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特表2024-501991低屈折力インナーフォーカスレンズユニットおよびその光学系
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】低屈折力インナーフォーカスレンズユニットおよびその光学系
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/10 20060101AFI20240110BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20240110BHJP
   G02B 13/00 20060101ALN20240110BHJP
【FI】
G02B15/10
G02B13/18
G02B13/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539362
(86)(22)【出願日】2021-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-06-27
(86)【国際出願番号】 CN2021079130
(87)【国際公開番号】W WO2022183447
(87)【国際公開日】2022-09-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 泰英
(72)【発明者】
【氏名】松井 拓未
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087LA01
2H087LA30
2H087MA07
2H087MA08
2H087MA09
2H087PA03
2H087PA04
2H087PA05
2H087PA07
2H087PA08
2H087PA17
2H087PB03
2H087PB04
2H087PB05
2H087PB07
2H087PB08
2H087QA02
2H087QA06
2H087QA07
2H087QA12
2H087QA14
2H087QA17
2H087QA21
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA26
2H087QA32
2H087QA37
2H087QA39
2H087QA41
2H087QA42
2H087QA45
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA34
2H087RA42
2H087RA44
(57)【要約】
本開示は、撮像レンズと組み合わされるインナーフォーカスレンズユニットであって、少なくとも1つの正レンズ群および少なくとも1つの負レンズ群を備え、撮像レンズは個々のレンズとして使用されることが可能であり、ユニットインナーフォーカスレンズユニットは、無限遠から最短物体距離(MOD)にフォーカスするときにより近い物体距離にフォーカスするように負レンズ群を撮像面に向かって移動させ、その逆も同様とすることによって、フォーカシング機能を提供し、撮像レンズと画像センサ表面との間のフランジバック内に配置されるインナーフォーカスレンズユニットに関する。撮像レンズの良好な光学性能は、撮像レンズと画像センサ表面との間のフランジバック内にインナーフォーカスレンズユニットを配置することによって実質的に影響を受けない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像レンズと組み合わされるインナーフォーカスレンズユニットであって、
少なくとも1つの正レンズ群および少なくとも1つの負レンズ群を備え、
前記撮像レンズは個々のレンズとして使用されることが可能であり、前記インナーフォーカスレンズユニットは、無限遠から最短物体距離(MOD)にフォーカスするときにより近い物体距離にフォーカスするように前記負レンズ群を撮像面に向かって移動させ、その逆も同様にすることによってフォーカス機能を提供し、前記撮像レンズと画像センサの表面との間のフランジバック内に配置される、インナーフォーカスレンズユニット。
【請求項2】
0.5≦|1-β|≦3.5、より好ましくは0.7≦|1-β|≦3.0
の関係が満たされ、
βは前記インナーフォーカスレンズユニットの前記負レンズ群の倍率である、請求項1に記載のインナーフォーカスレンズユニット。
【請求項3】
|Ff|/IMH≧10、より好ましくは|Ff|/IMH≧17
の関係が満たされ、
Ffは前記インナーフォーカスレンズユニットの焦点距離であり、IMHは前記画像センサの半対角長である、請求項1または2に記載のインナーフォーカスレンズユニット。
【請求項4】
|Ff/Fmain|≦0.55、より好ましくは|Ff/Fmain|≦0.4
の関係が満たされ、
Ffは前記インナーフォーカスレンズユニットの焦点距離であり、Fmainは組み合わされる前記撮像レンズの前記焦点距離である、請求項1から3のいずれか一項に記載のインナーフォーカスレンズユニット。
【請求項5】
Dmin/φmax<0.2、より好ましくはDmin/φmax<0.1
の関係が満たされ、
Dminは、INFレンズ位置における前記インナーフォーカスレンズユニットの異なるレンズ群間で対向するレンズ表面の間の距離であり、φmaxは、前記インナーフォーカスレンズユニットのうちの最大光学有効径である、請求項1から4のいずれか一項に記載のインナーフォーカスレンズユニット。
【請求項6】
前記インナーフォーカスレンズユニットの異なるレンズ群間で対向するレンズ表面は、実質的に対応する表面形状を有し、
0.5<abs[Sob(h)/Sim(h)]<2.0、より好ましくは0.5<abs[Sob(h)/Sim(h)]<1.8、さらに好ましくは0.6<abs[Sob(h)/Sim(h)]<1.7
の関係が満たされ、
Sob(h)は、レンズ径高さhによって定義される前記対向するレンズ表面の物体側の表面の表面形状であり、Sim(h)は、前記対向するレンズ表面の像面側の表面形状である、請求項1から5のいずれか一項に記載のインナーフォーカスレンズユニット。
【請求項7】
0.5<Rob/Rim<2.0
の関係が満たされ、
前記インナーフォーカスレンズユニットの異なるレンズ群間で対向するレンズ表面は、実質的に対応する表面形状を有し、前記対向するレンズ表面の物体側の前記表面の半径はRobであり、前記対向するレンズ表面の像側の前記表面の半径はRimである、請求項1から6のいずれか一項に記載のインナーフォーカスレンズユニット。
【請求項8】
低屈折インナーフォーカスレンズシステムであって、
主撮像レンズと、
インナーフォーカスレンズユニットと、
を備え、
前記主撮像レンズは個々のレンズユニットとして使用されることが可能であり、前記インナーフォーカスレンズユニットは、少なくとも1つの正レンズ群および少なくとも1つの負レンズ群を備え、前記インナーフォーカスレンズユニットは、無限遠から短い焦点距離にフォーカスするときに短距離物体にフォーカスするように前記負レンズ群を撮像面に向かって移動させ、その逆も同様とすることによってフォーカス機能に前記主撮像レンズを提供し、前記主撮像レンズと画像センサの表面との間のフランジバック内にある、低屈折インナーフォーカスレンズシステム。
【請求項9】
0.5≦|1-β|≦3.5、より好ましくは0.7≦|1-β|≦3.0
の関係が満たされ、
βは前記インナーフォーカスレンズユニットの前記負レンズ群の倍率である、請求項8に記載の低屈折インナーフォーカスレンズシステム。
【請求項10】
|Ff|/IMH≧10、より好ましくは|Ff|/IMH≧17
の関係が満たされ、
