(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】医療デバイスアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
A61B 1/018 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A61B1/018 514
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539189
(86)(22)【出願日】2021-12-27
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 US2021065202
(87)【国際公開番号】W WO2022146915
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】パウエル、ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ヤゲルスキ、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】マクブライエン、マイケル
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161BB04
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF12
4C161FF43
4C161HH24
4C161HH25
4C161LL02
4C161QQ06
(57)【要約】
医療デバイスのための連結アセンブリは、回転軸を中心に回転するように構成された回転可能部材と、ピストンと、回転可能部材およびピストンに回転可能に接続されるとともに、範囲に沿って移動可能な接続ロッドとを備えていてよい。範囲の第1端は、連結アセンブリによって移動可能な遠位部材の初期位置に対応していてよく、範囲の第2端は、遠位部材の最終位置に対応していてよい。接続ロッドの第1の構成では、範囲の第1端において、接続ロッドの近位端は、長手方向軸から第1の量だけオフセットされていてよく、長手方向軸は、回転軸に対して垂直である。接続ロッドの第2の構成では、範囲の第2端において、接続ロッドの近位端は、長手方向軸から第2の量だけオフセットされていてよい。第2の量は、第1の量の3分の2未満であってよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスのための連結アセンブリであって、
回転軸を中心に回転するように構成された回転可能部材と、
ピストンと、
前記回転可能部材および前記ピストンに回転可能に接続されるとともに、範囲に沿って移動可能な接続ロッドと
を備え、前記範囲の第1端は、前記連結アセンブリによって移動可能な遠位部材の初期位置に対応し、前記範囲の第2端は、遠位部材の最終位置に対応し、
前記接続ロッドの第1の構成では、前記範囲の前記第1端において、前記接続ロッドの近位端は、長手方向軸から第1の量だけオフセットされ、前記長手方向軸は、前記回転軸に対して垂直であり、
前記接続ロッドの第2の構成では、前記範囲の前記第2端において、前記接続ロッドの前記近位端は、前記長手方向軸から第2の量だけオフセットされ、前記第2の量は、前記第1の量の3分の2未満である、連結アセンブリ。
【請求項2】
前記連結アセンブリの機械的アドバンテージは、前記第1の構成よりも前記第2の構成において少なくとも50パーセント高い、請求項1に記載の連結アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の構成は、前記連結アセンブリのストロークの開始点にある、請求項1または2に記載の連結アセンブリ。
【請求項4】
前記第2の構成は、前記連結アセンブリの前記ストロークの終点にある、請求項3に記載の連結アセンブリ。
【請求項5】
前記回転可能部材は、前記回転可能部材に固定されたレバーによって回転可能である、請求項1~4のいずれか1項に記載の連結アセンブリ。
【請求項6】
前記ピストンは、前記遠位部材に結合された制御ワイヤを動かすように動作可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載の連結アセンブリ。
【請求項7】
前記遠位部材は、前記医療デバイスのエレベータである、請求項1~6のいずれか1項に記載の連結アセンブリ。
【請求項8】
前記第1の構成では、前記エレベータは完全に下降した構成にあり、前記第2の構成では、前記エレベータは完全に上昇した構成にある、請求項7に記載の連結アセンブリ。
【請求項9】
前記接続ロッドは、直線状ではない、請求項1~8のいずれか一項に記載の連結アセンブリ。
【請求項10】
前記接続ロッドは、第1のセグメントと、前記第1のセグメントに対して横方向の第2のセグメントとを有している、請求項9に記載の連結アセンブリ。
【請求項11】
前記接続ロッドは、前記第2のセグメントおよび前記第1のセグメントに対して横方向の第3のセグメントをさらに有している、請求項10に記載の連結アセンブリ。
【請求項12】
前記長手方向軸は、前記回転軸を通って延びる前記回転可能部材の直径と同軸である、請求項1~11のいずれか一項に記載の連結アセンブリ。
【請求項13】
前記長手方向軸は、プランジャの動きを画定する長手方向軸と略平行または同軸である、請求項1~12のいずれか一項に記載の連結アセンブリ。
【請求項14】
前記第1の構成では、レバーの前記近位端は、前記長手方向軸から第1の方向に第1の角度だけオフセットされ、前記第2の構成では、前記レバーの前記近位端は、前記長手方向軸から前記第1の方向に第2の角度だけオフセットされ、前記第2の角度は、前記第1の角度よりも大きく、前記第1の角度および前記第2の角度は、各々、前記回転軸と前記長手方向軸との交点に頂点を有している、請求項1~13のいずれか一項に記載の連結アセンブリ。
【請求項15】
前記第1の角度および前記第2の角度の各々の第1の脚は、前記回転軸と前記レバーの前記近位端との間に延びる線によって画定され、前記第1の角度および前記第2の角度の各々の第2の脚は、前記長手方向軸によって画定される、請求項14に記載の連結アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の種々の態様は、概して、医療デバイスのアクチュエータのためのデバイスおよび方法に関し、具体的には、昇降レバーなどの十二指腸内視鏡の構成要素のためのアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
