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特表2024-501973美容レーザによる審美的皮膚処置手順の実時間モニタリングのための方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】美容レーザによる審美的皮膚処置手順の実時間モニタリングのための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20240110BHJP
   A61B 18/20 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
A61B5/00 M
A61B5/00 101A
A61B18/20
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023539246
(86)(22)【出願日】2021-12-30
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 IB2021062481
(87)【国際公開番号】W WO2022144831
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】63/132,554
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521434148
【氏名又は名称】ルミナス ビーイー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Lumenis Be Ltd.
【住所又は居所原語表記】Yokneam Industrial Park, 6 Hakidma Street, Yokneam,2069204, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ガンドマン,アンドレイ
【テーマコード(参考)】
4C026
4C117
【Fターム(参考)】
4C026AA01
4C026FF32
4C026HH02
4C117XA01
4C117XB01
4C117XC01
4C117XE03
4C117XE43
4C117XJ01
(57)【要約】
ディスプレイと、光軸に沿った処置光の供給源と、を含む、皮膚組織を処置光の供給源で処置するための装置。さらに、処置光の供給源のための手動支援経路(hand help pathway)と、光軸を対称に取り囲む照明光の1つまたは複数の供給源と、光軸に沿って測定された光を得るように構成された1つまたは複数のセンサと、を含むアプリケータを含む該装置。さらに、照明光を活性化させ、センサによる測定された光の感知された情報の出力を受け取り、センサから受け取られた測定された光を分析し、受け取られた測定された光の感知された情報の分析に基づいて皮膚属性のリストをディスプレイに提供し、示唆される処置光レジメンをディスプレイに提供するように構成されたプログラム可能な制御ユニットを含む該装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚組織を処置光の供給源で処置するための装置であって、
ディスプレイと;
処置光を光軸に沿って提供するための供給源と;
アプリケータであって、
前記光軸に沿って前記アプリケータの先端から前記処置光を受け取って伝送する前記アプリケータ内の経路と;
前記アプリケータの前記先端に接続されたチップであって、さらに前記皮膚組織を照らす照明光の1つまたは複数の供給源を含む、チップと;
前記光軸からのオフセットが設けられて、前記皮膚組織から反射された照明光を検出および測定するように構成された1つまたは複数のセンサと、
を含む先端部分を有する、アプリケータと;
プログラム可能な制御ユニットであって、
照明光が前記皮膚組織に向けられるように、照明光の前記1つまたは複数の供給源を活性化させ;
前記1つまたは複数のセンサで感知された情報を受け取って分析し;
前記皮膚組織から反射された前記照明光で感知された前記情報の前記分析に基づいて前記皮膚の属性のリストを作成および提供し;
示唆される処置光レジメンを作成および提供する、
ように構成された、プログラム可能な制御ユニットと、
を含む、装置。
【請求項2】
照明光の前記1つまたは複数の供給源が、前記光軸を対称に取り囲む複数の光源を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の光源が、複数の異なる波長の光出力を有し、前記プログラム可能な制御ユニットが、前記複数の異なる光源波長から1つまたは複数の光源を選択して、前記皮膚組織を照らす前記1つまたは複数の光源を活性化させるように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の光源が、300nm~1000nmの範囲内の波長を有するLED光源である、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記皮膚組織が前記光軸上で照らされるように、前記チップがさらに、前記LED光源ための基板を含み、前記基板が、前記光軸の経路を対称に取り囲む複数のLED光源のためのプリント基板である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記チップが、前記アプリケータに着脱自在に接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
さらに、前記1つまたは複数のセンサまでの画像経路上に画像焦点光学素子を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記皮膚組織から反射された前記照明光のディストーションが補正されるように、前記1つまたは複数のセンサが、前記光軸経路に関して第一の角度で光学的に配置され、前記画像焦点要素が、前記光軸経路に対して第二の角度で光学的に配置される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記チップがさらに、第一の偏光で照明光の前記1つまたは複数の供給源からの前記照明光を偏光させるように構成された少なくとも1つの第一の偏光子を含み;