Ffは前記インナーフォーカスレンズユニットの焦点距離であり、IMHは前記画像センサの半対角長である、請求項8または9に記載の低屈折インナーフォーカスレンズシステム。
【請求項11】
|Ff/Fmain|≦0.55、より好ましくは|Ff/Fmain|≦0.4
の関係が満たされ、
Ffは前記インナーフォーカスレンズユニットの前記焦点距離であり、Fmainは組み合わされる前記撮像レンズの前記焦点距離である、請求項8から10のいずれか一項に記載の低屈折インナーフォーカスレンズシステム。
【請求項12】
Dmin/φmax<0.2、より好ましくはDmin/φmax<0.1
の関係が満たされ、
Dminは、INFレンズ位置における前記インナーフォーカスレンズユニットの異なるレンズ群間で対向するレンズ表面間の距離であり、φmaxは、前記インナーフォーカスレンズユニットのうちの最大光学有効径である、請求項8から11のいずれか一項に記載の低屈折インナーフォーカスレンズシステム。
【請求項13】
0.5<abs[Sob(h)/Sim(h)]<2.0、より好ましくは0.5<abs[Sob(h)/Sim(h)]<1.8、さらに好ましくは0.6<abs[Sob(h)/Sim(h)]<1.7
の関係が満たされ、
Sob(h)は、レンズ径高さhによって定義される前記対向するレンズ表面の物体側の表面の表面形状であり、Sim(h)は、前記対向するレンズ表面の像面側の表面形状である、請求項8から12のいずれか一項に記載の低屈折インナーフォーカスレンズシステム。
【請求項14】
0.5<Rob/Rim<2.0
の関係が満たされ、
前記インナーフォーカスレンズユニットの異なるレンズ群間で対向するレンズ表面は、実質的に対応する表面形状を有し、前記対向するレンズ表面の物体側の前記表面の半径はRobであり、前記対向するレンズ表面の像側の前記表面の半径はRimである、請求項8から13のいずれか一項に記載の低屈折インナーフォーカスレンズシステム。
【請求項15】
カメラであって、
請求項8から14のいずれか一項に記載の低屈折インナーフォーカスレンズシステムと、
画像センサと、
を備え、
前記低屈折インナーフォーカスレンズシステムは、前記画像センサに画像を投影するように構成され、前記画像センサは、前記画像をデジタル画像データに変換するように構成されている、カメラ。
【請求項16】
端末であって、
請求項15に記載の少なくとも1つのカメラおよびグラフィック処理ユニット(GPU)を備え、
前記GPUは、前記デジタル画像データを受信および処理するために前記少なくとも1つのカメラと接続されている、端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は光学系に関し、より具体的には、カメラ用のフォーカシングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に知られ、レンズをフォーカスするために使用される、いくつかのタイプのフォーカシング方法がある。これらの方法の中でも、2つの主要な方法は、望遠レンズをフォーカスさせることが一般に知られている。2つの方法のうちの1つは、レンズ群全体を移動させてフォーカスする「全体繰り出し」タイプである。この方法では、レンズの全長(TTL)が変化する。もう1つの方法は、TTLを変更することなくフォーカスするためにレンズシステムの内部で1つ以上のレンズ群を移動させる「インナーフォーカス」タイプである。「全体繰り出し」タイプは一般に、単純な構造および優れた生産性の利点のために携帯電話およびタブレットなどのモバイルデバイスに使用されるが、インナーフォーカスシステムは、固定TTLの利点のためにスチルカメラまたはビデオカメラにしばしば使用される。一方、インナーフォーカスシステムは、光学部品の一部はレンズシステムなどの中で移動されなければならないので、より複雑な機械的および光学的構造を必要とする。そのため、製品精度が光学性能の影響を増大させるので、より高精度な製造技術の必要性により、大量生産はより困難になる。
【0003】
したがって、固定TTLの利点のために、携帯電話およびタブレットなどのモバイルデバイスに使用されるインナーフォーカスレンズの必要性が常にあった。しかしながら、モバイルデバイス上のインナーフォーカスレンズの導入は、アセンブリおよび構造の複雑さのために躊躇されてきた。
【0004】
「全体繰り出し」タイプでは、光学部品全体が移動されるため、フォーカシングは光学性能にあまり影響を与えず、これは大量生産を容易にする。しかしながら、これらの方法は、そのTTLが変化するため、特に一般に光学部品全体のストロークがさらに長く、広角レンズと比較して長い焦点距離を必要とする望遠レンズでは、小型化に好ましくない。フォーカスストロークはその焦点距離と相関しており、望遠レンズは、無限遠(INF)から最短物体距離(MOD)にフォーカスさせるために、より長いフォーカスストロークでレンズを拡張しなければならない。したがって、モバイルデバイス用の小型カメラに「全体繰り出し」タイプを適用することは、特に望遠レンズには好ましくない。加えて、「全体繰り出し」タイプは、近くのポイントにある被写体にフォーカスするときに繰り出し量が非常に大きくなるという点で、別の問題を有する。加えて、フォーカシング装置を含むレンズシステム全体を組み立てて検査する必要があり、これは量産性に問題を課す。
【0005】
例えば、従来技術で開示されたインナーフォーカスタイプのレンズの屈折力は高すぎて、量産性を向上させるために製造誤差感度を低下させることができず、その結果、フォーカスストロークが長くなりすぎる。
【0006】
従来技術で開示された集積構造を有する「全体繰り出し」光学系の場合、光学系は、より優れた量産性を有するが、フォーカス中にTTLが変化し、これは小型化を困難にする。特に近くのポイントにある被写体にフォーカスするときにTTLの拡張量を大きくするため、これは大きな問題である。
【0007】
したがって、単純な構造および高い生産性を必要とする、携帯電話およびタブレットなどのモバイルデバイス用の小型カメラに使用される望遠レンズのためのインナーフォーカスシステムの必要性がある。短いMODを有するインナーフォーカスシステムの必要性もあるが、これは、モバイルデバイスで使用されるとき、従来の「全体繰り出し」タイプのフォーカス機構ではコンパクトなサイズでこれを達成することは困難であった。
【0008】
本発明は、上述の欠点を緩和および/または排除する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示のフォーカスシステムの主な目的は、固定TTL、短いMODおよび高い生産性を提供するための、低屈折力インナーフォーカスレンズユニットおよびその光学系を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示による、フォーカスレンズユニットとも呼ばれる低屈折力インナーフォーカスレンズユニットは、光学ユニット全体として非常に低い屈折力を有し、少なくとも1つの正レンズ群および少なくとも1つの負レンズ群を備え、負レンズ群は、INFからMODにフォーカスするときに撮像面に向かって移動させ、その逆も同様にするように構成される。場合により、フォーカスレンズユニットの少なくとも1つの正レンズ群もまた、フォーカシング時に起こり得る収差の乱れを補償するために、物体側に向かって移動するように構成されてもよい。本発明による低屈折力インナーフォーカスレンズユニットは、光学系の主要なレンズユニットである撮像レンズと共に使用されることが可能であると想定される。主撮像レンズの光学性能を保持しながら、フォーカス機能に撮像レンズを提供するために、主撮像レンズと画像センサ表面との間のフランジバック内に本開示による低屈折力インナーフォーカスレンズユニットを挿入することにより、光学系にインナーフォーカス機能が提供される。