十二指腸内視鏡は、ハンドルと、対象の体管腔に挿入可能なシースとを含み得る。シースは、光学要素(例えば、カメラ、照明)、空気/水出口、および作業チャネル開口部などの特徴を含み得る、遠位先端部分で終端することができる。エレベータは、遠位先端に配置されていてよく、作業チャネルを通過する医療デバイス/ツールの向きを変化させるために作動可能であってよい。例えば、エレベータは、枢動可能であってよく、または他の方法で動くことが可能であってよい。
【0003】
ハンドルの要素/アクチュエータは、遠位先端の要素を制御することができる。例えば、ボタン、ノブ、レバーなどが、遠位先端の要素を制御し得る。エレベータは、エレベータに取り付けられた制御ワイヤに取り付けられ得るレバーなどのハンドルにおける制御機構を介して制御され得る。機構(例えば、レバー)が作動される場合、ワイヤは、近位および/または遠位に移動し、それによって、エレベータを上昇および/または下降させることができる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書で開示される態様の各々は、他の開示される態様のうちの任意のものに関連して説明される特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。
一例では、医療デバイスのための連結アセンブリは、回転軸を中心に回転するように構成された回転可能部材と、ピストンと、回転可能部材およびピストンに回転可能に接続されるとともに、範囲に沿って移動可能な接続ロッドとを備えていてよい。範囲の第1端は、連結アセンブリによって移動可能な遠位部材の初期位置に対応していてよく、範囲の第2端は、遠位部材の最終位置に対応していてよい。接続ロッドの第1の構成では、範囲の第1端において、接続ロッドの近位端は、長手方向軸から第1の量だけオフセットされていてよく、長手方向軸は、回転軸に対して垂直である。接続ロッドの第2の構成では、範囲の第2端において、接続ロッドの近位端は、長手方向軸から第2の量だけオフセットされていてよい。第2の量は、第1の量の3分の2未満であってよい。
【0005】
本明細書に開示される連結アセンブリのうちの任意のものは、以下の特徴のいずれかを有していてよい。連結アセンブリの機械的アドバンテージは、第1の構成よりも第2の構成において少なくとも50パーセント高くてよい。第1の構成は、連結アセンブリのストロークの開始点にあってよい。第2の構成は、連結アセンブリのストロークの終点にあってよい。回転可能部材は、回転可能部材に固定されたレバーによって回転可能であってよい。ピストンは、遠位部材に結合された制御ワイヤを動かすように動作可能であってよい。遠位部材は、医療デバイスのエレベータであってよい。第1の構成では、エレベータは完全に下降した構成にあってよい。第2の構成では、エレベータは完全に上昇した構成にあってよい。接続ロッドは、直線状でなくてもよい。接続ロッドは、第1のセグメントと、第1のセグメントに対して横方向の第2のセグメントとを有していてよい。接続ロッドは、第2のセグメントおよび第1のセグメントに対して横方向の第3のセグメントをさらに有していてよい。長手方向軸は、回転軸を通って延びる回転可能部材の直径と同軸であってよい。長手方向軸は、プランジャの動きを画定する長手方向軸と略平行または同軸であってよい。第1の構成では、レバーの近位端は、長手方向軸から第1の方向に第1の角度だけオフセットしていてよい。第2の構成では、レバーの近位端は、長手方向軸から第1の方向に第2の角度だけオフセットされていてよい。第2の角度は、第1の角度より大きくてよい。第1の角度および第2の角度は、各々、回転軸と長手方向軸との交点に頂点を有していてよい。第1の角度および第2の角度の各々の第1の脚(leg)は、回転軸とレバーの近位端との間に延びる線によって画定することができる。第1の角度および第2の角度の各々の第2の脚は、長手方向軸によって画定することができる。
【0006】
別の例では、連結アセンブリは、回転軸を中心に回転するように構成された回転可能部材と、ピストンと、回転可能部材およびピストンに回転可能に接続されるとともに、範囲に沿って移動可能な接続ロッドとを備えていてよい。範囲の第1端は、連結アセンブリによって移動可能な遠位部材の初期位置に対応していてよい。範囲の第2端は、遠位部材の最終位置に対応していてよい。接続ロッドの第1の構成では、範囲の第1端において、連結アセンブリは、第1の機械的アドバンテージを有していてよい。接続ロッドの第2の構成では、範囲の第2端において、連結アセンブリは、第2の機械的アドバンテージを有していてよい。第2の機械的アドバンテージは、第1の機械的アドバンテージよりも少なくとも50パーセント高くてよい。
【0007】
本明細書に開示される連結アセンブリのうちの任意のものは、以下の特性のいずれかを有していてよい。第1の構成では、レバーの近位端は、長手方向軸から第1の方向に第1の角度だけオフセットされていてよい。第2の構成では、レバーの近位端は、長手方向軸から第1の方向に第2の角度だけオフセットされていてよい。第2の角度は、第1の角度より大きくてよい。第1の角度および第2の角度は、各々、回転軸と長手方向軸との交点に頂点を有していてよい。遠位部材は、医療デバイスのエレベータであってよい。第1の構成では、エレベータは、第2の構成よりも小さい撓み角度を有することができる。
【0008】
別の例では、医療デバイスのための連結アセンブリは、(a)回転可能部材に接続され、範囲に沿って回転軸を中心に回転するように構成された接続ロッドを備えていてよい。範囲の第1端は、連結アセンブリによって移動可能な遠位部材の初期位置に対応していてよく、範囲の第2端は、遠位部材の最終位置に対応していてよい。接続ロッドは、(b)ピストンに接続されていてもよい。接続ロッドが範囲の第1端に配置される接続ロッドの第1の構成では、接続ロッドの近位端は、回転軸に対して垂直であるとともに、回転軸を通って延びる長手方向軸から第1の量だけオフセットされていてよい。接続ロッドが範囲の第2端に配置される連結アセンブリの第2の構成では、接続ロッドの近位端は、長手方向軸から第2の量だけオフセットされていてよい。第2の量は、第1の量の3分の2未満であってよい。連結アセンブリの機械的アドバンテージは、第1の構成よりも第2の構成において少なくとも50%高くてよい。