前記アプリケータがさらに、第二の偏光において前記皮膚組織から前記1つまたは複数のセンサに反射された前記照明光を偏光させるように構成された少なくとも1つの第二の偏光子を含み、
前記第二の偏光が、前記第一の偏光に直交する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記アプリケータがさらに、前記アプリケータが前記皮膚組織と接触すると前記皮膚組織を平坦化するように構成されたフレームを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
処置光の前記供給源が、ファイバレーザ供給源、ソリッドステートレーザ供給源、およびLED光源の1つまたは複数から選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
皮膚組織を処置光の供給源で処置する方法であって、
処置光の供給源を光軸に沿って提供すること;
前記皮膚組織を照らす照明光の1つまたは複数の供給源を提供すること;
1つまたは複数のセンサを提供すること;
ディスプレイを提供すること;
プログラム可能な制御ユニットを提供すること;
前記照明光が前記皮膚組織に向けられるように、前記プログラム可能な制御ユニットにより、照明光の前記1つまたは複数の供給源を活性化させること;
前記照明光に応答して前記1つまたは複数のセンサにより反射光を回収すること;
前記プログラム可能な制御ユニットにより、前記1つまたは複数のセンサにより受取られた前記照明光を処理して、感知されたデータを作成すること;
前記プログラム可能な制御ユニットにより、前記感知されたデータを処理することにより得られた、示唆される処置パラメータおよび皮膚属性のリストを、前記ディスプレイに表示すること、
を含む、方法。
【請求項13】
さらに、前記プログラム可能な制御ユニットにより、前記感知されたデータを保存することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
さらに、
異なる波長の光出力を有する複数の照明光の供給源を提供すること;
前記プログラム可能な制御ユニットにより、前記複数の異なる光源波長から1つまたは複数の光源を選択すること;および
前記プログラム可能な制御ユニットにより、前記1つまたは複数の光源を活性化させて、前記皮膚組織を照らすこと、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
照明光の前記1つまたは複数の光源が、1つまたは複数のLED光源であり、前記方法がさらに、前記プログラム可能な制御ユニットにより、以下のもの、つまり皮膚組織処置の分類、および前記皮膚組織への光透過の所望の深さ、の少なくとも1つに応じて、前記1つまたは複数のLED光源の1つまたは複数を選択的に活性化させることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
さらに、
前記プログラム可能な制御ユニットにより、照明光の前記1つまたは複数の供給源を、照明光の前記供給源による前記皮膚組織の処置後に再活性化すること;および
前記プログラム可能な制御ユニットにより、前記皮膚組織の前記処置後に前記皮膚組織の状態を決定すること、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記プログラム可能な制御ユニットにより、前記感知されたデータを処理することがさらに、
前記プログラム可能な制御ユニットにより、前記感知されたデータを分析すること;および
前記プログラム可能な制御ユニットにより、前記感知されたデータを、以下のもの:
前記プログラム可能な制御ユニットに関連するメモリの中のルックアップテーブルに含まれる情報;
前記プログラム可能な制御ユニットに関連するメモリに含まれる1つまたは複数の埋込みアルゴリズムに含まれる情報;または
前記プログラム可能な制御ユニットに関連するメモリに含まれる人工知能方法および深層学習を利用した情報、
の少なくとも1つにマッチングすること;
前記プログラム可能な制御ユニットにより、マッチに基づく処置レジメンを選択すること;および
前記プログラム可能な制御ユニットにより、選択された前記処置レジメンをディスプレイに表示すること、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
表示された皮膚属性の前記リストが、以下のもの:
i)皮膚のメラニンレベル、
ii)皮膚のメラニンマップ、
iii)皮膚の紅斑レベル、
iv)毛髪のメラニンレベル、
v)毛髪の直径、
vi)毛髪密度、
vii)毛髪の幅、
viii)毛髪の数、
ix)紅斑マップ、
x)タトゥーインクの分析マッピングおよび測定、
xi)しわのマップ、
xii)病変マップ、
xiii)ざ瘡マップ、
xiv)セルライトマップ、
xv)紅斑レベル、
xvi)血管マップ、
xvii)RGB画像、
xviii)血管の深さ
xix)血管の径、
xx)メラニンのコントラスト、
xxii)メラニンの深さ、
xxiii)色素の深さ、ならびに
xxiv)ヘアマスクのファイル、
の少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
さらに、
第一の偏光において照明光の前記1つまたは複数の供給源からの前記照明光を偏光させるように構成された少なくとも1つの偏光素子を提供すること;および
第二の偏光において前記皮膚組織から前記1つまたは複数のセンサに反射された前記照明光を偏光させるように構成された少なくとも1つの第二の偏光素子を提供すること、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
皮膚処置レジメンを決定するための方法であって、前記方法が、
皮膚組織をそれぞれが複数の光波長を有する複数の照明光ビームで照らすこと、