【0011】
本低屈折力インナーフォーカスレンズユニットの一態様によれば、フォーカシング中に移動するように構成された、フォーカスレンズユニットの負レンズ群の倍率がβであるとき、以下の関係を満たす。
(i)0.5≦|1-β|≦3.5、より好ましくは0.7≦|1-β|≦3.0
【0012】
これらの条件(i)を満たすことで、光学系を小型化するのに十分なほど小さくフォーカシングストロークの量を維持し、フォーカスレンズユニットを移動させる誤差感度が大きくなりすぎるのを防止するが、これは製造および大量生産において不利である。
【0013】
本低屈折力インナーフォーカスレンズユニットの一態様によれば、本フォーカスレンズユニットと共に使用される光学系の画像センサの半対角長がIMHであり、このフォーカスレンズユニットの焦点距離がFfであるとき、以下の関係を満たす。
(ii)|Ff|/IMH≧10、より好ましくは|Ff|/IMH≧17
【0014】
これらの条件(ii)を満たすことで、フォーカシングユニットの屈折力が、センササイズに関して不必要に大きくなるのを防止するが、これにより、小型化に不適切になり、主撮像レンズの性能に対する影響に起因して、製造誤差感度の低下および量産性の低下を引き起こす。
【0015】
本低屈折力インナーフォーカスレンズユニットの一態様によれば、組み合わされる主撮像レンズの焦点距離がFmainであり、このフォーカスレンズユニットの焦点距離がFfであるとき、以下の関係を満たす。
(iii)Ff/Fmain≦0.55、より好ましくはFf/Fmain≦0.4
【0016】
これらの条件(iii)を満たすことで、フォーカスレンズユニットの屈折力を過度に強化し、フォーカスレンズユニットが主撮像レンズと組み合わされたときの主撮像レンズの性能の著しい変化に起因するこの光学系の多用途性を低下させることによって生じる、製造性および量産性の低下を回避する。
【0017】
本低屈折力インナーフォーカスレンズユニットの一態様によれば、フォーカスレンズユニットのうちのレンズの最大光学有効径がφmaxであり、INFレンズ位置で互いに近づくフォーカスレンズユニットの異なるレンズ群間で対向するレンズ表面間の距離がDminであるとき、以下の関係を満たす。
(iv)Dmin/φmax<0.2、より好ましくはDmin/φmax<0.1
【0018】
これらの条件(iv)を満たすことで、主撮像レンズに対するフォーカスレンズユニットによる影響を、主撮像レンズの光学性能を保持できるほど小さく維持する。
【0019】
本低屈折力インナーフォーカスレンズユニットの一態様によれば、INFレンズ位置で互いに近づくフォーカスレンズユニットの異なるレンズ群間で対向するレンズ表面は、実質的に対応する表面形状を有する。対向するレンズ表面の物体側の表面の表面形状(SAG量)が、レンズ径高さhによって定義されるSob(h)であり、対向するレンズ表面の像面側の表面形状(SAG量)がSim(h)であるとき、これらは以下の関係を満たす。
(v)0.5<abs[Sob(h)/Sim(h)]<2.0、より好ましくは0.5<abs[Sob(h)/Sim(h)]<1.8、さらに好ましくは0.6<abs[Sob(h)/Sim(h)]<1.7
【0020】
本低屈折力インナーフォーカスレンズユニットの一態様によれば、上述の対向面の物体側の表面の半径はRobであり、上述の対向面の像側の表面の半径はRimであり、以下の関係を満たす。
(vi)0.5<Rob/Rim<2.0
【0021】
条件(v)および(vi)を満たすことで、上述の対向面の表面形状は、2つの表面が接近するときに低収差を有する単一のレンズユニットとしてこれらを近似させるには互いにあまりにも異なるため、主撮像レンズの光学仕様を維持することが困難になるのを回避する。
【0022】
第2の態様によれば、低屈折力インナーフォーカスレンズシステムが提供される。低屈折力インナーフォーカスレンズシステムは、本開示の低屈折力インナーフォーカスレンズユニットと、主撮像レンズとを備える。低屈折力インナーフォーカスレンズユニットが主撮像レンズにフォーカス機能を提供するので、主撮像レンズのレンズ素子はフォーカシングユニットなしで固定される。さらに、レンズ性能検査プロセスにおいて、フォーカスレンズユニットとは別に、主撮像レンズのみを用いて様々な検査が実行されることが可能であり、製造を容易にする。一方、このフォーカスレンズユニットでフォーカスすることにより、TTLを変更してレンズの全長を増大させることを回避することが可能である。全長が変化せず、MODが短いインナーフォーカス法を採用することが可能である。さらに、本発明によるフォーカスレンズユニットは、非常に低い屈折力を有するので、主撮像レンズの光学性能に対して非常に小さな影響を有することができる。したがって、これは製造誤差感度を非常に低いレベルに維持することができ、高い製造性および量産性の実現を可能にする。
【0023】
第3の態様によれば、カメラが提供される。カメラは、低屈折力インナーフォーカスレンズシステムと画像センサとを備える。低屈折力インナーフォーカスレンズシステム低屈折力インナーフォーカスレンズシステムは、画像データを搬送するために使用される光を画像センサに入力するように構成され、画像センサは、画像をデジタル画像データに変換するように構成されている。
【0024】
第4の態様によれば、端末が提供される。携帯電話およびタブレットなどの端末は、第3の態様で提供された少なくとも1つのカメラと、グラフィック処理ユニット(GPU)とを備える。GPUはカメラに接続されている。カメラは、画像データを取得して画像データをGPUに入力するように構成され、GPUは、カメラから受信した画像データを処理するように構成されている。
【0025】
本開示は、説明のみを目的として本開示による好適な実施形態を示す添付の図面と共に、以下の説明からより詳細に提示される。
【0026】
本開示は、その非限定的な実施形態の以下の詳細な説明から、および以下の添付の図面を検討することによって、より良く理解されることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1-1】INFレンズ位置における本開示の第1の実施形態による光学レンズシステムの断面図である。
図1-2】MODレンズ位置における本開示の第1の実施形態による光学レンズシステムの断面図である。
図1-3】本開示の第1の実施形態による、主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの球面収差の比較を示す図である。
図1-4】第1の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの非点湾曲収差の比較を示す図である。
図1-5】第1の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの歪みの比較を示す図である。
図2-1】無限遠レンズ位置における本開示の第2の実施形態による光学レンズシステムの断面図である。
図2-2】MODレンズ位置における本開示の第2の実施形態による光学レンズシステムの断面図である。
図2-3】本開示の第2の実施形態による、主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの球面収差の比較を示す図である。
図2-4】第2の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの非点湾曲収差の比較を示す図である。