【0009】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものに過ぎず、特許請求の範囲に記載された本発明を限定するものではないことを理解されたい。本明細書で使用される場合、用語「備える」、「備えている」、またはそれらの任意の他の変形は、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていない他の要素、またはかかるプロセス、方法、物品、または装置に固有の要素を含むことができるように、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。「直径」という用語は、要素が円形でない場合の幅を指す場合がある。「遠位」という用語は、オペレータから離れる方向を指し、「近位」という用語は、オペレータに向かう方向を指す。「例示的」という用語は、「理想的」ではなく「例」の意味で使用される。「略(ほぼ)」という用語または同様の用語(例えば、「実質的に」)は、述べられた値の+/-10%の値を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の態様を示し、説明と共に本開示の原理を説明する役割を果たす。
【発明を実施するための形態】
【0011】
医療デバイスのアクチュエータ、例えば、十二指腸内視鏡のレバーは、いくつかの構成では、オペレータがアクチュエータ/レバーを操作するために大きな力を加えることを必要とする場合がある。例えば、レバーは、十二指腸内視鏡の遠位先端のエレベータを上昇および/または下降させるために使用することができる。処置中、オペレータは、医療デバイスが十二指腸内視鏡の作業チャネル内に挿入されている間に、医療デバイスが作業チャネルの遠位端から出現する角度を変更するために、レバーを使用する場合がある。オペレータは、挿入された医療デバイスの正確な位置決めを提供するために、レバーを使用してエレベータを微細に操縦することを望む可能性がある。特定の角度(例えば、60度)を超えるエレベータの角度において、オペレータが微細な操縦に関心を持つ可能性がある。その特定の角度(例えば、60度)に達する前は、その角度より下の最終位置が所望されないので、オペレータがエレベータの微細な操縦に関心を持たない可能性がある。
【0012】
エレベータによって保持されている可撓性デバイス/シャフトなどの弾性部材を曲げるのに必要な力の量は、一般に、撓み(deflection)の角度に対応して増加する。可撓性デバイス/シャフトを担持するエレベータを上昇させる場合、エレベータを所与の角度増分だけ上昇させるための力の量は、エレベータが上昇するにつれて増加し得る。例えば、エレベータを60度から70度に上昇させることは、エレベータを50度から60度に上昇させることよりも大きな力を必要とし得る。そのようなより大きな力は、上述したオペレータにとって関心のある上昇/屈曲角度(複数可)と一致し得る(例えば、60度を超える角度)。内視鏡の遠位先端の関節により、エレベータの制御ワイヤの曲がりくねった経路がもたらされ、レバーの全範囲において、全体的に(例えば、レバーの全範囲において)エレベータを上昇させるために必要とされる力の量を増加させ得る。
【0013】
したがって、オペレータが医療処置を行うことを可能にするために、エレベータを上昇および/または下降させるのに必要な力の量を減少させることが望ましい場合がある。関心のある角度(例えば、60度を超える角度)でエレベータを上昇させるのに必要とされる力の量を減少させることが特に望ましい場合がある。より少ない力は、(スコープ内に挿入され、エレベータによって担持される)医療ツールを特定の所望の量だけ上昇させるために、エレベータの微細な操縦を容易にすることができる。さらに、エレベータを関心のある角度範囲に迅速に移動させることを容易にするために、より低い角度(例えば、60度未満の角度)において、エレベータの速度を増加させることが望ましい場合がある。エレベータは、エレベータの位置の微調整を容易にするために、関心のある範囲内(例えば、60度を超える)において、より低い速度で動かされることが望ましい場合がある。
【0014】
以下でさらに詳細に説明するように、エレベータレバーアセンブリは、ユーザによって接触されるための接触部分を有する回転可能部材と、回転可能部材に回転可能に結合された接続ロッドと、接続ロッドに回転可能に結合されたプランジャとを含むことができる。レバーアセンブリの構成要素は、レバーの近位端の横方向のオフセットが、エレベータの動きのより高い角度において機械的アドバンテージ(mechanical advantage)を提供するように選択することができる。横方向のオフセットは、十二指腸内視鏡ハンドルの長手方向軸または十二指腸内視鏡ハンドルの構成要素の長手方向軸(例えば、プランジャの中心軸と同軸の長手方向軸、または回転可能部材の中心と同軸の長手方向軸)に対して垂直な方向であってよい。接触部分の範囲の関連部分(したがってエレベータの範囲の相対部分)における横方向のオフセットは、エレベータの動きのより高い角度において機械的アドバンテージを提供する。機械的アドバンテージにより、エレベータをより高い角度で上昇させるのに必要とされる力をより小さくすることができる。
【0015】
十二指腸内視鏡という用語が本明細書で使用され得るが、内視鏡、結腸鏡、尿管鏡、気管支鏡、腹腔鏡、シース、カテーテル、またはエレベータもしくは作動もしくは移動を必要とする任意の他の遠位構成要素を含み得る任意の他の好適な送達デバイスもしくは医療デバイスを含むが、それらに限定されない、他のデバイスが、本開示のデバイスおよび製造方法に関連して使用され得ることが理解されるであろう。横向き(side-facing)デバイスが特に議論されるが、本明細書に説明される実施形態は、前向き内視鏡(例えば、観察要素が長手方向前方を向いている内視鏡)と併用されてもよい。以下に説明されるレバーアセンブリは、エレベータを上昇/下降させるために使用されるものとして説明されるが、レバーアセンブリは、他の医療デバイス構成要素(例えば、操縦またはブレーキ構成要素)を制御するためにも使用されてよいことが理解されるであろう。
【0016】
図1Aは、ハンドル12および挿入部分14を有する例示的な十二指腸内視鏡10を示す。
図1Bは、ハンドル12の近位端を示す。十二指腸内視鏡10は、十二指腸内視鏡10を、例えば、空気、水、吸引、電力などの供給源、ならびに画像処理および/または観察機器に接続する目的のために、臍部16を含んでいてもよい。
【0017】
挿入部分14は、シースまたはシャフト18と、遠位先端20とを含んでいてよい。遠位先端20は、撮像デバイス22(例えば、カメラ)および照明源24(例えば、LEDまたは光ファイバ)を含んでいてよい。遠位先端20は、横向き(side-facing)であってよい。すなわち、撮像デバイス22および照明源24は、シャフト18および遠位先端20の長手方向軸に対して、半径方向外向き、垂直に、略垂直に、または他の横向きに面していてよい。