前記皮膚組織から反射された照明光を検出して、画像データを作成すること、
前記画像データを分析して、5ミリメートルまでの深さの皮膚の光学的または物理的特性を示す皮膚データを作成すること、および
前記皮膚データを分析して、前記皮膚処置レジメンを決定すること、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
レーザなどの治療的および審美的エネルギー処置が、脱毛、刺青除去、血管除去、色素病変、皮膚の引締め、および/または皮膚の若返りなどの皮膚への手順に用いられる。
【0003】
典型的には、医療関係者は、そのような処置を施すために手によってハンドピースを使用し、医療関係者は、皮膚の属性に留意して処置のレーザパラメータを決定することになる。皮膚の属性は、皮膚のタイプ、日焼けの存在、毛髪の色、毛髪密度、毛髪の太さ、血管径、血管の深さ、病変のタイプ、色素の深さ、色素強度、刺青の色、刺青のタイプであり得る。本開示の譲受人に譲渡されたPCT出願番号PCT/IL2019/051091号は、治療的および審美的エネルギー処置の幾つかの特色を対象とする。
【発明の概要】
【0004】

一態様において、ディスプレイと;処置光を光軸に沿って提供するための供給源と;アプリケータと、を含む、皮膚組織を処置光の供給源で処置するための装置。光軸に沿ってアプリケータの先端から処置光を受け取って伝送するアプリケータ内の経路と;アプリケータの先端に接続されたチップであって、さらに皮膚組織を照らす照明光の1つまたは複数の供給源を含むチップと;光軸からのオフセットが設けられて、皮膚組織から反射された照明光を測定するように構成された1つまたは複数のセンサと、を含む先端部分を有する該アプリケータ。
【0005】
さらにプログラム可能な制御ユニットを含む装置であって、該プログラム可能な制御ユニットは、照明光が皮膚組織に向けられるように、照明光の1つまたは複数の供給源を活性化し;1つまたは複数のセンサで感知された情報を受け取って分析し;皮膚組織から反射された照明光で感知された情報の分析に基づいて皮膚の属性のリストを作成および提供し;ディスプレイ上で示唆される処置光レジメンを作成および提供するように構成される。
【0006】
別の態様において、チップが処置光の供給源のためのレンズを含む、該装置。照明光の1つまたは複数の供給源が光軸を対称に取り囲む複数の光源を含む、該装置。同じく、複数の光源が、異なる波長の光出力を有し、プログラム可能な制御ユニットが、複数の異なる光源波長から1つまたは複数の光源を選択して、皮膚組織を照らす1つまたは複数の光源を活性化させるように構成される、該装置。
【0007】
さらなる態様において、複数の光源が、LED光源であり、LED光源が、300nm~1000nmの範囲内の波長を有する、該装置。皮膚組織が光軸上で照らされるように、装置のチップはさらに、LED光源のための基板を含み、基板は、光軸の経路を対称に取り囲む複数のLED光源のためのプリント基板である。
【0008】
さらに別の態様において、チップは、アプリケータに着脱自在に接続され、チップはさらに、チップを取り付けてアプリケータから取り外すように構成されたピン接続を含む。さらに、1つまたは複数のセンサまでの画像経路上に画像焦点光学素子を含む、該装置。
【0009】
別の態様において、皮膚組織から反射された照明光のディストーションが補正されるように、1つまたは複数のセンサは、光軸経路に関して第一の角度で配置され、画像焦点要素は、光軸経路に対して第二の角度で配置される。
【0010】
チップはさらに、照明光の1つまたは複数の供給源からの照明光を偏光させるように操作可能な偏光照明光学素子を含む。皮膚表面層の後方光散乱が、回避されるように、アプリケータはさらに、1つまたは複数のセンサが反射された照明光を受け取る前に、皮膚組織から反射された照明光を偏光させ;皮膚組織から反射された照明光を偏光照明光学系の偏光に対して直交の偏光になるように偏光させるように操作可能な偏光画像光学素子を含む。
【0011】
一態様において、アプリケータはさらに、皮膚組織を平坦化するように構成されたフレームを含む。処置光の供給源は、ファイバレーザ供給源、ソリッドステートレーザ供給源、インテンス・パルスド・ライト(IPL)光源、およびLED光源の1つまたは複数から選択される。
【0012】
一態様において、処置光の供給源を光軸に沿って提供すること;皮膚組織を照らす照明光の1つまたは複数の供給源を提供すること;1つまたは複数のセンサを提供すること;ディスプレイを提供すること;プログラム可能な制御ユニットを提供すること、を含む、皮膚組織を処置光の供給源で処置する方法がある。さらに、照明光が皮膚組織に向けられるように照明光の1つまたは複数の供給源を活性化させ;プログラム可能な制御ユニットにより、感知された情報を処理し;感知された情報を処理することにより得られた示唆される処置パラメータおよび皮膚属性のリストをディスプレイに表示する、プログラム可能な制御ユニットを含む、該方法。該方法はさらに、1つまたは複数のセンサから感知された情報を回収および保存することを含む。該方法はさらに、異なる波長の光出力を有する複数の光源を提供すること;プログラム可能な制御ユニットにより複数の異なる光源波長から1つまたは複数の光源を選択すること;およびプログラム可能な制御ユニットにより1つまたは複数の光源を活性化させて、皮膚組織を照らすこと、を含む。
【0013】
別の態様において、1つまたは複数の光源は、1つまたは複数のLED光源であり、さらに、制御ユニットにより、皮膚組織処置の分類に応じて1つまたは複数のLED光源の1つまたは複数を選択的に活性化させることを含む。該方法はさらに、プログラム可能な制御ユニットにより、皮膚組織への光透過の所望の深さに応じて照明光の1つまたは複数の供給源の1つを活性化させることを含む。
【0014】
さらなる態様において、該方法はさらに、プログラム可能な制御ユニットにより、皮膚組織のレーザ処置後に照明光の1つまたは複数の供給源を再活性化すること;およびプログラム可能な制御ユニットにより、皮膚組織の処置後に皮膚組織の状態を決定すること、を含む。