図2-5】第2の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの歪みの比較を示す図である。
図3-1】無限遠レンズ位置における本開示の第3の実施形態による光学レンズシステムの断面図である。
図3-2】MODレンズ位置における本開示の第3の実施形態による光学レンズシステムの断面図である。
図3-3】本開示の第3の実施形態による、主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの球面収差の比較を示す図である。
図3-4】第3の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの非点湾曲収差の比較を示す図である。
図3-5】第3の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの歪みの比較を示す図である。
図4-1】無限遠レンズ位置における本開示の第4の実施形態による光学レンズシステムの断面図である。
図4-2】MODレンズ位置における本開示の第4の実施形態による光学レンズシステムの断面図である。
図4-3】本開示の第4の実施形態による、主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの球面収差の比較を示す図である。
図4-4】第4の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの非点湾曲収差の比較を示す図である。
図4-5】第4の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの歪みの比較を示す図である。
図5-1】無限遠レンズ位置における本開示の第5の実施形態による光学レンズシステムの断面図である。
図5-2】MODレンズ位置における本開示の第5の実施形態による光学レンズシステムの断面図である。
図5-3】本開示の第5の実施形態による、主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの球面収差の比較を示す図である。
図5-4】第5の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの非点湾曲収差の比較を示す図である。
図5-5】第5の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの歪みの比較を示す図である。
図6-1】無限遠レンズ位置における本開示の第6の実施形態による光学レンズシステムの断面図である。
図6-2】MODレンズ位置における本開示の第6の実施形態による光学レンズシステムの断面図である。
図6-3】本開示の第6の実施形態による、主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの球面収差の比較を示す図である。
図6-4】第6の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの非点湾曲収差の比較を示す図である。
図6-5】第6の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの歪みの比較を示す図である。
図7-1】無限遠レンズ位置における本開示の第7の実施形態による光学レンズシステムの断面図である。
図7-2】MODレンズ位置における本開示の第7の実施形態による光学レンズシステムの断面図である。
図7-3】本開示の第7の実施形態による、主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの球面収差の比較を示す図である。
図7-4】第7の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの非点湾曲収差の比較を示す図である。
図7-5】第7の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの歪みの比較を示す図である。
図8-1】無限遠レンズ位置における本開示の第8の実施形態による光学レンズシステムの断面図である。
図8-2】MODレンズ位置における本開示の第8の実施形態による光学レンズシステムの断面図である。
図8-3】本開示の第8の実施形態による、主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの球面収差の比較を示す図である。
図8-4】第8の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの非点湾曲収差の比較を示す図である。
図8-5】第8の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの歪みの比較を示す図である。
図9-1】無限遠レンズ位置における本開示の第9の実施形態による光学レンズシステムの断面図である。
図9-2】MODレンズ位置における本開示の第9の実施形態による光学レンズシステムの断面図である。
図9-3】本開示の第9の実施形態による、主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの球面収差の比較を示す図である。
図9-4】第9の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの非点湾曲収差の比較を示す図である。
図9-5】第9の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの歪みの比較を示す図である。
図10】本開示の一実装形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示の低屈折力インナーフォーカスレンズシステムの以下の実施形態は、図および光学データを参照して説明される。このレンズシステムは、携帯電話およびタブレットなどのモバイルデバイス用の小型カメラに適用され得る。加えて、本光学系は、主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとを備える。以下の実施形態は、それ自体が良好な光学性能を有する主撮像レンズと本開示のフォーカスレンズユニットとの組合せとして説明される。しかしながら、フォーカシングユニットは非常に低い屈折力を有し、フォーカス機能に主撮像レンズを提供するために主撮像レンズと画像センサ表面との間のフランジバック内にフォーカシングユニットが挿入されるときに主撮像レンズの光学性能に影響を及ぼさないため、フォーカシングユニットは、様々な一般的な主撮像レンズと共に使用されることが可能である。
【0029】
したがって、主要なレンズユニットおよびフォーカスレンズユニットは、別々に検査されて生産性を向上させることができる。低屈折力インナーフォーカスレンズシステムは、学設計者が主撮像レンズを選択または設計することを容易にする。
【0030】
低屈折力インナーフォーカスレンズシステムはまた、短い最短物体距離(MOD)および固定された層トラック長(TTL)を達成し、これらは特に携帯電話およびタブレットなどのモバイルデバイス用の小型カメラに使用される望遠レンズに適した特徴である。
【0031】
第1の実施形態
図1-1は、無限遠レンズ位置における本開示の第1の実施形態による光学レンズシステムの断面図を示す。主撮像レンズは、レンズ素子ML1、ML2、ML3、およびML4を備え、フォーカスレンズユニットは、レンズ素子FL1、FL2、およびFL3を備える。本実施形態のフォーカスレンズユニットでは、第1の正レンズ群はFL1からなり、第2の負レンズ群はFL2およびFL3からなる。
【0032】