【0018】
遠位先端20は、十二指腸内視鏡10の作業チャネル内に挿入されるツールの向きを変化させるためのエレベータ26を含んでいてもよい。エレベータ26は、代替的に、スイングスタンド、ピボットスタンド、レイジングベース、または任意の適切な他の用語で呼ばれてもよい。エレベータ26は、例えば、ハンドル12からシャフト18を通ってエレベータ26まで延在する作動ワイヤまたは別の制御要素を介して枢動可能であってよい。
【0019】
遠位先端20に接続されたシャフト18の遠位部分は、操縦可能セクション28を有していてよい。操縦可能セクション28は、例えば、関節ジョイントであってよい。シャフト18および操縦可能セクション28は、当該分野で公知であるかまたは公知になり得る種々の構造を含んでいてよい。
【0020】
ハンドル12は、1つまたは複数のアクチュエータ/制御機構30を有していてよい。制御機構30は、操縦可能セクション28に対する制御を提供することができ、または空気、水、吸引などの提供を可能にすることができる。例えば、ハンドル12は、操縦可能セクション28を左、右、上、および/または下に制御するための制御ノブ32,34を含んでいてよい。例えば、ノブ32,34の一方は、操縦可能セクション28の左/右制御を提供し、ノブ32,34の他方は、操縦可能セクション28の上/下制御を提供してよい。ハンドル12は、上、下、左、または右方向のうちの少なくとも1つへの操縦可能セクション28の操縦を妨げるための1つまたは複数のロック機構36(例えば、ノブまたはレバー)をさらに含んでいてよい。ハンドル12は、エレベータ制御レバー38(
図1B)を含んでいてよい。エレベータ制御レバー38は、レバー38とワイヤとの間の接続を介してエレベータ26を上昇および/または下降させることができる。
【0021】
図2A~
図4Bは、レバー38と、レバー38からシャフト18を通ってエレベータ26まで延びるワイヤ(この図では示されない)との間の例示的な接続/連結(linkage)を示す。ポート40は、ツールがポート40を通って十二指腸内視鏡10の作業チャネル内に入り、シース18を通って遠位先端20まで通ることを可能にすることができる。
【0022】
使用時、オペレータは、シャフト18の少なくとも一部を対象の体管腔に挿入することができる。遠位先端20は、体管腔内の処置部位にナビゲートされ得る。オペレータは、ツール(図示せず)をポート40に挿入し、ツールを、シャフト18を通って作業チャネルを介して遠位先端20まで通すことができる。ツールは、遠位先端20で作業チャネルから出てもよい。ユーザは、エレベータ制御レバー38を使用して、エレベータ26を上昇させ、所望の位置(例えば、膵胆道乳頭)に向けてツールの角度を変えることができる。ユーザは、医療処置を行うためにツールを使用することができる。
【0023】
図2A~
図4Bは、十二指腸内視鏡10と共に使用するための例示的な連結アセンブリ(linkage assembly)を示す。
図2A~
図4Bの連結アセンブリは、
図1Bのエレベータ制御レバー38に機能を提供することができ、エレベータを撓ませるためのワイヤに制御レバー38を接続するための連結を提供する。
【0024】
図2Aおよび
図2Bは、第1の構成(
図2A)および第2の構成(
図2B)における例示的な連結アセンブリ100を示す。第1の構成(
図2A)は、初期の下降した(例えば、最大限に完全に下降した)位置にあるエレベータに対応し得る。第2の最終構成(
図2B)は、上昇した(例えば、最大限に完全に上昇した)位置にあるエレベータに対応し得る。
【0025】
連結アセンブリ100は、回転可能部材110と、接続ロッド120と、プランジャ130とを含んでいてよい。回転可能部材110は、環状リング114から半径方向外向きに延在し得る、エレベータ制御レバー112を含んでいてよい。回転可能部材110は、環状リング114の中心軸115を中心として回転可能であってよい。環状リング114は、ハンドル12(
図1A~
図1B)内に配置されてよく、エレベータ制御レバー112は、例えば、スリットを介して、ハンドル12のハウジングを通って外向きに延在していてもよい。スリットのエッジは、エレベータ制御レバー112を動かすことができる範囲を画定することができる。代替的に、ハンドル12のハウジングの内部または外部の他の構造(例えば、カバー118)が、エレベータ制御レバー112を動かすことができる範囲を制約してもよい。エレベータ制御レバー112は、エレベータ制御レバー112の範囲の一端における初期位置から、エレベータ制御レバー112の範囲の他端における最終位置まで延びる範囲を有することができる。エレベータ制御レバー112は、エレベータ制御レバー38(
図1B)の特性のいずれかを有することができる。エレベータ制御レバー112は、ユーザの指のための接触面を提供するためのリッジを含んでいてもよく、ユーザに牽引力を提供してもよい。
【0026】
環状リング114は、ハンドル12のハウジングに対して回転可能であってよく、その結果、エレベータ制御レバー112の動きは、ハンドル12のハウジングに対する環状リング114の回転を引き起こす。環状リング114およびエレベータ制御レバー112は、単一の一体構造であってよく、または互いに対して取り付けられていてもよい。突出部116は、環状リング114から半径方向外向きに延びていてよい。図示のように、突出部116は、環状リング114に固定された別個の部品であってもよい。代替的に、突出部116は、環状リング114および/または制御レバー112と一体的に形成されてもよく、または別個の部品であってもよい。
【0027】
回転可能部材110の構成要素は、任意の適切な材料で形成することができる。例えば、回転可能部材110の構成要素は、プラスチックもしくは他のポリマー、複合材料、または金属などの剛性材料で形成されていてよい。制御レバー112、環状リング114、および突出部116は、同じ材料から形成されてもよいし、異なる材料から形成されてもよい。
【0028】
図2Aおよび
図2Bに示すように、カバー118は、環状リング114の少なくとも一部を覆うことができる。カバー118は、環状リング114とハンドル12の他の構成要素との間の分離を提供することができ、および/または所望の平面内に環状リング114を保持するために使用することができる。カバー118は、回転可能部材110(環状リング114を含む)に対して回転可能であってよい。例えば、カバー118は、ハンドル12のハウジングに対して静止していてもよい。
【0029】