【0015】
同じく、プログラム可能な制御ユニットにより、1つまたは複数のセンサにより感知された情報を処理することがさらに、プログラム可能な制御ユニットにより、1つまたは複数のセンサにより感知された情報を分析すること;および該情報を第二の情報セットにマッチングすること、を含む、該方法。第二の情報セットは、以下のものの少なくとも1つである:プログラム可能な制御ユニットに関連するメモリの中のルックアップテーブルに含有される情報;プログラム可能な制御ユニットに関連するメモリに含有される1つまたは複数の埋込みアルゴリズムに含有される情報;またはプログラム可能な制御ユニットに関連するメモリに含有される人工知能方法および深層学習を利用した情報。処理レジメンがその後、選択されて、ディスプレイに出力される。
【0016】
さらなる態様において、1つまたは複数のセンサのオフセットにより生じた皮膚組織から反射された照明光のディストーションが補正されるように、1つまたは複数のセンサが処理光の光軸からオフセットを設けられること、および光学画像組織が1つまたは複数のセンサから一定角度で配置されること、を条件とする該方法。
【0017】
一態様において、表示された皮膚属性のリストは、以下のもの:
i)皮膚のメラニンレベル、
ii)皮膚のメラニンマップ、
iii)皮膚の紅斑レベル、
iv)毛髪のメラニンレベル、
v)毛髪の直径、
vi)毛髪密度、
vii)毛髪の幅、
viii)毛髪の数、
ix)紅斑マップ、
x)タトゥーインクの分析マッピングおよび測定、
xi)しわのマップ、
xii)病変マップ、
xiii)ざ瘡マップ、
xiv)セルライトマップ、
xv)紅斑レベル、
xvi)血管マップ、
xvii)RGB画像、
xviii)血管の深さ
xix)血管の径、
xx)メラニンのコントラスト、
xxii)メラニンの深さ、
xxiii)色素の深さ、ならびに
xxiv)ヘアマスクのファイル、
の少なくとも1つを含む。
【0018】
さらなる態様において、該方法はさらに、第一の偏光において照明光を偏光させるように操作可能な偏光照明光学素子を提供すること;および1つまたは複数のセンサが反射された照明光を受け取る前に、第二の偏光において皮膚組織から反射された照明光を偏光させるように操作可能な偏光画像光学素子を提供すること、を含み、第二の偏光は、第一の偏光に対して直交する。
【0019】
さらなる態様において、皮膚処置レジメンを決定するための方法があり、該方法は:
皮膚組織をそれぞれが複数の光波長を有する複数の照明光ビームで照らすこと、
皮膚組織から反射された照明光を検出して、画像データを作成すること、
画像データを分析して、5ミリメートルまでの深さの皮膚の光学的または物理的特性を示す皮膚データを作成すること、および
皮膚データを分析して、皮膚処置レジメンを決定すること、
を含む。
【0020】
装置および/または方法の幾つかの実施形態が、以下の図面に記載されるが、これらは例に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の高レベル機能構成スキーム(high-level functional architecture scheme)を示す。
図2】本開示の態様を具象化したアプリケータの図式を示す。
図3】本開示の態様を具象化したアプリケータの図式を示す。
図4A】本開示の幾つかの実施形態において、アプリケータの図式を示す。
図4B】本開示の幾つかの実施形態において、アプリケータの図式を示す。
図5】本開示の幾つかの実施形態による照明要素を示す。
図6A】本開示の幾つかの実施形態によるスマートチップを示す。
図6B】本開示の幾つかの実施形態によるスマートチップを示す。
図6C】本開示の幾つかの実施形態によるスマートチップを示す。
図6D】本開示の幾つかの実施形態によるスマートチップを示す。
図6E】本開示の幾つかの実施形態によるスマートチップを示す。
図6F】本開示の幾つかの実施形態によるスマートチップを示す。
図6G】本開示の幾つかの実施形態によるスマートチップを示す。
図6H】本開示の幾つかの実施形態によるスマートチップを示す。
図6I】本開示の幾つかの実施形態によるスマートチップを示す。
図7】本開示の幾つかの実施形態によるアプリケータ上の画像化ユニットを示す。
図8】本開示の幾つかの実施形態によるアプリケータ上の画像化ユニットを示す。
図9】本開示の幾つかの実施形態による方法のフローチャートを示す。
図10A】典型的なヒト皮膚組織の組織学的層を示す。
図10B】ヒト皮膚組織の様々な相の概略図を示す。
図11A】本開示の幾つかの実施形態により得られた2つの連続した皮膚組織画像を示す。
図11B】本開示の幾つかの実施形態により得られた2つの連続した皮膚組織画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】

本発明は、レーザ処置システムにおいてレーザ処置の動的画像化および実時間モニタリングを提供するシステムおよび方法を提供する。処置レーザは、皮膚組織を標的として1つまたは複数の発色団による吸収を得て、光化学効果、光熱効果、熱効果、光音響効果、音響効果、治癒効果、アブレーション効果、凝固効果、生物学的効果、引締め効果、または他の任意の生理学的効果を含む反応の連鎖を引き起こすものであり得る。それらの反応は、永久脱毛、毛髪の成長、軟組織の色素または血管病変処置、若返りもしくは引締め、ざ瘡処置、セルライト処置、静脈破壊、または刺青色素の機械的破壊および痂皮形成を含み得る刺青除去などの所望の処置結果を生じる。
【0023】
皮膚組織は、非常に複雑な生体器官である。基本的構造は、全てのヒトに共通するが(図10Aおよび10B参照)、特定の個体の異なる領域に、または個体の間に、多くの差異がある。差異としては、皮膚の色(基底層のメラニン量)、毛髪の色および太さ、コラーゲンの完全性、血管構造、様々なタイプの血管および色素病変、刺青のような外来物質などが挙げられる。
【0024】