図1-2は、MODレンズ位置における本開示の第1の実施形態による光学レンズシステムの断面図を示す。FL1とFL2との間で対向するレンズ表面は、実質的に対応する表面形状を有する。
【0033】
図1-1および図1-2は、フォーカスレンズユニットのレンズ素子FL2およびFL3のみが、より近い物体距離にフォーカスするように像側に向かって、およびより遠い物体距離にフォーカスするように物体側に向かって一緒に移動されることを示す。したがって、フォーカス機構は、より容易に設計され得る。
【0034】
表1-1は、光学表面の各々の曲率半径(r)および厚さまたは間隔(d)、ならびに第1の実施形態の低屈折力インナーフォーカスレンズシステムのレンズ素子の各々の屈折率(N)、アッベ数(v)、および有効径(φ)を示す。「停止」という用語は、虹彩面を表す。
【0035】
【表1】
【0036】
表1-2は、低屈折インナーフォーカスレンズシステムの光学表面の非球面係数を示し、数字2、4、...、10は高次非球面係数を表す。非球面プロファイルの式は、以下のように表される。
【数1】
ここで、
X:非球面頂点での接平面に対する光軸からの距離Yにおける非球面上の点の高さ
Y:非球面の曲線上の点から光軸までの距離
k:円錐係数
Ai:次数iの非球面係数。
【表2】
【0037】
図1-3は、本開示の第1の実施形態による、主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの球面収差の比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの収差がほとんど影響を受けないことを示す。
【0038】
図1-4は、第1の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの非点湾曲収差の比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの非点湾曲収差ほとんど影響を受けないことを示す。
【0039】
図1-5は、第1の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの歪みの比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの歪みがほとんど影響を受けないことを示す。
【0040】
第2の実施形態
図2-1は、無限遠レンズ位置における本開示の第2の実施形態による光学レンズシステムの断面図を示す。主撮像レンズは、レンズ素子ML1、ML2、ML3、ML4、およびML5を備え、フォーカシングユニットは、レンズ素子FL1、FL2、およびFL3を備える。本実施形態のフォーカスレンズユニットでは、第1の正レンズ群はFL1およびFL2からなり、第2の負レンズ群はFL3からなる。
【0041】
図2-2は、MODレンズ位置における本開示の第2の実施形態による光学レンズシステムの断面図を示すFL2とFL3との間で対向するレンズ表面は、実質的に対応する表面形状を有する。
【0042】
図2-1および図2-2は、フォーカスレンズユニットのレンズ素子FL3のみが、より短い焦点距離にフォーカスするように像側に向かって、および無限遠の焦点距離にフォーカスするように物体側に向かって移動されることを示す。したがって、フォーカス機構は、より容易に設計され得る。
【0043】
表2-1は、光学表面の各々の曲率半径(r)および厚さまたは間隔(d)、ならびに第2の実施形態の低屈折力インナーフォーカスレンズシステムのレンズ素子の各々の屈折率(N)、アッベ数(v)、および有効径(φ)を示す。
【0044】
【表3】
【0045】
表2-2は、低屈折インナーフォーカスレンズシステムの光学表面の非球面係数を示し、数字2、4、...、10は高次非球面係数を表す。
【0046】
【表4】
【0047】
図2-3は、本開示の第2の実施形態による、主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの球面収差の比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの収差がほとんど影響を受けないことを示す。
【0048】
図2-4は、第2の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの非点湾曲収差の比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの非点湾曲収差ほとんど影響を受けないことを示す。
【0049】
図2-5は、第2の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの歪みの比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの歪みがほとんど影響を受けないことを示す。
【0050】
第3の実施形態
図3-1は、無限遠レンズ位置における本開示の第3の実施形態による光学レンズシステムの断面図を示す。主撮像レンズは、レンズ素子ML1、ML2、ML3、ML4、およびML5を備え、フォーカシングユニットは、レンズ素子FL1、FL2、およびFL3を備える。本実施形態のフォーカスレンズユニットでは、第1の正レンズ群はFL1およびFL2からなり、第2の負レンズ群はFL3からなる。
【0051】
図3-2は、MODレンズ位置における本開示の第3の実施形態による光学レンズシステムの断面図を示す。FL2とFL3との間で対向するレンズ表面は、実質的に対応する表面形状を有する。
【0052】
図3-1および図3-2は、フォーカスレンズユニットのレンズ素子FL3のみが、より短い焦点距離にフォーカスするように像側に向かって、および無限遠の焦点距離にフォーカスするように物体側に向かって移動されることを示す。したがって、フォーカス機構は、より容易に設計され得る。
【0053】
表3-1は、光学表面の各々の曲率半径(r)および厚さまたは間隔(d)、ならびに第3の実施形態の低屈折力インナーフォーカスレンズシステムのレンズ素子の各々の屈折率(N)、アッベ数(v)、および有効径(φ)を示す。
【0054】
【表5】
【0055】
表3-2は、低偏向インナーフォーカスシステムの光学表面の非球面係数を示し、数字2、4、...、10は高次非球面係数を表す。
【0056】
【表6】
【0057】
図3-3は、本開示の第3の実施形態による、主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの球面収差の比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの収差がほとんど影響を受けないことを示す。
【0058】
図3-4は、第3の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの非点湾曲収差の比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの非点湾曲収差ほとんど影響を受けないことを示す。
【0059】
図3-5は、第3の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの歪みの比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの歪みがほとんど影響を受けないことを示す。
【0060】
第4の実施形態
図4-1は、無限遠レンズ位置における本開示の第4の実施形態による光学レンズシステムの断面図を示す。主撮像レンズは、レンズ素子ML1、ML2、ML3、およびML4を備え、フォーカシングユニットは、レンズ素子FL1、FL2、およびFL3を備える。本実施形態のフォーカスレンズユニットでは、第1の正レンズ群はFL1およびFL2からなり、第2の負レンズ群はFL3からなる。