接続ロッド120の近位端は、突出部116または回転可能部材110の別の部分に固定され得る。例えば、ピンは、接続ロッド120が突出部116に対して回転可能であるように、接続ロッド120を突出部116に固定してもよい。接続ロッド120は、ハンドル12の内部内で回転可能部材110から遠位に延びていてよい。
図2Aおよび
図2Bに示すように、接続ロッド120は直線状であってよい。代替的に、接続ロッド120は、湾曲および/または傾斜していてもよい(例えば、
図4Aおよび
図4B参照)。接続ロッド120の遠位端は、プランジャ130に回転可能に結合されていてよい。例えば、ピンまたは他の構造が、接続ロッド120の遠位端をプランジャ130に回転可能に結合することができる。プランジャ130の近位端は、
図2Aおよび2Bでは、接続ロッド120の遠位端によって見えない場合がある。接続ロッド120は、任意の適切な材料で形成されていてよい。例えば、接続ロッド120は、プラスチックもしくは他のポリマー、複合材料、または金属などの剛性材料で形成されていてよい。制御レバー112、環状リング114、および突出部116は、同じ材料から形成されてもよいし、異なる材料から形成されてもよい。
【0030】
プランジャ130は、ハンドル12の長手方向軸に略平行に延びていてよい。プランジャ130の遠位端132は、エレベータに結合され得る制御ワイヤ(図示せず)に結合されていてよい。プランジャが近位および遠位に移動すると、制御ワイヤは、それぞれ近位に引っ張られるかまたは遠位に押され得る。プランジャおよび制御ワイヤのこの動きは、エレベータを上昇および/または下降させることができる。プランジャ130は、任意の適切な材料で形成されていてよい。例えば、プランジャ130は、プラスチックもしくは他のポリマー、複合材料、または金属などの剛性材料で形成されていてよい。
【0031】
プランジャ130の動きは、チャネル140によって制約され得る。チャネル140は、ハンドル12の長手方向軸に略平行に延びていてよい。チャネル140は、プランジャ130が長手方向軸に垂直な方向に動くのを妨げることができ、プランジャ130を長手方向の動きに制約することができる。制御ワイヤは、チャネル140を通っていてよい。
【0032】
連結アセンブリ100の種々の寸法が、
図2Aおよび
図2Bに示されている。L1は、接続ロッド120の近位端における枢動点と遠位端における枢動点との間の接続ロッド120の長さを指す。
図2Aおよび
図2Bに示すように、接続ロッドL1は、接続ロッドL1は剛性であってよいので、
図2Aおよび
図2Bにおいて同じである。θ1は、接続ロッド120の近位端が長手方向軸線LAから例えば時計回り方向(
図2Aおよび
図2Bの矢印の方向)に回転した角度を指すことができる。長手方向軸LAは、回転可能部材110の回転軸115を通って延びていてよい。例えば、長手方向軸LAは、回転可能部材110の直径と同軸であってよい。長手方向軸LAは、回転軸115に垂直であってよい。長手方向軸LAは、チャネル140の中心長手方向軸と平行または同軸であってよい。角度θ1(A)(
図2A)およびθ1(B)(
図2B)は、それぞれ、
図2Aの構成(エレベータが下降している初期構成)および
図2Bの構成(エレベータが上昇している最終構成)におけるθ1の値を指すことができる。θ1、θ1(A)、およびθ1(B)は、各々、軸115と長手方向軸LAとの交点に頂点を有することができる。
【0033】
図2Aおよび
図2Bに示されるように、長手方向軸LAは、チャネル140の中心長手方向軸と同軸であってよい。代替的に、長手方向軸LAは、チャネル140の中心長手方向軸から(例えば、
図2Aおよび
図2Bにおけるチャネル140の中心長手方向軸の左または右に)オフセットされていてもよい。例えば、チャネル140は、チャネル140が90度とθ1(B)との間のθ1の値で接続ロッド120の近位端の経路と交差するように、長手方向軸LAに対して
図2Aおよび
図2Bの左方向にオフセットされていてもよい。そのような構成は、エレベータ116が関心のある範囲(例えば、60度を超える角度)にある場合に、摩擦のための側方負荷を最小限にすることができる。長手方向軸LAは、追加的または代替的に、上述したハンドル12の長手方向軸と平行および/または同軸であってよい。
【0034】
X1は、接続ロッド120の近位端(その枢動点における)から、上述のハンドル112の長手方向軸LAまでの距離を示す。X1(A)およびX1(B)は、それぞれ、
図2Aの構成(エレベータが下降している初期構成)および
図2Bの構成(エレベータが上昇している最終構成)におけるX1の値を指す。X1は、Rsin(θ1)に等しくてよい。
【0035】
動作中、エレベータは、最初は下降位置(
図2Aに示す連結アセンブリの位置に対応する)にあってよい。接続ロッド120の回転角は、θ1(A)の値を有することができ、これは、X1(A)の接続ロッド横方向オフセットに対応することができる。プランジャ130は、エレベータの下降した位置に対応するY1(A)の長手方向位置を有することができる。ユーザは、エレベータ制御レバー112を回転させ、それによって回転可能部材110を回転させ、接続ロッド120の近位端を動かすことができる。最終的な上昇位置(
図2Bに示す連結アセンブリの位置に対応する)において、接続ロッド120の回転角度は、θ1(B)の値を有することができ、これは、X1(B)の接続ロッド横方向オフセットに対応することができる。プランジャ130は、エレベータの上昇した位置に対応するY1(B)の長手方向位置を有することができる。
【0036】
回転可能部材110が図示の方向に回転すると、オフセット距離X1が変化する。
図5Aは、θ1の異なる値に対するX1の値を示すグラフである。横軸は、θ1の値を示す。縦軸は、X1の値を示す。X1は、-1と1との間の値を有することができる。これは、X1が正弦曲線を示すように正規化されているためである。X1の実際の値は変化してもよく、以下に詳細に記載される曲線の形状を保持しながら、任意の適切な単位を反映することができる。
【0037】
回転可能部材110が完全に360度回転することができる場合、X1の値は、-1と1との間で、正弦波パターンで変化する。しかしながら、回転可能部材110の範囲が制限され得るので(上述したように、例えば、制御レバー112の範囲は、例えば、ハンドル12のハウジングのエッジまたはカバー118のエッジによって制限され得る)、エレベータ制御レバー112が操作される場合に、正弦曲線の一部のみが横断され、回転可能部材110を回転させることができる。
図5Aの実線の曲線410は、横方向オフセットX1が典型的な使用可能範囲にわたってどのように変化するかを示している。