図1は、皮膚の診断および処置システム100の高レベルシステム機能構成の概念図である。プログラム可能な制御ユニット101が、治療用レーザシステム103と、皮膚分析および診断システム105と、感知システム107と、照明システム109と、を管理する。幾つかの実施形態において、治療用レーザシステム103は、治療用エネルギースシステムであり、エネルギーシステムは、インテンス・パルスド・ライト(IPL)もしくは無線周波数(RF)またはIPLとRF両方の組合わせでもよい。
【0025】
幾つかの実施形態において、診断および処置システム100は、様々な波長で標的皮膚または組織を照らし、感知システム107は、皮膚組織から反射または後方散乱された照明光を捕捉する。センサは、照らされた皮膚組織から反射または後方散乱された光(本明細書では以後、画像)を測定し、こうして情報を得る。照らされた各波長の対応するメタデータを有するこれらの画像(異なる波長、偏光およびパターン)が、それにより得られる。
【0026】
幾つかの実施形態において、画像および対応するメタデータ(本明細書では以後、診断データ)は、標的組織および/または場所に関するより多くの情報について解析および分析される。この方法では、約5ミリメートルまでの深さの基本的な皮膚の光学的および物理的特性が、得られてもよい(図11Aおよび11B)。診断データは、以下のものにより分析されてもよいが、それらに限定されない:主成分分析(本明細書では以後、PCA)、フィジカルモデリング、独自のアルゴリズム、ニューラルネットワークアルゴリズム、またはそれらの任意の組合わせ。幾つかの実施形態において、診断データは、回収されてデータベースに保存される。幾つかの実施形態において、解析および分析された診断データもまた、回収されてデータベースに保存される。
【0027】
幾つかの実施形態において、PCAは、分析方法であり、PCAは、獲得されたデータの全体的次元性を低減しながら貴重なパラメータのロバストな分類を可能にする。最も関連するパラメータが、例えば熱緩和および軟組織凝固などの物理的レーザ-組織相互作用モデルの開発に用いられてもよい。その上、多量の高相関データが、脱毛における紅斑および刺青除去処置におけるフロスティング形成のような量的な直後の生体反応を基にした経験式の構築を可能にする。
【0028】
幾つかの実施形態において、人工知能技術、例えば深層学習(DP)の利用が、診断データを分析するために用いられてもよい。深層学習は、膨大な量のラベルづけされていないトレーニングデータから特色検出を実施し得るシステムを作成するために複雑なマルチレベルの「深層」ニューラルネットワークの利用を含む。
【0029】
診断および処置システムの幾つかの実施形態において、一体化された処置および画像化レーザハンドヘルドアプリケータ(本明細書では以後、アプリケータ)は、標的組織からデータを収集するように操作可能である。幾つかの実施形態において、アプリケータは、皮膚に直接接触しない。幾つかの実施形態において、アプリケータは、皮膚に直接接触する。図2は、アプリケータ200の例示的実施形態の機能図であり、アプリケータ200の多くの他の変形例が、実行され得る。処置レーザユニット201は、必要な場合には、レンズLおよび他の光学特性を含む。これらの光学特性は、臨床適応と、アプリケータの処置レーザユニット201を診断および処置レーザシステム103と連結することの効果と、により変動するであろう。処置レーザユニット201はさらに、高出力レーザファイバインプット源(high-power laser fiber input source)(F1)を含んでもよい。
【0030】
処置レーザユニット201は、レーザ送達ユニットでもよい。幾つかの実施形態において、処置レーザユニットは、ファイバおよび/または多関節アームを有するレーザコンソールに接続されたアプリケータである。幾つかの実施形態において、処置レーザユニットは、内部に収容された一体化レーザ源または光源を有してもよい。本開示において、レーザは、イスラエルのLumenis Ltd.から入手されるSplendor Xシステムの内部にあってもよく、処置レーザユニットは、レーザを標的組織に送達するアプリケータの一部でもよい。処置レーザユニットおよび処置レーザシステムは、波長、スポットサイズ、フルエンス、パルス持続時間、およびパルス繰返し数をはじめとする異なる使用パラメータを有する。
【0031】
幾つかの実施形態における照明ユニット203は、特定の照明要素と、偏光照明光学系207と、透明の保護要素(図示されない)と、を支持する照明基板205を含む。幾つかの実施形態において、この照明ユニットは、様々な光学系と、物理的構成と、を有してもよい。レーザシステム201の光軸202は、皮膚への経路上ではバリアフリーであり、照明ユニットの光学系は、光軸にバリアがないように構成されてもよい。幾つかの実施形態において、照明要素は、発光ダイオード(本明細書では以後、LED光源)などの強い光の構成体である。照明システムは、以下にさらに議論されるチップ構成要素217(図4Bの401)内に収容されてもよい。
【0032】
幾つかの実施形態において、アプリケータ200はさらに、画像を得るための画像ユニット211を含む。幾つかの実施形態において、画像ユニットは、カメラレンズ213と、偏光画像光学系208と、CMOSまたは他のセンサ215と、を有する。幾つかの実施形態において、同じ照明偏光の皮膚表面層の後方散乱が、回避されるように、偏光画像光学系208は、偏光照明光学系207に対して直交した偏光を有する。
【0033】
幾つかの実施形態において、画像ユニット211は、アプリケータ200上の画像ユニットの位置に基づいて、センサ215による画像の正確な捕捉を確実に行うのに必要となる折畳みミラー(FM)または他の光学素子を有してもよい。幾つかの実施形態において、プログラム可能な制御ユニット101は、レーザシステムの操作の間にセンサが画像を捕捉するのを予防する。幾つかの実施形態において、画像ユニットは、シャッタにより保護される。
【0034】
本開示の幾つかの実施形態において、該システムは、診断システムであってもよく、処置システムでなくてもよい。そのような実施形態において、アプリケータは、皮膚分析および診断システム105に接続された照明ユニットと画像化ユニット(図示されない)とを有してもよい。