【0061】
図4-2は、MODレンズ位置における本開示の第4の実施形態による光学レンズシステムの断面図を示す。FL2とFL3との間で対向するレンズ表面は、実質的に対応する表面形状を有する。
【0062】
図4-1および図4-2は、フォーカスレンズユニットのレンズ素子FL3のみが、より短い焦点距離にフォーカスするように像側に向かって、および無限遠の焦点距離にフォーカスするように物体側に向かって移動されることを示す。したがって、フォーカス機構は、より容易に設計され得る。
【0063】
表4-1は、光学表面の各々の曲率半径(r)および厚さまたは間隔(d)、ならびに第4の実施形態の低屈折力インナーフォーカスレンズシステムのレンズ素子の各々の屈折率(N)、アッベ数(v)、および有効径(φ)を示す。
【0064】
【表7】
【0065】
表4-2は、低屈折力インナーフォーカスレンズシステムの光学表面の非球面係数を示し、数字2、4、...、10は高次非球面係数を表す。
【0066】
【表8】
【0067】
図4-3は、本開示の第4の実施形態による、主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの球面収差の比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの収差がほとんど影響を受けないことを示す。
【0068】
図4-4は、第4の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの非点湾曲収差の比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの非点湾曲収差ほとんど影響を受けないことを示す。
【0069】
図4-5は、第4の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの歪みの比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの歪みがほとんど影響を受けないことを示す。
【0070】
第5の実施形態
図5-1は、無限遠レンズ位置における本開示の第5の実施形態による光学レンズシステムの断面図を示す。主撮像レンズは、レンズ素子ML1、ML2、ML3、およびML4を備え、フォーカシングユニットは、レンズ素子FL1、FL2、およびFL3を備える。本実施形態のフォーカスレンズユニットでは、第1の正レンズ群はFL1からなり、第2の負レンズ群はFL2およびFL3からなり、第3の正レンズ群はFL3からなる。
【0071】
図5-2は、MODレンズ位置における本開示の第5の実施形態による光学レンズシステムの断面図を示す。FL1とFL2との間で対向するレンズ表面は、実質的に対応する表面形状を有する。
【0072】
図5-1および図5-2は、フォーカスレンズユニットのレンズ素子FL2のみが、より短い焦点距離にフォーカスするように像側に向かって、および無限遠の焦点距離にフォーカスするように物体側に向かって移動されることを示す。したがって、フォーカス機構は、より容易に設計され得る。
【0073】
表5-1は、光学表面の各々の曲率半径(r)および厚さまたは間隔(d)、ならびに第5の実施形態の低屈折力インナーフォーカスレンズシステムのレンズ素子の各々の屈折率(N)、アッベ数(v)、および有効径(φ)を示す。
【0074】
【表9】
【0075】
表5-2は、低屈折力インナーフォーカスレンズシステムの光学表面の非球面係数を示し、数字2、4、...、10は高次非球面係数を表す。
【0076】
【表10】
【0077】
図5-3は、本開示の第5の実施形態による、主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの球面収差の比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの収差がほとんど影響を受けないことを示す。
【0078】
図5-4は、第5の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの非点湾曲収差の比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの非点湾曲収差ほとんど影響を受けないことを示す。
【0079】
図5-5は、第5の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの歪みの比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの歪みがほとんど影響を受けないことを示す。
【0080】
第6の実施形態
図6-1は、無限遠レンズ位置における本開示の第6の実施形態による光学レンズシステムの断面図を示す。主撮像レンズは、レンズ素子ML1、ML2、ML3、およびML4を備え、フォーカシングユニットは、レンズ素子FL1、FL2、およびFL3を備える。本実施形態のフォーカスレンズユニットでは、第1の正レンズ群はFL1からなり、第2の負レンズ群はFL2およびFL3からなる。
【0081】
図6-2は、MODレンズ位置における本開示の第6の実施形態による光学レンズシステムの断面図を示す。FL1とFL2との間で対向するレンズ表面は、実質的に対応する表面形状を有する。
【0082】
図6-1および図6-2は、フォーカスレンズユニットのレンズ素子FL2およびFL3のみが、より短い焦点距離にフォーカスするように像側に向かって、および無限遠の焦点距離にフォーカスするように物体側に向かって移動されることを示す。したがって、フォーカス機構は、より容易に設計され得る。
【0083】
表6-1は、光学表面の各々の曲率半径(r)および厚さまたは間隔(d)、ならびに第6の実施形態の低屈折力インナーフォーカスレンズシステムのレンズ素子の各々の屈折率(N)、アッベ数(v)、および有効径(φ)を示す。
【0084】
【表11】
【0085】
表6-2は、低屈折力インナーフォーカスレンズシステムの光学表面の非球面係数を示し、数字2、4、...、10は高次非球面係数を表す。
【0086】
【表12】
【0087】
図6-3は、本開示の第6の実施形態による、主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの球面収差の比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの収差がほとんど影響を受けないことを示す。
【0088】
図6-4は、第6の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの非点湾曲収差の比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの非点湾曲収差ほとんど影響を受けないことを示す。
【0089】
図6-5は、第6の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの歪みの比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの歪みがほとんど影響を受けないことを示す。
【0090】
第7の実施形態
図7-1は、無限遠レンズ位置における本開示の第7の実施形態による光学レンズシステムの断面図を示す。主撮像レンズは、レンズ素子ML1、ML2、ML3、ML4、およびML5を備え、フォーカシングユニットは、レンズ素子FL1、FL2、およびFL3を備える。本実施形態のフォーカスレンズユニットでは、第1の正レンズ群はFL1からなり、第2の負レンズ群はFL2およびFL3からなり、第3の負レンズ群はFL3からなる。