図5Aの点線の曲線は、回転可能部材110(または連結アセンブリ100の他の部分)の範囲に対する制限に起因して、制御レバー112/回転可能部材110の動きによって捕捉されない正弦曲線の部分を示す。
【0038】
θ1(A)は、約45度であってよく、エレベータが初期の下降した位置にある場合のθ1の値を示し得る。実線の曲線410の左端は、θ1(A)の値を示すことができる。θ1(B)は、約135度であってよく、エレベータが上昇した位置にある場合のθ1の値を示し得る。実線の曲線410の右端は、θ1(B)の値を示すことができる。回転可能部材110(制御レバー112を含む)は、したがって、約90度回転可能であってよい。上記で提供された角度の値は、単なる例示である。例えば、回転可能部材110の範囲は、90度より大きくても小さくてもよい。
【0039】
図5Aを参照すると、
図2Aの矢印によって示されるように、制御レバー112が時計回りに回転され、θ1の値が増加すると、θ1が約90度になるまで、X1の値がまず増加する。回転可能部材110が回転し続けると、次いでX1の値は減少する。θ1の値の範囲は、約90度をおおよそ中心とし得るので、回転可能部材110の回転中のX1の値は、上述の正弦曲線の最上部である可能性がある。
【0040】
連結アセンブリ100の機械的アドバンテージは、
図5Bにグラフで示されている。機械的アドバンテージは、連結アセンブリ100に印加される力に対する連結アセンブリ100によって生成される力の比であってよい。機械的アドバンテージが高いほど、エレベータ制御レバー112に印加される力の乗数/倍率が大きいことを示す。機械的アドバンテージがより高い場合、エレベータの同じ動きを達成するために接続ロッドに対して必要な力はより小さい。
【0041】
図5Bは、回転可能部材110の移動経路にわたる連結アセンブリ100の機械的アドバンテージを破線の曲線420で示す。
図5Bの破線の曲線420は、
図5Aの実線(X1値)と同じ回転範囲をカバーすることができる。
図5Bに示されるように、機械的アドバンテージ(破線の曲線420)は、X1の値(実線の曲線410)に反比例する。機械的アドバンテージは、レバー長(例えば、X1)に反比例していてよい。連結アセンブリ100の機械的アドバンテージは、レバー長の逆数(1/X1)に等しくてもよい。X1は、回転軸115から接続ロッド120の近位端までの距離(回転可能部材110の半径と略同じであってよい)に等しくてもよく、1/(Rsinθ1)に等しくてもよい。X1の値のグラフ(
図5Aの実線の曲線410)と同様に、機械的アドバンテージの値のグラフ(
図5Bの破線の曲線420)は、略対称であってよい。θ1(A)(エレベータの初期の下降した位置)およびθ1(B)(エレベータの最終的な上昇位置)において、機械的アドバンテージは約1.4である。回転可能部材110が回転し、エレベータが上昇すると、機械的アドバンテージは最初に約1の値に減少し、その後再び増加する。機械的アドバンテージ(
図5B)は、値θ1=90°でX1(
図5A)が最大である場合に最小である。
【0042】
上述したように、エレベータが上昇すると、エレベータを上昇させるのに必要な力の量が増加する。回転可能部材110の構成は、(オペレータが位置決めを微調整することを望み得る)関心領域までエレベータが上昇されるときを含むエレベータの範囲全体にわたって比較的適度なレベルの機械的アドバンテージを提供する。
【0043】
図3Aおよび
図3Bは、代替的な連結アセンブリ200を示す。連結アセンブリ200は、以下に特定される場合を除いて、連結アセンブリ100の特性のうちの任意のものを有することができる。連結アセンブリ100と比較して、連結アセンブリ200は、エレベータの角度の同じ変化を維持しながら、エレベータのより大きな角度でより大きな機械的アドバンテージを提供することができる。この機械的アドバンテージの増大により、連結アセンブリ100と比較して、エレベータを上昇させるために与えられるべき必要な力がより小さくなる。特に、連結アセンブリ200は、エレベータの上昇のより高いレベルの高さにおいてエレベータの微細な操縦を容易にすることができる。さらに、より高い角度におけるエレベータの移動速度は、連結アセンブリ100よりも連結アセンブリ200の方が小さくなり得る。減少した速度により、正確で微調整された操縦をさらに容易にすることができる。
【0044】
図3Aおよび
図3Bは、第1の構成(
図3A)および第2の構成(
図3B)における連結アセンブリ200を示す。第1の構成(
図3A)は、下降した(例えば、完全に/最大限に下降した)位置にあるエレベータに対応し得る。第2の構成(
図3B)は、上昇した(例えば、完全に/最大限に上昇した)位置にあるエレベータに対応し得る。
【0045】
連結アセンブリ200は、回転可能部材210と、接続ロッド220と、プランジャ230とを含んでいてよい。回転可能部材210、接続ロッド220、およびプランジャ230は、本明細書で特定される場合を除いて、それぞれ、回転可能部材110、接続ロッド120、およびプランジャ130の特性のうちの任意のものを有していてよい。回転可能部材210は、エレベータ制御レバー112の特性のいずれかを有し得るエレベータ制御レバー212を含んでもよい。接続ロッド220の長さL2は、接続ロッド120の長さL1と同じであってもよいし、異なっていてもよい。プランジャ230は、チャネル140の特性のいずれかを有し得るチャネル240に沿って移動することができる。
【0046】
回転可能部材110および接続ロッド120と比較して、接続ロッド220は、異なる位置で回転可能部材210に結合されていてよい。回転可能部材110の突出部116と比較して、突出部216は、回転可能部材210上に別の配置を有することができる。操作レバー212から突出部216/接続ロッド220の取り付け位置までの時計回り方向の角度は、操作レバー112から突出部116/接続ロッド120の取り付け位置までの時計回り方向の角度よりも小さくてよい。換言すると、(
図2A~
図2Bに関して上述した)長手方向軸LAからの接続ロッド220の近位端の角度オフセットθ2(A)は、エレベータの下降した構成において、接続ロッド120の角度オフセットθ1(A)より大きくてよい。また、(上述の)長手方向軸LAからの接続ロッド220の近位端の角度オフセットθ2(B)は、エレベータの上昇した構成において、接続ロッド120の角度オフセットθ1(B)よりも大きくてよい。θ2、θ2(A)、およびθ2(B)は、各々、(上述の)軸115と長手方向軸LAとの交点に頂点を有することができる。
【0047】
