を140℃に昇温し、水は必要に応じて除去した。この温度を12~20時間、またはゲル化が生ずるまで保持し、ポリマーエラストマーが形成された。その後にエラストマーを機械撹拌により砕いて粉末とした。
実施例4:エポキシ化大豆油、ヒドロキシステアリン酸および二塩基酸の重合によるポリマーエラストマーの調製
【0146】
撹拌、加熱および水の留去が可能な装置を備えた適切な容器に、95gのエポキシ化大豆油を30gのセバシン酸および9gの12-ヒドロキシステアリン酸と共に加えた。次いで130gのジカプリリルエーテルを溶媒として加えた。すべての成分を撹拌下に仕込んだ後に、マスの温度を180℃に昇温し、水は必要に応じて除去した。この温度を10~15時間、またはゲル化が生ずるまで保持し、ポリマーエラストマーが形成された。その後にエラストマーを機械撹拌により砕いて粉末とした。
実施例5:ポリマーエラストマーからのポリマーゲルの調製
【0147】
放置しても分離しない非常に良好なエラストマーを生成した後に、350gのMCT油を容器内に添加して120gのエラストマーと混合した。ゲルとこの溶媒の混合物を容器内に12時間放置した後に、ガウリン社のホモジナイザーでホモジナイズして、パーソナルケア配合物に使用するのに適した、クリーム状で非常に平滑な粘稠度の半透明なゲルを生成した。
実施例6:天然油/水ファンデーションの調製
【0148】
天然油/水ファンデーションの成分を表1に列挙する。
【表1】
【0149】
相Aの成分を混合し撹拌しながら50℃に加熱する。相Bは粉末を溶媒混合物で濡らし、ホモジナイズする。ホモジナイズした混合物を相Bの残りに加えて50℃に加熱する。相Bを相Aに加え、内容物が均一になるまで10分間混合する。相Cを加え、ホモジナイズする。
実施例7:天然油/水ファンデーションの調製
【表2】
【0150】
相Aを混合して50℃に加熱する。粉末を溶媒で濡らし、滑らかになるまでホモジナイズする。相Bの残りを加えて50℃に加熱する。混合しながら相Aを相Bにゆっくりと加える。相A+Bをホモジナイズする。冷却し、相Cを加える。
実施例8:顔料を有するマットな口紅の調製
【表3】
【0151】
相Aの成分を混合し、均一になるまで70℃に加熱する。型に注ぐ。
実施例9:ナチュラルプライマーの調製
【表4】
【0152】
すべての成分を混合し、コールズミキサーを使用して80~90℃に加熱した。オイル増粘剤が溶解したことを確認し、次いで混合物を広口瓶に注いで一晩放冷した。
実施例10:モイスチャライジングスキンクリームの調製
【表5】
【0153】
相Аのすべての成分を混合し、75℃に加熱する。相Вのすべての成分を混合し、70℃に加熱する。強く撹拌しながら相Bを相に加える。混合物を1~2分間ホモジナイズする。穏やかに撹拌しながら50℃まで冷却する。防腐剤および香料を所望に応じて加え、十分に混合する。
実施例11:水中油型日焼け止めの調製
【表6】
【0154】
キサンタンガムをグリセリンおよびブチレングリコールで濡らす;相Aの成分の残りを加え、均一になるまで40℃に加熱する。相Bの成分を混合し、均一になるまで70~80℃に加熱する。相Cを相Bに加えて混合する。相B+Cを相Aにゆっくりと加える。混合物を1分間にわたり11,000rpmでホモジナイズする。冷却し、防腐剤を加える。
他の実施態様
【0155】
本明細書で言及したすべての刊行物、特許、および特許出願は参照を行うことによってそれらの全体が、個々の刊行物、特許、または特許出願のそれぞれが参照を行うことによって具体的かつ個別に取り入れられると示された場合と同程度に取り入れられる。本出願における用語が参照によって取り入れられた文書におけるものと異なる定義であることが見出された場合には、本願において提示された定義がその用語についての定義として用いられる。
【0156】
本開示はその特定の実施態様に関して説明されてきたが、理解されるように本開示はさらなる修正が可能であり、そして本出願は、全般的に本発明の原理に従い、本発明の属する技術において既知でありまたは慣用されており、これまでに記載した本質的な特徴に適用可能であり特許請求の範囲にしたがう本開示の展開を含む、本発明のすべての変更、使用、または適合を包含することを意図している。

【国際調査報告】