【0091】
図7-2は、MODレンズ位置における本開示の第7の実施形態による光学レンズシステムの断面図を示す。FL1とFL2との間で対向するレンズ表面は、実質的に対応する表面形状を有する。
【0092】
図7-1および図7-2は、フォーカスレンズユニットのレンズ素子FL1のみが、より短い焦点距離にフォーカスするように像側に向かって、および無限遠の焦点距離にフォーカスするように物体側に向かって移動されることを示す。したがって、フォーカス機構は、より容易に設計され得る。
【0093】
表7-1は、光学表面の各々の曲率半径(r)および厚さまたは間隔(d)、ならびに第7の実施形態の低屈折力インナーフォーカスレンズシステムのレンズ素子の各々の屈折率(N)、アッベ数(v)、および有効径(φ)を示す。
【0094】
【表13】
【0095】
表7-2は、低屈折力インナーフォーカスレンズシステムの光学表面の非球面係数を示し、数字2、4、...、10は高次非球面係数を表す。
【0096】
【表14】
【0097】
図7-3は、本開示の第7の実施形態による、主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの球面収差の比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの収差がほとんど影響を受けないことを示す。
【0098】
図7-4は、第7の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの非点湾曲収差の比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの非点湾曲収差ほとんど影響を受けないことを示す。
【0099】
図7-5は、第7の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの歪みの比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの歪みがほとんど影響を受けないことを示す。
【0100】
第8の実施形態
図8-1は、無限遠レンズ位置における本開示の第8の実施形態による光学レンズシステムの断面図を示す。主撮像レンズは、レンズ素子ML1、ML2、ML3、ML4、およびML5を備え、フォーカシングユニットは、レンズ素子FL1、FL2、およびFL3を備える。本実施形態のフォーカスレンズユニットでは、第1の正レンズ群はFL1およびFL2からなり、第2の負レンズ群はFL3からなる。
【0101】
図8-2は、MODレンズ位置における本開示の第8の実施形態による光学レンズシステムの断面図を示す。FL2とFL3との間で対向するレンズ表面は、実質的に対応する表面形状を有する。
【0102】
図8-1および図8-2は、フォーカスレンズユニットのレンズ素子FL2のみが、より短い焦点距離にフォーカスするように像側に向かって、および無限遠の焦点距離にフォーカスするように物体側に向かって移動されることを示す。したがって、フォーカス機構は、より容易に設計され得る。
【0103】
表8-1は、光学表面の各々の曲率半径(r)および厚さまたは間隔(d)、ならびに第8の実施形態の低屈折力インナーフォーカスレンズシステムのレンズ素子の各々の屈折率(N)、アッベ数(v)、および有効径(φ)を示す。
【0104】
【表15】
【0105】
表8-2は、低屈折力インナーフォーカスレンズシステムの光学表面の非球面係数を示し、数字2、4、...、10は高次非球面係数を表す。
【0106】
【表16】
【0107】
図8-3は、本開示の第8の実施形態による、主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの球面収差の比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの収差がほとんど影響を受けないことを示す。
【0108】
図8-4は、第8の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの非点湾曲収差の比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの非点湾曲収差ほとんど影響を受けないことを示す。
【0109】
図8-5は、第8の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの歪みの比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの歪みがほとんど影響を受けないことを示す。
【0110】
第9の実施形態
図9-1は、無限遠レンズ位置における本開示の第9の実施形態による光学レンズシステムの断面図を示す。主撮像レンズは、レンズ素子ML1、ML2、ML3、およびML4を備え、フォーカシングユニットは、レンズ素子FL1、FL2、FL3、およびFL4を備える。本実施形態のフォーカスレンズユニットでは、第1の正レンズ群はFL1からなり、第2の負レンズ群はFL2およびFL3からなり、第3の正レンズ群はFL3からなり、第4の負レンズ群はFL4からなる。
【0111】
図9-2は、MODレンズ位置における本開示の第9の実施形態による光学レンズシステムの断面図を示す。FL1とFL2との間で対向するレンズ表面は、実質的に対応する表面形状を有する。また、FL3とFL4との間で対向するレンズ表面は、実質的に対応する表面形状を有する。
【0112】
図9-1および図9-2は、フォーカスレンズユニットのレンズ素子FL2およびFL3のみが、より短い焦点距離または無限遠の焦点距離にフォーカスするように反対方向に移動されることを示す。したがって、フォーカス機構は、より容易に設計され得る。
【0113】
表9-1は、光学表面の各々の曲率半径(r)および厚さまたは間隔(d)、ならびに第9の実施形態の低屈折力インナーフォーカスレンズシステムのレンズ素子の各々の屈折率(N)、アッベ数(v)、および有効径(φ)を示す。
【0114】
【表17】
【0115】
表9-2は、低屈折力インナーフォーカスレンズシステムの光学表面の非球面係数を示し、数字2、4、...、10は高次非球面係数を表す。
【0116】
【表18】
【0117】
図9-3は、本開示の第9の実施形態による、主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの球面収差の比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの収差がほとんど影響を受けないことを示す。
【0118】
図9-4は、第9の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの非点湾曲収差の比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの非点湾曲収差ほとんど影響を受けないことを示す。
【0119】
図9-5は、第9の実施形態による本開示の主撮像レンズおよび主撮像レンズとフォーカスレンズユニットとの組合せの歪みの比較を示す。比較は、フォーカスレンズユニットを追加することによって主撮像レンズのみの歪みがほとんど影響を受けないことを示す。
【0120】