動作中、エレベータは、最初は下降位置(
図3Aに示す連結アセンブリ200の位置に対応する)にあってよい。接続ロッド320の回転角は、θ2(A)の値を有することができ、これは、X2(A)の接続ロッド横方向オフセットに対応することができる。プランジャ230は、エレベータの下降した位置に対応するY2(A)の長手方向位置を有することができる。ユーザは、エレベータ制御レバー212を回転させ、それによって回転可能部材210を回転させ、接続ロッド220の近位端を動かすことができる。上昇位置(
図3Bに示す連結アセンブリ200の位置に対応する)において、接続ロッド220の回転角度は、θ2(B)の値を有することができ、これは、X2(B)の接続ロッド横方向オフセットに対応することができる。プランジャ230は、エレベータの上昇した位置に対応するY2(B)の長手方向位置を有することができる。
【0048】
エレベータの下降した位置(
図2A、
図3A)において、接続ロッド220のオフセットX2(A)は、接続ロッド120のオフセットX1(A)よりも大きくてよく、長手方向軸LAからの接続ロッド220の角度オフセットθ2(A)は、接続ロッド120の角度オフセットθ1(A)よりも大きくてよい。エレベータの上昇した位置(
図2B、
図3B)において、接続ロッド220のオフセットX2(B)は、接続ロッド120のオフセットX1(B)よりも小さくてよく、長手方向軸LAからの接続ロッド220の角度オフセットθ2(B)は、接続ロッド120の角度オフセットθ1(B)よりも大きくてよい。
【0049】
図6Aは、θ2およびX2の値の変化を表すグラフを示す。横軸は、θ2の値を示す。縦軸は、X2の値を示す。X2は、-1と1との間の値を有することができる。これは、X2が正弦曲線を示すように正規化されているためである。X2の実際の値は変化してもよく、任意の適切な単位を反映することができる。X2の値が異なる場合であっても、曲線510(以下でさらに詳細に説明する)の形状は同じままであり得る。
【0050】
回転可能部材210が完全に360度回転することができる場合、X2の値は、-1と1との間で、正弦波パターンで変化し得る。しかしながら、回転可能部材210の範囲が制限され得るので(上述したように、例えば、制御レバー212の範囲は、
図2Aおよび
図2Bに関して説明したように、ハンドル12のハウジングのエッジまたはカバー118のエッジによって制限され得る)、回転可能部材210が動いている間に正弦曲線の一部のみが横断され得る。
図6Aの実線の曲線510は、横方向オフセットX2が的な使用可能範囲にわたってどのように変化するかを示している。
図6Aの点線の曲線は、回転可能部材210(または連結アセンブリ200の他の部分)の範囲に対する制限に起因して、捕捉されない正弦曲線の部分を示す。
【0051】
θ2(A)は、約70度であってよく、エレベータが下降した位置にある場合のθ2の値を示し得る。実線の曲線510の左端は、θ2(A)の値を示すことができる。θ2(B)は、約160度であってよく、エレベータが上昇した位置にある場合のθ2の値を示し得る。実線の曲線510の右端は、θ2(B)の値を示すことができる。回転可能部材210(制御レバー212を含む)は、したがって、約90度回転可能であってよい。上記で提供された角度の値は、単なる例示である。例えば、回転可能部材210の範囲は、90度より大きくても小さくてもよい。
【0052】
X1の値の実線の曲線410(
図5A)と比較して、X2の値の実線の曲線510(
図6A)は、θ2(A)とθ1(A)との間の差に等しい量だけ右に水平にシフトされることが理解されよう。換言すると、回転可能部材210の動きによって捕捉される正弦曲線(実線の曲線510)の部分は、回転可能部材110の動きによって捕捉される正弦曲線(実線の曲線410)の部分に対して右にシフトされる。X1の値(連結アセンブリ100に関する
図5A)は、略対称的に正弦曲線の最上部に対応する。対照的に、X2の値(連結アセンブリ200に関する
図5B)は、非対称である。
【0053】
制御レバー212が作動され、回転可能部材210を時計回りに(
図3Aおよび
図3Bの矢印によって示されるように)回転させると、X2は、
図6Aの実線510によって示されるように変化する。初期段階(エレベータがより低い角度にある場合)において、X2は、正弦曲線に沿ってわずかに増加した後、(例えば、90度のθ2の値において)ピークに達する。次いで、X2は正弦曲線に沿って減少する。上述したように、X2の値のグラフ(
図6Aの実線の曲線510)は非対称であり、実線の曲線510のピークの右側の実線の曲線510の部分は、実線の曲線510のピークの左側の実線の曲線510の部分よりも大きい。例えば、実線の曲線510の(90度の回転角度θ2における)ピークの左側の部分は、曲線全体の約15%~30%であってよい。
【0054】
図6Aに示されるように、連結システム200のストロークの開始におけるX2の値(例えば、X2(A))は、
図6Aのスケール上で、1よりわずかに小さくてよい(例えば、約0.8~約1.0、またはより詳細には、約0.85~約0.95)。連結システム200のストロークの終わりにおけるX2の値(例えば、X2(B))は、0.5未満(例えば、約0.25~約0.5、または約0.30~約0.40)であってよい。
【0055】
連結アセンブリ200の機械的アドバンテージは、
図6Bにグラフで示されている。機械的アドバンテージは、連結アセンブリ200に印加される力に対する連結アセンブリ200によって生成される力の比であってよい。機械的アドバンテージが高いほど、レバー212に印加される力の乗数/倍率が大きいことを示す。機械的アドバンテージがより高い場合、機械的アドバンテージがより低い場合のエレベータと同じ動きを達成するために、接続ロッドに対して必要な力はより小さい。
【0056】
図6Bは、回転可能部材210の移動経路にわたる連結アセンブリ200の機械的アドバンテージを破線の曲線520で示す。
図6Bの破線の曲線520は、
図6Aの実線510(X2値)と同じ回転範囲をカバーすることができる。
図6Bに示されるように、また、
図6Aに関して上述したように、機械的アドバンテージ(破線の曲線520)は、X2の値に反比例する。
【0057】
機械的アドバンテージは、θ2(A)(エレベータの下降した位置)において1よりもわずかに大きい(例えば、約1.0~1.1)。機械的アドバンテージは、θ2(B)(エレベータの上昇した位置)において約3である。回転可能部材210が回転し、エレベータが上昇すると、機械的アドバンテージは最初に約1の値にわずかに減少し、その後再び増加する。機械的アドバンテージ(