【0035】
アプリケータの幾つかの実施形態において、レーザ電源は、図3に示されたとおりアプリケータ内に含まれるレーザモジュール301でもよい。この場合、レーザインプット源(F1)の代わりに、既知のタイプのソリッドステートレーザ供給源であり得るレーザモジュール301が存在してもよい。アプリケータ300はさらに、軸上のレーザ光路303を改変する折畳みミラー304を含んでもよい。さらに、この例でのレーザ光路の下に、焦点光学系310と、照明光基板312と、偏光照明フィルムまたは光学系313と、が存在する。幾つかの実施形態において、アプリケータ300の画像化ユニットは、センサ305と、偏光画像光学系307と、焦点光学系306と、を含む。画像化軸308は、画像化ユニットまでの画像の経路である。幾つかの実施形態において、提供された画像が、平坦な画像であるか、またはレーザ軸303に対して垂直であり、画像化軸308に対して垂直でないように、焦点光学系306とセンサ305との角度が、光学的に配列される。
【0036】
幾つかの実施形態において、アプリケータ400は、図4A~4Bに示されたとおり、ハンドル405と、ハンドル405に取り付けられた照明ユニットを収容するチップ401と、を有する。幾つかの実施形態において、フレーム403は、画像を得るために標的組織を引き延ばす、または平坦化するように構成される。幾つかの実施形態において、フレーム403は、磁石または当該技術分野で公知の類似の接続部によりチップ401に接続する。幾つかの実施形態において、フレームは、皮膚処置エリアを0~2mmに引き延ばし、または平坦化して、一定の焦点を有する画像化ユニットの使用を可能にする。
【0037】
アプリケータ400は、処置レーザおよび皮膚冷却ユニット409により生成された皮膚片を受け取るための吸引チャネル407を有してもよい。幾つかの実施形態において、スイッチ411が、標的組織から画像を得る工程をユーザが開始するように操作可能である。ハンドルは、画像化ユニットをアプリケータ400のエリア415内に収容させてもよい。処置レーザのアンビリカル417およびクーラントホース413は、アプリケータ400を基板の診断および処置システムまたはコンソールに接続するように構成される。
【0038】
図5は、チップ401内に収納され得る照明基板505の例示である。幾つかの実施形態において、基板505または照明ユニットは、直接アプリケータ内に収納され、チップ内には収納されなくてもよい。具体的例として、照明基板505は、本開示の1つまたは複数の実施形態によるプリント基板(本明細書では以後、PCB)でもよい。PCBは、異なる波長を有する複数のLED光源を含む。LED光源は、レーザ光路500の周りに対称に位置決めされてもよい。幾つかの実施形態において、LED光源は、300nm~1100nmの範囲内の波長を有する。
【0039】
図5の具体的例において、660nmの波長を有する2つの赤色LED光源501がある。590nmの波長を有する4つの黄色LED光源503。860nmの波長を有する2つの赤外LED光源507。490nmの波長を有する4つの青緑色LED光源509。450nmの波長を有する2つの青色LED光源511。530nmの波長を有する4つの緑色LED光源513。幾つかの実施形態において、PCBはさらに、該システムおよびアプリケータへの接続のためのピン515を含む。メモリチップ(図示されない)が、PCBの反対側に配置されてもよく、アプリケータに対する接続されるチップタイプを識別させるように構成される。各波長のLED光源の数は、均等に照らされた画像を得るために必要となる波長の強度により決定されてもよい。
【0040】
例として、図11Aは、標的組織の一連の皮膚画像を示し、皮膚画像のそれぞれは、本開示のデバイスおよび方法により得られた異なる照明波長で獲得される。図11Bは、異なる標的組織の第二の一連の画像であり、同じく該画像は、異なる照明波長で獲得され、本開示および方法により得られる。様々なレベルのメラニン、表皮および皮膚厚、ならびに標的組織の血液量が、異なる光の波長に関して暴露される。約5ミリメートル深までの基本的な皮膚の光学的および物理的特性が、得られて、空間的にそして深さに関してマッピングされてもよい。
【0041】
幾つかの実施形態において、レーザのレンズ光学系は、チップ内に収容される。図6A~6Iは、本開示の1つまたは複数の実施形態によるスマートチップを示す。チップ401は、アプリケータ400に着脱自在に取り付けられてもよい。この例において、チップ401は、チップ本体600と、レーザ光路レンズ601と、レーザレンズホールダ603と、照明基板またはLED PCB 505と、偏光照明光学系605と、スペーサ607と、LED PCB 505を保護および密閉するウィンドウ609と、ウィンドウハウジング610と、任意の公知タイプの接続方法611と、を含む。チップの偏光照明光学系は、LED光源を偏光し、内部を移動するレーザ処置のためのセンター内にバリアフリーエリアを含む。
【0042】
幾つかの実施形態における冷却ユニット409が、LED光源の温度を0~5℃の間まで低下させてもよい。幾つかの実施形態において、チップ401は、LED光源の温度を、LED光源の強度を維持するのに最適な25~35℃の範囲内で維持するように構成された加熱システム(図示されない)を含む。幾つかの実施形態において、分析のアルゴリズムは、加熱システムが存在しない場合にはLED光源の任意のより低い強度のための補正を含むことになる。
【0043】
図7は、画像化ハウジング415内のアプリケータ400内に収容され得る画像化ユニット700を示す。画像化ユニットのこの例において、レンズ701の光軸角度705およびセンサ703の光軸707が、オフセットを設けられて、得られた画像がオフセットセンサ703に基づいて疑われるディストーションを補正するように配列される。レーザ702の光主軸関してセンサ703の傾斜した位置が、センサの視野と、レーザにより覆われ得る処置エリアと、を共有するように構成されてもよい。レーザ軸702は、標的組織に対して垂直であるため、傾斜したセンサ703は、歪んだ画像をもたらす。逆方向に傾いたレンズ701は、そのようなディストーションを補填および補正するように構成される。この具体的例において、レンズ軸705がレーザ軸702に対して14°の角度であり、センサ軸707がレンズ軸705に対して4.30°の角度で位置決めされるように、レンズが位置決めされる。