光学データに示されるように、本開示による低屈折力インナーフォーカスレンズシステムには、主撮像レンズおよびフォーカシングユニットが配置され、これらは互いに独立して検査され得る。フォーカス機構が非常に単純化され得るように、TTLを変更することなくレンズシステムをフォーカスさせるために、フォーカスレンズユニットの1つのレンズまたは1対のレンズのみが移動される。加えて、フォーカスレンズユニットは、主撮像レンズの性能に影響を及ぼさない。言い換えると、フォーカスレンズユニットは、主撮像レンズの画質の劣化を伴わずに、様々な主撮像レンズに焦点調整機能を提供することができる。本発明に記載される、フォーカスレンズユニットとも呼ばれる低屈折力インナーフォーカスレンズユニットは、非常に低い屈折力を有し、少なくとも1つの正レンズ群および少なくとも1つの負レンズ群を備え、負レンズ群は、無限遠からMODにフォーカスするときにより近い物体距離にフォーカスするように撮像面に向かって移動し、その逆も同様である。上述の利点は、以下の関係を満たすときに達成される。
(i):0.5≦|1-β|≦3.5
ここで、βはフォーカスレンズユニットの負レンズ群の倍率であり、
(ii):|Ff|/IMH≧10
ここで、Ffはこのフォーカスレンズユニットの焦点距離であり、IMHは画像センサの半対角長である。
(iii):|Ff/Fmain|≦0.55
ここで、Fmainは組み合わされる主撮像レンズの焦点距離である。
(iv):Dmin/φmax<0.2
ここで、Dminは、フォーカスレンズユニットの異なるレンズ群間で対向するレンズ表面間の距離であり、これはINFレンズ位置で互いに近づき、φmaxは、フォーカスレンズユニットのうちのレンズの最大光学有効径である。
(v):0.5<abs[Sob(h)/Sim(h)]<2.0
ここで、INFレンズ位置で互いに近づく、フォーカスレンズユニットの異なるレンズ群間で対向するレンズ表面は、実質的に対応する表面形状を有し、Sob(h)が、レンズ径高さhによって定義される対向するレンズ表面の物体側の表面の表面形状(SAG量)であり、Sim(h)が対向面の像面側の表面形状(SAG量)であるとき。
(vi):0.5<Rob/Rim<2.0
ここで、Robは上述の対向するレンズ表面の物体側の表面の半径であり、Rimは上述の対向するレンズ表面の像側の表面の半径である。
【0121】
条件(i)は、光学系を小型化するのに十分なほど小さくフォーカスストロークの量を維持し、フォーカスレンズユニットを移動させる誤差感度が大きくなりすぎるのを回避するが、これは製造および大量生産において不利である。この観点から、以下の範囲がより好ましい。
(i)-2:0.7≦|1-β|≦3.0
【0122】
条件(ii)は、フォーカシングユニットの屈折力が、センササイズに関して不必要に大きくなり、これによって小型化に不適切になり、主撮像レンズの性能に対する影響に起因して、製造誤差感度の低下および量産性の低下を引き起こす状況を回避する。この観点から、以下の範囲がより好ましい。
(ii)-2:Preferably,|Ff|/IMH≧17
【0123】
条件(iii)は、フォーカスレンズユニットの屈折力を過度に強化し、フォーカスレンズユニットが主撮像レンズと組み合わされたときの主撮像レンズの性能の著しい変化に起因するこの光学系の多用途性を低下させることによって生じる、製造性および量産性の低下を回避する。この観点から、以下の範囲がより好ましい。
(iii)-2:|Ff/Fmain|≦0.4
【0124】
条件(iv)は、主撮像レンズに対するフォーカスレンズユニットによる影響を、主撮像レンズの光学性能を保持できるほど小さく維持する。この観点から、以下の範囲がより好ましい。
(iv)-2:Dmin/φmax<0.1
【0125】
条件(v)は、対向するレンズ表面が互いに十分に近い状況を維持する。条件(v)は、対向するレンズ表面が互いに十分に近い状況を維持する。INFレンズ位置で互いに近づくフォーカスレンズユニットの異なるレンズ群間で対向するレンズ表面が、2つの表面が接近するときに低収差を有する単一のレンズユニットとしてこれらを近似させるには互いにあまりにも異なるとき、主撮像レンズの光学性能を維持することが困難になる。この観点から、以下の範囲がより好ましい。
(v)-2:0.5<abs[Sob(h)/Sim(h)]<1.8、もしくは
(v)-3:0.6<abs[Sob(h)/Sim(h)]<1.7
【0126】
本発明の低屈折力インナーフォーカスレンズユニットでは、主撮像レンズは、フォーカス光学機能を有する必要がなく、コンパクトな設計および安価な大量生産を可能にする。さらに、レンズ性能検査プロセスにおいて、フォーカスレンズユニットとは別に、主レンズのみを用いて様々な検査が実行されることが可能であり、製造を容易にする。一方、このフォーカスレンズユニットでフォーカスすることにより、TTLを変更してレンズの全長を増大させることを回避することが可能である。全長が変化せず、MODが短いインナーフォーカス法を採用することが可能である。さらに、本発明によるフォーカスレンズユニットは、非常に低い屈折力を有するので、主撮像レンズの光学性能に対して非常に小さな影響を有することができる。したがって、これは製造誤差感度を非常に低いレベルに維持することができ、高い製造性および量産性の実現を可能にする。
【0127】
さらに、カメラが提供される。本開示のカメラは、本開示の低屈折インナーフォーカスレンズシステムと、画像センサとを備える。低屈折インナーフォーカスレンズシステムは、画像センサに画像を投影するために使用される光を入力するように構成され、画像センサは、画像をデジタル画像データに変換するように構成されている。カメラは固定TTLを有し、これはモバイルデバイスへの実装に好ましい。
【0128】
図10は、本開示に開示される端末1000を示す。端末1000は、上記実装形態で提供されたカメラ100と、グラフィック処理ユニット(GPU)200とを備える。カメラ100は、本開示の低屈折インナーフォーカスレンズシステムを通じて画像をデジタル画像データに変換し、デジタル画像データをGPU200に入力するように構成され、GPU200は、カメラから受信した画像データを処理するように構成されている。
【0129】
図10では、端末1000は、2つのカメラ100を備える。しかしながら、端末は、単一のカメラまたは2つ以上のカメラを備えてもよく、これ(ら)は少なくとも1つのGPU200に接続され得る。カメラ100は、高い画質、固定TTL、および高い生産性のため、携帯電話カメラなどの高解像度モバイルデバイスカメラとして適用されることが可能である。
【0130】
当業者であれば、固定TTLを有する大量生産インナーフォーカスレンズシステムにおいて高い生産性を有することは困難であることを理解するだろう。本開示は、上述の関係を満たすことによって、これらの二重の要件を満たす。
【0131】
本開示において、「低屈折力」という用途は、関係|Ff/Fmain|≦0.55を満たすものとして理解されるべきであり、ここで、Ffはインナーフォーカスレンズユニットの焦点距離であり、Fmainは、組み合わされる主撮像レンズの焦点距離である。
【0132】
本開示によるレンズシステムは、特に携帯電話カメラに適用され得るが、タブレット型デバイスおよびウェアラブルデバイスなどの任意のモバイルデバイス内のカメラにも適用されることが可能である。
【0133】
本開示の好適な実施形態は、説明目的のために開示されてきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に開示される本開示の範囲および要旨から逸脱することなく、様々な修正、追加、および置換が可能であることを理解するだろう。
【符号の説明】
【0134】
100 カメラ
200 グラフィック処理ユニット(GPU)
1000 端末
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図10
【国際調査報告】