図6B)は、θ2=90°(すなわち、θ2(B))の値でX2(
図6A)が最大である場合に最小である。
【0058】
上述したように、エレベータが上昇すると、エレベータを上昇させるのに必要な力の量が増加する。連結アセンブリ200の構成は、エレベータがより高いレベルに上昇するにつれて、機械的アドバンテージを増大させる。機械的アドバンテージは、より高い角度でエレベータを上昇させるのに必要とされる力の増加を打ち消すか、または少なくとも部分的に打ち消す。例えば、約140度~約160度(例えば、145度~約155度)の間のθ2の値は、オペレータにとって特に関心のあるエレベータ傾斜の範囲に対応し得る。この角度範囲は、約1.56~約2.92(例えば、約1.74~約2.36)の機械的アドバンテージに対応する。
【0059】
連結アセンブリ200のストロークの開始(
図3Aの構成)において、連結アセンブリ200の機械的アドバンテージは、1よりわずかに大きくてよい(例えば、約1.0~約1.5、またはより詳細には1.01~1.15)。連結アセンブリ200のストロークの終わり(
図3Bの構成)において、連結アセンブリ200の機械的アドバンテージは、ストロークの過程にわたって機械的アドバンテージが約300パーセント増加するように、約3であってよい。ストロークの終わりにおける連結アセンブリ200の機械的アドバンテージは、代替的に、より高くてもよく、またはより低くてもよい(例えば、少なくとも約1.5、最大で約10、または何らかの他の値であってよい)。
【0060】
図6Bに示されるように、また上記に示されるように、連結アセンブリ200のストロークの終わり(
図3B)における機械的アドバンテージは、ストロークの開始(
図3A)における機械的アドバンテージよりも少なくとも50パーセント高くてよい。代替的に、連結アセンブリ200のストロークの終わり(
図3B)における機械的アドバンテージは、ストロークの開始(
図3A)における機械的アドバンテージよりも少なくとも175パーセントまたは300パーセント高くてよい。ストロークの開始における機械的アドバンテージとストロークの終わりにおける機械的アドバンテージとの間のそのような関係は、より少ない力を用いてエレベータをより高い撓みレベルまで上昇させることを容易にし、関心のある撓みレベルにおけるエレベータの微細な操縦を容易にし得る。機械的アドバンテージの少なくとも50%の増加は、ストロークの終わりにおける接続ロッド220のオフセット値(例えば、X2(B))が、ストロークの始まりにおける接続ロッド220のオフセット値(例えば、X2(A))の3分の2未満である連結アセンブリに対応し得る。X2(B)がX2(A)の3分の2である場合、機械的アドバンテージ(3分の2の値の逆数)は、150%であってよい。例えば、
図6Aに示すように、X2(B)は、X2(A)の約半分である。
【0061】
例えば、連結アセンブリ100と比較して、連結アセンブリ200は、より高い角度でエレベータを上昇させるために必要な力がはるかに小さい。力の減少により、作業チャネルを通過した医療デバイスを正確に配置するために、ユーザがエレベータ角度を微調整する能力が促進される。さらに、連結アセンブリ200の構成は、より低い角度においてエレベータのより高速な動きをもたらし、より高い角度においてエレベータのより低速な動きをもたらす。ユーザは、エレベータを関心のある範囲の下端に迅速に移動させることができ、次いで、減少した速度によって補助されて、関心のある角度における位置決めをより容易に微調整することができる。
【0062】
図4Aおよび
図4Bは、別の例示的な連結アセンブリ300を示す。
図4Aでは、連結アセンブリ300は、下降した構成(例えば、完全に/最大限に下降した構成)にある。
図4Bでは、連結アセンブリ300は、上昇した(例えば、完全に/最大限に上昇した)構成にある。連結アセンブリ300は、連結アセンブリ100、または特に連結アセンブリ200の特性のうちの任意のものを有することができる。連結アセンブリ300は、以下に特定される場合を除いて、連結アセンブリ200と同じ特性を有することができる。
【0063】
連結アセンブリ320は、接続ロッド320を有していてよい。接続ロッド320は、接続ロッド320が、以下に説明するように角度の付いた(非線形の)形状を有するという点で、接続ロッド220とは異なっていてよい。接続ロッド320は、接続ロッド220とは異なる形状を有するが、接続ロッド220と同じ長さを有し、L3=L2である。接続ロッド320は、接続ロッド220が回転可能部材210に結合されるのと同じ位置で回転可能部材210に結合されてもよい。したがって、
図6A~
図6Bのグラフは、連結アセンブリ200に適用されるのと同様に連結アセンブリ300にも適用され、連結アセンブリ300は、機械的アドバンテージおよび他の特性に関して連結アセンブリ200の利点を有する。
【0064】
接続ロッド320は、ジグザグ(非線形)パターンまたは幾何学形状に従ってもよい。接続ロッド320は、3つ以上のセグメント322、324、および326を含んでいてよく、その各々は、互いに対して横方向であってよい。セグメント324は、セグメント322と324との間に配置することができる。セグメント322と324との間の内角は、セグメント324と326との間の内角よりも小さくても大きくてもよい。内角の両方が、鈍角であってもよい。セグメント322および326は、略同じ長さを有していてよい。セグメント324は、セグメント322および326のいずれよりも長くても短くてもよい。
図4Aによって示されるように、セグメント322、324、および326は、丸みを帯びた接合部で接合されていてよい。
【0065】
接続ロッド320の形状は、ハンドル12の他の構成要素との干渉を回避するように選択されてもよい。接続ロッド320は、エレベータ制御レバー212の作動時に、ハンドル12の他の構成要素を妨害することなく、または他の構成要素によって妨害されることなく、自由に移動することができる。
図4Aおよび
図4Bに示された接続ロッド320の形状は一例に過ぎない。接続ロッド320とハンドルの他の構成要素との間の干渉を回避するために、任意の適切な形状が選択され得る。
【0066】
本開示の原理は、特定の用途のための例示的な例を参照して本明細書で説明されるが、本開示はそれに限定されないことを理解されたい。本明細書で提供される教示へアクセスする当業者であれば、追加の修正、適用、および均等物の置換がすべて本明細書で説明される例の範囲内に入ることを認識するであろう。したがって、本発明は、前述の説明によって限定されるものと見なされるべきではない。
【国際調査報告】