【0044】
図8は、幾つかの実施形態において、画像化ハウジング415内に収容され得る画像化ユニット800を示す。この構成において、画像化レンズ801は、標的組織へのレンズ軸(図示されない)を有し、レンズ軸路は、画像をセンサ803に向けるために、折畳み画像ミラー802または当該技術分野で公知の類似の光学素子により折り曲げられる。この例において、レーザ軸702は、依然として標的組織に対して垂直であり、センサの配置のみが、標的組織の歪んだ画像をもたらす。レンズ801と、折畳みミラー802と、センサ803と、の光学配列は全て、そのようなディストーションを補填および補正するように構成される。幾つかの実施形態において、センサ配置に基づくディストーションの補正は、コンピュータアルゴリズムで実行される。
【0045】
診断および処置システムのプログラム可能な制御ユニットは、レーザコンソール内に収容されてもよく、適切なプロセッサまたはコンピューティングユニットを含んでもよい。幾つかの実施形態において、コンピューティングユニットは、1つまたは複数のプロセッサを含んでもよく、命令が、該プロセッサまたは複数のプロセッサにより読取りおよび実行をされ得る非一時的コンピュータ可読媒体に保存されてもよい。
【0046】
幾つかの実施形態において、プログラム可能な制御ユニットは、診断データを獲得および分析するように構成される。プログラム可能な制御ユニットはさらに、以下の構成要素を管理するように構成されてもよい:画像システムのセンサ、照明システムのLED光源、およびレーザシステムのレーザ。
【0047】
図9は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、方法900のフローチャートの例を示す。方法900は、ユーザが患者情報を入力すること901、ならびに診断および処置システムのための入力情報に処置エリアを入力すること903、を含んでもよい。
【0048】
方法900は、標的組織の第一の画像セットを得ることにより診断データを収集すること905を含んでもよい。幾つかの実施形態において、ユーザは、スタートボタン411を押して、第一の画像セットを得ることになる。幾つかの実施形態において、このデータ回収は、レーザ処置の前に実時間で動的に実行される。
【0049】
方法900は、第一の画像セットおよび対応するメタデータをデータベース保存システムまたはデバイスに転送すること907を含んでもよい。メタデータは、画像の照明波長と、LED輝度と、カメラ露光と、カメラゲインと、の第一のセットを含んでもよい。
【0050】
方法900は、第一の画像セットを診断アルゴリズムに転送して、診断データを分析すること909を含んでもよい。
【0051】
方法900は、標的組織のための処置光レジメンとしても知られる示唆される処置パラメータを皮膚診断アルゴリズムで決定すること911を含んでもよい。幾つかの実施形態において、皮膚診断アルゴリズムは、データベースに予め保存され得る診断データを使用して、第一の画像セットの分析を支援してもよい。幾つかの実施形態において、レーザ処置パラメータは、診断および処置システム用に設定される。
【0052】
方法900は、分析後の第一の画像セットについて示唆される処置パラメータおよび皮膚属性を出力する913ディスプレイユニットを含んでもよい。皮膚属性の表示は、とりわけ、皮膚メラニンレベル、皮膚メラニンマップ、皮膚紅斑レベルまたはマップ、毛髪メラニンレベル、毛髪径、毛髪密度、毛髪幅、毛髪数、およびヘアマスクファイルを含んでもよい。出力情報は、ディスプレイユニット上のGUIの形態でもよい。出力情報のこの表示が、医療専門家に処置のパラメータを評価および決定させる。
【0053】
方法900は、ユーザが処置パラメータを決定すること、および標的組織をレーザ照射すること915、を含んでもよい。
【0054】
方法900は、レーザ照射が完了した後に、標的組織の自動的な第二の画像セットを得ること917を含んでもよい。
【0055】
方法900は、第二の画像セットを保存および分析すること919を含んでもよい。幾つかの実施形態において、このデータ回収は、レーザ処置後に実時間で動的に実行される。
【0056】
本発明の例示的方法の幾つかの実施形態において、皮膚診断システムは、2つの作業モード、つまりレーザ処置を含まないプリセットを捕捉、分析および示唆するための分析モードと、データ回収および分析のために処置の画像シリーズの前および後に捕捉するための処置モードと、を有してもよい。幾つかの実施形態において、皮膚分析および診断システム105は、関連のデータをディスプレイ上で捕捉、分析、提供すること、および処置のためのプリセットを示唆すること、のための分析モードのみを有してもよい。
【0057】
幾つかの実施形態において、皮膚および診断システムは、任意の入力方法からデータを回収し、標的組織のための、処置光レジメン(ピークエネルギー、エネルギーフルエンス、パルス幅、時間プロファイル、スポットサイズ、波長、パルスのトレイン、およびその他など)としても知られる示唆される処置パラメータを決定するための皮膚診断アルゴリズムを含んでもよい。幾つかの実施形態において、皮膚診断アルゴリズムは、任意の入力方法からのデータの分析を支援するためにデータベースに予め保存され得る診断データを使用してもよい。
【0058】
幾つかの実施形態において、表示ユニットは、データを回収する任意の入力方法の分析の後に、示唆される処置パラメータおよび/または皮膚属性を出力する。皮膚属性の表示は、皮膚メラニンレベル、皮膚メラニンマップ、皮膚紅斑レベル、毛髪メラニンレベル、毛髪径、毛髪密度、毛髪幅、毛髪数、およびヘアマスクファイルを含んでもよい。出力情報は、表示ユニット上のGUIの形態でもよい。出力情報のこの表示が、医療専門家に処置のパラメータを評価および決定させる。
【0059】
傾斜のある画像化ユニットが位置決めされたアプリケータを提案して得られた画像を光学素子で補正することは考えられないため、提案された技術は、目下販売されるデバイスを超える重要な利益を十分に提供する可能性がある。
【0060】
本明細書で用いられるコンピュータ、プロセッサまたはコンピュータシステムは、ハードウエアとソフトウエアの任意の組合わせを含む。本明細書で用いられる機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピューティングデバイス)により可読な形態で情報を保存または伝送するための任意の媒体および/またはメカニズムを挙げることができる。
【0061】
本明細書で用いられる用語「動的」および用語「自動的」ならびにそれらの論理的および/または言語的関係詞および/または派生語は、特定の事象および/または行動が任意のヒトの介入なしに惹起され得る、および/または起こり得ることを意味する。幾つかの実施形態において、本開示による事象および/または行動は、実時間であり得る、および/またはナノ秒、数ナノ秒、ミリ秒、数ミリ秒、秒、数秒、分、数分、1時間、数時間、1日、数日、1週、1か月などのうちの少なくとも1つの所定の周期性に基づき得る。
【0062】
明細書全体をとおして、以下の用語は、他に明確な断りがない限り、本明細書に明白に関連する意味を表す。本明細書で用いられる語句「一実施形態において」および「幾つかの実施形態において」は、必ずしも同じ実施形態(複数可)を指さないが、指す場合もある。さらに本明細書で用いられる語句「別の実施形態において」および「幾つかの他の実施形態において」は、必ずしも異なる実施形態を指さないが、指す場合もある。したがって本明細書に記載されたとおり、様々な実施形態が、本開示の範囲または主旨を逸脱することなく即座に組み合わせられ得る。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
【手続補正書】
【提出日】2023-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚組織を処置光の供給源で処置するための装置であって、
ディスプレイと;
処置光を光軸に沿って提供するための供給源と;
アプリケータであって、
前記光軸に沿って前記アプリケータの先端から前記処置光を受け取って伝送する前記アプリケータ内の経路と;
前記アプリケータの前記先端に接続されたチップであって、前記チップがさらに、前記皮膚組織を照らす複数の異なる波長の照明光源を含み、各波長が、前記光軸を対象に取り囲むように、前記複数の異なる波長の照明光源が、各波長の少なくとも2つの照明光源を有し、各波長の前記少なくとも2つの照明光源が、前記光軸を対称に取り囲む、チップと;
前記光軸からのオフセットが設けられて、前記皮膚組織から反射された照明光を検出および測定するように構成された1つまたは複数のセンサと、
を含む先端部分を有する、アプリケータと;
プログラム可能な制御ユニットであって、
照明光が前記皮膚組織に向けられるように、照明光の前記1つまたは複数の供給源を活性化させ;
前記1つまたは複数のセンサで感知された情報を受け取って分析し;
前記皮膚組織から反射された前記照明光で感知された前記情報の前記分析に基づいて前記皮膚の属性のリストを作成および提供し;
示唆される処置光レジメンを作成および提供する、
ように構成された、プログラム可能な制御ユニットと、
を含む、装置。
【請求項2】
前記プログラム可能な制御ユニットが、前記複数の異なる光源波長から1つまたは複数の光源を選択し、前記皮膚組織を照らす前記1つまたは複数の光源を活性化させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の光源が、300nm~1000nmの範囲内の波長を有するLED光源である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記皮膚組織が前記光軸上で照らされるように、前記チップがさらに、前記LED光源ための基板を含み、前記基板が、前記光軸の経路を対称に取り囲む複数のLED光源のためのプリント基板である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記チップが、前記アプリケータに着脱自在に接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
さらに、前記1つまたは複数のセンサまでの画像経路上に画像焦点光学素子を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記皮膚組織から反射された前記照明光のディストーションが補正されるように、前記1つまたは複数のセンサが、前記光軸経路に関して第一の角度で光学的に配置され、前記画像焦点要素が、前記光軸経路に対して第二の角度で光学的に配置される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記チップがさらに、第一の偏光で照明光の前記1つまたは複数の供給源からの前記照明光を偏光させるように構成された少なくとも1つの第一の偏光子を含み;
前記アプリケータがさらに、第二の偏光において前記皮膚組織から前記1つまたは複数のセンサに反射された前記照明光を偏光させるように構成された少なくとも1つの第二の偏光子を含み、
前記第二の偏光が、前記第一の偏光に直交する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記アプリケータがさらに、前記アプリケータが前記皮膚組織と接触すると前記皮膚組織を平坦化するように構成されたフレームを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
処置光の前記供給源が、ファイバレーザ供給源、ソリッドステートレーザ供給源、およびLED光源の1つまたは複数から選択される、請求項1に記載の装置。
【国際調査報告】